大祓百鬼夜行⑲〜ここはどこの踏切じゃ
踏切迷宮――それは、UDCアースに発生した迷宮化現象のことを指す。
オブリビオンの影響で無数の路線が入り交じる迷宮と化した踏切は、
それを知覚できない人々を足止めし、以て流通を停止させてしまう。
人々は、自分たちの生活基盤が破壊されていくことをさえ知覚出来ない。
単純な世界の破壊とは別の破滅が、UDCアースに迫りつつある。
「……そこで、オヌシらに問題のオブリビオンを取り除いてほしいのだ」
グリモア猟兵ムルヘルベル・アーキロギアは言った。
「この迷宮の特徴は、無数の路線をひた走る「妖怪電車」にある。
一体誰が、何処へ向かってこの電車を走らせているのかはわからん。
たしかなのは、この電車はオブリビオンも構わず吹き飛ばす、ということだ。
……つまり厄介な地形だが、敵を誘い込めば逆に武器としても使える」
もちろん、敵もそれを承知であるからにはそう簡単には誘い込めない。
どのようにしてオブリビオンの群れをおびき寄せるか、が重要だ。
あるいは妖怪電車に頼らず、速攻で敵を殲滅するのも手ではあるだろう。
その場合、複雑な迷宮地形をどう攻略するかが問題となるが……。
「大祓骸魂の位置は知れず、彼奴の「虞(おそれ)」はまだまだ膨大だ。
こうして少しずつ百鬼夜行を攻略することが、きたる決戦の助けになるはず。
……すべての妖怪たちを無事に救い出すためにも、オヌシらの力を化してくれ」
そう言って、ムルヘルベルは本を閉じた。
「オヌシらの健闘を祈る」
かくして、また新たな戦いが始まる。
唐揚げ
プレイングボーナスは「踏切と妖怪電車を利用して戦う」です。
敵は『骸魂童子』――子供の姿をしていますが厄介な敵です。
本日16時までの完結を目標に頑張ります。ご参加お待ちしています。
第1章 集団戦
『骸魂童子』
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POW : 怪力
レベル×1tまでの対象の【尻尾や足】を掴んで持ち上げる。振り回しや周囲の地面への叩きつけも可能。
SPD : 霊障
見えない【念動力】を放ち、遠距離の対象を攻撃する。遠隔地の物を掴んで動かしたり、精密に操作する事も可能。
WIZ : 鬼火
レベル×1個の【鬼火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
大成功 | 🔵🔵🔵 |
成功 | 🔵🔵🔴 |
苦戦 | 🔵🔴🔴 |
失敗 | 🔴🔴🔴 |
大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
九十九・静香
ふむふむ、わたくしの故郷の世界の機関車とはまた少々違うのですね
面白いものです
踏切なるものも真新しいですが……つまりは踏切を越えさせればよいのですね?
ならばわたくしの筋肉の真骨頂というもの
筋肉令嬢姿に変身
鎖鉄球『鵤』で敵を絡め取り◆捕縛
そのまま◆怪力で踏切を越える程にぶん投げましょう
断部流で叩いて◆吹き飛ばすのもいいでしょうね
相手が警戒して距離を取ってきたならばユウベルコヲドを発動
腕に強制的に引き寄せ筋肉重力で固定した敵を最大で持てる重さまで掴み踏切を越えてぶん投げます
ふう、本日も我が筋肉は昂り絶好調ですね、むんっ♪
「ふんッ!!」
とてもではないが、淑女ともお嬢様とも言い難い力強いシャウト。
恐るべき筋肉モードに変身した九十九・静香の気合であった。
その気合とともに繰り出された鎖鉄球が、骸魂童子をぐるりと絡め取る。
童子は逃れようと身悶えするが、あいにく静香はそこまで優しくはない。
「踏切なるもの、真新しいですが……つまりはこうすればよいのでしょう!?」
KRAAAAASH!!
放物線を描いた鉄球は、縛られた骸魂童子ごと路面に叩きつけられた。
路面――そう、線路のレール上に。つまりは踏切の向こう側に。
「……!」
「もがいたところで動けませんわ。それだけの力で叩きつけましたもの」
静香は鎖鉄球の拘束を解いてやるが、それはつまり「必要がない」ということ。
プアアアアアアン……! と警笛の音とともに、ライトが瞬いた。
猛スピードで近づく妖怪電車の振動が、レール越しに骸魂童子を焦燥させる。
落下の衝撃で全身が麻痺した童子に、逃れるすべはなく――KRAAAASH!!
「なるほど、こうやって利用するものですのね。踏切とは」
何か妙な勘違いがあった気がするが、まあこの場では間違っていない。
じりじりと距離を取る童子を、静香は術式の引力で無理やり引き寄せた!
「さあ、あなたたちもですわ! さっさと片付けられてしまいなさい!」
砲丸投げよろしく、童子の群れは軽々と踏切の向こう側へ放り投げられる。
通り過ぎたばかりの妖怪電車が再び近づき……轢殺処刑が繰り返された。
「お手軽でいいですわね! これにはわたくしの筋肉も昂りますわ!」
骸魂童子は白い肌に冷や汗をかいて、思わず後ずさった。
静香は笑顔でずしゃりと近づく。まるで大型肉食獣めいた威圧感。
「さあ、続きを始めるといたしましょう?」
どうやら骸魂童子には、逃げるという選択肢すらないらしい。
大成功
🔵🔵🔵
月凪・ハルマ
子供相手とかちとやりにくいなぁ……
あ、見た目だけなの?ならちょっと安心
◆SPD
……なんて、気を抜いていい状況じゃないよな
即座に【瞬身】を発動。同時に【迷彩】で姿を隠す
物理的な攻撃ならともかく、念動力は目に見えないし
躱すの不可能じゃないにしてもめんどくさいからな
今回は手早く済まさせてもらう
武器改造で旋棍を刀剣状に変形させておき、戦場を
【目立たない】様に(【忍び足】【闇に紛れる】)移動
死角から【早業】で【暗殺】を仕掛け、確実に相手を仕留めにいく
基本的に隠密行動で発見されないようにはするけど、
ただしそれでも見つかって攻撃された場合には
【見切り】【残像】【第六感】で回避を試みてみる
※アドリブ・連携歓迎
●童女を斬る
月凪・ハルマはヤドリガミでこそあるが、その感性と情緒は常識的なもの。
ゆえに、見た目ばかりはか弱そうな骸魂童子に対し、心理的抵抗があった。
「子供の姿だから気兼ねはいらないとはいえ、やっぱりやりづらさはあるな……」
これは理屈の問題ではないし、ハルマが甘いというわけでもない。
むしろ、その姿を利用しているふしのあるオブリビオンをこそ唾棄すべきだ。
敵の目から隠れながら、ハルマはそう思った――肌で感じる悪意に顔を顰めて。
(なんだろうな……どうしようもなく受け入れられない邪気がある)
物腰とか所作とかではない、もっと根源的なものだ。
猟兵はオブリビオンを仇敵とみなし、その逆もまた然りだが、
この子どもの姿をしたオブリビオンの群れは、明らかに状況を愉しんでいる。
存在することで世界にマイナスをもたらすことに悦びを感じている。
逃してはならない敵だと、ハルマの本能が叫んでいた。
「――ならまあ、確実に仕留めていきますか」
ハルマはふらふらと徘徊する童子の移動ルートを観察し、見定め、
敵がひとりになったところを狙い、死角から飛び出した。
「!!」
「おっと。念動力は使わせないよ」
疾い。童子が身構えるより先に、刀剣状になった旋棍の切っ先が喉元を貫く。
嫌な手応えがある。慣れたものとはいえ、不快感に顔を顰めた。
「こっちは急いでるんでね……悪いけど、これで終わりだ」
ハルマが剣を引き抜くと、骸魂は靄となって消えていった。
どうやら少女の姿は素体由来だったようで、着物姿の妖怪がその場に転がる。
「っと、見つかったら危ないし、隠密がバレそうだからな。ごめんよ」
ハルマは気を失った妖怪を抱きとめると、安全そうな物陰に横たえる。
彼女らが見つからないためにも、急いで敵を駆逐しなければなるまい。
「嫌いなんだよな、子供を利用するような奴って。まあ、妖怪だから見た目同様の年齢じゃないのかもだけど」
嫌悪感を籠めて、ハルマは吐き捨てた。
迅速なる影が、水銀めいた速度で闇を駆ける。邪悪を討つために。
大成功
🔵🔵🔵
榎・うさみっち
うーむ、誘き寄せようにも
あいつらがいったい何に釣られるのか分からんな!
この可愛いうさみっちゆたんぽを君たちにあげるよ~とか!?
でも子供っぽい玩具やお菓子には
あんまり好きじゃなさそうな顔してるし(偏見
よし!誘き寄せるんじゃなくて
てっとり早く放り投げよう、そうしよう!
UCでまほみっちゆたんぽを増殖!
電車が近付いてきたタイミングを狙って
風の魔法をみんなで一斉に発動!
突風やら竜巻やらとにかくスゲー風を起こして
敵の群れを電車の通る線路上に無理やりふっ飛ばすぜ!!
たーまやー!
でもオブリビオンとはいえ子供を線路に放り込むって
何も知らない人が見たら俺のほうが極悪人では…!?
●時として手段は目的を凌駕する
「うーん、どうしたものか……」
戦場へ馳せ参じたはいいものの、榎・うさみっちは悩んでいるようだった。
というのも、問題は「骸魂童子をどうやって線路におびき寄せるか」である。
うさみっちはフェアリーだ……そして、彼が召喚するのも同じく。
つまり、怪力でぽいぽい放り投げるなんて芸当は出来ないということ。
なので誘い出すには、何かしらの餌が必要となるわけだが……。
「この可愛いうさみっちゆたんぽを君たちにあげるよ~……とか、だめかなあ」
物陰からちらりと敵を観察する。……ダメだ、通じそうにもない。
なんというか話にならないというか、平たく言うとシリアスな気配がある。
「どうせ見た目も子供なら、感性も子供っぽければいいのになあ……仕方ない」
うさみっちは誘き出し作戦を諦め、風の魔力を高めた。
「こうなったら、手っ取り早く風の力で追い詰めよう!」
怪力がなくても、うさみっちには風の力がある。
さらに、魔法に特化した「まほみっち」を召喚すれば……!?
「命が宿ったゆたんぽの本気、見せてやるぜー!」
ぽぽぽぽぽん! とファンシーな煙とともに出現する分身たち。
彼らは隊列を組み、杖を掲げて魔力を高める。
ざわざわと草木がそよぎ、ただならぬ魔力に童子の群れが気付いた!
「おーっと、もう遅いぜ? さあみんな、一緒に力を合わせるぞー!」
「「「おー!!」」」
まるで並列接続された電池めいて、魔力が励起し累乗倍に高まっていく。
まほみっちたちを中心とした風は、まるで竜巻のように渦巻いていた。
「せー、のっ!!」
まほみっちの掛け声とともに、集まった風の魔法が解き放たれた。
局所的な突風が、骸魂童子を空に巻き上げ……そして、線路上へ落とす!
「たーまやー! ……って、こういう場合は違うかな?」
気の抜けた呟きとともに、ゴオン――! と電車が通り過ぎた。
「うーん、絵面がどうにも極悪っていうか、なんかすごいヤな気分だなー」
なにせ、子どもの姿をしたオブリビオンを線路に投げ込んでいるのである。
仮に此処にギャラリーがいたら、どちらが悪人扱いされるかは明白だ。
とはいえ相手はオブリビオン、容赦していたらこちらがやられるだけ。
「おっと、妖怪たちを保護しなきゃ。よーしみんな、もう一度いくぞー!」
「「「りょうかーい!」」」
骸魂からふっとばされた妖怪たちを、風の魔法が今度は優しく受け止め、安全な場所へと運んでいくのであった。
大成功
🔵🔵🔵
リア・ファル
UDCアースの物流を止めさせるワケにも行かないね
妖怪電車の運行状況はリアルタイムに把握している
(情報収集)
囲まれないように『イルダーナ』で立ち回りつつ、
鬼火は『セブンカラーズ』の聖水弾で相殺していこう
(属性攻撃、弾幕、破魔、浄化)
【空間掌握・電影牢】で、戦場の位置・認識をズラすことで、
踏切の外、と認識させて相手を誘い込む
(罠使い、迷彩、地形の利用)
彼らには、ボクの立っているところが線路上に見えるだろう
「定刻通り」
カンカンと踏切が鳴れば、戦場の偽装を解く
そちらが線路上で、こちらが踏み切りの手前だ
電車の近くで遊んじゃダメさ
●ここはどこの踏切じゃ
リア・ファルはハッキングを用い、妖怪電車の運行状況をマッピングしていた。
数百本以上の路線を行き交う電車は、誰が、なぜ、どこへ向かって走らせているのかまったく定かではない。
彼女が把握できるのも、この空間に現れ去っていく妖怪電車のタイミングだけだ。
「カクリヨファンタズムって本当に不思議な世界だなあ。
そもそもあの電車って、妖怪が運転してるのか、電車自体が妖怪なのか……」
後者だとすると、あれはおそらくヤドリガミに近いモノなのだろう。
己はバーチャルキャラクターではあるものの、本体と呼ぶべき存在は同じ器物。
ある種のシンパシーを感じなくもないが、今は利用させてもらうほかない。
「おっと、さっそく集まってきたね……イルダーナ!」
猛スピードで包囲しようとする骸魂童子の攻撃を、上空へと逃れる。
牽制の聖水弾が、飛来する鬼火を撃墜して霧散した。
敵の動きは、見た目と裏腹に執拗かつ合理的だ。
可憐で華奢な見た目に騙されてしまっては、痛い目を見るだろう。
「あるいは、狙ってそういう見た目にしたのかな。油断も隙もない相手だ」
リアは敵の位置をマップに投影しながら、全力飛行で猛追から逃れる。
骸魂童子の数が増えていく。捕まれば、彼女とて無事では済むまい。
「逃げればそれだけ追ってくる……まあ、当然のことだよね。けど」
リアは振り返り、追跡する敵の数を確認して不敵に笑った。
「追い詰めているはずが追い詰められていた――なんてのはよくある話だよ?」
その時、ついにリアは骸魂童子に包囲されてしまった。
イルダーナは縦横無尽に飛行できるとは言え、敵には飛び道具がある。
迂闊に動けば鬼火に呑まれる……まさしく、絶体絶命だ!
「――と、キミたちは思っているんじゃない?」
「「「!?」」」
その瞬間、ぐにゃりと空間が捻じ曲がった。
というのは、骸魂童子の認識の話。正しくは『最初からそうだった』のだ。
手品のタネが披露されるように、『本来の光景』が童子たちの目に飛び込む。
彼女らが立つのは、平地ではない――踏切の内側だ!
「ボクを追いかけるので頭がいっぱいだったでしょ? おかげでやりやすかったさ。
けど、これが現実。キミたちは、最初から「此処」に誘い込まれてたんだよ」
リアは電脳魔術によって周囲をサイバースペースに変え、改竄。
踏切の中と外を「入れ替える」ことで、敵の認識をズラしていたのである。
カンカンカンカン……と踏切が音を鳴らす。童子たちは逃れようとした。
「そうはいかない!」
聖水弾の雨あられ! 敵が回避を余儀なくされたところへ、迫る妖怪電車!
「ここはどこの踏切じゃ――なんてね。遊ぶ場所は考えないとダメだよ?」
リアの言葉は、猛スピードで駆け込んできた電車の轟音がかき消した。
そして風が通り過ぎれば、あとには気絶した妖怪たちだけが残る。
「これで、攻略完了……と。まったく、戦争はいつも忙しいなあ」
リアは妖怪たちの容態を確認し、保護のためにイルダーナの僚機を呼び出しながら嘆息した。
人々が何も知らず安穏と過ごす日常の裏では、こうした戦いが毎夜繰り広げられているのだ――。
大成功
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