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ベイビー・オブ・テンペスト

#ダークセイヴァー

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#ダークセイヴァー


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 黒い曇天が光り、轟雷が地を打ち砕く。吹き荒れる凄まじい暴風に軋む巨大な館の一室に、幼い獣の泣き声が響いた。
 大きな部屋の中央に、積まれた枕の山とその上に置かれた器めいた形の蒼炎。炎に支えられた藤の揺り籠に敷き詰められた薔薇の花。泣きながら手足をバタバタさせるのは、白くもふもふした毛並みを持つカーバンクルじみた生命体だ。ファーで覆われた首回り、耳の変わりに翼を生やす。
 獣が声を上げるたび、外で雷が鳴り嵐が強まる。一際大きな声が上がると、爆炎の竜巻が館の回りを一周し、枯れた木々を焼き払った。その時、部屋の大扉を跳ね飛ばし、二匹の首なし黒馬が空中を走って獣の揺り籠へ駆け寄っていく。首の断面から青白い炎を波打たせ、黒馬は獣に身を擦る。幼い獣はすぐに泣き止み、馬に首のファーを擦りつけて甘えた声を上げ出した。
 館の外の嵐が静まる。


「なんというかまぁ……すごいのがいますねえ、ダークセイヴァー……」
 顔の映像を消し、シーカー・ワンダー(ワイアードワーカー・f00478)は呆れ顔で嘆息した。
 そんなわけで、場所は夜闇の世界ダークセイヴァー。オブリビオンに支配されたここの一角にある、とある館だ。
 この館に巣食うオブリビオンの名は、『天魔の幼獣』。 天候を操る災禍の獣の幼体であり、泣くだけで地獄の如き天変地異を引き起こす恐るべき存在だ。
 本来、この館は天魔の幼獣が起こす嵐と、護衛戦力である『首無しの天馬』のせいで近づくことすら困難な領域なのだが、現在首無しの天馬は幼獣の食糧探しのため半数以上が不在の状況。加えて、今はちょうど幼獣の嵐が収まりつつある。殴り込みをかけるチャンスとなっている。
 天魔の幼獣は存在するだけで周囲に天災を撒き散らす危険な存在。加えて、未確認情報であるが、長い時間を経た個体は強大な力を持つ成体になると言う話もある。
 皆にはダークセイヴァー解放の一歩として、この災厄の獣の討伐を依頼したいのだ。

 作戦の手順は、まず館外の護衛戦力を排除して、次に館内部の天魔の幼獣を倒すという方針を取る。首無しの天馬はその名の通り、首無しの黒いペガサスのような姿をしていて、空を自由自在に駆けての突進や召喚した馬車を使って攻撃してくる。
 天魔の幼獣の方は、幼さ故か、自分の力で移動することが出来ない。が、何かにつけて館の周囲に恐るべき破壊力の災いを引き起こす。威力はとんでもなく高い上、どこから何が来るのか予想がつかない。普段は首無しの天馬があやして収めているが、それが無くなった場合は……言うまでも無いだろう。天災のタイミングは幼獣の気分次第。人の赤子が泣くように、この獣は突如として破壊を撒き散らす。敵が近づいてきた時は、館さえ吹き飛ばして泣き喚く。
 ちなみに、首無し天馬の方は幼獣の厄災をある程度察知できるようで、嵐になろうが雷が落ちようが関係無しに戦い続ける。一体一体は強くないが、天馬は集団で、且つ地形効果を全く受けない。戦闘の際は注意してほしい。
「いやまぁ、可哀想ではありますけども。俺もモフモフ好きですけども。それはそれ、これはこれってことでひとつお願いします。世界を救うためと思って!」


鹿崎シーカー
(これまでのあらすじ:夜と闇が支配する世界、ダークセイヴァー。この世界にある館のひとつは、常に天変地異の中にある。災厄を絶えず引き起こしているのは、『天魔の幼獣』という名の魔獣。幼くして雷を落とし、嵐を起こす獣は、成長すればより強大な力を持つのだという。だがかの館は防衛手薄。夜の闇を払うため、『天才の幼子』を倒すまたとない好機なのである!)
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第1章 集団戦 『首無しの天馬』

POW   :    突進
【高速移動】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【突進】で攻撃する。
SPD   :    幽鬼の馬車
自身の身長の2倍の【馬車】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
WIZ   :    飛翔
空中をレベル回まで蹴ってジャンプできる。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

草野・千秋
天魔の幼獣……また見た目はかわいいのに
とんでもなく厄介な魔物がいるものですね?
モフモフは僕も好きですけど
世界平和をヒーローは考えなければ!
まずはお守り役の討伐を
首無し、なんというかぞっとします

POWで戦いますね
ユーベルコードで攻撃力を上げつつ2回攻撃で突撃
傷口をえぐりつつとどめが刺せそうなら捨て身の一撃


逢坂・宵
可愛らしいのに恐るべき力を持つ獣、ですか……
いやはや、世界にはいろんなオブリビオンがいるものです
まずは手始めに、護衛を蹴散らすとのこと
僕は僕のすべきことを努めましょうか

仲間との連携を密にするように心がけて
『高速詠唱』『全力魔法』を用いて
天宙アストロメトリーで仲間のサポートに回りましょう
出来そうならば『第六感』『おびき寄せ』で、仲間が戦いやすそうなところに敵を誘い出したいですね


フィスト・フィズム
天魔の幼体…凄いのもいたものね。可愛いみたいだけど、野放しにはできないわ。
ヴァンパイアよりは好きになれそうだけど、災いでしかない以上は倒すしかないのよね…!

【行動:WIZ】
UC『金焔の破壊者』でファルガー(UCの狼)を呼び出すわ。
ファルガーにも翼があるから、技能「空中戦」「スナイパー」「範囲攻撃」「なぎ払い」を使用。
UC『竜神吼ゆる』で氷の竜巻を具現化させて天馬を牽制しながら、ファルガーの炎のブレスで叩き落とす方針。
『竜神吼ゆる』の使用時は、他の猟兵の皆に注意をしてから使うようにするわ。

*アドリブ及び連携歓迎です


ルセリア・ニベルーチェ
アドリブ歓迎ですの

もふもふを排除するのは悲しい事だけど
これもダークセイヴァーの為なら致し方ないわね。

相手にも察知出来るのであれば、此方も出来るのかしら?
戦闘知識・情報収集で敵の動きを観察しつつ
試しに第六感で厄災のタイミングを把握してみるわ。

天馬は集団戦が得意なようですし
此方も対多数の戦法を取らせて頂きましょう?
範囲攻撃・生命力吸収で周囲の敵の生命力を奪いつつ
空中にユーベルコード【契約者権限】で展開した砲門から
射出される無数の黒剣で制圧
剣の雨の中、お馬さんはどんな踊りを見せてくれるのかしら!


リーヴァルディ・カーライル
事前に防具を改造
第六感を強化して精霊の存在感を見切る呪詛を付与
精霊の動きで、幼獣の厄災を察知できないか試みる

…ん。天候を操る魔獣、ね
確かに脅威だけど、赤子なら力の制御なんて出来ないはず
力の流れを見切る事ができれば…

暗視と防具を頼りに回避優先で行動
わざと体勢を崩して隙を見せて誘惑し
空中の敵の突進を大鎌のカウンターで迎撃する

…所詮は獣、ね。空からわざわざご苦労様

敵が空から降りてこなくなったら
吸血鬼化した怪力で跳躍して大鎌をなぎ払い
生命力を吸収する【限定解放・血の波濤】を発動
その後、力を溜めた血色の魔力を体内で爆発させ
傷口を抉る2回攻撃で追撃

…そう、それを待っていたの
お前達が空に集まる、この瞬間を…


リーファ・レイウォール
見敵必殺、徹頭徹尾、全力全開でいかせてもらうわね。
「燃えてもらうわ」
【視力】により敵を視認して
【高速詠唱】【全力魔法】のユーベルコードを射程に入った瞬間に【先制攻撃】
顕現させるのは、炎を纏った竜巻
開幕早々に、天馬の群にぶつけるわ

通常攻撃は、真空の刃を発生させる【属性攻撃】(風)で【2回攻撃】
味方の攻撃の射線へ【おびき寄せ】る【援護射撃】もしていくわね

回避行動は【第六感】【残像】【見切り】を駆使。
空駈ける相手なら【空中戦】も視野に入れておかないといけないわね

首を無くしてしまっているのだから、早めに介錯してあげないと可哀想だものね。

※連携、アドリブ歓迎


シェイド・レーム
へっ、幼獣ねぇ。残念だが俺様にそんなもんを愛でる心なんざ持ち合わせてなくてねぇ…容赦なくブッ潰してやるぜ!天災の力…上手くやりゃ俺様のモノにできるかもなぁ…クク…。

■バーサーカーの召喚
俺様の死霊騎士じゃこの馬畜生には追い付けねぇ…となると、ここはてめえの出番だ!来い!ブレイズキャリバーの霊よ!!地獄の炎で焼き殺せ!!

■衝撃波1の使用
チッ…いかにも呪術の類が効かねえ見た目をしてやがる…俺様の呪詛が効かねえとなると…飛び上がった瞬間を衝撃波で撃ち落としてやるぜ!

■他の猟兵との連携
これだけ素早い敵だと何をされるか…たまったもんじゃねえ。手空きの猟兵がいたら俺様に手を貸してもらうぜ!!


白波・柾
もふもふなオブリビオンを守るのは首なしのペガサスか
なんというかまぁ……すごく特殊だな
こういうあり方で危害を及ぼすものたちもいるのか、勉強になった
さあ、戦いに赴こう

手近な敵に狙いを定めて
大太刀の間合いに入れば正剣一閃で攻撃していこう
猟兵の仲間たちとも連携して、数を減らしていけたらいいな



 天魔の幼獣館前、不毛の大地! 館からやや離れた場所で紫青色の魔法陣が開き、同色の炎が竜巻を生み出し天を突く! 振り上げた手の先に魔法陣を展開したリーファ・レイウォール(Scarlet Crimson・f06465)は、館の上空を飛行する首なし天馬の群れを睨んだ。
「見敵必殺! 燃えてもらうわ!」
 掲げた腕を横薙ぎに振るい、竜巻を射出! 竜巻に気づいた天馬達はいななき、一斉に急降下した。その前面に黒い大型馬車を顕現させ、リーファの竜巻を真っ向から迎撃! 無数の突進に貫かれた竜巻は宙空で消滅。勢いのまま流星めいて落下してくるペガサスと馬車を見上げたフィスト・フィズム(白銀の竜女・f00177)は、拳銃を抜いて呟いた。
「天魔の幼体……凄いのもいたものね。可愛いし、ヴァンパイアよりは好きになれそうだけど……」
「なんだァ? 気でも引けるか? 可愛いのは倒すの嫌って?」
 業火を背負ったシェイド・レーム(人間の死霊術士・f13612)がフィストを冷やかす。フィストはやや嘆息して、銃を天馬達に向けた。銃口に金色の魔法陣が開く!
「まさか。災いでしかない以上、野放しには出来ないわ。……ちょっと気は引けるけど」
「へッ。動物愛でてえなら下がってな。俺様はそんなもんを愛でる心なんざ持ち合わせてなくてねぇ……お守りともども容赦なくブッ潰してやるぜ! ここはてめえの出番だ! 来い!」
「私の中に眠るモノ、破壊を望む汝の望みに応えてここへ!」
 虚空に突き出されたシェイドの拳とフィストの銃が赤金二色の炎を放つ! 天馬めがけて走る炎は射線上で膨れ上がり破裂、角と翼を持つ金の大狼と鉄塊じみた大剣を持つ炎の巨人に変化した。狼が金炎のブレスを放ち、咆哮した巨人が燃える大剣を横薙ぎに振り回す! 空中を横一直線に斬り裂く連鎖爆発! 同時に館の門扉が勢いよく開き、中から首無し天馬の群れが飛び出した。これに突撃するのは白波・柾(スターブレイカー・f05809)と草野・千秋(断罪戦士ダムナーティオー・f01504)!
「もふもふなオブリビオンを守るのは首なしのペガサスか。なんというかまぁ……すごく特殊だな」
「天魔の幼獣はかわいいですけど、首無しは、なんというか、ぞっとします……」
 柾はうっすら苦笑を浮かべ、帯刀した大太刀の柄に手をかける。千秋はハッとして首を振り、交叉した両手に銀色のショットガンを二丁召喚!
「す、すみません! ヒーローは世界平和を考えなければ!」
「……いや。さあ、戦いに赴こう」
「はい!」
 柾は加速し、突進してくる首無し天馬達に距離を詰めていく。目前に蒼炎を現出させる天馬達。柾は一歩踏み込んだ。
「俺の一刀……受けてみろ!」
 柾の姿が掻き消え、天馬達の背後に一瞬で移動。直後、天馬達の間を一条の剣閃が走り鮮血が噴き出した! 左右に分かれるように倒れていく天馬の群れを見据え、千秋は青白い風を身にまとう。
「断罪の剣よ、僕に力を!」
 姿勢を低くし、風鳴りを響かせながら疾走する千秋! 横倒しになりかける天馬の隙間を駆け抜けながら、傷口にショットガンを連続発射! そして群れを抜けたところで急制動をかけて反転し、再度天馬の群れに向き直る。その胴を後ろからリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)が抱え込んだ。
「……来る」
「えっ、ちょ……!」
 千秋の声を聞かずリーヴァルディは身をひるがえして走り出す。直後、館から残響めいて泣き声が轟き、彼女の背後で紅蓮の雷が大地を撃ち抜く! 地震が起こり、雷の落ちた場所から間欠泉めいてマグマが噴出。一瞬にして小規模な溶岩帯が広がった。傷ついた天馬達が溶岩帯を背に天空を走って退避していく。リーヴァルディは目の周りに赤紫色の紋様を浮かべて周囲を走査。赤紫に染まった彼女の視界は、離れた地面に広がる赤い粒子の渦を捉えた。その真上には、口元に手を当て息を吸いこむルセリア・ニベルーチェ(吸血鬼嬢は眠らない・f00532)! リーヴァルディは千秋を投げ捨てた。
「ごめん」
「あだっ!」
 地面を転がる千秋を余所にリーヴァルディは直角に曲がりルセリアに向かって走った。天馬の傷から流れ出た大量の血液がルセリアの指の隙間を通って口に流れ込む。吸血中の彼女は離れた空で巨人や大狼と激突する天馬と、重傷を負って空へ逃げた天馬の群れを注意深く観察していく。が、前触れなく空中でリーヴァルディに横抱きにされ息を呑んだ。
「むぐっ!?」
「ごめん」
 コマめいて回りながら着地したリーヴァルディのすぐ背後で爆炎の竜巻が巻き起こる! 暴風は二人をまとめて吹き飛ばし、離れた地面に転がした。むせながら跳ね起きたルセリアは、離れていく炎の竜巻を遠目に、ルセリアは片膝立ちのリーヴァルディに問う。
「今の、どうやって察知したのかしら?」
「精霊の存在を見切った。地形を変える厄災は確かに脅威だけど、赤子なら力の制御なんて出来ないはず」
「……なるほど。精霊の働き……」
 顎に手を当て考え込むルセリアの後方上空、馬車を召喚した首無し天馬の群れが密集陣形を取って急降下! 馬車を展開して突貫してくる天馬達にリーヴァルディは片膝立ち姿勢からハイジャンプ。マントの裏から大鎌を取り出し、馬車の合間をぬって群れの内部に潜り込む!
「……所詮は獣ね。空からわざわざ、ご苦労様」
 剣閃! 素早く振るわれた斬撃が天馬達を乱雑に裂き血飛沫を飛ばす。馬車もまたバラバラに解体され、勢いを失った天馬達の蹄が虚しく宙を掻く。リーヴァルディが群れの中から離脱するのと同時、天馬の群れを球状に囲むように無数の黒い波紋が出現。ルセリアはスカートをはたき、赤い瞳で天馬を見つめた。
「権限を行使する。お馬さん方? どんな踊りを見せてくれるのかしら!」
 波紋の中央から黒い剣が迫り出し、射出! 波紋の結界内を飛び交う黒剣が天馬達を穿ち、貫き、ズタズタに引き裂いていく! 着地したリーヴァルディは遠方の曇天に青い粒子が渦巻くのを見た。その真下では空中戦を仕掛けるリーファ! 横回転で黒馬一体の突進を紙一重で回避し、振り向きざまに両手を向ける。
「風よ!」
 両手の指を鳴らすと同時に二つ魔法陣が開き、風の刃が天馬の黒翼二つを切断した。浮力を失う天馬を炎の巨人が燃える大剣で叩き落とす! フィストは大きく吸息し、警鐘を発する。
「少し離れて。巻き込んでしまうといけないから……!」
 開いたフィストの口の前に純白の魔法陣が開き、氷の竜巻を放射! 大狼とリーファが空へ退避し、残された天馬の群れが竜巻に飲み込まれた。翼や足を凍り付かせる天馬達の真上で大狼が金焔のブレスを吐き出す! 白い竜巻を縦一直線に貫く一撃。叩き落とされた天馬達は霜の降りた翼を羽ばたかせ、墜落寸前で再飛翔する。その隙を狙うシェイド!
「そこだ。ぶっ飛びな!」
 腕を薙いだ一拍後に暴風じみた衝撃波が飛んだ。直線に繰り出された衝撃は飛び立つ群れをまとめて捉え、吹き飛ばす! 片頬に笑みを浮かべるシェイドの頭上で青白い稲光がまたたき、落雷! フィストとシェイドのそばに青白い稲光が落ち、巨大な花じみた氷塊がそびえ立った。フィストとシェイドを抱えて飛び退ったリーヴァルディは地にを足を着けて制動をかける。逢坂・宵(天廻アストロラーベ・f02925)は魔杖を掲げ、銀色の火球を複数生み出した。
「流星は古来より、人々の望みをその身に受け、そして時には雨となって人々のもとへ降り注ぐ。さあ、あなたに光を捧げましょう」
 杖を打ち振り、火球を放つ! 火球は体の各所に霜を下ろしたリーヴァルディを包み込み、氷を溶かす。空中、弧を描くように回り込む天馬達を横目で見上げた宵の傍で、滑り込んだルセリアが警鐘を鳴らす。
「多分竜巻が来るわ。気を付けて」
「場所は」
「あれの動きからして、多分足元」
「わかりました。では」
 前後反転した宵は地を蹴り、空の天馬と並走するように走る。同時に彼の背後で雷の大竜巻が地を突き破って噴き出した! つんざく雷鳴を背に走る宵へ、天馬達は方向転換。馬車を召喚して突進を仕掛ける! ブレーキをかけた宵は天馬達をギリギリまで引きつけ、バックステップ。彼と入れ違いに柾が踏み込む!
「今です」
「ああ」
 逆手の太刀を握る手がぶれ、銀色の光が横一文字に空を裂く! 全ての馬車がまとめて上下に裂かれ、天馬達はV字を描くように急上昇する。その行く手を無数の黒い波紋が阻み、群れ全体を球状に包囲。宙空に捕らわれた天馬の群れを
「そう、それを待っていたの。お前達が空に集まる、この瞬間を……」
 つぶやくリーヴァルディの瞳が鮮やかな赤に変色し、わずかに開いた唇の隙間から鋭く伸びた犬歯がのぞく。上半身を限界までひねって振りかぶられた大鎌が血色の輝きを放つ! 同時に千秋は銀のアーマーに仕込んだ銃火器を全て展開。彼の視界で、首無し天馬の全てにターゲットマークが付与される。
「畳み掛けます! 全武装、解放ッ!」
「権限を行使する。あなた達も舞いなさい!」
 ルセリアが指を鳴らし、黒い波紋が黒い剣を射出! 黒髭危機一髪めいて全方位から串刺しにされた天馬の群れに、無数の白銀魔力弾が着弾して眩い輝きの連鎖爆発を引き起こす。曇天を照らす銀の輝きに向かって、リーヴァルディは全力で跳躍!
「……限定解放。薙ぎ払え、血の波濤……!」
 鮮血じみた色合いに輝く大鎌が振るわれ、暴風じみた波動が天馬の群れを飲み込む! 赤い奔流にさらされた天馬達から赤黒い光があふれ、波動の流れに逆らってリーヴァルディの胸に流れ込んだ。胸元で脈動する血色の光。それはリーヴァルディが目を見開くと同時に爆発し、巨大な魔力の大鎌を形成! 鎌をつかんだリーヴァルディの連続斬撃が天馬達をズタズタに引き裂き、バラバラに解体してのけた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『天魔の幼獣』

POW   :    白の嵐
自身の装備武器を無数の【羽毛を思わせる光属性】の花びらに変え、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD   :    白の裁き
【視線】を向けた対象に、【天からの雷光】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ   :    天候操作
「属性」と「自然現象」を合成した現象を発動する。氷の津波、炎の竜巻など。制御が難しく暴走しやすい。
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は宇冠・由です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

リーファ・レイウォール
「もふもふだけど、見た目より危険そうね」
危険性のない子だったら、良かったのでしょうけど。
……でも、猟兵としては見逃せるものではなかったわね。
穏やかな解決法にはできたのかもしれないけれど。

通常攻撃は、柄の両端に刃の付いた大鎌に紫青の焔を灯し回転させて、その焔を飛ばす(属性攻撃:炎)

味方のアシストに用いるのは風の魔法(援護射撃)
味方の攻撃軌道や範囲に、誘い込んだり敵の攻撃を反らしたりね

ユーベルコードは、全力魔法と高速詠唱
まず顕現するのはダイヤモンドダスト
その細氷に紫青の焔を灯して、灼いていくわ
「じっくり灼いてあげるから、大人しくしなさい」

※アドリブ歓迎、連携大歓迎


リーヴァルディ・カーライル
…ん。人に害為す獣を狩るのに何の躊躇いも無い
それが後々、厄介な相手になるのなら、猶更…ね

改造した防具に施した呪詛を維持
強化した第六感で精霊の存在感を見切り、
幼獣の攻撃の予兆を察知して回避する

…成程。確かに力は私より上みたいだけど…それだけ

【限定解放・血の教義】を二重発動(2回攻撃)
吸血鬼化した生命力を吸収させて精霊を誘惑し、
精霊使いの礼儀作法に則り、彼らを鼓舞し助力を乞う

…お前は力を振り回しているだけ
攻撃とは、こうするものよ

大鎌に“過去を世界の外に排出する闇”の力を溜め、
怪力任せに大鎌をなぎ払い“闇の奔流”を放出
過去の存在を傷口を抉るように消滅させる

…骸の海に消え去りなさい、天魔の幼獣


フィスト・フィズム
…!本当に、本当に、子どもなんだわ。
彼はただ、ご飯が欲しいと、私達猟兵という怖い敵がいると泣くだけで、周囲を傷つける…!

【行動:POW】
UC『トリニティ・エンハンス零』を使用し土の魔力で防御力を高め、【オーラ防御】も併用して護りを固めるわ。
攻撃に緩みが出たのならUC『鷲獅子よ来たれ』で召喚し、【騎乗】【見切り】で捌きつつ【破魔】の力を込めたドラゴンランスで突撃よ。

*連携&アドリブ歓迎です


白波・柾
もふもふだな……
このような可愛らしいオブリビオンが強大だというのは、やはり見た目によらないが
いかほどの強さがあるのかは、まだわからない
これから戦ってみればわかることだ
さあ、尋常に―――勝負だ

『天候操作』がなかなかに厄介そうだな
できればそれ以外のユーベルコードの発動にかかりきりになるなどの
状況を生み出せたらベストなんだが

基本はヒットアンドアウェイ
あまり距離を詰めすぎても、距離を置きすぎてもいけない
行動しやすい射程を常に維持
大太刀の間合いに入れば正剣一閃で攻撃していこう
猟兵の仲間たちとも連携して、数を減らしていけたらいいな


蛇塚・レモン
他の猟兵たちとの連携歓迎

<WIZ>
戦闘に間に合ったぁ!
さぁ、暴れちゃうよっ!

先制攻撃!
物陰(地形の利用)から衣服に宿った蛇神様の加護のひとつ、光学迷彩を纏ったまま蛇腹剣クサナギを伸ばして幼獣に突き刺す(だまし討ち)
そして蛇腹剣を元の刀身に戻す勢いを利用して一気に急接近!
幼獣に接近したら剣を抜いて、超霊力オーラガンでの零距離攻撃+クイックドロウ+目潰し+鎧無視攻撃+衝撃波+生命力吸収!
あたいの全力の一撃をお見舞いしちゃうよ!
そしてユーベルコード!
蛇神様っ! やっちゃって!(念動力+催眠術+恐怖を与える+マヒ攻撃+呪詛)
すかさず蛇神様に猟兵たちを強化する結界を張ってもらうよ!(2回攻撃+範囲攻撃)



 青い炎を掲げる燭台が壁に並ぶ通路を駆け抜け、最奥にたたずむ門扉を開けば、そこは幼獣の泣き声響くだだっ広い空間であった。広間の中央には積み上げられた枕が山めいてそびえ、その頂上には器じみた形の蒼炎に包まれた藤の籠。中では大きな綿毛のような尻尾を持つ幼い獣が、足をばたつかせながら泣いていた。驚愕して目を丸くするフィスト・フィズム(白銀の竜女・f00177)のそばで、白波・柾(スターブレイカー・f05809)は揺れる幼獣の尻尾を見上げた。
「………………。もふもふだな……む」
 ちらと横に目をやった柾の視線が、リーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)のものとかち合う。柾は咳払いをした。
「……いや。あのような可愛らしいオブリビオンが強大だというのが少々信じられなくてな。やはり見た目によらないか」
「……ん。人に害為す獣を狩るのに、何の躊躇いも無い。それが後々、厄介な相手になるのなら、猶更……ね。……ん?」
 ふと、リーヴァルディの視線が幼獣とかち合う。サファイアめいた幼い瞳がきょとんと猟兵達を見下ろし、潤んだ。ぐすぐすと鼻を鳴り、潤んだ瞳が大粒の涙を流し始める。次の瞬間、幼獣は大声を上げて泣き出した! 純白の大竜巻が噴きあがり館の屋根を吹き飛ばす! さらに館中の窓ガラスが粉砕! 激しい暴風に煽られながら、フィストは息を呑んだ。
「……! 本当に、本当に、子どもなんだわ。あの子はただ、ご飯が欲しいと、私達猟兵という怖い敵がいると泣くだけで、周囲を傷つける……!」
「なるほど……もふもふだけど、見た目より危険そうね……!」
 両足を踏みしめ、リーファ・レイウォール(Scarlet Crimson・f06465)は両端に刃の付いた大鎌を取り出した。柾は放射状に崩壊していく館を見回し、大太刀の柄に手をかける。
「館どころか、俺達さえ危険だな。早いところ片をつけさせてもらおう。さあ、尋常に―――勝負だ」
「……来る」
 リーヴァルディが警鐘を発した直後、猟兵達の頭上から白い轟雷が落下! 素早く駆けだして白雷をかわした五人のうち、リーヴァルディは両目を紅く変色させて両腕を開く。
「……成程。確かに力は私より上みたいだけど……それだけ」
 歌めいて祝詞を口ずさむ。リーヴァルディの両腕に、赤と青の粒子がそれぞれ大竜巻となってまとわりついた。粒子の中に混じる鮮血色の輝き!
「……お前は力を振り回しているだけ。攻撃とは、こうするものよ。限定解放、テンカウント。混ざり合え、吸血鬼のオドと精霊のマナ」
 紋様浮かべた両目を見開き、両腕を羽ばたくように前へ突き出す! 腕から飛翔する爆炎と蒼氷の竜巻が二重螺旋を作って絡み合い、白い竜巻の壁に直撃! 爆撃とドリルじみた一撃を食らった竜巻は銃声めいた音を立て霧散。露出した天魔の揺り籠に、フィスト、リーファ、柾が跳んだ。フィストが銃を足元に向け発砲。真下に白い魔法陣を呼び出す!
「我が友テラよ! この声に応えよ!」
 魔法陣が純白の焔の渦を巻き起こし、大柄な白いグリフォンを召喚。他方、リーファは回転させた大鎌の刃に紫青色の炎を灯し、フレイムダンスめいて振り回す!
「燃えなさいッ!」
 頭上で回転させた鎌が紫青色の炎弾を連射した。だが泣き叫ぶ幼獣の周囲を稲妻をまとった吹雪がドーム状に包み込み、炎弾を片っ端から跳ね返す。柾は空中からの居合い斬りを繰り出し吹雪を一閃! 斬撃は吹雪を超え、枕の山の根元まで割断。尻尾の端を斬られた幼獣を見、柾は眉根を寄せた。
「少し逸れたか。すまないが頼んだ」
 その時、フィストはこめかみに銃口をあてがった。
「我が身に宿れ、土の業……!」
 発砲。彼女の体を土色の輝きが覆い、土塊で出来た鎧と騎乗槍を生成。グリフォンにまたがったフィストはそのまま幼獣めがけて突撃していく! 次の瞬間、幼獣はさらに甲高い声で泣き出した! 白い毛並みが逆立ち小さな体が純白の稲光を四方八方に放出! リーファは大鎌を仲間に向けて回転させる!
「風よ!」
 鎌から飛び出した嵐が発砲。フィストと柾を飲み込み球と化し、飛来する稲妻を受け流す! 幼獣は激しい電撃にぐらつく揺り籠から転がり落ち、館の床に転がった。その体がマグロ一本釣りじみて宙を舞う。空中の景色が歪み、幼獣の体に突き立った蛇腹剣が姿を現す。蛇腹剣の先、透明化を解除した蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)は両膝を曲げた。
「間に合ったぁ! さぁ、暴れちゃうよっ!」
 勢い込んでレモンは跳躍! 蛇腹剣を使ったワイヤーアクションで虚空の幼獣へ肉迫し、ブレスレットを嵌めた手で指銃を作る。指先に金色の光が収束し、バスケットボール大に拡張!
「ばーんっ!」
 金の光が放たれ幼獣を飲み込んで一気に膨張! 太陽じみた金色の輝きの周囲に、巨大な白い蛇がとぐろを巻くように顕現した。
「蛇神様っ! やっちゃって!」
 レモンの声に応え、白蛇が両目を光らせ金色の光球を念力で圧縮! 直後、高密度のダイヤモンドダストが虚空を満たす。リーファは大鎌を正中線に立てて高速詠唱! そしてダイヤモンドダストの範囲内、驚くレモンに忠告を飛ばした。
「そこにいると危ないわよ」
「わっ!? ちょっと待って!」
 レモンは振るった蛇腹剣を床に突き刺し、自身を引っ張らせて退避する。白蛇が姿を消すと同時にダイヤモンドダスト一粒一粒に紫青色の火が点いた。
「じっくり灼いてあげるから、大人しくしなさい」
 鎌の刃を向けると同時に紫青色の炎が大爆轟を引き起こした! 館の上空を超自然の太陽じみて照らす火球を見上げ、リーヴァルディは手にした大鎌を振りかぶる。刃が漆黒に染まり、煙めいて闇を湧かせる。ギラリと瞳を輝かせたリーヴァルディは、鎌を力任せに振り抜いた! 火球を真ん中から真っ直ぐに断つ漆黒の剣閃! 黒い一文字の筋は紫青色の炎を、金の光を、そして中心部の天魔の幼獣を真っ二つに切り裂いていた。リーヴァルディが姿勢を正して鎌を振り切る。
「……骸の海に消え去りなさい、天魔の幼獣」
 虚空を斬り裂いた暗闇が天魔の幼獣と金の光、火のついたダイヤモンドダストをまとめて飲み込み、音も無く消滅させた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『ファンタジー獅子舞』

POW   :    魔獣を追い払う

SPD   :    すばやく駆けつけ村人を救う

WIZ   :    罠を仕掛けたりして村に辿り着けなくする

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

蛇塚・レモン
異世界の文化を取り違えすぎじゃないかな……っ!?

<WIZ>
あたいが罠の役割を果たして魔獣を足止めして見せるよっ!
蛇神様を呼び出して光学迷彩で周囲の物陰に隠れるよ
(迷彩+地形の利用)
事前にアイテム魔法の辞典で村の周辺地図を検索しておくね
(世界知識)
地図から魔獣がやってくる進路を推測しておけば空振りせずに済むかも?

魔獣があたいの目の前を通り掛かったら行動開始!
(騙し討ち+先制攻撃)
蛇神様、やっちゃってっ!
蛇神様の邪眼で魔獣たちを見抜いて、呪縛で動きを止めちゃおう!
(範囲攻撃+呪縛+マヒ攻撃)
あたいも白き蛇神の眼力で魔獣に催眠術をかけて封殺だよっ!
(催眠術+恐怖を与える)

村の平和はあたいが守るよっ!


リーファ・レイウォール
(ファンタジー獅子舞って何……?)
極めて怪訝そうな表情です

とはいえ、危機が迫っているなら排除よね
行動指針はPOWながら、やってることは魔法(WIZ)系の能力

はじめは【動物と話す】で帰るように言うわ
そのまま退いてくれるなら何もしない

退かない場合は【殺気】を纏わせて【恐怖を与える】
弱肉強食の世界で生きるなら、これで退いて欲しいわね

それでも退かない魔獣でも、まずは
【なぎ払い】で【衝撃波】を発生させる【範囲攻撃】【2回攻撃】で牽制

これでも退かないなら【暗殺】も辞さない
得物の大鎌による【吸血】【生命力吸収】で
見せしめが必要ならしょうがないわよね?

ユーベルコードでの【串刺し】は最終手段よ?


フィスト・フィズム
……ごめんなさいね。
というわけで、形式だけど天魔の幼体は弔っておくわ。

【行動:SPD】
UC『トリニティ・エンハンス』で風の魔力を纏い、攻撃力を強化した後にUC『翼生えた御使い』で魔物を追跡するわ。
魔物の行き先をたどりながら【地形の利用】+【追跡】で村人への最短距離を割り出し、駆けつけるわ。
無事なら村人を【盾受け】で【かばう】行動をとりながら、風の魔力で広範囲をなぎ払うわね。
そうしたら村人を安全な場所まで送り届けましょ。



 村の広場を、一つ目の龍めいた作りものがうねりながら闊歩する。下部から複数人の足を動かして移動する龍は、時折はしゃぐ子供や笑う老婆の頭を甘噛みしていく。奏でられるクラリネットやドラムの音色。お祭り騒ぎの村に程近い山の半ばの茂み、光学迷彩をまとった白い大蛇に包まれたリーファ・レイウォール(Scarlet Crimson・f06465)は、村の景色を怪訝そうな顔で眺めた。
「…………何あれ?」
 リーファの隣、同じく大蛇のとぐろに包まれた蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)が、分厚い時点を膝に置いたまま微妙な顔で呟く。
「……獅子、舞?」
「いや獅子じゃないわよあれ。ドラゴンっぽい、名状しがたい何かよ」
「やっぱりそうだよねー……ていうかさ」
 龍のハリボテを遠くからマジマジと見つめるレモン。龍の周囲ではバッファローの頭蓋骨を被った若者達がコサックダンスを踊りつつ、角で近寄って来た人を小突く。別方向では、馬のハリボテが広場の周りを走り回っていたが、カーブを曲がり切れずに転倒・破砕して中の人を放り出した。
「ここの人達、異世界の文化を取り違えすぎじゃないかな……っ!?」
「本当よ。何がどう伝わったらああなるのかしら……」
「う―――――ん……」
 レモンが唇に人差し指をあて、難しい顔で空を仰ぐ。怪訝半分呆れ半分のリーファが視線を寄越す中、レモンは渋い表情のまま小首を傾げた。
「キマイラフューチャーから伝わった、とか?」
「……ああ、なるほどね」
 半眼で空中に目をやるリーファ。その時、二人を頭上から見下ろしていた大蛇が山の頂上の方を向き、鋭い鳴き声を上げた。レモンが大蛇の視線をたどって振り返る。
「ん、来た!」
 リーファが素早く腰を上げ、とぐろをまたいで外に出る。
「先に行くわ。帰ってもらえるように説得してみる」
「わかったー。帰らなかったら?」
「ちょっと脅かす。それでも駄目なら……」
 両端に刃のついた大鎌を取り出し、リーファはレモンを見返った。
「仕方ないから、やるわ。手伝ってくれる?」
「もっちろん! 気を付けてね!」
 一分後!
 BOOOOM……! 遠雷めいた爆発音に、ファンタジー獅子舞を楽しんでいた村人達が振り返る。近場にある山の中腹で上がる紫青色の火の手。直後、山火事近くの森から巨大なイナゴじみた姿の魔獣が複数飛び出した! カマキリの如き鎌脚を振りかざし、村へと一直線に飛翔。それを追すがるのは白い大蛇にまたがったレモンだ!
「蛇神様、やっちゃって!」
「Shrrrrr!」
 大蛇とレモンの両目が鋭く輝き、透明な金の鎖が巨大イナゴの軍勢に絡みついて次々と墜落せしめた。地に落ちた魔獣の群れは痙攣しながら泡を吹き、もがくように足をばたつかせる。だがレモンの手を逃れた二匹が村に向かって加速し突撃を敢行! その目前に割り込んだ翼ある子狐が鳴き声を上げ、一拍遅れて滑り込んだフィスト・フィズム(白銀の竜女・f00177)が両手の平に風の円盾を顕現。突っ込む魔獣二匹の顔に打ちつけた! SMASH!
「この近くにお墓があるの。悪いのだけど、お引き取り願えるかしら!」
 フィストが力を込めて五指を開いた瞬間風盾が炸裂! のけ反る二匹の魔獣に竜巻をまとわせた両腕を振るって薙ぎ払ったフィストは、村の広場に着地して声を上げた。
「魔獣の群れが近くまで来てる! お祭りの中申し訳ないのだけど、避難をお願い!」
 直後、村の外から響いてくる複数の咆哮。村人達の顔から祭の気が失せ、てんでに悲鳴を上げながら咆哮とは逆方向に逃げ出していく。一方村の近郊、山のふもとまで下げられたリーファは、紫青色の炎灯る大鎌を回転させた。
「はっ! せいっ!」
 炎波の二連撃が地を打ち鳴らして走る熊じみた魔獣の群れを迎え撃つ! 紫青色の炎に飲まれるも、勢いで弾き飛ばした魔獣達が一斉に吠える。しかし、その口や背中、四肢から青白いエクトプラズムめいた光が立ち上り、リーファ頭上で回転する鎌に吸いこまれていく!
「弱肉強食の世界で生きるなら、あれで退いて欲しかったのだけど……」
 呟きながら、リーファは前傾姿勢を取って翼を広げた。
「見せしめが必要ならしょうがないわよね!」
「しょうがないねー! 蛇神様っ!」
 リーファの上空で旋回する大蛇とレモンの目が眩い閃光を放射! 並び立つ魔獣たちの体が、うっすら浮き上がった透明な鎖に締め上げられる。苦悶と恐怖のうめき声を上げ、泡を吹く熊型魔獣達。その後方から、一際大きな咆哮が轟いた! 音源は最後尾に立つ超巨大な熊型の魔獣。屈む勢いで地面を踏み砕いた大型個体は、レモンめがけて飛び上がった!
「GRRRAAAAAAAAAARGH!」
「蛇神様っ!」
 大蛇が視線を大型個体に移して眼光を放つ。だが大型個体は全身を縛る鎖に構わず腕を振り上げ、レモンごと大蛇を叩き落とす構え! 丸太じみた腕が振り下ろされる、その直前!
「あなたがボスね?」
 熊の首に大鎌の内刃がかかる。大型個体の背に乗ったリーファは、
「じゃ、ちょうどいいわ。人里を襲うとどうなるか……群れの子分に示してちょうだい」
 SLASH! 大型個体の喉笛から噴き出す鮮血と青白い光が引き戻されたリーファの鎌に吸いこまれていく。レモンに背を叩かれ横にずれる大蛇の傍を巨体が落下。重い地響きを立てて地に沈む大型個体の後ろに着地したリーファは、背後の熊型魔獣の群れを振り返った。
「この通り、ボスは死んだわ。あなた達は大人しく……って」
 オッドアイが、山へ逃げ出した魔獣の組と、白目を剥いて気絶する魔獣の組を視界に捉えた。大鎌を抱き寄せたリーファは、気絶した熊型魔獣とイナゴ型魔獣の群れを見回して溜め息を吐く。
「聞こえてないか。どうしようかしら、これ」
 呟いてふと空を見上げると、レモンが満面の笑みでサムズアップしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月09日


挿絵イラスト