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someday somewhere

#ヒーローズアース #猟書家の侵攻 #猟書家 #スナーク症候群 #強化人間



 その老人は一人、都市部の安アパートの一室のベッドの上で呻いていた。
 この国の安アパートというのは中心部と郊外の間、都市で働かなければならなくてさりとて給料の安い者が住むものと相場が決まっている。あるいは社会保障として斡旋された弱者か。この老人は後者であろう。
 サイドボードの上には幾つかの薬瓶が並び、積み重なった封筒には軍が差出人のものが積み重なっていた。恐らく老人は帰還兵であり、当時の傷病軍人手当で生活しているのだろう。……そこにはこうスタンプが押されていた、『Boosted』と。老人は世界大戦に参加した強化人間であった。
 死に辛い体を与えられた彼が帰った時、迎えるものは冷たい眼差しだけであった。体は無事でも心は無事ではなかった、この国が平和になればなるほど、人々が幸せであればある程に心は傷ついていった。そんな彼が傷つくのにも慣れ、そろそろ苦しみから解き放たられるという老境に差し掛かった所で悪意が襲いかかった。
「やめ……ろ……! 今更そこを……!」
 老人はベッドの上で叫んだ。しかし、それを聞いてどうこうするものは、いない。


「ん、よく来てくれたわね」
 水元・芙実(スーパーケミカリスト・ヨーコ・f18176)が猟兵達を前に手を上げた。彼女はこれから猟書家の撃破に言ってもらいたいという。
「そこで皆に来てもらったの。皆に行ってもらいたいのはヒーローズアース。倒してもらいたいのはスナーク症候群」
 ヒーローズアースの猟書家を語る上で避けられないのは「スナーク」という存在だ。虚ろな怪物はあらゆるものから生まれてくる。そして。
「強化人間のかかる病気にスナーク症候群というものがあるの。それは妄想を見るものだったのだけれど……それを元に実体化するの。しかも本人の近くじゃない所で、その人の記憶にある場所のどこかで」
 彼女はそっと目をそむけると、今回の中心となっている強化人間の話をする。
「まず皆に接触して欲しいのは強化人間のおじいさん。……つまり、開発初期の強化人間ね。その人はこれまでも色々な後遺症に苛まれていたんだけど、今回はスナーク症候群を併発してしまって、それで」
 そこまで言って彼女は口をつむぐ。孤独な老人の所まで己の妄想の内容を問えと言う事は分かる。しかし、それは大きな負担を老人にかけるという事でもある。
「多分敵の居場所を聞くだけなら、猟兵ならいくらでも方法はあると思うの。でもできればこの人の言葉に耳を傾けて欲しいの。……もし良かったら、お願いね」


西灰三
いつもお世話になっています。
西灰三です。
今回はヒーローズアースの猟書家の依頼をお送りします。

このシナリオの第一章ですが、強化人間の老人から以下の事を問われます。
「もし戦い終えた後、自らを出迎える者がいなかった時、どう思うか」
返答があればプレイングにお書きください。なお第一章につきましては採用人数が少なめになると思われます。

第二章はスナーク症候群が相手のボス戦です。

以上です、それではよろしくおねがいします。
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第1章 日常 『具現化した病の居場所を探れ』

POW   :    強化人間を悩ませる幻影を打ち消すよう、力強く元気づける

SPD   :    強化人間の負担にならないよう、言葉巧みに話を聞き出す

WIZ   :    強化人間の過去を調べ、その話を聞く

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李・蘭玲
帰還者の自責と苦悩
私も覚えがありましてね、僭越ながら少々お節介を焼きますよ

全てが終わり、出迎えがなかったとき?
私もかつて路上孤児だけの部隊で育ちましてね
捨て駒同然で戦い続けて帰還したのは私だけ
“幼い同志達”が呼ぶのですよ…早くお前も来いと、今も手招きされていますよ
それが私の答えでしょうか、あなたはどうです?

と身の上話を交えつつ警戒を解きます
それから聞きましょう

あなたの余生はあなたのモノです
しかしここはあなたの精神に介入する者が創った夢幻
ここで絶えることはあなたの仲間も望みませんよ

後悔なき人生のために、敵の居場所を教えてもらえますか
気遣いは無用にて、私は同志に聞かせる土産話を沢山用意しませんとね


ミハイル・グレヴィッチ
相手は老人とはいえ実戦経験者なんだ。丁重に扱わなきゃな。

なぁアンタ、かつては国の為に戦ってきたんだろ?立派だぜ、大したモンだ。
それが戦争が終わった途端、民衆は掌返して国に尽くしたアンタに冷たく当たってきた。無責任な連中だぜ。ま、民衆なんてそんなモンかもしれねぇが。
俺も似た様な経験して来たからわかる。祖国で従軍し戦い、戦場での過酷な現実ってヤツを理解している。だから、俺はアンタを心から尊敬する。

(老人の質問に対し)
俺は傭兵なんてやくざな職業だ。恐らく碌な死に方はしねぇ。少なくともベッドの上で、は無理だな。恐らく、泥に塗れてのたうち回って誰にも看取られず1人で死んでいくのが関の山だ。それでいいさ。


灯璃・ファルシュピーゲル
WIZ:事前に傷痍軍人会に接触し当時の戦況や国民との軋轢を情報収集

当日は階級章は外し昔居た部隊章のみをつけ訪問
堅苦しくない程度に敬礼してから手土産に持参した珈琲を
一杯如何ですか?と勧めます

相手が元軍人ある事に敬意を払い
率直にある事件に関連して話を聞きたい旨を隠さず伝えます

こんな若輩ではと思われるかも知れませんが…
場所は違えど守る誓いを立てた先達であり
国民を憎みたく無くて耐えている貴方だからこそ話をお聞きしたいんです

様子・口調から特に強い想いがある部分を把握しておき
事前に収集した情報とも照らし合わせます

…きっと寂しいですね。だからこそ同じ様な人を
「よくやった」と迎えて上げられる人間になりたいです




 灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)が日差しの入りにくい路地の真ん中で、古いアパートメントと手元のメモを見比べて確かめている。彼女はメモをしまい、ペンキの剥がれている扉を開けて狭い階段を登っていく。部屋番号を頭の中で反芻しながらきしむ床板の上を行くと、見知った顔がノックをしようとしていた。彼も彼女の顔を見ると手を挙げる。
「よお」
「私より前に来ているとは思いませんでした」
「相手は実戦経験者なんだ、これくらいの礼儀は払わなきゃな」
 ミハイル・グレヴィッチ(スェールイ・ヴォルク・f04316)はそう言って肩を竦める。そして改めて扉を叩くと中から声がする。
「誰だ?」
「アンタにちょいと用があって来たもんだ、ああ、新聞の契約とかじゃない」
「鍵は開いている、勝手に入れ」
「失礼します」
 灯璃とミハイルが足を踏み入れると同時に老人が呟く。
「軍人か。手当の打ち切りにでも知らせに来たか?」
「いや傭兵……今は猟兵として来たのさ」
「珈琲を持ってきました、一杯どうですか?」
「いらん」
 ミハイルが目を見開いて灯璃を見る。彼女はテーブルの上に隙間を作ってから紙袋を置く。そんな二人を見て老人は口を開いた。
「猟兵……か。近所のガキどもが騒いでいたな。世界の傷と戦うとか」
 老人は窓の下を見ながら呟く。そこでは子供たちがヒーローの真似事をして遊んでいた。
「……夢の事か」
「はい、今日はその事をうかがうために参りました」
 二人は話す気が無さそうな狷介な老人に言葉を投げかける。
「なぁアンタ、かつては国の為に戦ってきたんだろ? 立派だぜ、大したモンだ」
 猟兵の、傭兵の言葉に老人は振り向かない。
「それが戦争が終わった途端、民衆は掌返して国に尽くしたアンタに冷たく当たってきた。無責任な連中だぜ。ま、民衆なんてそんなモンかもしれねぇが」
 ミハイルはそれでも構わず言葉を続ける。
「俺も似た様な経験して来たからわかる。祖国で従軍し戦い、戦場での過酷な現実ってヤツを理解している。だから」
「分かるものか」
 冷たい老人の言葉がミハイルの言葉を遮る。言葉に詰まる彼の代わりにと灯璃が口を開く。
「こんな若輩ではと思われるかも知れませんが……、場所は違えど守る誓いを立てた先達であり、国民を憎みたく無くて耐えている貴方だからこそ話をお聞きしたいんです」
「……あれを殺すためにか」
「はい」
 老人は軽く二人に視線を向けてから、すぐに戻す。
「……なぜ戦う。戦い勝ったとしても人々がお前達を祝福するとは限らない」
 それまで押し黙っていたミハイルが口を開く。
「俺は傭兵なんてやくざな職業だ。恐らく碌な死に方はしねぇ。少なくとも爺さんみたくベッドの上で、は無理だな」
「それでいいのか」
「ああ。それでいい。泥に塗れてのたうち回って誰にも看取られず1人で死んでいくのが関の山だ。それでいい」
 老人は少しだけ目を細めると灯璃を見る。
「お前はどうだ」
「私は……きっと一人で死ぬのは寂しいですね」
「………」
「だからこそ同じ様な人を。「よくやった」と迎えて上げられる人間になりたいです」
「……女だな。あんたみたいな者が戦うもんじゃない。男女平等とかクソ喰らえだ」
「まあ良いじゃありませんか、選択肢があることは悪いことじゃありません」
 突然別の声が背後からかけられた事に対し灯璃とミハイルが懐に手を入れながら振り返る。
「いい反応ですね。でも私もあなた達と同じ目的でここに来たので安心してください」
 李・蘭玲(老巧なる狂拳・f07136)は二人に銃を収めさせると老人に問いかける。
「帰還者の自責と苦悩。……私も覚えがありましてね、僭越ながら少々お節介を焼きに」
 老人はフンと鼻を鳴らして蘭玲を見る。
「硝煙と、何より鉄臭い。……まともな生き方してこなかったな」
「ええ。まずは私の身の上話から始めましょうか」
「好きにしろ」
「ええ、好きにします。あ、あなたコーヒー入れてくださる? そちらの殿方はお湯を沸かして?」
 自然な動きで二人を顎で使い、キッチンに向かわせると彼女は椅子を引いて話し始める。
「私もかつて路上孤児だけの部隊で育ちましてね。……捨て駒同然で戦い続けて帰還したのは私だけ」
「貧しい国ならよくある話だ」
「ええ、本当にありふれた話。ですがその中で生き残ったのは私だけ。……“幼い同志達”が呼ぶのですよ……早くお前も来いと、今も手招きされていますよ」
 灯璃から双方にコーヒーが手渡され、ミハイルがついでに自分と灯璃の分も用意している。二人は湯気を立てるカップを手に二人の会話に耳を傾けている。
「……それが私の答えです、あなたはどうです?」
「何故手招きに応えない?」
「それは貴方が答えてから答えましょう」
 コーヒーの湯気を揺らせて彼女は返す。老人はコーヒーカップに映る自分の顔を見ながら観念したように言葉を吐く。
「私は……国の為になんか戦っていなかった。自分の為に志願した」
 再び老人は外の子供達を見る。
「お前達はヒーローを理解しているか。力の無い者達からの羨望を。……私はそれが欲しかった。そして手に入れてはしゃぎまわった。まるで新しい玩具を手に入れた子供のように」
 黒い表面が揺れ、写った老人の顔も散り散りになる。
「私は知らなかった。手に入れるということは、持たなかった自分を捨てる事だと。……この国では人を越えようとする者を受け入れないという事が理解できなかった。それが、このザマだ」
 老人の皺の浮いた手がカップを強く握る。
「あれは……私の故郷に向かっている。この国のどこにでもあるような田舎町だ」
「その夢幻から覚める時が来たのですよ。何も忌まわしい記憶ばかりでは無いでしょう」
 蘭玲は彼の手にあるカップを指し示してから立ち上がるとドアに向かって歩き出す。
「そうそう先程の答えですが。同志に聞かせる土産話を沢山用意するためですよ」
 そう言い残し部屋を出ていく彼女を見送ると、灯璃とミハイルも老人に一言残しその後を追おうとする。しかし、その前に老人が呼び止めた。
「待て」
「なんでしょうか」
「……このコーヒーと、この世界。世話になった、感謝する」
 老人はカップの中身を飲みそう言った。
「これからアンタの故郷も救ってくるさ」
 灯璃とミハイルは笑みを浮かべて背を向けて部屋を出る。その頃には太陽は中天にまで登ってきており、裏通りにも日光が差していた。
「……大分、寝坊していたようだな」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『スナーク症候群(シンドローム)』

POW   :    ブーステッド・キリング
【バールのようなもの】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD   :    クルーエル・スパインズ
【有刺鉄線】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【自己を形成する要素】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    スナーク・リアライズ
攻撃が命中した対象に【「スナークが実在するのでは?」という疑念】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【姿の見えない「怪物スナーク」】による追加攻撃を与え続ける。
👑11
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『本部へ応答願う。住民の通報通り怪物がスーパーマーケットの駐車場に現れ破壊行動を行っている』
『了解。何か必要なものはあるか』
『付近住民の避難に当たる人員と、特殊部隊を。我々の装備では時間稼ぎも難しい』
『分かった、すぐに手配する。州兵にも協力の打診を仰ぐ。応援が来るまでなんとか持ちこたえてくれ』
『頼んだ。……クソ、ついでに救急チームも呼んでおいてくれ。ヒーローだのなんだの言ったって田舎町には来やしねえ』
 そこでは実体化したスナーク症候群が鈍器を振り回し暴れていた。しかし猟兵達はここにいることを知っている。ならばやるべきことは一つだろう。妄想を今一度無に返すだけだ。
ミハイル・グレヴィッチ
SIRDの面々と共に参加

悪夢ってのは、時に現実から人を救う事がある。不快な過去が現実をより素晴らしく見せる事が、な。とはいえ、こっちが現実になっちまったんだから仕方がねぇ。
さて、そんじゃ悪夢とご対面といこうぜ。

(付近の警官に)お前らじゃ歯が立たねぇ相手だろうし、第一邪魔だ。大人しく俺らに任せて引っ込んでな。

UCを使用して弾幕射撃を展開して他の仲間を援護。当たらなくても、動きを止めるくらいの効果はあるだろ。無論、こちらも常に射撃ポジションを変えていく。

やってるコトはワイルドだが、なかなか美人のお嬢ちゃんだ。ま、フェイスレスなのが玉に瑕だが。でもな、悪夢ってのは最後にゃ覚めるモンだぜ。

アドリブ歓迎


亞東・霧亥
SIRDで共闘

長閑な田舎町が、戦闘で被害が拡大するのは避けたい。
ミハイルの弾幕射撃を利用して準備に取り掛かる。

【UC】
SIRDのメンバーを模した人形を作る。
これは、攻撃を受けると破裂して『敵の行動を阻害する神経ガスを撒く』仕掛け罠のため、表情や躍動感なども含めて非常に精巧である。
弾幕射撃で発生する土煙に紛れて[参加メンバー×2]体を設置する。

・目立たない、残像、不意打ち、暗殺
鈍化した敵の死角から奇襲を仕掛け、1体ずつ確実に仕止める。

「チームプレーだから欲張ったり、無茶をする必要も無い。」


李・蘭玲
失って初めて気付く尊さもある
…平穏な街では最も知り難い道理なのでしょうね

防衛隊は市民の避難優先で支援要請
アレの相手は骨が折れますよ

全く…年寄りが必要なほど猟書家は人材不足で?
爺婆にも就職先を選ぶ権利はありますよ

被害拡大を防ぐ意味でも肉弾戦と参りますか
悪い子には拳骨が必要ですし、発勁を込めた拳なので銃より痛いですよ?
●グラップルの要領でバールは受け流しつつ、肘打ちや当て身で牽制
友軍の銃撃には巻き込まれないよう注意をば

体勢を崩されたか●捨て身の一撃でよろめかせて
●鎧無視●衝撃波をさらに上乗せした発勁と拳(UC)を叩きこんでやります

今日は“同志達”が特に騒がしい
土産話はそっちにいくまで待って下さいな


ラムダ・マルチパーパス
【SIRD】の皆様方と共に行動

増援要請を受けて参着致しましたが…彼女が今回の目標でしょうか?
妄想等が具現化する、いわゆるスナーク症候群ですねぇ。しかし、あんな華奢な体格で滅茶苦茶してますが、何か彼女とこの場所、そして彼女を具現化させた老人とやらに何か関連があるのでしょうか?

とりあえず、彼女に接近してUCを発動。相手の攻撃を一身に受けつつ各種搭載火器での反撃を試み、同時にSIRDの皆様方が攻撃し易い様にします。いわば、囮という訳で。
いやはや、美少女がバールを振り回している姿は、なかなか絵になりますねぇ。何しろ、バールは最強と目されている武器ですから。ところで、顔がないのに美少女とはこれ如何に?


灯璃・ファルシュピーゲル
【SIRD】一員で連携

大先輩が信じて話してくれたんですから…
御期待には応えないといけないですよね

ミハイルさん達に向けた笑顔から仕事の顔に戻りつつ
まずは仲間の制圧射撃にタイミングを合わせ
相手の注意が逸れた所で指定UCで狼達と霧を召喚しつつ
地元治安要員に接近し保護

霧壁で敵の視界を阻み、狼達を囮・足止めに四方から断続的に襲撃させ
味方が隙を突き易いよう支援すると同時に要保護人員に避難指示

指示後はUC:オーバーウォッチを使用
動き回りながら味方の囮攻撃・火力支援で
敵の注意が逸れた所を武器を持つ腕・足関節狙いで確実に
狙撃(スナイパー・鎧無視攻撃)し相手の攻撃と動きを
徹底して削いでいくよう戦います

アドリブ歓迎




 警官達が実体化したスナーク症候群相手に何度も引き金を引いている。しかしあくまで彼らの持つ火器は対人を想定したもの。超常的な力を持つヴィラン相手には想定していない、それでも構わず時間を稼ぐために彼らは銃を撃つ。しかしその背後から一言声がかけられる。
「遅くなりました。アレの対処はお任せを」
 そして真っ直ぐに敵に突っ込むのは李・蘭玲(老巧なる狂拳・f07136)。スナーク症候群と相対した彼女はその移動の勢いを載せた拳をスナーク症候群の腹に叩き込み他の猟兵が焚いたスモークの中へと吹き飛ばす。
「来ました、作戦を開始します」
 煙幕を焚いたのはラムダ・マルチパーパス(ドロイドは電気羊の夢を見たい・f14492)、彼女はその中心に陣取り既に装備と防御フィールドの準備を終えている。そしてその周りは幾つかの人影も見える。スナーク症候群はそれらの人影とラムダに対し有刺鉄線を伸ばして攻撃する、しかしラムダの方はそれをフィールドで弾き人影は爆ぜた。
「かかった。次のレベルへ作戦を移行」
 仕込んだのは亞東・霧亥(峻刻・f05789)。ラムダや彼を含むSIRDの面々は自体の収拾の為にこちらに来ていた。
「後は俺達に任せな。お前らじゃ歯が立たねぇ相手だろうし、第一邪魔だ」
「猟兵か。ハッ! 怪物殺しのプロかも知れないがこっちは治安維持のプロだ。流れ弾で周り壊すなよ」
 ミハイル・グレヴィッチ(スェールイ・ヴォルク・f04316)に厳し目のオーダーを返して、警官は状況の変化を無線で伝える。煙幕が薄くなると同時にミハイルは機関銃の銃口を敵へと向ける。
「大先輩が信じて話してくれたんですから……御期待には応えないといけないですよね」
 同じように銃器を敵に向けた灯璃・ファルシュピーゲル(Jagd hund der bund・f02585)も表情が引き締まったものへと変わる。二人は引き金を引いてラムダと交戦状態にあるスナーク症候群に弾丸を浴びせる。その敵を間近で見ながらラムダは思う。
(「こんな華奢な体格で滅茶苦茶してますが、何か彼女とこの場所、そして彼女を具現化させた老人とやらに何か関連があるのでしょうか?」)
 同じSIRDのメンバーからの報告は受けている。何らかの関連がある事は違いないだろうが、それは明確に示されたものではない。その間にもその彼女はガンガンとフィールドを叩き壊さんとバールのようなものを叩きつけている。
「いやはや、美少女がバールを振り回している姿は、なかなか絵になりますねぇ。何しろ、バールは最強と目されている武器ですから。……おや?」
 ラムダへの攻撃が埒が明かないと感じたのかスナーク症候群は踵を返すと、自分に銃弾を打ち込んでいるミハイルと灯璃に駆け出す。狙いを変えるつもりらしい。
「霧と狼よ!」
 灯璃が召喚したそれらをスナーク症候群は手にした鈍器で振り払いながら突き進んでいく、しかしその足を止めるのはいつの間にか近づいていた霧亥。彼は音もなく敵を背後から切りつけて隙を作る。
「チームプレーだから欲張ったり、無茶をする必要も無い」
 即座に彼が離れると狼達がスナーク症候群に食らいつく。合わせて召喚者自身も銃を改めて撃つ。無論ミハイルも同じく。
(「悪夢ってのは、時に現実から人を救う事がある。不快な過去が現実をより素晴らしく見せる事が、な」)
 暴れる銃を抑え込みながらミハイルは思う。目の前の悪夢はそこから這い出た怪物に過ぎないが。ミハイルはその相手の顔を見る。
「やってるコトはワイルドだが、なかなか美人のお嬢ちゃんだ」
「顔がないのに?」
「そこが玉に瑕ってやつだ。そろそろ悪夢も覚めるときだぜ?」
 ラムダからの回線越しの指摘に返しつつミハイルは銃を撃ち続けている。勿論ポジションを変えながら。……しかし、ジリジリと距離を詰めてきている事に気づいた。
「頑丈だな」
「効いてない? それこそスナークとでも言うのでしょうか」
 霧亥と灯璃が呟くと同時に彼らを衝撃が襲う。それは様子をうかがっていた蘭玲にもだ。
「……今日は“同志達”が特に騒がしい。土産話はそっちにいくまで待って下さいな」
 彼女は膝のモーターに力を込めるとバネ仕掛けのように飛び出した。
「全く……年寄りが必要なほど猟書家は人材不足で? 爺婆にも就職先を選ぶ権利はありますよ」
 銃弾の嵐を掻い潜りスナーク症候群を捕まえると、盾のようにスナーク症候群を銃撃の固定する。
「悪い子は大人しくする時間ですよ」
 その陰で蘭玲は拳骨を握り敵から手を離すと、『気』を込めてそのままスナーク症候群へと叩きつける。空気とアスファルトに衝撃が広がりそしてその中心である妄想体も爆ぜて塵となった。

 怪物が去り現地の警察との情報交換が終わった後、蘭玲はふと周りの田舎町の光景を見回した。
「失って初めて気付く尊さもある。……平穏な街では最も知り難い道理なのでしょうね」
 そして彼女はこの場を離れ、しばらくしてのちにこの場所は平穏を取り戻すのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年12月18日


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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ネミ・ミミーニーズです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト