羅針盤戦争〜三つの紋章
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ここは花の咲く島だ。人はいないが色とりどりの花がそこかしこに咲いている。赤やピンク、黄色が緑と海や空の青に映えてより鮮やかに見える。
ゆったりと過ごすには向いた島だろう。けれどその島に昏い夜が、紅い月が、黒い百合がやってきてしまう。
「目指すは「渦潮」の破壊。猟兵達が二度とこの世界に来られぬように」
メガリスを求める旅路を終わらせてなるものか。故に彼は戦端を開き、平和な島を蹂躙する。
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「グリードオーシャンで、七大海嘯が本格的な大攻勢を開始しましたー……」
寧宮・澪が猟兵達へ呼びかける。
猟兵達がこれまで探索した海域「蒼海羅針域」、そこに七大海嘯の居場所を示す手がかりがある予兆を見たものもいるだろう。それに呼応するように、七大海嘯がサムライエンパイアに通じる渦潮へと向けて大攻勢をかけてきたのだ。
そのうちの一つを予知したので、そこに向かって欲しいと澪は言う。
今回予知したのは、『一の王笏』。オブリビオン・フォーミュラであるカルロス・グリードの分身体の襲撃。彼はダークセイヴァーにしかないはずの紋章を用いてくるのだ。
『一の王笏』はグリードオーシャンの花の咲く島へとやってくる。島民のいない無人島なので、ここで防ぐのが一番被害は少ないだろう。
「彼もまた、強大なオブリビオンですー……必ず、先手を取ってくるでしょう」
それに対する備えをしていけば、有利に戦えそうだと澪は言う。
自身の体を生命力を奪う強大な黒い霧に変化して攻撃する、無数の紅い三日月の形の刃で無差別に攻撃してくる、、といった邪神の力を用いるもの。どれも威力は高く、備えなしでは苦戦するかもしれない。
「強大な、相手ですが……ぜひ、力を貸してください。よろしくお願いしますー」
そう、澪は頭を下げるのだった。
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鮮やかな花が踏みつけられた。そんなものに気を払わず、『一の王笏』はただ進む。
霧野
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青に緑に鮮やかな花って南国のイメージ。
よろしくお願いします、霧野です。
●シナリオについて
これは戦争シナリオです。
花のあふれる島を襲撃する『一の王笏』と戦い、侵攻を阻止してください。
このシナリオにはプレイングボーナスがあります。
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プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
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1章:『一の王笏』との戦いです。彼はダークセイヴァーの紋章の力を使って戦います。
先制攻撃を必ずしますので、対処すると有利に戦えます。
●複数人で参加される方へ
どなたかとご一緒に参加される場合や、グループ参加を希望の場合は【グループ名】もしくは【お相手の呼び方(ID)】を最初に参加した章にご記入いただけると、助かります。
●アドリブ・絡みの有無について
以下の記号を文頭に入れていただければ、他の猟兵と絡んだり、アドリブ入れたりさせていただきます。
良ければ文字数節約に使ってください。
◎:アドリブ歓迎。
○:他のグループや猟兵とも絡み歓迎。
〆:負傷OK。 (血や傷の表現が出ます)
第1章 ボス戦
『七大海嘯『一の王笏』カルロス・グリード』
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POW : 闇霧の紋章
【紋章の力】に覚醒して【触れた者の生命力を奪う黒き霧の体】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
SPD : 紅き月の紋章
【無数の三日月型の刃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : 黒百合の紋章
自身の装備武器を無数の【触れたものを呪詛で侵す黒百合】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11
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ラヴィラヴァ・ラヴォラヴェ
【アドリブ・連係歓迎】POW
海の幸を独り占めしようとしてるのかな?
どちらにせよ、うざったいね★
まずは敵がUCで変身して攻撃される所を「肉体改造」で回避に適した身体に改造する事で回避。
その後、UC【膨張せし肉肉しい宇宙】で宇宙牛に変身、敵の霧の身体を吸い込んで「捕食」する。
生命力を奪われてもUCによる変身を続ければ問題なさそう。
霧の身体でもそうでなくても、巨大化して押し潰す事し、捕食する事は出来そう。
片桐・公明
【WIZ】
敵先制攻撃は妖刀による防御と回避に徹しつつ射程範囲外まで後退することで無効化する
「ここならあなたの攻撃は届かないのかしら?」
「そしてここからなら、私の攻撃は届くわね。」
敵の射程範囲外からUCで攻撃する
目的は敵UCの花びらを焼き尽くすこと、敵の足止め、そして目くらましである
相手かこちらのUCに気を取られている隙に敵の背後に回り紋章をめがけて妖刀の一閃を食らわせる
気づかれたらすぐに離脱し、花びらの攻撃を妖刀で受けてつつ回避しつつ射程範囲外に出る
以降上記を繰り返す
ただし接近する際は攻撃より回避を重視し、負傷は可能な限り抑える
(絡み、アドリブ歓迎です。)
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鮮やかな花の咲き乱れる無人島。赤やピンクの花は青い空と海によく映えた。その海岸に降り立ったのは黒づくめの『一の王笏』。単にこの島は侵略の足がかり、何もなければ花を散らして通り過ぎるだけのはずだった。
けれどそんな彼を猟兵が待ち受ける。
とろりととろける、花の色に似た鮮やかなピンクの体を波立たせ、割合低いテンションで呟いた。
「海の幸を独り占めしようとしてるのかな? みんなと分け合った方がおいしくたのしいせかいになると思うけど」
『一の王笏』はさも意外そうに首を傾げる。
「さて、分け合えるほどの富だったか。分け合えるものなどあっただろうか」
どうだって関係ない。彼らは侵略を続けるために「渦潮」を目指すだけだ。
ラヴィラヴァにだって関係ない。そうであってもそうでなくても。
「どちらにせよ、うざったいね★」
侵略してくる『一の王笏』がうざったいことには変わりないのだ。
それは、この場に同じようにいる片桐・公明(Mathemの名を継ぐ者・f03969)にだって同じこと。『一の王笏』にどんな思惑や理由があろうが、相手は彼女の敵である。ならば戦うだけだ。彼女は妖刀を手にしてただ『一の王笏』を
『一の王笏』にしても答えたのは気まぐれに過ぎない。彼はここからまた進もうと、立ち塞がる猟兵達を排除するために動き出す。
まず広がるのは黒百合の花びらだった。ざらりとほどけた手の中の青いメガリスが変じたそれは、地に咲く花を纏った呪詛で枯らしながら公明へと迫りいく。
公明は妖刀で花びらを払い除け、迫る黒百合から全力で距離を取る。今は攻撃は捨て、ひたすらに回避、防御に徹するのみだ。
その間に『一の王笏』は自分の体をも黒い霧に変じてみせた。黒百合の広がりを超えてラヴィラヴァへと一直線に迫ってみせる。
「それっ★」
纏い付くような黒い霧に絡められぬよう、細く身軽な体に変じたラヴィラヴァは、そのまま宙でユーベルコードを使用する。
「嗚呼、世界はかくも美味しいのか! さぁどうぞ召し上がれ♪」
そこに現れるのはどこまでも膨張し続ける宇宙牛。彼女は黒い霧をその身で包み込んでいく。生命力を喰らわれても再び変身すれば傷は癒え、増える体が欠けた生命力を補っっていく。更に霧すら食って喰って飲み込んでみせた。
埒が明かないと判断したか、黒い霧はラヴィラヴァの体躯からにじみ出るように逃れて、人の形を取り戻す。
人に変じたその場所に、黒百合ごと焼き尽す炎の壁が立ち上る。
「ここならあなたの攻撃は届かないのかしら?」
回避に徹した公明が黒百合の範囲から逃れ出て、臥龍炎からユーベルコードを放ったのだ。
「そしてここからなら、私の攻撃は届くわね」
『一の王笏』の視界を覆う炎の壁は厚く、黒百合の花びらも燃え尽きてメガリスへと戻っていく。苛立たしいと言わんばかりに炎壁を彼は無理やり超えてみせた。そして再び黒百合の花びらを生み出したところで、妖刀の一閃が奔る。
全ては公明の狙い通り。視界を奪い、黒百合を奪い、炎の壁で蔽ってみせることで生じた隙に紋章を狙ったのだ。
黒百合が再び彼女を追うより早く、紋章は妖刀に切られ、『一の王笏』はその力を削がれるのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
夷洞・みさき
◎○〆
ここは綺麗な所だね。色鮮やかで。
君の花も綺麗だけど、此処には合わないような気もするね。
だから、それが合いそうな所に案内したいんだけど、どうかな?
【WIZ】
花びらの散布に合わせて車輪を盾に接近。生身である頭部と胸部は守る。
エクトプラズム体と呪詛耐性で被害を抑える。
接近したところで【呪詛返しの八寸釘】を敵に刺し、呪詛の一部を内側に向けさせ、弱体化を図る。
そうしてUCを使用。
ようこそ、僕の故郷へ。
残念だけど道案内は出来ないんだ。
ま、君の咎は命より軽ければ、出られるんじゃないかな。
皆、職人気質だから余計な事はしなんだ。
うん、分身ってことだし、そこの所どう思う?
リーヴァルディ・カーライル
◎◯〆
…お前がどんな存在で、どんな過去があったとしても関係無い
…その紋章を使う以上、吸血鬼狩りの業に敗北は無いと知れ
"写し身の呪詛"を乱れ撃ち無数の残像を囮に敵UCを受け流し、
過去の戦闘知識から攻撃の隙を暗視して見切りUCを発動
…さあ、お前に本当の私が見付けられるかしら?
…この瞬間を待っていた。その隙は逃さない
極限まで圧縮した魔力のオーラで防御し超高速の早業で切り込み、
限界突破した魔力を溜めた大鎌をなぎ払い闇霧を切断
武器改造して変化した双剣の連撃で敵を乱れ撃ち、
さらに変化した手甲剣を怪力任せに叩き付け、
刃から闇属性攻撃の爆発を起こし傷口を抉る2回攻撃を放つ
…全魔解放。私の全てを、この瞬間に…!
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ひらりひらり、散らばる花びら。ぽたりぽたり、砂を赤に染める血。
「ここは綺麗な所だね。色鮮やかで」
夷洞・みさき(海に沈んだ六つと一人・f04147)は海の香りを纏いながら、花を目で愛でる。いくらか枯らされたとはいえ未だにその花は美しい。明るい昼の世界によく映えた。
「君の花も綺麗だけど、此処には合わないような気もするね」
鮮やかな南国の島に黒い百合は似合わない。夜になってもそぐわない。どこか歪に映ってしまう。ならばあるべき場所、似合うべき場所に返すのがいいだろう、とみさきは言う。
「だから、それが合いそうな所に案内したいんだけど、どうかな?」
「不要だ。私の行く海は私が決める」
今『一の王笏』が目指すは「渦潮」のみ。侵略を続けるために猟兵の干渉を抑える、その為に彼は征くのだ。傷を負った紋章を一撫ですれば血が止まる。完全に回復はしていないが、使うのに問題はないということだろう。紋章が鈍く蠢いた。瞬間、ぞろりと青いメガリスが崩れて黒百合の花びらが舞い踊る。
みさきは七咎潰しの大車輪を盾にして、生きた体の部分を守る。頭と胸を守れればそれでいい。死んでいる腕や足が花びらに割かれて傷を負う。
『一の王笏』の体も崩れ、黒の霧へと変化した。彼の征く先を邪魔するみさきを超え、その先にいたもう一人へ霧が迫りくる。
浮かぶ紋章を見たリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は僅かに唇を引き結ぶ。あれは許してはならないものだ。
「……お前がどんな存在で、どんな過去があったとしても関係無い」
迫る霧を睨み、静かな、けれど思いは煮えたぎるような声が零れ出た。
「……その紋章を使う以上、吸血鬼狩りの業に敗北は無いと知れ」
それは忌むべき紋章、狩り尽くすべきもの、吸血鬼狩りの獲物。決して逃してはいけないものだ。今ここで滅ぼすものだ。
「……さあ、お前に本当の私が見付けられるかしら?」
ぐん、とリーヴァルディの体が無数に増えた。彼女と同じ顔、同じ体の"写し身の呪詛"達が不規則な動きで黒い霧に向かい囮となる。ぐるりと巻き込んで複数を消し去る霧も、絶え間なく押し寄せる残像を一瞬で消すには至らない。
霧の流れをこれまでの戦闘経験で、彼女の積み重ねた時間で見極めて、本物のリーヴァルディはただ待った。霧が集まり、人の姿に戻る一瞬を。
「……この瞬間を待っていた。その隙は逃さない」
黒い霧が実体に変わる瞬間、リーヴァルディが爆ぜるように切り込んだ。この後動けなくなっても構わない、この機会を逃すことはない。
「……全魔解放。私の全てを、この瞬間に……!」
『一の王笏』が咄嗟に伸ばした霧の残滓は圧縮した魔力で弾く。残った魔力は大鎌に込めて霧を撫で切り、即座に双剣へと変形、『一の王笏』を乱れ切る。実体に変わった彼の体を剣が赤に染めていく。
最後に変化させた闇を纏う手甲剣を並外れた膂力で叩きつけ、『一の王笏』の腹部を二回抉り、後方へと吹き飛ばした。
その先に待っているのは黒百合の波に耐え、エクトプラズム体で被害を抑えながら接近していたみさき。彼女は呪詛返しの八寸釘を吹き飛んできた『一の王笏』へと突き刺した。ぞぶりと埋まった釘が『一の王笏』に呪詛を穿つ。それは彼の体を蝕んで弱めていく。
ぐらりと世界が揺れる。戦場に広がるのは牢獄塔。罪人を飲み込む堅固な迷宮。
「ようこそ、僕の故郷へ」
釘を引き抜いたみさきは『一の王笏』をとんと押し込んだ。扉は消えて、刑場で構成された迷路が残るのみ。
「残念だけど道案内は出来ないんだ」
かつてのみさきの故郷の一区画、咎人殺しの暮らす刑罰場。今、みさきが一緒に歩いて満ち先案内をすることはない。
「ま、君の咎は命より軽ければ、出られるんじゃないかな。
皆、職人気質だから余計な事はしなんだ。うん、分身ってことだし、そこの所どう思う? 本体の罪は君の罪かな? それとも分身の君の罪のみが刑罰の対象かな?」
彼女の声は迷路に響く。さてこの『一の王笏』は迷路を抜けられるのか。過去の咎人殺し達がうっそり笑った気がした。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
洞槻・徒摩利
◎
ああ、なんと美しい島でしょう。私とクァーレのハネムーンには最高の場所です……が、その前に共同作業と参りましょうか。
・さて、一の王笏。貴方は黒き霧になれるとのこと。貴方に包み込まれればたまったものではないでしょう。ですから、私はそれを是非とも体験してみたい!
島に上陸する前に「肉体改造」と「毒使い」「属性攻撃」で私とクァーレの身体を「取り込むと大量の水分を与える」ように改造。霧は微細だからこそ霧になる。そこに更に湿気を加えれば? 霧は露になり、そして地に落ちる。まとまった液体になれば攻撃を加えるのも可能です。
・地に溜まった水にUCを放って電解しましょう。今夜、妻を抱けない代償は多大ですがね。
●
鮮やかに咲く花は島中に広がっているようだった。戦場となった砂浜の奥に向かえばもっと多くの花があるのだろう。
空と海の青に映える花々を見て、洞槻・徒摩利(知を求める狂者・f31892)うっとりと呟いた。
「ああ、なんと美しい島でしょう。私とクァーレのハネムーンには最高の場所です」
そう思えばその唇は弧を描く。愛しい「妻」、クァーレを片腕に抱きながら徒摩利は視線を動かした。
「……が、その前に共同作業と参りましょうか」
戦場に広がる迷路の出口から『一の王笏』が現れる。多少疲弊した色が見えるが、こちらが油断できるほどではない。
しかし徒摩利はにやりと知への好奇心を露わにする。
「さて、一の王笏。貴方は黒き霧になれるとのこと。貴方に包み込まれればたまったものではないでしょう。ですから、私はそれを是非とも体験してみたい!」
それは狂人の言葉か、賢人の欲求か。どちらにせよ『一の王笏』にその言葉に従う義理はないが、従わない理由も今はなかった。
「ならば望みどおりに味わうがいい」
ずるりと『一の王笏』の体がぶれて、その身は黒い霧になる。その霧はひと呼吸の間に徒摩利とクァーレを覆いつくし、その身から命を奪おうと触れていた。
「クク、さて、霧は微細な水分です」
体が失われる感触を味わいながら徒摩利は語る。
「霧は微細だからこそ霧になる。そこに更に湿気を加えれば? 霧は露になり、そして地に落ちる」
ぼたり、ぼたりと黒い水が滴り落ちる。
徒摩利は予め、この霧への対策をしていた。大量の水分を含むように自身とクァーレの体を改造し、触れて取り込めば霧が水分を得て粒子が荒くなるように。霧に触れるのは難しくとも、まとまった液体なら簡単だ。
足元にどんどん黒い水が溜まっていく。それはうねって水分を分離し、『一の王笏』の姿に戻ろうとしていた。
「ああ、今宵君を抱けないのはひどく耐え難い……」
足元の水にクァーレを抱かぬ片腕をつける。
ばちり、水を分解するには充分すぎて余りあるほどの電流がその片腕から黒い水へと放たれた。
大成功
🔵🔵🔵
花盛・乙女
羅刹女、花盛乙女。いざ尋常に。
気になっている事がある。
我ら猟兵の侵入を何故拒もうとするのか。
オブリビオンである以上、コンキスタドールも倒さねばならぬのは分かる。
しかし、道理を聞けば手を取る事も出来るのではないだろうか。
…いや、下らん考えか。
刀は鞘から抜かずに呼気を沈め集中。
靄の被害を最小限に引き下げる。
「第六感」「咄嗟の一撃」を応用し、わずか触れる感覚にて反撃に転ずる。
煙のような化生に纏わりつかれるのは慣れてるからな。
「怪力」による全力の柏手を一拍。
破裂音は近距離で聞けば僅か体が痺れる「属性攻撃」だ。
その一瞬で充分。
【黒椿】にて『雨燕』を放つ。
その厄介な紋章のある場所を切り捨てよう。
●
ぞぶりと余計な水分を払い除け、『一の王笏』は人の形を取り戻す。浴びた電撃は彼を滅するには至らなかったが、損傷を与えるには十分だった。
しかし油断はできない。底知れぬ力を持つ強大なオブリビオンであるのだから。
「羅刹女、花盛乙女。いざ尋常に」
花盛・乙女(羅刹女・f00399)は刀は鞘に納めたまま、空手で『一の王笏』に相対する。
(気になっている事がある)
呼吸を沈め、近づく霧を見つめる。
(我ら猟兵の侵入を何故拒もうとするのか。オブリビオンである以上、コンキスタドールも倒さねばならぬのは分かる)
静かに集中し、接近を感じる。
(しかし、道理を聞けば手を取る事も出来るのではないだろうか)
触れたとき即座に分かるように。集中しながらもとりとめなく浮かぶ考えを、乙女は打ち消す。
(……いや、下らん考えか)
オブリビオンは世界の敵である。必ず滅さなくてはならないのだ。『一の王笏』が「渦潮」を破壊し猟兵がグリードオーシャンに来れなくなれば、『一の王笏』は、七大海嘯はこの世界を、他の世界全て侵略して過去に埋めるだろう。
迷いは剣も動きも鈍らせかねない。乙女は思考を切り替える。
僅かに霧が乙女に触れた。瞬間、彼女は回避をやめて反撃に転ずる。
(煙のような化生に纏わりつかれるのは慣れてるからな。)
柏手を一つ打つ。途端響くは轟音。怪力で打ち鳴らした柏手は霧の動きを一瞬痺れさせる。
乙女にはそれで十分だ。
間近にいる霧に黒椿を抜き、超速度で一閃する。鋭い剣線が、紋章の浮かぶ部分を切り捨てた。
成功
🔵🔵🔴
セフィリカ・ランブレイ
◎
日光溢れる世界でダークセイヴァー由来の相手と戦うの、不思議な気分
吸血鬼でもないなら日光は関係ないだろうけど
『セリカが軽口を叩くの、決まって緊張してる時よ。少し肩の力を抜きなさい』
流石シェル姉……相棒の魔剣。私の事はよく判ってる
分身体でこの威圧感だ
相手の先制攻撃は、倒れない事を頭に全力で受けに回る
恐るべき威力でも無差別攻撃だ、多少の怪我は覚悟の上。
致命部位への直撃さえ防げれば!
培った剣の技で刃を凌ぐ
【橙弓の森人】
癒しの矢を放つゴーレムを呼び寄せ、私を含め傷ついた猟兵の回復を任せる
私の魔力はゴーレムの維持で精一杯
だから私自身は積極的に前に出て魔剣を振るい、相手の注意を引く囮として行動
●
散らされた霧はそれでも尚集まって、『一の王笏』の形に戻る。まるで本物の吸血鬼のようだった。
明るい海辺の日差しの下の光景に、セフィリカ・ランブレイ(蒼剣姫・f00633)は思わず呟いた。
「日光溢れる世界でダークセイヴァー由来の相手と戦うの、不思議な気分」
その声はいつもの彼女とは少しだけ違い固かった。
「吸血鬼でもないなら日光は関係ないだろうけど」
意志ある魔剣シェルファはそんなセフィリカの呟きに、柔らかな調子で語りかける。
『セリカが軽口を叩くの、決まって緊張してる時よ。少し肩の力を抜きなさい』
「流石シェル姉……私の事はよく判ってる」
相棒の魔剣の言葉に一つ、深く息を吸い、吐き出す。緊張で強張っていた体が、心が程よく緩んでいく。
(分身体でこの威圧感だ)
ここにいる『一の王笏』は本体ではない。それなのにセフィリカは彼がとても大きく見えていた。その力の強大さを感じて、体も心も強張っていたのだ。それでは自由に動けない。
相棒を手にセフィリカは『一の王笏』を見据える。強大でも戦えないわけではない。
『一の王笏』はセフィリカへと青のメガリスを差し出すように手を向けた。崩れたメガリスは黒百合の花びらに変わり、セフィリカを飲み込もうと迫ってくる。
(まずは倒れない、全力で受けに回る)
黒百合の波は凄まじい威力でも無差別に襲い掛かってくるだけだ、重要な器官を狙うわけじゃない。
ならば多少の怪我は覚悟の上。セフィリカは魔剣を振るい、体の中心や剣を持つ腕に来る花びらは払い除け、直撃を防ぐ。
「七虹最高の射手にて癒し系! チクっとするのは我慢してね!」
乗り越えたら自分も倒れない、仲間も倒れさせない。そのためにセフィリカが呼び寄せたのは癒しの矢を放つゴーレムだ。ゴーレムを維持する間、セフィリカは余力がなくなる。
(だから攻撃は任せる)
『一の王笏』が再び前へ出たセフィリカを捉えて、そちらへ黒百合を多く寄せてきた。先ほどと同じように剣で払い、致命傷は避ける。
倒れなければ、すぐに矢が飛んできて傷が癒える。その分だけ体が重くなっていくけれどまだ戦える。
『セリカ、無理はしすぎないようにね』
「もちろんだよシェル姉!」
魔剣シェルファを手に『一の王笏』へと駆け込んで、その注意を引いていく。彼女が囮になった分だけ他の猟兵が自由に動けるのだから。重くなる手足を叱咤して、セフィリカは癒しのゴーレムを維持しつつ、『一の王笏』の注意をひくのだった。
成功
🔵🔵🔴
ロマネ・カーディナル
◎〆
要ちゃん(f08973)と一緒に突撃するわね?
って…あらあら?良い男じゃない!
ロマ姉さん、良い男は大好きよ♪
でも敵は敵、だものね?
大丈夫よ、ちゃぁんと戦うわ
そちらが黒百合ならばこちらは結晶化した薔薇で対抗しようかしら?(コンパクトミラーを出してそこからオーラ防御を展開し攻撃を軽減)
可憐な花同士の戦いどちらが勝つか勝負としましょうか
ふふ♪こっちには黒薔薇もあるのよぉ
要ちゃんの攻撃強いんだからみてなさいな
私だって負けてられないけれどね
ふんっ!!(突然オネエから漢へ変貌し持ち前の怪力で力を溜めてぶん殴る)
後はそうね、罠をこっそり設置出来たりしたらしておきたいわね
こういう手段も大事よね♪
向坂・要
○
〆
ロマ姉さん(f19210)とご一緒させてもらいますぜ
敵の攻撃は【オーラ防御】【見切り】で致命傷を避けつつ可能な限りロマも【庇い】【呪詛耐性】防御
本体が無事なら、ってね
どんな呪詛かも興味はありますしね
視野は広く保つ様意識
お返しはきっちりと
そっちよりこっちの方が花が似合うってなもんで
なんで嘯きつつ
UCで海出す黒百合とロマの氷の薔薇と併せ技
なんならおまけに【毒】の【属性攻撃】も付与して
綺麗な華にはなんとやら、ってのを体現してるお前さん(ロマ)にはかないませんって
ま、褒められりゃ悪い気はしませんがね
●
青い空と海、島に咲く花々を背景に立つ『一の王笏』。浮かび上がるような黒衣の青年の姿は禍々しくも見目麗しい。周囲に浮かぶ、呪詛を帯びた黒百合の花びらが、いっそう現実味の失せた美しさをかもし出す。
「って……あらあら? 良い男じゃない! ロマ姉さん、良い男は大好きよ♪」
そんな光景にきゃあ、と場にそぐわぬ歓声があがった。少し浮かれるように手を顔に当てる青年は、隣に立つ眼帯の青年へと首を可愛らしく傾げ、呟いた。
「でも敵は敵、だものね?」
「そのとおり、敵さね」
その言葉に頷きを返す向坂・要(黄昏通り雨・f08973)に、ロマネ・カーディナル(オトメイト🐰💕・f19210)はコンパクトミラー、Beautiful Aloneを取り出してみせて。
「大丈夫よ、ちゃぁんと戦うわ」
押し押せる黒百合の花びらの嵐へと向けた。ふわりと浮かび上がる氷の薔薇の結晶が黒百合を受け止める。
「可憐な花同士の戦いどちらが勝つか勝負としましょうか」
美しい薔薇が、不吉な黒百合とぶつかり合う。防いでいく度、かしゃりかしゃりと砕ける結晶の薔薇。それを超えて押し寄せる花びらを防ぐのは要の役目だ。
「本体が無事なら、ってね」
要はこの黒百合の呪詛がどんなものなのか興味があった。故に冷静に被害を逸らしながら観察する。生あるものを侵し、命を枯らして切り裂く呪詛を帯びた花びらの動きの全体を、一点に注目するのではなく視野を広く保って見極めて払いのけ、ロマネに届くものがあれば、庇うようにオーラで守る。
一つの嵐を乗り消えれば、今度は彼らが攻撃に移る番だった。
要は黒百合の呪詛も、ロマネの結晶の薔薇も、観察し解析し触れている。だから借り受けることだってできるのだ。
「そっちよりこっちの方が花が似合うってなもんで」
嘯く要が生み出したのは、結晶の薔薇と黒百合の花びらの嵐。美しくも敵を倒す意志の篭った花々だった。凍てつく毒を、命を侵す呪詛を含んだ花々が無作為ながら、『一の王笏』へと押し寄せて、飲み込んでいく。
どこか誇らしげにロマネは『一の王笏』へと言う。
「ふふ♪ こっちには黒薔薇もあるのよぉ。要ちゃんの攻撃強いんだからみてなさいな」
「綺麗な華にはなんとやら、ってのを体現してるお前さんにはかないませんって」
「そう?」
「ま、褒められりゃ悪い気はしませんがね」
「でしょう?」
褒め言葉に僅かに照れたような言葉の要に、ころころ笑い返したロマネは、さて負けていられないと花々に埋もれる『一の王笏』へと距離を詰める。そして拳を振り上げる。
「ふんっ!!」
気合と同時にロマネの体が膨れ上がる。麗しのオトメモードからマッシヴな漢モードへと早変わり。筋肉を浮かび上がらせた拳が『一の王笏』を殴り、先程の防御のときに積んだ氷の薔薇の山へと吹き飛ばし、冷たい花々に埋めたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
硲・葎
◎〆
三日月くん(f01960)と。
触れたら生命力を奪われるか。
出来るならば、避け切りたいところだけど。
見切りとフェイントを使って気を引きつつ、残像を残して回避しよう。
三日月くんが危なくないように、
彼が危なくないようにかばおう。
隙ができたところで、UC発動。
「咲き誇れ!!彼岸花!!」
当たるかどうか、不安だけど。
でも、三日月くんから目をそらすことはできるはず!
捨て身の一撃で懐に飛び込んだら、三日月くんが攻撃しやすいように掴んでおこう。
「三日月くん!!今だよ!」
敵を盾にするように身体の位置を入れ替えてやろう。
うまくいくか分からないけど。
「彼岸花と共に、散りなさい」
月隠・三日月
◎〆
硲さん(f01013)と共に
ダークセイヴァーの紋章の力、触れた者の生命力を奪う黒い霧……
触れないのが一番だから、相手の動きを観察して(【情報収集】)なるべく敵に触れられないよう立ち回ろう。
敵に接近されたら、妖刀で【衝撃波】を放って敵を押し返せないかやってみよう。霧の体であれば、二本の足で立っているより吹き飛ばされやすいかもしれない。
硲さん、無茶はしないでおくれって言ったのに、まったく……!
けれどそれは後だ。捨て身の一撃を無駄にしないためにも、今は敵を倒すことに集中しなければ。
私は【紅椿一輪】で敵を斬る。敵が霧の体であっても関係はない、この妖刀が当たったものを断つ、【呪詛】に近い技だからね。
●
凍った体を引き抜いて、『一の王笏』は黒い霧へと変化する。
(ダークセイヴァーの紋章の力、触れた者の生命力を奪う黒い霧……)
月隠・三日月(黄昏の猟兵・f01960)は霧の動きを観察する。触れぬように距離を取りながら、近づいた霧は衝撃波で吹き飛ばして距離を取る。僅かでも触れぬように、冷静に霧の動きを見切るように。
(触れたら生命力を奪われるか。出来るならば、避け切りたいところだけど)
そんな彼を庇うように硲・葎(流星の旋律・f01013)は砂浜を無軌道に駆け抜けて霧を誘う。捕まりそうになれば速度を上げ、残像を残して身をかわす。いつまでも避け続けることができるわけではないが、最低限致命傷を負わぬように。
二人で避け続けていれば、霧の動きが一度は止まり、集まって人の形を作っていく。
その隙を見逃すわけには行かない。
より近くにいたのは、誘うように動いていた葎だった。彼女は妖刀を引き抜き、短い距離を駆け抜ける。
(当たるかどうか、不安だけど。でも、三日月くんから目をそらすことはできるはず!)
葎は彼岸花之葬をぐんと振り上げた。込める力は全力だ。
「咲き誇れ!! 彼岸花!!」
赤い彼岸花の幻を纏う妖刀が振り下ろされる。強大であるがために単純な一撃は『一の王笏』に見切られ避けられるが、彼の足元を崩し、穴を穿った。
小さく変わった地形に『一の王笏』の姿勢が揺らいだ。僅かに作った隙に葎は『一の王笏』の懐に、先程の勢いのまま飛び込んで両腕を伸ばす。『一の王笏』にその腕を払われて痛みが走っても、逆に掴み返す。
「三日月くん!! 今だよ!」
「硲さん、無茶はしないでおくれって言ったのに、まったく……!」
振り払おうとする『一の王笏』。揺らされ、押される動きに痛みを感じても、ぎゅっと全力で『一の王笏』が少しでも動きづらいように葎はしがみつく。三日月がその一刀を当てる瞬間まで耐えればいい。
そんな彼女の意思を無駄にしないために三日月は葎への小言を飲み込んだ。
(今は敵を倒すことに集中しなければ)
葎だって長くはしがみついていられない。『一の王笏』が霧に再び姿を変えれば、葎は飲み込まれ危険になる。チャンスはおそらく一度だけ。
呼吸を僅かに整え、妖刀を構えて三日月も『一の王笏』へ飛び込む。
葎が身をよじり手を離し、『一の王笏』と僅かに体を入れ替えた瞬間、紅椿が咲く。全てを断つ呪詛が刀の形で迫る。
「彼岸花と共に、散りなさい」
幻の彼岸花が散る。
「落ちろ」
ぼとりと幻の椿が落ちる。それを追うように、葎が掴んでいた腕が三日月に切り離されて、砂浜に落ちていった。
成功
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浅間・墨
ロベルタさん(f22361)と。
私が【鏡映】で王笏の攻撃を無効にし攻撃の補佐をします。
…まあ全ての攻撃を無にすることは困難だとは思いますが。
呪詛耐性と破魔の力とオーラ防御を身体に施しておきます。
ロベルタさんの盾になるように前に立ち相殺しつつ進みますね。
……彼女が攻撃をしやすいように…隙を作りたいですが……。
相手が相手なので隙は難しいかもしれませんが攻撃だけは…!
霧は【鏡映】で相殺できるかわかりませんが…試してみます。
回避は視認による見切りと野生の勘や第六感で避けます。
ロベルタ・ヴェルディアナ
墨ねー(f19200)と。
呪詛耐性と破魔付きのオーラ防御を付与するじぇ♪
相手への道は墨ねーが開いてくれるから僕は攻めるよ。
銃の射程内に入ったら両手で構えて【六つの牙】を撃つ!
反撃されないよう射程ギリギリのところから一斉射撃だじょ♪
射撃後すぐにバックステップで墨ねーと一緒に後退するじょ。
基本はヒットエンドラン。後は状況によって変えるよ。
回避は見切りと第六感で。弾の装填はクイックドローで。
●
『一の王笏』は手にしたメガリスを崩して黒百合の花びらを渦巻かせ、猟兵達へと送り出す。
浅間・墨(人見知りと引っ込み思案ダンピール・f19200)とロベルタ・ヴェルディアナ(ちまっ娘アリス・f22361)はオーラをる。触れた花びらから自分を守るために、命を侵す呪詛を防ぐ力を、魔を破る力を込めて体を覆う。
その上で墨は自身の井上真改を崩す。崩れた端から生み出すされるのは、向かってくるものと同じ黒百合の花びらの嵐。攻撃を担うロベルタの前に立ち、彼女の進む道を作るために、自身の花びらと、向かってくる花びらをぶつけて相殺して進む。
(……まあ全ての攻撃を無にすることは困難だとは思いますが)
きゅっと墨は唇を噛む。相手は単騎、かつ分身の一つとはいえ強大なオブリビオン。今だって打ち消しきれずに飛んでくる花びらが少なからずあった。それらは見切って避け、後ろで銃を片手に構えついてくるロベルタに当たりそうなものは粟田口国綱で払いのける。それでも当たったものはオーラが弾くが、いつまで持つか。
(……彼女が攻撃をしやすいように…隙を作りたいですが……)
じりじりと進み、距離を詰める。どんどん激しくなる黒百合の嵐を墨はかわし、いなし、被害をそらす。
ロベルタが信じてついてきているのだ、その期待に応えたい。
(相手が相手なので隙は難しいかもしれませんが攻撃だけは……!)
なかなかこちらから打って出ることは難しい。けれど攻撃だけはしのぎきってみせる。
墨は決意を抱いて一歩、一歩と詰めていく。その後をロベルタが集中を高めながらついていく。
そうして詰めていく中、一瞬、嵐が弱まった。花びらは残っているが、相手のユーベルコードの効果時間が切れたのだ。
その間に急ぎ踏み出した二歩で、ロベルタの射程ぎりぎりに入る。
「Finché c' è vita, c' è speranza!」
庇われ、守ってもらったロベルタの準備は万端。銀の髪を翻し、片手で構えたグロックカスタムを瞬時に両の手で構え直して、『一の王笏』へと銃口を向ける。次の瞬間すぐさま飛び出る六つの弾丸。未だ残る黒百合の花びらを超えて、六つの牙は『一の王笏』へと呼ばれるように吸い込まれた。
その結果を確認する前に墨とロベルタはステップを踏んで後ろに下がる。一瞬後に激しさを取り戻した黒百合の花びらが、二人がいた場所を覆っていた。
距離をとって花びらの嵐を透かしてみれば、弾丸が撃ち込まれた場所を手で覆ってはいる『一の王笏』の姿。
「一回じゃ無理かー」
弾丸を素早く装填しながらロベルタは呟く。
「なら、もう一度」
近づいて、撃ち込めばいい、と墨は潮騒の音に紛れそうな声で呟いた。
「うん。頑張ろーじぇ!」
再び墨は花びらの嵐で攻撃を打ち消し、ロベルタは近くまで進み、弾丸を放つ。それを『一の王笏』が倒れるまで、何回でも繰り返してみせるのだった。
成功
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クルル・ハンドゥーレ
○◎〆
花の紋章持ちながら、無感動に花を踏みにじる
そんな無粋な輩は、さっさと骸の海に帰ってもらおか
敵先制UCにはすべての花弁を個別に操作していないと考え、可能な限り見切り・武器受け・範囲攻撃・カウンターで対処
全てが無理なら特に大ダメージとなりそうなものだけでも
抜けてきた分は呪詛耐性とオーラ防御で踏ん張る
此方の反撃は
召還したUCで戦士を盾にし迷彩で気付かれぬよう目眩まし、隙をつく
フェイント・マヒ攻撃・毒使い・鎧無視攻撃・破魔使用
自分のあらゆる使える技能をのせぶん殴る
あんたの航海は、骸の海での回遊がお似合いや
●
黒百合の花びらが島を覆う。僅かに伸びた緑に、花にふれればそれは千切れて踏みにじられる。『一の王笏』にとってそれらは意味がないものだからだ。
「花の紋章持ちながら、無感動に花を踏みにじる」
風情を介さぬ輩を、無遠慮な侵略者をクルル・ハンドゥーレ(逆しまノスタルジア・f04053)が許すことはない。薄紅と白を散らす薙刀をくるりと構えてクルルは刃先を『一の王笏』に突きつけた。
「そんな無粋な輩は、さっさと骸の海に帰ってもらおか」
「無粋とは。宝にならぬものは価値がないだろうに」
クルルの言なとどこ吹く風、『一の王笏』はメガリスを崩す。浮かび上がる紋章と共に散らばる黒百合の花びらが、波のように押し寄せて飲み込もうとしてくるのだ。
クルルは花びらを見切る。波の動きを空気の動きで読み切り身を躱す。交わしきれぬほどの波はKalmia latifoliaをくるりと回し、渦巻く風が、刃と柄の範囲攻撃が払い落とす。僅かに抜けた花びらは、薄く貼ったオーラが防いだ。
黒百合の波をいなしてしまえば、クルルも力を呼び出せる。
「幽世に過ぎ去りし耀きよ」
柔らかな響きが砂浜に通る。いにしえの魔法戦士達がその声に応じて450もの数現れて、鬨の声をあげて『一の王笏』へと攻め込んだ。息のあった隊列をなし、魔剣を振るい、魔法で『一の王笏』の視線を捉えていく。彼を覆いつくしたその上で、浅くはない傷を与えていく。
クルルはその間に世界へ溶ける。周囲の自然に溶け込んで、戦士に翻弄される『一の王笏』へと近づいて。
「あんたの航海は、骸の海での回遊がお似合いや」
Kalmia latifoliaに彼女の持つ技を全て込める。必ず滅すべきと強い意志と共に己の全てをつぎ込んだ。戦士に翻弄される『一の王笏』が声に振り返ったところで薙刀の刃突き出してフェイントをかける。視線がそれたところを、クルルの全力で振られた柄が『一の王笏』の体を打ち据えた。
『一の王笏』は込められた力を、クルルの怒りを受け、吹き飛ばされ、花々の側、緑の上に伏して動かなくなった。
猟兵達の猛攻を受け、『一の王笏』は地面に倒れ、鮮やかな花の側で消えていった。
後に残ったのは、荒れた砂浜。
その奥で咲く花々は生命の輝きを誇らしげに見せてくれているのだった。
大成功
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