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羅針盤戦争〜カルロスのコスプレコレクション・宇宙編

#グリードオーシャン #羅針盤戦争 #七大海嘯 #カルロス・グリード #オブリビオン・フォーミュラ #四の王笏島 #カルロスのコスプレコレクション



「こうも早く我が四の王笏島が発見されるとはな」
 無機質な部屋の中、見目麗しい男が衣装棚を開く。
「星海、銀河、スペースシップ……海に船が浮かぶなら海賊の領域。我が手中にあって何ら不思議はない」
 その中から、白い鎧にも似た特殊スーツを取り出し身に纏う男。
「素晴らしい。一見動き辛く重厚ながらむしろ体の動きを補助し、裸以上に軽い気すらする。着るだけで脳に瞳が開いたかのようだ。その機構を収めるためのこの仕立て、これを滑稽と笑うのならそれは不明と言うものだろう」
 知らぬ世界のものだろうと使えるのなら受け入れる。柔軟な思考を持つ新しき時を見る王の姿がそこにあった。
「では、客人をお迎えするとしよう。カルロス・グリード、出航……いや、出撃する!」


「皆さん、お疲れ様です……今日も、羅針盤戦争の、依頼です……」
 アレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)が集まった猟兵に頭を下げる。
「本日はオブリビオン・フォーミュラのカルロス・グリード、その本拠地の一つである四の王笏島へ向かっていただきます」
 それは最初に発見された彼の本拠地であり、スペースシップワールドの力を持つ島。
「ここで皆さんは彼と戦っていただきます。彼は強敵の例に漏れず先制攻撃を仕掛けてきますので、『必ず』それに対処してください」
 もちろん敵の攻撃に対処するのは当然のことだが、こと今回はその部分を強調している。
「彼はスペーススーツ『白騎士の鎧』を着用し、その力によって『未来を操る力』を得ています。これと自らの実力を合わせ、こちらを確実に仕留める必殺の一撃を放ってきます。もし対処を怠れば、一撃のもとに倒されてしまうでしょう」
 かつて一部のフォーミュラや上級オブリビオンが使った、対処せねば負けが確定する一撃。しばし鳴りを潜めていたその攻撃を、彼は用いてくると言うのだ。
「彼は貫通レーザーやドローンによる高速シミュレーションからの行動の予測、予知の上あえてこちらに動かせることでのカウンターを使ってきます。まずはこれをどう対処するか、お考えください……もちろん、躱せたから勝利と言うことはありません。その後も高い実力を持って攻撃してきますので、しっかり戦わないと結局は負けてしまうこととなるでしょう……」
 スーツ頼み、先制頼みと侮れば地を舐めるのは結局こちらということだ。
「彼を倒してもこの島を解放は出来ませんが、代わりに彼がスーツのメンテやデザイン考案などに使っていた島が一つ解放されます。もし平和になった暁には行く機会があるかもしれませんので、よろしければ……」
 アレクサンドラはそう言うと、四の王笏島までの航路を取った。


鳴声海矢
 こんにちは、鳴声海矢です。海賊と言われるとネタ衣装ですがイケメンパイロットと言われると途端にしっくりくるのは言葉の魔力。
 今回のプレイングボーナスはこちら。

『プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。また、しない限り必ず🔵🔴🔴苦戦か🔴🔴🔴失敗になる』

 先制攻撃を行ってくるのは各種強敵と同じですが、それに対処しない場合それ以外の行動に関わらず必ず苦戦もしくは失敗となります。もちろん対応自体が適切でない場合も同様です。
 指針としましては、先制攻撃に対応していない、または対応不十分なプレイングは基本不採用。🔵の数が足りない場合苦戦を採用し調整。完結分の🔵が確保できる前に四の王笏島が落ちた場合は失敗を採用しシナリオを終了させます。
 また複数UCを使った場合それ全部の分だけ対処を要求いたしますので、本シナリオにおいては特に非推奨です。
 さらにこのシナリオは『やや難』となります。先制攻撃後も強敵との戦いとなりますので、そちらもしっかり戦闘を行ってください。
 色々注意点が多いシナリオですが、皆様ならきっといなしてくださると信じております。
 ちなみにカルロス氏は割とノリノリでこの服を着ており、本人はかなりかっこいいと思っております。文字数が余ったらいじってあげてもいいでしょう。
 それでは、未来さえ覆すプレイングをお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『七大海嘯『四の王笏』カルロス・グリード』

POW   :    収束する運命の斬光
【対象の未来位置へ放たれる貫通レーザー】が命中した対象を切断する。
SPD   :    ディアブロ・オーバーブースト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【纏う白騎士の鎧による未来予測】から【判明した敵の攻撃を回避し接近、光剣の斬撃】を放つ。
WIZ   :    デストロイマシン零式
戦闘力のない【66機の動画撮影ドローン】を召喚する。自身が活躍や苦戦をする度、【正確無比な未来予測シミュレーション】によって武器や防具がパワーアップする。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
霧沢・仁美
この能力、もしかしてディアブロ…!?
あの時も勝てる気のしない相手だったけど…

ううん、弱気じゃいられない。
ここまで来たんだし、やってみる!

何はともあれ、呼び出されてくるドローンへの対応が必要だよね。
サイキック・バスター・ウェーブの【範囲攻撃】で、周りのドローンを片っ端から叩き落としていくよ。
これは同時に、攻撃を仕掛けようとしているカルロスへの牽制も兼ねる。
範囲攻撃の届かない距離のドローンは【衝撃波】やワイヤーロープの【投擲】で破壊を狙うよ。

そうしてドローンを全部落としたら、カルロスと本格的に交戦。
攻撃を仕掛けようとしてきたところにサイキックブラスト!
高圧電流で鎧にもダメージを与えられればと!



 カルロス・グリードが纏う白いスーツ。それは古参の猟兵には忌々しい思い出として記憶に刻まれているものであった。
「この能力、もしかしてディアブロ……!? あの時も勝てる気のしない相手だったけど……」
 霧沢・仁美(普通でありたい女子高生・f02862)も、またその姿に見覚えがあった。未来を見る能力を持ち、一方で自らに組み込まれた『デストロイマシン』の欠点さえ理解し己を戒める心を持った鋼の武人。
 その前に、多くの猟兵が苦杯をなめさせられた。結果的に倒すことに成功したとはいえ、その存在をトラウマとして抱える者も少なくはない。
「ううん、弱気じゃいられない。ここまで来たんだし、やってみる!」
 それでも、猟兵全体も強くなっているし、自分もここまで戦い続けてきたのだ。ここで怖気づくわけにはいかない。仁美は覚悟を固め、己の武器を構えた。
「ふむ、貴様はどう出るつもりか」
 カルロスは値踏みするように言いながら、彼の白騎士と同じように66基のドローンを全体に展開した。己の周りを取り囲むドローンに、仁美は物質化したサイキックエナジーで作られた銃『サイキック・バスター・ウェーブ』を向ける。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
 掛け声と共に破壊の力と化した波状のエネルギーをドローンに向かって射出する。その動き方から広範囲を撃つに適した射撃は、戦闘能力を持たないドローンを次々と破壊していく。
「やはりそう来たか。これで破壊されるは35機。半数を超えこれ以降の未来予知に支障が出る。そして貴様は残るドローンもすべて破壊しようする」
 カルロスはそう言いながら、素早く大回りに仁美の側面に回り込んだ。その前では、カルロスの言った通り仁美が銃撃以外の衝撃波やワイヤーロープの投擲で残るドローンを破壊していた。
「そしてその射撃の目的はドローン破壊の身にあらず。我を牽制しドローンにかまけているうちに攻撃されぬための防壁として使う腹とも見える。よく考えているな」
 サイキック・バスター・ウェーブの射角はドローンの方のみを向いていない。仁美の前方からやや側面にまで攻撃を撒き散らし、その間合いに不用意に踏み込めないように散発的な射撃を行っていた。
 だが、どこ辺りまで攻撃が届くのかはカルロスは事前に予知し知っている。それ故、彼は仁美がドローンにかまけている間にそれよりさらに広く回り込み、仁美の側面、そして後方にまで移動していた。
「そして、ドローン全てを破壊し終えた貴様は我に向かおうとする……!」
 完全に背後を取ったカルロスは、一足に仁美へと踏み込み、その背中に拳を突き出した。元より彼にはオブリビオン・フォーミュラとしての高い力がある。特別な武器など持たなくても、隙を突けばその力だけで猟兵を屠ることも容易い。
 その一撃を、ドローンを落としつくした仁美が振り返り、とっさに構えたサイキック・バスター・ウェーブで強引に受け止めた。
「全部お見通し、ってことだね……」
 その強烈な力に、仁美は体勢を崩されかける。直撃こそ避けたが、伝わる衝撃だけで全身が痺れ、重さのかかった関節が軋んだ。このまま圧し切られてしまえば、最早予知も何もない圧倒的な暴力で叩き潰されるだろう。
 それだけはなるものか。仁美はその一心で、サイキック・バスター・ウェーブwp手放しながら横にずれた。
「そのスーツ、壊させてもらうから!」
 そして抱き着くような姿勢で両手をカルロスに差し出す。その手から流れる高圧電流が、【サイキックブラスト】の一撃となって機械製のカルロスのスーツへと流し込まれた。
「ぐぅぅっ!?」
 その電流はスーツ伝いにカルロスの体を駆け巡り、その動きを鈍らせた。予知を操るカルロスらしからぬ被弾。
 それもそのはず、彼の今の予知はドローンによるもの。それを破壊しつくされれば、その先の未来を彼は見ることは出来ないのだ。故に、ドローンのなくなった後の攻撃がいかなるものか、彼は予想できなかった。ましてや銃をはじめ飛び道具を用いるものが直に掴みかかってくるなど。
 戦中の奇襲という一手により、仁美はカルロスの足を止めることに成功した。未来を越える戦いが、ここに始まったのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

ローゼマリー・ランケ
※共闘・アレンジ・遊び等可

「ベル、提案してなんデスガ、上手くいきますかネェ?」
「敵を騙すにはまず味方からとは言いますが……頼みますよロミィ」

相手の先制への対策として
ロミィとベルの人格(以下、甲・乙)を不規則に入れ替え続けながら接近し
相手の行動予測の阻害を狙う

甲はフィジカル頼りで【野生の勘】【第六感】【怪力】
乙は煙玉等の道具を駆使し【投擲】【見切り】【目立たない】
をそれぞれ活用して対応する

先制への対応が成功したならUC発動し戦闘へ
人格の切り替えの効果が望める様なら継続する

「ンー、男性の魅力は顔や装備で無くて肉体美デショウ?」
「いいえ、理知的で誠実な人柄です……何にせよ該当はしませんね」



「ベル、提案してなんデスガ、上手くいきますかネェ?」
「敵を騙すにはまず味方からとは言いますが……頼みますよロミィ」
 未来を見る白騎士を前に、ローゼマリー・ランケ(ヴァイスティーガー&シュバルツシュランゲ・f01147)は会話をする。だが、その場には彼女一人しかいない。何かの独り言か。
 その目の前で、カルロスは新たなドローンを展開しローゼマリーの動きを計算する。だが、その予測結果を見た途端、カルロスは眉を顰めた。
「何のつもりだ? この動き……」
 予測の中のローゼマリーは真正面から受け止めようと構えたかと思えば煙幕を張り回避の姿勢を整えるなど、およそ合理的とは言い難い動きをとっている。何のつもりか、あるいはただとりあえず出来そうなことは全部やっておきたいだけの場当たり的な行動か。
 ともあれ、一貫性が持てないならさっさと叩き潰してしまおうと、カルロスは構えを取る段階のローゼマリーに向かってその構えの隙となる部分を見極め襲い掛かった。
 だが、ローゼマリーはそうされた途端に煙幕を張り、その中へと逃げる。煙幕を張られること自体は分かっていたカルロスは、そのまま相手を捕まえんと中へと踏み込んだ。
 だが、その予知は不都合な未来をカルロスに続けて見せる。己の腕が捕まれ極められる未来。果たして、それを現実にせんばかりにローゼマリーの太い腕がカルロスの腕を捻りあげた。
 ならば己の力で返してくれよう。そう腕を逆に回した瞬間、ローゼマリーはせっかく極めた腕を話し再び煙幕の中へと消えた。
「何のつもりだ、貴様……!」
 訳の分からない行動にカルロスは苛立つ。掴まれて分かった、あの相手は決して弱いわけではない。なのにこの不合理極まる動きは何だというのだ。
 その答えは、ローゼマリーの中にいる二つの人格。『ロミィ』と『ベル』の存在。二人は交互に体の主導権を切り替えながら、真逆とも言えるそれぞれの得意戦法を繰り返しカルロスに当てていたのだ。
 予知はただ『視る』だけであり、その意味は自分で考えなければならない。先に見ようと、意味の分からないものは現実になるまで分からないままなのだ。
 ネタばらしをしてやる義理はない、とばかりに、ロミィを主体にローゼマリーは全身に己の古傷を浮かび上がらせる。
「私の全てを掛けて、アナタも傷跡の一つとシマショウ」
 【蛮族戦士の傷跡】の力を持って、ローゼマリーは煙幕の中カルロスへ猛然と襲い掛かった。
「……来るか!」
 その動き自体は予知の内。カルロスはその拳を受け止め、自らも腕を突き出しローゼマリーを貫かんとした。
 ローゼマリーの分厚い筋肉を鋭い一撃が裂き、その身に新たな傷を刻む。だが、それよりも深く、ローゼマリーの丸太の如き腕がカルロスの体にめりこんでいた。
「がっ……!」
 そのあまりに早い……ロミィの力をベルの判断力に動かさせた一撃に、カルロスの膝は折れた。
「ンー、男性の魅力は顔や装備で無くて肉体美デショウ?」
「いいえ、理知的で誠実な人柄です……何にせよ該当はしませんね」
 それぞれに理想の男性像を語るロミィとベル。だがいずれにせよ、細身で顔がよく衣装持ち、だがグリードオーシャンを支配する巨悪であるカルロスは対象とはならないものであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

トリテレイア・ゼロナイン
その鎧の力…かの世界出身の者として振るわせる訳には参りません
四の王杓、折らせて頂きます

※キャバリア・ロシナンテⅣ搭乗

…他の四の王との交戦で使える装備が払底しているのです!

SSW対レーザー反射処理施したキャバリア用の大盾投擲
純粋な質量との合わせ技でレーザー盾受けと同時、回避強要

背部コンテナから催涙手榴弾●投擲
煙を戦場に満たし●目潰しと同時、王の生身の身体の生理現象で予知による行動阻害

先制で損傷したⅣから脱出
UCで持たせていたキャバリア用ガトリング砲を●怪力で持ち運用
煙の中センサー情報収集で位置見切り回数5倍、移動力半分
未来予知が無意味に成る程の弾幕密度で攻撃

騎士の戦い方で無くとも…必死なのです!



 白騎士を模したスーツを着込んだカルロスの前に、真なる宇宙の白騎士が立った。
「その鎧の力……かの世界出身の者として振るわせる訳には参りません。四の王杓、折らせて頂きます」
 キャバリア、『ロシナンテⅣ』に搭乗したトリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)。己を紛い物と称する彼ではあるが、その心情、姿勢は少なくとも目の前の悪逆の徒よりははるかに騎士の名に相応しいと言えた。
 そのような彼だからこそ、カルロス・グリード、とりわけこの四の王笏は許して置ける存在ではなく、幾度となく討伐に赴いていた。その多くで目覚ましい戦果を挙げた彼だが、決して無傷でそれを成し得たわけではない。
「……他の四の王との交戦で使える装備が払底しているのです!」
 ここまでの戦いで、四の王笏戦に用いた彼の装備は大部分が消耗しきっていた。ならば他の装備で間に合わせるしかない。トリテレイアは残る装備の中から最適なものを探し、この場へと持ち込んできた。
 そのトリテレイアに、カルロスは真っ直ぐ貫通レーザーを放つ。対象の位置を予知し放つレーザーではあるが、相手が動かないならその場で直線的に放つしかない。こうなれば、もはやただの早撃ちの光線に過ぎない技であった。
 そのカルロスに向かい、トリテレイアは重質量大型シールドを思い切り投げつけた。キャバリアサイズの超大型シールドは、トリテレイアをすっぽりと覆う遮蔽物となってカルロスへと襲い掛かる。カルロスの放ったレーザーは、その盾に真正面から突き刺さった。
 対ビームコーティングを施したその盾はレーザーのほとんどを反射し、散らす。さらにその圧倒的質量は、カルロスの方へその場から動くことを余儀なくさせた。
 しかし、散らなかったビームはロシナンテⅣに突き刺さる。大きく弱体化されているはずのそれは、それでもロシナンテⅣの駆動部を切り裂き、罫線能力を大きく奪い去った。
 一方カルロスもビームに力を注いだ故殴り飛ばすほどの余力はない。横へと大きく動きその盾を躱すカルロス。その先に、ロシナンテⅣから飛び出した生身のトリテレイアが肉薄した。
「その肉の体……利用させていただきます!」
 自分さえも巻き込まれない距離で催涙手榴弾を爆発させるトリテレイア。分かっていようと避けも耐えもできない生理現象が、カルロスの動きを否応なしに止めた。
「私は所詮、紛い物の機械騎士なのです……!」
 自嘲の言葉と共に構えるのは、キャバリアからもぎ取ってきた超巨大ガトリングガン。
「騎士らしい武装ではないどころか、メーカーの保証外使用……致し方ありません」
 自身と接続し、その重さ故移動力を犠牲にしながらも発射数を五倍に強化して放たれるガトリング砲。後ろのロシナンテⅣは貫通したレーザーでも損傷を負って動けない。最早自分自身でこれを撃って敵を滅するしかない。
 未来予知が無意味に成る程の弾幕密度で、圧巻の攻撃がカルロスを打ちのめした。
「勿体ない、折角、そのような素晴らしいものを纏っているのに……!」
 その騎士らしからぬ動きに、カルロスはそう残念がる。やはり白騎士の装いを気にいる彼にとっては、トリテレイアやロシナンテⅣの外観は好ましいものなのだろう。
「騎士の戦い方で無くとも……必死なのです!」
 数多の感情を込め、トリテレイアはガトリングガンを撃つ。その姿は、例え如何な戦法、如何な武装を用いていようとも、悪を挫いて弱きを助ける、物語の誇り高き騎士に劣らぬ美しいものであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

虹月・天柳
回避の先すら読まれるか。だが……此方の対応策迄は読めんようだな。

俺自身と「ヴィトニール」は共に。「ウト」だけを別行動。
大方俺を狙ってくるのだろうから、撃たれた瞬間UCの発動条件を整えつつ、身体の移動は「ヴィトニール」に任せる。【怪力】を利用すれば運ぶ程度は訳ないだろう。
受けた敵UCを「ウト」の義体から返して、一転攻勢に移る。
「泡影の燈籠」で視認できる現在位置を誤魔化しながら【残像】、「ウト」と「ヴィトニール」をけしかけ、氷結と雷撃の【属性攻撃】術で動きを抑えつつ2体に殴らせる。



 対応を誤れば即座に敗北に追い込まれるカルロス・グリードの未来予知。その力は余りに圧倒的ではあるが、決して万能ではないと虹月・天柳(人形憑かせの悪魔遣い・f30238)は見抜いていた。
「回避の先すら読まれるか。だが……此方の対応策迄は読めんようだな」
 そう。カルロスの予知は攻撃に対応した回避や反撃まで読み、それを潰す。だが、その一手目が潰されることを前提としたさらなる返し手まで読み切ることは出来ないのだ。そこまで読まれてしまうのなら、最初からグリモア猟兵はここへ猟兵を向かわせてなどいない。予知は猟兵の力で打ち破り得るものなのだ。
 その考えの元、天柳は二体の義体『ヴィトニール』と『ウト』を従えカルロスへと挑んだ。
「ふむ……そうか、その木偶と連携を取って攻めてくるつもりか。とはいえ操作主は貴様だろう。それをどう受けるつもりか?」
 そう言いながら天柳の攻撃を待つカルロス。ならばとウトを遊撃の如く回り込ませつつ、ヴィトニールと共に、天柳はカルロスへと攻めかかった。
 最初の一撃、それは最初から交わされることが分かり切っているもの。だから本気では撃たない。即座に天柳は脱力し、ヴィトニールに自信を抱えさせた。ヴィトニールは天柳を抱えたままカルロスに近づき、その手で彼を打ち据えんとした。
「分かっている……躱して反撃だろう? だがな……!」
 その攻撃を難なく躱し、いつの間にか抜いた光の剣で光速の斬撃を放つカルロス。その斬撃は予想通り天柳を狙い放たれた。だが、唯一予想と違ったのは、それがヴィトニール諸共天柳を切り裂かんとした所だ。
「……!」
 その予想の外の動きに天柳は一瞬身構えるが、ここで力を入れてはならない。内心でヴィトニールに謝りつつ、彼を貫く斬撃をあくまで脱力したまま天柳は受け入れた。
「反転せよ 此は鏡 其は汝が身に落つる刃」
 光の斬撃は、天柳の体に触れた瞬間その鋭さを失い、ただの光でしかないかのようにその体をすり抜けた。
 そして一瞬後、その光はまるでワープでもしたかのように、真後ろからカルロスを切り裂いた。その発生元は、いつの間にか後ろに回り込んでいたウトだ。
「……なるほど、遊撃か何かと思っていたが……そういうことか!」
 天柳さえ倒せばと放っておいたウトこそが攻撃のキーパーツであったことに歯噛みするカルロス。己の力を己に返され、その体は大きく揺らぐ。
 ここからは、天柳が攻勢をかける時間だ。
 天柳は青紫の光を放つランタン『泡影の燈籠』を掲げ、自らの幻影を出しながらカルロスへ攻めかかる。予想外の事態にヴィトニールは戦闘不能にされてしまったが、その穴を埋めるかのように、ウトが氷結と雷撃の属性をその身に宿しカルロスへ殴り掛かった。まるで相棒の仇を取るかの如き連撃に、カルロスの姿勢はさらに崩れる。
「くっ……木偶、が……!」
 カルロスは殴り返そうとするが、それは泡影の燈篭が作り出した幻影を貫くばかり。この状況になっては、最早予知は役に立たない。
 悪魔の宿りし人形の悪魔の如き殴打が、未来を見誤った王を打ち据えるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
共闘×
グロ×
SPD

この状況でマダガスカル(まだ助かる)とお思いで?
私はドゥルール。
オブリビオン救済を掲げる者です

未来予知からの反撃に小細工は通用しないわね。
守護霊の【ドーピング】で戦闘力を高め
夜魔の翼の【空中戦】で正面から抱き着くわ

未来ばかり見ていては
私を捉える事は出来ませんわ

彼の反撃を【第六感・見切り】で察知し
【オーラ防御・激痛耐性・気合い】で耐え
『無情なる刻』で19.6秒の時間停止

止まった時間を認識できるのは私だけ。
【呪詛・マヒ攻撃】を籠めた包帯で【捕縛】
更に【怪力】で抱きしめ
頬にたくさんのキスマークを付け【生命力吸収】

これは貴方と貴方の奥様を救う為に必要な事。
急所(唇)は外しておきました



 王を名乗るカルロス・グリードの前で、ドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)は恭しく、しかしどこか不遜な態度を含めて彼に一礼した。
「この状況でマダガスカル(まだ助かる)とお思いで? 私はドゥルール。オブリビオン救済を掲げる者です」
「そう言った弁は我の趣味ではない。『三つ目』あたりにでも言ってやれ」
 ドゥルールのジョークを固い顔で流すカルロス。所によっては冗談のような行動をとる場合もあるカルロス・グリードの分体だが、ここの彼は駄洒落の類は好みではないらしい。
 最も、好みに合おうが合うまいが取るべき行動は変わらない。敵の攻撃を予知し、それを外して切り裂くのみと、彼女の動きをスーツに分析させその攻撃を予知した。
 それによって導き出されたのは、自身に組み付いて直に生命力を吸い上げようとするドゥルールの動き。
 未来を見ることのできる自分に組み付くつもりか。その動きを内心で嘲りながら、カルロスはドゥルールを待ち受けた。
 そして予知の通り『夜魔の翼』を広げ、守護霊を宿しカルロスへと飛び掛かるドゥルール。その動きを余裕をもって躱し、カルロスは光の刃でドゥルールの胴を横薙ぎにした。
 躱され、反撃される。ドゥルールの方でもそれはあらかじめ分かっていたこと。だからこそ、その一撃を耐えるためにどこから斬られるかを相手の動きから直感的に見極め、そこにオーラを集中させることでそれを抑え込まんとした。
 だが、フォーミュラの力にて放たれる斬撃は早く鋭い。高い力を持つ彼女が張ったオーラですら易々と貫き、体に食い込んで痛みでその気合いすらくじけそうになる。
 それでも、ドゥルールは態度を崩さずカルロスに語り掛けた。
「未来ばかり見ていては私を捉える事は出来ませんわ」
 負け惜しみを。カルロスがそう思ったその瞬間に、ドゥルールは彼の体にしがみついていた。
「な……!?」
 スピードではない。テレポートですらない。一瞬にすら満たない間に、この体勢に持ち込まれていたのだ。
 驚愕するカルロスの体ががくりと折れる。その体からは、尋常でない量の生命力が抜き取られていた。
「未来さえ、私には追いつけない」
 いつの間にか衣装の変わったドゥルールがそう言う。その纏うドレス、それこそがこの異変の理由。【無情なる刻】による時間停止の力を込めたドレスだ。
 未来とは先の時間。たとえ読めていても、時間が流れなければそれが来ることはない。寿命と引き換えに得た己だけが知覚できる19.6秒、その間にドゥルールはマヒの力を持つ包帯でカルロスの自由を奪い、その体を抱きすくめ生命力を吸い上げたのだ。
「これは貴方と貴方の奥様を救う為に必要な事。急所(唇)は外しておきました」
 そう言って『もう一度』、ドゥルールはカルロスの頬に口づける。そこには時間停止中に着けた無数のキスマークがついていた。
「そう思うなら、こういうものを残すな……! あれの執念深さを知らんからそういうことが……!」
 自分の頬についたものに気づき慌てるカルロス。それは敗北への恐れか、あるいは愛の深すぎる妻への畏怖か。
 ともあれ吸った生命力で動けるだけの力は確保した。グリード夫妻との次なる邂逅を思い、ドゥルールは今だマヒの残るカルロスから離れるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ミレア・ソリティス
任務を了解、ミレア・ソリティス…出撃します。

敵先制UCに対しては回避を放棄、《ジャミング》粒子を散布するミサイルを放ち、敵攻撃に合わせて『突撃戦用シールド』を兵装転送(早着替え+早業)し、《オーラ防御+盾受け》で軽減し凌ぎます

その後は損傷を《激痛耐性》で無視、敵機構への《ハッキング》を狙いつつ
《リミッター解除+ダッシュ+残像+捨て身の一撃》での《ランスチャージ》で突撃、
至近距離での【コード・レギオン:Ω】での自爆を狙います

自爆後再転送された「私」は隙があれば『ペインレス・セイバー』の攻撃でナノマシンによる侵食と機能不全を狙い、困難であれば装備火器による《一斉発射》を狙います

※アドリブ他歓迎です



 戦闘前、宇宙の戦士を気取り出撃を宣言したカルロス・グリード。その言葉に異を唱えるかの如く、一人のウォーマシンが出撃名乗りを上げた。
「任務を了解、ミレア・ソリティス……出撃します」
 宇宙の力を奪い使うこの男を撃滅すべし。その任を受け、ミレア・ソリティス(軍団たる「私」・f26027)はこの場に立った。
「出た者同士が出会えば落とし合いになるのが星の海の理と聞く。貴様も理解していることだろう」
 そう言ってカルロスは、ミレアに向かって真っすぐに光線を放った。
 白騎士の鎧がカルロスに伝えた対象の未来位置はすぐそこ。相手が動かないとあればその場所に撃つしかない。他の猟兵も用いた戦法であるが、動く先を狙うなら動かなければ狙いは一つに定められるのだ。
 無論、ただ動かず待つだけではない。その身からジャミング用の粒子をミサイル諸共撒き散らし、シールド兵器を高速展開、全てのエネルギーを防御に回し、光線の直撃に備えた。
 多重に揃えた防壁はレーザーの威力を徹底的に削ぎ落す。だがそれでも、銀河帝国幹部の力を得たオブリビオン・フォーミュラによって放たれた一撃は強く、全ての防御を貫いてミレアに浅からぬ傷を負わせた。
 その損傷は痛みとして、傷の深さをミレアに伝える。だが、ミレアはそれを抑え込み、無視する。そしてレーザーの射角や速度、威力などから敵の機構の性能を分析し、無線でのハッキングを試みながら自身の安全機能を解除した。
「まだ動くか。だが……」
 前に来るのをさらに予測したカルロスは、迎撃用にレーザーを再度放つ。機構を十全に活かしたものではないそれは初撃よりは若干威力は劣るが、それでもミレアの体を穿つには問題ない。その光線に体を貫かれながらも、ミレアは一切怯むことなく『LC-01 インパクトランス』を構え、まっすぐにカルロスへと突撃した。
「馬鹿な……!?」
 予知の中に避ける姿は全く見られなかった。なら射倒そうと放ったレーザーさえ突っ切り、その穂先はカルロスを抉った。それは真っ白な宇宙鎧を貫き、そこにカルロス自身の赤い血を滴らせる。
 だがそれでも、攻撃を受け続けたミレアの方が早く力尽きるはず。それを予知ではない強者としての感覚で、カルロスは確信していた。
 それはミレアも分かっている。だから、この行動をここまで温存したのだ。
「オプションΩ……適用……継戦用データ送信……後は、任せます、「私」」
 その詠唱……あるいは起動コードを言い終えるとともに、ミレアの体は爆発した。その体は部品の一つも残さず粉々に砕け散り、それに見合った爆炎がカルロスを包む。
「がっ……な……!?」
 道連れに自爆を狙ったか。至近距離からの大爆発で、白騎士の鎧は完全に機能を停止した。だが、このとっておきの衣装と引き換えに己自身は助かった。見られた様ではないが、勝者は己だと、カルロスは体を起こそうとする。
 その前に、いつの間にか見知らぬ影が現れていた。
 いや、見知ってはいる。その姿は、今目の前で自爆して果てた者と全く同一。
「後は引き継ぎます。「私」」
 そのミレアは、『SS-03 ペインレス・セイバー』で、カルロスの体を両断した。記憶をデータとし、代わりの体に転送する。そうしてミレアは、己の体を何度でも使い捨ててきた。科学技術が進みきった世界ゆえの、命と魂の信号化。所詮グリードオーシャンの存在であるカルロスは、思い至らなかった帰る星なき世界の非情の前に敗れ去ったのだ。
「敵の生命活動停止及び兵装破壊確認。任務完了。これより帰還します」
 壊すべき機能はもうないというナノマシンからの伝達により敵の死を確認したミレアは、無機質にそう言って帰路につくのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月15日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト