士気向上にはケーキバイキング?
グリモアベースに立ち寄ると、李・蘭玲(サイボーグのグールドライバー・f07136)が書類を手にきょろきょろと見回していた。
猟兵の姿を見とめると「あら、丁度良いところに」と小走りでやってくる。
「スペースシップワールドで銀河帝国軍の動きを予知したの。……皆さん、ケーキってお好きですか?」
どういう意味だ? ――怪訝な顔で見合わせる猟兵達。
蘭玲は色々端折っていたことに気づき、概要を説明する。
「狙われている民間宇宙船は、宇宙世界では稀少な『天然小麦』の生産プラントがあるんです。特にケーキバイキングは船外から人が訪れるほど好評だそうで、シップの財源として賄われています。それだけ希少価値が高いものなのですよ」
それを銀河帝国軍は軍資金にしようと狙いをつけたらしい。
「まず私のグリモアで敵戦艦内部へ転移いたします。敵兵を掃討しつつ、宇宙船襲撃を未然に防いでください」
戦艦内の状況はバトルドロイドが闊歩し、厳重態勢で警備されている。
「戦艦自体はそう大きなものではありません。乗員は首謀者の『帝国騎士』のみ、他は全て戦闘ロボなので居住区画を大幅にカットしているようです。艦内はおよそビル5階分となっており、移動は全て階段を用いているようです」
しかし、警備体制は厳重なものとなっている。
「遭遇すれば交戦は避けられない」と蘭玲は推察。
「バトルドロイドは銃火器を携行しています。3~5体の集団で行動していますので、充分な警戒が必要ですね。別働隊と合流されれば、単独での突破は困難です」
しかし、「回避できない状況でもない」と蘭玲は楽しげな笑みをみせる。
――老獪な兵士は猟兵達に、制圧戦の知恵を語った。
「発見されても連絡される前に制圧する、パワープレイが得意な方なら可能でしょう。もしくはスニーキング、素早く対応する自信があるなら、物陰から奇襲する伏兵戦術もいけますね」
頭脳戦が得意な者なら、敵の動きを制御することも可能だろう。
「コンピューターで防火シャッターを操作したり、艦内を動く敵兵の動きを確認して増援をコントロールするなど。電子戦でかく乱するのも重要ですよ。直接クラッキングして破壊することは出来ずとも、妨害されれば相手も対処が必要ですから時間稼ぎに有効です」
蘭玲も「そういう戦略、成功したら爽快なんですよねぇ」とうっとり。
それはそれとして。
機械兵士を対処できたら、敵の本丸を制圧するだけ。
「バトルドロイドを全て撃破できれば、残るは司令室にいる帝国騎士のみ、騎士の称号を得るだけの実力者です。念動力と剣術を合わせた特殊な戦闘スタイルを用いますので、防衛、回復など支援役も重要でしょう」
以上が作戦の流れとなる――気を引き締めるように、と一通り伝え。
蘭玲は「そうです」と手を打つ。
「お仕事が終わったら、ケーキバイキングに行きましょう。なんでもおすすめは『濃厚テリーヌチョコケーキ』だそうです、一仕事終えた後に楽しむにはピッタリかと」
天然小麦を使った、極上ケーキバイキングは仕事をこなした自分へのご褒美に。
猟兵達はグリモアに導かれ、宇宙世界への転移を開始する。
木乃
木乃です。今回は天然小麦を栽培するスペースシップが狙われています。
猟兵の皆さんには襲撃事件を未然に防いでいただきます。
●戦闘について
転移先は戦艦の警戒が薄い『下層部の倉庫』、司令室は最上部に当たります。
艦内は、厳重警戒しているバトルドロイドが、集団で巡回しています。
まずはこのバトルドロイドを掃討してください。
戦闘データについては『集団戦』の情報をご参照くださいませ。
☆制圧戦について。
能力値は以下の行動に影響します。
POW・真正面から制圧する、増援が来る前に押し切るパワープレイ。
SPD・物陰からの奇襲、死角からのバックアタックなど伏兵戦術。
WIZ・艦内の防火シャッターの操作、敵兵の位置を確認するなど、電子戦による妨害工作。
●ボス情報
帝国騎士はサイキックと剣術を得意としています。
乗員は実質、帝国騎士だけですので帝国騎士を討伐できれば、任務完了です。
●ケーキバイキング
最後に民間宇宙船に立ち寄り、ケーキバイキングを堪能できます!
後方支援で活動していた蘭玲もいるので、お声がけがあれば同席してくれます。
(とくにお声がけがなければ一人でお茶を楽しむようです)
いわく、おすすめは『濃厚テリーヌチョコケーキ』ですが、ショートケーキやチーズケーキ。ふわふわスフレなどもあるようです。
それでは、皆様のご参加をお待ちしております!
第1章 集団戦
『バトルドロイド』
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POW : バトルスイッチオン
【超戦闘モード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : 精密射撃
【狙撃用プログラム】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【熱線銃(ブラスター)】で攻撃する。
WIZ : シュートダウン
対象のユーベルコードに対し【正確にタイミングを合わせた射撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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転移先の倉庫は部品や資材で溢れかえっていた。
金属が剥き出した内壁もあって、ひどく殺風景な印象だ。
待機していた蘭玲は、猟兵達が転移してくると、年輪を感じさせる不敵な笑みを浮かべる。
「いいかい? ここはもう敵の腹ン中だよ。戦艦という逃げ場のない空間、しかも厳重に警戒されてるときた。下手を打てばどうなるか、わかるね?」
――やむを得ず撤退を余儀なくされる。
暗に忠告すると、蘭玲は扉の操作パネルに手を伸ばした。
「行動は慎重、かつ迅速に。よろしくお願いしますね」
老メイドに送り出され、猟兵達は一斉に行動を開始する。
鬼ヶ島・エレナ
【SPD】
「ケーキ……! うん、こういうの食べてると舎弟から
ナメられちまうからなかなか食えないんだよな。気合い入ったぜ。
でも、その前に帝国騎士どもをブッ倒して安心させてやんねえとな!」
まず、物陰に隠れながら敵を相手していく。
「オルタナティブ・ダブル」を使い、囮役と攻撃役に別れる。
もし隙だらけだったら二人がかりで「だまし討ち」で攻撃だ。
もし隙をなかなか見せないなら、囮役の「オレ」があえて
小さな物音を立てて注意を引き、その背後から攻撃役の「オレ」が
だまし討ちして攻撃する。
可能ならば、他の奇襲作戦をする参加者と協調したい。
篝・倫太郎
【白亜】
指令室から遠いから手薄ってな判るけどよ……
集団、しかも、戦闘特化相手はちっとばかり骨が折れるかもな
まぁ、戦闘後の自分ご褒美の為に頑張るかね
出来るだけ音は立てないようにして移動
敵と遭遇したら迅速に対象を撃破
戦闘時はエレクトロレギオンで敵の陽動
バトルスイッチオンには軽量化機械兵器の速度で陽動
精密射撃には機械兵器を敵の視界に収めるように使用
シュートダウンには仕方ねぇから尊い犠牲になって貰おうか……
敵を倒し切るのは仲間に任せる
シメは任せっから、きちっと倒してくれな!
後、一体たりとも逃さねぇし、逃してくれるなよ?
心情
パン好きとしては天然小麦希少とか言われるとほっとけねぇだろ……
ユエ・ウニ
ケーキか……。思う所はあるが、この事件さっさと片を付けてしまおう。
今回は物陰からの奇襲をする。
階段付近で手でも叩いて物音を出し、敵を誘き出そう。
階段の影に隠れ、バトルロイドが来たならそこで奇襲を仕掛ける。
残念だったな。お前達の仕事は終わりだ。
もし、近くで既に戦闘が行われている気配があれば、敵を呼び寄せたりせずにそちらへ。気配を隠し接近し、敵背後から攻撃する。
手伝うぞ。
どちらの場合でも、攻撃は損傷の激しい敵から順に。
但し、バトルスイッチオンとなった敵がいればそれから先に。
そうなる前に仕留めたい所だ。
電子戦の方に行った奴らの支援があれば僥倖だな。
●制圧開始
(「この世界じゃ天然の小麦は希少なのか……」)
篝・倫太郎(災禍狩り・f07291)は壁に背をつけながら、宇宙世界の特異性を改めて実感する。
宇宙世界は人々が巨大宇宙船に身を寄せ合い、文明を継続している。
食事も宇宙食や、遺伝子を組み換えたもので補っているシップもあるだろう。
(「パン好きとしては、天然小麦が希少とか言われると……ほっとけねぇだろ」)
通路の先を倫太郎が覗きこむと、骨子を露出したようなシルエットが4つ。
――巡回するバトルドロイドが向かってきていた。
「こっちには気づいてねぇな、通り抜けたところでガツンとやっちまおうぜ」
気合い十分な鬼ヶ島・エレナ(地獄番長・f09126)はクランケヴァッフェを握りしめ、いつでもいけるよう身構える。
(「ケーキ……うん、こういうの食べてると舎弟からナメられちまうし、なかなか食えないんだよな」)
マジでどうしてこうなった――軽く痛む頭を振って気を取り直す。
「なんにせよ、さっさと片をつけてしまおう……」
階段までの経路が解らず、同行することにしたユエ・ウニ(ヤドリガミの人形遣い・f04391)も本体である懐中時計に急かされるように、からくり人形を手繰る。
「それじゃ、戦闘後のご褒美の為に頑張るかね」
倫太郎達は息を潜め、気配を押し殺す。
ロボット特有の微細な機械音が近づくするにつれ、鼓動の速度が増していく。
早鐘を打つ心臓。手に汗握りながら、数十センチ近くまでバトルドロイドの小隊と接近する。
(「――よし、チャンスだ」)
ユエと倫太郎はほぼ同時にユーベルコードを発動する。
召喚された大量の小型機械兵器は狭い通路を塞ぐように、バトルドロイド達の背後を捉えた。
「隙だらけだぜ、ポンコツ共!!」
エレクトロレギオンによる奇襲に、エレナもオルタナティブ・ダブルでもう一人の自分を顕現させて殴りかかる。
だまし討ちで一体に致命打を与えたエレナ達、このまま畳みかけようと攻撃に移る。
不意を突かれたバトルドロイドは慌てて銃口を向けるが、ユエのからくり人形が銃身を真上にカチあげる。
「お前達に攻撃する隙は与えない」
熱線が天井を焦がし、がら空きになった懐をユエは七つ道具で貫く。
導線を引きちぎり、機能停止させている間に、攻撃に専念するエレナがもう一体を滅多打ちにしてスクラップと化す。
「あとはこいつだ、きちっと倒してくれな!」
機械兵器に応戦させつつ、注意を引きつけていた倫太郎にエレナとユエが矛先を向ける。
瞬く間に制圧してみせると、ユエが口火を切る。
「最上層に帝国騎士がいるなら、階段は真っ先に確保しておきたい」
「同感だ。戦闘特化した相手となると通路を陣取られたら厄介だしな」
倫太郎の言葉にエレナも諾意を示すと、次のフロアへの通路を目指して走りだした。
帝国騎士はまだ侵入者の存在に気づいていない。
このまま勢いに乗ろうと再び気を引き締める――。
大成功
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トリトニア・リトルフィールド
ケーキバンキングですよ! 甘くてふわふわでとろけるアイスが食べ放題!
ああ、なんて甘美な響き……!
……はっ!? そ、そうですよね、その前にスペースシップを助けないとです。
敵はたくさんいるみたいですから、やっぱりこっちも味方は多いほうがいいはずです!
なので、『ライオンライド』でライオンさんと一緒に敵の集団に奇襲をかけます。
たくさん暴れて、危なくなったらライオンさんに乗って逃走ですっ。数的不利な以上、無理は禁物ですからっ。
撹乱にもなると思いますし、予め召喚しておく『ライオンライド』なら相手の『シュートダウン』もタイミングを合わせられないはずですっ。
佐塚・陽霞
合流されたら手に負えない、ならば隙をついての速戦しかないです。物陰に隠れて一度ドルイド達をやり過ごし、背後から【春夏秋冬】で刃の仕込まれた花札の吹雪を起こし纏めて大ダメージを狙います。「油断大敵です。」しっかり教えてあげましょう。
そのまま間髪を入れず、間合いを詰めて倒れた者や体勢を崩した者が居れば優先して髪留めに模して仕込んだ刺突刀を髪より引き抜き、とどめを刺すことを狙います。「隙あり…です。」声が届くか、意味が伝わるかはわかりませんが。
(「はぁ、ケーキバイキング! 甘くてふわふわ、食べ放題……ああ、なんて甘美な響き!」)
こぼれ落ちそうなほっぺを押さえ、トリトニア・リトルフィールド(私の食欲は海のごとく・f09248)は恍惚な笑みを浮かべる。
食べることが大好きな彼女にとって、これほど最高のご褒美はない!
「合流されたら手に負えません、隙を突いて速攻で……トリトニアさん?」
「はっ!? そ、そうですよね、その前にスペースシップを助けないとですっ」
怪訝な顔をする佐塚・陽霞(透徹の瞳、闇夜の礫・f01151)の視線に気づき、トリトニアは涎を飲み下す。
二人は考えていた作戦上、メリットが一致していた。
「……いました。ドロイドの数は3体……トリトニアさん」
陽霞が視線で確認すると、元気よくうなずいたトリトニアが空間に円を描く。
飛び出したのは3メートル弱のライオン、見事着地するとトリトニアに鬣をすりすりとこすりつけ。
「ライオンさん、よろしくお願いしますっ。――とつげーき!」
ライオンの背に飛び乗ったトリトニアが奇襲をかける。
突如、あらわれた猛獣にバトルドロイドも度肝を抜かれたようで、1体が食い潰されてようやく迎撃態勢に。
だが、その隙に陽霞は死角から接近していた。
「さすがに猛獣が襲ってくるとは思いませんよね……ご愁傷様です」
わずかな同情の念を送りつつ、陽霞は取り出した48枚の花札を鋭く擲つ。
大暴れするライオンの軌道をすり抜け、花札は黒光りする装甲を貫いた。
「――隙あり、です」
関節部を穿たれ、体勢を崩したドロイドの頭部めがけた、痛烈な一撃を放つ。
思考回路を破壊されたドロイドは火花を散らして転倒し、最後の3体目をトリトニアのライオンが全体重で圧殺。
「やりましたねっ」
うまく事が運んだことに満面の笑みを浮かべるトリトニアだが、陽霞はすぐに周囲を見回す。
「すぐに移動しましょう、あれだけ騒げば気づかれてもおかしくありませんから」
ひとまずこの場を離れようと提案し、二人は次の奇襲に備えて通路を走りだした。
大成功
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ボアネル・ゼブダイ
WIZ
ふむ、テリーヌチョコか。
あれは良いぞ、濃厚なチョコの味わいと余韻のある口溶けの良さはそのままでも良いし、ブランデーと合わせても旨い。
それを護るためとあらば喜んで参加させてもらおう。
まずは私の【零れ落ちる深淵】にて情報収集。
艦内の様子を密かに探り、敵兵の位置や巡回経路を手に入れよう。
それを元に防火シャッターを操作、または警報を鳴らし相手を攪乱、戦力の分断を図る。
共に戦う猟兵達がいれば、彼らにも情報を逐次伝え最善の行動が出来るように協力しよう。
もし戦闘に突入した場合は【黒剣グルーラング】を振るい、生命力吸収を行いつつ前衛で戦う
さらに【血呪解放】で自分の攻撃力を高め敵をなぎ倒していくとしよう
――艦内のバトルドロイドを丁寧に、そして着実に掃討する様子をみていた猟兵が一人。
ボアネル・ゼブダイ(Livin' on a prayer・f07146)は警備システムを統括するシステムルームに忍び込んでいた。
コンソール操作に苦戦しつつ、防火シャッターを起動しては、バトルドロイドの行動を密かに妨げていた。
「……よし、次のフロアに侵入したようだな……では」
ボアネルは壁面に手をかざす。
「深淵を渡りし異相の精霊よ、盟約により我が名の元にその力を示せ」
――現れた粘液はボアネルの五感を宿す分身。
壁面の隙間にスライムを潜りこませると、新たなフロアに移動させる。
五感を共有させている弊害か――構造を確認しながら移動させているため、上層へ向かうほどスライムの移動時間が増えてきた。
(「情報を伝えたいところだが、内線を使えば私の存在がバレてしまうし……警報を使えば、猟兵の侵入自体を知らせるようなものだ」)
警報とは異常を広く、手早く通達するもの――警戒態勢を強めさせては本末転倒だ。
ならば、せめて彼らが活動しやすいフィールドを作らねば。
ボアネルは防火シャッターをまたひとつ起動させる。
パトロールするバトルドロイドが、作動したシャッターを確認する姿を確かめ、次の通路へ移動するようスライムを操作する。
苦戦
🔵🔴🔴
佐之上・権左衛門
【POW 】修羅雪姫の後を続く様に参戦。
まずはお土産屋だ、とっときな❗とユーベルコード【氷結手榴弾】と投擲して牽制。
あとは愛用のグレートアクスと指に仕込んだフィンガーニードルで暴れまくる。使用技能は「範囲攻撃・鎧砕き・鎧無視攻撃」。
回避は【第六感】に従い、直感のままに身体を動かす。
河原崎・修羅雪姫
「軍資金にケーキバイキングを狙う帝国軍。
何だか可愛いけど、狙われる側はたまったものじゃないわねぇ」
POW・真正面から制圧する、増援が来る前に押し切るパワープレイを選択
味方の中衛に位置し、ドロイドたちを
愛用の武器【20mm口径リボルバー・フリークスハンター】とヴァリアブル・ウェポンで撃ち抜いていく。
「ターゲットロック、ファイアファイアファイアぁ!」
サイバーアイ(眼球に装着する、視覚情報を様々に分析する高度演算デバイス)に次々映し出される敵を効率よく狩っていく。
全サ連の仲間が参加してくれてたときは、
「よーし、気合入れてコンビネーションいくわよぉ!」と喊声を上げる。
タイタス・レイヴン
「スペースシップワールドの戦いは初めてだな。技術的側面からみても実に興味があるが、今はバトルドロイドを排除する!Let's morphing !」
「素早く片付け仲間をエスコートさせて貰おう!プログラムド・ジェノサイド起動!」
下層部の倉庫から周囲を見渡し、物陰や死角からの奇襲で巡回しているバトルドロイドを片付け、全世界サイボーグ連盟の団員をはじめとした仲間の援護を行う。レイヴンビークルを人型戦闘ロボ形態に変形させて挟撃せさたりと共に戦闘。バトルドロイドの攻撃は、回避もしくはレイヴンウィングによる武器受けで対応。
「何だか可愛いけど、狙われる側はたまったものじゃないわねぇ」
扇情的なラバースーツ姿の河原崎・修羅雪姫(スノーブラッド・f00298)は長い舌を揺らし、うっとり溜め息をもらす。
小麦を狙うとは敵ながらお茶目、と思う反面。目的自体はえげつない。
「スペースシップワールドは初めてだが、技術的側面からみても実に興味深い!」
どこか楽しげに見渡すタイタス・レイヴン(復讐の大鴉・f06435)は知的好奇心を大いに刺激されていたが、『仕事は仕事』と気持ちは臨戦態勢。
堂々と通路を歩く修羅雪姫達と、突き当たりから現れたバトルドロイドが鉢合わせる。
『キュィーーーン――!』
「くす、少しは楽しませてよねぇ?」
愛銃、20mm口径リボルバーを差し向け、修羅雪姫は間髪入れずに発砲する。
彼女の銃撃に続き、佐之上・権左衛門(おっさんは蛮族傭兵・f00239)が手投げ弾を振りかぶった。
「まずはお土産屋だ、とっときな!」
ピンを抜いて豪快に投げつけた手投げ弾は、彼のユーベルコード『氷結手榴弾』
「排除する! Let's morphing!」
凝縮された液体窒素が炸裂し、兵士達がひるんだ隙を突いてタイタンがレイヴンビークルごと突貫する。
肉弾戦に持ち込まれ、バトルドロイドは超戦闘モードを起動。
「目には目を歯には歯を、ってな。プログラムド・ジェノサイド起動!」
人型形態で攻撃するビークルは超高速ラッシュで応戦し、壮絶な殴り合いを展開。
「よーし、気合入れて……コンビネーションいくわよぉ!」
豪快に暴れる二人を一瞥し、修羅雪姫はサイバーアイをフル稼働。
「ターゲットロック、ファイアファイアファイアぁ!」
予測軌道を算出し、ターゲットマーカーめがけ何度も銃弾を撃ちこむ。
修羅雪姫は精密な一射で駆動部を貫き、前衛を支援していく。
バトルドロイドも後方支援を見逃すほど、ずさんな人工知能は搭載していない。
『キィィィ……ジジッ』
修羅雪姫に照準を切り替え、熱線銃を向ける――が、銃身はぱっくりと斬りおとされていた。
「どうだ、グレートアクスの威力は? こいつもついでだ!」
獣じみた動きで繰り出した権左衛門の正拳突き・オン・ザ・フィンガーニードルがアイカメラを粉砕する。
リンゴのように容易くひしゃげたヘッドは、内蔵機器を露出させて白煙をあげた。
サイボーグ三人組は増援要請する間を与えず、常人以上の膂力を見せつける。
「こいつで仕舞いだ!」
最後のバトルドロイドめがけ、タイタンの装着型クランケヴァッフェがソニックブームで八つ裂き、制圧完了。
「これが量産機とワンオフの違いよぉ? って、もう聞いてないかぁ」
「第三層もまもなく解放されるだろう、そろそろ帝国騎士の度肝を抜いてやりたいな」
機械兵士の残骸を踏み越える修羅雪姫に続いて、タイタン達は残存戦力に警戒しつつ先へ進む。
しめやかに制圧する猟兵達は、気取られることなくほぼ全てのフロアを攻略。
残るは帝国騎士が残る最上層――司令室のみ。
大成功
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第2章 ボス戦
『帝国騎士』
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POW : インペリアルブレイド
【念動力を宿した「飛ぶ斬撃」】が命中した対象を爆破し、更に互いを【念動力の鎖】で繋ぐ。
SPD : ダークフォースバリア
自身に【鮮血の如きオーラ】をまとい、高速移動と【赤黒い電撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ : インペリアルフラッグ
【念動力で形成した帝国の旗】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を『帝国の領土』であると見る者に認識させ】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑17
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●冷酷なる騎士
司令室前。
電子ロックを解除すると内部へと殺到する。
――視界にまず入り込んだのは、外縁に広がる星の海。
オートメーション化された管制システムは、操舵手を不要とした精巧なものだ。
『……なるほど。ネズミが紛れ込んだか』
振り返った帝国騎士はマスクで表情を覆い隠し、声色はひどく落ち着いていた。
侵入者と相対してなお、インペリアルの忠臣は悠然と構える。
「お前の目論見はここで終わりだ!」
猟兵の言葉を一笑に伏すと、柄部分だけのブレードに手を伸ばす。
『バトルドロイド達のようにすんなり倒せると思うなよ、猟兵』
鮮やかなフォースが鋭く伸びる。
陽炎のように揺らめいた光を手に、帝国騎士の殺気が司令室に満ちていく。
『銀河帝国に仇なす狼藉者ども、我がフォースの前にひれ伏せ!』
闇色のマントを翻し、帝国騎士は迎撃態勢に移る。
佐塚・陽霞
今回は奇襲も不意打ちも出来ないようです。とすれば今度は人数差を生かして手数で押し切るだけです。私的にやることが同じなのは面白くはないですが仕方ありません、お仕事ですから。先手を取って主導権を握れるように頑張ってみる事にします。初手から帝国騎士に殺到するように【春夏秋冬】を放ち、大きなダメージにならなくとも回避させたり、ブレードで打ち払ったりさせて他の人達が隙をつくことが出来れば上出来です。「さあ、数の暴力ってものをじっくり味わってください。」
ボアネル・ゼブダイ
「異界の騎士か、これは手強そうだな。だが貴様等の目論見は私達が全力で阻止をさせてもらう。」
まずは私の【彼方からの来訪者】を呼び出し戦力を強化。
同時に私も【黒剣グルーラング】を装備して前衛で戦おう。
苦戦するようであれば私の【血液パック】を使い【血呪解放】で攻撃力を強化させ戦う。
共に戦う猟兵達がいれば積極的に連携を行い、前衛の被害が大きくなり出したら、手遅れになる前に一度後衛へ下がり【生まれながらの光】で仲間達の回復も行おう。
私一人で倒せるとは微塵も思ってはいないが、後に続く仲間のためになるべく多くのダメージを相手に与えておきたい。
まず騎士に斬りかかったのは陽霞。
(「奇襲も不意打ちも出来ないとなれば、人数差を生かして押し切るだけです」)
懐から取り出した花札――ユーベルコード、春夏秋冬を騎士めがけて一斉に放つ。
「さあ、数の暴力ってものを味わってください」
全面から飛来する48枚の札を見つめ――騎士はゆったり構える。
『……遅い』
鮮血のごときオーラが噴出した瞬間、花札は電撃の放射で撃ち落とされる。
疾駆するナイトは消し炭を吹き飛ばし、陽霞が騎士を認識できたのは、鼻先でフォースの剣を引き絞った直後。
「!?」
足止めならずとも隙が生じれば――彼女の予想を遙かに上回る一撃だった。
鎧袖一触された驚きに陽霞の反応は僅かに遅れる。
「く、っ!!」
間一髪で防いだものの、剣圧によって頬に掠り傷が生じる。
騎士は攻撃の手を緩めることなく、高速の剣技で防御ごと叩き潰しにかかった。
『どうした、もう終わりか?』
剣を振るう帝国騎士の声色にはまだ余裕が感じられる。
(「これは、手強そうだな」)
異世界の騎士もこれだけの技量を有するのかと、ボアネルは気圧されそうになる。
「だが、貴様の目論見は私達が全力で阻止させてもらう」
黒剣グルーラングでボアネルは空間を一閃し。
裂け目から突き出した20本の指が、亀裂をこじ開けていく。
「――自らの臥所とする戦士の魂よ、今一度蘇り、その力を我に示せ!」
異界より出でしは四つ腕の戦士。
戦士は背にした剣を手にし、陽霞を追いつめる騎士へ飛びかかった。
『ホログラム、ではないな』
戦士の放つ一撃から飛び退き、騎士は赤黒い雷を掌から放出する。
彼方からの来訪者を代役に、今のうちに治療しようとしたボアネルごとフォースが貫く。
雷撃により裂けた皮膚から僅かに血しぶきが飛ぶ。
『数で押し切ろうというなら、私は力でねじ伏せるまで――帝国の御旗にかけて』
たとえ相手が子供、老人であろうと……帝国にたてつく愚か者を逃しはしない。
洗練された剣術を以て騎士は全力で攻め立てる。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
鬼ヶ島・エレナ
「ネズミ? 勘違いすんなよ、オレたちゃ小麦袋に
かじりつくネズミ退治に来たんだぜ!
……だから、どっちかっつーと、ネズミってより宇宙ネコだ!」
まずは自分のスピードを活かして敵の攻撃を避けたり、
敵の【インペリアルブレイド】に囚われてる仲間を解放したり
サポート役と様子見に専念する。
そして敵が【ダークフォースバリア】を使い終わって
高速移動が終わるタイミングを見極めて、
オレの【プログラムド・ジェノサイド】をブチ込むぜ。
「小麦が欲しけりゃ、てめーで畑を耕すんだな!」
「勘違いすんなよ、くそったれ騎士! オレたちゃ小麦にかじりつくネズミ退治に来たんだぜ!」
威勢良く啖呵を切り、エレナは着地直後を狙って間合いを詰める。
「どっちかっつーと、ネズミってより宇宙ネコだ!」
クランケヴァッフェがエレナの全体重を乗せ、加速度的に乱れ打つ。
騎士も剣で応酬するが、ユーベルコードを発動させたエレナのほうが数発押し通した。
『ならばネコらしくつまみ出してやろうか?』
マントに切れ目が生じるのも構わず、刺突する騎士が一撃をエレナははじく。
はじかれる勢いを利用し、間合いをとった騎士が十字に斬撃を描く。
半月を描く衝撃波の追尾を、辛うじて振り払ったエレナに爆風が吹きつけた。
「小麦が欲しけりゃ、てめーで畑を耕すんだな!」
山賊まがいな略奪行為とは騎士の風上にも置けない!
エレナが罵倒すれば、マスク越しに嘆息する気配が。
『所詮は異世界からの介入者か、人の手が加えられていない食物の価値がどれほどか……まあ理解できまいよ』
純粋な落胆を匂わせ、騎士は一気に踏み込む。
成功
🔵🔵🔴
篝・倫太郎
さて……っと、騎士サマにはサッサと退場願おうか
ここまで来るとご褒美がどうとかそういう話じゃねぇよな
基本行動
エレクトロレギオンで召喚した機械兵器での陽動
インペリアルブレイドで仲間が狙われた場合には庇うようにして対応
ダークフォースバリアには
高速移動の妨害と電撃からの庇い
フラッグには機械兵器自ら
当たりに行かせて領土拡大の阻止
勿論、自身への攻撃も盾になって貰うぜ
陽動、妨害はきっちりやってやる
その分、騎士サマ本体への攻撃は任せたぜ!
人が大事にしてるモン奪って軍資金とか、
帝国だのなんだの言っても
所業下衆の所業でしかねぇだろ……?
過去に還りな……!
セフィリカ・ランブレイ
【白亜】の皆で協力して戦うよ!
プラントの仕組みが気になるけど、気にするよりも前に守らないとね!
【SPD】行動
相手の動きは早くて、赤黒い電撃は強い!
強敵だけど、それは一対一だったらの話!
仲間の力を合わせと足し算じゃなくて掛け算なんだから!
ルクレイフェちゃんと倫太郎君のサポートに甘える形でじっくりと相手の動きを見定めて、隙が出来たところで
【ガジェットショータイム】で一気呵成に攻め込むよ!
今回のガジェットは一撃の大きな巨人タイプのゴーレム。
振りかぶった大きな一撃の拳で勝負!
単体じゃ取れない戦法だけど、合わせてくれる人がいるなら話は違うってね!
うーん、いい感じ、初めて合わせたけど結構私たち相性いい?
ルクレイフェ・アニェージ
【白亜】
スペースシップワールドか
宇宙…宇宙ね、宇宙とか初めてだわ。
べ…別にどうってこと無いけど
戦闘が無ければゆっくり時間をかけて辺りを見学したい所だわ。
星の海とか素敵じゃない。
今日は新しい団員セフィリカの歓迎会も兼ねているわ。
猟兵の歓迎会は戦闘を持って行われるものよ。
さぁ、派手に暴れましょうか。
団員と協力して敵を倒す。
五指に魔力を宿し、リヨンラッゼを起動させる。
人差し指の【転換】、中指の【天候】を混ぜ合わせて
ユーベルコード【キメラレイド】を発動、
生み出すは雷の竜巻…金属相手には効果あるんじゃないかしら?
さぁ、敵を飲み干せ!
「価値だぁ? 人が大事にしてるモン奪って、軍資金にしようって連中がなにぬかしてやがんだ。どれだけ屁理屈こねても所詮は下衆の所業でしかねぇぜ!」
一喝する倫太郎が機械兵器を出現させ、迫る騎士の周囲へ散開させる。
『これでかく乱のつもりか』
流れる剣筋で小型兵器が斬り払われていく中。
セフィリカ・ランブレイ(蒼剣姫・f00633)がガジェットを操作し、起動タイミングを測っていた。
(「相手の動きは速い……強敵だけど、それは一対一だったらの話!」)
――仲間の協力があれば、何倍にだって出来るんだから!
彼女の心の叫びに呼応したように絶妙なタイミングだった。
「さあ、派手に暴れましょうか」
ルクレイフェ・アニェージ(キメラレイド・f01367)が五指にはめた、特別製ウィザードロッドに魔力を循環させ、
「悪逆の騎士、私の本領を見せてあげる……」
人差し指と中指、転換と天候の力を混ぜ合わせる。
融合された魔力はふつふつと煮えたぎる。
次第に渦を巻き、一巻きするごとに電流を帯びて肥大化していく――!
「これが、キメラレイドよ!」
無風の戦艦内に雷の竜巻が発生し、周囲の電子機器が次々とショート。
膨大なエネルギー流を払おうと騎士も帝国の御旗で対抗するが、インペリアルフラッグは渦に飲み込まれ、
『チッ!』
忌々しげに舌打ちする騎士は暴風にマントはボロキレ同然に、甲冑はところどころ傷つけられていく。
直撃を避けようと壁を足場に飛び退いた一瞬。
それこそ、セフィリカの待ち望んだ好機の到来。
「ここで一気阿世に攻め込めば……ガジェット、ショーターイム!」
瞬時に組み上げた巨腕のゴーレムが、自らの存在を誇示して拳を掲げる。
「合わせてくれる人がいるなら話は違うんだから!」
壁蹴りから態勢を持ち直しにかかる黒騎士、それを狙ってセフィリカがゴーレムを操作する。
羽虫のごとくゴーレムの豪腕が叩き落としにかかった。
フォースで勢いを殺そうとする帝国騎士だが、勢いまでは殺しきれず床面に激突させられ、ルクレイフェ達の連携プレイが決まる。
「初めて合わせたけど、良い感じかもっ」
『……小娘が!』
歓喜するセフィリカめがけ、癇にさわったらしき騎士はフォースごと怒りをぶつける。
「力でねじ伏せるんじゃなかったのかよ騎士サマ? カバーするぜ、セリカ!」
機械兵器を新たに放つ倫太郎が、一撃限りの防壁を築く。
斬撃を相殺させると、繋ぐものを失って念動力の鎖はともに消失。
(「危なかった……倫太郎さんのアシストがあって安心したわ、今日はセフィリカの歓迎会も兼ねてるんだから」)
一瞬ヒヤリとさせられたルクレイフェだが、安堵の息をつき、次の攻撃に備える。
自らの寿命を犠牲にしながら猟兵を相手取る騎士だが、次々と降りかかる攻撃に、対処が追いつかなくなりつつあった。
重厚な甲冑の装飾は削ぎ落され、鎧の隙間からポタリと赤いものが滴る。
――戦局は緩やかに、しかし確実に。
追い風は猟兵達に吹きはじめていた。
大成功
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タイタス・レイヴン
「私の科学力は完璧だ!そちらがフォースならば此方は科学の力で迎え撃とう!この力はこの世界にはあるまい?天飛の刻印の封印を解くッ!ブラッド・ガイストッ!ウォオォォ!」
天飛の刻印の変身ベルト型制御装置のリミッターを一時解除、【殺戮捕食態】にて野生の獣の様な動きとなり騎士を正面から迎え撃つ。レイヴンウィングの機能で飛翔、騎士のフォースは翼で武器受けして防ぐ。防ぐ対象は自身含めて近くの仲間も対象に含む。全世界サイボーグ連盟の同士とは連携していく。
「ふん。【念動力の鎖】で繋いで良かったのか?後悔するぞ?何せそちらは逃げられない!私も逃がす気もない。」
河原崎・修羅雪姫
「滅んでしまった銀河帝国のために、お菓子泥棒なんて滑稽よぉ?」
全サ連や他の仲間たちと、帝国騎士に対峙。
愛用の武器【20mm口径リボルバー・フリークスハンター】で撃ち抜く。
今度は【サイボーグ用・内蔵ロケットワイヤーアンカー】を騎士の足元目掛け射出して絡ませ、動きを封じて、
「タイタスさん、今よぉ!」
タイタスのブラッド・ガイストの命中をアップさせる。
万一自身が戦闘で瀕死になったら【戦場の亡霊】を召喚。
騎士と戦わせる。
「これが……猟兵の底力よっ」
佐之上・権左衛門
【POW 】旅団:全世界サイボーグ連盟の面々と行動。
戦闘は最初に手持ちのグレートアクスで【鎧砕き・二回攻撃】で牽制といいながら全力攻撃。
間合いを取られたらフィンガーニードルを【鎧無視攻撃・串刺し・毒使い・目つぶし】で。
騎士の攻撃などは【第六感】で予測するが
インペリアルブレイドを喰らったら「そっちから間合いに突っ込んでくれてありがとよぉっ!!」とユーベルコード『超重なる連撃』を。
『小癪な連中めっ』
毒づくナイトの鎧から金属片が転がり落ちる。
「滅んでしまった銀河帝国のために、お菓子泥棒なんて滑稽よぉ?」
『黙れ!!』
修羅雪姫の一言に激高し、負傷する帝国騎士が前のめりに突出する。
彼女を守るように双璧を成すタイタスと権左衛門。
互いに一瞥を向けると、騎士に向かって一足飛びに迫る。
「そちらがフォースならば、こちらは科学の力で迎え撃とう……この『力』はこの世界にはあるまい?」
タイタスは自身の腰元に手を伸ばした。
天飛の刻印――変身ベルトじみた制御装置に指をかけ、タイタスは不敵な笑みを浮かべる。
「天飛の刻印を解く――ブラッド・ガイストッ!!」
殺戮捕食態と化したタイタスが獣のような雄叫びをあげ、レイヴンウィングを全開。
中破した外装ごと粉砕すべく、先に仕掛けた権左衛門は戦斧を全力で叩き落とし、素早く立ち回る騎士に追随する。
空を切らされ、計器をいくつか破壊してしまうが……そこにあるのが悪いのだ。
「サイボーグのパワーもなかなかのもんだろ、ナイトさまよぉ?」
『このっ、蛮族めがぁ……戦艦ごと潰す気か!』
「へっ! 褒め言葉として受け取るぜ!」
豪快過ぎるパワフルな波状攻撃に、騎士も積極的に間合いをとろうとする。
だが、疲弊してきたこのタイミングにおいては悪手でしかなく。
「あらぁ。私のことも忘れちゃ、ダ・メ・よぉ」
金色の瞳を怪しく輝かせ、修羅雪姫は装甲の隙間に弾丸をねじ込んでいく。
20mmの大口径リボルバーは亀裂を拡大させ、全身を覆う黒鉄の鎧に大穴をあけた。
『銀河帝国の騎士が……このような、ところで……お、のれぇ!』
だが、相手も『騎士』の称号を賜わった意地がある。
猪突猛進する権左衛門に、帝国剣術による斬撃を放つが、
「そっちから間合いに突っ込んでくれて、ありがとよぉっ!!」
直撃して繋がれた鎖を強引に引き寄せ、帝国騎士を至近距離へご招待。
間合いに飛び込んできた帝国騎士の顔面に左ストレートを放つ。
「一発でダメならもう一発!」
脳髄ごと揺さぶる発勁に騎士のヘルムは半壊し、ゴポと喀血が飛び散る。
「いい直撃っぷりぃ! 私からも……そぉれっ」
立ち上がろうとする騎士の脚を狙って修羅雪姫は内蔵アンカーを射出。
ガッチリ固定できたのを確かめ、
「タイタスさん、今よぉ!」
猛禽類のごとく牙を剥いたタイタスに呼びかける。
呼応して大鴉の翼を模したクランケヴァッフェを展開、急加速で滑空する。
「私の科学力は完璧だ! その身をもって証明とする!!」
矢のごとく鋭く狙い定めた一撃は、露出した騎士の首元を穿つ。
致命傷を受けた騎士は、悲鳴を上げることすら苦痛となって無言の叫びを上げる。
全身を痙攣させた帝国騎士は次第に脱力し、息絶えた。
帝国騎士の死体は沈むように消失していく……骸の海に向けて。
――かくして、民間宇宙船を狙った銀河帝国軍の侵攻は無事に防がれたのだった。
成功
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第3章 日常
『チョコレートケーキはお好きですか?』
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POW : ケーキを大量に食べる。ケーキの種類は一番少ない。
SPD : ケーキを早く食べる。ケーキの種類はとても多い。
WIZ : ケーキ以外も並行して食べる。ケーキの種類はやや少なく、甘味以外の種類が豊富。
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銀河帝国軍の企てを阻止し、猟兵一行はスペースシップに立ち寄る。
狙われていた民間宇宙船はヨーロッパ圏をモチーフにした、石畳を敷かれた独特の街並みが広がっていた。
街中を走る二段バスに揺られつつ、蘭玲の案内で噂のケーキバイキング会場へ到着。
「まずは皆さんお疲れ様でした。無事に遂行してくださったことにお礼申し上げます……まあ、堅苦しいことは抜きにしましょうか」
すでに数名の興味は宝石のように煌めくケーキ達に向いている。
それに気づくと、蘭玲はフフと笑みをこぼす。
生クリームがたっぷり乗ったショートケーキ。
純白のクリームチーズを敷き詰めたレアチーズケーキに、栗をたっぷり盛り込んだモンブラン。
ふわふわしたスフレケーキの丸み帯びたシルエットも印象的だ。
――そして、一番人気は濃厚なチョコの味わいが絶品な、テリーヌチョコのケーキ。
「ジュースやお茶もあるのでケーキのお供もバッチリですよ。今日は目一杯楽しんでください」
「それでは解散」と、蘭玲が手を打ち。
猟兵達はお目当てのケーキを探し始める。
鬼ヶ島・エレナ
【SPD】
色んなケーキを食べる!
「あー、目移りしちまうなー! 地元は栗が有名だから
モンブランは割と食ってるんだが、ここのフネのモンブランも
美味い……。でもやっぱり一番美味いのはテリーヌチョコだ!
なめらかで濃厚で、ああ、口に入れるのがもったいないぜ!
……ところで、また来ても良いかい? 今度はプライベートで、
普通に遊びに来るぜ!」
宝海院・棗
やっぱケーキは色々食べないと!
濃厚テリーヌチョコケーキは真っ先にゲットして、スフレケーキも確保しよう!
メロンチョコミルクレープなんかはあるかなー?紅茶カヌレとか、チョコバナナロールケーキとか、イチゴエクレア、シュークリームとかもあったらほしいな。
やっぱり甘いものは大好き!どんどん口に入っちゃうよ!同じように甘いものが好きなみんなと分けっこしたりもしたい!
早く食べて、いろんな種類のケーキを食べて、幸せなひと時を過ごせたらなー。
真っ白いケーキ皿を手に、宝海院・棗(クリスタリアンのスカイダンサー・f02014)は色とりどりのお菓子を見渡す。
「どれもおいしそう! まずは濃厚テリーヌチョコケーキ……あ、スフレケーキも取っておかないと!」
目移りしながらひとつずつ確保していると、皿の上はすぐにケーキでいっぱいに。
甘い甘いジュエリーボックスを前に、棗は緑の瞳をキラキラ輝かせた。
(「せっかくのケーキバイキングだもんね、やっぱり色々食べないと!」)
待ちきれない様子で棗がテーブルに着くと、さっそくフォークを手にする。
「どれから食べようかな? ロールケーキもいいし、でもスフレケーキも気になってたし……でもでも人気のテリーヌチョコケーキだって食べたかったし」
目移りして選べない! 贅沢な悩みに棗が盛り上がっていると、キョロキョロと空席を探す女番長の姿が。
「人気って言うだけあって人が多いぜ……」
「お姉ちゃん、お席探してるの? よかったら一緒に使おうよ!」
不意に声をかけられ、エレナは『ビク!』と肩を跳ねさせる。
急上昇した心拍を抑えるように、脈打つ胸に手を置くエレナは、幼い少女に視線を向けた。
(「び、びっくりしたぁ! 相席していいって言うけど、どうしよう……いや落ち着け」)
そもそも舎弟にバレるのが嫌なだけで、目の前の女の子は舎弟ではない。
――ならば問題はないだろう。
「そんじゃ、邪魔させてもらうぜ」
待ちに待ったケーキタイム。
腰掛けたエレナは、無意識にニヤついてしまう。
同じように色んなケーキを取っているエレナに、棗はじーっと視線を注ぐ。
「お姉ちゃんもケーキ好きなの?」
「まぁ、嫌いじゃねぇな。地元じゃ栗が名産だからモンブランとか割と食ってるし、んぐ……ここのモンブランも美味いな」
満足そうに頬張るエレナを見て、棗も次の候補に加えようと心に留める。
「テリーヌチョコも美味い! なめらかで濃厚で……口に入れるのがもったいないぜ」
さすが一番人気というだけある。
感心するエレナの様子に、棗もテリーヌチョコのケーキを一口。
「美味しい~!」
甘いものをを食べると幸せな気持ちになってくる。
エレナと棗はその後もテーブルの間を行ったり来たり。全制覇しそうな勢いでケーキを堪能する。
成功
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篝・倫太郎
【白亜】
ケーキも良いけど、小麦使った諸々があるなら、パン喰いてぇな、俺
後、クッキーとかお茶請けに出来そうなのはテイクアウトつか、出来ねぇかな?
出来るなら、旅団でのお茶請けにして
今日の事を話しつつ、楽しむのも悪くねぇだろ?
ケーキはオススメのテリーヌチョコのケーキは確実に抑えるとして
後は何が良いかね……?
どうせなら、色々堪能したさはある……
んで、ルクやセフィと被らないのにすっかな
んー?さっぱりしたレアチーズケーキとかはどーよ?
喰い切れねぇなら俺が喰ってやっから
セフィもルクも好きなの選べば良くねぇか?
補足
無類のパン好き故、パン系があるなら食べたい
女性2名と同行していようが配慮なくバカスカ喰うタイプ
ルクレイフェ・アニェージ
【白亜】
と言うわけで、皆戦闘はお疲れ様。
無事に敵を討伐出来た事ですし、
改めて歓迎会…と言うより結成祝いかしら。
折角の食べ放題と言う事だし、遠慮なくケーキを頂きましょう。
と言っても、 私そんなにたくさんのケーキが食べられる自身が無いわね…。
1番人気のチョコケーキは頂くとして あとは何にしようかな?
うーーん、そうだセフィリカ、折角だからケーキのシェアとか如何かしら。
折角だから色んな味を堪能したいもの。
倫太郎…は相変わらずのパンね、あえて何も言わないわ。
美味しい紅茶も頂いて、素敵な宇宙を眺める事も出来て何も言う事が無いわ。
私満足しました。
セフィリカ・ランブレイ
【白亜】の皆と一緒にケーキを楽しむよ。
ううん……私の胃袋の容量から逆算すると美味しく食べられるケーキは精々4つが限度……
それ以上も可能だけど、美味しく食べられるとは限らない……っ!!それじゃあケーキに失礼だというのはわかってほしい。詰め込むんじゃだめなんだ、味わうことが大事。
けれどあれもそれもこれも食べたいんだよね!この、矛盾!
倫太郎くんそこでパン行くの?男の子だなあ。お腹の容量が足りないよう。
……あ、ルクレイフェちゃん、ちょいお行儀は良くないけど、ここは共同戦線を張って多くの味を楽しむ作戦でどうかなっ?
にぎやかにかつ騒がしく楽しむよ。でも食べる姿は意外とテーブルマナーがしっかりしている。
「と言うわけで、今日は二人ともお疲れ様。無事に敵を討伐出来たことですし、改めてセフィの歓迎会……というより、結成祝いかしら?」
『白亜の光芒』が結成して初めての任務。
そして無事に達成できたことに、ルクレイフェは労いの言葉をかける。
幸先の良いスタートが切れたと、隊長である彼女も満足そうに、目を細める。
「今日はおいしいケーキも食べ放題と言うことだし、遠慮なく頂きましょうか。セフィと倫太郎のお目当てはありそう?」
ルクレイフェの問いに倫太郎は残念そうに眉を寄せる。
「……パンはねぇのか」
「倫太郎くん、ケーキも沢山あるのにパンなの?」
無類のパン好きとは思っていたが、ここでもパンを探す倫太郎に、セフィリカもおかしそうに笑みをこぼす。
セフィリカの反応に「だってパンも美味いだろ?」と、倫太郎は不思議そうに首をかしげ。
いつもの事だし、あえて何も言うまい――ルクレイフェは(「相変わらずだなぁ」)と思いつつ、色とりどりのケーキを見渡す。
「まず1番人気のチョコケーキは頂くとして、後は何にしようかな……たくさん食べられる自信がないのよね」
悩ましげなルクレイフェにセフィリカも唸り声を漏らす。
「私もおいしく食べられるのはせいぜい4つかな……頑張ればもっと食べられるけど、美味しく食べられるとは限らないし……っ!!」
せっかく宇宙世界で稀少な、遺伝子を操作していない小麦粉を使ったケーキだ。
詰め込むように食べるのではなく、美味しく頂きたい!
悩める乙女二人を置いて、倫太郎はそそくさとチョコケーキを確保。
「……ルクレイフェちゃん、ちょいお行儀は良くないけど」
「ええ、せっかくだからシェアしましょうか。半分ずつならケーキも二倍たのしめるし」
なにより美味しさを共有できるのは嬉しい。難問を解決すると、セフィリカ達もケーキを選びはじめる。
「ルクとセフィも決まったか? さっぱりしたレアチーズケーキとか口直しに向いてそうだし、食い切れねぇなら俺がくってやっから」
「――なんて言いつつ、倫太郎もいっぱい食べたいんでしょ?」
ルクレイフェの指摘に「だめか?」と聞き返す倫太郎だが、すでにお皿はケーキでいっぱいになっている。
飲み物も用意した三人は、わいわいと話に花を咲かせつつ、実食タイムに移る。
「ん~……っ! どれも美味しい! こんなに美味しいケーキが食べられるなんて……今日は頑張った甲斐があるねっ」
セフィリカはこぼれ落ちそうなほっぺを押さえ、一口ずつ切り分ける。
「ん、銀河帝国の連中が狙うのも解んなくはねぇな。クッキーとか持ち帰れたらよかったが……テレポートするとき落としちまうかな」
頬袋を膨らませながら倫太郎も頷き、満足げな二人を見て、ルクレイフェも嬉しくなってくる。
「紅茶も良い香りね。素敵な宇宙を眺めることも出来たし、本当に言うことなしだわ」
星海を進む船に良き思い出。
ルクレイフェ達は充実した時間を過ごすのだった――。
成功
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タイタス・レイヴン
【WIZ】
「戦いの労をねぎらってエスコートさせて頂こう。こちらの席がよさそうだ。」全サ連の有志で席を取る。この世界は初めてなので色々と新鮮さを感じているが、ヨーロッパ圏の街並みなので懐かしさも感じるイングランド出身者。
「さて、そうだな。いつもは紅茶にミルクなのだがたまにはアップルティーで頂こうかな。ほぉ。これが噂のチョコのケーキか。美味しそうだな。テリーヌ・・・フランスの方かな。」
「戦いの後のケーキは格別だな。守ったかいがあったというものだ。ゆっくりと味合わせて貰おう。」
佐之上・権左衛門
【POW 】全世界サイボーグ連盟の面々と参加。何故か判らんが俺vs残りの面々で大食いをすることになってしまった。どうしてこうなった?
まぁ別にいいんだが、やるからには全力で味わって食べようじゃないか。
(事後)・・・暫くケーキはあらんわ。流石に
河原崎・修羅雪姫
「ケーキ、ケーキ、ケーキぃ。右を向いても左を向いても、
幸せな光景が広がっているわぁ」
全世界サイボーグ連盟の仲間たちと参加(予定)。
「大食い競争」を始める。 権左衛門さんvs他の皆全員で、勝負。
不公平?
でも権左衛門さんならその圧倒的POWで無双しちゃいそうな気がするのよねぇ。
私の狙い目はイチゴケーキよぉ。
ながぁーい舌の上で、イチゴをコロコロコロと転がし……パクリ!
もぐもぐもぐ、おかわりぃ。
(一度に大量に持ってこないところが修羅雪姫の奥ゆかしさ。万一残したらもったいないし)
「あまーいケーキ。これぞ我が連盟の士気向上ってやつよね!」
レクイエム・アビス
全世界サイボーグ連盟の一員として参加。旅団のメンバーと一緒に楽しくケーキを食べます。弾むような歌声の鳴き声を『laa-♪』とあげながら大きく不気味な機械の腕で器用にケーキをぱくぱく。
全世界サイボーグ連盟を束ねる修羅雪姫も、まだまだ少女と呼べる花も麗しい17才。
ずらりと並ぶケーキに胸にときめかせてしまうのは、至極当然だろう。
「ケーキ、ケーキ、ケーキぃ。右を向いても左を向いても、幸せな光景が広がっているわぁ。レクイエムさんもどんどん食べていきましょぉ?」
「Laa――♪」
無邪気に見回すレクイエム・アビス(呪われた人形・f09861)も歌声を響かせご機嫌である。
レクイエムと修羅雪姫の微笑ましい様子に、権左衛門は父性まじりの視線を送る。
(「こうして見ると、姫様もまだまだ可愛らしいもんだなぁ……ん?」)
「タイタスはケーキよりも船にご執心か?」
ぼんやり街並みを望むタイタスの肩をたたくと、タイタスも権左衛門の呼びかけに気づいた。
気恥ずかしいやら、よくある話というべきか。
「この世界は初めて来たし、色々と新鮮さを覚えていたんだが……この街並みが故郷に似てたもんでな……イングランドの南西部さ」
欧州圏を模した風景、ロンドン名物だった二段構造のバスも然り。
それらは過ぎ去った思い出の日々に繋げるには、余りあるほどで。
郷愁に馳せるには、充分過ぎるほどだった。
(「このスペースシップも、かつての文化を残そうと再現されたモンだと思うと……色々やりきれねぇな」)
苦々しい感情が湧き上がり、複雑な気持ちになるタイタスだったが……そこで修羅雪姫がひょっこり覗きこむ。
「お話はケーキを選んで、落ち着いてからにしましょぉ。……ところで、権さんならどれくらい食べられそぉ?」
質問の意図がわからなかった権左衛門だが、純白のテーブルクロスに花を添えるケーキを見渡す。
バイキング形式となっているだけあって、ケーキは一口サイズのミニマムなもの。
「全種類食おうと思えばいけそうだが、どうかしたか?」
疑問符を浮かべる権左衛門に、修羅雪姫はにっこりして、
「権さんVS他の皆で大食い競争なんてどぉ? 女の子二人とタイタスさんでも負かされちゃいそうだと思うんだけどぉ」
と、大食い勝負を持ちかけてきた。
思わず「本気か!?」と頬を引きつらせる権左衛門達に、タイタスもしんみりしていた気持ちを胸の奥にしまいこむ。
「お嬢さんがそう言うんじゃ負けられないな……っと、レクイエムさんも大丈夫か?」
「Laa」
ふんすふんすと興奮気味なレクイエムも『頑張ります』と言いたげに、両手に握り拳を作る。
鼻歌交じりの修羅雪姫に倣い、気合十分なレクイエムも大きなロボットアームで器用にトングを掴む。
「まぁ、別にいいんだが……やるからには全力で味わうとするか」
勝負と言われちゃ負けられないと、権左衛門も端から順に確保していく。
タイタスは「席を取っておくから」と飲み物を手にし、レクイエム達も選び終わるとすぐに合流。
「うふふ、定番のショートケーキは外せないわよねぇ……ま・ず・はぁ」
生クリームにちょこんと乗ったイチゴを、修羅雪姫は自慢のながぁーい舌に乗せてころころころりん。
独特の甘酸っぱさを堪能しつつ、ぱくっと一口。
「ん~美味しいわぁ! 生クリームの甘みと酸味が良い感じぃ」
嬉しい悲鳴をあげつつ、丁寧に切り分ける修羅雪姫の所作は奥ゆかしく、育ちの良さを感じさせる。
「La、Laa……♪」
レクイエムも声を弾ませながらケーキをぱくぱく。
甘いアップルティーの香りを楽しみつつ、タイタスもテリーヌチョコのケーキを切り分ける。
「いつもはストレートにミルクを少々だが、アップルティーもたまにはいいな……さて、ケーキの方は」
しっとりした生地にフォークは抵抗なく刺さり、口の中に運べばチョコレート独特のほろ苦さと甘さもベストマッチ!
さすが一番人気と英国紳士の舌を唸らせた。
「あまーいケーキで疲れも飛んじゃいそうねぇ。これぞ我が連盟の士気向上ってやつよね!」
ー➖大食い勝負の軍配は権左衛門にあがった。
全種を2、3個ずつ平らげただけでも十分すぎる胃袋のサイズだが、
「しばらくケーキはいらんわ。さすがに」
ブラックコーヒーを流し込む腔内には、甘い名残がしばらく残りそうだ……。
成功
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佐塚・陽霞
色々なケーキがあってよりどりみどりです。「そんなに沢山量も種類も食べるのは難しいですから美味しく戴く事に集中です。」
やはり評判のチョコケーキは外せませんし、後はレアチーズケーキにします。そういえばクッキーやシュークリーム、エクレアも小麦粉を使いますがあるでしょうか?探してみます。
それと飲み物。蘭玲さんは美味しい紅茶の淹れ方はご存知か確認です。出来ればご教授願いましょう。「緑茶の淹れ方ならばわかるのですが…紅茶の淹れ方を教えて頂けますか?」
陽霞もケーキが並び立つテーブルを端から端まで見渡す。
「そんなに沢山は食べられませんし……ええ、美味しく頂くことに集中です」
スペースシップを支える共有財産を、じっくり味わう。
それもまた一興――陽霞は迷いつつ、評判のチョコケーキ、酸味の効いたレアチーズケーキを選ぶ。
飲み物も用意しよう、と……見やればそこも、ジュースと紅茶が数種。
陽霞にとって馴染みがあるのは緑茶だった。
(「同じ茶葉から作るのに、製法が違うだけでこうも変わるのですよね」)
「あら、お務めご苦労様でした」
テーブルを見つめる背に、蘭玲が声をかけてきた。
メイド服に身を包む老女へ向き直って、陽霞は「そうです」と呟く。
「蘭玲さんは美味しい紅茶の淹れ方をご存じですか?」
「ええ、メイドの嗜みですので」
伊達や酔狂ではないと、器用に片白眉を吊り上げる。
「緑茶の淹れ方ならば解るのですが……、よければ紅茶の淹れ方を教えて頂けたら」
陽霞の言葉に老メイドは「じゃあお席で話しましょう」と、お茶の席に随伴する。
「紅茶は茶器を温めておくと、しっかり風味が出るのですよ。それと――」
講釈に耳を傾けつつ、陽霞はケーキを一口。
(「……美味しい、です」)
この味を求めて訪れる人々がいる……改めて船を守り切れた事実に、陽霞の心は安堵した。
成功
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ボアネル・ゼブダイ
【ケーキ以外も平行して食べる】
素晴らしい味わいだな、世界を跨ぐとこのような美味との出会いがあるものなのだな。この味を守れたことも含めて今回の任務は実に有意義と言えよう。
うむ、美味い!
テリーヌチョコのこの濃厚なチョコの味わいはどうだ、甘美と言うだけでなく艶めくような舌触りは実に官能的だ
そしてイチゴのショートケーキも絶品だ。
儚く舌の中で溶けていく生クリームは、これはもはや神業だろう。
さらにスポンジとクリームに挟まれた酸味のやや効いたイチゴがアクセントになって実に心地良い
そしてこのケーキを食べながら飲む酒も良い
異世界のウイスキーにブランデー・・・この薫り高い酒精があればますます食が進むというものだ
「うむ、素晴らしい。実に素晴らしい!」
闇に包まれ、そのまた辺境に居を構えていたボアネルにとって、異郷の菓子そのものが興味深かったが、
「世界を跨ぐと、このような美味との出会いがあるものか。……ああ、実に素晴らしい味わいだ」
その美食。その美味を体感し――この味を守れたことも含め、有意義な任務だったと感動に打ち震えていた。
「テリーヌチョコの、この濃厚な味わい……甘美というだけでなく、艶めくような、しっとりした舌触りが実に官能的だ」
その隣のショートケーキももう一口。
「こちらも負けず絶品だ! 儚く舌の上で溶けていく生クリーム。これはもはや神業の領域……ッ!」
スポンジとクリームに挟まれた、酸味のやや強いイチゴのアクセント。
これも実に心地良い。
甘みばかりで飽きてしまいそうなところで、キュッと味にまとまりをだしてくれる。
「……ふぅ。銀河の民にとっても、食は大切なものなのだろう」
手間暇かけて作られるケーキは、効率的な栄養補給に向いていない。
けれど、ボアネルは思った。
――この讃美すべき食の芸術も、宇宙を旅する者達には必要なのだと。
スペースシップは安息の地を求めて、どこまでも。
その道のりは決して楽なものではない。
だからこそ、宇宙を渡る人々は『心のやすらぎ』と『活力』を己で作り出すのだ――。
成功
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