涙が枯れた聖白のアリスナイト
●創造とは、破壊とは
創造と破壊は表裏一体、と誰かが言っていた。
愉快な仲間達の世迷言だった気もするが、彼女――シフォンはよく覚えていない。
創造したものがひっくり返って誰かを傷つける。そんなこと、あってはいけなかったのに。
とげとげしく爆発した鎧は、愉快な帽子のつばを突き破り、愉快な小鳥の羽根を千切っていった。
シフォンは三日三晩泣いていた。泣き疲れて気づいた時には、腰まで伸びる長い髪は真っ白に変わっていた。
●それが何か、見せて差し上げますわ
「もったいないですわね。意識せずとも他者を傷つけ、滅ぼすだけの想像力がありますのに」
不思議の国に現れた魔女、アネスは魔導書片手に、地べたに座るシフォンを見下ろしていた。
「あなたはその力、お使いにならないようですから……わたくしが活用して差し上げますわ。ほら……これまで見たこともないような、強大なオウガにおなりなさい!」
ひゅるん、と伸びたリボンがシフォンの心臓を貫いた。口をあんぐりと開けて折れ倒れた体に魔導書の力を与えると、華奢な体はぶくぶくと瞬く間に膨れ上がって、醜悪なオウガへと変質した。
●アリスラビリンス・2ndラウンド
「アリスナイトさんを助けてあげてください!」
ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)が視た少女は泣いていた。そして予知の光景が終わった時、ロザリアもまた涙を流していた。
「『アリスラビリンス』でシフォンさんという女の子がオブリビオンに命を狙われる、という悪夢を見ました。理由はシフォンさんの膨大な想像力……それを悪用し、オウガを生み出そうとしているんです」
殺して蘇らせるという過程を経て、シフォンは見るに堪えない姿へと変化してしまう。普段は予知をより明確に伝えるためにイラストなどを描いてくることもあるロザリアだったが、シフォンの変わり果てた姿はたとえデフォルメしても描きたくはなかった。
願わくは、それが悪夢のままで終わらんと。そのためにこの日、猟兵達が待つグリモアベースにやってきたのだ。
「オブリビオン――変化の魔女アネスは特殊なユーベルコード『メタモライブズ』というものを使ってきます。その力は超高速の狙撃……対象の心臓を貫くことに特化された殺人技です。おそらく皆さんでも戦いの中でシフォンさんを庇いきることはできません。なのでシフォンさん自身に『アリスナイト・イマジネイション』を使ってもらって、身を守っている間に皆さんが敵を倒す、という流れになるのですが……」
話がそう簡単ではないのは、今のシフォンの精神状態が不安定で、力が上手く使えなくなっているからだ。そのままではやがて不思議の国に訪れるアネスに殺されてしまうので、猟兵達はまずシフォンと接触し、彼女を励ましてあげなければならない。
「幸い、シフォンさんと少し交流するだけの猶予はあります。そこで考えたのですが……こういう時期ですし、チョコレートパーティーなど、開いてみては如何でしょうか? 不思議の国の愉快な仲間達の皆さんも、きっと協力してくれると思いますよ」
愉快な仲間達は全面的に猟兵達の味方だ。提案にはすぐ乗って準備をしてくれることだろう。
「なんとか励まして、自信を持って想像力を使えるようにしてあげてください! 宜しくお願いします!」
沙雪海都
沙雪海都(さゆきかいと)です。
不思議の国で日常を楽しみましょう、ってやつです。
●フラグメント詳細
第1章:日常『チョコレートパーティー』
もはや言うことはないです。好きにやってくれー。
とは言えあまりにも出鱈目なことは採用難しくなってくるかもしれませんが……最大限汲み取るようにはします。
シフォンはまあ12歳前後の女の子です。
アリスナイト・イマジネイションを作った時に力が暴走して、できた鎧が凶器になって仲間を傷つけてしまったようですね。
それが元で以降想像力をうまく使えなくなってしまったようです。
周りの仲間達は気にしていないと彼女に伝えてはいるのですが、如何せん自責の念が強いみたいですね。
第2章:ボス戦『変化の魔女・アネス』
アリスナイトであるシフォンを常に狙撃し続けています。
リボンをひゅっと飛ばして一突きです。シフォンが自分の力で防御しないと無理ゲーな超高速狙撃なので、第1章での頑張りが大事ですね。
アネスは積極的には猟兵の皆さんを攻撃しません。攻撃されたら仕方なく反撃するとか、その程度です。
●MSのキャパシティ
合わせプレイングはお受けできません。申し訳ないです。
でも複数採用リプレイとかは気まぐれで書いたりするのでソロ希望の方は明記しておいてください。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 日常
『チョコレートパーティー』
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POW : ビター
SPD : スイート
WIZ : ミルク
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ケイ・エルビス
「シフォンちゃんは
こんなチョコ食べた事あるかい?超美味いんだぜ♪」
お土産に持ってきたオススメのチョコ色々食いながらシフォンちゃんと
お茶会を楽しむぜ
ナッツやキャラメル
ウエハースとか
チョコに合うよな
オレはビターチョコ
オレの人生みたいな味がするな
オレは気さくで
コミュ力もある方だから交流もうまくいきやすいだろ
ロザリアちゃんから
聞いた説明通り
シフォンが過去に
仲間を傷つけてしまい
後悔してる事を聞き
オレも友達を傷つけてしまった事がある話をして
うまくいかなかった経験があるのは君だけじゃない事
友達が気にしていないと言ってくれてるなら
一緒にまた遊んで楽しい
思い出で上書き
しちゃいなよと
優しく元気づけ
慰めてあげるぜ
●友情の印は白くて甘い
「落ち込んだ時は甘いものを食べて元気を出す、それが一番なんですよ」
少女、シフォンはシルクハットをかぶった黒毛ウサギの横で、愉快な仲間達がせっせと場を整えるのをぼんやりと眺めていた。聞けば、これからチョコレートパーティーを開くと言う。
「そのパーティー、オレも混ぜてもらっていいかい?」
そこへ、大きめの紙袋を提げたケイ・エルビス(ミッドナイト・ラン・f06706)が訪れた。名も知らぬウサギへまるで旧来の親友のように気さくに話しかける。
「どうぞどうぞ、挨拶を交わせば皆仲間ですから」
「サンキュー。シフォンちゃんもよろしくな」
ケイがニカッと笑ってみせると、シフォンは上目遣いがちにぺこりと頭を下げた。
場が整い、ケイやシフォン、そして愉快な仲間達がテーブルを囲む。飲み物はアンティーク調のカップに入ったホットミルクティーが提供されていた。
「シフォンちゃんはこんなチョコ食べた事あるかい? 超美味いんだぜ♪」
愉快な仲間達がお茶菓子を運び入れる中、ケイは早速お土産のチョコレートを取り出した。ピカピカしたスチール缶やお洒落な紙箱を開ければチョコレートの展示会。次々とシフォンの目の前へ広げていく。
「見たことない、チョコなの……」
シフォンは並べられた傍からチョコレートに目移りしていく。定番のお土産チョコを片っ端からかき集めてきたもので、月、星、太陽などの天体をモチーフにしたもの、塔やビル、社などの観光スポットをモチーフにしたもの、また、ただのチョコレートだけではなく、中にナッツを混ぜ込んだりキャラメルを包み込んだり、ウエハースに薄く挟んだりしたものなどもあった。
「どれでもいいぜ、好きなのを取りなよ」
「いいの? じゃあ…………これに、するの」
たっぷり10秒は考えて、ビー玉のような球体のチョコレートを手に取った。ピーナッツを丸くコーティングしたもので、シフォンの小さな口にもころんと転がり、舌の上で溶けていく。
「甘くて……おいしいの」
強張っていた表情もとろけて、自然と頬が緩んでいく。
「んじゃ、オレはこっちの、ちょっと大人なビターチョコだ。ぁむっ……んー、このほろ苦さ、オレの人生みたいな味がするな」
試食はしてこなかったので、ケイもこれが初実食。カカオの苦みががつんと舌に効いていた。
「お兄さんの、人生……大変だったの?」
「ま、順風満帆とはいかなかったかな……。辛い時や苦しい時もあったし……友達を傷つけてしまったこともあった」
「……そう、なの」
友達を傷つけた――身に覚えのある話だった。シフォンは萎んだように俯く。
「人は誰でも間違う。だからそればかりを責めてちゃいけない。大切なのはこれからをどう生きていくかだ。友達を傷つけたなら、謝って仲直りすればいい。……友達は、許してくれているんだろ?」
「そうですぞ、我々、あれしきのことはなーんとも思っとりません」
ケイの隣に座っていた愉快な帽子がテーブルに乗り出し、宥恕の態度を示す。
「そうよそうよ、また一緒に遊びましょ?」
また近くには小鳥が飛んできて、片翼を差し出し歓迎の意を表していた。
「ほら、皆もこう言ってくれてる……だからさ、これからたくさん楽しい思い出を作って、それで上書きしちゃえばいいのさ」
ケイは溝の入ったホワイトチョコを取り、シフォンに差し出した。とびきり甘いそれは、パキンと割れば分け合える。
「……うん、頑張って、みるの……!」
顔を上げたシフォンは、陽が差したような柔らかい笑顔を見せていた。
大成功
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天宮院・雪斗(サポート)
『なせば大抵なんとかなる』
妖狐の陰陽師×ビーストマスター、8歳の男の子です。
普段の口調は「子供(ぼく、相手の名前+ちゃん、年上名前+お兄(姉)ちゃん、、おじ(ば)ちゃん等。だね、だよ、だよね、なのかな? )」、怒った時は「子供(ぼく、呼び捨て、だね、だよ、だよね、なのかな? )」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。甘えん坊で、頭撫でられるの好き、お姉ちゃんたちに甘えるのも好き。あとはおまかせ(アドリブ・行動OK)です。おねがいします!
●白雪のアリスナイト
「シフォンお姉ちゃんの髪、ぼくとおんなじだー」
ホットミルクティーをちびちびと飲んでいた天宮院・雪斗(妖狐の陰陽師・f00482)はシフォンと目が合うと、瞳をぱっと輝かせながら言った。
「あ、うん……白く、なっちゃったの……」
シフォンはばつが悪そうに答える。この白い髪は嫌な思い出の象徴だ。髪が白くなってしまってから、シフォンは鏡を見なくなった。
「そうなんだー。雪みたいですっごくきれいだよー」
「……綺麗?」
「そうですよ。前の黒髪もよかったですが、今の髪も非常によくお似合いです」
黒毛ウサギが雪斗に調子を合わせてシフォンの髪を褒める。髪に負い目を感じることなく過ごしてほしいという仲間達の想いを代弁していた。
「ぼくの名前は『雪斗』だからー……シフォンお姉ちゃんとお揃いだー! じゃあ、お揃いのー……しるし!」
雪斗はテーブルの上に並べられたチョコレートから両手でそれぞれ1枚ずつとり、左手の分をシフォンへと差し出した。取ったチョコレートは二つとも同じ。それを二人で一緒に食べて、お揃いの気分を味わいたいのだ。
「元気出して! シフォンお姉ちゃん!」
雪斗もまた、シフォンに何があったのかということは聞いている。だからこれは、雪斗なりの精一杯の元気づけでもあった。
「……うん、ありがとうね」
雪斗の温かい心に触れたシフォンは、チョコレートを受け取ると雪斗と笑い合いながらぱくっと食べていた。
成功
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第2章 ボス戦
『変化の魔女・アネス』
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POW : 魔女の怒りを買った者達
戦闘用の、自身と同じ強さの【野獣へと変身させられたアリス】と【異形へと姿を変えた王子様】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD : スリーピング・ビューティー
【魔導書から触れた者を眠りへと誘う茨】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ : 運命の赤いリボン
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【赤いリボン】で包囲攻撃する。
👑11
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●メタモライブズ
「想像力とは天性の才能ですから……類稀なる想像力は宝石のように価値あるもの」
魔導書のページがぱらぱらとめくれていく。チョコレートパーティーの会場に現れた魔女、アネスは、見た目には場に相応しいパーティードレス様の衣装を召していたが。
「ですから……その場に猟兵が居たからと言って、はいそうですか、と帰るわけにはいきませんのよ」
アネスの身長よりも長いリボンはふわふわと宙を浮いている。狙う獲物はただ一人――シフォンだ。
「さぁ、オウガへとおなりなさいな!」
魔導書のページを止めると、アネスはひゅんとリボンを走らせた。
オトハ・リュウグウ
◎アドリブ等歓迎
少し遅れてしまいましたが、何とか間に合いましたか
類稀なる想像力は宝石のように価値のある物……なるほど、良く分かります
ですが、だからこそ、貴女の様にそれを悪しき事に利用しようとする輩は許せません!
■戦闘
シフォンさんは無事に持ち直せたようですね
なら、後は想像の鎧で防げている間に敵を倒すのみですっ
ここは敵が放った茨やリボンを【水の防壁】で防ぎつつ、
刃や槍へと変化させた【水の球】で、それらを切り払いながら攻撃していきますね
物量の多さによっては攻撃を防ぎきれなくなるかもしれませんが
その時は【UC】を発動、周囲全てを薙ぎ払う水の刃の竜巻で
茨やリボンを一掃し、可能なら敵も巻き込んであげます!
●宝石のあるべき姿
「負けない、の……!」
猟兵に勇気と力を貰った。あとは自分を信じるのみ。想像から創造した鎧は全身を覆って美しく輝き、リボンの刺突を完璧に防ぐ。
「できた、の……」
「シフォンさん、無事に持ち直せたようですね」
アネスがリボンを一旦引いていったところで、オトハ・リュウグウ(幻想のアクアリウム・f20387)がシフォンと合流を果たした。
「少し遅れてしまいましたが、何とか間に合いましたか」
「ん、大丈夫、心配ないの」
白髪を揺らし、シフォンはほわんと微笑む。その様子に安堵して、オトハはアネスを見据えた。
「類稀なる想像力は宝石のように価値のある物……なるほど、良く分かります。ですが――だからこそ、貴女の様にそれを悪しき事に利用しようとする輩は許せません!」
「宝石とはただ持ち続けているだけでは意味がありませんわ。その身に着飾ってこそ……わたくしが、最高のコーディネートをして差し上げますわ!」
アネスのリボンが風を切り裂くように飛んできた。オトハは水の防壁を張ろうとしたが――速い。オトハには目もくれずリボンは一直線にシフォンを狙撃する。
それを受け切るのがシフォンの役目だった。鎧を実体化させ、突きを押し返す。衝撃までは殺しきれずに、よた、と後退るが、傷は受けていない。
オトハのことなど眼中にない、といった雰囲気だ。シフォンのオウガ化さえ果たしてしまえば終わる話。余計なものになど構う暇はない。
それは猟兵に攻撃の隙を与えている、ということでもあった。リボン攻撃をシフォンが凌いでいる限り、アネスの攻撃がオトハに向くことはない。
オトハは周囲に浮かべた水の球の形を変えて剣と槍を作り上げ、アネスに迫る。伸びたリボンへ強引に割り込んで、刃を突き入れる。
「――! 邪魔ですわよ!」
攻撃がリボンへ向かってきたところでアネスはようやくオトハの存在を敵と認識し、リボンの方向を操作した。宙を跳ねたリボンが刃を飛び越えていた。
「――お眠りなさい」
アネスはリボンを背後に逃して飛石の上を渡るように巡りながら、魔導書から茨を召喚した。噴水のように一度上方向へと伸びた茨はぐにっと角度を変えてオトハを空襲する。
今度こそ、オトハは水の防壁でアネスが放った茨を受ける。強か打ち付けられた茨は重かった。水が冠となって弾けるが、茨の棘は水の薄膜一枚分、届いていない。
茨は魔導書のページから次々飛び出して、スコールのように襲い掛かってくる。オトハは水の防壁を修復しつつ、剣と槍を駆使して茨を斬り落としていった。勢い余った茨の切れ端が後方へ飛んでいくのに目もくれず、アネスとの距離を詰めていく。
「ちょっと危ないけど……」
どちらが早いかの賭けだった。捕まえるか、捕まえられるか。オトハは水の武器を球に戻して茨の波へ突っ込んでいく。
「水の刃よ、お願い!!」
水は応え、オトハを中心に激しい水流、渦を作った。高速回転する水は刃となり、突き込まれる茨を悉く断ち切っていく。
「……茨よ、上に――」
「させない!」
アネスは茨の方向を変えて竜巻の死角を突こうとしたようだが、それより早く竜巻の暴風域がアネスを飲み込んでいた。
「ぁああぅんっ!!」
すらりと伸びた足が、膨らんだ袖に覆われた腕が、水の刃によって切り刻まれ、体は宙高く舞い上げられた。人形の体のような細身を弄んだ水は最後にアネスを地面へ吐き出し、また大人しい水の球に戻る。
「んぎゅっ!! く……やります、わね……」
ボロ雑巾のように捨てられたアネスは濡れて半分千切れたページを一思いに破り捨て、傷ついた体を苦しげに起こしていた。
大成功
🔵🔵🔵
吾喜内・来世(サポート)
「情けは人の為ならず! 困ったときはお互い様だ!」
女性的な身体に男性的な言動、陰鬱な外見に陽気な性質を持った桜の精です。
善意と正義感に従い、世の不条理や他人の不幸を掃う為に行動します。
心根が素直な為、敵の言葉に迷ってしまうこともありますが、事件解決という目的は忘れずに遂行しようとします。
「祖なる桜が一柱。請いて願いて奉る」
ユーベルコードは状況に応じて使い分け、攻撃と防御はそれ任せです。
本人は援護や救助の役割を主に担当します。装備の薬からその場面で最適なものを選び、自分や味方、敵にすらも服用させます。
アドリブや他者との絡みは大歓迎です。
やりやすいように、自由に動かしてください。
エウトティア・ナトゥア(サポート)
※アドリブ・連携歓迎
負け描写、引き立て役OK
キャラを一言で言えば、なんちゃって部族じゃよ。
精霊と祖霊を信仰する部族の巫女をしておる。
自然が好きなお転婆娘じゃ。
あとお肉が大好きじゃよ
活発で単純な性格で事の善悪にはあまり興味はないのう。
自分とその周囲の安寧の為、オブリビオンが害になるから戦っておる。
専ら【巨狼マニトゥ】に騎乗していて、移動や回避・近接戦闘等は狼任せじゃよ。
ボス戦時は、動物や精霊を召喚しての行動(実は未熟ゆえ精霊や動物たちにフォローされている)で数で対抗しつつ、自身は後方で弓矢や術で援護するスタイルじゃ。
蒼月・暦(サポート)
デッドマンの闇医者×グールドライバー、女の子です。
普段の口調は「無邪気(私、アナタ、なの、よ、なのね、なのよね?)」
嘘をつく時は「分かりやすい(ワタシ、アナタ、です、ます、でしょう、でしょうか?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
無邪気で明るい性格をしていて、一般人や他猟兵に対しても友好的。
可愛い動物とか、珍しい植物が好き。
戦闘では、改造ナノブレード(医療ノコギリ)を使う事が多い。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
ティー・アラベリア(サポート)
家庭用人形ティー・アラベリア。ご用命を受け参上致しました!
あの敵はどんな攻撃をしてくるのかな?どんな弱点があるのかな?
とっても、とーっても楽しみですね!
・基本行動
他の猟兵をサポートするように行動します。
魔導波探信儀(偵察・第六感・地形利用)で敵を分析し、92式魔杖(制圧射撃・砲撃)を用いた火力支援で他の猟兵が攻撃・防御する隙を作り出します。
必要に応じて90式魔杖(貫通攻撃・スナイパー)を使用した対装甲戦闘、95式魔杖(対空戦闘・一斉発射・誘導弾)を使用した対空戦闘も実施します。
・UC使用
火力が必要な場合:砲撃妖精突撃射撃
弱点を探す必要がある場合:斥候型妖精召喚
※アドリブ・連携歓迎です※
●眠りの茨の魔女
4人の猟兵達が不思議の国を猛進していた。此度の作戦においては後追いの支援組。事件の成り行きについてはグリモア猟兵の予知外のため、一刻も早く駆けつけなければならなかった。
「んんん? チョコレートパーティーとやらはもう終わってるのかい?」
「そのようじゃな……奴さんがもう来ておるわ」
吾喜内・来世(サクラキメラ・f22572)が遠目に人影を見る。二手に分かれて対峙して、今、倒れていた片方が起き上がろうとしているようだった。
横には巨狼マニトゥに騎乗し駆けるエウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)が居た。もしかしたら――という気持ちが心の隅にほんの少しだけ。口には出さないが、わずかに寄った眉間の皺に見て取れた。
「女の子をしつこく追いかけ回すのはいけないことだって、教えてあげないといけないの!」
「そうでございますねえ……しかし、その魔女が持つユーベルコードは他に類を見ない特殊なものとのこと。一度だけでも拝見したく……」
ナトゥアのまた隣には蒼月・暦(デッドマンの闇医者・f27221)が改造ナノブレード片手にトコトコ走っている。他よりちょっと小さい体でぷんすかぷんすか。アネスへの怒りを露にする横ではティー・アラベリア(ご家庭用奉仕人形・f30348)が少し悩ましげに目を伏せる。
アネスの能力には心惹かれるものがある――が、それはシフォンを危険に晒しかねない。できたら件のユーベルコードを1回空撃ちなど、と自分でも無意味と分かる願いを頭の中で巡らせていた。
アネスもまた駆け込んでくる4人に気付いたようで、苦々しく表情を歪ませていた。やることは変わらないとは言え、邪魔が増えればそれだけ遂行に支障をきたす。
「とりあえず、じゃ」
そのタイミングでエウトティアが他に声を掛け、巨狼の足を速める。
「わしがちょいと突いてくるから、その隙に強烈なのを見舞ってやるのじゃ」
「おっと、そういうことなら僕も行くよ! 祖なる桜が一柱。請いて願いて奉る――」
4人は自然に三方へ分かれる。先陣を切るエウトティアに、後方から隙を伺う暦とティー。そして来世は広い場所へ離れていくと、来世の身長の2倍は優に超える樹木の龍が召喚された。来世を背に乗せて、地面から這い出たかのように空高く天を衝き、アネスを眼下に認めると頭から突進する。
「何ですの!? 次から次へと……!」
アネスは魔導書の新たなページを開き、新しい茨を召喚し前方へ一気に拡散させた。地と天を同時に眠りに落とす茨がうねうねと泳ぎ出す。
「食らうでないぞ! マニトゥよ!」
巨狼は左右へ反復するように大きく跳び、叩きつけられる茨をうまく回避していく。茨には眠りの作用もあるが、単純な物理としても一つ受ければ吹き飛ばされそうな脅威を帯びていた。
「同じ『植物』なら……力の強いほうが勝つ! よね!」
樹木の龍は茨へ真っ向からぶち当たる。その身に棘が刺さり引き裂こうとも、巨躯に物を言わせて突き進んでいた。
茨とは所詮蛇である。蛇は龍には勝てない――という飛躍論理が、どういうわけかこの場では正常に機能していた。催眠を物ともせず、龍はアネスへ接近すると急反転する形で太い尾を振り回して、その体を茨ごとぶん殴った。
「な――ひぎぃ!!」
足元から掬い上げられるように宙へ打ち飛ばされたアネス。変な軋み音を上げた体は激痛と共に流星の如く。
「どれ、流鏑馬といくかのぅ!!」
エウトティアは巨狼の上から手製の短弓を取った。各々逆方向へ進んでいるため、狙える時間は僅か。アネスの行き先へ矢尻を置くようにひゅっと一矢射ると、見事、魔導書を手にした左腕に突き刺さった。
「あぐ――あぁ!」
腱が切れたか、ぷらんとだらしなく開いた手の中から魔導書が落ちていく。
「天罰なのー!!」
矢に射られてまた変な回転が加わりながら落ちていくアネスに、ジェットエンジンを装着した暦が猛然と迫っていた。水平と放物線が交わる時、改造ナノブレードが宇宙の誕生、ビッグバンの如き輝きを放つ。
アネスの右足がぽーんと高らかに飛んでいた。本体は下だ。解体の切れ味は大理石のように滑らかで鋭い。
「――あぐっ!」
受け身が取れず、アネスは全身を地面に強打して転がる。魔導書と右足を奪われ、もはやこれまでに見えた――が、執念はオブリビオンとて生かす。
「なんと、しても……オウガ、ブラッドに、は……オウ、ガ、に
……!!」
他人事のようにふわふわ浮いていたリボンはアネスの命の貴重な一欠片を燃料に放たれていた。猟兵の数がどんなに増えようと、一瞬さえあればシフォンの命を奪いにいける。
誰もそれを止められない――無敵の鎧を持つ、シフォンを除いて。
「何度やっても、無駄、なの……!」
シフォンは鎧をさらに強固に作り上げ、リボンを受け、弾いていた。力を失ったリボンは鎧に反射して上へと跳ね出される。
「確かに……拝見させていただきました、アネス様」
ティーは確と見た。超高速狙撃ユーベルコード「メタモライブズ」。本人の予備動作はまるでなく、ただリボンが弾丸の如く飛び出していく。さもそれが命を持ったかのように。
そして、ティーにとって魔女アネスはもう用済みであった。
「では……お休みなさいませ。よい夢を――」
ティーの背後に控えていたのは小型の戦闘用魔導砲撃妖精。無数、と言っていいほどに大量の妖精が、一斉に、アネスという一点へ砲撃した。
個としては決して秀でたものではない火力を、数が余りあるほどに補っていた。砲撃した次の瞬間にはその場に巨大なキノコ雲が立ち昇り、アネスは爆炎と黒煙に呑み込まれた。
悲鳴はあっただろうか。少なくとも、その場に居た者達は耳にしていない。砲撃の爆音が轟きすぎたせいかもしれないし、悲鳴を上げる間もなかったからかもしれない。
真相は闇の中――いや、煙の中。
晴れた時には手品のように、魔女の姿は消滅していた。
成功
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