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機星のプレステル

#キマイラフューチャー #猟書家の侵攻 #猟書家 #プレステル・ピスティ #テレビウム #システム・フラワーズ

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●機械の星に栄光あれ
 ――『機械軍プレステル』、出陣。
 熱い血流れぬマシン怪人の強さで、この世界を掌握し、我らがものに。

 プレステル・ピスティは周囲に集った、つよくてかわいいアニマルズに呼びかける。
 マシン怪人を増やしていくことこそ、この世界を征服する極めて明確な手段だと彼女は語った。それはコンコンコン、即ちシステム・フラワーズの掌握に近付く。その為にはメンテナンスゲートを開いて、この星を割る必要がある。
「我らが狙うはテレビウム。彼らこそ、メンテナンスゲートの鍵だからです」
 さあ、行きましょう。
 そう語ったプレステル・ピスティはマシン怪人に改造された配下を引き連れ、或る場所に向かう。其処はキマイラフューチャーのなかでも特にテレビウムで賑わっている場所――『みんなのテレビウム広場』と呼ばれるところ。

●テレビウムの危機
 レビレビ、テレレ、ムウ、ティムの四人は仲良しのテレビウム仲間。
 今日も広場の噴水近くで楽しく過ごしている彼らは、新しく見つけたコンコンコンスポットについて語り合っていた。
「あの街の角、オルゴール組み立てセットが出てきたんだよ!」
「いいな~! 私が見つけたのはパワーアップフルーツがランダムで出てくるとこ!」
「あの何だかわからない力が湧いてくるやつ!? すごいねえ!」
「クレープが出てくる所があったから、お店を開こうと思うんだけど……どうだろ」
「わー、賛成!」
「そのまま出しちゃうのも何だから、僕らでエモくトッピングしてみようよ!」
「いいね!」
 わいわいと燥いでいる四人はクレープの屋台を出す計画に夢中。
 しかし、そんな彼らに忍び寄る影があった。それらはマシン化された丸太クマさん怪人に鉄球ワンちゃん怪人、そしてピコハンウサちゃん怪人。
「ひえええええ、誰!?」
「ぼくたちを食べてもおいしくないぞ!」
「わあ~! さわられ、じゃなかった! さらわれる~!!」
「やめて、やめてよー!」
 怪人に取り囲まれたテレビウム達は為す術もなく――。

●覇道を願う者
 哀れ、嫌がるテレビウムは囚われの身。
「けれど今ならまだ間に合う! みんな、テレビウム達を救ってくれ!」
 危機が訪れる未来を察知したのだと語り、メグメル・チェスナット(渡り兎鳥・f21572)は仲間に協力を願った。
 テレビウム達に迫るのは機械軍プレステルの魔の手。
 怪人達はテレビウムを捕らえ、システム・フラワーズへの鍵にしようとしている。
「この世界では以前にもそういうことがあったらしいけど、悪いことを繰り返させたくないよな。テレビウム達が同意してるなら兎も角、嫌がってるんだ!」
 それゆえに助けに行かなければならないと伝え、メグメルは現場の状況を話していく。
 戦場になるのは、みんなのテレビウム広場の噴水周辺。
 其処で過ごしている四人組を狙い、マシン怪人に改造されたつよくてかわいいアニマルズが集まってくるらしい。
 猟兵は其処に駆けつけ、怪人を蹴散らす必要がある。
「テレビウムは先に逃しちゃうと何処か違うところで捕まっちゃう可能性があるんだ。だから噴水の付近に居て貰って、応援や声援を頼むといいぜ!」
 彼らの戦力はゼロだが、やはり応援は快いものだ。
 怪人達を倒し終われば首魁であるプレステル・ピスティが登場する。
「キング・ブレインに忠誠を誓う幹部……。なかなかに手強い相手だろうけど、みんななら勝利してきてくれるよな。頼んだぜ!」
 メグメルは猟書家幹部との戦いに向かう仲間を案じながらも、それ以上に強い信頼を抱いていた。そして、少年は戦いの場への転送準備を始める。
「――ゲート・アンロック! テレビウム達の未来を明るいものにしようぜ!」


犬塚ひなこ
 今回の世界は『キマイラフューチャー』
 システム・フラワーズへの侵入のためにテレビウムを襲う、機械軍プレステルと戦って倒すことが目的となります。

 こちらは二章構成の猟書家シナリオです。
 今回は少数採用、早期完結重視で運営致します。オープニング公開直後からプレイングを受け付け、プレイングを確認次第、すぐに執筆を開始する予定です。場合によってはサポートさんも採用することがあります。
 先着順ではありませんが、プレイング送信タイミングによっては採用できずにお返しすることもございますので、ご了承の上でご参加頂けると幸いです。

●第一章
 集団戦『つよくてかわいいアニマルズ』
 プレステル・ピスティによってマシンに改造されたパペット怪人。
 皆様が駆けつけるのはテレビウムが攫われそうになっている場面です。この時点ではまだプレステルは登場せず、配下のみが暴れている状態です。

●第二章
 ボス戦『プレステル・ピスティ』
 キング・ブレインの腹心として仕える幹部。
 一見クールで冷静な女性ですが、たまに口調などが荒ぶるようです。

●全章共通プレイングボーナス
 テレビウムに応援される。(ちなみに戦力はゼロです)
 守ったり、何らかの声を掛けたりすれば応援が受けられ、それを受けて戦えば大成功判定となります。

 テレビウムのレビレビは過去作『ロックオン・ロック!』にて登場した子ですが、知らずとも問題ありません。レビレビを含む四人は猟兵にとても好意的です。誰からの応援を受けたいか希望がある方は名前を呼んでください。特になければ此方でいい感じに選ばせて頂きます。
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第1章 集団戦 『つよくてかわいいアニマルズ』

POW   :    丸太クマさん怪人・ウェポン
【丸太兵器 】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    鉄球ワンちゃん怪人・ジェノサイド
【鉄球攻撃 】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    ピコハンウサちゃん怪人・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【ピコハン 】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リルリトル・ハンプティング
か弱い住民を怖がらせるなんて許さないんだから!
頑張っちゃうのよ!

卵兵隊の出番ね、突撃よ!
配下達に卵歩兵をぶつけて爆発させるの
カラフルな煙で目眩まししてる間にテレビウムの子達の所へ行きましょ
大丈夫?わたしが来たからにはもう安心なのよ!
どんと任せて頂戴なの!

あ、今煙とかわちゃわちゃして大変だからむやみに逃げると危ないのよ
噴水付近に避難してて貰えるかしら
わたし頑張ってくるから、応援してくれると頑張れちゃうのよ!
誰の声援でも張り切っちゃうんだから!

よーしがんばるのよ
卵歩兵が足止めしたり邪魔したり爆発させる中を駆け抜けて
不意打ち気味にスプーンで叩いちゃうんだから!
わたしと卵たちの連携プレイって凄いのよ!



●卵と兎とお姫様
 此処はみんなのテレビウム広場。
 名前の通り、この世界の妖精種族、バーチャルキャラクターやキマイラをはじめとした賑やかで愉快なみんなが集う憩いの場だ。
 しかし、現在。
 広場の一角にある噴水付近には、機械音を響かせるマシン怪人が現れていた。
 ぶんぶんと鉄球を振り回すワンちゃん。丸太を軽々と持ち上げるクマさん。ピコピコハンマーを掲げるウサちゃん。どれも可愛らしい見た目の怪人ではあるが、彼らから放たれる雰囲気はほとんど殺気に近い。
「わあー!?」
「誰か助けて~!」
 襲われ、攫われそうになっているテレビウム達は散り散りに逃げ惑っていた。
 その声を察知したリルリトル・ハンプティング(ダンプディング・f21196)は、件の噴水の前に颯爽と駆けつける。
 そして、テレビウムの少女とウサちゃん怪人の間に割り込む形で布陣した。
「か弱い住民を怖がらせるなんて許さないんだから!」
 頑張っちゃうのよ、と両手を強く握って気合を入れたリルリトル。その姿を見たテレビウムがぱたぱたと駆けてきた。
「猟兵さん? わああん、助けに来てくれたんだね!」
「もう大丈夫なのよ。後ろに隠れていて!」
 頷きを返したリルリトルは視線を敵に向ける。今まさにテレビウムを攫おうとしていた怪人はピコピコハンマーを構え、じりじりとリルリトルに迫ってきていた。
 機械音を響かせる怪人は何も喋りはしなかったが、どうやら「邪魔をするなら倒すまで」と言っているようだ。雰囲気で相手の言いたいことを感じ取ったリルリトルは身構え直し、指先を敵に差し向けた。
「卵兵隊の出番ね」
 リルリトルが力を紡いだ瞬間、バーチャルな卵の歩兵隊が周囲に現れる。
 きらきらと光って弾ける水のエフェクトを纏いながら出現したのは、近くに噴水があるからだ。まるで水のパレードが始まったかのような演出に、テレビウムも画面の中の目をぱちぱちと瞬いている。
「すごい……! がんばれ、卵ちゃん!」
「――全体、前へ! 突撃よ!」
 号令を掛けたリルリトルが怪人を示せば、卵隊達が勢いよく突撃を始めていく。どーん、ぱりん、どどーん、と賑やかな音が響いたかと思うとマシン怪人達にぶつかった卵歩兵が次々と爆発していく。
 その際にカラフルな煙が辺りに充満していった。爆発がうまく敵の目眩ましになっていることを確かめ、リルリトルは隠れていたテレビウムに問いかける。
「大丈夫? わたしが来たからにはもう安心なのよ! あなた、お名前は?」
「私はテレレっていうの。貴女は?」
「わたしはリルリトルよ。よろしくね!」
 リルリトルが微笑みかけると、テレビウムの少女も画面に笑顔を映す。しかしそのとき、色鮮やかな煙を抜けて一体のウサちゃんが飛び込んでくる姿が見えた。
 はっとしたリルリトルはテレレに、下がっていて、と告げて身構える。
 今は煙や戦闘で騒がしいから、むやみに逃げないように。危ないからまだ噴水付近に避難していて欲しいと告げれば、テレレは素直に頷いた。
「リルリトルちゃん、だいじょうぶ?」
「どんと任せて頂戴なの!」
 さっと隠れたテレレから心配そうな声が聞こえたが、リルリトルは胸を張って答えてみせた。そして、更なる卵歩兵を周囲に展開していく。
「わたし頑張ってくるから、応援してくれると頑張れちゃうのよ!」
「わかったよ! ふれーふれー、リートール! ふぁいとおー、リルリトルちゃん!」
 お願いね、と後ろのテレレに願えば、力強い声援が返ってきた。淡い笑みを浮かべたリルリトルは心に元気を貰えた気がして、もっと気合いを入れる。
「よーしがんばるのよ。みんな、突撃!」
 迫ってくるウサちゃん怪人に向け、リルリトルは卵隊を向かわせた。
 真正面からぶつかりあうウサギと卵。
 まるでイースターみたいだと感じるリルリトルは色とりどりのエフェクトを散らし、敵の目を卵歩兵に引き付けた。
 敵を邪魔して爆発する卵の中を駆け抜け、卵姫は傍に浮くちいさなハートに手を伸ばす。次の瞬間、大きな黄金のエッグスプーンに変化したそれが少女の両手に収まった。
 そして、リルリトルは一気に得物を振り下ろす。
「このスプーンの威力、たっぷり味わうといいのよ。わたしと卵たちの力って見た目以上に凄いんだから!」
 ウサギ怪人を貫いたのは爆発とスプーンの一撃。
 ぱしゃりと弾けるカラフルなエフェクトと共に、怪人の一団が倒されていく。
 見守って応援してくれていたテレレの方向け、リルリトルが振り向く。視線が重なった後、少女達の間に再び微笑みの花が咲いた。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャン・チーシィ
斯様な広場で堂々人拐い、もとい「てれびうむ」拐い。
断じて許せぬ。況して怪人を率いるのが我が友と縁持つ者であれば尚更である。大包丁に誓って必ずや裁きを下してくれようぞ。

そういう訳であるからして。
まず某の巨躯をどどんと怪人共にぶつける勢いで割り込むのである。
後は片っ端から斬り捨てるだけであるが、背に庇う「てれびうむ」の衆には応援がてら「くれーぷ」について語ってもらえぬだろうか。
コンコンコンして出てきたのは如何様なものか、各々好きな「くれーぷ」はあるか、「えもくとっぴんぐ」するとは何なのか…。
なるだけ大声で美味しそうに述べて頂きたい。
然れば食欲を刺激された某はピコハンなど軽々躱して敵を葬るであろう。



●くいしんぼうとくれーぷ
 キマイラフューチャー、みんなのテレビウム広場。
 其処は名前の通りに皆で楽しく仲良く過ごすための場所。しかし今、この広場はつよくてかわいいアニマルズに占拠されかけている。
 異変に気付いたテレビウム達は逃げ惑い、誰か助けて! と叫んでいた。
「斯様な広場で堂々人拐い、もとい『てれびうむ』拐いとは――」
 シャン・チーシィ(食信坊・f08846)は冷静に周囲を見渡し、マシン怪人となったアニマルズの動きを追っていく。
 彼らは逃げるテレビウムを攫う為に行動しており、丸太や鉄球、ピコピコハンマーをぶんぶんと振るっては威嚇し続けていた。
「断じて許せぬ」
 シャンは其方に踏み出し、真っ直ぐな視線を敵に向ける。
 況してや、と頭を振ったシャンは噴水へと急いだ。現在、姿を現しているのはアニマルズのみではあるが、この事態を引き起こしたのはプレステル・ピスティだ。
 怪人を率いるのは己が友と縁を持つ者。それであれば尚更に許してはおけない。
「大包丁に誓って必ずや裁きを下してくれようぞ」
「!」
 戦意を抱き、六尺六寸の大包丁を構えて駆けてくる巨躯のシャーマンズゴーストの気迫は鋭いうえに強い。
 気配に気が付いたウサちゃん怪人達が此方を迎え撃つ姿勢を取った。どうやら怪人の後ろ側には怯えて震えているテレビウムがいるようだ。
「あわわ! わあああん!」
 足が竦んでいるらしい彼は泣きながら身を縮こまらせてしまった。
「先ずは救出か」
 シャンは怪人へと刃を向け、一気に切り上げる。刹那、鋭い一閃が一体目の怪人を真二つに絶った。更にシャンはテレビウムまでの道を阻む怪人を片っ端から切り刻み、完膚なきまでに斬り伏せる。
 多くの怪人が向かってこようとも構わない。彼は決して怯むことなく、己の巨躯を怪人にぶつける勢いで駆け抜けた。
 そして、怪人を蹴散らしたシャンはテレビウムの傍に辿り着いた。
「ぴぇ……」
「大丈夫だったか?」
「すごい、お兄さんは強いんだね!」
 最初こそ驚いていたテレビウムだったが、すぐにシャンが助けに来てくれたのだと察して立ち上がった。ふらついた彼を片手で支え、シャンは名を問う。
「さて、てれびうむ殿。どう呼べばいいだろうか」
「僕はムウ! お兄さんは?」
 元気よく答えたテレビウムの少年に対し、シャンも自分の名前を告げた。カッコイイなぁ、と燥ぐムウ。彼は先程の怯えも何処へやらぴょんぴょんと周囲を飛び回る。
「もうすっかり元気であるな、ムウ殿。願いがあるのだが……」
「なあに? 何でもいって!」
 シャンが願い出ると、戦い以外なら、とムウが答えた。
 すると彼は応援がてら、クレープについて語って貰いたいと話す。それは食に目覚め、食に信仰を捧げ、食信坊の異名を持つシャンにとっては興味が尽きぬことだ。
「コンコンコンして出てきたのは如何様なものか、好きな『くれーぷ』はあるのか、『えもくとっぴんぐ』するとは何なのか……」
 気になるのだとシャンが語るとムウはちいさな手をぐっと握った。
「お任せあれ!」
「某は新手の怪人を相手取る。是非頼む」
 シャンは噴水とムウを背にして中華鍋と包丁を構える。ピコピコハンマーを振り下ろすウサちゃん怪人が迫ってきたが、彼は鍋を盾代わりにすることで一撃を防いだ。
 そして、即座に包丁で以て敵を切り裂く。
 続けて背後からテレビウムの応援、もといクレープ語りが始まった。
「クレープはね、生地がしっとりでクリームがふわふわあまあま! 僕はイチゴを乗っけたやつが可愛くて好きだよー!」
「成程。甘味の類であるのか」
 新たに襲い掛かってきた敵にギラつく視線を向け、シャンは大鍋を鳴らす。威嚇代わりにもなった音が響き渡る中、ムウはそれにも負けない大声で語っていく。
「エモエモなのはね、虹色の綿飴を乗せたりー! 目玉型のゼリーを飾ってキモカワ系にしたりねえ! あとは山のようにフルーツやジャムを飾るのも綺麗だよおー!」
 それから、それから。
 ムウはシャンの為にたくさんの美味しい情報を話していく。
 生クリームとカスタードを半々に入れると甘さの層が出来て、見た目も白と黄色になって賑やかになること。飾る果物を星やハートの形にすればとっても可愛いこと。甘くないお食事クレープもあること。そうして、是非ともそれを味わって欲しいこと。
「後でシャンお兄さんの分もコンコンコンするからね!」
「それは実に嬉しい限りだ」
 かすたーど、くりーむ。ぜりーや果物、綿飴。
 どれもシャンの食欲をそそるものであり、それは彼の力になっていく。怪人が振るうピコピコハンマーを軽々と避け、シャーマンズゴーストの足から放たれたとは思えぬ鋭い蹴りで弾き飛ばしたシャンは、一気に刃を振るった。
 くるくると宙を舞った敵の得物。それが地面に落ちた瞬間。
「――炒めよ、さらば食べられん」
 シャンが落とした言葉と同時に、ウサちゃん怪人が静かに倒れた。
 そういえば、くれーぷの生地は炒めるものなのだろうか。そんなことを考えながらシャンが振り向くと、画面いっぱいに笑顔を映したムウが大きく手を振っていた。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

リル・ルリ
ヨル……みて
てれびうむ、がいるよ
ヨルみたいで可愛いと思ってたんだ
ふふー、お友達になれるかな……抱っこする……あ!誘拐されそうになってるぞ!
ヨル、助けに行こう!
連れていかせなんてしないんだから!

僕にだって、できる
待てーと追いかけても僕よりヨルのが動くのがはやい
水泡のオーラを守りとしてテレビウムたちに纏わせて、攻撃されそうならかばうんだから
頑張れて応援する
僕もがんばる!
声援を受けたなら応えなきゃ
いいやこたえる
ここは僕の舞台
守ってみせるよ!
ヨルはてれびうむ達を守って

僕がやる!
歌う「氷楔の歌」
綺麗な冬で彩ってぴこはんだってカチコチにしちゃうんだ
ぴこってされても負けないよ!

ほら、黙って僕の歌を
聴いていて



●玲瓏の光
 騒がしくも賑やかなみんなのテレビウム広場。
 其処には今、危機が迫っていた。怪人が現れるという話を聞き付けて訪れたリル・ルリ(『櫻沫の匣舟』・f10762)は腕に抱いた式神ペンギンと共に宙を游いでいた。
「ヨル……みて」
「きゅ?」
「てれびうむ、がいるよ」
 リルが見下ろしたのは広場の中にある噴水付近。
 ちいさな身体の上に其々に違う形をしたテレビの頭がある妖精種族。テレビウム達が仲良く過ごしている光景を見つめ、リルはふわりと微笑む。
「ヨルみたいで可愛いと思ってたんだ」
「きゅきゅう!」
 リルがテレビウム達を示すと、ヨルも両羽を広げてはしゃぐ。ともだちになりたい、と言っているらしいヨルもテレビウムに興味津々だ。
「ふふー、お友達になれるかな。仲良くなれたら抱っこする……あ!」
 しかし、リルは異変が起こり始めたことに気が付いて言葉を止めた。見れば何処からか現れた怪人達が噴水の方に向かっていっている。
「あの子達が誘拐されそうになってるぞ! ヨル、助けに行こう!」
「きゅ!」
 丸太クマさん怪人に鉄球ワンちゃん怪人、ピコハンウサちゃん怪人となんとも可愛らしい一団だが、彼らが纏っているのはあきらかな敵意だ。
 リルは急いで下降していき、ヨルは地面に近付いた瞬間にぴょこんとジャンプして着地していく。襲われているテレビウムは散り散りになって逃げ始め、噴水の周りをぐるぐると回って怪人から逃れていた。
「きゅっきゅーう!」
「連れていかせなんてしないんだから!」
 リルから揺桜を借りたヨルは勇ましく刃を振り回しながら怪人を追いかける。リルも続いて尾鰭を揺らして泳ぐが、なんとヨルの方が速い。
「待てー」
「きゅきゅ、きゅうう!」
 ヨルはどうやら、リル、はやく! と呼んでいるらしい。リルはぴるぴると尾を揺らしながら懸命に泳いでいく。敵に追いつけないのが悔しいが、この程度で諦めるようなリルではなかった。
「僕にだって、できる」
 泳ぎながら水泡の力を守りに変え、逃げ惑うテレビウム達に纏わせる。これならきっと一撃くらいはしっかり守ってあげられるはず。
「人魚のおにいさん……俺を助けてくれようとしてるんだね」
 そのとき、守護の力に気付いたテレビウムがはっとした。彼の声を聞いたリルは大きく頷き、もう少し逃げていて欲しいと願う。
「頑張れ! 僕もがんばるから!」
「わかった。俺はティム! おにいさんは?」
「僕はリル・ルリ! そっちの子はヨルだよ」
 怪人越しに声を掛け合う二人は互いの名前を伝えあい、怪人達に其々の形で立ち向かい、逃げることを心に誓った。
「ヨルくん、リルくん、助けてもらう側だけど……俺からも応援するよ!」
 がんばれえ、とテレビウムのティムから声援が掛けられる。
 マシン怪人の足元をすり抜けていったヨルはティムの傍につき、きゅっと応えた。リルも声援を心強く感じながら掌を強く握りしめる。
(応えなきゃ。いいや、こたえる)
 ヨルがいるとはいえ、たったひとりでも敵に立ち向かえることを示したかった。確りと息を整えたリルは花唇をひらく。
「歌えばここは僕の舞台になるんだ。守ってみせるよ!」
 テレビウムを守るヨルに其方を任せたリルは歌を紡ぎ始めた。
(僕がやる。やってみせる)
 其処から謡いあげられていくのは、氷楔の歌。

 凍てつく吐息に君を重ねて 氷の指先で爪弾いて。
 踊れ 躍れ 氷華絢爛――君の熱 全て喰らい尽くすまで。

 歌声は周囲に巡り、怪人達の機械の熱を奪いながら凍てつかせてゆく。
 歌で彩るのは過ぎゆく冬。題通りの流麗な氷の力は楔となり、ピコピコハンマーをふるおうとしていたウサちゃん怪人達を凍りつかせた。
 だが、歌から逃れた別の敵がハンマーを振り下ろそうと迫ってきている。
「ぴこってされても負けないよ! でも……」
「きゅうう!」
 当たったら拙いかも、と感じたリルと同様に危機を感じたヨルが叫んだ。その瞬間、内なる声がリルの中に響く。
 ――翔けたいと願え。白の光と共に、闇を裂け。
「うん!」
 リルは自然とその声に従って尾鰭を揺らす。すると身体が鋭い光の軌跡を描きながら疾風の如く動いた。振り下ろされた一撃を避けたリルは、自分の周囲に満ちる白の魔法の気配を感じながら体勢を立て直す。
「すごい! リルくん、ぴかーって光ってかっこよかったよ。もっとがんばれー!」
「きゅっきゅきゅー!」
 その様子を見守っていたティムとヨルが仲良く跳ねて喜んでいた。もうすっかり友達になれたようだ。
 ふたりに視線を返したリルは淡く笑み、まだ動いている怪人達を見下ろした。
「ほら、黙って僕の歌を」
 聴いていて。
 少しばかり冷ややかに落とされた言葉の後に再び歌が紡がれる。
 歌声と共に氷華の月下美人が咲き乱れていき、辺りを美しい景色に変えていった。
 光と闇を身に宿す人魚。
 玲瓏たる美しき其の声は花を巡らせ、戦場に響き渡ってゆく。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

真幌・縫

テレビウムさんを拐うなんて許さないよ!
キマイラ・フューチャーの人には平和に生活してもらう為にもシステム・フラワーズは必要なんだからね!

テレビウムさん達はぬい達が守るよ!
だからあんまり遠くにいっちゃだめだよ。
ふふ♪それにね…ぬいたちは応援してもらうととっても強くなれるんだよ♪
だから応援してくれると嬉しいな。

それじゃあいっくよー!
UC【ぬいぐるみさん行進曲】だよ♪
一部ぬいぐるみさんはテレビウムさん達を守ってあげてね!



●ぬいぐるみマーチ
 転送先は既に騒ぎが起こっている広場。
 みんなのテレビウム広場と名の付く通り、多くのテレビウムがいる場所にはたくさんのマシン化された怪人が現れていた。
 これこそが機械軍プレステルの軍勢なのだと感じて、真幌・縫(ぬいぐるみシンドローム・f10334)はぐっと拳を握る。
「テレビウムさんを拐うなんて許さないよ!」
 縫の尻尾はぱたぱたと揺れていた。犬ならば気分が良い印だが、猫の因子を持っている縫にとっては不機嫌の証。だからといって機嫌が悪いというわけではなく、これはマシン怪人への敵意をあらわすものだ。
「キマイラ・フューチャーの人に平和に生活してもらう為にも、システム・フラワーズは必要なんだからね!」
 また世界が割れる騒動を起こされたくはない。
 以前の戦争、バトルオブフラワーズでの出来事を思い出した縫は身構えた。
 広場に集ってきているのは様々なアニマルズ達だ。丸太を掲げたクマさん怪人に、ピコピコハンマーを振り回しているウサちゃん怪人。それから、鉄球を容赦なくぐるぐる回しているワンちゃん怪人までいる。
 改造された証なのか、機械音を響かせながら暴れるアニマルズ。
 彼らは執拗にテレビウムを追い回して怯えさせている。誘拐するために追いかけているので殺してしまうことはないだろうが、鋭い一撃を当てて気絶させるという事態はありえるかもしれない。
 そんなことになってはいけないと感じた縫は、ちいさな翼をはためかせた。懸命に噴水の方に駆けていった縫は敵に指先をびしりと突きつける。
「テレビウムさん達はぬい達が守るよ!」
 縫は敵の気を引くため、敢えて大きな声で宣言した。
 その声に気が付いたテレビウムのムウが手を振る。どうやら彼は既に別の猟兵に助けられており、縫に大丈夫だとアピールしているようだ。
「良かった。でも、あんまり遠くにいっちゃだめだよ」
「うん、ありがとう!」
 噴水付近から離れないで欲しいと願い、縫は笑みを浮かべた。
 助けられているといっても油断は禁物。軍勢は多く、何処から敵が現れるかわからない。縫は怪人の合間を抜け、ムウの元に辿り着いた。
 彼を背にして布陣した縫は周囲を見渡す。するとテレビウムが問いかけてきた。
「お嬢さん、お名前は?」
「名前? ぬいはね、ぬいだよ♪」
「あはは、ぬいぬい! 僕はムウっていうんだ。よろしくね」
「絶対に拐わせたりなんかしないから、安心してね」
「大丈夫! 猟兵さんの強さは僕達も知ってるからね。信じてるよ!」
 ムウは画面の中の表情をくるくると変化させ、笑顔を見せた。縫も快い笑みを返し、敵からテレビウムを守っていく。
「ふふ♪ それにね……ぬい達は応援してもらうととっても強くなれるんだよ♪」
 だから応援してくれると嬉しいな、と告げた縫。
 大きく頷いて応えたテレビウムは勿論だと答え、縫への声援を送っていく。
「ぬいぬい、がんばれーっ!」
「はーい♪」
 縫は楽しげに双眸を緩め、翼ねこさんぬいぐるみのサジ太を抱きしめた。
 そして、迫りくるウサちゃん怪人に向けて強い眼差しを向ける。
「それじゃあいっくよー!」
 ぬいぐるみさん行進曲――バトルダンスマーチ。
 縫が発動させたのは戦闘用の小型ぬいぐるみを召喚する力だ。次々と現れるぬいぐるみ達の一部はウサちゃん怪人からテレビウムを守る姿勢を取った。
「さぁ、ぬいぐるみさん達! ぬいと一緒に戦って!」
 他の猟兵のちからもあり、守りは十分。
 そう感じた縫はぬいぐるみ達を怪人に一斉に向かわせながら号令をかける。
「せーの! 攻撃開始ー!」
「ふぁいとー! おー!」
 合わせてムウが掛け声をかけてくれたので更に力も入るというもの。それに加えて同じ戦場で戦う猟兵の力が巡っていく。
 誰かの歌声が響くと同時に周囲の敵が凍りついていく。
「あの氷を壊しちゃって!」
 縫はぬいぐるみ達に願い、カチコチに凍った怪人を次々と倒していった。ムウもそれに合わせて応援を続けていく。
 ぬいぐるみの行進は、広場に響き渡る歌と共に力強く巡っていった。
「うんうん♪ あと少しでぬい達が勝てるね!」
「さすがは猟兵さん。僕も安心して応援できるよっ」
 縫が周囲の敵を確認すると、ムウも胸を張って笑顔の画面を映す。そうして、縫達は敵をめいっぱいに蹴散らしていき――やがて、戦いの終わりが見えてきた。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

メル・パペット
こんにちは。テレビウムのみなさん。それからパペットたち。
メルはメルです。こちらはメルのパペットです。
メルはテレビウムを守りに来ました。

そちらのパペットたちはわるいパペットですね。
メルとメルのパペットが倒します。

テレビウムたちの応援があれば
メルもメルのパペットもとてもがんばれます。
いっぱい応援をしてください。

丸太の兵器とはやりますね。
メルのパペットはちいさい兵士だけではありません。
巨大ぬいぐるみもいます。

ツギハギだらけのクマの巨大ぬいぐるみをよびます。
丸太もへっちゃらです。掴んで投げてください。

メルたちは応援のおかげでがんばれます。
次もがんばりましょう。



●パペット×トイ
 クマにイヌ、ウサギ。
 ぬいぐるみのような可愛いアニマルズがみんなのテレビウム広場で暴れていた。
 本当はふわふわとしたものだったのだろうが、マシン怪人に改造された彼らからは不思議な機械音が響いてきている。
「こんにちは。テレビウムのみなさん。それからパペットたち」
 軽く会釈して挨拶をしたメル・パペット(heart・f27227)が訪れたとき、既に件の事件は起こっていた。
 ぴええ、と悲鳴をあげて逃げ惑うテレビウム。その子を攫おうとして追いかけていく丸太を構えたクマさん怪人や、鉄球を振り回すワンちゃん怪人。
 それら全てに聞こえるよう、メルは敢えて自分が目立つように獣の片手を上げた。
「メルはメルです。こちらはメルのパペットです」
 自分と一緒にいる子達を示したメルは、腕を下ろしてからお辞儀をする。そうすれば傍にいるパペットも真似っ子をして頭を下げた。
 するとテレビウムがメル達と怪人を見比べ、慌てながら問う。
「ひゃああ! おねえさんは敵? 味方!?」
 懸命に駆けながら噴水の周りを回って逃げるテレビウムは必死だ。怪人達もその後に続いてどたばた駆けており、必追いかけっこが始まっていた。
 まるで、そう――。
 或る物語で語られるようなコーカスレースめいている。そう感じたメルは言葉には出さずに思うだけに留めた。
「メルはテレビウムを守りに来ました」
「よかった! ぼくはレビレビだよー!」
 味方ですよ、と告げたメルの言葉にほっとしたらしいテレビウム。画面の表情が一瞬だけ笑顔に変わるが、敵にぐるぐると追いかけられているのは変わらない。
「わあーん! メルさんたすけてー!」
「わかりました。そちらのパペットたちはわるいパペットですね」
 両手をじたばたさせて泣き出したレビレビに向け、こくりと頷いたメルは敵の間に割って入った。レビレビはメルの後ろに隠れ、止まらざるをえなくなった怪人達は此方を睨みつけるようにして身構える。
「見ていてください、レビレビさん。メルとメルのパペットが倒します」
「わあい、たのもしい!」
 いっぱい応援する、と告げたテレビウムは両手を振り上げた。背後から向けられる強い気持ちを感じ取りながら、メルは身構える。
「レビレビさんの応援があれば、メルもメルのパペットもとてもがんばれます」
「わかったよお、たくさんがんばれーってするね!」
「はい、いっぱい応援をしてください」
 言葉を交わしたメルとレビレビの間には仄かな信頼が生まれていた。メルは視線を敵に向け、迫ってくる敵を片目に映す。
 メルが視界に捉えたのはクマさん怪人だ。
「丸太の兵器とはやりますね」
「……」
 何も語らぬクマは大きな丸太を肩に担ぎ、睨みつけるような動きを見せている。そちらのパペットなど蹴散らしてくれる、と言わんばかりの仕草だ。
 だが、メルは気圧されなどしない。
「メルのパペットはちいさい兵士だけではありません。たとえば――」
 大きなぬいぐるみもいるのだと告げ、メルは自動小銃を構えた。それと同時にツギハギだらけのクマの巨大ぬいぐるみが彼女の前に現れる。
 ずん、と重い音を響かせたクマ。
 丸太を振り上げて対抗しようとする怪人。
「クマVSクマだー!?」
 レビレビが驚きの声をあげる中、メルは冷静にぬいぐるみに号令を飛ばす。
 この巨体ならば相手の丸太も平気でへっちゃら。無敵のクマは構えた相手になど構わず、両手を広げて一歩ずつ敵に向かっていく。
「今です。掴んで投げてください」
 そして、メルの声が落とされた次の瞬間。
 丸太が剥ぎ取られ、クマ怪人がぬいぐるみによってぽいっと投げられた。
「わわー! すっごい!」
 テレビウムは興奮した様子でぴょんぴょこ飛び回り、頑張れ! と応援を続ける。まるで正義のヒーローショーにでも出演しているかのようだが、メルは普段通りにぬいぐるみを信じて戦っていった。
 やがて、巨大クマはウサギやイヌなども巻き込んで次々と敵を蹴散らす。
 それはもうすごい勢いで千切っては投げ、千切っては投げるという大活躍だ。
「こんなものでしょうか」
 メルが最後に辺りを見渡した時、周囲には動ける敵は一体も居なくなっていた。これで敵の配下は全滅。現状を確かめたメルの傍に、レビレビがぱたぱたと駆けてきた。
「クマさんもメルさんすごかったよ。やったー!」
「メルたちは応援のおかげでがんばれました。こちらこそ、やったーです」
「ふふっ、ぼくらの仲間もみんな無事だよ」
 ありがとう、と告げてくれたレビレビに礼を返し、メルは再び辺りの気配を探る。少しずつではあるが、強大な力を宿す者が近付いてくることがわかった。
「次もがんばりましょう」
「次!? 次があるの?」
 驚くレビレビを背にして庇いながら、メルは広場の向こう側に視線を向ける。
「はい、あちらにあの人がいますから」
 彼女が示した先には、人影があった。
 それは軍服姿でパペットを操る女性――プレステル・ピスティの影だ。

 そして、戦いは更に巡っていく。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『プレステル・ピスティ』

POW   :    強制忠義ビーム
【キング・ブレインへの忠誠心】を籠めた【パペットからのビーム】による一撃で、肉体を傷つけずに対象の【敵対心】のみを攻撃する。
SPD   :    パペットビーム乱射
自身の【左胸のキング・ブレイン・バッジ】が輝く間、【パペットからのビーム】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    「キングの覇道を阻む奴ぶっ殺す!!」
【パペット】を向けた対象に、【破壊光線もしくは罵詈雑言】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠テュティエティス・イルニスティアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●忠義の機星
「――我らが機械軍が敗れるとは」
 周囲に散らばったマシン怪人の残骸を見渡し、彼女は静かに呟いた。
 彼女こそがプレステル・ピスティ。
 怪人達にみんなのテレビウム広場を襲撃する命令を下した人物だ。片手には血のついた骨を持つイヌのパペットを携え、傍には骨の獣を従えている。
「ですが、鍵となるテレビウムが残っているのならば好都合です」
 冷徹さを感じさせる口調で淡々と語ったプレステル・ピスティは、その手にしている鉄鞭を握り締めた。
 配下の残骸から外された彼女の視線は、テレビウム達を守っている猟兵に向く。
「邪魔です」
 その言葉の裏には、退け、という強い意思が見え隠れしていた。
 だが、此処に集ったのはそんな言葉に怯むような者達ではない。プレステル・ピスティから注がれる強い視線をものともせず、猟兵達は身構える。
 テレビウム達はしっかりと噴水の後ろに隠れており、このまま応援を続けてくれるようだ。行く手を阻む猟兵を忌々しく感じたらしいプレステルは冷ややかな声を紡ぐ。
「どうしても退かないなら……。キングの覇道を阻むというのでしたら――」
 プレステルは猟兵に明らかな敵意を向けた。
 そして、彼女はこれまでと打って変わった荒ぶった口調で叫ぶ。
「全員纏めて、ぶっ殺すッ!!」
 刹那、風を切った鉄鞭が鋭い音を響かせた。
 
真幌・縫

貴女が猟書家さんだね。
テレビウムさんを拐うのもシステム・フラワーズに悪い事をするのも絶対ダメなんだからね!

それに…マシン怪人さんにしちゃうのもちょっとかわいそうだし…

敵さんのUCはパペットさんの動きをよーくみて回避できるよう頑張ろう!
あとは【おびき寄せ】や【挑発】でぬいに攻撃が向かうようにして…【ダンス】しながら避けちゃうよ♪
そして最後はUC【虹色の魔法】だよ!



●対決、プレステル戦
「貴女が猟書家さんだね」
 マシン怪人の残骸が散らばっている中央に立つ人影。
 プレステル・ピスティを見つめ、縫はしっかりと身構え直した。翼猫のぬいぐるみ、サジ太を強く抱き締める縫は敵の気迫を感じ取っている。
 ぶっ殺す、という厳しい言葉が投げかけられても縫は怯みなどしなかった。
 寧ろ相手が悪いことを行うなら絶対に負けられない。
 自分達の後ろにはテレビウム達がいる。彼らを守るためならば、どんなに強い相手であろうと立ち向かうのが猟兵としての役目だ。
 そして、縫は力を紡ぎながら猟書家に問いかけていく。
「プレステルさんだったよね」
「そうですが、それがどうかしましたか」
 先程の口調から一転、クールな様子で答えたプレステルは先手を取る。片手のパペットを掲げたかともうと、破壊光線を一気に解き放った。
 はっとした縫はとっさに横に避けようとする。
 だが、噴水に当たるかもしれないと気が付いて、敢えて光線を受け止めた。鋭い痛みが走ったがテレビウム達が怪我をするよりはマシだ。
「悪いことはいけないよ! テレビウムさんを拐うのもシステム・フラワーズをひらこうとするのも絶対ダメなんだからね!」
「駄目だと言われましても、こちらにも事情があります」
 すべてはキング・ブレインの為に。
 二撃目を解き放とうとしたプレステル・ピスティの動きを察し、縫はちらりと後方を見遣った。がんばれ、と告げてくれるテレビウムの声が聞こえる。
 負けないよ、と口にした縫は相手のパペットの動きをよく見つめ、次も受け止めていこうと心に決めた。
「だったらぬいたちにも止める意思があるよ! それに……マシン怪人さんにしちゃうのもちょっとかわいそうだし……」
 縫は敵を引き付け、挑発を行いながら攻撃を自分に向かわせていく。
 ひらり、ふわりと踊るように戦場を駆け回る縫。其処に解き放たれていく破壊の光線。痛みはかなりのものだが、縫は懸命に耐えた。
「ちょこまかと……小癪ですね」
「今までは受けてたけど、次はよーくみて避けちゃうよ♪」
 後ろに居るテレビウムには当たらない位置取りにつき、縫は回避作戦に出る。パペットから放たれる光は目映いが、縫はそれ以上の攻撃を返していく。
「いくよ! 虹色の魔法――プリズムファンタジア!
 縫が溜めていた力を解放した刹那、虹色の光の矢が周囲に現れた。幾重もの矢はキラキラと光っている。戦場で踊る縫と一緒に揺らめく虹矢は、躍るように宙を翔ける。
「なかなかやるようですね」
 プレステル・ピスティは身を翻して矢を避けていった。
 されど、一度では終わらない。縫の反撃はまだまだ此処からも続いていく。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

リルリトル・ハンプティング

テレレちゃん沢山応援ありがとう!
おかげでいっぱい頑張れちゃったのよ
ふふー笑顔の画面可愛いのね
わたしの電脳にコピーしても良いかし…って誰!?

そう、あなたが親玉なのね
テレレちゃん達をいじめるのは許さないのよ!
小さい卵だからって甘く見ないでほしいのよ
待っててねテレレちゃん
後で勝った記念撮影しましょ!

本気で行くのよ、わたしはリルリトル
卵の国をいつか導く立派なプリンセスになるんだから!
決意の変身と強化したスプーンで突撃よ
汚い言葉なんかへっちゃらよ、そんな事で心は割れないんだから
破壊光線は白兎が時計の盾で守ってくれるの
ありがとうオスター、この隙に飛んで急降下からの攻撃よ
お仕置きの一撃当てちゃうんだから!



●笑顔のために
 テレビウム広場に満ちる空気は張り詰めている。
 噴水に居た子達以外は皆が避難しており、周囲への危険は少ない。されどプレステルは此処に残っている四人のテレビウムに狙いを定めているようだ。
 仲間のひとりがプレステルを引き付けていく中で、猟兵の後ろに隠れているテレレがおずおずと声を掛けてくる。
「リルリトルちゃん、だいじょうぶ?」
「平気なのよ。テレレちゃん沢山応援ありがとう! もう少しよろしくね!」
 テレレは心配そうな表情を画面に映していた。
 しかし、リルリトルはそんな顔をして欲しくないと思っている。それゆえに彼女はにっこりと笑い、応援が力になったことを伝えた。
「うん、応援する!」
「ええ! おかげでいっぱい頑張れちゃったのよ」
「よかった。猟兵さんって強いから心配しなくてもいいよね」
 ほっとした様子のテレレは画面に笑顔を映した。
 リルリトルは困り顔よりもそっちの方が良いと伝え、同じ笑顔を浮かべる。
「ふふー、テレレちゃんの笑顔は可愛いのね。わたしの電脳にコピーしても良いかしら……って危ない!?」
 だが、その瞬間。敵のパペットから発射された光線が迫ってきた。
 とっさにテレレを庇ったリルリトルは鋭い痛みを感じながらも、しっかりとその場に立ち続ける。光線が奔って来た方向に目を向けると、冷ややかな表情をしたプレステル・ピスティが此方を見つめていた。
「退きなさい、そこの卵。こちらはそのテレビウムに用事があるのです」
「いやよ! そう、あなたが親玉なのね」
 リルリトルは退く姿勢など見せずに頭を振り、プレステルを強く睨み返す。テレレはさっと噴水の後ろに隠れており、がんばれ、と小声で告げてくれていた。
 そんな健気な子を悪の手先に渡すわけにはいかない。
「テレレちゃん達をいじめるのは許さないのよ! こっちが小さい卵だからって甘く見ないでほしいのよ」
「そうですか。それならば割ってやるだけです」
 プレステルは片手を掲げながら再びパペットに力を集めた。可愛いワンちゃんの形をしているが、先程の威力を見るに油断できないものだ。
 リルリトルはじりじりとプレステルとの距離を詰め、後方のテレレに呼びかける。
「待っててねテレレちゃん。後で勝った記念撮影しましょ!」
「うんっ!」
 じっとしながら応援しているだけでは気持ちが保てなくなるだろう。だからこそリルリトルは後の楽しみについて呼び掛けた。
 元気のいい返事を聞いた卵姫は大きく頷き、敵への反撃を開始する。
「本気で行くのよ、わたしはリルリトル」
「そうですか。私はプレステル・ピスティです」
 互いに名乗りあったのはどちらも礼儀を重視しているからだろう。リルリトルがくるりとその場でまわれば、衣装が豪華絢爛なドレスに変わる。
「わたしはいつか、卵の国を導く立派なプリンセスになるんだから!」
「残念でしたね、姫とやらもこの場で失墜します」
「それはどうかしら!」
 決意の変身を遂げ、黄金のエッグスプーンを構えた少女は一気に突撃していく。パペットのビームは得物で弾き飛ばし、リルリトルは一撃を与えに向かう。
「やはり……ぶっ殺すッ!」
「そんな汚い言葉なんかへっちゃらよ、そんな事で心は割れないんだから!」
 防ぎきれない破壊光線は白兎が時計の盾で守ってくれた。
 ありがとうオスター、と伝えたリルリトルは其処に生まれた好機を掴み取る。その隙に飛んだ彼女はプレステルの頭上に舞い上がる。
 そして――急降下からの一線が振り下ろされていく。
「お仕置きの一撃、当てちゃうんだから!」
「させるか!」
 プレステルが振り上げた鞭と黄金のスプーンが重なり、鋭い音を響かせた。
 体勢を崩すプレステル。
 着地と同時にエッグスプーンを構え直したリルリトル。
 双方の視線が交錯した。そうして、此処から更に戦いは巡っていくことになる。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

メル・パペット
メルは引きません。
テレビウムたちに応援をしてもらいました。
危険なのに応援をしてくれました。
メルもメルのパペットたちもがんばれました。

メルは死にません。殺されません。
パペットたちもここにいるみんなもそうです。
メルの【覚悟】はちっぽけなものかもしれません。
でも【覚悟】を見せます。

テレビウムたちの応援を受けてメルとメルのパペットは立ち向かいます。
【もっと愉快な仲間達】です。
トンネルを掘って隠れます。
ただ隠れるだけではありません。攻撃のチャンスをうかがうのです。

今です。総攻撃です。
メルは敵のパペットを銃で狙います。
メルのパペットも一緒にスコップで攻撃をします。
覚悟をして下さい。



●応援と覚悟
 広場に一陣の風が吹き抜ける。
 猟兵とプレステル・ピスティの間に駆けていった風が止んだ瞬間、双方の視線が交錯した。相手には退けと言われていたが、メルは逆に一歩前に進んだ。
「メルは引きません」
 プレステルに返したのは揺るぎない意思。
 メルは背後で隠れてくれているテレビウム達を守るために、決して譲らないという思いを言葉にした。メルに声を掛けてくれていたレビレビだけではなく、他のテレビウム達もそれぞれに声援を送ってくれた。
「メルはテレビウムたちに応援をしてもらいました。危険なのに応援をしてくれました」
「応援ですか。それは良かったです」
 その言葉を聞いたプレステル・ピスティは冷ややかに答える。今はテレビウム達の確保が目的であり、その意思など関係ないと突き放すような言い方だ。しかし、先程に口調が荒ぶったようにプレステルの奥にも強い意思が見える。
 そして、メルの声を聞いていたのはプレステルだけではない。
「……メルさん」
 レビレビが呟く声がメルの耳にも届いた。大丈夫です、と告げるようにしてメルは身構え、次の言の葉を紡ぐ。
「おかげでメルもメルのパペットたちもがんばれました」
「根性論だとかいうものでしょうか。我ら機械軍には関係のないものです」
 メルとプレステルの眼差しが再び交差した。
 刹那、相手は片手にパペットを掲げる。対するメルも即座に力を紡ぎ、パペットを呼び出していった。
「――キングの覇道を阻む奴ぶっ殺す!!」
「メルは死にません。殺されません」
 語気が荒くなったプレステルに首を振ってみせ、メルは覚悟を示す。そのとき、背後からレビレビの声が響いた。
「そうだ! ぼくたちだって簡単には捕まらないぞ。メルさん、いけーっ!」
 メルの言葉に更に勇気を貰ったらしいレビレビは声を張り上げた。
 解き放たれた破壊光線を受け止め、メルは静かに頷く。痛みは押し込めて前へ進み、メルはプレステルとの距離を詰めにいった。
「パペットたちもここにいるみんなもそうです。負けません」
 己の覚悟はちっぽけなものかもしれない。
 それでも、抱く思いは嘘ではない。覚悟の元に勝利を掴むことを誓い、メルはプレステル・ピスティへと攻撃を仕掛けていった。
「あなた方がどうあろうと、私も覇道を諦めるつもりはありません」
 冷静と怒気を交互に使い分けるプレステルは、更に破壊光線を放ってくる。身体を低くして一撃を避けるメル。それでも躱しきれなかったものはパペット達が庇ってくれた。メルは懸命に手伝ってくれるパペットに視線で礼を告げ、一気に攻勢に出た。
 背後からは、がんばれー! という声がずっと聞こえている。
 その応援を受けてメルとパペット達はプレステルに立ち向かった。
 覇道のビームを更に避けるため、愉快な仲間達はトンネルを掘っていく。しかし、ただ隠れるだけではない。これは攻撃に続ける好機をうかがうためのものだ。
(まだです。まだ、もう少し――)
 戦場では他の猟兵もプレステルに攻撃を仕掛けている。メルは彼女達と連携を行えるように立ち回り、一瞬の隙を見極めにいく。
 そして――。
「お仕置きの一撃、当てちゃうんだから!」
「させるか!」
 まず別の猟兵の声が響き、其処に続いてプレステルが声をあげた。敵が体勢を崩した瞬間、メルがパペット達に呼びかける。
「今です。総攻撃です」
 メル自身はアサルトライフルを構え、パペットは一気に突撃していく。
 彼らのスコップが振るわれた瞬間にメルが銃弾を撃ち込んだ。それによって更にプレステルは揺らぎ、痛みに耐えるような表情を浮かべる。
 されど、戦いはまだ終わらない。
「覚悟をして下さい」
 メルの静かな声が落とされ、鋭い風が再び戦場に駆け抜けていった。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

詩乃守・セツア
君は悪さをする側、僕らはそれを邪魔する側
今更「邪魔するな」なんて頓珍漢なこと言わないでよ
邪魔と余計なお世話が猟兵のお仕事だからね

――目録、開帳。
まだ新米の僕に敵の九倍化攻撃を器用に避けるなんて真似できないからね
コンコンコン、っと。事前に入手しておいたペイントボールを高速移動でのすれ違い様に投擲
視界を塞ぐか、能力の起点となるバッジの輝きを潰せるか、そうゆう狙いで行動するよ

あとは単純
足を止めず、軌道もランダムな変更入れつつ的を絞らせないように
“狩り祓い”は物理的な攻撃力はないけど、初見なら敵を怯ませるくらいはできるだろうし、常に眼をめがけて射出
隙を見て一息に切り捨てる
それくらいしか出来ないから、ね



●刃嵐、狩り祓い
 倒れたマシン怪人の残骸が残る広場。
 本来は楽しいみんなの場所だったはずの此処は現在、戦場になっている。
 危機を察して駆けつけた詩乃守・セツア(魔剣蒐集家・f27142)は、テレビウムを狙うプレステル・ピスティに意識を向ける。
「新手が現れましたか」
 プレステルが静かな声を紡ぐと、セツアも冷静に答えた。
「君は悪さをする側、僕らはそれを邪魔する側。今更『邪魔するな』なんて頓珍漢なこと言わないでよ」
「何を言われようと構いません、纏めてぶちのめすだけです」
 両者の眼差しが重なる。
 刹那、プレステルの左胸のキング・ブレイン・バッジが輝きはじめた。攻撃が来ると気付いたセツアは身を翻し、パペットからのビームを何とか避けていく。
 だが、その全てを器用に避け続けることが難しいのもセツアには分かっていた。
「ちょこまかと邪魔ですね。大人しく貫かれなさい」
「邪魔と余計なお世話が猟兵のお仕事だからね」
 ――目録、開帳。
 セツアは数百の魔剣と邪剣の刃の破片で形作られた嵐を纏い、狩り祓いの力を発動させていく。対するプレステル・ピスティはマシン怪人の残骸にもビームを向けることで攻撃を続けている。
「コンコンコン、っと。あれは便利だよね」
 そして、セツアは事前に入手しておいたペイントボールを投擲した。高速移動を行いながらすれ違い様に投げたボールは宙を舞う。
 決定打にはならないが、これで少しでも視界を塞ぐことができるはず。
 或いは、能力の起点となるバッジの輝きを潰せるか。一か八かで投げたボールはプレステルの近くに着弾した。
「こんなもので私を止められるとでも?」
「何でもやってみなければ分からないからね」
 プレステルは冷ややかな視線を向けてきている。ぶっ殺す、と語った先程の怒号とは打って変わっての冷静さだ。
 セツアはプレステルから決して目を逸らさず、駆け続ける。
 此処で戦っているのは自分だけではない。共に同じ目的を持つ猟兵達がいる。セツアはそれぞれに立ち回る仲間の動きを見遣り、協力してプレステルへの攻撃を行っていく。
 あとは単純だ。
 足を止めず、相手を撹乱するような軌道で駆ければいい。
 ランダムな足取りで自分に的を絞らせないように駆けゆくセツアは、己の力を弁えている。それこそが油断しないということだ。
 纏う狩り祓いは物理的な攻撃力はない。だが、きっと初見なら敵を怯ませるくらいはできるだろうと考えたセツアは、常にプレステルの眼をめがけて射出していく。
 魔剣と邪剣の刃の破片が戦場に巡った。
 そして、仲間がプレステルに銃弾を撃ち込んだ刹那。
「斬り捨ててあげるよ」
 隙を見てひといきに力を解き放ったセツアは、嵐をプレステルに解き放った。刃が鋭く迸る中、セツアは仲間に後を託していく。
「今の僕にはこれくらいしか出来ないから、ね」
 きっと戦いの終わりはもうすぐだ。
 最後まで援護と攻撃を続けることを決め、セツアは戦いを見据え続けた。
 

成功 🔵​🔵​🔴​

リル・ルリ
邪魔だって言われてもどかないよ!
ティムも他のてれびうむ達だって絶対守るんだから!

僕が、ヨル達皆を守ってみせるから
あの鞭で打たれたらきっと痛い
びぃむだって
いつも僕の前で戦っている、龍と神を思い返して奮い立たせる
受けとめて、強い眼差しをむける
僕だって!
どんな言葉をもらっても僕はめげないし折れないぞ!

水泡のオーラで攻撃を防ぎ
歌で誘惑して思考を鈍らせながら考える
皆を守り救うために、僕にできること
試してみよう

力を込めて
歌うように宿る魔力を紡ぎ出す
イメージするのは白の君の声音
上手くできるかな
できる、僕はやる!

白の魔法「穹音」!

君の信じる路が悪いと否定はしない
けれど僕の進む路とぶつかるから
とめさせてもらうよ



●穹に紡ぐ音
「――邪魔だって言われてもどかないよ!」
 戦いが巡りゆく戦場で、リルはプレステル・ピスティを強く見据えた。
 彼が守る背にはテレビウム達が隠れている。懸命に応援を続けてくれていたティム、それにレビレビとムウ、テレレ。
 みんな猟兵を信じて今も声援を送ってくれている。
「きゅきゅー!」
「リルくんー! まけるなーっ!」
 両羽をぱたぱたと上下させるヨルと一緒になって、ティムが拳を振り上げていた。その後に他の子達の声も聞こえる。心強さを改めて感じたリルはしかと頷く。
「ティム、他のてれびうむもありがとう。大丈夫、絶対守るんだから!」
 後で他の子達と話すのも良いはず。
 みんなヨルや自分の友達になってくれるだろうと思いながら、リルは身構える。対するプレステルは鞭を振るって鋭い音を響かせた。
「友情ごっこは終わりましたか?」
「ごっこなんかじゃない! 僕が、ヨル達を――皆を守ってみせる」
 リルは懸命に宙を泳ぎ、プレステルから放たれるビームの軌道から逸れる。彼女の鞭で打たれたらきっと痛いだろうし、あの光線だって当たると拙い。
 共に戦う猟兵が攻撃を引き付けてくれていることに感謝しながら、リルは普段の戦いを思い返した。胸裏に浮かぶのはいつも自分の前で戦っている、龍と神の姿。
 今日は自分が彼らのように前線で泳ぐ。
 己を奮い立たせたリルはプレステルからの眼差しを受け止め、視線を返す。
「僕だって!」
「そこの人魚から貫いてやりましょうか。いや……ぶちのめすッ!」
 一度は冷静に戻った敵の口調が再び荒々しくなった。リルは怯まず、ふわりと尾鰭を揺らしていく。
「何を言われても僕はめげないし折れないぞ!」
 あの光線を避け続けることは出来ないゆえ、リルは水泡のオーラで攻撃を防いでいく。紡ぐ歌での誘惑をいざないながらリルは考える。
 皆を守り救うために自分ができること。それを試してみようと思い立った。
 リルは一度だけ瞼を閉じてから魔力を巡らせる。
 上手くできるかはまだ分からない。それでも、守ると決めた心が此処にある。
 力を込めて、歌うように。イメージするのは白の君の声音。己の中に宿る力を紡ぎ出したリルの周囲に音が集っていく。
「できる、僕はやる!」
 指揮を行うように指先を青空が広がる天に掲げたリルは、凛と宣言した。
 果てない穹に指を這わせて、紡ぐ歌の音は白の抱擁。
 ――白の魔法、穹音。
 リルの周りに羽根が浮かぶ。真白な光で描かれた五線譜が空に走り、其処に羽が音符の如く並んだ。
 奏で、穿ち、歌うがいい。これは、永遠の音色。
 リルが声にした音を形にするように羽根が音階を示す。リルの内から溢れ出す力はただ一点、プレステル・ピスティに向けられた。
「君の信じる路が悪いと否定はしない。けれど僕の進む路とぶつかるから」
 とめさせてもらうよ。
 薄花桜の瞳が敵を捉えた刹那、羽根の音符が五線譜と躍る。
 渦巻くように形を変えた白の軌跡は真っ直ぐに飛翔していき、プレステルの身を穿っていった。その力は強く、思い描く未来を続かせる為に疾走っていく。
 そして、其処から終幕への道筋が描かれる。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​

シャン・チーシィ
現れおったな、機軍の将プレスハム。…違う? ぷれすてる?
ああ、確かにそのような名であった。すまぬ。先程ムウ殿からくれーぷの話をたんまりと聞いたところ、すっかり腹が減ってしまって気も漫ろなのは否めぬ。
疾く解決して食事の時間にしたいものよ。ムウ殿もそうであろう?

だが語気の荒さからして「退け」と申しても聞き入れるタマではあるまいな。
然りとて広場がびーむの乱射で滅茶苦茶になるのは忍びない。

其処で繰り出したるは某の『真心饗応』よ。これで某なりのくれーぷ(想像)をおみまいして、ぷれすてるの闘争心を削いだ後に斬り捨てるのだ。
強制忠義? 効かんなあ。某が抱くは敵対心でなく『饗しの心』ゆえ。



●饗応の心
 広場に満ちていくのは殺気。
 骨の獣と片手のパペットを従えたプレステル・ピスティは次々と破壊光線を放ち、邪魔な猟兵達を蹴散らそうと狙ってきていた。
 鋭く身構え、大包丁で光線を受け止めて弾いたシャンは敵を見据える。
「現れおったな、機軍の将プレスハム」
「人の名前を変なもの変えないでください。ぶちのめしますよ」
 元の口調に戻ったプレステルは冷ややかな眼差しをシャンに向けながら、静かな怒りを抱いていた。妙な空気を察したのか、噴水の影に隠れていたテレビウムのムウがシャンに声を掛ける。
「シャンさん! プレステルさんだよ、プレステル・ピスティ!」
「……違う? ぷれすてる?」
「あのテレビウムの方がよく分かっているではないですか」
 軽く首を傾げたシャンと、さっと隠れたムウがいる噴水を交互に見遣り、プレステルは溜息をついた。その間にも彼女の左胸にあるキング・ブレイン・バッジが輝き、他の猟兵への攻撃が続けられていた。
 シャンはビームの余波が自分にも迫っていることに気付き、強く地を蹴る。
「ああ、確かにそのような名であった」
 すまぬ、と素直に謝ったシャンに対してプレステルは頷いた。
「ふざけているというわけではなかったのですか。それなら良いでしょう」
 その手にあるイヌのパペットの腕がぱたぱたと動く。どうやら名前間違いのことは水に流してくれたようだ。
 だが、次にシャンが告げた言葉によってプレステルは眉を顰めることになる。
「先程ムウ殿からくれーぷの話をたんまりと聞いたところ、すっかり腹が減ってしまって気も漫ろなのは否めぬ」
「……空腹? そのような状態で我らが機械軍に挑むとはいい度胸ですね」
 戦いに集中できないならば心ごと消してやる。
 そう語るようにしてプレステルはシャンへと新たなビームを放った。それはキング・ブレインへの忠誠心を籠めたパペットからの光線だ。
 されど、即座に身を翻したシャンは既の所でそれを避けた。
 巨躯が揺れ、手にした包丁が光を反射して鈍く煌めく。光線がテレビウム達に当たらぬよう留意しながら、シャンはムウに問いかけた。
「疾く解決して食事の時間にしたいものよ。ムウ殿もそうであろう?」
「うん! はやくクレープ屋さんをひらきたい!」
 だから頑張れ、と応援してくれるムウは猟兵に信頼を抱いている。戦いの最中に食べ物の話ばかりしているシャンに憤りを覚えたのか、プレステルの語気が荒くなっていく。
「小癪な。我らが覇道を阻むなら……やはりぶっ殺す!!」
「ふむ、退けと申しても聞き入れるタマではあるまいな」
 迸った強制忠義ビームが周囲に広がっている。これ以上、広場が光線や攻撃の乱射で荒らされてしまうことはシャンとしても避けたかった。
 きっとムウ達が出すクレープの屋台とも此処に出るのだろう。その場所が滅茶苦茶になるのは忍びなかった。
「ならば、某にも手がある」
 シャンが其処から繰り出したるは真心饗応の力。シャンにとっては未知のクレープも、先程にムウから聞いた情報がたくさんある。仲間がプレステルを引き付けてくれている間にシャンは手料理を作り上げていく。
「これが某なりのくれーぷだ。さあ、食らうが良い」
「くらうのは貴方です。キング・ブレインへの忠義を!」
 クレープと光線。
 交差するのは其々の力。何とも不思議な光景ではあるが、これがシャンの本気だ。プレステルもそれが分かっているらしく真剣にビームを撃ってくる。
「強制忠義? 効かんなあ。某が抱くは敵対心でなく『饗しの心』ゆえ」
 シャンの思いは強く、力は深く巡っていった。
 そして――。
「くっ、こんなものに……!」
 解き放たれたそれはプレステルの闘争心を削ぎ、パペットが手から落ちる。代わりにプレステルは右手にシャン特製クレープを持っていた。
「……甘いですね」
 美味しい、とプレステル・ピスティが穏やかに呟いた刹那。シャンが戦場を駆け抜け、大包丁がひといきに振り下ろされた。鋭い一閃は彼女を深く貫く。
 その瞬間、戦いに終幕が齎され、機械軍プレステルの侵攻は止められた。

●みんなの平穏
 戦いが終わってから暫く。
「いらっしゃいませー! テレビウムのクレープ屋さんだよー!」
 みんなのテレビウム広場には明るい声が響き渡っていた。噴水の近くに建っているのは可愛い装飾が施されたお店だ。
「パワーアップフルーツのトッピングし放題だよおー!」
 猟兵達によって救われたテレビウム達は今、キマイラ向けの屋台を開いている。
 店からは可愛らしいオルゴールの音が響いており、とても穏やかな雰囲気だ。テレビウム達はせっせと注文されたクレープを用意してはキマイラに配り、店は大忙し。
 そんな中、テレビウム達は君に気付いた。
「わあ、猟兵さんだ!」
「遊びに来てくれたの? こんにちはー!」
 ありがとう、と感謝を語るレビレビ。両手を振るテレレ。そして、ぱたぱたと駆けてきたムウとティムが屋台の上部を示す。
「ねえねえ、これを見て」
「じゃじゃーん!」
 彼らが自慢気に見せたのは『イェーガークレープ』と書かれた看板。
 猟兵に助けて貰ったことを切欠にして名付けたらしい。其処にはあの戦いをあらわすようなクマとウサギとワンちゃん、イヌのパペット絵まで描かれている。なかなかに可愛いと評判だという。
「さあさあ! 早くこっちに来てよ、クレープをご馳走するよ!」
 テレビウム達は君の手を取って屋台に誘う。
 彼らの画面の中に映されているのは、とびっきり明るい笑顔で――。

 みんなのテレビウム広場。
 猟兵達が守りきった平和の証は、今日も確かに此処にある。
 

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年03月10日


挿絵イラスト