羅針盤戦争〜討て! 巨大クエーサービースト
「皆さん、『四の王笏』の出現を確認しました!」
羅針盤戦争真っ只中、グリモアベースに集まっている猟兵達に上里・あかり(あかりを照らすもの・f06738)はそう話を切り出した。
場所は豊かな自然あふれる島。ここにカルロス・グリードの分身体が出現し、この島を破壊しようとしているのだ。
「なるほど」
「カルロス・グリードの分身体ねえ……」
猟兵達はそれぞれ口にする中、書き留めたメモを見ながらあかりは詳細の説明に入る。
カルロス・グリードの分身体は『スペースシップワールド』の力を具現化しており、よりによってクエーサービーストを従えているというのだ。
ではクエーサービーストはと聞いてみれば、
「クエーサービーストの大きさは『島とほぼ同じ』です」
…………。
「「「な、なんだってー
??!!」」」
そりゃ言いたくもなるだろう。
クエーサービーストの制御に成功したカルロス・グリードの分身体は島とほぼ同じというそれを従え、破壊しようとしているのだ。
「惑星ロボも無しに新種のクエーサービーストと戦わなければなりませんが……経験豊富な皆さんなら大丈夫です!」
ぐっと拳を握り鼓舞するあかりはにっこり笑顔。
「確かに巨大ですが、対策を講じていれば問題ありません。クエーサービーストを何とかできればカルロス・グリードの分身体も難なく倒せるでしょう」
そう話すあかりは既にグリモアキューブを展開しており、鉄甲船の姿がこちらから見ることができた。
「さあ行きましょう! 皆さんならどんな問題でも解決できる筈。頑張ってください!」
こうして猟兵達はクエーサービーストを従えたカルロス・グリードの分身体が待ち受ける島へと向かうのだった。
カンナミユ
カンナミユです。
島とほぼ同じ。
すごく……おおきいですね。
今回のシナリオにはプレイングボーナスがあります。
プレイングボーナス……巨大なクエーサービーストへの対抗策を考える(敵は先制攻撃しません)。
それではよろしくお願いします。
第1章 ボス戦
『クエーサービースト・アルバドラーダ』
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POW : フエゴドラーダ
【夜明けの如き金色の光】が命中した対象を燃やす。放たれた【高熱の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD : ラピドテンペスター
【カルロス・グリードの超能力を受ける】事で【金色に輝く超高速形態】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : ソルドミナチオ
【美しい黄金の光】を披露した指定の全対象に【抵抗してはいけないという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
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カーバンクル・スカルン
まあ、驚きはしたけど……あり得ない話ではないんだよな。落ちてきた船の中にクエーサービーストの卵か幼体があって、落ちてもなんか生き残っちゃって、成長しちゃった、なんて。
それに惑星ロボ無しでもキエリビウムとかマインドミナとかは倒せたんだ、それよりも小さいこいつに手こずるわけにはいかねぇぜ。
私の対処法は【高速組立】でカタリナの車輪を大量複製して、一斉に突撃させる! 相手が高速で移動してくるなら銃弾爆撃するしかあるめぇよ!
当たれば当たったで良し、当たらなければ当たらなかったで相手の体力を削れるから良し!
どれだけ大きくても小さい物に群がられてやられるなんて往々にしてあるんだよ、とくと味わいな!
シャーロット・クリームアイス
船を丸呑みし
歯の一本がヒトよりも大きく
ヒレは丘のようで
その威容は津波よりも存在感がある――
クエーサービーストですか?
いいえ、メガロドンです!
(UCで同程度のサイズのメガロドンを召喚)
サイズは互角!
そちらにはカルロス・グリードさんの超能力がありますが、こちらには海という地の利があります
海とサメのシナジーで戦闘力2倍! 鮫魔術でバフればさらに2倍!
わかりやすく言えば――でかい! つよい!
この映像は、あとでネットに流しておきましょう
『クエーサービースト vs. クエーサメビースト』……士気も上がるはずです!
フェルト・ユメノアール
島サイズの敵と生身で戦わないといけないなんて……
いや、泣き言を言ってても始まらない!
当たって砕けろ!とにかく全力で戦うよ!
相手は巨大、なら逆に接近できれば攻撃もしにくいはず
出来る限り目立たないようにアルバドラーダへ接近
フックロープを使ってその体に飛び移る!
成功したら振り落とされないようにバランスを取りつつ体の上を移動
たぶんボクが表皮を攻撃しても蚊が刺すほどにも効かないよねー
だったら……アルバドラーダの頭部に移動
フックロープを命綱に口の中に飛び込む!
体の内側からの攻撃ならどうかな!
ボクは手札からスペルカード、【機雷バルーン】を発動!
ロープを手繰って口から脱出、機雷を投擲攻撃で起爆する
霑国・永一
成程、これはでかいなぁ。俺みたいなただの盗人じゃあ倒すのも一苦労だ。
逆に言えばそれだけ長く遊べるかもという事で、堪能しなきゃ損だ
さて、なんか金色に光ってやたら速くなってるし、迂闊に近づいては跳ね飛ばされそうだし銃撃で頑張ろうかなぁ。でかいし一発くらいは当たるかな。
無論単なる銃撃じゃあないわけだけど。狂気の解除を乗せた盗み攻撃だからねぇ。その速度に特化した強化は即解除、俺が代わりに使うとするよ。
…おお、俺の身体も金色に。ははは、カルロスの超能力とやらいいなぁ。凄い速く動けるよ。ダガーでの近接斬撃も交えてガンガンその命を盗んでいこう。
強化を掛け直そうとしても俺がまた盗んで強くなるだけさぁ、悪いねぇ
「まあ、驚きはしたけど……あり得ない話ではないんだよな。落ちてきた船の中にクエーサービーストの卵か幼体があって、落ちてもなんか生き残っちゃって、成長しちゃった、なんて」
潮風に髪が揺れ、カーバンクル・スカルン(クリスタリアンのスクラップビルダー?・f12355)の瞳にはそれが大きく映り込んでいた。
「島サイズの敵と生身で戦わないといけないなんて……」
そう、フェルト・ユメノアール(夢と笑顔の道化師・f04735)が言うように猟兵達が対峙するのは島――の上に存在する超巨大な00クエーサービースト。
「成程、これはでかいなぁ。俺みたいなただの盗人じゃあ倒すのも一苦労だ」
フードの奥からそれを見る霑国・永一(盗みの名SAN値・f01542)もポツリと口にするが、
「逆に言えばそれだけ長く遊べるかもという事で、堪能しなきゃ損だ」
続けて呟くように巨大な敵が相手では戦いが長引いてしまうかもしれない。
島と同じほどの巨大なクエーサービーストはその巨躯をこちらへ向けている。既にこちらに気づいているのだ。怖気づいてなどいられない。
「いや、泣き言を言ってても始まらない! 当たって砕けろ! とにかく全力で戦うよ!」
「惑星ロボ無しでもキエリビウムとかマインドミナとかは倒せたんだ、それよりも小さいこいつに手こずるわけにはいかねぇぜ」
道化師はにこっと笑顔を見せ、カーバンクルも拳を握る。
『敵は先制攻撃をしない』と転送される前に説明されている。
ならば――先手必勝である。
「船を丸呑みし、歯の一本がヒトよりも大きく、ヒレは丘のようで、その威容は津波よりも存在感がある――」
さてそれは如何なる存在? クエーサービースト?
「いいえ、メガロドンです!」
ズドドドドドドドドド
……!!!
自信に満ちたその声――シャーロット・クリームアイス(Gleam Eyes・f26268)の声に呼応し現れたのはサメだった。
すうと海面にヒレをのぞかせ泳いでいたそれは突如飛び上がり姿をシャーロットと猟兵達へ見せつける。
「あれは正に怪獣。……怪獣映画といえば怪獣バトル! サメ映画といえばサメバトル!」
ずどおぅうっ……ばっしゃぁあん!!
大きく跳ねては水面に戻り、海中で加速し再び跳ねあがる。
グォァァァァァァァァァ!!!
ギャアアアアァァァアア!!!
超巨大クエーサービーストと超巨大サメの咆哮が体に響き水面を、空気を震わせ激しい衝突!!
「そちらにはカルロス・グリードさんの超能力がありますが、こちらには海という地の利があります。海とサメのシナジーで戦闘力2倍! 鮫魔術でバフればさらに2倍!」
力強く立ちシャーロットは更に声を上げる。
「わかりやすく言えば――でかい! つよい!」
キシャアアアアァアアアアアア!!!
サメの咆哮を耳に永一は銃を手に射程距離へと踏み込んでいた。クエーサービーストはいずこかにいるであろうカルロス・グリードの分身対から受けた超能力により金色に輝く超高速形態へと変身していた。
「さて、なんか金色に光ってやたら速くなってるし、迂闊に近づいては跳ね飛ばされそうだし銃撃で頑張ろうかなぁ。でかいし一発くらいは当たるかな」
とは言ってみたものの、照準を定めようにも超高速に移動するようではそれも困難である。
――が、金の双眸の奥に潜むのは狂気。困難をも狂わせる力を持っている。
「そんな強くなったら危ないだろう? どう危ないかを自ら体験してみるんだねぇ」
サメとの攻撃に巻き込まれないように素早く移動し、金色の身体へと照準を合わせると引き金を引いた。
ほんの一発の銃弾なぞ巨大なクエーサービーストには痛くもかゆくもないだろう。だが、その弾丸には狂気が重なっている。
しばらくすると金色はすうと消え、代わりに永一の身体が金色に輝き出した。
「……おお、俺の身体も金色に。ははは、カルロスの超能力とやらいいなぁ。凄い速く動けるよ。ダガーでの近接斬撃も交えてガンガンその命を盗んでいこう」
超高速移動ができなければ相手はただのでかい的にしか過ぎない。そして自分は超高速移動が可能となった。永一は容赦なく構えたダガーでその巨躯をざくりざくりと切り裂いていく。
「強化を掛け直そうとしても俺がまた盗んで強くなるだけさぁ、悪いねぇ」
強化を盗み続けるという事は、仲間達への力強いサポートとなっていくのだ。
「きゃあーっ!」
空中から放り投げられた身体はカーバンクルによって引き寄せられ、フェルトは地上との激突を間一髪で免れた。
「大丈夫か?」
「大丈夫だよ、ありがとう」
衝突する寸前に助けられたフェルトはカーバンクルに礼を言うと空へと瞳を向ける。超高速移動する敵へと攻撃を仕掛けようとしているのだが、文字通り超高速すぎたのだ。
針のついたカタリナの車輪を大量複製して大量に突撃させても空を切り、照準さえも定まらない。
困難なのはフェルトも同じだった。出来る限り目立たないように接近を試み、フックロープを使ってクエーサービーストの身体に飛び移るのまでは容易だったが速すぎて今のように振り落とされてしまうのだ。
このままでは攻撃しようにも手も足も出ない。
――と。
「あれは?」
フェルトは異変に気が付いた。輝く金色が徐々に消えていくではないか。
翻弄する超高速移動も輝きの消失と共に消えていき、十分に追える速さへ落ちていく。
「仲間が高速移動を解除してくれたのかも」
「それならチャンスだな!」
フェルトとカーバンクルは声を掛け合い、超巨大怪獣決戦の間を縫ってクエーサービーストへと一直線。
ダメージを与えるチャンスは輝きを失った今しかない!
巨体に飛び移ったフェルトは今度こそはとフックロープを命綱に口の中へとすとんと入っていった。
表皮を攻撃しても蚊が刺すほどにも効かないに違いない。ならば、内側からの攻撃ならどうだろう。
「ボクは手札からスペルカード、機雷バルーンを発動! 攻撃に反応して爆発する機雷バルーントークンをバトルエリアに可能な限り召喚する!」
ぽぽぽんと召喚された機雷バルーンを起爆しないように注意深くずらりと並べ終えると、ロープを伝って口から出ると攻撃タイミングを計っていたカーバンクルが待っていた。
攻撃を前にし能力を最大限に引き出し高速組立!
「どれだけ大きくても小さい物に群がられてやられるなんて往々にしてあるんだよ、とくと味わいな!」
この速度なら照準が合わないなどありえない。
フェルトの機雷がクエーサービーストの口の中へと吸い込まれ、
グルオオオオォアァァァァ
……!!!!
機雷バルーンの体内爆発とカタリナの車輪と銃弾が巨体を撃つ。
空をも震わせる咆哮が辺り一面に響き渡った。
「この映像は、あとでネットに流しておきましょう。『クエーサービースト vs. クエーサメビースト』……士気も上がるはずです!」
録画しながらシャーロットはそう確信しつつ仲間達の奮闘も映像にしっかり収めていた。
この戦いは続く仲間達の士気を高めるには十分すぎるものとなるだろう。
大成功
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黒城・魅夜
ふふ、もし図体が大きいだけで無敵だったなら
恐竜さんもマンモスさんも絶滅してはいませんよ
あなたもそれと同じ末路を辿るのです、木偶の坊さん
「早業」で「残像」を作り出し、そちらへと攻撃を「誘惑」しつつ
本物の私は敵の巨体がもたらす影を逆に利用し「闇に紛れ」
死角に入り込んで接近しましょう
強い光を放つほど影も濃くなるものですからね、ふふ
「ロープワーク」で鎖を敵の体に撃ちこみ取りついたなら
「第六感」と「見切り」で強い生命反応を探り
そこへ牙を撃ちこみます
いかに巨体であっても私の牙はあなたの魂ごと貫くもの
ふふ、図体に見合わずもろい魂でしたね
ああ、倒れるときは愚かな王笏も一緒に巻き込んで潰してもらいましょうか
水鏡・怜悧
詠唱:改変、省略可
人格:ロキ
島と同程度の大きさとは。スペースシップワールドのクエーサービーストより大きいかもしれませんね。ですが重力圏でその巨体を維持するなら多少の無理もあるでしょう。
重力属性の触手で全力で加重し、海へ沈めます。炎を消すことくらいは出来るでしょう。
黄金の光は綺麗だとは思いますが心が震えたりはしませんね。芸術関係は苦手なのですよ。水に沈めて綺麗な石もありますから、沈めることは躊躇しません。
クエーサービーストは生物でしたから素材が残りましたがこの個体はどうなのでしょうか。何か素材になりそうであれば回収することにしましょう。
トリテレイア・ゼロナイン
『島とほぼ同じ』と聞いて、小さい…と思ってしまったのは故郷の同種や帝竜戦役のガルシェンとの相対が原因でしょうね
慣れて良い物か悪い物か…
ともあれ、宙の獣を討ち果たし、本拠地探索の足掛かりといたしましょう
UCを装着し空から接近
光を大盾の盾受けで遮り炎を防御
●防具改造で大盾にはバリア発生装置で強化しています、追加装備も燃やされはしません
照準レーザー乱れ撃ちスナイパー射撃で発光箇所をロックオン
最大出力のグラビティガンの重力波で発光箇所を圧壊させれば此方の手番
センサーでの●情報収集と瞬間思考力の解析で思考中枢を●見切り、怪力で振るう剣で攻撃加え
惑星ロボ無き探査黎明期からの相手…遅れは取りません
ガーネット・グレイローズ
…クエーサービーストだと!
まさかこのグリードオーシャンで、深宇宙の生物に
出くわすことになるとはね…。
カルロス・グリードとやら、一体どれ程の力を秘めているんだ。
初顔合わせだが、やることはいつもと変わらない。
《戦闘知識》で敵の性質を見極め、対策を立てていこうか。
海上での戦いを考慮し、マン太の背に乗って出撃する。
海面ぎりぎりを《水中機動》《遠泳》を使って敵に接近。
敵が放つ黄金の光に対し、《属性攻撃》《オーラ防御》で
光を遮断する「暗黒空間」を自身の周囲に展開し対抗。
攻撃の主軸は遠間からクロスグレイブによる《レーザー射撃》と、
【吸血糸】によるエネルギー奪取《吸血》。
その黄金の輝き、私が奪い取ってやろう!
ヘスティア・イクテュス
クエーサービーストを!!グリードオーシャンに呼ぶんじゃない!!!
島サイズと小さめではあるけれど…いや、本当なんてもの従えてるのよ…
熱、熱ね…流石にS.F.Oに乗ってる【環境耐性】とはいえ、少々つらいかしら?
なら…S.F.Oを水中に…【水中戦】これであの高熱も冷めるでしょう?
そのまま誘い込めるなら優位に立ち回れるけど…まぁ敵が水中に来なくとも攻撃を無効化できるなら充分ね
そしてS.F.Oの底部よりASBMの発射!対艦、つまり大型用よ?流石に効くわよね?【爆撃】
「……クエーサービーストだと! まさかこのグリードオーシャンで、深宇宙の生物に出くわすことになるとはね……。カルロス・グリードとやら、一体どれ程の力を秘めているんだ」
ガーネット・グレイローズ(灰色の薔薇の血族・f01964)が見つめる先には超巨大なクエーサービーストが仲間達と戦っていた。
馬鹿でかいクエーサービーストと馬鹿でかいサメと猟兵達。
「『島とほぼ同じ』と聞いて、小さい……と思ってしまったのは故郷の同種や帝竜戦役のガルシェンとの相対が原因でしょうね。慣れて良い物か悪い物か……」
「クエーサービーストを!! グリードオーシャンに呼ぶんじゃない!!! 島サイズと小さめではあるけれど……いや、本当なんてもの従えてるのよ……」
トリテレイア・ゼロナイン(紛い物の機械騎士・f04141)とヘスティア・イクテュス(SkyFish団船長・f04572)も説明を受けた通りの巨大な敵を目に言葉を交わす。
敵は島とほぼ同じクエーサービーストを従えたカルロス・グリードの分身体。
「島と同程度の大きさとは。スペースシップワールドのクエーサービーストより大きいかもしれませんね」
あまりの大きな敵を目にロキ――水鏡・怜悧(ヒトを目指す者・f21278)も口にするが、
「ですが重力圏でその巨体を維持するなら多少の無理もあるでしょう」
「ふふ、もし図体が大きいだけで無敵だったなら恐竜さんもマンモスさんも絶滅してはいませんよ。あなたもそれと同じ末路を辿るのです、木偶の坊さん」
続く言葉を耳にくすりと笑む黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は潮風に揺れる髪をそっと手で押さえ、漆黒の瞳を敵へと向ける。
どのような敵だろうと数多の戦いを潜り抜けてきた猟兵達ならば問題はない。必ず困難を乗り超えるだろう。
「ともあれ、宙の獣を討ち果たし、本拠地探索の足掛かりといたしましょう」
機械騎士の声を合図とするかのように仲間達は一斉に作戦を開始した。
「……最早、騎士と名乗るのも烏滸がましい姿ですね」
戦機猟兵用重力制御兵装装備型強化ユニットを装着し飛行するトリテレイアの眼下では巨躯の目の前をこれでもかと目につくように魅夜が移動していた。
「こちらですよ、木偶の坊さん」
グルル……ォオ、オオオオ……!!
「どこを見ているのですか、そっちではありませんよ」
「危ない!」
敵の動きに思わず声を上げたが見上げ返す瞳は問題ないと告げている。
アアアァアアアアアアア!!!
咆哮と金色の輝きと共にその姿は炎に包まれるが、それが消えれば再び動きだした。なるほどあれは残像だったのかと理解し、すいと空を舞えば、今度は己に輝きが降り注ぐ。
「――っ!!」
思わず吹っ飛ばされそうになるほどの勢いで放たれる輝きと炎。有象無象を燃やし尽くすであろうそれをトリテレイアは大盾一つで防ぎ切った。
威力を考慮して大盾をバリア発生装置で強化していたのが功を奏したようだ。
「さすがに長時間受ければ危険でしたが、これくらいならば大丈夫でしょう」
ギャアアアァアアアアア!!!
装備を震わすほどの咆哮と輝きを再び大盾で受け、空を舞うトリテレイアは照準レーザー乱れ撃ち、スナイパー射撃で発光箇所をロックオン。
――今だ!
最大出力のグラビティガンの重力波が叩き込まれ、その巨体の影に紛れていた魅夜はチャンスとばかりに攻撃へと切り替える。
「強い光を放つほど影も濃くなるものですからね、ふふ」
動く巨体の死角に潜み、敵の体に撃ち打ち込んだ鎖を掴んで取り付くと、大きく動く巨体から振り落とされないよう注意して精神を研ぎ澄ます。
どこだ。牙を撃ち込むべき場所は。
鎖がじゃらりと鳴り、落ちぬようぐっと握りしめて巨体を上り。
「ここね」
狙うべき一点。上空にあるトリテレイアからもそれを察する事ができた。
「いかに巨体であっても私の牙はあなたの魂ごと貫くもの」
オオオオオォォォォオ
……!!!
巨躰は大きく跳ね、輝きが二人を包もうとするが、それを大盾は許さなかった。
「惑星ロボ無き探査黎明期からの相手……遅れは取りません」
「穿ち抜け無情の牙、身も心も運命さえも貫き通す欲望の輝きよ」
儀式剣と肉体と魂の双方を穿ち破壊する牙が渾身の力と共に放たれた。
「ふふ、図体に見合わずもろい魂でしたね。ああ、倒れるときは愚かな王笏も一緒に巻き込んで潰してもらいましょうか」
大きくよろめく巨躯はそのまま大きく崩れ落ちようとするも轟咆を上げて輝きを海へと吐き出した。
「わあっ!」
あわや黒焦げの運命をUFOに乗るヘスティアは間一髪で回避した。環境耐性は施してあるものの、さすがに幾度も耐えきれるかどうかは難しい。
「なら……水中戦ね。これであの高熱も冷めるでしょう?」
ざぱんと水しぶきを上げてUFOは水の中。海中から見上げれば輝きが幾度か見えたがその巨体までは見えなかった。
「そのまま誘い込めるなら優位に立ち回れるけど……まぁ敵が水中に来なくとも攻撃を無効化できるなら充分ね」
すいと海中を進むUFOの上では今まさに仲間達がクエーサービーストとの海上戦を開始しようとしていた。
「出撃だ、マン太」
呼応するようにマン太――巨大なオニイトマキエイはガーネットを乗せ進みだす。
あの攻撃が厄介なのは事前情報から得ている。なのでできるだけ海面ぎりぎりを水中機動し、遠泳を用いて敵へと接近するのがガーネットの作戦である。
だが、
「触手ちゃんはこういうことも出来るんですよ?」
ロキの声と共に海中からせり上がる異様な気配に気付いたガーネットはマン太へ指示して大回りさせると、海中から数多の触手が飛び出した。
よく見れば数え切れぬほどの触手は恐ろしい速さでクエーサービーストへと伸びて取り付こうとしているではないか。
グルオオオオォアァァァァ
……!!!
激しい咆哮と共にもがくクエーサービースト。ロキが重力属性の触手で全力で加重し、敵を海へと沈めようとしているのだ。
「海へ沈めれば炎を消すことくらいは出来るでしょう?」
すと細める瞳に映るのは触手にまとわりつかれもがく巨大な敵の姿。
敵が放つ黄金の光は綺麗だとは思うが、ロキの心は震ない。ロキは芸術関係は苦手なのだ。
水に沈めて綺麗な石もある。だから、沈めることは躊躇わない。
対してガーネットはこの輝きに対しては防御し遮断する対策を採っていた。美しいその光を浴びては攻撃をする事は叶わない。なので光を遮断する暗黒空間を自身の周囲に展開し対抗する事にしていたのだ。
展開した空間は放たれた輝きを全て闇に消していく。
「久々に、吸血衝動を満たしていくとするか」
巨大な十字架を模した形状のビーム砲塔デバイスから攻撃を放ちながらの紅の髪がなびき、マン太は海面を素早く走る。
その一部始終をヘスティアは海面から確認していた。
クエーサービーストはロキの触手に引きずられ、ガーネットは今まさに一撃を叩き込もうとしている。これはダメージを与えるチャンス。共に攻撃を撃ち込むには絶好の機会なのだ!
「紅蓮に染め上げなさい! レッドキャップ!」
人の顔サイズの赤いフードを被った犬型ドローンが底部より射出され、
「その黄金の輝き、私が奪い取ってやろう!」
吸血糸が巨大クエーサービーストへと襲い掛かる!!
「対艦、つまり大型用よ? 流石に効くわよね?」
すっと海面から頭を出したヘスティアが見たのは触手から抜け出せないクエーサービーストへと放ったドローンとガーネットの赤い光の糸が貫いたその瞬間だった。
オオオオオオァァァァァァ……!!
「クエーサービーストは生物でしたから素材が残りましたがこの個体はどうなのでしょうか」
ずずんと崩れ落ちるもまだその体力は残っているようだ。
何か残ってないかと海面へ視線を落とすロキだが、ふと振り返れば続く仲間達の姿が見えた。
大成功
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ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ
【アドリブ・連係歓迎】POW
大きさ比べだね!?
どっちが食材か勝負だ☆
先制攻撃は「肉体改造」を施して不燃性を確保するよ!
UC【膨張せし肉肉しい宇宙】にて超巨大な宇宙牛に変身・巨大化!
ひたすら敵より大きくなって圧し潰す!
もし不燃性で防げなくて炎で焼けた所も自分が美味しくなるだけで無問題!
さらに巨大化すれば傷も塞がっちゃう!
勝利の暁には牛肉パーティだよ☆
ビードット・ワイワイ
グリードオーシャンでまさかクエーサービーストを見る事になるとはな
此奴が弱いのかフォーミュラがそれほど強力なのか
弱い方に賭けたいものよ
我が姿は新たな姿へと変ずる
これなるは汝に対抗できうる姿
亀である
海であればこれは負けん
水を圧縮して放つ砲を造り
熱を冷ましてやろう
燃えし箇所を水で補い
砲と巨体で敵を押し留め侵攻抑える
硬度頼りと思わぬ事よ
機動力なら負けはせん海は我が適応せし場所
引きつけ遠ざけ島を守ろう
一ノ瀬・千智
連携・アドリブOK
島と同等って、マジで言ってんのかよオイ。
…ぶった切りがいがあるぜ!と自分を【鼓舞】。
そしてイメージするは島だろうと何だろうとぶった切る、最強の剣。
生成するは【勇気】と【覚悟】、そして希望の象徴、【希望剣】。
島と同等の大きさなんてほぼ固定目標みてぇなもんだろうし、ひたすら威力に特化した代物を生成して【怪力】で保持するぜ。
そこから思いっきり踏み込んで、一刀のもとにぶった切るぜ!
物理攻撃に対しては【オーラ防御】を使用してスプーキーシャドウの“チトセ”に迎撃させる。
いてぇだろうがそっちにも【覚悟】を決めてもらうぜ。
精神干渉系なら自身を【鼓舞】し、【狂気耐性】で心を強く保とうとするぜ。
ナイ・デス
惑星ロボが、ないのなら
惑星ロボぐらい、大きくなります!
『文明守護竜』連続発動、過去最高回数と同じ15回
大気や海水を竜に、仲間に、大きく、強く
5mから、小惑星級の約163kmに!
維持に頭が破裂しそうというかしますが
【覚悟激痛耐性継戦能力】本体無事だから、死なない
聖なる光の再生と【勇気】に根性で耐えて
炎も【念動力オーラ防御】で軽減して耐えて
巨体の【存在感】で気を引き、仲間の攻撃チャンス作って
【重量攻撃】殴って、浮かせる!
そして宙に向けて【リミッター解除範囲攻撃レーザー射撃】
体内で再現した「惑星破壊級ブラスター(余計な機能付き)」で、クェーサービースト、消し飛ばします!
王笏は、仲間に任せます……!
グオアアアアアァァァァァ
……!!!!
「島と同等って、マジで言ってんのかよオイ」
一ノ瀬・千智(エスペランサ・f19318)が思わず声にしてしまったが、身体をびりびりと震わせるほどの咆哮を上げた存在は現実であった。
島とほぼ同じ大きさのクエーサービーストは説明で聞いていた通り、本当に島と同等の大きさであった。
でかい。でかすぎる。
「グリードオーシャンでまさかクエーサービーストを見る事になるとはな。奴が弱いのかフォーミュラがそれほど強力なのか、弱い方に賭けたいものよ」
ビードット・ワイワイ(絶対唯一メカモササウルス・f02622)も言い、仲間達が戦う姿を目にしていた。
今ここにいるのは島と同等のクエーサービーストと互角に戦うことができると確信した者達。敵を倒し、従えるカルロス・グリードの分身体をも倒すとやってきたのだ。
「大きさ比べだね!? どっちが食材か勝負だ☆」
巨大な敵を前にしラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ(ハラペコかわいいコックさん(可食・高栄養・美味)・f31483)は海上へと歩み出た。
ぶよぶよどろどろゲル状のラヴィラヴァはふわんと浮かび、
「嗚呼、世界はかくも美味しいのか! さぁどうぞ召し上がれ♪」
その声と共にゲル状の身体は膨張すると超巨大な宇宙牛に変身したのだ。
「もっと、も~っと大きくなるよ♪」
超巨大な宇宙牛は更に、更にその巨体を大きくさせていく。
どんどん、どんどん――クエーサービーストよりも大きく。
グオオオオオオオオオオ!!!
島と同じ大きさだろうと今のヴィラヴァはそれよりも大きい。
「いっくよ~♪」
ずず……ぐぐぐぐぐ……!!
巨大な宇宙牛の巨体は重力と共に傾くと、そのままクエーサービーストにのしかかった。もちろんクエーサービーストも負けてはいない。押しつぶされないように必死に巨躯を動かすと金色の輝きを放ちだす。
「うっ、ちょっと熱い気がするけどこれくらいなら大丈夫!」
あらかじめ肉体改造を施していた事が功を成し、高熱の炎に炙られてもちょっと熱いと感じる程度で済んでいた。ちょっぴり焼けたいい匂いがするけれど、きっと気のせいかもしれない。
「炎で焼けた所も自分が美味しくなるだけで無問題!」
炎に焼けてもその身体はぐんぐんと大きくなれば傷も塞がっていく。
これならば牛肉パーティがひらけそうだと思っていると、
「ロードルーイン、それは希少種。その甲羅は上質なりし素材へと変わる。乱獲されるも一匹残る。これは逆襲。かくして彼らは滅んだ」
破滅を齎す招来者、ビードットの身体は我が姿は新たな姿へと変じていた。
それは巨大なクエーサービーストに対抗できうる姿――亀である。
グロオオァアァァァアアアアア!!!
炎がビードットへと襲い掛かるが、その姿は海にある。
「熱を冷ましてやろう」
海――水の中にあればビードットに敗北の文字はない。迫る炎を高速で回避し、水を圧縮して放つ砲を造ると一斉に発射し炎を消した。
標的と定めたクエーサービーストはビードットの動きに翻弄され、放たれる攻撃によってその行動を制限されてしまう。
「わっ!」
宇宙牛の押しつぶしを勢いよく弾いたクエーサービーストがこちらへ向かって輝きと共に襲い掛かった。
だが、今のビードットは無敵に近い硬度をもっている。
ズガアアン!!
巨体と巨体がぶつかり合い、轟音を響かせた。
「硬度頼りと思わぬ事。機動力なら負けはせん海は我が適応せし場所。引きつけ遠ざけ島を守ろう」
どおんと大きな音と共に亀はクエーサービーストを押し返すと、惑星ロボの代わりとしてナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)が立ち向かう。
惑星ロボも無しに新種のクエーサービーストと戦わなけばならないこの状況。
惑星ロボが、ないのなら――惑星ロボぐらい、大きくなればいい!
「今を守る力を、みんなに。世界を、守りましょう。私達は、文明を守護する竜、ダイウルゴスです……!」
ズズ……ズズズ……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
……!!!!!
ナイの身体は大きくなった。大きくなり、大きくなり、更に巨大な姿へと変えていく。
大気や海水を竜に、仲間に、大きく、強く。
この能力を使った中で過去最高と並ぶほどに能力を重ね、その姿は小惑星級。
これほどの大きさになってしまえば島と同じ大きさだろうとなんだろうと、クエーサービーストからの攻撃を受けてもびくともしないのではないだろうか。
「くっ……」
維持に頭が破裂しそう――と、いうか破裂するのではないかと不安がよぎるも今の姿はナイを中枢とした新生ダイウルゴス。本体が死ななければ大丈夫。
聖なる光の再生と勇気に根性で耐え、炎もオーラ防御で軽減して耐え。
「おおおおおおおおおおおおおお
……!!!」
ず、ぐおぉおっ!
抱え込んだクエーサービーストへナイは拳を叩きつけて浮きあがらせ、
「くらえ、惑星破壊級ブラスター!!」
範囲攻撃レーザー射撃と共にその一撃を撃ち放つ!
グルォオオオオオオオオオオオ
!!!!!
「王笏は、仲間に任せます……!」
巨大な宇宙牛に巨大な亀、そして巨大なダイウルゴス。
千智の目前では巨大な敵と巨大な味方が戦い大怪獣バトルが展開されていた。これはなんかもうすごい。
あの大怪獣バトルの中へ今まさに自分も加わろうとしているのだ。
「……ぶった切りがいがあるぜ!」
己を鼓舞して千智は飛び込んでいく。
巨大亀の援護と共に海上を進み、宇宙牛が押さえつける敵へと一直線。地を蹴り砂を蹴り上げひた走る。
グオオォォォオオオ!!
「迎撃頼んだぜ、チトセ」
攻撃の照準が定められ、千智に呼応するように影が伸びると悪戯好きの少女の影が走り出す。
「いてぇだろうがそっちにも覚悟を決めてもらうぜ」
こくんと頷く影を目に、千智も覚悟を決める。いや、覚悟など仲間達とここへ来る前から決めていた。
「さあ、乗って」
惑星ロボほどの仲間の手に乗ると、ぐんぐん高い位置まで上がっていく。クエーサービーストよりも高い位置まで上がると大きく踏み込み、その体は高らかと舞い上がる。
「我が思い描く、希望の剣っ!」
千智がイメージするは島だろうと何だろうとぶった切る、最強の剣。
生成するは勇気と覚悟、そして希望の象徴、希望剣。
「くらえ、クエーサービースト!!」
オオオオオオオオオオオオオオォォォォォ
……!!!!!!!
仲間達の攻撃の最後に叩きこみ、その巨躯は一刀のもとに叩き伏せられる。
ズドオオオオオオォォォオオオオオンンンン
!!!!!!
そしてその攻撃、クエーサービーストの最期となる爆発にカルロス・グリードの分身体が巻き込まれているのもしっかりと確認できた。この状況で生き残れることはないだろう。
「やったね、これから牛肉パーティだよ☆」
美味しい匂いのラヴィラヴァはニッコリ笑顔。
こうして戦いは幕を閉じる。
だがこの戦いはすべての戦いの中の一つにしか過ぎない。
猟兵達は新たな戦いへと向かい、進んでいくのだった。
大成功
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