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ドルトムンド戦記Ⅳ〜マーロンカンパニー摘発作戦〜

#クロムキャバリア #ドルトムンド戦記

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#クロムキャバリア
#ドルトムンド戦記


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●ドルトムンド同盟国 首都ドルディア マーロンカンパニー・ドルディア支社
「……本社の指示と受け取っても?」
 難しい顔をして電話を受け取っているのは、リヒト・クレイシーという50代を過ぎた男。複数の国を股にかけてキャバリアを売り捌く企業「マーロンカンパニー」のドルディア支社長である。
 実際にドルトムンド軍にもシェアの10%を占めるマーロンカンパニーは、国にとってもいい商売相手であった。だがその企業はまた、死の商人。裏の顔と呼べるべきものをもっていた。
「ですが、このキャバリアマシンは散々に改良しました。実践投入はあまりにも……」
 搭乗者の精神を汚染するキャバリア、ここ最近マーロンカンパニーで商う数が増えつつある商品である。通常のキャバリアよりも凄まじい出力を出す一方、精神汚染という危険性から呪いの類ではないかとも支社内でも噂されるマシン群。
 リヒトもその危険性は訴えているものの、本社は推進せよとの指示。確かに魅力的だとは思うものの、今回売り渡す予定のキャバリアマシンは、さらに群を抜いて難物のマシンと来ている。リヒトが愚痴を言いたくなるのもわからなくもない。
「それにさすがにドルトムンド上層部も尻尾を掴みかかっています。これ以上無理は……」
 ドルトムンド同盟国の馬鹿ではない。調査当局は、テムス河やプラント「ロンディウム」、さらにはリンドランド公国大公の襲撃事件での一件を調べて、その襲撃したキャバリアの調査を念入りに行っている。さすがに痕跡をすべて消すのは容易ではなく、この支社が関与している可能性くらいは掴んでいるかもしれない。
 そんな中でのさらなる新キャバリアの販売。だがリヒトの訴えも虚しく、本社の指示は変わらない。
「……わかりました。納品先は予定通り、反同盟主義者達に」
 所詮はリヒトは首都ドルディアの支社長に過ぎない。上層部がGOと言えばやらざるを得ない。電話を切ると、各方面に連絡を取り、一つため息をつく。これからの苦労を考えると胃が痛くなりそうだった。

「……くそっ、本社の連中、無茶な要求ばかりしおって」

●グリモアベース・ブリーフィングルーム
「グリードオーシャンでの戦争はお疲れ様じゃったのー。じゃけど寛ぐ時間もないとはこのことじゃのー」
 一つの世界が救われたとしても、他の世界では厄介事が続いている。そんな現状にグリモア猟兵メイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)はため息をつきながら、電脳ウインドウを開く。
 今回、猟兵達に行ってもらうのは、クロムキャバリア世界の小国家の一つ、ドルトムンド同盟国の首都ドルディア。そこの南部にある多国籍キャバリア企業「マーロンカンパニー」の支社だ。
「実はここがドルトムンド同盟国やリンドランド公国にオブリビオンマシンを横流ししている企業であると疑いが出ておってのー。ドルトムンド当局も調べておるのじゃけど、僕の予知でも黒と出たのー」
 実際、新たなるオブリビオンマシンを改良し、同盟国の反政府組織に売り渡す予定というのを予知したメイスン。猟兵達にやって貰いたいのは、受け渡し前のオブリビオンマシンの破壊だ。支社摘発作戦という名の破壊作戦になるが、表で証拠が出ない連中相手にはちょうどいいだろう。
 そして一番気になるであろう、和平交渉の破壊にも出たセプテム連合王国との関係。マーロンカンパニーは多国籍企業だけあって、セプテムにも支社を持っている。その繋がりが明らかになれば、オブリビオンマシン供給源の尻尾が明らかになるかもしれない。
「ということでオブリビオンマシンの破壊、マーロンカンパニー支社長の確保、これを念頭に頑張ってほしいのー」
 そう言ってメイスンは転移術式を展開する。ただ、猟兵達には悪い予感もあった。この開発中のオブリビオンマシンで済むはずがない。そんな予兆にも似た確信が走るのであった。


ライラ.hack
 キャバリアバトルに今、飢えている!
 どうも皆様こんにちは。ライラ.hackです。

 このたびはクロムキャバリアの国の一つ、ドルトムンド同盟国国内で蠢動する多国籍キャバリア企業「マーロンカンパニー」の支社摘発です。
 リンドランド公国・セプテム連合王国も股にかけるこの企業がオブリビオンマシンを流しているという真相を突き止めることが主目的となります。
 支社には新たなオブリビオンマシンが運び込まれたという情報もあり、予断は許さない状況です。さらにセプテム連合王国にも動きがあるかもしれません。そんな中で是非とも情報を掴み取ってください。

 この世界における注意事項は以下の通りです。

●クロムキャバリア世界について
 キャバリアをジョブやアイテムで持っていないキャラクターでも、キャバリアを借りて乗ることができます。ユーベルコードはキャバリアの武器から放つこともできます。
 どの小国家も主戦力はキャバリアである。また高速飛翔体を無差別砲撃する暴走衛星「殲禍炎剣(ホーリー・グレイル)」空を自由に行き来でない状態である。

 このシナリオは「ドルトムンド戦記」というキャンペーンシナリオになりますが、前のシナリオに参加していなくても問題はありません。お気軽にご参加ください。
 以上となります。久々の純粋なクロムキャバリア世界での戦いをご堪能ください。
 それでは皆様の素晴らしいプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『『百腕の機神』メカトンケイル』

POW   :    ハンドレッドデモリッション
【様々な武器を持った無数の腕(最大百本)】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    ターゲッティング オブ デス
攻撃が命中した対象に【ロックオン状態】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【様々な武器を持った無数の腕】による追加攻撃を与え続ける。
WIZ   :    フローティングハンド・デストラクション
【浮遊する無数の腕による多彩な攻撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠夢幻・天魔です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 「マーロンカンパニー」ドルディア支社に警告のサイレン音が鳴り響く。さすがは後ろ暗い商売をしている企業ということで、侵入者用のセキュリティは十分のようだ。
 そしてその報告は即座に電話で支社長であるリヒト・クレイシーの元へと届けられる。
「支社長、侵入者です!」
 その報告に舌打ちをするリヒト。来るべき時が来たということを悟るには十分であった。
 ドルトムンド同盟国か、それとも敵対企業か。何にしても本社が無茶過ぎたとばかりに、頭を抱えるが粛々と電話応対をするリヒト。
「当局の強制摘発か?」
「いえ、ですがウチの邪魔を散々してくれた連中がいます」
 そこでリヒトが頭に思い浮かべたのは、卸したキャバリアを悉く破壊してくれた連中の顔。ドルトムンド同盟国内の人間ではないが、超人的な活躍であの高性能キャバリアを葬った者達だ。
 それを察したリヒトは即断する。部下に電話で自身の指示を伝える。
「やむを得ん。メカトンケイルを出せ」
「リヒト支社長! あれはかなり危険では?」
 「百腕の機神」と冠して開発が進められていたキャバリア「メカトンケイル」。設計上は確かに百本の腕を用いてすさまじい攻撃を繰り出すコンセプトのキャバリアであった。
 だがあまりの操縦難易度が高く、並大抵のパイロットではAIに頼り切っても半分の腕も動かすことができない。今はコックピットを5基、AIも10基搭載することで何とか実用レベルまで漕ぎつけた代物だ。
 そして重度の精神汚染を施し、パイロットを何人も廃人にしてきた代物だ。だがリヒトは迷わず指示を出す。
「その為に食い詰めた傭兵連中を雇っているのだ。時間稼ぎにはなってくれるだろう」
 この為のテストパイロットとして、端金でしか働けない傭兵連中を雇い入れていたのだ。足止め代わりになって貰い、散々に暴れて貰おうとの思惑だ。
 そしてメカトンケイル起動後のこともしっかりと指示を出すリヒト。その手は手馴れたように動き、逃亡の準備へと取り掛かっている。
「今の内に支社のデータを廃棄しろ。脱出の準備だ」
「はい!」

 「マーロンカンパニー」支社倉庫にて、メカトンケイルが起動する。5人の傭兵パイロット達を生贄とし、その百の腕を起動させて侵入者へ向かっていく。
 まさしく仁王の如きそのオブリビオンマシンはただ敵を排除せんと戦意を剥き出しに、猟兵達に襲い掛かる。
才堂・紅葉
あらあら、美味しそうなお話ね
この手の仕事は久しぶりだから楽しみね
手際よく行きましょう

起動するのは巨大蒸気ゴーレム「蒸気王」
この世界で大型キャバリア位に納まる8m大に調整してもらっている
強敵相手の正面対決ならこっちが向いてる

方針はシンプル
アサルトライフルをフルオートで叩き込んで挨拶
中距離を嫌った相手の踏み込みに合せ、こちらも推力移動で踏み込みぶちかましだ
相手の反撃は打点の高い物を見極めてグラップルで受け、他は分厚い装甲で角度をつけて受け流す
無数の武器があった所で、密着距離で使える物は少ない
隙があれば頭部への「重殺掌」を狙おう

どこぞのローカルルールの第一条に有った気がする
頭部を破壊されたら失格だと


アルカ・スィエラ
まったく、何時の時代も…って奴かしら
それよりも、おかしいと分かっていながらそんなキャバリアを流通させるだなんて……
許す訳にはいかない。絶対に。

アルカ・スィエラ、HMC-X00『プロトミレス』……出るわ

まずはあの機体だけど……後を考えれば
いろいろな意味でできる限りさっさと終わらせるべきね

機体両腰の実体剣『ルーナグラディウス』を抜き放ち、
スラスター全開、残像を残しつつ、可能ならばライフルで迎撃し、
残りはもう第六感で見切って一気に懐へと切り込むわ

懐に、いいえ、範囲内に入りさえすれば……どれだけ数がいようとも、
その全て、このUC【BS-BXステラ・プルウィア】で撃ち抜いて見せる……!

※アドリブ歓迎です


リジューム・レコーズ
あなた方に直接怨恨がある訳ではありませんが、その機体は破壊させて貰います
行くよ、ディナ

百の腕全部を相手にする必要なんて無い
延々とオールレンジに晒されるつもりなんてありません
腕部の対処より本体を潰して終わらせましょう
イグゼクターで弾幕を張って一点突破の強襲を掛けます
死角に回り込んでくる腕部はマンティコアとアンカークローで切り払い
低威力の攻撃なら全面展開したEMフィールドで防御
この程度の手数でディナを止められると思うなッ!
高威力の攻撃で一瞬で決める!
相対距離を詰めてブレイクドライバーを突き立て孔壊処刑を執行します
死にたく無ければ降りろッ!



 マーロンカンパニーの傭兵達は食い詰め者達である。ドルトムンド同盟国とリンドランド公国との戦争で多額のローンを組んだキャバリアを失い、その返済に苦慮している者達である。
 そんな彼等がローンを組んだ企業こそマーロンカンパニーであり、返済が滞っているということで身柄を差し抑えられたのも当然の帰結。そして待っていたのは、新型のキャバリアマシンのテストパイロットというわけだ。
 だがただのテストパイロットでないことは明白であった。幾人もの廃人を出したと呼ばれる新型のキャバリアマシン、「百腕の機神」と呼ばれるメカトンケイルが起動し、侵入者を滅ぼさんと搭載AIも起動する。
「くそっ、どうしてこんなことに」
 そう傭兵は愚痴をこぼしつつも、5基のコックピットの内の一つでメカトンケイルの共同操作を行う。そしてその異様なオブリビオンマシンに対して才堂・紅葉(お嬢・f08859)は口笛を吹く。
「あらあら、美味しそうなお話ね。この手の仕事は久しぶりだから楽しみね」
 歴戦工作員として紅葉にとっても美味しい依頼。それがこの話を受けた時に感じた第一印象であった。大企業の黒い謀略、如何にも金になりそうな話である。
 そしてドルトムンド同盟国の上層部にも恩も売れる、そんな算盤を脳内で弾く紅葉の頭は楽しさでいっぱいだ。だからこそ俄然とこの戦いにやる気も気合も入るというものだ。
「手際よく行きましょう」
 紅葉が能力「蒸気王(スチームジャイアント)」を発動して起動するのは巨大蒸気ゴーレム「蒸気王」。すでにアルダワ魔法学園のマッドサイエンティスト共からこの世界で大型キャバリア位に納まる8m大に調整してもらっているその愛機へと乗り込む。
 強敵相手の正面対決ならこっちが向いてると言わんばかりにコックピットごしにメカトンケイルを見つめる紅葉。そしてメカトンケイルの百の腕が起動を始める。
「ハンドレッドデモリッション、起動!」
 コックピットの傭兵がコード名と共に、AIを起動させる。様々な武器を持った浮遊する腕が独立した機動をして、敵を撃滅するプログラム。
 だが紅葉の蒸気王の動きもまた俊敏だ。方針はシンプル、手に持ったアサルトライフルによるフルオート射撃を叩き込む。
「挨拶代わりよ!」
 そう言ってメカトンケイルに弾幕を撃ちこんでいくが、相手も手に持った武器で叩き落したり、銃器で応戦したりして紅葉の弾幕に対応していく。中遠距離での激しい銃撃戦、それはメカトンケイルにとってはあまり利がある距離ではない。
 その百腕が生きるのは間合いを詰めての近距離戦だ。圧倒的な手数で接近戦を支配する機神の戦闘領域、それをよく知っている傭兵達はメカトンケイルの足を前へと進める。
「何ッ!」
 だが次の瞬間、傭兵達は呻き声を上げる。紅葉の蒸気王は相手がフルオート射撃を嫌ってこちらに踏み込んでくるのを読み、合わせるように推力移動で踏み込みだぶちかましを敢行してきたのだ。
 急接近でよろめくメカトンケイルではあるが、すかさず反撃を試みる。紅葉の蒸気王は破壊力の打点の高い物を見極めて拳で受け止め、他は分厚い装甲で角度をつけて受け流す。
「どこぞのローカルルールの第一条に有った気がする。頭部を破壊されたら失格だと」
 そう言って紅葉が放つは、重殺術の基本にして奥義「重殺掌」。ハイペリア重力子を掌に収束させ、超重力で握って砕く拳をメカトンケイルの頭部へと叩き込む。
 そこはメカトンケイルの大きな要。AIを3基も搭載している重要箇所であり、そこを超重力で攻撃されて粉々にAIチップを粉砕していく蒸気王。
「くそがっ!」
 すかさず傭兵達がメカトンケイルの腕を蒸気王に差し向けるも密着距離で使える物は少ない。それを捌き切って紅葉の蒸気王は死地を脱するに至る。
 そして彼女がお役御免とばかりに距離を取ったのも訳がある。すでにアルカ・スィエラ(鋼竜の戦姫・f29964)とリジューム・レコーズ(RS02・f23631)が接近していることに気づいていたからだ。
「まったく、何時の時代も…って奴かしら」
 そう言いながらアルカは頭部がひび割れたメカトンケイルを見据える。かつての故郷の最新鋭機「HMC-X00プロトミレス」で自身の過去と重ねるアルカ。
 故郷の滅亡、軍部の裏切り、そう言った陰謀が渦巻くこの世界。そしてその一つである大企業の闇に対してもアルカは怒りを隠すことはない。
「それよりも、おかしいと分かっていながらそんなキャバリアを流通させるだなんて……許す訳にはいかない。絶対に」
「ええ、その通りです。あなた方に直接怨恨がある訳ではありませんが、その機体は破壊させて貰います」
 そう言ってオブリビオンマシン「アークレイズ・ディナ」に搭乗しているリジュームも強い視線をメカトンケイルに対して投げかける。デュアルアサルトライフル「RSイグゼクター」を持ち、準備は万端という様相だ。
 だが二機のキャバリアの接近を許すほどメカトンケイルの傭兵達も愚かではない。再び百腕を起動して、手数で圧倒して制圧せんと様々な武器がアルカとリジュームに襲い掛かる。
「アルカ・スィエラ、HMC-X00『プロトミレス』……出るわ」
「行くよ、ディナ」
 そんな種別すら違う武器を持った百の腕にアルカのプロトミレスとリジュームのディナは突撃していく。プロトミレスは機体両腰の実体剣『RXS-X3ルーナグラディウス』を抜き放ち、スラスター全開で突っ込む。
 メカトンケイルの大鎌と大剣の腕がプロトミレスを捉えようとするが、それをすり抜けるように潜り抜ける。その際に近寄った腕の武器を受けるのではなく、腕自身を斬り落とすことで叩き落していく。
「あの機体……後を考えればいろいろな意味でできる限りさっさと終わらせるべきね」
 アルカはコックピットでライフル射撃をしようとしてくる腕を、ルーナグラディウスのビームランチャーで叩き落し、能力「BS-BXステラ・プルウィア(ステラ・プルウィア)」の範囲内に入り込む。懐まで入り込む必要はない。それこそメカトンケイルを射程圏内に捉えれば十分だ。
 百の腕をターゲットに収め、機体各部結晶から無数のホーミングレーザーが放たれる。腕を叩き落すものもあれば、武器を破壊するものもある。まさしく無差別かつ正確無比なレーザーがメカトンケイルに襲い掛かる。
「馬鹿な、この百腕に対応してくるのか!」
「どれだけ数がいようとも、撃ち抜いて見せる……!」
 プロトミレスの無数のホーミングレーザーに驚愕するメカトンケイルの傭兵達であったが、攻撃手はそれだけではない。イグゼクターで弾幕を張って一点突破の強襲を仕掛けるのはリジュームのディナだ。
 アルカのホーミングレーザーと百の腕がかち合っている今がチャンスともいえる。元々腕の相手をすべてするはずもなく、延々とオールレンジに晒されるつもりもないリジュームの狙いはただ一つ。
「腕部の対処より本体を潰して終わらせましょう!」
「チッ!」
 だがコックピットが5基あるだけあって、多方面の対応も早い。急速接近するディナを叩き潰さんと死角から攻撃しようと腕を回り込ませる。
 しかし「RBXS-Bマンティコア」のテールアンカーで腕を打ち払い、両肩部のアンカークローで斬り払うディナ。ライフルなどの射撃も全面展開したEMフィールドで防御することで機体には通らない。
「この程度の手数でディナを止められると思うなッ!」
 リジュームの咆哮と共に能力「孔壊処刑(コウカイショケイ)」が発動、相対距離を詰めたメカトンケイルの機体に対物掘削衝角剣槍「RXブレイクドライバー」を突き立て、そのまま装甲を破壊する掘削する。
 まさしく乾坤一擲の一撃、防御に回す腕も間に合わずに傭兵の乗ったコックピットの一つが抉り取られ、放り出される。そしてよろめくメカトンケイルの身体に降り注ぐは、天からのプロトミレスのホーミングレーザー。
「死にたく無ければ降りろッ!」
「ひ、ひいいいい!」
 コックピットにブレイクドライバーを突きたてるディナの迫力に圧されて、傭兵が脱出してくる。これで一基を潰したことで操作性は格段に落ちるに違いないとリジュームは判断する。
 さらにプロトミレスが百腕の幾つかを破壊、装甲にも損害を与え、AIも蒸気王が3基潰した。先制攻撃としては上々の結果と言えるだろう。

 だがまだ無力化には程遠く、メカトンケイルは戦う気概は旺盛といったところか。戦いは始まったばかり、されどもマーロンカンパニーの連中を逃がさない為にも早期の排除に動く猟兵達であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ワタツミ・ラジアータ
毎度お馴染みの廃品回収でございますわ。
乗り手に害するとは不良品ですわね。
なら、壊して有効に再利用しなくてはいけませんね。

【SPD】
ロックオン承知で接近。
UC発動と同時にOver-Bodyを外し、ロックオンをそちらに誘導する。
外装機体は妨害として自動で低空を飛び回り爆撃する。
素機で動かせていない腕を喰う。
制御を奪った腕で敵自身を攻撃させる。
腕に腕の邪魔をさせることで攻撃を減らす。
防御に腕を使えなくした後、至近距離での砲撃。

砲撃内容は敵と同質。
砲塔砲弾現地調達。

人を餌にするのは確かに神の如くですわね。
でも機神を名乗るにはまだ早かったようですわね。
えぇ、君自身で動けるようにならないといけませんわ。


シャルロット・シフファート
ロックオンされても、それが光速すらも越える速度で機動していたらどうなるかしらね?
UCにて光速を突破する速度で戦場内を飛翔。
光属性の魔術と光子を用いた超兵器を用いてメカトンケイルを攻撃していくわ。
相手のUCに対しては光速を突破することで因果律を崩壊、ロックオン状態になった因果と無数の腕による追加攻撃を受ける因果を破壊して更に加速。
光属性の魔法宝石の魔剣を右手に、光子を限界まで刀身に集束、付与させた光子剣を左手に構えて二刀流の光速斬擊を繰り出して破壊していくわ。


フォルク・リア
キャバリアには乗らずに出撃。
メカトンケイルを見てその禍々しさを感じ。
「オブリビオンマシンの破壊が目的なら
あれが出てくるのは望むところ。
しかしあの異様さ、恐らくパイロットも
ただでは済まないだろう。何とか無事に救い出したいが。」
敵の腕が届く前にグラビティテンペストを発動。
攻撃を【見切り】つつ斥力を展開してそれを防ぎ
敢えて腕の密集地帯に向かって【残像】を発生させつつ
攻撃を回避し腕同士での誤攻撃を誘発。
統制が乱れたところで損傷の大きい腕に重力を集中させて破壊。
それを繰り返し腕の数が減ったらその隙を突いて
接近し脚部を破壊して機動力を奪い。
パイロットに被害が出ない様に注意しつつ
本体を破壊していく。


メアリーズ・エリゴス
くひっ!あぁ、やはり迎撃が出てきましたね
ふふ、ひひっ!そうでなければ詰まらないというものですよぉ!
これはこれは、腕が多くて壊(アイ)し甲斐のある敵が出てきて嬉しいですねぇぇ!
メアリーズ・エリゴス、ロートガルいきます!

……雑多な思念と機械的な動き、なんだ。見掛け倒しですか残念ですね
首にかけたT型サイコマテリアル試料が私の念を増幅し、コクピットのサイコ・コントロール・システムがその念動力を表現し、
愛(サツイ)の念動力であるプレッシャーで敵パイロット5名を心身共に押し潰してしまいますよぉ!
あなた方はこの殺意(アイ)を受け止められますかぁぁぁ!
動きが止まるか鈍るかしたら胸部メガビーム砲を撃ちますよぉ!



 「百腕の機神」メカトンケイル。残されたコックピットは4基、AIは7基残されている。これらが稼働している間はその腕は戦闘態勢を続けることであろう。
 だが傭兵とAIが減ったことで腕の操作性も落ちている。だがさきほど落とされた腕も加味して、稼働率を下げても操作性が保たれるようにAIが自動調整する。
 すでに百腕を操るとまではいかなくなったが、それでも恐るべき手数は変わっていない。そしてコックピットにいる傭兵達の精神汚染も深刻度を増していく。
「毎度お馴染みの廃品回収でございますわ。乗り手に害するとは不良品ですわね」
 そんな唾棄すべきオブリビオンマシンを前にワタツミ・ラジアータ(Radiation ScrapSea・f31308)は淡々とした表情で前に立つ。レプリカントとして冷静かつ冷徹に仕事を果たそうとする気概すら見える。
 ワタツミに対して腕を飛ばして攻撃を仕掛けようとしてくるメカトンケイル。傭兵達やAIの狙いは、「ターゲッティング オブ デス」によるロックオン状態にワタツミを嵌めようとすることだ。
「なら、壊して有効に再利用しなくてはいけませんね」
 だが集中攻撃などなんのその、そんなことはお構いなしで接近するワタツミ。能力「Dinner of GarbageCrusher(ハサイキコウアクジキハグルマ)」を発動し、飛翔してきた腕に対して果敢に食らいつき、攻撃を食らうと同時にその腕を身体へと取り込んでいく。
 その様はまさしく捕食者。メカトンケイルの腕を取り込んだワタツミはキャバリア「Heart of GearOrgan」の竜型外装パーツである「Over-Body」を解き放ち、そちらへとロックオン状態を引き継がせる。
「ロックオンされても、それが光速すらも越える速度で機動していたらどうなるかしらね?」
 ワタツミの外装機体は妨害として自動で低空を飛び回り爆撃する中で、高速で飛翔するシャルロット・シフファート(ツンデレの国のアリス・f23708)。電脳魔術と精霊術を融合させた「電脳精霊術」の使い手。
 その彼女が能力「無尽光全て司どりし戴冠聖光(アンリミテッド・シャイン・コンプリート)」の発動で、因果律崩壊・操作による光速を突破する速度を出すとすれば、メカトンケイルの腕はついていくことが可能であろうか。答えは否である。
「人を餌にするのは確かに神の如くですわね」
 外装機体とシャルロットの動きに翻弄されているメカトンケイルを尻目に、ワタツミが目に付けたのは操作を放棄したメカトンケイルの腕である。それをつかさず捕食し、制御を奪ってその腕で他の腕を攻撃させる。
 シャルロットが光速で飛翔し光を発射する魔術と光子を用いた超兵器で次々と腕を撃墜していく中で、さらに制御を奪われたメカトンケイルの腕が参戦してくる。その飽和攻撃は、ワタツミが懐に入り込む隙とするには十分であった。
「でも機神を名乗るにはまだ早かったようですわね。えぇ、君自身で動けるようにならないといけませんわ」
 そう言いながら素機から生やした砲塔で至近距離からの砲撃を加える。その砲塔も砲弾もすべて現地での捕食で調達した代物。つまりはメカトンケイルと同素材によるものが多数含まれる。
 つまりはその装甲を抜くには十分な威力であり、的確な射撃で外付けのAIを1基破壊するワタツミ。メカトンケイルの起動には問題ないとはいえ、さらに困窮する操作性に傭兵が舌打ちをする。
「さらに御代わりはいかがかしら?」
 だがシャルロットは休ませはしない。ロックオン状態になった因果と無数の腕による追加攻撃を受ける因果を破壊して更に加速したシャルロットは、もはや傭兵達とAIが操るメカトンケイルの腕では捕捉することができない。
 そしてシャルロットの右腕に握られた光属性の魔法宝石の魔剣に光子を限界まで刀身に集束させる。そして生み出し付与した光子剣を左手に構えて二刀流の光速斬擊を繰り出す。
「ぐおおおおおおおお!」
 光にまつわる魔術と科学を網羅した聖光操作による見事なる斬撃は、傭兵が搭乗するコックピットを外科手術並の手際で切除していた。その切れ味は抜群であり的確であった。
 そして離脱もシャルロットは完璧で、それに便乗する形でワタツミもメカトンケイルの射程から逃れていく。

「オブリビオンマシンの破壊が目的ならあれが出てくるのは望むところ」
 そう呟くのはフォルク・リア(黄泉への導・f05375)。多くの時間を魔術の研究に費やし、特に生死に関する呪術に造詣が深い術士であると同時に研究者たる彼は、キャバリアには乗らずにその地に立つ。
 しかしながらメカトンケイルの危険性にはその感性ですぐに察知する。その禍々しさを感じ、パイロットの様子の変化にも機敏に反応を示す。
「しかしあの異様さ、恐らくパイロットもただでは済まないだろう。何とか無事に救い出したいが……」
「生身だとぉ! おい、フローティングハンド・デストラクション起動だ! 殺せ殺せ殺せ!」
 そんな心配するフォルクを他所に、傭兵達の精神状態はいよいよ末期の物へと変化していく。そしてコード起動により、浮遊する無数の腕による多彩な攻撃がフォルクを襲う。
 だがその攻撃が届く前に能力「グラビティテンペスト」を発動させるフォルク。壊されたメカトンケイルの腕の残骸や、倉庫に点在する無機物を戦場全体に影響する重力、斥力を操る微粒子に変換し操り始める。
「押し潰せ、引き千切れ、黒砂の陣風を以て。其の凄絶なる狂嵐の前には何者も逃れる事能わず」
 多彩なる腕の攻撃に対して斥力を展開してそれを防ぎ、敢えて腕の密集地帯に向かって自身を囮にすることで腕を集中させる。そして重力を操って一時的に攻撃を回避し腕同士での誤攻撃を誘発させていくフォルク。
 そんなメカトンケイルの多彩なる攻撃に愉快そうに笑いながら回避するのはメアリーズ・エリゴス(生体CPU・f30579)の試作重キャバリア「ロートガル」である。
「くひっ! あぁ、やはり迎撃が出てきましたね。ふふ、ひひっ! そうでなければ詰まらないというものですよぉ!」
 生体CPUとして故意に薬物依存状態にされて精神的にも破綻している彼女は、戦いの中で快楽を感じる。メアリーズはメカトンケイルの派手な歓迎に歓喜すらも感じていた。
 特に自身のロートガルを相手にする多くの腕というのがいい。より自分を抱擁してくれるような壊(アイ)し甲斐のある、敵であることであることを認識するメアリーズ。
「嬉しいですねぇぇ! メアリーズ・エリゴス、ロートガルいきます!」
 そして腕を退けていくと同時に撃墜し、フォルクと同時に腕の多彩攻撃を凌ぐメアリーズ。だがその愛(サツイ)が冷めていくのも感じる。
 思った以上に雑多な思念と機械的な動きなのだ。AI頼みとコックピットの傭兵達の腕の粗悪さが目立つ故に、見掛け倒しにがっかりもしてくるメアリーズ。
「これが、私の身体を通して出る殺意(アイ)ですよぉぉぉ!」
 だがそれでもこの破壊衝動は止めることはできない。首にかけたT型サイコマテリアル試料がメアリーズの殺意を増幅し、コクピットのサイコ・コントロール・システムがその念動力を表現し、能力「サイキックプレッシャー」を発動する。
 愛(サツイ)の念動力であるプレッシャーで狙うはコックピットに搭乗している傭兵達だ。心身共に押し潰してその動き、判断力を愛(サツイ)によって塗り潰す。
「あなた方はこの殺意(アイ)を受け止められますかぁぁぁ!」
 そして動きが止まったところでロートガルの胸部メガビーム砲を解放し、巨大なエネルギー波を放つメモリーズ。AIが自動回避を試みるも、完全回避は難しく、AIが搭載された肩部が吹き飛ばされる。
 その破壊の余波でさらにAIチップにひびが入り、もう1基イカれるメカトンケイル。そして2基のAIを失って統制が乱れたところで損傷の大きい腕に重力を集中させて破壊するフォルク。
「ただ屍を晒すのみ。吹き荒れよ、滅びの衝撃」
 そしてロートガルのビーム砲で態勢が崩れているところを急接近して、フォルクは重力攻撃で脚部を破壊する。機動力を奪い、逃げ道を無くすと同時に重力、斥力を操る微粒子をメカトンケイルのボディに叩き込む。
 その滅びの破壊によってコックピットごと抉り取る。そこからコックピットを開いて傭兵を助け出すフォルクであったが、大分精神をやられているのか、会話すらも要領を得ない状態だ。
「あ、あ、あ……」
「大分ひどいな」
 そんなフォルク相手にメカトンケイルの腕が飛来する。その攻撃を避けて傭兵を抱えつつ離脱するフォルクを、メアリーズのロートガルがサポートする。

 メカトンケイルも機動力を奪われている上に、パイロットを二人失い、AIも3基破損となれば早々動けない。態勢を立て直すことに専念する。
 しかしもはや百腕を操ること敵わず。助け出すべき傭兵も残り二人とあと少しでメカトンケイル攻略はなる。だからこそここで畳みかけるべく、猟兵達の猛攻は続く。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

アイ・リスパー
理緒さんと

「一連の事件の黒幕ですね。
理緒さんと一緒に調査して証拠をみつけてみせましょう!」

っと、どうやら敵も必死のようですね。
切り札のキャバリアですか。

「ならば、こちらは防御は理緒さんに任せて、私は攻撃に専念します!
オベイロン、高機動モードで装着です!」

【高機動型強化外装】を装着。
理緒さんが作り出した私の偽物に紛れて高速機動し、敵の腕による攻撃を避けましょう。

「オベイロン、敵機体の弱点を計算してください!」
『私のAIがあのような量産型AIに劣らないことをお見せしましょう』

オベイロンが割り出した敵の弱点にガトリングとミサイルランチャーを叩き込みます!

「って、ああっ、理緒さん、早く魔術解除を!」


菫宮・理緒
【アイさんと】

大企業の黒い闇ってやつかな?
生贄とかカードゲームだけにしてほしいよね。

今回はアイさんといっしょだし、
攻撃はお任せしちゃおう。

攻撃力まっくす、みたいな感じのキャバリアだけど、
それを封じればなんとかなりそうな気もするしね。

アイさん、攻めはお任せしていいかな?
そのかわり、相手の攻撃は絶対通さないから、ねー。

99秒のタイマーをかけたら【偽りの丘】を発動。
相手を結界内に引きずり込んで、
メカトンケイルのすべての攻撃を無効化するよ。
「百本腕? まだまだ足りないんじゃないかな?」

アイさん、いまだよー!

アイさんの攻撃に見惚れていたら、ついつい時間が。
タイマーに気付いてあわてて結界を解除するね。


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【SPD】
※アドリブ絡み連携歓迎

裏取引なんて何処でもやってる事
でも、ココはちょいやりすぎた様だね
ならイレギュラーとして叩き潰すだけさ♪
…徹底的にね(電脳で何か解析中?)

って、流石に用心棒くらいはいるか
にしても、神々しいやらややこしいやら…
大量の装備で威圧効果狙いかね?

でもコクピットが複数見えるのにスムースな連携は…
中身は『商品価値』を出せなかった傭兵達かな?
練度の低さに付け入る隙があると見たよ

…18番【マクスウェル】起動
飛翔する4基の大型ビットで迫る武器を迎撃
電脳の【瞬間思考力】も併せて予測&高速回避しつつ
腰左右に構えたビームキャノン代わりの2基で本体狙いっ

支社長【逃亡阻止】の警戒はしておくよ



 すでに機神は百腕を操ること能わず。その腕の半数は撃墜され、さらに補助すべきAIも残りは4基。操るパイロットである傭兵は二流とも三流ともわからない者だ。
 だがしかし、オブリビオンマシンはパイロットの性能を無理矢理にでも引き出す。己が力を振るう為に、最大限の精神干渉という名の汚染を繰り返す。
 それこそがメカトンケイルが廃人を幾人も生み出してきた由縁であり、コックピットに残った二人の傭兵の精神は急速に蝕まれつつある。
「殺す殺殺す殺殺殺殺殺殺殺!」
「助け、殺す殺す排除排除排除!」
 精神力としても二流の傭兵に耐えられるはずもなく、狂っていく心。その様子をリーゼロッテ・ローデンヴァルト(リリー先生って呼んでよ・f30386)は某企業が量産した重量級キャバリアを自ら改造した「MPC-RW9r-LEX ナインス・ライン」に搭乗し、観察する。
「裏取引なんて何処でもやってる事。でも、ココはちょいやりすぎた様だね」
 傭兵達に対するあまりの非道行為、さらにオブリビオンマシンの研究・売買。もはやマーロンカンパニーにギルティの裁定を下すには十分な材料である。
 リーゼロッテとしても用心棒や妨害対象がいるのは想定済み。神々しいとも思えるメカトンケイルの姿を見ながらも一人心地に呟く。
「ならイレギュラーとして叩き潰すだけさ♪ …徹底的にね」
 そんな底冷えするような声を出すリーゼロッテ。メカトンケイルの様々な武器を持った無数の腕がその機体にロックを駆けようと襲い掛かってくる。
 大量の装備で威圧効果狙いと見定めたリーゼロッテは能力「DA-18:MAXWELL(マクスウェル)」を起動する。高命中高威力のビット6基がその機体から出撃するのを見て、リーゼロッテは薄く笑う。
「でもコクピットが複数見えるのにスムースな連携は…、練度の低さに付け入る隙があると見たよ」
 『商品価値』を出せなかった傭兵にこそメカトンケイルの付け入るべき隙だと認識したリーゼロッテ。無理な精神汚染で十二分の力を引き出したとしても、AIで補助したとしても一流に敵うはずもない。
 飛翔する4基の大型ビットで迫る武器を軽々と迎撃すると、電脳で何か解析した情報を元に回避行動を行って腰左右に構えたビームキャノン代わりの2基で、メカトンケイル本体を射抜いていく。
「ぎゃあああああああああああ!」
 飛来する腕の合間を縫うような神業。リーゼロッテのビームキャノンによってコックピットがあった箇所が撃ち抜かれ、破壊すると共に傭兵が放り出される。さらにその際に電脳ウイルスまで撃ち込んで周辺AIを2基潰すというおまけつきである。
 そしてついにコックピットが一つになり後がなくなったメカトンケイルを、アイ・リスパー(電脳の天使・f07909)と菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)の電脳の箱庭コンビが襲い掛かる。
「大企業の黒い闇ってやつかな? 生贄とかカードゲームだけにしてほしいよね」
「一連の事件の黒幕ですね。理緒さんと一緒に調査して証拠をみつけてみせましょう!」
 メカトンケイルのコックピットの傭兵の惨状にため息をつく理緒に、黒幕の正体を暴こうと意気込むアイ。だがそれを阻むのは破壊寸前の「百腕の機神」。
 窮鼠というのは猫すら嚙み殺すほど危険なものである。敵も必死であることを認識しつつ、切り札であるメカトンケイルを確実にここで破壊することを決心するアイ。
「ならば、こちらは防御は理緒さんに任せて、私は攻撃に専念します! オベイロン、高機動モードで装着です!」
 それに気合を入れ直したのか、アイは能力「高機動型強化外装(パワードスーツ・ライトアーマー)」を発動して高機動型パワードスーツを装着する。そして飛来するメカトンケイルの腕達。
 だが理緒はその腕の前に立ち塞がる。アイのパワードスーツの頼もしさに心が奮い立つのを感じる理緒は、鬼気迫るメカトンケイル相手でも恐怖を感じることはない。
「アイさん、攻めはお任せしていいかな? そのかわり、相手の攻撃は絶対通さないから、ねー」
 そして能力「偽りの丘(イツワリノオカ)」を発動する理緒。99秒のタイマーをかけた後、自身の潜在意識の中から閉じた『結界』として心象風景を放出し、メカトンケイルの腕ごと引きずり込む。
 攻撃力全振りのようなメカトンケイルの機体。ならばそれを封じれば何とかなるというのが理緒の目算だ。
「百本腕? まだまだ足りないんじゃないかな?」
 そんな挑発じみた理緒の言葉にメカトンケイルの様々な武器を持った無数の腕が襲い掛かる。だがその結果内では理緒に当たる攻撃はすべて『偽物』に置換される。
「アイさん、いまだよー!」
 すべての攻撃を無効化することで攻撃にロックすらかからない状態にする理緒。そして彼女が生み出した自身の偽物に紛れて高速機動するアイ。すでに懐の防御機能すらも攻撃に回さざるを得ない状況下でアイは攻撃を敢行する。
「オベイロン、敵機体の弱点を計算してください!」
『私のAIがあのような量産型AIに劣らないことをお見せしましょう』
 そのオベイロンはすでに敵の残りのAIの位置、そして傭兵が搭乗するコックピットの位置を正確に割り出していた。それこそがメカトンケイル最後の砦にして生命線。
 オベイロンが割り出したその位置に遠慮なくビームガトリングとミサイルランチャーを容赦なく叩き込むアイ。オーバーヒートになるまで続く攻撃は、割り込ませた腕をも粉砕し、AIを焼き尽くし、コックピットの外壁も破壊していく。
「うおおおおおおおおおおお!」
 その叫び声と共に、破壊したコックピットから傭兵が放り出される。一応はオベイロンの補正射撃によってパイロットは無事なように破壊したために、命に別状はない。
 そして10基のAIと5基のコックピットすべてを失ったメカトンケイルは起動を停止する。そして動力部へとアイのミサイルの爆裂が到達し、誘爆によって完全に爆散する。
「って、ああっ、理緒さん、早く魔術解除を!」
「ととっ、アイさんの攻撃に見惚れていたら、ついつい時間が」
 そういって偽りの丘の結界を解く理緒。タイマーのボタンは99秒を過ぎていない状態だったので大丈夫だったようだ。それにはほっと一息つくアイ。

 その光景を見つめていたリーゼロッテは、破壊されたメカトンケイルを確認して、次なる獲物についても目を付けていた。マーロンカンパニー支社長、リヒトの追跡だ。
「逃がしはしないよ」
 その眼光はしっかりとドルディア支社にいるであろう、黒幕に向けられている。すでに電脳操作で位置を確認しているリーゼロッテの情報を元に猟兵達はターゲットの追撃を再開するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『闇夜の襲撃』

POW   :    さぁ行くぞ!装備を整え出撃し敵を討つ!

SPD   :    どこの敵だ!?敵の数と装備を情報収集し味方に報告!

WIZ   :    とにかく安全を!怪我人の看病、火災の鎮火…基地の防衛に集中!

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 「百腕の機神」メガトンケイル完全沈黙。コックピットに搭乗した傭兵達も救出・確保し、腕の起動に必要な搭載AI10基も破壊した。これでどう足掻こうとも動くことはないだろう。
 そしてこれが足止め役だということも忘れてはいない。戦闘を繰り広げている間に「マーロンカンパニー」ドルディア支社に残されたデータはすべて破棄されただろう。それほどまでに支社長リヒト・クレイシーを筆頭に社員全員の仕事が速かったとも言えるだろう。
 だがリヒト達の想定よりも素早くメガトンケイルが破壊されたのは完全な誤算であり、まだ支社から脱出できていない状況であった。猟兵達は支社の裏手に急行し、逃げ道を塞ごうとする。

「ぎゃああああああああ!」
「た、助け、ごぎゃ!」
 そこで猟兵達が目の当たりにしたのは阿鼻叫喚の修羅場、惨劇の現場であった。マーロンカンパニー社員達が次々と自社倉庫に保管しておいたキャバリアに惨殺されていく。
 ある者はライフルで撃たれ、ある者はブレードで両断され、ある者はレッグに踏み潰される。その惨状から必死に逃げているのが、支社長のリヒトであった。
「ヒ、ヒイィ! な、なんで無人のキャバリアが動いている!?」
 そのキャバリア達はドルトムンド同盟国に納品予定の商品であった。傭兵達は使い潰し、社員達は殺されている。そのコックピットは誰もいないのはリヒトが誰よりもわかっている。
 だが猟兵達にはわかる。コックピットには誰もいなくても、その機体に纏わり付く黒い瘴気が見える。恐らく、無人操作ながらオブリビオンマシン化しているのだろう。
 パイロットもいないのにどうやって動かしているのかはわからない。だがこのキャバリア達の目的はドルディア支社の人間の抹殺だ。この殺戮を見れば誰にでも理解できた。
「だ、誰か助けてくれええええええ!」
 リヒトの悲痛な声が響き渡る。オブリビオンマシンを使って非道な起動実験をし、多くの悲劇をばら撒いた犯人の一人なれど、ここで殺されてしまえば真相は闇の中。故に猟兵達は暴走する無人キャバリア達の前に立ち塞がる。
才堂・紅葉
動きが早いわね。向うさんも本職かしら
ともあれ敵が証拠隠滅を図るなら、確保に走るのが素直な対応ね

アルダワゴーグルに『メカニック』で暗視・赤外線機能ON
生存者の発見と確保を行いますね。【偵察、情報収集】から「ガジェットブーツ」の機動力で【怪力、忍び足】を駆使して生身での救助活動です。騒ぐ人は当身で黙らせますね

「蒸気王、ぶちかましなさい」

キャバリアに襲われたら?
光学【迷彩】で隠しておいた「蒸気王」で横殴りです
遠隔機動である程度のスタンドアロンな動きが出来るのは、こんな時便利ですね
蒸気王と連携しつつ、救助活動
合間に大混乱であろう友軍に、敵の装備と規模と作戦目的を通達しておきますね


リジューム・レコーズ
チッ…むざむざ無人機に暴走されるとは、キャバリア商人が聞いて呆れますね
邪魔です!助けて欲しければ退いてなさい!

搭乗者が居ない分都合が良い…普段わたしが人命確保の為にどれほど手加減してるか教えて差し上げましょうか?
この程度の相手に無駄に弾薬を使う必要も無い
ディナ!手当たり次第に喰い殺せッ!
ブレイクドライバーで殴り付けて叩き潰す
更にアンカークローとマンティコアで行動不能となった目標を貫通
それだけじゃ終わらない
パワー・オブザシールでエネルギーを吸収し尽くします
言葉通りの意味でディナに喰わせ糧とします
これで先程の戦闘の消耗は無きも同然ですよ
貫通した敵機はホールドしたまま振り回し周囲の敵機に激突させます



 「マーロンカンパニー」ドルディア支社は何も非合法なオブリビオンマシンばかりを扱っているわけではない。むしろ正規のキャバリアをドルトムンド同盟国に売りつけるこそが主目的とも言える。
 通常キャバリアよりも高性能、そして重度の精神汚染のあるオブリビオンマシンを戦地に流して混乱を生む。戦乱拡大という商機を狙うのであれば、確かにマーロンカンパニーのような多国籍キャバリア企業にとっては飯の種となりうるだろう。
 だがその裏の顔を知るのはあくまで支社でも上層部の人間のみ。その自業自得が引き起こした殺戮に、支社内の無関係な人間が巻き込まれて死んでいくのは無残ともいえる。
「動きが早いわね。向うさんも本職かしら」
 そしてコックピットにパイロットのいないキャバリアが支社の人間を殺戮しまわっているのを才堂・紅葉はアルダワゴーグルごしに確認する。その手際・メカトンケイル撃破からの襲撃タイミングから見ても素人という気配は薄い。
 暗視・赤外線機能ONにしていることで、闇夜の中でも視界は良好。無人キャバリアがどうやって知覚しているのかはわからないが、その闇を斬り裂くようにガジェットブーツの機動力を生かして生存者の元へと一飛びしていく。
「あ、あなたは……」
「静かに。あまり騒がないことね」
 マーロンカンパニーの社員を静かに救助していく紅葉。生存者の発見と確保は事前の偵察によって粗方の位置を把握しており、騒ぐ輩には強引な手段をも厭わないと紅葉は徹底的に生身でそれを成していく。
 そんな紅葉が救助活動をやっている間に無人キャバリアの相手は誰がしているのかと言えば、リジューム・レコーズのオブリビオンマシン「アークレイズ・ディナ」であった。
「チッ…むざむざ無人機に暴走されるとは、キャバリア商人が聞いて呆れますね」
 ディナのコックピットでその惨状に舌打ちをするリジューム。本来であればここまで大荒れすることのない冷静な彼女であるのだが、ディナを操縦する際の副作用と言えるだろう。
 特に敵を前にしての攻撃的性格が前にも増して強硬的になっているのも特徴的である。そして暴れまわるオブリビオンマシン擬きに突撃していく。
「邪魔です! 助けて欲しければ退いてなさい!」
「ひ、ひい!」
 その気迫ある掛け声に咄嗟にディナを避けるマーロンカンパニー社員。搭乗者が居ないとわかっているリジュームは全く持って手加減する必要もない。
 思いっきり対物掘削衝角剣槍「RXブレイクドライバー」で殴り付けて、その機体をへこませる。そしてディナのコックピットから漏れる声はまるで地獄の底へと誘うような雰囲気を持っていた。
「…普段わたしが人命確保の為にどれほど手加減してるか教えて差し上げましょうか?」
 それを体現するようにブレイクドライバーで再起不能になるまで叩き部していくディナ。この程度の敵に弾薬など必要ないと言わんばかりのインファイトでの破壊劇だ。
 更に両肩部のアンカークローとテールアンカー「RBXS-Bマンティコア」で行動不能となった機体を貫いていく。その様はまさしく大型の肉食獣が獲物を捕らえたが如しだ。
「ディナ! 手当たり次第に喰い殺せッ!」
 そして能力「パワーオブザ・シール」を発動させ、エネルギーを吸収し尽くしていくディナ。言葉通りの意味でディナに喰わせ糧とすることで、リジュームは機体にエネルギーが充足していくのを感じとる。
 これで戦闘に使うエネルギーの消耗は無きに等しく、さらに暴れる為のエネルギーも確保した。そして貫通した敵機はホールドしたまま振り回し周囲の敵機に激突させていく。
「あ、危ないぞこれ!」
 その戦闘模様を見て避難していく社員達。だが実際には助けられているのは間違いなく、キャバリア達の集団に釘付けだ。その間に紅葉が誘導して社員を助け出していくという構図が成り立つ。
 だが如何に隠密に活動しても、他のキャバリアに発見されてしまうこともある。それはリジュームのディナが相手にしている機体とは別の倉庫から出てきたものだ。だが紅葉はそれに対しても至って冷静だ。
「蒸気王、ぶちかましなさい」
 その掛け声と共に光学迷彩で隠しておいた錬金部長試作の蒸気ゴーレム「蒸気王」の拳がキャバリアの頭を粉砕する。不意打ち気味の横殴りで防御する暇もなく、一撃粉砕だ。
 能力「蒸気王遠隔機動(リモートモード)」によって拳のハイペリアの紋章によって制御していた紅葉は満足そうな表情で、蒸気王を見つめる。
「遠隔機動である程度のスタンドアロンな動きが出来るのは、こんな時便利ですね」
 茫然とする社員達を尻目に、紅葉は再び蒸気王を光学迷彩モードに戻し、救助活動へと戻っていく。蒸気王は紅葉を助けるように隠匿行動をし、リジュームのディナと連携するように社員達を救助していく。
 さらにこの状況報告を大混乱であろう友軍に報告しておくことも忘れない紅葉。、敵の装備と規模と作戦目的を通達しておき、突入の時に冷静な判断を下す材料を提供するのも忘れない。

 この冷静な紅葉と苛烈なリジュームの奇妙な連携行動によって、多くのキャバリアを撃破し、社員達も救出することができた。裏業務に関わっていない罪のない人々の救助に胸を撫で下ろす。
 だがまだまだ暴れているキャバリア達は多く、油断はできない状況。猟兵達の救助活動は続いていく。すべてを救うまでは。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ワタツミ・ラジアータ
その瘴気で意思を得たのか遠隔操作なのかは知りませんが、
これもお仕事ですので。

ほらほら、人は私より後ろにお下がりくださいな。
私は悪食でございますから。

さぁ、侵略機海をご覧くださいませ。

【WIZ】
敵を狙わず地面を狙い地形を支配化に置く。
その上を走る金属類を浸食する。
避難した人は浸食した金属をつかってバリケードで守る。
ミサイルが当たればそこから金属を浸食し、可動部分などのハードウェア部分を支配下に置く。
ソフトウェア面の支配はできない。

避難民にレプリカントに類する人がいれば運が悪い事になるかもしれない。
叫び声でもあげれば地形を操作して安全圏に放り投げる。
齧ってしまった一般人には、直して返す。


菫宮・理緒
【アイさんと】

絵に描いたような自業自得ではあると思うけど、
ここはしっかりと法律で裁いてもらわないとかな。

アイさんと電脳魔術を駆使して基地防衛。
無人機なら被害気にせずやっちゃっていいよね!

アイさんからのデータをインポート。
敵行動確率、96.2%。

【E.C.O.M.S】を発動させてユニットを召喚。
社員さんを狙っている機体を最優先目標にして、
編隊を組んで突撃させていこう。

わたし自身は【mist sprayer】で消火活動に当たるね。
まずはアイさんとわたしのまわり、
そのあとに社員さんのまわりに噴霧して、
火からのダメージを抑えていこう。

助けてあげるよ。
責任はしっかりとってもらわないといけないからね。


アイ・リスパー
理緒さんと

『パワードスーツ高機動モード、機動限界に到達。
オーバーヒートのため、装着を解除します』
「ご苦労さま、オベイロン。
ここは理緒さんと生身で対処しますので、パワードスーツの冷却をお願いしますね」

ホロキーボードとディスプレイを展開し、【チューリングの神託機械】を発動。
万能コンピュータで会社の警備システムにアクセスし、監視カメラやセンサーの情報から社員や社長、無人機の居場所を把握します。

「理緒さん、社員や無人機の位置情報、データリンクします。
そして、敵無人機の行動パターン、解析完了。
理緒さん、攻撃はお任せしましたっ!」

人を罰するのは私の仕事ではありません。
社長を裁くのは他の人に任せましょう。



 無人のキャバリア達が惨劇を繰り広げる場となったマーロンカンパニー社内にある倉庫。緊急避難をしようとしていた一般社員達も巻き込むことになった最悪の事態。
 支社長のリヒトや幹部連にとっては自業自得と言える自体だろうが、オブリビオンマシンのことを知らない社員達も多くいる状況。それが血と肉をぶちまけている状況なのだ。
 それを見過ごせるほど猟兵達は薄情ではない。この暴れまわっている状況を鎮圧しなければ聞ける話も聞けるものではないからだ。
「その瘴気で意思を得たのか遠隔操作なのかは知りませんが、これもお仕事ですので」
 そう言って黒い瘴気に支配された無人キャバリア達と社員達の間に立つワタツミ・ラジアータ。体格差は歴然なれどその身体は全く震えも恐れもない。
 そんな強靭な姿を見て社員達は驚きと共に、果敢に助けようとする女性に逃げろと言いそうになる。だがその前にワタツミが落ち着かせるような声で言い放つ。
「ほらほら、人は私より後ろにお下がりくださいな。私は悪食でございますから」
 無人キャバリアが拳を振り上げて迫ってきても動じることのないワタツミ。そして能力「GearOrgan・ScrapSea(ハグルマキコウ・シンリャクキカイ)」を無言で発動させる。
 全て物質を金属材料化させる金魚型ミサイルは、キャバリアを直接狙うことなく地面へと炸裂させていく。その光景に制御がきいていないのかと怪訝に思う社員達。
「さぁ、侵略機海をご覧くださいませ」
 だがワタツミの狙いは地形を支配化に置くことだ。外れた金魚型ミサイルが侵食を開始し、白銀の浸食金属で覆い尽くしていく。
 白銀の浸食金属で覆い尽くしていき、その浸食を金属を巧みに操ってキャバリアの攻撃を防ぐバリケードを構築するワダツミ。それで攻撃を防いだ後に、再び金魚型ミサイルを撃ち込んでいく。
「ソフトウェア面の支配はできませんので、こちらを」
 ミサイルが当たった箇所から侵食を開始し、可動部分などのハードウェア部分を支配下に置いていくワタツミ。そこから動けなくしたり、他の無人キャバリアの盾にしていくなどにして社員達が逃げる時間を稼いでいく。
 ちなみにワタツミはレプリカントに類する人がいないかも気にしていた。何せこの操っている地形自体が物質を金属材料化させるものだ。
 だからこそアフターケアとして叫び声でもあげれば地形を操作して安全圏に放り投げることも忘れない。齧ってしまった一般人には、直して返すなど丁寧な仕事っぷりだ。

「あっちには近寄らない方がいいですね」
 そのワタツミの方を見てアイ・リスパーが言うと、同行者にして協力者の菫宮・理緒は大きく頷く。理緒はともかく、アイのパワードスーツ「オベイロン」に対してはすこぶる相性が悪い。
『パワードスーツ高機動モード、機動限界に到達。オーバーヒートのため、装着を解除します』
「ご苦労さま、オベイロン。ここは理緒さんと生身で対処しますので、パワードスーツの冷却をお願いしますね」
 そしてオーバーヒートに達した為にちょうどいいとばかりにオベイロンには冷却の為の休憩モードに入らせる。勿論、ワタツミの侵略機海の影響が及ばない場所ではあるが。
 そして理緒が電脳魔術を起動してアイと連携する素振りを見せると、アイもホロキーボードとディスプレイを展開する。そして能力「チューリングの神託機械(チューリング・オラクル・マシン)」を発動させる。
「電脳空間への接続を確認。万能コンピューターへログイン。オペレーション開始します」
 自身の演算能力を高めるために電脳空間にアクセスして万能コンピューターの計算能力を宿すアイ。その万能コンピュータでドルディア支社の警備システムにアクセスし、監視カメラやセンサーの情報からマーロンカンパニーの社員や支社長、無人キャバリアの居場所を把握していく。
 その演算能力を処理する為に強烈に脳に負荷を生じさせるが、口から溢れ出してくる血液を飲み干すアイ。今回は戦うのは自分ではないので、安心して援護に回れる。
「理緒さん、社員や無人機の位置情報、データリンクします……敵無人機の行動パターン、解析完了。攻撃はお任せしましたっ!」
「任されました! 無人機なら被害気にせずやっちゃっていいよね!」
 その送られてきたアイの情報を受信する理緒。データをインポートし、電脳画面には「敵行動確率、96.2%」と表記されている。
 そして能力「E.C.O.M.S(イーシーオーエムエス)」を発動させて、小型の正八角形のユニット「Octagonal Pyramid」を大量に召喚する理緒。呼び出したユニット達に編隊を組んで突撃させる。
「絵に描いたような自業自得ではあると思うけど、ここはしっかりと法律で裁いてもらわないとかな」
 理緒は自分の信条はともかく、任務を最優先にする。無人キャバリア達の行動データから特に社員を狙っている機体を最優先にユニット部隊を向かわせて攻撃をしていく。小型ながらも小回りが効き、さらにアイの情報分析による行動パターン把握で効率がいい攻撃を繰り出して破壊していく。
 一方で理緒自身は高圧散水機「mist sprayer」を持ち出して、キャバリア達が引き起こした火災を消化していく。まずは自身とアイの周囲、その後に社員達の周りに噴霧して火災による火傷を防止していく。
「あ、ありがとう……助かった」
「助けてあげるよ。責任はしっかりとってもらわないといけないからね」
 そう言いながら理緒はしっかりと責務を果たす。社員達の中には裏の業務に関わっている人も少なからずいる。その人達にはしっかりと責任を取って貰わらなければならない。
 死という逃避は許されない。今までの実験で亡くなった人を思えばそれは当然のことなのだ。
「人を罰するのは私の仕事ではありません。社長を裁くのは他の人に任せましょう」
 そのアイの言葉に理緒は静かに頷く。そしてユニットを飛ばし、救助活動を続けていく理緒と、情報を分析し続けるアイ。
 反対方向ではワタツミが奮闘した為に、このエリアでの社員の救助活動は思いの他うまくいったと言わざるを得ないだろう。無人キャバリアも大部分を沈黙させ、社員達を無事安全な場所へと誘導する。
 これからマーロンカンパニーにとっては苦難になるかもしれない。だが命あっての物種なのだから、救出されたことに感謝すべきだろうと猟兵達は思うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【WIZ】
※アドリブ絡み連携歓迎
※『ナインス・ライン』搭乗

そ、支社長はずっと捕捉してたのさ
コレの為に…ほい、出番だよー
(当局指揮下キャバリア隊が支社長包囲)

最初から【アーバン・ディスクローズ】で
『特殊キャバリア群の資料』を傍受・複製してたの
どーせ速攻揉み消すだろーし?

あ、証拠隠滅は実に匠の技だったよ
お陰ですぐ読める完全な形の『秘密』は
暴走機の仕様書と仁王様の完コピ帳簿位

ソレ以外の解析は手間掛かるけど
今官憲を動かすにはコレで十分さ
え?うん、一切合切通報時に提出済♪
さ、支社長…死にたくなきゃ、ね♡

でも当局の機体ごと殺られたら無意味
支社長確保後は当局を後退させるよ
アタシは他の猟兵とも組んで全力護衛っ


フォルク・リア
支社長に
「自分が誰かに助けを求められる生き方をしてきたか。
よく考えてみる事だ。」
「それでもと言うのなら
(ナイトメアフォースを発動し)
悪夢の中で待っていると良い。」
支社長には今まで傷つけた人々に襲われる悪夢を見せつつ。
自身はオブリビオンマシンに対処。
【範囲攻撃】で拘鎖塞牢を展開してその力を封じ
デモニックロッドから【鎧無視攻撃】【貫通攻撃】の
効果を持つ闇の魔弾を撃ち出してマシンを破壊していく。
「此処の人間の抹殺を目的としているなら
恨みを持つ者の意思が乗り移ったという事も考えらえるか。」
と怨霊、死霊の類が宿っていないか調べ。
その痕跡があれば簡易的に供養し。
支社長は戦闘後、確保して護送する。



 「マーロンカンパニー」ドルディア支社長リヒト・クレイシーは自分に付き従う幹部連中と共に無人キャバリアから逃げていた。恐らくあれは機密保持の為に差し向けてきた刺客であろうことは察することはできた。
 だがあくまで自分自身はドルディア支社の長である。幹部はともかく、消されるはずはないだろうと思っていた。むしろ消す側だとばかり思っていたのだ。
 この無人キャバリアに社員達が無残に殺されていくまでは。社員だけではなく、周囲の幹部も何人かは死んだ。そんな恐怖の中で一つの機体がリヒトの前に立ち塞がる。
「なっ、なんだ!」
「そ、支社長はずっと捕捉してたのさ。コレの為に…ほい、出番だよー」
 それはリーゼロッテ・ローデンヴァルトが搭乗する重量級キャバリア「MPC-RW9r-LEX ナインス・ライン」であった。そしてその戸惑うリヒト達を黙らせる為にリーゼロッテはある資料を電脳ウインドウで公開する。
 それこそは能力「Op.NULL:URBAN DISCLOSE(アーバン・ディスクローズ)」によって作成された『特殊キャバリア群の資料』であった。その資料に目を見開くリヒト。
「こ、これは!」
「どーせ速攻揉み消すだろーし? あ、証拠隠滅は実に匠の技だったよ」
 そういって舌を出して可愛さをアピールするリーゼロッテ。高性能生体電脳と情報収集用特殊ナノマシンによって対象の秘密を暴く能力は、物証・論拠となる全記録群の完全複製が成せた。
 しかしリヒトの証拠隠滅が完璧だからこそ、すぐ読める完全な形の『秘密』は暴走機の仕様書と仁王様の完コピ帳簿位であった。それでも解析には時間をかければ十分な証拠が揃ってもいた。
「今官憲を動かすにはコレで十分さ」
「ま、まさか貴様!」
「うん、一切合切取得時に提出済♪」
 そう言われたリヒトは身体から力が抜けていくのを感じていく。この資料がドルトムンド当局に渡れば、逮捕は逃れられないだろう。
 さらにリーゼロッテは言っていなかったが、すでに当局に通報しており、キャバリア部隊が確保に向かっている。時間さえあればリヒト達が逮捕されるのは間違いない状況である。
「さ、支社長…死にたくなきゃ、ね♡」
 だがリーゼロッテは殺しにかかってくる無人キャバリアの相手もしなければならない。さらに当局のキャバリア部隊が全滅させられないようにもこの敵を減らしておく必要がある。
 リヒト達を護衛するように無人キャバリアをナインス・ラインの砲撃で、その重量攻撃で破壊していく。そしてそのどさくさで逃げようとするリヒトを背後からフォルク・リアが肩を掴む。
「自分が誰かに助けを求められる生き方をしてきたか。よく考えてみる事だ」
 フォルクはオブリビオンマシンという災厄を扱っておきながら、無様に助けを求めるリヒトに憤っていたのかもしれない。生死に関する呪術を扱うが故に、その思いは一際強い。
 だからこそ無様に逃げ出し、さらに罪からも逃げようとするリヒトにフォルクは容赦はしない。能力「ナイトメアフォース」を躊躇もなく発動させる。
「ぐああああああああああああああ!」
「それでもと言うのなら、悪夢の中で待っていると良い」
 支社長には今まで傷つけた人々に襲われる悪夢を見るリヒトの叫び声が木霊する中、ナインス・ラインを抜けてきた無人キャバリアの相手をするフォルク。
 生身のフォルクを踏みつぶして抜けようというキャバリア達に対し、宣告と共に現れ対象の力を封じる棺桶形の拘束具「拘鎖塞牢」を発現する。一瞬で消えるものの、拘束効果が残る為にその隙に黒杖「デモニックロッド」から闇の魔弾を発射して装甲を粉砕してマシンを破壊していく。
「此処の人間の抹殺を目的としているなら、恨みを持つ者の意思が乗り移ったという事も考えらえるか」
 そう言ってフォルクは破壊してもなお瘴気を発する機体に近づき、怨霊、死霊の類が宿っていないか調べる。その痕跡があれば簡易的に供養しようとも思っていた。
 だがその痕跡は見つけることはできず、代わりに瘴気の元になっている黒い欠片を見つけることができた。それをデモニックロッドの魔弾で破壊すると、暴れていた機体は糸の切れたマリオネットのように動かなくなった。
「これが原因か?」
 フォルクは首を傾げるが、今はリヒトを含めた幹部連を護送する方が優先される。リーゼロッテとも連携して、無人キャバリア達の魔の手から守り抜いていく。
 
 その甲斐もあってリヒトと幹部連中はその窮地を脱することができた。だがその表情から憔悴が晴れることはなかった。
 リーゼロッテに秘密をすべて暴露され、フォルクの悪夢を見せられた後であれば当然ともいえるだろう。だがリヒトの悪夢はこれで終わるはずもなかった。いずれ始まるだろう現実を知ることになるだろう。
 だがそれは自業自得、とも言える現実だ。だからこそ二人は同情をすることもなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

シャルロット・シフファート
全く……『不味い料理店と悪徳の栄えうる試しは無し』とはよく言ったものね。
そう言いながら完全なる蒸気獣を召喚。
隠密行動と索敵に長けた『オルクス』と修復能力に長けた『ラリクマ』を合成させた『隠密救助型衛生護送能力』を有した属性『オルクス・ラリクマ』の完全或る蒸気獣を召喚。
その蒸気獣を召喚してマーロンカンパニー社員達を保護。
私自身は『アティルト』に騎乗して『集団戦級撃滅兵装』の『アウルム・モルトゥス』を融合させて集団戦級撃滅兵装を搭載し、オブリビオンマシンを薙ぎ払っていくわ。


アルカ・スィエラ
ああもう言わんこっちゃない……!!
この後の事はあるけれど、出し惜しみしてる場合じゃない
機竜ドラグレクスを転送召喚、プロトミレスと共にスーパーロボット『アルカレクス・ドラグソリス』へと融合合身するわ

敵を弾き吹き飛ばす攻性フィールド、結界を構築し防御する防性フィールド、二種の『エナジーフィールド』を張るけれど……さすがに対象範囲が広すぎる……

だったら、ドラグレクスの尾が変形した剣ドラグキャリバーを手に、UC【陽皇剣エクス・ドラグキャリバー】を使うまで……!
剣を地に突き立て仁王立ち、機体周囲の無人機へ超重力場による行動阻害を掛けつつ12の竜型の紅炎で、全て焼き尽くしてやるわ!

※アドリブ他歓迎です


メアリーズ・エリゴス
人の思念を感じない?
無人機ですか、殺(アイ)し甲斐のない敵ですね
ですが、パイロットを気にしなくていいというなら壊(アイ)し甲斐のある敵では、ありますねぇぇぇ!
足元に邪魔者がいますが、それが死ななければいいのでしょう?
なら放っておきます。助けを叫ばれてもその懇願と悲嘆が愛しく感じるだけで助けようとは思えませんからねぇ!
それよりも壊(アイ)してあげないといけない相手がいますからぁぁぁ!
一応、支社の人間が巻き込まれないように一番支社の人間に近い敵にスラスターを全開にして体当たりして連れ出しながら隠し腕ビームサーベルで両断します
あとは順次、サイコマテリアルと機体で増幅した念動力で拘束して撃ち抜きますよ



 猟兵達によってリヒト支社長を含む幹部連達を確保、護送を開始した報は他の猟兵達にも伝わっていた。だがまだまだ他の区画で無人キャバリア達が証拠隠滅の為に社員達を抹殺しようと試みられている。
 その中にはオブリビオンマシン整備や開発に携わった技術者や社員もいることから、無人キャバリア達に容赦の二文字はないだろう。無関係な一般社員も容赦なく殺されている。
 一人でも多くの証言があれば、よりマーロンカンパニーを追い詰めることができるだろう。何よりもこの無人キャバリアの暴走を止めなければ、ドルトムンド当局が到着しても混乱は必至である。
「全く……『不味い料理店と悪徳の栄えうる試しは無し』とはよく言ったものね」
「ああもう言わんこっちゃない……!!」
 そう言ってため息交じりのシャルロット・シフファートと、この惨状に慌てるアルカ・スィエラ。二人の女性猟兵は対比した態度を示すものの、社員の救助という目的は変わりはない。
 シャルロットが能力「蒸気獣の幸福は無辜の民の安寧へと変わる(ノーエンプティ・ビースト・オブ・レゾンデートル)」を発動させて反転した災魔十属性を宿す完全なる蒸気獣を召喚する。
「行きなさい、オルクス・ラリクマ」
 そう言って襲い掛かってくる無人キャバリアに完全なる蒸気獣はふっと消えるように姿を消す。その属性は隠密行動と索敵に長けた『オルクス』と修復能力に長けた『ラリクマ』を合成させた『隠密救助型衛生護送能力』。
 無人キャバリアすらも見つけれないような気配遮断と、多少の損傷ならば修復する能力でマーロンカンパニーの社員達を救助していく蒸気獣。その間にシャルロット自身は迎撃態勢に入る。
「邪魔はしないことね。アティルト!」
 エレクトロスピリットキャバリア「アティルト」に搭乗し、さらに能力で呼び出した『集団戦級撃滅兵装』の『アウルム・モルトゥス』を融合させて集団戦級撃滅兵装を搭載させる。そしてその火力を持って、無人キャバリアを薙ぎ払っていくシャルロット。
 そんな破壊の暴威が吹き荒れる中、アルカも援護すべく機竜ドラグレクスを転送召喚し、自身が搭乗したクロムキャバリア「プロトミレス」と融合合身を試みる。
「この後の事はあるけれど、出し惜しみしてる場合じゃない!」
 その決意と共に誕生したのがスーパーロボット『アルカレクス・ドラグソリス』だ。プロトミレスを核に機械竜ドラグレクスが合体し完成する大型のスーパーロボットである。
 襲われている社員達を守る為に敵を弾き吹き飛ばす攻性フィールド、結界を構築し防御する防性フィールド、二種の『エナジーフィールド』を張るアルカレクス・ドラグソリス。確かにフィールドの張る範囲であれば、その攻撃を防ぎ、逆に攻撃してきた無人キャバリアにダメージを与えることができたであろう。
「さすがに対象範囲が広すぎる……」
 そう、シャルロットのアティルトが破壊に徹しているとはいえ、襲い掛かってくる無人キャバリアが膨大な上に、散発的なのだ。守る対象の範囲が広すぎてエナジーフィールドの展開が追い付いていない状況なのだ。
 ならばと能力「陽皇剣エクス・ドラグキャリバー」を発動させるアルカ。ドラグレクスの尾が変形した剣ドラグキャリバーを手に、その剣を地面へと突き立てる。
「ドラグキャリバー、あなたがただ敵を斬るだけの剣でなく、絶望と闇夜を断つ剣である事を……今、此処に示せ!!」
 そのアルカの咆哮と共に、仁王立ちするアルカレクス・ドラグソリス。機体周囲の無人キャバリアへ超重力場が圧し掛かり、その行動が阻害されていく。そして動きが鈍くなった相手にドラグキャバリバーから放たれた12の竜型の紅炎が襲い掛かる。
 その咢によって無人キャバリアは巻き込まれて燃やされていく。さらに後方にいる社員には精神系状態異常を癒し、勇気を齎す光を与えて、逃げる力へとしていく。、

「人の思念を感じない? 無人機ですか、殺(アイ)し甲斐のない敵ですね」
 そんなシャルロットとアルカの機体の奮闘を見ながらも興奮していたメアリーズ・エリゴスであったが、無人キャバリアを見るやいなや興ざめであった。
 パイロットがいてこそのキャバリア。殺(アイ)し甲斐のあるオブリビオンマシンとはまさしくパイロットがいてこそなのである。
「ですが、パイロットを気にしなくていいというなら壊(アイ)し甲斐のある敵では、ありますねぇぇぇ!」
 だが別の方向で愉しみを見出してメアリーズは試作重キャバリア「ロートガル」を駆り、猛然と無人キャバリアへと突っ込んでいく。彼女の頭には社員達の救助という文字はない。
 足元にいる邪魔者としか見ていないメアリーズではあるが、死ななければOKという配慮もしている。つまりは助けはしないが、潰しもしない程度の了見だ。
 つまりは放置。メアリーズに助けを叫ばれても、その懇願と悲嘆が愛しく感じるだけで助けようという気持ちは微塵も感じないからだ。
「それよりも壊(アイ)してあげないといけない相手がいますからぁぁぁ!」
 結果的に殺害しようとしている無人キャバリアを破壊できれば、助けたことにはなる。結果オーライということではあるが、メアリーズは気にしない。
 社員が巻き込まれないように極力配慮しながら、一番社員に近い敵に対してスラスターを全開にして体当たりして壁へと激突させる。そして隠し腕ビームサーベルで料理していく。
「私が、壊(アイ)してあげますよぉぉぉ!!」
 能力「デッドエンドラヴ」によって物理的に拘束する、愛(サツイ)の念を放ち、そして致命的な両断攻撃を放つロートガル。もはや芸術的な解体劇で無人キャバリアを刻んでいく。
 そしてサイキッカーの力を増幅する「T型サイコマテリアル」とロートガルによって増幅した念動力で近づく無人キャバリアを順次拘束していくメアリーズ。そこからロングビームライフルによって次々と頭部や脚部を撃ち抜いて行動不能に追い込んでいく。

 シャルロットの蒸気獣が誘導し、アルカのドラグキャリバーの力が社員達に逃げる力を与える。そしてアティルトが、アルカレクス・ドラグソリスが、メアリーズのロートガルが破壊を巻き起こす。
 その後に無人キャバリアが残るはずもなかった。マーロンカンパニーの社員達は猟兵救援後には死者を出すことなく、無事にドルディア支社から脱出することができた。
 だがこの無人キャバリアの襲撃の元凶は残っている。猟兵達と支社長リヒトの前にその人物は現れるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『骸機士・ダークブレイド』

POW   :    オブリビオンマシン集結
【操っているオブリビオンマシン】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[操っているオブリビオンマシン]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。
SPD   :    オブリビオンマシン突撃
自身の【頭部の角】が輝く間、【操っているオブリビオンマシン】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    オブリビオンマシン量産
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【オブリビオンマシンのパーツを付けた状態】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は高峰・護です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 周囲にオブリビオンマシン化した無人キャバリアを撃破し、「マーロンカンパニー」支社長リヒト・クレイシーや支社の人間を助けた猟兵達。死の恐怖に襲われたことによって彼等は萎縮しており、とても逃げ出そうという気力はないだろう。
 このままリヒトや幹部連をドルトムンド情報局に引き渡せば、マーロンカンパニーの活動に打撃を与えることができるだろう。だがそうは問屋が卸さないとばかりに、漆黒の機体が姿を現す。
「やはりあの時の連中ですか。定時帰宅が私の常なのですがねぇ」
 そう言って軽い口調でコックピット越しに喋ってくる男。顔を見ることはできないが、その視線は鋭くターゲットであるリヒトを捉えているのがわかる。
 そして殺意を向けられているリヒトは怯えながらも目を見開く。その漆黒の機体に身に覚えがあったからだ。
「そ、その機体! 貴様、セプテムの『闇霊』か!」
 リヒトには記憶があった。その漆黒の機体を取り扱った相手、セプテム連合王国第六秘匿部隊『闇霊』の男の顔が思い浮かぶ。
「そういう口が軽い所が始末される由縁だってわかっていますか、リヒト支社長?」
 呆れる漆黒の機体に搭乗する男。このリヒトが捕まれば、恐らく持つ機密を喋る光景が容易に想像ができた。
 だがセプテム連合王国はマーロンカンパニーと密接に繋がっている。仮にもセプテムの仮想敵国で根を張る支社の人間に対し、この攻撃は敵対行為にも相応しい。
「貴様の独断か! それともセプテム上層部の指示か! いずれにしても本社の連中が黙ってはいないぞ!」
 それゆえにリヒトは強い姿勢を崩さない。所詮はキャバリアを売るだけの多国籍軍需企業と言えども、決して侮ることはできない。
 今やセプテム連合王国の戦線を支えているのは、同社のキャバリアと高性能キャバリア「オブリビオンマシン」なのだ。それを断たれれば、周辺諸国を圧するセプテム連合王国とて沈没する船と化す。
「ああ、ご心配なく。貴方がたの始末はドンからのご依頼です。それでお分かりですか?」
 そのセプテムの男の声にリヒトは愕然とする。つまりこの惨劇はマーロンカンパニー本社の、いやその頂点に君臨する男の指示だということに。
 ドン・マーロン。一代でマーロンカンパニーを多国籍キャバリア企業へと成長させた傑物にして、非常なる独裁者。
「ド、ドン・マーロンが……」
 その自分の組織のトップに排除対象に選ばれたことに絶望を感じるリヒト。もはやマーロンカンパニーは守ってくれない事実が、彼の精神をへし折ったのだ。
 そしてそのリヒトを最優先に、情報を知る幹部連を殺そうとする黒い機体を駆る男。だがその前には猟兵達が立ち塞がる。
「さて、私の仕事を邪魔するなら……いや、貴方がたも始末します。ここまで来てくれたのは僥倖ですよ」
 そして放たれるは尋常ではない殺気。まるで親の仇にでもあったような漆黒の殺意がその機体から発せられる。
 オブリビオンマシンが呼応しているのだろうか、コックピットの暗い情念を増幅する。そして男は薄く笑い、怪訝そうな猟兵達に口を開く。
「ああ、単純な怨みですよ。リンクス樹海で散った戦友の無念、晴らすにはいい機会です」
 その背後からはどこからともなく現れる、無人キャバリア達。まだドルディア支社の倉庫に眠っている機体があったのだろう。それをオブリビオンマシン化して付き従えている。

 「骸機士」と称されたオブリビオンマシン「ダークブレイド」。その機体を操る第六秘匿部隊『闇霊』の男との死闘が幕を開ける。
バジル・サラザール(サポート)
『毒を盛って毒で制す、なんてね』
『大丈夫!?』
『あまり無理はしないでね』

年齢 32歳 女 7月25日生まれ
外見 167.6cm 青い瞳 緑髪 普通の肌
特徴 手足が長い 長髪 面倒見がいい 爬虫類が好き 胸が小さい
口調 女性的 私、相手の名前+ちゃん、ね、よ、なの、かしら?

下半身が蛇とのキマイラな闇医者×UDCエージェント
いわゆるラミア
バジリスク型UDCを宿しているらしい
表の顔は薬剤師、本人曰く薬剤師が本業
その割には大抵変な薬を作っている
毒の扱いに長け、毒を扱う戦闘を得意とする
医術の心得で簡単な治療も可能
マッドサイエンティストだが、怪我した人をほおっておけない一面も

アドリブ、連携歓迎


叢雲・雨幻(サポート)
真正面から、と言うよりは掠め手で相手を惑わせて
攪乱しながらのらりくらりと追い詰める戦い方を好むよ。
ただし共闘者がいて危ない時は飛び出して守りに行くかな。

使う武器は【黒雲】【黒霧【対】】の二刀流での戦闘が主。
使うUC次第では連結してダブルセイバーにしたり、
そもそも剣を【武器受け】用として使い、影を操る攻撃で戦ったりするよ。

基本的に相手の攻撃を【見切り】、【早業】で【武器受け】をしながら動きを観察し、隙を見つけて【切り込み】もしくは【カウンター】を決めて離れる飄々とした動きのヒット&アウェイスタイル。
戦闘中も仲間やボスにも冗談を交えて話しかけたりする。
ただしあまりにも非道な相手の場合は別だがね。


フォルク・リア
「そんなものついで見たいに始末されてたまるか。
まあ、お前を奴らを確保した
ついでに倒そうって言う俺が言えた事じゃない
かもしれないけど。」

符を攻撃の為にオブリビオンマシンの周辺に展開。
支社の人間たちを守る為にファントムレギオンの
死霊を周囲に配置。

無人キャバリアには符を出来るだけ近接させて
敵の攻撃に合わせてその武装と共に爆散させる。

闇霊には百程度の符を纏いつつ接近。
手足や武装を狙って一部の符とデモニックロッドの
闇の魔弾で攻撃。此方に敵の目を向けつつ
残った符を敵の死角から敵機体の隙間から内部に侵入させ、
それが完了したら隙を見て攻撃を
フレイムテイルの炎に切替。
【全力魔法】の炎を放ち敵機体を内外から破壊。



 「マーロンカンパニー」ドルディア支社がドルトムンド同盟国のキャバリア供給の1割のシェアを占めるというのは伊達ではない、というのがこの光景をみればわかる。見渡す限りの、起動した無人キャバリア群。
 セプテム連合王国第六秘匿部隊『闇霊』の男が操る機体「ダークブレイド」に操られた機体達。己の瘴気を放つパーツの一部を装着させることで、一時的にオブリビオンマシン化して支配する能力だ。
 その強力無比な能力故に精神の汚染も激しいはずだが、オブリビオンマシンに気に入られているのか、パイロットの男に悪影響はない。むしろ目的を果たさんとリヒト支社長を筆頭とした支社上層部を狙う構えだ。
「そんなものついで見たいに始末されてたまるか」
 そう言って吐き捨てるフォルク・リアはダークブレイドと支社上層部の間に立ち塞がる。すでに破壊されたはずの無人キャバリアに己のパーツの一部を取り付かせることで再び戦力化していくダークブレイド。
 それに対しても理不尽を感じざるを得ない。だが死霊術士として共感を得ることができるフォルクは、己の操る死霊の集合体「ファントムレギオン」を支社の人間たちを守る為に配置させる。
「まあ、お前を奴らを確保したついでに倒そうって言う俺が言えた事じゃないかもしれないけど」
「とは言いつつ、そいつ等を守ろうとするとは。ご立派だ」
 皮肉交じりに言う『闇霊』の男は、オブリビオンマシン化した無人キャバリアを吶喊させる。それに対してフォルクは能力「死々散霊滅符(シシサンレイメップ)」を発動する。
 戦闘思念で制御できる呪符が拡散してばら撒かれる。主にそれは無人キャバリア相手を包囲し、近接した瞬間連鎖爆裂を起こして取り付いているパーツごと吹き飛ばす。
「やりますね。だが数が違う」
 山ほどキャバリア入ると言わんばかりに『闇霊』の男はダークブレイドの制御能力で襲い掛からせる。ファントムレギオンによって守られるとはいえ防衛能力には限界がある。
 フォルクが舌打ちするが、死角を襲おうとする無人キャバリアの銃口が向けられている。だがその腕のフレームは両断される。
「おっと、猟兵が一人だと思っちゃ困るねぇ」
 それを成したのは叢雲・雨幻(色褪せた根無し草・f29537)の黒い刀身の片刃剣「黒雲」「黒雲【対】」に二刀流の刃であった。ニヒルな笑みと共に咥えてある煙草の煙が周囲に漂う。
 バディを組んでいた無人キャバリアが両断しようとキャバリアブレードを振り上げるが、すでに闇に紛れて視界から消える雨幻。そうなれば能力「闇霧纏い(ヤミギリマトイ)」が発動する。
「此処は大分オジサン向きの場所だねぇ…」
 そう言って煙と闇に紛れてキャバリアの装甲をものともせずに両断していく雨幻。その太刀筋はすべてが悉くクリティカルヒットするが如く、装甲の薄い部分に当てられている。
 そして闇に紛れている分、溶け込むような機動によってキャバリアの大振りな攻撃が当たることはない。だがそれならばとダークブレイドは支社の人間を徹底的に蹂躙しようと試みる。
「毒を盛って毒で制す、なんてね」
 そう言ってキャバリアの装甲すらも溶かす毒の武器を持って、その行動を止める者。下半身が蛇とのキマイラな闇医者バジル・サラザール(猛毒系女史・f01544)は薄く微笑む。
 自分の血液を猛毒に置換する能力「バジリスク・ブラッド」。毒の扱いに長け、毒を扱う戦闘を得意とするバジルならではの戦い方であるが、キャバリア相手に毒は分が悪い。
「でも戦い方というのはあるものよ?」
 そう言ってウィザードロッドで自身の毒血液を弾のように制御し、瘴気が出ているパーツに射出することでその部分を溶かしていくバジル。
 その部分こそダークブレイドがオブリビオンマシン化しているコアの部分。さすがに瘴気を出している部分だけあって狙いやすいとバジルは微笑み、『闇霊』の男は手際のよさに舌打ちする。
「こちらも忘れて貰っては困るな」
 悉く無人キャバリアの対処させられたダークブレイドに、百程度の符を纏いつつ接近するフォルク。手足や武装を狙って一部の符とデモニックロッドの闇の魔弾で攻撃する。
 その程度は想定済みなのか、ダークブレイドはその手のレーザーブレイドで叩き落し、さらには周辺の無人キャバリアを盾にすることで呪符の爆裂を防ぐ。
「何ッ!」
 だが意図しない方向からの衝撃がコックピットの『闇霊』の男を襲う。フォルクは自身に目を向けさせつつ、残された呪符を敵の死角に回り込ませていた。
 そして機体の隙間から内部に侵入させて浸透爆撃を仕掛けたのだ。これにはさすがにダークブレイドも大きくバランスを崩すのを見て、フォルクはフレイムテイルの炎に切り替える。
「この炎にて我が敵を闇に葬れ!」
 そう言って炎のラミアを封じた魔本を黒手袋としたものから、獄炎が吹き荒れる。爆撃によって削れた所にも炎が入り込み、ダークブレイドの装甲を破壊していく。

「だがこの程度ではまだまだ!」
 そういってダークブレイドのブレードを振るってフォルクを攻撃しようとする。それを飛翔して回避するフォルクだが、装甲は大きく焦げており、十分なダメージを与えているのを確認する。
 そして無人キャバリアの攻撃を凌ぎつつ、後方へと下がる。支社の人間達は雨幻とバジルが守っており、後方は万全を確認し、戦果を挙げた見事は撤退であった。先制攻撃は成した。あとは徐々に追い込むのみだとフォルクはフードの下からその先を見据えるのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

ハンナ・レドウィッチ(サポート)
ふふん、どうやら大天才邪竜神様の手助けが必要なようね。
不要と言われても助けに行くから、安心して崇め奉りなさい!

超自信過剰なオラトリオの自爆魔法使い。UC大召喚を使用しない間(使用予定無し)、UCの成功率が下がる(お任せ)為、よく自爆して気絶します。
棒術に長け、マイケルくんでの接近戦が得意ですが見た目は若くてもお婆ちゃんなので腰に来ると戦闘不能に。
UCは選択した物を自爆を何故か恐れず強気で使用し、成功すると小躍りして喜びます。

接近戦ではマイケルくんで攻防一体の戦闘を行い、他猟兵と積極的に連携。
隙を見て、あるいは調子に乗ってUCを使用します。
アレンジその他全てお任せ致します!


ワタツミ・ラジアータ
その無人機を放置するのは危険そうですし、除去させていただきますわ。

【POW】
1章のUCにて無人機の除去に集中しすぎ、本体の攻撃を受け、危険な状態になる。
シャットダウン寸前、その姿を見た。
なんで、アンタがいるんでございますか…。

全ての金属を錆び付かせる歯車機構の世界と共に彼岸花の名を持つ錆びた真鍮歯車が顕現する。

追加で無人機を制御、本体にも錆を与える。
制御した無人機は圧搾破砕用歯車で鉄屑に、
ワタツミの再起動する前に鉄骨の唄(Song of SteelBorne)による砲撃を行う。その後、元の世界に戻る。

意識を取り戻すと、助けられた事による理不尽な不快感のみが残っている。

アドアレ絡み歓迎



 初戦は劣勢。なれどダークブレイドの機体コックピットでセプテム連合王国第六秘匿部隊『闇霊』の男は焦っていなかった。
 リンクス樹海での戦友の戦闘データはセプテム連合王国に密かに送られており、猟兵の戦闘能力の高さは本国の知る所になっていた。故にこの程度の苦戦は想定済み。
 なれどもドルディア支社の人間さえ葬ることができれば『闇霊』の男の勝利となる。そしてそれを可能するドルディア支社のキャバリアはまだまだ掌中にある。
「その無人機を放置するのは危険そうですし、除去させていただきますわ」
 そう言ってワタツミ・ラジアータのキャバリア「Heart of GearOrgan」が無人キャバリア相手に暴れまわっているのも計算の内であった。ワタツミにとって無人キャバリアの除去こそ優先するべきこと。
 その油断をつくようにダークブレイドが動き、その機体の中心部をレーザーブレードが貫く。その刃はコックピットすらも貫き、ワタツミの身体も損傷を受けることになる。
「まずは一人。そして支社の人間も終わりだ」
「ヒィ!」
 ワタツミが血を吐き、危険な状態になると同時に、無人キャバリアがリヒト支社長達を狙って一気に動く。猟兵の護衛を潜り抜けるような波状攻撃である。
 だが一人の魔法使いがその前に立ち塞がる。その名をハンナ・レドウィッチ(天災級自爆魔法使い・f31001)、超自信過剰なオラトリオの自爆魔法使いである。
「ふふん、どうやら大天才邪竜神様の手助けが必要なようね。不要と言われても助けに行くから、安心して崇め奉りなさい!」
 そして魔法「大天才ウィザード・ミサイル(クソザコナメクジ・ウィザード・ミサイル)」を発動させて、魔法の矢が無人キャバリアの大軍に突き刺さる。
 だが射程五メートルぽっちのために近くに寄った無人キャバリアにしか当たらないが、それでも炸裂すれば大爆裂する魔法の為に接近してきたキャバリアは残らず大破する。
「おおおお、成功した!……ごほん、この大天才邪竜神様にかかれば、ただのウィザード・ミサイルもトンでもない力を出せるんだから!」
 実は失敗すれば盛大に自爆するとんでもない魔法であったのだが、気を良くしたハンナは意思を持つ箒「マイケルくん」と共に得意の棒術で支社の人間を殺そうとする無人キャバリア相手にうまく立ち回る。
 その様子を見て業を煮やしたダークブレイドがワタツミの機体からブレードを引き抜いて直接手を下そうとする。だがその中でワタツミははっきりと見ていた。
「なんで、アンタがいるんでございますか…」
 シャットダウン寸前、その姿を見た。棄物蒐集者・塵塚御前に似たレプリカントの姿を。
 能力「異界祭文・錆びた真鍮歯車(リコリス・ラジアータ)」発動。瀕死になったワタツミをトリガーに、全ての金属を錆び付かせる歯車機構の世界と共に彼岸花の名を持つ錆びた真鍮歯車が顕現する。
「なんだこれは……!」
 その異様さと共に距離を取るダークブレイド。そしてそのレプリカントが手を振るうと、無人キャバリアを逆に制御して同士討ちさせる。
 さらにダークブレイドにも侵食するのような錆が付与されてその動きを阻害していく。まさしく歯車機構の世界に取り込まれてしまった奇妙な感覚に困惑する『闇霊』の男。
『……正式仕様の後継機と聞きましたが、あまり良い状態ではありませんね。奇妙な夢ですが、貴女を助けるのも姉の役目ですかね』
 そしてそのレプリカントの口から唄が紡がれる。それは鉄骨の唄(Song of SteelBorne)、その歯車世界から放たれる四方八方からの砲撃がダークブレイドを襲う。
 無人キャバリアを制御して防ごうとするも、レプリカントに制御した無人キャバリアは圧搾破砕用歯車で鉄屑されて、数が足りない。砲撃に飲み込まれ、その装甲に損害を被るダークブレイド。
「……これは」
 ワタツミの再起動すると、真鍮歯車と件のレプリカントは消え去っており、ダークブレイドは大きくダメージを負っている。その事実はワタツミが機を失っている間に起こったのだ。
 そして助けられた事による理不尽な不快感のみ彼女の心に残る。とはいえ、これ以上の戦闘継続は不可能と感じ、Heart of GearOrganを何とか動かして後退させる。

 ダークブレイドも侵食する錆を除去する為にワタツミを追撃するわけにもいかなかった。そしてハンナによって着実に無人キャバリアも減らされることになっていた。
「きゃあああああああ!
 だが最後に気を良くしたハンナが最後に魔法を失敗して盛大に自爆したことによって、支社の人間が巻き添えを食って多少の火傷を負ったのは、それまでの罪の一部と言えるだろう。ワタツミとしては助けられた不快感を消し飛ばす事象だったかもしれない。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

三日月・蓮華(サポート)
 賢い動物のウィザード×クレリック、12歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、覚醒時は「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 天才を自称していますが知識は年相応。困った時は賢者の書(難解な字で書かれた分厚い絵付きの本)を取り出して読み解決法を探しますが、時により解決できたりできなかったり。
 敵には勿論自分に危害を加える相手には例えイェーガーでも容赦せず攻撃します。
 無垢ですぐ騙されます。
 頭を撫でられるのが大好きで撫でられるとほにゃほにゃと溶けます。
 甘い物が大好きですが最近は体型を気にするように(でも食べる)。


ベッジ・トラッシュ(サポート)
◆戦闘時
戦うのは怖い!
なのでボス戦ではだいたい逃げ回っている。
(味方の手助けになる行動や、囮になるなどの功績を得ることはあるがだいたい無意識)
「こ、ここ…怖いのではないゾ!ベッジさんは様子をうかがってイタのだ!!」

手の届かない相手にはパチンコで苦し紛れに絵の具弾を飛ばすこともある。

◆冒険時
基本的に好奇心が強く、巻き込まれ体質。

敵味方関係なく、言われたことには素直に従う。
怪しいような気がしても多少なら気にしない。
後先考えずに近づいて痛い目を見るタイプ。

◆他
口癖「ぎゃぴー?!」
お気に入りの帽子は絶対にとらない。
食べ物は目を離した隙に消えている系。
(口は存在しない)
性能に問題はないが濡れるのは嫌い。


メアリーズ・エリゴス
アドリブ歓迎

あなた方の因縁やら私怨、理由に興味はないんですよぉ!
ただ私に壊(アイ)されてくれればそれでいいんです、精々抵抗して、でも手間をかけさせずに壊(アイ)されてくださいねぇぇぇ!!

あぁ!この殺気っ!漸く殺(アイ)しあうのに相応しい相手で嬉しいですよ!リリー先生(f30386)も、思う存分愛していいと言ってますし!
なら、全力出さないと失礼ですよねぇ!【オーバードーズ】しますよぉ!
くひっ!ひひっ!無人機風情が、邪魔をするなぁぁぁ!
念動誘導式のビットとミサイルで無人機を相手して、ロートガル本体はダークブレイドを殺(アイ)しあいますよぉぉぉ!
薬物で過剰強化した超感覚には殺気が丸見えですよぉぉぉ!


リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【WIZ】
※アドリブ絡み連携歓迎
※『ナインス・ライン』搭乗

うーん、意見が合うとは思わなかったよ
アタシもサビ残は御免被りたいタチっ

だからオペ14番【ソーラー・キャバルリー】開始

『ウインド・ミル』で支社長達を全周保護しつつ敵機達に両手銃器の弾幕展開
…実はバリアと防盾外縁の鋸刃で逃亡阻止も兼用

「状況は見ての通り。死にたくなきゃステイね♡」

裏では医療用ナノマシンで他の口封じ…毒や爆弾が仕込まれてないかスキャン
並行作業は生体電脳の魅せ所♪

んでウチの患者・メアリーズさん(f30579)に通信
『後で診たげるし、思いっきりアイしていーよ♡』

後は闇霊の自決も【医術】で阻止したいかな
ま、あまり期待してないけどね?



 思った以上の損害を受けたダークブレイド。制御能力すらも干渉してくる能力には手を焼いたものの、錆も除去して動けるようになったのを確認するセプテム連合王国第六秘匿部隊『闇霊』の男。
 ここまで来るといよいよリヒト支社長を始末しておかなければ、任務達成する間もなく撃破される危険性も出てきたことも正しく認識している。それほどに『闇霊』の男の猟兵の評価は高い。
 故にオブリビオンマシンを量産するべく、欠けた自身のパーツを飛ばして無人キャバリア達を操作していく。だがターゲットのリヒト支社長を抱えて走り去る猟兵の姿を目の当たりにする。
「こ、ここ…怖いのではないゾ! ベッジさんは様子をうかがってイタのだ!!」
 そう言いながらも本心は戦いを怖いと思っているベッジ・トラッシュ(深淵を覗く瞳・f18666)。ならばとターゲットである支社長を連れて逃げ回ればいいと思って走り去っている。
 そうはさせじと無人キャバリア達を回り込ませて攻撃するが、そのブレードを避ける。だがちょっと身体に掠ったのか、傷を負って痛みを感じるベッジ。
「ぎゃぴーー?!」
 リヒト支社長を抱えながらも気の弱いお調子者であるベッジは、それでも離そうとはしない。逆に能力「ユーベルジャック」を発動し、攻撃してきた無人キャバリアの制御を奪い取る。
 その無人キャバリアを盾にしながら巧みに攻撃を凌いでいくベッジ。その逃走を援護するべく、三日月・蓮華(自称天才ウィザード・f25371)は魔法詠唱を開始する。
「援護しましょう。蓮華は天才なので!」
 自称であっても代々賢者と呼ばれる者が生まれる家系の出らしく、高い魔力を誇る蓮華。難解な字で書かれた分厚い絵付きの本「賢者の書」のサポートもあるが、実力は本物である。
 再びオブリビオンマシンを量産しようとするダークブレイドに対して、魔法「魔相殺(マソウサイ)」を発動させて、強力な魔力でオブリビオンマシンのパーツを片っ端から叩き落していく。
「蓮華の魔力を見たですか!」
 ふんすとドヤ顔をする蓮華。賢い動物らしく、顔は可愛らしい猫そのものだが、自分に危害を加える相手には容赦がない。
 ベッジを追い回そうとするダークブレイドの無人キャバリアを完全に敵視した状態で破壊に勤しもうとする姿は可愛らしくすらある。蓮華とベッジが守護するリヒト支社長は難しいと判断して、他の首脳陣を殺そうと狙いを定める。
「うーん、意見が合うとは思わなかったよ。アタシもサビ残は御免被りたいタチっ」
 残業拒否の『闇霊』の男に共感を示すリーゼロッテ・ローデンヴァルト。重量級キャバリア「MPC-RW9r-LEX ナインス・ライン」に搭乗し、その重厚な機体が幹部達を守らんと立ち塞がる。
 だが一体のキャバリアで出来ることは限られると、多方面からの攻撃を仕掛けるダークブレイド。支配下においた無人キャバリアを駆使して総攻撃を仕掛けようとするが、それは想定済みと言わんばかりにリーゼロッテは微笑む。
「ウインド・ミル全機バリア展開、機動防盾モードで対象護衛。後は医療用と簡易修復用のナノマシン起動…」
 能力「Op.XIV:SOLAR CAVALRY(ソーラー・キャバルリー)」を起動し、生体電脳経由で超高速思考空間にダイブするリーゼロッテ。その間、機関砲内蔵の丸鋸型ドローン群「RXS-F-074SG-LEX ウインド・ミル」がバリアを張った状態で首脳陣を全周防御に徹し、無人キャバリアに対して大型対物ライフル「RS-565RW-LEX ドミナント・バレル」と大型ビームマシンガン「BS-804LW-LEX スカベンジャー」で弾幕攻撃を敢行する。
 その圧倒的攻撃火力に目を見張る首脳陣であるが、守られていると同時に悟る。実はバリアと防盾外縁の鋸刃で逃亡阻止もリーゼロッテが兼用していることに。
「状況は見ての通り。死にたくなきゃステイね♡」
 その言葉に首脳陣が凍り付く。そうやって弾幕で無人キャバリア軍団を迎撃している間も、リーゼロッテは多角的に仕事をやってのける。医療用ナノマシンで他の口封じ、つまり体内に毒や爆弾が仕込まれてないかスキャンしておく。
 これはリヒト支社長の考えを読んでのことで、己以外は始末しても問題ない性格だと考えてのことだ。並行作業は生体電脳の魅せ所と言わんばかりに仕事をこなし、ダークブレイドに搭乗する『闇霊』の男を大いに悩ませる。
「厄介ですね、これは」
「それはどーも。それじゃ、後で診たげるし、思いっきりアイしていーよ♡」
 そうして言い放ったのは、『闇霊』の男に対してではない。通信したのはリーゼロッテの患者であり、すでに気持ちが昂っているメアリーズ・エリゴスであった。
 彼女の機体である試作重キャバリア「ロートガル」が壁を打ち破って場所に乱入してきた箇所はダークブレイドの側面。挨拶替わりと言わんばかりに思いっきり殴りつけるメアリーズのロートガル。
「あなた方の因縁やら私怨、理由に興味はないんですよぉ! ただ私に壊(アイ)されてくれればそれでいいんです、精々抵抗して、でも手間をかけさせずに壊(アイ)されてくださいねぇぇぇ!!」
「くっ!」
 思わぬ不意打ちを受けたダークブレイドではあるが、即座に対応せしめるのはさすがはセプテムの特殊部隊所属なのだろう。頭部の角が光輝くと、ロートガルを切り刻む9連撃を叩き込む。
 重厚な装甲を有するロートガルの機体を刻むレーザーブレード。その『闇霊』の男の殺意に、メアリーズはパイロット席から震えるような歓喜が沸き上がる。
「あぁ! この殺気っ! 漸く殺(アイ)しあうのに相応しい相手で嬉しいですよ! リリー先生も、思う存分愛していいと言ってますし!」
 そう、殺意に応えることこそ彼女の殺(アイ)。全力を出さねば失礼と言わんばかりに、メアリーズは能力「オーバードーズ」を発動する。
 生体CPU用の危険薬物を投与するすることで、サイキッカーの超感覚と念動の過剰強化状態に自身をもっていくメアリーズ。襲い掛かってくる無人キャバリア達を血走った目で見つめる。
「くひっ! ひひっ! 無人機風情が、邪魔をするなぁぁぁ!」
 念動誘導式のビットとミサイルで無人キャバリアを粉砕し、ダークブレイドに一直線なロートガル。薬物で過剰強化した超感覚には、その攻撃の軌道がはっきりと見える。
 レーザーブレードを致命傷にならない程度で装甲で受けつつ、9連撃を受け流していく。そしてフロントアーマー股間部に収納された高出力ビームサーベルを固定装備した隠し腕が出現する。
「殺気が丸見えですよぉぉぉ!」
 そしてそのままダークブレイド本体を斬りつけるロートガル。連撃を撃ち込んだ後は隙が大きく、致命的な損害を受けるダークブレイド。
 さらに飛来するはリーゼロッテのナインス・ラインの弾幕攻撃だ。無人キャバリア軍団を粉砕したと察知した『闇霊』の男は冷静に判断して、後退する。

 執拗に追いすがるメアリーズに残りの無人キャバリアを押し付けていく姿を見送るリーゼロッテ。さすがに幹部連中を守らなければならない状況で、追撃は不可能と断じたからだ。
 なるべくならば撃破後の自爆を防ぐ為に医療待機もしていたが、それは叶わないようだ。それでもあまり期待してなかったリーゼロッテは情報源確保を最優先にして、しっかりとベッジと蓮華が守るリヒト支社長と共にドルディア支社の幹部達を守るのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

才堂・紅葉
厄介な能力ね
幾らでも強化し放題じゃない…
終結するオブリビオンマシンに臍を噛む

取り敢えずの仮説
オブリビオンマシンの操作を阻害すれば、奴等の終結及び意思統一による強化は乱れる
そして実証
【情報収集、戦闘知識】で奴等の意思伝達系統を分析
精神波、電磁波等と仮定し、【メカニック】で逃走用の精神波及び電磁波を阻害するスタングレネードをアサルトライフルから射出する
オブリビオン因子的な物かもしれないが、精神波なり電磁波なりを介在した方が効率は良い筈だと言う仮説だ

「お願いします……皆さん!!」
屈辱的だが、仮説が有効ならジャマーガジェットを転送してもらおう

「ジャスト3分よ!!」
制限時間内に【闇霊】を殴り倒しに行く


アルカ・スィエラ
敵機は……人形遣い、ってところ?
増えると厄介だけど、手がない訳じゃない

味方、並びに生存者の位置を確認し、巻き込まない位置へ移動するわ
移動中は防護フィールドによるバリアと、衝撃波での接近阻害を行うわよ

位置取りさえできれば、機体の尻尾を剣「ドラグキャリバー」へと変形させUC

……刀身よりエネルギー解放、最大6889mのエネルギーの大剣と化した【虹剣ドラグキャリバー】で、眼下の駒のすべて、私達の「敵」を、薙ぎ払う……!!



それと一応、スキャンで対象座標を捕捉し咄嗟にあの男の周囲に防護フィールドを張れるようにしておくわ
……状況的に、口封じの対象に「あの男」本人が入っていない保証がないもの

※アドリブ歓迎です


リジューム・レコーズ
そうですか
こちらも元よりその機体を破壊するつもりでしたので
それに…まだまだ戦い足りなかったんですよ

残骸を蘇生した?この程度で十分だとでも言うつもりか!?
チャージ開始!
ブレイクドライバーのモーターを起動
岩盤さえ抉り穿つこの剣槍に触れたらどうなるか、身を持って知ればいい
邪魔する敵は全て薙いで叩き伏せて打ち貫く
温存していたイグゼクターも惜しみ無く使います
…このぐらいで良いでしょう
十分な時間が得られました
まさかただ雑魚と戯れているだけだとでも?
初めからずっとマスターラインのチャージを続けていたんですよ
それも知らずに追い詰めていたつもりになっていたんでしょうが!雑魚諸共消えればいい!
死ねェェェーッ!!!



 『骸機士』と呼ばれ、多くのオブリビオンマシンを操るダークブレイドは正しい意味で追い詰められていた。猟兵達のキャバリアや生身の攻撃によって装甲を大きく損傷、活動にも制限がかかりつつある。
 その能力低下を持ってセプテム連合王国第六秘匿部隊『闇霊』の男は敗北の道も意識する。それは現状を正しく理解し、行動する上で必要なことだと認識しているからだ。
 それだからこそ取れる行動もある。己の生命など未練はなく、戦友と同じく国家に殉じる覚悟を持った行動は迷いなくリヒト支社長達の始末へと注がれていく。
「敵機は……人形遣い、ってところ? 増えると厄介だけど、手がない訳じゃない」
 無人キャバリアを破片で操るダークブレイドを人形遣いと同等の能力と判断したアルカ・スィエラは大型のスーパーロボット「アルカレクス・ドラグソリス」を起動させる。味方、並びに生存者の位置を確認し、ダークブレイドの進路上に位置取りをする。
 それは敵をリヒト支社長達の元へと生かせない配置取りではあるが、これからの攻撃に巻き込まない為の配慮である。『闇霊』の男は強引に突破しようと頭部の角が光輝き、率いる無人キャバリア達の攻撃が苛烈を極めていく。
「この程度、で!」
 アルカも奮戦する。アルカレクス・ドラグソリスの防護フィールドによるバリアで攻撃を防ぎ、ライフルなどの銃撃は衝撃波を巻き起こして軌道を反らして接近や突破を防ぐ。
 そしてアルカが待望した位置取りが完了する。味方を一切巻き込まずに能力を振るえる場所へと辿り着いたアルカは能力「虹剣ドラグキャリバー(ドラグキャリバー・カラドボルグ)」を発動させる。
「伸びて、ドラグキャリバー……!」
 尻尾が竜尾が構成する金属細胞ごと形状変化し再構成される大型剣「ドラグキャリバー」へと変化し、莫大なエネルギーを解放する。刀身よりエネルギー解放、最大6889mのエネルギーの大剣と化すドラグキャリバー。
 まさしく無人キャバリア軍団を薙ぎ払うには十分な巨大なる剣。その危険性を察知したダークブレイドは退避行動を取る。
「そして薙ぎ払え、戦場ごと……私達の敵を!!」
 その振るわれた虹剣ドラグキャリバーは率いていた無人キャバリア達を文字通りのスクラップへと化していった。眼下の駒のすべてを薙ぎ払う、まさしく必殺の一撃。
 膨大なエネルギーを解放したアルカレクス・ドラグソリスは一時フリーズ状態になるが、多くの無人キャバリアを巻き込まれたことに『闇霊』の男が舌打ちする。だがそれに追撃をかけるように、才堂・紅葉の蒸気ゴーレム「蒸気王」が襲い掛かる。
「厄介な能力ね。幾らでも強化し放題じゃない…」
 だが『闇霊』の男も馬鹿ではない。生存をかけて無人キャバリアを集結し、己の力をするべく軍団化し始めたのだ。これにはさすがの紅葉も臍を噛む。
 だが手がないわけではない。相手のユーベルコードは強力だとしても破る隙は必ずあるからだ。
「オブリビオンマシンの操作を阻害すれば、奴等の集結及び意思統一による強化は乱れる……とりあえずの仮設ね」
 そう指摘して、襲い掛かってくる強化された無人キャバリア相手の立ち回る紅葉の蒸気王。すでに他の猟兵やアルカの対処によって、その集団戦での動きは情報は集まっている。
 そしてその情報を元に意思伝達系統を分析、それを精神波、電磁波等と仮定し、逃走用の精神波及び電磁波を阻害するスタングレネードをアサルトライフルから射出する。
「くっ……これは」
 オブリビオン因子的な物かもしれないが、精神波なり電磁波なりを介在した方が効率は良い筈だと言う仮説はとりあえず当たっていたというべきだろう。『闇霊』の男の狼狽と、実際に無人キャバリアの動きが鈍くなっているのがその証拠だ。
 そして実証されれば能力「三人寄れば文殊の知恵(マスターアルケミスツ)」が発動される。錬金科が誇る天才三人組のアバターが現れ、紅葉の窮地を救ってくれる。
「お願いします……皆さん!!」
 紅葉としては屈辱的だが、オブリビオンマシン統率を阻害するジャマーガジェットを転送し貰い、それを発動させる。すると無人キャバリアの動きが途端に悪くなる。
 それこそが強化が解けた証だと察知した紅葉は与えられた180秒という時間を無駄にしない。無人キャバリア達の頭を砕き、腕や脚を折り、機体を蹴り飛ばしながら突き進み、その先にいるダークブレイドへと辿り着く。
「ジャスト3分よ!!」
 制限時間内にたどり着いた紅葉の蒸気王の拳がダークブレイドの機体に突き刺さる。強烈な打撃によって頭の角も折れ、すでに機体の機能の半数が停止するほどの損傷を負っている。
 だがその機体の光は途絶えていない。最後の力を振り絞って、残骸となった無人キャバリアの機体を合体させて、それを持ってリヒト支社長を粉砕しようとする『闇霊』の男。
「そうですか。こちらも元よりその機体を破壊するつもりでしたので。それに…まだまだ戦い足りなかったんですよ」
 そんな無人キャバリアとダークブレイドの前に立ち塞がるのは、リジューム・レコーズのオブリビオンマシン「アークレイズ・ディナ」だ。その戦意と殺意は衰えることを知らない。
 リジュームの精神を高揚させながらも無人キャバリアの一体の頭を潰しながらも、彼女のアークレイズ・ディナは突き進む。獲物は絶対に逃さないという決意の表れのようだった。
「まだまだァ!」
「残骸を蘇生した? この程度で十分だとでも言うつもりか!?」
 ダークブレイドの能力を全開にする『闇霊』の男に対して、リジュームもまた能力「マスターライン」のチャージを開始する。それと同時に対物掘削衝角剣槍「RXブレイクドライバー」のモーターを起動する。
 岩盤さえ抉り穿つこの剣槍に触れたらどうなるか、その代償は触れた機体によって理解するところとなる。アークレイズ・ディナによって敵は全て薙いで叩き伏せて打ち貫いていく。
「リヒト支社長さえ殺せば、私の勝ちだ!」
 だが『闇霊』の男の狙いはもはやリジュームではない。死角からリヒト支社長を狙おうと無人キャバリアが襲い掛かるが、その殺意に呼応するようにデュアルアサルトライフル「RSイグゼクター」の弾幕が襲う。
 もはや出し惜しみは一切しない。そう感じさせるようにイグゼクターを惜しみなく使い、襲撃する無人キャバリアを粉砕していく。そして急にアークレイズ・ディナの動きが止まる。
「…このぐらいで良いでしょう」
 そう呟いたリジュームはブレイクドライバーのチャージを確認していた。十分な時間を稼ぐことができ、その手が持つ剣槍は迸るほどのエネルギーを放っている。
「まさかただ雑魚と戯れているだけだとでも?」
 まさかこの立ち回りがそのチャージ時間を稼ぐ為だと『闇霊』の男が悟った時にはすでに遅かった。リジュームは初めからマスターラインのチャージを続けていたのだから。
 それも知らずにあと一歩と、追い詰めていた気になっていた。だがまだ、あと一歩でリヒト支社長を殺せると無人キャバリアに殺害を実行させようとする。
「雑魚諸共消えればいい! 死ねェェェーッ!!!」
「うおおおおおおおおおおおおお!」
 だがそれよりもリジュームの攻撃が早い。チャージされた雷と熱を保った極大荷電粒子砲が発射される。放出する荷電粒子に縦軸回転を加える事で貫通力を増強し、無人キャバリアが飴細工のように粉砕されていく。
 その軌道の先にいるダークブレイドも同様であった。すでにアルカに無人キャバリアの数を減らされ、紅葉にも致命的な装甲ダメージを受けた上では耐えきれずもなく、その機体が粉々に破壊する。

「がっ……はっ……」
 アークレイズ・ディナの極大荷電粒子砲にダークブレイドが跡形もなく吹き飛ばされたにもかかわらず、『闇霊』の男は生きていた。アルカが咄嗟に張った防護フィールドがその役割を担っていた。
「……状況的に、口封じの対象にあなた本人が入っていない保証がないもの」
 それは口封じに他の秘匿部隊の人間が『闇霊』の男を始末しに来るのではないかという警戒。それがスキャンで対象座標を捕捉し、致命傷を避ける手立てとなっていた。
 だがそれは無駄とばかりに『闇霊』の男は笑う。
「ハハッ……無駄、ですよ。我々の人工心臓は、愛機と連動していて、ね」
 そう言って『闇霊』の男は笑う。秘匿部隊の部隊長に施される手術、オブリビオンマシンの装甲の一部を埋め込んだ人工心臓を埋め込むことで、その精神汚染を無効化、一種の同化状態にする施術。
 そしてその元になっているオブリビオンマシンが破壊されればパイロットもまた人工心臓が停止して死に到る。つまり口封じの必要もないというわけである。
「そこまでやる?」
 呆れ気味に紅葉も顔を覗き込むものの、すでに『闇霊』の男は息絶えていた。その恐るべき施術もまたマーロンカンパニーの技術であろう。
 そしてその尻尾となるべき、ドルディア支社の人間を守り抜くことができたことに、アルカもリジュームも安堵の笑みを浮かべるのだった。そして逃げられないようにリヒト支社長達は、ドルトムンド同盟国当局へと引き渡されていく。

 こうして一連の事件は、リヒト・クレイシー支社長やドルディア支社首脳陣の逮捕という結末を迎え、その恐るべき陰謀が明らかになるところになった。それは新たなる戦火の始まりとも言えるだろう。
 マーロンカンパニーとセプテム連合王国の関係性も明らかになるであろうし、ドルトムンド同盟国との緊張も急激に高まる。新たなる戦役の始まりとなるのは間違いない。だがオブリビオンマシンという災厄を取り除く為、戦いは続く。
 そして猟兵達もまた、戦いの螺旋へと巻き込まれていくことだろう。いつかその戦いの元凶が葬り去る時まで。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年03月17日


挿絵イラスト