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大祓百鬼夜行⑩〜飲んだくれ竜神様の暴走

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行

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#大祓百鬼夜行


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●飲んだくれがやってきた!
 妖怪たちが集う世界にまた夜が来る。
 夜闇が深くなっていくごとに、芳しい食べ物や酒の匂いは強くなり、あちらこちらから乾杯の音頭が響き、笑い声があたり一帯を包み込む。
「ハハッ!愉快、愉快!愉快すぎてたまんねぇっ!!」
「おいおい、夜はまだこれからだぞぉ?そんなに真っ赤な顔でどうすんだよぉ!」
「いやぁだってよぉ、あそこの酒が旨すぎるせいだ!俺は、悪くねぇ…ヒック」
 とある二人組の男が真っ赤な顔をしたまま、街路を練り歩いていた。肩を回されている方の足取りはすっかり頼りない足取りになっている。
「まぁ、時間はまだあるさぁ?ここらでいいとこ見つけたら、そこで飲み直そうぜぇ」
「おうおう、そうしよぅ…ヒック、どっこかに良いとこねぇかなぁ…ック」

 からん、ころん。ちゃぷちゃぷ。からん、ころん。
 何かがぶつかる音が、揺れる水音が聞こえる。それは一度きりではなく、何度も何度も響き、一つの音楽となって、夜の喧騒に混じっていく。男たちの近くにいた人たちも少しずつその異音に気付き始めた。
「…なんか、聞こえなかったか?」
「あ、ああ。なんか、からころ…って…んんっ!?」
 男の目線の先には、数ある屋台の中のひとつ。看板が建てられていない、年季の入った屋台。その中にいたのはーー巨大な緑色の龍だった。
「うわわわ、竜だ!竜が、いる!!」
 男の酔いはすっかり醒め、驚嘆の声をあげる。近くにいた人々も驚きのあまり持っていた酒や食べ物を落としてしまった。
 竜の元から、からんころん、と音が聞こえている。それはいくつもの瓢箪がぶつかり合う音だった。そして、かすかに漂うアルコール臭から瓢箪の中にあるのが酒であることはすぐにわかった。
 そして、巨大な龍の頬は、男たち以上に真っ赤だった。そして、その立派な鬣の合間に見える目はフニャりと蕩けている。
「なんだ、なぁんだぁあ?酒が、酒がぁ、足らぬか?つまみぃが足らぬか?
 なら、我が、盛大に振る舞ってやろう!さぁ、食え、飲め、尽くせぇ!!どんどん飲めぇ、食えぇえっ!!」
 緑色の竜が呂律の回らないまま吠えると、空から瓢箪や食べ物が降ってきた。
 ひとつふたつではない。空から数えられないほどの数が空から降ってきたのだ…!

●まぁお酒はほどほどに。
「…というわけ…で、猟兵の、皆さん。このままだと、お酒とおつまみで埋め尽くされてしまう、ので、なんとかして、欲しい、です」
 予兆を話したところで、アルディオ・ハルヴァス(人見知りケットシー・f05197)はペコリと真っ黒な頭を下げた。
 アルディオが猟兵に今回の事件について話したことには、どうやらお酒の大好きな竜神がオブリオン化した結果、善意のおもてなしの心が暴走してしまい、屋台に引き込み降らせた酒や食べ物を無理やり飲ませ食わせているという。住民たちの腹が耐えきれなくなってしまえば、隔離とファンタズムが酒とおつまみで埋め尽くされてしまうのだという。
「今回は、その竜が降らせているお酒や食べ物をどんどん飲んだり食べたりすると、自然と、竜の方にダメージがいくそう、です。どうしてなの、か、ちょっと不思議なんですけど…普通に戦うよりはまずは飲んで食べたりしたほうが、効率はいいのかも、です」
 食べ物のほうはお酒のつまみとしてよくあるものばかりらしい。軽いスナック系からガッツリご飯系のものまで多種多様。それ故に、巻き込まれた住民たちの腹は大変なことになっているらしい。
「そ、それで、皆さん、お酒の方は大丈夫、ですか?」
 お酒の種類は多種多様らしい。ほんのりと味のするものから、ガッツリお酒!というものもあるので、注意して欲しいとのこと。全て瓢箪の中にあるので、見た目ではどんなお酒が入っているのかわからないらしい。お酒を飲んだ上で戦闘する場合は注意してほしい。
「あ、えっと、未成年さんはお酒飲むのは、ダメなので、未成年さんの人は、おつまみの方をなんとかして、くださ、い、ね…?ダメ、ですからね…?」
 自分と同じくらいか年下くらいの未成年の猟兵にしっかりと念押ししたところで、アルディオは改めて猟兵たちに顔を向ける。
「今回は、いつもとはちょっと違う内容になるんです、けど、カクリヨファンタズムの皆さんが、困ってることには、変わらない、です。少しでも早く、オブリオンになってしまった竜神さんを退治して、住民の皆さんを、助けてあげて、ください…よ、よろしく、お願いします…」


高岡こころ
 オープニングをご覧いただきありがとうございます。マスターの高岡こころと申します。
 カクリヨファンタズムより戦争シナリオを一本お送りさせていただきます。
 皆さん、お酒は好きですか?高岡は好きです。すぐに酔いますが。
 今は事情で飲めないので、解禁したらほろっと酔えるあのチューハイを飲みたいですね。
 おつまみは魚とか厚切りベーコンとか…美味しければなんでもいいのです。

●本シナリオの構成
 1章(ボス戦)で完結する戦争シナリオになります。
 戦うこともできますが、どちらかというと飲んで食べてのどんちゃん騒ぎです。とりあえず降ってきたものをどんどん飲んで食べてもらえば、オブリオンのダメージは与えられますので、戦うのが苦手という方にもおすすめのシナリオです。
 戦闘はほぼ描写しませんので、ご承知いただけますと助かります。
 お酒やおつまみの指定がありましたら、プレイングの方にご記載ください。特になければ、高岡が適当に決めます。

●プレイングボーナス条件
 屋台グルメを食べまくる(戦わずともダメージを与えられます)

●マスターよりお願い
 同行者・連携者がいる場合は、『必ず』お相手様のお名前とキャラクターIDを添えてお書きください。両方の記名がない場合、一方のみでの表明の場合、プレイングをお返ししてしまう場合がございます。
 制限のある文字数を消費させてしまいますが、リプレイ製作時のミス防止のため、予めご了承くださいませ。
 また、今回は【飲酒描写】がありますので、【20歳以下の未成年キャラクターの飲酒行為のプレイング】及び【20歳以下の未成年キャラクターに飲酒行為を勧めるプレイング】は一切禁止させていただきます。万が一こういった記載があった場合は、そのままお返ししますのでご了承くださいませ。

 それでは、みなさまのプレイングを心よりお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『酒呑み竜神『酔いどれオロチ』』

POW   :    桜に酒はよく似合う
【周囲に咲いている桜の花びら】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    月も酒にはよく似合う
非戦闘行為に没頭している間、自身の【頭上に輝く満月】が【怪しい光を照らして包み込み】、外部からの攻撃を遮断し、生命維持も不要になる。
WIZ   :    やはり祭りに酒はよく似合う
【頭上の提灯の怪しくも楽しそうな灯り】を披露した指定の全対象に【倒れるまで踊り狂いたいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は高柳・源三郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

芦谷・いろは
竜の居酒屋なんて初めて見ました~。
おつまみ?もなんだか凄く美味しそう
ちょっと楽しみです

でもいろはは未成年なんですよね?
居酒屋さんですが、お酒はダメなので
竜人さんにはバレない様にコップにはお水やジュースを入れておきますね
雰囲気だけ味わいます

フライドポテトとか唐揚げ(レモンでもいいし、おろしポン酢もさっぱりしてていいですよね)
定番物も好きですが、油っこいもの食べてると野菜も食べたくなりますよね~
野菜スティックとか無いですかね?カリカリ食べたいな~

周りの皆さんはロシアンルーレットなお酒の飲んだりしてて凄いですね~
しかし、実際使われている瓢箪とか初めて見ました
お土産物の飾りでなら見た事あるのですが



●もぐもぐもぐもぐ
「竜の居酒屋なんて初めてみました〜。おつまみもなんだか美味しそう〜」
 住民たちがお腹を抱えたまま倒れたり、酒を飲まされ続けて泡を吹いている中、芦谷・いろは(傀儡使い・f04958)は朗らかな笑みを浮かべながら、並べられたーーいや、空から次々と落とされたおつまみを眺めていた。
 数あるおつまみの中からいろはが選んだのは、揚げたてのフライドポテトと鶏の唐揚げ。フライドポテトは中がホクホクのものと、極限まで水分を抜かせたカリカリなものがあり、一方唐揚げは、醤油麹に漬け込んで柔らかくしっとりと仕上げられたもの、片栗粉をまぶすことで皮をガリガリにしたものがある。そしておつまみの側には、味変のためのケチャップやマヨネーズ、ポン酢や大根おろしなどが用意されている。
「わぁ、とっても美味しそう!ふふっ、それじゃあ、いただきま〜す」
 揚げたての油の香りはどうしてこうも人の心を惹きつけてるのだろう。フライドポテトに真っ赤なケチャップをつけて一口食べてみれば、ホクホクのジャガイモが口の中でほろほろと解けていく。
「うう〜ん…あつあつですけど、とーっても美味しいです〜♪」
 口をハフハフと動かしながら、揚げたてのフライドポテトを次々と食べていくいろは。時々ケチャップ以外のものをディップしながら食べ、時々唐揚げにも手を伸ばし、次々と食べていく。
「うぉおい、娘ぇっ!どうだぁ、我の料理はぁ、うまいかぁ!」
 真っ赤な顔をした竜神がいろはの前へと現れる。持っていた盃からお酒がパシャパシャとこぼしてしまっているが、次々とお酒を注いでいるのでそこまで気にしていないようだった。
「はーい。とっても、とーっても、美味しいですぅ〜♪
 ……あらぁ、竜神さま?折角のお酒が溢れちゃってますよぉ?ふふ、追加のお酒を注がせてもらいますね〜?」
「お、おおぅ、コレェはぁ、これはぁ、すまないなぁあ、はははっ!」
 美しい少女にお酒を注がれて、飲んだくれ竜神はすっかり上機嫌。
 だが、いろはが入れたのはお酒ではなく、桃のジュースだ。普通だったらすぐに酒ではないとバレてしまいそうだが、お酒を飲み過ぎてすっかり感覚がぼやけてしまった竜神が気づくことはなかった。
 そして、脂っこいもので満たした後は、彩り豊かな野菜スティックを見つけて。ぽりぽりと食べていくいろはなのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

三刀屋・樹
タダ酒タダ肴、上等じゃンねェ!
その上竜の神さんはメカクレ属性か…
中々じゃねェの…いや何もせんって、ホントだって。

一人分じゃあ損だもん、【如何様】で二人分頂いちゃうねェ。
こちとら蟒蛇、じゃんじゃん降らせンさいな、
どんな酒でも片っ端から平らげてみせるよゥ。

デモさァ、ちょいと聞きンさいよォ…
おもてなしってンなら神さんは皆に酌とかも大事だと思うノ。
ほら、美味いモン振舞いたいならそーいうの大事じゃなァい?
降らしてばっかいないでキモチよく酔わせてあげなきゃデショ?
さーてさてどんどん呑むよゥ、みんなにもカンパーイ!

※絡み、アドリブOK



●やはり酒は旨い
「うははっ!!おい、おいぃ。お主ら、中々良い飲みっぷりだなぁっ!」
「へへっ、ありがとよっ!」
 竜神が感嘆の声を向けられたのは、三刀屋・樹(C10H14N2・f00414)。彼女は自らのユーベルコードを使って分身を召喚し、二人分の酒を次々と飲んでいた。
 樹と彼女の分身が持っている瓢箪の中身はともにアルコール度数の強いものばかりのはずなのだが、彼女たちの後ろではすでに空の瓢箪が何個も転がっていた。ついでに、料理が載っていたはずの皿も何皿も重ねられている状態だ。
「タダ飯、タダ肴…上等じゃンねェ!へへ、その上、竜の神さんはメカクレ属性かぁ…中々じゃねぇの。ああ、いや、何もせんって、ホントだって!」
 竜神の、鬣の合間に見える瞳の色を見ながら、樹の顔はにやりと笑みを浮かべる。何か企んでいる様子だったが、竜神が「そんなに気になるのか?」と訝しげに見返したものだから、樹は軽く笑って誤魔化してみせる。
「まぁ、良いわい。そうら、お主らぁ、次は何が良い?酒かそれともつまみか?どんどん降らせてやるぞぉい?」
 竜神がぐにゃりと体をくねらせて空を仰ぐと、再び酒の入った瓢箪が降っていくる。すでに許容量を超えた住民たちの膨れた腹に瓢箪が激突し、「うぎゃあ」と蛙のような声が聞こえた。
 樹が近くに落ちた瓢箪を拾い上げ、蓋をとると、中から強烈なアルコールの匂いがしてきた。ひと舐めしてみると、下の上でピリッとした辛みを感じられる。上等な辛口の酒のようだ。
「うひゃあっ、こりゃあまた良い酒を降らせたもんだ!こいつもいただくよ!」
 分身にもひとつ瓢箪を渡して、飲み始める。ゴクゴクっと喉を鳴らしながら飲み干していく様は見ていて気持ちの良いものである。相当の度数のもののはずなのだが、彼女の飲みは、まるで水でも飲んでいるかのようだ。
「良い、良いぞぉ、うひゃっひゃひゃ…!」
 それを見て気をよくした竜神は手を鳴らしながら、自らも盃の酒を飲む。ごくりごくりごくり…ぷはぁ。飲み尽くしてから吐き出す呼気はまるで煙のようにゆらりゆらりと漂う。
「あぁ、デモさぁ、竜の神さん、ちょいと聞きんさいよぉ…」
「なんだぁ、お主、欲しいものがあったかぁ?降らせてやろうかぁ?」
「やぁ、それはまだまだたくさんあるけどねぇ。まぁちょっと言わせてヨ」
 また違う瓢箪の酒をごくりごくりと飲み干し、これまた炭火で良い感じに焼かれた焼き鳥とガブリと食べてから、樹は竜神に語りかける。
「おもてなしってンなら、神さんは皆に酌とかも大事だと思うノ。ほら、美味いモン振る舞いたいならそーいうの大事じゃなァい?」
「ふぅむ?そういうものなのかいのぉ…?」
「そういうモンよ?色んなモノ降らしてばっかしないで、キモチよく酔わせてあげなきゃデショ?」
「ふぅむ…」
 にぃっと笑い、樹はまた瓢箪を手に取る。これで何本目だろうか。分身も飲んでいるので、すでに10本は超えているはずだが、樹の動きがふらつくことはなく、むしろより活発になっているような気がする。近くで倒れていた住民たちの顔が一段と青く見えるのは気のせいだろうか。
「さぁって、ドンドン呑むよゥ!みんなにもかんぱーい!」
「…ひゃっひゃ、かんっぱあい!!」
 樹の勢いを気にいったようで、竜神はまた別の酒を盃に注ぎ、樹と乾杯を交わす。樹も倒れた住民に向けて乾杯をすると、まだ気を失っていない住民も何とか乾杯を返すのだった。

ーーめっちゃ吞むじゃんっと心のなかでツッコミながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

高柳・源三郎
連携・アドリブ歓迎
沢山の酒があるなら、もうここで宴会を開いてしまおうとユーベルコード【今日は宴会、飲み明かそう】を発動。
敵の出す酒を呑みならが猟兵達にも振る舞い宴会を開きます。
旅芸人の源三郎が宴会芸を披露すれば、猟兵達の酒もすすむだろう。未成年も宴会芸を楽しみつつ食べ物をつまむだろう。
自身も酒を呑みながら楽しい時間を演出するんじゃ。



●酒宴が始まる
 そこにたくさんの酒があるのなら、もういっそのこと、宴会を開いてしまおう。
「さぁ、楽しい宴会の始まりじゃぁっ!」
 高柳・源三郎(零細旅芸人一座の酔いどれ座長・f15710)が瓢箪を片手に高らかに声を張り上げ、芸を披露すると、周囲がわあっと盛り上がる。
 どこからともなく聞こえるお囃子に合わせて、源三郎がちょいととぼけて見せると、住民も猟兵も弾けたように笑い出し、盛り上がりと共に酒もおつまみも進む。
「わーひゃっひゃひゃあっ!何と面白い!!もう一度なのじゃあっ!!」
 竜神もまた例外ではなく、源三郎の芸に数多の手を合わせて喜んでいた。彼が喜ぶたたびに盃の酒がチャプチャプと揺れて溢れていく。
 酒が溢れていく様子を、源三郎は見逃さなずにすぐに竜神の元へ行く。
「おやおやご老体。酒が溢れておりますぞ!わしが注ぎましょうぞ」
「あいやぁ、おやおやふひひ!すまんの、すまんのぉ!」
「いやいやこのくらい!わしらも楽しませていただいておりますからの!」
 ガハハと豪快に笑いながら、源三郎は次々と酒を注いでいく。そして注がれた酒をぐいっと飲みほしてみせると、竜神の顔は更に一層蕩けていた。
「うひゃっウヒャヒャ、愉快愉快じゃぁ。のうお主もそう思わないかぁ、おやおや、お主も酒が足らなそうな顔をしているぞぉ、我もついでやろうっ!」
「ああ、かたじけない。…おっとっとっと!」
 竜神から直々に酒を注がれ、源三郎もまたそれを一気に飲みほす。竜神に負けない真っ赤な顔ではあるが、まだまだ飲みそうな口をしている。
「おうおう、まだ行けそうな口じゃの?まだまだ酒もつまみもあるからの!たらふく楽しんでいくが良いじゃっ!」
「ははぁ!ご老体がそこまで言うのなら、とことん楽しませてもらおう!」
 ガーハッハッハ!お互いに笑い、乾杯を交わすとまた飲み始める。

 宴会という名のパーティはまだまだ終わらないようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

楊・鈴花
アドリブ連携歓迎

あら、事件ですの?
それなら早速解決に……え、現場は屋台?
美味しくお酒を飲めばダメージを与えられる?
ふふ、世の中には美味しい話もあるのですね
良いことだと思いますの

という訳で屋台に腰掛け色々頂きましょう
せっかくだからおつまみは辛いものがいいですね……
キムチとか、ピリ辛系とか
それに合わせるならビールでしょうか
美味しく頂きましょう

それからこの龍、見るからに日本酒が得意そうです……!
何かおすすめ、ありますの?
日本酒に合わせるなら和食がいいでしょうか……
暖かくなってきていますが、おでんとか良さそうですわね

飽きるまで飲んで食べて楽しく過ごしましょう
こんな風にのんびりするのも良いものですわね




「事件とは聞いて何事かと思ったのですが…
 まさか現場が屋台で、美味しくお酒を飲めばダメージを与えられるなんて…ふふ、世の中には美味しい話もあるのですね。良いことだと思いますの」
 朗らかな笑みを浮かべながら、屋台の椅子に腰掛けたのは楊・鈴花(死人は語る・f32772)である。
「おやまぁ!こりゃあまた別嬪さんが来たのじゃぁ!」
 ぐにゃりと身体を曲げながら、竜神が鈴花の元へとやって来る。ただでさえ酒を飲みすぎて顔が真っ赤なのに、美人の顔を拝めた竜神の口元がすっかり緩み切ってしまっている。
「ふふ、別嬪さん、だなんて。嬉しいわ。
 それなら、色々といただこうかしら。ふぅむ、せっかくだから、辛いものがいいですね…じゃあ、このキムチとヤンニョムチキンと…あぁ、このビールをいただきましょう。いいかしら、竜神様?」
「ああ構わぬぞぉ!美人さんに飲まれ食われるなら、こいつらも本望じゃろうて!」
「あらあら嬉しいわ。では…いただきますわね」
 箸を手に取り、優雅な手つきで食べ始める。キムチはピリリと辛いものの中に発酵食品ならではの酸味も感じられる。また甘辛いヤンニョムチキンはキムチとはまた違う辛味があり、柔らかな鶏肉が絡まり合い良い味わいになっている。
 ビールをくいっと飲んでみると、ビール独特の苦味と共に仄かに爽やかな香りと味が広がっていった。
「…あら、これは、フルーツビール…?」
 苦味の中に含まれる甘味がおつまみの辛味を和らがせ、流し込んでいく。その感覚もまた心地よい。くいくいっと飲んでいくうちに、ビールもおつまみも無くなっていた。
「ふぅ、美味しかった…そうだ、竜神様?どうやら日本酒もお得意みたいですけど…おすすめあります?」
「おっ、お主ぃ、中々見る目があるのよぉ…っ!ちょいと待てぇ。良い酒を選んでやるぞぃ。ついでに天ぷらもいかがかいの。辛口の日本酒と天ぷらは意外と合うのじゃぞ」
「まぁ素敵!是非、それをいただきたいわ!」
「あいあい。では少し待たれぇいよー…へへっ」
 鈴花の笑顔にすっかりデレデレになった竜神は彼女をもっと喜ばせるために、空から日本酒の入った瓢箪いくつかと天ぷらの盛り合わせを降らせた。天ぷらの盛り合わせの内容は、大葉・なす・さつまいも・かぼちゃ・とり天・磯辺揚げ…などなど。めんつゆと塩も用意されていた。
「さぁさ、別嬪さん、飲めや食えや。楽しめヤァ!」
「ふふっ、ではお言葉に甘えて…いただきますわね。
 ああ、もしよければこの後はおでんもいただいても良いかしら?」
「あぁ良い、良いぞぉ。好きなネタがあればどんどん言ってくれぇ?では乾杯じゃ!」
「はい、乾杯ー♪」
 盃とガラスグラスをカツンと鳴らして飲み始める。そこからまた竜神と鈴花とのいおしゃべりが始まり、それは飽きるまでに行われたのだった。

●宴が明ける
 そうして、猟兵や住民たちが飲めや食えやになっている間に夜は明け、いつの間にかみな眠りについていた。特に住民たちの方は膨れた腹を抱えて苦しそうではあるが、猟兵たちの助けもあり、何とかなっているようだった。
 辺り一面は空の瓢箪や料理の皿などが転がって、また別の意味で惨事にはなっているが、まぁ後々何とかなるだろう。
 おもてなしに暴れ狂っていた竜神はいつの間にかオブリオンから解放されて、すやすやと穏やかな表情で眠っている。それで良いのだ。
 宴の後の、穏やかな朝焼けが猟兵や住民たちを優しく照らしていただのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月17日
宿敵 『酒呑み竜神『酔いどれオロチ』』 を撃破!


挿絵イラスト