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化けを隠すならば化けの中

#カクリヨファンタズム

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#カクリヨファンタズム


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●幽世蝶でも化かされがち
 幽世で、こんなやり取りがあった。
「おい、つかさ!化け合戦参加しようぜ!」
「んー?化け合戦って何?」
「知らねぇのか?一番化けるのが上手い妖怪を決める大会みたいなもんだよ。ま、今回の優勝は俺が頂くけどな!」
「へー、いいじゃんいいじゃん……参加しようかなー!」

 実はそのつかさという少女が、オブリビオンと化していたという事は、この友人は知る由も無かった。しかしとある存在だけは感づく。それが【幽世蝶】である。幽世蝶の群れはすぐさま少女を追おうとするが……『第一関門』と書かれた門から先で、幽世蝶は迷い始めた。

 なんと化け合戦の会場への道まで、妖怪による化かされたコースで出来ていたのであった。進んだら別の道から出てきたり、門が横並びになっていて、正しい順に門を通らないと次の道へ行けなかったり。

 幽世蝶の群れも混乱するこの準備体操コース。正直通りたくは無い──。

●グリモアベース
「というわけで、化かされ耐性の強い猟兵を募集中よ!」
 ジェルダ・ヒーメィ(銭の亡者・f27900)は猟兵達を呼び寄せた。

「オブリビオンの少女つかさちゃんは妖狐で、狸の骸魂に飲みこまれてしまったようね。でもそこが問題なんじゃなくて、どっちかというと道中かも」
 ジェルダは大きくため息を吐いた。

「世界の滅亡を予知できるっていう幽世蝶って存在が最近ここカクリヨファンタズムで確認されてて、つかさちゃんを追いかけて行ったのはいいんだけど……つかさちゃんが化け合戦っていう大会に参加しに行ってるのね、そこに辿り着くには大会準備者が用意したトンデモコースを通らなくちゃいけないのよ。具体的には、正しい道が分かりづらかったり驚かしに来たり……ま、ようは試してるのよね。参加者を」

 というわけで滅亡を防ぐ為に試されてくれないか、というのが前半主な筋書きだそうだ。

「で、参加者達からつかさちゃんを隔離して、安全を確保してから救出して欲しいんだけど……とりあえず化け合戦に参加して一緒に楽しんでからにしてあげてね。無理やり引きはがすと不自然だし迷惑かかるかもしれないじゃない?参加内容は自由よ。化かすもよし、化かされるもよし。評価をつけてあげてもよし。ちなみに十点満点式よ」

 大体説明し終えた所で、ジェルダは転送の準備を始めた。
「心臓止まらない程度に楽しんできてね!……まぁそんなに程度は高くないそうだけど」


椿油
 妖怪に絞ると飛頭蛮が割と好みな椿油です。猟書家依頼が多い中あえてカクリヨを出すスタンス。というか猟書家戦が長引いたら他の世界の依頼が激減しそうで怖いので出してます。というわけでMS業上初・カクリヨファンタズムのシナリオです。

 第1章では大会スタッフの妖怪が作ったコースを冒険してもらいます。RPGのダンジョンギミックみたいな化かしコースになっております。ですが大体のコースは「正しい道順を見つける」事でクリア出来ます。

 第2章では大会開催地に幽世蝶が既に到着している(※道中迷ってました)ので、ターゲットを引き離しつつ化け合戦を楽しみましょう。ちなみに妖狐と狸骸魂のハイブリッドなので相当な化け技術持ち。自信満々の模様です。

 第3章では骸魂から妖狐のつかさを救出するボス戦です。前述したとおり相当化けるのが上手いようです。何をやらかして滅亡させようとしてたのは第3章に入る際に分かる予定です。

 皆様の見事なプレイング、お待ちしております。
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第1章 冒険 『ばかしばかさればけものみち』

POW   :    化かされているだけで実際には別のものがあるはず。触ればわかる!物理でいこう

SPD   :    化かされてるって事はこちらを見てるはず。変装等で化かしの勝負を挑み出てきた妖怪に直接問おう

WIZ   :    眉に唾、股眼鏡等伝承や起こすあやかしにあたりをつけ、対策する

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

シャルロット・クリスティア
POW

化かしの道、ねぇ……。
実際のその手の迷路と言うのは、地形巧みに方向感覚を失わせるようなものが多いですが。
コンパスさえあれば案外何とかなる……いや、流石にカクリヨでそれだけで済むようなものは出てこないですよね。やれやれ。

無限ループの類であるなら、話は簡単。道中に傷や小石と言った目印を残し、同じルートを繰り返さないように総当たり。
時間はかかりますが、結局のところ一番確実な手ですね。
後は、可能な限りのマッピング。

あるいは正解のルートを『隠して』いることもあり得ますが……まぁ、私の眼であればそうそう見落とすことはないでしょう。
作ったマップとも照らし合わせ、不自然な空間はしっかり疑っていきますよ。



「化かしの道、ねぇ……。実際のその手の迷路と言うのは、地形巧みに方向感覚を失わせるようなものが多いですが」
 シャルロットは、コンパスを使えないものかとふと考えた。
「いや、流石にカクリヨでそれだけで済むようなものは出てこないですよね」

 残った手は、総当たりだ。通る前に目印をつけ、全ての道を順番に通って行く。違えば目印がある事で次からはそのルートを選ぶ必要は無くなるだろう。

「時間はかかりますが、結局のところ一番確実な手ですね」
 「順路其の一」と書かれた看板のある、最初の道。まず、目立つ小石を置いた。道を進んでいくと、小石の所へ戻って来る。どうやらここはハズレのようだ。次の道には、枝をバッテンにして置いてみる。進むと、やはりバッテンの枝が現れる。
「1本目と2本目は違いますね……」
 UC《蒼穹を映す瞳》を駆使しながらマッピングし、正しい道を選んでいく。

「お、新しい道に出た。ここが当たりですね」

 次は横並びの扉が六つ。一番左の扉の前に小石を置く。扉を開くと、二つ隣に出た。
「……おや?」
 左から三つ目の扉に出たので、次はそこに小石を置いて、試しに戻ってみる。すると、左から五つ目の扉に出た。
「なるほど?」
 では次はどうか。左から五つ目の扉に小石を置き、戻ってみると……左から二つ目の扉に出た。
「これは厄介な……となると、次は」
 恐らく左から四つ目に出るだろう、と思い小石を置いて左から二つ目の扉に入ってみる。すると、左から四つ目の扉に出た。が、何か違和感を感じる。
「……確か、さっきまで扉は六つだったはず」
 扉が七つに増えている。ここで六つ目と七つ目、どっちを選ぶべきか。だが、どう見ても七つ目は扉の色が違う。
「これですね」

 七つ目の扉を開けると、新しい道が開かれた。「順路其の二の一 制覇」と書かれた看板が立っている。
「其の二の一?何パターンかあるのでしょうか」

 以後は順路其の一と似たような簡潔な道が続いた。「順路其の四 制覇」の看板が目に入った辺りで、大会の入口が見えて来た。
「成程、全部で道が4つですか。ようやく到着ですね……」

 順路其の二が、一番難関なようだった。ここをどう攻めるかが問題かもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シアン・ナアン(サポート)
◎〈おまかせ〉
『まずは自分を壊しちゃお!世界もどーせ壊れてるから!』
『自由こそ真の秩序……』
『シアン難しい話わかんなーい☆』

◆口調
コロコロ変わり、ぐちゃぐちゃである

◆行動
戦闘、遊び、調査等何をするにも分身を使って活動する
分身も意識があり区別がつかない
死に対して一家言ある
行動指針に一貫性がなく都度変わる

爆発物好き、派手好き

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、怪我や死ぬことも厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為は多分しません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動は恐らくしません。
 つまりはだいたいおまかせ。よろしくおねがいします!!


クリュウ・リヴィエ(サポート)
記憶喪失のダンピールだよ。
名前も年齢も本当かどうか、僕にも判らない。
ま、気にしてないけどね。

自分の過去は判らなくても、色々考えるのは好きだよ。
他人の行動とか状況とかに違和感があると、それに何か意味がないのか考えちゃうよね。
まあ、それで僕が有利になるかどうかは別問題だけど。

あとは食べることも好き。
食わず嫌いはしないし、残さないよ。

戦うときは、突っ込んで力任せに殴り掛かることが多いかな。
一応、剣も魔法も使えるんだけど、結局シンプルなのが性に合うね。



●二人で攻める難関コース
 シアンとクリュウは、「順路其の一」と書かれた道の前に立っていた。
「私に任せとけ!えっどうやるの?儂なら不可能も可能じゃよ★」
「えっと、多重人格なの……?」
「気にするでないぞよ♪行くぜ我がユーベルコォォーード!!」
 UC《サクラ》を発動したシアン。複数に増えたシアンは、全て別々の道に突入していく。
「俺はあっちだ!」
「じゃー適当にココ行ってみよー」
「わたくしは一番右端を行きますの」
 様々なシアンが道に突入し、徐々に消えていく。
「え、えっと……とりあえず一番右について行くね!」

 クリュウは大人しげなシアンについて行った。すると、偶然にもそこが当たりだったようで、「順路其の二」に出た。
「あっ、偶然だけど当たったね」
「どうしようかしら、本体別の道行ってしまいましたわ★」
「……来るまで待つかぁ」

「うおー! ってあれ、戻って来たぞ!?」
「おい一人居ないぜよ!」
「そいつどこさ行きよったね!」
「ぼく~、その道入って行ったの見たよ~」

 分身が勢いよく合流し、本体も合流した所で次の順路だ。

「この道は……迷路?にしてはかなり単純なような……」
「出口どっちぃ?あっちだぜきっと、いくでおじゃるよ★」
「何個口調があるの……??」

 とりあえず、別々にルートを探してみる。すると、クリュウの目の前には自分が現れた。
「あっ、ここ鏡かぁ……ん?」
 鏡にしては、服のボタン等が反転していない。
「まさかとは思うけど、鏡じゃないのかな」
 考えるポーズをすると、向こうの自分は汗をかいているように見えた。
「分かった、僕の後ろと対称の向きした正規ルートだ!」
 気付かれた途端、スタッフと思わしき妖怪は慌ててどろんと姿を消した。そう、透明な板を張っていただけでここが正解の道なのである。

 そしてシアンも、同じ鏡のような場所に辿り着いた。
「おっ我がいるぞ!鏡カナー?鏡ならぶっ壊すに限るで★」
 既に滅茶苦茶過ぎて全然シアンの動きを真似出来ていないスタッフは、グーパンチが飛んでくる前に慌ててどろんと逃げ出した。

 「順路其の二の五 制覇」と書かれた看板を目にした二人。以降は同じような道が続き、順路其の四まで達して、無事会場入りを果たしたのである。
「ようやく着いたね」
「しかしここからが真骨頂なのであった!何で?知らね!」
「……やっぱり、多重人格??」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 日常 『古今東西化け合戦!』

POW   :    被写体ならぬ被化体に立候補する

SPD   :    変装や化け術で参加する

WIZ   :    それぞれの化けた姿を品評する

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●化け合戦予選は夕刻からです
「さぁ始まりました第634回古今東西化け合戦!実況はわたくし狸のポコ吉、解説は狐のコン吉がお送り致します!」
「予選の時点でかなりの実力者揃いですねー」
「コン吉さん、優勝を狙えそうなのはどの妖怪でしょうか?」
「妖狐の出場者ですねー、尻尾の数と実力は実は一致しないんですよこれが」
「なんと!さて、開始時刻は黄昏時からとなっております!皆さん化ける準備はよろしいでしょうか?」

 銅鑼がジャアンと鳴らされた。猟兵達はモデルを引き受けるなり化けてみるなりしつつ、つかさを上手い事会場から引き離すのが狙いだ。だがつかさは優勝に向けて普通に突き進んでいる事を、お忘れなく。
イネス・オルティス(サポート)
『この鎧は一族伝統のもの、恥ずかしくなんて……』

アックス&ウィザーズ辺境のどこかにある隠れ里に住む一族の女戦士
〔一族伝統の鎧〕のビキニアーマーを愛用し主に〔巨獣槍〕という槍を使う
”ダッシュ”で近づき”なぎ払い”、”串刺し”等をよく行う

ボン・キュ・ボンのナイススタイルで、ビキニアーマーを普段使いしているため
無意識に周りを”誘惑”している事があるが本人は気づいていない
また”恥ずかしさ耐性”があるためか自分の格好より任務の達成を優先する傾向がある

アドリブ・絡み・可 ””内技能
描写はセクシーレベルまで
キャバリアには乗りません


ゲニウス・サガレン(サポート)
争いごと、特に巻き込まれるのは好まず、感情的になっている相手とは距離を置きたがります。ですが、自分より弱いものには大人として優しく見守ろうとします。誰にでも紳士的ですが、自分より弱い者を一方的に痛めつけるような存在には唾棄します。幼少時の暮らしぶりは良かったため、飲み物や食べ物には工夫を凝らしたがります。また、水中活動はまあまあ得意としています。


異灰窯・玄鉢(サポート)
『黒く、黒く、ぺたぺたと。』
 ブラックタールのゴッドペインター×探索者、30歳の男です。
 普段の口調は「丁寧(僕、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」、偉い人には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「さぁモデルの皆さんの登場です!様々な世界の方が見物に来ているようですね」
 実況のポコ吉が、猟兵達も含めたモデルの紹介をしていく。
「おぉ、比較的化けが難しいブラックタールの方も居ますね。出場者がどう化けるか楽しみです」
 コン吉が言ったのは、恐らく玄鉢の事であろう。そして玄鉢を見たつかさは、手を挙げた。
「23番の方に化けます!」
 23番の札をつけていた玄鉢は、自分が選ばれた事に多少驚きを見せつつ。
「お願いします」
 と、柔らかく返事をした。

 つかさが意識を集中させると、ブラックタールの液体のようなドロドロに一瞬なった後、玄鉢と瓜二つになっていく。会場からは拍手が沸いた。

「十点!」「十点!」「十点!」
 審査員達が十の札を挙げていく。そして、玄鉢がアイコンタクトを他の猟兵に送った。ここから作戦の開始だ。

「皆さん、次は私に化けてみるというのはどうかしら?」
 イネスが周囲の妖怪達の興味を引く。そのナイスなバディは確かに上手く化けられるかが試せそうだ。
「おいらやってみるでごんす!」
「わっちもやらせてもらうよ!」
 次々と妖怪達が挙手していく中、つかさも次に化けようと手を挙げようとしたが、玄鉢がそっと手を掴んで止める。
「つかささんは、こっちに」
「え、どうして私の名を……って、どこへ?」

 目立つ玄鉢から、モデルの中で密かに待機していたゲニウスへバトンタッチ。
「後は任せました」
「貴方がつかさ嬢だね?さぁ、おいで」
「あ、あの、だからどこに?」
 ここでゲニウスはUC《ゴーイング・マイウェイ》を発動し、手持ちの金貨を消費し、路地裏を通りながらつかさを会場から引き離すように共に走って行く。
「私、まだ化けたいんですけど……!」
「まぁまぁ、落ちついて着いて来てくれないかい?とても大事な事があるんだ」
「落ちついていられません! 会場に帰らせて下さい!」
「じゃあ、今 私に化けていいよ。それで満足してくれるなら」
「……大会非公式ですけどね。点をつけてくれますよね?」

 頷いたゲニウスを見て、つかさは意識を集中させ、ゲニウスと瓜二つに化けた。
「これは凄い。文句無しの十点満点だね」
「ありがとうございます。で、どこに行くんですか? それをまだ聞いてなかったんですけど……」
「そうだねぇ、広い所にしようか。それなら落ち着いて仕事が出来る。おいで」
「広い所って事は……人さらいの類じゃなさそうですね」
「あ、疑ってたかい? 違うよ。私は猟兵さ」

「五点!」「七点!」「六点!」
 その頃会場では、イネスに興味を持った妖怪達が審査されていた。
「(やっぱりつかささんが一番上手いみたいね……)」
 そして玄鉢が合流する。
「どうだった? 上手く引き渡せたの?」
「はい。後は我々もここを抜けて、向かうだけです」
「分かった。それじゃあ皆さん、ちょっと休憩してくるわね」
「はーい!上手く化けられなくて御免でごんす!」
「次こそはわっちが優勝するんだから……!」

「おや、モデルが数名見当たりませんね」
「休憩かカクリヨ探索でしょう。さて、現在トップのつかささん……あれ? いない……彼女も休憩ですかねー」

 勘のいい審査員達をよそに、つかさは花園に来ていた。

「わぁ、蝶々が沢山いますね」
「そして、あれが幽世蝶だよ」
「幽世蝶? ……うっ!」
「おや、骸魂を刺激してしまったかい?」
 イネスと玄鉢が到着する頃には、つかさはオブリビオンとなり始めていた。
「間に合ったみたいね」
「ここなら心置きなくつかささんを解放できますね」

「うっ……うあぁぁぁ!!」
 つかさは、狸の骸魂に主導権を奪われる直前、猟兵達の姿を見て、ふと感じた。
「(あれ……ひょっとして、私の、為に……?)」

『ちみの化け能力と僕の化け能力が混ざれば、最高のショーが始められるぽんよ~!』
 変な口調の狸の声が、最後につかさの脳裏に聞こえた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『『狐狸』つかさ』

POW   :    どろどろどろん!
戦闘力が増加する【巨大なダイダラボッチ】、飛翔力が増加する【上に攻撃力も高い鎌鼬】、驚かせ力が増加する【百面相をする釣瓶落とし】のいずれかに変身する。
SPD   :    化術大迷宮
戦場全体に、【トラップ満載の、化術で変化した自分自身】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ   :    三種の妖器
【宝珠の力による不動の呪い】【巻物から発動した幻術】【瓢箪から吹き出た毒霧】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠天御鏡・百々です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


『ぽこ~ん!!』
 つかさが骸魂に飲まれきった直後の第一声が、これだった。

『全てをまやかしまみれにして、大混乱を起こしてやるんだ~! ついでに月でも落とそうか? あははっ、楽しそう! ぽこ~んぽこ~ん♪』

 割と冷静だったつかさが、陽気で狂人な狸の骸魂に飲まれた事で、混沌と化していたのであった。
城田・紗希(サポート)
基本的には考えるより行動するタイプ。
でもウィザードミサイルや斬撃の軌跡ぐらいは考える。…脳筋じゃナイデスヨ?
暗器は隠しすぎたので、UC発動時にどこから何が出てくるか、術者も把握していない。
逆恨みで怒ってる?…気のせいデスヨ。UCの逆恨みじゃアルマイシ。

戦闘は、範囲系ユーベルコードなら集中砲火、単体攻撃なら可能な限りの連続使用。
必要に応じて、カウンターでタイミングをずらしたり、鎧破壊で次の人を有利にしておく。

……防御?なんかこう、勘で!(第六感)
耐性……は、なんか色々!(覚えてない)


子豚・オーロラ(サポート)
人間の妖剣士×化身忍者、22歳の女です。
普段の口調は「豚房流の女(私、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」、リラックス中は「子豚家の女(わたし、あなた、呼び捨て、ねぇ、ねぇん、でしょお、なのぉ?)」です。

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません

五刀流と一刀流を使い分け、相手のや依頼のタイプに合わせお色気行動と剣士としての真剣な動きを使い分けます

武人タイプには敵でも敬意を払いますが、騙し討ち等の戦術を嫌っているわけではありません

あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


ラング・カエルム(サポート)
「なんだ、さては楽しいことをしているな!よし、私も混ぜるといい!」
何かと首を突っ込みたがる。とても偉そうだけど人類みな友達だと思っている毎日ご機嫌ハイカラさん。
別に男に間違われてもなんら気にしない。そもそも自分の性別を意識していない。
とてもポジティブ。人類みな友達だけど、悪いことした奴に叱るのも友達。なので誰にだって容赦もしない。容赦なく殴る。容赦なくUCも使う。だって友達だからな!


月詠・莉愛(サポート)
『あの……宜しくお願いしますね。』
 オラトリオのシンフォニア×聖者の女の子です。
 普段の口調は「丁寧口調(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」
 独り言は「普通かな(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

大人しくて口数が少ないですけど、心優しく
動物や植物などの自然が好きな少女。
争い事は苦手ですけど、依頼の成功の為なら戦う事も厭わないです。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


クネウス・ウィギンシティ(サポート)
※アドリブ&絡み歓迎

●特徴
サイボーグ(四肢機械化済み)の技術者&狙撃手。SSW出身の鎧装騎兵。
民間人互助や義侠心に厚い。
年齢 27歳 男
口調 通常(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)
メイン武器 アームドフォート、マシンガン、パイルバンカー

●台詞例
『敵影捕捉、これより戦闘行動に入ります』
『索敵完了、狙撃開始』
『一対一なら勝機はあるはず』
『膝を屈する前にやるべきことをやりましょうか』

●行動
狙撃手としての『狙撃・援護射撃』や技術者として『(技術)支援』がメイン。
遠距離狙撃や砲撃メインで援護に徹します。

主な技能:スナイパー・メカニック・武器改造・ハッキング



 まず、敵影を捉えたクラウス。骸魂に飲まれたつかさを前に、冷静にミサイルポッドに弾を込め始める。
「GEAR:SMOKE CHAMBER。発煙弾投射、突入開始!」
 UC《SMOKE CHAMBER》を発動。つかさの攻撃より素早く放ち、つかさの周囲は煙に包まれた。
『ぽっぽこ~ん!?』
「さぁ皆さん、仕掛けるなら今です!」

「では、行かせてもらいますね」
 クラウスの声に反応し、助走をつけて走る莉愛。UC《不死鳥の天舞》を発動し、翼が生え炎の力を得た莉愛は、火の鳥と化した。
「カタストロフは起こさせませんっ」
 火の鳥の姿で飛翔し、煙の中に突入。つかさにダイレクトアタックを仕掛ける。
『あちちっ、何かアツいのが来たぽこ~ん!!』
「大丈夫です、すぐにこの戦いを終らせますから」
『終わるのは戦いじゃなくて世界だぽこ~ん!!』

 必至にもがくつかさの所に、煙の中を走る影が一つ。
「退きなさぁぁい!」
 ドドドドド……。
 ぼいんぼいんと大きい胸を揺らして走って来たオーロラ。そして莉愛が後ろに退いたところで、UC《爆乳挟昇落》を発動。
「豚房流剣術奥義の一、爆乳挟昇落!」
 つかさの細い足を挟み上げ、振り回す。
「ぬうぅ~~~~~~んッッ!!」
『やめるぽこ~ん!!? あぁー目が回るぽこ~ん!!』
「我が奥義は胸だけにあらず! 遠心力も利用した多彩な応用が可能よ!」
『風の音がうるさくて何言ってるか聞こえないぽこ~ん!!』

 そして煙の中に、さらにラングが乱入。
「なにやら楽しそうな事をしているな!? よーし、私も混ぜるといい! 遠慮はいらないぞ、我々は皆友達だからな!!」
「じゃあパスするわよー! ぬうぅんッッ!!」

 オーロラの胸からラングの腕にパスされた、つかさ。
「さぁ、私と一緒に踊ろう!」
 目が回ったつかさに、ぐるぐるとダンスを始めたラング。
『やーめーるーぽーこ~~ん!! 喰らえこのっこのっ、離すぽこ~ん!!』
 引き剥がそうとするが、何故かつかさの攻撃は効かない。
「ん?友達と踊っているだけだ、これは戦いじゃないぞ?」
 密かにUC《ハイカラさんは止まらない》が発動していた模様。そう、これはあくまでダンス、【非戦闘行為】である。後光は光り始めて眩しいし、ぐるぐる回るのがさらに追加されているので立っていられない程酔ってしまった。

『おぇぇ……ぐるぐるするぽこ~~ん……』
 へろへろになっているつかさ。
「だいぶやられてるみたいだけど……、まぁいいや仕掛けますよー!」
『ぽこ~んかかってこ~いうぇぇ』
 紗希が刀を構える。予想不能なフラフラした動きを見せるつかさ。
「来ーい!」
『うぇぇ~』
「こ、来ーい?」
『うぇ~~』

 これは……いつ来るんだ? その疑問が紗希の脳裏を過ぎった。流石にもうそろそろ来てもいいだろう。というわけで保険にUC《絶望の福音》を発動すると、その時にはつかさが広げた巻物にぐるぐるにされて目が×になっている自分の未来が見えた。たった10秒先だ。

「(という事は……もう来る! あれは罠だ!)」
 抜刀すると、それと同時に巻物を広げたつかさ。巻物による奇襲を間一髪で防いだ。
『ちっ……もう酔ってないのバレてたぽこ~ん?』
「まぁこちらもUCという物があるので分かりますよ、そりゃあね」
『かくなる上は全員迷宮に閉じ込めちゃえ~!ぽっこ~ん!!』
「な──!?」

 まさかのここで発動されたつかさの技。各々、別の位置にいたので迷宮内では一人ぼっちだ。
「ッ、こう来るとは!」
 クラウスは紗希が仕留めると思っていたので不意をつかれたようだ。仕方なくメカニック技術でトラップを解体していく。
「もう少し回しておけば良かったわ」
 とりあえず各トラップを胸で叩き壊しながら進むオーロラ。
「ま、光っておけば友達が見つけてくれるだろう!」
 というわけで、動かずにじっと後光で気づかれるのを待つラング。
「しくじった! えーっと、出口は……」
 刀でトラップが無いかを確認して突いて回る紗希。

 ところで誰かお忘れではないだろうか。莉愛は今、翼の生えた鳥なのである。
「皆さん、助けに来ましたよ! 熱いのはちょっと我慢して下さいね……」

 まずは後光が見えたのでラングから。続いて特徴的な胸のオーロラ。クラウスは自ら手を伸ばして捕まった。紗希は刀をしまって、莉愛に掴まる。
「お、重い……とにかく、脱出します。しっかり掴まってて下さいね」
「火力落としてくれないと焼けちゃうわ」
「あ、はいそうですね。ちょっとだけ落とします」
 オーロラが焼ける前に、迷宮の外へと飛んで行った。

 迷宮から出ると同時に、つかさは元の姿に戻る。迷宮=つかさだったので、全てお見通しだったのだ。
『と……飛ぶなんてずるいぽこ~ん!!?』
「すみません、でも壁が低かったので皆さんを助けるにはこうかな、と……」
「まぁ、何はともあれ今の技であなたはかなり疲弊したはずです」

 クラウスの指摘通り、つかさはだいぶ力を使ったようだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

ゲニウス・サガレン
さて、月はヒトを狂わせるというが、妖怪も狂うのかな
いずれにせよ、未来ある妖怪少女にはルナティックから正気に戻ってもらおうか

あの三種の妖器
理屈の世界から来た私には脅威だ
幻術を食らったら、アイテム「スティングレイ短針銃」で自分の脚を撃つ
痛いが、正気に戻れる
不動の呪いはまだしも毒はくらうわけにはいかない

UC「水魔アプサラー召喚」

アプサラーよ、君にしかできない仕事だ
水流を操り、私に代わって四方に豪雨のように水流を放ち、あの子の巻物を濡らせ!隙あらば流してしまえ!
慌てたところに

アイテム「フライング・シュリンプ」

妖器を奪い取れ
叶わずも慌ててくれれば、他の猟兵が動くだろう
つかさ嬢、そろそろ終幕の時間だよ


火土金水・明
明「やれやれ、月は夜空に浮かんでいるものですから、地上に落とされては困ります。」使い魔クロ「そうにゃ、月がないと狼男が変身できなくなるにゃ。」明「ともかく、つかささんを救出させてもらいます。」
【WIZ】で攻撃です。
攻撃は【先制攻撃】で【継続ダメージ】と【鎧無視攻撃】と【貫通攻撃】を付け【フェイント】を絡めた【銀色の嵐】で、『『狐狸』つかさ』を【2回攻撃】します。相手の攻撃に関しては【見切り】【残像】【オーラ防御】で、ダメージの軽減を試みます。
「(攻撃を回避したら)残念、それは残像です。」「少しでも骸魂にダメージを与えて次の方に。」
アドリブや他の方との絡み等はお任せします。



「やれやれ、月は夜空に浮かんでいるものですから、地上に落とされては困ります」
 明はぽつりと呟いた。
「そうにゃ、月がないと狼男が変身できなくなるにゃ」
「ともかく、つかささんを救出させてもらいます」
 使い魔のクロと一緒に、つかさの所へと向かう明。UC《銀色の嵐》を発動し、幾何学模様で飛んでゆく1000本あまりの魔法剣。それは骸魂である狸の方に大きなダメージを与えていく。
『ぽこぉぉ~~ん!! いたい! いたいんだぽこぉぉ~~ん!!』
 骸魂の声を代弁するつかさ。
『(ごめんなさい……! 助けて……!)』
 だが、つかさは助かりたい一心で、もがいていた。
『こ……これでも喰らえぽこ~ん!!』
 目に入ったゲニウスに向けて、巻物を伸ばす。三種の妖器を発動させたのだ。
「つかさ嬢!! うっ、幻術か……!」
 ゲニウスはすぐさまスティングレイ短針銃を取り出し、自分の脚を撃った。痛みで己を正気に戻したゲニウスは、UC《水魔アプサラー召喚》を発動させる。

「(アプサラーよ、君にしかできない仕事だ。水流を操り、私に代わって四方に豪雨のように水流を放ち、あの子の巻物を濡らせ!)」
「(承知した!)」

 アプサラーは水流を操り始め、ゲニウスの周囲に豪雨の如き水流が放たれた。

「おっと。水流ですね」
 明は箒に乗って回避しつつ、行く末を見守る。未だUCの効果は切れていない。

 ビリッ。巻物が水の勢いで破れる音がした。
『ぽこ…!?』
 そしてフライング・シュリンプ、空飛ぶエビを放ったゲニウス。群れでつかさの方へ飛んで行ったかと思えば、妖器である宝珠と瓢箪はフライング・シュリンプ達が持ち去っていた。
『猟兵さん……!』
 魔法剣によって、少し正気を取り戻し始めていたかのように見えたつかさ。
「待たせてしまったね、つかさ嬢。安心して、そろそろ終幕の時間だよ」

 最後の魔法剣がつかさの骸魂の狸に突き刺さる。狸はもう耐えきれないと判断したのか、つかさを解放してどこかへと消えていった。
『ちみたち覚えてろぽ~~ん!!』

 ゆっくりと倒れ込む、つかさ。ゲニウスがそっと支えに行く。
「お疲れ様、終わったよ。つかさ嬢」
「猟兵さん……ありがとう、ございます」

「これで万事解決のようですね」
「月が落ちなくて良かったのにゃ」
 つかさとゲニウスを見て、明とクロもそっと、微笑んだのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月04日


挿絵イラスト