ヒーローズアース猟書家戦~老いた虎、子の仇を討たんとす
●老いた武侠は弟子の仇を討たんとす。
弟子が死んだ。
……家族を、家族を喪い荒れ果てていた自分に生きる意志を再燃させてくれた、我が子達の様なヴィランの犠牲者を増やさぬ様に、戦いの中で死なせぬ様にとヒーローの卵共を教え導くという新たな道を見出させてくれた弟子が……死んだ。
「何故じゃ!何故儂の様な年寄りでなく!
……埜盤(やばん)の、あやつの息子の磁梁(ジヤン)は未だ10にもなってないのじゃぞ!!」
未だ生きているかもしれないと有り得ない希望を抱きそうになるが、あの『偽物』の存在を自分の弟子が赦す筈がないと老爺は直ぐに其れを胸中で否定する。
そして、何よりも愛しい弟子の死に気付き悲しみに狂いそうになりながら、年老いた老爺は先ほど見かけた『偽物』へと思いを巡らせる。
「あの偽物は……力だけはあるものの足運び、拳の握り方、腕の振るい様……全てにおいて虎拳の名手たる我が弟子とは比べようもない。
あれでは猫も名乗れぬ無様さよ。
あれが我が弟子の誇りの名『ギンブリット』を騙り動くはあやつへの侮辱じゃ」
直接見て気付いたが、あれはおそらく弟子の振りをして戦い、その際に無辜の民を巻き添えにしようとしている様に見て取れた。
「涙を流す人々の涙を止めんと闘いに身を投じたあやつの誇りを!名を穢させる等!
師として赦す訳にはいくものか……!」
其れに今は修行の為に自分の所に居るので無事だが自分と同じ様に偽物と気付く可能性を考えると何れは磁梁も命を狙われかねない。
「急ぎ、この命に代えても止めねばなるまいて……。
弟子達は……最後の修行の後はリーやシェン・ロンに託すしかなかろうよ」
出来れば一人前になる迄見てやりたかった、そう思いながら最後の修行を行う為に修行場へと赴くのであった。
●グリモアベースにて。
「じゃが敵はオブリビオン。此の侭では返り討ちになるであろう。
妾達、猟兵が助力せねば、じゃが」
叶うならば犠牲は此れ以上出したくない。
だから、彼の老人に助力をしてやってほしいのだとヨナルデ・パズトーリは集まった猟兵達に頼み込んだ。
「敵は猟書家ラグネ・ザ・ダーカー。
……今までも幾つかの事件を起こして居るヒーローに成り代わり、ヒーロー活動を行う振りをして民間人を巻き込み死なせ、ヒーローと人々の間に不和を巻かんとしておる外道よ」
だが、その変化の技術は凄まじくグリモア猟兵の予知でも見抜けない物なのだという。
「じゃが、其の変化を見抜いた御仁が居って、妾の予知にどうにか引っ掛かってくれた。
見抜いたのは沙・阿和(シャー・アーフー)。ラグネ・ザ・ダーカーに成り代わられたヒーロー、『ギンブリット』義・埜盤(ギ・ヤバン)の師に当たる人物じゃ」
嘗てヴィランによって家族を喪い荒れ果てていたが幼い頃のギンブリッドと出会い、師弟となり、彼を育て上げる事で自らも立ち直ったという過去を持つという。
「師弟とは言うが二人は親子の様に仲が良かった様でな……偽物と見抜けたのも其れがあっての事じゃろうて」
未だ本格的に敵が動きだし犠牲者が出る前に見抜けたのは流石というしかない。
因みに阿和はヒーローの卵や駆け出しヒーローたちに弟弟子達と共に中国拳法を中心とした武術や武器の扱い等を教える学校をしているそうで、今からいけば弟子達に最後の修行をつけている所なのだという。
「我が子の様に思って居った弟子の矜持を護りたいと思っておるのもあるじゃろう。
阿和は妾達猟兵達も巻き込んで犠牲にしたくないと思うておる。
じゃから、弟子達の修行を手伝いつつ説得してやってくれ」
弟子を喪い視野狭窄に陥りかけてるだけなので説得其の物は難しくないとの事。
又、阿和は拳法の他に地形の利用にも長けた人物で周辺の地形を完璧に把握しているので今回の戦いにも役立ってくれる筈だとか。
そう言いながらヨナルデは集まった猟兵達を学校へと送るのであった―――。
久渓洞
お久しぶりです。或いは初めまして、久渓洞です。
今回の依頼はヴィジランテとなった老拳法家との接触の一部、彼の弟子であったヒーローの姿をした猟書家ラグネ・ザ・ダーカーの討伐の二部構成となっております。
●『ギンブリット』義・埜盤。
沙・阿和の弟子で銀の鎧に身を包み虎拳を中心とした形意拳と光る剣を振るい悪に立ち向かう其の名の如く銀の弾丸の様なヒーロー。
ヒーローとしては勇敢な正義感が強い好漢でプライベートではノリが良く明るい子供好きな人物だった。
妻はヴィランによって殺され、家族は息子の磁梁のみ。
●沙・阿和。
埜盤の師であり其の仇を討つ為にヴィジランテとなった地形の利用する戦い方と形意拳を修めた84歳の老武侠。
弟弟子達と共に拳法と剣等の武器の扱いや身の護り方等をヒーローの卵達に教えており弟子からはマスター沙・阿和と慕われている。
●プレイングボーナス
「ヴィジランテ(沙・阿和)と共に戦う、もしくは猟兵組織「秘密結社スナーク」の一員であると名乗る」
第1章 日常
『頑張れ、未来のヒーローたち!』
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POW : 筋トレや模擬戦など、体力重視の訓練を行う。
SPD : 敏捷性や射撃の腕を磨く訓練。メカニックの操作やメンテナンスなど。
WIZ : 勉学に励み知識を身につける。集中力や精神力を養うなど。
👑5
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リカルド・マスケラス
こういう悪事は見過ごせないっすね~。
まずは修行のお手伝いっすかね。実践を交えた組手をば
【世界知識】【グラップル】で虎の形意拳に近い動きで組手をする。人手が必要なら、UCでレベル10くらいの分身を複数出す
「オブリビオンはもっと強いっすよ!」
更には自分が弟子たちの憑依してみて、猟兵の身体能力で分身相手に組手。猟兵の動きを体感させることで、強くなるイメージを与えるとともに、
「オブリビオンはこれくらいの動きができるっすよ」
と、強敵の危険度を改めてその身に伝えさせる
阿和には
「ここに、ちょっとオシャレなアクセサリがあるっすけど、いかがっすか?」
と、自分の本体を差し出す。これが自分なりの助力の仕方っす
白峰・歌音
大切な人を無くした怒り、悲しみ…思い出せないけれどなぜか共感できる。
けれど、怒りのままに進んでもロクな結果にならない。それは止めないとだぜ!
言葉よりも拳を交わす事の方が分かりあえる、って言葉もあるし、組手をお願いし拳を交わして説得するぜ。
弱い人を守るために拳を振るう【情熱】、大切な人を失った無念に共感する【優しさ】を込めて、語り合うぜ。
……オレの武術は実戦だけで磨いた型の無い荒削りの戦い方だから、結構隙を突かれちゃうけれど、そこから昔の弟子さんの想い出とかがよぎって止まるといいなって思う。
「手を貸してください。あなたの想いの分を込めて、あなたの代わりに偽物を糺してきます。」
アドリブ・絡みOK
久坂部・匡弥
仇討ちしてえ気持ちは察するが
無駄死にさせんのも気分が悪いし、一つ動いてみっかね
沙を練達の徒と判断して敬う態度を取るぜ
オレは喧嘩拳法しか知らんが、
コイツは相手の意表を突くのにオススメだぜ?
弱った振りで油断を誘ってからの、反撃!ってな
正道を往くなら尚更、騙し討ちが効くってもんよ
窮地で死なねえ為の手段、奥の手ってヤツだ
…沙さんよ、最後の修行とか寂しい事言うなよ
だが、もしアンタが返り討ちにあった場合どうなると思う?
もしかすると弟子達も仇討ちに動くかもなぁ
ギンブリットは師匠や弟弟子をも殺す卑劣漢っつう
重すぎる汚名を上塗りする事になるんだ
何もここで置物になって欲しい訳じゃねえ
オレらに力を貸してくれねえか
才堂・紅葉
「秘密結社スナークの才堂紅葉と申します。お初にお目にかかります、マスター沙・阿和」
義父に仕込まれた中国武術の【礼儀作法】で挨拶する
「この度は、師父に彼の怪人に対する先陣の許可を頂きに伺いました」
六尺棒の型と演武を見せる【早業、パフォーマンス】
大陸の棒術と自身の杖術は似て非なる物だが、まずこちらの力量を伝えよう
本命は、水の入った大きな甕割りの演武
強烈な突きの一撃を加え、だが打撃箇所を割らず、その裏側を割る妙技を披露したい【貫通攻撃、衝撃波、気絶攻撃】
「師父なら同じ事が出来るでしょう。ですが、お弟子の方には伝授されていますか?」
師父には亡き愛弟子だけでなく、今いる弟子と磁梁君についても考えて欲しい
●猟兵来りて
「老師!老師――――!!」
「おや、どうしたんじゃ撃よ」
朝の水運びの鍛錬を終え、着替えているとギンブリットが連れてきた少年が自分の所にやってきた。
何でもあの猟兵が訪ねてきて鍛錬を付けてきてくれているのだという。
興奮する弟子の姿に……もしや、自分の考えている事をしったのだろうか等と益体もない事を考えながら老爺は猟兵達がいるという道場へと向かう。
何かが起こる、そんな事を感じながら―――。
●彼なりの助力の仕方。
(こういう悪事は見過ごせないっすね~)
言動はチャラい感じで女好きではあるものの力を持たぬ人達の力になり皆が笑顔で暮らせる世界を造れればいいなという想いも有する白い狐面のヒーローマスクの青年、リカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)は修行の手伝いを行いながら、そう今回の事件について思いを巡らせていた。
「疾っ!」
「おっ、今回の狙いは悪くないっすよ!
もう少し踏み込みを強くすれば尚良しっす!」
中国拳法は専門ではないものの素手での戦闘技術の高さと其の豊富な知識によって虎拳を再現しながらリカルドは阿和の弟子の一人、黄色い胴着を着た少女と実戦形式の組手を行っていく。
「はぁはぁ……流石世界を救った猟兵……です…ね」
「いやいや、オブリビオンはもっと強いっすよ!」
「なら、もっと頑張らないと……マスターの弟子としてオブリビオンを倒せる様に!そうでなくても貴方みたいな猟兵が到着する迄、犠牲者が出ない様に護れる様に!」
「そうそう、其の意気っす!」
其の豊富な実戦経験からくる指導は見事な物で少女はみるみる上達していくが、リカルドは更にヒーローマスクである彼にしか出来ない鍛錬を実行する。
「鎖のついた武器の場合、こんな感じで振り回すとより衝撃が相手に伝わり易いっす!」
「こ、此れが猟兵の動き……!?
凄い勉強になります!!」
リカルドは少女に憑依し呼び出した自身の分身を相手にしての組手を実行。
リカルドが彼女の身体を動かし猟兵の動きを体感させ事によって強くなるイメージを与える事に成功する。
特に少女は流星錘という鎖鉄球に近い武器を学んでいた事もあって鎖鎌を得意とするリカルドの動きを体感する事は良い刺激になったようだ。
「しかし、こんなにも強い貴方達と闘うオブリビオンとは……」
「そうっす。オブリビオンはこれくらいの動きが出来るっすよ」
「……鍛錬を積んでいかないといけませんね。
例え人々を助けられたとしても自分が犠牲になっては助けた人に辛い思いをさせて事になってしまいます!」
そして、もう一つの狙いであるオブリビオンという強敵の危険度も改めて伝えさせる事に成功。
リカルドはユーベルコードによって分身しつつ、阿和の弟子達に得難い経験を積ませていくのだった。
「いやはや……本当に得難い経験を儂の弟子に積ませて頂き、何と礼を言っていいやら……特に蘭は流星錘の扱いに詰まっていたのですが、お陰で殻を破れた様でしてのう」
決戦に弟子が成長する姿を見れたのが余程嬉しかったのだろう。
阿和は此れから戦いに赴くとは思えない程に嬉しそうな表情を浮かべてリカルドに礼を言う。
「いやいや、役に立てたなら何よりっす!
ああ、そうそう……ここに、ちょっとオシャレなアクセサリがあるっすけど、いかがっすか?」
「ふむ?しかし、恩人の大切な物を返す事が出来ないかもしれぬのに持っていくのは……」
「いやいや、持って行ってくれた方が嬉しいっすから気にしないでっす」
自身の本体である狐面を差し出すリカルドに戸惑う阿和だったが、キマイラフューチャーの種族であるヒーローマスクについて知らなかったのもあるだろう。
恩人の願いを断ってな悔いが残るという想いもあって本体を受け取ったのであった。
(これが自分なりの助力の仕方っす)
●ただ真っ直ぐに思いを拳に。
(大切な人を無くした怒り、悲しみ…思い出せないけどなぜか共感出来る。
けれど、怒りのままに進んでもロクな結果にならない)
「それは止めないとだぜ!」
見過ごしてはいけないと叫ぶ喪われた記憶に従い、そう心に決めて阿和の道場に現れたのはアリス適合者の少女、白峰・歌音(彷徨う渡り鳥のカノン・f23843)。
「という訳で一手お願いするぜ」
「ふむ、儂の様な老骨が猟兵のお嬢さんの役に立てるのなら其れ位は構わぬのじゃがなあ」
真っ直ぐな心根の彼女は搦め手ではなく真正面からぶつかる事を選択。
阿和が武に生きる人物である事もあってか、言葉よりも拳を交わす事の方が分かり合える、という言葉に従って拳を交わしての説得の為に阿和に組手を願うのであった。
そして、阿和は歌音の姿に嘗て喪った最愛の孫娘の姿を見て取った事もあって、其れに快諾する。
「ふむ……踏み込みは早く、又、護りの弱い部分を見抜く眼力、反撃や反応の早さ、そして何より一瞬で二度も攻撃を放つ動きの速さは見事というしかないのう……じゃが、些か攻撃が荒い所があるようじゃの」
あくまでユーベルコードや魔法等の超常の力を用いない組手と言う事もあるのだろう。
オーラを纏ってからの格闘術と魔法を駆使する戦い方を得意とする歌音にとっては全力とは言い難い為に、阿和は其の老獪な動きで歌音の拳を受け流して対応していく。
「……オレの武術は実戦だけで磨いた型のない荒削りの戦い方だから……な!」
「ふむ……善き師に会われればお嬢さんはより強くなるじゃろうのう。
勿論、今の良い所を潰さぬ善き師で在る事が前提じゃが」
或いは嘗ての弟子との稽古を思い出したのか少し笑みをこぼしながら阿和は優しい表情で歌音の蹴りを受け流す。
(しかし、このお嬢さんの拳に感じるのは……弱い人を守る為に戦うという意思と情熱に……共感と……此方を気遣う様な思い、かのう?)
自分を真っ直ぐに見つめ、拳を交わし続ける内に感じ取れた歌音の想いに阿和は戸惑い考える。
「ふむ……お嬢さん、お主は何を知っておるのかのう?」
「……手を貸してください。
あなたの想いの分も込めて、あなたの代わりに偽物を糺してきます」
歌音と拳を交えながら、阿和は猟兵達も弟子の偽物に気付いたのか、と思い至る。
成程、ならば自分の考えている事も目の前の真っ直ぐな少女も気付いているのだろう。
「済まぬが……儂は巻き込みたくないのじゃよ。
お主の様な心根の優しい子なら猶更にの」
自分の復讐なんぞに巻き込んで、嘗てヴィランに無残にも殺された我が子や孫娘、そして我が誇りの弟子の様に死なせてしまっては後悔してもしきれない。
そう思い阿和は言葉をかけるが、其れに対し歌音は真っ直ぐに彼の目を見据え言葉を返す。
「幾らでも巻き込んで良いんだよ!誰かが泣くよりはオレが傷つく方が遥かに良いからな!
其れにオレの喪った記憶が叫んでるんだ!見過ごしちゃいけないって!」
悲劇を見過ごす事は出来ないと此れ以上誰かの涙を流させたくないという真っ直ぐな思いを込めて、阿和に思いが届けとばかりに歌音は拳を放ち……其の拳は今まで歌音の拳を受け流していた阿和を捉える。
「ぐ……ッ…真っ直ぐな良い拳じゃ……!」
(斯様に真っ直ぐな拳を持つ子ならば、或いは……いや……)
其の拳と共に歌音の想いも又、阿和に届き……決意を固めていた阿和に迷いを齎すのであった―――。
●其れでも生きて貰う為に。
(仇討ちしてえ気持ちは察するが、無駄死にさせんのも気分が悪いし、一つ動いてみっかね)
「オレは喧嘩殺法しか知らんが、コイツは相手の意表を突くのにオススメだぜ?」
「えー?弱った振りで油断を誘って反撃?
其れって卑怯じゃないかなあ?」
「実戦に綺麗事、とは言うけれど……。」
引退というタイミングで猟兵の力に目覚め、面倒ごとは避けたいと思いつつ長年染みついた習慣で困った人を見過ごせない久坂部・匡弥(彌駆徒・f30222)にとって阿和の仇討ちも決して見過ごせない代物であった。
其の為に阿和の同情を訪れた彼は青い胴着と紫の胴着をそれぞれ着た兄弟に戦い方を教えつつ、阿和とどう話をつけるか思索を巡らせる。
勿論、教える事には手を抜かずに、だが。
「正道を往くなら尚更、騙し討ちが効くってもんよ。
使わねえのが一番だが窮地で死なねえ為の手段、奥の手ってヤツだ」
「成程……確かに死んでは人々を守れはしないもんなあ。
俺達が使わずに済む程強くなればいい話な訳だし」
「其れにプライドよりも僕等が優先すべきなのは人々の生活、幸せですもんね!
ありがとうございます!」
匡弥の教えに最初は卑怯では、と難色を示していた兄弟だったが、年長者であり修羅場も多く経験してきたであろう匡弥からの教えを受けて何よりも優先すべき事を思い出し、匡弥に礼を言い、彼の教えを物にする為に兄弟で組手をしてくると言って去っていく。
「いやはや、助かりました。あの二人は些か潔癖すぎるきらいがありましたからのう。
ヴィランもオブリビオンも手段を択ばぬ者は多い。
あれでは実戦に出た際にどうなるかと不安だったのでのう」
そして、一息ついた匡弥に阿和が話しかけてくる。
その顔は弟子の成長が又見れた事が嬉しいようで愉しそうだ。
そして、そんな阿和に対し、彼を練達の徒判断した匡弥は敬意を示しつつ話しかける。
「……沙さんよ、あんた最後の修行とか寂しい事を言ってたらしいな」
「ふむ。貴方も説得をなさるおつもりでしたか」
匡弥の言葉に阿和は困った様な笑みを浮かべる。
「ああ、そうさ。
もしアンタが返り討ちにあった場合どうなると思う?
もしかすると弟子達も仇討ちに動くかもしれねえぞ?」
「ふむ、一応、死んだ場合は遺書は遺しており、自分を殺すという事を偽物の証明、お前達では危険なので手出しするべからず、と伝えるつもりなのですが……足りませんかな?」
匡弥の指摘にも阿和は困った様に笑って返すが、其の言葉は匡弥を納得させる事はない。
「足りないね。
あんたはあんたの弟子がどれだけあんたの事を慕っているかわかってない。
あの兄弟だってそうだ。
猟兵の貴方も凄いけど師匠も凄いんだ。
自分達孤児を拾い上げ育ててくれた、どんなに技の覚えが悪くても見捨てず最後迄つきあってくれるし必ず技をマスターさせてくれる凄い人なんだ、って……本当に愛されてるんだぜ、あんたは?」
そもそも、たかが敵が強くて勝てないからって理由でヒーローが自分を鍛えてくれた師を、尊敬する先輩を殺した相手を見逃す等ありえはなしない。
「ギンブリットは師匠や弟弟子をも殺す卑劣漢っつう重すぎる汚名を上塗りする事になるんだぜ?」
「其れは……」
自分を殺す時点で偽物の証明、というのはあくまで自分とギンブリットの関係を知ってる身内だから判る事。
どう足掻いてもギンブリットの名は地に堕ちてしまうだろう。
「じゃが、儂はあ奴の為にも仇を討たねばならぬのじゃよ……」
「何もここで置物になって欲しい訳じゃねぇ。
オレ等に力をかしてくれねえか?」
「すまぬ……お主達猟兵の想い、言葉は嬉しい。
じゃが、儂は此の老骨の行いに巻き込みたくはないのじゃ……嘗ての我が子等の様な事になると思うと、の。
じゃから……少し考えさせていただけませぬかの……?」
匡弥の言葉に対し、阿和は悩み迷い、そう返すのであった―――。
●武によって魅せる言葉。
「ふむ、お嬢さんも儂の説得に来られたのかな?」
「ええ、秘密結社スナークの才堂・紅葉と申します。
お初にお目にかかります、マスター沙・阿和」
「ほう……余程よき師につかれたようじゃのう。
その若さで其の体幹。振るうのは棍……いや、杖術の類いですかな?
恐らく、普段は他にも武器を用いておると思えるが?」
才堂・紅葉(お嬢・f08859)の養父に叩き込まれた中国武術の礼儀作法に則った挨拶、そして、見事な体幹と足や腕の動き具合を見て取り、其処から紅葉の技の卓越さや用いる武器も垣間見えたのだろう。
自身も杖術は修めているから判ったが、其れも恐らくは敢えて判る様にしているからの事。
本気で隠そうと思えば目の前の少女は何を得意にしているか、どんな獲物を持っているか隠しきって見せるのだろうと阿和には感じ取れた。
己の得意とする武器、所持する獲物を此のレベル迄隠しきる等、暗器術の達人でも難しいというのに……よくも此れほど迄の武を磨き上げたものだと阿和は感嘆の声をあげて微笑む。
「気付かれましたか。
この度は師父に彼の怪人に対する先陣の許可を頂きに伺いました」
「ふむ、紅葉殿の前にも何人も猟兵の御仁が来られたが、何処から漏れてしもうたやら」
本当に何処から判ってしまったのか、と猟兵達の今までの説得もあって迷いが強まってしまっていた阿和は困り顔。
そんな迷いを阿和の表情から見て取った紅葉は更なる説得の為に愛用の六尺棒を取り出す。
「巻き込む事に悩むというのでしたら私の武をご覧ください」
そう言うと彼女は六尺棒の型を繰り出す演武を行い始める。
「ほう……此れは先程見て取れた以上の代物じゃなあ」
其の弛まぬ鍛錬、そして幾多の戦場で得た経験が見える演武は美しくも勇ましく、彼女の修めた杖術と阿和の修める大陸の棒術は似て非なる物ではあるが紅葉の力量を過不足なく阿和に伝えてくる。
(……今まで儂に会いに来た御仁もそうじゃが、紅葉殿も猟兵という力だけではなく心技共に優れておる。
或いは彼等ならば共に戦ったとしても……いや、其れでも巻き込む訳には……)
(未だ迷っている様ですね、なら……!)
阿和の様子に迷いを見て取った紅葉は本命へと取り掛かる。
六尺棒を振るうは水汲みの鍛錬に用いる巨大な甕。
阿和の弟子が用いる其れではなく、阿和自身が日々の鍛錬の為に用いる巨大な其れに六尺棒の一突きを喰らわせる。
「む……っ?!此れは
……!!」
六尺棒の強烈な一突きは水が波々と注がれた其の甕にぶつかるも六尺棒が当たった箇所を割りはしない。
あの勢いでぶつかって割れない筈がないと訝しんだ阿和は一瞬後に六尺棒のぶつかった箇所の反対側が割れ水が漏れたのを発見する。
甕割りの演武、打撃個所を割らず其の裏側を割る紅葉の妙技であった。
「見事、というしかないのう。
……よもや其の若さで此れ程に武を高めるとは」
「師父なら同じ事が出来るでしょう。
ですが、御弟子の方には伝授されていますか?」
亡き愛弟子だけではなく、今いる弟子と磁梁についても考えてほしいと言外に言いながら紅葉は真っ直ぐに阿和を見つめる。
(本当に良い目をしておる……。
……共に戦ったとしても犠牲になる事等ないかもしれぬ、な……)
「一人居ったが……今は、のう。
弟弟子に託すつもりじゃったが……お主等の『お陰』で迷いが生じてしもうたわい。
此の老骨と弟子の為にありがとうのう」
未だ彼等を巻き込む事に迷いはある。
けれど、猟兵達の想いは嬉しく思った阿和は紅葉に礼を言うのであった―――。
大成功
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卜一・アンリ
【POW】
生憎、手取り足取り物を教えられるような徳はないの。
卜一・アンリ。道場破りにきたわ。
弟子がかかってくるようなら怪我させない程度に手加減しつつ【カウンター】戦法。
銃は抜かない、素手の相手には【指定UC】で【吹き飛ばし】、
武器持ちには退魔刀の居合抜き(【クイックドロウ】)で【武器落とし】。
向こうが音を上げるまで相手するけど、飽く迄こちらのお目当ては彼。
マスター沙・阿和。手合わせ願うわ。
これから貴方がする事に、私が同行することを認めてもらう為にもね。
改めて名乗りましょう。
『秘密結社スナーク』が一人、卜一・アンリ。
貴方は愛弟子の矜持の為に。私は敵を狩る為に。
マスター沙・阿和。手を組んで貰うわ。
●拳法馬鹿達は強い相手との手合わせで音を挙げる事はなかった模様。
(……困ったわね。此れはちょっと予想外だったわ)
「……未だやるつもりなの?」
「ああ。此れだけ良い鍛錬になる相手はいないからね。
君が飽きる迄やらせて貰うよ!」
「むぅ、シェン・ロンめ……何と羨ましい……。
あれ程の達人と拳を交わらせる事が出来るとは……!」
「ジャンケンに勝ったから次は師兄じゃなくて僕ちゃんだからね!
だからロン、さっさと音を挙げろよ?!」
手取り足取り物を教えられるような徳はない、と目的を達成する手段として、敢えて道場破りを名乗ってやってきたのはアリス適合者にして學徒兵たる少女、卜一・アンリ(今も帰らぬ大正桜のアリス・f23623)。
弟子がかかってくるのなら怪我をさせない程度に手加減しつつカウンター戦法で対処し向こうが音を上げる迄相手をしよう、と思っていたのだが……。
「凄い!あの女の人、ロン先生の攻撃を見抜いて避けながら返す刀で吹き飛ばしてる!」
「其れに最初に木刀を居合い抜きで叩き落したのも凄い技術だったよなあ」
「でも、俺、ロン師匠の体力もすっげえと思う!
父ちゃんもロン師匠との鍛錬だとバテバテだもんなあ」
アンリは現在進行形で弟子たちが見守る中、阿和の弟弟子との手合わせを行っているのだ。
(まさか、弟子の全てが私より歳下。それどころか10歳前後が殆どとは、ね)
アンリと同年代の者は全てヒーローとして独り立ち済み。
此処ヒーローの訓練場だし道場破りと言われてもなあ等と困惑混じりの対応をされアンリ側も流石に幼い子相手に強引に動くのも躊躇われていたのだが、其処に阿和の弟弟子がやってきた訳である。
(『其れじゃあ僕等が御相手するよ!』と言われ、『達人同士の戦いというのは見ているだけでも勉強になる。
お前達もしっかり観戦しなさい』と……)
怪我をさせない様に手加減しつつ其の足癖の悪さを活かした蹴りでロンと名乗った人物を吹き飛ばしながら、此の状況をどうするか等とアンリは思索を巡らせる。
「ははは、いやあ本当に若いのに君は凄いなあ。
猟兵の人達は君みたいに強いのかい?」
「あら、気付いたの?」
アンリは少し驚いたように苦笑するが、ロンは其れに何言ってるんだかと笑って対応。
「猟兵の人達が結構きてるのもあるけれど、君に隠す気もない様だから流石に、ねえ。
まあ、そろそろ来ると思うし、もう少し待っててくれるかい?」
そう言いつつロンはアンリにカウンターの蹴りで吹き飛ばされる。
が、直ぐに立ち上がると楽しそうにアンリに戦いを挑んでくる。
そうやってアンリは阿和がやってくる迄の暫くの間ロン、そしてそろそろ代われとキレた拳法馬鹿二人との手合わせに付き合わされていた訳であるが……。
「と言う訳でマスター沙・阿和。手合わせ願うわ。
これから貴方がする事に、私が同行することを認めて貰う為にもね」
「ふむ、お嬢さんも、という訳かの?
まあ、ロンどころかリー、錦宝(キンポウ)に付き合ってくれたんじゃし儂としては構わぬよ?」
こういう形で説得してくる子もまあ、おるじゃろうしなあ、等と笑いながら阿和は快諾。
そして、其の侭に二人は手合わせを開始する。
其れを見守る阿和の弟子も阿和の弟弟子達も真剣に見守っている。
(今までの猟兵達の説得でやりやすくなってるみたいね)
「共に戦うのは認めた、と言う事でいいのかしら?」
「まぁ、思う事はあるんじゃが……あれだけ説得されれば、のう。
其れに、お嬢さんの場合、断れば強引に何かしてきそうじゃしなあ」
拳を交わせながら阿和は苦笑いを浮かべてそう口にする。
「そう、それなら改めて名乗りましょう。
『秘密結社スナーク』が一人、トー・アンリ。
あなたは愛弟子の矜持の為に、私は敵を狩る為に。
マスター沙・阿和、手を組んで貰うわ」
「うむ、形意拳は虎拳を修めし者、名は沙・阿和。
老骨なれど共に戦わせて頂こう。
ま、其れは其れとして此の手合わせは弟子達の為になるから此の侭続行させて貰っても良いかの?」
そう笑って阿和は言い、アンリも其れに仕方なく付き合うのであった―――。
大成功
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第2章 ボス戦
『ラグネ・ザ・ダーカー』
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POW : ダーカー・インジャスティス
全身を【鮮血の如きオーラ】で覆い、自身の【悪意】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : 侵略蔵書「キル・ジ・アース」
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【侵略蔵書「キル・ジ・アース」】から【具現化された「死のイメージ」】を放つ。
WIZ : マッド・デッド・ブラザーズ
【死せるヴィラン】の霊を召喚する。これは【強化された身体能力】や【悪辣な罠】で攻撃する能力を持つ。
👑11
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●老いた虎、仇と相対す
「おや、師匠どうしたのですか?」
「やれやれ、此処まで再現を怠る等、偽物としても不出来じゃなあ。
あやつは儂の事を普段は師父と呼ぶし二人きりなら……父さんと呼ぶのよ!」
そう言いながら、阿和は弟子の誉たる銀の鎧へ刃を投げつける。
それに対し偽物はラグランジュポイントの住人だったという実父から受け継いだというレーザーのブレードで切り払うがその動きも早さは兎も角技量は未熟極まる。
「虎拳が拳士、沙阿和。
我が誇りの弟子、ギンブリットが仇、猟兵の方々と共に討たせて貰おうぞ!」
「これは……いつの間にか追い込まれていたと?」
その本来の姿に戻りながら敵は周囲にいる君たちを見回す。
逃がす心配は全くない。
そして、戦いは始まったーーー。
白峰・歌音
上っ面の模倣、正義…正義に生きたヒーローの生きざまを愚弄し泥をかぶせるその行動、同じヒーローとして絶対許せないぜ!
「偽りで塗り固めた悪意の正義!このマギステック・カノンが化けの皮をはがしてやるぜ!」
敵の攻撃の瞬間を【見切り】【戦闘知識】と【第六感】を働かせて攻撃の見当をつけて回避、【属性攻撃】で反撃はするけれどこれだけじゃ攻め手にかける…そこで阿和爺ちゃんに助言をもらい、敵にたどり着く道のイメージを固め…タイミングを計ってUC発動、強烈な一撃を打ち込むぜ!
「イメージはきちんとした強い方が上回る…ただでたらめに借りてきたイメージを撃つだけのお前にオレのイメージは、上回れない!」
アドリブ・共闘OK
●武の基本は正しいイメージあってこそ
「上っ面の模倣、正義…正義に生きたヒーローの生き様を愚弄し泥をかぶせるその行動、同じヒーローとして絶対許せないぜ!」
「上っ面、上っ面と来ましたか。ならば、ヒーローとして私を倒してみたらどうです。
倒せたら、ですがね」
囲まれた事を知り、其れでも逃げ出そうと悪足掻きをするラグネ・ザ・ダーカー。
その前に最初に立ち塞がった白峰・歌音(彷徨う渡り鳥のカノン・f23843)の言葉にダーカーは苛立たし気に言葉を投げかけ、レーザーのブレードで斬り掛かる。
「倒してやるさ、偽りで塗り固めた悪意の正義を!
このマギステック・カノンが化けの皮を剥がしてやる!!『開放(リベレイション
)』!!」
そう啖呵をきると共に歌音はネオ・マギステックドレス『流浪の涼風』へと身を包み、マギステック・カノンとしての基本フォームへと姿を転じる。
其の侭ダーカーの斬撃のタイミングを見切り、オウガからアリスの世界を護る為に様々な世界を渡り歩いてきた事によって磨かれた第六感と戦闘経験によって敵の攻撃の流れを見抜いて回避。
「せいっ!」
「ぐっ……だが、此の程度で倒れるとでも思っているのですか?」
「流石に此れだけじゃ攻め手に欠けるか……!」
そして、返す刃で風を纏った蹴りを放つも威力に欠ける其れは当たっても攻め手に欠ける状態。
どう攻め込むか、ダーカーの放つ斬撃を避けながら思索する歌音へと彼女の背後から一つの声がかけられる。
「奴が斬り掛かる時のタイミングを見るのじゃ。
さすれば道は切り開けるぞ!」
「斬り掛かるタイミング……」
そんな阿和の言葉に歌音はダーカーの動きを見据え構える。
「ふん、そんな言葉一つかけられた程度で私の一撃を見切れる訳がないでしょう……
さあ、此の刃に乗せた死のイメージによって死になさい!!」
阿和の言葉を嘲りながらダーカーは斬り掛かるが其れを歌音は冷静に見据えながら回避。
そして、奴の体幹がしっかりしていないからか斬り掛かる際に踏み込みきれておらず、攻撃のタイミングが僅かに遅れる瞬間がある事を見抜く。
最後のピースは揃い、敵へと一撃を喰らわせる為の道筋のイメージは今固まった―――。
「どんな悪事を働こうとしても、ヒーローはどこからでも必ず駆けつけ、お前をぶっ倒すって事を教えてやる……せいやぁぁぁぁぁっ!!」
「ぐ……ぐぅ……!」
そして、歌音はユーベルコードによって己がイメージを具現化させた道を駆け抜け、敵の斬撃を完全に避けきり……強烈な一撃をダーカーへと叩き込む!
「……な、何故……私の斬撃を見切る等……貴方の様な子供がっっ!!」
「イメージはきちんとした強い方が上回る。
……お前が殺したギンブリットの様に長い鍛錬を積んで完全に技を己の物にした訳じゃ無い……ただでたらめに借りてきたイメージを撃つだけの偽物のお前におれのイメージは上回れるものか!」
「ぐ、があああ
!!!!」
更なる連撃をダーカーへと与えながら歌音はきっぱりと敵に宣言するのであった―――。
大成功
🔵🔵🔵
卜一・アンリ
…父、か。(出奔後に実家から送られてきた退魔刀を握り)
えぇ、やっぱり今回は銃は抜かない。
事前に沙・阿和から此処での【地形の利用】法を聞き参考にしつつ
敵がこちらに仕掛けてくる瞬間を【見切り】【ジャンプ】
【カウンター】の形でUC【強制改心刀】の居合抜き(【クイックドロウ】)。
別にこれまでの行いを悔い改めるなんて思ってないわ、敵の戦闘力の源である悪意という名の邪心を断ち切る。
目論見通り敵が弱体化したなら、そのまま【踏みつけ】るように下方に蹴り【吹き飛ばし】。
追撃はお任せするわ、マスター沙・阿和。
才堂・紅葉
「秘密結社スナークの才堂紅葉。参ります」
六尺棒を隙無く構え、武人の【礼儀作法】で一礼する
挨拶は大事だ
・方針
具象化された死のイメージは、その実像以上に死の恐怖で相手を委縮させる効果が大きい
逆に言えば、明鏡止水の如く心が揺らがねば防御難易度は高くないとも言えます
【野生の勘、見切り、オーラ防御】を駆使して、攻撃をいなしつつ移動
師父からの【情報収集】を活かし、飛翔しにくい天井の低く狭いエリアへ移動し【地形を利用】して戦います
程良い所で、六尺棒を【メカニック】で三節に伸ばして【捕縛】を狙い、【怪力】で【体勢を崩す】
すかさずリボルバーで撃ちます【早業、貫通攻撃】
「まさか卑怯とか言わないでくださいね?」
久坂部・匡弥
事前に沙と話し、オレの作戦に合う地理を聞き出す
一矢報いる機会は作るからよ
アンタならその瞬間、分かるだろ?
>
どーも、復讐しに来てやったぜ
スゲェ本もアンタには宝の持ち腐れだわなぁ
実はその本もパチモンじゃねえの?
とプライド刺激
この時、釘バット片手に近距離しか能が無さそうに振る舞う
敵技発動で
「は?何だよその早さ?!冗談じゃねえ、オレには無理だわ!」
尻尾巻いて逃げる…フリをすんぜ
誘導先は両脇が高い建物や障害物に挟まれた場所
移動時、開けた場所の移動は極力避ける
敵を正面に見据え、ある程度引き付けたらUC発動
狙い易いったらありゃしねえ
敵が墜ちたら直ぐ距離を詰め追撃…
いや、ジイさんとの連携になるかね
良い一撃だよ
●悪心は断たれ―――
(……父、か)
阿和と『偽物』、ダーカーのやり取りを聞いて過去が思い返されたのだろうか、悪辣なアリスの世界から帰還した後の家族とのいざこざの末に出奔した自分に実家から送られてきた退魔刀を握りながら卜一・アンリ(今も帰らぬ大正桜のアリス・f23623)は眼前を見据えていた。
「えぇ、やっぱり今回は銃は抜かない」
今回だけは普段の戦いで用いる拳銃の早打ちでも己の声と霊力に応え動く古代のキャバリア『牡丹』でもなく父に教わった刀剣術で戦おうと決意し……アンリは傷を抑えるダーカーの前に立ち塞がる。
「此処は通行止めよ。通行料は……貴方の命、かしら?」
「ぐぅ……邪魔をしないで貰いましょうか!!」
立ち塞がるアンリに対しダーカーは鮮血の如く紅いオーラを纏いながら光の刃を手に斬り掛かる。
其れに対し、アンリは冷静に斬撃を見切って回避すると跳躍。
「なっ、何処に
……?!」
「……随分と判り易い太刀筋ね。
ええ、此れはマスター沙・阿和が未熟と言い、弟子への侮辱だと怒るのもうなずけるわ」
「貴様ぁ……っ!!」
揶揄する様なアンリの言葉にダーカーは激高。
窓に突き出た足場に着地したアンリに向かい光の刃を振るってくるが、アンリは其れも跳躍し次の足場に。
ダーカーを翻弄する其の姿は義経もかくや、という美技。
(……其れにしても、マスター沙・阿和の情報は本当に正確で助かったわね)
そして、アンリは自身に斬り掛かり態勢を崩したのを見て取ると即座にダーカーの背後に降り立ち……強制改心刀による居合い抜きを叩き込む。
「別に此れ迄の行いを悔い改めるなんて思ってないわ。
けれど、あなたの戦闘力の源である悪意という名の邪心は……断ち切らせて貰う」
「ぐぁ……何だ!
私の中の悪意が消えて
……!?」
アンリが父に長年教えられた剣術はアリスになってから身に着けた付け焼刃の銃技よりも速く鋭く、故にダーカーが振り向き態勢を整える隙すら与えず……その邪心を断ち切ったのであった。
そして、其れはアンリの目論見通りに悪意によって力を増すダーカーの力を削ぐという結果を招き、ダーカーの動きは見るからに鈍ってきている。
「此処迄は狙い通り、ね。
なら……」
「ぐっ……づぅ
……?!」
そして、アンリはダーカーの弱体化を見逃す程甘くもなく、其の侭、態勢を整える隙など与えずに踏みつける様に下方へと蹴り飛ばし……。
「追撃はお任せするわ、マスター沙・阿和」
「うむ、ありがとうのう……先ずは我が弟子ギンブリットの痛みを……思い知るが良い!」
アンリの言葉に応え、阿和の拳が、蹴りが、ダーカーへと叩き込まれていく―――!
「ぐが……っ!ぐ……猟兵でもない只の人間にぃ
……!!」
「けれど、あなたをこの状況に追い込んだのは私達猟兵だけでなく彼の助力もあってこそ。
猟兵でない、というだけで見下し足元を掬われた気分はどうかしら?」
見苦しく叫ぶダーカーの姿を一瞥しアンリはそう嘯くのであった。
●死の恐怖を乗り越えて
「はぁ……はぁ……逃すつもりは毛頭ない、という事か」
「ええ、勿論。
秘密結社スナークの才堂紅葉。参ります」
六尺棒を隙なく構えつつ武人の礼節として才堂・紅葉(お嬢・f08859)はダーカーへと一礼する。
挨拶は大事であるし、敵が外道であっても自分迄礼節を捨てて良い訳でもない。
「こんな場所でなければ空を駆けて此の場を離れ、体制を整えられたというのに……ですが、お前を倒せば此の場から逃れる事も……!」
「其れを赦すと思っているのです?」
激するダーカーに対し、紅葉は落ち着いた態度で対応。
其れに対しダーカーは宙に浮かびながら警戒しつつ、手元の本を取り出し、鎌を持ち襤褸を纏った髑髏を紅葉に向かって解き放つ。
「さあ、死になさい猟兵!!」
「此れは又、オーソドックスな死のイメージですね」
(時見月在晴天影在波……だったわね)
具現化された死のイメージは紅葉に向かって斬り掛かるが、其れに対し紅葉は静かに澄んだ水面に明月の影を映すように明鏡止水の心得を以って冷静に対応していく。
具象化された死のイメージは其の実情以上に死の恐怖で相手を委縮させるのが厄介なのであり、心が揺らがねば其れに惑わされる事無く凌ぎきる事も決して難しい訳ではないのだ。
「くっ……何故だ!何故当たらない!」
「成程、此の死のイメージは貴方自身の動きに似通っている様ですね。
師父が調べ集めた情報が、こういう形でも役立つとは思いませんでしたよ」
斬り掛かる髑髏に対し、紅葉は其の優れた感覚を活かし動きを見切り斬撃を回避。
避けきれない攻撃も気の障壁で防ぐので傷を負う事もなく、ダーカーをいなしつつ紅葉は目的の場所へとダーカーを誘導していく。
(さて、うまく誘導されてくれている様ですね)
死のイメージである髑髏はダーカーから離れすぎる事は出来ないのだろう。
紅葉から少し距離を取りつつダーカーは紅葉を追いかけてきてるのが見て取れた。
「くっ!何だ随分と動き難い……」
「流石に此処迄来ると気付かれますか……なら!」
「ぐっ?!な、棒が分かれて
……?!」
事前に阿和から聞いておいた天井が低く飛びにくい場所へダーカーを誘導した紅葉は六尺棒を三節棍の様な形状に変形。
其の侭ダーカーの所に迄、変形した六角棒を伸ばしダーカーを絡めとると紅葉は其の優れた膂力を活かしてダーカーを引き倒す。
「グッ……!」
「まさか卑怯とは言わないで下さいね?
……貴方の所業に比べれば遥かにマシでしょう?」
「が、あああああああああああああ!!!」
そして、幾多の戦場を歩んできた紅葉が其れだけで済ませる事等ある訳がなく、間髪入れずにダーカーへ向かいリボルバーの弾丸をお見舞いするのだった―――。
●思い出の地へ誘い込み……。
『成程。其処なら俺の狙いにもピッタリだ。
何より、決着をつけるには一番の場所じゃねえか。
一矢報いる機会は作るからよ……アンタならその瞬間、分かるだろ?』
『……済まぬ。其の心遣い、必ず活かしてみせよう』
事前に阿和と交わした会話を思い返しながら、久坂部・久坂部・匡弥(彌駆徒・f30222)は眼前のボロボロなダーカーを見据えていた。
「……ぐぅ!未だ私の前に立ち塞がりますか……!」
「ああ、復讐しに来てやったぜ?」
己を警戒するダーカーに匡弥は釘バット片手に笑って立ち、挑発の為の言葉を連ねていく。
「しかし、其の有様を見た限りじゃスゲェ本もアンタには宝の持ち腐れだわなぁ。
実はその本もパチモンじゃねえの?」
「なっ!よくも言ってくれたな猟兵!!」
今までボコボコにされた怒りもあったのだろう、ダーカーは己だけでなく己の持つ本への侮辱に怒り心頭。
本に力を込め、巨大な鎌を持ち襤褸を纏った髑髏の姿の『死のイメージ』を顕現し、匡弥へと襲い掛からせる。
それに対し匡弥は敵が自分を近距離しか能が無さそうだと誤解させる様に釘バットのみで攻撃をいなしながら対応。
「は?何だよその速さ?!冗談じゃねえ、オレには無理だわ!」
「逃げるだと?逃がすと思うな!」
其のまま尻尾を巻いて逃げる振りをしダーカーを誘導。
開けた場所への移動は極力避けつつ、髑髏の斬撃を釘バットでいなし、敢えて情けなく見える様に演技しながら目的の場所、両脇が高い建物に挟まれた路地の奥……嘗て阿和が幼いギンブリットへ鍛錬をつけた始まりの地へと誘い込む。
「さて、と。此処迄くりゃあもう良いな。
狙い易いったらありゃしねえ……ただの空振りだと思ったら大間違い、ってな!」
「何だ?急に立ち止まったと思ったらいきなりバットを振って……ぐぁっ?!」
目的の場所へと誘い込んだ匡弥は正面からダーカーを見据え釘バットを一振り。
其の侭釘バットから放たれた衝撃波は匡弥と距離を撮っていたダーカーを襲い……彼女は建物の壁に叩きつけられ、墜落する。
「さあて、それじゃ行くか……覚悟しとけよ?」
「ぐっ、が…ギ……ぁ……っ!」
そして、匡弥はそんなダーカーへと肉薄し釘バットで殴りかかる。
今まで現れた全てのダーカーの人々に齎した痛みを思い知らせるかの様に釘バットはダーカーが戦いで負った傷口をえぐっていく其の様はまるでダーカーをボールに見立てた千本ノックの様。
「ぐ……が…こ…殺す……殺して…やる…ぞ…猟兵……!」
「おお、怖い怖い。
けど、よ……此処にいるのはオレだけじゃねえんだぜ?」
「そういう…事、じゃな……!」
「があああああああああああああ
!!!!」
最期の一発、とばかりに繰り出された匡弥の一撃により吹き飛ばされたダーカーへ阿和は拳を一閃。
ダーカーは更に吹き飛ばされ壁へと激突する。
「良い一撃じゃねえかジイさん。思いも魂も籠った、よ」
こうして二人の連携はダーカーを追い詰める。
だが、ダーカーの足掻きは未だ終わってはいない―――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リカルド・マスケラス
「『虎の威を借る狐』なんて言葉があるっすけど、その身体、ちょっと貸してくれないっすかね?」
そんなこと言いながら阿和の身体を借りる。借りると言ったものの、力を彼に貸して戦闘自体は阿和に任せる。
「力の差は埋まった。あとは積み上げてきたものの差が、モノを言うっすよ!」
相手のUCには、軌道を見切り、流星錘で高速で動く相手を捕えて拘束。
「この世界は、アンタたちのものじゃあないんすよ。骸の海へをお帰り願うっすよ!」
阿和や彼の帰りを待つ弟子達の想いを込め【正義代行】を叩きこむ。
もし阿和と弟子の気持ちを繋ぐことが出来れば、阿和には何としても弟子たちのもとへ帰る決心や覚悟をしてほしいっすね。
●そして、悪意は討ち果たされる。
「『虎の威を借る狐』なんて言葉があるっすけど、其の身体、ちょっと貸してくれないっすかね?」
弟子の修行を手伝ってくれた猟兵の青年、確かリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)と言っただろうか。
彼から渡された狐面が彼の声でそう言った。
何でも彼はヒーローマスクと言う種族なのだという。
(借りるというておるが身体を動かすのを儂に任せてくれておる辺り、実際は助力。
儂に直接決着をつけさせてくれる、と言う事じゃろう)
ならば、彼の想いに、そして目の前の仇を討つ為に協力してくれた彼以外の猟兵達に報いる為にも此処で奴を討ち……生きて帰らねばなるまい。
そう決意し、阿和は決着をつけんと拳を握りしめる。
嘗て、己が弟子、ギンブリットに武術を教えた始まりの路地裏で―――。
「ぐぅ……っ!ヒーローマスクという奴は……本当に忌々しい!!」
「力の差は埋まったっすからね。
後は積み上げてきたものの差が、モノを言うっすよ!」
「うむ、そして……」
ダーカーが鮮血の如き紅きオーラを身に纏いながら光の刃を振るい斬り掛かるが阿和はリカルドの助力によって強化された感覚と己が経験を以って刃の軌道を見切り僅かな動きで回避。
「剣での戦いに慣れて居らぬというのもあろうが……踏み込みも足りず、腕のみで剣を振るい、間合いの取り方も拳の間合いの取り方によっておる……身体能力が同等なれば斯様な未熟者に負ける道理などありはせぬ……!」
斯様な技術など、此処で剣の振るい方を教え始めた2年目の埜盤が修めたものぞ、等と言いながら阿和はリカルドの其れ迄引き上げられた身体能力によりダーカーと擦れ違い様に彼女の刃を持つ手に拳を一閃。
ダーカーが振るっていた光の刃を叩き落す。
「ぐ…私の武器を……っ!」
「此れは、決して命は奪わず只敵の武具や機械兵器のみを斬った埜盤の武器。
命を踏み躙る貴様の武器であるものか……っ!」
「確かに受け継ぐなら息子さんっすよねえ」
怒りの籠った阿和の言葉に同意しつつ、リカルドは冷静にダーカーを観察。
阿和に以前の別のダーカーとの戦いの経験、そして眼前のダーカーの状態を元にした助言をし、阿和は其の助言を活かしダーカーの攻撃を受け流し、時に反撃していく。
「今っス!」
「うむ!」
「な、此れは
……?!」
そして、そんな中で隙を見出した二人は高速飛行しながら距離を取ろうとしたダーカーの軌道を見切り、阿和は流星錘によって彼女を拘束。
此処でリカルド達は畳みかける事を選択する。
「覚えておくといいっすよ。
想いの力は無力じゃないってことを。
そして、虐げられてきた人々の想い、其の身に受けるといいっす!」
「此れは…磁梁や蘭……シェン・ロン達の……!」
そんなリカルドの叫びと共に『師匠、思いつめてる感じがしたけど大丈夫だろうか?』、『師匠の抱えてる問題は私達みたいな駆け出しじゃあどうにも出来ないかもしれないけど心配だよね』。『師兄は何やら戦に赴く様相であったがあの子達には未だ未だ師匠の指導が必要。無事に帰られると良いのだが』……そんな阿和への想いが阿和に聞こえてくる。
「其れに此れは埜盤との……」
同時に阿和の脳裏に思い出されるのは喪った弟子との思い出。
家族を喪い荒れていた時に路地裏でヴィランに追われる弟子を気紛れに助けた事。
断る自分にヴィランに家族を奪われる自分みたいな人間を此れ以上増やしたくない、だから力が欲しい。と何度も何度も頼み込み強引に弟子入りしてきた時の事。
修行をつけていく内に絆され、我が子の様に思ってきた事……様々な思い出、弟子への想いが浮かんでいく。
(必ず仇は討ってやるぞ埜盤よ……其れに必ず帰らねば、のう)
そして、弟子達や弟弟子、自身の想いが阿和に何より強い力と……必ず勝ち、弟子達の元へと還るという覚悟を齎していく。
人々の気持ちを一つにつなげるリカルドのユーベルコード、【正義代行】の力であった。
「これならば……!
我が弟子、我が息子たるギンブリット……埜盤の仇、此処に討つ!!」
「此の世界は、アンタたちのものじゃあないんすよ。
骸の海にお帰り願うっす!」
師を思う弟子の、兄弟子を心配する弟弟子の、そして何より我が子の様に思っていた弟子を思う師とそんな彼を助けようとしたリカルドの想いが籠った一撃はダーカーを捉え……。
「ぐ、が……此の…私が……猟兵の助力を…得たとは…言え……人間……に……嘘だ……」
「いいや、嘘じゃないっす。お前は侮っていた人間に見破られ……負けるんすよ!」
「嘘だ嘘だ嘘だ嘘だあああああああああああああああああ!!」
その叫びと共にダーカーの身体は轟音を立てて爆発四散。
「埜盤よ……終わったぞ……お主の分も磁梁は導いていく故、見守っていてくれ我が誇りの弟子よ……」
其の様をみて仇を討ち果たした老爺は死した弟子に、そう誓うのであった―――。
●戦いが終わり……。
其の後の顛末は多く語る事はない。
猟兵の助力もありダーカーによって殺されたギンブリットの遺骸は発見され、息子の磁梁の元へと還り、父を喪った少年、磁梁は悲しみながらも父の分も人々を守るヒーローになろうと決意した。
十年後か五年後か……何れ父を超える二代目ギンブリットが現れ、ヒーローとして人々を守る事になるだろう。
師として彼を導く老人に見守られながら―――。
大成功
🔵🔵🔵