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ふぇありーらんど・とれじゃー

#アックス&ウィザーズ #猟書家の侵攻 #猟書家 #レプ・ス・カム #フェアリー

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●フェアリーのお宝頂きます
「わたーしはーよーうせーい、とれじゃーはんたー、いぇい!」
 フェアリーランドに妖精が一人、ひらひらと飛んでいる。何でもない光景に見えるが、このフェアリーランドはあるフェアリーが生み出したものであり、彼女のものではない。
 つまり、彼女はフェアリーランドの不法侵入者ということになる。
 どういう秘術を使ったかは知らないが、彼女は他人のフェアリーランドを訪れて鍵を探し求める。志半ばで倒れた猟書家のことはよく知らないが、その猟書家が探していた鍵には興味があった。
「ここで見つかるといいなー。あ、黙って解除されないように、この世界を悪夢にしなくちゃね。えーい!」
 彼女は宝玉のはまった杖を振り、フェアリーランドに魔法をかけた。悪夢を引き起こす邪悪な魔法は、フェアリーランドを食獣植物の花畑へと変えていく。
 普段は他の花と同様に澄ました様子で佇み、獲物が近づけば一気に牙を剥く。凶暴な食獣植物だ。
「鍵はわたしがちゃんと見つけてあげるから、それまでフェアリーちゃん、死なないでねー」
 それは壺の外へ向けられた声か。少女は空へ向かって杖を振り、ぱたぱた飛び去っていく。

●アックス&ウィザーズ・6thラウンド
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は急いでいた。
「皆さん! またフェアリーさんが狙われています!」
 猟書家が倒されても、意志を継ぐオブリビオンが同様の事件を起こすことが度々ある。今回ロザリアが予知したのは、まさにそういう事件だった。
「フェアリーさんが作り出したフェアリーランドにオブリビオンが侵入して、悪夢で乗っ取ってしまったんです。そのせいでフェアリーさんはフェアリーランドを解除できず、しかも悪夢化したせいで体力を消耗してしまうため、放っておいたら死んでしまいます!」
 まるで足跡を辿るかのような、同じ手口の事件だ。
「オブリビオンを倒せばフェアリーランドは元に戻るので、皆さんにはフェアリーランドに向かってオブリビオンを倒していただきたいんです! それで、今回事件を起こしているオブリビオンは『謎の軍団妖精魔術隊長』という……謎の軍団の妖精魔術隊長のようです! 謎ですね! 固有の名前があるのかはわかりません!」
 軍団の隊長ということだが軍団があるわけではなく、今回は彼女の単独行動らしい。
「あと、悪夢化したフェアリーランドにも気を付けてください。今回は食獣植物が潜む花畑のようです。迂闊に近づくとかぶっと咬まれたりするかもしれませんから、注意してくださいね!」
 フェアリーランドの悪夢に対処しつつ、敵を倒す。これが今回のミッションだ。
「近々大きなことが起こる予感がしますが、敵は待ってくれません! 気を引き締めていきましょう!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 次の猟書家期間に向けて準備準備……。

●フラグメント詳細
 第1章:冒険『食獣植物の花畑』
 花畑の中に食獣植物がいます。近づいたら襲ってくるので、対処するなり避けて通るなりを考えておくと良いと思います。
 見た目としては普通の花の真ん中(?)が口のようになっているとか、ハエトリソウみたいな食虫植物の巨大版とか、そんな感じです。

 第2章:ボス戦『謎の軍団妖精魔術隊長』
 隊長だけなので普通のボス戦です。
 光と闇が合わさり最強に見えるヤツなので注意しましょう。

●MSのキャパシティ
 合わせプレイングはお受けできません。申し訳ないです。
 でも複数採用リプレイとかは気まぐれで書いたりするのでソロ希望の方は明記しておいてください。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『食獣植物の花畑』

POW   :    蔦を駆逐しながら花畑を突破する

SPD   :    食獣植物の蔦を搔い潜り、花畑を駆け抜ける

WIZ   :    食獣植物を見分ける方法を探り、安全な道を探し出す

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ロッテ・ブラウ
降り立ったロッテ・ブラウは今回とっても怒っている!!
激おこぷんぷんモードだよ!!

長い長い激戦(?)終わりの見えない兎狩りの末
やっと、やーっとの討伐報告
これでフェアリーは安心だ♪お疲れ様♪やったねー♪
と祝杯をあげたばっかなのに…

えっ?ロザリアさん?もう一度言ってもらえる?
あはは~っ…冗談キツイって
マジ?模倣犯とか何の冗談なのさ!!

しかも今回は「「同族」」らしいじゃん?

八つ当たり気味に、罪もない食獣植物に『這い寄る悪夢』を使用
問答無用で前方400m前後を消し飛ばして、道を作りながら進みます

人に迷惑かけんな!!
まずは自分のフェアリーランド探索してこいや!!
キツイお灸を据えてやる!!待ってろ!!



●怒りゲージが振り切れた
 腸が煮えくり返る、という言葉がある。
 しかし今のロッテ・ブラウ(夢幻・f29078)は煮えくり返るどころではない。腸に溜まったマグマがごぽごぽとガスで泡立って今にも噴火しそうな激しい怒りを覚えていた。
 人呼んで激おこぷんぷんモード。やけに字面が可愛くなったが、それはもう凄まじい怒りであることには違いない。
「長い長い激戦、終わりの見えない兎狩りの末、やっと、やーっとの討伐報告。これでフェアリーは安心だ♪ お疲れ様♪ やったねー♪ と祝杯をあげたばっかなのに……」
 叩きのめしても次の日には何事もなかった様子でフェアリーランドに入り込む。レプ・ス・カムとの長きにわたる戦いは、つい先日ようやく終止符が打たれたはず……だったのだが。
 ロッテは耳を疑いグリモア猟兵に確認したが、レプ・ス・カムの意志を継いだオブリビオンが現れたのは事実のようで。しかもそのオブリビオンは妖精――フェアリーだと言う。その場を収めた乾いた笑いは、フェアリーランドにやってきた時にはもう消えていた。
「模倣犯とか何の冗談なのさ!!」
 滾る怒り。ぶつけどころが欲しかった。そんなところに運悪く居合わせたのが食獣植物だ。地に根を張る彼らは歩き回ることができない。故にロッテと鉢合わせてしまったのは事故だった。
「人に迷惑かけんな!! まずは自分のフェアリーランド探索してこいや!! キツイお灸を据えてやる!! 待ってろぉぉぉっ!!」
 咆哮と共に放たれた広域魔法はビームのように一直線に突き進んで食獣植物を呑み込んだ。彼らは獲物を今か今かと待つ最中、無慈悲に放たれた魔法により事象を上書きされ、初めから何もない道に置き換えられてしまった。
 そうして作られた道を、ロッテは湯気を立ち昇らせながら進んでいく。問答無用の怒りの魔法は見せられては、残された食獣植物も黙って見送るしかなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マリエラ・レイクベア
妖精のお花畑といったら、綺麗で素敵なお花畑!
ひょいと大斧を怪力で突き出し、デッカイ花の口に突っ込んで、
周囲を確認。

…なのに、危険な食獣植物の群れだなんて、正に悪夢!
幻杖で風の属性攻撃、カマイタチを放ち、周囲の食獣植物達をなぎ払い、空白地帯を作ります。

お宝を求める浪漫を解するのは中々ですが、
この夢をブチ壊すような所業!私が許しませんよー!!
『湖幻の怪』ペガサスを召喚。

さぁ、行きますよ!こんな植物、根こそぎ刈りとってやりましょう!
騎乗し空中浮遊。全力魔法、風刃を伴い飛びます。

移動速度、食獣植物への対処、視界の確保、これで良し!
まってろ猟書家ー!!



●フェアリーに悪夢は似合わない
 妖精と言えばお花畑。お花畑と言えば妖精。それらは切っても切れない関係で、マリエラ・レイクベア(駆けだしマリー・f26774)も夢を抱く。
 しかし何だこのデカブツは。マリエラは大斧をひょいと持ち上げて巨大な花の口へ突っ込みつつ、周囲を確認していた。
 凡そフェアリーランドとは思えぬ禍々しい花の数々。大斧を突き入れられた花はもがもがと牙のようなものを見せつけながら暴れている。周りの花も食獣植物の名に相応しく、茎を揺らし口を半開きにして獲物が近づくのを待っていた。
「危険な食獣植物の群れだなんて、正に悪夢!」
 そう、悪夢だ。この世界を正すためには、食獣植物の花畑を抜けて、元凶を倒さねばならない。
 その元凶はこの世界で、鍵なる宝を探しているらしい。宝を探し求めるロマンを解する精神には一定の感心を覚えたマリエラだが、そのためにフェアリーと花畑というドリームタッグをぶち壊す所業を見過ごすわけにはいかなかった。
 湖幻の杖を手にすると、先端から風の属性攻撃、カマイタチを放った。空気の刃は花に触れるとズバズバと容赦なく斬り飛ばす。茎を切断され風に煽られた花が宙を舞い、そしてぼとぼとと落ちていく。
 そうして花の無い一帯を作ると、
「変……幻!」
 実体のある幻影のペガサスを傍らに、風を操る姿となった。
「さぁ、行きますよ! こんな植物、根こそぎ刈りとってやりましょう!」
 マリエラはペガサスに騎乗する。ペガサスはゆっくり翼を広げると、空を駆けるように飛翔し花畑の中を加速していく。
 眼前には食獣植物の群れがまだ広がっていた。ペガサスごと喰らってやろうと口を伸ばしてくる花々を、マリエラは全力の風魔法で迎え撃った。
 切り裂く旋風が邪悪な花弁を刈り取っていく。花の首がごろごろと横たわる中、切り開かれた道をペガサスは進んでいた。
「移動速度、食獣植物への対処、視界の確保、これで良し! 待ってろ猟書家ー!!」
 マリエラは幻杖を頭上に掲げると、さらに大きな風刃を作り、飛ばすのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒城・魅夜
やれやれ、あの愚かなウサギを仕留めたと思いましたら
そのつまらぬ模倣者が現れるとはね
まあいいでしょう
それならばあのウサギと同じ目に遭わせてあげるだけのことです
真の悪夢を味合わせるという、ね

ふふ、近づくと噛む植物ですって?
それは面白いこと
「噛む」ことに関しては私も他者に負ける気はありませんよ
ダンピールのこの牙にかけてね

鎖を舞わせ体の周囲を覆い、ガードとしながら駆け抜けます
植物たちがどれほど噛みついてこようとも
時を操り超加速した私の速さについてこられますか?
ええ、私が「噛んだ」のは時間そのもの
時を吸って支配しているのです
これが「噛む」ことの神髄ですよ、ふふ



●時噛みの魅夜
「やれやれ、あの愚かなウサギを仕留めたと思ったのですが、そのつまらぬ模倣者が現れるとはね」
 黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)は辟易していた。幾度となく繰り返されたフェアリーランドの惨劇が、今後も別のオブリビオンによって引き起こされると考えると気が滅入ってくる。
「……まあいいでしょう。それならばあのウサギと同じ目に遭わせてあげるだけのことです。真の悪夢を味わわせるという……ね」
 果たして魅夜はどんな鉄槌を下すのか。見物ではあるが、魅夜にはまず越えねばならぬものがある。
 食獣植物。獣を喰らう植物が、魅夜の目の前に広がる花畑に蔓延っているのだ。
 一度噛みつかれれば逃げ出すのは容易ではないだろう。だが、「噛む」ことにかけては、たかが植物如きに負けてはいられないのが魅夜だ。彼女はダンピール。生まれながらにして噛むことに特化した牙を持つ種族。
 その牙に噛めぬものはない。魅夜は鎖を回せて自身の周囲を覆うと、花畑に飛び込んでいった。
 鎖が周囲の食獣植物を刺激する。反応した食獣植物は首を伸ばすようにぐんと近づいてぎざぎざの歯がついた捕食器官を閉じるが、いずれも空を噛み切るのみ。
 触れてから噛みつくまでの一秒足らずの時を魅夜は駆け抜けていた。およそ人の反応速度を超えた速さだ。そのカラクリは、やはり牙にある。
「私が『噛んだ』のは時間そのもの……時を吸って支配しているのです。これが『噛む』ことの神髄ですよ……ふふ」
 噛みつきが空振りに終わり、茎をしならせ項垂れたような格好になっていた食獣植物に種を明かす。時という概念に噛みつき、奪ったのだと。
 魅夜も食獣植物も、生き残るために噛む術を得たが――概念すら噛む魅夜の前では食獣植物の存在は希薄であり、ただ負け犬のように項垂れながら魅夜の背中を見送るしかなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『謎の軍団妖精魔術隊長』

POW   :    光と闇のレーザー
レベル×5本の【光・闇】属性の【レーザー】を放つ。
SPD   :    魔法は偉大なり
対象のユーベルコードを防御すると、それを【魔法で10倍の威力でコピーして】、1度だけ借用できる。戦闘終了後解除される。
WIZ   :    綺麗な流星を見なさい
【視線】を向けた対象に、【空から落ちてくる隕石】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠純・ハイトです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●フェアリー殺しのフェアリー
 少女、妖精魔術隊長はふわりふわりと飛びながら鍵を探していた。草むらの陰に隠れてないかと何度も飛び込み、枯れ木の幹の空洞や地上に飛び出した根の裏側なんかも念入りに探した。
 それでも見つかっていないのは、物探しが下手だから? ううん、鍵が小さいからだ、と思い込んで、少女はなおも探し続ける。
 しかし不意に、ざわっと草木が揺れた。それは嵐の前触れ――。
「あれあれあれー? なーんか来てほしくない人達が来てるようなー?」
 少女は杖を両手で握ると、望まない来訪者――すなわち猟兵を待ち構えるのだった。
ロッテ・ブラウ
みぃ~つけたぁ~
(殺気を垂れ流し「鬼の形相」で高速接近)

魔術戦特化?
ふぅ~ん…召喚系?素直な術式だな…
まぁ正直、避けるのもめんどくさい

化術で周囲から見えない様に魔方陣を偽装した「秘された窓」を
自分の周囲に常に展開して
突っ込んでくる隕石や魔術を自動回収します

でさキミこの程度なの?
(巻きあがった埃を何事も無かったかのように手で払い)
駄兎の方が、まだやり手だったよ?
(ゆっくり近づき)
何をしたって?
あははは~魔術師が手の内を晒す訳ねぇじゃん?
さぁお仕置きの時間開始だよ♪
(ワザとらしく媒体を付けた指を立てて視線誘導)
注意力散漫だね♪
(死角に出口の魔方陣を設置して回収した魔術をそのまま返します)



●種も仕掛けもございません
「みぃ~つけたぁ~」
「ひぃっ!」
 ずおおおぉ、と殺気の権化となったロッテが少女の眼前に高速で迫っていた。
 不意打ちではないが、それほどまでに巨大な殺気をぶつけられると思っていなかった少女は思わず悲鳴を上げていた。生存本能が働き逃げ出しそうになったが、ロッテの魔の手(?)からは逃れられない。
 前方をロッテに塞がれ、行き場をなくした少女は杖を掲げた。
「りゅ、流星を、見なさいっ!」
 ロッテを凝視し魔術を放つ。空から降ってくるのは隕石だ。直撃すればクレーター一直線。ロッテはすいと視線を逸らして空を見上げた。
「魔術戦特化? ふぅ~ん……召喚系? 素直な術式だな……」
 そして命中率が高いときた。球状の隕石は表面に炎を走らせ落ちてくる。正直避けるのもめんどくさい。ロッテは心中で呟いていた。
「潰れろーっ!!」
 少女が気合を込めて落とした隕石がずどんとロッテを押し潰す。衝撃で舞った土煙が円形に渦を巻き、次第に晴れていく。
「……でさ、キミこの程度なの?」
「……!? 生き……てる!?」
 フェアリーには到底受け止められるはずのない大きさだったのに。隕石は影も形もなく、土煙の中からぴんぴんしているロッテが姿を現す。服に付いた土埃を手で払いながら、ゆっくりと少女へ近づいていく。
「駄兎の方が、まだやり手だったよ?」
「いったい、どうやって……!?」
「何をしたって? あははは~魔術師が手の内を晒す訳ねぇじゃん? さぁお仕置きの時間開始だよ♪」
 ロッテは魔法の指輪をはめた指を立てると、左右に揺らし、そしてすっと上へ移動させる。
 いったい何が起こるのか――少女はじっとその指を追っていたが。
「注意力散漫だね♪」
「……!!」
 背中から突風が吹いたかのような圧力。そして熱気。
 ロッテに落ちた隕石は破片一つ残さずどこへ行ったのか――少女はそれを考えるべきだった。
 指輪の力で仕掛けた魔法陣は化術で隠匿されていた。それが暴かれた時、隕石もまた現れる。一旦は魔法陣の中に回収した隕石を、ロッテは少女の背後に仕掛けた魔法陣から吐き出した。
「ひ――むぎゃっ!?」
 少女の小さな体に押し迫る隕石がそのままの勢いで直撃し、空へ打ち上がる。
 その最中、隕石にべちゃっと貼りついた少女の体はぺらりと剥がれてひらひら落下するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

マリエラ・レイクベア
みーつーけーたーー!!
幻影のペガサスで突っ込み、馬体と嘶きで注意を逸らし
目立たないようにジャンプ、相手がペガサスに注目している間に、上から
剣の平部分を妖精魔術隊長へ向けて、怪力で振り下ろします

ぐぬぬ、流石に小さいだけにうまくはいきませんか。
しかし、この世界の本当の妖精さんの為にも!絶対に骸の海に返っていただきますよッ!猟書家!!
『創造武器』叡智の杖を装備・初期技能:呪詛
杖の呪詛で時空を歪ませ、レーザーを受け止めます。そして
属性攻撃、時空に捕えたレーザーの向きを変える

よっと……そっくりそのままお返しです!!
スナイパー、レーザーを妖精魔術隊長目掛けて射出
……ラストッ!
全力魔法。風のなぎ払いで攻撃!



●意志を継げば猟書家と変わりなし
 天高くペガサスが啼いていた。
「うぅ……今度は、空から……?」
「みーつーけーたーー!!」
「ペガサス!? 喋ってる!?」
 人の声もした。あのペガサスは人語も操るのか。少女はそんな勘違いをしていた。
 マリエラはペガサスを突っ込ませると同時にジャンプ、その馬体の陰に隠れて少女へと闇討ちを仕掛ける。剣の刃面を叩きつけるように振り下ろしていた。
 ペガサスが地上へ激突する直前に急上昇――そして少女の前に現れたマリエラの姿。
「わぁぁ!?」
 剣の刃は地面を抉るように叩きつけられ、欠けた土塊が周囲に飛び散った。そして少女だが、間一髪、マリエラの叩きつけの一撃から逃れ宙にいた。
「危なーいっ!」
 ぷんぷん、と少女は眉を吊り上げる。マリエラは叩き潰した地面に少女がいないことを確認すると、ゆっくりと剣を上げた。
「ぐぬぬ、流石に小さいだけにうまくはいきませんか。しかし、この世界の本当の妖精さんの為にも! 絶対に骸の海に返っていただきますよッ! 猟書家!!」
「猟書家? 多分わたしそういうのじゃないー!」
 少女はあくまで猟書家の意志を継ぐ者であり、猟書家ではない、という主張は確かに頷ける。しかしそれで止まるようなら猟兵はいらないのだ。マリエラは杖を取っていた。実体のある幻影の武器の一つであるそれは高位の呪詛の力を秘めている。
「ぐむむ~! 飛べー光と闇のレーザー!」
 少女の杖の宝玉に白と黒――光と闇の力が渦巻いていた。二又に分かれて発射された二色のレーザーはホーミングするように曲がってマリエラに飛んでいく。
「『魔』を……捕らえよ!」
 マリエラは杖の呪力を解放して時空を歪ませる。レーザーは着弾する直前――マリエラの眼前でぐるぐると捻じ曲がり、反転して少女へ向けて返された。
 的は小さいが、視線と杖の先端を重ねて射線を定め、方向を揃えた。二本のレーザーはやがて合流するように少女へ直撃、閃光弾のような爆発を引き起こす。
「きゃああぁ!!」
「ラストっ!!」
 マリエラは剣に風を纏わせる。そして頭上から縦一線。地を裂くように走る風の刃が吹き飛んだ少女を斬りつけ、左肩から右脇腹へと大きな刀傷を刻み込んだ。
「うぅ……ぐっ!」
 ゴムボールのように地面に落ちて跳ねた少女。背に生えた綺麗な翅は風の刃の余波を受けて、所々に裂け目ができていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒城・魅夜
あなたはレプ・ス・カムのことをよくご存じないのですね
ならば躯の海に帰って彼女を探し、ともに嘆くといいでしょう
悪夢の滴たるこの私の前で悪夢を弄んだ自分たちの愚かさをね

早業の範囲攻撃で鎖を周囲に叩きつけ
草花を舞いあげて花霞を作り出しましょう
その花霞の中を闇に紛れるように忍び寄ります

ふふ、あなたの能力は「視線」を向けた相手に効果を生み出すものでしたね
あなたが今「見て」いるものは誰です?
ふふ、流星に激突したように見えたのは私の「残像」による幻にすぎません
先ほどの花霞で作った隙に欺いたのです

さあ、真の悪夢がどんなものか知るがいいでしょう
あなたに相応しく、無数の植物にむさぼり食らわれる夢をね



●知らぬ罪の味
「あなたはレプ・ス・カムのことをよくご存じないのですね」
「レプ……ス・カム……確か、鍵を探してた、ウサギ……」
 ふらふらと飛び上がってくる少女が知っているのは名前とその目的くらいだ。どういう性格で、何が好きで何が嫌いで――どんな相手と戦っていたか。当然そんなものは耳に入っていない。
 他方、魅夜は持て余しそうなほどの戦闘経験がある。そして、立ちはだかるレプ・ス・カムを悉く打ち破ってきたのだ。
「えぇ……彼女は今も躯の海にいるのでしょう。帰ったら、探してみるといいですよ。共に嘆く相手になってくれるでしょうから」
「そんなわけに……いかないよ……」
「やせ我慢は程々にしないと身が持ちませんよ。尤も、悪夢の滴たるこの私の前で悪夢を弄んだのですから……その愚かさ、身を以って味わうことになりますけどね」
 魅夜は鎖を思い切り周囲へ叩きつけた。波打つ鎖は草花を根ごと掘り起こして舞い上げ、魅夜の周辺に霞を作り出す。
「わっ!」
 土が顔に飛んでくるのを少女は手で覆って被る。そして腕の下から薄く覗くと、花の霞の向こう側に鎖を振るう魅夜がいた。
「こんなことして……許さないっ!」
 少女は動かない魅夜を睨みつけた。星の魔術、隕石落下。燃える隕石が魅夜に向かって落下してくる――が。
「あなたが今『見て』いるものは誰です?」
「!?」
 背後からかかる声に少女はハッとした。隕石が自分目掛けて落下してきているというのに、目の前の魅夜は不自然なまでに動かない。
 像はやがて霞む。気付いた時には遅い。隕石はぐしゃりと地面を潰したが、下敷きになったのは舞っていた草花と魅夜の残像。
「ふふ……もうお分かりでしょう? あなたが『流星』を落としたのは私の残像――幻に過ぎません」
 少女の周囲にひら、と真紅の胡蝶が舞う。ひら、ひら、ひらと一羽、また一羽、増えていき。
「さあ、真の悪夢がどんなものか知るがいいでしょう。あなたに相応しく、無数の植物にむさぼり食らわれる夢をね」
 胡蝶は輝く鱗粉を翅より撒いていた。パウダースノーのように降り注いだ鱗粉は触れたその時から体内、精神への侵食を始める。
「あ……あぁ……」
 少女の体がカタカタと震え始めた。瞳は虚空に焦点を合わせ、あんぐりと開いた口からは一筋、涎が垂れていた。
「いやああああああ来ないでえええぇぇぇぇ!!! 手! 翅! やめ……やめてえええええええぇぇぇぇぇ!!」
 何かを振り払うように体をぐるんぐるんと宙で回転させながら、少女は地に墜ちて転げる。胡蝶の鱗粉は少女を恐怖に彩って、精神を破壊する。
 後に残ったのは、歯をカチカチと鳴らしながら涙を流す、亡骸のような少女だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

高宮・朝燈(サポート)
『オブリ解析…バール先生、あいつを止めるよ!』
 妖狐のガジェッティア×電脳魔術士、8歳のませたガキです。
 普段の口調は「ちょっとだけメスガキ(私、あなた、~さん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」、機嫌が悪いと「朝燈スーパードライ(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは、レギオンガジェット>お料理の時間>その他と言った感じです。レギオンガジェットで出てくるガジェットはお任せします。大抵補助的な役割を好みますが、多少の怪我は厭いません。口調はませたメスガキですが、性格的には良い子で、基本的に犯罪的な行為はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


紫野崎・結名(サポート)
音は、こころ。こころは、ちから。
今はたぶん、この音が合ってる…と思うから

音によるサポート、妨害、撹乱が好み
攻撃や運動は苦手、特に腕力はほとんど無いです
なので、キーボードも肩にかけます

ピンチは黒い天使、歩くのはセブンリーグブーツ、Float on soundをふわっと浮かべてキーボードを演奏
キーボードはスマホとつないで音源を自由に設定変更できるよ
動物の鳴き声にしたり、管楽器の音にしたり、弦楽器の音にしたり

食は細くてすぐお腹いっぱい
そして人見知り気味

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません



●醒めない夢は無い
 軽快な音楽に食獣植物が踊る。音に反応して動く玩具のようだ。
 そうして食獣植物を攪乱し、戦場に駆けつけた猟兵達がいた。
「バール先生、ゴーゴー!!」
 バール先生なる騎乗型ガジェットに乗って高宮・朝燈(蒸気塗れの子狐・f03207)がやって来た。アームでうねうね動く食獣植物を掻き分けて到着する。
 そしてもう一人、紫野崎・結名(歪な純白・f19420)がこの音楽の主。スピーカーを周りに浮かべてキーボードで演奏し、朝燈の後ろをついてきていた。
「うぁ……うう……」
 涙の跡が残る頬を手で拭い、少女はゆっくり体を起こす。まるで目覚ましに起こされる寝起きの様子だが、精神がズタボロの最悪の目覚めであり、朝燈と結名の登場も、少女にとってはまた最悪なことだ。
「きっとあれだよね! ちっちゃいけど!」
「多分、そう……です。小さいですね。でも、注意……」
 翅をゆらゆらと動かして静かに浮上する少女。瞳の力は弱いが、倒すまで油断はできない。
「今からオブリ解析するね! スカウター……分析!」
 朝燈は電脳タッチパネルを操作しながら少女の戦力を探る。
「そういうことなら……頭がすっきりするような、この曲……。今はたぶん、この音が合ってる……と思うから」
 結名はキーボードに細い指を触れると、新たな音を奏で始めた。緩急のついたアップテンポの曲は、朝燈の指を軽やかに踊らせる。
「わ! 凄い、早いはやーい!!」
 曲に合わせて朝燈の指がしゅぱしゅぱ動き、解析が一気に進む。少女に内包される魔力量はもうそれほど多くない――が、その魔力が体の中心に集まり始めているようだった。
「何かやってこようとしてると思う!」
「大丈夫、私の音楽は、相手にも、効いてます」
 音楽は結名を中心に空間へ広がる。当然少女も聞いており、その影響を受けている。結名の音楽、それはオブリビオンの心には届くことなく、故にその動きに制限をかける。
「なんでも、撃ってくれば……いいっ……!!」
 魔力を集中させていく少女だが、まるで泥沼に沈んでいるかのように身動きが取れない。集中させた魔力の前に杖を掲げたいが、腕が思うように動いてくれない。ここまでのダメージが効いている上に、それが結名の音楽の力だと何となく悟りはしたが、ぎゃあぎゃあ喚く暇も余裕もなかった。
「よーし、アームの変形完了!」
 解析結果から、バール先生のアームはドリル状に変形していた。少女には体に刀傷がついている。そこを切り開くように貫けば、ダメージは計り知れない。
「お願い、します」
「オッケー! 先生、やっちゃって!」
 バール先生がどすどす土煙を立てながら走り出す。ドリルがぎゅるぎゅる唸りを上げて回転し、アームは持ち上がって力を溜めた。
 行動速度を下げられた少女の杖はようやく目の前までやってきたが、宝玉にドリルが突き刺さると、パァンと粉々に破壊した。
「いや――やあああぁぁぁっっ!!」
 ドリルの先が少女の胸元に突き刺さると、傷を抉るように肉を削っていく。そして貫通する頃には、ドリルによって小さな少女の体は上下に切断されていた。背の羽は無残に千切れ飛び、手に持っていた宝玉のない杖がぽろりと落ちる。
 力無く落ちた少女の体はそれぞれ砂のように崩れていく。こうしてまた一つ、悪夢は終焉を告げた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年01月30日


挿絵イラスト