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死して恋せよ紅乙女(作者 ののん
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#サクラミラージュ  #プレイング受付中 


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●まだ見ぬ世界と愛しき故郷を繋ぐもの
 がたん、ごとん。木造列車はゆっくりと進む。
 静かに流れる窓の冬景色は、急かす気持ちを落ち着かせ、ふと思い出に浸る時間を与えてくれる。
 思えばあっという間だった。と、乗客は各々の過去を振り返る。そう、この娘もまた、頬を赤らめながら遠くを眺めるのだ。

 ――八千代さん、僕と共に歩んでくれませんか。
 そう伝えられたのは三ヶ月ほど前だったかしら。その言葉がどれほど嬉しかった事か。
 私はやっと、準備を終えました。
 今、私は親元を離れ、貴方の居る場所へ向かっています。

 ……この列車に映る風景は、どれも私に馴染み深いものばかり。
 友達と遊んだ公園、お気に入りのお店、よく歩いた桜並木。そして、私の家。
 永遠の別れという大袈裟なものではないけれど、新しい旅立ちがこんなにも楽しみで、そして寂しいものとは思いもしていなかった。
 ごめんなさい。貴方に会えるまで、せめて今だけは……列車の旅を楽しむ事にしますね。

 がたん、ごとん。木造列車はゆっくりと進む。

●ダニエルの情報
「サクラミラージュの木造列車ってのは、乗った事あります?」
 知念・ダニエル(壊れた流浪者・f00007)は猟兵達に問い掛ける。
「まぁ名前の通り、木造の列車っすね。UDCアースとかにある電車よりもゆっくり走る乗り物っす。向かい合う赤いソファーのような座席に座って、大きな窓から見える景色を楽しむ事ができるっすよ。今は冬なんで、だるまストーブも稼働している頃でしょうっす」
 何処か古くシンプルながらも豪華に見える列車の内装。そんな様子を背後に映し出しながら、ダニエルは説明を続ける。
「今回皆さんには、田舎町から都市へ向かって運行している木造列車『暁号』に乗って貰うっす。とある人に接触しつつ、まずは列車の旅を楽しんで下さいっす」
 とある人、というのは今回の依頼の目的でもあるという。
「乗客の一人に『八千代』という女性がいるっす。黒くて長い髪に『椿の髪飾り』を付けた人なんで、一目で分かるはずっす」
 彼女は婚約者の元へ向かう最中の乗客である。そんな彼女に――突然の不幸が訪れようとしている。
「えぇ、彼女に影朧が襲って来るっす。乗客に紛れて……ひたすらに彼女の命を狙ってくるっす。それを阻止して欲しいっすよ」
 成る程、共に過ごすのは危険から守る為かと、猟兵達は理解しただろう。
「影朧が彼女を狙う理由は……『恋の嫉妬』、なんですかねぇ。恋は人を狂わせるとも言いますし」
 影朧の正体は、恋に破れた女の怨念と、女が用意した刺客らしい。彼らは八千代を狙い――同じ列車の中に潜んでいる。
「敵が何処から現れるのかは分からないっす。だからこっちも乗客に紛れて、尻尾が出るのを静かに待つって訳っすよ。だからいつでも守れるよう、八千代の傍に居てあげて下さいっす」
 恋の嫉妬なんて、底知れないものっすから。そうダニエルは呟いた。

「木造列車『暁号』は午前一〇時三〇五分発。もうすぐ出発っすね。準備ができたら俺に声掛けて下さいっす」
 雪と桜を眺めるってのも、なかなか楽しいと思うっすよ、と、ダニエルは長い髪を揺らした。





第3章 ボス戦 『卒面ノ怨念『椿姫』』

POW ●紅眼ノ煌
【紅色に輝く瞳で見定めること】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【超高速で放たれる紅光線】で攻撃する。
SPD ●貴女ノ顔ヲ欲スル
自身が【女性として劣等感】を感じると、レベル×1体の【死んだユーベルコヲド使い】が召喚される。死んだユーベルコヲド使いは女性として劣等感を与えた対象を追跡し、攻撃する。
WIZ ●血粧ツバキ
自身の装備武器を無数の【血液で出来た椿】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
👑11

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠宝蔵院・ハルです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 嗚呼、椿の女! 椿の女!
 あの人を奪ったのは貴女だったのね!
 その椿の髪飾りは、あたしが手にするはずだったのに!

 あたしが愛したあの人は、あたしの目の前から消えてしまった。
 あの人は、あたしを選んでくれなかった。
 だからあたしは、自殺した!

 ねえ、恋に破れた『あたし達』。恋に恵まれなかった『あたし達』。
 あたしは椿を付けた女が憎い。あたしから彼を奪った女が許せない。
 だから力を頂戴。あの女を、殺すわ。

 人斬りの男達が消え去り静まり返った車内に、一人の女学生がふらりと姿を現した。
 女学生は八千代に言う。
「ふふふ……貴女、あたしからあの人も、その椿も、全てを奪って逃げていくのね……?」
 八千代は目を見開いた。女学生の制服に見覚えがあったのだ。そう、自分が通っていた學校のものだ。しかし、その相手には見覚えがない。
「あたしはね……ずっとあの人を影から見守ってきたの。貴女よりもずっと前から、何年も前から!」
 女学生は狂ったように笑う。
「貴女よりもあたしの方が詳しいのよ? なのに、何故貴女が椿を持っているの? ああそうね、あの人、騙されているのね!」
 一方的な主張に八千代は混乱する。震える声で必死に声を絞り出すのだが。
「わ、私、そんな事……」
「嗚呼、嗚呼! あたしに椿を頂戴! あの人に会うのはあたしなの! あたしこそが、椿に選ばれた女!!」
 彼女の声は、既に届かない。

「ふふふ……!! あたしは……あたしは……『椿姫』!!」
 彼女は恋に溺れた怨霊の集合体。
 たった一輪の椿を求めて、袴を翻す椿姫だ。