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大祓百鬼夜行⑱〜貌無しジョン・ドゥ

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行


●悪魔の証明
 それには貌が無かった。
 貌が無い故に何者でも何物でも在り、暴くには『描く』必要が有った。出遭い頭に名を憑けたならば如何だろうか、それは確かに証明(あか)される。
 這い回れ這い廻れ這い巡れ――千(あまた)もの姿形がオマエ達によって固定される。その貌(ざま)はいとおしくも登場人物、設定を刻むに等しい。
 UDC怪物ではないと証明されたもの――UDC-Null――はかつて存在し、現実(いま)を存在(あ)ろうとしていた。骸魂と合体(と)けた妖怪(ひとびと)が、アースを目掛けて行進(や)ってくる。人類の脳味噌が棲家なのだ、当たり前だろう。
 それには貌(あくま)が宿っている。

 ――しゃめっしゅ。しゃめっしゅ。
 ――しゃめっしゅ。しゃめっしゅ。
 ――※※※※※※※※※?

●グリモアベース
「貴様等、UDC-Nullの目覚めが予知された。彼等は『UDC怪物ではないと証明されたもの』、つまりは虚言だったと『思われていた』存在だ。かつて存在していたと成った現、それを放置しておくわけにもいかない――正体は『骸魂に憑かれた妖怪達』だと解せたのが、如何にも【おぼろげ】にしか判らないのだ――倒すのには『おまじない』が効果的らしい。されど『名を呼んでやる』以外が曖昧なのだ。現地(UDCアース)民や施設などを活かし『おまじない』を成功させ給え――嗚呼、UDC-Nullの【名前がわかれば】いいのだがな。わからなければ当てずっぽう他ないだろうよ」
 グリモアが輝いて。


にゃあら
 にゃあらです。
 まじないをこめて。名は貌(からだ)を表す。

 プレイングボーナス……おまじないを完成させるために行動する。

 宜しくお願い致します。
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第1章 日常 『おまじないを探せ!』

POW   :    忘れられたUDC-Nullの伝承を探し当てる

SPD   :    UDC-Nullの情報を迅速に集める

WIZ   :    UDC-Nullに有効そうなおまじないを考える

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 それには名前がなかった。
 それには貌がなかった。
 それには――と続けるには情報が足りず、何者かからの収集が不可欠と思えた。故に猟兵(きみ)は考え、弄らねば成らない。しゃめっしゅ。しゃめっしゅ。と、楽しげに鳥が鳴いているのか。
 君は図書館に向かうのだろう。君は人と会いに行くのだろう。君は君自身で『おまじない』を作るのだろう。人の想像力を以て狂気か正気かを定めると好い。
アウグスト・アルトナー
これは勘ですが……詳細を知る方は、正気を失っているかと
ぼくも人のことは言えませんが

UDC組織が、そうした方を保護してくれているでしょう
なので、組織傘下の病院へ向かいます

お会いできたら、ぼくの『必要な枷』を貸します
半ば強引に足枷を嵌め、【狂気耐性】と【落ち着き】を与えて、尋ねますね

教えてください
『しゃめっしゅ』という言葉に聞き覚えは?

……なるほど
ありがとうございました

つまり、唱えるべきおまじないは……

暗黒のファラオ万歳
ニャルラトテップ万歳
くとぅるふ・ふたぐん
にゃるらとてっぷ・つがー
しゃめっしゅ
しゃめっしゅ
にゃるらとてっぷ・つがー
くとぅるふ・ふたぐん

こうでしょうか
合っているといいのですが



 誰が頭蓋骨の貌(かたち)で『何』かを理解・判断出来ると謂うのか、腐った果肉(にく)にベリー・ソースを塗りたくっても『み』が無ければ食む事も叶わない。それらは認識するだけで人を狂わせるのだろうか。それらは想像するだけで人を惑わせるのだろうか。これは勘ですが――詳細を『知る』方は、正気を失っているかと――偏見などと拭い取る事も難しく、ただ松果体(もも)を触(つつ)くが如くに啼いている正気。人(だれか)のことは言えないが、成程、狂人は狂人の理性を咀嚼為せた。
 保護と観察は同じ音(ね)だった、おそらくは『ちょっと外れた』者々を組織、抱いているとは思えないか。硝子か鉄格子の彼方側(あちら)で彼・彼女、自棄に陥って眼球耳朶を苛(いた)めつけて在るのか――思考が嵩ぶって鬱陶しいほどに――必要な枷(もの)を与えると好い、暴れのたうつ脳髄はか弱いものだ。
 教えてください。教えてください。しゃめっしゅ。しゃめっしゅ。それは何だと『異う』のだあなた、冷汗は落ち着きに変化して耐性(のこりかす)。貌が無かった? 何を莫迦な、こんなにも豊かな表情だと嘲るのに……なるほど。「ありがとうございました」――つまり。唱えるべきおまじないは。
 暗黒のファラオ万歳――頭蓋(ふた)を割ったならば単純な事だ、そもそもひどい在り様の娯楽だろう――万歳――もしや蕃の面を拝めたのか、墜ちる墜ちる墜ちる――くとぅる――此方側には見難い角度だ、足元を掬われる。つがー……。

 しゃめっしゅ。しゃめっしゅ。
 ――ふたぐん――こうでしょうか。

 ふと妖艶(つや)を覚えたらお隣の月並み、咆哮(ほ)えた森林は黒に相応しいのか。聞こえる。聴こえた。それは果たして本当に『名付けていいもの』なのか。合っているといいのですが――膨らんだ翼が想った以上に伸縮(の)びている――もしや、ぼく自身がそれらなのかも知れない……?
 家族は死んだ。家族は生きている。ぼくはぼくでしょう。ならば「ぼくが――であること」に何の疑問(うたが)いが孵る?

 如何にも宙がいとおしくて、悪魔があなたを証明した。
 枷を戻そう。枷を嵌めよう。枷を……笑えてきた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

レン・デイドリーム
妖怪相手におまじない
この世界では昔からよくあった話かな
妖怪達もこの世界からやってきた存在だったし
僕もその伝統に則って色々試してみよう

UDC案件ならUDC組織の力を借りるのが一番だ
データベースや書籍を漁り、有力な情報を探してみる
「名前を呼んでやるといい存在」
「けれど名前が分からない」
民話とか言い伝えとか、そういうので似たような話はないかな

それと気になるのは、外から聞こえる妙な声
しゃ……しゃめっしゅ?
いや、何だかそういう音に聞こえるかな
これで検索してみても何か引っかかるかな
だって珍しい鳴き声の鳥がいるなら気になるじゃないか

名前と貌のない存在
その貌を覗き込むことは出来るだろうか
やれるだけやってみよう



 夢の日々に押し込まれるような感覚(ぬくもり)の中、粘ついた汗(しる)を指先で舐る、そんな何気ない日常の内に『名状』は隠蔽されているものだ。妖怪相手におまじない。溶解液を浴びせ掛けるような行為も何処か懐かしさの化身で、形骸と落ちた遊戯(おあそび)とも解けるだろうか。かこんだ、かこんだ、檻の中――最近似たような依頼(てんかい)を認識(み)た気がする――妖怪達もこの世界からやってきた存在だったし。則るべきは伝統なのか創作なのか、兎も角、世界はオマエの定義(サダメ)を欲していた。色々試してみよう――名前を呼んでくれないか、プロトタイプ。
 白い物を見てしまったら騒がしく鳴くべきだった。知的生命体に造られたならば言語を模倣すべきだった。データベース・書籍その他をごそごそとすれば如何だ、呼んでやるといい存在、けれども名前がわからない――似たような話は見当たらないが、嗚々、虚の貌無しは全く『何処にでも視られる』易さなのだ。
 しゃめっしゅ。しゃめっしゅ。疑問符(はてな)を鳥類(なにか)に投げ掛けたら何に辿り着く。難題、と説くにはひどく拙い妄想だろう。珍しい鳴き声のそれらは愉快なほどに馬面だった――卵は栄養満点で美味いね、そりゃあもう絶品さ――貌を覗き込むことは出来るだろうか。君の目玉は何個あるんだろう。
 先生、先生、どうして先生には三つ在るんですか? やれるだけやって魅せたならば君がそれら、等々と謳い始めれば闇の底……真っ白な光が首を傾げた……ジョン・ドゥはぶつくさと去って往くのか?
 いけない、いけない、いけないんだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
名前も無くて貌もない。
いやはや、そいつは奇っ怪だ。
そんな奴の噂があるなら、
それだけで都市伝説の出来上がりさ。
それを「幽霊の正体見たり枯れ尾花」と、
断じられたは腹立つだろうね。

何せアンタは「わからぬ」からこそ怖いのさ。
なのに分からぬからこそ考えて、
分からぬからこそ決めつける。
そいつはアンタも気に食わないかい?

情報を、集めるふりしてばら撒くよ。
型に嵌めようって輩を言いくるめ、
数多の名前と貌を考えさせる。
下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる?
そんなもんじゃアないんだよ。

だって「貌がない」のも貌だろう。
だからアンタはこう呼ばれる。
無貌の者。千の貌を持つ者。
たまにはこうして、ヒトの虞を暴き立てるのも一興かもねぇ。



 抉れ。抉れ。抉れ。取り逃した夢(にんげん)は小さく、絡め取った先は立て板に水だ。濁流した言語(セリフ)に押し潰された酩酊は自分自身への罰だったに違いない。それらには「名前も無くて貌もない」、ジョン・ドゥが表情を失えば『そいつ』は全く太郎とも記せず、ただタユタウ設定資料(ページ)に堕すだろうか。いやはや、そいつは奇っ怪だ。異物混入した化け物は美少女でも在り美青年でも在る。そんな噂があるなら、それだけで都市伝説(かいぶつ)の出来上がりだ。柳の囁きが魔王(ふつふつ)と煮えてくる――幽霊の正体見たり枯れ尾花――断じられたら腹が立つ? 異厭、異厭、そう『告げなければ』成って終うではないか……?
 わからぬ。故に『恐怖』はやってくる。未知(わか)らぬ。故に『宇宙的』だと付属(つ)けられた。わからぬからこそ考えて、わからぬからこそ決めつける――おそろしく冒涜的ではないか人間性、この自動二輪をシャンタクと名付けよう――そいつはアンタも気に食わないかい? 矛盾する=カオスだと大笑いしているのは題名か、黙れ、黙れ、黙ってくれ――ちょっと聞きたいんだけどさ。
 型に嵌めるのは勿体ない。数多(むげん)に与えるべきだと包めていけ。オカルトマニアに小説家、その他諸々の法(かせ)を緩める。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる? そんなもんじゃアないんだよ――獣の数字は666だと誰が記した? 助けて、助けてください、お父様が僕等を待っているんだ……。

 貌がないのも貌だろう。
 無貌の者、千の貌を持つ者、発音せよ発音せよ発音せよ。
 発声――発生。
 ヒトの虞を暴き立てるのも一興かもねぇ。

 思い付いた先から『それら』が構築されて往く。たとえばオマエも『それら』として組み込まれて終うのか。極光(オーロラ)を浴びたご友人、塑の手の甲は舐られる崩壊(うんめい)なのだ。ああ、そうそう――口腔に突っ込んでくれよ宇宙色、もう貌を忘れそうでたまらないんだ……抉れ。抉れ。抉れ。
 アウトサイダー信じてほしい、まじないは平等だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

中小路・楓椛
私は命名則にセンスの欠片も無いと以前から他の方からの評価を受けておりまして。
こういうのは本来は他の猟兵の皆様にお任せすべきなのでしょうけれども、少しばかり気になる事がありましてお伺いしました。

皆様が色々やっている場の隅の方で私はリアルタイムで得られた情報から思いつく限りの名前の案を言い続けておきましょう。
もしもどれかに何らかの反応があればそこから状況が好転するやもしれませんし、ええ。

確定した相手と意思疎通ができれば良いのですが、私が居る事でむしろ逆効果になる可能性もありえますケド――その時はその時ですね?



 継ぎ接ぎした欠片が何を孕むと謂うのだろうか、母胎(はら)を弄り尽くせば黒い山羊も『かみ』を食んで啼くと異える筈だ。如何様な評価を受けていたとしても猟兵(おまえ)、この案件(ワード)は気に触(な)って仕方がない。本来は誰かに任せた方が良いのだろう。真実は誰かに決めてもらった方が好いのだろう。されど厭の真っ暗闇、病んだ末路が合法阿片(ダゴン)とは赦されない――たとえば始まりの主人公、麻痺させた脳で何を執っているのか――隅っこの方でリアルタイム、得られた情報(もの)の限りを使って命名していけ。月みたいな幼生のまじないは、とっくの昔に『吼えて』存在(い)た……方程式・膨らんだオマエ・恐怖は毎々と浮き上がる……何かしらに反応が『あれば』良かったのだ。好転(ぐるり)、全てにそれらが奇怪(きゃっきゃ)している。金属片(?)が錠をほどいてしまったのか、遂には無数(とわ)、千々(ちりぢり)に貌が群がって狂(くる)――意志疎通は容易なものだ。私が居る事でむしろ逆効果になる可能性も……。
 可能性(シナプス)が揃い踏みだと『ジョン・ドゥ』が笑った。可能性(かんが)え事が融合したと『 』が嘲った。チク・タクと現れた『もの』とおどれ、おどれ、お互いの肢を踏まないよう。封じられなかった輪郭(ダオロス)がぶくぶくと視線を肥やしていく――増殖した貌(けい)はどれを照らし出した。
 ならば『人間』だ。それは『人間』としか呼びようがない。そうとも『中小路・楓椛』と同じ事だ――小に大を容れる術はないのだから。
 とてもアヤシイと思わないか?
 わたしはあなたをおもいます。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャルロッテ・ヴェイロン
こんどは「都市伝説の具現化」ときましたか。こうなるともう何でもありですね。

早速UCを発動、ネットワークにアクセスして【情報収集】といきましょう(検索キーワードは「しゃめっしゅ」で)。
ついでにでかい図書館や博物館のデータベースにも【ハッキング】を仕掛けて、よさげな情報とかも引っ張り出していきましょうか?
場合によってはUDC組織にも協力を仰ぎましょう――まぁ一回存在しないものと認定されてますから、再調査とかやってくれるかはわかりませんが。

※アドリブ・連携歓迎



 はっは、お嬢さん、存在しないものを如何やって調べると言うんだい? そりゃあ――はNullじゃないかも知れないけど、お嬢さんだってわかる筈がないのさ。何故かって? それを存在する事にしたら『だめ』なんだよ。わからないかな――しゃめっしゅ。しゃめっしゅ。しゃめっしゅ。しゃめっしゅ……検索欄と履歴が鳥の鳴き声で埋め尽くされていく。何度キーボードを叩いた何度指を動かした何度頭の中身を鷲掴んだ。白みそに赤みそに脳みそだ、こうなるともう「なんでもあり」ですね。
 データベースを無理に抉じ開けたならばしゃめっしゅの大荒れ、飛び込んだ電子の海はオマエを『取り囲んだ』騒々しい。再調査はやってくれなかった? 違う違う、再調査は『最初からやっている』のだよ。ほら、お嬢さん。こうしてお話している俺が何者なのかわかるかい……無慈悲(れいせい)に戻れば確かに『そう』だ。しゃめっしゅしゃめっしゅ――唇が勝手に動いていた。緑の瞳(め)が振盪(ぶ)れて治まらない。駄目だ、ダメだ、それらに本当の『名』を伏せたなら……。
 人間(ジョン・ドゥ)さん、今度はこっちにこないでください。人間(やまだ)さん、今度はあちらから出ないでください。人間(にんげん)さん、今度は名前を探さないでください――データが削除されていますデータが削除されていますデータが削除されています――削除されている? 変な事を言わないでください。

 最初からそれらは無かったのです。
 人間(ようかい)がひとり立っていた。
 一次元に収まってくれ、Null(ない)だろう。

 Nから始まる名称だ。Nを初めてと記したなら、AもZも息絶えている。祈りをこめて叫んだら、きっとオマエもそれらに成っていた。好かった良かった、これでお終い――二度と……の貌と出遭わぬよう頭を垂れよ、お約束が戸を叩いている。
 何かぬめぬめとした大きなものが漿液を……。

 The window……。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月15日


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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト