合コンアイドルを守れ!
●グリモアベースにて
グリモアベースの壁に漆黒の蔣船(クリスタルシップ)がオブリビオンへとビームを照射している映像が映し出された。
「キマイラフューチャーで、猟書家、予知、した、です」
グリモア猟兵のアリス・トゥジュルクラルテ(白鳥兎の博愛者・f27150)が説明を始める。
「猟書家、名前は、ミズ・ルチレイテッド。彼女は、オブリビオンを、宇宙怪人に、改造、して、バーチャルキャラクターの、男女混合の、アイドルグループの、合コンアイドルを、誘拐、させる、です」
合コンアイドルという聞きなれない言葉に集まった猟兵たちは困惑して顔を見合わせた。しかしその間もアリスは淡々と説明を続ける。
「宇宙怪人は、アイドルたちを、誘惑、して、蔣船に、連れて、行く、です。そこに、転送、する、ので、アイドルたち、助ける、して、怪人、倒す、して、ください。そうしたら、ルチレイテッドさんも、出て、くる、思う、です」
そこで一息つくとようやく猟兵たちの疑問に気づく。
「合コンアイドルの、こと、です? 合コンを、推奨、する、アイドル、です。自分たちも、合コン、相手、募る、して、合コン、してる、ところを、生配信、してる、です。実際に、それで、恋人、なった、一般人、いる、みたい、ですよ。今、人気、急上昇中、らしい、です」
会えるアイドルどころか恋人になれるアイドルというわけだ。それならば確かに人気が出るのもうなずける。しかしそれはそれで問題が起きそうな気がしなくもない。だが何はともあれ今は猟書家だ。
「ちなみに、アイドルたちは、恋の、話、好き、なので、そういう、話、しながら、戦う、したら、応援、して、もらえる、思う、です。宇宙怪人も、なぜか、そういう、人を、優先、して、狙う、みたい、なので、囮に、なれる、かも、です。ただ、改造、されて、強い、なってる、ので、彼女の、誘惑、乗る、したら、すぐに、戦闘不能、される、ので、気を、つける、ください」
宇宙怪人は一見はかなげな兎のキマイラだが油断すればその脚力で一気に勝負を決められてしまう。
「だから、恋バナ、です! イチャイチャ、でも、いい、ですよ? 今の、恋、でも、過去の、恋、でも、まだ、恋、する、ない、人は、理想の、恋の、話、でも、何でも、いい、ですよ! 頑張る、ください!」
アリスも話を聞きたそうにしながらも猟兵たちを戦場へと転送したのだった。
彌厘
これは2章で完結する幹部シナリオです。
ラブコメ依頼です。ラブコメプレイングください。シリアスでもいいけど、他の方のリプレイとの温度差で風邪引かないようにご注意ください。
リプレイの執筆は2章通して、土日の2日間で行います。なのでプレイングは、木曜8:31~土曜13:00まで募集します。期間外に頂いたプレイングはすべて不採用になりますので、お気を付けください。間に合うようでしたら、期間内に再送して頂けましたら採用します。
1章のプレイング受付期間は12/10(木)8:31~12/12(土)13:00までです。2章や1度の募集では成功度が足りなかった場合のプレイング受付期間はマスターページ(マスターの名前から開くマスターの個人ページ)の冒頭とタグをつけてお知らせします。
ちなみに1章の宿敵はもう一人のグリモア猟兵の宿敵です。アリスの宿敵ではありません。
それでは、素敵なプレイングお待ちしています!
第1章 ボス戦
『医学者夫人ピュルテ・トゥジュルクラルテ』
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POW : 邪魔をするなら……消えて。
【相手を魅了した後、両足を変化させた兎の脚】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : 皆、わたしの言うこと聞いてくれる……?
いま戦っている対象に有効な【魅了して虜にした者】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ : ……わたしを愛して。
【魅了】を披露した指定の全対象に【彼女を愛し、彼女の願いを叶えたいという】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
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「ピュルテ様!」
「お姉様!」
キマイラフューチャーへとやって来た猟兵たちが見たのは蔣船に兎キマイラとアイドルたちが乗り込もうとしている所だった。慌てて彼らの間に割って入る。
「誰だ君たちは?!」
「わたしたちはお姉様と一緒に楽園へ行くんです! 邪魔しないで!」
どうやらアイドルたちは宇宙怪人にすっかり魅了されているらしい。
「……邪魔をしないで、猟兵」
ピュルテと呼ばれた宇宙怪人が静かな声で言う。その悲しげな赤い瞳には夜空のように星がきらめいていた。
アイドルたちを正気に戻すには本物の恋を思い出させるしかないかもしれない。すなわち恋バナもしくはイチャイチャである。
さあ猟兵たちよ。彼らに本物の恋を見せつけつつ宇宙怪人となったピュルテ・トゥジュルクラルテを退けるのだ。
セプリオギナ・ユーラス
【温度差上等(風邪準備)】
ころり、と転がる◆正六面体
(恋バナとは?)
色恋なぞ自分には全く無縁のものと思っていたが、最近なにかと考えさせらる事柄ではある。
そも恋愛とは。恋に落ちる、とは。
“自身の感情によって起きる当人にすら不可抗の価値観の書き換え”である。……魅了などの外部的圧力から他者に強制されるものでは、決して、ない。
「邪魔をさせていただきます」
知人の面影を見るのも忍びないオブリビオン〈過去〉を睨む
──過去は、ここ〈今〉に在ってはならないものだ
「骸の海へお還りください」
方針)UCで付近のアイドルと相手を無力化
可能なら殺戮刃物で攻撃を試みますが他の方の邪魔にはならないよう隅っこで大人しくします
神咲・七十
アドリブ・連携お任せ
恋バナ・・・イチャイチャ・・・
どうしましょう、来たはいいけどよく分からないです。
う~ん、知り合いに「イチャイチャしやがって」と言われた時の事とかでいいのでしょうか?
その時は、好きな人と一緒にいて、抱き締めて貰えてとっても嬉しくてぽわぽわした感じになったんです。それで思わずキスをおねだりしたら、最初はとっても優しくしてくれてたんですけど、その後段々と・・・
(そんな話をしてたらだんだんと恥ずかしくなって顔を赤くしていって、限界を迎えそうになってるところを襲われそうになったが、照れ隠しの要領でUC『制約:独裁者』を使用した一撃を見事にクリーンヒットさせて、撃退できた。かも)
●温度差注意
「どいてくれ!」
「ピュルテさんはあたしのものよ!」
すっかり魅了されてしまったアイドルたちを前に神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)は悩んでいた。
「恋バナ……イチャイチャ……。どうしましょう、来たはいいですけどよくわからないです」
七十は記憶喪失のためか恋バナというものがいまいちどういうものか理解していなかった。一緒に転送されたセプリオギナ・ユーラス(賽は投げられた・f25430)の方をちらりと見やる。
彼は正六面体姿でころりと転がった。それだけだ。恋バナをしそうな雰囲気は全くない。
どうやら七十が話すしかなさそうだ。
「うーん、知り合いに『イチャイチャしやがって』と言われた時のこととかでいいのでしょうか?」
騒いでいたアイドルたちの動きが止まった。そして七十をじっと見つめる。どうやら興味を持ってくれたようだ。
「その時は、好きな人と一緒にいて、抱きしめてもらえてとっても嬉しくてぽわぽわした感じになったんです。それで思わずキスをおねだりしたら、最初はとっても優しくしてくれたんですけど、その後段々と……」
話しながら徐々に白い肌が赤く染まっていく七十。
「くーっ! うらやましい!」
「それから、それから?!」
アイドルたちの魅了は解けたようで七十の話に夢中になっていた。
しかし当然ピュルテがそれを放っておくはずもない。彼女は少し険しい表情になって七十の背後に迫る。
「そ、その後は……言えません!」
七十はそれに気づいていなかった。アイドルたちに話の続きをせがまれて羞恥心が限界を超えていたのだ。照れ隠しでユーベルコードを発動させて全身を黒く暗いオーラで覆って顔を隠した。
しかしこのユーベルコード『制約:独裁者』はオーラを出すだけではない。戦闘力も増強される。
そのため七十の淫魔のような先端がハート型の尻尾が偶然ピュルテを打っただけでも相当な攻撃力だった。
思わずピュルテはよろめいた。だがそれでも再び七十を狙おうと体勢を立て直す。
「邪魔をさせていただきます」
ころり。正六面体がピュルテの前に転がり出た。
「……あなた、医者?」
ことり。ピュルテの言葉にセプリオギナは傾く。まさかこの姿で医者だと見抜かれるとは考えていなかった。
「ええ。わたくしは医者でございます。何故お気づきになられたのでしょう?」
「……医者の匂いがしたから。それと」
ピュルテは何かを言おうとしたけれど口をつぐんだ。長い沈黙の後に首を横に振る。
「……いいえ。何でもないわ」
彼女は目をつむり深いため息をついた。目を開くと同時に地面を蹴ってセプリオギナの目の前まで跳ぶ。赤い悲しげな瞳が彼を捕らえた。
「……わたしを愛して」
――彼女を愛したい。彼女を救いたい。その瞳をずっと見ていたい。けれどその瞳は知人の少女とうり二つだ。
「――っ」
セプリオギナは魅了されていると気づき我に返る。そして全身から何も見通せない漆黒の霧を放出し相手のユーベルコードを無力化した。
「……そも恋愛とは。恋に落ちる、とは。『自身の感情によって起きる当人にすら不可抗の価値観の書き換え』でございます。……魅了などの外部的圧力から他者に強制されるものでは、決して、ありません」
知人の面影のある彼女を見るのは忍びなかった。それでもセプリオギナはオブリビオンたる彼女をにらんだ。
「骸の海へお帰りください」
霧の中から現れた彼は人型の白衣を着た男性の姿だった。手には殺戮刃物。それをピュルテの胸に突き立てた。
「ぎ……っ!」
ピュルテはよろめき数歩後ずさる。正六面体に戻ったセプリオギナをにらんだ。顔をゆがめつつも胸に刺さった刃物の柄を握りしめる。
「感情、による……価値観の書き換え……そうね。だから、あの人は……そうは、ならなかった……っ!」
彼女は刃物を引き抜くとその辺に投げ捨てる。そして青いドレスを紅く染めながら悲しみが深まった瞳で再び油断なく猟兵たちを見つめた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ケイラ・ローク
トーゴ(f14519)と
最近サムライエンパイアで殺伐と頑張ってるらしいキミをキマフューにご招待よっ♪
恋バナよ恋バナ、恋の話!
有るでしょキミにはそう言う思い出が!
お師匠様とのBLは結構ですので~
そう幼馴染みの、女の子の話!
なんならユキエちゃんでもいいわ
トーゴはもしユキエちゃんが人間だったらどうする?結婚する?
あっ
ところであの人が敵よ敵…(そっと指さし)
年上好みで獣耳が好きなキミにはストライクかしら♥でも魅了されちゃダメよ?
やだ~知らない人の言うことなんか聞くわけないでしょ♥
あたしはトリプルキマイラで巨大猫又に変身して爪と牙で攻撃するわ
野性的に!
そのあとビックリ針鼠になって手に刺さって驚かせちゃう
満月・双葉
アドリブ歓迎
連携可能
んん、似てますね
となると…まいっか
医者らしく病巣は切除しましょうか
何かそれらしいの話せば良いのですかね?
まぁ、あれを恋と言えるなら?
ただの気の迷いのような気もしますけど、それでもその時は命すら捧げる気で居ましたよ
師匠と二人で旅してましたんでね?
男なんてものがそれしかいないと美化もしてしまいましてね?
子供の世界なんて狭いもんですから
ただの世話焼き苦労背負い込み壁のあるプー太郎ですんで、今思えば何で師匠なんかに……
あっ口が滑った
なら仕方ない
【野生の勘】で回避をかけつつ
そのへんを【爆撃】して粉塵を撒き散らす等して撹乱
光の弓の【弾幕】で乱し
取り敢えず耳切って焼いて食って消化するか
鹿村・トーゴ
ケイラ(f18523)と
…ご招待!って猟書家絡みだぜ?のんきだなー
…合コン?あーハイ集団見合いみたいな?
コイバナ?あーハイハイ恋の話ね
Σってオレかよ
見てわかるだろそんな色っぽい話ねーよ
だから~師匠とは恋仲じゃねーつーの
幼馴染みの…?ミサキか…
……(思い出に浸る)
色恋気付くにはガキ過ぎたよなァ
神社の末っ子でな
ただの村娘じゃねー
喧嘩っ早いクセに泣き虫で
髪を耳に掛ける仕草が可愛くて
…(中断されジト目)何でユキエ?
そりゃ溺愛してるけどユキエは相棒で鳥だし(ユキエが拗ねた)
Σあーもォ話飛ぶ奴だなー
…!
いやあの兎の熟女さあ
ストライクとかでなくて見た事あるよーな
なんかあの子に似てるし
UC虚蜂で牽制
アドリブ可
●初恋の話
「んん、似てますね」
白い胸と青いドレスを血で染めたピュルテを見て満月・双葉(時に紡がれた人喰星・f01681)は独り言ちた。
「となると……まいっか。医者らしく病巣は切除しましょうか」
表情の乏しい双葉に対してピュルテは鼻をひくつかせると顔をしかめた。
「……少し医者の匂いがする。それに……」
「最近サムライエンパイアで殺伐と頑張っているらしいキミをキマフューにご招待よ♪」
ケイラ・ローク(トパーズとアメジスト・f18523)の明るい声が重い空気に水を差した。
彼女に引っ張られてやって来た鹿村・トーゴ(鄙村の外忍・f14519)は苦笑で返す。
「……ご招待! って猟書家絡みだぜ? のんきだなー」
「だって合コンアイドルよ?」
「合コン? あーハイ集団見合いみたいな?」
「それに恋バナよ恋バナ、恋の話!」
「コイバナ? あーハイハイ恋の話ね」
「有るでしょキミにはそういう思い出が!」
「ってオレかよ」
双葉はあっこれわざわざ恋の話しなくても済みそうかな? とケイラとトーゴの様子をうかがっている。
少し後ろに下がっている合コンアイドルたちもトーゴに期待の目を向け始めた。
そんな周りの様子にトーゴは困った顔で頭をかく。
「見てわかるだろ、そんな色っぽい話ねーよ」
「いやいや、有るのはわかってるのよ! そう、幼馴染の、女の子の話!」
「幼馴染の……? ミサキか……」
それはトーゴの初恋の相手の名である。もう亡くなってしまった少女だが目を閉じれば今でも鮮明にあの明るい笑顔が思い出される。
「なんならユキエちゃんでもいいわ」
思い出に浸っていたトーゴにはケイラの言葉は聞こえていなかった。
「……色恋に気づくにはガキ過ぎたよなァ。神社の末っ子でな。ただの村娘じゃねー。けんかっ早いクセに泣き虫で、髪を耳にかける仕草が可愛くて」
「トーゴはもしユキエちゃんが人間だったらどうする? 結婚する?」
トーゴに無視されたことが気に障ったのだろうか。彼の話を遮ってケイラは大きな声でトーゴに尋ねた。
話を中断させられたトーゴはジトっとした目でケイラをにらんだ。
「……なんでユキエ? そりゃ溺愛してるけどユキエは相棒で鳥だし」
ユキエと呼ばれた白いオウムは今日もトーゴの肩に乗っていた。しかしトーゴの言葉に不機嫌そうに彼の頭をくちばしでつつく。
(話がそれたなぁ。私も話した方がいいんだろうか)
そう思った双葉はちらりと宇宙怪人を見た。
すると彼女もこちらを見ていた。どうやらご指名らしい。
双葉は無表情でため息をついた。そして前に進み出る。
「何かそれらしいのを話せばいいのですかね? まぁ、あれを恋と言えるなら? ただの気の迷いな気もしますけど、それでもその時は命すらささげる気でいましたよ」
それはトーゴと同じく双葉の初恋の話だった。
「師匠と二人で旅をしてましたんでね? 男なんてものがそれしかいないと美化もしてしまいましてね? 子どもの世界なんて狭いもんですから。ただの世話焼き苦労背負い込み癖のあるプー太郎ですんで、今思えば何で師匠なんかに……」
言ってしまってから師匠が相手であるとわかる発言をしてしまったと気づく。せっかくぼかして話していたというのにこれでは台無しである。双葉は後ろを振り返った。
ケイラはピュルテを指さしてトーゴに耳打ちしている所だった。
「あの人が敵よ敵……。年上好みで獣耳が好きなキミにはストライクかしら♪ でも魅了されちゃダメよ?」
「……! いやあの兎の熟女さあ。ストライクとかでなく見たことあるよーな。なんかあの子に似てるし」
どうやら二人は双葉の話を聞いていなかったようだ。
双葉はほっと胸をなでおろした。しかし目の前の怪人は間違いなく話を聞いていたわけである。
「なら仕方ない」
双葉が首飾りに擬態した光の弓を巨大化させた瞬間にピュルテは一跳びで双葉に接近した。
だが双葉は師匠仕込みの野生の勘で後ろに跳んで魅了を回避する。追撃が来るかと身構えたが怪人は彼女を素通りした。
「そっちに行きましたよ!」
ピュルテが狙ったのはケイラだった。
「わたしの言うこと聞いてくれる……?」
「やだー知らない人の言うことなんか聞くわけないでしょ♪」
自分に魅了なんて効かないと考えて気にせず攻撃しようとした。しかし彼女はピュルテのユーベルコードを見誤っている。
「ケイラ、違う!」
ピュルテに召喚された魅了された一般人がケイラの背後に迫っていたのだ。トーゴがその男の首筋に手刀を入れて気絶させることで事なきを得た。
「ったく。気ィ抜くなよな」
トーゴの言葉にケイラはムッとした表情になる。
「キミにばっかりいいカッコさせないんだからね!」
ケイラは白虎のような巨大猫又に変身するとピュルテに跳びかかる。
ピュルテはそれを前方に素早く跳んで回避した。そして今度はトーゴを攻撃しようとする。しかし猫又から針ねずみに姿を変えたケイラが飛ばした針に手を刺され驚いて動きを止めた。
その隙にトーゴは七匹の大型蜂の霊を放ってピュルテの周囲を飛ばせる。
姿はなく羽音だけが聞こえる蜂にピュルテは警戒し動きをさらに鈍らせた。
そこに双葉の生命力を吸収する虹色のバラの形をした炎が放たれる。九十三もの炎の花を避けられるはずもなくピュルテは身を焼かれた。
「……あの子、たちに……」
燃え尽きる寸前にピュルテは何かを言おうとする。しかし迷った末に結局何も言わないまま口を閉じ骸の海へと還って行った。
「……あ。耳食べようと思ってたのに。食べ損ねた」
「食おうとしてたのかよ」
「野兎は美味しいらしいからね♪」
「いや、野兎じゃねえし」
「次はきっといい恋できるよ少年! 何ならわたしたちと合コンする?」
「余計なお世話だっての!」
何はともあれ宇宙怪人の脅威は去った。後は猟書家だけだ。
大成功
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第2章 ボス戦
『ミズ・ルチレイテッド』
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POW : インクルージョン・ウェポン
【掌から生成したルチルの弾丸】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : クロックパルス・イベイジョン
【水晶振動子を利用し、完璧なタイミングで】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : クリスタライズド・バレット
【10秒間の集中】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【透明化させたルチル弾】で攻撃する。
👑11
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宇宙怪人を討った猟兵たちは猟書家がいるであろう漿船へと乗り込んだ。
「全く……よくもやってくれたね猟兵。私の計画が水の泡だよ」
猟書家ミズ・ルチレイテッドは甲板で猟兵たちを待ち構えていた。
「頑張れ猟兵!」
「もっと恋バナ聞かせて!」
漿船の外に残っていた合コンアイドルたちの応援の声が聞こえてくる。
ルチレイテッドは悔しげな表情で猟兵たちをにらんだ。
「私だってエメラルドお嬢様とイチャイチャしたいのを我慢して任務を遂行しているというのに、恋バナをするなんて! 絶対に許さないぞ猟兵!」
おかしな発言が聞こえた気がしたがおそらく演技なのだろう。たぶん、きっと。
とにかく猟書家との決戦である。アイドルたちに応援されながらルチレイテッドを倒してキマイラフューチャーを守るのだ。
ケイラ・ローク
トーゴ(f14519)と
あっ猟書家!キマフューは一回真っ二つにされたのにまた狙ってくるなんて!
もうそれじゃあおうちに帰ってエメラルドお嬢様とイチャイチャしてくれたらいいのに…
仲良くしてるとこキマフューに配信したらウケると思うわよ
恋バナを語らうお嬢様と女性執事のアナタなら絵になる!
…って思わない?(合コンアイドルにも「どうかな?」って目配せ)
戦闘には自信のないあたし
サンウドオブパワーでトーゴや一緒に戦う猟兵のフォローをするね。歌唱とパフォーマンスも活用
(容姿とはかけ離れた甘くしっとりした声で一途な恋の歌を北欧の言葉で歌う)
武器のダガーと野生の勘、逃げ足、切断、ダッシュを活用して敵の攻撃をよけるわ
鹿村・トーゴ
オレの恋バナはもうネタ切れだが旅の合間に聞いた話ならあとで披露しよっか?(そう合コンアイドルに言って危険だしちょっと避難しててな、と)
何の計画してたんだかロクでもねー事だろーなァ
ン、なんかの演技?
『本性隠して余所の世界侵略するのは楽しいかよ猟書家さんよ?』
問いかけと同時にUC
召喚するタイミングを意識せずずらし避けられても【念動力】で妖刀を弾き再度【投擲】、追随して接近
手にしたクナイで斬り、刺す【暗殺/串刺し】
UCと攻撃混ぜ撹乱
さっきエンパイアで殺伐と…ってケイラに言われたけど
その通り
オレはねぇ敵って見定めた相手には容赦できねーのよ
アンタもボスの望みで動いてんならお互い様だ
殺り合うかね
アドリブ可
セプリオギナ・ユーラス
では、昔話でもいたしましょうか。
〈あるところに人間のことをたいそう好きなこどもと、
反対に人間のことが大嫌いなこどもがおりました。
どちらも人間ではありませんでしたが──ふたりの共通点は、人間に愛される自信がないことでした。
前者は愛することで愛されようと試み、後者は嫌うことで愛されなくても大丈夫な自分になろうとしました。
結果、前者は人々に愛され、後者は嫌われました。
……めでたくもなし、おもしろくもなし〉
恋慕の情とは元々一方通行なものです。ですが、もしそれに見返りを望むのならそれだけでは叶いません。それには覚悟が必要です。
お分かりですか?
方針)UCで敵を攻撃しつつ、アイドルのみなさんにはお話相手を。
神咲・七十
アドリブ・連携お任せ
なんか、ものすごい悲しいことを聞いてしまった気がしますね。
・・・実際に会ったことがないので、貴方のお嬢様ってどんな人か教えて貰えますか?
(UC『万花変生』を使用。素直に話してしまい、そのことに気付かなくする香りを出しながら、現状への愚痴とエメラルドの惚気話を聞きつつ、それ以外の重要そうなことも流れで聞いて)
ふむふむ、ちなみにどんな感じでいちゃつきたいのですか?
参考までに教えてください、実技込みで。
(心のガードを緩くする香りに変え、気づかれないように隷属させる植物を植え付けて、いちゃつきながらそのまま恋人にするように堕とそうとしてみる)
(大丈夫、旦那さまには許可貰ってるから)
●腐っても猟書家
キマイラであるケイラはルチレイテッドに対してご立腹の様子だった。
「あっ猟書家! キマフューは一回戦争で真っ二つにされたのにまた狙ってくるなんて!」
一方七十はルチレイテッドの言葉を聞いて少しだけ同情していた。
「なんか、ものすごく悲しいことを聞いてしまった気がしますね。……実際に会ったことがないので、あなたのお嬢様ってどんな人か教えてもらえますか?」
するとルチレイテッドは水を得た魚のように生き生きと話し始める。
「エメラルドお嬢様はクリスタリアンの最長老にして不老不死を手に入れてその美しさを永遠のものにしたとても聡明な方で、私も同じクリスタリアンだがお嬢様のエメラルドの肌はため息が出る程美しいしその聡明さはスペースシップワールドの皇帝にふさわしい完璧なお方だ!」
ここまでノンブレスである。
「そんなに好きならおうちに帰ってエメラルドお嬢様とイチャイチャしてくれたらいいのに……」
不機嫌そうにぼやいたケイラだった。だがこれは恋バナとして使えると気づきルチレイテッドに声をかける。
「お嬢様と仲良くしてるとこをキマフューに配信したらウケると思うわよ。恋バナを語らうお嬢様と女性執事のアナタなら絵になる!」
船のすぐ外に待機している合コンアイドルたちを振り返った。
「……って思わない?」
アイドルたちは瞳を輝かせて口々に言う。
「主従関係で禁断の恋……ありだと思います!」
「女性同士が好きな人もいるしね!」
「女子に挟まれたい奴は邪道」
アイドルたちは盛り上がるあまり船内に入ってきそうな勢いだ。
トーゴは苦笑して彼らにくぎを刺した。
「危険だしちょっと避難しててな。オレの恋バナはもうネタ切れだが旅の合間に聞いた話でよけりゃあとで披露するからさ」
するとアイドルたちは大人しくその場にとどまった。
一方七十とケイラはルチレイテッドと恋の話を続けていた。
「ふむふむ、ちなみにどんな感じでいちゃつきたいのですか?」
「そ、そんな……私はお嬢様にお仕えしている身。いちゃつくなど恐れ多い……!」
「え? でもさっきイチャイチャしたいって言ってたでしょ?」
ケイラのツッコミにルチレイテッドは首をブンブン横に振った。
「聞き間違いだ!」
「えー? そんなことないわよ」
「残念です。お嬢様とあなたはそういう関係ではないんですね。大好きな人といちゃつく時の参考にしようと思ったのに」
七十はそう言いながらこれ見よがしに手を自分の頬に当てた。その手の指には大切な人から贈られた指輪がはめられている。
「くっ……!なんて羨ましい!」
ルチレイテッドが悔しげに歯ぎしりする。
それを見て七十はユーベルコードを発動させた。だが。
「……あれ? 召喚されない?」
七十のユーベルコードは敗北感や屈服・服従の感情を相手に与えることで多種多様な未知の植物を召喚する。ルチレイテッドに敗北感を与えられたと思ってユーベルコードを使用したわけだ。しかしいくら待っても植物は召喚されない。
「……もしかして、本当に演技してますか?」
途端にルチレイテッドは歯ぎしりを止めた。今までの悔しげな様子が嘘のように微笑む。
「ご名答。さすがは猟兵ですね」
彼女は綺麗に一礼すると名乗りを上げた。
「ご挨拶が遅れました。私は猟書家幹部の一人、ミズ・ルチレイテッド。エメラルドお嬢様にお仕えする暗殺者です」
「暗殺者?! 執事じゃなかったの?!」
彼女の恰好から執事だと思い込んでいたケイラは驚きの声を上げた。
それにルチレイテッドはくすりと笑う。
「ええ。暗殺者だとわかる恰好をしていては意味がありませんからね」
「――うあっ?!」
唐突に悲鳴が上がる。そちらを見れば七十が地に膝をついていた。その両足から血を流して。
ケイラが慌てて駆け寄ろうとした。しかし野生の勘で危険を察知して逆方向に逃げる。彼女のすぐ横を見えない何かが通り過ぎた。
そしてその後ろに無言で佇んでいたセプリオギナの上辺を何かがかすめる。
ルチレイテッドの透明なルチル弾による攻撃だった。
「申し訳ございません。あまりにも油断していたので、うっかり攻撃してしまいました」
先程までの緩い空気は微塵もなくなっていた。
そんな中口火を切ったのはセプリオギナだ。
「では、昔話でもいたしましょうか」
(この状況で?)
ケイラとトーゴはほぼ同時にそう思った。しかしその謎はすぐに解ける。
セプリオギナが話し始めると七十の周囲に彼と同じ姿の黒い正六面体たちが召喚されたのだ。彼らは医療スタッフですぐに七十の治療を開始した。
「あるところに人間のことをたいそう好きな子どもと、反対に人間のことが大嫌いな子どもがおりました」
治療だけかと思いきやルチレイテッドの周りにも正六面体たちが現れる。
「どちらも人間ではありませんでしたが――ふたりの共通点は、人間に愛される自信がないことでした。前者は愛することで愛されようと試み、後者は嫌うことで愛されなくても大丈夫な自分になろうとしました」
彼らは六面の内の一面から殺戮刃物を抜き出す。そしてそれでルチレイテッドに四方から斬りかかる。
「結果、前者は人々に愛され、後者は嫌われました。……めでたくもなく、おもしろくもなし」
ルチレイテッドは高く跳んでその攻撃をかわす。
それでも気にせずセプリオギナは話を締めくくった。
「恋慕の情とは元々一方通行なものです。ですが、もしそれに見返りを望むのならそれだけではかないません。それには覚悟が必要です。お分かりですか?」
攻撃を避けたルチレイテッドの背後にトーゴが迫る。彼はケイラの甘い恋の歌により戦闘力を増強されていた。クナイで振り返ったルチレイテッドの胸を狙う。
「……っ!」
「やるな。致命傷は避けたか」
彼女はとっさに体をひねって狙いを外させたため脇腹を切り裂かれただけだった。
トーゴはさらに追撃を仕掛けながら問う。
「本性隠して余所の世界侵略するのは楽しいかよ猟書家さんよ?」
その質問をトリガーに七振りに分割した妖刀・七葉隠を召喚。その透明な刀身でルチレイテッドを襲う。
「楽しいですよ。あの方にお仕えし、あの方のお役に立てる。それだけで私は幸せです」
ルチレイテッドはその攻撃を完璧なタイミングで回避した。
「ですから、見返りなど求めてはいないのです。私の身も心も命も、お嬢様のものですから」
トーゴが念動力で投てきしてきた妖刀をルチル弾で弾く。
「ハッそうかよ!オレはねぇ、敵って見定めた相手には容赦できねーのよ。アンタもボスの望みで動いてんならお互い様だ!」
トーゴはなおも敵に接近し念動力での妖刀攻撃とクナイでの暗殺術で彼女の胸を貫いた。
「がは……っ!」
それでも彼女は倒れない。よろめきながらも最後までその足で立ち猟兵たちに不敵に笑いかけた。
「悔しい、ですが……今回は、私の負け、ですね……」
笑みを浮かべたまま骸の海へと還って行った。
こうしてキマイラフューチャーは一時の平和を取り戻したのだった。
しかし未だ猟書家たちはこの世界を狙っている。真の平和を取り戻すべく猟兵たちはまた次の戦いに赴くことになるだろう。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2020年12月31日
宿敵
『医学者夫人ピュルテ・トゥジュルクラルテ』
『ミズ・ルチレイテッド』
を撃破!
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