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煙に眩く

#ダークセイヴァー #異端の神々


●たとえば、神が宿ったとして
 のたうつ嗜好(かおり)は調べなくとも変わらない。ぐつぐつと煮込まれるような幸福(せかい)の奥の奥、彼女等は『におい』に酩酊していた。嗅ぎたい。神様が齎すであろう、素敵な素敵な感覚(ふわふわ)を余す事なく頭の中に入れ虚(こ)みたい。だからずっとずぅっと彼女等は跪くのだ――その縋る対象が理性を落として異たとしても。
 毒々しくも沼(かま)は揺れ、底無しのハピネスへと誘うだろう。ずぶずぶと足を運べば永久(えいえん)の末路、あの手枷足枷は何処までも伸びてくる。
 足りない。まだ足りない。物足りない。ドラッグがクラクラと与えてくれるなら、もう、意識なんて手放して終えば好いのだ――手遅れどもの体液と混ざっている。

 染め物上手な異端の貌、シーシャは如何?

●グリモアベース
「テケリ――視えたぞ。異端世界(ダークセイヴァー)にて狂えるオブリビオン、神を殺すべきだと『み』得たのだ。貴様等の面を確かめる事無く、数多は覚悟(い)くと理解出来ている。今更、忠告だとかは不要だろうが」
 テケリリケテルリリ・テケリリテケリャアはドレス姿で君達を歓迎するだろう。はえた粘性が『皆』を指し、その瞳に満足している。
「異端の神……正確にはオブリビオンの肉体を持った神、は理性を消失している。奴の前に立つ為には『人跡未踏の地』を行かねば成らない。そこは何にしても危険な場所だろう。重ねて『異端の神の呼び声』が聞こえる。それを受け入れてしまえば『帰ってこれない』。その事だけは反芻し給えよ――テケリ。雑魚の殲滅も忘れるなよ。如何様な外見でも【過去は過去】だ。宜しく頼む」
 グリモアが輝いて。


にゃあら
 にゃあらです。
 ハッピー・エンド、けむにまく。

 第一章。
 常に狂えるオブリビオンの声が聞こえます。これを対処しなければ狂気に陥ってしまうかもしれません。
 第二章。
 集団戦です。何が何でも倒してください。これは敵です。
 第三章。
 ボス戦です。異端の神が狂気に陥った理由を暴けば有利になるかもしれません。積極的に狙っていきましょう。

 宜しくお願い致します。
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第1章 冒険 『毒沼攻略』

POW   :    ユーベルコードを使用して進む

SPD   :    技能を使用して進む

WIZ   :    アイテムを使用して進む

👑11
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 頭をあげた瞬間に、オマエは凄まじい多幸感を得た。
 ああ、吸いたい。もっと吸いたい。
 強烈な『ハッピー』に苛まれながらも視線を定める。
 毒沼――悉くを溺れさせる、煙じみた果ての果て。
 そこに狂える存在、異端の神は在るのだろう。
 ――ふくふくと頭の中が上下左右、合法とは思えない最悪(さいこう)だ。早く突破しなければ廃人となって終うだろう。

 この香りが声だとでも謂うのか。

 総てがゆらゆら、あっちとこっちが幻覚(つな)げて見えた。やった。此処が私・俺・その他のエンディングなんだね。そんな莫迦な……。
マリア・スケフィントン
「沢山…幸せがあるのに…どうしてこんなに、痛くて、悲しいの…。」
「早く本当の、幸せが訪れてほしい…行かなくちゃ。」
「私の、小さな小さな力でも…役に立つなら、…」
 この事件に対してこう感じ、猟兵として参加します。

「技能を使用して進む(SPD)」に挑戦します。
 ユーベルコード「神器開放」を使い、雨を降らせて煙を薄めながらこの幸福感に耐えながら進みます。
 最大の目的は、この行動を成功させ、小さくとも後の人々の助けとなることです。
 その為なら、ある程度の怪我や些細な失敗はやむを得ないものとします。



 雷(かみ)と言うには光がなく、その閉ざされた双眸(まなこ)は水底(ふかみ)に似ていた。沢山の幸せが異端(せかい)を創っているのに、この痛みや悲しみは如何いう現(こと)なのか。信仰(はなひらき)の浄め方が間違っていると『睡蓮』が霊(たま)を放って並ぶ。早く。本当の『幸せ』が訪れてほしい……行かなくちゃ、と『声』の成(す)る方へ一歩二歩惨歩、讃美する誰かの表情が幻覚(み)えて嬉た――ぽた、ぽた、囁いた雨粒も今では轟々と業(わざ)を流していく。幸福感(ハッピー・エンド)を拒否するかの如くオマエは『あおあお』と漂いをやめない。
 私の、小さな、小さな花弁(ちから)でも、役に立つなら……煙(けむ)を薄める『天叢雲』、箱舟に乗せられた【もの】だけが本物の幸(ひと)を解せるのか。後の猟兵(らちがい)に道を譲れ、捜し物は永久(まだ)未知(あちら)側だ。

 桃の薄皮のように、寿命がけずれた。
 今にも壊れてしまいそうだが、それは違うと運命がわらう。

 何処に沈んだのかスケフィントン、屈曲した貌(さま)は何者にも暴けない。呼吸困難に陥らないよう、ただ眩(ま)くれた白色――透明と紫に絡まって『お掃除』しましょう【あなた】の枷――頑張りたいから進んでいる。

成功 🔵​🔵​🔴​

クリミネル・ルプス
【嗅ぎ分けるモノ】を用いて、【自己】を嗅ぎ分け、声の主の方向へと突き進んでいく。
受け入れるのでは無く、自問自答し続ける。

『痛みや苦しみ?絶望や渇望?別れと死別?』
頭の中に響く【ナニカ】の声は、水の様に染み渡り、全身を絡め取り灼熱の鉛や水銀のような苦しみを与えてるように『感じた』。

苦しみや痛み、哀しみや安堵を感じながら、『自らの血と肉と苦しみもがいた過去の記憶』の香りを再確認する。
猟兵になる前、なってから、全てを失い、幸せを得た事、『声』は聞こえるが、今までの『コト』を嗅ぎながら、オブリビオンへの憤怒を握り込み進もうとする。

激痛耐性と毒耐性で自傷しつつ意識も保とうとする。



 非合法(おくすり)の沼地の言の葉が、じんわりと糖分を冒してきた。煌めいた世界観は世界(ダークセイヴァー)の真逆が如くに茫々(ひろが)り、ぐってりとオマエの前で横たわった。此方側には誰が在(い)て彼方側には何が在るのか。渇き始めた咽喉の奥に『かおり』と称される水が染み渡った――痛み。苦しみ。絶望。渇望。別れ……死別。識別する事も困難と成った『貴様等の幕開け』被膜(かわ)を剥ぐような貌(ざま)は如何だ。灼熱の鉛や水銀の『からまり』具合、粘着する流動が嘲っているのか。感じた。感じている。深くて不快な【不確定】ではない猟兵(じしん)の臭い……血肉が愈々もがいている。抗いを忘れなかった幼児は、そのキャンディに膝折れたのだ。いいや――玩具は大切に扱い給えよ、君。全てを失った面はまったいらだ。
 その続きこそが幸在れと声をあげた。あの再開こそが甘在れと吐き散らした。ぶくぶくとべっこうが踊っている……握り締めろ憤怒、刻印の意味を違えたとは言わせない。双眸(あか)く染まれよ意識、まだ地獄には早いのだ。

 再確認(はんすう)した。
 胃袋がひっくり返ったとして、酸味程度では治まらない。

 脳(それ)を嗅ぎ分けてから幾秒が、幾時間が経ったのか、煙にも解らない。しかし猟兵(オマエ)、方向と咆哮、芳香に差を見たと『の』むのか。自問自答(もんどう)に紐付けされた周辺(ことごとく)の鉄格子(まぼろし)。

成功 🔵​🔵​🔴​

アンリ・ボードリエ
頭がスッと軽くなって…ぼんやり、ふわふわ…急にそんな風になってしまうのだから、多幸感こそ感じますが…すごく…気味が悪いですね。

これ以上の影響を受けないために、【覚悟】を決め直す。
ボクの幸せは、誰かの役に立つこと、人を救うこと、笑顔を取り戻すこと、世界に平和をもたらすこと。
歩みを続けるための力を貸して頂けるようにUDCに【祈り】を込め【気合い】で先に進みます。

こんな幸せに飲み込まれるわけにはいかない。
足を止めない、立ち止まらない。
自分に言い聞かせます。大丈夫、ボクなら、きっと。



 退廃的な世界観に『完』を求めたとして、その眼球は乳白と『さまよって』いた。すぅっと掬われた頭の中身、とけこんだ浮遊感(ふわふわ)は何処か水槽を臭わせてくる。くるりと多繰り寄せられ、圧し酔せたものこそが『多幸感』、何物にも、何者にも代えがたい快楽が臓腑に収まっていく――気味が悪い。無聊(たいくつ)へと叩き落とされた四肢(にく)が適合する心地を尾呑(ウロボロス)と見做していた。それで、決め直すべき覚悟の記憶は滓(のこ)っているのか。「初めまして」――誰かの役に立つこと。オマエはオマエの役割を『ねばつく』ほどに理解していた。
 人を救うべきだ。皆の笑顔を取り戻すべきだ。體(てい)たらくを頬から落とし、鼻腔から『ハッピー』をふいて往く。祈れ、契約者(にんげん)の強さは此処に証(あか)される。進め、歩め、煙へと紛れた『世界平和』を掴むように。

 こんな幸せに吞み込まれるわけにはいかない。
 王子様はいつだって『迎えに行く』側なのだ。

 立ち止まるな。神様の掌には悪魔の瞳が宿ると『暗黒』がつつむ。ああ、大丈夫。ボクなら、きっと大丈夫だ。心が隙間を孕んだとしても【芸術性】、至上だと謳うものはいない――急にそんな風になってしまった。
 躊躇しない性格だ、削除済みの花畑。

成功 🔵​🔵​🔴​

シキ・ジルモント
…頭がくらくらする
誘う声に、香りに、あらぬ方向へ向かおうとして
それでも決定的に危ない場所にだけは踏み込まないように、足が止まってしまうかもしれない
ユーベルコードによって…人狼としての鋭い五感と直感が、望むか否かにかかわらず、勝手に危険を遠ざけようとする

人狼の特徴を好ましくないと思いながらも、その特徴に救われた事につい自嘲して
そんな切っ掛けであっても我に返る事ができたなら思考を切り替える
引き受けた仕事をやり遂げなければならない
それを強く意識して、今度こそ香りを極力吸わないように気を配って先へ進む

…手に入らなかった『幸せ』に対するほんの少しの名残惜しさは、戦いが始まるまでに頭の隅から追いやっておく



 首を吊ったような表情で自嘲(わら)う貌(さま)だ、この世の中にはひどく甘美な『裏切り』が在る。ワイングラスに注ぎ混んだ赤い・赤いアルコール、漂いめぐる多幸感(かおり)が濃厚に『のう』へと吐き刺さった。くら・くらと頭(うで)を引っ張られてあらぬ方向、疑い知らずだった自分自身(せいしん)が煙(けむ)と鳴いて――止まった足は何処か毛深く想え、しんしんと積もり奇(き)った泥濘(こえ)はおぞましい。嗚呼、忌々しいのだ『耳』を動かせ、鼻を利かせろ。五感と直感の面々(めんめん)で『天国と地獄』を分けていく――望むか否かなど関係がない。どっぷりと浸かった【特徴】だけが判断していた。嫌な切っ掛けに長い吐息(いき)、シーシャの輪郭は未だ視えていない……引き受けた仕事をやり遂げなければならない。意識した皴々(タンパク質)、強く念じろ【オマエはそんなにも】味わえない筈だ。
 気を配れば足運びも慎重になり、伸縮した彼方側を拒絶する。理解するのも一苦労だと『よくある人間』も言っていた。同じ事だろう、異端への寄り道――手に入らなかった幸せが無数の指を絡ませてくる。ほんの少しの名残惜しさだと、莫迦な、これは思った以上の隅溜まりだ……戦いが始まるまで鎮まってくれ。

 弱みを晒すな、冷静的(ワイルド)に往け。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラリー・マーレイ
進みながら、「見知の書物」の魔力を使う。目を閉じ、周囲の状況を【情報収集】。脳裏に周囲が数値とワイヤーフレームとなって浮かび上がる。
魔術の師の教えだ。世界を俯瞰しろ。幻覚に惑わされるな。邪神の領域を「真っ直ぐ」見るな。

謎の煙で頭がふらつく。故郷の貧民街に似た様な場所があった。行き詰まった人達が一時の幸せを味わう為の窟。冗談じゃない。そこに堕ちない為に冒険者になったんだ。
困った時の「冒険者セット」だ。炭を目の細かい布切れで包んだ即席の防毒マスクで口元を覆う。
効くかどうかじゃない。煙を吸わないという意志と工夫が【狂気への耐性】となる。
これが冒険だ。苦難を乗り越えて成功と栄光を掴む。



 土留色に染まるような『飽きない』の中で『厭くる』貌(さま)は如何だろうか。ぼつぼつと寂しげに歩んでいる輪郭(しし)、そう見えて終ったならば仕方がない。そもそも『見ないように』倣(してみた)演技だ。閉じた双眸(めだま)は自分自身を残滓(のこ)している――四方八方(しゅうい)を定めるが為に『ひらいた』書物、騒々しい黒を締め出したら浮き上がる【数値】。師は如何様に説いて・解いていた。世界を俯瞰しろ。幻覚(うそいつわり)に惑わされるな――異端の神の箱庭(テリトリー)を真直ぐに『知(み)』るな。半端な情報、過剰な情報は要らない。要ると『さばく』べきは真実(ほんもの)のみ。神意(プロヴィデンス)は想像よりも単純なのだ。
 たとえばエネルギー、破壊と再生を反芻する尾呑み。しかし脳髄(なか)をゆらす香りは如何だ。これでは奈落(おちる)だけの故郷(るつぼ)。嗚呼、懐かしいかな袋小路(さいあく)。一時の幸せを味わう窟……クツクツわらう痩せこけ……冗談じゃない。堕ちないために選択したのだ。まさぐれよポーチ。

 基本中の基本を活かせ。
 意志と工夫を身に宿すのだ。

 ぱらぱら入れ込んだ灰(そくせき)マスク。効くか否かは問題ではない。その行為が『耐える』方向と言えよう。これが冒険。苦難を乗り越えて成功と栄光を掴む……何故か理性的に思える、超越性(おと)の高低差。

成功 🔵​🔵​🔴​

洞槻・徒摩利
・やれやれ。いつ来てもこの世界は怨嗟の声に満ち溢れていますね。耳を傾けるまでもありません。何故なら、この声(出来事)は既に「世界知識」の1ページに書かれているのですから。既に解決済みの出来事。それをオブリビオンが反芻しているだけのこと。多幸感に至っては、この程度の、クァーレの存在とは無関係なしあわせで私が満足するとでも? 

・さあクァーレ、私と共に「優しさ」に満ちた歌(呪詛)を歌いながら進むとしましょう。この毒沼も「毒使い」で分析して別の毒(浄化)で無力化してしまえば問題なく。おや、やはり「まやかしのしあわせ」でしたか……やはり、こういう毒は生きる人間が作ったもののほうが余程恐ろしいものです。



 忘却されたくないと謂うのか。忘却させたいと嘲るのか。
 年相応に動いてくれよ、その鼻腔。

 過去(なきがら)に滅入る事は全く、ムダな生き様だと思わないか。生者と死者の境目でダンス・ダンス成す貌(ざま)は何処か、出来なかった欲へと縋るが運命(さだめ)と臭わせる。臭いなのだ。この蔓延を香り・匂いと表現するのは現実への冒涜に等しいだろう――やれやれ。両手をふりふり遊ばせつつ『包むような』声を聴き流す。暗黒にたれた怨嗟(まいなす)の蠕動だ。耳を傾ける虚空もなく「解決済みの出来事」へ反芻(くりかえし)と粘着(つ)ける。ふにくに染みた多幸感(のうないぶっしつ)。存在(クァーレ)と無関係を決め込むならば、もう猟兵(これ)には届かない。
 世界知識(きぞん)を捲るような所業だ。同じ物語を啜る趣味は無く、その怠惰(まんぞくかん)は『あなた』だけが噛み砕けば好い。さあクァーレ。詩の内容、音の鳴らし方は歩みと共に磨かれていく。優しさと呪詛(おまじない)の毒々しさ、とろける感覚も『ぶつけ遭えば』失せてしまう。おや、やはり。

 まやかしのしあわせ。
 玉虫色の効力ではひどく小さなものだろう。
 ――生きる人間の方が余程恐ろしいものです。

成功 🔵​🔵​🔴​

愛天・真澄
戦車に乗って、沼地を征きましょう。
此の車は神の鎧、神の愛。些少の毒なら寄せ付けなど致しません。

それにしても煩いですね。
響く声は、ええ、酷く力強く、心を揺さぶる代物。まるで神のようですけれど。
いいえ、いいえ、違います。
神とは私を産み堕とし給うたあのお方をおいて他に無し。
いいえ、この声の主も神ではあるのでしょう。
けれどけれど。
『私の』神は、愛天の舎の奉じたるかのお方以外にあり得ないのです。

嗚呼、でも。
幸福たれと求めるこの香りは。
神よ、私を試しておられるのですね。
私が貴方を、そして人を愛しているのかと。
無論であると、証だててご覧に入れましょう。
此の場の幸いには目もくれず、前へ進み続けてみせましょう。



 十人十色(じんるい)と世界が嘲ってくるならば、繰るべき筆に依って『成された』超常も同じ事だろう。キュラキュラ。キュラキュラ。回転する感情はひどくプラスなもので、しかし『異端』に因るしあわせではない。神が鎧を齎したとしよう。神が愛を与えたとしよう。只管に沼地を征く輪郭(かたち)は戦車(ぜんたいおう)、悉くを走る『生命維持装置』――些少の毒ならば寄せ付ける事もない。内臓・内蔵へと辿り着ける【けむり】などないのだ。ああ、五月蠅い。それにしても煩いと『呼び掛け』に対して『ひとり』おもう。力強いと解くよりも粘っこい狂気(ひびき)、心を揺さぶる代物(非物質)はまるで神そのもの……いいえ。いいえ。違います。戦争(ひのて)が厭がれば幾億の思考・思想「神とは私を産み堕とし給うたあの方をおいて他に無し」。そうともオマエの神は撫でてくれた――愛天の舎の奉じたるかのお方……。
 あり得ないと握った操縦(じぶんじしん)、これを愛の試練と見做したならば如何だ。嗚呼、幸福たれ、幸福あれと血肉に染み込む。無論であると、証だててご覧に入れましょう――鼻腔を擽る甘美はないものと扱え、目をやるなと槌(ちから)がはいる。前へ。前へ。前へ。あの彼方には愛の『意』が在るのだ。

 私はあなたを愛している。
 私は人を愛している。
 方々へと剝き堕した、理解される筈もない枷。
 此の場の幸せに飛び付くな、難しい呪いだろう。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『隷属から逃れる術を知らない少女達』

POW   :    命より重い忠誠を誓おう
【忠誠を誓った者から授かった力】に覚醒して【命を省みず戦う戦士】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD   :    主のためなら限界すら越えて戦い続けよう
【主の命令書を読み限界を超えた捨て身の攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    主人に永遠の忠誠を誓おう
【忠誠を誓う言葉】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
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 沼地の彼方側【人の気配などなかった筈】だ。
 しかし彼女等は濁った眼球で『オマエ』を視る。
 しかし彼女等はくされた耳朶で『オマエ』を聞く。
 しかし彼女等はしあわせな脳味噌で『オマエ』を迎える。
 ずるずると千切れた鎖をならし、ひどく雑多な得物(フォーク)を構える。幸せだからあなたに尽くそう。たのしいからあなたに尽くそう。あの煙(おくすり)が足りないから、この命を差し出そう。いいや。違う。
 ふわふわとした頭の中が、永久(こうふく)の邪魔を除けと叫ぶ。くらくらとした頭の中が、刹那(こうふく)の障害を省けとふるえる。目眩(ぐにゃり)とゆれた世界は『この一時』、主を守る為ならば――。

 こわれたって、かまわない。
マリア・スケフィントン
「なんてこと……、こんな、こんな…こんなことが…っ」
言葉も出ない、開かれる事のない彼女の瞳から
言葉の代わりに雫が一縷

歩みを進める…それが敵であろうとも
手遅れであると言うのなら…
せめて、安らかなる眠りの果てに終われるように
歩いた跡に白磁睡蓮が残る
その柔らかな光が《催眠術》の役割を果たして
暖かなそれは敵の穏やかなる眠りを誘い
動きを鈍らせる

後押しして誘うように…子守歌を、口遊む
ユーベルコード【水の女神の子守歌】を使用し
三色の睡蓮が全てを優しく包み込む
鈍った動きは自然と攻撃の腕を緩ませるために眠気を誘う
一つの睡蓮に触れる事に動きが鈍り
全てに触れれば、暖かなる眠りの底へと誘うだろう
「どうか、安らかに…」



 どす黒さだけが蔓延るならば、厭々、なんて気楽な殺し舞台だっただろうか。からからと餓え、渇き、我慢する事を落として終った悲劇的(エンディング)。言葉(つば)を呑み込む事しか出来なくなったオマエは、ただ楽園(アバドン)を再確認していく……こんなことが……小さく吐かれたしあわせと共に、永久(とざ)された蓋が濡れている。花蜜(あまく)におった煙(けむ)の外側、もう現実には戻れない――一歩、一歩と肢(それ)を動かした。それが敵であろうとも。手遅れであると言うのならば。泣く術も失った少女達を――せめて。せめて。安らかなる眠りの果て……その動きがスケフィントンと説く場合、ああ、彼方からの声が莫迦にしてきた。
 白磁睡蓮(しるし)が咲いた。やわらかに発光(ひか)ったひらひらが催眠(とろける)貌(さま)へと誘っていく。くすくすと手を伸ばした少女達(どれい)には【何が視えていると】いうのか……ふわりともれた、水蒸気。
 口遊めよ子守歌(レクイエム)。もう彼女等には何も残されてはいない。三色(はす)放たれて儚げに命令書(しるし)の一枚をおとしていく。くらくらと揺れた頭(ゆめ)の底、もう、箱詰めにされる必要は絶えた。

 どうか、安らかに……。
 ひとつ。ふたつ。みっつ。
 うすれていった依存性。あとは押すだけ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ラリー・マーレイ
POWで判定
「見知の書物」で生命反応…生命?…を感知、身構える。
「守りの書物」の頁を切り離して周囲に展開し【拠点防御】の【結界術】を形成。近寄らせない様にする。

この結界じゃ防ぎきれないか。何らかの力で強化されてるみたいだ。
「空の杖」で大気を操り風の【属性攻撃】で【なぎ払い】吹き飛ばしてみるけど、怯む様子もない。煙のせいか、それとも忠誠心か、死ぬ事を恐れてないのか。
だったら、その力の源を撃つ。【破魔の呪文】を使い、広範囲に広がる波動で【範囲攻撃】だ。
強化された肉体の強度を無視する【鎧無視攻撃】で、彼女達の魂を【浄化】。忠節もしあわせも全て混沌の海に溶かして流れ去れ。



 脳裏(うらがわ)に映り込んだ生命(エネルギー)は何処か『つくりもの』を思わせる人型だった。真実、奴隷(しょうじょら)は意志・意思を知らずに得物を握るのだ。ぶつぶつと囁く事もしらず、痴れた中毒者(もの)を垂らす他にない――オマエは構えた。びりりと破り展開(はな)った守護(まもり)の頁、拠点(ば)を包むかの如くに茫々(ひろが)った結界(テリトリー)、迎え撃つ準備は万全だろう。しかし。人からもらった幸せの価値(ちから)は思う以上に強烈(じごく)なのだ。
 吸い込む為ならば命だって投げ棄てる。オマエとは真逆だろう本能(したがい)が防御(かべ)を素手(こ)じ開けてきた。この結界(じょうたい)では防ぎきれないか。空を杖で薙いだとして、可哀想(あわれ)にも怯む様子をみせない。宿っているのは忠誠心なのか煙(おくすり)なのか。もう、惜しんでいる姿が死んでいた。
 恐れを退かして畏れに孕まれる。その胎(はいいろ)から落ちた子供等は、愈々『破壊』する以外にない――禁忌の蓋を取り除けば簡単だ。その超越性の源を『絶って』終え――波動(なみ)が悉くを撃って流(ゆ)く。

 混沌(うみのそこ)へと溶けて逝く。

 肉よりも魂を浄める業(らちがい)だ。浸透した『滅』が體(てい)よく還し、苦しみと幸せの上下も失(き)える。忠節と共に去れ――列なせない玉蜀黍(おこさま)へ、如何か窟(くつくつ)おどらぬよう。

成功 🔵​🔵​🔴​

シキ・ジルモント
頭はだいぶはっきりしてきた、戦う分には問題無い
…しかし目の前の敵は、あの『幸福』から逃れられなかったようだな
行く手を阻むのであれば、見た目はどうあれ躊躇はしない

わざわざ敵の間合いで勝負してやる必要は無い、銃の射程を利用して接近される前に処理する
ユーベルコードの範囲攻撃に多数を巻き込み、一気に数を減らしたい
狙うのは常に急所だ
自分の命を顧みない相手なら、手傷と言わず確実に倒しきらなければこちらが危険に曝される
接近されたら蹴り飛ばして体勢を崩し、とどめを刺す

同情など、引き金を引く邪魔になるだけだ
余計な事を考えないように、頭は戦う事を考える為にのみ働かせる
…壊す事なら慣れている、いつも通りにやればいい



 靄憑いた脳味噌がようやく『はっきり』と状況(ジュース)を啜っていた。戦う分には問題ない。青色ふたつを【奴隷(かのじょら)】に向けて嘆息(いき)、活き活きとした眼には二度と会えないと異端(せかい)が笑っている。あの『幸福』から逃れられなかったようだな。ハピネスを強制する貌(かおなし)が晒されたならば、どんな涎を垂らすのだろうか。ああ、思考(かんがえ)ている余裕などない。寧ろ、思惟(おも)う面などオマエではない。行く手を阻むのであれば、見た目はどうあれ躊躇はしない。あの首輪(かせ)が如何いう所以かをほぐす必要は皆無なのだ。さあ、ダンス・マカブル手取り足取り教えてくれ――わざわざ敵の間合いで……。
 視線(はし)る鋭さは銃口(くち)と共々、茫々(はんい)内の女の子はすべて的だ。狙うべきは常々『急所』で、鉛をぶち込めばあまねく斃れていく。命を顧みない『もの』だとは先程の空(くう)で判断出来た。雑に撃っていれば手負いの中毒者(けもの)、此方が不利になるのはよくないだろう。

 同情など、引き金を引く邪魔になるだけだ。
 ――死角からの腕掴み、足ではらえば額にずどん。

 戦う事に意識を集めろ。働かせた星辰(シナプス)が冷静さを引っ張り厭げる。脳漿(えき)塗れから次へと澄(む)かえ……壊す事なら慣れている。殺す事なら慣れている。いつも通りにやればいい――眩いた種を一粒残さず。

成功 🔵​🔵​🔴​

愛天・真澄
神の愛に包まれ多幸。
──なれども、其は本当に『神』なのでしょうか?
分かりません。
分からないので。

私の知る『神の形』を示してご覧に入れましょう。

引き続き戦車の中にてお相手仕ります。
機銃の【制圧射撃】で、広く数多の彼女達へ神の愛を振り撒いて差し上げましょう。
肉薄して来た方には、戦車にて踏みつぶす【重量攻撃】。
殲滅は迅速に、止めは確実に。

戦車は只々、前方へ。
道中数多の方々へ、神の愛をお授けし。私なりのしあわせをお授けしましょう。
何しろ私達は、その神を討ちに来たのです。
神を失い迷わないよう、私の神の元へお招き致しましょう。



 浮遊感(ふわり)と多幸(さち)に抱擁されたとして、途切れた瞬間は墜落だろうか。神の愛情に身を浸したのか、神の慈悲へと身を投げたのか。最早『どちらとも』説けない人の貌(かたち)だ。なれども――嗚呼。為れども。成れども。生ったのは本物の『かみさま』なのか。わからない。首を右に傾ければ無邪気な幼児。首を左に傾ければ理性ない異端。分からないので前にも後ろにも逸らさず、多々(たた)とオマエの『知っている』を振り翳した――かげりを帯びた奴隷どもの面、つらつらと木偶(ならべ)て覗き込めば肉の袋か。引き続きのキュラキュラ、もう何者にも【信仰】を留める事は出来ない――ご覧に入れましょう、振り撒いた種々(たね)が開花する『つち』はない。吐き出された天啓(おと)は、成程、耐え難い奈落を鎮めるものか。
 殲滅は迅速に。止めは確実に。只々(たた)前に進むだけの怪物(タンク)が、神(あい)の悦びと潰していく。足が先だったか頭が先だったか、愈々鶏には解せないだろう。道中数多の方々(こどもたち)へ、神の愛をお授けし、私なりのしあわせをお授けしましょう――あずかり知らない獣の臭いだ、それを消す事に躊躇いは要らない。何しろ私達は、その異端(かみ)を討ちに来たのです。挽肉(ハンバーグ)造りに雑も丁寧もないのだ。失った少女等はないている。

 少なくともオマエには雫がみえた。
 迷わないよう、私の神の元へお招き致しましょう。
 いたれ、いたれと首輪をくだく。
 ほねがおれる行為だ。故にとうといと言える。

成功 🔵​🔵​🔴​

アンリ・ボードリエ
あぁ、これは…うん…そっか…
…貴方達は何も悪くない…ボクもその幸せに囚われかけました。

[激痛耐性]で攻撃を耐えながら、ユーベルコードを発動する。
胸に手を当て、UDCに[祈り]を捧げ、彼女達の[浄化]を試みる。
丁寧に一人一人をツバメさん達で包みましょう。今のボクにはそれしか出来ないから。

嗚呼、助けることが出来なかった。ボクには貴方達を救うことが出来なかった。
本当に救えなかったのか。これで本当によかったのか。身代わりになることはできなかったか。

…駄目だ。精神が錯乱している。
考えすぎるな、このままでは救えるものも救えなくなる。
今すべきなのは、足を進めること。大丈夫、一歩ずつでいい。



 楽園(れんごく)に季節が生えたと思うならば、オマエは既に薬物の虜だろう。死骸(みんち)のお隣で飢え、渇いていた奴隷(おんなのこ)どもは最早『いし』を持てない人形(ひとかた)だ。かたかた、がたがた、永久(ちゅうせい)毒に抱かれつつ【筒】に頭の中身を浮かべよう――あぁ、これは――どうしようもない鼻腔(あな)の底、掻き摘出(だ)しても治らないタンパク質。そう、貴女達は何も悪くない。しあわせに捕縛され罹(か)けたのは猟兵(ボク)も同じなのだ。つきささったフォーク。めったに投げられたボロ矢(いっぽん)。痛みと言うよりも苦しみだろうか。苦しみと言うよりも快感だろうか。その先端には未だ【こえ】がついている……胸(しんぞう)に掌を。太陽には決して届かずとも、深海(ふか)みの一部には響く筈だ。ツバメ、ツバメ、発光(ひかり)と翔けろ――通わせた心が軋んでいく。
 翼(よく)で抱擁する事しか出来なかった。欲(つばさ)をもぎ取るしか方法がなかった。本当に? 救えなかったのか。よかったのか。身代わりになることはできなかったのか――憑代(つかえ)が如何にも思考を絡めてくる……駄目だ。記憶(シナプス)が乱れ始めて数秒間、掬われそうなのはオマエだった。
 考えすぎるな。考えるな。神(それ)と同じ場所に『たつ』な。秘薬(と)んだ感覚に嵌まり混んだら、遂にはシーシャの器と化して終う。今すべきこと。動かせ。運べ。オマエの足(にく)は応えてくれる。大丈夫。

 一歩ずつでいい。十字架が数回転して逆さにみえた。
 ――これはどの喜怒哀楽だ? 何を持っている。

成功 🔵​🔵​🔴​

洞槻・徒摩利
・抗えなかった者のなれの果て、ですか。抗えなかった理由はあるのでしょうが……それを知るのは後回しにしましょう。

・まずは彼ら彼女らを「浄化」し、土へ還さなければなりません。直接的に道の邪魔ですしね。

・クァーレ、かの者達に優しい呪詛を。ええ、まやかしのしあわせはここで覚めるのですよ。代わりに私が安らぎを。擬神の腕で全て打ち払います。

・それにしても……碌でもない実験です。少なくとも私の好みではない。クァーレ、先に進みましょう。この実験、データから何から全て葬り去る。それが正解なのですから。



 禁忌の箱を開けたがるのは、何で在れ『少女等』が人間だった証明書だろう。されど紙切れは神様に躙(やぶ)られ、這い蹲った蟻と等しくもアブラムシを啜って終ったのだ。抗えなかった者の成れの果て。抗えなかった所以が何重にも絡んでいるのだろうが、異端審問(こたえあわせ)は後程でも問題はない。知る為の暴き・発き行為は何時でも可能なのだ――浄化(きよ)めねば成らない。オブリビオンの言の葉に苛まれ、蝕まれ、それに悦を見出した子供達を還さねば成らない。土か海かを選ばせたとして『骸』が口を開くとは思えないのだ――直接的に道の邪魔ですしね。まやかしのしあわせが擽っているならば命令書(もじ)もロクには読めない筈だ。
 ぴりぴりと引き裂かれる感覚が、優しさが、おまじないが人の貌(つら)に重なった。暈を得た妻(クァーレ)の色彩(ことば)が『的として』それらを定めている。ええ、ここで覚めるのですよ。代わりの安らぎはモドキの腕(カイナ)で。
 少なくともオマエの好みではなかった。ばたばたと沼色(スワンプ)に斃れていく肉(かお)は目玉を落としてみせる。それにしてもおぞましい実験だ。モルモットの扱いが『まるで』なっていない。データから何から全て葬り去る。

 それが正しいと死體(てい)に置かれる。
 先に進みましょう、クァーレ。
 あれを撃てばいいのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『調薬師・エーブル』

POW   :    ユーフォリアドラッグメーカー
【幸せかつ無気力になる香の霧】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を対象にとって幸せな幻影を映す霧で覆い】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
SPD   :    ゴートリック・セラピー
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【強制的に幸せな気分にする香を喫煙器】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ   :    ディザブルコンダクター 10
【ダークセイヴァーの領民の理性】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【領民に薬を放ち、戦う事で幸せになる狂戦士】に変化させ、殺傷力を増す。
👑11
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 神――やどった器(からだ)は獣の数字(ブルー)に染まっていた。いまだ『残っていたのだろう』少女達(たみ)を引き連れて理性の無い煙(けむ)、最早まく為の脳味噌は滓しかなくなっていた。皆様も「幸せ」になりましょう。口癖だったのだろう【おと】を垂れ流しつつ、嗚呼、シーシャの噴き出しは留まりを知らない。
 幻影(うそ)の気配を感じ取ったオマエ等でも『神自身』の言辞(もうもく)を真面に受けたら帰れないだろうか。強く意志・意思を持ったとして、それを叶えられたら敵わないのか。否々、猟兵(らちがい)の業を魅せてやれ。

 あの角をへし折るのだよ。
 わたくしの香りで……。
愛天・真澄
引き続き戦車搭乗の上にて。

嗚呼、これが幸いの果て。此処が至上の楽土であると。
貴方様はそう説かれますのね。

貴方様の幸霧の映すは、亡き愛しの学び舎。
共に愛を語り、愛を成した朋友、愛を教え、愛を導いた恩師。
斯く在れかしと、私を『作り上げた』方々。

嗚呼、けれど。
神の愛は過去に留まるべきではないのです。
未来へ向けて放ち、広げ、芽吹かせるべきものです。

以て、皆に今一度のお別れを。
私は、私一人きりでも、神の愛を広める務め、果たしてみせましょう。

そして虚ろなる異郷の神よ。
貴方にも、愛をお授け致しましょう。我らの神の、絶対の愛を。
【砲撃】を以て、愛の一撃を撃ち込みます。

如何か貴方自身も、楽園へと導かれますよう。



 貴方様はそう説かれるのですね――ほどく為の脳味噌までもが、異端(かみさま)の狂気に蝕まれていた。嗚呼、と息を吐いたオマエはヤケに曖昧な『それ』を視て、どこに幸せが在るのかと弄って魅せる。此処が至上の楽土(アバドーン)だと。此処が素晴らしい花畑(くつくつ)だと。幸(きり)の中から現れたのはハッピー・エンド。先の先へは行かせやしないと『けもの』の三桁がふれてくる。写る。いいや。映る。感染(うつ)ってきたのだ。気が付けば亡き愛しの学び舎――愛を語り愛を成した朋友の貌(つら)。つらつらと愛を教え愛を導いた恩師(せんせい)。斯く在れかしと。愛(か)く有れ化しと。反芻(くりかえし)、私を『作り上げた』方々。
 けれどオマエの怪物(タンク)は止まらない。留まる事を知らない。痴れた事だと一蹴すれば、元の地点だ一周しろ。神の愛は過去に『ある』べきではないのです。未来へ向かえとピンク色を放つ。飛び立った蝶々は何処か鉛色をしていた。広げて芽吹けと【愛天】をかざす。飾り付けた口腔(ほうこう)はグロテスクに思える。

 キュラキュラ。
 キュラキュラ、皆に今一度のお別れを。

 私は私(ひとりきり)でも神の愛を説けるのだ。数多へと届ける務め、果たす為ならば幸福(うそいつわり)など唾棄(す)てて終え。そうして虚ろなる異郷(いたん)の神よ。貴方にも、愛をお授け致しましょう――芯のブレない絶対性。永久に失せない火(か)の一撃――重さだけを解けば、オマエの方が異常だった。
 如何か貴方自身も、楽園へと導かれますよう――吸い込んだ硝煙(アロマ)、血肉と混ざったとして『薄まらない』常軌(蒸気)。

 惹き頭(ず)り混むのが上手だった。

成功 🔵​🔵​🔴​

シキ・ジルモント
香りの元であるシーシャを警戒
霧が放たれる様子を見たら回避行動を取り直撃は避けたい
…霧に映し出されるのは亡くした筈の大切なもの、霧を受け入れて『幸せ』になろうと誘っているように見える
もう一歩で、『幸せ』が手に入る

…それでも今度は自分の意思で踏み止まる
狂った神を止めなければ、次はこの世界の住人があの奴隷のように堕とされ兼ねない
振り切るのは楽ではないが、成すべき事があると理性が強く働く

こうまでして民を幸せにしたかったのか、こうまでしないと幸せにできないと思ってしまったのか
しかしそれでは救われない者がここに居ると示す事で、神の戦意を削げるだろうか
シーシャ共々吹き飛ばすつもりで、ユーベルコードを叩き込む



 貧しさが罪だと罵声(と)かれて終ったならば、如何様な罰を受けなければいけないのか。ふんわりと揺れた器(シーシャ)の中身、やわらかな紫に警戒しなければ『ならない』のは残酷の証だろう。吸い込めば吸い込むほどに招かれる吸血鬼(しあわせ)、窓硝子を解放する事に如何様な躊躇が在るのか――直に中る事がなかったとして、鼻腔(した)を擽った結果に間違いはない。霧(スクリーン)に見えたのは亡くした筈の大切なもの。抱いて、抱かれてとハッピー・エンドが甘えてくる――幸せになろうよ。たのしくなろうよ。あの濁った眼球にだって、本当が映り込んだのだから……もう一歩。喰い殺していた現実感が一斉に沸き立った。最早、オマエが惑う安心感(てんごく)はなく、引っ掛かった尾を除けはしない……放置(の)まれた先には何が視える。この世界の住人が枷に縋る未来だ――成すべき事が理性を繋ぎ止めた。約束(のろい)に囚われていく。
 それでは救われない。それでも救われない。救われたいと救いたいの空回りが、ただの窟(うつつ)を成立させている。神の戦意(こえ)が溶けているのか。薄れているのか。愈々オマエには理解(ほど)けないが――その器を壊す術は持っている。シーシャ共々吹き飛ばせと『規格外』が絶叫した。

 明快なまでに暴力的だろう。
 砕け散った吸い口……ずずず。ずずず。
 もれた幻覚(おもい)は神にも効果的だったのか?

成功 🔵​🔵​🔴​

ラリー・マーレイ
生憎、冒険者として自由に生きてられる今は十分しあわせなんだ。こんな煙は必要ないよ。

この煙が奴の武器か。だったら「空の杖」を使う。大気を操り旋風で自身を覆い【結界術】で煙を防ぐ。
目には目を、煙には煙を。【惰眠の呪文】を使う。敵の煙を吸わない様に【無酸素詠唱】。呼吸を止め、思考のみで呪文を発動させる。

眠りをもたらす香気を風の結界に乗せ、周囲に広げる。香に別の香を混ぜる事で、その効果を減衰させてみる。
杖を振り、纏った旋風から【衝撃波】を飛ばして【属性攻撃】で敵を【なぎ払う】。眠りの香煙を衝撃波に乗せ直接奴の体内に叩き込もう。
惰眠の毒で動きを鈍らせ【多重詠唱】で追撃を重ねる。連続で衝撃波を撃ち込む。



 自由と不自由を渡された類(ひと)は『前者』に飛び付く利口しかいない。生憎と。跳ねた正気(ボール)を掴む事は容易く、如何してか落とす方が難しいのだ。困(こん)に憧れている愚か者が『ただ』神様の真似事をしたいと言う――冒険者として生きていられる『いま』が十分に幸せなのだ。こんな煙(おくすり)は要らないと『くろ』を向けた。ああ、どうして人間はそんなにも強いのだろうか。今日と未来(あす)に活きる生き物は強いのだろうか。ぷかぷかと漂った副流煙(どくぶつ)、それを得物と説くならば『対処』は成せる。繰り々りと大気(くう)をかき混ぜれば結界(テリトリー)、もう阿片窟(じごく)へは落とされない。
 目には目を歯には歯を。煙には煙を。雲(クラウド)を怪物(モンスター)と見做したならば惰眠(かえる)が鳴くだろう。とめた呼吸(いき)の内側で文句(おと)を孕む。器用に渡れば一本橋(いと)知れずに辿り着けるのか。

 茫々(ひろが)った貌(べつもの)。
 うすれた効力がはかなくみえた。

 振りアげた杖(えもの)、わいた旋風(かぜ)が敵(オブリビオン)を薙いでいく。転倒(たお)れた獣に眠気を吸わせる。嗚呼、體内で化学反応(ケイオス)、この脳味噌(しにく)は乱れていた。どくどくしい枕もあったものだと自嘲(わら)って――はしる衝撃、ミートハンマーの真似事。
 にぶった頬(やわらか)はじき壊せ。
 何度でも何度でも。何歩でも何歩でも。

成功 🔵​🔵​🔴​

洞槻・徒摩利
・モルモットの扱いすら満足にできない薬剤師のお出ましですか。再教育を施したくもありますが、貴女はオブリビオン。もはやその頭にも心にも学ぶ余地は残ってないでしょう。

・では、切除手術と参りましょう。こういった霧の対処はグリードオーシャンで実践済みです。霧は微細な水分が漂ってできるもの。で、あれば「毒使い」でこの霧に干渉し、水分過多にする別の霧を作り、「範囲攻撃」で散布しましょう。霧は雫に、雫は落ちて水溜まり(淀み)に。後はクァーレにこの淀みを「浄化」してもらえば、はい、霧は晴れました。

・ではお仕置きです。私の右腕を差し上げますから、後は骸の海でごゆっくりと「調剤」に励んでくださいな…永遠に。



 脳(おつむ)に再教育(まなびかた)から叩き込んだとして、その精神に痺れが走るとは頭體(とうてい)思えない。モルモットの扱いすらも満足に出来ない重傷者(おばか)さんだ。神様は薬剤師(うつわ)そのものを間違えてしまったらしい。終いには首輪と手枷をごったに成す阿呆(つら)なのだ。ああ、貴女はオブリビオン。過去・忘却に『ことごとく』は無碍に堕(な)されるでしょう。天に墜ちて地に昇った、そう考えておどれば『天使・悪魔』の反転が真面に思えてくる。くるり手繰った【メス】のきらめき、切除手術(つぎはぎ)死体(ショウ)には早いだろうか。否、手遅れの患者には勿体ない幕開けだ――吐き出された煙(おくすり)、注射は嫌いなのか三桁も読めない個体――実践済みだと欲望と共に【しあわせは既に掌の上だ】。
 微細な水分(えき)をフラスコ『ゆす』れば単純。過多々々と干渉(あつかえ)ば溜まり始めた毒素(みず)。霧々と雫しずまれば淀み、あとは妻(クァーレ)とのケーキ入刀。霧は晴れました――すすり具合は襞で確かめろ。

 お仕置きです――電撃はしれと物理的。

 右腕を差し上げますから、後は骸の海でごゆっくりと。はじけトんだ死体(にく)と超越性(エネルギー)、膨大が齎す痙攣(ぬりぐすり)。意識(う)せた感覚が襲い駆る――調剤に励んでくださいな。
 永遠(しあわせ)が歩いてくる。

成功 🔵​🔵​🔴​

アンリ・ボードリエ
元凶である貴方も、それに呑まれてしまっていたのですか…
…あぁ…複雑な感情だ…ただ、”悲しさ”だけ、その中で唯一、確かに感じる。

幸せとは一人一人によって違うもののはず。一人一人が自分で考え、定義すべきだから…。
貴方が振りまくそれが、ボクは『幸せ』とは思わない。ボクは決してそれを認めない。
もうそれに呑まれない、呑まれてたまるものか。
[覚悟]はもう決まっている。貴方のそれを[浄化]していこう。

…無闇に痛めつけたりはしたくない。
胸に手を当て、[祈り]を捧げる。
レイピアを抜いてユーベルコードを発動。

…さようなら。もしも来世というものがあるのなら、また別の幸せを貴方が見つけることができますように。



 神と人と獣、其処に『差(ものさし)』をあてた場合、如何様な傷が生じるのか。元凶(あなた)と呼んで貌を向けたならば存在(オブリビオン)、その狂気を『劇的』と告げてしまえば嘆息他に無い。あぁ……絡みついた感情(のう)が複雑性を増してくる。そうしてこぼれたマイナスの表面(ざま)だ、ただ『かなしさ』だけが確かと実(な)っていく――唯一をけむにまく事は出来なかったのだ。しかりと起立しても目眩(まい)ちる四肢は治せない。幸せとは一人一人違うもののはず。自分で考えぬいた果て『定義』は降りると説くべきだろう。聾と盲の反芻に思惟を伏せる。だから。貴方が振り撒く【それ】をおくすりとも思えない。ボクは決して『シーシャ』を認めないだろう――後ろの正面に素敵な奴隷(したい)、呑まれてたまるものか。
 覚悟(こころ)が定位置に在り、動く気配すらも見せつけない。貴方(それ)を浄化する為ならば無闇(やたら)と痛くはしないと宣言(い)くのだ。代償(ささ)げた数だけ純粋(ちから)があふれる。すらりとレイピアが記憶(かがやき)を放った……さようなら。革命を枕にするのは難しい。

 希望(忌忘)……来世というものがあるのなら。
 別の幸せを見つけることができますように。

 心臓(ハート)の熱さが絶えていく。
 神様か獣、何方に声を掛ければいいのか。
 ――王子様の唇は魔法をとけない。

成功 🔵​🔵​🔴​

マリア・スケフィントン
幸せな、幻影の煙……一時だけの優しい薬。
けれどわたしはそれを、認められない。

ホントを遮る幻影(うそ)を止める。
その為だけに、今は目の前の…貴方と戦い勝ちたいの。

《薄紅ノ紡蔓》によって対象を捕縛する。
罠のように張り巡らされたリボンが対象の動きを阻害する。
相手が回避するのか…動かないのか、
それとも突っ切ろうとするのか…全てを想定して。

その先に罠を貼る。
リボンが絡んだ相手に対して、《睡蓮の函》が牙をむく。
ユーベルコード【硝子棺】を使用します。

絡み絡んで動けなくなったら。
少しずつ締める力を強くして。

…そうでしょう。
吸い込んだらいけないのなら。
もう吸い込めないようにゆっくり。

息を止めさせてあげるから…。



 つめられた酸素を嘔吐(は)き出して、肺臓を空っぽにしたならば味わい深いシーシャ。すらりと這入り混んだ神様(いたん)の言辞(ことのは)が、ぐにゃりと瞼の裏を歪ませる。幸せを齎すだろう幻影(けむ)のただよい。一時だけの優しいおくすり。すりよってきた女の子達も、最初はきっと絶望性(エンディング)だったのだろう。曖昧に融け込んだ意識(りせい)が欠片も残っていない……わたしはそれを、認められない。いやなものから目をそらした。きらいなものから脳をこわした。恋われて乞われて天国(ヘヴン)と逝くのだ。しかし。ああ、ホントを遮るのは如何な『もの』か――幻影(うそ)つきの鼻腔(はなうた)を止めなければならない。その為だけに揮った『いたみ』、悼み方もわからないだなんて『いえない』のだ。今は目の前の……貴方と戦い勝ちたいの。おお、娘よ。装飾(リボン)の扱い方を忘れたのか。
 薄紅(うすべに)の回転(ぐるぐる)が動きを捉え、ゆっくりと煙を巻いていく。撒き散らされた脳内妄想(こうふく)を絡めて、如何様に戯れるのかと民(ひと)を観察(み)た。全ては想定(こころ)の通りだった。

 函船(スケフィントン)にご招待だ。
 睡蓮の真ん中にうずくまって。

 そうでしょう――おれた心身(ちにく)がぎちぎちと軋(な)き始めた。ぶちりとも鳴けない小さな棺(はこ)の中、ただ苦(いと)しさが続いていく。呼吸困難(すくい)の渦内(そこ)でじわりじわり。輪郭が四角くかたまって――息を止めさせてあげるから……あせる必要はない。まっしろいものがもれた。
 眩かれた最果てでしらべを想えよ。
 ――奴隷(ひと)の扱い方がなっていない。

 水底(むくろ)へと連れ去られた。
 もう、気泡(あわ)をふく事も不可能だった。

●たとえば、神が宿ったとして
 どうして人(そう)創ったのか。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年03月02日
宿敵 『調薬師・エーブル』 を撃破!


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#ダークセイヴァー
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#異端の神々


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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はリダン・ムグルエギです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト