大祓百鬼夜行③〜天象の塔
「あれが、百霊鎮守塔……」
雷を纏う桜の妖は、ようやく巡り合えた伴侶を呼ぶような声色でその塔の名を口にした。カクリヨファンタズムの最深層に通じる道を示すとされている、呪われた塔。
「いきましょう」
「ええ、いってあれを壊しましょう」
桜を背負う彼女らが集団で寄り集まると、まるでそこに桜の大木が現れたかのような満開の桜吹雪が天を覆った。
目指すは、塔の天辺。
「――そこには『百霊灯籠』が点灯し、最深部への道を示すと同時に竜神親分の力を抑えていると言われている」
麒・嵐(東方妖怪の冒険商人・f29276)は塔を模した地図の最上階を指差し、オブリビオンたちの目的を話した。
「いままさに、骸魂に憑依された妖怪たちが一斉に塔へ群がろうとしている。この塔ごと百霊灯籠を破壊してしまえば、竜神親分への道を閉ざせるとでも思っているのかもしれないね。けど、逆に言えば奴らをまとめて一網打尽にするチャンスでもある。みんなには塔を守りつつ、妖怪たちを倒してもらいたい」
鎮守塔にはその名に相応しく、さまざまな霊的防御装置が設置されている。
「そのうちのひとつが、自由自在に天候を操れる『天象盤』というものでね。晴天から雷雨、雪雹まで何でもござれ。もちろん、敵にダメージを与えることも可能だ。これをうまく利用すれば戦いを有利に運ぶことができるはず」
よろしく頼むよ、と彼は話を終えた。
戦場は幽世にそびえる堆き塔。
その天辺にはいまも、封印の灯籠が最深部への道を照らして静かに燃えている。
ツヅキ
プレイング受付期間:常時受付中。
タイミングや内容によっては他の参加者とまとめて判定される場合があります。
青丸が成功数に到達した時点でシステム的に締め切られますので、共同プレイングをかけられる場合(お相手の呼び名とID、もしくは団体名をプレイング冒頭に記載)はできるだけ同時にプレイングをお送りください。
●第1章 集団戦
『雷獣古桜』の集団が『百霊灯籠』と塔を破壊しようと襲いかかってきますので、迎撃してください。
霊的防御装置である『天象盤』を利用することで自在に天候を操ることができます。自分に有利な天候、あるいは敵にとって不利な天候にすることで戦いを有利に運ぶことができるかもしれません。
プレイングボーナス:霊的防衛装置を駆使して塔を守る。
第1章 集団戦
『雷獣古桜』
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POW : 桜の枝の先には、桜の樹の下には
【首吊り紐や短刀】で武装した【呪われた自決者】の幽霊をレベル×5体乗せた【妖怪桜】を召喚する。
SPD : 紫電一閃
自身の【雷光】が輝く間、【雷獣が変化した片刃剣】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ : 桜の癒やし・狂い花
【心地よい電流を帯びた桜の花吹雪】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全対象を眠らせる。また、睡眠中の対象は負傷が回復する。
👑11
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司・千尋
連携、アドリブ可
『百霊灯籠』と塔を守る、か…
言うのは簡単だけど数が多いし面倒だな
まぁ、やれるだけやってみるか
近接や投擲等の武器も使いつつ
攻撃は基本的には『空華乱墜』を使う
範囲内に敵が入ったら即発動
味方がいる場合は当てないように調整
早業、範囲攻撃、2回攻撃、乱れ撃ちなど手数で補う
味方が周囲にいないなら『天象盤』を使い濃霧にしてみよう
霧に乗じて敵に近付き攻撃
周りは全て敵なら遠慮はいらない
片っ端から切り捨てる
味方の邪魔になるなら止めておく
敵の攻撃は結界術と細かく分割した鳥威を複数展開し防ぐ
オーラ防御を鳥威に重ねて使用し耐久力を強化
割れてもすぐ次を展開
回避や防御する時間を稼ぐ
間に合わない時は双睛を使用
「話に聞いていた通り、数が多いな。だが――」
吹き荒ぶ桜嵐に惑わされず、司・千尋(ヤドリガミの人形遣い・f01891)はひたと敵の大群を見据えた。
「いくぜ。宵、暁」
ゆらりと、幽玄の闇に艶めく操糸のきらめき。
「!?」
突如、巨大化した人形が雷獣古桜の群れに向けてそれぞれの武器を振るった。迎撃を予期していなかった妖怪は、間近で仲間が一刀両断されるのを見て戦慄する。
「猟兵
……!!」
「さあ、遠慮なく来なよ。ただし、視界は保証しないけどな」
千尋は天象盤を操作して、塔の周囲を濃い霧で覆ってしまった。これでは何も見えない。
「あっ!」
妖怪のうちの何人かが、擲たれた漆黒の短剣に胸を貫かれて落下した。投げた方の千尋は既にその場を離れ、敵のただ中へと舞い降りた後のことだ。
――宴がはじまる。
千尋は抜き払った刀身を敵に突き立て、背後から襲いかかる相手を鈍器で迎え撃った。
乱戦上等。
周囲に展開した鳥威を要に張り巡らせた結界が敵の攻撃を防ぎつつ、その居場所を教えてくれる。
「な――」
一挙に九つもの剣閃を完全に防がれ、驚愕する敵に片目を閉じて千尋曰く。
「塔も灯籠も、お前らの好きなようにはさせてやれない。相手が悪かったと思って諦めてくれよな?」
大成功
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吉柳・祥華
心情
なにやらメンドクサイことになっておるのう
余計なことしくさるなや小娘ども
(空中浮遊から滑空→着地→地形破壊と衝撃波)
(妾は神ぞ、頭が高いのじゃ!
と存在感+威圧とかで精神攻撃して恐怖しないかな)
これ以上を手間かけさせるでない
戦闘
まずは天候操作で雨でも降らし
其処へUCを放つ
ふぅむ、まぁ…雷撃耐性はあるか
じゃがの、これは重力を含むでのう…圧し潰されるよい(ふふふ
ついでに霊的防衛装置を使い雪雹でも喚べばよいか
それでおしまいではないぞ?
(功夫を使い風華月で範囲攻撃し捉えたところで
白刃刀を天高く掲げ天罰じゃな)
防御
オーラ防御・結界術・見切り&フェイントで
あと倶利伽羅が妾を守るじゃろ
連携・アドリブ…お任せ
まったく、余計な手間をかけさせてくれるものだ――吉柳・祥華(吉祥龍彩華・f17147)は優美な吐息をひとつ吐き、文字通りに“飛んだ”。
「あ、あれは――」
突然の降臨に驚いたのは妖怪たちの方である。もの凄い衝撃波が辺りを呑み込み、足場となった塔の楼閣は見事に崩れ去っていた。
「妾は神ぞ、頭が高いのじゃ!」
「は、はッ……」
祥華が声高に告げれば、妖怪たちは思わず――ほとんど反射的に――跪いて首を垂れる。
だが、その頭上から降り注いだのが『天象盤』による激しい雨だ。
「そんな、さっきまで晴れていたのに?」
「これが妾の能力よ」
祥華は上手に嘯き、放つ雷槍で瞬く間に妖怪たちを串刺しにしてしまう。突然の出来事に彼女らは惑い、たやすく統制を失った。
「落ち着くのよ、大丈夫。私たちに雷など効かないわ!」
「ふぅむ、まぁ……即死とはいかんか」
祥華は薄っすらと微笑み、揶揄するように訊いてやる。
「おぬしら雷撃耐性はあるかもしれんが、重力の方はどうかのう?」
「え? あッ――!」
たちまちのうちに圧し潰されて呻く敵群へと、さらに雪雹をけしかける。相手も妖怪桜の大群を召喚して対抗するが、これは祥華の身を守る『倶利伽羅』と荘厳なる結界らによって防がれてしまった。
「ほっほ、どうじゃ? 妾の倶利伽羅は有能じゃろうて」
複雑怪奇な法具を軽々と操り、余裕を持って笑う祥華の姿に妖怪たちは心底から怯えた表情を浮かべる。
あとは、仕上げのみ。
「さ、後がつかえておる。天罰と思うて、受け取りや」
「あぁッ!?」
美しい錘が弧を描いて飛翔する。気勢を削いだところで祥華は白輝の刀身を高々と掲げた。天罰――宣言通り、天の怒りが如き雷槍が妖怪たちを次々と貫き、地へと落下せしめる。
「小娘どもが身をわきまえぬ振る舞いをしくさるゆえぞ。この程度で妾にたてつこうなぞ千年早いわ」
大成功
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サンディ・ノックス
骸魂に憑依された妖怪たちを一気に解放するチャンス、乗るしかないね
塔の天辺への道は通行止めだよ?
敵の数が多いだろうから早めに天象盤を操作しよう
天気は雷…(相手の技を見て)いや、冷雨にしよう
寒さで剣を握る手の動きを鈍くするのが目的
俺? 俺はそういうの鈍いから
昏い魂を受け入れたとき、感覚が無くなっちゃったんだ
この特性、戦場では役に立つこともあるんだな
黒剣を抜き、UC解放・宵を発動
攻撃力を重視して一体ずつ確実に斬り、倒していく
相手は召喚によって更に数を増やすけれど、幸運なことに妖怪と召喚物は姿が違うから、妖怪だけを狙って倒していくよ
召喚物相手にしている余裕はないんだ、ただでさえ妖怪の数が多いんだから
「これが天象盤か。そうだな……天気は雷、いや――」
敵はすぐにやってくるだろう。夜風が運ぶ先駆けの花弁で覆われた装置を手でなぞり、サンディ・ノックス(調和する白と黒・f03274)は少しだけ考えるように小首を傾げてから『冷雨』に操作した。
「雨――?」
冷たい雨が桜花を散らし、妖怪たちの動きを凍えさせる。
戦場ではただ一人、サンディだけがまるで何も感じないような素振りでたたずんでいた。
「く……」
「どうやら、効いてくれたみたいだね?」
その瞳に昏き魂の存在を感じたのだろうか。妖怪たちは僅かに怖じるように後ずさる。
「そう怖がらないでよ。塔の天辺に行きたかったら、俺を倒してからにしてよね」
黒剣を抜いたサンディは唇の端を微かに吊り上げ、敵群へと躍りかかった。当然、敵も手下の幽霊たちを召喚してこれに対抗しようと足掻く。
だが、無駄な抵抗だとサンディはあっけなく斬り捨てた。妖怪だけを、だ。幽霊が騎乗する古桜の隙間をすり抜け、指先が凍えて手元が狂いがちな相手の急所を一突きにする。
「ああッ!」
「次、いくよ」
骸魂から解放された妖怪が礼を言うのを背に、サンディは振り返りもせずに言った。
「他の仲間もすぐに解放してあげるよ。それが、自分の身を賭してくれた妖怪たちへのお返しになるだろうからね」
大成功
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馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。
第三『不動なる者』盾&まとめ役な武士
一人称:わし
武器:黒曜山(剣形態)
はてさて、防衛戦とな。となれば、わしの分野ではあるか。
さて、天象盤で雪雹にするか。我らの中に、この天候司る者(静かなる者)がおるから、平気なのよな。
そこへ指定UCもかけておこう。雪で温度を奪われ、雹にて打ちすえられ、運気と生命力は吸収される。
さらに、陰海月が別角度から武器(錯誤呪詛つき)投げておるからの。位置もわからぬ。
来たとして…黒曜山の斬りつけに対応できるか?
相手の攻撃は結界術で弾くがな。
※
陰海月、雪雹に紛れて四天流星をぽいぽい投げる。頭に雪積もる。ぷきゅ。
幽闇にそびえたつ塔の階にたたずみ、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は次第に雪雹で覆われてゆく視界を悠然と眺めていた。
寒さは感じない。
それは、ひとえに戦友たる“静かなる者”のおかげだ。彼は天候を操ることができる。
「ゆえに、これらの天象はあんたらにのみ効力を発揮するのよな」
「く……」
やはり樹木に由来する妖怪は寒冷に弱いのだろうか? 目に見えて弱る敵群に義透は追い打ちをかけた。
ゆっくりと呪詛が呟かれるごと、塔を目指す妖怪の動きがさらに衰える。互いによろめき、ぶつかり合い、義透が手を下すまでもなく不慮の事故でもって滑落してゆく。
「運も生気も吸い取られてゆく……! 元凶はあの男、はやく倒しましょう」
「けれど、どこに? あっ!」
死角から武器を投げつけたのは、闇を泳ぐ透き通った海月であった。
「あの男じゃない!?」
「ぷきゅ」
義透に持たされた鏢を頭に薄っすらと雪を積もらせた可愛らしい海月がぽいぽいと投げ付ける度、錯誤の坩堝に叩き落とされた妖怪たちの悲鳴が響いた。
あとは仕上げだけだ。
義透は悠々と彼女らの懐に忍び寄り、黒曜山で斬り付ける。どさりと倒れる妖怪を見下ろして、挑むように告げた。
「どうせ、諦める気はないのであろう? 全員相手をしてやる。ただし、わしの居場所があんたらに捉えられたら――ではあるがな」
大成功
🔵🔵🔵
伊能・龍己
天象盤……なんか親近感、っす
仕組みを気にする暇は無さげですけど、しっかり使わせて頂くっすよ
俺が使うのも雨なんで、カモフラージュと威力増加になるよう天象盤も『雨』っす
……逆さ龍さん、お願いします(《応龍想来》)
天候操作と属性攻撃で、視界を奪うような豪雨を。刻印の一部を翼に変えて視界を確保(環境耐性)、刀に逆さ龍さんの爪を生やして威力増強。動けないやつをまとめて範囲攻撃で薙ぎ払うっす
雨。
伊能・龍己(鳳雛・f21577)の頬を濡らし、刻印から羽搏く翼へと引っきり無しに打ちつけてくる弾幕のような雨粒の嵐。
「あ、あれは
……!?」
こちらの姿を認めた途端、驚いたように目をみはる妖怪たちを龍己は涼やかな眼差しで見据えた。
「それにしても、なんか親近感覚えるっすね……この装置」
できれば、後でその現象の仕組みを知りたいくらいだ。龍己が『天象盤』で操作した天候は――雨天。
降りしきる豪雨が塔をかき消すようにけぶり、妖怪たちの機動力を見る間に削いでゆく。
「……逆さ龍さん、お願いします」
翼を傘のように掲げ、自分一人分の視界を確保した龍己は手にした刀を口元に寄せると小さく囁いた。
突如、龍爪が生えたそれを無造作に薙ぎ払う。
「きゃ……ッ!?」
何が起こったのかわからぬまま、複数体の妖怪が巻き込まれて逝った。
「どこから?」
「わからない。雨で何も見えない――」
また、一閃。
「あう!」
「なんなの? まさか……」
龍?
目の端を泳ぐように通り過ぎた、藍鉄色の鱗模様。龍己は雨の中を自在に跳び回り、敵を翻弄する。
「『雨』――まさに俺の領域っすね」
指定した通りの天象を具現化する霊的装置は龍己にとって自分に似通ったものを感じさせた。
「それに、いい『雨』っす。もう少しだけ、力を貸してもらうっすよ。こいつらの骸魂を全部追い出してやるまで、お付き合いくださいっす」
大成功
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楠葉・狐徹
【SPD】
天象盤で天気を快晴にし、刀を抜いて妖剣解放し、【見切り】や【地形の利用】、アップしたスピードで回避しつつ、浄玻璃刀の刃で差し込む日光を反射して敵の目眩しを試す
「浄玻璃刀は刃が水晶みたいに透き通った刀だ。なら鏡みたいな使い方もできるんじゃねぇかってな!」
敵が目眩しに怯んだり、味方を攻撃して寿命を保とうとしたらその隙に【鎧無視攻撃】の衝撃波を刀から敵目掛けて飛ばす
「見えたぜ…お前の殺し方…!刀をこんな使い方するのは初めてだがこれは想定外だったろ!」
※アドリブ&連携OK
「やれやれ、どいつもこいつも灯籠に目がくらんでそれしか見えなくなってやがる」
楠葉・狐徹(表裏一体の刃・f17109)は軽く笑い、『天象盤』とやらを弄って天候を雲一つない蒼穹の晴れ間へと変えてしまった。
「さっきまで夜だったのに
……!?」
「そら、相手してやるぜ!」
狐徹は刀を抜いて妖怪たちの群れに躍りかかる。軽く刃に指を滑らせるだけでそれは内に秘めた妖気を放出――狐徹はそれを纏い、跳躍の速度を上げた。
「あッ」
きらッと何かが光って妖怪たちの目を潰す。狐徹の刃が陽の光を反射して、彼女らの視界を奪ったのだった。
「浄玻璃刀は刃が水晶みたいに透き通った刀だ。なら鏡みたいな使い方もできるんじゃねぇかってな!」
逆光を背に、狐徹は居合い抜きの要領で衝撃波を溜める。
「見えたぜ…お前の殺し方…!」
そして、膨れ上がったそれを一気に薙ぎ払った。
「刀をこんな使い方するのは初めてだが、これは想定外だったろ!」
真っ白に塗り潰された視界がようやく回復した時、妖怪たちは己に迫る妖気の巨大な束を見た。
「――!!」
上半身と下半身が真っ二つに分かれ、中から憑りつかれていた妖怪が顔を出す。狐徹は更に刀を振るい、ひとり残らず掃討した後で意気揚々と勝鬨を上げた。
「一丁上がりっと。さあ、次へ行こうぜ!」
大成功
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