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大祓百鬼夜行⑨〜SNSやってる?どこ住み?結婚しよ?

#カクリヨファンタズム #大祓百鬼夜行


 光る竹からポンポン生まれるかぐや姫の群れ。
 ……が、バッファローの大群めいてズドドドドド! と走っている。
「「「彼氏欲しいぃいいい!! 素敵なら彼女でもぃいいい!!」」」
 お前ら本当にかぐや姫か? みたいなことを叫びながら。
「あぁ、愛って素晴らしい! 愛って最高! 具体的に言うと彼ぴしか勝たん!」
 それもこれも、かぐや姫を操る『恋獄姫アヤラ』のせいであった。
「さ、みんなで理解のある彼ぴ彼女ぴ探しに行こ!」
「「「イエーイ!!」」」
 合コンに向かう女子大生みたいなノリであった。

●グリモアベース:予知者、クイン・クェンビー
「えっ、かぐや姫って恋人欲しいかぐや姫が婿探しするお話じゃないの!?」
 こっちもこっちでなんか盛大な勘違いをしていた。外国人だからね仕方ないね。

「……そっかー、かぐや姫って、むしろ結婚したがらない人だったんだー。
 クイン、てっきり5人の男と同時にお付き合いするやべーお姫様だと思ってた!」
 正しい竹取物語の知識を猟兵から教えられたクインは頭をかきつつそう言った。
 それはさておき、予知である。クインは改めて猟兵たちに説明する。
「えーとね、カクリヨファンタズムの竹林って、夜になるとすごい光ってたんだって。
 ……いや、これさっきみたいなクインの勘違いとかじゃなくてね!?
 ほんとに光ってたんだって。でも百鬼夜行の影響か、ほんとにお姫様が生まれて。
 で、しかもその大量の「かぐや姫」が、オブリビオンに操られちゃってるんだよ!」
 聞いているだけで頭の痛くなる話だが、全部事実である。
 問題はふたつ。
 かぐや姫は東方妖怪だが、操られていて戦闘力が高いこと。
 そしてもう一つは……。
「でね、かぐや姫は婚活してるの」

 なんて?

「いやだから、さっきみたいな勘違いじゃなくてー!」
 クインは手をぶんぶん振って説明した。
「操ってるオブリビオンのせいで、恋人探しとか言って攻撃してくるの!
 ていうか、攻撃よりむしろそっちのほうがしつこいまであるかもしんない……?
 隙を見せるとすぐ彼女になろうとしてくるみたいだから、気をつけてね!」
 それというのも、彼女らを操るオブリビオンに問題がある。
『恋獄姫アヤラ』は、愛情を食す魔女。具体的に言うと惚れっぽいヤンデレ。
 しかも相手を殺すことで愛を永遠のモノにしようとするやべーやつなのだ。
 この影響を受けたかぐや姫も、全力で恋人になろうとしてくる。
 気を良くして受け入れると、その瞬間にグサーだ。ナイスなボートしてしまう。
「だから婚活攻撃を躱しつつ、うまいこと普通の攻撃も躱してね!
 クイン恋愛したことないからよくわかんないけど、あれじゃないかなあ?
 話を逸らしたり、逆に照れさせることで一時的に封じ込める……かも???」
 多分、クインの頭の中では少女漫画っぽい壁ドンとかが浮かんでいた。
「あ、もちろんボスのオブリビオンも倒してね! そいつ倒せば解決だよ!
 ちなみにかぐや姫はオブリビオンのせいで変になってるだけだから、
 もし仮にこっちが本気になったとしても、戦い終わったら即スンッてなるよ」
 恋は一瞬のきらめきなのだ。悲しい話である。
 そんな悲しい終わりにならないためにも、ASAPで敵を倒すのがいいだろう。
「あとあと、もう恋人がいるっていうと修羅場るみたいだから気をつけてね!」
 最後になんか聞き捨てならねえこと言われた気がするが、もう転移は始まっていた。


唐揚げ
 竹羊羹です。この戦争ネタシナリオ向きのフレーム多いな……。
 プレイングボーナス条件は『かぐや姫の大群に対処する』です。

 このシナリオのみの話ですが、かぐや姫は愛に餓えています。
 具体的に言うと猟兵とくっつこうと、全力でアタックしてきます。
 メッセアプリ入れてるか聞いてくるし、
 恋人が居ないとか言うと全力でアピるし、
 合鍵作ったり胃袋掴もうとしたり泣き落とししようとします。
 受け入れると攻撃してきます。ナイスなボートです。
 拒絶しても攻撃します。ナイスなボートです。
 なので、なんとか斜めに弾きつつオブリビオンを倒してください。
 なお、オブリビオンも全力で恋人になろうとします。怖いですね。

 リプレイは今日のうちから着手する予定です。よろしくお願いします。
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第1章 ボス戦 『恋獄姫アヤラ』

POW   :    ウィッチクラフト・プロポーズ
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【呪い】属性の【愛の言霊】を、レベル×5mの直線上に放つ。
SPD   :    恋獄の縛り
命中した【恋】の【視線】が【対象を魅了する呪詛】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
WIZ   :    愛の結晶
無敵の【対象と自身との間に産まれたベイビー】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​
森宮・陽太
【一応WIZ?】
アドリブ大歓迎

ないすなぼーと、ってなんだ?
とりあえず操られて変になってるだけなら戻してやらぁ

よぉ、かぐや姫のねーちゃんたち
その麗しい髪、美しい着物
さぞかし元は高貴なお方なんでしょう
…と、全力で容姿を褒めたたえて「言いくるめ」
俺が彼女いないことから話題を逸らしてやるぜ

なんとかしのいだらアヤラ、か
受け入れようが拒絶しようがないすなぼーとになるなら
先手必勝、さっさと攻撃してやらあ
というわけで至近距離から「高速召喚、属性攻撃(炎)」+【悪魔召喚「スパーダ」】
炎纏わせた紅い短剣雨あられでご退散願うぜ

てめえとの赤ちゃんなんてできてもいねえ
偽物の幻想に浸っている間に燃えちまえ!



●燃えるような愛(物理)
「ないすなぼーと……って、なんだ……?」
 森宮・陽太は変なところで真面目なせいか、それが気になって仕方ない。
 だが気にしてはいけない。気にすると、それこそナイスなボートしてしまう。
 船と婚活になんの関係があるのか、それは永遠の謎である。大人の事情的に。
「まあ、いいか……っと、さっそく来たな」
 転移した陽太を出迎えたのは、キラキラ輝く竹林!
 そう、めっちゃギラギラ輝いている。クラブみたいな感じで。
「はじめましてー! ねえねえSNSやってる? どこ住み?」
「てか私と付き合いません!? 彼ピ欲しい!」
「添い遂げることを前提としての結婚生活を!」
 初手からものすげえ勢いである。葉大は思わず呑まれかけた。
「……あー、かぐや姫のねーちゃんたち」
 陽太は気を取り直すと、できるだけキザなように見える笑みを浮かべた。
「その麗しい髪、美しい着物……ざぞかし元は高貴なお方なんでしょう」
「「「きゃ~!!」」」
 するとかぐや姫たちは黄色い悲鳴をあげた。
 なにせ陽太はイケメンである。しかも金髪翠眼で背も高い。
 誰がどう見てもパーフェクトな容姿だ。それが見た目を褒めてくれる!
 これでコロッと落ちない女はいまい。いやまあもう落ちてんだけどこいつら。
「その凛々しい目も素敵です、見ていると吸い込まれてしまいそうだ」
「吸い込まれて! 吸い込まれて!」
「ねえお兄さん彼女居ます??」
「…………」
 間があった。
「……あなたは鼻筋が通っていて凛々しい顔をしていらっしゃいますね」
「やだ~! えへへへへへ」
 陽太は全力でごまかした。彼女が居ないとバレるとヤバそうだからだ。
 普段の彼なら絶対言わない歯の浮くような台詞を頑張って考える……!

 すると、そこにアヤラ出現!
「ああっ私の愛しいひと! ほーら赤ちゃんですよ~」
「てめえとの赤ちゃんなんて出来てもいねえしそれ別のかぐや姫じゃねえか!」
 アヤラがあやしていたのは生まれたてのかぐや姫だった。
「えっDVですか!? やだ、それもそれで力強くて素敵……!」
「倫理観壊れすぎだろ! ああもう付き合いきれねえ燃えちまえ!」
「ギャーッ!?」
 容赦なき炎の短剣がぐさぐさ刺さる! あ、かぐや姫は救出済みです。
「まったく、あのペースで付き合ってたらどのみちグサーなんだよな……。
 ないすなぼーと……よくわからないが恐ろしいぜ、絶対に回避しねえと……」
 陽太は額の汗を拭った。
 出会いを求める女の執念は、軽々しく触れてはならないものなのだ……!

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミルフィ・クロノラヴィット
アドリブや連携等も歓迎

カクリヨでも
戦争開始…
さながら妖怪大戦争ですわね☆

敵&かぐや姫軍団の
物理的な攻撃を
【ダッシュ】【ジャンプ】【残像】等で
躱しつつ戦闘

かぐや姫の大群への対処は

『そういえば「かぐや姫」ってアレでしたかしら…自分に従順な下僕選出の為に、男連中に敢えて無理難題出したとかいう話でしたかしら…?え?違う?ニッポン(UDCアース)の文化ムツカシイですワネHAHAHA☆』

等とエセ外国人ぽく
話を逸らしたりしつつ

ボスのアヤラは
自身のアームドフォートで
【砲撃】【誘導弾】【範囲攻撃】【一斉射撃】【呪殺弾】等の遠距離攻撃メインに攻撃
大ダメージ狙いではUC発動

『愛という名の弾丸、たっぷりと召しませ!』



●愛という名の弾丸
「うおおお!! 彼氏欲しいぃいーっ!!」
「この際彼女でもいいから恋人欲しいーっ!!」
「でもいいからってなんですの、でもいいからって! 妥協なんですの!?」
 餓えたハイエナみたいな勢いのかぐや姫軍団の攻撃を躱しながら、
 ミルフィ・クロノラヴィットは叫んだ。まあごもっともである。
 様々な恋愛の形が肯定される昨今、そういう物言いはよくないよね!
 えっ? そういう話じゃない? まあ……ネタシナリオだしね!
「カクリヨでも戦争が開始されたと思ったら、とんだ妖怪大戦争ですわ。
 いや、ていうかここにいるのは妖怪は妖怪でも婚活妖怪ですわねこれ完全に」
「ああっ! 愛って最高! 愛しか勝たん! ラブユーフォエバー!!」
「っとと、危ないですわ!」
 敵はかぐや姫だけではない。恋獄姫アヤラの攻撃をかろうじて躱すミルフィ。
 躱すっつっても、飛んでくるのはアヤラの叫んだ愛の言霊が、どこぞのレトロゲームみたいにでけえ文字の形したオーラになったやつである。
 あんなんでも食らうとヤバい。余計に喰らいたくなかった。
「ところで私と心中を前提としたお付き合いしませんか!?」
「心中を前提に!? 斬新すぎませんのその求愛の仕方!」
「付き合ってくれないんですか!? 付き合ってくれないなら殺す!!」
「付き合っても殺すんでしょうに……! あーえーと」
 ミルフィは思い出したように、急にエセ外人口調になった。
「そういえばかぐや姫ってアレでしたかしら……自分に従順な下僕選出のために、男連中にあえて無理難題出したとかいう話でしたかしら……?」
「「「違うわよ!!」」」
「え? 違う? ニッポンの文化ムツカシイですワネHAHAHA☆」
「「「ていうかどこの国の人!?」」」
「ワタクシニホンの文化詳しくナイデースワ、HAHAHA!」
 しめた! かぐや姫がツッコミに回った今がチャンスだ!
 ミルフィはウサギらしい脚力で、かぐや姫軍団の頭上を飛び越えた!
「ああっ! マイラバー! 私の愛に応えてくださるのですね~!」
「ええ、愛という名の弾丸、たっぷりと召しませ!」
「ウギャーッ!?」
 KRA-TOOOOOM!! フルバースト・マキシマム炸裂!
 一斉集中の火力が盛大な爆発を起こし、アヤラはギャグキャラみたいに吹っ飛んだ!
「求められすぎるというのもしんどいですわねえ……」
 やれやれ、と肩をすくめるミルフィでありましたとさ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

秋山・軍犬
ヤンデレの婚活会場とか…怖

グルメ姫「何でそんな危険な場所に
私を連れてきたでケキ! 言え!」

軍犬「こんな所に一人とか怖いから!」

という訳で、この危険な仕事を二人で乗り切るぞ!
…待って帰ろうとしないで、後で好きなもん奢ってやるから

で、UCの説明では戦闘力が無い感じだけど
実はボス級オブリビオン程度の戦闘力はあるグルメ姫君
かぐや姫(ヤンデレ)と恋獄姫(ヤンデレ)どっちの相手したい?

…どっちも嫌? じゃあジャンケンね
という訳でヤンデレちゃんさん達はジャンケン勝負が
終わるまで待ってて…待てない?

うっせー! 自分達の人?生や生命や
その他、色んなもんがかかった勝負なんだよ!
黙って見てろッ!!(覇気×限界突破)



●右を向いても左を向いてもヤンデレ地獄
「ヤンデレの婚活会場とか……怖~」
 秋山・軍犬はブルブル震えた。寒気に思わず二の腕をさする。
 まあその地獄の一丁目にいま居るんだけどな! 自殺志願者かな?
「で、なんでそんな危険な場所に私を連れてきたでケキ!! 言え!!!」
 ユーベルコードで強制的に召喚されたグルメ姫はたいそうお怒りだ。
 しかし、これも戦うためなのだろう。軍犬はグルメ姫の目を見て答えた。
「こんなところに一人とか怖いから!!!!」
「よしまずおめえぶっ殺してやるケキ!!!!」
 そして喧嘩が始まった。残念ながら当然の帰結である。

 しこたま殴りあったのち、軍犬は言った。
「よし、仲間割れはここまでだ。この危険な仕事はふたりの力を合わせないと乗り切れないぞ!」
「勝手に呼び出しといて何仲間みたいな扱いしてるケキ!?」
「うるせえなじゃあいいのかよヤンデレにナイスなボートされても!」
「それが嫌だから呼び出されて怒ってるんでケキよ!!!!」
 ごもっともである。
「まあ待て。ここはお互いに、かぐや姫とオブリビオンを分かれて相手すべきだ」
「うーんまあその理屈は納得出来なくもないケキ」
「というわけでかぐや姫と恋獄姫、どっちのお姫様の相手したい?」
「……一応聞いておきたいんでケキけど、それ何が違うんでケキ?」
「かぐや姫の方はヤンデレ。恋獄姫のほうはヤンデレ」
「どっちも同じじゃねーかケキ!!!!!!」
 強いて言うなら数と強さが違う! あと、種族。
「そんなもんどっちも厭ケキ!!」
「そっかー、じゃあじゃんけんね!」
「あのー、すいません」
 さっそくジャンケン対決に入ったふたりに、かぐや姫が声をかけた。
「そろそろ婚活していいです!?」
「いや、いまジャンケン勝負が始まるから。もう少し待って」
「はあ」
「じゃあ行くケキよ! 最初は……グー!!」
「おい今パー出そうとしたろ! 卑怯だぞ!」
「そっちこそチョキかグーかわからん形にしてて卑怯ケキ!!」
「わかったわかった。じゃあ最初はグーはなしでジャンケンポイでいこう」
「……それはいいケキけど、グーチョキパーとかはナシケキよね?」
「…………」
「ぜっていやるつもりだったケキね!? ほんと卑怯ケキ!!」
「そっちこそちょっとテンポズラして後出しするつもりだったろ!」
「なんだとケキーッ!?」
「あ、あのー……」
 今度はアヤラのほうが出てきた。
「私たちと戦闘……」
「「うっせー!! 自分たちの人生(?)や生命やその他色んなものがかかった勝負なんだよ(ケキ)!!!」」
「「「「うひぃいいっ!?」」」」
 ふたりのあまりの圧にビビり散らすヤンデレたち。
 結局、泥沼のジャンケン勝負は65536本勝負になったりして朝まで続いたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​

一郷・亞衿(サポート)
廃墟探索中に呪われ、その結果として力を得た猟兵です。独自開発した混沌魔術や呪詛を纏わせたカッターナイフ、金属バット、伸縮式の山刀(蛇腹剣)等を用いて戦います。
各種オカルト話を好みますが、オブリビオンに対しては基本的に容赦しません。
外見特徴として、マスクで常時顔を隠しています。

一人称は「あたし」。
年下~同年代にはくだけた感じの口調で話し、年上や偉い人には敬語(さん付け、ですます口調)を使います。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使いますが、寿命が減る系の物はタイミングを見計らい極力短時間の使用で済ませるようにしています。
軽口を叩いたりもしますが、戦闘時は真面目に役割を果たそうとするタイプです。



●下手なオカルトより人間のほうが怖い……ってコト!?
「いやおかしいやろがい!」
 一郷・亞衿は思わずツッコミを入れた。
 まず光る竹の中から大量のかぐや姫が生まれるってだけでおかしいが、
 オブリビオンのせいでそいつらが婚活仕掛けてくるっていうのもおかしいし、
 もっと言えばそいつらが全員(オブリビオン含む)ヤンデレなのもおかしい。
「「「恋人欲しいいいーっ!!」」」
 だが現実は非情だった。土煙を上げて迫る大量のかぐや姫軍団!
「あたし一応支援のつもりで来たんですけど!? ていうかあたしも!?」
「「「彼女も欲しいぃいいい!!」」」
「ま、まずい! これは受け入れても受け入れなくてもヤバいやつ……!
 それはそれとして答えを出さないでいてもダメっていうか押しつぶされるこれ!」
 かぐや姫軍団の勢いは、まるでバッファローかイナゴを思わせる勢いだ。
 亞衿は考えに考え抜き……そこで何かをひらめいた!

「よし、オカルト話しよう!!」
「「「えっ?」」」
 亞衿の突然の提案に、かぐや姫軍団はぴたりと動きを止めた。
「陰謀論とか信じる? レプティリアンとか胸キュンだと思わない?
 あたしとしてはやっぱり古典的な宇宙人説もいいよね! 好きなUFOの形は何?」
「「「え……」」」
 熱っぽくオカルト話を始めた亞衿に、かぐや姫軍団はヒいていた。
 そう……古今東西、マニアックすぎる話は異性をドン引きさせがちなやつ!
 いやこの場合は異性ではないが、亞衿はわざとその可能性に賭けたのだ。
 まあそもそも、東方妖怪がオカルト話にヒくってのも変な話だけども。
「いくらでも話せるよ! アダムスキー型UFOの模型見る??」
「「「いやそういうのはちょっと……」」」
(よし、作戦成功! でも心が痛い!!)
 顔で笑って心で泣きつつ、亞衿はガッツポーズした。
「私はそういうのもありですよお姉さまーっ!!」
 だがオブリビオンは一味違う! 恋獄姫アヤラが全力で乗っかってきた!
「あっちょっと嬉しい! でも押し付けがましい愛はノーセンキュー!!」
「グワーッ!?」
 どこからともなく亞衿が取り出したギタースイングが頭にヒット! これがパンクだ!
「まあ、ヒかれるのも慣れてるけどさ。好きなんだからしょうがないよねー」
 真っ二つに折れたギターを放り捨てつつ、遠い目をする亞衿だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴィクティム・ウィンターミュート
どうしてこうなったのか、俺にも分からない
だけどこれだけは言える───帰りてえ
ヤベエよあのギラギラした目
湿度も高いし熱量もエグイしキッツ
やめろやめろ!身体をまさぐろうとするな!!

えー…オホンゴホンエホン
お、俺と君達では済む世界が違う…俺は君たちを傷つけたくないのさ
俺の居る世界は暴力と欲望が蠢く闇の世界…君達のような、儚い花が来ていい場所じゃない
それでもいいだって?フッ…酔狂な奴もいたもんだ
果たしてその威勢がいつまで続くかな?

まぁ、うん…こんな感じでのらりくらりと躱して…
敵陣の真っ只中でデリートプログラムを実行
まとめて消し去って、さようならだ
なんだろう…言い寄られても嬉しくないし、興奮すらしねえ



●どうしてこうなったのか、自分にもわかりません
「――帰りてえ」
 たびたびこんな台詞を吐いているヴィクティム・ウィンターミュートだが、
 今回はもう本当に、マジのガチで、心の底から、嘘偽りなく帰りたかった。
 なぜこんなことになったのか、もはやヴィクティムにもわからない……。
「ヤベエヨあのギラギラした目、湿度も高いし熱量もエグいしキッツ……!」
 ヴィクティムはアウトローだ。アウトローだが、色々ウブでもあった。
 なもんで、なんとしてでも身を固めようとする女たちの"圧"に気圧された。
 まあこんな勢いで迫ってくるヤンデレに気圧されない男はいないと思うけどね!
「やだ! あそこにいる男の人とってもかっこいいわ!」
「本当! あのどこか厭世的な雰囲気がたまらないわね!」
「ねえあなた! 彼女居る? どこ住み? てか結婚しない???」
 そして早速群がるかぐや姫軍団! なんと決断的な逆ナン行為か!
「やめろやめろ! プライバシーに音速で踏み入ろうとするな!」
 さしものヴィクティムもたじたじであった。こんなもん受け流せるのはホンマモンのナンパ師か何かだと思う。

「えー……オホンゴホンエホン」
 ヴィクティムは身体に触る勢いのかぐや姫軍団を両腕で制しつつ、咳払いした。
「お……俺と君たちとでは、住む世界が違う……そう、俺は君たちを傷つけたくないのさ!」
 そしてなにやら、普段なら絶対言わないような歯の浮く台詞を言い始めた。
「「「え……っ?(トゥンク)」」」
 かぐや姫軍団は顔を赤らめていた。チョロいなこいつら。
「俺のいる世界は暴力と欲望がうごめく闇の世界……君たちのような、儚い花が来ていい場所じゃない」
 ヴィクティムはいい感じの角度でキラリと歯を光らせた。

 なお本人の心中はどうなっているかというと。
(ウワっキモッ! 俺キモッ!! なんだよ儚い花っていくら端役だからってそれはねえわ!! やってんの俺だけど!!!!)
 自分で自分にサブイボを立てていた。難儀な性格である。

「で、でもわたしはそれでもあなたのそばにいたいの! いいえだからこそ……!」
 かぐや姫のひとりがそんなことを言い出した。
「それでもいい……だって? フッ、酔狂なヤツもいたもんだ。
 はたしてその威勢がいつまで続くかな……闇の世界は、甘くないぜ」
「「「きゃーっ!!」」」
 完全に酔いしれている。とりあえず撹乱は成功(?)だ!
「ああっ、デンジャラスでダークネスな世界に身を置く強い男! 最高っ!!」
 そしてアヤラも混ざってきた! 目がハートマークだ!
 アブない男はそれはそれで女を引き寄せてしまうのである!
「あ、いや俺そういう趣味ないんで。消えといてくれな」
「ウギャーッ!?」
 デリートプログラムを食らったアヤラの身体の一部がブーンて消えていく!
 ほらあのあれ、レトロゲーで倒された敵ボスキャラみたいな感じで。ブーンて。
「なんだろう……言い寄られても嬉しくないし、興奮すらしねえ……」
 遠い目をするヴィクティムだった。彼はこうして大人になるのだ……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エドガー・ブライトマン
へえ~、コンカツというのがあるんだ。大変そうだね
私には馴染みがないな。王子様だから
許嫁がいたような、いなかったような……

レディ、これは平和のためなんだよ
だからあんまり嫉妬したり怒らないように。左腕が痛いからね
ウンウン、聞いてないね

ごきげんよう、姫君たち
私は王子様だよ。遠い国から旅をしてきたんだ
スマホ?ううん、持ってない。スマホって何?
恋人の有無?秘密さ
質問には何となくはぐらかしながら
ミステリアスな感じって大切でしょう、多分
ウインクでも飛ばしてやり過ごすのさ

好きなタイプは世界平和のために協力してくれる子かな!
アヤラ君、協力してくれるかい?優しいな、キミは
じゃあ目を閉じてくれる?(レイピアで刺す)



●SNSやってる? どこ住み? 結婚しよ?
「コンカツ、かあ……大変そうだね」
 エドガー・ブライトマンは王子様であるからして、そういうのは無縁だった。
 思い返すと許嫁がいたような、いなかったような、そんな気がする。
 でも頭がぼんやりする。これは深く考えないほうがいい気がする記憶だ。
 だってほら、ギリギリしてる! 左腕のヤンデレ女神がギリギリしてる!
「レディ、これは平和のためなんだよ。だからあんまり嫉妬しないように。
 嫉妬しなければ怒ればいいかっていうとそんなことないからね。
 いまとても左腕がギリギリされて痛いからね。ウンウン聞いてないね」
 エドガーにもうヤンデレは間に合っていた。そして物理的に痛え!
 これも包容力(物理)ってことか……握力? うんまあそうとも言う。

 ところで、そんなエドガーのもとに群がるかぐや姫軍団!
「王子様! わたしと恋愛しましょう!」
「いいえわたくしと! 心中を前提にした婚姻を!」
「もうこの際恋人にナラないでいいのでお腹刺させてください!」
 なんか一部めちゃくちゃなことを言い出しているのがいないか?
「ごきげんよう、姫君たち。私はたしかに王子様だよ。遠い国から旅をしてきたんだ」
 エドガーはそんな餓えた野獣どもにも笑顔で応対する。王子様の鑑だ。
「ねえSNSやってる?」
「SNS?」
「そもそもスマホ持ってます?」
「ううん、持ってない。スマホって何?」
「やだ古風な人! ねえ恋人はいるんですか?」
「ふふ、秘密さ」
 エドガーは笑顔で地獄の面接質問をかわしていく。な、慣れている!
 ミステリアスさは大事な魅力の源。王子様には謎がたっぷりなのだ。
 そんな彼がウィンクでもすれば、かぐや姫たちは目をハートにしてきゃあきゃあ騒ぐ!
 左腕はもうめっちゃぎりぎりしてる。痛い。

「どきなさい! 私は婚約者よ!!!」
 そんなところに殴り込んでくるアヤラ! 別に婚約者ではない!
「ああ、姫! キミのような美しい女性なら話は別さ!」
「えっ!?」
 アヤラは思わずキュンとして動きが止まってしまった!
 見守るしか無いかぐや姫軍団の間を、ゆっくりエドガーが歩く。
「実は私は、世界平和のために協力してくれるような子がタイプなんだ」
「そ、そんな……それなら私、いくらでも協力しますわ!」
「ふふ。優しいな、キミは……じゃあ、目を閉じてくれる?」
 エドガーが顔を近づけると、アヤラは顔を真っ赤にしてこくこくうなずいた。
 そして目を閉じ、ちょっと顎を上向け、その時を待つ……。
 エドガーは笑顔で頷き……そして、そっちアヤラに優しく触れた。

 え? 何で? 唇? ちげえよレイピアだけど???
「ああ、まるで鉄みたいに硬くて針みたいに鋭いってグワーッ!?」
「世界平和のために、死んでおくれ!」
「ああっ! 一度でいいから言われてみたい台詞ランキング第三位! 我が人生に悔いなしーっ!!」
 心臓を貫かれた(ふたつの意味で)アヤラはなにやら満足しながら爆発四散!
 かぐや姫軍団も我に帰り、もう婚活に励むようなことはなくなった。

 ……が、しかし……。
「ねえわたし、将来旦那にするなら王子様みたいなタイプがいいかも」
「私もそう……ていうか王子様しか勝たん……」
 好みのタイプについては無事に捻じくれてしまったようだ。恐るべし、王子様の魅力!
「これにて一件落着だ! だからレディそろそろ落ち着いてくれないかな。痛いからね左腕がね。ウンウン聞いてないね」
 疼痛はその後3日ほど続いたという。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月08日


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#カクリヨファンタズム
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#大祓百鬼夜行


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナギ・ヌドゥーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト