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小人の国に迫る蜂竜の群れ

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #アンノウン #リリパット


●ある行者の最後
「やった!ようやくたどり着いたぞ!」
 彼らは艱難辛苦の果てにようやく対岸に上陸することに成功した。
「やはり、国の外にはこれほどに広大な世界が存在していたのだな!」
 リーダーらしき男は周囲に生える自分より高い植物(ただの雑草)を見上げながら興奮を抑えきれずにいる。
 彼ら10人ほどいる男女の一行はただの人間ではない。人間の親指ほどの大きさしかない彼らはリリパットと呼ばれる小人の種族であり、ユーベルコードの使い手でもある彼らは行者と呼ばれていた。
「貴方、やはり噂は本当だったわね!」
 傍らにいるに妻と思しき女性がやはり興奮を隠しきれないように言うとリーダー格の男は頷き
「ああ、危険を冒して航海に出たかいがあった。外の世界に何があるのか、楽しみで仕方がないよ。」
 そんな中一人の行者が聞き耳を立てながら
「なぁ、なんか変な音がしないか?」
 その言葉を聞いて一行が耳を澄ませるとブンブンと不快さを催す音がだんだんと大きくなってこちらに近づくのに気づき彼らが反応する前にその音の主が姿を現したのだ。
「あ、あれは!?」
「知っているの、貴方!?」
「あれは・・・蜂だ!空から群れを成して襲い来る怪物どもだ!気をつけろ、奴らは猛毒の針を持っているぞ!」
「なんだって!?都市伝説じゃなかったのかよ!?」
「落ち着くんだ、皆!」
 伝説上の存在と思っていた怪物の出現に動揺する一行にリーダー格の男が鼓舞しながら剣を抜き放ち
「ここは俺がひきつける。お前は皆を連れぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 傍らにいた妻に指示を出している間に迫った蜂に毒針を突き立てられユーベルコードを放つことなく絶命した。
「あ、貴方ぁぁっ!」
  目の前で骸と化した夫の姿に悲鳴を上げる妻の頭を蜂が嚙み砕き鮮血が吹き上がる。
「に、逃げろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
 一人が挙げた悲鳴に一行全体がパニックに陥り、我先にと逃げだすが蜂の群れは算を乱した一行を逃すことなく全てを狩り尽くすまで時間はかからなかった・・・

 蜂の群れによる殺戮が終わった後、辺り一面に散らばった一行の骸に変化が起き始めた。
見る間に骸は人と変わらぬ大きさへと変じ、全く違う姿となっていく・・・・
「・・・さぁ、帰ろう。みんな、故郷へ。」
 黒髪の青年に変じた男がそう言うと蜂と竜の群れへと変じたメンバーは口々に同意する。
「ええ、帰りましょう貴方。」
「ああ、国の皆にこの素晴らしき発見を広めないとな!」
かくして彼らは故郷への帰路に就く、死と滅びを啓蒙するために・・・

●滅びの死者を駆逐せよ!
「アックス&ウィザーズにて新たな猟書家が確認された。」
 グリモアベースにてエハド・ショウヘル(統御の一・f31086)が周囲に集まった猟兵に告げた。
「正確に言えば今回現れたのは猟書家と共にこの世界に持ち込まれた蜂によってできた犠牲者たちがオブリビオンと化した存在だ。」
 どよめく周囲をよそにエハドは説明を続ける。蜂単体は異世界から持ち込まれた外来種とは言えただの蜂であるため猟兵やアックス&ウィザーズ世界の住人にとってあまり害のない存在であったので放置されていたのだ。
「だが、群竜大陸に住まうリリパット達は違う。彼らは蟻一匹に絶滅寸前に追い込まれるほど脆弱な種族だ。それに目を付けたのか偶発的な結果かは不明だが、蜂に殺された彼らは『アンノウン』というべき存在へと変じ故郷へ帰還しようとしている。厄介なのはこの『アンノウン』は周囲に伝染するという事だ。」
 つまり彼らが故郷に帰還しようものなら、国は直ちに滅び去りその国の民全てがオブリビオンの軍勢と化してしまうという事だ。それは大天使ブラキエルによる天上界侵攻の戦力となるであろう。
「幸いなことに彼らはまだカルデラ湖の河畔にいる。そこに転送するので即座に戦闘に入り殲滅してもらう。だが、彼らは戦闘よりも故郷への帰還を優先する。だから、貴官らは如何に期間を妨害しながら戦うかを考えて戦闘せねばならないだろう。」
 単純に攻撃するだけでは彼らは委細構わず進むため故郷にたどり着いてしまう。
 だが、帰還を阻むような行動をしつつ戦えば、彼らは帰還を中断して妨害者の排除を優先して行うだろう。
「最初に戦うのは周囲にいる蜜蜂竜アピスドラゴンと蜜蜂竜娘パックに変じた行者達だ。同族を大量に召喚したり、数任せの押し競饅頭戦法で対象を封じ込めようとしたりと蜂のような戦い方をしてくる。」
 取り巻きである彼らを倒せば今回の「アンノウン」との戦闘になる。
「彼は炎を自在に操り、自らの想像力を駆使して最強の武器を召喚したりして戦闘を行うが、彼を倒せば今回の事態は解決する。」
 転送ゲートを開きながら彼女は念を押すかのように告げた。
「オブリビオンと化した彼らを救うすべはない。貴官らにできるのはこれ以上犠牲者が出ないようにすることだけだ。彼らを骸の海に返し、貴官らは無事に生還せよ。」
 そう言って猟兵を送り出す彼女は能面のような無表情を崩すことはなかった・・・


紅時雨
 こんにちは。或いは初めまして。
 紅時雨と申します。
 今回はアックス&ウィザーズでの猟書家戦となります。
 今回のターゲットは猟書家が持ち込んだ蜂によって死亡しオブリビオンと化したリリパット達となります。
 オブリビオン化したリリパット達は「アンノウン」と呼ばれる存在と化しさらには他のリリパット達にも伝染させ「アンノウン」にできる能力を持つため彼らが故郷に帰還した場合リリパット達の国は滅びそのまま強力なオブリビオン軍団を編成してしまいます。
 そうならないように彼らを骸の海へと返し事件を解決しなければなりません。

 プレイングボーナス(全章共通)……アンノウン達の、リリパット国に向かおうとする動きを防ぎつつ戦う。

 第1章はOP承認後から受付を開始します。第2章は断章投稿時に受付時間を公開告知となります。
 なお、OPでも言っていますがオブリビオンと化した彼らを救うことはできず、蜂を持ち込んだ猟書家はいないので探すことはできません。

 それでは彼ら冒険者であった者たちをを弔う方の参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『蜜蜂竜アピスドラゴンと蜜蜂竜娘パック』

POW   :    たすけて!アピスくん!
自身が戦闘で瀕死になると【大量の蜜蜂の群を率いたアピスドラゴン】が召喚される。それは高い戦闘力を持ち、自身と同じ攻撃手段で戦う。
SPD   :    ハチだんごさくせんだよ!
【パック達による超高温に達する押し競饅頭】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    みつろうでかためるよ!
【蜜蝋をこねて沢山の特性の蜜蝋玉にして】から【対象の四方八方から蜜蝋玉を投げつける攻撃】を放ち、【蜜蝋玉に当たった者を蜜蝋人形にする事】により対象の動きを一時的に封じる。
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ニクロム・チタノ
冒険者の成れの果てか
ボクも実験体の末路同じようなものかな?
少しでも苦しみを短くする為にも早く楽にしてあげなくちゃ!
まず斬り込んでも、まあ避けて無視するよね?
敵に後ろを見せてると・・・
動けないでしょ?
重力を掛けさせてもらったよ、後は蒼焔でせめて火葬してあげる
故郷には帰してあげられないせめて安らかに




「冒険者の成れの果てか・・・ボクも実験体の末路、同じようなものかな?」
ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)は首を傾げながら蜂竜と化した一行と対峙していた。
「さあ、みんな急ごうぜ!故郷の皆にこのことを伝えないと!」
 何を伝えるのかわからないが一行はニクロムを無視して次々と素通りしていく、彼らにとってニクロムは障害ではなくただの路傍の石でしかない。
「まあ、避けて無視するよね?」
対してニクロムも動じない。彼らがそういう行動パターンなのはわかっているから
「少しでも苦しみを短くする為にも早く楽にしてあげる!」
反抗の妖刀を掲げた彼女は自身に宿るチタノを顕現させ超重力を巻き起こす!
「あれ?変ね。なんだか、体が重くなっているような・・・」
 超重力を受け体の動きが鈍り蜂竜の一行は急に重くなった体に違和感を覚えながらも着実に歩みを進めようとするが・・・
「君たちを故郷には帰してあげられない。せめて安らかに火葬してあげるよ。」
 ニクロムが放った弔いの蒼炎が蜂竜の一人を捉え灰も残さず焼き尽くし
「うわぁぁぁぁぁっ!やめろっ!俺は帰るんだ!!帰ってオレを嘘つき呼ばわりした連中に外の世界は実在したって・・・・」
 断末魔を残して消滅したメンバーの最後に呼応したかのように残った蜂竜は一斉にそれまで無視していたニクロムに向き直り
「「「「邪魔をするな!!」」」
 憤怒の呪詛と共に一斉に投げつけた蜜蝋玉がニクロムに回避する間を与えず彼女の体を打ち据えあっという間に彼女を身動き取れない蜜蝋人形へと変えて帰還を再開したのであったーー

成功 🔵​🔵​🔴​

波山・ヒクイ
どーも「配信しかしない方の領主」と有名なヒクイです。いいもんわっち主権は尊重する主義じゃもん。
しかし、記憶もある元領民が滅ぼしに来るとか超悩める…あ、でもそれなら、この方法で足止め出来るかも?

という訳で、おかえり英雄!飛べるわっちが一足先にお迎えでっす!と盛大に歓迎
今の気持ちは?家族に伝えたい事は無い?
と「実質故郷に着いたも同然作戦」を展開
カメラとインタビューで纏わり付き足止めしちゃう

…皆、メッセージは言った?
それじゃあ…キミ達はわっちがここで倒す。皆が戻ったら確実にカルデラは壊滅する
領主として、そんなん見過ごせんわなァ!
国を背負って450km/hでカッ飛ぶわっちの猛攻、止められると思うなよ!



●見知らぬ領主降臨
「どーも「配信しかしない方の領主」と有名なヒクイです。」
 波山・ヒクイ(ごく普通のキマイラ・f26985)が一行の前に舞い降りたのは蝋人形を作り上げて帰還を再開した直後の事であった。
「領主?そんな奴いたか?」
「さあ、大統領が変わったという話は聞いていなかったけど?」
 帰還の歩みを止めずに首をかしげる一向。そもそも領主に任命したのは猟兵であり、リリパット達の政府首脳陣ではないので知らないのも無理ない話である。そもそもリリパット達の政府が猟兵のことを公にしているかも怪しいものである。
「・・・いいもんわっち主権は尊重する主義じゃもん。」
 全くの無名であることにショックを受けむくれるヒクイだが、同時に悩んでもいた。
(記憶もある元領民が滅ぼしに来るとか超悩める)
 記憶を持ったままの敵が攻めてくるなんて彼女にとっては初めての経験だったのでその懊悩は尋常ではなかった。
(…あ、でもそれなら、この方法で足止め出来るかも?)
ふと思いついた方法、これならやれるかもしれない。そう思い立った彼女はマイクとカメラを手に再び回り込んで纏わりつき始める。
「という訳で、おかえり英雄達!飛べるわっちが一足先にお迎えでっす!」
 すなわち「実質故郷に着いたも同然作戦」勢いに任せて歓迎しまくることで故郷についた気分にさせて足止めしようという策だったが・・・
 果たして
「お出迎え?」
 一人が歩みを止め、それに倣うかのように一行の動きが止まる。
「今の気持ちは?家族に伝えたい事は無い?」
 止まったのを幸いにあれこれと質問攻めを開始するヒクイであったが
「だまされるな!まだ俺達は故郷に帰ってきていないぞ!」
 奥から指揮を執っている黒髪の青年が声を張り上げると一行は正気に戻ったかのようにはっとした貌になる。
「!!ああぁぁっ!もう、どうして邪魔するんじゃあ!?」
せめて遺族に伝えるメッセージは残そう思った行いを台無しにされて珍しく激昂したヒクイはその勢いのままに空高く飛び上がる!
「それじゃあ…キミ達はわっちがここで倒す。皆が戻ったら確実にカルデラは壊滅する。領主として、そんなん見過ごせんわなァ!」
 そのまま450km/hの速度で急降下して放つ蹴撃は容赦なく蜂竜の一人の頭を蹴り砕き断末魔を上げることすらなく事切れる。
 残った蜂竜達は蜜蠟玉で反撃するがヒクイはそれをやり過ごし空高く飛翔していった・・・・

大成功 🔵​🔵​🔵​

フラム・ストラトス
※アドリブ共闘大歓迎

やれやれ、外に憧れるのは結構じゃが、折角友好関係を築いた猟兵を使わなかったのは減点じゃな
死んでしまっては我ら悪魔と違って助からんじゃろうに
良いじゃろう、冥土の土産にキツツキの嘴の鋭さを教えてやろうぞ!

奴らの攻撃は【残像】で回避しつつ、【呪詛】ユーベルコードを使用。
ほれ、我を殺さん限りソレはお主らをボロボロにし続けるぞ?と【恐怖を与える】
これでこっちに集中するじゃろう
あとはいつも通りじゃ、避けては打ち込む避けては打ち込む
恨むなら、情報収集という準備を怠った自分らを恨むのじゃよ




「やれやれ、外に憧れるのは結構じゃが、折角友好関係を築いた猟兵を使わなかったのは減点じゃな。」
空に舞い上がった猟兵と入れ替わるようにして舞い降りたのはフラム・ストラトス(魔導極めし有鳥天・f31572)、魔鳥第5代国王たるラスボスは呆れ気味に変わり果てた一行を見つめていた。
彼女からすれば猟兵の存在を頼らずして外界に出ようとする行為は決して褒められたものではなかったが、リリパット達の政府首脳と猟兵が相互に不干渉だったのが裏目に出たのであろうか?それは卵が先か鶏が先かなのだろう・・・・。
「死んでしまっては我ら悪魔と違って助からんじゃろうに・・・良いじゃろう、冥土の土産にキツツキの嘴の鋭さを教えてやろうぞ!」
 一瞬瞑目するかのように目を閉じた彼女はそう言うとかっと目を見開き一気に一行に向かって急降下していった!

「なんだ!?あれは何だ”!?」
「あれは伝説の怪物、鳥だ!!食われる前に迎撃するんだ!!」
 新たなる襲撃者に動揺している蜂竜の一行に黒髪が指示を出し即座に蜜蝋玉を投げつけて迎撃してくるがフラムは残像を残しながら相手を翻弄していき 
「フハハハハハっ!さぁ、氷煉の嘴よ、啄め。内より痴者を朱に染め、その身紅の化粧を施せ。」
 魔王らしく凄まじく悪い笑顔を浮かべながら、呪紋を一行に付与していく。そして呪紋を付与された者達は次々と体内から鋭い氷柱が貫いていき肉のオブジェと化していく
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!来るな、来るなぁーーーーーー!!」
死んだ記憶がフラッシュバックしたのか蜂竜の一行はパニック状態に陥り所かまわず蜜蠟玉を出鱈目に投げているがそんなものがフラムに当たるわけがない。
「恨むなら、情報収集という準備を怠った自分らを恨むのじゃよ。」
 恐怖からパニックに陥った一行の脚が止まったことに満足しながらもフラムは容赦なく空から敵を翻弄し呪紋を撃ち込み続けていき蜂竜数を着実に減らすことに専念したのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
もう片方の領主も参りましたぁ。
まあ、此方も御存じないでしょうねぇ。

ただ、皆さんには申し訳有りません。
今の皆さんにお帰り頂くわけには行かないのですぅ。

『FBS』を四肢に嵌め飛行、『FMS』によるバリアを『進行を食い止める障壁』として『領民』達の進行方向を塞ぎますねぇ。
そして【崇卓】を発動、丁度隣接する『絶対零度地帯』の『自然現象』を発生させ、『超低温』と『吹雪』による攻撃を仕掛けますぅ。
『蜜蜂』であれば寒さには弱い筈ですし、召喚された『蜂竜』も、動き自体は制限されるでしょう。
後は動きの鈍ったところを、『FSS』のシールドで攻撃を防ぎつつ『FRS』の[砲撃]で仕留めますぅ。


パルピ・ペルポル
冒険の旅に出たら珍しくもない出来事ではあるわね。全滅というのは。
でも別人になったあげくに故郷滅ぼしに戻るとかありえないし、あってはならないことね。
あと隣接地の領主としては災いの芽は摘んでおきたいのよね。

というわけで「迷いの森へようこそ」で我が領地(の一部)にご案内するわ。
見通しの悪い森の中で身を隠しつつ。
念動力で雨紡ぎの風糸を木々の間に張り巡らせておいて、敵の行動を阻害兼盾として使用するわ。
以前徳用(巨大)折り紙を通常サイズに切って作った千羽鶴ならぬ万羽鶴を取り出して、敵にけしかけるわ。
あとは隙をついて糸を絡めて切り裂いて始末してあげるわ。



●介入する領主達
 数多の犠牲を払った蜂竜の一行は何時の間にか自分達が見知らぬ森に迷い込んでいることに気づいた。
「あら?変ね。私達は湖の畔にいたはずなのに・・・・・ここはどこなの?」
 戸惑いながら辺りを見回す一行を木々の陰に隠れて見張る二人の猟兵達がいた。
「悪いけど隣接地の領主としては災いの芽は摘んでおきたいのよね。」
 そう言って機を伺っている彼女は大きめのフィギュアと思えるほどの小柄な体格を枝葉の陰に隠している。彼女はパルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)、カルデラに隣接している迷いの森の領主であり手癖の悪い妖精である。
 一行がいきなり迷い込んだ森も彼女が召喚した自身の領地である迷いの森の一部であった。
「パルピさんはご協力ありがとうございますぅ。あちらの皆さんは此方も御存じないでしょうし・・・」
 妙におどおどしながらパルピに感謝を述べているのは夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)、このカルデラ河畔の領主の一人である。
「気にしないでいいよ。わたしとしても他人事じゃないし!さて、迷っている今のうちにさっさと仕掛けよう。」
 パルピのフォローにるこるも腹を決めた顔になり
「そう、ですね。彼らが故郷に害をなす前に終わらせましょう!」
 戦輪FBSを四肢に嵌め飛翔木々の間を搔い潜りながら一行へ向けて飛び立っていった・・・

「!?なんだ?空飛ぶ人だぞ!?」
「敵だ!撃ち落とすんだぁ!」
 空を飛び迫りくる、るこるを目撃して驚愕する一行に黒髪からの指示が飛び迎撃しようと即座に身構えるが
「??なんだ!?周りに糸みたいなやつが!!」
「身動きが、とれない!?」
 何時の間にか蜘蛛の巣の如く張り巡らされていた透明な糸に行動を阻害されて身動きが取れなくなっていた。
(冒険の旅に出たら珍しくもない出来事ではあるわね。全滅というのは。)
木々に隠れながら念動力で雨紡ぎの風糸を彼らの周囲に張り巡らしながらパルピは胸の内で呟く。冒険というのが常に危険と死の隣り合わせであり成功するのはほんの一握り、そんな現実を彼女は良く知っている。
(でも別人になったあげくに故郷滅ぼしに戻るとかありえないし、あってはならないことね。)
 春風のエプロンのポケットから(人間基準で通常サイズに切った)徳用折り紙セットで作り上げた千羽鶴、もとい万羽鶴を取り出して容赦なく一行にけしかけると彼女は周囲の糸に意識をやり気を伺う。その表情は可憐な妖精ではなく獲物を追い詰める狩人のものであった。

「今度は何だ!?あの紙の鳥は??」
 襲い来る折り鶴の大群に動ける残りの一行が距離を取り蜜蝋玉を構えて迎撃しようとしていつの間にか光の壁に囲まれて逃げ場すら失っていた。
「光の壁だと!?いつの間に!?」
「すいません、逃がすわけにはいかないんですぅ。」
 申し訳なさそうに言うのは樹上に浮かぶるこる。彼女は浮遊円盤FMSを展開し普段は防御のために使うバリアで即席の壁を作り彼らの行く道どころか逃げ場も塞いでいたのだ。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その祭壇の理をここに。」
 そして彼女は【崇卓】を解き放つ!
 たちまち周囲をカルデラ河畔に隣接する絶対零度地帯の自然現象である超低温の猛吹雪が蜂竜の一行の襲い掛かる!
「さ、寒い。このままだと凍えてしまう・・・」
「みんな一塊に集まりましょう。そうすれば・・」
 寒さに弱い蜂の特性を色濃く受けている一行は一塊に集まり始めそれによって発生する超高温で暖を取り始めた。
「すみませんけど、狙い撃ちさせていただきますぅ。」
この好機を逃さずにるこるは周囲に展開するシールドFSSを砲撃モードに移行し容赦ない砲撃で蜂竜を一切の反撃を許すことなく吹き飛ばし
「わたしもダメ押しィッ!」
 パルピも周囲に張り巡らせた糸を一気に引き絞り生き残った一行を絡めとっていき断末魔を上げる暇も与えず血しぶきと共に蜂竜の一行を物言わぬ肉塊へと変えていった。
ただ一人を除いて
「貴様らッ!」
 その一人、すんでのところで脱出した今回の一行の核というべき「アンノウン」は
憎悪を込めた眼差しで猟兵達を睨みつけていたーーー


 

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『アンノウン』

POW   :    焼き尽くせ!(インフェルノ・ブレイズフレイム)
【自身の体を切り裂き噴出する「地獄の炎」】が命中した対象を燃やす。放たれた【物質を破壊する紅蓮の炎と魂を侵食する黒き】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    闇よこの手に(イマジネイション・オーバーロード)
無敵の【俺の考えたサイキョウの武器!】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
WIZ   :    小さくねぇし!(プルーフ・オブ・イグジスタンス)
【怒り】の感情を爆発させる事により、感情の強さに比例して、自身の身体サイズと戦闘能力が増大する。
👑11
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「許さねえっ!」
 怒りに肩を震わせる黒髪の青年は「アンノウン」。異界より現れた外来種の蜂によって命を落としたリリパットのなれの果てであり、今回の群れを統率する猟書家でもある。
「許さねえぞ、政府の犬どもが!!」
 いきなり意味が解らない事を言い始める「アンノウン」。
「もう貴様らの正体は分かっている。外の世界の存在が公になれば未曾有の混乱が国を襲う。それを阻止するために外に出た俺達の口を封じようと雇われた殺し屋どもだろう?!」
 訳の分からない陰謀論?を振りかざし喚き続ける「アンノウン」はいきなり右目を抑えて苦しみだし左腕がガタガタ震えだす。
「鎮まれ!俺の邪眼よ、左腕よ!そして、俺に力を与えたまえ。仲間達の、妻の敵を取る力を!そして俺は故郷に帰る。政府の陰謀を詳らかにし、世界の真実を伝えるために!!真実は何時も一つなんだからなぁ!!」
猟書家と化し肥大化した自意識が妄想をもたらし猟兵達を置き去りにして真実が帰結した。彼にとって目の前にいる猟兵達は政府が派遣した刺客、つまりは「悪の手先」である。
 その魔の手を掻い潜り彼は故郷に帰還しようとするだろう。それが破滅をもたらすと理解せずに。
「妻も言っていたなぁ、世界は己だけがあればいいと。だから俺は行くぅ!爺さんの名に懸けてぇ!!」
 支離滅裂な事を言いながら「アンノウン」は猟兵達を突破するべく動き出した。

*MSから
・「アンノウン」は1章の敵同様故郷への帰還を優先して動きます。単純に攻撃するだけでは例えダメージを受けても何をされても帰還ができる状況でいる限りはそれを優先します。
・戦場は変わらずカルデラ河畔になります。
・プレイングボーナスは引き続き・・ アンノウン達の、リリパット国に向かおうとする動きを防ぎつつ戦う、となります。
それではボス戦となります。油断せずに彼らの冒険を終わらせてください。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
この方が統率者ですかぁ。
既に話は通じない様ですが、対処させて頂きますぅ。

『FBS』による飛行を継続、【紘器】を発動し『F●S』全ての複製を一気に大量形成しますねぇ。
『FMS』は本体を私自身の防護に残し、複製全てでアンノウンさんを包む様周囲に『或る程度の広さの円筒状のバリア』を多重形成、一帯を封鎖しますぅ。
厳密には『物質』ではないバリアの破壊に『地獄の炎』は不向きですし、それが多重となれば突破には相当の時間が必要でしょう。
そして『筒』の上に複製を含む『FRS』『FSS』全てを配置、逃げ場のない内部に[砲撃]の雨を降らせますねぇ。

『骸の海』で、奥様とゆっくりお過ごし下さい。




「貴様らぁっ!その高みで俺達をあざ笑っていたのかぁ!?」
 怒り狂う「アンノウン」は上空にいる一人の猟兵を睨みつけていた。その人物、FBSを引き続き飛行モードにさせて滞空しながら様子を窺っていた夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は彼にとって仲間を、妻を殺した敵であり黒幕の一味?であった。

(この方が統率者ですかぁ。)
 るこるは彼の意味不明な対応を見て改めて確信した。
「既に話は通じない様ですが、対処させて頂きますぅ。」
 それがわかれば話は早い、彼に必要なのは幕だ。その人生に卸す終幕を飾るべくるこるは躊躇うことなく己のコードを解き放つ!
「大いなる豊饒の女神、その『祭器』の真実の姿を此処に」
 その祝詞に応えるように彼女の周囲にある円盤…フローティングミラーコートシステムが520の数に複製させ、10ある本体を除く全てを「アンノウン」を包囲するように配置していく。
「な、なんだ?これはいったい!?」
 戸惑う「アンノウン」を閉じ込めるかのように複製FMSの大群は円筒状に配置されていき広域のバリアを展開、「アンノウン」を完全に封じ込めたのだ。
「なんだと!?まさか政府が作り上げた秘密兵器か!?ならば、焼き尽くせ!地獄の炎よ!!」
 自らが閉じ込められ帰還できないと気づいた「アンノウン」は自身の体を切り裂き地獄の炎を噴出させてバリアを焼き払おうとするが・・・・
「!!?効いていないだと!?」
 確かにバリアが一枚焼き尽くされた。だが、520ある複製FMSのバリアは何重もの層を形成しており彼の炎でも一度に全てを焼き払うことは容易ではなかった。
(ええぇぇっ!!焼いちゃうんですかぁ!?)
 一方のるこるもまた驚愕していた。いくら複製とは言え魂もなく明確な物質とも言えないバリアをあっさり焼かれるのは想定外すぎた。
「・・・まぁ、一気に決めるつもりでしたけどぉ。」
 予想以上の「アンノウン」の力を目の当たりにして即座に思考を切り替えたるこるは周囲に複製・展開していたFRS…フローティングレイシステムとFSS…フローティングシールドシステムを一斉に意図的に設けた穴…円筒状の天辺に移動させる。
「私にできるのはこれくらいですぅ・・・『骸の海』で、奥様とゆっくりお過ごし下さい。」
 彼女の合図とともにオリジナルを含めた1000を軽く超える一斉砲撃が彼を閉じ込めていたバリア諸共に「アンノウン」を貫き周囲の地形を変えるほどの大爆発を引き起こす!

「くうぅっ!まだだっ!!俺は倒れるわけにはいかない。真実はそこにあるんだから!!」
 ゆっくりと晴れつつある爆炎の中からボロボロになりながらも現れた「アンノウン」は未だに故郷に帰る意思を捨ててはおらず、その視線は故郷への道しか見えていなかった・・・・

成功 🔵​🔵​🔴​

パルピ・ペルポル
リリパットのことはほとんど把握してないからなんともだけど、もっと交流を試みておいた方がよかったのかしら。
てか、外の世界で何を見て何を報告するつもりなのか…ほとんど何も見ていないような。

はともかく引き続き迷いの森へようこそ。ギミックも知らずに怒りに任せて抜けられる森ではないからね。
再び念動力で雨紡ぎの風糸を木々の間に張り巡らせておいて、敵がかかったら穢れを知らぬ薔薇の蕾も使ってより強固に拘束するわ。
そのまま糸で締め上げて。折り鶴たちにも攻撃させるわ。

しかし人間並みに大きくなっててよかったわ。
あのサイズのままだとやりにくかったからね…気分的にも戦術的にも。




 爆炎が完全に晴れた「アンノウン」の目の前には先に遭遇した木々生い茂る広大な森が再び広がっていた・・・
「またかっ!!卑怯者め、姿を現せぇぇぇぇぇぇっ!!!」
(いや、姿見せるわけないじゃん。殺されるし・・・)
怒れる猟書家に内心突っ込みを入れるパルピ・ペルポル(見た目詐欺が否定できない・f06499)は木陰に隠れながら敵の出方を窺っていた。
(リリパットのことはほとんど把握してないからなんともだけど、もっと交流を試みておいた方がよかったのかしら?)
 今この時に至ってどうにもならないことをふと考えてみる。彼らと積極的に交流して外の世界の情報をもたらしていたら今回のような悲劇は防げたのだろうか?と。
(てか、外の世界で何を見て何を報告するつもりなのか…ほとんど何も見ていないような。)
 そこまで考えていくうちに彼らが河畔についたとたんに全滅したことを思い出し、暗澹たる思いに浸る前に振り払った。
「うおおおおおおおぉぉぉおぉおおぉぉぉぉぉっ!ふざけるな貴様らぁぁぁぁぁぁぁぁぁ亜ぁぁぁぁぁぁぁ!」
 そうこう思い悩んでいるうちに「アンノウン」は怒りを爆発させて巨大化。相当怒りをため込んでいたのか5Mを超えた大きさになり力ずくで迷いの森と化した戦場を抜けようとし、木々を蹴り倒しながら強引に突破しようとするが・・・
「かかったわね!!」
 パルピは「アンノウン」が木々を足蹴にしようとした瞬間、木々に張り巡らせていた雨紡ぎの風糸を一気に念動力で引っ張り彼の巨体を絡めとっていき
「こいつは、おまけぇっ!!!」
 ダメ押しで穢れを知らぬ薔薇の蕾を投げ放ち瞬時に伸びたツタが彼の体に絡みつき血を吸い上げ始める
「GYuwhoooooooooooooooooooooooooo!」
 堪らず苦しみ悶える「アンノウン」にパルピは折り鶴を周囲に展開させながら人知れず呟く
「しかし人間並みに大きくなっててよかったわ。」
彼女の合図とともに殺到する折り鶴が「アンノウン」の巨体を貫き吹き上がる血しぶきが巻き付く蕾を赤く染めていく
「あのサイズのままだとやりにくかったからね…気分的にも戦術的にも。」
 巨人の血を養分にした赤きバラが彼の体を墓標の如く覆い尽くしていくが・・・
「まだだっ!!まだ俺はなにも為しちゃいないんだぁあ!!」
 巻き付く糸とバラを引き千切り移動を再開する「アンノウン」だが、彼の動きに明らかな陰りが生じているのは誰の目にも明らかであった・・・・

成功 🔵​🔵​🔴​

ニクロム・チタノ
なんとか護りの蒼焔で蜜を溶かして脱出したよ
さてと、まだ帰ろうとしてるんだね?
気持ちは分かるけど帰す訳にはいかないよ!
無重力を掛けて動きを止めて慌ててる隙に斬り込むよ!
実はあんまり体力が残ってないんだ・・・
体力の続く限り敵を減らすからあとお願い
どうか他の猟兵のみんなにもチタノの加護と導きを




 蜜蝋でできた蝋人形が溶けていく、内側から噴き出た蒼炎によってーー
「何とか脱出できたよ!」
 人形の中から飛び出すのは半面の少女ニクロム・チタノ(反抗者・f32208)、蜂竜達に蝋人形にされた彼女は漸く脱出を果たし帰還を再開する「アンノウン」と対峙する。
「貴様、さっきのガキか!」
「気持ちは分かるけど帰す訳にはいかないよ!」
 悪態をつく「アンノウン」にニクロムは反抗の印を輝かせ己がコードを解き放つ!
 途端、「アンノウン」は自身の周囲に違和感を覚えた。
「!?こいつは?」
 動けないわけではない。が、移動しようとすると思わず空の果てまで浮き上がってしまいそうな違和感に彼は戸惑う。ニクロムの無重力の水晶の雨に襲われたことによるものだった。
「私が決めなきゃ!」
 反抗の妖刀を抜き放ちニクロムは「アンノウン」に吶喊、その体を切り裂き・・・・
「甘いなぁ!」
 途端、噴出した地獄の炎が回避も防御も考えていないニクロムの体を、魂を蝕み焼き始める!
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
自身の体を、反抗の意志を燃やされ彼女は絶叫を上げながらのたうち回り同時に彼女のコードによる無重力が消失し、自由を取り戻した「アンノウン」はずかずかと近づきニクロムの胸ぐらを掴み上げ睨みながら
「貴様、無重力だけで俺様の動きを封じられると思ったのか?生憎動きづらいだけで動くことはできるんだよ!防御すらせず、ユーベルコードの力押ししかできない愚か者がっ!!」
 バカにされたという屈辱に怒りを震わせ、その怒りが地獄の炎をさらに激しく燃え上がらせニクロムの心身を焼き尽くしていく。
「よく見りゃ、自身の装備すら碌に鍛えていないようだな。なら冥途の土産に教えてやろう。力だけを頼む者はより強大な力を持つ者に敗れ去るのだ!」
 確かにニクロムは地力だけなら猟兵の中でも最高峰だったがそれに反比例するかのように貧弱な装備と稚拙な戦術で戦っていた。自分より格下の敵ならどうにかなったかもしれないが相手は遥かに格上の「アンノウン」の統率個体である。
己の技能、装備、戦術を駆使して戦わなかったこの結果は必定だったのだろう。
「こんなクソガキにカイルは殺されたというのか!?ふざけるなぁぁぁぁぁぁ!カイルはなぁ、5年越しに交際していた彼女と結婚するはずだったんだぞぉぉぉぉぉぉ!!」
 ニクロムによって滅ぼされた仲間の事を思い出したのかさらに激昂する「アンノウン」の地獄の炎は更に激しく燃え上がってニクロムの体を、魂を焼きダメ押しに力任せに湖に向けて全力で放り投げる!
 だが、既に投げられる前からニクロムの体力は尽きていた・・・
(あとお願い・・・どうか他の猟兵のみんなにもチタノの加護と導きを・・・・)
 己の浅はかさで碌に足止めできなかった後悔を胸にニクロムの意識は魂ごと焼き尽くされようとしていた肉体諸共湖の底へと沈んでいったーーー

苦戦 🔵​🔴​🔴​

波山・ヒクイ
いざリーダーと思しきオブリビオンに会ったら、壊れた残渣だった事にわっちは悲しみを覚えたのだった
まぁ…オブリビオンてそういうもんじゃよね…
あっでもね、わっち一つ激おこな事があるの
今を生きる人々に遺言を、少しでも慰めの言葉を届けられる可能性を…ぶち壊ししやがったよな、オメーは!許さん…許さんぞ!

刮目せよ、わっちの変幻の術!
翼を代価に、わっちはアンノウン、キミが望む「最高の存在」となる!
それが昔の妄想なのか、夢を叶えた自分なのか、それ以外なのか…わっちには分かりません
じゃが、少なくとも目を奪われ、心理的に圧倒される存在なのは明らか
さぁ…かかってこいよ。「最高」に、武器一つで勝てる自信があるならな!




「いざリーダーと思しきオブリビオンに会ったら、壊れた残渣だった事にわっちは悲しみを覚えたのだった。」
 上空に避退していた波山・ヒクイ(ごく普通のキマイラ・f26985)が再び舞い降りてみたのは傷つきながらも故郷への帰還を続ける「アンノウン」の姿。
「・・・・・・・・」
 彼は気づいていないわけではないだろうが無視して湖の浅瀬に足を踏み入れていた。どこに故郷が位置しているかは彼女にはわからないが、これ以上進ませてはいけないのは確かだった。
「まぁ…オブリビオンてそういうもんじゃよね…あっでもね、わっち一つ激おこな事があるの」
 それまでニコニコ語りかけていたヒクイの表情が見る間に阿修羅のそれへと変貌していき
「今を生きる人々に遺言を、少しでも慰めの言葉を届けられる可能性を…ぶち壊ししやがったよな、オメーは!許さん…許さんぞ!」
せめてもの弔いを台無しにされた怒りと共にヒクイはユーベルコードを解き放つ!
「刮目せよ、わっちの変幻の術!」
 ヒクイのユーベルコードは彼女の翼と引き換えにその姿を「アンノウン」が夢見た最高のものへと変じていく・・・
「おおッ!」
「アンノウン」が思わず感嘆の声を上げる。その姿は嘗て自身が目指した最高の剣士、その一つの極致がいた。
「さぁ…かかってこいよ。「最高」に、武器一つで勝てる自信があるならな!」
「何の!最高を超えてこそ最強よ!!出でよ焼き鳥ソぉぉぉぉぉぉぉぉぉドッ!」
 啖呵を切るヒクイに対して不敵に笑いながら「アンノウン」は己が夢想する最強の武器を現出させてヒクイに切りかかっていく。
「ちょっと待て!なんじゃ、その焼き鳥ソードとかいうふざけた名前は!?」
「見た目の威圧だけで俺が止まると思ったか!?それ以外にも防御やら反撃の仕方やらちょっとは戦い方を考えてから出直して来い!」
 切りつけられ慌てて間合いを取るヒクイに尚追いすがる「アンノウン」。
結果的に足止めにはなったが、碌に反撃できず逃げ惑う羽目になったのだ・・・・

苦戦 🔵​🔴​🔴​

フラム・ストラトス
※アドリブ共闘大歓迎

何を言いたいのかわからんが、とりあえず一言。
我は魔王!雇われてではなく、己が判断で主の願いは断ち切らせてもらう!

帰りたければ帰れば良い、この合唱団を無視できるのならばな。
既に心が壊れてるような振る舞いをしておるようじゃが、まだまだ足りぬ。
本当の精神崩壊は、自我の崩壊。
聞き続ければお主は自分がなんだったのかすらわからなくなって死ぬぞ?
我を止めぬのなら永遠と聞かせるぞ?
【恐怖を与える】【悪のカリスマ】で【威圧】して、説得力を増すのじゃ。
釣れたらあとは退き撃ちならぬ退き演奏じゃ。
逃げたら追って、追ってきたら【残像】出しつつ逃げる。
付かず離れず、この破曲を永遠聞いてもらうぞ!




 ぐるぐると楽しく?追いかけっこしていた「アンノウン」は近づいた新たな猟兵の気配に気づきそれに意識を向ける。
「何を言いたいのかわからんが、とりあえず一言。我は魔王!雇われてではなく、己が判断で主の願いは断ち切らせてもらう!」
 そこにいたのは空を舞う魔王フラム・ストラトス(魔導極めし有鳥天・f31572)、彼女は高らかに告げる、お前の望みを摘み取るという容赦ない宣告を。
「貴様も俺達の帰還を阻むつもりかぁ!?そんな事させんぞぉっ!」
 その意味に気づいた「アンノウン」は追いかけまわしていた猟兵の事を瞬時に忘れ、瞬間湯沸かし器の如く怒りを沸騰させて巨大化!そのままフラムを踏み潰すべく迫りくるが・・・
「開演の時は来たれり。我が元に集え眷族よ。奏でようぞ、破滅の協奏曲を。踊れ踊れ過去の亡霊、我が指揮の下に踊れ!」
 彼女がユーベルコードを解き放つとともに荘厳な、それでいて激しい感情を叩きつけるかのような曲を奏でる楽団を乗せた小型飛行劇場が翼をはためかせて姿を現した。
「帰りたければ帰れば良い、この合唱団を無視できるのならばな。」
 彼女の厳かな宣告と共に劇場にいるセイレーンが演奏の流れる中歌い出す。心を砕く悍ましき呪いの歌を。
「う、うぎょわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
 途端、苦しみだす「アンノウン」。肥大化したエゴの塊たる彼には効くのか攻撃することすらままならずのたうち回る。
「既に心が壊れてるような振る舞いをしておるようじゃが、まだまだ足りぬ。
本当の精神崩壊は、自我の崩壊。」
 邪悪さが満ちた彼女の宣告は魔王にふさわしい威圧感を醸し出していた。
「聞き続ければお主は自分がなんだったのかすらわからなくなって死ぬぞ?
我を止めぬのなら永遠と聞かせるぞ?」
 嗜虐に満ち溢れた笑いと共に言い放った言葉が止めとなったのか「アンノウン」は血走った目でフラムを睨みつけ獣の咆哮を上げて襲い掛かる!
「そいつは残像じゃ。我はここだぞ?」
 掴みかかろうとしたフラムと劇場が霞の如く消え戸惑う「アンノウン」に揶揄うような声をかけるフラム。その声色にはまんまと罠にかかった獲物を見つめるかのような嗜虐に満ちていた。
 これ以降、「アンノウン」はフラムの策にまんまと嵌り彼女と楽団の幻影に翻弄されながら決してやまない歌と演奏のコーラスを止めようとのたうち回り続けたのであった・・・・
 

成功 🔵​🔵​🔴​

館野・敬輔
【SPD】
アドリブ大歓迎

…一体、この猟書家は何を言っているんだ?
(生真面目なので)一応、大真面目に対応はするが
猟書家であるならさっさと沈め

【魂魄解放】発動
高速移動でアンノウン達の周囲を駆け回りながら
「属性攻撃(炎)、衝撃波」を足元に連射し移動封じ
先へ進ませるわけにはいかないな

無敵なのは武器だけのはず
ならば、腕を狙って武器を弾き飛ばしてやろう
「早業、ダッシュ」でアンノウンの懐に潜り込み
至近距離から「切り込み、武器落とし、部位破壊」で武器持つ腕を狙って斬り落とす

武器を失ったら「恐怖を与える、殺気」をぶつけ怯ませ
「2回攻撃、怪力」で一気に叩き切る!
己が支離滅裂さを恥じながら骸の海へ還れ!!




 不毛なる鬼ごっこの果てに「アンノウン」はその男と邂逅を果たした。
「!!そうか、すべては貴様の計略だったのかぁ!そうなのだろう、ロおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉレンスぅぅぅウぅウぅウぅウぅ!!」彼が対峙する男は館野・敬輔(人間の黒騎士・f14505)、彼は微かに眉を顰め
「…一体、この猟書家は何を言っているんだ?」
 計略とかどうとか言っているが敬輔にはさっぱりであった。彼からすればグリモア猟兵に転移させてもらった直後に目の前に彼がいた。それだけの話なのだが・・
「一応言っておくが、俺はローレンスではない。俺は・・・・」
「違うだろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!我らは血によって人となり、人を失うのだぞぉぉぉぉぉぉ!?恐れるがいい、ロぉぉぉぉぉぉぉぉレンスぅぅぅぅぅぅ!」
 真面目に応対する敬輔の言葉を遮り、完全に発狂したかのように狂奔する「アンノウン」、彼は出会ったのだろう己が倒すべき仇敵に。
「・・・・・もういい、猟書家であるならさっさと沈め!」
 これ以上の問答は時間の無駄と判断した敬輔は黒剣を抜き放ち戦闘態勢に移り、喰らった魂を解き放つ!
「それで勝ったと思うなよ、ローレンス!出でよ、不壊神拳(アンブレイカブル・ゴッドフィスト)!」
 それに呼応するかのように「アンノウン」が呼び出した武器は漆黒の輝きを放つ手甲。
「・・・・・」
 その武器の名を聞いてなぜか眉を顰める敬輔を気にした素振りもない「アンノウン」はそれを嵌めた右手を敬輔に突き出し吼える!
「さぁ、覚悟しろ!キョウぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」
(・・・さっきと名前が違う・・)
 そんなとりとめもないことが脳裏をよぎりながら敬輔は「アンノウン」に向けて駆けだしていった!

「先には進ませんぞ、猟書家!」
敬輔は解放した魂魄を身に纏わせ「アンノウン」の周囲を高速で動き回り炎の衝撃波を次々と放つ。狙いは「アンノウン」、ではなく彼の足元!
「うおッ!内をする!?」
次々と火柱を上げて動きを阻まれる「アンノウン」彼は故郷への帰還を優先するという思考を忘れてはいない。
 それを阻止するために敬輔は最も手っ取り早い方法を選んだ。
 即ちーーー
「一気に決める!」
短期決戦!
 敵の動きが止まった瞬間を見過ごすことなく敬輔は「アンノウン」へと間合いを詰め敵の不壊神拳を右腕ごと斬り落として見せた!
「うぎょああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
 頼みにしていた武器を落とされ、更には敬輔の放つ殺気に初めての恐れを抱いた「アンノウン」は自身が後ずさりしていることに気づいていたかどうか・・・
「猟書家よ、己が支離滅裂さを恥じながら骸の海へ還れ!!」
 そして退却を敬輔が許すはずもなく返す刀で「アンノウン」を切り裂き完全に止めを刺す!
「マ、マリアぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!」
 最後に叫んだ名は誰だったのであろうか?
「・・・・・」
 最後の断末魔に何の感慨も抱くことなく敬輔は戦場を後にしていった。
 去った後に残った戦場の痕跡、それが夢追い人達の墓標だというように・・・ 

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年04月26日


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#猟書家の侵攻
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#猟書家
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#リリパット


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠文月・統哉です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト