5
羅針盤戦争〜森羅万象奇々怪海獣

#グリードオーシャン #羅針盤戦争


●密林の奧の儀式。
 どんどんしゃん。どんどんしゃん。太鼓の音が、鈴の音が鳴り響く。
 誰一人として人間の住まわぬこの島で、聞こえるはずの無い音が。
「……」
 不気味なコンキスタドール「森羅の巫女」達は輪を為して踊る。
 その中心に鎮座された、謎の塊へと祈りを捧げるように。

●おぞましき熱狂。
「諸君! 遂に七大海嘯が動き出したな! 羅針盤戦争の始まりだ!」
 ゴッドオブザゴッド・ゴッドゴッドゴッド(黄金存在・f16449)が叫びを上げた。
「とはいえ、やるべき事は変わらない。奴らの本拠を見つけ出すため、海図を広げるのみよ! と、いうわけで向かってもらいたいのはこの位置にある島だ!」
 指し示すは未到領域。
 この島に人間は住んでいないが、海獣達が多く住まう無人島であったという。
「だが、今この島は怪しげなコンキスタドール共によっておぞましく変質している! 海獣達は怪物と化し、奴らの配下となっているのだ!」
 その原因は、森羅の巫女達が祈りを捧げる「巨大な子宮のような塊」である。
 密林の奥深くで巫女達は、平和に暮らしていた海獣達をコンキスタドールの戦力としようとしているのだ。
 実際、海獣達は巫女達を守るために島全域に展開しているらしい。
「この島を解き放つ方法はただ一つ! 島の中心に鎮座した、この塊を破壊することだけだ! さすれば巫女達は力を失い、どろどろに溶けて息絶えるであろう!」
 残念ながら怪物化した海獣達を救うことはできない。巫女達と運命を共にすることになってしまう。このような卑劣な行い、許してはおけないが……それ以上の悲劇を生み出さないためにも、目的を果たすしかないだろう。
「他にも種類はいるが、この島に主に生息していたのはアシカ科の海獣だ! 怪物化している事もあってか、地上でも素早く動く! 数も多いから注意してくれたまえよ!」
 また、この島も当然ながらグリードオーシャンの一島。飛行や転移はその力を十分に発揮しづらい。
 密林の中心を見つけ出すには、それ以外の手を考えた方がいいだろう。
「ともあれ、放っておいては何が起こるかわからぬ不気味さもある! どうか迅速に目標を発見し、破壊してくれたまえ! 期待しているぞ!」


納斗河 蔵人
 お世話になっております。納斗河蔵人です。
 今回はグリードオーシャン。羅針盤戦争の一コマです。
 怪物化した海獣を切り抜けて、ジャングルの奧に鎮座した謎の塊を破壊しましょう。

 以下のようにプレイングボーナスがありますので意識してプレイングをかけてみてください。

 プレイングボーナス……ジャングルと怪物海獣に対処する。

 それでは、プレイングをお待ちしています。よろしくお願いします。
76




第1章 冒険 『怪物化した海獣たちの無人島』

POW   :    怪物化した海獣の脅威を打ち払って前進する

SPD   :    不気味なジャングルを探索して、目的地である島の中心を目指す

WIZ   :    ジャングルの生態や、海獣の行動・習性などから、島の中心地を割り出す

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
ライカ・ネーベルラーベ
んー、ジャングルかぁ……面倒くさいなぁ……
生えてる木が邪魔だし……蒸し暑いし……
アシカはキモいし……空飛べないし……
邪魔邪魔邪魔……
「ああああああウザったいなぁぁあぁああ!?どいつもこいつも邪魔なんだよぉぉぉおお!」

【Donner突撃/チェーンガンブレード四刀流】を発動
道中の障害になる一切合財をバイクと鋸剣で破壊して先へ進むパワープレイを選択
「どう考えてもさぁ!これが一番早いじゃんさぁぁ!」

聳える木々?切り倒す
立ちふさがるアシカ?首を落とす
地を這う蔦?Donnerの出力なら踏み潰せる
「クソキモい巫女も趣味悪いオブジェもさぁ!とっととぶっ壊させてよぉ!森ごと焼いて見晴らしよくしてあげようか!?」


シノギ・リンダリンダリンダ
なんかエグい事してますね…そういうの私の美的センスに反するので止めてくれません?

【飽和埋葬】で死霊たちを召喚し、謎の塊を見つけ次第砲撃するなりで場所を教えるように指示しておき島中に解き放つ。3人1セットでいいでしょう
海獣達はかわいそうですが、まぁこうなった以上はどうしようもないですね。きっちりとぶちのめしておきましょう
鍛え抜かれた集団戦術に野生の生物如きは敵わないでしょう
私自身も右腕をMidās Lichに換装し、呪詛塗れの銃弾で応戦する

謎の塊を見つけたら、後は塊に向かって【宝冠の竜血弾】
黄金化させたら割りましょう。元の形のままだとアレですが、破片ならまぁ何かの役にも立つかもしれませんしね


アリッサ・ノーティア
話は聞かせて貰いました。
このジャングルを燃やしましょうそうしましょう。
駄目です?駄目ですか……

しかしこのジャングル自体もですが、怪物化した怪獣に中央に存在する塊の存在。
これはまたアレですね、メガリス案件です。
であれば調べたく思います。めっちゃ。

という感じで多分条件は満たしていると思うんで、メイジノートをめくり適当に詠唱。
そこかしこから出て来る鮫をランチャー。私に集おうとするアシカ君はとても良い餌になってくれる事でしょう。ついでに塊も少しだけでいいんで噛み千切って持ってきてくれないでしょうかね?

あ、私はパプンと一緒に宙に浮いて塊まで移動です。
高く浮いていればアシカには手も足も届かないでしょうし。


ナイ・デス
海獣さん達……怪物にされて、もう助からない……ですか
せめて……せめて安らかに、眠らせてあげたい、ですね

聖者の力
【浄化】の光
【生命力吸収】する光で、疲れさせて眠らせて、そのままそっと、消滅させていきます
【覚悟激痛耐性継戦能力】私はヤドリガミ。本体が無事である限り、死なない
だから、海獣さん達の攻撃受け止めて、そっと光で、終わらせて

まだ怪物化していない海獣さんが、いれば
怪物化してしまう前に、中心にいって、壊さなければと、急ぐ
急いで、だから

心だけ戻すのは、酷なことかも、ですが

『光をここに』
協力をお願いする【動物と話す】
中心を、塊の場所を、教えてください

まだ無事な海獣さんだけでも、一緒に、守りましょう


神海・こころ
◆巡回飛行作戦6回目
島内での依頼は思いっきり空を飛べるから最短最速で驚異を取り除いちゃうぞ♪
ヒーローは空からやって来る
鳥か? 飛行機か? ……いえ、ただの黄金バットを振り回す脳筋です♪
「スーパー・ジャスティス」で「飛翔能力」を自身に付与
黄金バット二刀流で
見敵必殺(サーチアンドデストロイ)の精神で見つけ次第デストロイ♪

今回のターゲットはアシカ型の海獣
中々の耐久力がありそうだし戦いがいがありそう♬
空から流星キックを噛ましながら1体を巻き込んで群れの中央に登場
さぁ露払いだよ♪簡単にノックダウンしないでよね♪
両手の黄金バットをスキ無く構えて宣戦布告をかまします♪


鞍馬・景正
咎のない海獣たちを害するのは忍びない――が、その分の仇は必ず討ち取りましょう。


と意気込んでも、敵の徘徊する密林を闇雲に探し回るのは非効率。
乱暴ですが一手打ちますか。

適当な高さの木の上に登り、やや離れた別の木へ【紅葉賀】による火矢を射掛けます。

火災を起こして付近の海獣たちを陽動し、姿を見せたものを【早業】による速射や【2回攻撃】で仕留めていきましょう。

一掃出来れば消火の後、高所から【視力】を凝らして四辺を観察。
【第六感】も信じ、違和や不審を感じる方角へ向かいましょう。

首尾よく塊を発見出来れば、そのまま【破魔】の念を籠めた矢で射抜くか、既に到着している猟兵がいれば援護を務めます。



「話は聞かせてもらいました。このジャングルを燃やしましょうそうしましょう」
 のっけから物騒な事をのたまったのはアリッサ・ノーティア(旅する雲に憧れて・f26737)であった。
 島全体に広がる密林は侵入者を拒み、邪悪なコンキスタドールの居場所を覆い隠している。
 それで全てが済むというのならばそれが一番手っ取り早い。
「大変魅力的な提案ですが、この島を全部燃やすとなると手間も時間もかかりすぎるのでは?」
 だが、シノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)はそれでは目的を果たせないと諭す。
 目的のためならば派手に暴れるのも蹂躙するのもお構いなしの彼女であるが、ここで執るべき手段ではない。
「駄目です? 駄目ですか……」
 七大海嘯の攻撃はまだ始まったばかり。奴らの本拠地を目指す為にも手早く進めなければ。
「それにしても、なんかエグい事してますね」
 単純に火攻めとはいかない理由がもう一つ。怪物と化した海獣達である。
 既に幾度か交戦しているが、火の手が上がれば彼らはその身を犠牲にしてまで消火に向かう。
 体液をぶちまけながら自爆する姿は見ていて気分のいいモノではない。
「ああいうの、私の美的センスに反するので止めて欲しいです」
「これはまたアレですね、メガリス案件です」
 島の中心に存在するという巨大な子宮のような塊と、祈りを捧げる森羅の巫女。
 このおぞましい呪いは確かにメガリスによるものなのかもしれない。
「ともあれ、こういう時は人海戦術で行くのが定番です」
 そう告げると同時、シノギはパチンと指を鳴らした。
 アリッサが振り向けば、薄暗い密林の奧からわらわらと歩み出す死霊たちの姿。
「これは……」
「惜しげもなく、リッチにいかせていただきます。七大海嘯のお宝が手に入る予定ですのでね!」
 これぞ『飽和埋葬(リッチ・システム)』!
 死霊達を従えるゴーストキャプテンらしい戦略と言えよう。
「さあ、お前達! この島を隅から隅まで荒らし回ってよく分からない塊とやらを見つけるんですよ!」
 彼女の命に従い、死霊たちは三人ずつのチームに分かれて散開。
 鍛え抜かれた集団戦術の前には、怪物たちも歯が立つまい。シノギは満足げに死霊達を見送った。
「怪しいものを見つけたら砲をあげて知らせるのですよ!」
「なるほど、人海戦術。私もそれでいきましょう」
 そして何かに納得したアリッサは、パラパラとメイジノートのページをめくる。
「意味を告げる鳥は遥か空を目指して旅立たん」
 見つけだした詠唱を口にすれば、彼女の周囲に水が舞う。
「其の結末を塞ぐ障害を越えるならば手を貸さんとする者よ」
 それらはやがて形を為し、宙を泳ぎ始めた。
「ほほう、これは……」
「今此処に我が心を持って立ち上がれ」
 そして、パタンとノートを閉じれば、辺りを漂うのは。
「サメ!!!!」
「はい、サメです。メガリスをめっちゃ調べたい気持ちを糧にすれば、きっと謎の塊にたどり着くはずです」
 それこそが『デザイア・ゴースト・シャーク』。
 アリッサもまたサメを見送り、二人は密林の奧へと足を踏み入れるのであった。
 
「せめて、安らかに……」
 島の反対側では一人の少年が崩れゆく何かの前で祈りを捧げていた。
 コンキスタドールによって変質させられた姿と心。
 ナイ・デス(本体不明のヤドリガミ・f05727)はまだ無事な海獣を求めて密林を探索していたのだ。
 だが、残念なことに出会うのは怪物ばかり。元に戻すこともできず、襲いかかられたからには放置するわけにもいかない。
 そんな状況の連続に目を伏せる。この島はもう、完全に支配されてしまったのだろうか。
「いえ、きっと、まだ無事な子が、いるはず……です」
 巫女と塊を見つけだし、破壊すれば彼らに危険が及ぶこともなくなる。
 少しでも被害を減らすことができれば……そう考えたところで何かが聞こえた。
「この声……怪物じゃ、ない、です」
 はじかれたように走り出す。助けを求めるような、悲しい声。やはりいたのだ、まだ助けられる海獣が。
「キュ、キュイー」
 だが、その命も風前の灯火。
 怪物はその声を消し去ろうと牙を剥いている。
「……させま、せん」
 一瞬の判断でその身をナイは怪物の正面へと滑り込ませた。
 鋭い爪が彼の肌に赤い線を作る。それでも怯むことなく手を伸ばし、抱きしめる。
「ギャバァァァァ!」
「ダメ、です。お友達、でしょう?」
 言葉と共に、彼の全身に光が浮かび上がった。背後には、心配そうに彼と怪物を見つめるアシカが居る。
 止まるわけには行かない。
「どうか、その心だけ、でも……」
 それはひと思いに倒してしまうよりも残酷なことなのかもしれない。
 だが、それでも思いだして欲しかった。怪物としてではなく、自分自身として死んで欲しかった。
 だからナイは自分の体を傷つけながらも祈りを捧げる。『光をここに(リジェネレイト)』――
「わかって、くれたですか?」
 攻撃が緩んだ気がした。怪物の表情をうかがい知ることはできない。
 だが、そうだと信じたかった。この後に起きたことを思えば。
「ギャース!」
「ギャバッ! ギャバッ!」
 いつの間にか、彼らをおびただしい数の怪物が取り囲んでいた。
 コンキスタドールの命ずるままにこの島に入り込んだ獲物を喰らい、排除する。そんな怪物たちが。
 ……唯一助かったアシカを守り切れないかもしれない。頭の片隅にそんな考えが浮かんでしまう。
 しかし。
「えっ?」
 抱きしめていた怪物が暴れだし、ナイの体を弾き飛ばした。
 突然のことに体勢を崩す。
 何が起きたのか、と顔を上げるとその瞬間、怪物の上半身が吹き飛んだ。
「ああああああウザったいなぁぁあぁああ!? どいつもこいつも邪魔なんだよぉぉぉおお!」
 黒い疾風が辺りを駆け回る。
 腹の奧にまで響くエンジン音と、回転する刃。はじけ飛ぶ銃弾が怪物たちを蹂躙する。
 黒い二輪車の上にいたのは、ライカ・ネーベルラーベ(りゅうせいのねがい・f27508)。
 彼女もまた塊を探索していたのだが、怪物たちの群れを見つけて飛び出してきたのだ。
 密生する木々の間を器用にすり抜け、大木ごと怪物を引き裂く。
 叫びが辺り一面に広がった。
 そして、やがて動くものがライカと、ナイと、アシカだけになったところで彼女はふう、と息をついた。
「無事?」
「はい、ありがとう、です……」
 あの状況、ナイは襲われていたようにしか見えなかっただろう。だからライカの行動は正しい。
 巻き込まれないように突き飛ばしてくれた怪物もそれをわかっていたはずだ。
「……あれ、怪物になってないんだ? そいつ……」
 と、そこでライカがアシカの存在に気付く。
 怪物に変化したこの島で無事でいること。その意味とは……
「きっと偶然、影響の外に、でられた、です」
「キュー……」
 ナイは僅かながら動物の言葉がわかる。
 ちょうどこのアシカが群れからはぐれたタイミングで、コンキスタドールの儀式がこの島を襲ったのだろう。そう推測した。
「まっすぐ来たって、いってる、です。だから島の中心は……」
「向こう、ってことか」
 アシカの見つめる方角へライカとナイは向き直る。
 ため息がひとつ。
「それにしても、ジャングルは木が邪魔だし……蒸し暑いし……」
「?」
 ライカのつぶやきにナイが疑問符を浮かべた。
「アシカはキモいし……空飛べないし……」
「どうした、です?」
 問いには答えず、バイクのエンジンを唸らせる。
「目標があっちだってんならさぁ! どう考えてもさぁ! これが一番早いじゃんさぁぁ!」
 ライカの体の中心、心臓代わりのメガリスが輝きだした。
 言葉をかける間もなく彼女はスロットルを回す。
「邪魔邪魔邪魔……邪魔だ退けぇ!」
 四つの剣を振るい、彼女は示された方向へと走り出した。
 邪魔する木々は切り払い、立ち塞がる怪物は首を落とす。
 ただひたすらに、まっすぐに。コンキスタドール目指して。
「……」
 半ばあっけにとられたようにその姿を見送ったナイは、アシカに海へ逃げるようにとだけ伝えると、慌ててその後を追ったのであった。

「ふむ……木々が密集していて上から目標を見つけ出すのは困難ですね」
 一本の木の上でつぶやいたのは鞍馬・景正(言ヲ成ス・f02972)。
 この敵の徘徊する密林を闇雲に探し回るのは非効率、と高所を取ったものの、それだけで見つけられるほど簡単ではないらしい。
「敵も然る者。どうするか……」
 考える。自分が塊を守るならばどうするか。少なくとも無防備ではいないだろう。
 周囲には守兵を展開し、近づく者を阻むはずだ。
 巫女達が従える怪物の動きを追えば、何らかの手がかりがつかめるかもしれない。
 ならば、と思ったところでふと空を見上げる。
「あれは……?」
 そこには一人の少女の姿があった。
 
「最短最速で驚異を取り除いちゃうぞ♪」
 そう言って神海・こころ(心海に沈む・f31901)は空へと飛び出した。
 この世界において海上を飛び回るのは自殺行為。
 だが、島の上ならば影響も少なく、その力を発揮できるのだ。
 鳥か? 飛行機か? いいや、『スーパー・ジャスティス』だ!
 空から見れば巫女も塊も一目瞭然! と思っていたのだが……
「全然見つからないよ!?」
 その理由は景正と同じ。密生した木々は敵を覆い隠し、空からの発見を困難にしていた。
 よーく目をこらしてみれば、怪物と化したアシカたちの群れはいくつか見つけられる。
「うーん、よし♪」
 切り替えよう。この島に来ている猟兵は自分だけではない。
 邪魔する怪物を蹴散らしておけば、きっと彼らが見つけてくれる。それでオッケー。
 ちょうど視界に群れも見えた。まずはあれから行こう。

「――焼き滅ぼさむ、天の火もがも」
 番えた矢の先にぼうと火が灯る。『紅葉賀(モミジノガ)』――その狙いはおよそ五百間先までも届く一矢。
 景正は密林に弧を描くように炎を放ち、怪物たちをおびき寄せる。
 奴らはどこから来るのか。あるいは、火の手が上がってから現れるまでにどれほどの時を必要としているか。
 それを知れば、目指すべき場所も見えてくるはずだ。
 ユーベルコードの力によって燃え上がる炎が薄暗い密林を赤く照らした。
 誘われた怪物に二の矢を放ち、仕留める。
 咎のない海獣たちを害するのは忍びないが、せめてこの事態の根源を討つことで慰めとしよう。
 動くものがいなくなったところで念じれば、放った火はたちどころに消え去った。
「必要以上に火を広げる必要もありませんからね」
 こんな作業を幾度か繰り返していくうちに、見えてきた。
 巫女達が祈りを捧げる呪われた塊。その大まかな位置が。
「これ以上は地道に調べていくしかありませんか……うん?」
 と、その時視界の端に奇妙な光景が写った。
 続々となぎ払われ、倒れていく木々。その線は一直線に目星をつけた辺りへと向かって行くではないか。
「どうやら、確信があるようですね。ならば!」
 火矢を放つ。燃え上がる炎が天高く煙を上げる。あれを目印に進めばいい。
 きっと、目指すべき場所はあそこにある。
 木から飛び降り駆け出す。
 やがていくつもの砲が撃ちあがり、宙を鮫が泳ぎ始める。
 猟兵の誰かが目標を見つけたのだろう。
 流星が如き一条が大地に向かう姿が見えた。

「見つけたよ、悪い奴! 私が一番乗りだ♪」
 轟音と共に、こころは密林の中にぽっかりと広がる空間へと舞い降りた。
 辺りには焼け焦げた木々と怪物たちの死骸。砲を天に向けたシノギの死霊達。
 そして、巨大な子宮のような塊とそれを取り囲む森羅の巫女達がいた。
 こころは手にした黄金バットをぶんと振り、コンキスタドールへと突きつける。
「見敵必殺(サーチアンドデストロイ)! まずはその変なのをデストローイ♪」
 と、反応も待たずに一直線。
 音よりも早く飛ぶ彼女を阻むこともできず、二本の黄金バットは謎の塊に突き刺さった。
「……あれ?」
 が、手応えがない。ぶよぶよとした肉の塊が衝撃を散らし、こころの一撃を防いだのだ。
 その事を悟り一瞬呆けたが、すぐに笑みが浮かぶ。
「……へへ、そうじゃないとね! 簡単にノックダウンされたらつまんないもん♪」
 飛行の勢いで宙返り。そのまま怪物をなぎ払うと、こころは体勢を立て直す。
 その背後から、次なる猟兵が飛び出した。
「見つけたァ! クソキモい巫女も趣味悪いオブジェもさぁ!」
 バイクの勢いは増すばかり。四本の鋸剣が木々を切り裂き、怪物を切り裂き、森羅の巫女を切り裂く。
 だが、そんなライカの攻撃さえも、塊を破壊するには至らない。僅かに表面を削り取るだけに終わる。
「面倒だなぁ……とっとと、ぶっ壊させてよぉ!」
 バイクを反転させたライカに怪物が襲いかかるが、返す刀で粉砕。
 その後を追ってきたナイも姿を現した。
「どうやら、呪いの力が、耐性を増幅している、みたい、です」
「へぇ、呪いかー。いかにもって感じだ♪」
 その言葉にこころは期待をますます強くする。戦いはこうでなくては。
「ならばその呪いは私が祓いましょう」
 声に振り向けば、そこには弓を手にした景正の姿があった。

「南無八幡大菩薩……」
 精神を集中し、矢を番える。破魔の一矢には集中が必要だ。
 森羅の巫女達も黙ってはいない。その祈りはますます深くなり、怪物たちはそれを阻止せんと迫り来る。
「さぁ露払いだよ♪」
「全部ぶっ倒して見晴らしよくしてあげようか!?」
「これ以上、怪物になってしまう海獣さんは、増やさせません」
 こころが、ライカが、ナイが四方から押し寄せる敵を阻む。
 その中心で念を籠め、そして。
「いざ!」
 景正の放った矢が塊へと突き刺さる。
 邪悪なる気配が薄れ、清浄なる空気が広がった。
「よし、後は破壊するだけ……」
「遅れて申し訳ありません。その役目は私が」
 声に空を見上げれば、そこには巨大なクラゲに吊り下げられたアリッサの姿。
 測ったかのようなタイミングで現れた彼女が指を振れば、無数のサメが塊へと殺到する。
「鮫ランチャーです。この数ならばひとたまりもないはず……」
 水しぶきと土煙が上がり、視界を覆う。
 首尾よく破壊できたならば巫女も怪物も溶けてなくなるという話だったが……
「やったか!?」
「あぶない!」
 アリッサに向けて飛び上がった怪物に最初に気付いたのは景正だった。
「おっとっと」
 すんでのところで高度をあげてかわしたが、危ないところだった。パプン(クラゲのこと)のおかげである。
「むう……」
「まだ、健在、です」
 呪いが解かれてもその耐久力は並ではなかった。
 柔らかい肉は衝撃を和らげ、猟兵たちの攻撃でも容易くは破壊できない。
 ならば壊れるまで攻撃を続けるまで……と全員が構えなおしたところで声が響いた。
「お前達、よくやってくれました」
 右腕を黄金の『Midās Lich』へと換装したシノギが塊を指さす。
「呪いは先にかかった方しか効果がない、というのが相場でしてねぇ……」
 黄金が輝きと、禍々しさを増していく。
 掌を広げ、構える。
「壊せないなら、壊せるものに変えてしまえばいいのです」
 大魔王の呪いを受けた右腕は欲望の証。
 呪詛に塗れた竜の血が、受けたものを黄金に変えるこの力。
「ブッ黄金(コロ)します」
 放たれた『宝冠の竜血弾(グリード・ファイヴ)』が塊へと突き刺さる。
 禍々しい肉は呪いと共に黄金へと変化していく。
 もはやそこにあるものは、子を守る子宮のような存在ではなくなっていた。
「いま、です」
 ナイが告げた。祈りと共に光を放つと、怪物たちの動きが止まる。
「後は突っ込むだけで、終わるなぁぁ!」
「あれなら殴れば壊れるね♪」
 ライカがスロットルを回し、こころはバットを手にその身を宙に踊らせ、突き進む。
「海獣を怪物に変化させる呪いも、肉を黄金に変える呪いも面白いです。興味があります。めっちゃ」
 空飛ぶ鮫が降り注ぎ、大地を揺らす。
「終わりにしましょう。彼らの無念を晴らすためにも!」
 景正の放った矢が風を貫く。
 もう邪悪な祈りを届かせはしない。猟兵たちの狙いはただ一つ。
 
 塊は砕け、森羅の巫女達はどろどろと崩れ去っていく。
 怪物へと変化させられてしまった海獣達も同様に。
「誤算でした。せっかく黄金に変えたのに消え去ってしまうとは」
「鮫に一部を持ち帰らせたのですが、こちらも消えてしまいました」
 塊も砕けると同時に溶けて消えていってしまった。
 この謎の物体、その正体を知ることはまだできなさそうだ。
「これで終わりだね。次の敵を探さなきゃ」
「うんうん、ガンガン飛ばしていこう♪」
 ライカやこころは次の戦場へと想いを巡らせる。
 この広大な海での戦いはまだまだ続くのだ。
「仇は、討ちましたよ」
「安らかに、眠ってください」
 海獣達は死体すら残らなかった。
 救えないという事はわかっていたが、それでも割り切れるものではない。
 だが。
「キュイー」
 僅かながら無事だったものもいるのだ。
 何も救えなかったわけではない。
 これ以上の悲劇を生み出さないためにも、猟兵たちは漕ぎ出していく。次なる戦いの海へ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年02月03日


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#グリードオーシャン
🔒
#羅針盤戦争


30




種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト