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猟書家最終決戦~不条理なる天の裁き、抗うは人の勇気~

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #大天使ブラキエル #オウガ・フォーミュラ

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●諦めない強さがあるから
「諸君。悪魔よりも天使の方が人を殺した数が多いそうだ」
 グリモア猟兵スフィーエ・シエルフィートは、自身の四枚の翼を淡く揺らしながら、グリモアで或る強大なオブリビオンの姿を映し出していた。
「おっと、だからといって私を叩かないでくれたまえ。叩くなら――こいつだ」
 皮肉めいた笑みを浮かべ、両掌を軽く突き出しては肩を竦め、彼女は映し出した天使の姿を鞘に納めたままのサーベルで指し示すと。

「さぁ語ろうか! 舞台は遥かなる剣と魔法の幻想世界、アックス&ウィザーズ! 君達には猟書家の大天使を討伐しに行って貰いたい!」

 猟書家の大天使ブラキエルの野望は、骸の月を完全に押し返したことによって潰えた。
 しかし彼は天上界を開く為の僅かな可能性――つまり地上を危機に陥れることで、天上界の神々に扉を開かせようとしているのだという。
「尤も彼自身が言うように、その可能性は低いが……それでも確かに、地上の大量虐殺を目論んでいる。それは阻止しなくてはならない」
 そしてスフィーエは、そのブラキエルによって破壊が齎されようとしている場所――鉱物と鍛冶で賑わう街と、それを襲おうとしている幾つもの竜の群れを示した。
 だが唯のドラゴンではなく、その身体には岩石によって出来た強大な気配を放っている腕が取り付けられている。
「これはブラキエルの加護で備えられた腕だ。その攻撃力は凄まじい。真面にやりあえば、君達でも苦戦は免れないだろう」
 相手取る竜の群れの一体一体は確かにそれほどの力は持たない個体ばかり。
 しかしそれを補うように、ブラキエルによって齎された岩腕は凄まじい攻撃力を誇っている――だが、光あらば影、その逆もまた真なりということで。
「だが街には、かつてその街を守った……共闘した者もいるかな? エギュレ神のパラディンであるジェラルド氏がいる。しかも、事態を聞きつけた森のエルフ達が援軍に駆け付けてくれた」
 パラディンの無敵城塞や、エルフ達の弓矢や術による援護射撃――決して侮れない支援を彼らは快く行ってくれるだろう。
 それでも敵の勢いと力は強大、上手く協力し合いながら戦うようにとスフィーエは厳粛に語り。

「然る後、ブラキエルの下まで行って貰うのだが……その際、腹心の強力なオブリビオンが待ち受けている。しかも性質の悪いことに、非常に強力な鎧を全身に纏っている」
 そういうとスフィーエは、全身より眩い雷を発し、全身に物々しい装甲を纏った巨大な竜の姿を映し出す。
 しかも堅牢な単一原子で出来た強固な鎧――【絶対物質ブラキオン】で出来たその鎧は、ありとあらゆる攻撃を弾き返してしまうのだという。
「言っておくが衝撃を浸透させて、とか、実体のない攻撃で……とか、そういう類の攻撃も通用しない。兎に角、鎧の隙間……関節かその辺りを狙うしかない」
 つまり物理とは関係ない攻撃や俗にいう【防御力無視】の攻撃なども、ブラキオンの鎧の前には通用しないということだ。逆を言えば隙間をつけば、その類の攻撃も効果は確かにあるという。
 だが、ただでさえ強大な敵に、攻撃の機会まで減ぜられる――大変な苦労を負わねばならないかと思われたが、スフィーエは猟兵達の不安を払拭させるように笑った。
「……と思われたが、エルフ達が聖なる木の葉を持ってきてくれた。どうやらこの力があれば、鎧の効果を一時的にだが無力化できるようだ」
 かつてエルフの森が焼かれる事件にて守り抜いた聖なる木の葉に、鎧を無力化する力があり、エルフ達が袋いっぱいに持ってきてくれたらしい。
 具体的な使い方の説明は現地で彼らからしてくれるだろうが、兎にも角にも葉を使うか隙間を縫って攻撃するか――いずれにせよ希望はあると語り。

「そしてブラキエルとの決着をつけて貰いたい。当然一筋縄ではいかない。まず間違いなく、君達より先んじて動いてくる」
 岩腕、ブラキオンの鎧、そして大天使の光輪――いずれも強力無比な力、しかもその大本が先んじて繰り出してくる以上、一筋縄ではいかないだろう。
 それでもブラキエルに勝たなければアックス&ウィザーズに平和は訪れない。ゆめゆめ気を付けて挑んで欲しいとスフィーエは真剣な眼差しで語った。

「私からは以上だ。確かに恐ろしい相手だ。だがこれまでに積み重ねた希望もまた、君達に味方してくれる」
 一通りのことを語り、大きく息を吐き出してスフィーエは待ち受ける敵の強大なることと、それでも味方してくれる心強い存在のこと、そしてそれを取り付けるに至った猟兵達のこれまでの奮戦を思い返し、頼もしそうに微笑むと。
「……では、ゲートは開いた。後は君達の武運を祈る」
 グリモアの淡い金色の輝きが、待ち受ける戦いへの道を開くのだった。


裏山薬草
 どうも、裏山薬草です。
 いよいよ大天使との決戦が始まりましたね。
 アックス&ウィザーズの平和の為に、張り切っていきましょう!

 今回の第一章では、以下の過去作のNPCが協力してくれます。参考までに。

『エギュレ神のパラディン・ジェラルド』
 揺ぎ無き偽りの神の竜(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=31213)
 ※また今回の舞台でもあります。

『森のエルフ達』
 キカイな竜の群群は今日もエルフの森を焼く(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=32524)
 エルフの森×武装盗賊=王道(https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=33200)

●第一章『集団戦』
 街を襲うドラゴンの群れと戦って貰います。
 この群れには一体一体に強力な【岩石の腕】が取り付けられており、攻撃力が格段に上昇しております。
 ですが街にはエギュレ神のパラディンと、援軍に駆け付けた森のエルフ達がいるので、彼らと協力し合えば上手く戦えるので、プレイングボーナスとなります。
 尚、住民の避難などはエギュレのパラディンとエルフ達が既に行ってくれているので、特にこれといった心配は不要です。

●第二章『ボス戦』
 ブラキエルまでの道を守護する、最強の腹心との戦いになります。
 敵は【絶対物質ブラキオン】で出来た、絶対に破壊できない鎧を纏っています。
 しかし鎧の隙間を狙うか、聖なる木の葉を使えば鎧を無力化できるので、プレイングボーナスになります。
 葉の具体的な使い方は、断章を参考にしてください。

●第三章『ボス戦』
 猟書家【大天使ブラキエル】との決戦となります。
 敵は先制攻撃を仕掛けてくるので、それに対処するプレイングがあればボーナスとなります。

 プレイングの受付状況に関しては、タグにてお知らせします。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
 裏山薬草でした。
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第1章 集団戦 『竜の群れ』

POW   :    竜の爪
敵を【竜の爪】で攻撃する。その強さは、自分や仲間が取得した🔴の総数に比例する。
SPD   :    竜の尾
【竜の尾】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
WIZ   :    竜の吐息
【竜の吐息】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

死之宮・謡
アドリブ歓迎

ほう…他力本願と言うのは余り好かんが…其れでも目的を捨てずに動くその精神性は評価しよう…
だがまぁそれは後として、取り敢えず目の前のトカゲ共か…
エギュレの騎士とエルフは…まぁトカゲ共の誘導をしてくれれば良いかな…

炸裂する・呪詛の機雷を宙にばら撒いて
クレイアスターにて番えて射って行く
エルフ共にはこの機雷に当たるようにトカゲ共を誘導して貰えると楽…
そのまま遠距離から削っていき、最後は【黒滅】でフィニッシュ


シーザー・ゴールドマン
計画を立てたブラキエル君自身、成功するとも思っていない賭けの為の虐殺か。一縷の望みという奴だろうが……所詮はオブリビオン。何とも酷い計画だ。まあ、虐殺自体成功しないのだがね。

オド(オーラ防御)を活性化。オーラセイバーを発現して戦闘態勢へ。
オーラセイバーを千変万化に振るって竜達を屠っていきます。

エギュレ神のパラディンの無敵城塞は強固なので彼に敵が集っていれば、その後背を扼して効率よく鏖殺。エルフ達には援護射撃による竜の牽制を期待しましょう。

竜の密集地では『ソドムの終焉』によって一網打尽を。



●無へと消えよ
「ほう……」
 大天使ブラキエルが生み出したこの地獄絵図といっていい光景に、街にやってきた黒を纏う女は息を漏らした。
「他力本願と言うのは余り好かんが……其れでも目的を捨てずに動くその精神性は評価しよう……」
「計画を立てた彼自身も成功するとは思ってはいないようだがね。一縷の望みという奴だろうが……酷い計画だ」
 死之宮・謡(存在悪:狂魔王・f13193)は宙を飛び交い、街に混乱を齎す竜の群れを見上げ、それを嗾けた大天使のやり口を評した。
 それに対し、隣に立った大男、シーザー・ゴールドマン(赤公爵・f00256)はやれやれ、と言った様子で呆れたように溜息を吐いた。
 聞こえをよく言えば誘導でもあるのだが、当人も言うように限りなく勝算の薄い賭けというにも憚られるもの。されども良くも悪くも動けることは多少は――と考えながらも、改めて謡は街を襲う竜の群れを見遣った。
 そしてシーザーは不遜にも思えるほどに、自信を顔に張りつけると、体中から眩い魔力の奔流を輝かせて。
「まあ虐殺自体もさせないのだがね」
「ああ、取り敢えずはこのトカゲ共か……おっと」
 寸での所で放たれた炎の吐息を躱し、揺らめく熱気と焦げた石畳にその威力を察する。あの岩腕は用いずとも破壊力を高める力はあるか。
 謡は幾度となく放たれるブレスの豪雨を縫うように潜り抜け、街を守る為に戦っているエルフ達へと声を掛けた。
「適当に誘導しておいてくれ……纏めて一網打尽にしよう……」
 エルフ達の返事もそこそこに、謡は駆け出していく。
 彼女の周囲に膨大極まりない呪詛を籠めた機雷を、あちらこちらへとばら撒いては浮かべと繰り返しながら、援護射撃を続けるエルフ達へと声を掛けた。
「ああ、そうだ……その機雷に誘導してくれ」
 彼女の指示に従い、エルフ達は矢を放ち続けて
 時に竜が誘導を逸れて建物へと向かおうとすれば、聖騎士が無敵城塞の御業を以て真っ向から受け止めて押し留め。
「ふっ……」
 その隙を目掛けてシーザーもまたエルフの矢に加勢するかのように、そして彼らに不足している前衛を補うかのように果敢に竜の群れへと斬り込んだ。
 一瞬の内に竜の眼前へと躍り出たシーザーが、光輝く剣を脳天目掛けて打ち下ろせば、竜は岩腕を以てそれを真っ向から防ぐ。
 然る後、岩腕が持つ凄まじい剛力に任せ、竜の鋭く強い爪――岩腕の指をより鋭く尖らせたもの――を突き立てようとする。
 しかしそれをシーザーは真っ向から受けることを避け、内側から外側へと悠然と流すように剣を滑らせ、竜の一撃を弾き。
 そこに突き刺さるエルフ達からの矢と、謡の番えた矢より放たれた痛烈な一矢が竜の身体を貫いていき、竜の動きを宛ら羊飼いの如く矯正させた。
 そうして行けば必然的に一体、また一体と、連鎖的に謡の機雷に当てられ、孕む呪詛の悍ましきが竜の群れの動きを鈍らせ、岩腕をも時に崩していく。
 殆ど一方的な蹂躙といってもいいが、それでも群れとはいえ最強生物の矜持か。ドラゴンの群れが一斉に唸り声をあげ、自らの滅びも厭わずに岩腕を振りかざし、その爪を以てシーザーと謡、エルフ達を叩き潰さんとするが。
 だが、竜の群れより放たれた岩腕を用いた必殺の爪の一撃は、颯爽と躍り出た一つの盾によって受け止められていた。
「二人共、大丈夫か!?」
 群れの殺到する爪を真っ向から、不動となることを代償に無敵と化した聖騎士が、その爪の全てを受け止めて防いでいたのだ。
「ジェラルド君。君は実に良い働きをしてくれた」
 無敵の聖騎士を押さんと密集し、圧をかける竜の群れを、控えたエルフの弓手たちは矢を一斉に解き放ちそれを牽制する。
 その姿を見、シーザーは軽く微笑むと、掌に激しい魔力の奔流を束ね挙げ。
 謡は番えていた弓矢を下ろし、虚空より禍々しい紫焔と雷を徐々に、徐々にと迸らせていった。
「機は熟したか……ということで」
 ――死せよ森羅、朽ちよ万象。我が呪いと共に我が眼前に立ち塞がる総てよ、無へと消えよ。
 呪詛と幾度となく突き立てられた矢に苦しむ竜の群れを、激しくうなって盛る紫焔と黒雷が容赦なく呑み込んだ。
 不条理なまでの呪詛を孕む――それこそ仕掛けた機雷も凌ぎ得るほどに、兎にも角にも凄まじく、全てを呪い殺すかのように。
 傷を刻み流し込まれる呪いは、屈強な竜の身体から微塵の情けも容赦もなく自由を奪い去っていく。
「永遠にお別れ、だ」
「君達は大いに邪魔なのでね」
 そして呪詛と炎と雷に息も絶え絶えとなり、動きに精彩を欠いたドラゴンの群れへと輝かせていた掌をシーザーは突き出すと。
 刹那。
 迸るは無数の閃光――闇に縛られ自由を絶たれた竜の群れを、夥しい光が悉く貫いていき。
 貫かれた竜の身体が崩れて落ちる轟音が次々と、次々と街に響き渡っていく――

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ジェイミィ・ブラッディバック
ジェラルドさん、お久しぶりです
状況は芳しくなさそうですね

S.A.R.V.GHOST:TRAFALGARを発動、郊外に呼び出した空母アドミラル・ネルソンより天使の軍勢を発艦、逃げ遅れた人の避難誘導や竜の討伐を任せます
WHITE KNIGHTは被害が甚大になる場所を未来予測、私とジェラルドさんでそれぞれ分担して現地に向かい、竜を迎撃して予測された被害を未然に防ぎます

そうそう、ジェラルドさんのために天使を一個小隊つけておきます
ジェラルドさんの指揮に従うほか、伝令役もできますよ
「ジェラルド卿、何なりとご命令を」(揃って敬礼)

私本人は、回避行動を取りつつミサイルやマシンガンで竜を撃ち落としましょうか



●幻想大戦
 ――SOLID AUGMENTED REALITY VISION PROJECTED...CALL:TRAFALGAR
 数多の恐ろしい竜が平和な街を蹂躙するというならば、降り立った救いの箱舟より、立体映像の天使達の尖兵が空を翔け、異界の火砲を用いて竜の群れと戦い民を守る。
 時に逃げ遅れた民を優しく救い出し、その身を盾とし竜から無力なる民を守り抜いていく。
 それは正しく幻想の光景といっていいだろう。
 郊外に箱舟<空母>を置き、守護天使達を指揮するジェイミィ・ブラッディバック(脱サラの傭兵/開発コード[Michael]・f29697)は、かつて共に戦った聖騎士を目にすると近くに駆け寄って声を掛けた。
「ジェラルドさん、お久しぶりです」
「おお! 久しいな。といっても……」
「ええ。状況は芳しくなさそうですね」
「確かにな。どうしても後手後手になる……」
「ですので、私の方で綿密な計算に基づく予測を立てておきました」
 そういうとジェイミィはジェラルドへと指し示す。銀河の白騎士の疑似AIが齎した未来予測――より被害の大きくなるであろう場所を示してみれば、ジェラルドは目を丸くした。
「あ、そうそう。彼らをつけておきます。命令を聞くほか伝令役も出来ますよ」
「「「ジェラルド卿、何なりとご命令を」」」
 更にジェイミィが示した天使の一個小隊より示された忠誠に、ジェラルドは兜越しに目頭を熱くすると。
「これは……すまない。では……行くぞ! 私と共にこの地を守りに!」
「「「Sir,Yes,Sir!」」」
 小隊よりの鬨の声が響き、ジェラルドはジェイミィへの礼を一つ行うと、小隊を率い示された箇所へと駆けていく。
「ご武運を。さて……」
 天使の小隊を率い、白き悪魔の示した悪しき未来を防ぐべく歩を進めた聖騎士の背を見送り、ジェイミィもまた決意を固め。
 降り注ぐドラゴンの群れからの激しいブレスの雨を、軽やかに巨躯を感じさせぬほどに鮮やかな機動で躱していきつつ。
 それぞれ両の手に構えた機関銃より、絶え間なく放たれゆく弾丸が幾度となく竜の身を打ち据え動きを一瞬、硬直させると。
「竜を撃ち落としましょうか」
 刹那。ミサイルポッドより一斉に噴き上がったミサイルが、空を翔ける竜の身体のそこかしこで爆ぜていった。
 誘導性に優れたそれが、吸い込まれるように竜の群れへ叩き付けられ、岩腕を、翼を――竜の欠かせぬ力を確実に削いでいく。
 それでも怒りに任せての反撃に放たれた吐息を、正に飛竜の如くスラスターを噴き上げて跳躍して躱し。
 そして再度、解き放たれたミサイルが再び竜の身体へと吸い込まれ――次々と竜の身体を四散せしめていくのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

仇死原・アンナ
アドリブ共闘歓迎

猟書家め…大天使め…!
その羽を捥ぎ取り、引導を渡してやろうぞ!
その為にも…街を護らないと…!
行くぞ…我は処刑人!

敵群を[存在感と挑発でおびき寄せて]
敵の攻撃を友軍から[かばおう]

敵の攻撃を[見切りジャンプとダッシュの軽業]で回避し
鉄塊剣を抜き振るい[鎧砕きと怪力]で岩腕を根元から
[切断し部位破壊]を狙おう

竜共め…!
貴様等如きに共に戦う彼等と街を潰されて堪るものか!

[闘争心と覚悟]を胸に灯し
鉄塊剣を[なぎ払い範囲攻撃と斬撃波]で
敵群を攻撃数の[暴力と蹂躙]で殲滅してゆき
【悪虐なる者に残虐な死を】齎してやろう…!



●竜の業火、焼き尽くす処刑の焔
 かつて平和だった街は、偽りの神を祀る者によって大きく乱された――そしてその神の御使いであったものが、今、この街を炎で包んでいる。
 照り返す橙に皮膚を破りかねぬ程に強く強く、拳を握り締めた黒装束の女は、充血した眼で空を強く睨みつけた。
「猟書家め……大天使め……!」
 仇死原・アンナ(炎獄の執行人あるいは焔の魔女・f09978)はこの地獄絵図を作り出し、それを見下しているであろう元凶への怒りを顕にしていた。
「竜共め……! 貴様等如きに共に戦う彼等と街を潰されて堪るものか!」
 今も街の為に戦っているエルフ達を庇うように、打ち下ろされた岩腕の爪を真っ向から大剣の腹で彼女は受け止める。
 繰り出される岩腕の破壊力を、受け止めた大剣越しに感じ震えつつも――振り絞った剛力で盛大に、竜の身体を弾き飛ばす。
 そこへ他の竜達が咆哮を挙げながら岩腕の爪を以てアンナを斬り裂かんと殺到するも、打ち下ろされる爪と爪の間を縫うように跳び。
 横薙ぎに払われる爪を上から大剣を打ち付け、それを引っ掛かりにして跳躍しながら躱し。
 無防備と思われたアンナを抉らんと掬い上げるように振るわれた爪を、直撃を躱しては手首に相当する箇所へと降り立ち――そのまま、彼女は岩腕を駆け抜けると。
「その羽を捥ぎ取り、引導を渡してやろうぞ! 行くぞ……我は処刑人!!」
 岩腕のその大本――元来の肉体と腕のその境目へと、大剣の刃を宛がうと。
 一瞬のことだった。落された岩腕が宙を舞い、地響きを立てながら地へと墜ち。
 苦痛に咆哮を挙げる竜を後目に、他の竜達へと次々と同様にして腕を駆け上がり、大剣の重量と剛力を以て腕を、羽を、尾を――竜の持つ武器を削ぎ落していく。
 されど猛攻は決して終わることはない。
「ふぅぅぅぅ……!」
 自らの身を斬り裂き、アンナは体中から熱い炎を滾らせる。
 竜の群れが齎した破壊を逆に飲み込み壊し尽すかのように、街中に揺らめく業火よりも尚熱く激しく。
 盛る炎の熱量と、それが突き動かす身体はどれほどにこの場の戦士達が戦い、傷を受けたかをアンナに伝え。その熱量がますますに彼女の闘志と決意を滾らせ、力強く動かしていき。
「口を噤め……! もう二度と咆えるな……!」
 次の瞬間、激しく盛る炎の渦が戦場に迸っていった。
 燃え盛り翔け抜けていく流星のように、地獄の業火を纏った処刑人の振るう鉄塊剣の刃が、其処から迸っていく衝撃が。
 竜の首を一太刀に、次々と舞い上げていき――火の持つ破壊の暴力性を体現するかのように、処刑の刃が悪辣な竜の首を刎ねていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

四季乃・瑠璃
緋瑪「お待たせー!ジェラルドさん、助けに来たよ!」
瑠璃「エルフのみんな、来てくれてありがとう!」

「「さぁ、ここから反撃を始めよう」」

ジェラルドさんには【無敵城塞】で囮と盾役を依頼。
エルフ達には複数人で空中にいる竜達の翼やいびつに生えた岩石の腕を狙ったり、風の魔術等でバランスを崩させる等して敵同士を同士討ちさせる様、妨害や援護をお願い。攻撃力が絶大なら、その威力を利用しない手は無いね。

私達(瑠璃、緋瑪)はみんなの援護を受けながら空中で直接敵の相手。
時限式、接触式ボム【範囲攻撃、鎧砕き、鎧無視、爆撃、早業】や翼や急所を狙ったK100による銃撃で敵を叩き落とし、殲滅するよ



●自殺幇助
 聖騎士が守りエルフが攻める――王道なれど、決定打の無き膠着状態は持久戦になればなるだけ不利となる。
 されど空を見上げた彼らの目に、一陣の風が走り、振り撒かれた爆弾の次々と爆ぜることが竜の翼をもぎ取り、地面に落していく姿が映った。
「お待たせー! ジェラルドさん、助けに来たよ!」
「!! 君達は……」
 迫り来る竜の吐息を、翳した盾で無敵城塞の御業を以て受けながら、パラディンは現れた二人の少女に目を輝かせた。
 四季乃・瑠璃("2人で1人"の殺人姫・f09675)とその半身の緋瑪――背に魔導と機械の混成方式によって出来た翼を広げ、竜の群れに果敢に立ち向かっていくのは死を振り撒く天使のようであった。
「エルフのみんなも、来てくれてありがとう!」
「お久しぶりです!」
 瑠璃からの言葉に、未だに矢を放ち竜の群れを牽制するエルフ達も、かつて森を守った存在である瑠璃と緋瑪に希望を見出し、疲労の色を伺わせていた顔に生気を取り戻した。
「エルフのみんなは、引き続き援護をお願い!」
「そしてジェラルドさんは……」
 言うが早いか、エルフ達は瑠璃と緋瑪の指示に従い、番えた矢を放ち竜の岩腕の付け根を狙い、岩腕の稼働を奪っていきつつ。
「囮と盾になる、だろう?」
 盾の隙間から出した顔に確かな笑みを浮かべ、自ら盾を剣で打ち引き付けるジェラルドに、瑠璃と緋瑪は頷いて見せて。
 瑠璃と緋瑪は引き続き空を翔けながら、直接的に竜の群れとやりあっていく――空を翼で掛け抜けてはばら撒いた接触式の爆弾が、エルフ達の撃ち込んだ矢を狙い岩腕を落し。
 続け様に取り出された大型拳銃の、竜鱗も容易く撃ち抜き衝撃を通すように、弾丸を着実に急所へと撃ち込み瑠璃と緋瑪は群れの竜を落していく。
 元より防護と妨害で膠着を見せていた状況は、ここに瑠璃と緋瑪が撃ち込む、絶対的な攻撃力は膠着を容易く覆していく。
 されども竜もただ攻撃を受け続けるだけでなく、岩腕に滾らせた力を吐息という形で放とうと顎門を開くが。
「確かにその攻撃力は絶大なのかもしれない」
「だけど……逆用しない手はない!」
 時間差で仕掛けられた爆弾が爆ぜ、竜の翼がもぎ取られた刹那、エルフ達からの魔術による風が強く吹き付ける。
 空中でのバランスを失った身に打ち付けた風の強さは、そのまま竜の方向を強引に変えさせて――猟兵達に向かうはずだった竜の吐息は、竜同士へと向かわせられる羽目となる。
「「さぁ、ここから反撃を始めよう!!」」
 二人で一人の殺人姫が投げつけた爆弾が、同士討ちを呈した竜を残さず灰と化していき。爆発音を景気づけとするかのように、共に戦う者達の鬨の声がより響いていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
竜とサメ、どっちが強いかって?
決まってるでしょそんなの!
今この場で、それをはっきりさせてあげる!

まずは街の一番高い建物に登りそこからアウトレンジからの【クイックドロウ】+【スナイパー】で岩石で強化されていない部位を狙撃して敵を撃ち落としていく
撃ち漏らした敵が地上に降りたらフェーズ2に移行!
エルフの人達に建物の中で待機してもらい、ウィーリィくんが街の中央広場に竜達を誘き寄せたら包囲する形で一斉攻撃
もちろんボクも【乱れ撃ち】+【援護射撃】!
尻尾での一撃が来そうになったら【部位破壊】+【スナイパー】で足を狙って逆に転ばせるよ!


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
A&Wでは竜といえば強者の代名詞なんだよな。
で、そいつらがさらにパワーアップしてきやがった。
とはいえ、この世界救うにはそいつら倒さなくっちゃな。
俺達とA&Wの人達の力を合わせれば、必ずやれる!

強化された爪の攻撃を喰らう訳にはいかないから、その間合いに入る前に【飢龍炎牙】とシャーリーの射撃で数を減らしていく。
攻撃力は強化されてても防御力まではそうはいかないだろ?
残った竜は【地形の利用】で街の広場に誘導する事で建物への被害を最小限に抑え、ジェラルドの無敵城塞で攻撃を防いでもらってから【カウンター】の【鎧無視攻撃】で岩石の腕以外の場所を狙って大包丁の【二回攻撃】で片っ端から仕留めていく。



●最強は彼らだと後にエルフと騎士は語る
 竜という生物はこのアックス&ウィザーズに限らず、得てして強大な力を持つ存在として名を馳せている。
 それが群れを成して襲い掛かってきたというのは、襲われた側にとっては地獄すらも生温い光景という他なく、更に――
「パワーアップしてきやがった」
 備え付けられた岩腕から放たれる、真面に攻撃を喰らえばアウトと言わざるを得ない気配に、ウィーリィ・チゥシャン(鉄鍋のウィーリィ・f04298)は顔を顰めた。
 とはいえやらなくては平和は訪れない――決意を確かにウィーリィは大包丁を力強く振るうと、地上より燃え盛った炎が渦巻き、それは空中にて龍を象りながら街を襲う竜の群れへと顎門を突き立てていく。
「けど――ここにいる皆と、俺たちが力を合わせれば必ずやれる!」
 不幸中の幸いというべきか、一つ一つの力が竜としては下位であることがせめての救いか。岩腕を除く防御力や耐久力までもが強化されている訳ではない故、攻撃の一つで割とすぐに倒せるのだけは有難い。
 とはいえウィーリィの放った炎の龍に焼かれながらも、幸運にも絶命を免れた個体が咆哮を挙げ、竜の爪を振りかざし襲い掛かるものの。
 その竜の脳天は最後の抗いも許されることなく、迸った一筋の光によって貫かれ、絶命から地響きを立てて地へと墜ちた。
「降りる前に少しでも数を減らしておかないと、ね」
 その光が放たれたのは、街のシンボルであり街の全てを見渡せる大鐘楼からであり、時を告げる代わりに街の招かれざる客へ死を告げるかのように。
 シャーリー・ネィド(宇宙海賊シャークトルネード・f02673)は左目に着けられた超科学の眼<サイバーアイ>より狙いを研ぎ澄まし、マスケット銃より幾度となく熱線を放ち的確に急所を撃ち抜く。
 頑強な岩腕のみを避け、時にガードすべく交差された岩腕の僅かな隙間も縫うように熱線を幾度となく放ち続けては、竜の心臓を貫き絶命させ。
 それに続くかのように、地上からウィーリィが燃え盛らせる紅蓮の龍が幾つも飛び交い、龍の本当の脅威を示すかのように燃え盛る牙を突き立て、竜の群れを灰と変えていく。
 炎と光熱による広範囲とピンポイントの連携も確かに、彼らは着実に空より来る竜の数を減じていった。

* * * * * * * * * *

「よし地上に降りた! みんな、フェーズ2いくよっ!」
「「「はいっ!!」」」
 空中を往くのは危険と判断したか、本能的に建造物を影として地を往くこととした竜の群れを見、シャーリーは共に戦うエルフ達に声を張り上げた。
 彼女の指示に従い、エルフ達は街の建物のそこかしこに隠れ、高所からの矢を番え待ち構え始める。
 全ては今日は傍にはいないけれど、志は共に在る彼が誘き寄せてくれる時を待つばかり――そしてそれは必ずやってくれると確信し、シャーリーはマスケット銃の照準をそこへと向けた。

* * * * * * * * * *

「こっちだ!」
 そしてその信じる相手――ウィーリィその人は、大鍋と大包丁を何度も喧しく打ち合わせ、地を往く竜の狙いを己へと引き付ける。
 竜に比べれば小柄も小柄な身体を以て、街のオブジェの間や竜の攻撃の合間合間を潜り抜け、擦れ違い様に竜の足を斬りつけて。
 思わぬ一撃に顔を顰め、竜はますますに憎悪を煽られウィーリィへと足を進ませる――仮に空を舞えば待機しているシャーリーやエルフ達からの射撃で撃ち抜かれるのは本能で伺い知っているのか、巨体を闊歩させながらウィーリィの背を追い続ける。
 それが死への入り口真っ逆さまであることを、未だ知らずに――

* * * * * * * * * *

 そしてウィーリィの誘導も確かに、竜の群れは今、街の大広場へと導かれていた。
 ここならば暴れ回られても建物の損害は少なく、必然的に――シャーリーと、そして周囲の建物に窓から矢を向けていたエルフ達は既に竜の群れを取り囲んでいる。
「竜とサメ、どっちが強いかって? ……決まってるでしょそんなの!」
 撃ち抜くべき相手は照準の中に納まった。ならばあとは信じる強さを教えてあげるだけ――唇の端を釣り上げたシャーリーは躊躇いなく引鉄に指を引っ掛けると。
「今この場で、それをはっきりさせてあげる!!」
 今だよ、皆――シャーリーの合図と共に、待ち構えていたエルフ達が一斉に番えていた矢を解き放った。
 無論のことシャーリーもまた、引っ掛けた指を忙しなく弾き続け、マスケット銃からの夥しい熱線を注がせる。
 罠かと気付いても遅く、竜の群れは飛び立ち逃げることも叶わず、矢と熱線により翼を穿たれ飛行能力を完全に奪われ続け、時には脳天を貫かれそのまま命を潰えさす。
 されども竜は岩腕を以て注ぐ矢と熱線の雨を凌ぐ――とはいえそれ以外の箇所を容赦なく矢と熱線は穿つが――と、死の場所へ導いたウィーリィを目掛け岩腕の爪を振り下ろすが。
「ぬぅん!」
 真っ向から打ち下ろされた竜の爪を、盾を翳した不動のパラディンが傷一つなく受け止める。
「今だ、少年!」
「応!!」
 パラディンの声に応え、ウィーリィは大包丁を手に駆ける。そのまま、突き出した鉄の刃が頑強な鱗をも貫き、内側の肉を斬り裂いて。
 返す刀で擦れ違い様に放った一閃は、苦痛を感じさせる間も無く竜の首を刎ね上げた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

コノハ・ライゼ
アドリブ、連携歓迎

あっは、美味しそうなのがたーっくさん!
助けが得られるなら狩りもしやすくてイイわ

エルフサン達には遠方からの援護射撃をお願いしてもイイかしら
当たらなくても気にせず敵の気を散らすよう沢山撃っちゃって
その応酬かいくぐり敵までの道筋*見切り懐へ飛び込む
敵の攻撃がエルフサンらにいかないよう
*範囲攻撃で*オーラ防御展開し*庇うのを意識しつつ戦うわねぇ

途中「柘榴」で肌裂き血を与え【紅牙】発動
獣の牙状の刃に*マヒ攻撃を乗せ斬りつけるわ
*2回攻撃で刃捩じ込み*傷口抉って*捕食、しっかり*生命力を頂戴しましょうか

躱しきれぬ攻撃は*激痛耐性で凌ぐケド
負った分喰らい返して、もっと楽しまないとネ



●残さずに、全部、全部
 例えば目の前にいるものが、破壊という破壊を齎す恐ろしい化け物ではなく、美味しそうな食肉だとすれば――
「あっは」
 コノハ・ライゼ(空々・f03130)は岩腕を備えた竜の群れを見上げ、飛び交うそれらに向けて何処か恍惚としたように頬を染めた。
「美味しそうなのが、たーっくさん!」
 その上助けも得られるのならば、この狩りは実に上手くいきそうだ――コノハは周囲のエルフ達を軽く見回すと。
「あ、エルフサン達には援護射撃お願いしていいかしら? もう兎に角沢山撃っちゃって」
 “彼”の言葉にエルフ達は頷き、残っていた矢の全てを使うように、一斉に矢という矢を解き放つ。
 この際命中率はどうでもいい。もちろん、急所に当たったり運よく仕留められればそれはそれでであるが――大事なのは、竜の気を徹底的に逸らさせることだ。
 その点でいえば、ひっきりなしに放たれる矢は、着実に竜の気を散らしていくには十分で。
「お願いね。それじゃあ……」
 エルフ達への礼もそこそこに、この間を駆け抜け、牙を突き立てる――ナイフを片手にコノハは矢と竜の攻撃が応酬する中を駆け抜けていった。
 エルフ達から解き放たれる矢の雨霰を、背中に目がついているかの如く躱しつつ、反撃に振るわれる竜の爪を寸での所で躱し。
 時にエルフへと向けられた矛先を逸らすように、広げた障壁で咄嗟に爪の一撃を逸らしては、只管に竜の下へと迫っていく。
 その最中、彼はナイフの“刃”を握り締めると、掌に開かれた傷より滴る血を刃に吸わせ――
「――イタダキマス」
 すかさずにナイフの柄へと持ち変えると、刃の溝に血は吸い込まれていき――ナイフの刃は、宛ら獣の牙を思わせる尖った悍ましき形状と変わり。
 コノハは迫った竜の肩口から、脇腹までを一気に捕食形態に転じた刃を食い込ませる――!
 それは正に獣が肉を喰らうかのように。
 振り抜いた刃の勢いを止めずに、更により深く、より強く――もっと喰らえと衝動の儘に刃を食い込ませ。
 そのまま刃が引き抜かれれば、急所を喰らい尽されたかのように、竜はその命を終えて倒れ伏す。
 何とも呆気ない――刃を介して啜り上げた生命力の滾りを感じつつも、それでも竜の群れが殺到し彼に岩腕の爪を振り下ろす。
「グフッ……ふ、ふふ、ふふふ……!」
 ――嗚呼、確かにこの一撃は痛い。攻撃力に関しては凄まじいと聞いただけのことはある。痛みには強いことが幸いし、致命は免れるが。
「ならその分、喰らい返すだけよ」
 迸る捕食への衝動と欲求は尽きることなく、獣の牙を盛大に食い込ませていき、コノハは竜の群れを“喰らって”いくのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ハルア・ガーラント
●WIZ
ジェラルドさん!
またよろしくお願いします
エルフの方達にも挨拶をし、彼らには前方敵寄りの茂みや障害物等に潜んで貰いましょう

岩石の腕……正直とんでもなくこわいです
だけどジェラルドさんの背を見て己を奮い立たせます
後方から[オーラの障壁を彼やその盾に張ることで防御]性能を高めて〈銀曜銃〉の光る魔弾で注目を集めるように攻撃
彼を信じ回避行動はしません、その分オーラの展開と攻撃に集中

吐息の強化にはUCを発動し強化の相殺を
同時に空へ照明弾となる魔弾を発射、エルフの皆さんに合図
背後などの意識外から一気に矢を浴びせましょう
わたしも〈パニッシャー〉に持ち替え、正面から竜を狙います

はぁ、心臓ばくばくです……!



●信じてる、あの時と同じに
 あの時取り戻した平和は、どうして平和のままでいてくれることを許してくれないんだろう――乗り越えた在りし日の戦いを思い返し、彼女は街を走る。
 街を無残に打ち壊す破壊の尖兵の攻撃に恐怖を煽られながらも、彼女は見覚えのある姿に僅かに安心を取り戻し。
「ジェラルドさん! またよろしくお願いします!」
「君は……ハルア嬢! 久しぶりだな!」
 挨拶もそこそこに、ハルア・ガーラント(宵啼鳥・f23517)はかつて共に戦ったパラディンへと声を掛けた。
 ジェラルドは見覚えのある姿に快く、面頬越しの笑みを見せる。されどもそれほど構ってられないのは激戦を物語るか。
 挨拶もそこそこにハルアはエルフ達に物陰に隠れるよう指示すると、手に聖霊が住まう銃を持ち、襲い来る竜を見上げた。
(岩石の腕……正直、とんでもなく怖いです。でも)
「ぬぅぅんっ!!」
 真っ向から翳された盾が岩腕の一撃を、不動にて受け止める。その防護をより手厚くするように、淡い光の防壁を齎し前線にて攻撃を引き付ける騎士を強化する。
 ――あの時も祖父の名を冠するこの人は受け止めてくれていた。
 この頼もしい背中が、この恐怖から自分を奮い立たせてくれる。だから。
 銃口より輝く弾丸を放ち続け、竜の群れの気を引くように攻撃を加え続ければ必然、群れは吠え顎門を向ける。
 確かにその威容たるや恐ろしい――されどハルアは回避<にげ>ない。何故ならば。
「――信じています」
 何処からともなく呟いた言葉へと、応えるように聖騎士は翳した盾で後方に控えるハルアやエルフ達を守る。
 されど竜も更なる攻撃を加えようと、顎門を開き岩腕から滾る力で口内に炎を渦巻かせるが――
「止めて、みせます!」
 見開かれた眼、それと同時にハルアの頭上に大きな光輪が輝く――純白の翼を広げた彼女の存在は正に天使、されど街に破壊を齎した偽りではない救いのそれ。
 神々しき御姿に平伏すかのように、竜の群れは迸った閃光に目を抑え、口に束ねていた力を霧散させてしまった。
「エルフの皆さん、今です!!」
 間髪入れずに空へ照明弾を放ち、閃光を合図とすれば隠れていたエルフ達が一斉に矢を竜の群れへと放つ。
 意識の外から加えられる無数の矢の攻撃に、怯み続ける竜へと真正面からハルアは銃を狙撃用の、断罪の名を冠するそれに持ち替えて。
 ――刹那。
 狙い研ぎ澄まされた弾丸は、竜の眉間を次々と貫いていくのだった。

* * * * * * * * * *

 かくして竜の群れを粗方片付け終え、ハルアは胸を苦しめる内なる鼓動に気が付いた。
「……わぁ」
 胸に手を置けば、どれほどに心臓が恐怖に脈打っていたのか改めて分かりハルアは息を吐き。
「……っ」
 臆病な、されど強き意志の通った天使を労うようにエルフ達や聖騎士が背に手を置けば、彼女ははにかみ笑いを見せるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『レーヴィン』

POW   :    コンダクター
【雷を纏う旋刃】【そこから放たれる空間を砕く雷鳴】【眩く世界を白に灼く閃光】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
SPD   :    サンダーボルト
自身に【雷光】をまとい、高速移動と【轟咆雷烙の領域内であれば無制限に雷撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    ライトニングラム
【旋刃や雷撃】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【内の雷撃を強める迅雷領域:轟咆雷烙を深め】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はルーダス・アルゲナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●大天使への道
「お疲れ様です皆さん」
 大きな襲撃の波を退け、一息をついている猟兵達の下へ、共に街の為に戦ったエルフ達がやってくる。
 無事に街を滅ぼされるのは回避したといえど、元凶である大天使ブラキエルを倒さなければ、結局は一時凌ぎに過ぎず、ブラキエルが待ち受ける場所へと赴く旨を告げると、エルフ達は顔を突き合わせ頷き合い。
「あなた方がかつて守ってくださった、聖なる木の葉です。どうぞお使いください」
 そういうとエルフ達は猟兵達に皮袋に詰まった、その状態でも尚瑞々しく緑艶やかなる聖なる木の葉を差し出した。
 曰く、邪悪なる者にそれを強い思いを以て叩き付けることで、攻撃を通す通り道を一時的に作り出すのだという。
 つまりこの葉を使うことで、絶対防御を誇る鎧を一時的にではあるが無力化し、攻撃をダイレクトに通すことが可能となる――これからの戦いに備えての、心強い道具を手に猟兵達はエルフ達に丁重に礼をし。
「私達は引き続き、この街の為に動く。……貴方達も、どうか武運を」
 万一に備えての防衛や、被害に遭った住人のケア――諸々は任せろという聖騎士ジェラルドの敬礼に続き、エルフ達もまた敬礼を行い。
 猟兵達は離れても志同じくする戦士達の激励と、聖なる木の葉を持ってブラキエルまでの道を往くのだった。


* * * * * * * * * *


 戦友たちの想いを受け取り、ブラキエルに到る道を進む猟兵達の前に、一つの雷雲が現れた。
 より正確に言えば、雷雲そのものが化身したかのような黒き巨体、雷と称するに相応しき黄金の輝きを迸らせた一つの竜が立ちはだかった。
「よく来たな猟兵達よ」
 やはりすんなりと行かせてくれる訳にもいかぬか、雷雲が化身したような威容の竜は、迸らせる雷と共にそこから先は一歩も通さないと言わんばかりに猟兵達を威圧していた。
「されど我が主の下へは通しはせぬ。大天使より賜りしアーティファクトと……そして」
 元より暗き色の鱗が故に目立たなかったが、確かに竜は全身に鎧を纏っていた。
 見た目に違和感はなくも、絶対物質ブラキオンに作られた鎧で姿は覆われ、竜そのものに近いフォルムで鎧は象られている以上、生来の動きに殆ど影響もなく見える。
「我が竜たる誇りの下に! 黒き迅雷の厄災レーヴィン、いざ参る!!」
 ……敵は確かに強大。フォーミュラとなり得る器が腹心と謳うオブリビオンにして、災害に相応しき実力の竜。
 その上、身体に纏う絶対物質の鎧はあらゆる攻撃を通さない――例え装甲を突き抜ける性質のユーベルコードすらも。
 だが付け入る隙が無い訳ではない。
 本当に際どくはあるが、絶対物質の鎧に僅かに見える隙間か、或いはエルフ達が託してくれた木の葉を叩きつけるか。
 迸る雷と共に咆哮を挙げた雷の災害に、猟兵達は戦意を固めるのだった。

==========
※第二章の補足説明

この章でのプレイングボーナスは、
「尾や肩にある鎧の隙間を狙う」か「聖なる木の葉を強い思いを乗せて叩き付ける」です。

聖なる木の葉は、エルフシナリオに参加していない方でもご自由にお使いください。
大量にあるので、わざと廃棄したりしない限り、無くなることはありません。
==========
死之宮・謡
アドリブ歓迎

何か何処かで似たような手合いを見た覚えが…また隙間を狙う時間が始まるのか…
災厄か…竜災とはまた…この世界ではよくあることかな…
嗚呼、何時も通りに沈めよう…再び骸の海へと還るが良い…

先ずは戦場全域を頽廃の・呪いによる霧の領域で覆い、自身にも潜伏の為に隠蔽の呪いを纏い、霧に紛れながらファルトレキアで奇襲して隙間に差し込む
呪いの霧も隙間から忍ばせたところで刃と変じさせて切り刻み、最後は【槍吟】による全方位攻撃で隙間も刺し貫いてフィニッシュ



●大山鳴動さすかさせるか
 不動なること何とやらとはよく言ったもので、見上げる巨体の竜は全身に堅牢な鎧を纏っている――如何なる巨体の竜ですら仕留めた身なれど、中々に骨か。
 戦場に頽廃の呪いを籠めて、視界を覆う霧を撒き散らしながら放たれる竜の雷を躱しつつ謡はふと呟いた。
「……なんというか、何処かで見た手合いだ……また隙間を狙う時間が始まるのか……」
 英傑たちが集う世の、或る神の纏う鎧も似たようなものであったが、実に厄介だ。
 聖なる木の葉を使う手もあるが、叩き付ける手間もあらば隙間を狙う方が良いか――注ぎ続ける雷と、閃き続ける刃の唸りが眼前を過ぎ去るのを見送る。
 戦場に絶え間なく撒き散らす呪いの霧が彼女の姿を覆い隠し、また彼女自身が纏う迷彩がより確実に竜の目を欺く。
 されども天災が如く注ぐ雷と刃を、時に当たりそうになれば寸での所で跳躍しては躱し、災害と例えた竜の言葉を振り返る。
(それにしても災厄か……この世界では竜災というのは儘あるものか)
 得てして竜が自然災害の象徴として描かれたケースはよくあることだが、竜そのものが襲うはやはり竜と幻想の世界ならではというところか。
(ああ、似たような手合いといえば)
 白と黒、風と雷――自然災害を象徴した竜を、エルフの森の事変で戦ったことがあったか。斯様なことをふと思い出しながらも、振り撒く霧の中、気配を、熱を、息を潜めては謡は機を伺うも。
「何処へ逃げようと、何処に隠れようと……無駄だ!!」
 竜が吠え、注ぐ雷と旋(まわ)る刃が霧中を照らすかのごとく、雷光迸らせながら駆け巡っていく。
 例え空振りをしても、雷の領域を広げ自らを高める攻防一体の陣、実に厄介ではあるが――既に彼女は、竜への王手をかけていた。
「ああ……十分だ。もう逃げない」
 何故ならばここから先は牙を突き立てるだけだから――パルチザンを尾に当たる部分の、鎧の隙間へと力強く突き立てていた。
 死した次元を固め虚無を齎す尖の一撃が、鎧に守られぬ箇所を深く深く抉っていく。
 そして振り撒いた霧もまた今、この瞬間への全ての布石――目晦ましに留まる訳もなく、パルチザンの突き立てられたのを機に、隙間より吸い込ませてはそれを刃と変え内側から幾度となく切り刻み。
「再び骸の海に還るがいい……悉く、息絶えよ」
 ――留まらぬ殺意<必ず滅ぼす気概>は更に容赦なく、無数の黒紫<死>の槍となっては内側から竜を何度も突き刺していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シーザー・ゴールドマン
竜の群れの次は雷竜か。ブラキエルはドラゴン好きと見えるね。
それにしても竜の誇りか。
天使の配下であることがそれ程に誇らしいのかね?

オド(オーラ防御)を活性化して飛行戦闘(空中浮遊×念動力×空中戦)
鎧の僅かな隙間に正確に的確にオーラセイバーの一撃を入れ、ダメージを蓄積していく。(怪力×功夫)
敵の攻撃(雷撃や旋刃)は直感(第六感×戦闘知識)で見切って回避、あるいは切り払い、UCは『オージンの言詞』により無効化します。



●誇りの行く先とは
 思うに竜の群れの次に雷の竜とは、大天使ブラキエルは竜が好きなのだろうか――雷を放つ巨竜の一撃を、光輝く刃で受け止めながらシーザーは思った。
 実際には様々な配下もいることであるし、全くの偶然でしかないのかもしれないが、奇妙な縁もあるものだ。
「それにしても、だ」
 左右から迫る旋回する刃をギリギリのところまで引き付けては、左右にメトロノームが如く剣を振り刃を叩き落してシーザーは言葉を投げかける。
「天使の配下であることがそれ程にも誇らしいのかね?」
 竜の誇りに拘るならば、牛後であって良いのか――攻撃を叩き落した勢いで、纏うオーラを噴出させ、空を滑るように飛びては竜の肩口へと肉薄し。
 閃く刃の一撃は肩口の僅かな隙間へと、吸い込まれるように走っていき竜の身へと着実に損傷を与えていく。
 鎧の隙間から零れ出た血を抑え、走らされた刃の返礼にと、繰り出された雷を振り返ると同時、シーザーが輝く剣で受け止め、それを上方へ弾き飛ばすと。
 シーザーの言葉に竜は鼻を鳴らし、こう答えた。
「誇りをどう向けるかは、我が決めること。無用な煽りは無価値と知れ」
 返す言葉と揺ぎ無き様相とは裏腹に、放たれる雷の数と勢いと、走る旋刃の勢いは増すばかりだった。
 涼し気に纏うオーラをより活性化させながら、シーザーは手に持った剣で軽々と――腕に重く受け止めた衝撃が伝わってはいるが大した問題ではない――それらを弾き、時に軽やかに後方へ受け流す。
 されどもこの攻撃の厄介な所は、攻撃を外したとしても竜の力を高める領域を作り出すということで――勢いが更に増した雷を剣で受けるも、膨大な衝撃がシーザーの身を後方へ吹き飛ばす。
 しかし彼はそれでも平然と、空中で後方へ一回転した後に制止すると竜の返答に笑って。
「成程。確かにそれも一つの理はあるかもしれないね」
 現状に納得しているのならば、それもそれで一つの在り方といえるだろう――それに是非を物申してやるほど暇ではない。
 これほどに莫大な雷と刃と、自己強化の領域を真面に相手取るほど暇ではないのだ――シーザーは口元に静かに笑みを浮かべた表情を崩さぬまま、掌を緩やかに向けると。
「だが無価値だ」
 放たれた言霊が竜の放った雷を、刃を、そして広げられた領域を一瞬で消し去る――最初から存在していなかったかのように。
「な、何ッ……!?」
「“そこ”に動揺するのは竜らしいがね――」
 驚愕する竜の背後に言葉を一つ擦れ違わせてから、シーザーは優雅に長い脚の先を竜の尾へと着けると。
 竜が尾を跳ね上げるよりも尚早く、楔の如く光り輝く剣が突き立てられる――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

黒き竜め…邪魔をするなよ…!
絶対物質の鎧を纏おうが倒してやる…!
私は…処刑人…!

[オーラ防御]纏い戦場内を
[ダッシュ]で駆け抜けよう

仮面を身に着け閃光から[視力]を保護
雷撃を[見切り]つ回避しながら[目立たぬ]ように存在感を隠し
雷光纏う敵の背後に近づこう
身に纏う雷光と雷撃による閃光と鎧を纏っての自惚れで注意散漫なはず

細剣を抜き、その切先に木の葉一枚突き刺そう

木の葉よ…願わくば無敵なる鎧を打ち消したまえ…!

願いを乗せた聖なる木の葉刺す細剣を振るい
【暗殺剣「墓場鳥」】による[串刺しによる貫通攻撃]で
鎧の隙間を狙い、その身に深く突き刺してやろう…!



●木の葉導く処刑の一刺し
 黒き巨体に黄金の輝きが迸り、大気に電熱と電圧の刺激が駆け巡る。
 竜の姿をした自然災害そのものと言って良い脅威を前にして尚、彼女は――処刑人アンナは怯まず、闘気を高めては竜を睨みつける。
「黒き竜め……邪魔をするなよ……!」
「黒衣の女よ。それは聞けぬ」
 アンナより迸る闘気に対抗するかのように、竜の鎧の隙間から零れた雷の光は、より激しくうねり火花を散らす。
 雷の空を翔ける轟音と夥しい電熱、激しい閃光の支配する中でマスクをかぶり視界を保護しながら、アンナは気配を殺しては戦場を駆け抜けつつ竜の纏った鎧へ言い放つ。
「絶対物質の鎧を纏おうが倒してやる……!」
「やってみるがいい。大天使より賜りし鎧を貫けるならば」
 激しい雷を纏った竜が、戦場に激しく雷を放出し続ける。隙間なく放たれる勢いのそれらの、極々僅かな縫い目を潜り抜け、擦れ違う電圧と熱を迸る闘気の障壁で逸らしていく。
「我は……雷竜レーヴィン也!」
 一切感じぬ手応えに痺れを切らしたか、竜が吠え、戦場を埋め尽くす勢いで雷が幾度となく降り注ぐ。
 轟音と閃光が知覚を眩ませ、正しく竜が自ら謳う【轟咆雷烙】の領域を作り出し、一切の隙が無きに見える布陣。
 だがそれ故に――自らが生み出した閃光そのものが、自らの視界を封じていることにも気付かない。否。気付いていて尚、雷の無尽蔵の放射と絶対物質の保護が味方している。だがそれ故に、アンナはその驕りを討つのみ――落雷の中、彼女は竜の背後に回りつつ伝説の処刑人の名を冠したそれはそれは美しい細剣を取り出すと。
(木の葉よ……願わくば無敵なる鎧を打ち消したまえ……!)
 細剣の切っ先に突き刺した聖なる木の葉が、アンナの強い決意――処刑する者の強き矜持に呼応し、深緑を鮮やかに輝かせた。
 感じる――木の葉がこの攻撃の通り道を作り、絶対物質の防護を貫通してくれるであろうことを。
 幸いにして――もちろん幸運ではなく必然として作り出した状況だが――竜に気付かれぬ今、彼女の狙いは狙いのままに当たる。
 ――静かに、速やかに、眠るがいい。
「き、貴様は……!?」
 気付かれぬままに接近したアンナの、吸い込まれるかのように突き出された細剣は尾の隙間を――そして聖なる木の葉が作り出した通り道を文字通り突き進み。
 堅牢な守りに覆われた竜の身体へと、処刑の為の一突きを深く深く突き刺す――!
 身体を襲う痛み、堅牢な鎧はおろか生来強靭な鱗をも紙の如く貫いた細剣の痛みに、竜は驚愕と共に疑問を口にすれば。
「私は……処刑人だ」
 ――その答えは何よりも雄弁に、更に深く突き立てられた刃の痛みが強く訴えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
A&Wでは竜は強者であり、そしてこいつはそれに誇りを持っている。
無敵の鎧以上にそいつが厄介だ。
それでも、こいつを乗り越える。
この世界に生きる人達の誇りを守るため!

空中のシャーリーと連携し、彼女の援護を受けながら【ダッシュ】で奴に接近。
奴の攻撃を【見切り】ながら【フェイント】を駆使して攻撃を回避し、奴の注意をこっちに向ける事でシャーリーが狙撃しやすくする。
シャーリーが狙撃に成功したら、奴の注意が彼女に向いたところで俺はエルフの木の葉を「この世界に生きる全ての人達の誇り」と共に叩きつけ、【料理の鉄刃】を【二回攻撃】で繰り出す。
そうやってシャーリーと挟撃する形で奴に深手を負わせていく。


シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
海賊は自由を守るために戦うもの
たとえ生まれた世界が違っても、ボクはこの世界を支配しようとする理不尽に立ち向かってみせる
行くよ、ウィーリィくん!

【エクストリームミッション】を発動、空中を飛び回りながらレーヴィンを狙う
【援護射撃】+【制圧射撃】で地上のウィーリィくんを援護しながら、攻撃が通じない事で相手の油断を誘う
でも、本当の狙いは肩と尻尾にある鎧の隙間
【視力】+【見切り】でその弱点を見つけたら【スナイパー】+【乱れ撃ち】+【クイックドロウ】でピンポイント攻撃!
地上のウィーリィくんと協力して【空中戦】で死角に回り込みながら弱点を狙って撃ちまくる!



●矜持と矜持、個と群
 相対する竜の圧倒的なることは、これまで幾度となく相対した強き竜のそれに勝るとも劣らず、放たれゆく雷と刃を寸での所で躱しながらウィーリィは額に浮かぶ汗を袖で拭った。
「ただ強いだけじゃない……こいつは、竜としての強い誇りを持っている」
 得てしてそうした存在は、ただ力が強い、火力が高い、厄介な術を持っている――そうしたカタログスペックでは計り知れぬ強さを持つ。
 それが雷の災害そのものとしか思えない猛威よりも、身体に纏う絶対防護の鎧よりも尚恐ろしい――大包丁の切っ先が武者震いで微かにブレる。
「だから屈するの?」
 巨体を闊歩させ雷を迸らせる竜の歩みを留めるように、マスケット銃より幾度となく熱線を撃ちつつ、ウィーリィの緊張に対してシャーリーが声を掛けた。
「世界は違っても海賊は自由の為に戦うんだ。ボクはこの理不尽に立ち向かってみせる。ウィーリィくんは?」
 幾度となく打ち付ける熱線は鎧を貫くどころか、焦げ跡の一つすらもつけられず、虚しく閃光が散らされていく。
 竜が平然と身動き一つ取らず、熱線を受け止めながら尾を薙げば、それを纏った鎧の背にあるバーニアを噴かせ、上方へと高く飛んでシャーリーは躱し。
 過行く言葉をウィーリィは受け止めると、改めて震えかけていた切っ先を留めるように大包丁の柄を強く握り。
「――当たり前だろ。この世界に生きる人の誇りを、守ってみせる!」
 竜が尾を薙ぐと同時、繰り出された旋回する雷を纏う刃を大包丁で受け流しては、強大な自然の驚異に抗う人としての決意を口にする。
 ――やっぱり流石だよ。
 ウィーリィの強い決意を感じ、鮫の如き様相の纏う鎧の下、シャーリーは僅かに微笑むと。
「行くよ」
「応!」
 地を駆けて竜へと迫るウィーリィを援護するように、空中を舞いながらシャーリーが熱線銃を放つ。
 弾かれるように指を躍らせ、放つ熱線の勢いは大気を電離させプラズマを迸らせ竜の放つ雷に抗うも、絶対物質の鎧はそれを容赦なく散らしていく。
 反撃に竜がシャーリーへと空間を打ち砕く勢いの雷を放てば、彼女はそれをバーニアを噴かせて寸での所で躱し、通じぬと言えども兎にも角にも熱線を放ち続け竜の気を引き付ける。
 その隙に竜の場所へと肉薄していたウィーリィが、大包丁を振り上げて勢いよく打ち下ろせば、派手な金属音を轟かせ打ち付けた鋼鉄の刃と絶対防護の鎧が火花を散らさせる、が。
「ぐっ……!」
「無駄だ……このブラキオンの鎧を貫けると思うたか!」
 天に唾すれば必ず己に帰るものではあるが、通し切れぬ衝撃はそのまま大包丁に帰り、刀身と柄を伝ってウィーリィの掌に重い痺れを齎す。
 合金の竜に叩き付けた時と同じか、それ以上に刃の通じぬ身体にウィーリィは顔を顰め、彼を見下ろして竜が嗤えば稲光の轟音と共に巡る刃が襲う。
 それを後方へ跳躍して躱すウィーリィに、更なる追撃を加えようと竜が目を向けた瞬間だった。
「無駄じゃない。……ありがとう、ウィーリィくん」
「!!!」
 君が引き付けてくれたから、狙いは全部思い通り――サイバーアイの中に浮かぶ照準が堅牢な鎧の辛うじての隙間、肩口と尾にある攻撃を叩き込む隙間を捕えると。
 ここで一気呵成に攻めるという強い意志の下、纏う鎧の齎した力が常識外れの動きを可能とし、シャーリーの引鉄を引く指の動きを只管に速めていき、それに伴い必然的に銃口より迸る熱線の勢いは、竜の放つ雷にも抗い貫く程に。
 狙いをつけた鎧の隙間へと、熱線<プラズマ>の激しい熱が何度も突き刺さり、鎧に包まれた竜の身体を灼いていく――!
「グォオオオオオッ!!」
 竜もそれには苦痛を隠しきれぬか、恨むように咆哮を挙げると、今度は敵意をシャーリーに向ける。だがその注意を地から天へと向けてしまったことが、竜の最大の過ちだった。
「うおおおおおっ!」
 ウィーリィが叫び、竜の身体に強く何かを叩きつける――されど隙間を狙ったのではない限り、堅牢な鎧は揺るがぬ筈だったが。
「こ、これはっ!?」
「この世界に生きる、全ての人達の誇りだ!」
 驚愕する竜の鎧には、幾つもの鮮やかな緑色のラインが走り、精緻な幾何学模様の陣が浮かび上がっていた。
 それこそは聖なる木の葉が、この世界に生きる人々――この葉を託してくれたエルフ達や、共に戦った聖騎士、そしてウィーリィ自身の強き思いを、竜の誇りに抗う強き人々の助け合う意志を乗せて。
 絶対的な防護で覆われた竜の身体へと、攻撃を通す道を作り出す――今ならば鎧のどこからでも、攻撃は確実に入る。
「さぁ行くよウィーリィくん、みんな――史上最高の誇りと覚悟と」
「研ぎ澄まされた刃と思いで」
 シャーリーがそのまま、竜の後方へ手早く回り込んではその背へと熱線を撃ち込んで行けば、聖なる葉が作る通り道が熱線を直で竜の身体へと突き刺して。
 怯む竜へ今度こそとウィーリィは叩き付けた思いを、木の葉だけでなく自らの掌へと、掌から大包丁へと流すように心を研ぎ澄ませ――
「「竜の誇りを破ってみせる!!」」
 振り抜かれた万物を斬り裂く刃が、一撃、二撃と竜の身体を強かに斬り裂き――人として抗う意志の刃が、竜の身体を地に伏せた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

四季乃・瑠璃
緋瑪「竜だろうと絶対物質があろうと殺してみせる」
瑠璃「それが私達だからね」

UCで分身

二人で飛翔翼で高速飛行し、複数の煙幕式ボムで敵の視界を封じて攪乱。
こちらは瑠璃が探知術式【高速詠唱、情報収集】を展開し、敵の居場所を探知。
敵の攻撃を避けつつ、K100やライフルの弾丸に聖なる木の葉を装填。
弾丸と共に木の葉を撃ち込む事で鎧の力を無効化。
その隙に機巧大鎌の機巧【推力移動】を利用して超加速。
大鎌で敵を斬り裂いたり、接触式ボムで敵を爆破してその鱗や甲殻を爆砕したりして攻撃。

最大火力として自分達の前に聖なる木の葉を五芒星に配置して魔法陣を展開。
聖なる木の葉の力も集束させ、ジェノサイドブレイカーを放つよ



●最強の盾と矛
「行くよ、緋瑪」
「行こう、瑠璃!」
「「我が敵全てを殺し尽くすまで、我等の歩みを止めることは叶わず。さぁ、私達の殺戮を始めよう」」
 身体に纏うは塵の状態からも再生しうる、強大な不死の力。
 背に取り付けた飛翔翼で空を滑り天を舞う彼女達へ抗うように、竜は雷の領域を広げるべく膨大な雷を注がせた。
 それを空を自在に翔け抜けて往きては瑠璃と緋瑪は躱し、返礼にと掌に生成した爆弾を投げつける。
 絶対防護の鎧は例え衝撃を浸透させる真似をも通さず、隙間のみを巧みに隠しつつ竜は真っ向から爆発を受け止めるが。
「むっ……」
「“これ”までは無力化できないでしょ?」
 戦場を覆い尽すは、濃密極まる煙幕だった。確かにダメージそのものは無力化できたとしても、視界封じの噴煙は鎧とは確かに無関係だ。
(もちろん、こっちは分かるけどね――)
 無論、瑠璃の巡らせた探知の術式によって、竜の居場所は手に取るようにわかる――後は全部を吹き飛ばすという暴挙に出られる前に。
 彼女達は即座に銃器へと聖なる木の葉を籠めると、それを放ち竜の鎧を無力化すると。
 瑠璃と緋瑪は大鎌を取り出し、仕込まれた炸薬を爆ぜさせ加速しては竜の下へと一気に迫り。
 振るわれる鎌の刃と、叩き付ける接触式の爆弾が鎧を抜きにしても尚丈夫な竜の鱗を剥がし、下の身を斬り刻んでいく。
「ッ……忌々しい、イルミンスールの子め……ッ!?」
 鎧に撃ち込まれた通り道と、身を執拗に攻め立てる殺しの技術に竜が歯噛みするも、瑠璃と緋瑪の追撃は終わらない。
「竜だろうと絶対物質があろうと殺してみせる」
「それが私達だからね」
 竜の目に映ったのは、その忌々しいと称した葉の描く精緻な五芒星の方陣と、その中央にて突き出された銃口と、其処へ束ねられた膨大な魔力の滾りだった。
 見るからに危険――聖なる葉の通り道は、それを竜の身体へと通し元来丈夫な身体も容易く灼き払うか。
 避けるも防護も無意味、故にと竜は雷の奔流を向ければ、二人で一人の殺人姫達もまた、チャージを終えた魔力を突き出し。
「「全力全壊! ジェノサイドブレイカー!!」」
 放たれた眩い閃光の奔流は、竜の領域が放つ雷とぶつかり合うや否や、火花弾ける激しい音を立てて一瞬の拮抗を見せるが。
 だがそれはほんの極々僅か――殺しの絶対的な矜持という強き意志を乗せた、聖なる葉の加護をも上乗せした殲滅の輝きは、黒き竜の身体を容易く呑み込み――苦痛の雄叫びすらも掻き消す轟音を奏で、殲滅の名に違わぬ莫大な熱量が竜を通り過ぎていくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

コノハ・ライゼ
アドリブ、連携歓迎

オレはその葉っぱ初めてネ
ケド使えるモノは何でも使う主義、アリガトと貰ってくわ

さて近付かねぇと話になんなさそうよねぇ
オーラ防御纏い目立つよう駆け、分かり易く攻撃誘おうか
敢えて誘った攻撃を第六感も併せ見切りながら【天片】発動
淡緑の花弁へと変えたその中に貰った葉を忍ばせて敵へと浴びせるわねぇ

強ければ強い程美味しいのよ、オレにとってはネ
アンタに竜の誇りがあるというなら、オレには喰らう者としての矜持がある……ナンてネ
さあ、鎧ナンかに守られてナイで、美味しく料理されなさいな

葉で隙を作ったなら2回攻撃でソコを狙い撃ち
マヒ毒のせた花弁でしっかり包み込んで生命力を頂くわ



●黒彩るは……
 手渡された葉と、己の分へと取り分けられた葉の詰まった小袋を手に、コノハはその重みを掌に感じていた。
(オレはこの葉っぱ使うの初めてネ。ケド使えるモノは何でも使う主義)
 快く渡してくれたエルフ達へ、同じように快くアリガトと言ったことも思い出しながら、コノハは目立つように竜の前へと躍り出た。
 手には逆手に構えた一対の柘榴色のナイフと、全身に眩い闘気の障壁を纏い、否応なしに目を引く姿で。
「……」
 来れるものならば来い――駆け抜けて迫るコノハの顔に浮かぶ笑みに、竜は一瞬、口元を歪めると大きく息を吸い込み。
「クァァアーーーッ!!」
 大気を揺るがす雄叫びと共に、旋回する刃と、雷の絶え間ない放出がコノハを襲っていく――刹那に迫ってくる雷撃を、例えようのない勘が導き出したルートを辿り、横へ滑るようにして躱していけば。
 柘榴色のナイフが同じ色に輝くと、ナイフが解けていくように無数の花弁と散っていく――
「彩りを、」
 散った花弁の色は、元のナイフの色からは考えられぬ、淡緑の無数の花弁――舞い散るそれが次々と張り付くも、竜の放つ雷に焼かれても、絶え間なく生成される花弁は竜へと張り付く。
 そして竜の纏う鎧に、呪印の如く鮮やかな緑の紋様が浮かび、竜が驚愕を見せれば、コノハは指に挟んだ聖なる木の葉で“淡緑”の花弁の意味を暗に伝え。
「アンタは確かに強い。けど強ければ強い程美味しいのよ、オレにとってはネ」
 ニタっと唇を歪める顔と、隠し切れぬ昂揚は頬を染め、竜にもコノハ自身の昂ぶりを伝播させる。
「アンタに竜の誇りがあるというなら、オレには喰らう者としての矜持がある」
 叩きつけたのは、その喰らう者としての矜持。無粋な防護も要らない。似ても焼いても食えぬものなら要らない。昂ぶりをそのまま攻撃性へと変えるように、舞い散る花々が鮮やかに踊ると。
「……ナンてネ。さあ、鎧ナンかに守られてナイで、美味しく料理されなさいな」
 迸る雷の領域で怒りを示した竜が反撃に移るよりも早く、叩き付けられていく色とりどりの花弁が聖なる木の葉が生み出した通り道を往き、竜の身体へと張り付いていく。
 単なる花弁ではない、麻痺の毒が込められたそれが黒き竜の身体を彩るように張り付く――否、その表現は生温く、噛み付くと表する方が正しいか。
 鱗の隙間から肉へと食い込むように突き立てられる花弁の牙は、文字通り喰らい尽すかのように竜の命を吸い上げ、主へと捧げていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ハルア・ガーラント
ジェイミィさん(f29697)と

敵攻撃は[第六感と視力]で挙動や殺気を察知し[オーラの障壁で防御]
〈銀曜銃〉の[誘導弾]で隙間を狙い分析兼時間稼ぎを

雷……ジェイミィさん、大丈夫ですか!?
その身体には影響が大きそうで心配です

焦る心に響くジェイミィさんの言葉
自分を信じる
そうだ、わたしもジェラルドさんのように皆を守りたい
わたしが今出来るのは――
UCを発動しふたりの[電撃耐性]を強化、雷撃を受け切ります

ジェイミィさんが作ってくれた絶好のチャンス
翼を広げ羽毛の間に隠していた大量の葉を[念動力]で操り敵へ一気に射出
信じる力をうんと込めました!

持ち替えた〈パニッシャー〉の一撃をお見舞いします
これも、どうぞ!


ジェイミィ・ブラッディバック
ハルアさん(f23517)と

WHITE KNIGHTに敵の情報収集をさせて隙間を探知
敵の攻撃を見切り推力移動で回避しつつ好機を伺う

確かにキツいですね
ですがジェラルドさんが我々を信じて下さったのです、我々も自分たちを信じて戦えば、きっと…!

歌…?
これはハルアさんのUC…信じてましたよ、ハルアさん!

判明した隙間を狙って推力移動で距離を詰め、CRESCENT MOONLIGHTとUCで攻撃
これは流石に読まれましたか
しかし私の攻撃はブラフ、ハルアさん、今です!

ギリギリまで葉の存在を隠して正解でしたね
ハルアさんの攻撃と同時に再びCRESCENT MOONLIGHTで2回攻撃
さぁ、そこを退いて頂きましょう



●信じる力を今貫き通す
 大気そのものが痺れるかのようだ――否、実際にかの竜が迸らせ続ける、莫大な雷が微かに伝わり、相対する天使の豊かな翼の羽毛が引っ張られるようだった。
 戦いも佳境を迎え、轟咆雷烙なる迅雷の領域は激しさを増すばかり。
 迸り続ける雷と迫る刃の放つ殺気にも文字通り総毛が立つほどに、目の前の竜の攻撃は只管に苛烈で、殺気をいち早く目よりも先に察知しては障壁を張って受け止め。
「くっ……雷……ジェイミィさん、大丈夫ですか!?」
 共に戦うウォーマシンにとって、障壁越しに受け止めても尚、この激しい雷の圧は大敵ではないか――ハルアは不安を覚えてジェイミィに声を掛けた。
「確かにキツイですね」
 多少の雷撃程度でどうにかなる程に柔い機体ではないが、それでも未来を司る白騎士の疑似頭脳が計測するエネルギー量は、直撃した後の悪しき未来を何としても避けたいと思わせる。
 それでもジェイミィは白騎士の未来計測<ラプラスの魔>が導き出した降り注ぐ雷のタイミングを元に、雷が放たれると同時スラスターを噴き上げて後方へとそれを躱しながら。
「ですが、ジェラルドさんが我々を信じてくださったのです。我々も自分を信じれば、きっと……!」
「ッ……!」
 彼の言葉から出された名に、ハルアは思いを託してくれた、祖父と同じ名を持った聖騎士を改めて思い出す。
 そうだ。
 守りたいものは自分にもある。彼のように、あの頼もしい背中と共に戦った時のように――!
「信ずるものがあるか。されど我が誇りに賭けて、それ諸共打ち砕いてくれよう!!」
 彼ら二人の決意を宿した眼を見つめ返し、竜もまた信ずる誇りを余すところなくぶつけるように迅雷の領域で高めた己が力で、一際に激しい雷を迸らせた。
 あれだけの雷を躱すのは不可能、ならば全て防ぎ切れるようにするまで――緑の眼にハルアは覚悟を決めると、静かに口を開く。
 動く唇から紡がれる韻律はこの世ならざるものの歌。
 天使言語にて紡がれる歌に乗せる思いは、かつて共に戦った聖騎士のように皆を守れる力を。
 今ここに、共に戦う仲間と自分を守れる力を――全てから守れなくとも、この膨大な雷からだけでも守り抜ける力をと。ハルアは全力の想いを籠めて歌を紡いでいく。
「……ッ、……? これは……歌……?」
 迸る雷と、うねる刃を紙一重で躱しつつ、ジェイミィは轟雷の中に於いても尚、鮮やかに澄み渡る歌を感じる。
「――どうか、わたし達に恩寵の光を」
 そして舞い降りるは、天獄の高位執行官――ただし現世に顕現するは翼のみ、されどその威光は何処までも圧倒的で、竜が主と仰ぐ天使に比肩するか或いは。
 降り注ぐ光がハルアとジェイミィを包み込めば、天使と戦機人の緑と赤が交錯した。
「信じていましたよハルアさん!」
 恩寵の輝きが齎すは、荒れ狂う竜の暴威をも物ともしない雷への防護力だった。触れれば万物を灰にしそうな雷であろうと、完全に耐え切る力を授けていた。
 絶対物質の鎧よりも、不動を代償として強固とする聖騎士の術式よりも尚、月並みではあるが強固な信頼という防護が、雷の中を突っ切らせてくれる。
「“All-range attacker activated. Start terminating all target.”」
 ならばその信頼に応えようと、ジェイミィより響く機械的なナレーション、されどその声色に心なしかの熱は籠り。
 地を蹴り推力を盛大に噴かせながら飛竜も宛らに、ジェイミィはレーザーブレードをその手に、そしてその周囲に幾何学模様を描いて飛翔する剣にして砲のビットが一気に飛び交い、竜を取り囲む。
 既に白騎士の頭脳が導き出した、絶対物質の鎧に於いて唯一通せる場所へ――ビットを尾へと、そしてジェイミィ自身の剣を肩へと。
 迅雷の領域の高電圧を物ともせずに割り入っては、その刃を――吸い込ませられようとしたその時だった。
「そう何度も、通すと思うなァッ!!」
 易々と鎧の隠し切れぬ隙間を通させてはくれない――千を超える近接と遠距離を兼ねたビットの砲撃を、周囲を旋回する刃と迸る雷で弾き返し。
 ジェイミィ自身が斬り込んだレーザーブレードを、絶対物質の甲で覆われた掌で握り潰す勢いで受け止め、それを弾く――!
 投げ出された身体を、スラスターの噴射でブレーキを掛けながらも、ジェイミィは眼を一つ煌めかせた。
「ええ、そうでしょうとも――ハルアさん、今です!!」
「はいっ!!」
 ジェイミィの合図に従い、ハルアが一気に翼を広げる。重厚な天使の翼の中より、開帳と同時に仕込まれた緑の弾丸が竜の身体に叩き付けられた。
「信じる力を、うんっっっと込めました!!」
 満面の笑顔が花開くと同時、竜を覆う鎧に広がっていくのは、精緻な深緑の幾何学模様の方陣。
 ジェイミィが作り出した隙を目掛け、ここぞとばかりに温存していた葉を一気に叩きつけていた――全ての戦友への信頼と共に。
「さぁ、そこを退いて頂きましょう」
「これも、どうぞ!」
 最早敵の攻撃は怖くない。そして攻撃の全ては完全に通る。
 三日月の輝きを冠した剣と、断罪を冠する狙撃銃がジェイミィとハルアよりそれぞれ構えられては、迸り続ける雷を割って入り――そして。
 正しく三日月の弧を描くが如き優雅にして鋭き斬撃と、裁きの鉄槌を思わせる銃弾の一撃が重なり合ってはそれぞれが互いを高めるように、竜の身体を襲い。
 信じあう心の籠った一撃は、天災であった竜を骸の海へ還すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『大天使ブラキエル』

POW   :    岩腕
単純で重い【岩石でできた巨大な腕】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    絶対物質ブラキオン
【「絶対物質ブラキオン」の鎧】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、「絶対物質ブラキオン」の鎧から何度でも発動できる。
WIZ   :    大天使の光輪
自身が装備する【大天使の光輪】から【破壊の光】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【徐々に石化】の状態異常を与える。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●大天使ブラキエル
 腹心のオブリビオンを退け、大天使の待ち受ける場所へと辿り着いた猟兵達は、静かに場に座していた大天使ブラキエルの姿を見る。
 予兆で見られた剣は持たぬものの、その代わりにその腕には竜の群れが扱っていた岩腕を持ち、首から下は絶対物質ブラキオンの鎧で覆われている。
 身体に纏う天使の光輪<エンジェルハイロウ>は神々しく、曲がりなりにも神の御使いであることを物語る。
「遂にここまで来てしまったか。此度の企ては儘ならぬものか」
 猟兵達の存在に気付いたブラキエルは、溜息を僅かに漏らし、物憂げに目を伏せて語り出した。
 地上の破壊は全て猟兵達や駆け付けた戦士達の手によって阻まれ、腹心は猟兵を退けること敵わずに彼らをブラキエルの御前へと通してしまった。
 一縷の望みに賭けた計画も、終わりを迎える時――されどブラキエルは立ち上がると、端正な顔立ちにある青い瞳を冷たく開きこう述べた。
「敢て我は言おう。我が“存在”し続ける限り、続くと」
 今此処にいるブラキエルか、はたまた別の場所にいるブラキエルか。
 どの道生きている限りは彼はこの暴挙を続けるのだろう――極々僅かな望みたれど、行い続ける限り無ではないのかもしれないのだから。
 膨れ上がる闘気は雄弁に、この場にて猟兵達を退け計画を続ける心算であることが、否応なしに強く伺える。
「では行こう、猟兵達よ。我はお前達を退け、一縷の望みに賭け続ける。抗う心算ならば抗うが良い。我が目的の為、その全てを捻じ伏せよう――」
 大天使ブラキエルは、例外なく幹部格の敵に匹敵する実力者だ。
 間違いなく、先んじて猟兵達よりも早く行動し攻めてくるだろう――岩腕、鎧、光輪のどれもが決して侮れぬ力を誇っているのも百も承知だろう。


==========
※第三章補足説明

 大天使ブラキエルは「先制攻撃」をしてきます。
 指定UCと同じ属性のUCを先に使ってきますので、対応すればプレイングボーナスとなります。

==========
死之宮・謡
アドリブ歓迎

さぁ来たか…未だ諦めず進むことを欲するか…まぁそうさな…今更後には引けぬものな?
元々の可能性がゼロでない以上、試行を繰り返せば其れだけ意味も出てくるか…
だが、そうだな…魅せてくれ…

先ずは衰退と拒絶の・呪いによる黒霧で周囲を覆い、破壊の光を喰らい尽くす。そのまま霧に紛れて戦闘開始
クレイアスターによる攻撃で遅延攻撃を働きながら【涯】を展開
レ・フィドラを構えて吶喊。呪いの霧と共にブラキエルが死ぬまで只管攻撃

攻撃は喰らい、呪いで削り、潜伏と強襲を繰り返し、ただ、只管、一心に



●閃光と闇に
 大天使ブラキエルの膨れ上がる戦意と開戦を告げる言葉と共に、戦場を眩く満たす光が広がっていった。
 天使の纏う光輪<エンジェルハイロウ>から放たれる閃光は、かつて大天使が大天使であった頃の神罰の輝きか。
 激しい閃光の通り過ぎる度に、孕む莫大なエネルギーの量がその余波だけでも存在するものを悉く打ち壊していく。
 斯様な真白き破壊の光に抗うように、それを喰らい尽すように闇が広がっていく――衰退と拒絶を齎す呪詛と評するにも軽々しい、悍ましき深淵の如き闇の霧が広がり、天使が齎した破壊の光に抗い互いに互いを消し去っていく。
「未だ諦めず進むことを欲するか……まぁ……そうさな……今更後には引けぬものな?」
「涅槃寂静に満たぬかもしれないが」
 激しき閃光の戦場よりの一転、莫大極まりない呪いの濃霧で覆われた戦場の陰に身を潜めながら謡はブラキエルに挑発めいた言葉を発した。
 大天使は彼女の言葉に肩を竦めつつも、纏う光輪より激しい閃光を尚も放ちながら答える――可能性はゼロではないのかもしれない。
「確かに……試行を繰り返せば其れだけ意味も出てくるか……」
「然り。……我が滅ぶか天上が扉を開けるか」
 例えこの一時滅びようと、オブリビオンの身体は完全に滅ぶまで蘇り試行を続けられるのだろう。それこそ帝竜の災いも無視し続けた神が扉を開くその時まで。
 不死不滅すらも滅ぼし得る終焉の大弓から、濃霧に潜みつつ謡が矢を解き放てば、ブラキエルはそれを岩腕で受け止める。
「……魅せてくれ」
「言われなくとも」
 例え防がれても何度も、濃霧に潜みながらも謡は滅びの矢を撃ち込みブラキエルの攻撃を遅らせながら。
 次の瞬間には、黒き濃霧の中に赤く血塗られた輝きが齎される。
 煌々と注ぐ血の色の満月と、同じく血塗られた雨が降り注ぎ、孕む悪意と狂気がともすれば神聖な輝きに彩られていた戦場を完全に穢し、血と狂気に彩られた魔王<謡>の力を何処までも高めていき。
「――魅せてくれ、と言ったのは……」
 ブラキエルが目を見開いた瞬間には、その身体に突き立てられるは滅びへの道を歩ませるべく、滅びへの道へと彼を留める楔。
 不滅すらも無と化す終焉を孕んだ呪いの大槍が、ブラキエルの身体を深く貫いていた――!
「その断末魔、だ。さぁ聞かせて貰おうか。何度でも、何度でも」
 反撃に放たれる天使の光を尚も、深き虚無の如き闇は喰らい魔王の身を認識の外へと隠しつつ。
 大天使の身に幾度となく不滅も亡ぼす呪詛の一矢と、楔の如き一撃の大槍が幾度となく突き立てられていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎

追い詰めたぞ…大天使め!
貴様を討ち倒し貴様の野望を打ち砕こうぞ!
我が名はアンナ!処刑人が娘也!

仮面を着け真の姿の[封印を解き]相手をしよう

先の岩腕生やした竜群との[戦闘知識]を思い出しつつ
岩腕での攻撃を[見切りつダッシュとジャンプの]回避に徹しよう
破壊された地形を[悪路走破]で駆け抜け
飛び散る破片は[激痛耐性]で耐えて逃げ回ろう

敵が岩腕を大きく振り上げた際に
鉄塊剣を抜き空中へと飛び上がり【ゲヘナ・フレイム】を発動
地獄の炎と[オーラ防御]纏い超高速で敵へ突進
鉄塊剣でその身を[串刺し傷口をえぐり]息の根を止めてやろう!

私は炎獄の処刑人…天使であろうが焼き尽くし滅ぼしてやる!



●天使は地獄の業火に焼かる
 カチリと嵌めた仮面の下に命を奪う者の表情の一切合切を隠し、体中に必ず討つという強き意志を体現したかのように炎を放つ。
 今ここに真の姿を顕にした処刑人は、不遜にも見える大天使の前で炎を迸らせながらその強い意志を盛らせた。
「追い詰めたぞ……大天使め!」
 燃えるような赤髪を熱気の揺らめきに流し、仮面の下からにも伺える決意の前に、大天使は涼やかに立ちながら、右の岩腕をゆっくりと上げた。
 炎を纏う処刑人――アンナもまた、纏う炎に揺らぐこと無き鉄塊の如き剣を手に、それに応えるように声を張り上げた。
「貴様を討ち倒し貴様の野望を打ち砕こうぞ!」
「ではその貴様を倒し、打ち砕こう」
 振り被られる岩腕のその軌道と、齎されるであろう破壊力を冷静に処刑人は見極める――先の竜の群れとの戦い、かの岩腕の恐ろしきは目にしている。
 その源流ならば破壊力は考えたくもない――振り下ろされた一撃を咄嗟に横跳びに躱すも、アンナの身体を打ち下ろされた攻撃の風圧が揺さぶる。
「ぐっ……!」
 始末の悪いことに、岩腕で破壊された地面より、飛び散る破片の勢いは散弾銃も宛らに、処刑人の身体を打ち付けていく。
 余波に過ぎぬ礫がここまでならば、直撃は推して知るべしか。されどその痛みを堪えるは――
「我が名はアンナ! 処刑人が娘也!」
 破壊され数々の地面が隆起し、普通に歩むだけでも一苦労する地形を、僅かな足掛かりを以て駆け抜けて。
 身を襲う散弾の痛みを処刑人が娘としての矜持で耐え抜き、繰り出される数々の剛腕の一撃を、複雑怪奇と化した地形も物ともせずに躱していき待つ――敵がより強力な一撃を放つべく腕を振り上げるその時を。
 そしてブラキエルが狙い通り腕を振り上げた瞬間、アンナは天高く跳躍して躱し切り。
「ぐぅぅっ!」
 アンナに目を向けたブラキエルが、彼女より迸った地獄の業火の熱気に顔を顰め、岩腕や鎧に覆われていない肌が焼け焦げる苦痛に声を漏らす。
 自らの身を裂いて引き出された地獄の炎を迸らせた姿は、天上界に住んでいた天使の目すらも灼く太陽の如く――怯んだブラキエルの僅かな隙を目掛け、アンナは地獄の業火を更に迸らせて。
 ブラキエルの岩腕が振り下ろされる、今正にというタイミングに、燃え盛る流星の如き勢いで迫り――地獄の業火にも溶けぬ鉄塊剣を、その身に強く突き立てる!
「私は炎獄の処刑人……天使であろうが焼き尽くし滅ぼしてやる!」
 そして間髪入れずに、ブラキエルが岩腕を剣に掛けたその瞬間、追い撃つように地獄の業火が火柱となって立ち上り。
 灼熱の中に苦悶の雄叫びを挙げる大天使を、処刑人の眼は仮面越しに強く見据えていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

四季乃・瑠璃
緋瑪「余計な心配だね。別の貴方はわたし達猟兵が倒し」
瑠璃「此処に居る貴方は今ここで殺されるんだから」

UCで分身

先制対策
敵の攻撃に合わせてバックステップで下がり、時限式ボムと時間差で起爆する煙幕式ボムを投下。
時限式ボムで敵の足元とバランスを崩し、時間差の煙幕で目晦まし。更に大鎌の機巧【推力移動】で一気に距離を開けてUCを発動。

二人で連携してボムや大鎌による攻撃を加えつつ、敵の岩腕に重力属性【属性攻撃】を付与した弾丸を撃ち込み、岩腕の重量を増加。
岩腕の重量を加速度的に増加させて振り回したり制御する事が困難にして封殺。
防御も破壊もできないなら使えなくさせれば良い。

後は全力のノヴァで滅ぼしてあげる!



●滅ぼす、殺し切る
 大天使ブラキエルの勢いは止まることはなく、幾つかの攻撃に晒されて尚、大天使の瞳には揺るがぬ決意が宿る。
「何度でも言おう。我が消えぬ限り続くと」
 今ここに新たに脚を踏み入れた猟兵の存在、尾のように揺らめく藍色の髪一つを目に映せば、ブラキエルは巨大な岩腕を振り上げた。
 緩慢な振り上げの後に一瞬、打ち下ろされた拳の一撃が、隕石が落ちたかのように地面を盛大に陥没させ舞い散る礫が周囲を無残に打ち壊す。
「余計な心配だね。別の貴方はわたし達猟兵が倒し」
「此処に居る貴方は今ここで殺されるんだから」
 だがそれを咄嗟のバックステップで躱しながら彼女は、瑠璃は緋瑪の人格と代わる代わるに言葉を発しながらブラキエルに爆弾を投げつけた。
「むっ……!」
 タイミングをずらして爆ぜた二種類の爆弾、一つは通常の爆弾が足元を崩し、時間差で爆ぜた煙幕がブラキエルの目を隠す。
 大天使が視界を奪われ、足元を取られたその隙に大鎌に仕込まれた炸薬を爆ぜさせ、一気に距離を取ると。
 ――行くよ、緋瑪。
 ――行こう、瑠璃。
「「さぁ、わたし達の殺戮を始めよう」」
 煙幕が晴れた瞬間、そこに居たのは半身を受肉させ莫大な闘気を纏った二人で一人の殺人姫達の姿があった。
 命を削る覚悟で生み出された力によって強化された爆弾が投げ放たれ、ブラキエルを衝撃と熱風が襲えば。
 すかさずに大鎌の機構、仕込まれた炸薬を爆ぜた勢いで迫り斬り込む――が、大天使はそれを岩腕で受け止める。
 そのまま弾き返そうとすれば、彼女達は咄嗟にまた大鎌を爆ぜさせ、その勢いで下がると同時、取り出した拳銃の弾丸を岩腕に撃ち込んだ。
 中々の威力だが爆弾に比べれば小雨に等しい弾、それを受け止めながらも、ブラキエルは岩腕を振るおうとしたその時――岩腕が地響きを立てて大天使の身体ごと落とされた。
「確かに硬いし壊せない。けど何も通じない訳じゃない」
「だったら使わせなければいい。……重いでしょ?」
 岩腕は確かに硬いが絶対物質ほどに、攻撃の影響を無と出来る訳ではない――狙いや正しく、銃弾に仕込まれて撃ち込まれた重力の楔はブラキエルの腕を文字通り重くさせ、軽々と振り回すことを叶わなくさせる。
 それでも僅かながらに動けるのは流石という他ないが――さりとて、瑠璃と緋瑪の殺人姫達の前で、その鈍りは致命的も良い所。
 既に命削りの膨大な力の収束は終わり、彼女達の手に握られた一回り大きな爆弾が投げ放たれ、大天使の前で打ち合うと。
「「さぁ、この暴挙を終わらせよう!!」」
 殲滅の輝きを銘打たれた彼女達の必殺の爆弾が、莫大な熱量と閃光を以て――超新星爆発の名に恥じぬ力の奔流がブラキエルを飲み込んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャーリー・ネィド
【かまぼこ】
あいつだって一人じゃない
叶えたい望みもある
でも、ボクたちにも守りたいものも譲れないものもある
行くよ、ウィーリィくん!

あいつよりも先に【先制攻撃】+【クイックドロウ】でビーム銃の【弾幕】を張って【目潰し】でそれを目晦ましにして先制攻撃の狙いを逸らし、それをかわしたら【制圧射撃】+【フェイント】で攻撃するフリをしてその動きを鈍らせてウィーリィくんの仕掛けの時間を稼ぐ
合図が来たら【罠使い】+【挑発】でウィーリィくんが罠を仕掛けた場所に誘い込んであいつが体勢を崩した僅かな隙に【ラスト・チェーンソー】で鎧の覆っていない箇所に切りつける

また誰かの自由を奪うつもりなら、何度だって立ち向かうよ!


ウィーリィ・チゥシャン
【かまぼこ】
たとえ一人でもこの世界の人が諦めない限り、俺達はお前の暴挙と理不尽に抗い続ける!

【早業】で調理酒をぶちまけてシャーリーのビーム銃で引火させ、【物を隠す】でその炎で奴の視界を遮り【フェイント】で岩腕の先制攻撃を回避し周囲の地形を破壊させ、【地形の利用】で一番大きく穿たれた穴を見つけたら大包丁での攻撃を繰り出しつつ外したフリをして【地形破壊】で瓦礫を作り出し、【物を隠す】でその穴を目立たない様に隠して即席の落とし穴を作る。
仕込みが済んだらシャーリーに合図してそこに誘導してもらい、足場が崩れたところを【料理の鉄刃】の【鎧無視攻撃】で鎧で覆われてないところを切りつけて深手を負わせる。



●何度でも抗う
 岩腕の一振りだけで大気を容易くに歪め、強張った手の爪は超金属<オリハルコン>もかくやに鋭くて硬く、寸での所で躱しても威圧感は十二分。
 振り続けられる岩腕を崩さんと、それでもマスケット銃より放たれる熱線は悉く岩腕へと突き刺さるも、傷一つもつけずに岩腕に煙を立ち昇らせた。
「涅槃寂静に満たぬと分かって行うか」
 冷淡に撃ち込まれ続ける熱線を軽く腕で払いながら、大天使はその熱線を放ち続ける少女シャーリーへと言い放った。
 弾かれるように指が踊り、放たれ続ける熱線が宛らカーテンのように、ブラキエルの動きを牽制し続けるも岩腕と鎧の強固なことに阻まれて通ることは無い。
 二つに覆われていない場所とて、適宜防げば良いだけ――それでも尚、熱線を放ち続けるシャーリーはブラキエルを睨みつけると。
「ボクたちにだって、譲れないものや守りたいものがあるからね……!」
 シャーリーの言葉にブラキエルは一瞬、目を丸くするも静かに口元に笑みを浮かべ、岩腕に纏う力を高めた。
「それもまた良し」
 これまで唯の攻撃に過ぎなかった腕が、いよいよ以て必殺の一撃とするべく力が籠る――振り上げられた腕が振り下ろされるまでは刹那にも満たぬ。
 だがその極々僅かなる隙間を縫うように――
「やらせるかよ!!」
 風切り音も強かに、勢いよく旋回しながら飛んできたガラス瓶が打ち下ろされようとする腕へと盛大に当たり、ガラス片とその中身がブラキエルへとぶちまけられた。
 機を伺っていたウィーリィが投げ放った酒瓶だったが、それでもブラキエルの動きは留まらない。だがそれもまた狙い通り。本命は――
「!!」
 間髪入れずに刺し込まれたシャーリーの熱線が、ブラキエルの身体に掛かっていた火酒に引火し、ブラキエルの身体を炎で包み込んだ。
 流石にダメージを与えるほどには至らなくも、広がった業火の光と突発的な勢いは大天使の視界を塞ぎ、僅かに怯ませて。
 振り下ろされた岩腕が叩きつけられ、地面を盛大に揺さぶり大規模な陥没を引き起こす。されどブラキエルに手応えは感じられず、むざむざと逃がしてしまったことを知る。
 だが大天使が体勢を立て直し新たな反撃に移る前に、彼の眼前を覆い尽すはこれまでも絶え間なく注ぐマスケット銃よりの熱線だった。
 僅かで良い。僅かでも時間を――指の疲労を決意と闘志で掻き消し、コンマにも満たぬ秒を稼ぐべくシャーリーは熱線を放つ。
 それに応えるようにウィーリィは無言で弾幕に紛れては、大天使の破壊した地面を見渡した。
(深いな。流石ってトコか。けど……)
 実に大きな穴を開けられた。流石の破壊力だが、それこそ正に理想――狙いを定め、ウィーリィは手に持つ大包丁の柄を握り締めると。
「うぉおおおおっ!!」
 弾幕に隠れ奇襲を行うように、勢いよく万物を斬り裂く刀工の技を以て大天使目掛けて斬り込む――が、包丁の行く先に大天使の姿はなく。
「仇となってしまったようだな」
 淡々と呟く大天使は態々に岩腕で受け止めるまでもなく、虚空を斬ってしまったウィーリィの刃は、そのまま積み上げられた礫に吸い込まれ、実に艶やかな断面を見せて礫を崩していった。
 シャーリーの放ち続けた弾幕は彼ら自身を隠すだけに留まらず、逆にブラキエルの姿自体も隠してしまったか――だが、狙いは外れたが、彼らにとっては【それで良い】のだ。
 刃を振り抜いたウィーリィからの視線をシャーリーは感じると。
「……」
「……」
 無言で頷き合い、マスケット銃の狙いを定め――ブラキエルの、鎧に覆われていない肌を正確に撃ち抜いた。
 大天使からすればそれがまぐれ当たりか狙ったのかは分からないが、装甲の隙間を狙い撃てるとなった今、誘うようにマスケット銃を一旦下ろしたシャーリーを大天使は追う。
 ――それが仕掛けられた罠に引き込まれつつあることも知らずに。
「――仇じゃない」
「何ッ……!?」
 シャーリーの呟きに目を見開くと同時、ガクン、と大天使の体勢が崩れた。
 見ればその足は穴――先ほどブラキエルの攻撃自体で開けられた穴は、ウィーリィの斬り裂いた礫に隠され落とし穴と変えられていた――に嵌っていた。
「仇となったのは、そっちの方だったな!」
「また誰かの自由を奪うなら、何度だって立ち向かうよ!」
 今こそ決める時――崩れたブラキエルが立ち上がるその前に。
 シャーリーは光り輝くカットラスの刃を、正しく神すらも殺し得る茨の刃へと変えると。
 サイバーアイの見せてくれる照準は、挑発の為に撃ち込んだ熱線が貫いた装甲に覆われていない箇所。
 致命的に体勢を崩した大天使へと、猛々しい唸り声を挙げた神殺しの刃がその血肉を容赦なく削っていき――そして。
「例え一人でも! この世界の人が諦めない限り! 俺達は、お前の暴挙と理不尽に抗い続ける!!」
 ――続けて振り抜かれた大包丁の鋭くも重い一閃は、滅びの使徒に抗う勇者の一撃が如く。
 神殺しの刃に抉られた大天使の身体を、絶対物質の鎧の極々僅かな隙間であろうとも物ともせずに、自然と吸い込ませるように滑り込ませた斬撃が。
 眩き戦場の中に目立つ鈍色の軌跡を鮮やかに残しながら、一瞬、遅れ――大天使の身体より烈しく血飛沫を散らしていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ハルア・ガーラント
ジェイミィさん(f29697)と

光輪はジェイミィさんと自分に[浄化]の力を持つ[オーラで障壁を張り防御]を試みます
皆を守るジェラルドさんを思い浮かべて
でも猟書家で大天使でもある彼の攻撃を二人分全て受け切るのは厳しいかも……不安です

わたしが辿る未来のひとつの為に命を天秤に載せたジェイミィさん
わたしのせいで――違う、ジェイミィさんは勝つ為に選んだ

はい、勝ちましょう!
黒い真の姿へ変身しUCを発動
ジェイミィさんの命の刻限が近づくなら、わたしはブラキエルの時間を奪えばいい
冥府の炎滲む〈咎人の鎖〉を放ちブラキエルを[捕縛し逃亡阻止]、同時に[祈り]鎖の炎の勢いを強めます

翼をもがれ墜ちるのは、あなた!


ジェイミィ・ブラッディバック
ハルアさん(f23517)と

ハルアさんの姿にジェラルドさんを想起する
先制攻撃はWHITE KNIGHTに演算させ見切り回避

「いかん…ハルアが石化する可能性を観測した」
マズい、ハルアさん…!

真の姿、白翼形態に移行

ハルアを助ける手は1つか
「よせ! 死のリスクが…!」
だからこそ有効時間100秒以内に決着をつける!

UC発動、タキオン粒子放出
我々の勝利を妨げる因果を全て消去する
これにより呪いを解除し以降100秒間ブラキエルの攻撃を無力化
勝つぞ、ハルア

ダッシュで接近
右手のLONGINUSをパイルバンカーに、左手には合体したセフィロトウェポン
両手の武器で零距離射撃と鎧無視攻撃

裁定はここに下ったぞ、大天使!



●それは神代の世が如く
 数多の攻撃に晒され続け、静かな凪が戦場に齎された――だがその凪は戦の終わりではない。
 より大きな嵐が来る前の静けさ――戦場に立つウォーマシンの中にある、銀河帝国の未来を司る悪魔を模したAIが告げる。
『0.08秒後――来る』
 高度な情報処理・演算が導き出した未来予知に従い、ウォーマシンのジェイミィは大天使が光輪より放つ閃光の射程を文字通り脳裏に叩き込み。
 推力を咄嗟に噴き上げて、予測通りに解き放たれた光輪の破壊のエネルギーより身を離すも。
「ッ……!?」
 されど閃光の影響力は予想以上であったか、収まりきらぬ破壊の余波が向かわんとした正にその時だった。
 重厚な白き翼を広げたもう一人の、味方である天使が前へ出でた。
「通しません、絶対に」
 ――両手を翳し翼を広げながら張り巡らせた障壁で、大天使の放つ閃光を受け止め続けている姿は、まるで。
 かつての、そして先ほどに共に戦った聖騎士を彷彿させる絶対不動の守りのようであった。
 確かに絶対防護の法に比べれば弱くとも、その覚悟と決意は決して劣らず、翳された浄化の障壁は火花を散らし、ガラス細工のように砕けながらも大天使の光輪より放たれた閃光を防ぎ切る。
『いかん』
 その姿に見惚れながらも、次なる攻撃の一手を導き出そうとしていたジェイミィの思考を、白騎士よりの声が中断させた。
『ハルアが、石化する可能性を観測した』
「!」
 破壊の閃光の恐ろしきは、破壊力だけでなく続く石化への呪い――目を見開くジェイミィに、荒れたハルアの息遣いが届く。
「ハァ、ハァ……!」
「耐え切ったか。だが二度は耐えられまい――その呪いを受けた身で」
 大天使のいう通り、ハルアは感じていた――身体を蝕み、末端を徐々にではあるが石と化していく呪いを。
 ただでさえ障壁で防ぎ切った消耗も重なる中で、二度は受けられない――大天使は無情にも光輪に力を束ねる。
(……覚悟を決める時)
 重厚な鋼の身体を一歩踏み出し、ジェイミィは解放する。
 それはこの場にもう一柱の天使を現界させるが如く、眩い閃光を一瞬纏うとその背に大天使の如き光輪を背負い。
 背に広げた翼は機械的でありながら、神々しく連なった白翼――未来を見通し死と破壊を齎し、全てを零と化す古の天使が如き姿へと。
「START FOMULA」
『! よせ! 死のリスクが……!』
 刹那、彼より響き渡ったアナウンスと始動したプログラムに予測演算を用いずとも、白騎士は察した未来に警告を鳴らす。
 だから、どうした。
「Imperet illi Deus, supplices deprecamu――タキオン粒子放出」
 天使の光輪より放たれた後光が戦場に降り注ぎ、勝利を阻む要因――ハルアを犯す呪いの解除と彼女の疲労、そして大天使ブラキエルの光輪の力を悉く無と化していく。
 正に勝利への道を作り出すが如き結界の中、その代価を察しハルアは目を見開いた。
「そんな……!」
 確かに身を犯していた石化の呪いは、防御の代価に消耗した身体は、戦場に満ちるタキオン粒子の加護によって振り払われ全力を出せる。
 あらゆる敗北の因果を消し去る運命改変の力の代価は、確か命――その為に、と戦友に課してしまった代価に歯噛みするも。
 ジェイミィは右手に杭打ち、左手に二挺のライフルを合体させた長銃を持ちながら。
「――勝つぞ、ハルア」
 厳粛に告げられた信頼の言葉が響く。
 そうだ。彼は決して自分の尻拭いの為に命を賭したわけではない。
 これまでの戦友と、自分と、一緒に勝利を勝ち得る為に【選んだ】のだから――自分が行うべきは、ただ一つ。
「……はい、勝ちましょう!!」
 確かな決意と共にハルアもまた、身体に秘められた真の力を解放する――黒衣を纏い、純白の翼に冥府の炎揺らめかせるが如き紋様を浮かばせた姿は、堕ちた天使を裁く死天使のように。
 残された時間の間に、勝利を掴む――だがそんなハルアの決意を無とするかのように、大天使からの淡々とした言葉が響く。
「なれば意地汚く我は逃げの一手を選ぼう」
「そんなこと、させない!!」
 確かに――あと少し。勝利の因果が消え去るまでか、友の命が尽きるか。
 それを耐え凌ぐなんてことは、絶対にさせない。その因果すらも消し去り時間を奪い去る――!
 語られぬ異界の天使の言葉で紡がれた歌声が響き渡り、静寂の門が開く。そして中より出でた白梟の忙しない羽搏きと歌が、ブラキエルの行動を留めると。
 間髪を入れずにハルアは嗾ける。翼に絡みついていた金色の鎖の数々を、一気にブラキエルへと。
 そして突き立てられた鎖の錐が鎧の隙間を抜け、大天使の血肉へと突き刺さっていく。
 如何に揺さぶられようと決して離さない。逃げさせない。勝利を必ずこの手で――強い決意が喰らいつくように、ブラキエルの身体を天獄の鎖が圧し、滲む冥府の業火が大天使の身体を灼きその場へと固定し。
「翼をもがれ堕ちるのは、あなた!!」
「裁定はここに下ったぞ、大天使!!」
 縛られた大天使へと、機械の天使はしなやかに翼を広げながら迫る。
 右手には神の子を貫いた槍を、左手には峻厳なる一撃の慈悲<ケセドとゲブラー>を――右手のパイルバンカーを深く突き立てて。
 そして呻く大天使の身体に左手の破城銃の口を、押し当てて――躊躇いなく引かれた引鉄と迸る閃光は、大天使へと裁きを確かに下していた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

コノハ・ライゼ
アドリブ、連携歓迎

ふふ
前菜は中々良かったカラ、メインディッシュも期待してるわ

デカい分見切り易そうだケド、直撃避けたとしてダメージ無しって訳には行かなさそうネ
第六感で危険を察知し安全かつカウンター狙える方向へ跳び
躱しきれない分はオーラ防御展開し凌いで、痛みは激痛耐性で無視決め込むわ

惑わすように残像置き懐へ飛び込む、と見せかけ一気に距離を取り【彩月】でだまし討ちの反撃
敵を囲むよう範囲攻撃で焔生み照らし、その光さえ玻璃で縫い止めましょうか
さあオレの料理はココからが本番
2回攻撃でその傷口を抉るよう玻璃を捻じ込み捕食、生命力を頂くヨ

存在し続ける限り、だったカシラ
ならお残ししないよう綺麗に平らげないと、ネ



●食事の礼
 思い返せば今日の狩りというものは、本当に美味しいものばかりだった。
 竜の群れから始まって大きな竜を“食べ”て――そして、この芳醇極まりない空気の天使を前にすれば。
「ふふっ……前菜は良かったから」
 衝動は否応なしに掻き立てられる――コノハはゆっくりと振り上げられていく巨大な岩腕から目を逸らさぬままに。
「メインディッシュも期待してるわ?」
 何処か色気をも孕むかのように、染まった頬で微笑んでみせる。ただしその笑みというのは人間的な喜びではなく、獣の攻撃性を示すものとして。
「なれば最後の晩餐とするが良かろう」
 短い言葉と共に振り下ろされた岩腕の一撃を、咄嗟の判断で斜め後ろへと跳躍して躱し。
 続け様に抱き寄せるかのような動きで繰り出された一撃を、咄嗟に屈みこんでは大天使の懐へ進むように躱しつつ、コノハは感じる。
「っつぅ……匂いだけでお腹が空くって、本当っ……」
 迸る闘気で防いでいて尚、風圧の痛みですら相応な――だからこそ、これだけの男は喰らいたい。
 大天使の懐に潜り込み牙突き立てる――と見せかけて、彼は反撃に繰り出された大天使の一撃を空振りに終わらせる。
 大天使が斬ったは残した影、本体の彼は既に距離を取り――
「照らしてアゲル」
 それは主役<メイン食材>を強調するスポットライトのように。
 虚空に数多に灯された焔の、熱無き光が一斉に大天使を取り囲み照らす――そして光が照らしただけで終わる筈もなく。
 大天使の身を照らした輝きは、そのまま玻璃の結晶と化しては大天使の身に容赦なく食い込み、ブラキエルの身体をその場へと縫い止める――!
「……っ、抜けぬ」
「ええ。けど……」
 釣り上がる唇と、紡がれた言葉が示すのは、【それで終わりではない】という残酷な事実――知っていて尚、抵抗できぬ悔しきに歯噛みする大天使を、舐めるように見回すと。
「俺の料理は、ココからが本番」
 正にまな板の上の鯉が如く、睨みつけるという細やかな抵抗すらも無意味に、大天使の身へと突き刺さる。
 傷口を正しく玻璃<針>のように鋭く、ピン・ポイントに正確に。
「存在し続ける限り、だったカシラ?」
 食い込んだ刃は獣の捕食器官として動き、大天使の血肉より溢れる生命力を喰らい、啜り上げていき。
「ならお残ししないよう綺麗に平らげないと、ネ!!」
 食べる。食べる。食べる。
 存在し続ける限り行われる暴挙という未来も、彼が存在し掴み取ろうとしている天上界の門を開かせるという未来も。
 何もかもを喰らい尽していくように、玻璃<針>の牙が突き立てられて、大天使の時間を啜り上げていく――!

大成功 🔵​🔵​🔵​

シーザー・ゴールドマン
君が本懐を遂げるのが先か我々が君を完全に消滅させるのが先か勝負ということだね。那由多に一つもない可能性に賭け、抗う姿は嫌いではないよ。

敵POWUC、岩腕の一撃をオド(オーラ防御)を活性化することで受け止めます。もちろん、砕かれることが前提ですが、砕かれるまでの刹那の拮抗の間に空中に移動。(空中浮遊×念動力×空中戦)

全てを滅する『破壊の魔力』で練り上げられた巨大な魔法弾を放ちます。
(全力魔法×範囲攻撃×属性攻撃:破壊)

それでは、此処での決着をつけるとしようか。



●一縷の望みも全て棄て
 大天使と猟兵の決着は限りなく、近く、大天使は最後の命を燃やし尽くす勢いで立ち上がり、振り上げた岩腕に力を籠めた。
 大気の振動するかのような、膨大な天使の闘気を肌に感じながらも、貴公子シーザーは悠然とそれを見据え。
「ふっ……嫌いではないよ。君が滅ぶのが先か、本懐を遂げるのかが先か」
 振り上げられる腕が頂点に達すると同時、シーザーはその身から膨大な魔力を迸らせて、それを纏うと。
 ブラキエルの一挙手一投足を冷静に見据えながら、いつでも対応できるように気を払いつつも言葉を更に紡いだ。
「那由多に一つもない可能性に賭け、抗う姿はね?」
「不可思議だろうと、無量大数であろうと無ではない」
 弾かれるように動き出したブラキエルが、不動のままの貴公子を一思いに叩き潰さんと岩腕を盛大に振り下ろす。
 大天使が腕を振り下ろしたと同時、シーザーは形の良い鼻から息を通すと、掌を翳しては纏うオーラを盾とし、岩腕の一撃に抗う。
 シーザーの魔力は莫大なものであるが、それでも大天使の岩腕の一撃は張られた障壁を確実に打ち壊していく。
 すぐには破られはしないだろうが、時間の問題である。されど、その時間をむざむざと迎え入れてやる心算もなく。
 振り下ろされ切った岩腕の一撃が障壁を硝子のように打ち砕くと同時、シーザーは天高く跳躍しており。
「その前に……」
 声がした先の空をブラキエルが見上げると、シーザーは既に掲げられた両手と、その間に膨大な覇気に満ち溢れた光球を産み出していた。
 ――見るからに分かる。あれを喰らえば、一溜りもないと。
「私に、勝てるかね?」
 それもその筈で無限に等しい魔力は、その全てを【破壊】の力として束ねられている――普段ならば、創造と維持の、他の三つの神がかった力を、一点に集約したその力推して知るべしか。
「悪くはない一時だった。それでは此処での決着をつけるとしようか」
 シニカルに歪められた唇と共に、振り下ろされた破壊の力を凝縮した光球が大天使の動きよりも尚早く。
 隕石の堕つるかのように重く、そして疾く打ち下ろされれば着弾点よりそれはそれは眩い閃光と膨大な魔力の余波が吹き荒れて――そして。
 閃光の晴れたその先に、未練がましく塵と消えていく大天使は、不撓不屈の精神を宿した瞳で猟兵達を睨みつけていた。
「我は、諦めない」
「零としてみせるさ。我々がね」
 例え何度でも蘇ろうと、その度に成功の可能性を無としてみせると。
 敗北者の恨み辛みを涼しく勝利者の公爵は受け流すと、大天使の完全に消え去った虚空を一瞥し。
 静かに長身を翻しながら、シーザーに続き勝利者の猟兵達は大天使の座していた場所を後にするのだった。

●不条理なる天の裁き、抗い続ける人の勇気
 かくして大天使が齎した不条理な破滅は回避され、かの天使の野望をまた一つ潰えさせた。
 それでも彼は亡霊としてその存在が続く限り、極々僅かな可能性であろうとそれに賭け続けるのだろう。
 その手段が齎される者にとっては、あまりにも理不尽な破壊と殺戮であったとしても。

 それでもその度に、何度でも猟兵達は立ち向かうのだろう。
 否、猟兵達だけではない。彼らが救い続けた志ある者達もまた、理不尽な天の裁きにと。
 やがて天使が完全に滅び、この地を脅かす者が無くなるまで。

 無事に帰還した猟兵達を、街に待っていた聖騎士やエルフ、そして救われた街の民が温かく迎える。
 街の復興はこれから先待ち受けて居ることではあるかもしれないが、それでも。
 勝利と解放を喜ぶ戦友達と民を見ながら、この平穏よこれ以上揺るぐこと無きようにと。
 不条理に抗い続け、打ち勝った猟兵達は鮮やかな日差しの中、改めて勝利の実感に満たされていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年05月16日


挿絵イラスト