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お前の命は金貨何枚だ?

#アックス&ウィザーズ

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#アックス&ウィザーズ


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 アックス&ウィザーズの小さな村から、大勢の村人が連行されてゆく。
 奴隷商の商隊が“商品”の仕入れのために村を襲い、村の住民たちを丸ごと拉致したのだ。
「よし、“商品”を全員、港に泊めてある船に乗せろ。出航を急げ!」
 奴隷商隊長が手下に指示を飛ばす。手下が打つ鞭に耐えながら、捕らわれた村人たちは船のある港へ輸送されていった。
「ククク、これであの上客から、たんまり金貨をふんだくれるってもんだ!」
 奴隷商隊長の取引相手は、オブリビオン。このままでは、罪のない人々の命が金貨で生殺与奪の権を振るわれてしまうだろう。

「命はお金よりも尊い、って考え方は、世界によって違うのかもね……」
 今回の予知の内容を集まった猟兵たちに説明した蛇塚・レモン(叛逆する蛇神の器の娘・f05152)は、悲し気にそう呟いた。
 気を取り直して、レモンは事件の概要の説明に移る。
「今回の事件はね、アックス&ウィザーズで起きた奴隷商の事件だよっ。この奴隷商の取引相手が、オブリビオンなんだよね。猟兵のみんなには、まず、奴隷商の保有する奴隷船に忍び込んでもらいたいんだよっ!」
 レモンが奴隷船が停泊する港まで転送するので、そこから猟兵たちは各自行動を起こしてもらいたい。
「腕に覚えがある人は、奴隷のふりして奴隷船に潜入して、内部の牢屋を壊して村人を救出してあげてほしいなっ! 素早さに自信のある人が船内のマッピングをすると、より成功率が上がるかもねっ? 頭のいい人は、奴隷商のふりをして取引相手のオブリビオンの情報を引き出してくれると助かるんだよっ!」
 とにかく、今回は各自の持てる能力・技能をフルに発揮して奴隷商の商談をブチ壊していただきたい、というのが今回の事件の第一目標だ。
「商談をブチ壊したら、奴隷商たちの船で取引相手のオブリビオンが待つ港に乗り込んで直接対決だよっ!」
 つまり、船を降りたら戦闘に移行する。心して掛からねばならない。
「みんな、今回の事件は多くの人たちの命が掛かってるよっ! 気合入れて解決に当たってほしいんだよっ!!」
 いつにも増して、レモンの語気が強くなる。そして、彼女のグリモアが輝き、アックス&ウィザーズへの転送が始まった。


七転 十五起
 猟兵の皆さん、こんにちわ。
 七転十五起、なぎてんはねおきと申します。
 今回はアックス&ウィザーズの奴隷商にまつわるオブリビオン事件を追ってゆきます。
 人道に外れた悪徳商人の商談を打ち砕き、取引相手のオブリビオンを討伐しましょう!

 構成は『冒険』『集団戦』『ボス戦』となっております。
 今回は心情だけではなく、どう猟兵の皆さんが解決に向けて行動するかが重要です。
 皆様の熱いプレイングをお待ち申し上げております。
 それでは、よろしくお願いします!
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第1章 冒険 『奴隷船の行く先は』

POW   :    奴隷のふりをして船に乗り込み、村人の解放に奔走する。

SPD   :    誰にも見つからぬよう隠密行動をとり、船内部の情報を収集する。

WIZ   :    奴隷商のふりをして船に乗り込み、取引先の情報を探る。

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種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

茅場・榛名
POW:奴隷商に雇われた傭兵役になるよ。腕っぷしの強さを買われた的な。
「誰かが言ってたよ。「金は命より重い」、って···」
奴隷だけじゃなく、ボクみたいな傭兵の命も買えるもの。
今回は雇われた、という立場を利用して船内の警備に穴を作るよ。

脱獄は奴隷役にやってもらうとして····。裏工作をやるよ。
「···行き先はどこの港なんだい?」とか何気なく聞いてみるよ。
ついでに船内図も頭に叩き込まないと。こそこそしない分、
細かい所も気づけるはず、だよね!


カイル・サーヴァント
POW

奴隷がどれだけ大変で、辛いか…ボクは知ってるから…そんな思いはさせちゃ行けない
だから、絶対に助けてみせる!
だってボクはもう!護ることが出来るから!!


奴隷として捕まった人たちを助けるために、レモンが言ってた奴隷の振り作戦を実行するの
ボクこんな見た目だから、多分いい商品が増えたくらいにしか思われないと思うんだ
脅えた振りをしながら相手の隙をうかがって
頃合を見て檻に近づいて、きっと頑丈だろうから【血統覚醒】で力を解放して一気に壊す
壊せたら即座に解除。そして捕まった人達が実感出来る様に笑顔でこう言うんだ
「ボク達が来た!」
ってね?

後は他の猟兵の人達と協力して皆を逃がすよ
殿はボクがする
守護獣だからね!


フランチェスカ・ヴァレンタイン
行動【POW】

わたしはこそこそするには翼が目立ちますしねえ……捕まった奴隷という態で潜り込んでみましょうか
随分と雑に集めた様子ですし、"商品"ということであれば何れ誰かしらが品物の検分に来ますわよね…? それまではボロ布を纏って牢屋の隅で怯えたフリなど

奴隷商の関係者が来ましたら【誘惑】的な【存在感】で目を惹き、牢屋の中まで入ってくるように【おびき寄せ】ます。当然襲われそうになるでしょうから【グラップル】で頸動脈を太股で挟むなどして昏倒させますわよー

検分に来るような人物であれば鍵の束を持ち歩いているはずですけれど、と。…他にも使えそうな品があれば戴いてしまいましょう

※アドリブ・他の方との絡み歓迎


トリガー・シックス
隠密行動にて船内部を調べる。
【忍び足】にて移動し、遮蔽物など【地形の利用】で隠れながら【情報収集】で船の情報を集める。
集めた情報及びマップは『走行式ドローン』に入れて、救助目的の猟兵たちのもとに走らせる。
戦闘に関しては最小限に留める。『鬼爪』や『幽幻なる狩人』で暗殺して、死体は物陰などに隠す。


死之宮・謡
あんまりSPD無いからなぁ…でもさ?捕まられるのはさ?振りでも嫌だし、彼奴が強かったら良いんだけど。取り合えず奴隷商人のふりするか?まぁ、なんといっても重要なのは相手オブリビオン側の戦力だよね?強いと良いな、楽しめると良いな?…怒られちゃいそう。
会話苦手なんだよね?まぁ相手も訳ありなんだし私も訳ありな感じで誤魔化せば良いか?後ろ暗い奴等はあんまり深く突っ込んで来ないでしょ?腹を探られたら痛いのは御互い様なんだしねぇ?そんじゃ行こうか。


カイム・クローバー
金は命より尊い…ねぇ。金貨で命の取引するのは何も此処だけに限った話じゃねぇし、正義の味方なんざ更々ゴメンだが、基本的に胸クソ悪い未来はぶっ壊したくなる性分でな……邪魔させて貰うぜ。
SPD使って隠密行動。ユーベルコードで分身し、船内を探索。【忍び足】【追跡】【鍵開け】活用し、船内の情報入手が先か。派手な騒ぎは控える為に殺し等はせず、極力敵を避ける。後は奴隷の居場所か。奴隷の住人を解放出来るなら、【鍵開け】してートコだが、手筈が整ってねーのに大人数で一気に脱出する訳にはいかねーよな?
もし、バレた場合は殴って気絶に留めとくぜ。殺しは最終手段、血の匂いなんざ残しちゃ最悪だからな。


スピレイル・ナトゥア
「奴隷に変装するのはこれで2度目です。1度目はダークセイヴァーで、2度目はアックス&ウィザーズですが、奴隷の扱いというのはどちらの世界でもあまり変わらないものなのですね」
奴隷の人権が守られていて、奴隷が鉱山で働く元犯罪者さんたちだけな世界だったら平和なのですが……
奴隷制度そのものを悪というわけではありませんが、流石に今回の事件は見過ごせません
隙をついて、檻や鍵を炎の精霊さんで燃やして奴隷さんたちを解放するとしましょう
解放したあとは、奴隷さんたちを逃がすために奴隷商さんと対峙して時間を稼ぎます
武器がない状況は苦手なのですが、間に合わせの武器かなにかでなんとか時間を稼ぐことができるでしょうか……?



 奴隷船が停泊する港の近くに転送されてきた猟兵たちは、軽く挨拶を交わしたのちに作戦会議を設けた。
「ボクが奴隷商に雇われた傭兵役になるよ。腕っぷしの強さを買われた的な話で通すつもりだ」
 茅場・榛名(異界の傭兵・f12464)が妖狐の両耳をピクピク動かしながら進言した。
「誰かが言ってたよ。『金は命より重い』って……。奴隷だけじゃなく、ボクみたいな傭兵の命も買えるもの」
 その言葉に、ダークセイヴァー出身の泥棒であるカイム・クローバー((自称)凄腕イケメン盗賊・f08018)が、皮肉めいた笑みを浮かべていた。
「金は命より尊い……ねぇ。金貨で命の取引するのは何も此処だけに限った話じゃねぇし、正義の味方なんざ更々ゴメンだ」
「それって、ダークセイヴァーの話ですか?」
 横から口を挟んできたキマイラの少女、スピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)にカイムが視線を向ける。
「ああ、そうだ。よく分かったな?」
 カイムの問いにスピレイルは俯きながら答えた。
「はい、実は私、奴隷絡みの事件はこれで2度目です。1度目はダークセイヴァーで、2度目はアックス&ウィザーズですが、奴隷の扱いというのはどちらの世界でもあまり変わらないものなのですね……」
 スピレイルがそう漏らすと、隣で話を聞いていたダンピールの少女……ではなく少女のように麗しい姿の少年、カイル・サーヴァント(盾の守護獣・f00808)が重々しく口を開く。
「奴隷がどれだけ大変で、辛いか……ボクは知ってるから……、そんな思いはさせちゃいけない」
「ああ、その通りだ」
 ここでカイムが先程までの態度から、うって変わって口角を吊り上げた。
「俺は基本的に胸クソ悪い未来はぶっ壊したくなる性分でな……。そうときたら、奴らの企みを邪魔させてもらうぜ。隠密行動で船内を探索するか」
「ならば、俺も船内の情報収集を手伝おう」
 トリガー・シックス(傭兵・f13153)は三本線の引っかき傷と爪を合せた紋章と銃を咥えた狼の紋章の入ったクローク、漆黒と紅色の防具で全身を覆い隠すという隠密向けの武装だ。
「集めた情報及びマップはこの『走行式ドローン』に乗せようと考えている。誰か、奴隷に紛れてくれる奴はいるか?」
「でしたら、わたしが……」
 背中に立派な白翼を生やしたキマイラのフランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)が手を上げる。彼女の胸は豊満だった。
「わたしはこそこそするには翼が目立ちますしねえ……。捕まった奴隷という態で潜り込んでみます」
「ボクも奴隷のふりをするよ。絶対に助けてみせる! だってボクはもう猟兵だから! 護ることが出来るから!!」
 力強く意気込みを語るカイルに続き、スピレイルも挙手。
「私も奴隷に変装しようと持ってます。あの、こう言うのもなんですが、奴隷の人権が守られていて、奴隷が鉱山で働く元犯罪者さんたちだけな世界だったら平和なのですが……。私、奴隷制度そのものを悪というわけではありませんが、流石に今回の事件は見過ごせません」
 奴隷は犯罪者の刑罰として存在すべきであり、その労働力が必要な場所もあるかもしれない、というのがスピレイルの言いたかったことだ。だが、この事件のように無理矢理に無辜の人々の自由を奪ってゆくやり方は絶対に阻止すべきだとスピレイルは言葉を継いだ。
 そんな中、ダンピールのブレイズキャリバーである死之宮・謡(情緒不安定の狂戦士・f13193)は黙りこくっていた。彼女は狂っていた。話せても、他者と殆ど関わってこなかった弊害で片言でしか喋れない。しかし、その心の中では饒舌にこの事件へどうかかわろうか必死に悩んでいた。
(私、あんまり俊敏じゃないからなぁ……。潜入捜査には向いてないかな。でもさ? 捕まられるのはさ? 振りでも嫌だし、私。牢屋の中に知らない人がいっぱいいるなんて、考えただけでもツラい……。てか、奴隷商の彼奴らが強かったら良いんだけど。強い奴と戦えれば私はそれでいいんだけどなぁ)
 こんなに心の中では饒舌なのに、現実はコミュ障を遺憾なく発揮して沈黙を貫く死之宮。だが、考えあぐねた結果、ようやく片言で呟いた。
「私、奴隷商ノフリ、スル」
「謡が奴隷商の役をやってくれるとボクも動きやすくなるね。よろしく、謡」
「……?」
 差し出される茅場の握手に、死之宮は無言で首を傾げていた。彼女は敵を殺すこと以外の知識は乏しいのだ。これには思わず苦笑いする茅場。
「そういえば……」
 ここでトリガーが『鬼爪』と呼んでいる暗殺用の投擲ナイフをチラつかせて疑問を投げかけた。
「奴隷商の奴らは殺していいのか? 作戦に支障をきたすようなら殺していいよな?」
 これに死之宮が目を輝かせた。
(いいの!? 殺していいの!? いいんでしょ!?)
 わくわくするサツバツ系男女に、カイムが語気を強くして凄んだ。
「おまえらな……!? いいか、船の中のような密閉空間で人を殺したら、血の匂いがあっという間に広まって異変がばれるだろうが。殺しは最終手段だ。血の匂いなんざ残しちゃ最悪だからな」
 現時点の目的は、あくまでも捕らえられた奴隷たちの解放と取引先がどんな相手なのかを探ること。そのために船内の情報を手分けして集める必要があるのだ。決して奴隷商の殲滅ではない。
 この辺りはサツバツ系のふたりよりも、カイムの方が理解度が深かった。
「だから、トラブったら相手を気絶させろ、いいな?」
 カイムの叱責に、トリガーは片手で顔を隠しながら静かに頷く。
「む……、そういう事ならば仕方がない。善処する」
 そして死之宮はしょんぼりと肩を落としていた。
(えー、殺せないの? なんだぁ。でも、取引相手のオブリビオンは強いと良いな、楽しめると良いな? ……態度を顔に出したら怒られちゃいそう)
 無言で不安げにじろじろと仲間の顔を窺う死之宮であった。

 猟兵たち7人が奴隷船へと接近する。すると、案の定、奴隷商の部下たちが猟兵たちの行く手を遮った。
「なんだ、お前ら? 怪しいな?」
 これにすかさず茅場が答えた。
「なんだ、傭兵が同行すると商隊長から聞いていないのか?」
「……いや、聞いてないな」
 はっきりと断言されてしまった。しかも、タイミング悪く誰かが船から降りてきた。
「おい、そいつらは何だ?」
「あ、商隊長! こいつら、不審者です!」
「なんだって?」
 茅場、いきなりピンチ! その時、死之宮が動いた!
「コレ、追加ノ、“商品”……」
 死之宮、超頑張って台詞を絞り出した。偉いぞ!
 彼女の後ろには、麻袋を服に見立てて被せただけのカイル、フランチェスカ、スピレイルの3人が縄で捕縛されていた。
 茅場はこのアシストに乗っかる事にした。
「どうやら、情報が行き違いになっていたようだ。上質の“商品”を手土産にやってきたけど、その様子じゃ要らないようだね」
「ま、待ってくれ。お前を雇おう、傭兵」
 奴隷のふりをした猟兵3人をみた商隊長が目の色を変えて茅場の雇用を即決! これに困惑する部下たち。
「商隊長、いいんですか?」
「どこぞの馬の骨か判らないですぜ?」
「うるさい! お前らは黙ってろ! くひひっ! こんな風貌の奴隷は見たことないぞ! これは高値が付く! 傭兵を雇ったところでおつりが充分来る!」
 完全に守銭奴と化した商隊長に連れられ、船内へ案内される茅場と死之宮。
 一方、カイル、フランチェスカ、スピレイルの3人は、部下に手荒に扱われながらどこかへ連れられてゆくのだった。
 この騒動の間に、トリガーとカイムは船内へ忍び込むことに成功。
 猟兵たちそれぞれの作戦が開始される。

 まず、茅場と死之宮が甲板の上で商隊長から情報を引き出していた。
「……そういえば、この船の行き先はどこの港なんだい?」
 茅場の問いに、商隊長が不思議そうに答えた。
「この海峡の向こう岸、ワーロッテって港町だが。奴隷市といえばワーロッテ、常識だろう?」
「む、すまない。傭兵稼業が生業なんで、奴隷市の事情は明るくないんだ」
「へぇ、そういうもんか。そっちの奴隷商に聞いてないのかよ?」
 商隊長が黙りこくっている死之宮を見遣る。
(うわぁ、他人と話すの苦手なんだってば……)
 内心ウンザリしながら、死之宮は懸命に口を動かして答えた。
「互イニ、後ロ暗イ事柄バカリ。腹を探ラレタラ痛イ。違ウカ?」
 片言の喋り方が威圧感を生み出したようで、商隊長はそれ以上、死之宮へ話しかけようとはしなかった。
 茅場は肩をすくめてみせた。
「ね、こういう人なんだ。それと、取引相手は誰か教えてくれてもいいだろうか? 相手の事が分からなければ、商談を破棄された場合にキミたちを守れない」
 これに商隊長は、あっさり取引相手を教えてくれた。
「最近、ワーロッテを根城にしている盗賊たちだ。なんでも、相当儲けているらしいぜ? その儲けを俺達がごっそり代金として貰ってゆくっていう寸法だ。この船が金貨の袋で沈んじまわないことを願うばかりだ、くひひっ!」
(口の軽い商隊長でよかった……)
 こうして茅場と死之宮は、行き先と取引相手の2つの情報を獲得することに成功した。

 こちらは船内の探索。
 トリガーとカイム、二手に分かれて捜索を行う事となった。
 まずはトリガー。忍び足にて移動し、積み荷などの遮蔽物に隠れながら船の情報を集めてゆく。
「……あれは?」
 ちょうど、“商品”の奴隷が部下に連れられているところを目撃する。部下は見張りの男に挨拶をすると、扉の前で鍵束を取り出して開錠。下に伸びてゆく階段が見えた。そのまま扉の奥へと奴隷とともに消えてゆく。しばらくすると、部下だけが戻ってきた。奴隷はいない。
 再び見張りの男に挨拶をかわすと、部下は酒を飲んでくる、と言ってどこかへ行ってしまった。
 ここでカイムは推理する。
「……見た感じ、この下の階層があるな。そしてそこへ奴隷が連れてゆかれているようだ。鍵も必要か……」
 そういえば、カイムは泥棒で鍵開けが得意そうだ、とトリガーは思い立つ。なんなら、あの部下が酔い潰れたところを鍵束ごと奪ってしまえればいい。
「よし、俺の自走式ドローンで、このことをカイムに伝えるか」
 知り得た情報を羊皮紙に走り書きすると、トリガーは自走式ドローンを放った。
「さて、俺はまず邪魔者を排除するか」
 ユーベルコード『幽幻なる狩人(ファントムハンター)』でアサシンの霊を召喚。
「ああ、殺しては駄目なんだった。手加減しろ」
 トリガーが霊体へ命令すると、すかさず霊体は物陰から2本の短刀の峰で見張りを殴りかかる!
「うわぁ!? 幽霊!? ぐへっ!?」
 昏倒する見張りを捕縛し、積み荷の空き樽の中へトリガーは押し込んだ。
 これで鍵さえ開けられれば、逃走経路は確保できるだろう。
 一方、カイムは運良く船内の見取り図を入手していた。
「コイツはツイてるな。となると、あとはどこに奴隷の住人たちがいるかだな……」
 カイムが思案に暮れていると、足元に何かがコツンとぶつかってきた。
「こいつは……?」
 カイムの自走式ドローンだ。隙間に挟まれている羊皮紙を広げると、思わず笑みがこぼれた。
「なるほど、この下か。で、俺の鍵開け技能が必要だと。いいぜ、面白くなってきた」
「そこにいるのは……、なんだ、カイムか」
 警備の名目で船内を探索している茅場と偶然遭遇した。
 カイムは茅場にも情報を伝えると、茅場が一計を案じた。
「ボクが船内に不審者がいると嘘の情報を流して、地下から注意を逸らすよ」
「まぁ、不審者っつーかコソ泥なんだがな? そうしてもらえると助かるぜ」
 茅場とカイムが拳をぶつけあって互いの健闘を祈った。

 さて、こちらは船の下層の牢屋内部。
 あまりにも多くの住民が連れてこられたため、いくつもの牢屋で区切られ、そこに大勢押し込められていた。
 奴隷に扮した猟兵たちは、3人ともバラバラに収容されてしまう。
 まず、行動を起こしたのはフランチェスカだ。見回りは全部で3人。奴隷たちは抵抗できないとタカを括っているのか、武装も警棒ひとつとかなり不用心だ。
 ならば、とフランチェスカは自身の豊満な胸元を服から晒すと、通りかかった見張りに甘い声で誘惑を試みた。
「ねぇ……? おねがいですわ……。わたし、あなたになら……買われてもいいと思ってますの。ほら、好きにしていいですのよ?」
 張りのある肌色の双丘、そしてその間の蠱惑的な谷間を見た見張りは、途端に周囲を見渡しはじめた。
「本来なら“商品”に手を出すのは御法度なんだが……、畜生! 我慢できねぇ! おいお前、鉄格子に向けてケツを向けろ。声出すんじゃねぇぞ?」
 ズボンのベルトを外しつつ鉄格子へ見張りが近付いてきた。この時をフランチェスカは待っていた!
「あらやだ、下品な事っ!」
 彼女は近付いた見張りの首に腕を伸ばすと、その喉を握り潰すように締め上げてゆく! 喉を潰された見張りは、悲鳴を上げることも出来ずに白目を剥いて意識を手放してしまった。
「あら、鍵束を持ってないのでしょうか? あ、このナイフは危ないので没収ですわね」
 フランチェスカは見張りの男の衣服を追い剥ぎしている光景を目撃したカイルも行動に移す。
「みんな、逃げよう! なんたって、ボク達が来た!」
 そういうと、カイルは真紅の瞳に覚醒し、その姿がヴァンパイアへと変貌を遂げる。慄く奴隷たちだったが、彼が鉄格子を粘土のように引き千切ってみせると、僅かだが感嘆の声が上がった。
「さぁ、みんな、一緒に帰ろう! ボク達が守るよ!」
 すぐにヴァンパイア化を解除したカイルは、満面の笑みで奴隷たちを励ました。
 これに呼応したスピレイルも、炎の精霊を呼び出して鉄格子を焼き切ってしまった。
「さぁ、みなさん、外へ行きましょう!」
 スピレイルが外に出ると、ほぼ同時に扉を開錠したカイム、そしてトリガーが牢屋に押し寄せてきた!
「手筈が整ってねーのに大人数で一気に脱出する訳にはいかねー、とは思ってたが、こいつはいい。むしろ派手に暴れた方がいいみたいだな!」
 これだけの猟兵が揃っているのだ、一般人である奴隷商たちに腕っぷしで負けるはずがない。更に200人近い奴隷たちが一斉に外へ流れ出すのだから、船内は必然的にパニックだ。
「こっちだ、付いて来い」
 トリガーがアサシンの霊体とともに船外へ奴隷たちを誘導してゆく。
 いまだ牢屋から出られないフランチェスカの鉄格子の鍵をカイムがこじ開け、彼女に言伝する。
「住人を頼むぜ。警備は茅場が上手く引き付けてくれているぜ。今のうちに逃げろ!」
「ありがとうございますわ! さぁ、みなさん! ゆきましょう!」
 こうしてフランチェスカも奴隷たちを護衛しつつ、船外へ脱出していった。
「てめぇら! 許さねぇぞ!」
「ぶっ殺してやる!」
 残る見張り2人が襲い掛かってくるが……。
「炎の妖精さん! お願いします! って、わぁ!? ……驚かせないでください!」
 スピレイルがユーベルコードで呼び出した炎の妖精の火炎放射が見張りに吹き掛けられた! スピレイルもその勢いにびっくりして跳び跳ねていた。
「ボク達が殿だ! だってみんなを守る守護獣だからね!」
 カイルは炎で浮足立った見張りたちの鼻っ柱を思いっきり殴り抜いて吹っ飛ばした!
「よし、俺達も脱出するぜ! 道案内は任せな。船内の地図、盗んできたんだぜ?」
 得意げのカイムが猟兵たちとともに残る奴隷たちを船外へ連れてゆくのだった。

 船内の騒ぎに気付いた商隊長が茅場と死之宮に問い詰める!
「これはどういうことだ!?」
「まだ判らないの? こういうことだよ」
 茅場の蹴りが商隊長の鳩尾に突き刺さる! うずくまる商隊長へ茅場が答えた。
「最初から捕まった村の人たちを助けるために一芝居打ったんだ。さぁ、取引相手のところまで案内してもらうよ。でないと……、死ぬよ? 彼女が君を殺したくてウズウズしているからね?」
「殺シテ、イイ? 殺シタイ! ハヤク、殺シタイ!!」
 死之宮の狂気と殺意の波動を真正面から受けた商隊長は、その場でしめやかに失禁!
「ひ、ひィィィッ!? ごめんなさい! ごめんなさいっ! もう奴隷商から足を洗います! 取引相手のいる港までご案内しますから、どうか、命だけは~っ!?」
「……だってさ、殺すのはオブリビオンの盗賊たち相手にしようか、謡?」
「……(な~んだ、残念だなぁ。私、誰かを殺さないと、装着している仮面の呪いに殺されるんだけど……)」
 不服そうに茅場を見詰める死之宮。案外、この2人は良いコンビなのかもしれない。

 かくして、奴隷として捕らえられていた村の人々は全て無傷で解放された。
 あとは海峡の向こう岸の港町ワーロッテで待ち構える盗賊団を叩くだけだ!

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『山賊』

POW   :    山賊斬り
【装備している刃物】が命中した対象を切断する。
SPD   :    つぶて投げ
レベル分の1秒で【石つぶて】を発射できる。
WIZ   :    下賤の雄叫び
【下卑た叫び】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
👑11
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 港町ワーロッテ。
 いつしか、ここは奴隷の見本市となっており、闇商会たちがたむろする治安の悪い街として名を轟かせていた。
 そこへ猟兵たちが乗り込んだ奴隷船が入港。港で待ち構えているのは、女頭領と手下の山賊たちだ。
 だが、女頭領が何か異変に気付いたようだ。猟兵たちの気配を感じ取ったか。どうやら勘が鋭いらしい。
「お前たち、船から出てきた奴らを一人残らず魚の餌にしちまいな!」
「おおおお……!」
 知性が感じられない獣めいた雄叫びを盗賊たちが上げて武器を構える。
 猟兵たちよ、既に戦闘は始まっている……!
茅場・榛名
さぁ、雇用兵の仕事の時間だね。あんまりモタモタしてると死之宮に手柄を持っていかれそうだ。迅速かつ確実に作戦を遂行しよう。
最初からボクらに気づいてるようだけど見えない相手を撃てないし
狙う事もできない。だから船内からヴァルキリーライフルで狙撃するよ。
甲板からなら撃ち下ろしになるし、「地形利用」できそうだね。

ウスタナクキラーなら誘導で一人ずつ片付けられるはず!
「さぁ、ターゲットがお越しだよ。謡、殺すべき相手はそこにいる。」
「ボクが援護射撃する。みんな、前衛は任せたよ!」

アドリブ・他者との絡み 可


死之宮・謡
アハハ、殺シ放題ダヨ?要ラナイ命ガ沢山ダ!サァ壊ソウ、命ヲ壊ソウ!サァ殺ソウ、奴ラヲ殺ソウ!

漸く待ちに待った殺戮の時間だよ。さっきは止められちゃったけど今度は止められないよね?寧ろ推奨だよね?嗚呼楽しみだ、やっぱり好きに殺せるって良いね?船では、ストレス溜めちゃったし思う存分殺そう!私の剣も、鎧も仮面も、血に飢えているよ!命を奪いたがっているよ!一つ残念なことがあるとすれば此奴らがあんまり強くなさそうってことかな?まぁ、数がいりゃ楽しいか…あ、でも頭目は強そうだよね?其れは楽しみだなぁ。

一番槍ハ貰オウカ!【三重血統装具】展開…サァ、血ヲ流セ!命ヲ寄越セ!殺戮ノ宴ノ開幕ダァ!


トリガー・シックス
黙々と戦闘準備を整える。サツバツとしたことを好む雰囲気というより、兵士としての雰囲気を漂わせる。
「……前だけ気にしていろ」
狙撃銃『偉大なる狩人』と『吹雪の狼』に弾丸を装填しながら告げる。
乗り込まれる前にロケット弾を撃ち込み、【範囲攻撃】でダメージを与えておく。
味方が戦闘になれば【スナイパー】で狙撃による【援護射撃】行い、味方の支援を行う。
乗り込んできた敵には『幽幻なる狩人』で応戦させつつ、自身も『ジョーカー5s』を抜いて【クイックドロウ】による早撃ちで撃破する。

「……本当に恐るべきはオブリビオンか人か」
思い出したくない過去を思い出しつつ、戦闘を継続する。


スピレイル・ナトゥア
奴隷に変装していたから武器は持ち込めていないでしょうし、これはピンチですね
鉄格子から焼き切った鉄の棒を武器にするしかないとして、策をなにか講じてみましょう
「そうですね。奴隷船でのフランチェスカさんの行動を真似てみるとしましょうか」
自前の猫耳をフリフリと揺らして、山賊さんたちを【誘惑】して私の周囲まで引きつけます
引きつけたらグラウンドバーストで攻撃
港の地形が変わって普通のひとたちが迷惑してしまうかもしれませんが、そこは奴隷商たちを見逃していたということで勘弁してもらいましょう
倒れた山賊たちが装備していた刃物を奪って、体格の不利を補うために一切の防御を考えない【捨て身の一撃】を繰り返して攻撃します


カイム・クローバー
敵は臨戦態勢か…ま、船内であれだけ派手にやった訳だし当然か。どのみちやりあうのを避けるつもりもねぇし。キッチリ猟兵としての仕事、果たさせて貰うとするか!!
POW判定で二丁銃を使って距離を取って戦うぜ。【鎧砕き】【二回攻撃】【クイックドロウ】【零距離射撃】【早業】、UCでまずは数を減らす所から始める。攻撃に対しては【見切り】で対応するぜ。
頭数は多いみたいだが、連中にはまるっきり知性が足りてねぇ。近距離戦と石投げるのが連中の戦い方…この世界の文明もあるだろうけど、まるで原始人じゃねぇか!!しゃあねぇ…現代兵器の強さってのを教えてやるか。唯一、あの女頭領は多少頭…っつーか、勘が働くみてーだな。


フランチェスカ・ヴァレンタイン
あら、なんともせっかちなことですわね?
地上で待ち構えていらっしゃるのでしたら、先ずはわたしが牽制で先制致しましょうか

スラスターの噴射と共に翼を打って飛び立ち、上空から広範囲に砲撃を一斉発射、先頭集団をなぎ払って他の方々の橋頭保を確保しますわね。上陸の足場さえ確保すれば地上戦はお任せしても大丈夫でしょう

以降は戦況を俯瞰しつつ適宜他の方々に援護砲撃などをしつつ、孤立した敵集団には直上からの【UC】で根刮ぎして参りましょう

山賊斬りに対しては基本アウトレンジですし、クロスレンジでもリーチの差で見切る余裕がありますから滅多に当たらないと思いますが……

※詠唱セリフのアレンジ可・アドリブ・他の方との絡み歓迎


カイル・サーヴァント
奴隷の人達を連れて船の外にでると、きっと目の前で待ち構えている奴らがいると言うのは気配で分かっていた
護りながらの戦いはボクの本分だから、全力でいくの!


敵とは距離を置き、捕まっていた人達を護れるようにその前に立ちながら【盾の守護獣】を発動
数枚の盾を自身の周りに残し、残りは山賊に向けて飛ばして攻撃
味方に対する攻撃は出来る限り飛ばしている盾で【盾受け】して【かばう】
もし前衛を抜けてたり、別方向から向かってくる山賊が居れば残しておいた盾で迎撃
それでも間に合わなければ自分自身を盾にして山賊の足止め


アドリブなど歓迎でーす


エルーゼ・フーシェン
密かに乗り込んで、トリガーと合流。
どこにいたのか聞かれたら、箱の中にと答える。やっと開けたら現在にいたるのよ。
「やるべきことはするわよ」
トリガーを言い負かして、他の猟兵と共に前線に出るわ(トリガーが譲歩しただけ)。
双剣『ストライダー』を持ち、襲ってくる敵を切り捨ていくわ。
舞うように剣を振るい、『トリニティ・エンハンス』で攻撃力を上げて、より多く倒せるようにしつつ、連携も行っていくわね。
【残像】と【カウンター】で反撃しつつ、【衝撃波】と【なぎ払い】を組み合わせての範囲攻撃も。

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK



 港町ワーロッテに入港した猟兵たち。
 船を降りる前に、船の窓からこっそりと外の様子を覗くカイム・クローバー((自称)凄腕イケメン狼盗賊・f08018)が舌打ちをした。
「敵は臨戦態勢か……。ま、船内であれだけ派手にやった訳だし当然か」
 これにカイル・サーヴァント(盾の守護獣・f00808)が同調する。
「船の外にでると、きっと目の前で待ち構えている奴らがいると言うのは気配で分かっていたよ」
 既に船に捕らわれていた奴隷たちは全て解放し、この船にいるのは猟兵たちと奴隷商たちだけだ。カイルは奴隷がひとりでもいたら危険だと、船内を巡回していたのだが、その心配はどうやら杞憂で終わりそうだ。
「でも、猟兵のみんなを守ってみせるよ。護りながらの戦いはボクの本分だから、全力でいくの!」
「そいつはありがてぇな。どのみち、やりあうのを避けるつもりもねぇし。キッチリ猟兵としての仕事、果たさせて貰うとするか!!」
「そうだね、改めてよろしくね、カイム!」
「ああ、よろしくな、カイル。って、名前が似てるじゃねぇか」
「本当だね! ふふっ!」
 開戦前、ふたりはクスクスと思わず笑いを噛み堪えるのだった。

 一方、こちらはトリガー・シックス(傭兵・f13153)。戦闘前の武器の手入れに余念がない。いかにも兵士としての雰囲気を漂わせ、来るべき戦闘を今や遅しと待ち侘びていた。
 その時、彼の背後の木製の箱が大きく動いた!
「……誰だ?」
 大型自動拳銃に回転式弾倉を持つ大型拳銃であるNAタイプHC『ジョーカー5s』の銃口を動く箱に突き付ける。だが、そこから漏れた声にトリガーは聞き覚えがあった。
「そこにいるのはトリガーなの? お願い、この蓋を開けて!」
 動く箱には、なるほど、しっかりと蓋が閉じられており、ご丁寧に鍵まで掛けられている。
 トリガーは声の主の名を呼んだ。
「エルーゼ、どうしてそんなところに……?」
 エルーゼ・フーシェン(双刃使い・f13445)はウンザリした声の調子で答えた。
「こっそり忍び込んで、一緒に奴隷を解放するのを手伝おうと思ったの。でも、どういうことか、奴隷商の誰かが箱の蓋に鍵を掛けて出られなくなってたのよ」
「それは災難だったな……。わかった、少し頭を低く抑えてろ」
 トリガーは投擲用ナイフの鬼爪を蓋に突き刺して破壊。なんとかエルーゼを箱の中から引っ張り出す事に成功した。
「助かったわ。さて、やるべきことはするわよ」
 エルーゼの言葉に、トリガーは意外そうに問うた。
「このまま戦うのか?」
「当然よ。まさに乗り掛かった舟って奴よ」
 この時、トリガーは悟った。
(ああ、これはいくら言っても話を聞かないな……)
 その表情を読み取ったエルーゼは口元を緩めた。
「その顔は折れてくれたってことでいいわね? それじゃ、共闘よろしくよ」
 押し負けたトリガーは、やれやれと肩を竦めてしまうのだった。

 スピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)は困り果てていた。
「どうしましょうか。奴隷役に徹していたら、装備を置いてきてしまいました……」
 彼女は奴隷役を買って出た際、身体検査を警戒して装備一式を外して船に乗り込んできてしまったのだ。実際には、身体検査は行われず、むしろ持ち込むべき状況であった。
「精霊さんたちを呼び出せるので戦闘は何とかなりそうですが、このままでは自分の身を守れませんね……」
 さてどうしたものか、こうなったら鉄格子を焼き切って、即席の槍を作ろうかなんて考えていると、そこへフランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)が駆け寄ってきた。その手にはなにやら沢山物が入った皮袋を持っていた。
「間に合いましたわ! これ、スピレイルさんの装備ですよね?」
「あっ! もしかして……! 全部あります! どうしてこれを!?」
 中身を改め、全てが揃っていることを確認したスピレイルはフランチェスカに尋ねた。フランチェスカは息を切らしながら答える。
「私も置いてきた装備を回収しに、飛んで戻ってきたのですわ。そしたら、スピレイルさんの分も見付けたので、慌てて一緒に回収しましたの」
「ありがとうございます! これで私も戦えます!」
 完全武装と化したスピレイルとフランチェスカは、船の外の状況を知って思案に暮れる。
「あら、なんともせっかちなことですわね? 地上で待ち構えていらっしゃるのでしたら、先ずはわたしが牽制で先制致しましょうか。空を飛べますので」
 スラスターと己の翼で航行中の船に追い付いた飛行能力は頼りになるな、とスピレイルは目を輝かせる。
「それでは、私は地上で頑張ります! あ、そうでした。フランチェスカさん、教えてほしいことがあるんです! 実は……!」
 スピレイルがフランチェスカに耳打ちにて相談をすると、フランチェスカが思わず苦笑い。
「う~ん、そういうのは、まだ早いですわよ?」
「でも! 作戦で使うので! お願いします!」
 10歳児から真剣な眼差しを向けられ、困惑するフランチェスカであった。

 いよいよ、開戦の機運が高まってきた。
 甲板の上で身を広める茅場・榛名(異界の傭兵・f12464)と死之宮・謡(情緒不安定の狂戦士・f13193)は、仕掛けるタイミングを見計らっていた。
「さぁ、雇用兵の仕事の時間だ。準備はいいかい、謡?」
「アハハ、殺シ放題ダヨ? 要ラナイ命ガ沢山ダ!(漸く待ちに待った殺戮の時間だよ。さっきは止められちゃったけど今度は止められないよね? 寧ろ推奨だよね? 嗚呼、楽しみだ、やっぱり好きに殺せるって良いね? 船では、ストレス溜めちゃったし思う存分殺そう! 私の剣も、鎧も仮面も、血に飢えているよ! 命を奪いたがっているよ!)」
「凄い意気込みを感じる。これはうかうかしていたら、謡に手柄を持っていかれそうだ。迅速かつ正確に作戦を遂行するとしよう」
 この短期間で、茅場は死之宮の思考を読み取れるようになっていた。死之宮も死之宮で、心のどこかで欲していた『戦友』という存在に近い感覚を茅場に感じ取っていた。
「ハルナ! 奴ラ、早ク殺ソウ!!」
「ああ、謡、殺すべき相手はそこにいる。ゆこう、ターゲットのお出ましだ!」
「サァ壊ソウ、命ヲ壊ソウ! サァ殺ソウ、奴ラヲ殺ソウ!」
 死之宮が真っ先に甲板から降り立ち、山賊たちの前に現れる。
「アハ、アハハ! アハハハハハ! アハハ、ハハハハハ!!」
 凶器を構えて狂気に塗れて狂喜のあまりに死之宮の笑いが止まらない!
「デハ! 一番槍ハ貰オウカ!」
 死之宮が『黒壊剣 絶叫』を抜き払い、山賊たちへ突き付ける。
 だが、そこへ降り注がれるロケットランチャーの弾頭の雨嵐!
 爆炎と黒煙が辺りに立ち込め、山賊たちがバラバラに四散して海へ落ちてゆく!
(ちょっと! あぶないじゃない! もー!!)
 抗議の意味を含めて死之宮が甲板を見上げると、そこにはトリガーの姿があった。
「……前だけ気にしていろ。戦闘が始まったら無茶はしない……」
 狙撃銃『偉大なる狩人』とロケットランチャー『吹雪の狼』に弾丸を装填しながらトリガーは告げる。
 豪快過ぎる一撃は、猟兵と山賊たちに開戦を知らせる合図となった。

「ボクが援護射撃する。みんな、前衛は任せたよ!」
 甲板の上からヴァルキリーライフルによる狙撃攻撃してゆく茅場。
 山賊は投石攻撃を行ってくるが、甲板から見下ろす形になる茅場にとって、投石攻撃は全く怖くもなんともない。
「船に近付かせなければ、この甲板は堅牢な城壁に等しいね」
「ああ、そうだな……」
 トリガーも狙撃銃『偉大なる狩人』で山賊の頭をひとり、またひとりと甲板から撃ち抜いてゆく。
 その時、トリガーは港の奥から山賊たちが押し寄せてくる事に気が付いた。
「……増援か。厄介だな」
 再びロケットランチャーを構えると、増援に向けてトリガーは弾頭をぶっ放すのであった。
「凄いね、トリガー。いよいよボクの手柄が危うくなってきたな。出し惜しみをしている場合じゃなさそうだ」
 茅場はいよいよ、ユーベルコード『捕縛者殺し(ウスタナクキラー)』を使用することを決意。
「死をもって救済とする!」
 愛銃ヴァルキリーライフルの銃口を向けた山賊へ、手製の誘導炸裂弾を発射!
 逃げる山賊を追い掛け、着弾すると、周囲の山賊を巻き込んで爆裂!
 一気に数体の山賊が木っ端微塵になってしまった。

 既に地上では、死之宮がユーベルコード『三重血統装具』を展開。生まれ持った自らの赤き血と嘗て糧にしたモノの紅蓮の血、そして双方が入り交じり変化した真紅の血で自身を強化。斬り壊す、唯その一念のみで打たれた大剣をもって破壊と殺戮を叫び続けていた。
「サァ、血ヲ流セ! 命ヲ寄越セ! 殺戮ノ宴ノ開幕ダァ!」
 全身に返り血を浴びながら、死之宮は戦場で踊り狂う。
 その上空では、フランチェスカがアウトレイジ・ブラスターを背面展開でスラスターから一対のテールバインダー型重エーテル加速砲へと可変させると、自前の翼で飛行しながら地上の山賊たちをマルチロックオン!
「先手は取られましたが、これで橋頭保を確保しますわ! ファイアッ!」
 砲口から、天の怒りに等しい光の束が港を左右に横切り蹂躙!
 光に飲み込まれた山賊たちは、たちまち蒸発して跡形もなく消失していった。
「頭数は多いみたいだが、連中にはまるっきり知性が足りてねぇ。近距離戦と石投げるって、お前らは原始人か!? いや、この世界の文明も関係あるだろうけど!」
 山賊たちが大鉈を振り上げて駆け寄ってくるところを、カイムが二丁拳銃『イーグル&ラプター』でユーベルコード『銃弾の嵐(レイン・ストーム)』を発動させる。
「雑魚は退場の時間だ。舞台裏に引っ込んでな!」
 ガン=カタめいたオールレンジ射撃が、半径23m以内の山賊をことごとく撃ち抜いてゆく! その早業とクイックドロウの技能も相まって、零距離からの銃撃は山賊の鎧を易々と打ち砕きながら命を奪ってゆく。
「現代兵器の恐ろしさ、とくと味わえ! さぁて、女頭領はどう出る? 唯一、あの女頭領は多少頭……っつーか、勘が働くみてーだからな」
 ひたすら湧き出てくる山賊を撃ち抜き、弾倉(マガジン)を交換している最中は山賊の鳩尾を蹴っ飛ばしてでも両手を空けるように心掛ける。
「ったく! 今日は大赤字だな! こいつら“姉妹”はいいオンナだが、財布に優しくないのが玉に瑕なんだよなっ!」
 それでも弾倉の装填が完了すると、惜しげもなく山賊たちに鉛玉のフルコースをお見舞いするカイル。
「カイルさん、危ない!」
 投石攻撃をカイルのユーベルコード『盾の守護獣』によって作り出された盾が防ぐ。
「ボクがみんなを護る。この護り、崩せるものなら崩してみせるの!」
 15枚の盾が味方の周りに浮遊し、攻撃の妨げにならないように死角をカバー。
 そして、盾を操るカイル本人は、船の乗り降りするタラップ付近で防衛をしていた。
「ぐへへへ、その船、寄越せ!」
「山賊が海に出て海賊になるの? でも残念だね。この船はボクが護るの!」
 ここを突破されたら、仲間や無抵抗な奴隷商が傷付いてしまう。奴隷商はちゃんと然るべき裁きの場に生きて突き出さねばならない。故に、ここで殺されるのは好ましくない。奴隷を経験したカイルは複雑な心境を抱えながら、山賊の振り下ろす刃を白銀の盾『雪月花』で受け止める!
 その脇からするりと抜け出して、双剣『ストライダー』で山賊を斬り伏せるのはエルーゼだ。
「大丈夫? お嬢さん?」
 声を掛けるエルーゼに、カイルは笑顔で返した。
「ありがとうございます! でも、ボクは男なの……」
「あら? そうだったのね。外見が可愛らしいから、てっきり女の子かと……」
「よく間違われるので気にしないの! お姉さんはボクが護るから、安心して戦ってなの!」
「あら、それは頼もしいわ、ねっ!」
 瞬時にユーベルコード『トリニティ・エンハンス』を発動させたエルーゼは、背後から駆け寄ってくる山賊を炎・水・風の魔力を身体に宿すと、残像を囮にして敵の攻撃を回避! そのまま双剣から衝撃波を放って山賊たちを薙ぎ払った。
「背中は、任せたわ」
「は、はいなの!」
 即席コンビは、更に山賊を討伐すべく駆けてゆく。
 その背後から、アサシンの霊がこっそり後を追う。トリガーのユーベルコード『幽幻なる狩人(ファントムハンター)』が弓撃によって、2人の援護をこっそりと行っていた。

 そして、スピレイルはフランチェスカと示し合わせて、増援部隊を叩いていた。
「奴隷船でのフランチェスカさんの行動を真似てみるとしましょうか」
 スピレイルは自前の黒猫の耳を揺らしてみると、山賊たちを誘惑し始めた。
「見てください、この猫耳。可愛いと思いませんか?」
 それを見た山賊たちがニヤニヤしながら下卑た叫びを上げだす。そして彼らは一斉にスピレイル(の猫耳)へ群がってゆく!
「ネコチャン! ネコチャン! ニャンニャン!」
「えっ!? これは流石に気持ち悪いですっ! 逃げましょう!」
 堪らず逃げ出すスピレイル! 後ろからはネコチャンカワイイヤッターッと叫んで追い掛ける山賊たちの姿!
 もしかしなくても完全に幼女を連れ去ろうとしている変態たちが爆誕してしまった。
 これを上空から見守っていたフランチェスカが焦り出した。
「流石にスピレイルさんの身の危険を感じますね!?」
 すかさずユーベルコード『九天穿ち 灼き撃つもの(フルドライヴ・テンペスト)』の射撃シークエンスを起動。
「全動力炉、出力上限カット。全兵装・全能力の超過駆動、開始――! 変態さんはお呼びではありませんわ! 骸の海で反省してなさいな!」
 五月雨式の砲撃と空戦機動による斧槍の強襲が、着弾点の半径16m以内の山賊を全て吹き飛ばしてゆく!
 だが、それでも数で勝る生き残りの山賊たちは、容赦なくスピレイルへ迫りくる!
「ネコチャン! オレタチ、コワクナイ!」
「怖いですってば~!? もう怒りましたよ!!」
 精霊の護身用ナイフに土の精霊の力を宿すと、それを勢いよく地面へ突き立てる
「土の精霊さん、お願いします! グラウンドバースト!」
 すると、ナイフが付きたてられた箇所から半径23mの大地が無数の槍へと隆起!
 そのまま範囲内の山賊を串刺しにしていった!
「はぁ、はぁ……、これで、増援部隊は全滅ですね!」
「お疲れ様ですわ、スピレイルさん! ……大丈夫、でしたかしら?」
「え、ええ。私は怪我ひとつありませんよ! ……誘惑って怖いんですね」
 ちょっと目を潤ませている10歳児キマイラの第六感が『ヤバイ』と警鐘を鳴らし続けていた。

 大量の山賊たちを退ける事が出来たのは、各猟兵たちの行動が上手く噛み合ったが故である。猟兵たちは力を合わせることにより、その戦力を100にも1000にも増強する事が出来るのだ。
 残すは、女頭領のみ。猟兵たちは、消えた女頭領の足取りを追う事にした。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ダークエルフの女首領』

POW   :    「ちょろちょろと煩いハエだねぇ!」
対象のユーベルコードに対し【絡め取るムチでの一撃】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
SPD   :    「お前たち、やっておしまい!」
戦闘用の、自身と同じ強さの【暗殺者】と【ダークエルフ弓兵】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
WIZ   :    「下僕になるなら命だけは助けてやるよ?」
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【一時的な手下】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はアズサ・グリフォリシアです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 猟兵たちは、戦場の港を注意深く観察する。
 すると、倉庫の方向からダークエルフの女首領が姿を現したのだ。
「よく来たねぇ、アンタたち。よくもアタシの手下を全滅させてくれたね!?」
 転がる死体の山を眺め、奥歯を噛み締める女頭領。
「いいかい? 奴隷は必要としている奴らがいるから商売が成り立つんだ! ここでアタシを倒しても、奴隷商はこの世界からいなくなりやしない。このワーロッテにいる奴隷たちがその証拠さ! それでも、アタシを倒すっていうのかい?」
 まるで自分がやっていることは、この世界では正当な行為だと言わんばかりの口ぶりだ。
 猟兵たちよ、こんな詭弁に惑わされてはいけない。
 武器を取り、この女頭領を倒して、この港町にいる奴隷たちを解放するのだ!
フランチェスカ・ヴァレンタイン
その理屈で申しますと… 此処にいらっしゃる貴女という奴隷商もまた、世にいくらでも代わりの居る――この場で我々が倒してしまっても世界に寸毫ほどの影響すらない無価値な存在である、と。そういうことでよろしいですわよね? と、にっこりと微笑んで優しく告げてみましょう

戦闘は飛翔しての交差機動での一撃離脱に専念致しましょうか。…どうせならハエでなく蝶か蜂に喩えて欲しいところですけれども
他の方の攻撃の合間を縫って、すれ違いざまに斧槍を叩き込みつつアウトレンジから砲撃を撃ち込みますわよー

UCは機を見計らって土手っ腹に御馳走して差し上げたいところではありますけれど、と

※詠唱アレンジ・アドリブ・他の方との絡み歓迎


カイル・サーヴァント
後は相手の一番上を倒せば皆助けられる
これで最後…さぁ、上げていこうか!

最後の戦いは前回同様守勢を主にして戦うんだよ
「ボクが皆を護るから…遠慮せずにやっちゃえ!」
雪月花と【盾の守護獣】を用いた【盾受け】で相手の攻撃から皆を【かばう】
相手に隙が出来たら召喚陣を展開
【守護覇龍】を用いて「白銀龍セフィラ」を召喚
「力を貸して、セフィラ!」
防御主体の自分に変わり攻勢を受け持ってもらう


戦いが終わったら、ひとまずこの港で捕まっている人達を解放する
ここでも笑顔で「もう大丈夫。ボク達が来た!」と声高く宣言

(セフィラは白銀の西洋龍で、雌のためシャープは身体つきをしている)
アドリブ、他猟兵との絡み歓迎


トリガー・シックス
気配を消して【目立たない】【忍び足】で味方にも気づかれないように離れ、見つからないように高所へと『拳銃型フックショット』を使って登る。
そこから『偉大なる狩人』で【スナイパー】【援護射撃】を行う。
【迷彩】により、発見されづらくしておく。


エルーゼ・フーシェン
いなくなったトリガーのことでなにか言われたら、「大丈夫、援護するために移動しただけ」と話す。
スナイパーはマウントを取るために高所にいることが多い、それを聞かされていたため気づいている。
双剣『ストライダー』を抜いて、他の猟兵たちと共に戦闘を行う。
建物に張り付かれそうになったら押し出す。
『トリニティ・エンハンス』で攻撃力を上げて【2回攻撃】を繰り出す。
攻撃が来たら【野生の勘】と【見切り】で避けつつ【残像】を残して【カウンター】を入れる。

※アドリブ、他の猟兵との絡みOK



 ダークエルフの女首領の詭弁に対して、フランチェスカ・ヴァレンタイン(九天華めき舞い穿つもの・f04189)は優しい口調で言葉を返した。
「その理屈で申しますと……、此処にいらっしゃる貴女という奴隷商もまた、世にいくらでも代わりの居る――この場で我々が倒してしまっても世界に寸毫ほどの影響すらない無価値な存在である、と。そういうことでよろしいですわよね?」
「言ってくれるじゃないか。本当に無価値かどうか、試してみるかい?」
 女首領は鞭を振り回し、猟兵たちを威嚇する。
 これにカイル・サーヴァント(盾の守護獣・f00808)が、月の紋様を囲むようにブローディアの花弁の装飾が施された白銀の盾『雪月花』を前に突き出しながらフランチェスカを庇う。
「あとは女首領を倒せば、皆を助けられる! これで最後……! さぁ、上げていこう!」
 この戦いも、カイルは身を挺して仲間を守らんとして、ユーベルコード『盾の守護獣』によって複製した17枚の雪月花を猟兵たちの周囲に漂わせる。
「そういえば、トリガーさんはどこ?」
 いつの間にか姿を消していたトリガー・シックス(傭兵・f13153)の安否を気遣うカイル。そんな彼に、エルーゼ・フーシェン(双刃使い・f13445)がすぐに小声で答えた。
「大丈夫、援護するために移動しただけ」
 トリガーと親交があるエルーゼは、以前、彼がスナイパーとしてマウントを取るために高所にいることが多いと聞かされていたのだ。
 彼女は双剣『ストライダー』を抜いて、他の猟兵たちと共闘を図る。
 一方、トリガーは目立たないように忍び足で移動を続けていた。倉庫を屋根伝いに拳銃型フックショットを用いて渡り歩き、女首領の背後を高所から捉える。
 あとは、好機が訪れるのを待つだけだ。

 不意にフランチェスカがアウトレイジ・ブラスターで急速飛翔!
 そのまま女首領へ砲撃をしながら、擦れ違いざまにハルバードの一閃を打ち下ろした!
 これが戦闘の合図となった。
 エルーゼはユーベルコード『トリニティ・エンハンス』で炎の魔力・水の魔力・風の魔力を身に纏ると、攻撃力を強化した双剣の二連撃を女首領へ放った!
「甘いねっ!」
 だが女首領は鞭を巧みに操り、エルーゼの剣閃を弾き返してしまう。
「その首、貰ったよ!」
 そのまま鞭がエルーゼの首を刎ねんと蛇蝎の如く迫りくる!
 しかし、カイルが複製した盾がその一撃を受けとめる! 盾が粉砕!
 この瞬間、エルーゼは残像を残しながら女首領の懐に潜り込み、カウンターの一閃を浴びせた!
 一太刀入った女首領は、すぐにバックステップで深手を負わずに済んだ。そのまま猟兵たちと距離を取る。しかし、カイルは追撃の手を緩めない。彼は初めて攻勢に打って出た。
「契約だ、ボクに力を貸して……セフィラ!」
 ユーベルコード『守護覇龍(ガーディアン・ドラグーン)』!
 白銀の西洋龍セフィラは、雌特有のシャープな体つきを披露しつつ、女首領へ飛び掛かった! これには女首領も思わず顔を引きつらせて近付かせまいと必死に鞭を振るう。
「ええい! お前たち、やっておしまい!」
 その掛け声とともに、どこからともなく暗殺者とダークエルフ弓兵が召喚される。
 暗殺者は竜の鱗を斬り裂かんとナイフを振るい、ダークエルフ弓兵がそれを後方から援護して矢を射掛ける。
 だが、白銀の西洋龍セフィラはカイルの操作する複製盾で急所を守りながら、その尻尾で女首領ごと召喚された2名を薙ぎ払った! ダメージを受けた女首領は、召喚した2名を留める事が出来ずに戦場から撤退させてしまう。
 この間に、カイルは倉庫の中へ突入。倉庫の中には、案の定、売り払われる前の奴隷たちが、怯えながら踏み込んできたカイルを眺めている。
 カイルは笑顔で奴隷たちに告げた。
「もう大丈夫。ボク達が来た! 必ず自由にするから、もうすこしの辛抱だよ!」
 その言葉は、奴隷たちに狼狽と希望を生み出す。
「え? 君達も戦うって!? 分かった、ちょっと待ってて!」
 カイルの言葉に触発された奴隷たちが、ここにきて一斉蜂起!
 彼は奴隷たちの手枷と足枷を破壊して回り、奴隷を解放してゆく。
 すると、奴隷たちは怒りを籠めて女首領へ集団投石を開始!
「なっ!? いつの間に!? ぐっ!?」
 不意打ちを喰らって怯む女首領。その様子を、高所から対UDC用長距離狙撃銃『偉大なる狩人』のマルチスコープから覗くトリガー。
「……そこだ」
 引き金を静かに引くと、螺旋を描きながら狙撃銃弾が女首領へ目掛けて空を切ってゆく!
 発砲音が聞こえた瞬間、女首領の胸元を貫き、鮮血の一輪の花を咲かせた!
 怯んだ敵の姿に、上空でタイミングを計っていたフランチェスカが動く。
「セーフティ、解除――。対反動スラスター、噴射待機――。術式炸薬、フルチャージ…! そろそろメインディッシュはいかがかしら? さぁ、たぁっぷり、召しあがれ? 痛撃、爆砕っ……!! 『城塞穿ち 爆ぜ砕くもの(クロスレンジ・ヒートハンマー)』!」
 錐揉み急降下からのハルバードの重撃が女首領を袈裟斬りに伏せる!
 そして、打撃面から生じる衝撃は零距離爆裂を発生させて女首領の身体を地面へ叩き付けた!
「今のうちだよ! あの船にみんな、急いで乗り込んでっ!」
 カイルが解放した奴隷たちを、猟兵たちが乗ってきた船へ避難させてゆく。
 女首領が何とか立ち上がった頃には、奴隷たちは無事に船へと逃げおおせていた。
「こっちの商品を掠め取っていくなんてねっ!? もう許さないよ!!」
 だいぶダメージを蓄積させた様子だが、怒りによって女首領は立ち上がった。
 まだ、戦いは終わっていない……!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

茅場・榛名
「それはボクたち傭兵も同じなんだよね!必要だからここにいる。お互い様だよ!」
否定はしない。認めた上で、止める。自分がやっている悪と、あの女の悪は違うから。あれは必要悪じゃない。自分の欲を満たす為の悪だ。だから__
「__正義の為に、お前を殺す!!」

武器を大太刀に持ち変えて前衛に。銃技は多分見られてるから、剣での近接戦だね
「紅蓮斬」は最後のきりふだとして取っておきたい。使うとすれば···
やはり、トドメの時かな。
敵は一体に見えても複数いる。「剣刃一閃」を駆使して召喚兵に対応はするけど、油断しないようにしなきゃ。
「奴隷の苦しみや辛さはボクには分からない。でも、無関心という訳にはいかないんだ!」


スピレイル・ナトゥア
「奴隷商がこの世界からいなくならないというのなら、私はこの港を破壊してみせます!」
そうすれば、今回のようなことはもうできなくなります!
……売り言葉に買い言葉って、本当に素敵な言葉ですね!

幻想的な精霊の光に包まれて、剣と鎧と盾のフル武装形態になります
白兵戦は(実は)苦手ですが、伝説の英雄のごとく格好良く戦ってみせます
「奴隷商が雨後のタケノコのようにポンポン出てくるのがこの世界の定めだというのなら、私はキノコ信者のごとくあなたたちを滅ぼし続けてみせましょう!」
千里の道もまずは一歩からです!
女首領さんのムチの一撃に正面から勢いよく飛び込んで、炎の剣で【捨て身の一撃】を放ちます
「これで最後です!」


死之宮・謡
アハハ、漸く頭領のお出ましか…。何か変なこと言ってるな…別に私が殺すのは私が唯殺したいから。別に正義だのなんだのどうだって良い。私がいつも正義側に立っているのは別に信念でもなんでもなく私が猟兵だからこっち側の依頼しか来ないからさ。んで、私が今も猟兵をやってるのは…私自身が動かなくても殺しても構わない強者の情報が依頼って形で向こうから転がり込んでくるからさ!
嗚呼、だからつまらないことを言わないでくれ、お前は唯々私を殺すこと、それだけに集中してくれ。私は私の全霊でお前を殺す。だから、お前も全力で私を殺しに来い。
行クヨ…血ヲ流セ!悲鳴ヲ上ゲヨ!故ニコソ我ハ死ヲ想ウ【天燐血統装具】展開!


カイム・クローバー
個人的には、奴隷商が無くなろうがどうだろうが、そこに興味はねぇが…なんつーか、邪魔してやりたくなるんだよなー。俺は顔は良いけど性格の方は今一つでよ。悪ぃな。
POW判定。どっちかっつーと遠距離型か?懐に潜り込んだ方が勝算はありそうだな。【二回攻撃】【なぎ払い】【鎧砕き】【串刺し】を使用して懐に潜り込み、好機を見つけてUCで勝負を掛ける。
攻撃に対しては【見切り】を使用して回避。回避しきれない攻撃は【武器受け】で受けるぜ。
さて、問題はどうやって懐に潜り込むかだが…最初に【挑発】してこっちに引き付けるか。他の猟兵が攻めてくれりゃ、警戒もあっちに向くだろ。
その隙を付くってのも悪くねぇんじゃねぇか?



 第二波として女首領の前に現れた猟兵たちは、先程の彼女の詭弁に対して憤りを露わにしていた。
「奴隷は必要としている奴らがいるだって? だったら、ボクたち傭兵も同じなんだよね!? 誰かさんを殺すために必要だからここにいる。お互い様だよ!」
 毅然と茅場・榛名(異界の傭兵・f12464)は女首領へ言葉をぶつけた。
 茅場は奴隷制度自体は否定しなかった。敢えてそれを認めた上で、オブリビオンの悪行を止めることに意味があると考えたのだ。
「ボクも傭兵だから人の命を奪う。それは立派な殺人行為だって自覚してる。褒められたことじゃないよ。でも、自分がやっている悪と、お前の悪は違うから。お前は、必要悪じゃない。自分の欲を満たす為の悪だ、唾棄すべき“邪悪”だっ!」
 だから――。
 茅場は怒りを籠めて叫んだ。
「――正義の為に、お前を殺す!!」
 飛竜刀・焔の柄に手を掛けて身構える茅場の言葉に、スピレイル・ナトゥア(蒼色の螺旋の巫女姫・f06014)が続いた。
「奴隷商がこの世界からいなくならないというのなら、私はこの港を破壊してみせます! そうすれば、今回のようなことはもうできなくなります!」
 売り言葉に買い言葉って便利だな、と内心、興味深げに考えながら女首領を睨み付けるスピレイル。
 すぐさま茅場は女首領の懐に潜り込むと、放たれる鞭の一撃を刀の鞘で受け止めた! 受け流してガラ空きになった女首領の腹を、愛刀の横一文字の剣閃が斬り払う! すると、女首領の褐色の肌が血で濡れてゆく!
「チィッ! こいつら、手練れか!」
 手負いの女首領は、自らの状況が不利であることを悟った。
 一方、カイム・クローバー((自称)凄腕イケメン狼盗賊・f08018)は女首領に対して挑発がてら悪態をついた。
「個人的には、奴隷商が無くなろうがどうだろうが、そこに興味はねぇが……、なんつーか、邪魔してやりたくなるんだよなー。俺は顔は良いけど性格の方は今ひとつでよ? だから悪ぃな、今日がお前の命日だ。手向けの花は何を御所望だ?」
「へぇ、よっぽど死に急ぎたいようだね!?」
 カイムの挑発によって、女首領の注意は彼に注がれ、他の猟兵たちへの意識が薄くなった。
 その時、鮮血の刃が女首領の腹に食い込み、そのまま擦れ違いざまに筋肉を断ち切ってゆく!
「ぎゃあぁぁあっ!? げふっ!?」
 唐突な攻撃に、悲鳴を上げ、血を吐きながら狼狽する女首領。その視線の先に、死之宮・謡(血の王・情緒不安定の狂戦士・f13193)が愉悦の狂笑を湛えて赤黒い大剣を正眼に構えていた。
「血ヲ流セ! 悲鳴ヲ上ゲヨ! 故ニコソ我ハ死ヲ想ウ! 死ハ何時モ隣ニ在リテ我ハ其レヲ示ス者! 歓喜ニ打チ震エ! 天燐血統装具! 展開!」
 死之宮は今、天穹血戦体という特殊な状態に変身している。これは敵の攻撃を軽減できるうえに、血の刃を飛ばす血の大剣を生成して攻撃する事が出来るのだ。代償として寿命を毎秒削るが、強い敵と戦う事こそ至上の娯楽と認識する死之宮にとって、寿命を削ることなど些末なことなのかもしれない。
(アハハ、漸く頭領のお出ましか……。何か変なこと言ってるな……? 別に私が殺すのは、私が唯アナタを殺したいから。別に正義だのなんだのどうだって良い)
 心の中で饒舌に語る死之宮のでたらめな血の大剣の連撃が、女首領の身体を確実に切り刻んでゆく!
(私がいつも正義側に立っているのは別に信念でもなんでもなく私が猟兵だからこっち側の依頼しか来ないからさ。んで、私が今も猟兵をやってるのは……)
 血の大剣が、鞭を持つ側の女首領の腕を斬り落とした! これで彼女はユーベルコードを無効化することができない!
(私自身が動かなくても殺しても構わない強者の情報が、依頼って形で向こうから転がり込んでくるからさ!)
 死之宮は血の大剣を女首領の腹に深々と突き刺した! 大動脈を断ち切ったのだろう、傷口から血が噴き出す!
「がはっ……! 猟兵、風情が……、奴隷制度を、破壊できると、思ってるのかい!?」
 女首領の問い掛けに、他の猟兵ならば答えただろう。だが、問い掛けた相手が悪かった。
(嗚呼、だからつまらないことを言わないでくれ、お前は唯々私を殺すこと、それだけに集中してくれ。私は私の全霊でお前を殺す。だから……)
「オ前、全力デ私ヲ殺シニ来イ! アハ、アハハハハ!!」
「つーか、丸腰じゃもう勝ち目なくねぇか?」
 血の大剣で縫い付けられた女首領の懐へ、カイムが飛び込んでくるとユーベルコード『死の舞踏(ダンス・マカブル)』を発動させる!
「さぁ、躍るとするか! 地獄までエスコートしてやるよ!」
 全長2m近い両刃の狼盗賊の大剣による連続斬撃で、更に女首領は刻まれてゆく!
 今度は残った腕が刎ね落とされてしまった。
「そろそろお終いにしよう。スピレイル!」
「はい! 茅場さん! いつでも行けます! 奴隷商が雨後のタケノコのようにポンポン出てくるのがこの世界の定めだというのなら、私は永遠の宿敵たるキノコ信者のごとく、あなたたちを滅ぼし続けてみせましょう!」
 スピレイルの身体が幻想的な精霊の光に包まれて、炎の精霊の加護の剣と土の精霊の加護の鎧と盾のフル武装形態へ変身を遂げる。更に雷の精霊の加護による身体能力向上が加わり、今や彼女はスーパースピレイルといっても過言ではない。
「千里の道も一歩から! 茅場さん、トドメを刺しましょう!」
「ああ、勿論だ!」
 茅場は飛竜刀・焔に熱い魂の想いを籠めれば、刀身が一気に紅蓮の炎に包まれる!
「奴隷の苦しみや辛さはボクには分からない。でも、無関心という訳にはいかないんだ!」
 スピレイルと茅場が同時に地面を蹴り出し爆ぜるが如き速度で女首領の懐へ飛び込む! 両手を落とされた女首領には、ふたりの斬撃を受け切る事が出来ない。恐怖を覚えたオブリビオンは、背中を見せて逃亡を図る! しかし、それを2本の炎の刃が追い詰める!
「ソードスキル! 紅蓮斬!」
 茅場の太刀が悪人を裁く業火の刃となって女首領の背中を斬り伏せた!
 同時に、クロスするかのようにスピレイルの炎の精霊の剣が斬り裂く!
「これで最後です!」
「ぎゃあぁぁあっ!?」
 断末魔を上げる女首領!
 そこへ迫る、死之宮の血の刃!
「ソノ首ヲ貰ウゾ!」
 乱暴に横一線に振るわれた血の大剣は、女首領の首を容易く刎ね飛ばし、胴体を粉砕して海へと撒き散らしてしまった。
「あ~あ、魚の餌だな、こりゃ……」
 カイムが思わず苦笑いをしてしまった。
 そして転がる女首領の首は、しばらくすると風化して砂塵と化していってしまったのだった。

 見事な連携によって、猟兵たちはオブリビオンであるダークエルフの女首領を討ち滅ぼした。そして、事件後に猟兵たちは港に監禁されている奴隷たちを救出して回ってゆく。そして、改めてアックス&ウィザーズの奴隷事情の根の深さを思い知らされることとなった。
「もしかしたらこの世界は、今後もオブリビオンが奴隷絡みの事件を起こすのでしょうか……?」
 スピレイルが悲しそうに呟き、海を眺める。
 それにカイムが飄々と答えた。
「また俺達がぶっ潰せばいいだけだろ。簡単な話だな」
「ボクたちだったら、いつかきっとできるはずだ。そのためにも、オブリビオンを倒し続けないとだね」
 茅場も感慨深げに呟く。
 その横で、死之宮が言葉を漏らした。
「モット強イ敵ヲ殺シタイ……!」
「もう、謡ったら……」
 なんだかんだでブレない死之宮に、茅場はもはや慣れてしまったようだ。

 猟兵たちの活躍は、いずれこの世界に広まってゆくだろう。
 さすれば、いつかは本当に世界を変える事が出来るかもしれない。
 命を金貨の枚数で数える必要がなくなる未来の来訪を信じながら、猟兵たちは船へ乗り込み、解放した奴隷たちを故郷へ送り届けるのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月10日


挿絵イラスト