大祓百鬼夜行⑨〜伐折羅とかぐやの姫
●竹藪の怪
「さて、次なる戦場の案内だ。今度の戦場は、カクリヨファンタズムの竹林となるぞ。そこに居るオブリビオン『竜幻公女『伐折羅姫』』を撃破してきてくれ」
グリモア猟兵の天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は、集まった猟兵達に簡潔に今回の任務の目的を説明する。だが、単純な戦闘で片付くかと思えばそういうわけでも無く、この竹林では異常事態が発生しているそうだ。
「カクリヨファンタズムの竹が夜になると光りだすのは皆も知っての通りだ。だが、常ならばその中に何か居るわけでも無いその竹から、ここではかぐや姫の大群が出現するのだ」
このかぐや姫は生まれたばかりの小さな東方妖怪であるが、その戦闘力は相応に高い。そして厄介なことにオブリビオンに操られて、猟兵達へと攻撃してくるとのことだ。
「オブリビオンを倒せばかぐや姫達は解放されるので、できるだけ傷付けずに対処して欲しい」
悪いのは全てオブリビオンだ。なるべく傷付けずにかぐや姫を無力化するなり、かぐや姫との戦闘をなんとか回避してオブリビオンを倒して欲しい。
「伐折羅姫は幼き姿にされて封印された呪術師が、何らかの骸魂に呑み込まれたオブリビオンだ。竜や鬼、大人の姿に変身するユーベルコードを使用するぞ」
大人の姿での実体化に関しては、蛇や虎といった動物を具現化してくることが多いようだ。オブリビオンを撃破すれば、骸魂に呑み込まれた彼女も解放することが可能だ。
「先の戦場に進むためには、この地も制圧せねばならぬ。全部纏めて救出した上で、きっちり制圧してしまおうではないか!」
百々は猟兵達を激励すると、現地へと転移させるのであった。
夢幻
●マスターの夢幻です。
●戦争シナリオのため、1章で完結となります。
●このシナリオのプレイングボーナスは、『かぐや姫の大群に対処する』です。
●オブリビオンを倒せば、骸魂に呑み込まれた妖怪は救出できます。
第1章 ボス戦
『竜幻公女『伐折羅姫』』
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POW : 火途
【炎を吐く竜の姿】に変身し、レベル×100km/hで飛翔しながら、戦場の敵全てに弱い【心を増幅する地獄の炎】を放ち続ける。
SPD : 刀途
【神の筆で自身の封印を解く】事で【刀剣や弓矢で武装した鬼神の姿】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 血途
対象の攻撃を軽減する【大人になった自分の姿】に変身しつつ、【描いたモノや呪文が実体化する神の筆】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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疎忘・萃請
身を堕としてアタシたちに異常を教えてくれた
そんなお前たちを、今度はアタシたちが救う
……とはいえ、この小さき姫君をどうにかしなくてはな
うん、そうだ。隠れ鬼に興じよう
すう、と右手を掲げて力を使う
竹林を森に塗り替えて、その木の葉に身を隠す
木から木へ飛び移り、伐折羅姫の元へ
みぃつけた
樹上から奇襲の如く飛び出して
明食鎖をぶち当てる
筆を持つ腕に鎖を絡めて牽制
ぐい、と引っ張り肉薄し、鋭い鬼の妻でその肉を抉る
辛かろう、苦しかろう
今解放してやるからな
救ってやる
おまえも、おまえが愛した世界も
そこはアタシにとっても愛しき故郷だから
「身を堕としてアタシたちに異常を教えてくれた……そんなお前たちを、今度はアタシたちが救う」
妖怪達の献身に報いねばと、疎忘・萃請(忘れ鬼・f24649)竹林へと足を踏み入れる。そこは、小さなかぐや姫の大群で溢れかえっていた。
「そのためには……この小さき姫君をどうにかしなくてはな。うん、そうだ。『隠れ鬼』に興じよう」
萃請がすう、と右手を掲げてその力を使えば、竹林は迷宮の如き森へと変じた。突然の環境の変化と迷宮に、かぐや姫達は大混乱に陥った。そうして惑うかぐや姫達を尻目に、彼女は木から木へ飛び移り伐折羅姫の元へと進む。
「みぃつけた」
「何じゃ!? ……っぐう!?」
そしてきょろきょろと周囲を見回していた伐折羅姫を樹上から発見した萃請は、一気に飛び降りながら奇襲を仕掛ける。彼女の操る『明食鎖』は姫の右腕へと絡みつき、その筆の動きを押し止める。その上で萃請はぐいと鎖を引いて伐折羅姫を引きつけると、鋭き鬼の爪でその身を抉った。
「辛かろう、苦しかろう。今解放してやるからな」
攻撃の手段を封じられた伐折羅姫を、慈悲の表情を浮かべた萃請は攻め立てていく。
「救ってやろう。おまえも、おまえが愛した世界も。そこはアタシにとっても愛しき故郷だから……」
大成功
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夜鳥・藍
なよ竹のかぐや姫、傷つけるのは少々心苦しいですがここはやむを得ないと自分に言い聞かせで。
隠れて進めればいいんだけど、竹林って下生えが無いか、あっても低い草だから隠れるのは難しいかも。私もそういうのが得意ってわけでもないし。
しょうがないから青月より雷を放ち、かぐや姫達には感電して貰います。その間にすり抜けて元凶の元へ。
ごめんなさい、倒すまで少しじっとしていてくださいね。
伐折羅姫相手では自信がないなりにがんばって長期戦を仕掛けます。UCを放ち相手の攻撃を相殺したり、かわしたりします。時に直接青月で斬りこんでみたり。
なるべく無理はせず、相手の消耗を誘います。
ティエル・ティエリエル
小さな身体なのを利用して、かぐや姫達を隠れてやり過ごして伐折羅姫のところまでこっそり近づいていくぞー☆
かくや姫達が出てきた竹の節の中にも隠れられそうだよね♪
伐折羅姫を見つけたら一気に突撃だー!
大人の姿に変身したら、いいないいなボクも大人の姿になりたーい!と羨ましがるよ。
ダメ元でお願いしてみようと【妖精姫のいたずら】で服の中に潜り込んでこちょこちょしながら交渉だよ!
ふふーん、やめてほしかったら大人の姿に変身する方法を教えるんだよ♪
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です
「なよ竹のかぐや姫、傷つけるのは少々心苦しいですが、ここはやむを得ないですね」
そう自分に言い聞かせながら、夜鳥・藍(kyanos・f32891)はかぐや姫の大群と対峙する。かぐや姫に見つからないように隠れて進むことで交戦を回避出来れば良かったのだが、彼女はそういったことが得意では無い。さらに竹藪の中には下生えも無いため、多少隠密が得意でも、見つからずに進むのは困難であろう。
「雷よ、降り注いで全てを痺れさせるのです」
藍は仕方なく、ユーベルコードで敵軍の無力化を試みる。彼女の抜いた『青月』からは周囲に雷が降り注ぎ、かぐや姫達を感電させていった。
「ごめんなさい、倒すまで少しじっとしていてくださいね」
痺れて動けないかぐや姫達に謝罪した藍は、急ぎ伐折羅姫の討伐を目指す。
「妾を斯様な小妖怪と同じと思うでないぞ!」
かぐや姫の背後から指揮していた伐折羅姫は『血途』で大人の姿に変身すると、神の筆で蛇や虎の絵を描く。それは瞬く間に具現化し、藍へと向けて襲い掛かってきた。
「ここは消耗を狙うのが良さそうでしょうか……」
雷撃で牽制し、時には敵の攻撃を切り払い、藍は長期戦を狙う構えだ。しかし、描いた動物に戦わせる伐折羅姫と、自身で奮戦する藍、消耗が大きいの藍の方だ。このままでは先に限界を向かえるのは藍となるだろう。
「見つけたぞー☆ それっ! 突撃だー!」
しかし、ここでもう一人の猟兵の加勢が入る。レイピアを構えたティエル・ティエリエル(おてんば妖精姫・f01244)が、伐折羅姫を横合いから奇襲したのだ。人間では身を隠すのが難しい竹林も、小さな妖精の身であれば問題ない。竹の陰に、あるいはその節の中に身を潜め、ティエルはかぐや姫に気づかれないままに伐折羅姫へと接近していた。藍の長期戦狙いの策は結果的に功を奏し、ここに二対一の構図を実現した。
「おまえの元々の姿は小っちゃいって聞いてるぞ。いいないいなー。どうやったらそんな大人の姿に変化できるんだ? ボクも大人の姿になりたーい!」
「むしろこちらが本来の姿じゃ! 妾もあんなちんちくりんになりたくてなっているわけでは無い!」
とはいえそんな有利な陣形を構築しても、ティエルは無邪気でおてんばな妖精である。大人の姿を取る伐折羅姫のことを羨ましがり、そのやり方を質問している始末である。もっとも、それにオブリビオンがまともに応じるわけもない。封印されて童女の姿にされた伐折羅姫なら尚更である。
「ふーん☆ そういうことを言うなら……服の中からこちょこちょしちゃうぞー♪」
「なっ! ちょっ!? あははっ。こらっ、止めるのじゃ!」
伐折羅姫は服の中に潜り込んだティエルをつまみ出そうとするも、これは『妖精姫のいたずら』という歴としたユーベルコードである。そう簡単にどうこう出来るものでは無い。
「ふふーん、やめてほしかったら大人の姿に変身する方法を教えるんだよ♪」
「あははっ、誰が、言うものか! このっ、出て行くのじゃははははっ!」
ティエルに身体をくすぐられて、伐折羅姫は笑い転げて動きが出来ない様子だ。当然術の集中も切れ、蛇も虎も消え失せる。
「はっ! 今こそ攻撃の時です!」
ティエルの破天荒な行動に呆然としていた藍も、ここでようやく気を取り直したようだ。今こそ攻撃のチャンスと、伐折羅姫へと斬撃を見舞う。
「こちょこちょこちょ~♪」
「やあっ! これでどうですか!」
「くっ、こんな無様な……あははははっ」
ティエルに笑わされて抵抗出来ない伐折羅姫は、藍の青月に切り裂かれるのであった。
大成功
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空亡・劔
この最強の大妖怪である空亡劔よりもオブビリオンに従うとは色々とかぐや姫達は判っていないわね!
【天候操作】で猛吹雪を引き起こすわ
それでかぐや姫達が見えづらくなってる所で
時刻みで加速
見つかったのは気絶させて
後は暖かいかまくらも作っておくわ
かぐや姫達が集まって暖を取りやすいように
【属性攻撃】で剣に氷属性付与
敵に対しては
【戦闘知識】で攻撃の癖を【見切り】
【残像】を残しながら回避
二刀で【二回攻撃】を仕掛けて戦うわ
あんたもまた人類の脅威となっているわよ!
異変を起こすならもっと安心安全で楽しくやりなさい!
驚かせるのは良いけど泣かせて苦しめるのは御法度でしょうがぁっ!
戦闘後
かぐや姫達の安否確認をしておくわ
続いて竹林へと突入したのは、空亡・劔(本当は若い大妖怪・f28419)である。そして侵入者に反応して、かぐや姫の大群が彼女の前に集まってきた。オブリビオンに操られる彼女達は殺気を発して今にも襲い掛かってきそうだ。
「この最強の大妖怪である空亡劔よりもオブビリオンに従うとは……色々とかぐや姫達は判っていないわね!」
妖怪に操られるならば、より強い妖怪、即ち自分の配下になるべきなのにと、劔は憤慨する。とはいえ、その苛立ちのままにかぐや姫を殲滅するわけにはいかない。彼女達もオブリビオンに操られる被害者だ。
「目眩ましして、一気に突破するのが良さそうね。我が身、我が真体は時を統べし魔剣なり! 今こそその力を解放せん!」
天候を操り吹雪を起こしてかぐや姫の視界を制限した劔は、『時刻み』による飛翔かぐや姫を振り切って伐折羅姫の元へと急行する。
「来たな猟兵よ……『刀途』! いざ、勝負じゃ!」
「望む所よ! このあたしが懲らしめてあげるわ!」
劔のスピードに対抗するため、伐折羅姫は神の筆でその身の封印を解き、鬼神へとその姿を変える。そして、加速した鬼神と劔の刃が交錯する。
「あんたもまた人類の脅威となっているわよ! 異変を起こすならもっと安心安全で楽しくやりなさい! 驚かせるのは良いけど泣かせて苦しめるのは御法度でしょうがぁっ!」
劔は伐折羅姫に説教しながら、二刀を振るって苛烈に攻め立てる。骸魂に呑み込まれてオブリビオンと成り果てた以上、人類の脅威となるのは当然とも言える。故に猟兵達はオブリビオンを撃破し、救出する役目も担っているのだ。劔は救助を実現するため、鬼神相手に奮戦するのであった。
成功
🔵🔵🔴
喜羽・紗羅
本当にあの子が…
『ああ、ご先祖様の成れの果てだ』
だったら止めるのは子孫の私達の役目って事?
『出来るものならな。来るぞッ!』
菓子をばら撒きスマホを鳴らしかぐや姫の気を引き
地形を利用し公女への最短経路を導く
『オマケに花火を上げてやれ!』
オリーブで閃光弾を打上げフェイント
かぐや姫の目を眩ませたら勇気を出してダッシュで駆け抜ける
公女にコミュ力で説得を試みる
ねえ見てこのスカート、可愛いでしょ?
あなたが遺してくれたのよ
敵意が無い事を示し気を引けたらそっと抱き寄せる
これ以外にも、一杯見せたいモノがあるんだ!
だから一緒に帰ろう、ご先祖様
『そういう訳だ。骸魂はお引き取り願おうかッ!』
そして公女の骸魂を、鬼が斬る
「かぐや姫達よ。侵入者を撃退せよ! ここで力を蓄え、妾を封印した者どもに復讐するのじゃ……!」
グリモア猟兵から聞いた通り、伐折羅姫はかぐや姫の集団を統率して竹林に君臨していた。その姿を確認した喜羽・紗羅(伐折羅の鬼・f17665)は、自身の別人格である鬼婆娑羅と共に、それが探していた存在であると確信する。
「本当にあの子が……」
『ああ、ご先祖様の成れの果てだ』
そう、伐折羅姫は喜羽氏直系の祖先であり、平安時代最高級の呪術師であった。しかし、骸魂に呑まれた今の彼女は復讐心で人類の脅威と成り果てていた。かつては、人と鬼と竜の架け橋となりうるはずだった彼女の心は封印した者達への憎悪に染まり、UDCアースへの侵攻すら目論んでいる。
「だったら止めるのは子孫の私達の役目って事?」
『出来るものならな。来るぞッ!』
悠長に会話をしている余裕は無い。侵入者に気づいたかぐや姫達が、紗羅の元へと殺到する。
「生まれたばかりの子供ってことなら、こういうのが効くよね?」
『オマケに花火を上げてやれ!』
菓子をばらまき、スマホで音楽を鳴らし、紗羅はかぐや姫の気を引いて時間を稼ぐ。それにかぐや姫が夢中になっている間に、彼女はスマホで伐折羅姫への最短距離を導き出した。その頃にはかぐや姫達も本来の目的を思い出し、再び戦闘態勢に入っていた。そこで紗羅は鬼婆娑羅の助言に従い、『アームドオリーブ』より閃光弾を射出した。そうしてかぐや姫が眼を眩ませている隙に、紗羅は一直線に伐折羅姫へと接近する。
「んん? お主は……まさか……!」
「初めまして、ご先祖様。ねえ見てこのスカート、可愛いでしょ? あなたが遺してくれたのよ? これ以外にも、一杯見せたいモノがあるんだ! だから……一緒に帰ろう?」
相手も紗羅の姿を間近に見て、血縁に思い当たったのだろうか。 伐折羅姫が攻撃を躊躇した隙に、紗羅は説得の言葉を投げかける。しかし……伐折羅姫は懊悩したものの、その姿を竜へと変じさせて、襲い掛かってきた。
「妾は、妾は……封印、追放……うわああああああっ!」
『……やっぱり骸魂に囚われてるみたいだな』
「じゃあ……アレを斬れば……!」
『そういうことだ!』
骸魂から解放しない限り、伐折羅姫が正気に戻ることは無い。紗羅は『奇一文字改』を抜いて、炎を吐く竜へと対峙する。
『骸魂はお引き取り願おうかッ!』
「……いくよっ! 『奇縁万象』!!」
暴れ狂う竜の炎を躱し、紗羅の剣閃が『火途』の竜へと叩き込まれた。その斬撃は骸魂を切り捨て、伐折羅姫と紗羅の新たな縁を繋ぎ直した。骸魂の消失と共に変化は解除され、その場には意識を失った童女が残された。
「これで大丈夫……なのよね?」
『ああ、骸魂の気配はもう無いな』
公女の骸魂は鬼に斬られ、追放されし呪術師は救い出された。その身はカクリヨファンタズムに渡ったことで、人よりも神や妖怪に近いものとなってはいたものの、これで過剰な憎悪に苛まれる事は無い。紗羅は彼女を大事に抱え、帰還するのであった。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2021年05月09日
宿敵
『竜幻公女『伐折羅姫』』
を撃破!
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