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17歳、JKです☆

#キマイラフューチャー


●キマイラフューチャー
「17歳、JKです☆」
 一人の機関車男が、おっさんめいた重厚な声でそう言った。
「17歳、JKです☆」
 その取り巻きらしき複数の回胴男が、これまたおっさんめいた甲高い声で一斉に復唱した。
「人は誰もが17歳JKになれる! 年齢も、性別も関係なく! 名乗りさえすればみんな17歳JKである!」
 機関車男が己の力説を人々にぶちまける。周りに集まる回胴男達がオォーと鬨の声をあげると、それを聞いた通りすがりのキマイラやらテレビウムやらが続々と集まり始める。
 それがオブリビオンによる恐るべき信奉者増殖計画であるとも(やってる本人達も忘れかけている)知らず、何故17歳なのかも(本人達も含め)分からず、そもそも『JK』とは何なのか(勿論本人含め)理解せず、人々(?)は口々に己をこう名乗る。
 『17歳、JKです☆』と。

「J・K! J・K! J・K! J・K! J・K! J・K! ウォォー!」

 機関車男が音頭を取り、今や最初の信奉者兼サクラの回胴男よりも多くなった一般信奉者達の掛け声は、いつまでも続いた。

●グリモアベース
「『キマイラフューチャー』にて、怪人級オブリビオンが何やらブームを広めているようです。内容は自らを『17歳JK』と名乗ること」
 メンテ・サンタバーバラ(エルフのクレリック・f00018)が、げんなりした顔で今回の事件を告げる。
「例えそれが何であれ、オブリビオンの信奉者が増えることはとてもマズいことです。信奉者を扇動してより大きな陰謀を働いたり、あるいは彼らが『集団自殺』や『世界滅亡』といったより危険なブームを流行させようとするかも知れない」
 メンテがその弊害の可能性を話している内に、真剣な面持ちとなる。実際の所、怪人級オブリビオンが信奉者を増やして真に何を目指しているか、現状では何一つ分からない。分からないからこそ、あらゆる可能性を考慮し、対処しなくてはならない。

「とても残念な……いえ、恐ろしいことに、既に『17歳JK』ブームは広がりを見せています。このまま怪人級オブリビオンを討ち取ろうとしても、ブームに乗った住民達を敵に回すことになりかねません。そこで皆さんにはまず『17歳JK』ブームを終わらせて貰います」
 平和的な方法であれば手段は問わない。例えば、全く新たなクールでビビッドな自称を作り『17歳JK』に真っ向から挑むもよし、『17歳JK』の年齢や後ろの単語を変えてブームを乗っ取るもよし、あるいは『17歳JK』を名乗る事による弊害を動画などで指摘するもよし。今挙げた方法は一例に過ぎない。有効なのは人々に『17歳JK』を揺るがす強烈な衝撃を与えることだ。
 そしてその後、孤立した回胴男達と機関車男を討滅、オブリビオンの(きっと)恐るべき陰謀を終結させる。それが今回の作戦となる。
 怪人達言えども、単によりブームを広めようとしているだけの猟兵に手を出せば、それはそれで今度は自分達がキマイラフューチャーの住民を敵に回すことになる。故に彼らもブーム合戦の間は暴力には訴えられない。その点において、条件は平等と言えよう。

「皆さんをこれより『17歳JK』ブーム最先端の地へと転送します。ここでの活動の成否が、オブリビオンの陰謀の打破出来るかに直結します。皆さんの健闘を祈ります」
 キマイラフューチャーの未来が懸かってるかもしれない戦いが、今始まる。


前後
●あいさつ
 皆さん、初めましての方は初めまして、以前プレイングを送って下さった方は今回もありがとうございます、前後です。
 今回はキマイラフューチャーです。皆さん、あるいは皆さんのキャラクターだったらこの状況をどう打破し、攻略するか。皆さんの熱いプレイングをお待ちしております。私もそれに負けない熱いリプレイで返したいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

●補足
 『JK』が何の略かは皆さんのご想像にお任せします。皆さんの考える・感じた・思った『JK』をこじつけて下さい。
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第1章 冒険 『ブームを終わらせろ』

POW   :    熱意と勢いで新たなブームを広める

SPD   :    怪人が広めたブームを乗っ取る

WIZ   :    文化の問題点を指摘する動画をアップする

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メルト・プティング
【怪人の広めたブームを乗っ取り】ましょう!
JKと聞いては黙っている訳にはいきません!JKを目指すカワイイカワイイメルトちゃんです!メガホン片手に高いところから、学生服のスカートを颯爽と翻して呼びかけましょう!

皆さん!確かにJKはすばらしいものです!かくいうボクもJKという在り方に心奪われ、JKを目指して日々頑張ってます!でも考えてみてください!17歳って限定しちゃうのは勿体なくないですか!?それになにより、JKはカワイイの代名詞!ただ17歳JKです☆って言うだけでたどり着く境地ではないのです!さあ皆さん、叫び治しましょう!カワ・E!JK!と!!



「JKと聞いて黙っている訳にはいきません!」
 『JKを目指すカワイイカワイイメルトちゃん』ことメルト・プティング(夢見る電脳タール・f00394)は、黒く艶めく髪と肌を輝かせ、学生服のスカートを颯爽と翻し、メガホン片手に呼びかける。
「皆さん! 確かにJKは素晴らしいものです! かくいうボクもJKという在り方に心奪われ、JK目指して頑張ってます!」
「17歳JK! 17歳JK! 新たな17歳JKの誕生だ!!」
 17歳JKブームのメッカにおいて、メルトの呼びかけは誰からも祝福を込め受け入れられた。掴みは成功だ。ここからメルトはブームを乗っ取りにかかる。
 
「ですが! 17歳って限定しちゃうのは勿体なくないですか!? だってボク、16歳ですから!」
「え!? 17歳じゃないの!?」
「16歳JKヤッター!」
 人々が一瞬動揺する。
「それに、JKはカワイイの代名詞! ただ『17歳、JKです☆』と名乗るだけで辿り着ける境地ではないのです!」
「じゃあどうすれば!?」
 小さなひび割れが大きな亀裂となるように、衝撃が走る。名乗るだけではJKになれない。その真実に人々は気持ちを落とす。
 
「カワイイになればいいじゃない!」
 群衆の中の誰かが言い出した。これを使わない手はない。すかさずメルトは畳みかける。
「そう、常にカワイイを目指し続ける姿勢こそがJK! だから皆さん、毎日自分をカワイイと言い続けましょう! 『カワ・E! JK!』と!」
 今、カワイイでなくてもいい。カワイイを目指し続ける姿勢こそがJKの在り方。それを忘れない限り、人はどこまでもカワイイの高みへと登れる。昨日よりももっとカワイイになれる。一瞬曇った人々の表情に笑顔と歓喜が蘇る。
「カワ・E! JK! カワ・E! JK! ヤッター!!」
 メルトの佇まい、想い、そして精神性はキマイラフューチャー(の一区画)に大いなる影響を及ぼし、人々の大多数は彼女こそが当の本人達もよく分かってなかった『JK』という概念そのものではないかと確信し、そして彼女の在り方を目指すため、人々は口々に『カワ・E! JK!』と言い出し始めたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

沢木・助平
【SPD】
はいはい出た出た、17歳最高論~。
いやーマジないわ。年齢だけで最高とかありえないっしょ?
もっとこうさ、他の素養があって流行るもんでしょこういうのは。

やっぱりここはブームを乗っ取ってガジェットの良さも売り込む!
つまり「ガジェット17歳JK」ブーム!キタコレっしょ!
無骨・機能的・油臭いという一切17歳JKに職人の魂。
それを一生懸命取り扱う17歳JK!
可愛い制服に可愛い所作と相反する、自分みてぇなツナギにシャツに軍手!
これよこれ、ギャップ萌え。

脳死して浮き足立ってるだけのブームなんざ屁でもねぇっすよ。
リアル17歳JK、そしてガジェット好きの自分がシンボルになってブームの乗っ取ってやらぁ。



「はいはい出た出た、17歳最高論」
 マジないわ、と冷ややかな目でブームを見つめる沢木・助平(ガジェットラヴァー・f07190)。彼女自身も『17歳JK』だからこそ、その良さは決して年齢のみに集約されているのではないという信念を抱いていた。
 
「ういーっす、ガジェット17歳JKでーっす」
 ツナギとシャツ、そして軍手姿。そして彼女の背後には【ガジェットショータイム】で作り上げた、奇怪にして無骨、それでいて機能的なガジェット。彼女の佇まいに、人々はまたしても衝撃を覚えた。こんな職人魂の籠ったマシーンを『17歳JK』が? 『17歳JK』がこんなボサボサの恰好を? 一瞬人々はその姿を『17歳JK』じゃないと拒否反応を示しそうになる。だがその時、助平のガジェットが急にスチームを噴き出す。
「わわわっ、落ち着くっすよ」
 ガジェットを修理しようと工具を片手に、汗を垂らし、油まみれになりながらガジェットに寄り掛かる。その落差に人々は心を射抜かれる。17歳JKなのに渋い趣味、渋い服装、渋くも17歳JK相応の一生懸命な所作が……カワイイ!
 
「ガジェット17歳JK! ガジェット17歳JK!」
 人々から助平を称える声が響き始め、彼女は勝利の笑みを浮かべた。地に足付けた技術力、そして王道の萌えの前に、浮き足立ってるだけのブームなんざ屁でもねぇっすよ、と。

成功 🔵​🔵​🔴​

シエル・マリアージュ
「17歳JK!」
17歳JKをリスペクトしながら機関車男と一緒に盛り上がり、さり気なく周りのカメラや観衆にアピール、注目が集まってきたところで
「でも、本当に17歳でいいの?22の方が大きいし、ゾロ目だし、22ってポーズも可愛いよね?!」
可愛くタブルピースで22歳をアピール!22歳、最高!
「ねえ、あなたは17歳で終わりなの?」
そう機関車男を挑発して、相手が更に上の年齢を言ったら狙い通り!どんどん年齢をつり上げていき、それに観衆が飽き始めたところで
「年齢に縛られなんておかしいよ!私たちは何歳にだってなれる!その可能性は無限大!無限JK!」
両手で二つ輪を作って∞の形でアピール、無限JKブームを始めよう



「カワ・E! JK!」
「ガジェット17歳JK!」
 かつて誰も彼もが『17歳、JKです☆』と名乗った区画も、様々な形のJKが入り混じり初め、未だ多数派とは言え、中には「17歳JK? ちょっと古くない?」と言い出すものも現れ始めた。機関車男はその事態に、当の本人も忘れかけていた信奉者増殖計画を思い出し焦り始める。と、そこに。
「17歳、JKです☆」
 白で染め抜いた有翼の女性、シエル・マリアージュ(オラトリオの竜騎士・f01707)が澄んだ声で機関車男に声をかける。
「17歳、JKです☆」
 低く重厚な声で機関車男が返す。良かった、このような美しいお方がまだ我らを信奉している、まだやれると自信を取り戻す。シエルと機関車男、そして回胴男達は口々に『17歳、JKです☆』と名乗り出し、人々もそれに釣られて『17歳、JKです☆』と名乗るものが集まり始める。その行為は一見怪人達を利するようだが、これもシエルの作戦だ。十分に人々の注目を集めたところで、シエルが仕掛ける。
 
「でも、本当に17歳でいいの? あなたは17歳で終わりなのに? 22の方が大きいし、ゾロ目だし、22ってポーズも可愛いよね?」
 シエル22歳が愛らしく両手でピースを作り、自身の年齢をアピールする。ついさっきまで17歳を名乗っていた者達の中に、ポーズの愛らしさから急に5歳老けるものが現れ始めた。くそっ、こいつも邪魔しに来た猟兵か、と心の中で悪態を吐く。何とか同様に17歳を仕草で表現する方法を探すも……17歳は、可愛く、あるいは機能的に作れない!
「ほら、年齢に縛られるなんておかしいよ! 私達は何歳にだってなれる! 何歳を名乗ってもいい! その可能性は無限大! 『無限JK!』」
 シエルは畳みかけるように、そして機関車男があくまで17歳に拘ることが愚かであると言わんばかりに、今度は両手で二つ輪を作って無限大の形を作り出す。
「22歳、JKです☆」
「無限JK!」
 何歳を名乗ってもいいということは別に17歳JKでも構わないため完全な駆逐には至らなかったが、それが両手で作れないことが災いし、この区画から17歳の数が急に減りだした。

成功 🔵​🔵​🔴​

沢木・助平
SPD

うんうん、少しばっかりだけど効果ありっすね。
んじゃまーここからはガジェットの方に今度は興味もってもらいましょ。
なんつーんすか、あれ。すぐ会えるアイドル?的な売りをしてくっすよ。

自分の持ってる簡単な組み立てガジェットをガサッと出して、集まってくれてる皆さんに組んで遊んでもらうとするっすよ。
触ってもらえれば、ガジェットの楽しさ分かると思うんすよねー!
多分だけど、男が多いんでしょ?こういうの。
だからちびっと癪だけど折角持ってるんで、こう、胸もアピールしてくっすよ。

「あーそこは違うって。ここはこうやって優しく組んであげるんすよー(手をとり胸が腕に触れるように)」

みたいな?



「ガジェット17歳JK!」
「カワ・E! ガジェット22歳JK!」
「ガジェット無限JKです☆」
 JKとは言えばガジェット。カワイイなJKが無骨なガジェットを組み立てるギャップがカワイイを益々引き立てる、それが人々の共通認識である。
 手ごたえを感じた助平は趣味と実益を兼ね、次の一手を打つ。ガジェット17歳JKのためにガジェットの良さをさらに知ってもらい、ガジェットそのものをブームとする。そしてそのまま『17歳JK』を押し流すのだ。

「はいはーい、JKの間で流行りのガジェットですよー」
 やはりガジェットは見るだけではなく、触って、組み立ててもらってナンボ。そう考えた助平は、シートの上に簡単な組み立て式ガジェットをガサッを出し、気怠そうな態度で人々に呼びかける。
 17歳JKなのに着飾らない態度と服装が、それはそれでカワイイと人を集め、助平の前に人だかりが出来る。今までガジェットを知りながらも触っていなかった『JK』達も、これが好機とばかりに実演ガジェットに触れ「どこで買えるのか?」「作ってみた放送希望」「助平たんペロペロ」などと口々に質問を投げかける。そしてその中で助平が注目したのは、三番目であった。ちびっと癪だけど折角持ってるんで、こう、アピールしてくっすよ、と。
 
「おぉー、これがガジェットかぁ。わしのようなジジ……JKにはちょっと難しいのぉ」
 モノクロ画面に翁の顔を映した老テレビウムが、プルプルしたおぼつかない手つきでガジェットを触る。
「あーそこは違うって。ここはこうやって優しく組んであげるんすよー」
 後ろからテレビウムを抱きかかえるように手を取り、実は大きな胸を背中に押し当てていく。
「お、おおぉー。おぬしのガジェットはいいのぉ……」
 人々はガジェットの楽しさ、そして助平の幾重にも築かれたギャップ萌えに魅了され、ガジェットJKブームはガジェットそのもの、そしてJKガジェッティア助平ブームへと変貌していった。

成功 🔵​🔵​🔴​

メルト・プティング
引き続き【怪人の広めたブームを乗っ取り】ますよー!
くっ、他の猟兵の皆さんもやりますね…特にあのガジェッティアのお姉さんが人目を引き付けているような…これは負けられません!JKの名にかけて!オブビリオンの作戦阻止など最早些細なこと、今のボクの目標は1番のJK人気を得ることです!

というわけでボクはどこからか用意したマイク&スピーカーをドーンとセット!ダンス&ソングで更に人気になっちゃいましょう!歌って踊れるJKアイドル、これでブームの中心は頂きですよ!
ダメ押しにエレクトロレギオンでステージ演出用の小型戦闘機も出しちゃいます!可憐なボクの周りに舞う光り輝く戦闘機、これはもう完璧ですね!



「くっ、他の猟兵の皆さんもやりますね……これは負けられません! 『カワ・E! JK!』の名にかけて!」
 メルトにとって、もはや怪人の作戦阻止など些事。目指すはただ一つ、JKの頂点。機関車男が『17歳JK』を名乗ることに躍起になって本来の目的を忘れかけたように、人は過ちを繰り返す。まあ『メルト自身』でブームで塗り潰すという点ではギリギリ許容範囲ではあるが。

 そして彼女が選んだ手段、それはゲリラライブ。
「『カワ・E! JK!』メルトちゃんオンステージ! です!!」
 メルトは黒く艶やかな体の周りに【エレクトロレギオン】を纏い、制服を翻しながら歌って踊り、人々の注目を集める。それに伴い、どこからともなく有志が用意したマイクにスピーカー、ライトなどがリアルタイムで設置され、ライブは盛り上がりを見せる。

「メルトちゃん! メルトちゃん!! ウォォー!!」
 メルト自身が本来の目的をあえて放り投げたため、17歳JKブームを終わらせるという点では画竜点睛を欠く結果となったが、それでも人々の関心はとっくに『17歳JK』から完全に外れていた。流行には簡単に乗るが、飽きるのも物凄く早い。それがキマイラフューチャーのあまりにも残酷な摂理である。

 もはや怪人達を守る者は誰もいない。あとは倒すのみだ。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『スロットマシン怪人』

POW   :    プレジャー・プリーズ
自身の【刹那的な楽しみ】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
SPD   :    スリーセブン・スラッシャー
【頭部のスロットをフル回転しての連続攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    ロスト・ロケット
自身の装備武器に【遺失技術製のロケットエンジン】を搭載し、破壊力を増加する。
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「おのれぇ……猟兵どもめぇ……!!
 あっという間に『17歳JK』ブームを終焉させられた機関車男が、体中から白い蒸気を滾らせながら悔しさを滲ませる。
「まさかお前達も……『17歳JK』を捨てるのか……!?」
 部下である回胴男達に向き直る。

「否! 何故なら、私達は……17歳、JKです☆」
 甲高いおっさん声で一斉に否定する部下達。
「そう、私達は……17歳、JKです☆」
 重厚なおっさん声で追認する機関車男。全てが終わりかと思ったが、まだ終わりではない。そう、一人でも『17歳JK』を名乗り続けるまでブームは終わらない。全滅するまでは我々は負けではないのだと。

「よく言った! 猟兵どもを返り討ちにしてくれる! 行け、我が配下達よ!」
「ウォォー!! 私達、17歳JKです☆」
 え、ボスは一緒に戦ってくれないの? と疑問に思いつつも、回胴男『スロットマシン怪人』の集団が、レバーを上下に振るい、回転輪を高速で回しながら猟兵に襲い掛かった!
シエル・マリアージュ
「しってるー。これって、叩いたり蹴ったりするとコインがいっぱい出てくるやつだ!」
襲いかかってくるスロットマシン怪人を指さしてハイテンションに騒ぎながら、しっかりトリニティ・エンハンスで防御力を高めるのを忘れない。
「キルシュ?どんなキラキラが出てくるか楽しみだね」
肩に乗せたさくらんぼ色の小竜をなで、竜を槍へ変身させる。
「見せてよ、あなたの中に何が詰まってるのか?」
冷たい眼差しでスロットマシン怪人を見据えながら槍で攻撃していく、数が多いから囲まれないように注意しながら戦うよ。ていうか、若い子が頑張ってくれるでしょ?若いんだから。
年齢なんて気にしてませんけど?22歳、最高!



体の各部を激しく動かし、『17歳、JKです☆』と叫びながら一斉に迫ってくる回胴男達。だが彼らを前に、シエルは肩に乗せた桜桃色の小竜を撫でながら、むしろ楽しげな表情を浮かべていた。
「しってるー。叩いたり蹴ったりするとコインがいっぱい出てくるやつだ!」
 だが【トリニティ・エンハンス】による水の魔力で己を守りつつ、小竜を【尖竜槍キルシュヴァッサー】へと変形させて、回転させながら構える姿はいやにシステマティックである。
「キルシュ、中にどんなキラキラが詰まってるか楽しみだね?」
 槍と化した相棒の愛称を呼びながらも冷たい眼差しのシエルに、先陣を切る回胴男は一瞬たじろぐ。だがここで退く訳にはいかない。いい年こいて『17歳JK』を名乗ることで身体能力を増大させた回胴男はそのままシエルに頭突きを喰らわせようとする。
 
「――見せてよ」
 氷の如く眼光がそのまま具現化したような、目にも止まらぬ一閃が先陣の一匹を後続数体ごと串刺しにし、刺し貫く。ショートしたかのように痙攣したのも束の間、シエルは突いたのと同じ速度で抉りながら引き抜き、同時にバックステップで距離を取る。穿たれた回胴男はパーツや輝くメダルを飛び散らせて爆散する。
 回胴男は距離を詰めようと次々に殺到するも、シエルはその度にリーチの外から刺し貫いては距離を取ることで間合いに入らせず、彼女にダメージを与えられたは水の守りを運良く掻い潜ったいくらかの破片のみであった。
 
「おのれ22歳! 俺達より5歳も上の年増女めぇ!」
「それがどうしました? むしろ22歳、最高!」
 まだまだ倒したのはほんの一部。でも他の若い子も頑張ってくれるでしょ、とシエルは余裕綽々であった。

成功 🔵​🔵​🔴​

沢木・助平
おっと、ガジェットに夢中で出遅れるとこだったっすね。
こっからは猟兵の時間!

いやー美しくないビジュアルのガジェットだねー君は。
自分、君みたいの見るとバラバラにして組み立て直したくなるんだわ。
でもそれはあとで気が向いたらやるってことで、とりあえずはぶっ壊れて頂戴な!

【スチームエンジン】を自分の武器、スパイダーベイビーに組み込んで中距離から攻撃。近距離はブチアゲくんでぶん殴る。
本当に機能的で戦闘的なガジェットっつーのがどういうもんか、お披露目してやるっすよ。
余裕があれば頭の777を揃えて大当たり!ジャンジャンバリバリいただきっすよ!

つーか、17歳JKはスロットなんか触っちゃダメっすから!はい論破!



ガッシャンガッシャンと音を立て、『17歳、JKです☆』と連呼し、倒された同族の屍を踏み越えて迫ってくる回胴男達。助平はそのスロットマシンに足を付けただけの短絡的なシルエットに思わず顔を顰め、組み立て直したい欲求に駆られる。
「まあそれは後で気が向いたらやるってことで――」
 助平は【スチームエンジン】が搭載された戦闘用ヨーヨー【スパイダーベイビー】を空転させる。白い煙が回転しながら四方に噴射され、そのギアを加速させていく。その前に轢殺すべしと回胴男は全方位から一斉に突進する。
 
「ところでさアンタら、さっきのもう一回言ってみて?」
 助平がさり気なく致命的な毒を仕込む。
「もう一回などと言わず、何度でも言ってやろう! 我々は『17歳、JKです☆』」
 回胴男達はさも当然のように条件反射で回答する。
「――じゃあスロットなんか触っちゃダメっすから!」
「うっ!?」
 スロットは18歳から。今まで誰も指摘せず、本人達も何故か気付くことのなかった致命的な自己矛盾。回胴男は足を止め、後続の中には止まり切れず前方の仲間に衝突するものも現れた。勿論それを見逃す助平ではない。

「だからぶっ壊れて頂戴な!」
 最大加速で放たれた横薙ぎ一回転の【スパイダーベイビー】が、丸鋸の如く襲い掛かる。出力と回転数の高まりによる最早全方位の刃と化したスチームが棒立ちの回胴男達を一網打尽にし、リールやレバーを撒き散らし爆散させる。機能的で戦闘的なガジェットによる完璧な一撃が炸裂した。
 後に残ったのは回胴男達の死屍累々の残骸の山。全回胴男の3割近くが助平の一撃でバラバラと化した。唯一助平にとって誤算があるとすれば、回胴男のリールはいずれも「1」「7」「JK」であり、「777」が決して揃わないどころか、いくら目押ししようが「17JK」にしかならないという点であった。
「スロットの意味ねぇじゃん!」

大成功 🔵​🔵​🔵​

メルト・プティング
……ハッ!?ライブに夢中になってました、猟兵の本分を忘れちゃうなんてメルトちゃんウッカリ!!
というわけで、ファンの皆さんの声援を受けながら歌って踊れて、さらに戦えちゃうアイドルJKメルトちゃんの活躍を見せちゃいますよっ!

ライブステージからシュタッと敵陣に着地、周囲にめがけてサイキックブラストです!
サイキックによる雷撃で応戦しつつ問いかけましょう、回胴兵の皆さんはなぜ「17歳」に拘るのです?実年齢を偽ってまで!
JKは魂のあり方、カワイイを目指すその姿勢!なればこそ!老若男女関係なく、カワイイを目指すならばJKであっていいはずなんです!
それを理解できないのなら……貴方達は、ボクには勝てませんよ!!



既に回胴男軍団はその半分を喪失している。レバーが吹き飛んだもの、片足がもげたものなど、故障者も多い。論理エラーから「開き直り」で復帰した回胴男達は、なおも戦いを止めない。
「次は歌って踊れて戦えちゃう、アイドルJKメルトちゃんの出番ですっ!」
 回胴男達の前にスカートをはためかせ颯爽と降り立つメルト。そして彼女はこう告げる。

「貴方達はボクには勝てません。何故だか分かりますか?」
 黒光りする双掌を突き出しながら稲妻を走らせ【サイキックブラスト】の構えを取る。知るかとばかりに遺失技術のロケットを噴射し、頭から突っ込む回胴男達。バイザーで隠された瞳で悲しそうに見つめながら稲光を放ち迎撃する。
「実年齢を偽ってまで、どうして『17歳』に拘り続けるんですか!?」
 エンジンが誘爆し木っ端微塵に吹き飛ぶものはこう言った。それが【プレジャー・プリーズ】の力の源だからだ、と。
 制御装置が誤作動を起こし明後日の方向へ飛んでいくものはこう言った。生まれた時からリールが『17JK』だからそうするしか道がなかった、と。
 メルトの体を掠めるも勢い余って地面に激突するものはこう言った。何となく周りに流されて、と。

「JKとは魂の在り方! カワイイを目指す姿勢! 老若男女関係なく、誰もがJKであっていいはずなんです!」
「語るに落ちたり! 老若男女誰もが『JK』であってもいいなら、同時に誰もが『17歳』であってもいいはずだ! ウォォー!!」
 信念を込め真正面から突撃する回胴男に、黒髪を靡かせ高圧電流の刃を放ち、雷そのもので真っ二つに断ち切る。丁度メルトを避けるように通過し、爆散した。

 両者が思いをぶつけ語り合ったことで得た答え。それは互いが決して分かり合えないということであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

イクス・ノーハート
17JKが至高ですってぇ? あー、すいませんねぇ。あまり女性って得意ではなーいんですよぉん。 私の中に容れた事もありましたがねぇ。(本体が棺桶)遺体容れたって楽しくなぁいですよぉ。

取り敢えず最速で「錬成カミヤドリ」使わせて貰いますねぇ。錬成したギムレー(棺桶)を使って敵にぶつけて行きましょうか、衝撃波を発生させて、思考をショートさせるか、バランスを崩したなら血刃で脚を薙ぎましょうかねぇ。
解体に詳しい私なら、関節等の急所はすぐに分かるでしょう。

倒れたなら、真上から棺桶を強襲させ破壊しましょう。

地面に棺桶で衝撃波で足止め出来るなら、周りの猟兵の手助けになるので、やっときましょう。



激しい戦いの中で総数を三分の一まで減らし、その殆どが何らかの痂疲を受けるに至った回胴男。己の信念を再確認した彼らは戦力を結集し一矢報いようと攻勢に出る。
「17歳JKが至高ですってぇ? 私、あまりそういうのって得意ではなーいんですよぉん」
 赤い瞳と白い髪を目深に被ったフードで隠した棺桶のヤドリガミ、イクス・ノーハート(無望の大禍・f06772)は、彼らの刺々しい思いを受け流すように飄々と振る舞う。
 
「女性なんて容れても楽しくなぁいですからねぇ。ましてや、そう名乗ってるだけのおっさんならなおさらぁ」
 色々と理解出来ないという思いを言葉を紡ぎながら、【錬成カミヤドリ】でイクスの本体である棺桶【ギムレー】の複製を作り出し、回胴男達の真上に飛ばす。同時に緋色の鋼糸【血刃】を敵の足元に絡ませ、上下から挟み撃ちにする構えだ。それに対し回胴男達もリールを高速回転させ、そこに刻まれた文字をガトリング砲の如く次々に放つ。
 
 回胴男は足元を絡め取られて転ばされ、天を仰いだ状態で墓石の如く降り注ぐ棺桶によりグシャグシャに潰される。戦場はカタコンベじみた異様な風景を見せる。だが回胴男達もさるもの、目の前や横で倒されていく仲間を尻目に猛烈な弾幕を止めることはない。
 上下対正面。いずれも相手の攻撃を相殺する気のない、ノーガードの殴り合い。だがそうなれば、手数と物量で勝る回胴男達の方が優位。放たれる図柄の嵐はイクスの体を確実に傷つけていく。

「17歳JKは『至高』ではない! 何故なら……我々は17歳JK『そのもの』だからだぁー!!」
 回胴男達の主張と絶え間ない攻撃にうへぇーとなりながらも、イクスは一体ずつ彼らを圧壊させていく。だから苦手なんだよねぇ、こういう手合いは。と愚痴りながら。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

シエル・マリアージュ
シエルは先ほどの様子から一転、静かだった。
(飽きた)
数が多い敵に飽き、それに追い打ちをかけたのが観客から聞いたコインはお金じゃないという話。
気分転換に、武器を槍からあまり使わない刀身に美しいルーンが施されたルーンソードに変える。
飽きても手抜きなし、早く終わらせるため戦闘本能全開。
フェイント攻撃でスロットマシン怪人を翻弄しながら戦場を駆け、ときおり観客の応援に微笑む。
(お菓子美味しそう)
敵の中心まで来たら鈴蘭の嵐を発動、花舞う中で物憂げに。
「もう、終わりにしましょう」
シエルは心からの願いを告げる。
黙っていれば絵になるシエル22歳、天に見初められた乙女と十数年崇められていた安心の実績があります。



キマイラフューチャーの一角に、戦場跡の如く死屍累々の光景が広がる。残る回胴男達未だに闘志を捨ててはいなかったが、既に大勢は決したようにも思える。
「飽きましたね」
 先ほどまでのテンションはどこへやら。初めは煌めいて見えた飛び散る敵の残滓も、こうまで堆積し始めるとただのゴミの山にしか見えない。そろそろうんざりし始めたシエルは、美しい魔術文様の刻まれた【ルーンソード】を携える。そしていい加減戦いに決着を付けるため、油断なき白き風となり敵陣へと駆け出す。
 
 ロケット頭突きを叩き込もうとする回胴男を最小限の動きで避けて、すれ違いざまに斬撃を繰り出し一体。フェイントで突進を中断させ、足の止まった回胴男を二の太刀で両断して二体。と、相手を斬り伏せていく。しかしその数を大きく減らしたとは言え、未だ数では怪人達が優位。直撃は免れつつも回胴男の攻撃を何度も掠め、徐々に追い詰められていくシエル。気が付けば囲まれ、逃げ場を失っていた。
「もう逃げられんぞ、22歳!」
 回胴男達が自慢げに豪語する。だがついさっきも同様に相手を包囲し、結果一網打尽にされたことを思い出す。それに気付いた時には時既に遅し。

「逃げられないのはアナタ達よ。――もう、終わりにしましょう」
 まんまとシエルの術中に嵌り、後ずさりする回胴男達。それを尻目に、彼女の掲げた剣が先端から白い花びらに変わり、物憂げな笑みの中【鈴蘭の嵐】の暴風が巻き起こる。背を向けて逃げる回胴男達を容赦なく空に巻き上げ、ミキサーのように切り刻み、そして落下の衝撃で粉々に砕く。嵐が止んだ後の凪に佇むその姿は、天に見初められた乙女であると同時に、白い翼を持った死神でもあった。
 
 嵐から逃れ、辛うじて生き残った回胴男はもはや数える程度。回胴男との戦いは終わりを迎えようとしていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

メルト・プティング
ボク達はわかりあえないのですか……同じ「JK」の二文字の元に集ったというのに、ボク達の道は……どこからこんなにも平行線になってしまったのですか……!
(実際はそんな事実はないですが)共にJK道をかつては進んだ者同士、せめてボクが!引導を渡します!

バウンドボディを使用し体に弾力性を持たせ、空高く舞い上がり回胴男に飛び蹴りをし、その反動でまた飛び跳ね次の回胴男に飛び蹴りを……と連続攻撃です!

貴方達が目指したものは間違いじゃなかった……それでも、その為の道筋が間違っていた。ボクは……全力でその過ちを正してみせます!物理的に!



「同じ『JK』の二文字に集い。共にJK道を歩むことを目指したのに。方向性の違いのせいで分かり合えないなんて」
 一部事実と異なる想いを抱きながらも、残り数体となった回胴男を見据えるメルト。回胴男達も己のJK理念に殉ずるため、最後の戦いに望む。だが両者に決定的な差がある。
 例え相手が敵であろうと、最後まで分かり合おうとしたメルト。相手が敵であるが故に、最初から分かり合おうともしなかった怪人。
 
「貴方達が目指したものは間違いじゃなかった。でも、やり方は間違ってる! だから、私が過ちを正します!」
 メルトは【バウンドボディ】の反動で地面を蹴り、月面宙返りからの飛び蹴りを試みる。回胴男達は空中の彼女を迎撃せんと、回避を放棄して対空射撃の如く絵柄を連射する。
「……物理的に!」
 絵柄の隙間を掻い潜ったメルトの蹴りが一体目に突き刺さる。その瞬間に弾力性を引き上げ、衝撃をダイレクトに伝えると同時に反動で再び飛び上がる。踏み台にされた回胴男は潰れたドラム缶のようにひしゃげ、機能を停止する。同様に二体目、三体目と絵柄攻撃を掠めながらも連続で踏み台にし、天からの黒い死が一体ずつ彼らに引導を渡していく。
 そして最後の一人。限界を超えた回転でリールを爆ぜさせながら絵柄を連射するも、ついにメルトの体を穿つことは叶わず、最後の飛び蹴りが突き刺さる。メルトはバイザーの下に涙を潤ませるも、決してそれを誰かに見せることも、流すことはなかった。

「17歳JK……万歳……」
 断末魔を残し【スロットマシン怪人】は全滅した。そして彼らの生きた証である砕けた残骸も、最後の一体が倒されると同時にすべて黒い煙と化し、やがて見えなくなった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『機関車怪人』

POW   :    トレイン・フリーク
【時刻表】【鉄道模型】【鉄道写真】で自身を強化する。攻撃力、防御力、状態異常力のどれを重視するか選べる。
SPD   :    出発進行!
自身の身長の2倍の【蒸気機関車】を召喚し騎乗する。互いの戦闘力を強化し、生命力を共有する。
WIZ   :    アクシデントクラッシュ
対象の攻撃を軽減する【高速走行モード】に変身しつつ、【煙を噴き上げながらの体当たり】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑17
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「まさか我らが精鋭が、『17歳JK』が、全滅だと!?」
 配下達の文字通りの全滅に、機関車男こと怪人級オブリビオン【機関車怪人】は動揺を隠せない。体から噴き出す蒸気が冷やされ、体に水滴としてポタポタと垂れる。 ここは一旦退き、状況が落ち着いてから再起を図るべきか? だが、回胴男達のもう二度と聞けない、正直言うとちょっと気持ち悪かった甲高い声が脳裏に蘇る。
 
――17歳、JKです☆

 すまぬ。私を許してくれ。猟兵相手に怖気づき、共に戦ってやれなかったことを。一瞬でも奴らに背を向けようと考えたことを。
 ならば話は簡単だ。戦うまで。もし負けたのならば、お前達と共にまた骸の海で逢い、そこで詫びよう。しかし今の私にそのつもりは毛頭ない。勝つのだ。勝って『17歳JK』の命脈を保ち続けるのだ。我らの流行を骸の海に捨て去るべき残滓と呼ぶか。ならば貴様らの流行こそ、今度は私直々に骸の海へと叩き込んでやる!
 
「さあこい、猟兵! 決着を付けよう。だが勝つのは私だ。何故なら私は……」
 息を吸い込み、低いおっさん声で、されど声色はキャピキャピな女子を意識して。
「『17歳、JKです☆』」
 名乗りと共に体中から蒸気を迸らせ、機関車男が猟兵目掛けて突進する!
シエル・マリアージュ
正直、それまだ続けるの?とか思いながら
「22さい、しえる、いっきま~す」
機関車怪人に付き合ってあげる優しいシエルさん。
言葉はだらけていても、戦いには本気です。
トリニティ・エンハンスで防御力を高め、一番手に馴染んだ断罪のサンクトゥスを構えて機関車怪人を迎え撃つ。
防御堅そうだから【フェイント】かけながら機会をうかがって【鎧無視攻撃】で防御が手薄なとこを狙って、タフそうだから【生命力吸収】で相手の体力を頂いてこちらも体力回復しつつ戦おう。
「やるな、怪人! だが勝つのは私だよ、何故なら私は……」
「きゅ、きゅ~ん☆」
シエルの台詞よりも早く、その肩でいななく小竜。キルシュ、お前……やってみたかったのね。



「しえるさん22さい、がんばりま~す」
 だらけた言葉を放ちながらも、黒剣【断罪のサンクトゥス】を二本の短剣に変え【トリニティ・エンハンス】の水の魔力を纏わせ抜かりなく戦闘準備を整えるシエル。
「あとさ……それ、まだ続けるの?」
 かつてなく激しく煙を放ち『17歳JK』の勝利を誓う機関車男に、シエルはなんか疲弊感を感じていた。肉体的というよりは、精神的な意味で。でも付き合ってあげる、だってシエルさん優しいもん。

「続けるも何も、私は今までもこれからも、ずっと『17歳JK』なのだ!」
 機関車男も【トレインフリーク】で膨大な数の時刻表を纏わせ能力を強化する。彼が体に纏う数字の内、現時刻を示す四桁が『お前は定刻通りに死ぬのだと』と言わんばかりに赤く光る。
 そしてまず攻め込んだのは機関車男だ。守りを固めたシエルは双剣を交差させ正面から受けて立つ構え、そして攻撃力を強化した機関車男は心臓を抉る貫手を構える。
 攻撃と防御、両者が交錯する。勝ったのは機関車男。鋭い地獄突きがシエルを仰向けに叩き伏せる――だが彼は同時に違和感を覚える。手ごたえが軽すぎる。

「しまっ――」
 気付いた時にはもう遅い。攻撃を受けあえて倒れ込むことで衝撃を殺し、そのまま股下をスライディングで抜ける。同時に黒剣の一撃が、装甲の薄い関節部を時刻表ごと切り裂いていた。機関車男は傷口から生命力が抜けていくのを感じる。
「やるな怪人! だが今回は私の勝ちだ。何故なら私は――」
「きゅ、きゅ~ん☆」
 お前も名乗り、やってみたかったのね。小竜キルシュのいななきに思わず苦笑するシエル。
 最小限のダメージから、まずは一撃を勝ち取った猟兵達。しかし敵は回胴男よりもさらに強い猛者だ。勝敗の行方は全く分からない。

成功 🔵​🔵​🔴​

中村・裕美
「…JK……J(蒸気)…K(機関車)……なるほど。」
エレクトロレギオンを召喚し、散開させてチクチクとシエルが傷つけた箇所を攻撃して【傷口をえぐる】
「……80体のレギオン…きっと……倒しきれない」
まとめて倒されないように散らばって攻撃しながら【時間稼ぎ】を行い、機関車男の寿命を削る。怪人としての寿命なのか17歳としての寿命なのかはわからないところではあるが。
「……人と話すのは…苦手。……あとは…任せる」
レギオンが全滅する頃には安全地帯に退避しとこう



「JK……蒸気……機関車……なるほど」
 結局のところ『JK』とは何の略なのか。誰も彼もが自分が思うそれを、相手もまた共有しているという前提で進められている戦い。ぼそぼそと独り合点している中村・裕美(多重人格者の電脳魔術士・f01705)もまた、その一人であった。

「レギオン……あとは……任せる」
 自身の周囲に無数の【エレクトロレギオン】を召喚する。その姿はあるいは女王を守る親衛隊の如く姿だ。
「ふん、そんな玩具で私を止めようなど、安く見られたものだ。一網打尽にしてくれる!」
 17歳蒸気機関車(?)もまた【アクシデントクラッシュ】で、裕美ごとレギオンを蹴散らす構えを取る。

 レギオンの群れが、高速走行モードに変形した機関車男が、互いに激突せんと正面から突っ込む。だがレギオンは直前で散開し、機関車男が轢き潰せたのは80体のうち僅か。突進を躱した数多の戦闘機械は、機関車男が先ほどダメージを受けた関節部に殺到し、集中攻撃を仕掛ける。そして攻撃を寸前で回避した裕美は、自身とレギオンを反対方向に分割する。

 手応えを得られなかった機関車男は、別々の方向に位置する裕美とレギオンを交互に見やる。どちらから叩くべきか。思考を走らせ、下した結論――まずはあの機械の群れだ、と。
 次こそ轢殺せんと、己の寿命を蒸気に変えて噴射、突進をする。だが小回りと数で優れる機械の群れを、彼の正面突撃で全滅させるのは困難。突進しては数体しか倒せず、残りが傷口を抉るように反撃する。

「ぐはぁ!?」
 繰り返し与えられる執拗な一撃が、ついに機関車男の片腕を破壊する。オブリビオン【機関車怪人】の寿命、そして彼の存在によって命脈を保たれている『17歳JK』という言葉の寿命が、同時に削り取られた。

成功 🔵​🔵​🔴​

沢木・助平
いよいよ出たっすね、親玉。
ん?君は…なかなかいい形をしてるね!その頭カッコイイじゃん!
うわーどうなってんの仕組み?バラしていい?バラしたいな~?

っとと、いかんいかん。お仕事お仕事。
さっきの不細工スロットよりよっぽど骨がありそうっすからここは接近戦。
行くぜイケガジェ怪人!自慢のガジェット、ブチアゲくんでベコベコにしてやんよ!カッコイイだろ!?

早業でスチームエンジンをガジェットに取り付けて先制攻撃!
じゃんけんグー!グーで勝ったらもう一回!と2回攻撃をお見舞いっす!
相手の攻撃はブチアゲくんで受け、カウンターでも一発!

うんうん、動作は良好言う事なし。
だけどめちゃくちゃ疲れんなーこれ!改良が必要だわ!



機関車男は片腕を失った。だが17歳JKに賭ける闘志は未だ失われていない。いや、彼を倒してもまたその闘志そのものを折ることは出来ないだろう。それが【機関車怪人】というものだからだ。
「いよいよ出たっすね、親玉。にしても……なかなかイケガジェじゃん、特にその頭!」
 助平は機関車と人間を見事に組み合わせた造形美に評価を与える。当の本人は複雑な表情をする。そっちより『17歳JK』に賭ける信念を評価して欲しかったなあ、と。

 いずれにせよ、それがお互い相手に加減する要素とはなり得ない。助平の両手両足に身に着けた強化外骨格【ブチアゲくん】からスチームが走る。機関車男は次こそ人身事故を引き起こさんがために体中から命の煙を迸らせる。
 蒸気対蒸気。互いに選んだ行動は、正面きっての直接勝負。

 機関車男はすべての蒸気を背中に向けて、全速で突撃する。助平はそれを待ち受け両手で機関車男を掴み、両足と最大出力の蒸気で食いしばる。ここで押し倒されれば、助平は致命傷を負うことになるだろう。一旦かち合いを放棄し、仕切り直しを図るか。だがそうはしなかった。
 例えユーベルコードが相性で不利だとしても。相手に譲れぬ信念があったとしても。自分の自慢のガジェットは、絶対に――負けないからだ!!

 地面を抉り取りながら助平を押し込み続けた機関車男の動きが、止まった。絶好の好機。助平はそれを逃さない。
「じゃんけん……グー!」
 機関車男の顔面をブチアゲくんで真正面から殴りつける。予想外の事態に全く反応出来ず、攻撃を喰らうままの機関車男。
「あっちむいてホイ!」
 すかさず頬にフックを打ち付け、右を指す。そして衝撃で右を向いた機関車怪人に、トドメとばかりに片手スレッジハンマーで叩き込む。機関車を模い、助平がカッコイイと称した頭部は一連の連撃でグシャグシャに潰される。カッコイイからこそ、仕組みを知るためバラしたくなるのだ。

 予想外の痛打に、思わず膝を突く機関車男。助平の完全な勝利だ。
「うんうん、動作は良好、言う事なし……だけどめちゃくちゃ疲れんなーこれ! 要改良だわ」

大成功 🔵​🔵​🔵​

ミケ・ナーハ
怪人が、17歳の女子を意識した男性なのは間違いないようですし
少し動揺させたりはできるかもです♪

「そんなに17歳が良いんですか?」
「『18禁』っていう言葉もありますよ♪」
隠密用のマントを色っぽく脱ぎ捨て
ビキニのトップス&ショートパンツ姿になります♪

「これ以上は18歳以上でないと見せられませんけど♪」
17歳と言っても通用しそうな可愛らしい童顔とは対照的な
はちきれんばかりの豊満な胸をはじめとした
成熟した美しい体を見せつけつつ、動揺を誘います♪

「残念ですね♪」
隙をついて、シーブズ・ギャンビットで攻撃します♪
マントを脱いだおかげで身軽になった状態で
関節など弱そうな部分を、ダガーで素早く刺して破壊します♪



既に機関車の原型を留めない頭部を振り、怪人は立ち上がり、だが一瞬バランスを崩す。燃え立つ闘志で誤魔化そうにも、攻撃が思ってた以上の重篤なダメージであることを否応なしに認識させられる。
「そんなに17歳が良いんですか?」
 猫のキマイラ、ミケ・ナーハ(にゃんにゃんシーフ・f08989)は、機関車男が語るJKをうら若き乙女を指す言葉と認識していた。そして彼の動揺を誘おうと、体をくねらせながら目の前でマントを脱ぎ捨て始める。
 愛らしい童顔とは裏腹に、その肢体は肉付きよく成熟している。ビキニのトップスを食い込ませたはちきれんばかりの豊満な胸がぷるりんと弾力し、ショートパンツの上から股刳りのラインが露になる。
「でも、これ以上は、ダ・メ♪ 18歳未満には見せられないよ♪」
 桃色の吐息を吐き、艶めく肌に玉のような汗を垂らす姿に、機関車男は体の各部に搭載された煙突を上方に向け、蒸気を迸らせる。『17歳』だけあってその手の経験は薄かったらしい。

「わ、私は、そんなものには惑わされはせんぞ!」
 召喚した巨大蒸気機関車に搭乗した機関車男は、ウォォォォという咆哮とともにミケを押し倒そうとまっしぐら。はい、完全に惑わされてます。
 見事単調な直進攻撃を誘し、また服を脱ぐことで最大の機動力を発揮出来る状態になったミケは、一足飛びに列車を蹴り、続く跳躍ですれ違いざまにダガーで怪人を一閃する。【シーブズ・ギャンビット】の一撃を諸に受けた機関車男は、たまらず列車から転げ落ちる。

「おのれ、私のしたことが……!」
 もう片方の腕をダランと垂らしながら、ミケの色香に惑わされたこと、そして脆弱な関節部を狙うという攻撃手段を二度までも受けたことに機関車男は後悔を覚えたのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

メルト・プティング
回胴男さん達を全滅させ、いよいよ敵の親玉と正面対決ですね!
貴方が「17歳、JKです☆」を流行らせた張本人ですか?
ボクの憧れのJKを群衆洗脳の道具に使い、部下達にまであんな間違ったJK感を植え付けるなんて……JKを目指す一猟兵として、ぜっっったいに許せません!

まずは華麗なステップで間合いを詰めて【目潰し】を仕掛けます!
具体的には敵の顔の眼の前で両手をパチンと叩き、それと同時に手のひらにサイキックで電撃の強烈な光を放つ……すなわちサイキック猫騙し!

うまく怯ませたら、その隙にボクの必殺技です!
その名も【エレクトリカルパレード】、JKが(たぶん)大好きなファンシー・キャラクター達による総攻撃ですよ!



「あなたが……【機関車怪人】さんですね?」
 両手を組み、髪とスカートを靡かせ、機関車男の前に毅然と立ちはだかるメルト。そのバイザーの下の瞳は、怒りに燃えている。
「その名で呼ばれることも久しくなかったな。何故なら、私は、『17歳、J――」

「……JKは、あなたの道具じゃない!」
「なっ……!?」
 メルトの一喝に、機関車男は言葉を詰まらせる。
「な、何を根拠にそのような事を……」
「JKという言葉だけで人々を洗脳し、部下にまで間違ったJK感を植え付けたからです! あなたは言葉そのものに酔って、それが何を意味するかすら考えてこなかった!」
 すかさず畳みかけるメルト。片手を力なく垂らしながら、その気迫にたじろぎ後ずさりする機関車男。
「ボクは……『JK』を目指す一猟兵として……あなたを……」
 彼女は息を吸い、そして偽らざる思いをぶつけた。

「ぜっっったいに、許しません!」
「許さんでも結構ぉぉ! 貴様こそその妄言、骸の海で泣いて詫びろぉぉぉぉ!!」
 開き直り、激昂した機関車男は【アクシデントクラッシュ】の突進を繰り出す。メルトは両掌を横に立てて構え、正面から迎え撃つ。
「死ねぇぇぇぇ!!」
 メルトを人身事故に巻き込もうとした瞬間、眼前で両手を叩くパチンという音とともに、機関車男の視界が閃光に包まれる。サイキック電光による猫騙し攻撃だ。
「うっ!?」
 目が眩んだまま突進する機関車男。手応えがない、避けられたか、ならば速度のままに。大きなRを描いて反転し、直後視界を取り戻した先には。
 数十もの、JKがきっと大好きであろう【ファンシー・キャラクター】が宙に浮いていた。数十ものそれが、軌道を読み流星の如く攻撃を繰り出す。

「うぉぉぉぉぉ!!」
 列車は急に止まれない。特に高速走行となれば、その進路の予想は容易。回避すら出来ぬまま無数の攻撃の的となる電車男は、体中の装甲を急激に損壊させていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

サリー・オーガスティン
JK??奇遇だね。ボクの愛車の名前も"Jake(ジェイク)"って言うんだ。

さてと、人身事故はやっちゃいけないよ
…と、自損事故やった過去のあるボクが、それを言っちゃオシマイかな?
(ブーツを脱いで、サイボーグの脚を見せ、右腕もまくり上げて金属質の腕を見せ)

人馬一体で、力勝負に出よう!
出力から行って明らかに不利、には違いないけど、敵、とはいえ敬意を見せたくなったからね

"Start YOUR Engine!!"

外燃機関の蒸気機関に、ボクとボクの愛車ジェイクの内燃機関が負ける気は、一切しないよ!!
いざ尋常に勝負!
(力対力で、ぶつかる)



「JK? 奇遇だね。ボクの愛車の名前も『Jake(ジェイク)』って言うんだ」
 ツアラータイプの宇宙バイクに跨りながら、サリー・オーガスティン(鉄馬の半身・f02199)は満身創痍の機関車男に相対する。
「でもさっきの攻撃は危なかったね。冗談でも人身事故はやっちゃいけないよ」
 自損事故によってサイボーグと化した自分が言っちゃオシマイかな、と自嘲する。その両足と右腕は失われ、金属製と化している。しかし逆に、瀕死の重傷を負ったものであるからこそ、その言葉には生半可なものではない現実味を帯びているのだろう。だがその言葉は機関車男には届かない。
「ならば次は私みたく全身人工体に変えてやる。私達以外が定義した『JK』ともども粉微塵だ!」
 機関車男の失われた片腕と損壊した装甲が【鉄道模型】によって補われていく。それは頭のみならず四肢をも機関車型に変え、さらなる異形へと変貌する。
「じゃあこっちも……『Start YOUR Engine!!』」
 その姿に敬意を見せ、サリーもまた【人馬一体】によって相棒【ジェイク】と合体し、3メートル強の巨大ロボとなる。
「外燃機関と内燃機関――」
「貴様の『JK』と私の『JK』――」
「「いざ、尋常に勝負!!」」
 一対の機神が真正面から激突する。

「くぅっ……やはり出力では負けるか!」
 両手を組み合い、互いの力を比べ合う。だが機関車男のパワーの前に、少しずつサリーが押され始める。
「無謀と無駄、それが貴様の本質だ! どれだけ痛い目を見ても決して変わりはせぬか……むぅ!?」
 そのまま押し倒し、組み伏せようとする機関車男。だが徐々に違和感を抱く。敵のパワーが上がっている……否、自分のパワーが落ちている!
「これが……ジェイクの、内燃機関の力だぁぁぁぁ!!」
 出力は劣るもエネルギー効率に優れたジェイクの力が、パワーはあるも長期戦に向かぬが故にパワーダウンした機関車男の力を上回り、逆に押し倒す。その衝撃で装甲や鉄道模型が損壊したのみならず、過負荷を受けた機関車男の外燃機関が重篤なダメージを負う。

「ぐはぁっ……お、おのれぇぇぇぇ!!」
 いわば心臓部に過度の負担を受けた状態となり、機関車男はグロッキー状態と化し立つこともままならない。戦いは、終盤戦へと突入する。

成功 🔵​🔵​🔴​

沢木・助平
さーていい感じに温まってきたっすよ、こっちのガジェット魂もさ。
JKJKうるっせぇから、ピッタリの方法を思いついたんでぶつけてやらぁ。

はーい出ておいで可愛いガジェットJKちゃん!
ブチアゲくんごしにパンパンっつって手を打ってから、そこで戦っててくれたメルトちゃんみたいな可愛らしい人型ガジェットを大量召喚!
…いやでも、これどう使うんだろ。うーん、わかんねぇ。
とりあえず機関車頭で17才JKを名乗るそこの矛盾塊に、本当に可愛くてカッコイイガジェットJKを見せ付けて、心も体もズタボロにしてやるっすよ!

ま、それだけで片がつくとは思ってねぇんで、スパイダーベイビーかブチアゲくんでダメ押しの一撃をくれてやらぁ。


メルト・プティング
機関車男さんもずいぶんとボロボロの様子……これはもう少しで倒せそうですね!
一気に畳み掛けましょう!

まずは【念動力】による攻撃で牽制、遠巻きにチマチマ撃ちながら隙を伺います
相手はこれだけ疲弊しているなら、そう長くは持たないはず!
隙を見つけたら即座に【マヒ攻撃】を叩き込み、動きが止まっているところにボクの必殺技パート2でトドメです!
その名も【メガテーザーカノン】!!電脳ゴーグルから放たれる超高圧電流、機械なら電撃はご法度ですもんね?ビリビリビリのドッカンカン、キッツいのいきますよー!!

これが!JKのパワーです!!



「機関車男さんも随分とボロボロの様子……あと少しで倒せそうですね!」
 もはや立っているのが奇跡としか思えないほどの破損具合、パイプのみならず、体中から蒸気が漏れ出し、今にも破裂しそうな状態の電車男を、遠巻きに見守るメルト。
「こっちのガジェット魂もいい感じに温まってきたっすよ、いい加減終わりにしないっすか?」
 助平はなおも戦い続けんとする機関車男に、ガジェッティアとしての称賛以上に、いい加減ウンザリし始めてきた。

「JKJKうるっせぇから、ピッタリの方法思いついたんでぶつけてやらぁ――はーい、出ておいでカワイイガジェットJKちゃん!」
 強行仕様身体強化外骨格【ブチアゲくん】越しに手をパンパン2回叩き、【ガジェットショータイム】を発動する。出てきたガジェットの姿は……
「えっ。ええっ。ええーっ!? ボクぅ!?」
 メルトはその姿に驚愕する。それもそのはず、その姿はメルトの形をしていたからだ。
「そ、アンタ。機関車頭して17歳JK名乗るそこの矛盾塊の心と体を折るにはどうしたらいいかと小一分考えて、本当にカワイイでカッコイイガジェットJKを見せ付けるに至った訳っすよ」 メルトの体形をデフォルメし、原理不明の浮力でふよふよ浮かぶ謎のガジェット。口が笑みのままで全く動かないのが何か怖い。
「……で、ソレ、どうやって使うんですか?」
「わかんねぇ」
 助平もとりあえず作ってみたはいいが、それが戦っている対象に有効なこと以外は不明。メルト型ガジェットはふよふよと浮かび続ける。

「そんなもので……この私を止められるものかぁぁぁぁっ……!!」
 その姿に一瞬気迷いし、だが気を取り直した機関車男が残る全てのエネルギーを注ぎ込み、最期の【アクシデントクラッシュ】を叩き込もうとする。だがもはやその緩慢な動きはお世辞にも【高速走行モード】などと呼べる有様ではなかった。
「ととっ、気を取り直して――」
 それを見据えるメルトも、正面から迎え撃つ。【キラメキ☆オーラ】のサイキックエナジー、その【念動力】が機関車男を抑え、【マヒ攻撃】が完全に動きを止める。
「ボクの必殺技パート2でトドメです! その名も……【目が電撃銃(メザテーザーキャノン)】っ!」
 メルトの電脳ゴーグルの前に放電が走ると、球電が生成され、徐々に巨大化していく。機関車男With巨大蒸気機関車が目前に迫る。だがメルトのチャージは既に完了していた。
「いっけぇぇぇぇーーーーっっっっ!!!!」
 白い光の稲妻柱が、二つの機関車を飲み込み、崩壊させていく。もはや言葉で表現することも不可能な悲鳴を上げ、焼き尽くされていく。
「これが! JKのパワーですっ!!」

 そこに残ったのは、もはや黒焦げになった人影であった。言われなければ、それがかつて機関車男と呼ばれたものの成れの果てであることに誰も気づかないだろう。
「見事だ……お前達こそ……真の……17歳……J……」
「あっ、このボタンっすね。ポチっとな」
 助平がようやく使用法を見つけ、ボタンを押す。メルト型ガジェットが貼り付いた笑顔のままふよふよと飛び、機関車男に近づく。機関車男は今わの際に何かを見つけ、悟り、そしてかつて腕だった器官を伸ばし、それに触れた瞬間。
 
 どかーん。
 
 メルト型ガジェットは轟音とともに大爆発を起こし、今度こそ機関車男は完全に消滅したのであった。

「ボッ、ボクを模ったガジェットを自爆させないでくださーいっ!!」
「いや、まさか爆発するなんて知らなかったっすよ!」
「大体ですねっ、ガジェットショータイムって【変な形のガジェット】て書いてあるじゃないですか! ボクって変な形なんですかーっ!? 許しませんよっ、【目が電撃――」
「ゴーグル付けたブラックタールのJKって実際変なかた――いやいやいや、誤解っす! 誤解っすよ!! ユーベルコードはやめっ、アーッ!!」

 おしまい。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2018年12月25日


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🔒
#キマイラフューチャー


30




種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト