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満員電車、途中下車なしあの世行き

#UDCアース

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#UDCアース


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「ク、クヒヒ、通勤通学、オツカレサマ、ですねぇ」
 満員電車が幾度も通過する、都市部の駅にて佇む怪しい人影。
 朝の通勤ラッシュ、不穏な人影など気にする余裕もなく数多の人々が電車に乗り込み、押し合いへし合い、無理矢理ねじ込まれ苦痛に顔をゆがめつつ、箱にゆられて運ばれる。
「いぃい、今の人たちは、運がいい。そしてぇ……次の次に、乗る予定の人たちも……危機一髪ぅ……」
 先の人影とは別に、ゆらりと動く人影が。
 フードを目深に被り、下向く様子から男女の区別はつかないが、提げた二つのボストンバックが印象的。
 似たような衣装、持ち物の人物がホームを見ればあと一つ。
 先頭車両が到着する、その場所へ一人が立てば、この一人は最後尾まで歩を進める。
「さて、それじゃ……7:48分発、特急車両あらためぇ……絶望特急、あの世行き、発車しまぁあぁす、とねぇ!」
 そして先ほど、駅に佇んでいた最初の一人。
 誰に向けた言葉だか、ホームに飛び込む電車の音でその音はかき消され。
 人々がドアに殺到、押し合いながらもようやく乗り込み、ドアが閉まるアナウンス。
 ようやく発車と、警告述べる放送直後に悲劇は起きた。

 一人、最後尾の車掌がフードの人物によって車両運転席内へと押し込まれ。
 一人、運転手の先頭車両のドアが巨大な鈍器によって打ち破られ。
 一人、4両編成の車両を二つ接合、8両編成とした車両の中間、5両目運転席のドアを蹴破り、満員車内を嫌い、人々が少ない運転席同士の隙間に立った人々を殴打する。
 突然の事に人々が言葉を失うが、飛び込んだ3人の動きは早い。
 先頭車両、運転席では運転手を殴り倒し、そのまま強引に発車操作。
 最後尾では車掌が壁へと叩きつけられ、非常ブレーキの使用が不可能に。
 中間部分でも抵抗見せた人々は速やかに殴打、無力化されこの満員電車は完全に掌握された。
「あー、皆様、ご乗車ありがとう、ヒヒッ、ございまーす。この電車はぁ、途中停車なし、あの世行き、直行です。お代は、皆様の、命ですぅうう、ウヒヒヒヒ」
 車内放送と共に加速する車両。
 なんだなんだと人々がざわめくも満員の為自由に動くこともままならず、悲鳴と絶叫、なんとかドアを無理矢理開けようとスイッチを探すも助かりたいという渇望と、満員電車で自由に動けぬ不自由さ。
 二つが重なり混乱が加速、ようやく主導で開くためのスイッチを探し当てるが、既に車両は飛び降りれば命を落としかねない速度で走っていた。
 見つけられなかったことに対して、ドア付近の人を攻める暴言や死にたくないと嘆く叫び、それらが重なり車内は阿鼻叫喚の地獄絵図。

 数多の悲鳴、罵声を乗せ、電車は進む、あの世まで。
 焦燥と混乱、それらの終わりが何時になるのか、その時間を示すタイマーと仕掛けられた爆薬が、フードの人々が持ち込んだボストンバッグ、その中で静かに時を刻んでいた。


「緊急事態、というものでしょうか。UDCアースにて満員電車が占領され、結果1000人前後の人々が命を落とし邪神が蘇る、そういった事件が発生します」
 事件の内容、死者数があまりに大きいその事件。
 しかしながらクアド・ペントヘキシウム(バーチャルキャラクターの人形遣い・f09688)は普段とまったく変わらず、淡々と状況を説明し始める。
「敵は電車の先頭、最後尾、中間を占拠。ドアの開閉と車両の運転を完全に掌握し、ひたすら加速して進んでいます。
 このままでは速度超過の結果、曲がりきれず脱線しての事故かどこかの終着駅に突っ込みやはり行き止まりで脱線。
 脱線後は車両が破損し、脱出も困難。脱線の衝撃で死者もでますし、犯人が持ち込んだ爆弾もあって動けないまま多量の犠牲者が発生します。
 脱線しないよう鉄道関係者が各種切り替え地点を操作、終着駅に向かわない様に環状の路線から脱さないように手を回してくれますが、爆弾が持ち込まれているという事は、何れ爆発して死者が多数でてしまう、ということですね」
 状況は切迫、しかも悪すぎる条件が重なりすぎており現地のUDC組織ではどうしようもできない事は明白であった。
「敵は黄昏秘密倶楽部、と名乗る一団の信徒が3名。先頭、最後尾、中間其々に乗り込んだのがこの面々ですね。
 先ずは車両をどうにかして止めてこの信徒たちを倒す必要がありますが……倒せば自らと、そして乗り込む際に犠牲となった運転手、車掌、乗客を生贄に邪神が呼び出される事が予測されます。
 勿論、車両停止に失敗した場合はそれによって生じた犠牲者も加わり、邪神の力がより高まる事は確実、そうなれば出現地点を中心に更なる被害が出るでしょう。
 また、信徒達は車両の制御を奪ったが為に、其々先頭、最後尾、中間から満員で動けぬ人々を殺戮、生贄としていきます」
 あまりにもあまりな状況、止めることが出来るのは最早、猟兵だけであろう。
 敵戦力の力は然程高くないが、生じた状況が状況、最悪の事態で起こりうる犠牲者の数を思えば自然と緊張感は高まっていく。
「犠牲者の多寡で重圧を感じる必要はありません。相手が標的とした場所、人物で変化する、今回はたまたまその数が多くなる、そんな事件だっただけのこと。
 皆様に必要なのは、犠牲を減らし邪神を崇拝する一行、そして召喚された邪神を倒すその3点。
 単純に運転席を目指す以外にも、いっそ途中車両の連結部分を破壊、切り離す事で犠牲者の数を減らすという選択肢もあります。
 もっとも、この場合は切り離した車両に信徒や爆弾があればそれによって犠牲者が生み出されてしまいますのでそれらの対策と。
 先頭車両の信徒が異変に気付けば即座に爆破、多量の犠牲者を生み出す可能性が跳ね上がります。
 少数の犠牲で多数を救う、という選択ですね。
 何が正解かは分かりませんが、皆様しかできない、そして皆様が選ぶ選択。
 如何なる結果になろうとも皆様が責められる謂れもありませんので、悔いの無い選択をして下さい」
 淡々と、目的は犠牲を抑えつつ信徒を、邪神を倒すだけ。
 被害者なりうる人物の数に惑わされぬ様、小を切り捨て大を取る、そういった選択肢も示しつつ彼女は説明を終了していた。
「準備は宜しいでしょうか? 転送先は中間車両、走行中5両目の天井に。其処から何を目指すのかは皆様次第。
 どういう結末になるかは皆様次第、臆する事無く皆様の選択を押し通せば宜しいのです」
 説明は打ち切られ、一同を誘うゲートが開かれる。
 現場の逼迫した状況を示すかのように、強い風が、吹いていた。


紅葉茉莉
 こんにちは、紅葉茉莉です。
 全ての世界でお話を、ということで今回はUDCアースで起こる事件のご案内です。

 今回は既に制圧されてしまった満員電車、それを停止させつつ犠牲者を減らし、信徒を倒す。
 その後、信徒が呼び出す邪神を倒すまでのシナリオです。

 5両目、車両上部より潜入すれば、即座に行動開始。
 如何なる手段を持って車両を止めるか、犠牲者を減らすかは皆様の選択次第。
 少数の犠牲には目を瞑る、OPで語られた途中切り離しを選ぶも良し。
 全てを救うべく、様々な方策を試すも良し。

 皆様が戦わねば数多の人々が犠牲になるのは防げなかったこの事件。
 如何なる結末であれクアドが申し上げたように、選んだ結果を責められる謂れはありません。
 皆様が最良と思う行動をどうぞ、遠慮なくなさってください。

 それでは、ここまで長文をご覧くださりありがとうございました。
 縁ありましたらご参加、よろしくお願いします。
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第1章 冒険 『暴走列車』

POW   :    力技でなんとか電車を停めようとする

SPD   :    人をかき分け運転席に行って電車を停めようとする

WIZ   :    どうにかして乗客を電車内から避難させる

👑11
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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

スカル・ソロモン
私は電車を止める方法を探ろうかな。
強引に止めるのも悪くはないが、まずはエネルギー源……電気を断つのが得策かもだ。

転送が完了したら、送電線、あるいは送電専用のレールへの送電を止めるよう現地のUDC組織へ連絡してみよう。

もしそれが不可能であれば、ブレイズフレイムを使って全ての車両のパンタグラフを破壊するか、送電専用のレールのみを破壊して電気の供給を止めよう。

慣性がついてなかなか止まらないようなら、怪力と念動力を組み合わせた強力な念動力で離れた場所から電車を止めてみるとしよう。

“私は”乗客をある程度犠牲にするのは致し方なしと思っているのだがね。
この“体”はそれを望まないようだ。
全く、注文が多い体だ。


四季乃・瑠璃
【ダブル】で分身。

満員電車の中を行くのは時間が掛かりそうだし、屋根の上を伝って行くかな。
念の為、二人をロープで結び、更にフック付きワイヤーを電車に引っかけ、送電線や頭上に注意しつつ、先頭の運転席直上まで移動。
直上まで来たら、時限式ジェノサイドボム(以下ボム)を威力調節して窓を破壊にペタリ。
窓を吹き飛ばしたら、窓から【クイックドロウ】【早業】【2回攻撃】K100を連射して突入。
犯人は射殺してブレーキレバーを掛けて停車するよ
後は爆弾を遠くで爆破して処理

緋瑪「電車ごと爆破できれば楽なんだけどねー」
瑠璃「それだと乗客まで死んじゃうから…」
緋瑪「爆弾はわたし達の専売特許なのに、迷惑だよね」

※アドリブ歓迎


星噛・式
SPDで対応
宿木 禅と行動

「電車での脱線事故とはよく考えたもんだ。これなら多くの犠牲者が簡単に作れるもんなぁ」

式は車両上部に飛び乗りそのまま屋根伝いに運転席を目指す
揺れる電車の上だがインビジブル・ステップで宙を舞いながら進むことでなんなく進む

「ミーティングじゃ多少の犠牲は考慮するって言ってたが……それは違う。罪なき者に小さいも大きいもない。力ある者が助けないで誰が助けるってんだ」

そのまま運転席にたどり着きブレーキをかけ、そのまま邪魔者が入らないようにそこで待機する

「ブレーキだけじゃ止まらない。爺さん後は頼んだぜ」

もう1つのブレーキとして禅の行動が鍵となり


宿木・禅
POWで対応
星噛 式と行動

「少々無理のある作戦かもしれんが、乗客全員を助けるには電車を完全に停止させ一気に使徒を殲滅するしかなかろう。そのためにもまずは電車を止めなくてわな」

予め電車の進路に先回りに線路に仁王立ちする禅

線路上長い直線でカーブによる脱線が少ないところを選んぶ

「いつもより体を張って頑張るしかないのぉ」

直線上に電車が見える。すでに式がブレーキをかけやや減速しているが以前スピードは早い

目の前まで電車が来るのを待ち衝突する瞬間に無敵城塞を発動し力尽くで止めにかかる

ブレーキも合わさってスピードは落ちているが電車に押され続けるため体力の消耗も激しい

「流石にこの歳になってからは堪えるのぉ‼︎」


八条・麻乃
電車を止めるだけなら、近くにある別の(奪われてない)電車から非常無線を発報させて強制的に止めるとか、車両間を連結している電気信号のケーブルを破壊すれば良い、として。
問題は爆弾を抱えてる相手ね。

ありがたいことに最近の電車は前面ガラスは広いし、対向列車に乗り込んで近づくタイミングで(運転台に居る)相手の顔面を狙って何かぶちかます(物理で殴る)、ぐらいかしら。ま、被害をゼロにってのは難しいから、ゼロを目指しつつ最小限の被害で済むようにしましょ。

「システム化されたものを3人で制圧って無茶するわねぇ。駅で暴れるほうがまだマシだったんじゃないの?」



●満員電車を止める者

 轟音を立てて走る満員電車、車内は混乱に包まれ先頭車両、最後尾では既に黄昏の信徒が刺付きハンマーを構え虐殺を始めようとしていた。
 信徒を認めた人々の悲鳴、恐怖と絶望により車内はより一層の混乱に包まれるもそれらを食い止めるべく猟兵たちは車両の屋根に張り付き行動を開始していた。
「電気を断てば止めれはするだろう。送電を止めて貰うか最悪パンタグラフや送電線の破壊も考えねばな」
「あら、そんな事しなくても他の電車から非常無線を発報させるか……これを破壊すればいいわよ」
 現地組織へ連絡、最悪電車の機能破壊も考慮していたスカル・ソロモン(目覚める本能・f04239)に対し、車両連結部分の幌部を破壊、内部に走る電気信号コードを指し示していた八条・麻乃(ただの巫女・f00108)
 なるほど、電力を断ってしまえば停車後のドア開閉にも支障を来たすが運転席からではどうしようもできない、そういった部分から強制的に停止させにかかればそれで十分。
「なるほど、それじゃ上からの停止は任せた。俺は運転席まで先行して仕掛けるんで後詰は頼んだ」
 電車の構造。周辺の電車で緊急事態の信号が出れば互いに衝突せぬよう非常停止の信号を自動で投げるシステムか。
 若しくはコードそのものが切られた電車が電磁直通ブレーキが自動作動してフルブレーキか。
 どちらにせよ、満員電車を走らせるが故の区間に仕組まれた安全対策、それらを完全に活用すれば停止だけならば簡単という事実を聞かされた星噛・式(赤水晶・f10488)
 停車タイミングは相方である宿木・禅(断斬人・f10500)が先回り転送してもらった直線で頼む、とスカルと麻乃に伝えれば自身は屋根伝い、空中跳ねるインビジブル・ステップにて揺れや障害物をもろともせずに先頭車両へ先行して向かっていた。

 同刻、先頭車両とは別に最後尾へ向かう影二つ。
「先頭車両には3人向かったし、任せていいかな」
「そうだね、じゃあ誰も行ってない最後尾にいこうか♪」
 自身の分身生み出して、互いをロープでつないだ四季乃・瑠璃(瑠璃色の殺人姫・f09675)
 別人格の緋瑪が前方、運転席への人員過剰を見定めて、最後尾の車両が誰も向かっていないことを認め標的変更。
「よっと……気をつけて、緋瑪。あんまり急ぐと振り落とされるよ」
「大丈夫、その為の装備でしょ」
 フックつきワイヤーを車体へ引っ掛けて落下防止、そのままトンっと体を浮かせば二人の体は車両後方へ流れていく。
 そのまま一気に最後尾、8両目へと到達すれば片手を伸ばしパンタグラフをわしづかみ。
 触れると同時に力任せに体を引き寄せ屋根へと接地、最後尾へと這いつつ動けば、車両を挟み込む様へ二人は移動。
 窓、そして運転席へと通じるドアへと二人は時限式ジェノサイドボム設置、中を見遣れば先に殺された車掌の亡骸が倒れつつ、客室入り鈍器を振るう信徒が見えた。
「好き勝手暴れちゃって……電車ごと犯人爆破できれば楽なんだけどねー」
「それだと乗客まで死んじゃうから……」
 緋瑪の過激な発言に瑠璃が返せば、それと同時に接地された爆弾が炸裂。
 轟音と共に窓とドアが砕ければ異変に気付き信徒が反転。
 客室から戻り、爆破された窓と扉を見遣って唖然とする所へ挟み込む様に瑠璃が、緋瑪が破損したドアより突入。
「爆弾はわたし達の専売特許なのに、迷惑だよ!」
「それに、乗客を殺しちゃうのも混ざって大迷惑!」
 緋瑪が先にUDC-K100カスタム、自動拳銃を発砲しながら先制攻撃。
 流れ弾が当たらぬ様に瑠璃が身を伏せ、こちらも同じ自動拳銃を発砲すれば前後より浴びせかけられた銃弾が信徒を襲う。
 咄嗟に構えた鈍器だが、点の攻撃、銃弾を防ぐのに何の役に立つのだろうか。
 まったく防御にならないまま信徒の体には数多の銃創が生じていき、そのまま力なく倒れ伏していた。
「オッケー、瑠璃。後は爆弾だけど……このバッグかな」
「そうだね、緋瑪。タイマーに余裕はあるから、周りに何もない場所までいったら捨てて爆破しちゃおうか」
 最後尾、8両目の制圧完了。
 緊急ブレーキは先ほど、先頭車両を目指した3人のだれかがかけてくれるだろうと瑠璃と緋瑪は判断、ひとまず爆弾の処理と信徒に襲われ混乱している乗客を落ち着かせる為、2人は行動方針を切り替えていた。
 この車両は安全確保、しかし他の車内では相変わらず止まる事なき車両に関しての不安、恐怖が渦巻く惨状、しかしながら停車のときは刻一刻と近づいていた。

●停止、制圧

「ふむ、見えてきたのぅ。後は首尾よく式がやってくれればよいが」
 直線線路に立ち、カーブを曲がって姿を現した列車を見遣り覚悟を決める禅。
 式が先頭車両、ドア付近に張り付く姿を認め、ならば後は自分が体を張って止めるまでと気合を入れるが予想より早く電車が甲高い金属音を発しつつ、急ブレーキをかけていた。
「むっ、なんじゃ。式がまだ運転席に入っておらぬが……まあよい、止める事に変わりはないわ!」
 予想外の緊急ブレーキ、それは麻乃が車内の混乱、および先頭車両で暴れ始めた信徒を認めた為に幌より見えた電機信号コードを切断。
 即座にブレーキをかけることで信徒に状況変化を認知させ、運転席に戻るように仕向けたからに他ならない。
「ヒヒャヒャ!? な、なにがおこった!? 緊急ブレーキだとぅ!?」
 客席へのドアをあけ、すし詰め状態の民間人を一人二人を殴り始めていた信徒であったが急ブレーキに反応、すぐに反転して運転席に戻ろうとするが、それと同時に運転席のドア開き飛び込んできた式。
 邪魔者を認め、鈍器を振り上げた信徒へ前蹴りをお見舞いし反対側のドアへと蹴り飛ばしていた。
「電車での脱線事故とはよく考えたもんだ。これなら多くの犠牲者が簡単に作れるもんなぁ」
 蹴り飛ばされた信徒を見下ろし呟く式。
 多少の犠牲は考慮する、と言われていたが彼女にとっては罪なき者の大小などない。
 力ある自分たちが助けなければ誰が助けるのだと強い信念を込め行動、ゆえに危険な役目を自分が、そして相方である禅と共に買って出たのだ。
 うめく信徒が再度操作をできぬ様ににらみを利かせば、車窓から見える禅を認めて笑みを浮かべて後を託す。
「ブレーキだけじゃ止まらない。爺さん後は頼んだぜ」
 ふっと言葉を漏らせば、減速しつつも車両は禅目掛け一直線に突き進む。
 そんな車両に一歩も引かず。
 両手を掲げ真正面から受け止め防御モードの無敵城砦、文字通り体を張って禅が車両を受け止め始めた。
「流石にこの歳になってからは堪えるのぉ!!」
 敷石巻き上げ、枕木へし折り体を張って速度を一気に殺していく禅。
 しかしながら緊急ブレーキが掛かっていたとはいえその衝撃力は非常に高く、ともすれば自分が吹き飛ばされそうな感覚を覚えるがふいのその圧力が一気に弱まっていた。
「ご老人、無理はよくない。助太刀させてもらうとしよう」
 声の主、それは髑髏の仮面を身につけ先頭車両に立っていたスカルであった。
 車両本体の加速に加え満員という質量、故に中々とまらぬその車両に強烈な念動力。
 前方へと進む圧力を一気に弱めることで車体のブレーキ、前方障害物と化した禅、そして不可視の力と3つの外力を加えることで満員電車は一気に減速。
 脱線する事もなく、しかし内部、乗客に多大な圧力が掛かるという代償を支払うも満員電車は線路上に停止していた。
「さぁ、電車は停止した。慌てず順番にドアから降りていくといい」
 念動力の応用か、車両停止と共にスカルが車両のドアを念力にて開放。
 即座に、されど慌てず脱出する様に言葉をかけるも、我先にと乗客がドアから飛び出し線路上に落下するが、激突前に滑り込み禅が乗客を受け止めていた。
「恐ろしいのはわかるが、慌てすぎじゃ! 押さずに一人ずつ降りれば怪我せず降りれるわい!」
 混乱する乗客たちに一喝、これにより多少は安全に降りていく事ができるだろう。
 それでも慌てて落下する乗客が出るも、禅と同じくスカルも受け止め負傷を防ぐ。
「やれやれ、注文の多い体だ。私はある程度の犠牲は致し方なし、と思っていたのだがね」
 顎を撫でつつスカルが呟きマスクの宿主、体が望んだできる限りの人数を助ける、という望みに対しボヤくスカル。
 しかしながら望みには応じるとパニックに陥った乗客を線路へ誘導、速やかに逃げる様促していた。
「ぎ、ぎぎぎ……な、なぜだ」
 地面に突っ伏し信徒が呟く。
 運転席だけでなく車掌の操作もできなくした、さらに中間車両にまで信徒が入り込んでいた。
 あとは加速するままに事故を起こせばよかったはずが、緊急停止と乗客脱出というこの体たらく。
 そんな信徒が顔をあげれば、直後に麻乃が信徒の頭を薙刀の柄で殴り飛ばしていた。
「システム化されたものを3人で制圧って無茶するわねぇ。駅で暴れるほうがまだマシだったんじゃないの?」
 運転席に置かれていたボストンバック、ファスナー空けてタイマー見遣り時間の余裕を確認し。
 苦しげに呻く信徒を追い詰める更なる一言。
「折角、こんなものまで作ったんだから。人殺しなら普通に駅において爆発だけで十分だったんじゃない?
 計画立てて実行しようとした勇気は凄いけど下手に目立とうとしたのが間違いだった、ってトコかしらね」
 作戦失敗、殆ど成果を上げられなかった信徒の心を抉る言葉攻め。
 センセーショナルな結果を狙った信徒は突きつけられた現実を前に、ただ頭垂れるしかできなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーファ・レイウォール
行動指針はWIZ
他の猟兵と連携をして行動

多くの人を助ける方法ね
ユーベルコードを使って、うちの別荘に避難してもらうわ

運転席への動線確保もしたいけど
同じ手段を取って避難させている味方がいれば、なるべく多くの乗客をユーベルコード製の『別荘』に避難させる様に行動するわ
避難の基本は、荷物は最低限
キーホルダーを見せながら
「死にたくないのでしょう? なら、落ち着いて抵抗しないでこれに触れて」
ある意味【言いくるめ】ていくわ


【高速詠唱】で風の魔法を用意しておくわ
内側を真空にした風の膜。
爆弾を見つけたら起爆されない内に、これで覆う
火花を散らさせないことで爆発を防ぐわ
【視力】で【見切り】が出来ると良いのだけど


ミスティ・ミッドナイト
交渉の余地はなさそうですね。こちらもその気はありませんが。

ステップ1:目立たないように車内に侵入。乗客をかき分け、対象に近づきます。
ステップ2と3:対象に接近したら【先制攻撃】。フック付きワイヤーで首を絞め【暗殺】を狙います。抵抗されたのなら近接格闘術(UC)で対抗、いざとなったらスイッチでドアを開き、外へ投げ飛ばします。
ステップ4:運転席まで行けたのなら、【操縦】技能で何とか停止させられないか試します。停止後は速やかに避難誘導。

無論、私達はテロに屈しませんが、それはつまり人質を見捨てるということではありません。1人ずつ確実に殲滅し、1人でも多く救出しましょう。
そのために私達がいるのですから。


姫咲・沙良
……思っていた以上に何の感慨もわかぬものです
いえ、何でもありませんよ

慌てず焦らず、猟兵の皆様の後に続いて車内へと突入します
まずは手近な中間の車両から。……阿鼻叫喚とはまさに此の事。あらあら大変な事態ですね

皆様のように力にも策にも秀でてはおりません
できることはこの身に宿りし異端なる光にて誘い惑わすことのみ

他の方々のお邪魔をせぬように内なる輝きを解き放って、車内の人々を【誘惑】

穏やかな笑みは絶やさず。柔らかなこの場にそぐわぬおっとりとした態度を崩さずに
怒れる方はやんわりとたしなめ。嘆く方には手を取り落ち着かせながら

車内の混乱を少しでも収めるように微力を尽くして、他の方々の行動の一助を担いましょう



●車両中央部の攻防
 車両停止の前に発生していた攻防がある。
 屋根を伝って4名の猟兵が移動する中、信徒が突入時点で開いたままとなっていた5両目、連結された運転席の扉を見遣り、屋根より滑り込むは3人の猟兵達。
 先頭のミスティ・ミッドナイト(霧中のヴィジランテ・f11987)に続いてリーファ・レイウォール(Scarlet Crimson・f06465)そして最後に姫咲・沙良(誘いて惑わす光・f13402)
 内部を見遣れば最初の襲撃、そして直後に信徒が暴れたのだろう、車両と車両の間、客室の混雑を避けたが故に悲劇に見舞われた5名の乗客が既に事切れ、地面に横たわっていた。
「……思った以上に何の感慨もわかぬものですね」
 どうしても止められなかった凶行、その現場を前にするも心波打たず、沙良が小さく呟き周囲を確認。
 5両目客室に信徒の姿はなく、4両目へ向かったのだろう、いまだ猟兵達の侵入に気付かぬ信徒が鈍器を振り上げる姿が見れた。
「こうも暴れられては交渉の余地はなさそうですね。こちらもその気はありませんが」
 信徒の行為を前にして嫌悪感を隠さぬミスティ。
 更なる犠牲者を生み出そうと、信徒が声をあげつつ鈍器振り上げ客室へと入り込むがその進軍はそこまでである。
「しぃいいいねぇ……ぐえっ!?」
 倒れ伏した乗客乗り越え、音もなく信徒に近づいたミスティがワイヤーを両手の間に展開。
 無防備な背面よりの接近から腕伸ばし、相手の首に引っ掛け両腕を交差。
 間抜けな悲鳴と共に信徒は四肢をジタバタさせて必至の抵抗試みるも、それを許さずミスティが更にワイヤー締め上げればその抵抗は徐々に弱まり、やがて動きを止めていた。
「お見事ね。それじゃ、あとは混乱を収めていくとしましょうか」
 信徒の暗殺、それを見届けたリーファが言葉を紡ぎつつ不自然に持ち込まれたボストンバッグを生み出した風で包み、他の信徒が事を起こせぬ様に起爆阻止。
 ピン、とキーホルダーを弾いて金属音を響かせば、4両目、大混乱の客室へと進み出て凛と通る声にて宣言。
「死にたくないのでしょう? なら、落ち着いて抵抗しないでこれに触れて」
 とまらぬ列車、眼前の凶行、そして信徒の殺害と続けざまに起こる非日常。
 そんな状況では落ち着くことも困難であったが、それを可能にするのが猟兵達の異能であろう。
「皆様、恐ろしいとは思いますがこの車両、実行犯はもう動けません。慌てず騒がず、電車が止まるまでお待ちくださいな」
 恐慌状態になりつつあった乗客へと投げかけられた、優しげであり、そして透き通った声。
 声の主は沙良であり、身より生じた光をもって乗客を誘惑すれば、震える乗客の手をとりリーファへ誘導。
 猟兵二人がかりとなれは流石の混乱も少しは落ち着き、恐る恐る乗客がリーファのキーホルダーへと手を伸ばせば瞬時に彼女の別荘へと転送。
 突然の消失に再度、他の乗客が混乱するも落ち着き払ったリーファが言葉を紡ぐ。
「ここより安全な場所へ向かっただけよ。今の人、ちょっとでてきてくれるかしら?」
 乗客への説明、その為に転送した乗客へと呼びかければ、言いくるめられた乗客が転送先の別荘より再度、客室へと姿を見せる。
 死ぬわけではない、そして脱線の危険もないと分かった乗客が、我も我もと押し寄せようとするのを静止しつつ、リーファは一人ずつ、荷物を最小限に抑えながら別送へと転送を続けていた。

 同刻、先の乗客を魅了した沙良は反転、5両目客室へ。
 4両目と違い、信徒の暴挙による死者、混乱はないもののとまらぬ車両に対しての恐怖、混乱があまりに酷く人々が口論する惨状。
「あらあら、此方も負けず劣らず大変な……阿鼻叫喚とはこのことですね」
 微笑みながら客室へのドア開き、突然の乱入者に驚く乗客の手をとり落ちつかせる。
 穏やかなる言葉によって乗客が落ち着き始めれば、それを起点に波紋が広がるかのように。
 彼女を見、紡がれる言葉を聴いた者達から順に喧騒は収まり始めていた。

 中央部分、最も被害の大きい場所ではあったがそれでも尚、猟兵達の活躍により犠牲者は最小限に止められ、爆発による被害もなし。
 最大限の成果を上げた中、列車は金属音を響かせながら緊急ブレーキ、二度ほど衝撃走れば線路上へと停止し、直後にドアが平かれていた。
「電車が止まりました。皆様、押し合わず開いたドアから順に避難して下さい」
 車両の停止に合わせてミスティが声をあげ、5両目、沙良の力で落ち着いていた乗客たちを順に混乱なく降車させていく。
 それと同時に自身も線路へ移動、混乱続く6両目、7両目の乗客を無事避難させるべく地を蹴り開いたドアの下へと向かえば、先ほどと同じく声をかけつつ無理に押し出された乗客を受け止め、安全な方向へ逃げるべく声をかけていた。

 テロに屈さず、それでいて人質も見捨てない。
 強き意思持ち苦難に立ち向かい、一人でも多くの民間人を救い出す。
 その思い、果たす為に猟兵達が集ったが故に掴んだ結果。

 1000名にも上る死者を出しかねない、事故と邪神の君臨による惨状を、僅か数名の被害に押し止めた。
 それこそが、力と意思持つ者達が、ここへと集った理由なのだから。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『黄昏の信徒』

POW   :    堕ちる星の一撃
単純で重い【モーニングスター】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD   :    神による救済の歌声
自身に【邪神の寵愛による耳障りな歌声】をまとい、高速移動と【聞いた者の精神を掻き毟る甲高い悲鳴】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
WIZ   :    黄昏への導き
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【自身と全く同じ『黄昏の信徒』】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 車両は完全停止、爆弾の起爆もできず殺せた乗客、乗員は併せて10名に満たぬ数。
 作戦の失敗を悟った信徒であるが、それでも尚、邪神の召喚、破滅の結末を諦めぬ点だけは評価できる所だろうか。
「ぎ、ぎぃいいい! おのれ、おのれぇえええ! 予定変更だ、一人でも多く、逃げる奴らを殺すのだぁ!」
 先頭車両より線路へはじき出された信徒が叫びを上げれば、殺された乗客、乗員が信徒へと姿を変える。
 力は劣るが、それでも混乱収まらぬ、逃げ出し始めた乗客殺すには十分すぎる戦闘力か。
 折角押し止めた犠牲者の数、ならばこれ以上増やすわけにはいかないと猟兵達は避難誘導続けつつ、逃げ惑う人々狙い先頭車両、最後尾よりは2名ずつ、中央からは5名飛び出した信徒を倒すべく行動を開始していた。
ミスティ・ミッドナイト
ほう、眼前の私達を無視するとは。まるで獣ですね。
後ろががら空きでは?

ステップ1:
すかさず【クイックドロウ】と【速射(UC)】で牽制射撃。そちらには行かせません。

ステップ2:
反撃されたなら【戦闘知識】【地形の利用】を活かし、攻撃を避けながら味方の攻撃の機会を作ります。

ステップ3:
混戦になったら【援護射撃】で味方を支援。1体ずつ確実に削っていきましょう。

正義はこちらにあります。
例え何体増えようが、一人残らず始末して差し上げましょう。


八条・麻乃
とりあえず。電車ってちょうど良い遮蔽物があるんだし、相手がどっちか片側に出てくるなら反対側に、両側に分散して出てくるなら速戦即決の各個撃破でしょうか。可能な限り仲間にもそれを徹底して貰えると嬉しいけど。ま、状況次第ね。

気持ちの良いモノ言いではないけど「悩んだり躊躇して被害が拡大するぐらいなら、速戦即決で被害を最小限に」するしかないし。良くも悪くも後手に回らざるを得ない以上、被害のことを考えるのは終わった後に。

電車の車内放送が生きてるなら「前方/後方の車両は、進行方向のどちら側が比較的安全か」とか放送しつつ、相手の妨害を。あと椅子を外すと脱出用のハシゴがわりに使えたりするから、その旨とかも?



「キィイイイイアァアアアアア!!」
 耳障りな叫び声、いや、それは信者にとっては寵愛授けし賛美歌か。
 常人ならば正気を失いかねないその叫びは、避難誘導に関して大きな妨げとなっていた。
「いやぁ、いやぁあ!」
「うう、あうううあ」
 線路に降り立てた乗客であったが信徒の上げる恐怖、絶望を掻き立てる絶叫。
 精神をかき乱されへたり込むもの、逃げるべき方向を見誤る者が出始めていたのだ。
「厄介ね、あの叫びは。車内放送かけたけど線路に行くと同時に混乱してるんじゃ大して効果はなさそうだし」
 忌々しげに線路上の様子を見遣り、麻乃が呟く。
 先頭、及び最後尾の車両では信徒が二人ずつ、同じドアから飛び出したことで反対側、車両を遮蔽物として扱い逃げる事が可能となっている。
 それを見て車内放送、犯人側とは別のドアから逃げるように誘導したが断続的に信者が纏い、そして発する叫びにて避難は難航。
「……椅子をはずして、梯子代わりにして降りてください。また、非常梯子が傍にある方はそれを使ってください。
 速戦即決の各個撃破、ね。悩んだり躊躇する暇はないわ」
 逃走の為、椅子を外して逃げるように、また非常梯子を使うように放送すればそこで電源を落とし戦術を確認。
 後手後手に回らざるを得ない状況、ならば被害の規模など考える前に行動をと自身も運転席から飛び出せば、モーニングスターを振るう信徒へ薙刀突き付け牽制を。
 ただの巫女だから手荒な事は苦手、そういった雰囲気ではあるもののなぎなたを頭上に掲げ石突で相手を狙う上段の構え。
 速攻を仕掛ける、攻撃的な意思を持ち信徒へと切りかかっていた。

「ほう、眼前の私達を無視するとは。まるで獣ですね」
 4両目、5両目付近で同刻信徒と相対していたのはミスティ。
 叫びを聞いて足竦み、歩みを止めた乗客狙い走り出した信徒の背部。
 敵対者ではなく一人でも多くの人間を殺そうとする信徒を狙い発砲すれば、背中に銃創、同時に振り向く信徒の姿。
「後ろががら空きでしたよ?」
 肩を竦めて嘲笑しつつ、ハンドガンを構えて状況確認。
 自身の立つ側に信徒は3人、恐らく反対側に回ったであろう信徒が2人。
 となれば手早く信徒を倒すか、無理ならばここで足を止めて前方、後方車両に向かわせないことが自身の役目。
「ィイイイアアアアアァアアアアアアア!!」
 意味不明な叫びを上げて突進する信徒、その動きを視認しつつ地を蹴れば反動にて敷石飛び散り、直後、彼女が立っていた場所にモーニングスターが命中。
 強烈な衝撃と共に全周へ敷石弾け、えぐれた地面はまるで何らかの爆発物が炸裂したかのような惨状を示していた。
「失礼します」
 無表情、されど礼儀正しく一礼して言葉を紡げば、直後に響く数多の銃声。
 秒間10発以上の銃弾をミスティが撃ち出せば、かわし切れずに信徒の衣服が朱に染まる。
 残る信徒がこれ以上戦えば、目的達成できぬと逃げる乗客追いかけて反転するが、それを是とせずミスティが銃口向けて再度発砲。
 信徒の足元、その敷石が弾け飛び意識を逸らせば、その間に叫びの影響から脱した乗客は走り出し大きく距離をとっていた。
「正義はこちらにあります。例え何体増えようが、一人残らず始末して差し上げましょう」
 リリースボタンを操作、空になったマガジンがグリップ部分から落下すれば取り出した予備のマガジンを差し込みつつ宣告するミスティ。
 血まみれの信徒、足を止められた信徒、モーニングスターを振り回し威嚇を続ける信徒、其々の動きに注意を払い、自由に行動できぬよう彼女は睨みを効かせていた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

四季乃・瑠璃
「最後尾の二人がわたし達の獲物かな?」
「遠慮はいらないね。これ以上犠牲者出す前に仕留めるよ、緋瑪」
「派手に殺ろう、瑠璃♪」

【ダブル】継続

【2回攻撃】K100を連射して足を止めさせ、こちらに注意を惹きつつ、閃光仕様のジェノサイドボム(以下ボム)を敵の眼前で起動。目晦ましを掛けたら、左右から手加減無しの【範囲攻撃】【鎧無視】【鎧砕き】接触式ボムを周囲ごと爆破する勢いで連続爆破。
敵の悲鳴は爆風で遮り、一撃対策に周囲に地雷代わりに感知式ボムを散布。
掻い潜ってくる敵は【見切り】【残像】で回避しつつ、K100の【クイックドロウ】と【毒使い】猛毒ダガーでカウンター、接触式ボムで吹き飛ばすよ。

※アドリブ歓迎



「最後尾の二人がわたし達の獲物かな?」
「遠慮はいらないね。これ以上犠牲者出す前に仕留めるよ、緋瑪」
 最後尾、飛び出した信徒と相対していた緋瑪と瑠璃。
 オルタナティブ・ダブルによって二人に分身、数的優位を持っていた相手と同数となれば、逃げる乗客へ迫る事を阻止することは可能。
「イィイイイイヒヒヒ、きこえる、キコエルゥウウ! 祝福のウタがぁアァアアア」
 悲鳴を上げつつ逃げる乗客の脚竦ませ、信徒がモーニングスターを振りかざして瑠璃と緋瑪に迫り来る。
「来た、派手に殺ろう、瑠璃♪」
 散開、それぞれが一人ずつの信徒を相手に真正面に飛び出せばハンドガンを連射。
 銃弾受けつつ止まらぬ信徒、その動きを阻害すべく瑠璃が左手から放り投げた小さな爆弾、それは敵の眼前にて炸裂。
 本来ならば爆風、破片で相手を圧倒するのが爆発物、されど今回彼女が用いたのは内部で強烈な発光をする、閃光仕様の爆薬。
「ギァアア、メ、メガァア!」
 強烈な閃光を至近距離にて受けた信徒、たまらずがむしゃらにモーニングスターを振り回すが既にその場に瑠璃はおらず。
「残念だけど、最後の言葉は聞いてあげないんだよ」
 見えぬ相手へにこやかに。
 笑みを浮かべて周囲に展開するのは多量の爆弾、接触、時限、感知と多種多様な爆弾が撒き散らされれば、闇雲に動いた信徒が起爆するのは当然の事。
 数多の爆音が響き、信徒の叫びをかき消し完全に沈黙させていた。
「近づいたって無駄だよ♪」
 爆風で一人がやられた際、もう一人と相対した緋瑪。
 振り下ろされたモーニングスター、その一撃を見切って半身をそらせば、上半身があった場所を鉄球が空しく通過。
 無理矢理軌道を変えようと信徒が腕を振り回すが、それより早く緋瑪が信徒へ密着。
「爆弾だけじゃないんだよ♪」
 ニッコリ哂い、毒を仕込んだダガーを逆手に持って振り上げ一閃。
 斜め上へと軌跡が走れば、信徒の衣が引き裂かれ、血を流す白き肌が露出していた。
「ま、最後は爆弾で締めるけど」
 そんな信徒へ追加の一撃、緋瑪が胸部に爆弾押し付け起爆すれば、信徒は大きく吹き飛ばされ。
 停止した車両へ激突、その動きを止めていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

姫咲・沙良
……申し訳ございません『天使様』
私の我が儘に付き合って下さったのにこのような幕引きとなってしまいまして

【誘惑】した方々に逃げ惑う人々の避難誘導をお願いして見送ると
傍らにある声なき姿なきおぞましき存在に語りかけ

数多の贄を以て喚ぶべき神に対する冒涜でしょう
これ以上の醜態は『天使様』の御目を汚します

やんわりとした笑みを浮かべ
信徒と化した方々へとゆっくりと歩み寄り
祈るように目を閉じて内なる光を解き放ち、包み込むように【誘惑】
ユーベルコードを封じて元の亡骸へと戻していき

既に贄はなく
術も力もなく
何を以て崇める神を喚ぶのでしょう?

一人残った信徒に笑みを絶やさずに語りかけ

狂える者よ
さぁ……その心の在るが儘に



「……申し訳ございません『天使様』
 私の我が儘に付き合って下さったのにこのような幕引きとなってしまいまして」
 4両目、5両目付近。線路に降り立ち虚空に向かい、自らに力を与えた『天使様』へ謝罪を述べる沙良。
 それが本当に天使なのか、はたまた醜き怪異であるか、それは今この場において重要な事ではない。
 必要なことは、与えられ、彼女が掴み取った力が今、ここで人々を生かす事に有用か否か、である。
「後ろの車両は、事が済んだようですね。では、あちら側へ逃げるようお願いします」
 信徒の叫びを聞き、錯乱始めた乗客へ誘惑を。
 恐怖、混乱を魅了の力で上書きし、ある程度動けるように仕向けた彼女は動けぬ乗客に肩をかし、後部車両側へ逃げるように通達する。
 しかしながらそれも中々事が進まぬ。
 やはり、精神かき乱す叫びが最大の障害か。
 されどいまだ一人の死者も増えていないのは、ひとえに初手、最初の信徒への攻撃で犠牲者を増やさなかったこと。
 そのアドバンテージは非常に大きく、殺せば殺すほど数増やし、犠牲者を加速度つけて増やす信徒の増殖を防げているといえよう。
「在るが儘に誘いましょう」
 被害者増やせず苛立つ信徒、その前へふわりと浮かび、レールの上へと降り立つ沙羅。
 怪訝そうに見遣る信徒を前にしてクスリと嗤えば、信徒の中に生じる殺意、敵意と違った別の感情、それは好意から派生する数多のものか。
 信徒へと姿を変えられた犠牲者であったが、既に魅了の手に落ち動きを止めた。
 そんな被害者へ沙良は一歩近づき、光を放てばそれに誘われ信徒も近づく。
 抱擁するよう相手を包めば、生じた光は信徒の体を包み込み、異形となった体は徐々に肉付き取り戻し、死したる乗客へと戻っていった。
「数多の贄を以て喚ぶべき神に対する冒涜でしょう。
 ですがこれ以上の醜態は『天使様』の御目を汚します」
 生贄求め、そしてその贄の姿を変えて自らの下僕と化すおぞましき『ナニカ』
 その神、邪悪なる本質隠さぬ存在へと語りかけ自らの力を示せば、いまだ得物を振り回し、惨劇引き起こそうと試みた首謀者たる信徒を見る。
「既に贄はなく。術も力もなく。何を以て崇める神を喚ぶのでしょう?」
 全ては封じられたとばかりの宣告。
 狂える者は心の在るが儘、如何なる手段で神降ろす。
 柔和な笑みを浮かべたままに問いかけようとも、自ら狂気へ堕ち、邪神の歌声纏って酔いしれた信徒が選ぶは、寵愛受けた歌声のままに暴れ狂い、死ぬまで戦う狂った選択。
 その決断を、大切なものを扱うように愛おしげに。それと同時に、弱者が破滅へ向かう道のり進む、その愚行を嘲笑うかのように。
 数多の感情読み取れる、そんな笑みを浮かべたまま、沙良は信徒を見つめていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

アイ・キャンディ
殺すのだあって、怖いこと言うなあ。
ダメだよ、そういうの。
もっとふわっと、ラインダンスとかで呼べる邪神ないの?

ペットボトルロケットで敵の空を飛び、空中にスタイラスペンで絵をかいて、それをユベコにして上から塗料を落とすよ。
さあ、世にも珍しい昼のオーロラでござい、ってね。

着地後はスケートシューズで敵の間を駆け抜け、信徒と逃げる人たちの間に入ろう。
拡声器を最大ボリュームにして爆音攻撃だ。
みんな、ちょーっと耳塞いでてね!!
ハンドメガホンには指向性あるし、たぶん大丈夫。たぶん。
耳痛い? うん、ごめんね?



「グギィイイ、ま、まだだ、まだイケニエがぁあ」
 邪神の歌声響く中、逃げ遅れた乗客たち。
 追い縋ってモーニングスターの一撃、ただその一撃を当てるだけ。
 それだけで新たな犠牲者が、そして新たな同胞が生み出され、数多の命を奪い去る、たった一撃。
 その一撃を許さぬと立ちはだかった猟兵を前に同胞倒され、自身も深手を負った信徒が憎らしげに声あげる。
「一人でもいい、殺せぇえええ!」
 痛みに震える体に鞭うち、自身を鼓舞して走り出す信徒。
 だがその進軍を阻む者が飛来したのはその直後。
「殺すのだあって、怖いこと言うなあ。ダメだよ、そういうの」
 ブシューッ、と気体と液体混合させた、そんなものが細いノズルから噴出す音。
 視線を上げれば空舞う影一つ、ペットボトルロケット背負い、噴射の圧力にて空を飛ぶアイ・キャンディ(顔のモニタは広告用・f06686)の姿があった。
 テレビウム故、30センチと小柄な体躯。だからこそペットボトルロケットの推進力でも空を飛ぶ。
 そのまま虚空でペンを引き抜き手を動かせば、動きに合わせ多種多様な色合い混じった虹の如き絵が浮かぶ。
「さあ、世にも珍しい昼のオーロラでござい、ってね」
 グラデーションをきかせた昼のオーロラ、空を彩るその塗料は一瞬の美しさを皆に見せるが、すぐに地上へ落ちていく。
 地へ落ちれば美しさは何処へいったか、交じり合った塗料がごちゃ混ぜ模様。
 そのまま地面を塗りつぶし地上に降り立つアイ、スッとメガホン引き抜けばローラースケートで敷石巻上げ滑走開始。
「みんな、ちょーっと耳塞いでてね!!」
 避難する乗客への注意喚起、同時に上空からの強襲にて対応できぬ信徒と乗客の間へと走り込めばハンドメガホンの出力最大、航空機の離発着、それを上回る激しい爆音を信徒へ向けて放っていく。
「うわっ、なんだこの音……」
「耳痛い? うん、ごめんね?」
 そのあまりの爆音、指向性を持たせて放った一撃ではあるが耳を塞ぎ、備えた筈の乗客ですら衝撃を受けたほど。
 ちょっと申し訳なさそうに、顔の画面にゴメンネ、みたいな顔文字浮かべつつアイがそのまま信徒への爆音攻撃を継続。
「グォァアアアアア!? あぁあ、歌が、祝福の歌が聞こえぬぅううう!」
 放ち続けた大音響。乗客の耳へのダメージと引き換えに、それは信徒が纏った邪神の歌声、その効果をも打ち消す力を発揮。
 耳の痛みに顔しかめるも、精神掻き毟る絶叫を打ち消し正気を取り戻した乗客たちが次々に離脱を始め、猟兵達が攻撃に加われば信徒が追撃へ回ることなど完全に不可能。
「これで終わりだねー。ラインダンスとかで呼べる邪神とかだったらこんな目にあわなかったんじゃない?」
 追い詰められた信徒に対し、呼び出す方法間違ったんじゃないかとアイが追い討ちかけるように語り掛ければ、最後の信徒が倒れ付した仲間の下へひた走る。
「ま、まだだぁ。まだ、終わりではないぃいい!」
 不完全ながら邪神を呼び出す、その為にこそ自らは在る。
 自身の破滅を厭わない、最後の抵抗が今始まろうとしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『残響の女神』

POW   :    信者の供物
自身の装備武器に【生贄になった者の身体部位の一部 】を搭載し、破壊力を増加する。
SPD   :    叫ぶ
【絶叫 】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
WIZ   :    凝視
小さな【狂気 】に触れた抵抗しない対象を吸い込む。中はユーベルコード製の【トラウマに応じてダメージを与える空間】で、いつでも外に出られる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はナハト・ダァトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「我等が神よ、我等を贄に! 新たな破滅と贄を!」
 信徒が自身の首へ刃を突き立て、糸が切れた操り人形のように崩折れる。
 それと同時に他の信徒の死体が重なり、異形なる女性の姿へ変貌していく。
「タリヌゥウウウウ、マダ、タリナイィイイ」
 不足を訴える、腹の底へ響き渡る異形なる神の訴え。
 その視線の先には車両強奪時に襲われ、犠牲となった者達。
 先の戦いにて信徒へ変貌させられ、死後の尊厳踏みにじられし犠牲者を新たな部品とすべく、不完全な体を引きずり動き始める。
 数多の犠牲者、それを受けて顕現すれば苦戦は必至だっただろう。
 しかし今、眼前に立つ邪神は猟兵達の戦いによって生贄得ることできず、無理矢理呼び出された不完全な存在。
 強大な邪神であろうと、力を発揮出来ぬなら此れまで信徒の動きを抑え込み、犠牲を最小限に食い止めた猟兵達が負ける道理など無い。
 新たな生贄求め動き始めた邪神を前に、己が武器を構えた猟兵達は攻撃を開始するのであった。
四季乃・瑠璃
【ダブル】継続
本体:緋瑪、瑠璃:分身、翡翠:人形

切り札シスターズ起動。第三人格の翡翠と三人で包囲し【範囲攻撃、2回攻撃、鎧無視、鎧砕き、早業】接触式ジェノサイドボム(以下ボム)で三人で爆破と【クイックドロウ、2回攻撃、鎧無視】K100で銃撃。

敵の攻撃はボムで迎撃と【見切り、残像】で回避。

最後は更に切り札、ジェノサイドノヴァを起動。翡翠が時間を稼ぎ、瑠璃と緋瑪の二人で【力溜め】魔力チャージ。超火力で仕留める

緋瑪「自分を犠牲に呼び出して、何がしたかったのかなぁ…あの人達」
翡翠「まぁ、理解したくもないけどね」
瑠璃「でも、後はこの邪神を殺せば終わり…行こう、緋瑪、翡翠」

※アドリブ歓迎


アネット・グラフトン
(おっと。派手に登場したとこだけど動きものろい今が狙い目。出し惜しみ無しでいくよ)

線路沿い、戦場を見下ろせる建物の屋上に陣取り、開幕からユーベルコード【ロックオン・ディスタンス】で狙撃。
第一射の命中確認前に再び多重ロック開始し、第二射を撃った後に物陰に移動。
(第一射後すぐに攻撃又は妨害が入る場合は即座に移動開始)

別の建物に飛び移って暫し身を隠した後再び狙撃を行う。
徐々に距離を詰めつつ射撃戦を展開。射撃時は【2回攻撃】で2射ワンセット。たまに単発等でリズムを変えて調子を狂わせる。

トドメをさせそうなら徹底的に攻撃し、動けなくなるまで破壊。
「この手のヤツは、念には念を入れないと」



 よろつきながらも進む残響の女神、歩む先には倒れたままの亡骸が。
 継ぎはぎ行い自身を強化しようと目論むが、それを阻止すべく二つ、いや、三つの影がその前へと立ちふさがった。
「っとぉ、そこからは通行止めだよ!」
「翡翠ちゃん、出番だよ♪」
 二つの人格を、分身する事で同時に行動、瑠璃と緋瑪のコンビがさらに自身と似通った人形へ第三の人格、翡翠を宿して独立行動。
 三方向から一気に接近、よろつく足取りの女神に対し容赦のない連携攻撃を放っていく。
「自分を犠牲に呼び出して、何がしたかったのかなぁ……あの人達」
 ふと浮かんだ疑念、それを打ち消すようにして緋瑪が真っ先に切り込めば、振り上げられた腕の合間を掻い潜り肉薄、ほぼゼロ距離にて女神のわき腹へ突きつけた自動拳銃、UDC-K100カスタムの銃弾を撃ち込んでいく。
 続けて聞こえた爆発音、それは側面に回りこみ女神の右腕に爆弾押し付けた翡翠の発破、その衝撃で体勢崩しよろめく女神を見下しながら緋瑪の疑問へ翡翠は返す。
「まぁ、理解したくもないけどね」
 冷たく言い放ち、しかしながら敵と味方の距離はかり、緋瑪と瑠璃、二人との連携考え距離をとる翡翠。
 そこに生じた空間目掛け瑠璃が接近、頭部目掛けて爆弾投げればその爆風にて頭を抑え、膝つく女神の姿があった。
「うん、けど後はこの邪神を殺せば終わり……このまま行くよ、緋瑪、翡翠」
 三人がかりの連携にて一気呵成に攻め立てる。
 このまま押し切ろうと瑠璃が更なる銃撃しかけるが、流石に邪神、そう易々とは倒れなかった。
「イィイイイイ、アァアアアアアアア!! ニエェエエエエエエエ!」
 耳をつんざく絶叫、一瞬動きを止めた三人を前に膝付く女神は立ち上がり、両腕広げラリアットの要領で襲い掛かる。
 咄嗟に伏せて回避をするが、叫びながら闇雲に長い腕を振り回し、地面をえぐった打撃の力はかなりのもの。
 放つ銃弾が体をえぐり、肉を飛ばすがダメージ気にせずごり押す猛攻、隙を作る必要感じ三人が距離を取ろうとした瞬間、数多の銃弾が女神の全身を捕らえていた。
「出し惜しみ無し、もういっちょいくよ、Fire!!」
 上空より聞こえた声、それと同時に再度の弾幕。
 視線を移せばビルの屋上、そこに陣取りアサルトウエポン構えたアネット・グラフトン(右脳系メカニック・f04736)がスコープから目を離し、隣のビルへと飛び移る姿が見えた。
 強引な召喚、それによって鈍った動き、生贄求め自らを強化しようと、手近な死体へ進む状況。
 生じた狙撃に優位な環境、その状況を完全に生かし、彼女は次なる射撃と仲間の援護、二つの役割を果たすべくビルからビルへと飛び移る。
 再度、彼女がスコープ覗けばそこに見えるは狙撃者たるアネットを見失い、闇雲に動き回る女神とそれに肉薄、銃弾と爆弾にて翻弄する3人の少女の姿。
「OKOK、これなら余裕で当てれるね! それじゃもう一回いくよ!」
 先ずは単発、脚部を狙って放たれた銃弾が女神の右腿貫けば無茶苦茶に動き回った代償か、よろけた体を支えようと両腕突き出す。
 その機を逃さずフルオート、数多の銃弾がつんのめって晒された無防備な背部に多数の銃創刻んでいけば、便乗した翡翠が女神の顔面付近、視界を奪うように爆弾を起爆。
「イィイイイイ、アァアアアア!」
 絶叫、しかしながら不完全な身故に本来ならば凌げた攻撃を防ぎきれず、痛みに叫ぶ女神であったがそれで事態が好転するわけもなく。
「この手のヤツは、念には念を入れないと」
 抵抗止まない女神を狙い、アネットが再度の銃撃。
 響いた銃声、それと同時に肉薄していた瑠璃と緋瑪。
 翡翠だけでなく、アネットの銃撃によって生じた時間、それを用いて魔力を高め、強力な威力を秘めた魔力爆弾、ジェノサイド・ノヴァを二人で掲げ、そのまま女神の胴部へと突きつける。
「これで!」
「一気に!」
「「吹っ飛べーっ!」」
 叫びと共に爆弾起爆、女神は閃光と爆風に飲み込まれ、その衝撃は線路に敷かれた敷石を大量に弾き飛ばす。
 轟音と共に舞い踊る砂埃が収まった、そこに残るは全身の肉がボロボロに焼け焦げ、銃創とも裂傷とも分からぬほどに傷塗れとなった残響の女神。
 流石に邪神か、何とかその頑丈さで耐え切るも既に満身創痍、戦闘継続は可能ながらもその戦闘力は、不完全に召喚された時を遥かに下回る、そんな状況に追い込まれていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

リーファ・レイウォール
ようやく動けるわね
待ってたのよ
だから、滅してあげる。徹底的にね

「凍りなさい」
【全力魔法】のユーベルコード
「片手でもいいのだけど」
両手の掌を向けて【2回攻撃】
「この世界に、あなたが存在しても良い道理はないの」
だから、冷徹で冷酷な瞳で射抜き――
「『滅びの風』をその身で受け止めなさい」
凍てつく風での【属性攻撃】

凍り付いたのなら、後は砕くだけよ
跳びあがり【空中戦】
大鎌を上段から振り下ろしての【衝撃波】と【吹き飛ばし】

敵の攻撃は【視力】と【聞き耳】に【戦闘知識】こ根拠にした【第六感】で【見切り】、【残像】で回避するわ



「待ってたのよ。だから、滅してあげる。徹底的にね」
 肉体崩壊始めた残響の女神、その不気味な姿を前にしてようやく動き、滅する機会到来とリーファ・レイウォールが強き怒りを抱き、されど冷静さを失わぬように。
 歩を進めればそれに伴いザリッと敷石、そして靴が擦れる音響き。
 苦悶に満ちた叫びを上げてのたうつ女神が動とするならば。
 落ち着き払い冷気を孕んだ彼女は対照的な静と言えよう。
「オオオオアアアアアアア!」
 絶叫上げて女神が地を蹴り、リーファを倒し己が肉体へ取り込もうと画策する。
 その叫び、そして眼球失い暗き穴なる眼光にて凝視をすれば、常人ならば狂気に触れて正気失い、女神の生み出す空間に誘われるが相手は猟兵。
 更には信徒の行為へ強き憤りと共に、冷徹な意思にて抗うリーファ。
 狂気に誘う事など出来ず、右手を正面に翳すリーファの前に屈する事となる。
「凍りなさい」
 魔力を一気に高めつつ、傷だらけの体から血液と、そして肉片散らして進む女神を見遣り。
 そのままそっと左手を、右手と同じ高さへ上げて。
「片手でもいいのだけど」
 そのまま両の掌を相手へ向けて。
「この世界に、あなたが存在しても良い道理はないの」
 迫る女神に対し、一歩も引かずに。
 冷徹、そして冷酷な瞳で射抜けば両手の魔力が一層高まり冷気が満ちて。
「『滅びの風』をその身で受け止めなさい」
 凍らせる意思が形となり、左右の掌から液体が凍結する程度、されど大気の水蒸気すら凍てつく刃と為る程の。
 呼吸すらも致命傷、生命活動が自らを傷つける行動へ変化する、そんな圧倒的な冷気の風を女神へ放つ。
「イイイイェエエエエアアアアアアア!」
 全身を苛む激痛、傷つき血液が噴出していた部位は血液が凍りつき、其処から内部の細胞が崩壊始める。
 至る場所が氷結し、動きの鈍った女神であるが無理矢理に突き進みリーファを討とうと画策するも、ふわりと空中へ飛び上がり、翼をはためかせながら起動を変える彼女を捉える事は適わずに。
 力任せに振り回す腕が残像をかき消すも抵抗はそこまで、リーファが引き抜いた黒き長柄に真紅の刃。
 命刈り取る死神の大鎌たる【Frisches Blut】が脈打つように鈍く輝き。
 振り下ろしと同時に生じた衝撃波、刃の斬撃と共に放たれたその一撃は凍てつき凝固した肉体ではとても耐えれるものではなく。
「亡骸は、家族の元へと送り届けたいからね……あなたの一部にさせるわけにはいかないのよ」
 チラリと見遣るは犠牲者、信徒との戦いの最中、仲間の攻撃により信徒の影響から開放、元の姿を取り戻した人々の亡骸を。
 死して尚、利された人々の尊厳を更にまた踏みにじらせるわけにはいかぬと続けざまに攻撃繰り出せば、女神の右腕は肘から先が失われ。
 左大腿部は凍り砕け、その歩行能力を大きく減じ。
 残響の女神は最早息も絶え絶えに、脚を引きずりまだ動く左腕を振り回し。
 意味の分からぬ絶叫繰り返し、弱き抵抗続けるだけの存在に成り下がっていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミスティ・ミッドナイト
ふむ、まだ息をしているとは。頑丈ですね。
そこまでして何を為さりたいかは謎ですが…善良な方々を嬲ることで叶う願いならば、それは悪です。悪…悪は殺さなくては。
(車両襲撃時に犠牲となった人たちの為に、軽く目を瞑り――)
…貴方が生きていることが既に死者への冒涜です。
速やかに終わりにして差し上げます。

ステップ1
グレネードランチャー(UC)で40mmグレネード弾を撃ち込む。

ステップ(手順)はひとつ。
失礼します。



「ふむ、まだ息をしているとは。頑丈ですね」
 よろめく残響の女神、その満身創痍の姿を見つつ、感心しながらもこれ以上の生存を許さぬと進路に立つミスティ・ミッドナイト。
 その手に持つは携帯式擲弾発射器、所謂グレネードランチャーと呼ばれる代物。
「そこまでして何を為さりたいかは謎ですが……善良な方々を嬲ることで叶う願いならば、それは悪です。
 悪……悪は殺さなくては」
 悪人を殺す事により善良な人々を救う、凝り固まった彼女の行動理念。
 強き意志を押し通す、それを体現したかのような武装であった。
「アァアアアアア、オオオアアアアア!!」
 響き渡る絶叫、機能しなくなった右腕を引きちぎり、左手に持つことで手持ちの打撃武器とした女神がよろつく足取りで進み出る。
 見苦しき姿に何の感情も抱かずに、しかしミスティはそっと瞳を閉じて思いを抱くは、信徒の襲撃にて救う事ができず、命を落とした犠牲者たち。
 戦闘の最中、僅かな時であったが黙祷捧げ、瞼を上げればその瞳には強き力が篭っていた。
「…貴方が生きていることが既に死者への冒涜です。速やかに終わりにして差し上げます」
 腕を持ち上げ銃口向けるは迫る残響の女神、その胴部。
 成すべき事はただ一つ、この榴弾を確実に叩き込む、そのワンステップ。
 引き金引けば手に来る衝撃、まっすぐに射抜く視線のその先目掛け飛翔する40mmグレネード弾。
 着弾、一瞬の閃光と同時に響いた爆発音は崩壊寸前の女神の体を跡形もなく吹き飛ばし、地面をえぐり敷石飛ばし、邪神たる残響の女神がここに存在していた、その痕跡すら完全に消滅させた。
 後に残るは、破損した電車の車体、捻じ曲がり破損したレール、撒き散らされた数多の敷石。
 それらが戦いの激しさを物語る、そして邪神と信徒がここに存在していた、その証拠となるのだが。

 それらの証拠も、UDCの存在を知られぬ為に、UDC組織が手早く処理するだろう。
 今回救われた人々もまた、情報統制によって記憶を曖昧に、都合よく変えていかれることだろう。
 しかし、ただ一つ。
 数多の命が猟兵の活躍により救われた、その事実だけは変わることはない。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年03月09日


挿絵イラスト