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華麗なるカレー戦争

#キマイラフューチャー

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#キマイラフューチャー


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「次の大会は……そうね、最近ライス続きだったし、ナンにしようかしら」
 今回も大盛況のままイベントが終わり、しかし、それでひと息つくこともなく、彼女は次の企画を考えていた。人気配信者に休みはない。配信することが癒しになるので配信し続けているほどなのだから。
 そんなイベントの終わった会場で一人頭を悩ませていた彼女は、ふと近くから聞こえる騒音に気がついた。
 片付けが終わり、スタッフもいなくなったこの会場に一体誰が……?
 そう思いモニタから顔を上げた彼女が目にしたのは、ツギハギだらけの巨大な戦車怪獣であった。

「大変じゃ!カレーの姫が怪獣に襲われる!」
 ウルフシャ・オーゲツ(ヤドリガミのフードファイター・f00046)が声をあげたグリモアベースの一角は、一体何を言っているのだ、という猟兵たちの空気が蔓延していた。
「た、大変なのは本当なのじゃ実は……」
 カレーの姫。キマイラフューチャー世界でそう呼ばれる人気配信者である。彼女は度々主催でカレー大会を開催し、数多の料理人、観客を集め、配信される動画は毎回大人気、この大会にゲストに来ることが誇りと言われるほどの存在となっていた。そのような人物を、オブリビオンが放って置くわけがなかったのだ。
「ほら、ウチ、フードファイターじゃから、食べ物関係の動画とかいつもみてるし、予知もそっちに偏りがちっていうかじゃな……?」
 いい訳がましく目をそらすウルフシャに猟兵たちはため息をつきながらも詳細を訪ねる。
「襲われた場所はカレーコロシアム開催後のイベント会場じゃ、もうスタッフはほとんど残っておらんから、周りの人を気にする必要はないじゃろう」
 カレーコロシアムとはなんぞやという話はこの際置いておき、話を続けるウルフシャ。
「ウチらが到着した時には既にカレーの姫はオブリビオンの戦車怪獣に捕まってしもうとる。彼女を救い出す事が第一の目標じゃ」
 第一というと他にあるのか、という顔を浮かべる猟兵たちに答えるかのようにウルフシャは資料を提示する。
「調べてみたら、同じような有名配信者が狙われる事件が他にも起こっとるらしい。救うだけじゃのうて、その元凶を探し出すためにも、何か策を打ち出さなあかんかもしれんな」
 もしかすると、カレーの姫の救出を成功する事で、彼女が協力を申し出てくれるかもしれない。そうなればうまく連携し、敵をおびき出すこともできる可能性がある。
「何はともあれまずは救出じゃ、世のため人のためカレーのため、すまんが頼む!」
 最後に完全に私利私欲を出しながらも、ウルフシャは頭を下げた。


しべりあ
 食べ物依頼です。実は本来2作目の予定だったのでまだウルフシャさんが綺麗な気がします。最初の依頼のリプレイを書いた後、フラグメントカチカチしていたらピンときてしまったのがきっかけでした。
 というわけでカレーです。カレー要素がいつ出るのだと疑問のあなた、彼女を助ければきっとわかると思います。多分。ウルフシャも言っているように、まずは助けなければ始まりませんね。最初の戦車怪獣は倒す方向でも倒さない方向でも、彼女を助けることさえできれば大丈夫です。
 それでは、お目に留まりましたら、ぜひぜひよろしくお願いいたします。
 もしカレーの姫の詳細が知りたいという稀有な方がいらっしゃればご一報ください。考えます。
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第1章 冒険 『スクラップとプリンセス』

POW   :    怪獣の足を切断し、横転させ、腕を破壊して救出する

SPD   :    怪獣の足元で挑発を繰り返し注意を引き、ワイヤーで足を引っ掛けて転倒させて、指を分解し救出

WIZ   :    話し合いで取引を持ちかけたり、ハッキングして、怪獣に自ら返してもらう

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

フォーネリアス・スカーレット
「よし、殺す」
 キマイラフューチャーのオブリビオンは殺しにくい。色々と面倒が必要な事が多いからな。だが、今回は最初から殺しに行ける。戦車怪獣、だったか。大物相手ならこれが真価を発揮する時だ。
 無尽の鞘から対艦チェーンブレードを抜き、まずは横薙ぎで足をズタズタに切り裂き転倒を狙う。転倒したら上段からの振り下ろし、神喰いで腕でも足でも切断できる場所を狙う。
 威力に不足は無い筈だ。当たりさえすればな。反撃はあるとしても大振りの攻撃だろう。神喰いの発動中でなければ問題なく回避出来る筈だ。神喰威を使う時は予備動作に注意しよう。こっちが当たったら洒落にならん。



●生きているなら、神様だってばらばらになった
「よし、殺す」
 フォーネリアス・スカーレット(復讐の殺戮者・f03411)のその言葉には何の躊躇もない。
 猟兵たちがたどり着いた時には、予想の通り、すでにカレーの姫は文字通り敵の手中に収まっていた。
 巨大で、凶悪なごつい外見をしたオブリビオン、戦車怪獣。彼は見た目に反して姫を丁重に扱いながらも、立ちふさがるフォーネリアスへとキャタピラを唸らせる。
「GRUOOOOOOOOO!!」
 いや、キャタピラからだけではない。どこから出ているかわからない雄叫びも上げていた。
 対するフォーネリアスが構えるのは、どんな巨大な武器でも納められるという『無尽の鞘』。そこから取り出したるは、常人には持つことすら叶わぬ巨大な『対艦チェーンブレード』。無駄に巨大な図体を誇る戦車怪獣に対してはまさにお誂え向きの武器だった。
 彼女は向かってくる戦車怪獣に向かい、『対艦チェーンブレード』を横薙ぎに振り抜く。
「GUGYAAAAAAAAA!」
 痛覚があるかは謎だが、彼は痛そうな叫びを上げながら体勢を崩す。しかしそのままでは終わらない。戦車怪獣はスクラップといえど戦車だ。軋む音を上げながら怪獣は戦車砲の照準を定める。いかに猟兵といえど、戦車砲の直撃を食らえばタダでは済まない。
「それを喰らうわけにはいかんな。だが……」
 あえて距離を詰めていき、怪獣へと接敵する。目指すのはその戦車砲。
「こいつは当たりさえすればなんでもバラバラにできるのさ。お前のようなでかい図体相手には、丁度いい!」
 彼女の【神喰い】を発動し、恐ろしい勢いで連続で振り下ろされる『対艦チェーンブレード』。戦車怪獣の砲塔は無残に叩き潰された。
『GYAAAAAAAAA!』
 戦車怪獣は悲鳴をあげながらも、姫を離そうとはしない。
 その体には、まだまだ闘志が篭もっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジョー・グラム
お姫様を救出か、こりゃぁいいシチュエーションじゃないの。
助け出せたらキッスの一つももらえないもんかねぇ。

デカい怪獣への約束と言ったらこれだろう。
とにかくデカい光る回転のこぎりガジェットで、足のツギハギめがけて攻撃する。

バランスを崩して姫さんが落下したりしそうなときは、助けに行くぜ。
「こー言うのが画面ウケするんだろ?」



●もらえたら動画が炎上するかもしれない。
「お姫様を救出か、こりゃぁいいシチュエーションじゃないの」
 脚部が損傷し、動きが遅くなっている相手をたたみかけるかのように、
ジョー・グラム(サイボーグのブラスターガンナー・f02723)が狙ったのも脚部であった。
 【ガジェットショータイム】により、奇しくも前者の使っていた回転のこぎりに近しい形へと変形した光り輝くガジェットが唸りを上げ、戦車怪獣へと襲い掛かる。
「GIYAAAAAAAAAAA!」
 それは叫びか金属音か。脚部は度重なる攻撃でまともな姿勢維持も難しい状態になりつつあった。
 敵もやられてばかりではない、脚部を削るジョーに向かい、戦車怪獣は巨大な腕を振り下ろす。
「こー言うのが画面ウケするんだろ?」
 派手に巻き起こる土埃のなかから、光り輝く巨大なガジェットを抱えて飛び上がる。そして、がら空きとなった腕へと、それを盛大に叩きつける。
「GOOOOOAAAAA!」
 よろめきながらも、戦車怪獣は姫を離そうとしない。
「助け出せたらキッスの一つももらえないもんかねぇ」
 やれやれと呟きながら、ジョーはガジェットを構え直した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エメラ・アーヴェスピア
またなんというか…ちょうどいいタイミングね…
旅団んの同僚さんにカレーの作り方、教える事になっているのよ
コレも何かの縁、そういう事で頑張りましょうか

…とは言ったものの、私の攻撃の中で人質を避けて攻撃できる器用なものは殆どなかったりするのよね…
兵士で地道に攻撃してもいいのだけど…うん、今回は罠を張りましょうか
『我が工房に帳は落ちず』、地形を利用して相手を止める罠を張りなさい
転倒狙いでもいいのだけど…人質がちょっと怖いわ
張っている間は私や他の同僚さんが引き付けて、罠にかかったら一斉攻撃ね
さ、手早くやるわよ

※アドリブ・協力歓迎
工兵の動きを愉快にしても可、その場合
…私、あんな動き組んだかしら…?
となる


リステル・クローズエデン
相手の目的が不明ですが。
彼女に直接的な危害を加えるつもりではないのでしょうか?
まあ、どちらにせよ。救出しなければ……

……うん、僕の手札では直接救出は無理ですね。
だったら、サポートをするだけです。
というわけで。
『ダッシュ1+ジャンプ6』で注意をこちらに向けさせといて
【我流忍術・空から金物】
『念動力1+鎧無視攻撃6+呪詛1+マヒ攻撃4+恐怖を与える1』発動。
特別に右腕の呪いを上乗せした一斗缶とバケツ。金ダライを落下させて。
足止めします。
「とっておきに痛いのをプレゼントします。」

……可能なら【鎧砕き4+見切り3+視力2+投擲9】で
関節部を手裏剣で狙い撃ちします


メルクサダル・ガニメディ
「カレーはご飯に限る」
いや、ナンでもいいけど、ご飯もね
とりあえず、助けてカレーをご馳走になろう

この世界でなぜか暮らしに困ってる今日この頃まともな食事が欲しい


サイコキャノンでサイキックエナジーを強化して
サイキックブラストで感電目潰し狙い

「ふるぱわー」といいつつ、はらぺこ状態
「お礼でもないと、力でないよ~」ちらちらとカレーの姫を見上げたり
「怪獣さんは、ご飯派?、ナン派?」
「カレーの姫様は、カレー味なん?」と怪獣の反応を伺ったりしながら戦う


初めての実践、自分がどこまでやれるか試してみよう
正直面倒だけど、ショウガナイ
回避は自分自身を俯瞰して
当たっても構わない、まるでゲームの様に
他人事のように


アリス・フォーサイス
んー。なかなか離さないな、この怪人。
これは自分から返してもらわないとだめかな。

人違いだと思わせるって方法はどうかな。
姫が配信した動画にハッキングをしかけて姫の姿を画像加工するよ。
それを見せて目の前にいる女の子が似てる別人だと指摘するよ。
「えっとね、そもそもその子、キミの狙ってる子と違うよ?」
「よく見てよ、この子、二重まぶただけど、姫は一重まぶたでしょ?」

さらに本物の姫を猟兵が確保しにいったと誤認させ、あせらせるよ。
「いまごろ、仲間の猟兵たちが本物を確保しに行ってるよ。急がなくていいのかな?」



●魔導蒸気工兵も猟兵かもしれない
「またなんというか……ちょうどいいタイミングね……」
 エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)は轟音を立てながら起き上がろうとする戦車怪獣を静かに見る。旅団の仲間にカレーの作り方を教える話をしていた矢先の依頼だったのだ。もしかしたらカレーの姫から材料やおすすめのスパイスの調合について話が聞けるかもしれない。
 そんなことを考えながらも、彼女は頭を悩ませる。人質を助けるような器用な攻撃は、彼女の武装ではなかなに難しい。そこで選択したのは罠だった。
「各員、速やかに作業を開始なさい」
 エメラの号令をうけ、動き出したのは20体にも及ぶ魔導蒸気工兵たち。
「さて、準備が整うまで時間を稼がせてもらうわ」
「僕の手札では直接救助は難しいですからね、手伝いましょう」
 マスケット銃とガトリングガンの銃口を定めるエメラの言葉を受けつつ加勢に入ったのはリステル・クローズエデン(なんか青いの・f06520)だ。声をかけると同時に駆け出し戦車怪獣を足場にすることで挑発を行なっていく。
 まるで蚊でも叩くかの様に掌で掴もうとする戦車怪獣だったが、その鈍重な動きでは彼女のことを捉えることは叶わない。
「とっておきに痛いのをプレゼントします」
 掌を華麗にかわしたところに降り注いでくるのは一斗缶、バケツ、金ダライ。リステルが顔をしかめ右手を抑えながらも、力を上乗せした【我流忍術・空から金物】。ビジュアルこそアレだが、その力は、あまりに違いすぎる体躯にも関わらず、戦車怪獣の力を封じていった。
「彼女に直接的な危害を加えるつもりではないのでしょうか? 救出しなければならないのはかわりませんが……」
 リステルが歯噛みする。こちらが攻撃を加えても、敵はカレーの姫を盾にしようとはしてこない。しかし、その分離すものかとしっかりと守られてい。
「んー。じゃあ、自分から返してもらってみようか」
 様子を伺っていたアリス・フォーサイス(好奇心豊かな情報妖精・f01022)がタブレットを片手に怪獣の前へと歩く。怪獣は金ダライが直撃した頭をふらふらさせながらもアリスへと顔を向ける。なお怪獣の目が何処かはわからない。
「えっとね、そもそもその子、キミの狙ってる子と違うよ?」
「GUGYA!?」
 え、まじで、俺間違えた? そんな驚きの声を上げる怪獣。
「よく見てよ、この子、二重まぶただけど、姫は一重まぶたでしょ?」
「GIIII……」
 凝視するように画面を覗く。そこにうつるカレーの姫は、アリスの作り出した偽画像。しかし怪獣がそれをすぐに偽物だと断定しなかったのは、それがつい先ほど取られたばかりの動画だったからだ。加工するには早すぎる。
「いまごろ、仲間の猟兵たちが本物を確保しに行ってるよ。急がなくていいのかな?」
「GUGYAAAAAAA!?」
 慌てて確保していたカレーの姫を放り出し、どこだどこだと視線を巡らせる怪獣。
 三回転半捻りを決めて華麗に空を舞うカレーの姫を、同じく工兵の一人が華麗に抱き留め、着地する。
 そこに待機していたのは、武器を構え、怪獣へと照準を合わせたメルクサダル・ガニメディ(オラトリオのスクラップビルダー・f07143)。
「GUOOOOOOOOO!?」
 怪獣は素直だが察しが良かった、騙されたことに気が付いたのだ。壊れかけの足だったが、それでも再度姫へと向かう。
「正直面倒だけど、ショウガナイ」
 姫を狙った敵の攻撃が。メルクサダルへも迫る。
 このままじゃあ、当たるな。まあいいか、当たっても構わない。
 彼女の思考はまるでゲームのように、他人事のように、ある意味冷静だった。しかし、ゲームにも現実にも、仲間は現れるものだ。
「拘束開始! 今!」
 彼女の用意されていたのは数多の工兵が仕掛けていたワイヤートラップ。引っ掛かり動きを止めたところを彼らは華麗な立体機動をキメ、戦車怪獣の周りを飛び回って拘束を強化していく。そこに飛んできたリステルの手裏剣が怪獣の関節部を直撃し、さらに抵抗を抑えた。
「華麗ですわ! やりますわ!」
「……私、あんな動き組んだかしら……?」
 テンションがMAXなカレーの姫の傍らで、スタイリッシュな動きをキメる工兵たちに首をかしげるエメラ。
 工兵たちもカレーの姫から華麗な何かを感じ取ったのかもしれない。
「ふるぱわー……うーん、なにかお礼とか、ある?」
 敵に狙いを定めながら、力の入り切らない声をかけるメルクサダル。
「カレーでよろしければ、とびっきりのものをご用意いたしますわ」
 カレーの姫は助けられたばかりでも華麗な笑顔で華麗に答えた。
「よしじゃあ、吹っ飛ばして、御馳走になろう」
 サイコキャノンが光輝き、辺りにサイキックエナジーが迸る。食事が待っているならば手は抜けない。
「怪獣さんは、ご飯派?、ナン派?」
 放つ前にふと問いかける。お前もカレーを愛するものだったのかと。
「GOHAAAAAAAAAAN!」
「そっか、次合うときは分かり合えるかもね。おやすみなさい」
 【サイキックブラスト】が放たれる。溜まった力は感電目潰しなどでは済まない、相手を滅ぼす必殺の一撃。
 激しい電光が辺りを白く染め、響き渡るはまさに雷。視界が戻ったその場には、静かに眠る鉄の箱。
 つぎはぎだらけの機械は、雷鳴の子守歌で眠りについたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『激突!グルメキング決定戦!』

POW   :    限界を超えた特訓や食べる相手を思う心で勝利フラグを立てる

SPD   :    封印された伝説の料理法を駆使して勝利フラグを立てる

WIZ   :    だれも知らないような伝説の食材を手に入れ勝利フラグを立てる

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
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●実況の未来を守るため
「まずは御礼を、危ないところを助けていただき、誠にありがとうございました」
 カレーの姫は華麗にカーテシー頭を下げる。動作一つ一つが無駄に華麗だった。
「どうやら噂によると、他の実況仲間たちも狙われたことがある様子です。あなた方は、噂に聞くヒーローでございましょう? 出来る限りの協力はします。奴らを倒していただけませんか」
 実は次に企画していたカレー戦争というイベントに、今まで登場していなかった人たちが次々とエントリーされているのだという。今日の事件を受けて、もしかすると誘拐グループの一味ではないかと睨んでいるらしい。
「カレー戦争が激しく盛り上がれば盛り上がるほど、注目が集まり、誘拐犯は本腰を入れてくると思います。ここで一気に一網打尽にするしか、安心して企画実況ができる未来を守る道がないのです」
 キマイラフューチャーで企画実況ができなくなってしまえば、待っているのは絶望の未来と衰退のみ。
 そうしてキミたちはカレーの姫と協力し、このカレーイベントに挑んでいくことになったのだった。

●経験した覚えのない数多の回想シーン付き
 数多の犠牲の上にある厨房にキミたちは立つ。ここに来るまでに、カレーを巡った数多の戦いがあった。しかしキミたちは見事打ち勝つことができたのだ。
 後することはただ一つ、その経験で培った想いや、特訓により身に着けた料理法、手に入れた伝説の材料を用いて最高のカレーを作り出すだけだ!
 カレー戦争のルールは単純、東と西に別れた陣営で、より最高のカレーを作った方が勝ち。東に集うは猟兵たち、西に集うは明らかにあいつら怪人だろうという奴等。今は気にしてはいけない。我々の目的はこの事件の首謀者だ、あんな雑魚怪人どもではない。
「それでは、宣戦布告をいたします! カレー戦争、始め!」
 華麗な声が会場に響き渡った。
アーノルド・エアスト
カレー作りか、懐かしいもんだな。
俺には愛した女がいた。
そいつもカレー作りが得意だった。
独自のスパイスと、ごろごろと肉が入り、どろっと野菜の旨みが溶けたようなカレールウ。
スパイスの配合は秘密だって教えて貰えなかったな。
まあ、街で人気だった食堂の看板メニューだったもんな。
だが、何度も通って味わった俺には味のコピーができる!
ああそうだ!これこそが俺の思い出のカレー!
研究に研究を重ねて再現した愛のカレーってわけさ。

まあ、再現したとバレたら怒られるだろうが。



●回想シーン:実在したかもしれない遥かな過去の記憶
 カランカラン。
 店の扉が、客の到来を知らせる音が響かせる。
「なんだ、今日も来たの? あなたも飽きないわね」
 そう言いながらも笑顔で迎えてくれる女性。
 注文すら聞かずに準備を始める。こちらも、何も言わずに席に着く。カウンター席の一番奥。それがいつもの席だった。
「この間そこに別のお客さんが座っててね。間違えてこれ出してから気がついちゃった」
 失敗しちゃったな、そういってアハハと笑い、おまちどうさま、と皿を置く。
 それは、ごろごろとした肉が贅沢に入り、どろっと野菜の旨みが溶けたような、独自のスパイスの効いた極上のカレー。
「何度聞かれても、配合は秘密だからね?」
 さぁ召し上がれ、と笑顔を添えて出されたそれは街で人気だった食堂の、1番の看板メニュー。
 まだ人が来ない様な、朝早く。二人きりになれるのを狙っていつも食べていた、その味。
「バレちゃったら、来なくなっちゃうじゃない」
 おいおい、そんなわけないだろう、だって俺は、お前のことが……。

●それは現か幻か
「……? 私の顔に、何か付いておりますか?」
 アーノルド・エアスト(ドラゴニアンの竜騎士・f12916)が物思いにふけっていたところに声がかかる。目の前にはカレーの姫。
「カレーが美味い女ってのは似るものかね?」
「よくわかりませんが、カレーは煮るものですわよ?」
「はは、違えねえ」
 物思いにふけりながらも、鍋を混ぜる手を止めなかった彼は笑う。
 今の目の前にあるカレーは、何度も通い、何度も再現しようと悪戦苦闘の末に作り出した、あのカレー。今はもう、行くことのできない、あの店のカレーそのものだった。
「再現しちまったってバレたら、怒られるだろうなあ」
 しかし、これが人を救うんだ、ちょっとぐらい大目に見てくれ。
 野外ステージの青く広がる空を見上げる。どこからか、しょうがないわね、と、声が聞こえた気がした。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アリス・フォーサイス
チキンカレー、ポークカレー、ビーフカレーって言うように、名前につくほど、肉がカレーの味を決めると言っても過言ではないよね。

なら、特別な肉を用意しようかな。アックス&ウィザーズに行って、ドラゴンの肉をとってくるよ。

噂を集め、現地の冒険者にも協力してもらい、数多の山、平原を超え、途中、襲ってくるオブリビオンをけちらしながら、ドラゴンを狩りに行くよ。

その様子はグッドナイス・ブレイヴァーでキマイラヒューチャーに生放送するよ。また、イベント当日もその放送の総集編を流して、この食材への期待感を高めるよ。

ただ、ぼくには人の食の好みはわからないから、どう調理するかは姫にまかせるよ。



●回想シーン:ドラゴンカレークエスト——アックス&ウィザーズのアリス——
「ああん、お嬢ちゃんがドラゴンを倒すだぁ? がっはっはっはっは!」
「やめとけやめとけぇ、それより家に帰ってママのミルクでも飲んでおきぐへええええええ!?」
 馬鹿にしたように笑う冒険者を、アリスは容赦なく吹き飛ばした。そこは荒くれどもの集う冒険者の店。小さな少女は堂々とした出で立ちでその場に立っていた。
「仲間に弱い冒険者はいらないよ。さぁみんな、ぼくの話に誰かのるかい?」
 そう言って笑顔を浮かべた彼女に、冒険者たちは気に入ったと手を上げ、声を上げ始める。
「ドラゴン退治とは大きく出るねえ! なんだい、親でも殺されたのかい?」
「あはは、ただ、カレーに入れたくなっただけだよ」
 アリスに問いかけた剛毅そうな女性冒険者はキョトンとした顔を浮かべた後、大声で笑った。

●回想シーン2:アリス&ドラゴン
 山を越え、谷を越え、数多のオブリビオンたちの屍を越えてアリスたちはドラゴンの元へとたどり着いた。
「GURUUUUUUUUAAAAA!!」
 出迎える様に上げられた激しい咆哮が、大気を、大地を震わせる。
 ドラゴンとの戦いは熾烈を極めた。ここまでたどり着いた歴戦の勇者たちも、一人、また一人と倒れていく。
 全てを砕かんとする牙を、切り裂こうとする爪を、アリスたちはすんでのところで躱し、防ぐ。百の矢が飛び、千の炎が降り注ぐ戦場には、後世に語り継がれていく激しい戦いが繰り広げられていた。
「でも、ここで、終わらせるよ!」
 仲間が渾身の一撃を加えて、よろめかせたドラゴン。そこにアリスの操る炎が殺到する。
 響く爆音。砂埃が舞い、静寂に包まれる場。
 だんだんと視界が開けていったそこには、ドラゴンが横たわり、永遠の眠りについていた。

●ドラゴンカレー
 会場に鎮座するドラゴンの兜焼きをみて、観客はざわつく。
「ま、まさか、あの動画、本当だったのか……?」
「そんな、作り物、だろう……?」
 戸惑いを隠せない観客を見渡し、アリスは成功を確信した。
 わざわざ本物のドラゴンの肉を確保するためにアックス&ウィザーズに赴いた彼女は食材だけではインパクトに欠けると判断し、その行程を全て動画として生放送を行なったのだ。
 特撮かCGかと思われていたが、あまりにも真に迫った映像に、キマイラフューチャーの住人たちは魅せられた。すでに続編の期待まで高まっている始末である。そんな時に噂が聞こえてきた。どうやらあれは実話で、会場に来ればドラゴンカレーが食べられるらしい、と。
 疑うものもいたが、基本ノリと勢いで生きているキマイラフューチャーの住人たちは大挙して押し寄せたのだった。
「久々に戦いがいのある食材でしたわ、でもよかったのですの、私が調理をしてしまって」
 カレーの姫は華麗な動作で額をぬぐいながら華麗に問いかける。
「ぼくには人の食の好みはわからないからね、調理は姫にまかせるよ」
 アリスは目の前の大型の鍋を覗き込む。煮込まれているのは、大量のドラゴン肉が用いられたドラゴンカレー。それは、間違いなく最高の一品へと仕上がりつつあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ジョー・グラム
腕組みしてただじっと時を待つ。
そして完成の瞬間、湯沸かし器ガジェットから飛び出す大量の湯気。
その湯気の中でレンジでチンしたごはんを皿にのせて、お湯で熱々に温めたカレーをかける。

「銀河一美味い」って書いてあるんだ、コレが多分最高に美味いんだろうぜ。
詳しい説明は箱の後ろを読み上げる。

「お、銀河のお姫様カレーってのもあるらしいぜ、喰うか?」



●回想シーン?:銀河一を名乗るまで
 人々が故郷を無くし、船の中で一生を過ごすようになってからどれほどの年月が過ぎ去っただろうか。
 そんな世界で無数に存在する宇宙船の一つ。そこに住む、ある男がいた。
 今日も彼は供給されたメニューで食事をすませ、1日を過ごす。味気がない、わけではない。
 それなりには美味しいだろう。しかし感動するかといえば、そんなことはない。
 彼の生活はきっとそのまま変わることがなく続いていくだろうと思っていた。
「今度、久しぶりに別の船との交流があるんですって」
 ある日友人がそう語って誘い出した交流会。それが、彼の人生を大きく変える事になるとは、その時の彼は知る由もなかった。
「なんだ、これ」
 彼はそれを見たことがなかった。白いご飯にたっぷりとかけられた、粘性のある茶色の液体。中にはゴロゴロとした野菜や、肉。
「カレーって言うらしいわ、まあ、女は度胸、お先にいただくわね」
 スプーンでひとすくいし、友人は口に含み、そのまま動きを止める。いや、口の中は動いている。しかし、体は動いていない。
 訝しみながらも、彼はもスプーンを口に運ぶ。
 刹那、彼の世界は爆発を迎えた。
 その時のことを彼はこう思い返す。
「自分の中の足りなかった何かをようやく見つけた様な、そんな気がしたんです。お前のいく道はここにあるんだぞ、何やってるんだって、呼びかけられた、そんな気が。彼女もそうだったと思います。だからこそ、我々は切磋琢磨しあい、ここまで来れたのでしょう」

●どちらが未来、どちらも未来、剪定された事象は互いに見つめあう意思を
 ガジェットが開かれ、湯気が広がる。
 ジョーは腕組みしてその時を待っていた。レンジで温めたごはんを皿に盛り付け、温まったばかりのカレーのレトルト袋を湯気の中から取り出し、ご飯の上からかけていく。
「レトルト、でございますか?」
「でも銀河一美味いって書いてあるんだ。これが多分最高にうまいんだろう!」
「よくありそうなうたい文句ですが……あら? この私が見たことのないパッケージのカレーが存在するだなんて、驚きですわね」
 姫が興味深そうにパッケージを眺める。
「いくつか用意してあるし、試食してみるか?」
「よろしいのですか? では、お言葉に甘えて」
 カレーの姫がカレーを食べる姿があまりにも華麗だった。その華麗な横顔は、真剣なまなざしを見せる。
「……素晴らしいですわね。開発した方の執念を感じます。使われている具材のすべてがこのカレーに合うように……? いえ、違いますわ!」
 目を閉じ、考える。それでは何かつじつまが合わない。沈黙の後、姫ははっと目を開く。
「使われている具材がすべてカレーのために作られています、そうとしか考えられません……!」
 そう、そのカレーはスペースシップワールドのある宇宙船の科学の粋を集めて作られたものだ。
 スパイス、野菜一つ一つに至ってまでカレーのためだけに作りぬかれた狂気。品種改良に品種改良を重ね、よりカレーに最適化し、最高のカレーを目指した情熱の塊。
 それが『銀河一美味いカレー』であった。
 未来の科学力を結集して作られた一種のオーバーテクノロジーカレーである。
「お、銀河のお姫様カレーってのもあるらしいぜ、喰うか?」
「!? ……いただきますわ!」
 カレーの姫が絶賛したレトルトカレー。中継を見ていた数多のキマイラたちはどう調べても存在を探ることができなかった。
 それは、彼らとは別の未来を歩んでいる、異世界からの刺客であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リステル・クローズエデン
カレー……奥が非常に深い物。
正確な記憶がない僕には……いや……
レシピの記憶はなくても、作れば何か思い浮かぶかもしれない。
それが、多くの料理を作る人達への愚弄だとしても。

『料理11、封印を解く2、世界知識2、毒使い4、医術3』
そう……スパイスは薬でもあり毒ともなりうる。
それらの調合は、味のみに非ず。薬効をも考え調和させる。

味の好みは千差万別ならば、
万人に受ける味は、不変ともなるが。
時として、ぼんやりとしたありふれたものになる。
今回のような舞台では、それぞれが多種多様なカレーを作るべきだ。

これが、今回の僕の結論。
辛口薬効カレー。冷たい水付きです。
辛いのが苦手な方は別の人のカレーを選んでください。



●回想シーン?:誰のものかも、誰が誰かも、正確なものかもわからない音声データ
「スパイスっていうのはね、ある種の薬のようなものなんだ」
「薬? じゃあみんなは料理に薬を入れてるってことですか?」
「ああ、食品の保存のため、食欲を増進するため、そしてなにより旨味を引き出すための薬さ」
「そんなこと言ったら、塩だって薬になるじゃないですか」
「その通りだとも。塩だって薬になりうる。そして、毒にだって、なりうる」
「……塩分過多でなんて、そうそう死なないですよ?」
「毒だからって相手を殺すものばかりじゃない。辛い味を感じるのは痛覚だ、昔は辛いものを毒と考える人たちもいたかもしれないね」
「……結局、何が言いたいんでしょう?」
「適量なら何の問題もない上に、おいしく、健康にいただける。ただ、入れすぎには気を付けてね」
「最初からそういえばいいじゃないですか……」

●上記の回想シーンはフィクションであり実在する猟兵とはたぶん関係ありません
 リステルは数多のスパイスを真剣に組み合わせる。
 レシピの記憶はない。それどころか、自分自身の記憶すら危うい。
「僕の作るこれが、多くの料理を作る人達への愚弄になるのだとしても……」
 それでも、作っている間に何かが思い出せるような、そんな感覚がしたから。彼女はスパイスを調合し続ける。
 リステルが目指しているのはただの美味しいカレーではない。自らの持つ医術、毒物の知識を活用した、健康に良いものをコンセプトに据えた。
 さらに多種多様な味が必要だろうと思い立った結果、たどり着いたのが辛口薬効カレーだった。
「これが、今回の僕の結論」
 香辛料の強い匂いがあたりに漂う。そのカレー鍋は直接目を近づけると涙が出るほどの辛みを秘めていた。
 しかしここは戦場だ。しかもカレーの戦場だ。強い匂いは力でもある。
 冷たい水(とカレーの姫が用意した口内鎮静化用の牛乳)と共に出された辛口薬効カレーは、数多の観客を、そして怪人をその刺激でなぎ倒した。
 しかし、幾人かは何度倒れても起き上がり、そのカレーをなんども口にし、完食していった。
 リステルのカレーはこの味がたまらないという中毒的なファンを生むことになったのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エメラ・アーヴェスピア
…あら?いつの間にかカレーを作る事になっているのだけど、どういう事かしら…?
…もしかしてまたキマイラフューチャーの妙なノリに巻き込まれた…?
ど、どうしようかしら?

兎に角作らないと…でも料理の腕前は人並みなのよね(普通の一人暮らしレベル)
…普通に作りましょうか
一人位そんな感じでも大丈夫よきっと
(※他の方との比較用にどうぞ)

但し材料も普通な分、数だけは多く用意できそうよね
普通でも良いなら工兵と協力して配る感じで大量生産するわ
…先程は妙な動きをしてたけど大丈夫よね…?

…所でキッチンはどんな感じかしら?
物によっては踏み台が必要なのだけど…

※アドリブ・協力歓迎
工兵の動きを愉快にしても可



●回想シーン?:劇的キッチンアフター ~高すぎるキッチンの調理場~
 今回のキッチンアフターは、あるイベント会場が舞台。
 その会場では、料理人が移動するたびに踏み台を置き直さなければいけない、明らかな設計ミスが見て取れました。
 これでは、時間的に不利になってしまい、敗北の要因となるかもしれません。
 そこで立ち上がったのはキッチンの空間アナリスト、魔導蒸気工兵Bさん。
 彼は自らの主人が、キッチンの高さに悩んでいることに気がついていました。
 今回はキッチンの床を上げ、なおかつ、もともと使い勝手の悪かったスペースを見直すことで、より効率的な作業を行える様にリフォームしていきます。
 他ならぬ、主人のためです。負担を少なくして、一番使いやすいものを使ってもらうのが一番じゃないですか。彼はそういって微笑みをうかべました。

●これでもう、踏み台が必要になることはありません
「……もしかしてまたキマイラフューチャーの妙なノリに巻き込まれた……?」
 エメラは錯乱する。立つのは調理場、煮込むはカレー。
 自分のあずかり知らぬところで工兵も勝手に動き出そうとしている気がする。というか動いた後なのかもしれない。完全に彼女のためにあつらえられたかのような、体のサイズにちょうどいい調理場が、そこにはあった。
「ど、どうしようかしら?」
 戸惑いながらもエメラは兎に角作らないと……と手を進める。幸い、材料は全てそろっていた。
 周りの猟兵たちを見てみると、意外とまともに作っている者は少ない。むしろ、怪人の方が至極まっとうなカレーを作っている。
 猟兵が猟兵たるゆえんを垣間見た気すらしながらも、彼女は人並と自覚している料理の腕を振るい始めた。
「なんかその、安心感あるよな……」
「ああ、俺たちと同じ世界に住んでるっていう感じがあって、親しみがわくっていうか……」
「それに、その……いいよな、小さい子が料理してるのって」
 その姿は観客たちには意外と好印象だった。小さい子と見られている当の本人がどう思うかは別として、だが。
 何故か無駄に誇らしげな魔導蒸気工兵たちにより、数多くの観客に振舞われたエメラのカレーは当人が困惑するほどカルト的な人気を獲得することとなった。
 いわく、食べて安心できる味、とのことである。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『機関車怪人』

POW   :    トレイン・フリーク
【時刻表】【鉄道模型】【鉄道写真】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    出発進行!
自身の身長の2倍の【蒸気機関車】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    アクシデントクラッシュ
対象の攻撃を軽減する【高速走行モード】に変身しつつ、【煙を噴き上げながらの体当たり】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●香辛特急マイトカレー
 十人十色千差万別多種多様なカレーが戦いを繰り広げたが、その勝敗は明らかに東軍、すなわち猟兵たちに傾いていた。
 それは、猟兵たちのそれぞれの力もさることながら、彼らに数多のアドバイスをしていたカレーの姫の力も決して小さくはなかった。
 心なしか、カレーの姫のドリルヘアーも輝いて見える。
「だから、ドリ……姫は捕れといったのだ!」
 大声と共に、どこからか響く列車音、そして汽笛の音が会場に響く。
 空を飛び、大きな台車を押しながら、会場に舞い降りたのは機関車頭の怪人。
「黒きの車輪にカレーを乗せて、満たせお腹の空信号!」
 怪人は無駄に格好良くポーズを決め、謎の口上を唱え始める。
「香辛特急マイトカレー、一晩寝かせてただいま到着!!」
 荷台に山ほどカレーを乗せてやってきた怪人は無駄に高らかに名乗りを上げた。
「あなたが……事件の黒幕なのね?」
 カレーの姫が、現れた相手を見上げ、問いかける。
「そう、その通り!」
 怪人に隠す気は何一つなさそうだった。
 黒幕が現れたのならば、もう容赦する必要はない。あとはこの怪人を倒せば、すべては解決するだろう。
メルクサダル・ガニメディ
あ、終わっちゃった?
味見、試食と、完成したカレーを審査
スタッフと一緒に美味しく片づけてしていて
全然料理してないや
まあ、料理などできんし
食材?なにそれ美味しいの?
というか、それ追加?食べていいの?
山ほどのカレーに目を輝かせる

倒さないと食べられないぽいので
●対アクシデントクラッシュ
オラトリオベールを無数の【鈴蘭】の花びらに変え、オーラ防御で防衛陣を張る
高速移動で勝手にぶつかって勝手に疲れてくれそう

速くて煙で目眩ましって当たる気がしないし、敵から体当たりしてくれるんだから
攻勢防壁よろしく攻撃を食らう瞬間カウンターで接触部に収束し相打ちに持ち込もう


痛い?慣れてる
さあ、我慢くらべ、だよ



●キマイラ内のファン数が密かに上昇中
「あ、終わっちゃった?」
 派手に現れた機関車怪人に騒然となる会場で、憂いを帯びた美しい表情でカレーを食べ続けている女性がいた。メルクサダルである。
 このカレーはスタッフが美味しくいただきました、となっていた選ばれなかったカレーは大量にあった。どれも美味しいのに、より美味しいものに淘汰さてしまったのだ。
 そんな悲しいカレーたちをお腹へと回収する大切な仕事をメルクサダルやスタッフたちは行なっていた。
「全然料理してないや……まぁ、元からできないけど」
 そう呟きながら、空になったカレー皿を置き、見上げる。
 そこに佇むはカレー……もとい機関車怪人。その後ろには、今まで食べたカレーを凌駕する気配を発する、極上のカレー。
「……それ追加? 食べていいの?」
 メルクサダルの目が輝く。その表情はあまりにも純粋で美しく、本人が知らぬ間にキマイラたちの心を鷲掴みにしてしまった。
「もちろん、と、言いたいところだが、どうやら猟兵の様だな! お前には、このカレーを仕上げを飾る食材となってもらおう!」
 いちいち動作が激しい機関車怪人がポーズを決めながら言い放つ。
「食材? なにそれ美味しいの? ……よくわからないけど、倒したら食べちゃっていいってことだよね」
 そう認識した後の動きは速い。変形し、蒸気を吹き出し突撃してくる怪人に対して、メルクサダルは自らのまとうヴェールを鈴蘭の花びらへと変え、漂わせる。
 なにせ相手は馬鹿正直に正面から突っ込んでくるのである。漂わせる位置は考えるまでもなかった。速度を生かして翻弄しようとするならまだしも、正直すぎる軌道なのだ。
 汽笛の音が響く。数多の花びらを受け、傷つきながらも迫りくる怪人。
 散らされた花びらを再度集め、至近距離まで迫った怪人を見据える。
「さぁ……我慢比べ、だよ」
 痛いのは慣れている。メルクサダルは渦巻く花弁を手元にまとめる。そして、高速で突撃してきた怪人に衝突することを全く躊躇せず、正面からそれを叩き込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エメラ・アーヴェスピア
どこかで聞いた名乗り口上が聞こえた気がするのだけど…
まさか合体とか…したわねコイツ
というか、またコレなの…(同型怪人と戦闘経験二回あり)
まぁいいわ。それじゃあ仕事と行きましょう

それじゃあ私は…ってちょっと工兵!?
勝手に動いて、あなた達は戦闘用じゃないのよ!?
…やっぱり何か誤作動でも起こしているのかしら、後で点検しないと…
…今は仕方ないわ、工兵の行動が戦いを有利にすると信じて…いいのよね?
と、兎も角援護するわ。ガトリングと猟犬に攻撃指示、私も銃撃よ

※ここまで愉快にして頂けたので今回は最後までこの路線で挑戦します
 と言う訳で工兵の行動はお任せします。追撃が必要なら演出的に他UCを

アドリブ・協力歓迎



●うちの工兵がこんなに好戦的なわけがない
 強烈なカウンターをくらい膝をつく機関車怪人を見て、エメラは首をかしげる。
「どこかで聞いた名乗り口上が聞こえた気がするのだけど……」
 まさか合体とか……そう思いかけたところに過去の経験が警告を鳴らす。
「やりおったな……こうなれば、レッツ、蒸気合体!」
「したわねコイツ」
 やはり、という顔を浮かべる彼女の前で、怪人が巨大な機関車と一体化する事でその身に力を迸らせる。その影で機関車に乗せたカレーを慎重に下ろしながら、準備完了と再度猟兵たちへと走り出した。
「まぁいいわ、それじゃあ仕事と行きましょう……って、ちょっと、工兵!?」
 合体に触発されたのか、負けてなるものかと華麗に飛び出していく工兵たち。彼らがもし合体できるのだったら確実に合体していた、という謎の確信がエメラの中にはあった。
「こら、勝手に行かないの!?」
 エメラの声を無視して……いや、よく見れば親指を立てている。心配するなと言っている気がした。
「あなたたちは戦闘用じゃないのよ!?」
 主人の声を背に工兵たちは走る。正面から迫り来る怪人を蒸気で高速移動しながら横にかわし、機関車の足回りになにか白い粉を吹きつけ始める始める。
「貴様、それは、まさか……!?」
 動きが悪くなり始める機関車怪人。白い粉の正体、それは……。
「……お砂糖?」
 工兵たちの持っていった袋を見て、エメラは困惑する。
 工兵たちは本来シンナーを使い足止めするつもりだった、しかしここは食料品を扱う決闘場。
 そのようなものを使えば美味しいものもまともに食べることができなくなる。せっかく自分たちの主人が作った料理が台無しとなってしまうのだ。
 そこで、影響が少なく相手に効果的なものを探した結果が砂糖であった。その狙いは成功したようで、砂糖が足回りの機械油と吸着することにより、機関車怪人の動きが鈍化していく。
「……今は仕方ないわ、工兵の行動が戦いを有利にして……いるのよね?」
 効果は意外とあるようだが、さすがにそのまま工兵に任せておくわけにも行かない。エメラも浮遊型魔導蒸気ガトリングの照準を怪人へと据え、同じく魔導蒸気の猟犬が咆哮をあげながら飛びかかる。
「……やっぱり何か誤作動でも起こしているのかしら、後で点検しないと……」
 鈍くなった足回りに苦戦している怪人へ弾幕の嵐がやってきたのは、エメラのため息にも似た呟きの後だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リステル・クローズエデン
うん、あうとー。

こほん、どのような遠大な計画か知りたくもありませんので。
とっとと潰しましょう、そうしましょう。

『先制攻撃4+見切り3』で速攻で
【炸裂穿牙】『投擲9、念動力1、鎧砕き4』で攻撃。
突き刺されば装甲ごと爆破します。

蒸気機関車に乗っても、いや蒸気機関車も的になりますね。
『見切り3+オーラ防御8』で防御と回避を行いつつ。
再度攻撃を仕掛けます。
「機関車でも、足回りを壊せば…」


カレーの姫様や一般人を狙うならば
『オーラ防御8+激痛耐性3、かばう1』でかばいます。



●それ以上いけない
「ぐうう、弾幕の嵐などに、怯みはしない!なぜなら俺は嵐の勇……」
「うん、あうとー」
 なにかとても危ない良くないことを話し出す。そんな気配を感じたリステルは、なんのためらいも容赦もなく【炸裂穿牙】による苦無を相手へと突き立て、爆散させる。
「ぐわああああああああ!?」
 装甲を吹き飛ばされ、目を白黒させて怪人は悲鳴をあげた。
「どんな遠大な計画があるかも知りたくもありませんのでとっとと潰れてください」
 本能的なところで何か非常に危険な怪人と認識し、リステルは容赦なく攻撃を加えていく。
「こら、おまえ、ちょっと、名乗りとか、説明とか、攻撃するなって……」
「そんな隙は逃しません」
 相手が慌てふためいているうちに側面へ回り込む。どうせやるならば、動きが鈍っている今のうちにと、徹底的に、足回りを中心に苦無を突き立てていく。
「やめろオオオオオオオゥ!?」
 やめろと言われてももう止めることもできない。派手な爆発音をあげ、飛ぶ車輪を怪人は呆然とした表情で見つめていた。
 それでもリステルの攻撃は止まらない。怪人の破片が観客——どうやら演出だと思っていてまだ観客席にいる——や姫に当たらないようにはたき落としながら、次々と怪人の装甲を爆破していくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フォーネリアス・スカーレット
 なんともふざけた奴だ。勇者? 知らんな。自分に酔っているのだろう。
 この類いの怪人には共通の弱点がある。なんと言うか、攻撃の隙が大きい。まるで予備動作中は攻撃されないとでも思っているかのようだ。こいつにも無駄に高く飛んだり、無駄なポーズを取ったりするんだろう。
 そこで生じる隙に居合い斬りを叩き込む。こいつは初速が早いから不意打ちには最適だ。
 味方のなかにはああいう乗りに付き合いのいい奴も居るだろう。精々そのおふざけを利用させてもらえば接近するくらいは何とかなる。
 殺すか殺されるかの時に遊びを挟むとはな。全く、この世界の住人はわからん。



●殺伐とした世界出身者には隙だらけにしか見えない仕様
「くっ、一旦分離だ!!」
 蒸気機関車との合体を解除し、三回転半ひねりの跳躍を見せながら華麗に着地を決めた怪人に、容赦をするような猟兵たちではなかった。
「なんともふざけた奴だ」
 着地のタイミングと同時にフォーネリアスの『リニアブレード』が機関車怪人を無慈悲に切り裂く。
「ぐおおおおお!? 貴様は、貴様は勇者の矜持を無視すると言うのか!?」
「勇者? 知らんな。自分に酔っているのなら勝手にするがいい」
「邪悪な猟兵めええええええ!?」
 怒りに燃える怪人の周りに、時刻表が、鉄道模型が、鉄道写真が舞い始めポーズを決める。
「我が渾身の一撃をおおおお……」
「待つか、馬鹿者」
 無慈悲、それはあまりにも無慈悲。だがこの上なく効果的な居合だった。
 なにせ明らかにここを狙ってくださいと言わんばかりの隙だらけだったのだ。ついでに宙に舞っていた機関車怪人三種の神器も切り払う余裕すらあった。
「俺の、俺の宝をオオオオオオオゥ!?」
「殺すか殺されるかの時に遊びを挟むとはな。全く、この世界の住人はわからん」
 機関車怪人の命とも言えるものを切り払われ、彼の瞳は光を失いつつあった。
 それらの行為は怪人にとっては至極真面目な行為ではあった。だが、フォーネリアスとしては呆れる他なかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フォーネリアス・スカーレット
 チェーンブレードを大上段に構えて、決断的に言い放つ。
「少しだけ遊びに付き合ってやる。最後の台詞を言うがいい」
 素直に何かそれっぽい台詞を言ったらそのまま振り下ろしてバラバラにして殺してやる。
 だがそうでなければ。チェーンブレードを離し、逃げるならフックロープを投擲。反撃なら手首に固定してパイルバンカーで貫く。どの道、その感情は恐怖だ。
「恐れたな、終わりだ」
 炎剣二本を抜き放ち乱舞斬撃からリニアブレードの電磁二刀十字居合へ繋ぎ、最後にチェーンブレードでバラバラにする。
「お前の信号は二度と灯らない」


我妻・惇
ここまでの祭りがどういうものかは知らんが…
とりあえず、潰せば良いんだろ。

鉄塊だろうが勇者だろうが、ブチ抜きゃそうそう大差ねェだろ
正面から踏み込んで一気に詰めて、そのままの勢いで刺し貫く。

「勇者なら…避けねェよな?」
猫背気味で笑みを浮かべて睨みつけ、上下の犬歯を打ち鳴らして威嚇しながら

向かってきても構わん、そのままブチ抜く。むしろ勢い乗って好都合だな。

「この列車はご利用になれません、このまま鬼籍に入ります…ってか」
詰まらなそうな表情で、微妙にギャラリー意識してるのを隠しつつ



●終電の時間
「ここまでの祭りがどういうものかは知らんが……とりあえず、潰せば良いんだろ」
 血濡れたように赤いざんばらな髪の、酷い猫背のその男、我妻・惇(人間の戦場傭兵・f04976)は死神のようにふらりと現れた。
 目にしたものすべてを射抜くような三白眼で、叫びを上げる機関車怪人を睨む。
「潰すだと……小癪な、圧倒的速度と圧倒的質量を持って圧倒的に圧倒するのは圧倒的支持を得てこの、俺だあああああああ!」
 怒りのあまり言語の様子もおかしくなりつつある怪人。惇は静かに自らの槍、『千枚徹』をその手に構えた。
 惇の横に立つフォーネリアスも巨大なチェーンブレードを大上段に構える。そして、凶悪な笑みを浮かべ、言い放つ。
「少しだけなら遊びに付き合ってやる。最後のセリフを言うがいい」
「遊びだと!? 人の語りを遮って、宝を斬り捨てる悪逆非道な猟兵どもめ……たとえ天が未来が許しても、カレーが、過去が、何より、このマイトカレーが許しはしない!」
 とても美味しそうなカレーの匂いを蒸気に乗せながら、彼は足回りの壊れた巨大な機関車をなんと肩に乗せ、高速移動モードへと移行していく。
「これがマイトカレーコンプリートモード! 巨大な機関車による高速の正義の鉄槌、受けながらあの世で悔い続けろ猟兵どもおおおおお!?」
 明らかな過積載の巨大な図体に似合わず、恐ろしい速度で走り出す機関車怪人を見る二人の目は、どこまでも冷たい。
「鉄塊だろうが勇者だろうがブチ抜きゃ、大差ねえよなあ!」
 惇は迫り来る巨体を正面から見据え、犬歯を打ち鳴らし威嚇しながら、腰を屈める。その丸めた背中は獲物に飛びかかる前の獣のよう。
「勇者なら……避けねぇよな?」
「そう、その通り! 勇者とは、勇気ある者と書くのだあああああ!」
 その答えに口の端を歪め、一気に踏み込み消える。
「……消え……た!?」
 いや、違う、すでに……自分は貫かれている!
「ぐおおおおおおお!?」
 特殊な歩法と呼吸による瞬間移動とも取れる必殺の一撃、体が壊れるのが解る、しかし。
「だからといって、大人しくやられっ?!」
 敵は、猟兵は一人ではない、怪人の眼前に迫る巨大な刃は、体を貫かれ足が止まったその身へと一切の迷いなく振り下ろされる。
「バカな、そんな、バカなあああああ、俺が、俺がああああ負けるわけがああああ!?」
 肩に乗せた巨大機関車で受け止めるも、一瞬のこと。車体を輪切りにされ、地に落ちる車体を、信じられないという恐怖の混じった表情で見つめる怪人。
「恐れたな、終わりだ」
 死神の声が、聞こえた気がした。
 炎を纏う剣が舞い、神速の居合が十字に斬り裂き、逃げようと回る車輪を槍が貫く。
「お前の信号は二度と灯らない」
 最後にチェーンブレードで粉々にされた怪人は、もはや原型をとどめてはいない。横たわる信号が、バチッと火花をちらし、光を失った。
「この列車はご利用になれません、このまま鬼籍に入ります…ってか」
 息絶えた怪人へと詰まらなそうな表情でそう呟く惇だったが、微妙に目線はカメラへと向いていた。

●怪人の残した最後のカレー
 怪人は数多の実況者を狙い、一体何がしたかったというのか。結局それが語られることはなかった。
「どんなカレーにも貴賎はありません」
 しかし、安全性を確認した後に、彼の残したカレーを一口食べたカレーの姫は、怪人が何故自分を狙おうとしたのかを、なんとなくわかった気がした。
 確かにそのカレーは美味しかった。おそらくイベントに参加していたら相当恐ろしい相手だっただろう。負けていた恐れすらある。しかし、それでも、何かが足りない。
 きっと彼が知りたかったのはその何か。もしかしたら、他の実況者を襲っていたのも、足りない何かを探していたからだったのだろうか。
「あなたのカレーに足りなかったもの、それは……」
 口にしようとして、噤み、笑みを浮かべる。
「自分で見つけて、今度は真っ当に挑んでくるといいですわ、カレーの道は探求ですもの、私が答えを口にするべきではないでしょう」

●決して絶つことのできないカレーの連鎖
 戦いを終えた猟兵たちはこれでもかというぐらいにカレーをたらふく食べることとなった。
 機関車怪人との戦いで最高潮に盛り上がった会場のあちこちから、何故か俺のカレーも食べてくれとどこからともなく用意した大量のカレーを押し付けられたのだ。
 その様相はまさに戦争。激しい戦乱に巻き込まれた猟兵たちは、ただただカレーを食べ続けるしか生き残る道がなかった。
 戦争は、終わらない。
 この会場のどこをコンコンしてもカレーが出てくるということを猟兵たちが知り、それ即ち、いくらでも尽きることがない、という事実を突きつけられたのは、全員が満腹で倒れ伏してからだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月24日


挿絵イラスト