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おいでよ!あにまるおぶりびおん温泉

#サムライエンパイア

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#サムライエンパイア


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 サムライエンパイア、その何処かに、山あいに建てられた趣のある温泉旅館があった。高所から望む風光明媚な大パノラマの景色と、様々な薬効を秘めた心身共に安らぐ露天温泉が特徴的な、ちょっとした隠れた名所である。今日も、そんな話を聞き付けたお客で温泉は人で一杯になっていた。
「……くまぁ……」
「……ふしゅぅ……」
 訂正。いまや温泉は、大量の熊達と、見上げるほどに巨大な鯨で一杯になっていた。それも、ただの動物達ではない。世界を滅亡へ導く過去からの侵略者、オブリビオンである。今日も彼らは現在を破壊すべく、温泉旅館を崩壊へ導こうと……。
「……くぅまぁ~~……」
「……ふっしゅぅ~~……」
 していなかった。熊達は緩みきった顔で温泉の縁にだらしなく寄りかかり、巨大鯨も吸い上げた温泉を、シャワーのように呑気に振り撒いていた。そこにいるのは、最早破壊の権化などではない。ただのゆるゆるな動物集団である。
 今日も、世界は平和であった。完。

「いや、そんな訳ないでしょ。」
 思わずいつもの調子を忘れ、冷徹にツッコミを入れるアイリーン。コホン、と一つ咳払いすると、改めて彼女は周囲の猟兵達に向き直る。
「皆、先の大規模戦争、お疲れ様。これでどうにかあの世界は一旦の平和を手に入れられたようだけど、引き換えに皆も相当疲労が溜まっているみたいね。」
 見れば、周囲はアイリーン含め、どこか疲れきったような、やつれているような者もちらほらと見受けられていた。
「そんなあなた達に朗報よ。どうやらサムライエンパイアに、オブリビオンが出たらしいの。」
 それのどこが朗報なのか、と訝しげな雰囲気の猟兵達に対し、アイリーンは続ける。
「今回彼らが現れたのは、山奥の温泉旅館。そこの露天風呂を、どうやらオブリビオンの一団が占領しているらしいのだけれど……現出する時に不具合があったのか、単に温泉でリラックスし過ぎたせいなのか、一般的な個体に比べて、凶暴性も攻撃性も皆無、防御力も著しく低いの。」
 要するに、弱い。どれほど非力な猟兵でも、軽く小突く程度で撃破、あるいは有効打が与えられるほどだ。
「とはいえこのまま放っておいても、戦闘経験のないお客にとっては脅威に感じるだろうし、旅館にも迷惑がかかるわ。だから皆には、温泉を楽しむ片手間、オブリビオン達を退治してきてほしいの。」
 ゆったりと浸かりながら大自然を眺めるも良し。仲間達と和気藹々としながら楽しむも良し。気が向いたら、オブリビオン達と戯れてみるのも良し。敵を退治さえするのなら、終始のんびりしながら過ごせる依頼というわけだ。
「それじゃあ皆、依頼の完遂と……楽しい慰安旅行になる事を祈るわ。」


橘田華佗雄
 六度目まして、橘田華佗雄です。銀河帝国との戦争、お疲れ様でした。今回はちょっと戦闘疲れした方向けに、箸休めになるようなシナリオをご用意しました。
 以下、ちょっとした補足になります。

●敵について
 オープニングにもある通り、このシナリオに登場する敵は他のシナリオに比べ、めちゃくちゃ弱くなっています。極論、『攻撃』の二文字を入れるだけで大成功できるほど。敵のUCによる攻撃も、ちょっとしたじゃれ合い程度にまで弱体化しています。
 逆に、退治する意思が一切見られない場合は厳しい判定になりますので、ご了承下さい。

●戦場について
 山奥にある温泉旅館、そこの露天風呂が舞台になります。眼下には雄大な自然、上空は一面に広がる見晴らしの良い景色と、美容健康療養発育開運その他諸々の効果があると言われている混浴露天風呂が目玉と言われています。
 湯煙が仕事をしてガードしてくれるため、裸を他人に見られることはありませんが、気になる方はタオルや水着の着用をお勧めします。あと、ちょっとしたじゃれ合い位なら問題ありませんが、過度なえっちぃ行為は基本NGです。
 また、章により時間帯が変化、主に以下の様な風景を楽しむ事が出来ます。
 第1章……日中、見晴らしの良い渓谷を見渡せます。
 第2章……夕方、綺麗な夕焼けを眺められます。
 第3章……夜、綺麗な満天の星空を見られます。

 今回はほぼ戦闘なし、全体的に緩く楽しむことの出来るシナリオとなっています。
 それでは、皆さんの参加を、心よりお待ちしてます!
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第1章 集団戦 『もりのくまさん』

POW   :    もぐもぐたいむ
戦闘中に食べた【鮭 】の量と質に応じて【全身の細胞が活性化し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD   :    たべちゃうぞ! 
【ある日、森から 】【現れた熊が】【かわいい顔に似合わぬ鋭い爪の斬擊】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
WIZ   :    みんなあつまれー!
【くま 】の霊を召喚する。これは【くまぱんち】や【くまかみつき】で攻撃する能力を持つ。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

久留米・圓太郎
な、なんだって?
何かオブリビオンが、温泉を襲ったまでは良いけど、
気持ちよさに骨を抜かれてグダってるので、このままじゃ営業できないので
ちょっと追っ払って欲しい、ということで良いんだな?

よし、それじゃ俺も行くぜ。

それじゃ、数には数だ!
【サモニング・ガイスト】で古代戦士を呼んできて、槍でぱかーん!と
殴って追っ払おう。
(しかし、かくいう古代戦士も、連戦で若干の疲労の色が見えるので)
「わーかったって!追っ払うの完了したら、温まっててもいいから!」

俺は、(尻尾や耳に生えてる)猫の毛の抜け毛がちょっと心配なので、
洗い場で銭湯、もとい戦闘する格好にしておく。
「壺湯あるか?あるなら俺はそっちにしておくわ!」


ルク・フッシー
温泉に入る…前に、この光景を絵に描いておきたいルクくん
青空の下の綺麗な渓谷と温泉、そして鯨と熊、熊、熊…
「かわいい…(にこにこ)」※動物好き
「あっ、魚食べてる…かわいい…(にこにこ)」「あっ、熊が増えた…かわいい(にこにこ)」

描き上がったらお待ちかねの入浴。あ、全裸希望。
「ふぅ…ぷはぁ…(うとうと)」
ルクくん、ますますつるぷにになっちゃいます
「あっ、お魚くれるんですか?ありがとうございます…(頭からもぐもぐ)」
ちなみに竜派ドラゴニアンなので骨ごといけます

「あっ、熊にかみつかれちゃった…かわい…」
「た、食べないでくださーい!」
絵筆(大)でひっぱたきます。ごめんね。
【アドリブ、絡み歓迎します】



「えぇと……何かオブリビオンが、温泉を襲ったまでは良いけど、気持ちよさに骨を抜かれてグダってるので、このままじゃ営業できないからちょっと追っ払って欲しい、ということで良いんだな?」
 露天風呂に一番乗りで到着早々、久留米・圓太郎は、今回の依頼の趣旨を改めて確認する。それはそうだ。正直、ここまで気の抜けるような依頼は、そうそうお目にかかる様な事はないだろう。念のため、彼は近くにいた猟兵に声をみた。
「はぅ!……そっ、そう、だと、思います……」
 それに応えたのは、たまたま側にいたルク・フッシーであった。が、生来の臆病さに加え、人見知りな所もある彼は、思わずおっかなびっくりな対応を取る。
「おっと、驚かせちまったか?」
「い、いえ!だ、大丈夫、です、よ?」
 一瞬の間の後、互いに少しはにかむ二人。旅は道連れ世は情け。こういった所でのこのような交流もまた、旅の醍醐味の一つであろう。そして圓太郎は一旦の別れの挨拶もそこそこに、真っ先に洗い場で急いで最低限体を洗い上げると、持ち込んでいた露天風呂環境にも完全対応した戦闘服を着込む。これで、彼の猫毛が温泉に散らばるような事態は避けられるはずだ。
「それじゃ、数には数だ!」
 言うが否や、圓太郎は目の目に魔方陣を展開すると、炎槍を携えた古代戦士を呼び出す。これまで数々の戦いを乗り越えてきた、半ば相棒ともいえる存在。とりあえずのノルマを果たすべく、圓太郎は彼に指示を出し、熊達を次々と場外へ打ち出していく。
「くぅーーまぁーー……」
 ぱっかーんといい音を響かせながら、場外ホームランされては消えゆく熊達。これならいい調子だ、と圓太郎が楽観している中、ふと、相棒がその手を止め、こちらを振り向く。すると。
 入りたいアピールをしていた。もう疲れたから、めっちゃ温泉に入りたいアピールをしていた。折角なんだから、こんな事してないで温まって行こうぜ、兄弟!的なアピールをガッツリしていた。
「わーかったって!追っ払うの完了したら、温まっててもいいから!」
 そんな相棒の挙動に若干呆れつつも、圓太郎は改めて指示を飛ばし、付近の熊達を次々とお星さまに変えていった。
 一方、ルクは画材一式を開き、目の前に広がる光景を手元にしたためていた。何処までも澄み渡る青い空。緑が映える美しき渓谷。湯煙で白く覆われた温泉。そして、見渡す限りの愛らしい、熊、熊、熊……少し離れた所には、彼らのリーダー格と思しき鯨の姿も見える。
「かわいい……」
 彼にとって、目の前の光景はさぞ素晴らしいのだろう。特に動物好きな彼としては、熊達の一挙手一投足がとても愛おしく感じられる。
「あっ、魚食べてる……かわいい……」
 どこからか取り出した鮭をモグモグタイムしている様子や。
「あっ、熊が増えた……かわいい……」
 いつの間にか呼んでいた熊の霊とワチャワチャしている様子を見る度、ルクの顔もまた、にこやかな面相を見せる。
「ふぅ……こんな、ところかな……?」
 そしてようやく満足いく絵を描き上げると、ルクは生まれたままの姿になり、湯煙によるナイスセーブに護られる中、楽しみにしていたお風呂タイムを堪能し始める。
「ふぅ……ぷはぁ……」
 全身を包む暖かい湯に、思わず腹の底からいい声を上げるルク。やがて温泉の薬効の影響か、元から愛らしかった玉のようなお肌、もとい鱗が、心なしかつるっつるのぷにっぷにになっていっている、ような気がする。そしてあまりの気持ち良さに、思わず睡魔に憑りつかれそうになるも。
「あっ、お魚くれるんですか?ありがとうございます……」
「くまっくぅ……」
 いつの間にか隣に腰掛けていた熊から、鮭をプレゼントされる。早速、ルクは熊からの贈り物を食していく。
「では……いただきます……」
 ところで、こんなマスコット的な容姿の彼だが、これでも一端のドラゴニアンである。それも竜派の。当然、その噛む力は絶大であるため、鮭丸ごと一匹だろうと骨ごといけるのだが。
「もぐもぐ……」(バリィ!ボキボキ!バキィ!)
 可愛らしい咀嚼音とは別に、実にワイルドな音も響かせるのだった。そして自身のモグモグタイムを終え一息つくと同時、ルクは頭に違和感を覚える。
「あっ、熊にかみつかれちゃった……かわい……」
 どうやら寝ぼけて鮭と間違え、うっかりルクの頭をカプリッ、としてしまった熊。そんな様子すら愛おしく思うルクだが、それも甘噛みの段階までならなのであろう。
「た、食べないでくださーい!」
 食べるよ! とでも言いたげに、その噛む力を次第に強めていく熊。流石に命の危機とあればか、ルクは愛用の特大絵筆を手に取ると、熊に向かってペシペシと何度も引っ叩いていく。
「あぅ……ごめんね。」
 やがてその姿が湯煙に消え、過去へと還っていく熊。ほんのちょっとだけ罪悪感と寂しさを感じるルクだが、そんな彼に近づく影があった。
「あれ、もしかして……」
 圓太郎の呼び出した古代戦士だ。どうやら一仕事終え、ひと風呂入る事が叶ったようだ。そして、見ればすぐ近くでは同様に圓太郎が一人サイズの湯船――壺湯を堪能しているようだ。
「ふぅ……やっぱ、風呂はいいなぁ……心から安らぐぜぇ……」
 それぞれなりに依頼をこなしながらも、しっかりと温泉を堪能する猟兵達。だが、彼らの休息の日は、まだまだこれからだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

フォートナム・メイソン
オデット(f04351)と参加

くまー!
ボクも鮭食べたい!1匹ちょうだい!

■行動
[スパイダーウェブ]【怪力】【ロープワーク】でくまの鮭を奪うよ!
1匹奪えたら、後はハンマーで殴って終わらせるね

調理場行ってオデットに焼いてもらうの!いっぱい食べるよ!
お腹一杯になったらおんせん行くね!
大きいお風呂!泳いでいい?何でおんせんの効果がいっぱいだと嬉しいの?
何でタオル巻くの?何でー?変なのー!

また頭ワシャワシャしてくれるの!?わーい!
ボクもワシャワシャしてあげるね!……いらない?じゃあ、背中洗う!皆やるって言ってたよ!
後、お風呂から出たらこーひーぎゅうにゅう飲んでたっきゅうするんだって!
もっと遊ぼうね!


オデット・クレイトン
フォムと同行(f06179)

何か緩い敵ですね
まぁ、のんびりする分には良いのでしょうか?

さて、【血の猟犬】を放って敵を攻撃
雑魚ならこの子達で問題ないでしょう

え、鮭食べたい?ちょ、調理場ありますかね?
無ければその場で捌いて焚き火して焼く羽目になるんですが
うん、勝手に食べてどうぞ……あ、私はいらないです

気持ちを入れ替えて温泉に行きますよ!
フォムからの質問は適当に答えつつ、さっさと体洗いましょ
はいはい、頭洗うのね……私はいいです。力の限り頭をシェイクされそうなので
背中洗いたいんです?力加減とか大丈夫?生皮剥がされない?
コーヒー牛乳も卓球もしてあげるから背中を洗おうとするの止めなさい!痛いから!痛い!



「何か……緩い敵ですね。まぁ、のんびりする分には良いのでしょうか?」
 風呂場を覗き込むなり、オデット・クレイトンは目の前の光景に脱力せざるを得なかった。腹を上にして、ぷかぷかとだらしなく浮かんでいる熊。のぼせ上がったからなのか、床でごろんと寝転んでいる熊。もう、だらけたくまだらけである。これには彼女も気が緩む他ないだろう。
「わーい! 大きいお風呂だー!」
 対照的に、同行者であるフォートナム・メイソンのテンションは爆上がりであった。このような公衆浴場というものが初めてなのだろうか、目に映るもの全てが興味をそそられ、その眼は好奇でキラキラと輝いていた。
「くまー! ボクも鮭食べたい! 1匹ちょうだい!」
 まぁ、食い気も大なり小なりあるようではあるが。
「さて……とりあえず、最低限の仕事はしましょうか。雑魚ならこの子達で問題ないでしょう。」
 相棒のはしゃぎっぷりに若干呆れつつも、オデットは一応の本来の目的である熊退治のため、ユーベルコードを発動。どこからともなく、十匹ほどの猟犬達を喚び出す。唸り声をあげ、滴る血のように赤い体を震わす猟犬達。彼らはオデットの合図の元、近くにいた熊達を追い掛け回し始める。
「ごーごー、わんこ!」
「ばうぅ! わうわう!」
「くまっ!? くまくまぁ!?」
 フィルターを通してみれば、それはきっと、いぬさんとくまさんの楽しい追いかけっこに見えるだろう。実際は、そこまでほのぼのとした光景とは言えなさそうだが。ともあれ、これで彼女の分のノルマは達成されただろう。一方。
「だーかーらー! ボクにもちょうだいってばぁー!」
 フォートナムはというと、ズーポッド006から取り出したガジェット、スパイダーウェブ051で蜘蛛の巣状のワイヤーを放出し、巧みな縄裁きと豪力を駆使しながら、熊から鮭を拝借していた。ようやくお目当てのものを手に入れたフォートナムは、哀しいかな、用済みとばかりにウォードッグ001で彼方へと吹っ飛ばしていく。
「くぅーーまぁーー……」
 ナイスショット。そしてフォートナムは、先の鮭を担ぎ、相方たるオデットの元へと赴くと。
「ねぇねぇオデット、これ、焼いてくれる? いっぱい食べたいの!」
「え、これ、食べたいんですか?……しょうがないですね、フォムは。」
 フォートナムの突飛なお願いに頭を痛めつつも、オデットが旅館の調理場を特別に借り受け、特大丸ごと塩焼きをささっと焼き上げる。
「それじゃ、食べてどうぞ……あ、私はいらないです。」
「そう? それじゃ、いただきまーす!」
 それなりに大きいはずの鮭を、あっという間に平らげるフォートナム。満腹になると、今度は先程の温泉へと踵を返し、一瞬で服を脱ぎ払いながら一直線に向かっていく。湯煙がフォートナムのために大忙しの中、追いついたオデットもまた、気持ちを切り替え、バスタオルを纏って温泉を楽しもうとしていた。
「大きいお風呂! 泳いでいい? 何でおんせんの効果がいっぱいだと嬉しいの? 何でタオル巻くの? 何でー? 変なのー!」
「はいはい、広いですね、泳いだらだめですよ、いっぱいなのはいいでしょ、そうねへんですねー。」
 フォートナムの怒涛の質問攻めに的確かつ適当な返事をしながら、さっさと体を洗うべく、オデットは落ち着きのない彼女を洗い場へと誘導する。
「また頭ワシャワシャしてくれるの!? わーい! ボクもワシャワシャしてあげるね!」
「……私はいいです。力の限り、頭をシェイクされそうなので。」
 グリモアが無くとも容易に予知できる未来に一瞬戦慄しながらも、どうにか躱そうとするオデット。
「……いらない? じゃあ、背中洗う! 皆やるって言ってたよ!」
「え、背中洗いたいんです? 力加減とか大丈夫? 生皮剥がされない?」
 だが、現実は非情である。すかさず代替案を出し、返事を待つ間もなくフォートナムはオデットの背中洗いを始める。そして、フォートナムのテンションに比例するかのように、垢すりの手もヒートアップしていく。
「あとあと、お風呂から出たら、こーひーぎゅうにゅう飲んで、たっきゅうするんだって!」
「分かりました。分かりましたから、コーヒー牛乳も卓球もしてあげるから、背中を洗おうとするの止めなさい! 痛いから! 痛い!」
 背中の危機を感じ、相方を強制静止させるオデット。とりあえずは収まったものの、フォートナムのハイテンションぶりは収まる所を知らない。
「ねぇ、オデット。もっと、遊ぼうね!」
「……はいはい。いいですよ、ファム。」
 温泉旅行は、まだまだ始まったばかり。これからの騒がしい休日を前に、オデットは幾分かの気苦労と、少しの楽しみを感じつつあった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ポク・ョゥョゥ
温泉だーやったー
ぽかぽかしよー

あのねーお友達も入れるかなー
ぱくって言うのー良い子だよー
ありがとー一緒に入ろー
あー。その前に体洗わないとー

ぽくね、泡好きー
いっぱい泡立てるよー泡ぱんだだーあがめよー
くまたん達もあわわするー?
ぱくと一緒に綺麗にしちゃうぞー
お手手でドーナツ作ってー泡くっつけてふーしたらシャボン玉だー
たのしー

ざっぱん流して入ろうねー
ゆっくりちゃぷんーの、あったかーぃ
くまたん達もあったかそーだねー
みんなでぺったりくったりー…はっ
そうだー倒さなきゃーごめんねー
のびーるぽくのお腕で攻撃だーぽくぱーんちー

なむなむーとおてて合わせて寛ぐよー
景色も綺麗だねー
ぱくー、今度このお空を飛んでお散歩しよー


神威・くるる
温泉。ええねぇ、温泉。
戦争で疲れてもーたさかい(※戦闘は召喚した猫ちゃん任せなので本人は苦労してません)
敵さんサクッと倒して温泉いただこかな

乙女やさかい肌をあんま見せるんも恥ずかしいし(※普段の衣装は恥ずかしくない)
一応水着を着てこ

さぁ、よぉけ働いてくれた猫ちゃんもお風呂入って――
あやや、お湯が嫌で逃げたしてもーたわぁ

パニックになった猫ちゃんがうっかり熊さん引っ掻いてもーたら堪忍え?



「温泉だー。やったー。ぽかぽかしよーっ。」
 ウキウキとその身体を文字通り弾ませながら、ポク・ョゥョゥは軽い足取りで浴場に足を運ぶ。流石に浴場には持ち込めないからか、普段のふわもこなパーカーを脱ぎ去り、パッと見は真っ黒なパンダみたいな本来の姿を見せていた。
「もーいーかな? ぱく、おいでー。」
 そして周囲の安全を確認すると、お友達であるまっしろドラゴン、パクを何処からともなく呼び出す。折角の旅行なのだ、出来る事なら大切な人と過ごしたいと思うのは、当然である。早速、二人で温泉を味わおうとするが。
「あー。その前に体洗わないとー。」
 お風呂に入る前には、ちゃんと綺麗にしなきゃ。そう思い直し、ポクはパクと連れ立って洗い場へと向かっていった。
「温泉……ええねぇ、温泉。」
 そして神威・くるるも、露天風呂独特の空気にじんわりとほだされていた。一応、『乙女やさかい、肌をあんま見せるんも恥ずかしいし』とのため、黒を基調とした和服風水着に着替えているのだが、正直、裸よりマシとはいえ、下手な水着より普段の衣装のが際どいという事は突っ込んではいけない。
「戦争で疲れてもーたさかい、敵さんサクッと倒して……の前に、温泉いただこかな。」
 しなやかな躰をんっと伸ばし、とりあえずはと温泉を楽しむべく、くるるはかけ湯を浴びに向かう。所で、彼女の基本的な戦闘スタイルは召喚した猫たちによるものばかりなため、実の所本人は対して疲れるようなことはしていない、という事は突っ込んではいけない。
「ぽくね、泡好きー。いっぱい泡立てるよー。」
 一方、洗い場にいたパクは、大量のボディソープを泡立てると、自身やパクに乗せたりすることで泡遊びに興じていた。
「泡ぱんだだー、あがめよー。」
 いつものふわふわ上着でなく、あわあわを全身に纏った愛らしい姿になったポク。そして多分、この『あがめよー』は本来の意味の方なのであろう。そんなこんなしているうち、彼らの元に思わぬ来客が現れる。
「あー、くまたんだー。くまたん達もあわわするー? ぱくと一緒に綺麗にしちゃうぞー。」
 なんだか楽しそうなのを嗅ぎつけたのか、続々と寄ってくる熊達。ポクもそんな彼らを笑顔にしようと、小さな手で輪っかを作ると。
「お手手でドーナツ作ってー、泡くっつけてふーしたらー……シャボン玉だー。たのしー。」
 気付けば、辺りは石鹸シャボン玉でいっぱい。うっかりその鋭い爪で割ってしまうやんちゃ者がいたりもするが、どの熊達も、その光景に満足しているようだ。
「それじゃ、ざっぱん流して入ろうねー。」
 そして自分とパクの泡を綺麗に洗い落とすと、いよいよ本命である露天風呂へと向かう。
「ゆっくりちゃぷんーの、あったかーぃ……」
 じっくりと体を落し、湯船に浸かるポクとパク。温い心地が、全身の隅々をじっくりとほぐしていく。
「くまたん達もあったかそーだねー。」
 気付けば、先の熊達も一緒になって風呂を楽しんでいた。見れば、端の方でぐでっとだらけているもの、どこからか取り出した鮭を肴に一杯やっているものと、実にフリーダムな過ごし方をしている。
「ほなら、一緒してもええか?」
 それに更なる来客として、かけ湯を終えたくるるも現れる。ほんわかと無言でポクが頷くと、陶磁のように滑らかなすらりとした脚を先に湯に入れ、遂にその程よくしまった躰体を全て収める。
「みんなでぺったりー、くったりーだねー……」
ブラックタール、ドラゴン、ネコっぽい少女、そして熊達。珍妙な組み合わせではあるが、ほっこりした表情を誰もかれも浮かべているともなれば、実に微笑ましい光景である。
「さぁ、よぉけ働いてくれた猫ちゃんもお風呂入ってー。」
 そしてくるるがふと思い立つと、3m近い巨体を誇る黒猫を召喚。労いのため、一緒になって湯に浸かろうとするも。
「あやや、お湯が嫌で逃げたしてもーたわぁ……」
 やはり猫はお湯、というより水が苦手なためか、パニックを起こしてしまい、思わず熊達の所へと駆け寄る。
「あぁ、猫ちゃんがうっかり熊さん引っ掻いてもーたら……堪忍え?」
 果たして、くるるのその小悪魔的な笑顔の裏にあるのは、全くの偶然なのか、それとも全て計画通りなのか。ともかく、恐慌状態に陥って暴れ始めた黒猫の爪によって、熊達は次々と斬り倒されていく。
「……はっ。そうだー倒さなきゃー。」
 そして事此処に至り、ポクはここに来たもう一つの目的を思い出す。彼は熊達の前に立つと、勢いをつけた自身の拳を叩きつけていく。
「のびーるぽくのお腕で攻撃だー。ぽくぱーんちー。」
 弾力性に富んだ自身の体を生かし、打ち込んではその反動で戻り、さらにその反動で次々と拳を打ち出していくポク。そしてそんな目に遭っているにもかかわらず、熊達は惚けた笑顔のまま、骸の海へと還って行く。
「えっと……ごめんねー。」
 全ての熊達を倒し、その手を合わせて熊達への謝罪を終えると、ポクは少し寂しくなった湯船に浸り、改めて、目の前に広がる景色を眺めながらくつろぎ始める。
「景色も綺麗だねー。ぱくー、今度このお空を飛んでお散歩しよー。」
 目の前の大自然あふれる光景に、自分達の今後を重ねるポクとパク。その姿は、やがて夕日の色に染まろうとしているのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『白鯨斎髭長ノ進』

POW   :    白鯨の魔力(物理)
単純で重い【体当たり】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    びちびちヒレアタック🐋
【胸ビレ】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    らぶすぷれ~🐳
【顔】を向けた対象に、【愛の潮吹き】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠掻巻・紙衾です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵達の一応の活躍により、とりあえずは熊達を撃退することには成功した。そして空が夕焼けに染まる頃、風呂の奥に潜んでいた親玉が姿を現す。
「……ふっしゅぅ~~……」
 鯨である。見上げる程に大きな、愛らしい鯨である。鰭をぴちぴちさせ、頭からは温泉をぴゅーっと吹き出しながら、風呂の中を巡回しているようだ。
 まぁそんなものは割とどうでもいい、それより温泉だ!猟兵達は鯨への対処もそこそこに、引き続き休息を満喫するのだった。
神威・くるる
はーーーー
(猫ちゃんを一匹召喚、お湯へポチャン)
夕日を見ながらクジラの泳ぐ温泉でのーんびり
最高どすなぁ……
(猫ちゃんを更にもう一匹召喚、お湯へポチャン)
疲れもなんもかんも吹っ飛ぶー言うかー
(猫ちゃんをさらに一匹、二匹、三匹召喚、お湯へポチャンポチャンポチャン)

お湯に放り込まれた猫ちゃんが
ビックリしてその辺泳いでるクジラさんに掴まろうと爪を立ててしもたりしたら、堪忍ね

泳ぎ疲れた猫ちゃんは、ちゃーんと後で回収しとくさかい
ついでに、シャンプーもしとこかな



「はーー……」
 ポチャン。西日を受け、その肌を茜色に染めながら、神威・くるるは湯浴みに惚けていた。
「夕日を見ながら、クジラの泳ぐ温泉でのーんびり……最高どすなぁ……」
 ポチャン。そんな彼女の近くへ、ゆったりとその巨体を遊泳させる巨大鯨。夕日に照らされ、温い風呂に浸かりながら、愛くるしい鯨の様を眺めるのは、確かに最高に安らげるシチュエーションかもしれない。
「疲れもなんもかんも、吹っ飛ぶー言うかー……」
 ポチャン、ポチャン、ポチャン。そんな最中、くるるの側では、宙から黒猫達が一匹、また一匹と次々呼び出される傍から、湯の中へとそのままダイブしていく。その数、総勢5匹。
『ふにゃ!? ふしゃーー!!』
 呼ばれたと思いきや、間髪入れず苦手な湯に放り込まれる黒猫達。たまらず、彼らは近くにあった手頃な上陸地――巨大鯨の体表を駆け昇る。
「……ぷっしゅ~?」
『ふにゃぁ! ふっしゃぁーー!!』
それでもなお混乱は収まらず、猫達は必死に掴まろうと爪を立て、傍目には分かりづらくはあるが、それにより確かに有効打を与えていた。もっとも、当の鯨は鈍感なのかそんな事など吹く風。呑気にそのヒレをピッチピッチとばたつかせていた。
「ほーれ。そないな事したらあきまへんよ? あっちで体、綺麗にしよーなぁ?」
 くるるは諌める様に黒猫達へと声を掛けると、全員を掬い上げ回収する。途端、彼女の腕の中で大人しくなる黒猫達。くるるはそのまま、彼らに日頃の労いのシャンプーを施すべく、洗い場へと連行する。その顔に、何やら謀を含んだような、妖しい雰囲気の笑みを浮かべながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​

久留米・圓太郎
もう一人、休息を必要とする人が、俺にはいるな
【師匠召喚】!

「師匠、親玉を追っ払うのは俺がやりますから、銀河帝国攻略戦での疲労、とっちゃってください!」
(なお、師匠は俺のバトルピンナップのとおり、若い女性の姿を取っています
→そういうことなら早く言うように、と軽く小言を言ってから、水着を召喚させてしっかと温まる)

「さてと、ああ言っちゃった以上、俺が行くか」
壺湯から出て、腰にタオル巻いてクジラを殴りに行く
(ユーベルコード使っちゃってるので)

ヒレアタックは怖いから、死角とれる位置へフットワークつかい、ぱかーん!と殴る
(俺が殴られないように気を付けないとな。情けない姿さらすわけにはいかん)



「……あっ!? そういえば!」
 もう一人、休息を必要とする人が、俺にはいる! 壺湯に浸かり、完全に緩みきった態勢を取っていた久留米・圓太郎は、非常に大事な事を思い出したとばかり、御一人様風呂から勢いよく飛び出し、呪文を紡ぐ。
「Please Help Me!!」
 すると、目の前の魔法陣から、スーツの上にいかにもな格好をした、まだ若齢ともいえる魔女――『師匠』と称される存在が顕現される。どうした、またアルカナの事でも聞きに呼び出したのか、何度教えれば……と、危うく説教タイムに突入しそうな師匠に、圓太郎は強く言い放つ。
「師匠、親玉を追っ払うのは俺がやりますから、銀河帝国攻略戦での疲労、とっちゃってください!」
 そう言って指差した先には、相変わらずほんわかと温泉内を遊泳中の巨大鯨。そういうことなら早く言うように、と結局小言は免れぬも、ならばと師匠は箒を一振り。その身を包んでいた衣服を、瑞々しい体を引き立たせるセパレート水着へと変え、先程まで圓太郎が入っていた壺湯にその肢体を沈める。
「さてと……ああ言っちゃった以上、俺が行くか。」
 一転、腰にタオルを巻いて大事な所を隠し、巨大鯨に向き直る圓太郎。師匠を呼び出すために力を使った今、彼は文字通り(ほぼ)裸一貫で目の前のマスコット的存在に立ち向かう事になった。圓太郎は所謂ボクシングスタイルの構えを取り、軽やかなフットワークと共にその距離を一気に詰める。「新しい遊び相手が来てくれた」と勘違いしたのか、嬉しさの表現のためにその巨大なヒレをビッチビッチと跳ねさせる巨大鯨。かすり傷にもならないような貧弱な攻撃故、食らった所で大したことはないのだが。
(師匠が見ている手前……情けない姿を晒すわけには、いかないからな!)
 せめて今回位は格好をつけないと。圓太郎は不規則に振るわれるヒレの動きの隙間を動物的な勘で見抜き、遂にその身に拳を沈める。弾力性あふれるその肌には傷は見えぬものの、確かな一撃は与えられただろう。
「ふっしゅ~?」
「どうです!? 見てくれましたか師匠!?」
 ふと、圓太郎は師匠の方へとその顔を向ける。夕焼けに照らされた師匠の顔は、どこか満足げであったそうな。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フォートナム・メイソン
オデット(f04351)と参加

次はでっかいおさかな!遊び相手いっぱい出てきておんせんって楽しいね!
……おんせんってこういう所じゃないの?
お湯出るだけの場所?こっちの方が楽しいよ?

■行動
でっかいおさかなと遊ぶよ!あれは食べれる?美味しい?
[グラウンドクラッシャー]【怪力】【鎧砕き】で力の限り殴るよ!
お湯にハンマーぶつけて水飛沫上げたり、岩の後ろに隠れたりとか敵の視線を遮ったりして
オデットと連携取って行動するね

倒せたら、たっきゅうするんだよね!……お風呂の中では出来ないの?
じゃぁ、いっぱい泳ぐ!……まなー違反?何して遊ぶの?
おんせん浸かってたら、美味しいものいっぱいくれるの!?じゃあ、浸かるね!


オデット・クレイトン
※アドリブ、悪乗り大歓迎
フォムと同行(f06179)

今度こそ温泉に入ってのんびりしますよ!
あ、ちょっと背中ヒリヒリします

●行動
今すごく身軽なので【シーブズ・ギャンビット】で目とか急所に一突き
倒れないのなら、フォムちゃんと一緒に連携して倒しましょう
う、動き回るとタ、タオルが……水着にすれば良かったかも

風呂場に卓球はないからソワソワしないで、泳ごうとしちゃダメですからね?
ほら、終わったらコーヒー牛乳とか温泉饅頭とか美味しいのありますから
……小さい子に風情とか景色の良さを説いても意味ないですよね
やっぱり食い気なんでしょうか

あ、私はのんびり温泉浸かってます
本当の歳は言いませんけど、お酒飲みたいですね



「今度こそ! 温泉に入って! のんびりしますよ!」
 相方に言い聞かせるように、オデット・クレイトンは高らかに声を上げる。日中は大いに振り回され、気付けば夕日が沈みかけた今、彼女はようやく温泉に腰を降ろす
事が出来た。……少し、温泉の薬効が背中全体に染みるのは、幸だったのか、不幸だったのか。
「次はでっかいおさかな!あれは食べれる?美味しい?遊び相手いっぱい出てきておんせんって楽しいね!」
 一方、フォートナム・メイソンはなおも元気いっぱい。遂に彼女達の所にも現れた巨大鯨を前に、テンションは留まるところを知らない。
「鯨肉は好みが分かれるとは聞きますが、あれは多分食用には向かないでしょう。あと、温泉は本来、こんなに騒がしいものではありませんが。」
「……おんせんってこういう所じゃないの?」
 ※違います。温泉は基本的にお湯が出るだけの場所で、間違ってもおさかなだらけの天国ではありません。
 こっちの方が楽しいよ?と言いたげな視線を投げながら、一応の仕事を果たすべく、ウォードッグ001を取り出し、湯面にその鉄槌を叩きつけ始める。その勢いに押され、次々と上がる水飛沫。巨大鯨はフォートナムを探しキョロキョロとしていると。
「おーい、こっちだよ!」
 岩のオブジェの影からフォートナムが声を掛け、その身を岩陰から隠したり、別の場所から出したりと、巨大鯨の視線をかき乱す。全ては、彼女の一撃のために。
「まったく……少しは敵もフォムちゃんも落ち着いてはくれないのでしょうか……」
 ぶつくさ文句を言いながらも、オデットは短剣を手に、その視線の死角からじわり、じわりと距離を詰めていた。そして一定の距離にまで近づくと、勢いよく飛び出し接近する。
「……! ひゃう!」
 途端、あられもない声を上げるオデット。気付けば、急に動いた反動でタオルが解けかけ、危うく湯煙職人の出番となる所だった。
(うぅ……こんな事なら、水着にすれば良かったかも……)
 後悔の言葉を胸の内でするも、すかさずタオルを抑え直し、そのまま足を止めることのないオデット。やがてその背にある急所と思しき箇所に見切りをつけ、一気にその刃を突きたてる。
「……ふしゅ~?」
 背中に違和感を感じるも、巨大鯨はとぼけたような声をあげ、どこかへと去っていく。一見、何故か先程の攻撃の後も見受けられないが、確かに、その攻撃は有効打となっていた。
「ねぇねぇ、倒せたら、たっきゅうするんだよね!それか、いっぱい泳ぐ!」
「風呂場に卓球はないから、ソワソワしないで……それと、泳ごうとしちゃダメですからね? マナー違反ですから。」
「……まなー違反?何して遊ぶの?」
 とりあえずの仕事を終え、ウキウキワクワクしだすフォートナム。オデットは彼女のやんちゃムーブを抑えるべく、急速に思考を巡らせ、とある提言をする。
「ほら、ちゃんと浸かったら、コーヒー牛乳とか温泉饅頭とか美味しいのありますから。」
「おんせん浸かってたら、美味しいものいっぱいくれるの!? じゃあ、浸かるね!」
 瞬間、フォートナムは肩まで一気にその身体を沈める。依然としてソワソワしているものの、オデットの言いつけを守り、一応の落ち着きを見せていた。
「……小さい子に風情とか、景色の良さを説いても意味ないですよね。やっぱり。食い気なんでしょうか。」
 ぼやきながら、オデットは湯に浸かりながら外の景色に目をやる。西日に染まり、まだ秋でもないのに紅に染まる樹木達に、彼女は風情を感じていた。
「……お酒、飲んでたいですね。」
 それは、風情を肴にして楽しみたいという雅さか、あるいは心労からの現実逃避か。それは、彼女のみぞ知る。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ポク・ョゥョゥ
わー。夕焼けなのー
綺麗d…あわわー
お風呂が揺れたのーあー
おっきいくじらたんだー
ぽくねーぱんだなのーあがめよー
ハートの潮吹きもかわいいねー

泳いでるのー?いいなー
ぽくも一緒に泳ぎたいのー
いくよーぱんだかきだー
たのしーねー

すりすり〜何だかいいほっぺ感触〜
ねーねー、登ってもいいー?
よじよじ登れたら乗っかるのーわーぃ
視線が高いのーあがめよー
わー動いたーおもしろーぃ
およ?ふわー、潮吹きに乗ったのー
きゃっきゃしながらばんじゃーぃ

そうだーくじらたんも倒さなきゃー
ぱくーいくよー
じゃんぴーんぐ、ぽくぱくきーっく
遊んでくれてありがとうなのー
またなむなむーして、まったーり

夜の前にご飯食べたいねー
お宿の夕ご飯なにかなー



「わー。夕焼けなのー。綺麗d……あわわー……」
 お友達のパクと共に夕焼けを眺めていたポク・ョゥョゥは、突然の揺れに思わず動揺し、それでもゆっくりマイペースなまま、後ろを振り返る。そこには、遂にパクの元へと勢いよく流れ着いた巨大鯨の姿が。
「おっきいくじらたんだー。ぽくねー、ぱんだなのー。あがめよー。」
「ぷっしゅぷっしゅ!」
 開口一番、彼独自の挨拶を交わすポク。するとそれに応える様に、巨大鯨もまた、背からハートを模した可愛らしい潮を吹き出す。
「泳いでるのー?いいなー。ぽくも一緒に泳ぎたいのー。」
 言うと、ポクは犬かきの様な、何とも形容しがたい泳法で露天風呂を泳ぎだす。
「いくよー。ぱんだかきだー。」
 これまた独特の泳ぎ方をするポクに合わせるように、ゆったりと泳ぎだす巨大鯨。すると、巨大鯨は彼にその柔らかな頬を擦り付ける。
「すりすり〜。何だかいいほっぺ感触〜。ねーねー、今度は登ってもいいー?」
 すべすべぷにぷにとした感覚に満足げなポクは、忙しなく次の行動――今度は巨大鯨の登攀に果敢に挑む。よじよじと這い上り、やがてその頭上に登頂すると、えへんと小さく胸を張る。
「視線が高いのー。あがめよー。」
 多分、今度は本来の意味なのだろう。すると、体が浮き上がる不思議な感じと共に、高かった視線が急に更に上がる。
「およ?ふわー、潮吹きに乗ったのー。」
 無邪気にはしゃぎながら、その小さな手を上げて楽しむポク。だが、そろそろお別れの時間が来たようだ。
「そうだー。くじらたんも倒さなきゃー。」
 言うが否や、良く弾む体を利用し、空中へと舞い上がるポク。そして蹴りの態勢を取り、自由落下の勢いそのままにその足をぶつける。
「じゃんぴーんぐ、ぽくぱくきーっく。」
 ぽよん、と跳ねるように再び飛ぶポク。パクがそれを受け止めると同時、巨大鯨はじゃあねー、とでも言いたげにヒレをパタパタとさせながら、少しずつその姿が透けてゆき、やがてこの温泉から完全に姿を消す。
「遊んでくれてありがとうなのー。」
 手を合わせてその冥福を祈った後、再びまったりとした時間を過ごす二人。
「夜の前にご飯食べたいねー。お宿の夕ご飯なにかなー。」
 遂に西日が沈みきり、空に星が輝き始める中、これからのまだまだな楽しみに、思いを馳せるポクとパクなのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『プラネタリウム温泉』

POW   :    温度なんて気にせずに勢い良く飛び込む

SPD   :    景色と温泉を心地よく楽しめる場所をみつける

WIZ   :    星や温泉がより楽しめる知識を披露する

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 遂に、リーダー格……かもしれない巨大鯨の退治も終わり、依頼を完遂した猟兵達。
 気付けば日は完全に落ち、空は暗く染まり、満天の星空が広がっていた。
 猟兵達は、この光景の元、この休日をどのように締めくくるのだろうか。
ポク・ョゥョゥ
ご飯美味しかったねー
お風呂はいろー

また入る前に体洗おうねー
ぱくと背中洗いっこしよー
あわあわーんー、目一杯泡作るよー
もこもこ泡羊だー。でもねー、ぽくぱんだなのーあがめよー

えっとねー、お空いっぱい見られるとこ入ろー
あのねー、ぽくお昼も夕方も好きだけどー
お星さまいっぱいある夜が一番好きなのー
黒い色はぽくと一緒でー、ぽくもたまに光るからお星さまも一緒ー
ぱくはおっきくて白いからお月さまと一緒かなー?
暖か温泉にーゆっくりはいってー
ゆったりのんびーり、きもちいーねー

わー、お空きれいー
お星さまきらきらだねー
ぱくー、あのお星さまが一番おおきぃよー
くまたんとくじらたんも一緒に見られたらよかったねー
流れ星みたいなー


ルク・フッシー
温泉街の観光、歩いてるだけでも楽しかったです
お土産代わりの絵も色々と描けたし、最後に星空と温泉の絵を描きたいです
「…あ、流れ星!」
願い、願いは…全ての世界、全ての人の平和
それと欲を言えば、好きなだけ絵を描いていられる人生を送りたいな…
でも、ボクは猟兵で、まだ世界にはオブリビオンに苦しめられてる人がいる。それが現実なんですよね…
「…明日からも、がんばります」
大丈夫。猟兵は、ボクは、1人じゃないから…
だから、まだボクは戦えます



「ふぅ……温泉街の観光、歩いてるだけでも楽しかったです。」
 ルク・フッシーは、本日二回目となる露天風呂の暖簾くぐりをする。唯一ヶ所に留まらず、折角ならばと、周囲の温泉街を散策するために一旦露天風呂を出ていたのだ。
見慣れぬ街並みにインスピレーションを感じ、時には足を止めて土産代わりの描画もしたり。そしてこの旅の締めくくりに、満天の星空と温泉の絵を描くべく、再び温泉へと足を運ぶ。すると突然、ルクの尻尾がピンッと張りつめる。突如他の猟兵が来たことに、思わず驚いてしまったようだ。
「ご飯美味しかったねー。お風呂はいろー。」
 同様に一旦風呂を抜け出し、旅館の御馳走を頂いてきたポク・ョゥョゥだ。素早くふわもこパーカーを脱ぎ置き、お友達のパクを呼び出すと、ポクは一目散に露天風呂に足を踏み込む。
「また入る前に体洗おうねー。」
 パクを引き連れ、洗い場へと向かうポク。お互いの背中を洗い合いっこしたり、全身泡まみれになる程の泡を作ったりと、洗い場特有の遊びを再び楽しんでいた。
「もこもこ泡羊だー。でもねー、ぽくぱんだなのー。あがめよー。」
 ふんっ、とポクは誇らしげな顔を浮かべる。そしてそんな彼らの後ろで、ルクは筆を走らせていた。頭上には輝く星々。眼下には暖かな温泉。そして目の前には、朗らかでゆるふわな触れ合い。絵描きとして、これには心をくすぐる所があるのだろう。
「えっとねー、お空いっぱい見られるとこ入ろー?」
「ひゃう!?」
 絵を描くことに夢中だったのか、ポクの声掛けにびっくりするルク。だが確かに、まだ肌寒くもあるこの季節にずっと風呂に入らないのも限界があるだろう。その刺激に感じる所はあるものの、ルクはポクに連れられ、パクと共に、眺めの良い岩風呂へと入っていく。
「わー、お空きれいー。お星さまきらきらだねー。」
「そ、そう、ですね。とっても、素敵な星空だと思います……」
 吸い込まれそうな夜空に、感激のあまり簡素な言葉しか出ないポクとルク。そのつぶらな瞳達には、輝く星々が映り込み、キラキラと輝いていた。
「あのねー、ぽくお昼も夕方も好きだけどー。お星さまいっぱいある夜が一番好きなのー。」
 そしてポクは湯船に体を浮かべながら、無邪気な自身の想いを語り始める。
「黒い色はぽくと一緒でー、ぽくもたまに光るからお星さまも一緒ー。ぱくはおっきくて白いからお月さまと一緒かなー?」
 頭上の景色を、ポクは自分と、大切なお友達に例える。どこかリリックなその言に、芸術家として、ルクには何か感じるものがあった。
「ぱくー、あのお星さまが一番おおきぃよー!……くまたんとくじらたんも、一緒に見られたらよかったねー……」
 若干、トーンを落とすポク。確かに、彼らはオブリビオンではあるが、特に悪気の感じられない彼らとはもう少しだけでも、せめてこの光景をと思うのも、無理は無かろう。
「……流れ星、みたいなー……」
「……あ、流れ星!」
 見るとそこには、幾筋かの光の軌跡が。ごく短い時間ではあるが、そこには確かに、流れ星が流れていた。そしてその僅かな間に、ルクは願いを込める。全ての世界、全ての人の平和。そして個人的には、好きなだけ絵を描いていられる人生を。
(でも、ボクは猟兵で、まだ世界にはオブリビオンに苦しめられてる人がいる。それが現実なんですよね……)
 未だ心休まらず、落ち着かない日々。それが、大きな力を持つ者の責務なのかもしれない。
「……明日からも、がんばります。」
 だがいつかは、その願いを叶えてみせる。それは、途方もない願いかも知れないけれども。
(大丈夫。猟兵は、ボクは、1人じゃないから……だから、まだボクは戦えます。)
 ルクは見知った友に、まだ見ぬ仲間に、そして、目の前にいる癒し系の存在に、思いを馳せる。
「暖か温泉にー、ゆっくりはいってー。ゆったりのんびーり、きもちいーねー。」
 ひとまず今は、束の間の暇に癒されよう。ポクは、パクは、ルクは、いましばらく、この不思議な時間にのんびりと浸かり続ける。全ては、この星空のように輝く未来のために。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

久留米・圓太郎
※仲間との交流は歓迎

さて、終わったな
(満足げに帰って行った、古代戦士たちや、師匠の顔を思い出し)

今度は、俺がゆっくりする番だな。うん!
(さっきから、そうしているじゃないか?というツッコミを受けること間違い無しだけど、棚に上げる)

星の知識なら、師匠から「ホロスコープ」の手法を叩き込まれているから、ここで明かしても良いが、多分皆飽きるな。
(かくいう俺も、飽きて覚え切れてないし)

再び壺湯に入り、鼻歌を歌い出すが、途中で調子に乗って「威風堂々」の詠唱をうっかりとしてしまう。

「!?? しまった!みだりに魔法詠唱するな、と師匠に言われてるのに、やっちまったか?」
(戦闘力増強魔法だけに、実害はないけど)


神威・くるる
はぁー、綺麗なお星さんにぬくぬくの温泉
極楽極楽

うちの(シャンプーの)指技テクニックで(お湯の気持ちよさの)快楽に屈して大人しゅうなった猫ちゃんらと並んで一緒に月見温泉

でも一日お湯に入ってたさかい、ちょっとふやけてしまいそどすなぁ

上がったらつめたーい瓶の牛乳でもいただこかな、なぁんて
想像にほほを緩めながら
もう少しだけ、ぬくまってこかな
ゆっくり温まってからの方が
きっとずっと美味しいさかい



「さて、と……これで、ようやく終わったかな。」
 星が瞬く頃、久留米・圓太郎は安堵の息を漏らす。これまでの戦いを労うべく呼び出した、古代戦士や師匠。十分な休息を取れた彼らは、ようやくあるべき場所へと、つい先ほど還ったのだ。圓太郎は、去り際に彼らが見せた満ち足りた表情、そして圓太郎への感謝の意を、強く噛みしめる。
「今度は、俺がゆっくりする番だな。うん!」
 ようやく一人になった圓太郎はそう言うが否や、先程から使い続けている壺湯へと、早速その身体をとっぷりと沈める。なお、一時とはいえ既にゆっくりしていたよね?十分満喫していたよね?という事には、あえて突っ込まないでおこう。
「あのすんごい光ってる星が北極星で、その先にあるのがキツネ座。あっちの星とコッチの星を繋ぐとラセツ座で、それと……」
 気負うものがなくなり、上機嫌になった圓太郎は、近くにいた猟兵に夜空の解説を始める。師匠に星見の手法をみっちりと仕込まれ、星に関する薀蓄に自負がある彼は、意気揚々とその知識を披露するも。
「……はぁ~、温泉、温くて気持ちえぇなぁ……」
「うん、だろうとは思った!」
 特に興味があるわけではないのなら当然だろう、圓太郎の想像していた通り、普通に飽きていた。最も、実は彼も途中で興味が失せて知識が不完全であるため、下手に掘り下げられてボロが出るよりはまし、と内心安堵もしていたが。
「はぁ~……綺麗なお星さんに、ぬくぬくの温泉。ほんま、極楽極楽……」
 そして件の猟兵――神威・くるるは、月見風呂と洒落込んでいた。変わらずマイペースな様子で、湯面に月が映り込む中、彼女は先程召喚した猫達と共にいる。ところで、何故か黒猫達は恍惚とした顔を浮かべながら、大人しくしているのだが。
「ふふっ、うちの指技で、こんなにも蕩けて……まったく、かわえぇなぁ……」
 シャンプーをした時の指使いだとか、お湯の温もりによるものだろう、おそらく。きっと。そんな猫達を慈しむかのように、くるるはそんな一匹の背を、毛先を掠るようにそっと撫で擦る。
「……Pomp and Circumstance~……」
「……にゃ!? ふぅん……」
「あらあら。」
 だが圓太郎の鼻歌が、不意にくるるの耳に入った途端、思わず増強された指圧が黒猫の快楽のツボを強く刺激。黒猫はより一層の快楽へと堕ちていった。
「!?? しまった!みだりに魔法詠唱するな、と師匠に言われてるのに、やっちまったか?」
「えぇよえぇよ。この子も気持ちよさそうやし。」
 くるるの言葉に、一安心する圓太郎。そして同時に、自身のより一層の精進を心に誓う。もっとも、残りの休息の時間の後でだが。
「それにしても……一日お湯に入ってたさかい、ちょっとふやけてしまいそどすなぁ。」
 ひとまず上がって、キンキンに冷えた瓶牛乳を一本、ぐいっといってみようか。そんな想像に、くるるの頬が緩む。それは年相応の少女らしい、軟らかな笑顔だった。
「……もう少しだけ、ぬくまってこかな。ゆっくり温まってからの方が、きっとずっと美味しいさかい。」
 でも、それはあとちょっとだけ後で。くるるは心底満足するまで今しばらく、月明かりに照らされながら湯を満喫するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オデット・クレイトン
※アドリブ、悪乗り大歓迎
フォムと同行(f06179)

熊と鯨の関連性が分からず仕舞いでしたが、
のんびりできれば問題ないですね……のんびり、出来るかなぁ?

●行動
さぁ遊ぶものが無くなったフォムちゃんを何とかしなければなりませんね
えーっと、この温泉の何処かに隠された秘湯とやらがあるんですよ!
フォムちゃんに見つけられるかなー?
ヒントとか色々あるみたいですし、一緒に探してみましょうか

【血の追跡者】ぁ!で温泉内でそれっぽい所探して、
ついでにヒントっぽい物を置いてくるのです!早く早く!

……おっと、温泉上がったら卓球とコーヒーだかフルーツ牛乳でしたね
卓球で泣かせてやりましょう
うん、それくらい許されるでしょう


フォートナム・メイソン
オデット(f04351)と参加
※アドリブ歓迎

■心情
楽しかったー!クマにクジラに次は何が出てくるの?
もっともっと遊びたいね!……もうないの? なんでー?

■行動
温泉入るだけなの飽きたよー!遊ぼー!
どっちが大きい水柱出せるかとか、向こうまで泳いで競争しようよー!

……かくされたひとうってなあに?見つけたらすごいの?
ボクいっぱい見つけるよ!1つしかないの?じゃあ、1番早く見つけるね!
怪しい所が無いか【ダッシュ】で探し回るよ!

ヒントがあるって言ってたし、それも探していくね!
探せたら、【追跡】していくよ!

見つけたらいっぱい褒めてね!あとたっきゅうやってぎゅうにゅうも飲むんだよね!
わーい!いっぱい遊ぶぞー!



「楽しかったー! クマにクジラに次は何が出てくるの? もっともっと遊びたいね!」
「いや、もう全部倒し尽くしたでしょう。これ以上は出ませんよ。」
「……もうないの? なんでー?」
 満天の星空の下、依頼を終え、これでようやく完全に落ち着けるかと思われたオデット・クレイトンであるが、相も変わらず、フォートナム・メイソンは元気が有り余り過ぎていた。
(それにしても……結局、熊と鯨の関連性が分からず仕舞いでしたが。)
  一体、あの組合せに意味はあったのだろうか。彼らはなぜ現れたのか。そもそも彼らの行動に意味自体あったのか。答えの出ない問題に、頭をひねるオデットだったが。
「まぁ、のんびりできれば問題ないですね。」
 ひとまず今は置いておこう。今は、このゆったりした時間を過ごそう。そう決めるのだった。
「……のんびり、出来るかなぁ?」
 もっとも、なおもはしゃぎまわる相棒を一瞥し、一瞬視線を逸らしたが。
「温泉入るだけなの飽きたよー! 遊ぼー! どっちが大きい水柱出せるかとか、向こうまで泳いで競争しようよー!」
 だが、いつまでも現実から目を背けるわけにもいかない。それまでは戦闘にも割いていたフォートナムのエネルギーが、全て遊びに注がれた今、どうにかしなければ最悪、この露天風呂が壊滅するかもしれない。そんな最悪の事態を危惧していたオデットだが、既に布石は打たれていた。
「えーっと、この温泉の何処かに隠された秘湯とやらがあるんですよ! フォムちゃんに見つけられるかなー? ヒントとか色々あるみたいですし、一緒に探してみましょうか。」
「……かくされたひとうってなあに?見つけたらすごいの?」
「えぇ、それはもう、この温泉にたった一つしかない、とてつもなくすんごいものですよ。」
「……ボク、いっぱい見つけるよ! あ、1つしかないんだっけ? じゃあ、1番早く見つけるね!」
 途端、ヒントを探しに全速力で駆けだすフォートナム。怪しいものはないか、勘や感を頼りに探索していると。
『←このさき、かくされたひとう』
 岩陰に、これ見よがしなヒントが書かれた紙が貼り付けてあったを確認する。そしてその矢印の先は、またヒントが書かれた紙が、連綿と続いていた。
 同じ頃、オデットの元には真赤な躰の猟犬達が集っていた。
「よーしよし、良く頑張りましたね。偉いですよ。」
 実はフォートナムがうずうずし始めた時、この事態を予見していたオデットはこっそり猟犬達を呼び出していた。そして、どこからかいつからか取り出した紙とペンにヒントを書き出し、猟犬達に大至急いかにも秘湯っぽい場所を見つけ、そこに誘導できるようにヒントを張り付けてくるよう命令していたのだ。主人の突発的な無茶ぶりにもきっちり応え、完璧に遂行してみせた猟犬達。へろへろの彼らは、存分な労いを激しく主張する。
「――ねぇねぇ! ヒント見つけたよ! 褒めて褒めて!」
「! はいはい、えらいえらいですよ。」
 だが悲しいかな。いつの間にか戻ってきつつあるフォートナムから証拠隠滅を図る為、オデットは猟犬達の『そんなぁ……』とでも言いたげな視線を尻目に、手早く彼らを還していく。
「それじゃあボク、ひとうも見つけてくるね! あと、たっきゅうやってぎゅうにゅうも飲むんだよね!」
「……おっと、そう言えば温泉上がったら卓球とコーヒーだかフルーツ牛乳でしたね。いいですよ。それじゃ、頑張ってきて下さい。」
「わーい! 今日はまだまだ、いっぱい遊ぶぞー!」
 再び全力疾走を始めるフォートナム。そんな彼女の元気ハツラツな姿に、オデットはまだ振り回されるのかと、そろそろ心身ともに限界を感じ始めつつあった。休息に来たはずなのに。
(……あとで、卓球で泣かせてやりましょう。)
 それくらいやっても、罰は当たらないだろう。オデットは、ちょっとだけ意地悪そうな、それでいて、結局この状況を楽しんでいるかのような笑みを浮かべる。
 彼らの騒がしい休日は、月が天を通り過ぎてもまだまだ続きそうだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

摩訶鉢特摩・蓮華
【エストレーラ】の皆と温泉だよ!

あれんちゃんはこの世界に来るのは初めてなんだね!蓮華は一応来た事はあるけど、その時は温泉には入らなかったから今日とっても楽しみだったの♪

(肩までお湯に浸かり)それにしても露天温泉っていうのがこんなに気持ち良いものだなんてね~、星の中を漂ってるみたいで開放感がハンパないね!
(立ち上がり、星空に両手を広げて)ほら、見て見て!手を伸ばしたら星が掴めちゃいそうだよ!
(飛んでるあれんちゃんを見て)まるで星の河を泳いでるみたいだね~大丈夫?寒くない?あれんちゃん。
お酒はないけど、お風呂上りに飲む牛乳は最高だよ!コーヒー牛乳やフルーツ牛乳とかもあるから、あとで一緒に飲もうね♪


酒本・あれん
【エストレーラ】で参加
温泉と聞いて侍世界に初来訪!
建物面白ーい(ヒラヒラと飛び
和風っていうの?渋くて素敵
素敵なお宿で温泉を満喫~
しかも満天の星が天井替わりよ、さいこー❤
つい浮かれてタオル一枚のままくるくると飛んじゃう
開放感すごい!
(くしゃみを一つ
冷えちゃったかな?温泉に入ろうっと
溺れないようにあたしは少し浅めの場所か友だちのすぐ近くで温泉堪能するよー
気持ちいねえ、じわーっとくる
山奥だけあってすごい星…て思ったけど
侍エンパイアは夜ギラギラな照明も無いから都会でもすごく星が見えるのかもね
ホント星が沢山見えすぎて知ってる星座も解んないくらい
ちょこっとお酒があれば嬉しいけど今日は自重しとこうかな!


音海・心結
【エストレーラ】のみんなと参加するのですよ

わぁわぁ♪
とっても綺麗な温泉ですねぇ
これは上せるくらい入っちゃいそうなのですよ
今日はゆっくり楽しみましょうね?

混浴温泉なので水着を着て入るのです
小中学生が来ていそうなスクール水着着用なのですよ

みゆは温泉に入ったことはありますが、
その時は一人で入りましたねぇ
今日はお友達と一緒に入れるので、
とーっても楽しみにしてたのですよ♪

みゆもみゆもっ!(二人に続いて両手を空高く上げて)
……むぅ やっぱりお星様は掴めませんねぇ
ちょっぴりあれんが羨ましいのです

お風呂上りは牛乳を飲むのですっ!
みゆはコーヒー牛乳にするのです(しゅぱ)



「わぁ……♪ ここ、とっても綺麗な温泉ですねぇ!」
 開口一番、音海・心結は、目の前の光景に歓喜の声を上げる。目の前には趣のある広々とした露天風呂。そして空を見上げれば、眩いくらいに煌めく星の海。彼女でなくても、これ程の絶景には興奮を隠せないだろう。ちなみに、混浴温泉だと既に聞いていた心結は、よく小中学生が水泳の授業で着ているような、所謂スクール水着に身を包んでいた。
「これは、のぼせるくらい入っちゃいそうなのですよ。今日はゆっくり楽しみましょうね?」
「うん、折角この世界に来たんだもの。思いっきり楽しまなくちゃ!」
 そんな心結の視線の先からヒラヒラと寄って来たのは、フェアリーの女性、酒本・あれんであった。彼女はサムライエンパイアでこのような依頼があると聞き、友人達を誘って訪れていたのだ。
「それにしてもこの建物、とっても面白ーい! 和風っていうの? 渋くて素敵!」
 そして、そんなサムライエンパイアを初めて目にしたあれんは、心結とは別の意味でも、はしゃがずにはいられなかった。
「あれんちゃんは、この世界に来るのは初めてなんだね! 実は蓮華も、今日のはとっても楽しみだったの♪」
 そしてあれんに続くように、摩訶鉢特摩・蓮華が浴場へと足を踏み入れる。彼女はこれまでの依頼で、幾度かサムライエンパイアを訪れる事はあったものの、とても温泉でくつろげるような暇はなかった。故に、こうして友人達と落ち着いて湯に浸かれるというのは、とても喜ばしいのだろう。
「みゆも、今日はお友達と一緒に入れるので、とーっても楽しみにしてたのですよ♪」
 実は心結は、かつてのアルダワでの依頼で、一人でではあるが温泉という物に関しては既に経験済みであった。だが、こうして仲の良い者同士での温泉旅行は、また格別の楽しみなのだろう。彼女は上がり切ったテンションのまま、真っ先に露天風呂へと身を入れる。
「それにしても……露天温泉っていうのが、こんなに気持ち良いものだなんてね~。星の中を漂ってるみたいで、開放感がハンパないね!」
 心結を追うように、蓮華が肩までゆったりと湯に浸かっていると、自然とその視線は頭上へと向く。そこには、どこまでも広がる広大な夜空。湯の温もりにあてられ、少しばかり上気していた彼女は、吸い込まれそうなその情景と相まり、どこか浮遊感のようなものを感じつつあった。
「ほら、見て見て! 手を伸ばしたら星が掴めちゃいそうだよ!」
「ほんと? それじゃあ、あたしも!」
「あっ、みゆもみゆもっ!」
 ふと、軽くのぼせていた蓮華は、突如立ち上がり、両の手を宵空に向け、その手に掴もうとするかのように大きく広げる。そしてそれに続き、あれんも、心結もまた、小さな手を空高く掲げる。だが当たり前だが、そのもろ手が星々に届くはずもなかった。
「……むぅ、やっぱりお星様は掴めませんねぇ。それでも、ちょっぴりあれんが羨ましいのです!」
「ふふぅん、そうでしょ!」
 心結の言う通り、他の二人と違い宙を舞うことの出来るあれんは、ほんの少しばかり、彼女達よりも星天に近いのかもしれない。満天の星空を天井代わりに、未体験の雰囲気漂う宿場の露天風呂いうのは、より一層の非日常感を引き立てるのだろう。感じる開放感のまま、実は彼女は、タオル一枚という姿で、先程からずっとクルクルと湯煙の中を舞い踊っていた。
「あれんちゃん、まるで星の河を泳いでるみたいだね~……大丈夫?寒くない?」
「大丈夫、全然平気よ!……くちゅん!」
 あれんを下から見上げる形となっている蓮華には、その姿は、星空をバックにたゆたうように見えていた。それは、目を奪われるような、ある種幻想的な光景であろう。もっとも、友人を気遣う優しさの方がそれを上回っていたのだが。そして案の定、あれんは小さくくしゃみを漏らす。
「流石に冷えちゃったかな? それじゃあ、そろそろ温泉に入ろうっと。」
 そしてようやく、あれんは友人二人に挟まれる形で、湯に体を浸け始める。おそらく、彼女のように小さな体躯の者の利用も想定していたのであろう、そこは彼女が腰掛けるのにちょうど良いスペースだった。
「気持ちいねえ……じわーっとくるよ。」
 先程まで飛び回り、少し冷えた体には相当染みるのだろう。全身を包み込むかのような、その優しい温もりに、あれんは次第に、身も心もほぐされていく。
「山奥だけあってすごい星……て思ったけど。」
 不意に、あれんは人形のように小さなその首を、どこまでも広がる星空へと傾ける。
「サムライエンパイアは夜ギラギラな照明も無いから、都会でもすごく星が見えるのかもね。ホント、星が沢山見えすぎて、知ってる星座も解んないくらい!」
 確かに、地上の光が少ないほど、夜空はより澄み渡った姿を見せるという。もしかしたら、この光景は比較的光源の少ない近辺だけでなく、はるか遠くまで続く宵闇によってもたらされたのかもしれない。実際、本来なら目視が困難なくらいに微かな瞬きしかない細かい星も、ここでは容易に捉える事が出来るくらいだ。
「これで、ちょこっとお酒があれば嬉しいけど……今日は自重しとこうかな!」
 気持ち良さついでに、思わず心からの欲求をこぼすあれん。だが蓮華はともかく、未成年の心結がいる手前、そこはぐっと堪えたのだろう。
「うん、お酒は出ないだろうけど……代わりに、お風呂上りに飲む牛乳は最高だよ!」
「そうです、お風呂上りには牛乳を飲むのですっ!」
 そんな彼女の気を察してか、蓮華と心結はすかさず、お風呂上りのお楽しみについて語り出す。
「それに、コーヒー牛乳とか、フルーツ牛乳とか、色々種類もあるから、あとで一緒に飲もうね♪ 」
「へぇ~、そんなのもあるんだ! お風呂上りの牛乳……なんだか、楽しみね!」
「ちなみに、みゆはコーヒー牛乳にするのです!」
 ちょっと大人なセレクトを、誇らしげに宣言する心結。そんな彼女の姿に、蓮華とあれんは楽しげな笑顔を見せる。かしまし三人娘達の、おそらく一生忘れないような素敵な一時は、まだまだこれからなようだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月14日


挿絵イラスト