ごうごうと、機械が稼働している音がうるさい。
効率か楽になればいいというのだろうか足元にはベルトコンベアーがあり、その上に人や荷物が乗っかって、横の部屋だけでなく、上や下の階へとあちこちに運ばれていた。
きゅるるる……。
なんだか可愛らしいというか、気が抜けるような場違いな音が一人の少女から発せられた。
「……はあ、お腹空いたなぁ」
どうやら、お腹の虫がなった音であったらしい。少女は自分のお腹を擦りながら、おもむろに懐をがさごそと漁り出すと、奇妙な卵のような物を取り出し、見つめる。
卵と述べた物体を少女が見つめていると、次第に涎を垂らしだす。
「これ、食べれば空腹を少しは紛らわせられ……いやいや、何考えてるの私」
おおよそ、食べ物とは思えない物ですら食べたいと言ってしまうあたり、この少女はどれだけお腹を空かせているのやらだ。だけど、戒めるようにして自分の発言を翻すと、視線は近くの機械―ベルトコンベアーの制御装置へ。
「そんなことしなくても、これを埋め込めば……すぐに食材がいっぱい出来るもんね」
少女がそう言いながら、手に持った卵を制御装置に当てると、まるで飲み込むかのように制御装置の中へと埋まっていった……。
●とらうま?
「アルダワで緊急事態だよっ!」
グリモアベースでユキノ・サーメッティアが何やら緊急事態と叫びながら慌ただしい。
一体、何があったのかと説明を求めると、少し落ち着けたのか息を整えて事態の説明に入りながら語り出す。
「商会同盟にある蒸気機械の城塞に猟書家が現れたらしくて、そこで災魔の卵を城塞の中にある機械に埋めこんじゃったらしいの」
言われて、なるほどと納得してしまえる。猟書家による事件であるならば、城塞の中に居る人達は元より、周辺住人にも被害が及ぶことは確かなのだから。
「幸いと言っていいのか、城塞にはガジェッティアの人も常駐してるようだから、機械の暴走も今の所は少しは喰いとめてられてるみたい」
ユキノが続けた情報により、現地で抵抗している人によって機械は完全に乗っ取られていないことを教えられた。しかし、それも一時凌ぎにしかなってないことも。
このまま、助けが無ければ押し切られてしまうのは明白で、その時は……周辺の人々が生命的な意味で絶望的なことになってしまうのは確か。
「そんなことにならないためにも、すぐに現地に行ってガジェッティアの人を助けてあげて? 助けが来れば少しは余裕も出来るだろうし、そうすればある程度機械の制御を取り返せるだろうから」
そう言って、ユキノはかの地へと続く門を開く。
……それにしても、いつもの調子なら語尾に時々にゃとか付けるのに、今回一度もその語尾を付けてないあたり、それだけ危機的状況だということなのか。
にゃんさん。
ベルトコンベアーに暴食……。つまり、ソイ(自主規制)なシナリオが作れちゃうと言う訳ですねっ! ってことでにゃんさん。なのでした。
タイトルはとある先生の言葉から、元ネタはアレでございます。ネタっぽいけど、内容はガチな方になりました。(プレ次第ではネタ方面にも行けますけど)
どんな風になっているかですが……。
ベルトコンベアーが暴走している状態です。突然逆方向に稼働したりとどう動くのか予想できないほど。しかも立体構造でもあるため、より予想が困難。まあ、困難というだけで不可能ってわけでもないですが。
城塞の何処かにこんな事態を引き起こした元凶が居ますが、暴走ベルトコンベアーのせいで、そいつの下に辿りつけるのは少々難しい。
暴走を食い止めようと抵抗しているガジェッティアの人が居るので、その人に協力してもらえれば、ベルトコンベアーの暴走を一時抑えられるでしょう。
ちなみに、ガジェッティアの人―ケットシーのスティッフィン・アルファルド。
略してステア。
第1章 冒険
『ベルトコンベアー迷宮』
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POW : 気合でコンベアーをねじ伏せ進む
SPD : 速さでコンベアーの流れに打ち勝ち進む
WIZ : 知力でコンベアーの流れを読み、利用して進む
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ユメ・ウツロギ
缶詰の生産ライン、でしょうか…?
鯖、焼き鳥、コンビーフ、コーン、鯨…熊?…オーク…?……人…?
………コレは、何の機械、なのですか…?
元々は普通の缶詰とか食糧生産用の機械で、暴走の結果こうなってるなら良いのですが…。
興味深くない、というかあまり知りたくないです…。
ステアさんに合流。
UCの効果で「ドクトル・アメジスト」の【ラボラトリービルダー】を使用。
電脳魔術と「無限の書」で機械に【ハッキング】を仕掛けてベルトコンベアーの暴走を抑えられる様に制御プログラムと潜伏型のウイルスを流し込み、暴走を抑えられる間は抑えつつ、いざとなったら完全に破壊して動かなくするように仕込むです。
悪趣味にも程があるです…
備傘・剱
全く、ベルトコンベヤーに一度乗ってみたいって夢がこんな形で叶うとはなぁ…
てか、このベルトコンベヤー、何が目的で作ってあるんだ?
って事で、とりあえず、流れに乗ってみるが、これ、下手したら、とんでもない所に流されていくんじゃ…
こういう小回りが必要な時は、空中浮遊と朱雀衝で細かな移動を繰り返して、目的地に移動してみるか
本当にダメな場合は、ステアにヘルプミーを頼んでみよう
…本当なら、探索者の名誉にかけて、自力クリアが望ましいが、依頼だからな、そうもいってられないだろうしよ
万が一の場合は、ワイヤーワークス投擲して、どっかに引っ掛けて物理的に移動してくれるわ
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
ベルトコンベアーが暴走したことで、その上に乗っていた物、あるいは人が、何処かに運ばれそうになっている。
「全く、ベルトコンベヤーに一度乗ってみたいって夢がこんな形で叶うとはなぁ…」
実際にそんなことをしてしまえば、怒られてしまうだろう。備傘・剱(絶路・f01759)が言うように、ある意味では夢だろう。
「てか、このコンベヤー、何が目的で作ってあるんだ?」
その夢云々はさておいて、剱はそもそも、なんで作られてるんだろうと、何が流れてくるのかを注視しはじめる。
眺めていると、ベルトコンベアーの上に流れてくるのは―。
「何ですか? 鯖、焼き鳥、コンビーフ、コーンに鯨…熊? あれ? オーク? あれ、人…?」
次々に流れてくるのユメ・ウツロギ(蒐集の魔女・f30526)が一つ一つ確認するように呟いて行く。
流れてくる材料を見る限りでは、食材を運ぶコンベアみたいですね、なんて思っていると、最後にとんでもないものが流れてくるのを目撃してしまったようだ。
「………コレは、何の機械、なのですか…?」
聞いては見るユメだったけれど、本当の所は興味を持てず、知りたいとも思えなかった。
「人って……うん? いやちょっと待て、どうやらそれっぽく見えるだけで、こいつは豚肉、みたいだぞ?」
人が流れてると聞いて、剱も嫌な想像を掻きたてられてしまったが、ユメが見た物体を見ると勘違いであることを見抜く。
「あ、本当、ですね……」
違うと聞かされて、ユメがもう一度を見て、嫌な想像のままに勘違いしてしまったことに気づく。
2人、居酒屋を営んでいたり料理が趣味だったりと、良く見れば違いに気づけたのだろう。
見たいとは思わない物体が流れていない事にホッする2人であるが、このままではその見たくない物が流れてくる可能性は高い。
そのような事態にまで発展する前に、どうにかこの暴走を止めなくては気持ちを新たにした。
「俺はこいつに乗って流されて様子を見るけど、ユメはどうする?」
「そうですね。とにかくステアさんと合流してみようと思います」
方針を決めて、それぞれに動き出す。
「こいつは、どこに流れているのかねっと」
最初に決めた通りに、コンベアの上に乗り移る剱。
あとは流されるままに、運ばれていくだけ……。けど、共に流れているのは食材の類なのだが。
自分の周りにあるのは加工された食材。それも未包装のまま。
密封されてないということは、つまり……。
「うーん、このまま流されてたら、下手すればとんでもない所に運ばれる気が…」
もしかして、乗ったままはまずい? その考えが浮かんでくると、コンベアの向かっている先も見え始めてきた。
向かう先では、運ばれていた食材がガシャンガシャンと缶詰にされている。
「やべっ」
コンベアに乗ったままでは剱も缶詰にされてしまいそうだ。流石にそうされるつもりはない。
慌てて、乗っているコンベアを蹴って飛び上がり、別のコンベアに飛び移る。
空中に飛び上がったときに見渡したコンベアも残ら稼働している様子も見えていたコンベアの数も、一体、何処に向かおうとしているのかも分らないほどに点でバラバラな方に動いているのを見た。
「……一体、どこに元凶がいるんだかな?」
流れる先が搾り込めず、そのために元凶の場所を特定できないと悩む剱だったが、コンベアに足を着けた途端、いきなり逆方向に動いたせいで、バランスを崩してしまう。
「うおっとと……」
倒れ込むのはよろしく無さそうだと、咄嗟にワイヤーを射出して、それで身体の体勢を保たせて倒れ込むのは避けられた。
「てんでバラバラに動く上に、その動きも規則性も無しかよ」
これでは、コンベアが元凶が何処に潜んでいるのかを割りだしてもそう簡単には辿り着けなそうに思えてきてしまう。
それでもだ。探索者としての名誉にかけて、剱は挑戦していく。
「ま、やるだけやってやりますかね」
一方で、ユメがステアの元に辿り着いた。
まずは手伝いを申し出ようと話そうとしたけれど、当のステアは何か、よく分らない工具を使って制御用の機械と格闘していて、人と話す余裕も無さそうだった。
その姿に、もう手伝いを申し出るよりも先に実際に手を出した方がいいと判断するユメ。
「無限の書、起動。機械をハッキングしてください」
ユメが無限の書へと命じ、その指令を受けた書は下された命に違うことなく、コンベアの制御機械と繋がる。
「制御プログラムの生成による暴走の抑制……それと、最後の手段も」
無限の書と制御用機械同士を繋げたことで機械そのものを工房と定義したことで、ユメが色々と仕込む。
その中でも、抑制プログラムを入れるのは優先すれば、すぐにそのプログラムが働いたようでコンベアの暴走も多少は落ち着いてきた。そのため、ステアも余裕が生まれたようだった。
「まだ問題の解決はしてないが、とりあえずは一段落だなっ!」
今まで、ステアは一人で対処していたせいか、一度張られた緊張が緩んだことで疲れが一気に噴出したようで座り込んでしまう。
「大丈夫ですか?」
肩で上下させて息を整えようとしているステアに、ユメは労いながらも手を差し出す。
ステアは、出された手を取って、立ち上がりながら、礼を言ってくる。
「おー、嬢ちゃん、何してたのか知らねーけど、手伝ってくれたんだろ? ありがとよー」
どうやら、ユメが手を出してきたのは判ってはいたようだ。まあ、1人2人では済まない人命を護ろうとしていたのだから、気にしている余裕が無かったのだろう。
「それで、これからどうするつもりですか?」
「そうだな……嬢ちゃんのおかげで、ちったあ大人しくなったみたいだし、どうにか止められないかやってみるわ」
十分に休めた、とは言えなさそうではあったけれど、長く休んでる暇はないと、ステアが身体に鞭を撃ってもう一度、制御に取り掛かる。
それでも、最初の時より元気そうなのは、ひとえに手を貸したユメの存在があるからだろう。その証明か、ステアはユメの方に顔を向けてきて……。
「手伝ってくれるよな?」
手を貸してほしいと、お願いしてきたのだった。
ユメとしても、その申し出を断る選択肢もない。
「ええ、いいですよ。それにしても悪趣味にもほどがあります……」
「ホント、まったくだよ」
ユメの悪趣味の言葉に、ステアは城塞のライフサイクルに重要となっていたコンベアを奪うどころか、それを殺戮用に使うなんてと憤る。
実際には見る事は無かったが、そのせいでユメの精神衛生上、よろしくなさそうになったのは確かだ。
(ついでにもう一つ、いざと言う時の手段も入れて置きますか)
もしかしたら、そんなことになってしまうならと、ユメは破壊用のプログラムをこっそり、潜ませた。
「それでは、私はもう行きますね?」
「了解だ。これなら何かがなけりゃ、こっちで維持できそうだしな」
ユメが作って仕込み、それをステアがよりやりやすいようにと手を加えた抑制プログラムが、しっかりと効果を発揮し始める。
ユメ達が居る所では、自分達の目で確かめるのは出来そうになかったが、それでも手応えはしっかりと感じられた。
そして、直接接している剱がよくそれを感じられている。
今まで、どう動くかも予測し辛かったコンベアが、大人しくなったのが分ったのだ。
「これなら、移動もしやすいな、けどなー」
移動しやすくはなったけど、元凶の場所そのものはまだ判別しないんだよな……。
それでも移動は続けていくが、着実に元凶の下に近づいて行ってるのは、探索者の素質ゆえなのか。
ユメと剱は、確かに元凶へと迫っている。
大成功
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ニクロム・チタノ
ベルトコンベアー城塞の中になんでこんなものが?
ボクのいた研究所の施設にはこんな感じの機械はなかったね
これが事件じゃなかったらもう少し見学していたいけどそう悠長なこと言ってられないからね
とはいえこんな暴走機械に乗って運試し、なんて勇気は流石にないやなら
反抗の竜チタノよ降り立て
無重力は完全に浮遊できる訳じゃないけど壁や天井を蹴ったり張り付いたりして移動できるからコンベアーに乗るよりは幾分か安全だよね?
天井に張り付いて周りを見渡して様子を探りながら進もうかな
よし、これより反抗を開始する
反抗の竜チタノの加護と導きを
「……なんでこんなものが?」
ベルトコンベアーを見たニクロム・チタノ(反抗者・f32208)が疑問を持つ。
工場ならばあってもおかしくはないが、しかしここは城塞だから何故あるのだろうと。
かつて居た研究所でも見たこともなかったためか、ニクロムはもう少し見学していきたいと思うのだが、災魔……オブリビオンの魔手が此処に伸びてきている以上、悠長にはしてられない。
元凶はどこにいるかは判明していないが、もしかしてこのコンベアーの流れる先に居たりするのかも? そんな考えが湧くけれども……。
「とはいえ、こんな暴走機械に乗って運試し、なんて勇気は流石にないや」
何処に運ばれるのかも、何をされるのかも分らない奇怪に頼る。そんな気にはとてもなれない。
では、どうすればいいのだろうか。それは……・
「反抗の竜チタノよ、降り立て」
ニクロムが、自身を見出した存在の力の一端を呼び出す。
辺りにきらきらと光を反射するものが降り注いでくると、周囲の、固定されてないあらゆる物がふよふよと浮かぶ。
反抗、とニクロムは言った。その対象は重力であったらしい。それならばニクロムも宙に漂いそうだが、浮かぶことなく足を床に着けたまま。
今の状態を作り出した当人だから、影響の範囲外なのだろう。
とん。っとほとんど力を入れずに床を蹴る。
無重力となった今ではそれだけでも身体は簡単に浮いてしまう。
言い換えれば、何にも縛られずに移動できるということだ。
事実ニクロムはそうしようとしているようで、浮かんだ先の壁、そこに辿り着けば壁を蹴って天井と移っていった。
天井に着くと、ニクロムは一旦そこで止まった。
何処をどう辿ればいいかと様子を見るようで、辺りを見回す。
そうして、どのように進めばいいのかと頭に叩き込むと、進行を再開。
「よし、これより反抗を開始する。……反抗の竜チタノの加護と導きを」
自分の守護竜に祈りを捧げて。身体を漂わせながらニクロムは先へと進んでいく。
大成功
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第2章 ボス戦
『暴食少女のオットーフォン』
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POW : みんな美味しいお握りにして食べてあげる!
【握ったものを何でもお握りに変化させる状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : 全て美味しい食材になぁれ!
レベル分の1秒で【ヒッポ君から何でも食材に変身させる魔道弾】を発射できる。
WIZ : それいけヒッポ君!美味しい料理を作るのよ!
【カバ型ガジェットによる捕食攻撃】から【捕食したものを何でも料理に変身させる技】を放ち、【腹部のドアから出来た料理を排出する事】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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「もぐもぐ……もぐもぐ……」
女の子が、ベルトコンベアーから流れてくる野菜や動物・魚類の食材を調理してはそれを咀嚼していた。
できた料理を両手に持ち、片方を食べれてばもう片方へ。食べたことで手が空いたのなら、身近にある食べ物に手を伸ばす。
休むこともせずに、忙しなく食べ続けている。
「あー、いっぱい食べれて幸せー♡」
食べること以上の幸福は存在しないとでもいうかのように、とても幸せそうだ。けれど、食べ続けていたのが不意に止まる。
「それにしてもまだ人”は”流れてこないなぁ? どこかで詰まってるのかな?」
おぞましいことを平気で口に出す。そんなことを言えるのはやはりオブリビオンとしての精神をしているからなのか。
「まあ、その内くるわよね。そうじゃなくても食べれるものは流れてくるんだし」
まるで今の食事が前菜のような扱いだ。ならメインディッシュは人を使った物たとでも言うつもりか。もはや常人には理解できそうもない。
ひたすらに暴食を続ける少女の下に、ようやく猟兵達が辿り着く。
「やっと来たー♡」
食べるのを止めないまま、歓迎するような口調で出迎えられた。
友好的? 初めはそう見えたが……良く見なくても、見つめられる視線は捕食者としての物であるのが嫌でも理解させられてしまう。
「貴方達はどんな料理になってくれるかな~?」
目を輝かせながら、料理してみたいなと宣ってくる。
自分達を材料に? そんなことはごめんだ。
そんなことをさせず、そしてなにより、城塞を可笑しくさせたことに対して、その身で償ってもらおう。
久瀬・了介(サポート)
「オブリビオンは殺す。必ず殺す」
オブリビオンへの復讐の為に甦った不死の怪物。そこにオブリビオンがいるならただ殺すのみ。
生前は職業軍人。デッドマンとして強化された身体能力と、軍隊で身に付けた戦闘術を基本に戦う。
軍人としての矜恃は失われていない為、敵の撃破より民間人の安全と平和を最優先として行動する。復讐鬼ではあるが狂戦士ではない。非戦闘時や交渉時は実直で礼儀正しく他人に接する。
基本戦術は「ハンドキャノン」での射撃。敵の数が多い場合はフルオート射撃での範囲攻撃。
敵の能力に応じて【死点撃ち】【犬神】【連鎖する呪い】で射撃を強化する。
その他、状況に最適なUCを選択して使用。
「オブリビオン殺す。必ず殺す」
最初から殺意増し増し。
物騒なことを吐きだしながら、久瀬・了介(デッドマンの悪霊・f29396)が何でも食べようとする暴食少女の下にやって来た。
あまりの殺意に狂戦士かと勘違いされそうだが、別にそうではない。
生前、人を護ることを生業から、他者―それも民間人を護ることを最優先とした矜持があるからだ。
今、久瀬の前には『何でも食べる』者が居る。何でもあるからには、それには人も対象である。
そんなオブリビオンが居るのだ、殺意が溢れ出てくるのも当然の話。
「う~ん、なんだか壊そうな人ー?」
久瀬の殺意に晒されているにも係わらず、オットーフォンは態度を崩さない。
何を考えているのか、分らない……と言いたいが、どうせ食べ物のことだけだろう。
「お腹空いてる? ご飯食べる?」
「いらん」
怒ってると、オットーフォンは久瀬をそう見たのか、ご飯の提供しようとしてきた。
久瀬はただ一言で切って捨てたが。オブリビオンからの施しなぞいらないのだ。
そも、何を使ってるのかも怪しい。もし……人の道を外れるようなものが使われていたら……。
恐ろしい考えが過ってくる。無意識に、銃を握る手に力が籠る。
「じゃあさ、私に食べ物、運んできてくれたんだね!」
「何を言っている…?」
何がどうなってそう結論が出たのか。それに食べ物を運ぶとは? そんな物はもってないのだが。
訝しんでみるけれど、オットーフォンは既に料理のことだけを考えている。
「どんなのがいっかなー?」
どうもまともに相手が出来そうにない。久瀬はこれ以上の問答は無用と大型拳銃を構えてオットーフォンに向けて売った。
狙いは違うことなく、オットーフォンの胴を穿つ。
「いったっ…!? もう、お腹が空いていっちゃうじゃあないか~!」
穴を開けてやったのに、空くとはどういうことか。
まあ、耳を貸す必要もないだろうと続けて大型拳銃から弾丸発射。
対オブリビオン用に拵えた特性の弾丸だ。喰らえばその身を蝕む。
だが最初の油断しまくっていた時とは違い、今は警戒されているせいか物陰を盾にしたりで避けられてしまう。
「行って! ヒッポ君!」
物陰に隠れたオットーフォンがそう言ったのが聞こえた。
その声と共に、物陰から飛び出してきたのは、百貨店の遊具置き場に在りそうなデフォルメされたカバだ。
オブリビオンの持ち物であるのだから、そんな可愛らしい物ではないのは確かだが。
口を開いて飲みこもうとしてくるヒッポ君と呼ばれたカバ。
食われるのはごめんだと久瀬は距離を取りつつ、反撃とばかりに、物陰の盾ごと銃撃を放つ。
そこにある隔たりを存在してないかのように、突き抜けて行く弾丸。
「何、してくれるの……」
手を抑えながら、オットーフォンが物陰から出て来た。
抑えらている手からは赤い液体が流れている。
どうやら、手に風穴をあけてやったらしい。
料理がどうのとか言ってたし、手を怪我したのなら料理が難しくか、それとも出来なくなったか……。
久瀬は、最期を届けてやろうと、オットーフォンの頭に向けて銃口を向けた。
瞬間、後ろから何かが迫ってくる。
「ちっ!」
自分に向かってくると解り、久瀬は避ける。
その際に見たのは、カバ型ガジェットのヒッポ君だった。
避けた所から体勢を直して、すぐ銃を構えなおす。
だが、銃を向け直した先にはもうオットーフォンの姿がない。
目を離したその一瞬で姿を眩まされてしまったようだ。
逃がしたと舌打ちが出てしまうが、すぐに気分を変える。
なにせ相手は手負いなのだ。追い詰めていけば必ず仕留められる。
―復讐者が、蠢く。
成功
🔵🔵🔴
備傘・剱
お前、俺を食おうってはらか?
なら、簡単に食えると思うなよ
接近戦を仕掛ける、ワイヤーワークス投擲して、捕縛
二回攻撃と鎧無視攻撃と鎧砕きを中心に戦っていくぜ
で、こっちが食われそうになったら…
結界術で一瞬、動きを封じて
呪殺弾、誘導弾、衝撃波、斬撃波を零距離射撃で口の中に炸裂させ、そのまま、口の中に手を突っ込み、黒魔弾、発動!
どうだ?
一生懸命こさえたとびっきりの味を味わえるだろ?
舌が機能してれば、の話だがな
悪食もたまにはいいだろうが、しょっちゅうだと腹壊すぜ
まぁ、今回は、腹じゃなく、舌が逝きかけてるだろうが、な
所でよ、お前、せめて、洗って食べろよ
衛生面でかなり気になるぞ?
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
ニクロム・チタノ
可愛けど言ってることなかなかにエグいね?
なんかカバみたいなガジェットもいるし
アレも可愛
でも食べられるわけにはいかないよ!
これが私の半分の顔
逆にキミ達を料理してあげるよ、重力で動きを封じて蒼焔でこんがり焼いてあげる!
ユメ・ウツロギ
食材変化の能力とそのガジェットには興味ありますが、食材になる気は無いですね。
人間を料理するなんて知りたくないですし。
無限の書、蒐集開始です。
ブルームに乗りながら無限の書を開き、敵の【情報収集】。
【スパーダ】で魔法剣を展開。同時に敵の攻撃魔術を相殺・迎撃を狙って雷属性の攻撃魔術【属性攻撃、全力魔法、誘導弾】を【高速詠唱、多重詠唱】による【弾幕】で連続【一斉発射】するです。
合計1000本の魔法剣と攻撃魔術の連射です。
料理にできるなら幾らでも御馳走してあげますよ。
対処し切れるなら、ですけどね。
貴女の能力は稀有なものです。大食いも悪いとは言いません。ですが…人を食材としか見れない貴女はここで終わりです
この暴食少女―オットーフォンは人であっても食材としか見ていない。
ただ、今は様子がおかしい。妙に食事の勢いがすごい。
「ハグ、もぐもぐ……。ごくごく、モグッ」
何だろうか? 減った何かを回復させているようにも見えた。
自分の所に新しくやって来た猟兵に気づいたのか、食べていた手が止まった。一瞬見えたが、随分と癒えているようだけど手に負傷を抱えている?
「食べ物が減ってきていて困ってたの~♪」
そりゃあ、そんな勢いで食べていれば減るのは早いだろう。けど、喜ばれるのはどうしてなのか?
別に何かしら、食べ物を持って来ているわけではないのだが……。
不思議に思っていると、どうも嫌な視線が纏わりついてきていることに気づく。
視線の元はオットーフォンからだ。
どうしてと思っていると、一つ、思い当たる。このオットーフォンは人間も食材にすることを。
つまり、訪れたことで喜ばれるということはそう見てきていると……。
「可愛いけど、言ってることなかなかにエグいね?」
食材扱いとしか見てこない視線にニクロム・チタノが辟易とする。
見た目は可愛らしそうなのに、言動で全てを台無しにしてるようにしか思えない。
「俺達を食おうってはらか?」
「……食材になる気は無いですよ? 食材変化とか、カバっぽいガジェット自体には興味はありますけどね」
同じく食材と見られている備傘・剱と、ユメ・ウツロギの二人も、食べられたいなんて思うはずもない。
ただユメは使い処を間違えなければ有用そうな能力と道具そのものには興味がある様だけど。
「確かに、なんかあのカバみたいなガジェットは可愛いとは思います」
ユメの興味あります発言にニクロムも乗っかる。ニクロムの興味が向いてるのはカバのような道具にだけだが。
けれど、そのガジェット、側面にレンジかオーブンか……調理器具のような物が見えることから、これもまら料理道具なのだろう。
……なら、この道具は……、どれだけの食材と見做したものを入れられたのか? あまり考えたくはない。
持ち主であるオットーフォンは能力の使い方も含めて人としての道すらも間違えてしまっているのは確実だ。
その果ての『人間を調理する』なんて、知りたいとも思わない。
だから、それを実際にしてしまうオットーフォンの視線を疎ましそうに思うのは当然。
「……簡単にお握りがいいかな~?」
オットーフォンが調理の方針を決めたようだ。動きだす。
「そう簡単に食えるとは思うなよ」
剱は鋼鉄製のハンマーからワイヤーを引きだして回転。
「食べられるわけにはいかないよ!」
「無限の書、蒐集開始です」
ニクロムは顔の半分を隠す仮面から蒼い炎を噴き上げ、ユメが箒に腰かけ、風を纏って宙に浮き、魔導の書を開く。
相手は料理を開始したと思っているようだが、戦いだ、迎え撃つ!
「それいけヒッポ君!」
こちらの動きを止めようというのか、ヒッポ君と名を呼んだカバ型のガジェットを走らせてきた。
カバらしく、口を大きく開けてくる。あの大口に噛まれてしまえば怪我どころではなくなりそうだ。
迎撃に出ようとした剱だが、上から突然の雷が落ちてくる。
空から―宙に浮くユメだ。雷を呼び起こし、落としてヒッポ君に叩きつけたらしい。
一つ、二つ、十、二十と幾つも落雷を、無差別に落としていくようで、その全てを的となったヒッポ君へと当てて行く。
何度も雷に打たれたヒッポ君はその造形に真っ黒な焦げ目を付けて、黒煙を上げながら転がる。バチバチと放電していることから、もう動かないだろう。
「あぁ!? ヒッポ君がぁ! これじゃあ、ちゃんと料理できないでしょ~!?」
ヒッポ君を壊されて打ちひしがれるオットーフォン。
料理用の道具を壊してやったことで、少しは脅威は減っただろう。
だけど、食材に変えてしまう力を持つオットーフォンはまだ健在のまま。
そちらもどうにかしなければ、身の危険は残り、城塞も元には戻らない。
「もう、やっぱりお握りにするしかないのね」
いくつの手順が必要な料理はもう出来なくなったからと、オットーフォンは両の手を握り締める。
嫌な感じがする。あの手に捕まったら、どうなるのか……。まあ、喜ばしいことにならないだろう。
それを阻止するため、剱は回転させていたハンマーを投擲した。
「そんなに食いたいなら、まずはこいつを喰らってみろ!」
「これが私の半分の顔!」
ハンマーが飛んでいくほどにワイヤーが伸びて行く。
ニクロムが半面から噴き出していた蒼焔をオットーフォンの身体を蒼焔に包み込む。
守護竜チタノの加護もあり、巻き付いていく蒼い焔は物理的な重さを纏うようで、オットーフォンをそこに縫いとめた。
放った炎は目眩しにもなったようで、ワイヤーがオットーフォンの身体に巻きつく。
足を止め、腕も止めたことで、身動きが封じられたオットーフォン。
「こんがり焼かれて、逆に料理されていく気分はどう?」
料理、料理と何度も言ってた相手に、される側に気分はどうだと煽る。
かつて彼女の手によって、犠牲にされた者の気分を味わうのはどうだと。
「ちょっとー!? 私は食べ物じゃないよー!?」
蒼焔に焼かれながら、料理される謂われなんてないと叫ぶオットーフォン。
何を言っているのか、その言葉は他の人達にも言えることだ。
「お前が言えることかよ」
自分勝手過ぎるのを、剱がそう吐き捨てる。
「一番似合うのをこれからご馳走してやるよ」
「ご馳走! 何々、何を食べさせてくれるの!?」
何時までもぶれない、食事への強い言動にいい加減、言葉を交わしていくのが精神的にきつくなりそうだ。
これ以上に言葉を交わす必要もない、黙らせるために、ガントレットを嵌めた腕を後ろに引き絞る。
「こいつを、喰らってろ!」
弓のように後ろに引いた腕はまっすぐにオットーフォンの口目掛けて解き放つ。
口の中に捩り込まれていく剱の拳。噛みつかれそうだが、口の中の空間を縛って閉じれないようにはしている。
「もご、もごもごー!!?」
閉じれなくなった口内の奥に、更に捩り込んでいく。
気道も蓋をされて苦しそうな声をだしているが、知ったことじゃあない。
「ほら、ご馳走だぜ?」
色々と混ぜ込んだ衝撃が、オットーフォンの口の中で炸裂させた。
口内での爆発を受けたオットーフォンは口回りを赤く染め、ボタリボタリと液体を落とす。
爆発の影響で口のなかがズタズタになったのだろう。歯も数本、というかほぼ全てが消し飛んだようだ。
「どうだ? 一所懸命にこさえたとびっきりの味を味わえるだろ? 舌が機能、してればの話だがな」
食事を味わう上で重要な部分を破壊したのだ、舌なんてもう機能してないと分かりきったことを問いかける。
「ふぁにふゅるの~!?」
まともに呂律が回ってない。それだけ破壊の跡が大きかったか。
もう食事も料理も、まともにこなせないだろう。だが、これで終わらなではない。
「魔法剣、生成開始」
最期を迎えさせるため、ユメが魔法剣を作り出す。
周囲に展開されていく千の剣。狙いは違わずオットーフォンへと付けられる。
「貴女の能力は稀有なものです。大食いも悪いとは言いません。ですが……人を食材としか見れない貴女はここで終わりです」
展開を終えたユメはただの一挙を行う。“断罪を為せ”と、千の剣を一斉に殺到させていった。
剣の一つにつき、一太刀。もオットーフォンの身体を数度に渡り斬り裂いて行く。
斬られ、焼かれて、もう……断末魔すらも聞こえない。
「あぁ、所でよ? お前、せめて洗ってから食べろよ? 衛生面でかなり気になるぞ?」
食事も提供する酒屋の店主としての顔を持つ剱が最後に気になっていたことへの忠告をするが、それが相手に届くことは、もうない。
大成功
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ベルトコンベアーが縦横に走る城塞を変貌させた元凶である猟書家は打ち倒した。
まだまだ、機械は可笑しいものの、元凶そのものは取り除いたのだ。もうこれ以上に機械が暴走することもないだろう。
「いやぁ、これでようやく直すのに専念できるよ」
最後まで抵抗していたガジェッティアのステアも、機械の暴走が落ち着いてきたことで、これでやっと元に戻せるよと礼を言ってきて……。追加のお礼とでも言うかのように、食材の積まれたお土産を渡そうとしてきた。
……これ、大丈夫なんだろうか? なんだか怪しく見えてしまうのは、先ほどまで戦っていた相手のせいか。
怪しく思えてしまうけど、別に中身は収穫されたばかりの野菜類や魚肉の類だけで危ない代物ではないのだけどね?
この礼の箱、受け取るのも受け取らないのも自由である。
とにかくも、植え付けられた災魔の卵の発芽を阻止できた。お礼の土産は個人個人で好きにしつつ、事件解決に奔走した猟兵達はそれぞれの帰路に着く。