ホールドアップ・デビル銀行D支店
●今日も預金で株が美味い
銀行。
この世で金を預けるには一番思いつくであろう場所。そして此処デビルキングワールドでもそれは例外ではなかった。
ただ違う点をあげるとするれば、
「お客様!デビル預金によるデビル融資のご案内です!」
「グヒィ!?俺のD(デビル)が銀行に預金されちまったァ~!!」
「ヒヒヒ。お客様のD(デビル)はよォー……このデビル銀行がデビル株で数百倍にしてやっからよぉ!」
暴力によって強制的にD(デビル)を預金させて、
「ヒャッハー!今日のデビル株の市場開催だァ~!おぉ~?このベンチャーデビル企業、なかなかおもしれえ事してるじゃねえか。丁度いいや。ここにお客様のD(デビル)を全額投資だぁ~!数百どころか数万倍も夢じゃねえぜ~~!!」
「流石の慧眼だぜ兄貴ィ~~!その企業が今、デビル記者会見で破産した事をお伝えしてるのを知らずに全額ぶっこみやがったぜ~~!!」
「それもう少し早く言ってくんなかった?」
集めた金をデビル株なる謎のギャンブルで全て溶かしてしまう泣く子も喜ぶ犯罪集団だからだった。
この日お客様から預金されたD(デビル)は、歴史的な大暴落の波に飲まれすべて水の泡と化した。
しかし、ある日を境に突如デビル銀行D支店が大きく成績を上げ始めた。
●デビル銀行の夜明け
「私がこちらに異動してきた支店長です。私が支店長になったからにはデビル株は取りやめとします」
「で、デビル株をやらないだってェー!?」
ある日の朝礼、D支店の支店長として就任したオブリビオン、ルビー・ジュエルシードはそう口にした。突然のデビル株取り止めに周囲の銀行員達はざわめいた。
「そもそも銀行はお客様の金に手を出してはなりません。それで損害額賠償求められたらどうするんですか。払えるんですか今まで泡にしたD(デビル)」
た、確かに……と真面目な悪魔たちは我に返ってしまう。ルビーは更に追加の方針を打ち出した。
「えー、預金の方法は今まで通り略奪ですが、預金を奪った後は殺します」
「こ、こいつはとんでもねえ悪だ……!」
いきなり預金奪ったら殺すの宣言に、銀行員たちは恐れおののいた。このド級の悪の支店長なら業績がうなぎ上りだ!
悪こそが美徳であるこの世界で、この方針は行員達のハートをがっつり掴む起爆剤となった。
ルビーは思った。
(私には都合がいい、ですけど。貴方達はそれでいいの、です?)
●
「というわけで、デビルキングワールドにてオブリビオンの予兆が発生したよ☆」
グリモアベースで精いっぱいのカワイ子ちゃんっぽさを発揮しながら、とりあえず今見せた予兆に解散しないように引き留めるのはノインツィヒ・アリスズナンバー(90番目のアイドル・f29890)。今回の事件の予兆を見せたグリモア猟兵である。
「銀行はデビルキングワールドにおいて、めっちゃ重要で最も尊敬される仕事のひとつ!何せ暴力で強引にD(デビル)を「預金」させ、決して引き出させず、集めた金を「デビル株」とかいう謎のギャンブルに突っ込んで、全額パーにしてしまうという、泣く子も喜ぶ犯罪集団だからなの☆何言ってんの?って思った?私もそう思う」
どこかやつれた様子を見せながら、説明を続ける。
そんな銀行にオブリビオンが支店長に就任。「預金を奪った後は殺す」「デビル株はやらない」という方針を展開したことにより、銀行の業績はうなぎ上り。D(デビル)を沢山集めたオブリビオンは「カタストロフの儀式魔術」を発動できてしまう。
このままでは、デビルキングワールドの危機なのだ。
「そういう訳で、銀行強盗してきてね☆」
悪には悪を。銀行には銀行強盗を。デビルキングワールドでホットな悪事である。ここで言う銀行強盗とは、金を奪い、奪った金を持って逃走する正統派の銀行強盗だ。
「まず、無計画のままやるのはアレだし……深夜の倉庫を一つ抑えておいたから、そこで計画を立ててほしいな☆計画の立て方は、『誰かが何かをする』というよりは『爆破班が銀行の横壁を爆破する』とか、誰がやっても成立するような作戦をお願いね☆」
計画がうまく進めば、その後の銀行強盗の成功率も上がる。戦いは作戦を立てる所から始まっているのだ。
「そしていよいよ銀行強盗になっても、行員は倒すだけにしといてね?あくまでも一般住民だから、殺さないように!」
相手は銀行員で戦闘力もあるが、猟兵達がコテコテの正統派銀行強盗をしてくれればその姿に感動して、戦闘を避けられる可能性もある。
「銀行強盗がうまくいけば、支店長のオブリビオンが追いかけてくるよ!こいつは派手に倒しちゃって!」
決戦の地となる街道には、野次馬に来た悪魔たちが観戦している。この観客の悪魔達も割と強いのでうまく利用すれば、オブリビオンに思わぬ痛手を与えられるかもしれない。
「じゃ、そういう訳で一発ド派手に悪事をぶちかましてきちゃって!悪の生き様、見せつけちゃおう!」
ノインツィヒの手にあるグリモアが輝きだす。その光は猟兵達を包み込んでいき、君たちをデビルキングワールドの深夜の倉庫へと送り出すのであった。
見せつけろ、己の悪を。
零史
零史です。巷では新たな世界が見つかってますが、こちらもこちらでハッスルハッスル。
貴方も私もレッツ銀行強盗。
●第一章
深夜の倉庫で銀行強盗の作戦を練ります。
此処での作戦は、「私は○○する!」といった個人指定ではなく「爆破班が銀行の横壁を爆破する」とか誰がやっても成立するような作戦を出してください。
●第二章
営業中のデビル銀行D支店に乗り込みいざ銀行強盗です。
ここではコテコテの銀行強盗――金を奪い、奪った金を持って逃走することがプレイングボーナスになります。また、第一章で立てた作戦を実行するのも有効的です。
また悪魔たちは「銀行を壊して行員を全部やっつけたら勝ち」だと思ってるので、正統派銀行強盗はとても斬新で感動すると思います。感動のあまり戦闘することなくDを回収できるかもしれません。
もちろん、倒しても構いません。
●第三章
オブリビオン『ルビー・ジュエルシード』との決戦になります。
皆さんが金を華麗に奪い逃走していると追いかけてきます。銀行強盗のクライマックスです。派手に倒してしまいましょう。
また、沿道には多くの悪魔が銀行強盗の行く末を観戦に来ています。彼らも割と強いのでうまく利用すれば、オブリビオンに思わぬ痛手を与えられるかもしれません。
締め切りや各章のプレイング受付開始はタグ、MSページをご確認ください。
皆様のプレイング、お待ちしております。
第1章 日常
『夜更かしは罪の味』
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POW : 日付変更まで起きている
SPD : 夜中までワイワイおしゃべり
WIZ : 深夜のおやつ美味しいな
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蛇塚・レモン
みんな~っ!
コンビニでお菓子を強奪してきたよ~っ!
郷に入れば郷に従え
この世界でのルールに順応しているレモン
勿論、他の世界では絶対にしない分、ここで発散してるまである
あたいの作戦はこれっ!
決行は閉店間際の銀行
銀行員たちが仕事疲れで油断しているところを狙うよ
そこへ突入班が軽トラで、最高時速のまま銀行正面入口に突っ込む!
ダイナミック入店かつ器物損壊なんて凄くワルだよねっ?
軽トラは逃走用の足にも再利用可能だよっ!
驚く銀行員の前に、目出し帽を被った襲撃班が威嚇射撃っ!
Dを出せーっ脅して、金庫へ案内させるよっ!
そして金庫を爆破して、中にあるDを根こそぎ強奪してトンズラだっ!
あ、チョコ棒の新味、美味しいっ!
良い子は眠る深夜の倉庫。事こんな時間に起きるのは悪い子とデビルキングワールドでは相場が決まっている。
そんな倉庫に蛇塚・レモン(蛇神憑きの金色巫女・f05152)の明るい声が響いた。
「みんな~っ!コンビニでお菓子を強奪してきたよ~っ」
お菓子を買ってきたではなく強奪してきた。この世界ならではのルールで楽しくストレス発散している。もちろん他の世界では絶対やらない。
深夜のお菓子パーティと洒落込むため、せっせと奪ったお菓子を並べていく。
色とりどりのお菓子が並べられた中、そういえばと今回の強盗計画の一部について言及した。
「あたいの作戦はこれっ!」
決行は閉店間際の銀行。銀行員たちも日々の業務で疲れが溜まっているであろう頃だ。
「そこへ突入班が軽トラで、最高時速のまま銀行正面入口に突っ込む!」
ダイナミック入店かつ器物損壊で行員たちの度肝を抜く。そこにいる誰もが驚いてレモンたちを見る事だろう。デビル法に則った素晴らしい悪である。軽トラは逃走用の足にも再利用可能な点も見過ごせない。
デビルを抱えて逃げるのもいいが軽トラに詰め込んで逃げれると、よりスマートで華麗な銀行強盗として憧れの眼差しで見られることだろう。
そして驚く銀行員の前に、目出し帽を被った襲撃班が威嚇射撃!
Dを出せーっと脅して、金庫へ案内させる姿は、コテコテの正統派銀行強盗だ。
そして金庫を爆破して、中にあるDを根こそぎ強奪してトンズラ。
この方法に則って計画を行えば、悪魔たちの憧れである銀行強盗として期待の眼差しで迎えられるに違いない。
レモンの強盗計画は、まさにコテコテの銀行強盗として完璧であるといえる。
考えてきた作戦に頭が疲れたのか、糖分が欲しくなってきた。とりあえずそこにあるチョコ棒の新作に手を出してみる。
「あ、このチョコ棒の新味、美味しいっ!」
銀行強盗の作戦会議ではあるが、目の前のお菓子も欠かせない。それにレモンだって女の子。深夜の甘いものなんて背徳の代物。普段なら危険すぎて避けるが今なら食べたくもなる。
今日ばかりは悪い子として、朝まで夜更かしお菓子パーティだ。
大成功
🔵🔵🔵
サージェ・ライト
お呼びとあらば参じましょう
私はクノイチ……とかそんな雰囲気じゃなかったので大人しく着席します(ちょこん)
陽動とか爆破とか突入とか色々作戦はあると思いますが
さてどうしましょうねー?
あ、お菓子おいしい
深夜のお菓子は罪の味、いくらでも食べることができる麻薬なのです……!
あ、毒物差し入れしますか(閃き)
いえ、痺れ薬入りのお菓子の差し入れとかですね
奥の事務室で人が倒れ始めたらさすがに浮足立つと思うのですが
後はそうですねー
キャバリア使える人はキャバリアで突入するとか?
キャバリアじゃなくても戦車とかでもいいかもですねー
強盗なんですし、派手に壊しましょうよーうふふふふ
悪目立ち最高!
みたいな
※アドリブ連携OK
お菓子パーティ真っ最中の銀行強盗作戦会議。その深夜の倉庫に声が響く。
「この世に潜むのが忍びの定め。お呼びとあらば参じましょう。私はクノイチ……」
とか聞こえていたが声の主は普通にパーティの一席にちょこんと座っていた。
「とか、なんかそんな雰囲気じゃないですよね。大人しく着席しときます」
サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)は並べられた色とりどりのお菓子に手を出す方を選んだ。今回は忍びというか銀行強盗。さてどうしようかなーと考えつつ適当なチョコレートを口に放り込んだ。あ、このお菓子おいしい。
「深夜のお菓子は罪の味、いくらでも食べることができる麻薬なのです……!」
そのいくらでも食べられる麻薬に手が止まらず、板チョコ一枚を完食してしまった。でもまだおなかに空きはある。次はあれかな、とポテトチップスに手を出したところでひらめいた。
「あ、毒物差し入れしますか。いえ、痺れ薬入りのお菓子の差し入れとかですね。奥の事務室で人が倒れ始めたらさすがに浮足立つと思うのですが」
結構忍びらしいえぐめの作戦だった。確かに奥の事務室で次々と人が倒れ始める、なんてことが起こったなら浮足立つだろう。でも強盗方面ではなく急病の類なので、悪魔と言えども一般人の命にかかわることは避けたいところだった。流石に軽めの調合にしますよとは言っておく。
「あとはそうですねー。突入班はキャバリア使える人はキャバリアで突入するとか?キャバリアじゃなくても戦車とかでもいいかもですねー。強盗なんですし、派手に壊しましょうよーうふふふふ」
確かにキャバリアなら一銀行支店の正面玄関程度、武装を使わなくとも突撃だけで破壊できるだろう。デビルキングワールドでは見慣れないキャバリアの突撃に悪魔たちから歓声が聞こえる事間違いなしだ。
そこに戦車も入り込むとなると、D支店が物理的に崩れていくであろうことは想像しやすい。金庫もキャバリアと戦車の重火力の前には無力だ。
「悪目立ち最高!」
そんな声と共に、ド派手に銀行を木端微塵にしてデビルを奪って行く様は、まるで略奪者。普段銀行が市民に行っている事をやられる姿に、悪魔たちは君たちを英雄視するだろう。ポテチの袋がつい空になってしまいながら、夜は更けていった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 集団戦
『悪そうなお兄さん』
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POW : やっちまってください、アニキ!
戦場に、自分や仲間が取得した🔴と同数の【子分】を召喚し、その【野次】によって敵全員の戦闘力を減らす。
SPD : ダチを可愛がってくれたじゃねえか
全身を【強そうなオーラ】で覆い、共に戦う仲間全員が敵から受けた【負傷】の合計に比例し、自身の攻撃回数を増加する。
WIZ : おいおい、俺たちと遊んでくれるってのか?
【見事なやられっぷり】を披露した指定の全対象に【『なんか、もうどうでもいいかな』っていう】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
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猟兵達による銀行強盗作戦会議も終わり、夜が更けた。
今日も今日とてデビル銀行D支店はせっせと業務を続けている。
さあ、今こそド派手に悪事をぶちかます時だ。
思い思いの「銀行強盗」を見せつけよう。
木々水・サライ
【ワンダレイ】
UC【願い叶えるチビサライ軍団】を発動して、創造したいものを創造するペンダントを準備。
まずは俺がペンダントを噛んでチビとミニ含めた全員分のガスマスク作成。夜野の毒ガスに備えておく。
あとついでに、チビ共にチビ刀を持たせておこう。殺傷力はない玩具のヤツ。
バルタンのミニっ子とチビ共が暴れまわってる間に職員共を脅し……あ?
なんか変な感情が……。ってやべ、チビ共がどうでもいいかなモードになっちまった。
ほらチビ共、強盗終わったらメシ食いに行くから元気出せ。
メンカルが金庫開けてくれるそうだから、俺はそれを悟られないように大暴れすっか。
開け方次第では俺も手伝いに行くけど、基本的には暴れる側だ。
バルタン・ノーヴェ
【ワンダレイ】で参加デース!
POW アドリブ歓迎!
ヒャッハー! 新鮮な銀行デース!『バルルー!』
ワンダレイの皆と、楽しい大強盗団であります!
メンカル殿の装甲車が銀行の入り口を破壊したら、バルタンズ共々飛び降りマース!
全バルタンはサライ殿たちが作ってくれたガスマスクを装着して、夜野殿の毒霧対策と顔隠しは万全デース!
金目のDを出してくだサーイ!『バルバルー!』
半分くらいのミニ・バルタンはアニキや子分の銀行員を銃で脅して、簀巻きにしてもらいマース!
残りはワタシといっしょにメンカル殿について行って、金庫荒らしのお手伝いデース!
「格納型メイド用キッチン」の戸棚や、袋にいっぱい詰めて持っていきマショー!
メンカル・プルモーサ
【ワンダレイ】で参加
まずは改造装甲車【エンバール】で銀行に突っ込むよ…ダイナミックエントリーだー…そして荷台から皆が降りたのを確認してガスマスク付けて自分も降りよう……
(横流しで手に入れたマシンガンを天井に撃ちつつ)ひゃっはー……動くな手を上げろー…あれ…大体終わってるね…
…適当に管理用コンピューターをハッキングして金庫の位置を調べて開けに行くか…
…金庫や道中に鍵が掛かってるだろうけど【言の葉を以て岩戸は開く】で鍵を複製して開けてしまうよ…
金目のDを圧縮格納術式【アバドン】が掛かった唐草模様の袋に入れて…貰うものもは貰ったしエンバールに乗って逃げるとしようか…
尾守・夜野
【ワンダレイ】
メンカルの用意した装甲車に乗り込み木々水の用意したガスマスクを装着
突っ込むと同時に選択UC発動
毒霧を煙幕にし作戦決行
…最近毒強くしすぎちまってるが悪魔なら耐えられるだろ
呻き声しかあげられないかと思いきやヤジ飛ばす元気のある奴もいるらしいな
ってこいつぁ…UCか…!
金庫あける障害になりそうだし
声出せないように毒(希釈)を含ませた手拭いでも噛まして回るか
どけるのめんどいから倒れた悪魔を踏みつけ移動
ついで懐とか(女性にはノータッチ)に金庫の鍵とか金目の物ねぇかなーと漁ったり尋問モドキも
金目の物があればバルタンズにパス
鍵なくてもメンカルが何とかしてくれるから雰囲気作りとかそーいうレベル
ところどころ整備された魔界の車道。その道路を一つの装甲車が走っていた。マインドミナVBA装甲に覆われた、陸上水上水中空中等あらゆる状況を走破出来る改造装甲車【エンバール】に乗り込んでいるのはガジェット研究の魔女メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)、歴戦のバトルメイドバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)、人間をやめた人形木々水・サライ(《白黒人形》[モノクローム・ドール]・f28416)、業を背負いし多重人格者尾守・夜野(墓守・f05352)の4名。飛空戦艦に集う仲間たちが楽しい銀行強盗を始めようとエンバールを走らせる。
「そろそろ指定された銀行だな……うわめっちゃでけえな。これで一支店なのか?」
「これだけ大きいと、探すのめんどくさそう……」
サライの目の前に広がるのは、高層ビルだ。銀行の一支店にしては大きくD支店が業績を伸ばしていることの証だろう。メンカルの言うように金庫を探すのは手間がかかりそうだった。
「でもこれだけ大きい銀行を襲ったら、すごいワルとして歴史に名乗れマース!大強盗団ワンダレイのお披露目デース!」
「暴れまわるってよりは、俺は強盗の時間稼ぎに回るわ。鍵とかその辺は何とかしてくれんだろ?」
「もちろんー……」
バルタンがわくわくしながら強盗の装備を整えていく中、夜野は運転中のメンカルに話しかける。もちろん突入の経路も把握している。計画に抜かりはなかった。
まずは計画の初期段階として、サライとバルタンがユーベルコードを起動する。
「チビ共、俺の願いを叶えな!!」
「「「「さっらー
!」」」」
「カモン、バルタンズ!」
「「「「バルバルバルバル♪」」」」
願い叶えるチビサライ軍団(ウィッシュ・カム・トゥルー・モノクローム)&秘密のバルタンズ(シークレット・サービス)の召喚ユーベルコードの合わせ技。現れたのは子供サイズのサライとバルタンがたくさん。そこから子供サライがペンダントを取り出せば、サライ本体がそれを嚙み始めた。それはただのペンダントではなく、噛んでいる間だけ効果が出るペンダントなのだ。
するとそこから全員分のガスマスクが現れた。それぞれがガスマスクを装着しつつ、エンバールは店の前へと速度を落とさずに進んでいった。
「あ~~今日もお客様の金で当行が忙しいぜ~~!!支店長が直々にデビル回収しちまうし、デビル株もやらなくなっちまったからスリルってもんがねえなぁ~~」
「そうそうありませんよ兄貴ィ~~しかも行員として立ってるのは地元じゃ負け知らずの兄貴ですぜ~~?強盗もビビって帰っちまいますよ~~」
行員の怖そうなお兄さんが窓口に立っている。業績が上がった為か普通に本来の(我々の知る)銀行業務も忙しくなった。札束を数えたり問い合わせ対応中だ。
ガシャアァアアアアアアン!!!
一台の装甲車がダイナミックご入店!入口窓ガラスが吹き飛ぶ!!
一瞬何が起きたかわからなかった。スリルが欲しいといった神様が願いを兼ねてくれたのか、はたまたどこかとち狂った軍隊が当行に危険運転してしまったのか、考えられるには後者だった。
しかし気付いた時には目の前があやふやになっていた。
「……最近毒強くしすぎちまってるが悪魔なら耐えられるだろ。それじゃここから先は俺の領域だ。取り込み溶かし………奪い尽くしてやんよ!」
ユーベルコード縲絏呪毒(マーキング・アナフィラキシー)。広域散布した停滞する毒煙の、その粒子一粒でも吸えば高濃度の毒が回る。ガスマスクを取り付けたのは、周りを巻き込みかねない夜野のユーベルコードを見越してと、己の顔を隠す為だ。一石二鳥。
「オラオラオラァ!そんな願いを叶えに来てやった銀行強盗だ!Dを寄越しな!」
「ヒャッハー!新鮮な銀行デース!金目のDを出してくだサーイ!」
「バルルー!」
夜野とバルタンがメンカルから渡されたマシンガンを天井にぶっ放せば、残った行員も毒煙で朦朧とする意識の中、事態を把握する。
「ゲホゲホッ……!ぎ、銀行強盗だぁ!?」
「ヒィ、兄貴ィ!モノホンですぜぇ!」
子分が壁に掛けてあった緊急事態ボタンを押せば非常事態発生のベルが鳴り響く!怖そうなお兄さんたちが一斉に店内の守りを固め始める!
「そうだよ。銀行強盗だよ。って、おい。なんであの毒の中動けてんだ……?」
「あの子分、ユーベルコードだ。俺の毒の効き目が少し下げられてる。まあ、ここまでくれば関係ねえな」
「バルルー!」
「さっらー!」
ガスマスクを被り銃を行員の顎に突き付けていたサライと、マシンガンを当たらないように乱射し続けている夜野が疑問に思うが、もう毒は回った。更に数もこちらが多い。銃を持ったミニバルタン達と小刀を持ったちびサライ達が、残った職員を簀巻きにしていた。煙が晴れたころには情けない姿で簀巻きにされるお兄さん達を見て、どことなくもの寂しさを覚えた。
「……とりあえず、手ぬぐい噛ませて回るか」
「……おう。なんか俺までどうでも良くなってくるな。此処までやられっぷりが凄いと。ほらチビ共立て立て。強盗終わったらメシ食いに行くから元気出せ」
終わったらごはんが食える。目をキラキラさせたちび達は毒(希釈)を含ませた手拭いを夜野から受け取りつつ行員達に噛ませて回った。そうこうしているうちに、装甲車を逃走しやすいようにバックに入れなおしたメンカルがやってきた。
「ひゃっはー……動くな手を上げろー……あれ……大体終わってるね……」
「残しておくのもなんか可哀想だったしな。俺は金目のモン漁って……お、なんかレアそうなもんみっけ。パース」
夜野から「倉庫入り口」と書かれた鍵を受け取ると、メンカルとバルタン。そして半分近くのバルタンズを連れて倉庫の入口へと入っていた。
倉庫へと入っていったメンカル一行は、コンピュータルームへと突撃する。
「な、なんだてめぇ!?」
「通りすがった銀行強盗デース!バルタンズゴー!」
「「「バルバルー!」」」
コンピュータルームにお勤めのお兄さんも、子分を呼ぶ暇もなくバルタンズに囲まれて、両手を上げて降参する羽目になった。
「さて……こいつが管理用コンピューターかなー……」
メンカルがコンピュータルームの中央にあるモニタを見つけ、バルタンズに簀巻きにされたお兄さんからIDカードを拝借。慣れた手つきで操作して、金庫の位置を把握する。しかし突破するには、複数のカギが必要だ。そこでメンカルが詠唱を始める。
「最後の鍵よ、回れ、開け。汝は解錠、汝は開放。魔女が望むは宝殿開く合言葉」
言の葉を以て岩戸は開く(オープン・セサミ)。非常に精巧な対象としたセキュリティに対応した鍵を作るユーベルコードであり、数秒後にはその手に道中を阻む全ての扉の鍵が揃っていた。金庫の鍵もその中にある。その鍵のおかげで、道中楽々と進むのだった。
金庫室。金庫の鍵を使い厳重な扉を解放すると、そこには広々とした金庫室一杯のDが存在していた。
「ワーオ。これだけあればカタストロフを起こすのもあと一歩ってところデスネー……」
「まあ、間に合って良かった……そんじゃ、頂いていこー……」
わっせわっせと、メンカルが空間を歪めて物を格納する術式である圧縮格納術式【アバドン】がかかってある唐草模様の袋に入れ込む。大量のDも袋にしまえる程収まってしまう。それでも入らない分は、バルタンがいつでもどこでも料理ができるよう、収納している台所である格納型メイド用キッチンの戸棚に入れていく。他にもバルタンズが袋にいれて背負えば、金庫の中はすっからかんとなった。
「じゃ、いこー……重」
「紙幣と言えど物量がすさまじいデース!」
「――んで、支店長はどうしてんの?まさかこの騒ぎをまだ嗅ぎつけてないとかじゃねえだろ」
「知りましぇん……支店長は外出中なんですぅ……」
「てことは、帰ってきたらこの惨事を目の当たりにするわけか……泡拭いて倒れんじゃねえの支店長」
「新鮮なDかっさらってきマシター!」
「重い……入らないから両手に袋持つことになった……早く帰ろう」
サライと夜野が簀巻きにされたお兄さんに尋問する中、メンカルとバルタンが倉庫から帰還する。貰うものは貰った。長居する意味もない。4人とちび達は再びエンバールへと乗り込み、普段できない悪事に上機嫌になりながら颯爽と走り去っていった。
この後はみんなでめちゃくちゃちび達とご飯を食べた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
蛇塚・レモン
【農園】
ルクルちゃんと共犯!
盗んだ軽トラで走り出す
行く先は閉店間近のデビル銀行
車体を黄金霊波動の斥力(念動力+オーラ防御)で覆う
ダイナミック入店後、目出し帽を被ったあたい達が飛び出す
あ、ヘリウムガス吸引っと!
ルクルちゃんが数で威圧してくれるから
あたいはオーラガンを天井へ乱射して恐怖を与えるよっ!
更に影の中からヤミちゃんを呼ぶ
手近な銀行員を影で捕縛+マヒ攻撃で人質に
騒イダラ分カッテルナ?
オ前、金庫ヘ案内シロ!
(ヘリウムガス声の片言口調)
人質はヤミちゃんに任せて
あたいは金庫へ移動
金庫の扉を蛇腹剣で切断
中のカネを根こそぎ奪って軽トラの荷台に放り込んだら
アバヨ~ッってUCで眠らせて華麗に逃走するねっ!
ルクル・クルルク
【農園】
レモンちゃん……じゃなくて、レモンの姉御と共犯です。
ふふん、今日のルクルは一味違うワルルクルなのですよ(精一杯の悪い顔)
姉御がトラックで突っ込んだら、ルクルは目出し帽装備の騎士様達を召喚して襲撃し、銀行員さん達を威圧しちゃいますね。
動くなー、我々は銀行強盗だぞーっ!(精一杯の悪い演技)
このウサギの聞き耳と、失せ物探しや宝探しのおまじない効果でここの銀行ががっぽり貯め込んでいることは把握していますからね。
根こそぎ頂いてしまいましょう。
逃走の際には、お仕事でお疲れな銀行員の皆さんに眠り速度の増す呪詛をプレゼントして華麗に退散です。
お仕事をサボって寝ちゃうなんて、皆さん最高にワルですよ。
夕暮れ、デビル銀行D支店も閉店間際を迎えた。先ほどは謎の銀行強盗により金庫を空にされてしまったが、何とか別金庫の存在を隠し通せていた。
簀巻きも抜け出し、あの銀行強盗かっこよかったな……と思っていた最中の出来事であった。
黄金色に輝く軽トラック。先ほど必死こいて直した入口に飛び込んでくるのが見えた。突き抜ける窓ガラスの破片。カムバックあの日の衝撃。カムバック銀行強盗。
「強盗ダ!Dヲヨコセ!」
「動クナー、我々ハ銀行強盗ダゾーッ!」
突っ込んだ軽トラックから出てきたのはヘリウムガス特有の高い声で脅しかける蛇塚・レモン(蛇神憑きの金色巫女・f05152)とルクル・クルルク(時計ウサギの死霊術士・f31003)の二人の姿があった。目出し帽を被り顔対策も万全だ。同時に、ルクルの仔ウサギの親衛隊(ワタシノキシサマタチ)による83体もの死霊騎士が行員達に圧をかける。この死霊騎士達も目出し帽を被っている。ついでにヘリウムガスも。
「ああ!?また銀行強盗だってのか!?」
「あんな変な声してるやつらなんてやっちまいましょう兄貴ィ!」
しかし負けじと行員のお兄さんも動き出す。子分たちによる地味なヤジを飛ばされて、少しだけ威圧感を落とされた死霊騎士だったが、レモンが指先を天に向ける。
オーラガンの巨大な玉が天井に向けて乱射された。
「オ前ラ次動イタラコウダカラナ」
ヘリウムガスでの変な声でも、実際に穴が開いた天井を見せつけられてお兄さんは恐怖した。
更に影の中から影の悪魔の少女が現れ、子分を人質に取った!ヘリウムガスももちろん吸ってる。
「オ前ラ少シデモ変ナ事スレバ、コイツガ危ナイ目ニアウゾーッ!」
「あ、兄貴ィ~~!!」
「ひ、ヒィ~!極悪!」
先ほど別金庫の存在の上げたが、ルクルにはその存在がお見通しであった。死霊騎士に睨みを利かせつつ、レモンに耳打ちする。
「レモンちゃん……ここには別金庫があります。失せ物探しや宝探しのおまじない、更に奥の行員が別倉庫の鍵をしまえと言ってます」
「よしきた」
窓口から身を乗り出したレモンが、奥にいる行員を影で捕まえる。そのまま指鉄砲を行員に突きつけ脅し始めた!
「騒イダラ分カッテルナ?オ前、金庫ヘ案内シロ!」
「き、金庫はさっき別の強盗に入られまして……」
「別金庫、アルダロ」
「べ、別金庫ォ~?いや、何のことでしょうか」
なんか言い始めた。もう一発オーラガンを天井にぶちかました。
「アルダロ」
「はい」
大人しく従ってくれた。圧倒的な恐怖は人を支配するのだ。人質を影の悪魔の少女ヤミに任せ、ルクルと共に別金庫室へと向かう。案内された金庫の前で、蛇腹剣を振るう。連結された刃はチェーンソーのように唸りをあげ、金庫室の扉を叩き切ったのだ。
いざ扉を開けてみると、そこには大量のDが未だ存在しているではないか。
「さてと……これだけあると、持ち出すのが大変だね?」
「軽トラは流石にここまで入れませんし……どうします?レモンちゃん」
「こういう時は、古来より頼りになる技があるんだよルクルちゃん」
「おお!そうなんですか。ルクルのまだ知らない技が」
「力技」
「力技」
真面目な顔で力技と答えたレモンだった。運ぶための物を持ってきてなかったから、両手でひっつかみ袋に入れるだけ入れて軽トラまで運んでいく。これを繰り返す。幸いにも死霊騎士達もいるので、運ぶのに時間はかからなそうだった。
ヤミが人質を取りつつ行員達を縛っている中、レモンたちは無言でDを運び出す作業をしていた。Dの詰まった袋を取り出しては軽トラに運び、空にしてまた入れて運ぶ。派手に奪って派手に強盗する図からは少し遠ざかり、レモンたちと行員達のテンションは少し下がっていた。そんな中ヤミが必死に人質に刃を突きつける迫真の演技が、きらりと光っていた。
軽トラに全てのDを運び込んだ一行は、テンションを取り戻して行員達に振り返る。術式を解放したレモンのユーベルコードが、巨大な白蛇を呼び寄せる。
「せめて、優しい“毒”で眠らせてあげるね……?」
戦術召喚使役術式・眠れ、この甘美な蛇神の毒にて(タクティカルサモンコード・スリーピング・ヒュドラ)によって、白き蛇神とレモンの麻酔催眠念動波が行員達に睡魔を呼び寄せる。更に、ルクルがその眠りが回る速度を増す呪詛をプレゼント。もう行員達に成すすべはなく、そのまま床へと崩れ落ちた。
「お仕事をサボって寝ちゃうなんて、皆さん最高にワルですよ」
「ソンジャ、アバヨ~ッ!」
軽トラは走る。デビルキングワールドの夕暮れを背に、大量のお宝を背負って。
成功
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第3章 ボス戦
『ルビー・ジュエルシード』
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POW : 弱きを挫く三叉槍
敵より【強い】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
SPD : バッドアップルエリクシル
対象の【身体】に【『赤き宝石』を核とする茨】を生やし、戦闘能力を増加する。また、効果発動中は対象の[身体]を自在に操作できる。
WIZ : フォールダウン・アセンション
【重力を反転させ、空へと万物】を降らせる事で、戦場全体が【空中】と同じ環境に変化する。[空中]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
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「ちょっと、ちょっと待ってください。何ですかこの惨事」
支店長ルビー・ジュエルシードが外周りから帰ってきたときに待ち受けていたのは、大惨事だった。
お気に入りだった入口の窓ガラスは大破し、行員達は床に伏せ、金庫への道は空きっぱなし。何とか一人の行員を起き上がらせれば、その言葉に彼女は驚きを隠せなかった。
「銀行、強盗……」
ついにやってきたのだ。この銀行にも猟兵達が。自分がカタストロフを起こすために貯めていたDを狙われ、すべて奪いさられていた。
緊急事態だ。ルビーはすぐさま踵を返し、猟兵達が逃げていったであろう沿道へと駆け出した。
「これは、まずい。非常にまずい。何とかして取り返さないと……!」
ロラン・ヒュッテンブレナー
○アドリブ絡みOK
あわわ、ほんとに銀行強盗しちゃってる…
あわわ、追いかけてきてる…
えとえと、どうしよ?
ア、アルターギア!(召喚魔術でキャバリアを呼び出す)
※電脳空間へ魔力でアクセスして操る空戦用魔術特化機(下半身はブースター)
重力変動を検知?
と、飛んでて良かったの…
えと、UC発動(様々な鳥型使い魔を呼ぶ)
みんな、整列なの
ぼくとアルターギアの演算能力に、使い魔で描いた大型魔術陣から、
雷でできた拘束結界を発動なの
見た目は派手だけど、捕まえておくのが目的なの
えとね、カタストロフは、あきらめて?
そうしたら、これを解除してあげるよ?
むぅ、分かってくれないと、解放してあげられないの…
(困った視線を周囲へ)
D支店から奪ったDを逃さないべく、逃走劇を援護するためにデビルキングワールドにまた一人の猟兵が転送してきた。ロラン・ヒュッテンブレナー(人狼の電脳魔術士・f04258)はそのボロボロになったD支店の惨状を見てひどく驚いた。
「あわわ、ほんとに銀行強盗しちゃってる……」
「こら!待ちなさい……!私のDを返しなさい!正義の味方でしょうあなた達!銀行強盗なんて真似して他の住民が真似してくれたらどうするんですか!」
「あわわ、追いかけてきてる……」
同時に追いかけてきているルビー・ジュエルシードにびっくりした。猟兵側の速度も大分早いのだが、それを追うルビーの速度も尋常ではなかった。
「この……重力場展開!」
ルビーがユーベルコードを起動すると、辺り一面の固定されていない物が、一気に浮かび始める!重力を反転させてしまったのだ。
「あわ……!えとえと、どうしよ?ア、アルターギア!」
急に地面に足がつかなくなり、ロランも焦りだしながらも、召喚魔術を口早に唱え始める。魔力は電脳空間を通り、その黒鉄の空戦用外骨格へとアクセスされた。現れたキャバリア――アルターギアはブースターとなっている下半身から、魔力によるブーストの煌めきを輝かせ、主の元へと素早く飛んで行った。ロランは慣れた手つきで乗り込みつつ、モニタへと目線を向ける。
「重力変動を検知?と、飛んでて良かったの……」
「なんですかあれ。ロボット……?そんなものまで猟兵持ってるんですか。これじゃ重力で反転しても対応される……!」
空中を舞うアルターギアに翻弄されつつ、重力場を操る。いろいろと重力を弄ってみても常に対応され続ける。
アルターギアを制御しつつ、仕掛け時とみたロランは愛機を通して魔力を増幅させる。
「我が言の葉において、内なる門より、汝ら集結せし。盟約において、我が命、遂行せん」
言の葉は魔力を導く詠唱となり、その力の奔流を制御する。その言葉に呼び出されし者は。
「――顕現せよ、集まり来るは隣人の群れ」
梟、鷲、金糸雀――様々な鳥型の使い魔たちだ。使い魔たちはロランの真横に並び、更に魔力を高める。
「鳥……?ですが、手駒が増えても戦闘力は大したことないでしょう」
「それは大きな勘違いなの。行って、皆」
ロランとアルターギアが一体となって、強大なる演算装置となる。使い魔たちが飛び立ち、ルビーを囲むように羽ばたいた。その軌跡が大型の魔術陣となり輝きだす。
「んなっ。これは
……!?」
出来たのは雷によって囲まれた大型の拘束結界。触れればその電流が容赦なくルビーを襲う事だろう。
「ふー……えとね、カタストロフは、あきらめて?そうしたら、これを解除してあげるよ?」
ロランは一息つくと、ルビーに諦めてくれないかと微笑みつつ提案する。
「何を言いますか。元はといえばあのDは私の物です。それを盗んどいて諦めろとは盗人猛々しい」
「むぅ、分かってくれないと、解放してあげられないの……」
「そうだそうだー!諦めろー!」「そもそも俺たちのDじゃねーか!ふざけんな!」
ちらっ、と困った視線を周囲に向ける。沿道の魔界の住民の皆さんも、ロランの味方となりブーイングを飛ばす。
「うぐ……ええいこうなったら、こんなのくらい突破して見せます」
「あっ、それ触っちゃ」
居ても立っても居られないのか、拘束魔術を脱してやろうと突撃をかます。待ってという言葉も届かず……
「あばばばばばばばばばばー!?」
たちまち電流がルビーを襲い、黒焦げになってぽとりと宙から落ちていった。
「だから言ったのに……ちょっと考えたら、触ったら危ないってわかるの……」
黒焦げで頭から地面に突き刺さったルビーを見つつ、ため息をついた。踵を返してブーストを吹かし、鳥たちと器用にデビルキングワールドの空を駆けつつ、帰路に就いた。
大成功
🔵🔵🔵
蛇塚・レモン
【農園】
ルクルちゃん、飛ばすよっ!
軽トラで法定速度を越えたスピードで爆走してると……
わわっ!
誰か凄まじい末脚で追い縋ってくるんだけどっ!?
あれが支店長!
脚質は追込Sランクとみたっ!
このままじゃ追い付かれちゃうっ!
そうだ!
ヤミちゃん、荷台のDを観戦してる悪魔さん達にばら蒔いてあげてっ!
みんな~っ!
あたい達は銀行強盗をやってのけたよっ!
今から最終ラウンド、支店長をぶちのめすよっ!
そのためにもみんなの力を貸してっ!
報酬はこのたんまり奪ったDだよっ!
足止めと先制攻撃を悪魔さん達に依頼したら、あたい達も参戦
空に浮かぶの禁止っ!
UCで支店長を封殺したら、ルクルちゃんの合図でオーラガンを最大出力で発射~っ!
ルクル・クルルク
【農園】
共犯者のレモンちゃんと逃走中です。
銀行強盗のクライマックスを盛り上げるべく、召喚した楽団員さん達にテンションアゲアゲな曲を奏でてもらいますね。
悪魔さん達が観戦に集まっていたら、盗んだお金をばら撒いて。
ルクル達の味方をしてくれたら、好きなだけあげますよ?と、悪魔的な取引を持ちかけましょう。
支店長さんの足止めや妨害、こちらが戦闘準備を整えるまでの時間稼ぎ等をお願い出来たら有り難いですね。
戦闘時はレモンちゃんと協力し、お互いの動きをサポートしつつ。隙を突いて呪詛マシマシの呪殺弾で攻撃です。
今がチャンスですよ、レモンちゃん。
トドメは戦艦の主砲とレモンちゃんのオーラガンでド派手にずどーん、です!
サージェ・ライト
しまったーっ!?集合時間間違えました!?
えーと……こっちですね!
おいかけまーす!
おや、見えてきた前方の影は……?
よし、怪しいので後ろからクノイチキック(ドロップキック)かましておきましょう!
「銀行強盗が逃げるだけだと思ったら大間違いです!」(心の声:よかった間違ってなくて!)
ここからは速攻で、見た目も派手にいきますよー!【VR忍術】火遁の術、参ります!
こう、ルビーの周囲からぐばーっと炎が襲い掛かるイメージで
観客(悪魔)さんにしっかり見えるようにして応援を得ましょう
はーいクノイチ称えてー(笑顔)
ルビーの攻撃は【VR忍術】土壁の術で防御
私に当たらないと意味ありませんからね!
※アドリブ連携OK
「ルクルちゃん!飛ばすよっ!法廷スピードぶっちぎり!」
「はいレモンちゃん!」
デビルキングワールドの法定速度を超えたワルの運転をする蛇塚・レモン(蛇神憑きの金色巫女・f05152)の軽トラが沿道を爆走する。助手席にいるルクル・クルルク(時計ウサギの死霊術士・f31003)もしっかりつかまりつつ、銀行強盗のクライマックスを盛り上げるべく、己の魔力を解き放った。
「これは、あなたへの、葬送曲……。最期の時を、わたしと、楽団員さん達で、奏でます……!」
仔ウサギの軍艦交響楽団(ウタッテノロッテクルッテハゼロ)による、様々な楽器型音響兵器で武装した死霊戦術音楽家軍団が、幽霊戦艦に乗りながら並走していく。先頭のトランペット隊が楽器を空に上げれば、軽快なファンファーレが鳴り響く。
すると、後方から誰かが物凄い勢いでやってくるではないか。ルビーだ。
「この……待ちなさい猟兵!その軽トラの荷物を置いていきなさい!」
圧倒的なスピードで軽トラに追いつかんと走りゆく。だが待って欲しい。さらにもう一人いる。その後方に駆けるもう一人が。
「集合時間間違えましたー!!そこの人待ってー!!」
サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)が全力疾走で駆けている。ルビーのコーナリングに対してピッタリマークし、直線に入った。軽トラは前を走りながらその様子を見ている。レモンがどこからか出したマイクに実況の熱がこもる。音楽家軍団による演奏もクライマックスだ。
「二人が並んだっ!両者来るのか!来るのか!ルビーが来た!ルビー来た!頭一つ抜け出してる!サージェ苦しい!伸びない!ルビー伸びる!まだ伸びる!追い込みが凄い!抜けた!抜け出した!そのまま一着でゴォール!!」
ルビーが最終コーナーからの追い込みから、驚きの走りを見せ、そのまま軽トラを抜き去っていった――
リポータールクルによる勝利者インタビューが始まった。
「それにしても最後の追い込み、すさまじかったですね。今回の勝因はやはり最後に貯めた足の強さでしょうか?」
「はい……ラストの直線でいけると確信しまして、スパート駆けましたね。というか私ウマじゃありません」
「勝負に負けた悔しさ込めたクノイチキック!!」
「あだっー!?」
後方からサージェがドロップキックをかます。その間にルクルを拾って軽トラが走る。
「銀行強盗が逃げるだけだと思ったら大間違いです!追込はあなたの専売特許では無いんですよ!」
ここからは一気に勝負をつける。サージェが専用メモリを取り出すと腕のコンソールスロットに突き刺す。
「メモリセット!チェックOK!参ります!VR忍術……火遁の術!」
「いやだからウマではないと……ええい。このままでは見失う」
「え、ふわり無重力!?」
ルビーの周囲に猛り狂う炎が舞い上がる。しかし、ルビーはこの一帯の重力を操り始めた。重力を無くした影響で空を飛び、一気に包囲網を飛び去って行く。順調に走っていた軽トラも、重力変動の影響を受けて浮き上がっていく。
「うわわっ!トラック浮いてる!?」
「今ルクルが抑えてますけど、Dも浮いちゃってますレモンちゃん!」
ルクルと音楽隊が荷台のDを留めているが、時間の問題だ。このままではDを奪われかねない。そこでひらめいた。
「そうだ!ヤミちゃん!荷台のDを悪魔さん達にばら蒔いてあげてっ!」
レモンに憑いていた影の悪魔の少女が、荷台に移りDの入った袋を解放し、ばら撒き始める。ばら撒かれたDに観戦していた悪魔たちもどっと近くに集まってきた。
「みんな~っ!あたい達は銀行強盗をやってのけたよっ!今から最終ラウンド、支店長をぶちのめすよっ!そのためにもみんなの力を貸してっ!報酬はこのたんまり奪ったDだよっ!」
「ルクル達の味方をしてくれたら、好きなだけあげますよ?だからどうか、皆さんの力をお貸しください」
その言葉に悪魔たちは二つ返事で承諾した。無重力とはいえ一気に数でルビーを抑え込み、そのスピードの邪魔をする。ちぎっては投げ、ちぎっては投げではあるが徐々に近づいて来る。
「よっしゃ!今だルクルちゃん!」
「はいっ!狙い撃ちっ!」
呪殺弾が宙を漂うルビーに命中すれば、その身を呪詛が蝕んでいく。そのせいか、体の自由を少し奪うことに成功した。そこにレモンが白き蛇神を呼び寄せ、強大なユーベルコード――戦闘召喚使役術式・大罪司りし蛇神は妬み嫉む(バトルサモンコード・エンヴィー・レヴィアタン)を発動した。
「それはズルいから反則だよっ!使用禁止~っ!蛇神様っ!あいつにお仕置きしちゃって!!」
蛇神が放つ破壊の波動が、重力波を無効化する。101秒までではあるが、一気に戦いを持っていくには十分な時間だ。
「じゅ、重力が……!け、けどまだこれがあります!」
振り上げた三叉槍を振り回し、解除を狙おうとレモンとルクルに襲い掛かる。しかしその槍が届くことはなかった。
「VR忍術……土壁の術!ユーベルコードを止められてる間なら、貴方は私よりも弱い!……んで、とどめ、任せます!」
サージェの忍術で現れた土壁が槍の攻撃を防ぐ。その間にルクルとレモンが戦いにケリを付けるべく、幽霊戦艦の巨大三連装砲塔と指先に貯めた巨大なオーラガンを向ける。
「い、いつのまに……!」
「全門、狙え……放て!」
ルクルの合図とともに、三連主砲の爆音とオーラの銃弾がルビーをはるか彼方へと吹き飛ばしていった。
成功
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バルタン・ノーヴェ
【ワンダレイ】継続!
アドリブ歓迎!
現れマシタネ、支店長!
預かったDを守ろうとする正義心、見事デース!
しかし、ワタシたちはワルの中のワル! 奪ったDを返すことはしマセーン!
という訳で、Dのばら撒きタイム!
拾おうとする観客! それに紛れて拾おうとするルビー支店長?
それは隙がありすぎだと思いマース。
(こちらへの攻撃を優先するなら、それはそれでカウンターチャンスデスネ!)
真の姿を開放!
軍装を纏い、「六式武装展開、鉄の番!」
鉄球を勢いよく振り回し、装甲車の上から振り下ろしの一撃を叩き込むであります。
奴を道路もろとも、粉砕するであります。
弱きを挫く三叉槍?
すでに略奪完了している我輩たちのほうが強いのでは?
木々水・サライ
【ワンダレイ】
卑しい支店長のお出ましってところか。
UC【複数の白黒人形達】を発動。呼ぶのは……10人ぐらいでいいな。
集めたDを義体達と一緒に民衆にばらまいて、その上で俺は大声を張り上げる。
「この金を奪ったカッコイイワルである、俺達のことを崇めな!!」と。
ついでに支店長についても色々と言っとこ。
支店長が攻撃してくるなら、複製義体共々12本の刀で応戦してやるよ。
俺が2本使っても複製義体達も1本ずつは使えるから、それぞれに帯刀させておこう。
残像、暗殺技術を用いてサクっとやっちまうぜ。
味方で狙われそうなやつがいるなら複製義体にかばわせる。
……夜野、大丈夫か? 1体そっちに付き添いさせとくぞ。
尾守・夜野
【ワンダレイ】
追いかけてくる敵さんにはありとあらゆる罵倒や捏造込みの真実()をばら蒔き挑発&名誉毀損をプレゼントフォー・ユー
攻撃が単調になれば黒纒で防ぐのも容易になるだろ
…まぁ俺も貧血で死ぬが
その状態でUC発動
皆がばら蒔いたDに集まってる 悪魔か敵に攻撃
同一と見なすものに広がるから
…つまり広域にテロる
広げようと別にこのUCで死ぬわけじゃねぇし
あくまで俺がダメージを負えばそれを奴らが負担するだけ
…つまり
黒纒で攻撃防いでいれば…俺は黒纒に触れてるから
結果皆疲れるし貧血になるはず…はず…!
足止め、サポートに回ってるぞ 回ってるし口は動かしてるが本音いうならかなり気持ち悪い
吐き気ががが(貧血・車酔い)
メンカル・プルモーサ
【ワンダレイ】
(エンバールを運転している)…追ってきたな…んー…
…取り合えずDをばら撒いて足止めをするか…ついでに民衆を味方に付けることが出来れば良いね…
さて……キレ気味の支店長が万物を空へとふらせようとするなら……こちらは【星を墜とす大地の手】を発動…威力を弱めて味方を対象に向けて発動…大地へと軽く縛り付ける事で空への落下を防ぐとしよう…
……落下を防いだら二発目…勿論、支店長に今度は威力全開で掛けて動きを封じるよ……
…それじゃあ、あとは術式装填銃【アヌエヌエ】で支店長に爆破術式の乗った銃弾をごちそうするとしようか…
…夜野、大丈夫……?言ってくれれば酔い止め渡したのに…
猟兵達の活躍により、ルビー・ジュエルシードの体力は底に近かった。だがまだ彼女にはやらねばならぬことがあった。
「あ、あの装甲車……うちの監視カメラにあったやつです!こら待ちなさい!」
「……追ってきたな……んー……」
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)が後方ミラーを見ると、ルビーが追いかけてくる様子が見て取れた。後方のハッチをあけつつ、バルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)がルビーに叩きつける。
「現れマシタネ、支店長!預かったDを守ろうとする正義心、見事デース!しかし、ワタシたちはワルの中のワル!奪ったDを返すことはしマセーン!とうっ!」
宣戦布告の言葉と共にDが入った袋がそこら中に投げ捨てられる。口からは大量のDがあふれ出し、そこらじゅうがDまみれとなった。
「あわ、あわわ。私のDです拾わないでください!」
「なーにが私のDだ。元はと言えば民衆から殺して奪ったもんじゃねえか。おめえの物じゃねえよ」
「そーだそーだ。そもそもやり方が悪質なんだよ。選択の余地もねえじゃねえか。元からだけど。つー事で俺達もワルになる。この金を奪ったカッコイイワルである、俺達のことを崇めな!!」
尾守・夜野(墓守・f05352)と木々水・サライ(《白黒人形》[モノクローム・ドール]・f28416)がブーイングしながら互いにユーベルコードを発動する。
「ははっ。身代わりありがとよ!!さぁそいつの能力自体は残ったままだぜ?吸われつくしな!」
「俺一人で出来ないんなら、数で対抗するってなァ!!」
複数の白黒人形達(マルチプル・モノクローム)にて現れた複数体のサライがルビーを取り囲みつつ、夜野の動きを封ずる棘――贖罪の山羊は俺ではない(サクリファイス・エスケープ)がDを求める者全てに突き刺さる。ルビーはこの程度なんのそのと槍を携え突撃しようとするが……
「おっと。こいつぁ俺がダメージを受けようものなら、刺さった奴ら皆が負担するぜ。さあどうするよ支店長さんやばい気持ち悪い」
「げ、外道!」
「……夜野、大丈夫……?言ってくれれば酔い止め渡したのに……」
「おいおい大丈夫か?1体そっちに付き添いさせとくぞ」
「わるぃ……貧血も起こるし、できれば早めにケリ頼むわ……」
広域テロの代償は高くつく。発動しながらもグロッキーな夜野をエンバールの座席に置いて、三人はルビーへと向き直る。
「ええい、うっとおしいですね。重力操作!」
「え、エンパールが浮き始めたデース!?」
「そだねー……でも、想定済み」
その場にいた物全てがが重力操作によって浮き上がる。重装甲車のエンパールも例外ではなく、地面からふわりと浮き上がってしまった。エンパールの上にいたバルタンも危うくバランスを崩しそうになるが、何とか掴んで体勢を立て直す。だがそんな状況でもメンカルは慌てることなどない。
「重き力よ、掴め、落とせ。汝は重圧、汝は天墜、魔女が望むは底より出でし昏き腕」
星を墜とす大地の手(スターライト・フォール)――威力を弱めて味方へと付与した疑似重力術式が、味方を地面へと軽く縛り付ける。いきなりの上下の揺れに夜野の車酔いはさらに激しさを増した。
「おっ、元通りになったデース!」
「サンキュー。それじゃ俺達も行くか!」
サライが9人の複製体と共に駆け出せば、今度はメンカルがルビーに向けて全力の星を墜とす大地の手を発動する。縛り付けられた重力に抵抗できずそのまま地面へと倒れこむ。
そこに軍装を纏いし真の姿になったバルタンが、鉄球を勢いよく振り回す。
「私がこれで決めマース!援護よろしくお願いしマスネ!」
「心得たー……」
「あいよっ!行けっ!」
何とか立ち上がろうとするルビーに、9人のサライたちによる分身殺法が襲い掛かる。
「ぐぬぬ……エリクシル、力を!」
ルビーの赤い宝石が力を与える。高重力の中、戦闘力を増して立ち上がると槍を振り回し始める。だがその槍も敵より強い場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる代物だが、戦闘力増加の恩恵を受けられずにいた。
「何故っ!何故です!私の方が強いはずでは
……!?」
「いや、略奪完了してるんで吾輩たち」
魔力を含んだDを大量に所持している場合ならば、ルビーの方が圧倒的に強かったであろう。しかし今やそのDも猟兵達の物。一文無しになってしまったルビーは現在の戦況もあって強くなれずにいたのだ。
「それに、まだ追撃が来ないと思ってるようだから……これもあげるよ」
運転席からメンカルが自動照準機能付きの回転式拳銃を構える。その銃弾はルビーの周りに連射された後、魔法陣が展開。周りの地面を爆破していく。爆破術式を乗せた一撃が動けないルビーの地面にひびを入れる。
「……!鉄球、まさかこの為に!」
「ラスト任せたー……」
「決めてやれバルタン!」
「やっちま……オゥエ」
回転数が大きくなるにつれ速度も増していくそれを見て、ルビーは絶望した。
仲間たちの声を聴き、バルタンがエンパールの上から飛び上がる。
「任されマシター!六式武装展開、鉄の番!」
単純で重く、速度の乗ったチェインハンマーの一撃。それは地面もろともルビーを地の底に叩き込むには充分であった。食い込む鉄球がひび割れた地面を打ち砕き、ルビーの辺り一面が陥没していく。
「お、おのれ猟兵ー!もう銀行なんてこりごりですー!」
落ちていくルビーを見下げながら、再びエンバールの上へと着陸していく。
「撃破、完了デース!」
Vサインが観客の悪魔たちへと放たれれば、観客のテンションも最高潮だった。
「それで……夜野は大丈夫なの……?」
「足止め……サポートに死ぬほど疲れた……あ、やば」
「オイ待て。やめろ。そこは俺の前だ俺の前ー!!」
度重なる振動に、夜野の車酔いも最高潮に達していたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴