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魔法少女リコ、チョコっと参上!

#アルダワ魔法学園 #猟書家の侵攻 #猟書家 #ドクター・パラケルスス #ミレナリィドール #六彩の魔法少女奇譚 #マイ宿敵

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●リコ・ワンダーソイルとチョコレートファクトリー
 ここはチョコレートファクトリー。アルダワ魔法学園の世界全域にチョコレートと夢を届ける素敵な場所だ。
 今日もえいやえいやと蒸気機械が駆動して、何千、何万というチョコレートを生産している。
 そういえば、このファクトリーは先日、世界スウィートチョコレートアワードなる賞をもらっていた。その記念盾はファクトリーの中央に飾られて、働く者達のモチベーションになっている。
 大きな宝石が中心に輝く記念盾。当然盗難防止のために頑丈なケースに入れられて、触れればたちどころに防犯ベルが鳴るはずだが。

 ――ジリリリリリリリ!!

 鳴った。何が起きたのか。
 直前、バリンと何かが砕けた音がした。ケースが割れたか――いや、その前にも。
 窓が割れた。人が一人通れるくらいの大穴目掛けて少女が飛び込む。
「チョコは、後……まずは、これ」
 手にした杖で記念盾が収められたケースを叩き割ると、捻じ込むように災魔の卵を宝石へ融合させた。何たる早業。防犯ベルが鳴ろうとこれでは対処のしようがない。
 そして宝石から放たれた催眠ガスにより、ファクトリーの職員達は眠りについた。
 防犯ベルは鳴り続ける。その知らせを聞くことができるのは、わずかに残ったミレナリィドールだけだ。

●アルダワ魔法学園・4thラウンド
「チョコレート工場を襲撃するなんて許せませんね!」
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)は息巻いていた。チョコレートは好きな食べ物の一つ。甘くとろける舌触り。猟兵達を他世界に案内する準備で疲れた時にもよく口にする。
「アルダワ魔法学園で宝石に災魔の卵を融合させる事件が続いています。今回狙われたのは、働く皆さんの努力が詰まった『賞の記念盾』にはめ込まれた宝石です。まったく、どこからそんな情報を手に入れたのでしょう、『リコ・ワンダーソイル』は……」
 リコ・ワンダーソイル。それが今回の事件の首謀者。チョコレート工場など宝石に無縁も無縁。今回はイレギュラーみたいなものだが、起こってしまった事件に優劣は無く解決が求められる。
「というわけで皆さんにはチョコレート工場へ向かってもらいます。ただ、催眠ガスで職員の方々はほとんど眠っていらっしゃいますが、工場の生産ラインは自動で動き続けているみたいですね。ですから、現場へは動く生産ラインを避けつつ向かわないといけなさそうです」
 ベルトコンベアあり、クレーンあり、ピストンあり――とまさにファクトリー。生産ラインに触れなければなんてことない気もするが、作られているチョコレートの甘い誘惑。はてさて、猟兵達は如何に攻略するか。
「また、職員のうちミレナリィドールの方だけは催眠ガスの影響を受けず、どこかに隠れているようです。見つけることができれば職員さんだけが知っている通路とかを教えてもらえるかもしれませんが、そのまま行っても皆さんならきっと大丈夫な気がします! では、チョコレート奪還作戦、開始です!」
 食べ物の恨みは恐ろしい。リコはそれを、身を以って知ることになるのだろうか。


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 チョコレートは割とよく食べるほうかと思います。

●フラグメント詳細
 第1章:冒険『チョコは食っても食われるな』
 チョコレート工場を駆け抜けましょう。
 しかし周りにはラインを流れるチョコレートの数々……ちょっとくらいつまみ食いしてもバレないかも?
 無論しなくてもよいです。
 なお生産ラインに近づくと何らかの形で工場システムという名のチョコトラップに巻き込まれます。対処方法があるとよいですね。
(プレイングに沿ったシステムを考えますのでご安心ください。また無いから苦戦、失敗が確定するわけでもないです)

 第2章:ボス戦『リコ・ワンダーソイル』
 チョコレートをつまみ食いしつつ職員に機械化手術を施そうとしている悪い子です。
 おしおきしなきゃ(使命感)
 土の属性を持つ魔法少女になります。

●MSのキャパシティ
 合わせプレイングはお受けできません。申し訳ないです。
 ゆったりペースで進行予定です。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 冒険 『チョコは食っても食われるな』

POW   :    チョコがひたすら美味しい。チョコトラップを味わいながら進む

SPD   :    チョコなんかもうこりごりだ。チョコトラップを無視して進む

WIZ   :    チョコで遊ぶんじゃありません。チョコトラップを避けて進む。

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

テフラ・カルデラ
※アドリブ可

チョコトラップ…これはわたしにとっては特大フラグ建築なのですよ…
しかし!猟兵としては猟書家を倒さなければアルダワが危険に晒されてしまいます!

軽快な身のこなしで次々とトラップを躱していきますが…このままタダで終わるわけもなく…最後のトラップ、チョコ溜まりにハマってしまいます…
まるで底なし沼のように沈んでいって…あわわ…このままじゃ…
咄嗟に【性癖少女『はいいろ・きゃんぱす』】を呼び出して、引き上げるように頼みますが…
流石に無理があったのか…引っ張ったら彼女の方が引き込まれてチョコ溜まりに落ちて一緒に沈んで…
アームによって引き上げられ、二人共チョコオブジェとして飾られてしまう末路に…



●魅惑のチョコレート、フラグを添えて
 転送されたテフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)は巨大ファクトリーを見上げていた。チョコレートが縦横無尽に動き回るかのようにベルトコンベアを流れ、クレーンやリフトで運ばれ、ピストンやアームで詰められていく。
 職員はほとんど眠ってしまっているというのに。いや、眠っているからこその「夢の世界」なのかもしれない。
 しかし、ただひたすらに役目を全うするだけの機械は時として、人に牙を剥く。
「チョコトラップ……これはわたしにとっては特大フラグ建築なのですよ……」
 嵌まりなさい、という天啓が降りたかのようだったが、そんなものを回収している暇はない。一つの事件とは言え、アルダワ魔法学園の一大事なのだ。
「しかし! 猟兵としては猟書家、そしてその怨念をも倒さなければアルダワが危険に晒されてしまいます!」
 いざ、チョコレートファクトリーへ。テフラは勢いよく駆け出した。


 チョコレートの動線は非常に複雑で、それを後押しする機械群はさらに入り組んでいた。全てを回避するにはうねうねぐるぐると巡り巡って行かねばならず、それは待てないとテフラは機械の間を跳んでいく。
 伊達にウサミミを持ってはいない。身のこなしは軽快で、動くベルトコンベアを川渡りのように端から端へ飛び越えると、掴まえに来た運搬用クレーンアームを逆に掴んで飛び乗って、空の旅を楽しみながらまた別の機械へ降り立った。
「わっ……とと」
 回転する巨大ドラム。動き出したそれをルームランナーのようにステップして、次の足場へのタイミングを計る。
 大きなボウルがコンベアに乗って流れてきた。一人乗りのコーヒーカップみたいなそれにぴょいっと飛び乗ると、また揺られて気ままな旅路だ。
 先でざらざらと音がする。香ばしい匂い、アーモンドフレークだ。これからチョコレートに混ぜ込まれるのだろうか。
 そのまま浴びてはいけないとテフラは飛び降り先を目指す。トラップ乗り越え少々疲れが出てきたか。甘いチョコレートで気力回復――いやいや、任務のほうが優先だ。
 しかしファクトリーはテフラの頑張りを嘲笑うかのように、デンとどでかい金属壁で進路を塞ぐ。迂回路は無いか周囲を見たが、左右に続く細い通路は金属壁を逸れて逆戻りのようだ。
「ここから先へは……あ、あるじゃないですか」
 後戻りするならせめて来た道を戻って別の手段を、と少し引き返してみたら、横を流れるベルトコンベアは傾斜して金属壁の向こう側に続いているではないか。
 渡りに船とはこのことだ。テフラは飛び乗り先を目指す。少しきつめの傾斜だった。うつ伏せになってベルトに手を掛け転がり落ちるのを防ぐ。
 もう少しで頂上だ。先に広がる世界を待っていたが、不意に手がベルトから離れた。
 ベルトはくるりとUターンして巻き戻る。振り切られてしまった。だが先に進めば――と思ったテフラの目の前に現れた世界は一面褐色だった。
 波打つはチョコレート。どろっと溶けたチョコレートの海へようこそ、テフラは真っ逆さまだ。
「わあぁ!!」
 どっぷん、と落ちて歪なクラウンができた。反転した天地を戻そうともがきながらチョコレート上に顔を出したが、足は粘度のあるチョコレートの中で漂うばかり。
 テフラを阻む金属壁を形成するくらいだ。チョコレートの海は深く、底なし沼のようだった。
 動きにくい。浮力もない。そしてそれなりに熱い。一度は上げた顔もずぶぶと沈み始める。このままではチョコレート溜まりに骨を埋めることになる。
「は……はいいろきゃんぱすさん!!」
 普段は陽気に呼び出すそれも、今は生死が掛かっていると言っていい。咄嗟の叫び。それでも応じてくれたのは有難かった。壁の上に『はいいろ・きゃんぱす』なる少女が現れた。
「あらあら、お肌の保湿にチョコレートパックですかぁ?」
「そんな余裕ないです! た、たすけ……引きあげ、て……」
 テフラは右手をずぼっとチョコレートの上に出して伸ばした。ぶくっとチョコレートが泡立つ。チョコレートを押した反動で口が沈んでいた。
「しょうがないですねぇ……♪」
 耳に届いた声がちょっと楽しそうに跳ねていたのは――聞き間違いと思うことにした。少女は巨大な手を出してテフラの渾身の右手を掴むと、力を込めて引っ張り上げようとした。
「……あら?」
 引っ張ったが、テフラの体は鉛のように重かった。纏わりついたチョコレートがテフラを離さない。逆に傾いた少女はテフラの映像を再生するかのように落ちていた。
 2名様、黄泉の世界へご招待。ぽこぽこ立つ泡がだんだんと少なくなっていって――。


 三途の川で追い返された。仕事のために回ってきたアームがチョコレートの中にずぶりと突っ込まれ、沈みゆく二人を掴んで引っ張り上げる。
 冷えて固まると、空気穴だけ開いたチョコレートオブジェができていた。二人は別のコンベアに乗せられ、金属壁の反対側をゆるゆると移動する。
 そしてスプレーコーティングのための小部屋の入口につっかえて、不良品と見なされ弾き出されていた。
 そんなこんなで特大フラグはきっちり回収したテフラ。それでも十分進むことができたので目的は達したと言えよう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エドゥアルト・ルーデル
女の子はチョコ好きでござるからなぁ…ここで頑張ったら今年のバレンタインでモテモテでござるかね!?!?!?

さてどう進もうかと思案し始めたら急に人影が
誰だ貴様は…【知らない人】だこれ!ウワーッ誰コイツ!誰!誰なの!怖いよぉ!!
多分職員ではないと思うでござる

まあいいや!この知らない人を適当に丸め込んで先を進んで貰いますぞ!罠が有っても知らない人が引っかかるので拙者は避けて通れる!問題なし!
あっちの方が出口らしいっすヨ

知らない人に迫る何かしらの機械!避けた先にまた別な謎の機械!危なーい!(何もしない)
知らない人がなんやかんやあってチョコの川を流されていく…
貴様の勇姿は5分ぐらい忘れないでござるよ…



●オレ、参上!
 甘い香り漂うファクトリーに迷彩の男、エドゥアルト・ルーデル(黒ヒゲ・f10354)が現れた。入るなり鼻からすぅぅぅぅ~~~っと空気を吸い上げ、ぶはぁと口から贅沢に吐き出す。
「んんー、すぅうぃぃ~とでござるよー。この空気、缶詰にしたら売れたりしないでござるかー?」
 ちらっと探してみたが、製造ラインを流れる缶に詰め込まれているのはチョコばかり。当然と言えば当然なのだが。
「やっぱり花より団子、空気よりチョコでござるか……女の子はチョコ好きでござるからなぁ……む、もしや、ここで頑張ったら今年のバレンタインでモテモテでござるかね!?!?!?」
 オブリビオンを倒す=チョコを守った救世主=女の子にモテモテ! な方程式がエドゥアルトの頭脳にピピピッと現れた。エドゥアルトの活躍がどこまで知れ渡るかは不明だが、頑張り如何ではそんなこともあるかもしれないし、ないかもしれない。
 だが、信じる者は救われる、とも言う。エドゥアルトにやる気の炎がめらと燃え始めた。
「さて、どうやって進むでござるか……」
 蓄えたあごひげをさすりながら思案する。最初の選択でその後の苦楽ががらりと変わってしまうこともあるかもしれない。今、目の前にある光景がわずかながらの情報になるが――。
 ぬっ、と視界の端に影が現れた。
「よっ」
「誰だ貴様は……」
「オレオレ、オレだよ」
「え、誰!? 知らない人だこれ! ウワーッ誰コイツ! 誰! 誰なの! 怖いよぉ!!」
 しゅばっと凄まじい瞬発力で近くの柱の陰に逃げ込んだエドゥアルト。あたかも知り合いのように振舞うその人物は種族的な意味合いでの人間の風貌で、明らかにファクトリーの職員ではない。
 顔だけ覗かせて謎の人物の様子を伺いながらも歯をカチカチ鳴らすエドゥアルトに、謎の人物はニカッと笑う。犬歯の奥に金歯がキラリと光っていた。
「ほんとに誰でござるかー?」
「だから、オレだって」
「それでは埒が明かないでござるよ……まあ、この際誰でもよいでござるか」
 幸い、謎の人物はエドゥアルトに友好的だ。背後から首を掻かれないだけまだ安心できる。
(どうせなら、このまま丸め込んで吾輩の役に立ってもらいますぞー)
 立ってるものは知らない人でも使え。どこぞの世界に伝わっていないかもしれない諺だ。ならば黙って通り過ぎられる前に使うべし。エドゥアルトは柱から出ると、打って変わって好意的な振る舞いを見せる。
「いやー拙者としたことがうっかりしていたでござるよー、その金歯、あーあーそうでござるー」
「おう、やっと気づいてくれたか、カッコいいだろ?」
 わざわざ口の端を指で引き伸ばし金歯を強調する謎の人物。エドゥアルトはさっと視線を斜めに逸らす。
「積もる話もあるでござるなー、よければ拙者と飲みにでも……あ、あっちの方が出口らしいっすヨ」
 抑揚のない口調で一通り喋り切って、エドゥアルトは目の前の通路を指差した。丁度目についていたのがそこだった。先は知らぬ。
「おう、じゃあ行くか」
 謎の人物は乗り気のようで、エドゥアルトが指差した方向へツカツカと歩いていく。その足首辺りにピッと赤い点がついた。
(あっ)
 エドゥアルトは何かを予感した。その点は、俗に言う赤外線センサーの類ではないか――。
 近くに停留していたリフトが動き出していた。すいーっとエドゥアルトの横を通り過ぎていく。見れば、リフトの動線となるものが床に埋め込まれており、それはまさに謎の人物が歩く通路に続いていた。
「――どわっ!」
 無防備なふくらはぎに追突された謎の人物は膝が折れて尻からリフトの上に落ちた。見事な膝カックンだった。
「あー危ないでござるー、その先はー」
 エドゥアルトは他のリフトが動き出していないのを確認してセンサーを跳び越え、謎の人物を運ぶリフトを追いかけていく。その先は、と注意を促しながら、今まさにその先に何があるのかを見に行くところだ。
 リフトはコンベアに横付けすると、台座をスライドさせて謎の人物をコンベアに乗せた。カラカラと回るローラーが謎の人物を揺らしながら運んでいる。
 コンベアの先には横から細いノズルが伸びていた。台座がコンベアに乗るとぶしゅっと蒸気を試し打ちした。
「なんだこりゃ――」
「危なーい!」
 エドゥアルトは叫んでいた。だからと言って駆けつけるわけでも機械を止めるわけでもなく、観客のように叫んでいた。
 本番打ちの蒸気がぶしゅーーっと発射される。
「あっつ!」
 試し打ちの時の五割増しの蒸気は真横の通路すら一瞬閉ざすほどの勢いだった。余波が足に当たった謎の人物は思わず飛び上がり、上部にあったクレーンアームに掴まり懸垂の要領で足を蒸気から逃がす。
「危なかったでござるよー」
 それはもちろんエドゥアルト自身に向けられた言葉だった。考えなしに進んでいれば、噴射された蒸気に巻き込まれていただろう。
 蒸気の噴射が終わった頃合いを見計らってエドゥアルトは通路を抜ける。その隣では謎の人物が掴まったクレーンアームが動き出していた。謎の人物をぶら下げたまま、機械の上を水平に移動していく。
「おい……おいおいおいおーい!?」
 謎の人物は左右に首を振って慌てつつ、助けを求めるようにエドゥアルトへ視線を投げた。そんな時でも金歯が輝いて少々ウザい。
 やがて二人は透明なシールドに遮られた。少し解像度の低くなった謎の人物がゆっくりとすり鉢状の投入口に運ばれていく。
(あーあれは……ジ・エンドでござるなー)
 アームが開くと傾斜が付く。傾斜が付くと手が滑る。
「ああぁぁぁ!!」
 無念。必死に耐えていた謎の人物も重力には逆らえなかった。下に続く太いパイプへホールインワンすると、上半分が透明なドームになったパイプの中を溶けたチョコと共に流れていく。
「貴様のおかげでこっちの通路を発見することができたでござるし、5分くらいは忘れないでござるよー……」
 特に感情もなく機械のように手を振り終えると、エドゥアルトは工程管理者用に作られた専用通路を安全に抜けていくのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ティファーナ・テイル
アドリブ歓迎

「チョコ工場!(周りに目を奪われつつ)安全と平和を見回るぞ!」と笑顔!
『ガディスプリンセス・レディース』で従属神群を召喚して『スカイステッパー』で縦横無尽に動き回りながら手分けして工場内を気を付けて誰かを見付けたら駆け付けて敵で無ければ助けて敵ならば拳を向けます!
『ジェットストリーム・ラヴハート』でSPDを強化して『神代世界の天空神』で空間飛翔を駆使しながら『ガディスプリンセス・グラップルストライカー』で拳/蛇尾脚/髪の毛での攻防をします。
『ゴッド・クリエイション』で身体清浄機械神を創造して付いたチョコを落ち着いた場所で落としながら体を綺麗にします。

「美味しくても邪魔は邪魔!」



●ファクトリーの保安はお任せを
 普段よく目にするものでも、それがどうやって作られているかまでは知らないことが多い。チョコレートもその一つ。店頭に並ぶ数々のチョコレートはどうやって作られているのか――。
「チョコ工場!」
 それをつぶさに観察できる機会と言えた。ティファーナ・テイル(ケトゥアルコワトゥル神のスカイダンサー・f24123)は溢れんばかりのチョコレートにあちらこちらと目移りしている。
「こんな所にも敵が出たのよね……ようし、ボクが安全と平和を見回るぞ!」
 気合十分。ティファーナは笑顔で走り出した。

「レディースの能力(チカラ)を今こそ見せる刻だよ!」
 ちょこん、と手のひらに乗りそうな従属神群がお目見えだ。ふよふよ浮いてティファーナの前に並ぶ。
「先に進めそうな道を探すこと! あと、敵を見つけたら迎撃! それ以外なら案内して!」
 一大捜索隊の従属神群はティファーナの指示を聞くと一斉に散っていった。そしてティファーナ自身も宙に飛び立っていく。
 まるで階段があるかのように、ティファーナは空中をジャンプして進んでいた。ガチャガチャ、ゴトゴトと周りではチョコレートの製造機械が動いているが、空中は機械の密度があまり高くない。
「……あっ!」
 地上を見下ろしていると、チョコレートが運ばれるレーンの陰に人の手が見えた。一つ空中を蹴って方向を変え、手の主の傍へと着地した。
「大丈夫!?」
 手の主は大の字で倒れており、体の半分ほどはレーンの下に滑り込んでいた。ティファーナは声を掛けるが反応が無い。
 催眠ガスを吸って眠ってしまった職員だった。催眠ガスがもたらす睡魔に抵抗したが、敢え無く昏倒、といったところか。
 このままだと目覚めた時に、体をレーンにぶつけてしまうかもしれない。ティファーナは飛び出していた手を掴むと、体重を後ろに預けて力いっぱい引っ張っていく。
「んー、んー!」
 相手は大の大人だ。7歳のティファーナが引っ張るのは容易ではない。ティファーナの動きに気づいて集まってきた従属神群も職員の腕に掴みかかって、ぎゅうぎゅう引っ張っていく。
 ずるり、ずるり。従属神群の助けもあって引っ張りやすくなった。足が見えてきたらもうすぐだ。ティファーナは力いっぱい引き抜いた。
「んー!」
 作業靴がカコンとレーンの据え付け部分に当たる。それが、全身が抜けた合図だった。
「これで……大丈夫……次、行くよ!」
 一人の職員を救うことができた。ティファーナはまた空に目を向けた。

 遅れを取り戻すように、ティファーナは跳躍、飛翔の速度を上げていた。太い排気パイプの間を巧みに飛び抜けていく。
「皆の行き先を辿って……」
 パイプと機械が入り組んで先が見えなくなった時は、近くにいる従属神群の元までテレポートして別の道を模索する。こういう時は人海戦術が効果的だ。
 だが、テレポートは時として危険なこともある。テレポート先の様子は見えない――故に、
「――危ない!」
 吊られたアームが眼前に迫ってきていた。従属神群の大きさでは邪魔にならないそれも、ティファーナは同じとはいかない。ティファーナは咄嗟の拳でがつんと打っていた。
 アームはびーびー警報を鳴らしながら戻っていく。これでよかったのかティファーナは思い悩みつつ見送るが、今はとにかく進むしかなかった。

 道中人助けを挟みながら、ティファーナはファクトリーを巡っていた。混合、成型、スプレーコーティングなどなど、様々な製造工程も見た。一生分のチョコレートを堪能した、と言うと大げさにも聞こえるが、それほどチョコレートにどっぷり浸かるような冒険だ。
「うーん……やっぱちょっと洗お!」
 なるべく気にしないようにはしていたが、やはりチョコレートを体につけたまま跳んでいるのは落ち着かない。ティファーナは地上に降りると即席のエアシャワーを作り出す。生命を持たせることで自分では手の届かない背中も楽々。チョコレートが風で取り払われていく。
「美味しくても邪魔は邪魔! 帰ったらちゃんと洗わないと……」
 手足にチョコレートが付着していないことを確認して飛び立とうとしたティファーナ。しかし、視界の端にチョコレート溜まりのようなものがあることに気づく。
 自分の体から落ちたものではないはず――そう思いつつ近づいていくと、褐色のそれはどうもチョコレートと質感が異なる。
「何、これ……」
 チョコレート特有の甘い香りは欠片もない。顔を近づけてよく見ると、それは水分を含んだ土だった。
「なんで、こんなところに……もしかして……!」
 ファクトリー内の異物。ティファーナは嫌な予感がした。散っていた従属神群を集めると、点々と続く土を追う。
 気配がした。気配、と感じられるほどに強い存在感。ファクトリーの職員の誰でもない、それは――。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『リコ・ワンダーソイル』

POW   :    ロイヤルコード『ワンダーソイル』
自身からレベルm半径内の無機物を【どろどろぐちゃぐちゃの半固体の土】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
SPD   :    マジカルコード『アースソウルブラザーズ』
戦闘用の、自身と同じ強さの【土塊ゾンビ】と【土塊ゴーレム】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ   :    エクストラコード『クラクリ』
レベル×5本の【土】属性の【当たると弾けるクリスタル】を放つ。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はロザリア・ムーンドロップです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●チョコと土は似て非なるもの
 あーでもない、こーでもない、と地面に広げた土溜まりを杖でこね回す。職員を機械化した後に合体させるゴーレムを作ろうとしていたのだが、なかなかうまくいかないらしい。
 脳に栄養が回っていないのかな、と魔法少女はまた一つ、チョコレートをぱくっと食べる。そんな理由付けで、もう何十というチョコレートをつまみ食い。
 結局のところ、チョコレートを食べたいだけなのかもしれない。
 そんな魔法少女、リコは背後に迫る足音に気づく。催眠ガスが広がる中でも自由に動ける者はそう多くない。
 ミレナリィドールのファクトリー職員なら適当に力を使って追い払ってしまえばいい。そうでないなら――。
「……あぁ、気づかれちゃった」
 大きなつばの奥の瞳が映し出したのは、ファクトリーの異変を解決しに来た猟兵達の姿だった。
テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可

や…やっとたどり着けました…
これまでに何度もチョコで固められてしまいましたが…これ以上好きにはさせません!

チョコを食べたい?それならいっぱい食べさせてあげますよ!
【あま~いちょこれーとらびりんす】を発動!いっぱい食べてください!
た・だ・し、ドロドロのチョコまみれになること前提ですけどね?
相手も土…ではなく迷宮内のチョコでゴーレムを作り出して攻撃してきました…
魔法の杖で粉砕しつつ接近していきます!
もちろん…これは自爆上等のユーベルコードなのでリコを自分ごと巻き込むように迷宮のチョコスライムを誘導していきます!
まだまだあま~いチョコはいっぱいありますよ?遠慮せずに食してください♪



●チョコパラ☆メイズ
 長い長いチョコレートの旅だった。固まっては溶け、溶けては固まり。その回数が両手の指で足りるかなんて、途中で数えるのを諦めてしまったからわからない。
 テフラはチョコレートを滴らせながらリコの前へと現れる。
「や……やっとたどり着けました……。これまでに何度もチョコで固められてしまいましたが……これ以上好きにはさせません!」
「それは、災難……でも、邪魔は、させない」
 リコは先端に悪魔の意匠を持つ杖を掲げた。二人の間に静かな時が流れ――そして。
「随分とチョコを食べていたようですね……そんなに食べたいなら、いっぱい食べさせてあげますよ!」
 リコの口元に付いたチョコレートがその証。
「さぁ、チョコスライムに襲われないようにしてくださいっ!」
 テフラが出現させたのはチョコスライムが彷徨うチョコレートの迷路だった。リコも、テフラ自身も迷路の中に呑み込まれる。
 壁は全て滝のようにチョコレートが流れ、足元を浸す。水没、ならぬチョコレート没はしないようだが、リコが踏み出すと、びちゃんとチョコレートが跳ねた。
「これでいっぱい食べられますね! た・だ・し、ドロドロのチョコまみれになること前提ですけどね?」
 文字通り、チョコレートを浴びるように食べられるこの空間。チョコレート好きには堪らない空間なのかもしれないが。
 敵の術中にはまっているのは具合が良くない。
「抜け出す……!」
 リコの判断は早かった。杖を手に、通路を塞ぐテフラへと迫る。
「来ましたね……! ゴーレムでも何でもどうぞっ!」
 テフラもまた魔法の杖を手にして接近を試みる。
 ゴーレムが出てきたら砕けばいい。備えは十分――に見えたが。
「チョコで、ゴーレム……もったいない」
 チョコレートはやはり食べてこそ。リコは自身の魔力を拡散させることで宙に土属性のクリスタルを生み出した。
「エクストラコード……クラ、クリ」
 静かな詠唱と共にばしゅんと放たれた無数のクリスタルは宙でかくかくと細かく軌道を変えながら、周囲の液体チョコレートを散らして飛翔、テフラへと襲い掛かる。
「……!?」
 攻撃予測が外れたか――しかし何にせよ、粉砕する意思は曲げない。テフラは杖をぶんと振り回し、飛来するクリスタルを打ち砕いた。
 パン、と乾いた音がした。砕けたクリスタルは弾けて細かい破片を周囲に散らす。その一部はテフラにも当たっていた。
「っつぅ……ですが、自爆上等です!!」
 自分の身を犠牲にしてでも敵に打撃を与える。テフラは足を止めなかった。
 怯まないテフラが壁になる。それを突破するには、どうにかしてすり抜けていくしかない。右に体を振って抜ける――フェイントを挟みすぐさま左へ。
 ばしゃん、とチョコレートが大きく跳ねた。
「逃がしませんっ……!」
 一度は釣られたテフラだったが、何としてもチョコレートを味わわせるという執念がわずかに勝った。伸ばした手がリコのスカートの端を掴む。
 ぐい、と後ろに引っ張られ、リコはそれ以上前に進めない。
「離して……っ!」
「まだまだあま~いチョコはいっぱいありますよっ……! こっち……です!」
 テフラはリコの腕を掴まえると、迷路の分かれ道に引きずり込んでいく。その道はどこに繋がる道か――。
「……!?」
 リコが目にしたのは通路をいっぱいに塞ぐチョコスライムだった。ぶよぶよと揺れながら、じわじわと二人の元へ迫ってくる。
 逃げたい――が、テフラがそこへ飛び込まんと強引に引っ張ってくる。力勝負では若干ながらテフラに分があった。
「遠慮せずに食してくだ……さいっ!」
「うぁ……ああああっ!?」
 ぶよぶよでぬめっとした感触に襲われた。そのまま視界は一気にチョコレート色。
 テフラも一緒にチョコスライムの中に飛び込んで、二人仲良く全身チョコレートに塗れたのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エドゥアルト・ルーデル
むっ!ダウナー系魔法少女!いいねェ

【段ボール】を被ってステルスアクション!任務は気付かれないように少女に近づいて無力化ですぞ!
流体金属君!君の出番ですぞ!人型に変形して相手の注意を引きつけるんでござるよ!流体故クリスタルを食らっても効かないしな
囮にしている間に忍び足で大回りし接近、飛びかかれる距離まで近づいたら一気にタッチダウンだ!

つーかまーえた!こう近づけば詠唱は無理でござるな!
捕まえたら…よしくすぐるか!情け容赦なく!スミまで隈なく!それはもう執拗に!今日は涙目が見たい気分なンだ!!
『オブリビオンを倒す』『自分の趣味も満たす』両方やらなくちゃあいけないのが猟兵の辛い所でござるなーうんうん



●これぞ魔の手
「うー……ベタベタ……」
 全身チョコレート塗れになりながらどうにか迷宮を脱出したリコ。精神的ダメージでテンションはどんより。つばの奥に落ちる陰は一層濃くなっていた。
 肌に直接付着したチョコレートは指を使って拭っていく。服にこびりついたものはどうしようもないので戦いが終わった後で洗うことにして。
「まだ来る……よね……」
 新たな猟兵への警戒は怠らない。そしてリコの読み通り、新たなる猟兵が接近していた。
「むっ! ダウナー系魔法少女! いいねェ、憂いを帯びた横顔がたまらんでござるよー」
 エドゥアルトは潜入作戦御用達の段ボールに隠れ、ちょこちょこと小刻みに移動していた。ただの段ボールと侮るなかれ。段ボールの中に隠れている間は透明になることができるという優れ物だ。
 ただし体力は使う。エドゥアルトともなればかなりの長身をぎゅぎゅっと折りたたむことになるので当然と言えば当然か。そして物音などは消すことができないので、相手は見えていないからと言って油断はできない。
 細心の注意を払いながら近づいていく。リコは杖を構えて視線を巡らせ臨戦態勢。
(流体金属君! 君の出番ですぞ!)
 目標は数メートル先にいる。段ボールでのスニーキングミッションは第二段階に突入した。地面との間に少しだけ隙間を開け、オウガメタルを床にそっと這わせていく。意思を持つ流体金属生命体は一筋細く流れていき、リコの傍でにゅるにゅると隆起した。
「……!!」
 床に二本現れた金属の棒は上に伸びて一つに合わさり胴体を作る。そこから真横ににゅるっと腕が伸び、上部にはぐにゃと頭ができた。
「敵襲……クラクリ!」
 リコはクリスタルを生成し、弾丸のように、目の前に現れた異物へと飛ばしていった。光沢のあるその体。クリスタルが突き刺さると円形に飛び散っていったが、床にぼたぼたと落ちるとまた這い回って一つに集まっていく。
 当たれば弾けるクリスタルも、当たった物の抵抗があまりになさすぎると弾けるだけのエネルギーが得られない。そして柔軟に分裂、結合を繰り返す流体金属はクリスタル直撃のダメージさえも受けていなさそうだった。
(いいですぞいいですぞー! 拙者が行くまで時間を稼ぐでござる!)
 リコが流体金属へ意識を向けてからは忍び足で音を立てず背後に回り込む。そして一息に飛び掛かるところまで迫ると、段ボールを盛大に跳ね飛ばした。
「捕らえたーでござるよ!」
「――!? ひゃ――!!」
 エドゥアルトは振り向いたリコの口を塞ぐように腕を回し、そのまま床へと雪崩れ込んだ。リコは足をばたつかせてもがくが、成人男性エドゥアルトの力には勝てない。
「つーかまーえた! こう近づけば詠唱は無理でござるな!」
「むむー! むー!」
 リコは杖でがんがん床を叩く。暴れることで少しでも力が緩めばその隙に脱出を、と目論むが、エドゥアルトのホールドは固い。
「これからどうなるかわかるでござるかー? あー答えられないでござるなー無念無念。正解は……くすぐりの刑でござる!」
 もう一方の空いた手がリコの脇腹へ伸びた。小刻みに動く指先が脇腹をこしょこしょこしょこしょ。
「むむ!? むむぅむんっむぅ~~~!?」
 くすぐったくてたまらないが逃げられない。身を捩るのは指先があちこち這い回るので却って逆効果なのだが、そうは言っても動かずにはいられない。
 眉間に力が入り、涙腺からほろりと涙が零れる。その姿にエドゥアルトは心の中でぐっと拳を握り締めていた。
(『オブリビオンを倒す』、『自分の趣味も満たす』――両方やらなくちゃあいけないのが猟兵の辛い所でござるなーうんうん)
 一思いに倒されたほうがきっと幸せだったに違いないのに、これまた無念、とエドゥアルトはしみじみ噛み締めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

氷川・権兵衛(サポート)
名は氷川権兵衛。見た目通り人狼だ。職業はUDC組織に属する生物学者だ。主にUDC生物の解剖と解析を担当している。医術の心得もある為、事件現場で被害者の治療を任されることもある。調教した狼達による野外での諜報活動や集団戦闘も行える。必要に応じて私を賢く使いたまえ。

戦闘面での実力を知りたいのか?基本的にタンクとして動く。自慢に聞こえるかもしれないが、私は素早い。攻撃される味方の前へ躍り出て、ショットガンで敵を吹き飛ばす。牽制に毒を含ませたメスを投擲したりもする。捕縛用の鎖を武器にすることもある。そして、ドーピング薬を腕に刺せば、狂戦士に早変わりだ。燃える左腕を振り回し、敵に恐怖を植え付けてやろう。


リダン・ムグルエギ(サポート)
「餅は餅屋。後の戦いはお任せするわね
「お、今の映えるわね!ヒュー

キマフュ特有のノリの服飾師

見た人の五感を狂わす「催眠模様」の入り衣装を作って配る事で
仲間や一般人の防御底上げと敵の妨害を実施したり
依頼に即したなんらかのブームを生むことで敵に特定の行動を躊躇させたり
等を得意とする
「戦闘開始前に自分のやるべき仕事の準備を終えている」事が多い純支援キャラ

依頼本編では戦いの様子等を撮影・配信したり
キャーキャー逃げたり
合いの手を入れてたりしています
単独戦闘には不向き

ミシンや針、布等も所持
その場で他依頼参加者に合わせ衣装アレンジも

MSのセンスで自由に動かしてOK
エロだけは厳禁


アレクサンドラ・ヒュンディン(サポート)
人狼の力持ち×ミュータントヒーローです
普段の口調は「私、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?」、気にいったら「私、あなた、~さん、ね、よ、なの、なの?」

性格は内気で人と目を合わせるのが苦手ですが、人嫌いなわけではなく事件解決には積極的です
戦闘スタイルは力任せで、ダメージはライフで受けるタイプです

日常や冒険の場合、食べ物があるとやる気が増します

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●人狼VS土塊のタッグマッチ、実況はキマイラでお送りします
 今日の戦いは精神的にきつい。リコのどんよりは一気に加速していた。
「もう全部……潰れちゃえばいい……」
 まるで湧き水のようにぼこっと土が溢れてくる。そしてリコの前に作り出されたのは、土塊のゾンビとゴーレムだ。
「ほう、召喚師でもあったか。なかなか芽のある魔術師……と言いたいところだが、私達を相手に力押しの勝負とはな」
「殴って倒していけばいい……そういうこと、ですよね……? 見た目もあまり可愛くないし、これなら、心置きなく……」
「あらあら、二人ともやる気モードのようね。なら、餅は餅屋。熱いバトルは全部お任せするわ」
 氷川・権兵衛(生物学者・f20923)はショットガンを肩に背負いながら、獲物を狙う獣の眼光を走らせていた。下手に魔術が飛んでくるよりは、こうして物理的な目標物があったほうがショットガンも持ち味を発揮できる。
 アレクサンドラ・ヒュンディン(狗孤鈍狼・f25572)もまた、技より力を好む戦闘スタイルだ。大人しそうな外見ながら、爪を立てれば鋭く引き裂くほどの膂力の持ち主。戦いに没入するように精神を集中させていくと、その瞳は鋭く吊り上がる。
 そんな二人を見ては自分の出る幕はない、とリダン・ムグルエギ(宇宙山羊のデザイナー・f03694)は一つ身を退いた。だが決して他人任せにしようというわけではなく、彼女は自分が戦えるフィールドというものをよく知っている。心強い味方がいるのだから、リダンにとっては裏方こそがメインステージだ。
『さぁ、お互いの信念とトレンドを競い合うバトルの開幕よ! 実況はアタシ、リダンがお送りするわ』
 その一声で権兵衛が、アレクサンドラが、そしてゾンビとゴーレムが一斉に動き出した。
「まずはお互い相手の出足を伺うのか――いやそんなことはなかったわ! ゾンビとゴーレムは腕を振り回しながら迫ってくるぅ!」
 ゾンビとゴーレム、如何にも思考力が足りなさそうな組み合わせだ。どかどか、ずんずんと狙いが丸分かりな大振りの走りで権兵衛とアレクサンドラの元に突っ込んでいた。
「二体の狙いは――アレクサンドラっ! しかし権兵衛が割り込んですかさずショットガンを構える。火を噴く銃口! 弾丸は一直線にゾンビの頭へ! ヒュー、今の映えるわね!」
「こう実況されながら戦うのは……悪くはないが、いささか慣れんな」
 味方に降りかかる攻撃を切り崩すのが権兵衛の役目だ。滑り込むように割って入った権兵衛がショットガンでのヘッドショットを華麗に決める。頭を失ったゾンビは形を保てなくなり、ぐしゃりと崩れて土の山となった。
「ゴーレムは……私が……!」
 アレクサンドラが権兵衛の脇を駆け抜けてゴーレムの殴りかかる腕をがっしり両手で受け止めた。そのまま組み合いになるかと思われたが――。
「出たわ! ジェットミューテーション! アレクサンドラの足が超加速ジェットエネルギーとなって――大技ムーンサルトドロップキック、炸裂ぅ!!」
 掴まえたゴーレムの腕が回転の軸となった。アレクサンドラは足をジェットエネルギーに変異させることで強烈な推進力を生みだし、空中に向けて円運動。そのまま宙でくるりと回転しながら両足でゴーレムの顔面を蹴り込んだ。
 噴き出すジェットがインパクトの衝撃を瞬間的に引き上げ、ゴーレムは仰け反って地面を激しく転がっていく。途中腕やら足やらがぼきぼきと折れ、止まる頃には胴体に顔が繋がっただけの状態で横たわっていた。
「邪魔者はいなくなったわ! 後はあの魔法少女にトドメを刺すのみ!」
「させない……クラクリ!」
「反撃のクリスタルが飛んでくるぅ! 二人はどうやって切り抜けるか!?」
 浮いたクリスタルは淡い輝きを放ちながら弾幕となって襲い掛かってきた。力で叩き潰してもその破片が新たな凶器となるクリスタルだ。
 権兵衛は静かにショットガンを構えた。射線に視線を近づけて狙いをつけ、強い反動を抑え込んで弾丸を放つ。
 クリスタルは弾丸より一回りから二回り大きいくらいか。その二つが精密な軌道で交差、衝突――。
 衝撃が欠片を宙へ散らしていく。まるで星屑のようだ。その下を駆けるはアレクサンドラ。
「さぁ、フィニッシュブロー、決めちゃって!」
 軽妙なリダンの実況が、いつしかアレクサンドラを後押しする言霊へと変わっていた。
「うぁ……来ないで――」
「皆を困らせちゃ……いけません!」
 ぎりぎりと肉が絞られるのではないかというほどに握り込まれた拳が捻るように振り込まれた。所詮は魔法少女、の薄っぺらな防御を容易く破り、リコの腹部に打ち込まれた拳がその身を軽々と宙へ跳ね飛ばす。
 そのまま高々と突き上げられたアレクサンドラの拳はまさに勝利宣言。宙で魔女帽子が脱げて掻き消えると、リコもまた頭のてっぺんから消えていく。
 そして床に落ちてきた体は音を立てることなく、ふわっと空気の中に溶けて消滅した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2021年01月19日


挿絵イラスト