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【猟】もふもふランド、開園!

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #レプ・ス・カム #フェアリー

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●命の危険に晒される
 アックス&ウィザーズにて。

 動物大好きなフェアリー、フィリアは悩んでいた。
 このままでは自分が死ぬのかもしれない、と。

 事の始まりはユーベルコード『フェアリーランド』で作った壺を、大好きな動物達に触れさせてフェアリーランドの中へと押し込んだことから始まった。

 動物を一晩中愛でていたいと思っているフィリア。彼女はいつでも呼び出せるようにと友達である動物達に了承をとって、フェアリーランドの世界へと連れ込んでいた。
 しかしその動物達の中に、猟書家レプ・ス・カムの意志を継いだオブリビオンが混ざっていたことに、彼女は気づくことが出来なかった。
 そのためフェアリーランドの壺が消えないまま、フィリアの前にずっと残されている。

「うう、どうしよう……。このまま使い続けてたら、私……」

 まだユーベルコードを使えるようになってそこまで日が経っていないフィリアには、オブリビオン出現後のフェアリーランドを解除する事が出来ずにいた。
 未熟な彼女を救うためには、フェアリーランドの中へ入ってオブリビオンを見つけ討伐する他に手段はない。

「誰か……誰か、助けて……!」

 悲痛な叫びが、小さく聞こえた。

●もっふもふ
「もふもふって、いいよな」
 集まってくれた猟兵達に向けて熱弁する霧水・砕牙(《黒の風》[プレート・ヴェント]・f28721)。見えた予知がもっふもふだったそうだ。

 猟書家レプ・ス・カムは討伐された。しかし彼女の意志を継いだオブリビオンがアックス&ウィザーズに現れ、天上界への鍵を探し続けているとのこと。
 今回はフェアリーランドに逃げ込んだオブリビオンを探し出し、討伐するのが最終目標。なのだが……。

「それがな、フェアリーランドに連れ込まれた動物達がなんかパニック起こしちゃってるんだ。オブリビオンと発覚してからずっとパニックでランド内を暴れまわっちゃってるっぽい?」

 その光景はさながら檻が吹っ飛んだ動物園だと砕牙は言う。

 なお、フェアリーランドを作り出した張本人は動物と銘打っていれば何でもフェアリーランドに連れ込んでいたそうで、色んな動物がいるそうだ。竜とかもいるかもしれない。
 しかも水生動物も動物と銘打ってるからと、フェアリーランドの湖から打ち上げられてびちびち跳ねてたりもする。ちょっと生臭い。

「まあ……その中にオブリビオンが隠れてる可能性が高いんで、早急に対処をよろしくな。動物達のパニックを収めつつ、オブリビオン討伐ってことで1つよろしく」

 そう言って砕牙は猟兵達を戦場へと送り出す。
 大惨事のもふもふランドは今ここに、開園する―――!


御影イズミ
 閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
 猟書家シナリオです。A&Wを多めに出そうと思ったらレプ・ス・カムさんお亡くなりになってた。
 ってことで代理のもふもふさんが出ることになりました。

 こちらのシナリオは2章構成となっております。
 プレイングボーナスは「フェアリーに楽しいことを考えてもらう」ことです。

●フィリアについて
 ユーベルコード『フェアリーランド』を使った本人です。
 動物が大好き!なフェアリーで、動物と銘打っていれば何でもフェアリーランドに連れて行く……そんな子です。
 ユーベルコードの使用を止められず、現在は衰弱し続けています。
 フェアリーランド内へ連れて行くことは可能です。

●第一章:冒険シナリオ
 フェアリーランド内に溢れかえった動物達に鎮まれェー!してもらいます。
 動物の種類は様々です。なんか竜もいるかもしれません。
 プレイングに動物の種類を書いていただければ反映いたします。
 動物が書かれていなければMS側で見繕います。

●第二章:ボス戦シナリオ
 猟書家の意志を継いだオブリビオン「『王兎』ウサギサマ」との戦いです。
 もっふもふ!すっごくもっふもふ!
 ちょっと尊大口調だけどすごくもっふもふ!

 皆様の素敵なプレイング、お待ち致しております。
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第1章 冒険 『動物たちを連れ戻せ!』

POW   :    騎乗して従わせたり、力ずくで動物たちを連れ戻す

SPD   :    速さを活かして追い込んだり、罠を仕掛けて動物たちを捕える

WIZ   :    動物たちと心を通わせたりして、穏やかに連れ戻す

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

逢坂・宵
ザッフィーロ(f06826)
かれとはぐれぬよう手を繋ぎ壺の中へまいりましょう
フィリアさんには体力を使うユーベルコードの行使、お辛いことと心中お察しします
ですができるだけお気を落とさずに
僕たちが必ずややり遂げてまいりますから
終わったら存分にみなさんをもふりましょうね

そして現れたたくさんの動物たちに驚きつつ
ふわふわのマルチーズをもふっていれば
駆けるすさまじい足音と衝撃音とともに吹き飛ばされたかれに
どこかで見た光景ですねと思いつつ大丈夫ですかと声を

暴れる方々は「ハイ・グラビティ」で動きを止めてまいります
ええ、大事ないですよ
きみもお怪我はありませんか?
いやあ、実に愉快で楽しい世界ですよねと笑いましょう


ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と

宵と逸れぬよう手を繋ぎ壺の中へ
ここがもふもふランドか…!
沢山のもふ…動物達が居るという…が…
…何なのだ、このカオスは…?
そう目の前を駆け抜ける動物達を見れば思わずと言った声が出てしまうやもしれん
宵と小動物を撫でデート…否、過ごす予定g…ぁ…!?
そう思わず声を漏らすと同時。どーんと横からライオンに衝突されれば其の侭突っ伏そう
…猫は好きだが少々サイズが大きすぎると思うのだがな…?
宵の無事を確認せんと種瀬を向けながらも
その後は立ち上がり宵の力で動きが鈍いライオンを『怪力』で捕獲、背に乗り鬣を堪能…でなく撫で宥めんと試みよう
…宵…怪我はないな?
俺も大丈夫だが…本当に凄い世界だなここは…



●たくさん、モフる。
 フェアリーランドの中へ仲良く手をつないで入って来た逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)とザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)。フィリアには外で待機してもらうように告げ、なるべく気を落とさぬようにと言葉をかけてから入ることに。
「わぁ……たくさんいますね……」
「……何なのだ、このカオスは……??」
 彼らがフェアリーランドに入った時には、既に動物園の檻が大破したかのように動物達が走り回っていた。水生生物は水の上から地上へと飛び出しており、びったんびったんしている。鳥たちに至ってはぎゃあぎゃあと叫び周り飛び回っているのが現状だ。
 もはやカオスとなったこのフェアリーランド、彼らはどう攻略しようかと考える。
「すごいですね、これ……。パニックになった、とは聞いていましたが……」
 宵はひとまずと言ったように、近くにいたふわふわもこもこのマルチーズをなだめ、ゆるゆると撫でる。マルチーズは最初は宵とザッフィーロに威嚇体勢を取っていたものの、宵のなで方が上手いために威嚇のことさえ忘れ、ごろりと腹を見せる体勢へと変わった。
「わぁ、ザッフィーロ、見てください。ほら、おなかがもふもふしてます」
「ほう……どれどれ……」
 同じように宵の隣にしゃがみこんでマルチーズを撫でるザッフィーロ。これは良いなと存分になでた後、もう一度立ち上がって周囲を見渡す。似たような可愛らしい小動物はいないだろうか、と。
「……ふむ……宵と小動物を撫でてデートの……こほん、共に過ごす予定g」
 ぽつぽつと本来の目的とはちょっと違う個人的な目的を呟いたその時、ザッフィーロの横っ腹に、まるでツッコミを入れるかのようにライオンが突撃。思いっきり吹き飛ばされたザッフィーロは数メートルほど宵から引き離された後、地に突っ伏した。
 突然の大きな音に振り向く宵も、一体何が起きたのかは一瞬では理解出来ない。が、何処かで見たことがあるような光景だなぁとは思っていたそうで。すぐさまマルチーズを抱きしめ、ザッフィーロの下へと駆け寄った。
「だ、大丈夫ですか……? 前にも似たようなことがありましたけど……」
「うむ……これは流石に、俺の不注意だな……」
 腰をトントンと叩きつつ、宵の手を取って立ち上がるザッフィーロ。その衝撃によってもたらされる痛みは、もちろんぶつかってきたライオンにも同等の痛みが来ているわけで。
 よろよろとよろめくライオンはザッフィーロに向かって再び突進してくる。痛みを与えてきたお前が悪いと言いたげに。
「おやおや、ダメですよ、八つ当たりしちゃ」
 そんなライオンに向けてしつけをするように、宵はユーベルコード『ハイ・グラビティ』を用いて周囲の暴れる動物と一緒に重力波で押さえつけ、動きを止めようと試みる。
 周囲で暴れまわっているだけの動物達は重力波の勢いに飲み込まれ、地に伏してしまうが……ザッフィーロと対峙するライオンは怒りを晴らすまでは止まらないようだ。
 もう一度思いっきり突進攻撃を仕掛けてくるライオン。宵の重力波によって動きが鈍っているが、さすがは百獣の王、その勢いを物ともせずに突き進んではザッフィーロの身体へとぶつかる。
「む……っ!」
 勢いを受け止めるザッフィーロは、しっかりと踏ん張ってライオンの勢いを止める。ザッフィーロという壁に阻まれて前に進めないライオンは、やがて落ち着きを取り戻す。
「よーしよし、いい子だ」
 ゆっくりとザッフィーロはライオンの背にまたがると、ゆるゆると鬣を堪能……ではなく、撫でて宥めた。ライオンの方も多少は自分のしていた事を恥じるかのように、ザッフィーロを背に乗せたままうろうろし始めた。
 ある程度堪能……もとい宥め作業が終わったところで、ザッフィーロはライオンから降りて宵の下へ。彼は今もマルチーズを抱いてもふもふしており、ユーベルコードによる重力波を止めないように加減しながら周囲を歩いていた。
「宵……怪我は、無いな?」
「ええ、僕は大丈夫です。きみも怪我がなさそうで何よりですよ」
「ああ、俺も大丈夫だ。……しかし……」
 ちらりと視線を横にずらせば、未だに走り回ってパニックになったままの動物が多い。宵の重力波は遠くなればなるほど威力が減衰してしまうのもあるためか、抜け出して逃げ出そうとする動物がいるようだ。
「……本当にすごい世界だな、ここは」
「いやあ、実に愉快で楽しい世界ですよ。この子も可愛いですが、他にもいろいろ可愛い子がいますし」
 マルチーズを撫でると、ワン、と賛同するように吠えた。もっと可愛い子がいるのか、あるいは同類がいるのかは定かではないが、マルチーズはもふもふしてくれたお礼だと言うように宵の腕の中から抜け出すと、2人の前を歩き出した。
「ついてこいということだろうか?」
「たぶん、そうだと思います。行きましょう、ザッフィーロ」
「ああ、そうだな。……手は、繋ぐか?」
「ん? ……ふふ、そうですね。たくさんの動物に巻き込まれると危ないですし、繋ぎましょうか」
 再び2人は手を繋ぎ、はぐれないようにフェアリーランドを歩き出す。先導するマルチーズを見失わないように、たくさんのもふもふに出会うことに心を踊らせながら……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シゥ・フリージア
フィリア、いっしょ行く!

どーぶつ、ばたばた、タイヘン!
★ファル、てつだって!

シゥはファルと手分けして、【動物と話す】よ(【コミュ力】)
★草笛で気を引いて、ちょっとでも落ち着くように【希望の歌】を

シゥのリア(歌)、シゥのミィア(気持ち)、ルファロ(届いて)

ニンゲンのことば、ちょっと覚えた
でも、森でファル達と
どーぶつの皆と作ったことばを敢えて使って話しかけるの
これは、シゥとどーぶつ達のおもいでだから
皆のココロにも届いてくれるといいなって

コワイはわかる
でも、あばれるよくない
コワイは、タノシイ苦手聞いたの
だから、皆で歌お!
タノシイ歌って、タノシイおどって
いっぱい笑ったらこわい敵さんはゲキタイだー!



●歌って踊って、いっぱい笑おう!
 フェアリーランドの効力を切ることが出来ず、悩むフィリア。
 そんな彼女の手を引いて、一緒に行こうと告げるのはシゥ・フリージア(純真無垢な野生姫・f03749)。楽しいことはみんなで分けようというのが、彼の考えだそうで。
 壺の中に入れば、さあ大変。ドタドタと暴れる動物たちで溢れかえっていた。
「わー! わー! どーぶつ、ばたばた、タイヘン!」
 中の様子は入る前から音で聞こえていたが、中に入るとその騒然さは一目瞭然だ。オブリビオンが入り込んだ影響もあって、動物達にストレスやパニックが伝染している状態である。
 逃げ出そうと走り回る動物、おろおろと狼狽える動物、カチコミをしかける動物、気絶する動物と様々な動物がいる中で、シゥは母親である霊体となった灰色狼のファルに手伝ってもらいながら動物達と会話をする。
 迫害され、動物に育てられた彼は自分も動物の仲間であるように振る舞う。故に、パニックを起こしていた動物達は最初は外敵と認識してしまったが、彼の吹いた草笛の力で多少の取り付きを取り戻しつつあった。
「シゥのリア、シゥのミィア、ルファロ!」
 歌を、気持ちを、届ける。人間の言葉を覚えたとは言え、彼らに人間の言葉で語りかけるのは野暮というものだ。だからあえて動物の友達みんなと作った言葉を使い、話しかける。
 そんな中、フィリアはやはり衰弱し続けていた。フェアリーランドを維持するにはまだ未熟な部分があるのか、シゥと動物達が楽しんでいる中でその場にへたり込んでしまう。
「フィリア?」
「ご、ごめん、なさい……ちょっと、足がもつれちゃった……」
 フィリアの少し息が荒くなり始めた。この騒動に終わりが来るのかどうかの不安がいっぱいで胸が苦しいのか、胸を抑える仕草も取っている。
 そんな彼女の手を、シゥは優しく両手で包んであげた。フィリアは一人じゃないから、安心して欲しいと寄り添うように。
「シゥさん……?」
「コワイはわかるよ。コワイは、タノシイが苦手って聞いたの」
「……うん……でも、どうしたらいいのか……」
「だから、ね」
 ゆっくりと立ち上がったシゥは動物達を草笛で呼び寄せて、声をかける。―――歌を歌おう、と。
 歌を歌えば、楽しく踊ると怖いことは何処かへ消える。そしてそれに気づいたパニックな動物達も、きっと集まってくれると。
「いっぱい笑って、いっぱいおどって! コワーイ敵さんはゲキタイだー!」
 草笛とぺんぺん草、そしてファルが運んできてくれたおもちゃ箱の中身をいっぱい使って、楽しいダンスパーティが始まる。
 最初は小さな動物の輪と音楽がフェアリーランド内に響き、やがてはパニックになっていた動物達が鎮まって一緒に踊りだす。
 シゥとファルのダンスパーティは、フィリアの不安と動物達のパニックを一緒に取り除くのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒城・魅夜
あの愚かなレプ・ス・カムの遺志など継承するに値しませんのに……
その継承者などには同じような酷い目に遭ってもらうとしましょうか

では私はダンピールらしくコウモリさんたちをなだめて回りましょう
「早業」で鎖を舞わせ全周囲に「範囲攻撃」の「衝撃波」を発生
もちろん倒すわけではなく超音波を発生させるためです
コウモリさんは超音波を感じ取りますからね
これに「祈り」と「優しさ」を込めて落ち着かせてあげましょう
さあ、静かにおやすみなさい、ぐっすりと

ふふ、コウモリさんたちは休む時にはこうやってさかさまになりますが
逆立ちをするとそれだけで世界が変わって楽しく面白く見えてきますよ
妖精さん、ご一緒にいかがですか?



●おやすみなさい、ぐっすりと。
「あの愚かなレプ・ス・カムの遺志など、継承するに値しませんのに……」
 小さくため息を付いた黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)はフィリアの隣で、フェアリーランドのとある洞窟にやってきていた。
 他の動物達は別の猟兵達がなんとかなだめているのだから、自分は自分の得意領域である、ダンピールとしての領域を突き詰めていこうと。
 衰弱し続けるフィリアを護衛するために手を優しく引いて、魅夜は洞窟の中へ。
「わ、わぁ……!」
「おや、まあ……」
 フィリアの頭の上を、キィキィと鳴いてコウモリ達が飛び回る。彼らもパニックに陥っているのか、普段なら超音波で聞き分けて回避できるところが、壁にぶつかったり同士討ちで地面に落ちたりで大惨事が起きてしまっている。
 コウモリの生態系は全て超音波にあり、視覚を用いての説得は全く通用しない。それを魅夜は軽くフィリアに説明しつつ、後ろに下がらせた。
「え、でも……コウモリさん達は目が見えないから……」
「だから、音で知らせるんですよ」
 やんわりと微笑んだ魅夜は、己を拘束していた鎖をしゃらりと鳴らし……フィリアの目に止まらぬほどの早業で、大地を連続して叩いて広い範囲に衝撃波を巻き起こす。これらは全てコウモリを倒すためではなく、コウモリ達の知らない超音波で彼女達の存在を知らせるための一撃だ。
 鎖と大地が弾け、甲高い音が洞窟内に響き渡る。同時に、パニックになっていたコウモリ達の顔が魅夜に向けられる。超音波の発生源を探すように飛び回る魅夜は、再び軽く鎖を振り下ろす。
「怖がらせてごめんなさい。でも、もう大丈夫ですよ」
 優しい声で言葉を紡ぎ、振るう鎖にその優しさを乗せてコウモリ達に発信。その優しさがしっかりと伝わったようで、パニックに陥っていたコウモリ達は徐々に落ち着きを取り戻していた。
「すごーい……」
 フィリアが驚きの声を上げる間に1匹、また1匹と天井にぶら下がり、眠りにつき始めた。パニックの影響で体力を大幅に消費していた個体が多かったのか、眠りにつくコウモリ達によって洞窟の天井は真っ黒に染まり始めた。
 コウモリ達が逆さになって休むのと同じように、魅夜もまた天井に足をつけて逆さまになる。長く艶めかしい髪がさらりと大地に向かって流れ落ちると、周りのコウモリ達に倣って休み始めた。
「え、えっと、魅夜さんもその格好で……?」
「ええ。逆立ちするとそれだけで世界が変わって楽しく、面白く見えてきますよ。フィリアさん、ご一緒にいかがですか?」
「あわ……頭に血が上りそう……!」
 誘われたフィリアもまた、似たような体勢になってみた。無論、慣れないことなので頭に血が上ってぐるぐるとしてしまったが。
 しばらくの休みの後、魅夜は再びオブリビオンを探す。必ずや、レプ・ス・カムの遺志を継いだ者に酷い目に遭わせてみせると。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『『王兎』ウサギサマ』

POW   :    余に従えば至福の時を約束しよう
【竜の血を浴びた事で手に入れたモフモフさ】を籠めた【自分から命中したくなるモフモフな体当たり】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【闘争心と反抗心……ついでに日々のストレス】のみを攻撃する。
SPD   :    愚かにも余に挑むと言うのか
敵より【も自身のモフモフ度が上回っている】場合、敵に対する命中率・回避率・ダメージが3倍になる。
WIZ   :    此処を余のモフモフ王国とするのだ
【レベルの三乗km内を満たすモフモフオーラ】が命中した対象にルールを宣告し、破ったらダメージを与える。簡単に守れるルールほど威力が高い。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は黒玻璃・ミコです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。



 たくさんの動物達がパニックに陥って、身を隠すことが出来ていた。
 そのはずなのに、猟兵達は皆をあの手この手で落ち着ける。

 まいった、まいった。
 パニックにすることで紛れることが出来ると思っていたのに、これでは隠れることが出来なくなるではないかと、白い毛玉はのそりのそりと動き出す。
 かの猟書家の遺志を受け継いだ者として、猟兵達との戦いを避けるわけには行くまいと。

「よかろう……猟兵共よ、かかってくるが良い」
「余の最高のもふもふ力で貴様らを一網打尽にし、理想のモフモフ王国を建築しようぞ!!」

 王なる兎、ウサギサマが動き出す―――!!

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 プレイング受付:3/12 8:31~
 プレイングボーナス:フェアリーに楽しいことを考えてもらう

 『王兎』ウサギサマとの戦いになります。
 戦場は引き続き壺の中のフェアリーランドにて行われます。
 基本的には草原フィールドが使われますが、洞窟や海、湖などのフィールドへの変更も可能です。

 フィリアに楽しいことを考えてもらうことでプレイングボーナスが入ります。
 彼女は衰弱が激しい為、戦闘に関わることは一切出来ません。
 逆にウサギサマも率先してフィリアを狙おうとはしません。

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ザッフィーロ・アドラツィオーネ
宵f02925と

フィリアを楽しませる…か
俺は不器用故、宵へ任せよう…
そうマルチーズへちらちら視線を向けながらも敵の攻撃を受ければもふぅ体当たりに身悶えながら敵に顔を埋めてしまうやもしれん
…何というモフモフ具合なのだ…
フィリアは危ない故、来てはいか…もふ…
もふもふと堪能しながらも、もしや宵も敵に夢中になって居るのではないかとはっと瞳を見開き宵!と声を
…べ、別に何だ…その
唯お前がかの者に夢中になってしまうのではないかなどとは…
そう声を投げながらも宵の声に口元を緩めつつ宵へ視線を
そうか…ならば俺も頑張らねばならんな…!
そう『怪力』と共に【鍛錬の賜物】にて敵を地へもふっと背負い投げられればとそう思う


逢坂・宵
ザッフィーロ(f06826)と
フィリアさん、どうぞご無理はなさらずに
ゆっくり心を落ち着けて、深呼吸してください
焦らず早まらず、目を閉じて
それからゆっくりと開けてください

ほうら、こんなにもふもふで可愛らしいマルチーズさんがいますよ
撫でるのにはコツがいるのですと、彼女へと伝えながら
気負わず、同じ目線でゆけば、賢いかれらは同じ心持ちでいてくれるのです

敵に対しては【サモン・スタースピリット】を使用し攻撃させましょう
もふもふランドには、流星よりもきっと似つかわしいでしょうから

それから、名を呼ばれれば振り返って
ザッフィーロ、なにむきになってるんですかと笑って
もふもふでなくとも、僕はきみが一番ですよ



●もふもふもいいけれど……。
 動物達が詰め込まれたフェアリーランドにて、手元のマルチーズをゆるゆると撫でる逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)と、彼の前に立つザッフィーロ・アドラツィオーネ(赦しの指輪・f06826)。撫でられているマルチーズは宵の腕の中で、わん、とひとつ吠える。
「……フィリアを楽しませる、か……」
 ちらりとフィリアを見てみれば、フェアリーランドを使用している影響もあって少し息が荒くなっている。しかし彼女が楽しいと感じたことは、このフェアリーランドにも反映される様子だ。それに気づいた宵は、マルチーズを抱きしめたままフィリアの隣へと近づいた。
「フィリアさん、どうぞご無理はなさらずに。ゆっくり心を落ち着けて、深呼吸してください」
「深呼吸……」
 目を閉じて、すぅ、はぁ、とゆっくりめの一定のリズムで呼吸を整えて、それから再び目を開けると……フィリアの目の前に、もふもふのマルチーズが。
「わ、わ……?!」
「ふふ、大丈夫ですよ。こんなにもふもふで可愛らしいマルチーズさんですから、怖がらせなければいっぱい遊んでくれますよ」
「な、撫でてもいいのかな……?」
「はい。ああ、でも、撫でるのにはコツがあるんですよ」
 ゆるゆると宵が撫で方を教えていると、フィリアの感情に合わせてフェアリーランドが華やかになると同時、ずどどど……! と迫りくる音が聞こえてくる。
 音の正体はこのフェアリーランドを無理矢理維持させ、フィリアの命を蝕み続けている者。もっふもふの白い毛玉、もとい『王兎』ウサギサマが3人のもとへと近づいてくるではないか!
「おおおぉぉーーー!! 余のモフモフのほうが!! 一番モフモフしておるのだーーーー!!!」
 そのマルチーズよりも、絶対に自分のほうがもふもふしている! と豪語するウサギサマは、ザッフィーロと宵に向かって足を進め、2人が自分に飛びつきたくなるようなモフモフの体当たりを使ってきた。
 だが幸運な事に、ザッフィーロが宵とフィリアの前に出ていたことにより、彼らにその体当たりは見えず、ザッフィーロだけがウサギサマに飛びつきたくなってしまい……ぽすん、と毛玉に埋もれる。
「……なんという……モフモフ具合なのだ……!!」
 あまりのモフモフ度にザッフィーロはフィリアに忠告する。危ないから、来てはいけないと。このモフモフは危険だと。
 ……もっとも、傍から見るとただモフモフを堪能しているだけのようにも見えるため、フィリアは何処が危険なのだろう、と首を傾げているのだが。
 モフモフに夢中になるザッフィーロのことはお見通しなのか、宵は気にせずユーベルコード『サモン・スタースピリット』を発動させ、フェアリーランドにさらなる動物達を追加する。
「わぁ、可愛い!」
「見た目は愛らしいですが……しかし、弱いとは限りませんよ?」
 詠唱を唱え、星精霊の猫と飛べない鳥は宵の前に立ち、ウサギサマと対峙する。ザッフィーロがモフモフに埋もれている間に少しでもウサギサマの意識を宵やフィリアから引き剥がすように、少し離れた位置で猫と鳥が戦う。
 戦いが激化するにつれて、ザッフィーロの意識が徐々にモフモフから宵へと引き戻され……そして、彼はハッと気づいて顔を上げる。
「……はっ! よ、宵! お前は―――」
 大丈夫なのか、と尋ねようとしたその矢先、星精霊の猫が飛び蹴りでザッフィーロの頭をどついた。再び毛玉に埋もれたザッフィーロだが、今は宵が心配な故にすぐさまそちらを向いて彼の無事を確認する。
 当然だが、宵は無事だ。むしろ星精霊達を召喚したため、少し距離をとって戦いに参加しないようにフィリアを守っていた。ザッフィーロに呼ばれた彼は、くるりと振り返ってザッフィーロの方を向いた。
「ザッフィーロ、むきになっているんですか?」
「む、ぐ……! いや、唯、お前がこのモフモフに夢中になっているのではないかと……」
「ああ……なるほど。でも、大丈夫ですよ」
 星精霊達にザッフィーロの救出を頼み、ウサギサマとザッフィーロを引き剥がす。その後、ザッフィーロに近づいた彼は手を取ってしっかりと目を見て、言い切った。
「僕は、きみが一番ですからね」
 柔らかに微笑んだ宵に、同じように柔らかな微笑みを返すザッフィーロ。同時に己がモフモフに取り込まれていた事が若干恥ずかしく思えてきたのか、すぐにウサギサマへと振り向き、彼の言葉に答えを返す。
「そうか。……ならば、俺も頑張らねばならんな……!」
 モフモフに逆らうようになったザッフィーロに対し、ウサギサマは大きく鳴く。今までモフモフしていた貴様に余を倒せるのか! と言いたげなその鳴き声に、ザッフィーロは言葉ではなく行動でお返しする。
 ユーベルコード『鍛錬の賜物』を用いて、ウサギサマの毛をしっかりと掴み、怪力を併用して持ち上げて大きく振り上げ、もっふもふな毛玉を地へ叩きつける。とても毛並みがいいので、大きな音はしない。
「ぐわあああぁぁ!? 何故ぇ!!??」
「モフモフも良かったが……宵の一言が……ん、んん。いや、本来の目的を思い出したまでだ」
 こほん、と軽く咳払いをしたザッフィーロは再びウサギサマを掴み、フェアリーランドの遥か彼方へ飛ばすように振り回し、投げ飛ばした。
 しばらくウサギサマが戻ってくることはなかったため、その間に宵とザッフィーロはフィリアに楽しいこと―――マルチーズをモフモフすることを教え続けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ティモシー・レンツ(サポート)
基本は『ポンコツ占い師』または『本体を偽るヤドリガミ』です。
カミヤドリも魔法のカードも、「Lv依存の枚数」でしか出ません。(基本的に数え間違えて、実際より少なく宣言します)
戦闘についてはそれなりですが、戦闘以外は若干ポンコツ風味です。(本体はLv組で出せない、UCの枚数宣言や集団戦は数え間違える、UCを使わない占いは言わずもがな)

ヤドリガミの「本体が無事なら再生する」特性を忘れて、なるべく負傷を避けつつ戦います。
オブリビオンに止めを刺すためであれば、猟兵としての責任感が勝り、相討ち覚悟で突撃します。



●もふもふが突撃してくる!!
「わあ~~~~!!??」
 動物が沢山吸い込まれたフェアリーランドに突入したティモシー・レンツ(ヤドリガミのポンコツ占い師・f15854)は、今現在たくさんのもふもふ……もとい動物達に追いかけられていた。
 この中に猟書家の遺志を継いだオブリビオンがいるとは聞いているのだが、どれがどのオブリビオンなのか探しているうちに動物達が勘違いをして追いかけ始めた、というのが現状。
 なんとかしてオブリビオンを見つけ出さなければならない……と思った矢先、ティモシーがずでーん! と勢いよく転んでしまい、懐に入れておいたタロットカードがバラけ落ちてしまった。
「わ、わ、タロットが……!」
 全部を拾い集めていると、1枚のタロットカード―――戦車の正位置のカードの先に、何かがいた。
 大きくもふもふした毛並みの大きな兎……もとい、猟書家の遺志を継いだオブリビオン・『王兎』ウサギサマ。ティモシーがタロットを拾い上げてふと顔を上げれば、それが鎮座していたのだ。
「……。」
「……。」
 両者の間で無言が数分ほど続くと、ティモシーはすすす……と後ろに後ずさりしてから、構える。やっと見つけたとも、ようやく出会えたとも、何一言も発することなく。偶然が招いた結果で見つけるとは思わなかったからだ。
「くっくっく……よくぞ余を見つけたな、猟兵よ……。我がもふもふにひれ伏すが良い!」
 ウサギサマもウサギサマで、ちゃんと仕切り直しをしてくれた。とても優しい。
 一方のティモシーはどう動こうかと悩む。ウサギサマのその毛並みは、見ているだけで吸い込まれそうなほどにもふもふしている故に、飛びつきたいという感情を抑えつつしっかり攻撃できる方法を探っていた。
 しかし、先手を打ってきたのはウサギサマ。来ないのならばと体当たりでティモシーを吹き飛ばし、彼に自分から突撃したくなる欲を付与させる。
 闘争心や反抗心などが一部体当たりと共に吹き飛ばされてしまい、ティモシーは抱きつき欲が限界が近い。だがここで何かしらの行動を起こさなければ、負けてしまう!
 そう思った彼はユーベルコード『因果に干渉する占い』を発動させ、適当な占い結果を叩き出す。―――『今日はよく転ぶ日となる』という、占い結果を。
「よ、よく転ぶ……」
 ―――これはまずい。
 そう思った次の瞬間には、ティモシーは走り出してウサギサマに突撃して、その毛を掴んで……そして、思いっきり滑り転んで宙に浮き、バスケのダンクシュートを行うかのごとくウサギサマを地に叩きつけた。
「……あ、れ?」
 華麗に決まったもふもふ球のダンクシュート。その技術には、周りの動物達がびっくりしてティモシーを見つめるほど。
 そして彼が気づいた時には、ウサギサマはティモシーから離れるために素早く走り出して距離をとっていた。それほどまでに、トラウマとなったのかもしれない……。

成功 🔵​🔵​🔴​

黒城・魅夜
もふもふはあくまで純真無垢な心があってこそのもの
あなたのような愚物はいってみればただの大きな綿埃程度です

私の衣服は任意に形を変えます
さらに柔らかく展開したオーラと結界で身を包み
ウサギに負けないふわふわ状態になってみせましょう

外見を膨らませているものは逆に内実が貧相なもの
妖精さん、ウサギはおそらくガリガリの体を毛で誤魔化しているのですよ
想像してみてください、毛を全部刈った後のウサギの姿
笑えますよね

違うといいたそうですね、ウサギ?
でも自分の体を見てごらんなさい
毛がどんどん抜けて、そのつまらない肉体が顕わになっていきます
ふふ、それは私の見せた夢ですけれどね
絶望しながら滅びなさい
これが真の悪夢です



●真の悪夢とは……
「愚かなり。このもふもふの王たる余に逆らおうというのか……」
 フェアリーランドの動物達のパニックが収まり、白いもふもふの毛玉が姿を表したのは数刻前。
 今現在は、猟兵という存在と戦うために彼は大きな身体をふんぞり返らせる。 
「もふもふは、あくまで純真無垢な心があってこそのもの。あなたのような愚物は、言ってみればただの大きな綿埃程度ですよ」
 ウサギサマと対峙する黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は、彼のもふもふ度合いをしげしげと眺める。
 多少の汚れが目立つものの、そのもふもふ加減はオブリビオンと知らなければ飛び込んでしまいたくなるほどのもふもふ度をしている。生半可なもふもふでは太刀打ち出来ないだろう。
 しかし魅夜にはとっておきの秘策がある。それは自身が着ている衣服そのものだ。
「そちらのもふもふに負けないほどに、ふわふわになってみせましょうか」
 薄い漆黒の衣は彼女の意思を引き受け、少しずつ漆黒の毛を生やす。黒い毛は完璧な手入れを終えた後の猫や犬が持つツヤツヤの毛並みと同レベルの艶やかさを保ちながらも、ウサギサマのもふもふ度に負けないふわふわの感触を作り出している。
 隣でその変化を見ていたフィリアも、触りたくなるような艶やかさともふもふ度。思わず手を伸ばしてさすさすと撫でてみれば、うっとりとしてしまうではないか。
「あら、フィリアさん?」
「うぅ……今までどんな動物でも、みんな最高だと言ってきたけど……けど……!」
 これは卑怯です! と言わんばかりに、フィリアは魅夜のもふもふに抱きついた。今までにない極上のもふもふはフィリアの想像を遥かに超えており、ウサギサマのもふもふ度合いなんて目じゃないと大声で宣言した。
「な、ぬ……!? 余の、余のもふもふが目じゃないとな!?」
「魅夜さんのもふもふのほうが、ずーっともふもふしてるもん!」
「ふふ、ありがとうございます。……ああ、そうだフィリアさん。こんなお話は、知っていますか?」
 たおやかに微笑む魅夜は、闇のように漆黒の色をした瞳をウサギサマに向けて『おはなし』を始めた。
 ウサギサマのその毛は、自身のガリガリの身体を隠すためのもの。貧弱なその身体を見せぬよう、伸び続ける毛を用いて貧相な姿を隠しているだけなのだ、と。
「何をいうか! 余は貧相な姿などしておらぬ! しておらぬぞ!!」
 語り続ける魅夜に対し、反論の牙を剥くウサギサマ。絶対にそんな姿はしていないと豪語するのだが、ウサギサマのその姿は徐々に姿の見えぬ何者かに刈り取られたような姿へと変貌していった。
 慌てるウサギサマに対し、フィリアは何が起こっているのかわからなかった。そこで魅夜は、彼女に種明かしをしてみせる。
 ユーベルコード『漆黒の夜に舞い踊れ悪夢の麗牙』による悪夢が、語りとともに掴まれたウサギサマの魂から生えてきてその本人にのみ見せつけられている……というのが、今現在ウサギサマに起きている事象なのだ。
「これが、真の悪夢というものですよ」
 蔑みでも煽りでもない、余裕を持った笑みを浮かべた魅夜は再びフィリアと共にもふもふを堪能する……。

成功 🔵​🔵​🔴​

シゥ・フリージア
もふもふ、シゥの住んでた森、いっぱいいた
だからモフモフおーこく、ちょっと気になるだけど
おーさま、敵なら、倒さなきゃだね

【指定UC】で戦える子達呼ぶね
クマさんやライオンさん、ウサギにはキツネさんも天敵?
リーダー役に、もうオバケさんだけどシゥのおともだちも呼ぶね
クァンマ(ゴリラのお姉さん)とリガル(クァンマの夫)がたいちょーだよ

シゥが攻撃受けても、どーぶつ達にカンケーないもんね
シゥはじめっから敵意無いよ
ほんとはおともだち、なりたいだけど
みんながんばれー!

シゥはフィリアの側でオーラ防御
どーぶつトモダチ、シゥと同じ
落ち着いたらみんなであそぼうね
狩りごっこしたり、お魚取ったり
一緒ならいっぱい楽しいよね



●どーぶつはみんなおともだち!
「モフモフおーこく、ちょっと気になる……」
 むぅ、と少し唇を尖らせているシゥ・フリージア(純真無垢な野生姫・f03749)。彼は『王兎』ウサギサマを前にして、そのもふもふの王国がオブリビオンの手によって作られるものだと知った。
 流石に敵が作ったものを楽しむのはいけないことだとわかっている。なので、逆に彼がもふもふ王国を作ってしまおう! と意気込み始めた。
 ユーベルコード『がんばるお友達』で戦える子たち―――クマやライオンといった獰猛なもふもふ毛並みの動物から、ウサギの天敵とも言えるキツネなど、あらゆる攻撃性の高いもふもふ動物達を呼び出した。
「あと、もうオバケさんだけど……」
 彼が来て欲しいと願った者達―――ゴリラのお姉さん・クァンマとその夫・リガルがシゥの両隣に並ぶ。彼女達をリーダーとして、ウサギサマに突撃を開始してもらった。
「ぬううぅ……! 余のもふもふが負けると思うてか!!」
 大きく鳴いたウサギサマ、突撃してくる動物達に己に突撃したくなるような一撃を与え、もふもふの海へと溺れさせようと画策する。
 更にはフィリアとシゥに向かって突進してきたため、そこはクァンマとリガルが壁となって抑え込む。彼ら2人には指1本、触れさせないと。
「ほんとはおともだち、なりたいだけど……」
 ―――ウサギサマは敵だから、倒さなくてはならない。
 故に彼はただ一言だけ、動物達を応援する。がんばれー! の一言を。
 その応援は動物達にも響いたようで、彼らを守るために奮闘する。シゥにもフィリアにも、指1本触れさせぬと!
「ぬうぅ……余のもふもふは、お前たちのようなもふもふのためにあるのではないぞ!!」
 ウサギサマが吠え、それに反応するように動物達も反論する。我々のもふもふはシゥに認められたとか、もふもふだけが至高なのではない! といった反論から、とにかく出ていけと騒ぐ動物達など、様々な意見がウサギサマを取り囲み、そして突撃される。
 そんな様子を眺めていたシゥは、フィリアの隣に立って手を握りしめる。不安を取り除くのもそうだが、シゥはもう一つ彼女と『おやくそく』をしたかったようで。
「あのね、フィリア。どーぶつトモダチ、シゥと同じだよ。今はコワイコワイだけど、おわったら、みんなトモダチ!」
「うん、そうだね。……でも、また仲良くなれるかなぁ」
「なれるよ! だから、おちついたらみんなであそぼう!  狩りごっこしたり、お魚とったり、フィリアのたのしいこと、いーっぱい!」
「楽しいこと……」
「一緒なら、いっぱい楽しいよ! だから、フィリアもみんなをおーえんしよ!」
「……うん!」
 2人のフェアリーは、応援する。少しでもこの世界と動物達を守り、わるいものを追い払うために。


●もふもふタイム、おしまい!
「なんということだ……余の計画が……あの方の遺志が……!!」

 猟兵達にこれでもかと攻撃を受けたウサギサマ。ついに己のもふもふが負けるときを知り、倒れ伏した。
 第二、第三の余が必ず……とは言っていたが、実際そうなるかは誰にもわからない。

 ウサギサマが倒されたおかげで発動が固定されたフェアリーランドに平和が訪れ、フィリアも元の通り自由に操れるようになった。
 これからは慎重に使うと、少し反省したようだ。

 ともあれ、もふもふの戦いはこれにておしまい。
 次なる戦いが猟兵達を待っている!

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年03月16日


挿絵イラスト