●
ヒーローズアース――その大気圏外に存在するラグランジュポイントは、機械によって造られた球体であった。まるで機械造りの月のミニチュア、いやカリカチュアと言うべきか。
「おい! あれは何だ!?」
このラグランジュポイントを管理するメタルヒーローバディのひとり、メタルボーイは目を丸くする。突如としてラクランジュポイントに姿を現した、機械化した暗黒面『熱砂のラトゥール』の群れが疾走しているのを見たからだ。
「おい、ガール! どうなってる!?」
「わかんないわよ! 突然出てきたんだから!」
機械の鎧に身を包む少年と少女、メタルボーイとメタルガールは状況を理解できていない。ただ、確実に何かが起きているのだと知り、状況を把握するためにコントロールルームへと急いだ。
――その頃、ラグランジュポイントのある地点にソレはいた。機械の暴君、幹部猟書家であるデストロイ・プライムだ。
デストロイ・プライムは、ラグランジュポイントの超テクノロジーを飲み込んで徐々に巨大化していっていた……。
●
「幹部猟書家が動いたようじゃ」
ガングラン・ガーフィールド(ドワーフのパラディン・f00859)は、そう厳しい表情で口を開いた。
「場所はヒーローズアース、球体の超テクノロジーで造られた機械の塊、ラグランジュポイントにデストロイ・プライムが現れるのじゃが……」
巨大なラグランジュポイントのどこかで、デストロイ・プライムは周囲の超テクノロジーを食らって巨大化を続けている。これは、ミストレス・バンダースナッチの目論む「超生物スナークの創造」を実現に関する動きだと言う。
「この球体はかなり大きくての、どこでデストロイ・プライムが取り込んで巨大化しているのかもわからん状態じゃ」
それに加えてデストロイ・プライムが放った機械化オブリビオン、暗黒面『熱砂のラトゥール』の群れが暴れまわっている。このラグランジュポイントを管理しているメタルボーイとメタルガールのバディ、「アームドヒーロー」もこのままではラトウールに殺されてしまう。
「まずは、このふたりと接触するのがよいじゃろう。特にメタルガールとやらは、そのラグランジュポイントのコントロールルームを熟知しておる。デストロイ・プライムがどこにおるのか、コントロールルームに行けばわかるじゃろう」
まずはメタルボーイとメタルガールと接触、その上で暗黒面『熱砂のラトゥール』の群れを排除しながらコントロールルームまで行く必要がある。メタルボーイは機械の鎧から電撃を操る能力を持つが、それほど強くはない。メタルガールに関してはハッキング能力しか持っていない――猟兵の助けが必要だ。
「このままでは、面倒な事になるに決まっておる。そうならぬように、頼んだぞ」
波多野志郎
ロボっていいよね! どうも、波多野志郎です。
今回はヒーローズアースに現われた幹部猟書家デストロイ・プライムの目論見を打ち砕いていただきます。
まず第一章は集団戦です。機械化オブリビオン暗黒面『熱砂のラトゥール』の群れを排除しながらメタルボーイとメタルガールのバディを保護、一緒にコントロールルームに行っていただきます。そのあたり、アイデア次第で色々あると思いますので是非!
それでは、ラグランジュポイントでお待ち致しております。
第1章 集団戦
『暗黒面『熱砂のラトゥール』』
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POW : 角と翼を手折る者
【古代の戦士】の霊を召喚する。これは【【飛行している者】や【角の生えている者】に対し】で攻撃する能力を持つ。
SPD : 塔を冠する一面
自身の身長の2倍の【砂と土で形成された腕】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
WIZ : 暗黒を擁する咆哮
【その咆哮を聞いたものは、内に秘めた欲望】に覚醒して【欲望を求める姿】に変身し、戦闘能力が爆発的に増大する。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
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ルイス・グリッド
アドリブなど歓迎
バディ=メタルガール、メタルボーイには貴方呼び
新しい猟書家が出てくるなんてな
俺は秘密結社スナークの一員だ、原因究明のためにもコントロールルームまで案内を頼む
SPDで判定
【大声】でバディ達の名をを呼びながら【視力】【暗視】【聞き耳】で【情報収集】し捜索
見つけたら【早業】や【悪路走破】、【足場習熟】からの【ジャンプ】で進んで合流する
彼らに先行してもらい、俺は移動しながら攻撃
まずは義眼の橙の災い:爆破【爆撃】を【範囲攻撃】【全力魔法】で広範囲の敵に攻撃し、討ち漏らした敵には銀腕を【武器改造】で剣にし【怪力】【早業】【鎧無視攻撃】で【切断】【串刺し】にしながらバディ達の後を追う
●メタルスターの攻防
「新しい猟書家が出てくるなんてな」
ラグランジュポイント――通称メタルスターへと降り立ったルイス・グリッド(生者の盾・f26203)は、周囲を見回す。巨大な金属の球体は、恒星や惑星からすれば小さいが宇宙空間に浮かぶコロニーとして見ればかなりのサイズだ。
金属造りの通路はSFじみた見栄えだが、今はすっかりと荒れ果てている。それほどの災禍に見舞われた証拠だった。
「メタルガール、メタルボーイ! いるなら返事しろ!」
ルイスの張り上げた声が、反響する。耳をすませば、かすかな戦闘音が聞こえた。その音を頼りに、ルイスはカツン! と金属の足場を蹴って走り出した。
「重力が軽い、面白いな」
床を駆け、時に天井や壁も蹴ってルイスは加速する。そのまま通路を抜けるとビル三階分の高さはあるだろう吹き抜けにたどり着いた。ルイスがいるのが三階部分――そして、機械化した暗黒面熱砂のラトゥールの群れに襲われた少年少女の姿がそこにはあった。
「メタルボーイ、メタルガール。伏せろ!」
「あん!? おい、ガール!」
「ちょ!?」
頭上を見上げたメタルボーイの反応は速い。メタルガールを抱きかかえ後方へ跳んだ直後、ルイスは虚空へ身を投げ出した。重力の弱い空間では、落下も遅い。だからこそ、ルイスは先に天井へ到達。ガン! と天井を蹴って、落下を加速させた。
「爆ぜろ」
ルイスの義眼の橙の災い:爆破が、熱砂のラトゥール達を爆発に飲み込む。情け容赦ない爆撃は、機械の虎達を粉砕していく!
『ガ、アアアアアアアアア!!』
それでも、討ち漏らしが存在した。飛びかかってくる熱砂のラトゥールへ、ルイスは銀腕をかざし――流体金属を変化させ、刃へと変えて落下の勢いを乗せて振り切った。
ズザン! と虎の巨体が断ち切られ、爆発。ルイスが着地する。そのルイスへ、メタルボーイが苦笑混じりに言った。
「助かったぜ、あんた。見たところヒーローっぽいが……?」
「貴方達を助けに来た。俺は秘密結社スナークの一員だ、原因究明のためにもコントロールルームまで案内を頼む」
ルイスの言葉に、ガールは小首をかしげる。
「秘密結社なのに秘密にしなくていいの?」
「「今はそんな事はどうでもいい」」
ルイスとボーイの言葉が重なった。あー、とどこか諦めたガールは、ふと視線を上げた。
「コントロールルームに連れていくのはいいけど、あんな連中まで一緒に連れてったら大事よ。お掃除しないと大変だわ」
「思った以上に多いしなー」
「わかった、なら――」
ルイスが振り返る。彼の視線をボーイとガールが追うと、そこにはもう既に次の襲撃が迫っていた。
「――あれは任せろ。貴方達はコントロールルームへ」
「おう! 頼もしいぜ!」
「これ、通信機! ちゃんと誘導するから!」
ルイスがガールから受け取った通信機を懐へ仕舞い、走り出したボーイとガールの壁となるように熱砂のラトゥールの群れに立ち塞がった。
「行かせる訳にはいかない。覚悟しろ」
大成功
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オルカ・ディウス
・心情
……さて、この世界もずいぶんと騒がしくなったものだ
とはいえ、見過ごす訳にもいかんか
我が民の眠りを妨げるようならば、容赦はしない
・戦闘
『スーパー・ジャスティス』で戦闘力を強化し戦う
あいにく、今は大味な技しかないのでな……この場を必要以上に壊すのもまずかろう
そして、ここを守護する『アームドヒーロー』とやらを探しだして、そやつらを護衛しようではないか
【念動力】で余計な攻撃が飛ばないように意識はしよう
・その他
アドリブ等は大歓迎だ
●新たな時代だからこそ――
ふわふわとラグランジュポイント・メタルスターの空間に浮きながら、オルカ・ディウス(神海戦姫・f16905)は頭上――本来の下――を見上げた。
「……さて、この世界もずいぶんと騒がしくなったものだ」
メタルスターの通路、そこを駆ける機械化した暗黒面熱砂のラトゥールの群れを見てオルカは目を細めた。
「とはいえ、見過ごす訳にもいかんか、我が民の眠りを妨げるようならば、容赦はしない」
スーパー・ジャスティス――黄金のオーラを身にまとったオルカが、クルリと向きを返る。その圧倒的気配に気付いたのだろう、熱砂のラトゥール達が疾走を止めた。
『ガ、アアアアアアアアアアアアア!!』
熱砂のラトゥールの群れが召喚する古代の戦士達が、オルカへ殺到する。角と翼を手折る者――その名にふさわしく、角と飛行能力を持つ者に絶大な戦闘能力を発揮する古代の戦士達だ。その攻撃が次々とオルカへ突き刺さる、そう思った瞬間だ。
「我が民の眠りを邪魔するというのならば、容赦はしないと言った」
ヴン! と黄金の光が波紋となって周囲へ拡散した。オルカがした事は、ただアクア・アルタを握る手に力を込めただけ――しかし、神の強大なる精神力が起こすサイコキネシスは、亡霊であるはずの古代の戦士達を四方八方へと吹き飛ばし、かき消していく!
「まだだ」
その波紋、サイコキネシスは熱砂のラトゥールの群れも押し潰していく。機械化による強化させ、問題にしない。上から押し潰し、そのまま鉄塊へと変えていった。
「おおい!? いきなり何だ!?」
そこへやって来たメタルボーイとメタルガールが、あまりの光景に足を止める。音もなく上から降り立ったオルカは、改めて二人と向き合った。
「汝達がメタルボーイとメタルガールか?」
「お、おう……あんたも助けに来てくれたヒーローか?」
それに、オルカは頷きで返す。ガールは頭を抱えながら、それでも振り切ったように言う。
「ああ、うん。味方は一人でも多い方がいい……と思っておくわ」
「先へ急ぐのだろう?」
「おお、まったくだ! 行くぜ!」
ガールはボーイを半眼、わかってないのね……と呟き、改めてオルカを見て言った。
「ええ、信じるわ。今はそういう時代だもの」
「……そうか」
メタルボーイはいざ知らず、メタルガールは気付いたのだろう。しかし、今はメタルガールの言う通りだ。倒すべき敵が、力を合わせて戦うべき存在がいる――このヒーローズアースに生きるモノとして、それで協力する理由は十分だった。
だから、メタルボーイとメタルガールと共に、オルカは同じ道を進み出した……。
大成功
🔵🔵🔵
グロリア・グルッグ
メタルガールさんはハッキングがお得意なんですね!
これはハッカー仲間として見捨てるわけにはいかない戦いだ…!
お二人を護衛しながらミッションを遂行しましょう。
自前のキャバリアを操縦しながら戦います。
基本的にはお二人の近くで護衛に徹し、電脳空間を展開しながら搭載しているミサイルを撃ち込んで爆撃しますよ。
雷の属性攻撃をサンダーブラスターに乗せ、電撃のレーザーを射撃することでも攻撃できます。
キャバリアの燃料であるエネルギーインゴットは独自に改造してますので、ガス欠の心配など無用でガンガンレーザーを撃ちますよ。
敵に接近されたらUCを使い、カウンター気味に体当たりをぶちかましてやりましょう!
●鋼鉄を駆け抜けて――
鋼鉄の通路の中を、一機のキャバリアが駆け抜けていく――グロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)が駆る量産型キャバリア改『ニトロパルス』だ。
「メタルガールさんはハッキングがお得意なんですね! これはハッカー仲間として見捨てるわけにはいかない戦いだ……!」
既に暗黒面熱砂のラトゥールの群れと戦闘を開始しているのは、センサーで察知している。グロリアの量産型の機体を電脳魔術士の自分好みに魔改造したキャバリアは、まさに手足を動かすように自在に操縦する。
『グ、ル、アアアアアアアアアアアアアアアアア!!』
機械化された熱砂のラトゥールの群れが、ニトロパルスへと殺到する。キャバリアでは、上下左右には逃げ場がない通路だ。道は前か後ろだけ――だから、グロリアはニ者一択を迷わず選んだ。
「電子の海さえも超えてみせる」
電子踏破(ラン・アンド・ダイブ)、雷をまとったニトロパルスの突進は前へと繰り出される。触れた端から雷を浴びた熱砂のラトゥール達は、内側から機械を焼き切られそのままカウンター気味の体当たりに弾き飛ばされていった。
移動と攻撃、その双方を伴ったグロリアの電子踏破はそのまま通路の出口へ。広い空間に出ると、そこで交戦する仲間達を見つけた。
「うおー、かっけえ! 何だ! ロボか!?」
メタルボーイが目を輝かせた瞬間だ、BS-Aサンダーブラスター・サンダラーの一閃が空間を薙ぎ払った。
「お待たせしました! ここからは私も護衛します」
「おおおおおお! ロボか! ロボの追加か!?」
キャバリアに興奮するメタルボーイに、メタルガールは呆れたように――しかし、興味津々の様子でニトロパルスを見上げた。
「それしか見えないの? ボーイ。むしろ、この電脳空間へのアプローチがわからないのかしら。多分、兵装を電脳空間に収納してるんだと思うんだけど……すごい腕前ね、あなた」
「それは一目で見抜くだけでお見事です」
同じハッカーとして通じ合うものがあったのだろう、笑い合うグロリアとメタルガール。その機体の性能がわかるからこそだろう、メタルガールの表情は苦い。
「残念だわ、この機体ならコントロールルームがスタンドアローンになってなければここからでもアクセス出来たのに……」
「セキュリティ上なら、仕方ないでしょう。急ぎましょう」
スタンドアローン、電脳的に常時繋がっていない事。それは単純だが、もっとも確実なセキュリティだ。だからこそ、コントロールルームに直接行くしかない――彼等は、そのまま広場を抜け次の通路へと駆け出した……。
大成功
🔵🔵🔵
月夜・玲
うーん、出来ればラグランジュポイントでジャンク品漁りでもしていたい…
あ、お仕事ですよね
はい…知ってます…
でも機械漁り…
●
まずはバディと合流しよう
お疲れちゃーん
えっと、何だっけ…そうそう!秘密結社スナーク構成員、アキラ見参!
援護に来たよ
という訳で、先急ぐんでしょ?
此処は任せで先に行けー!
安心して、後で追い付くから…
へへっこの戦いが終わったら私…ジャンク漁りするんだ…!
《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
【雷鳴・解放】を起動
あ、メタルボーイの方!私の剣に電撃撃っといて!
『エネルギー充填』しといてよ
高速移動で敵の攻撃を回避しながら、斬撃を放出
纏めて殲滅していこう
アドリブ等歓迎
九条・救助
まずはユーベルコードを励起。周囲一帯の空間を凍結させ、敵群を駆逐しながらヒーローたちとの合流を目指す。
敵の咆哮は欲望を呼び覚ます、とかゆー能力らしいが……
そんなら【封印を解く】さ。こちとら神様憑きなもんでね。神格の霊気を纏うことで霊的防護とし、【呪詛耐性】として精神に干渉する咆哮の影響を遮断する。
あとは叩き潰してくだけだ。
2人のヒーローを発見したら、トレンドに則った名乗りをあげて合流だ!
オレは『秘密結社スナーク』で、しかもあのフォーティナイナーズにも名を連ねる『ウェンカムイ』だ!
……なに。知らない?そっか。
まーいいさ。よろしく頼むぞ2人とも。
こっからはトリオで活躍しようじゃん。先導よろしくな!
ティファーナ・テイル
SPDで判定を
*アドリブ歓迎
「強そうだね!でも勝つよ!」と笑顔で挑む。
『ガディスプリンセス・レディース』で従属神群を召喚して「皆でやっつけちゃうよ!」と立ち向かい『ガディス・ブースト・マキシマム』でSPDを強化して『スカイステッパー』で縦横無尽に動き回りながら『セクシィアップ・ガディスプリンセス』で♥ビーム攻撃を仕掛けて、敵の攻撃を『神代世界の天空神』で空間飛翔して避けて敵のUCを『天空神ノ威光・黄昏』で封印/弱体化させます。
『ジェットストリーム・ラヴハート』で更にSPDを強化して『ガディスプリンセス・グラップルストライカー』で髪の毛/蛇脚尾/拳で攻撃をして『ヴァイストン・ヴァビロン』で攻撃!
●ラグランジュポイント、疾走
機械の球体――そこは月夜・玲(頂の探究者・f01605)には、まさに宝の星に見えていた。
「うーん、出来ればラグランジュポイントでジャンク品漁りでもしていたい……あ、お仕事ですよね。はい……知ってます……でも機械漁り……」
例えるなら、何一つ無駄のない機能美に満ちた芸術品だ。そのパーツ一つでも、喉から手が出るようなアイデアと技術に満ちている。
「ここから先は……オレが、支配する」
「ああ!?」
しかし、それを九条・救助(ビートブレイザー・f17275)は凍神領域(レイドスフィア)によって視界内の機械を不毛なる永久凍土へと変えていった。変わっていく宝の星に声をあげる玲に、救助は言った。
「急ごう、こうしている間にも敵が彼らを狙っている」
「それはー、そうなんだけど……」
後ろ髪引かれる気分の玲は、しかし、意識を切り替える。
「――速攻で全部終わらせるわよ」
機械漁りはそれからでもいい、玲はそう割り切ると氷の地面を蹴った。それに続きながら、救助も疾走。あまねく生命を滅ぼす永久凍土を広げながら、ラグランジュポイントを二人は駆け出した。
●コントロールルームまで、後――
「コントロールルームまで、後もう少しよ!」
メタルガールの言葉は、ゴールが近いと告げていた。しかし、それに伴い熱砂のラトゥール達の抵抗も激しくなっていく。
「やっぱり、こっちの目的地を知って――」
「下がれ! ガール!」
メタルボーイの警告と同時、上から熱砂のラトゥール達がメタルガールへと降り注ごうとしていた。しかし、それをティファーナ・テイル(ケトゥアルコワトゥル神のスカイダンサー・f24123)が許さなかった。
「強そうだね! でも勝つよ! レディース(従属神群)の能力(チカラ)を今こそ見せる刻だよ!」
ティファーナのガディスプリンセス・レディースによって召喚された従属神群が、ティファーナをサポートする。一気に間合いを詰めたティファーナの蛇脚尾の薙ぎ払いが、熱砂のラトゥール達を薙ぎ払った。
「ありがと!」
「まだまだ来るよ!」
コントロールルームに近づけば近づくほど、熱砂のラトゥール達の抵抗は強いものになっていく。間違いなくこちらの目的地を理解し、回り込んでいるのだ。
「お疲れちゃーん」
そこへ間に合ったのは、玲と救助だ。凍てついていく熱砂のラトゥール達を、玲は《RE》IncarnationとBlue Birdで切り砕きながら名乗った。
「えっと、何だっけ……そうそう! 秘密結社スナーク構成員、アキラ見参! 援護に来たよ」
「オレは『秘密結社スナーク』で、しかもあのフォーティナイナーズにも名を連ねる『ウェンカムイ』だ」
「何なの、その秘密結社スナークって!?」
思わずツッコミを入れるメタルガールに、救助は肩をすくめた。
「……なに。知らない? そっか。まーいいさ。よろしく頼むぞ2人とも。コントロールルームはもうすぐそこだろう? 先導よろしくな!」
「此処は任せで先に行けー! 安心して、後で追い付くから……へへっこの戦いが終わったら私…ジャンク漁りするんだ……!」
「そんな死亡フラグいらないから!」
「待って、何を漁るって!?」
玲のノリと勢いのセリフにも、メタルボーイとメタルガールは反応する。してくれる。彼等は付き合いのいいヒーローだった。
「あの通路を抜けた先がコントロールルーム……って、完全に陣取られてるじゃない!」
悲鳴に近いメタルガールの言葉の通り、熱砂のラトゥール達は完全に陣形を組んで通路の入り口を塞いでいた。暗黒を擁する咆哮によって巨大な機械の虎へと変貌していく熱砂のラトゥールの群れに、玲は駆け出した。
「雷の疑似UDC解放。我が身よ、稲妻となれ!」
雷鳴・解放(ライトニング・リリース)――疑似UDCの力を身にまとい、玲は《RE》IncarnationとBlue Birdを構えて振り返らずに言った。
「あ、メタルボーイの方! 私の剣に電撃撃っといて! 『エネルギー充填』しといてよ」
「バッテリーじゃねぇんだぞ!? おらよ!」
機械のガントレットから放たれた電撃が、《RE》IncarnationとBlue Birdを打つ――その確かな手応えに、玲は一瞬舌を巻いた。火力としては低いが、その精密な電撃は確かに素晴らしい。一瞬でエネルギーが溜まった事を察すると、玲は《RE》IncarnationとBlue Birdを下段から跳ね上げた。
「行っけ――ッ!」
ズガン! と稲妻を纏った斬撃が、玲のニ剣から放たれた。それは襲いかかろうと突っ込んできた巨大な機械虎を複数両断するのに十分な一撃だった。
だが、塔を冠する一面――巨大な機械虎の倍はある砂の脚が、猟兵達を襲いかかった。鋭い爪は、文字通り鋼鉄を紙のように切り裂く。だが、それを神格の霊気をまとった救助は、一瞥するだけだ。
「――凍れ」
バキン!! と砂の脚が、一瞬にして芯まで凍りつき仲間達の援護射撃が打ち砕く!
『オ、オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!』
吼えた熱砂のラトゥール達の特攻に、凍土の床を滑るように進みティファーナが迎え撃った。
「神々の無限の宝物庫の真の効力を!」
ヴァイストン・ヴァビロンによって、熱砂のラトゥール達の特攻をティファーナはかわしていく。まるで針の穴に矢を通すような精密かつ奇跡的な動きを、莫大な財を対価に成功させ――熱砂のラトゥール達の唯一の死角へ身を滑らせた。
「こればボク達の“超神武闘必殺技”! 勇気と正義と神業で窮地を好機に!」
繰り出されるのは、黄金に輝く拳――ティファーナのガディスプリンセス・グラップルストライカーが、熱砂のラトゥール達を粉々に破砕した……。
大成功
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第2章 ボス戦
『デストロイ・プライム』
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POW : グラウンド・ゼロ
単純で重い【足や尻尾】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : ジェノサイド・ブラスト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【全身のビーム砲】から【破壊光線の雨】を放つ。
WIZ : トリニティ・バースト
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【悪】属性の【破壊光線】を、レベル×5mの直線上に放つ。
👑11
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●デストロイ・プライム
『ぎゃあああああああああああ!? ラグランジュポイントのエネルギーを食って巨大化してるぅ!? ヤバいよ、こいつ!』
通信機越しにあがったメタルガールの悲鳴を、猟兵達は聞いた。莫大なエネルギーを持つラグランジュポイント、その全てを食らいつくさんとするデストロイ・プライムが、今まさに巨大化しているのをコントロールルームのモニターで確認したのだ。
『ごめん、これ、エネルギーを上手く循環させないと隔壁とか開けらんない! 任せていい!?』
『こっちはオレが守るからさ、頼むぜ! みんな!』
メタルガールとメタルボーイは、コントロールルームに残る事となった。立体映像で映し出されるのは、機械の球体だ。その一点、パワースポットにデストロイ・プライムはいた。
『誘導するよ! お願い、あいつを倒して! 絶対、ヤバい事になるのは間違いないよ!』
急がなければならない。猟兵達はメタルガールの誘導に従って、デストロイ・プライムの元へと急いだ……。
オルカ・ディウス
・心情
さて、ブクブクと大きくなりおって……面倒なものだな?
それ以上大きくなられる前に倒すとしようか
・戦闘
『スーパー・ジャスティス』で戦闘力を強化し戦う
【念動力】は防御や衝撃を散らすのに集中して使用し、奴の攻撃を受け止めつつ戦おう
・その他
アドリブや共闘等は大歓迎だ
グロリア・グルッグ
でかぁい!
これが噂のカイジュウですか!
しかし心配ご無用、怪獣の倒し方はムービーで学びましたので!
自前のキャバリアで戦います。
白兵戦を仕掛けるべくありったけのミサイルをぶち込みながら接近。
電脳魔術や電脳ゴーグルの計算能力をフルに活かし、敵の攻撃を見切ってさらに距離を詰めましょう。
キャバリアを操縦する腕はもちろんのこと、歴戦の軍人として『覚悟』は完了済なので敵がどんなに巨大でもビビるようなことはありませんね。
手が届く至近距離まで接近したら、全力魔法でエネルギーを充填したサンダーブラスターで敵に接触し、UC電磁掌を叩き込んでやりましょう!
「私のこの手が雷鳴轟く! 電磁爆裂、パァルス・フィンガー!」
ティファーナ・テイル
SPDで判定を
*アドリブ歓迎
「悪の機械三竜!正義と勇気の神様のボクが相手だ!」
『ガディスプリンセス・レディース』で従属神群を召喚して『ガディス・ブースト・マキシマム』でSPDを強化して『スカイステッパー』で縦横無尽に移動して『セクシィアップ・ガディスプリンセス』で♥ビーム攻撃を仕掛けます!
敵の攻撃を『神代世界の天空神』で空間飛翔して避けて敵のUCを『天空神ノ威光・黄昏』で封印/弱体化させます。
『ヴァイストン・ヴァビロン』で豪華絢爛に『ガディスプリンセス・グラップルストライカー』で髪の毛/蛇脚尾/拳で攻撃して『ゴッド・クリエイション』で“龍竜騎士”を創造して機竜討伐を手伝って貰います!
「勝つよ」
●三つ首の機龍
『そのまま真っすぐ抜けたら、化け物がいるよ!』
メタルガールの通信に、通路を抜けたグロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)が思わず叫んだ。
「でかぁい! これが噂のカイジュウですか!」
怪獣――そう表現するほどのがふさわしいほど巨大なデストロイ・プライムがそこにはいた。遠近感を喪失するほどの巨大さ、それを見上げてオルカ・ディウス(神海戦姫・f16905)は呆れたようにこぼす。
「さて、ブクブクと大きくなりおって……面倒なものだな? それ以上大きくなられる前に倒すとしようか」
その時だ、デストロイ・プライムの頭の一つが視線を上げる。ついに自身の元へやって来た者達を見た瞬間、三つに首が咆哮を上げる。
『『『ガ、ア、ア、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
!!』』』
ゆっくりと、デストロイ・プライムの巨体が振り返った。だが、それは巨体が生んだ錯覚だ。ゆっくりに見えるだけで、周囲の大気を荒れ狂わせる速度がある。
「悪の機械三竜! 正義と勇気の神様のボクが相手だ!」
ティファーナ・テイル(ケトゥアルコワトゥル神のスカイダンサー・f24123)の言葉が届いたかどうか、定かではない。ただ、その返答は痛烈だった。ドン――! と巨大な機械の球体であるラクランジュポイントを揺るがす程の尾の一撃が、床を砕いた。
●悪龍は荒れ狂う
「レディース(従属神群)の能力(チカラ)を今こそ見せる刻だよ!」
ティファーナの召喚に応え、従属神群がその尾の一撃を受け止めていた。歪む床、めくれる金属、緩い重力の中で破片が浮かび――その尾の先を、オルカが掴んだ。
「――ッ!」
スーパー・ジャスティスによる黄金のオーラを身にまとったオルカの渾身が、デストロイ・プライムの尾を振り払う。だが、低重力下の中でさえその巨体は揺るがない――そこを量産型キャバリア改『ニトロパルス』のありったけのミサイルをぶち込みながらグロリアが接近を試みた。
「心配ご無用、怪獣の倒し方はムービーで学びましたので!」
ドドドドドドドドドドドドドドド! とデストロイ・プライムへ、次々とミサイルが着弾していく。それをわずらわしげに振り払うと、デストロイ・プライムの全身の装甲が展開された。ガシャン! と無数の砲門――全身のビーム砲が一斉掃射。破壊光線の雨が、降り注いだ。
「この程度!」
だが、グロリアは恐れない。防御でも回避でもなくグロリアが光の暴力に選んだ選択肢は、前進だった。ニトロパルスの機動力と自身の操縦技術、そして電脳魔術や電脳ゴーグルの計算能力をフルに活かした前進は、紙一重でその破壊光線の雨をかいくぐって行った。
「世界を巡りし神々♪ 神代の天空宮殿へと誘っちゃって♪」
ティファーナが、神代世界の天空神(エデンズ・ラビュリストン)による空間転移で、ニトロパルスの肩の上に移動する。その上を、黄金の軌跡を描来ながらオルカが飛翔した。
「来るぞ」
短い断言、オルカの言葉と同時にデストロイ・プライムの三つ首がその口を開ける。そして、キュイン――! と悪属性の光が収束された。
『『『オ、オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
!!』』』
ズドン! とトリニティ・バーストの破壊光線が放たれた。その光線に、オルカは渾身の念動力を展開。悪属性の光線を、受け止めた。
「行、け――!」
完全に霧散させるのは不可能だった。それでもオルカが稼いだ数秒は、貴重だ。ニトロパルスの疾走が、悪の機龍の懐へと届いたのだから――!
「こればボク達の“超神武闘必殺技”! 勇気と正義と神業で窮地を好機に!」
ヒュガ! と跳躍したティファーナの拳――ガディスプリンセス・グラップルストライカーが真ん中の首、悪龍の顎をかち上げる。ジュガ! とトリニティ・バーストの破壊光線が逸れ、ラグランジュポイントの金属壁を焼き切っていき――。
「私のこの手が雷鳴轟く! 電磁爆裂、パァルス・フィンガー!」
懐へ飛び込んだグロリアのニトロパルスが繰り出す電磁掌(パルス・フィンガー)が、デストロイ・プライムの巨体を大きく吹き飛ばした。轟音を立てて壁を破り、悪龍が倒れる。巻き起こる噴煙が、周囲を満たした。
『あばばばばば!? あ、いや、でもこうしないと倒せないだろうしなぁ! 安心して! 完全にぶっ壊れなければ私が直すから! ガンガンやっちゃって!』
メタルガールの自棄っぱちな通信と共に、噴煙の向こうで金属音が鳴り響く。デストロイ・プライムがゆっくりと立ち上がり、そして吼えた。
『『『オ、オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
!!』』』
「今更怒ったかな?」
それに恐れも見せず、グロリアが呟く。今までのデストロイ・プライムは、ただ目障りな邪魔者を叩き潰す程度の認識だった。しかし、この攻防で知ったのだ。今、目の前にいる猟兵達が、自身の命に届く力を確かに持っているのだ、と。
噴煙を咆哮で振り払い、デストロイ・プライムが前に出る。それは、この悪の機龍にとって同等の敵と認めた相手との戦いの始まりを意味していた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
九条・救助
ロボット怪獣か……。
んじゃ、まかせろ。こーいうのはオレの出番だ。
敵は随分でっかいよーだが……
まあ、なんとかなるだろ。
いくぜ、【完全同調】だ!ギガ・カムイライズ!
力を解放した神性体へと巨大変身だ。敵と同サイズになって仕掛ける。
敵の光線を躱しながら、【オーラ防御】で致命傷を避けつつ持久戦に持ち込む。
敵も無制限に飛び続けることはできないはずだ。光線に耐えながら攻撃の切れ間を待つ。
一瞬でいい。隙ができたその瞬間に敵の喉元に飛び込む!【捨て身の一撃】は得意でね!真正面から突っ込んで、力任せにぶん殴る!
あとは残るユーベルコード出力全部を束ね、必殺のディヴィニウム光線だ!
マイナス100万℃の神気をくらえ!
ルイス・グリッド
アドリブなど歓迎
了解、任せろ
来い、デカブツ。スクラップにしてやるよ
SPDで判定
【挑発】で狙いを俺につけさせる
攻撃されたら銀腕を【武器改造】で盾にして【盾受け】【受け流し】【オーラ防御】で防ぐ
義眼の藍の災い:圧壊【重量攻撃】を【スナイパー】【全力魔法】を使って敵の羽部分を潰す
攻撃でまき散らされた土煙や軽い重力と言った【地形を利用】し【迷彩】【早業】【悪路走破】【足場習熟】からの【ジャンプ】で敵の背に飛び移る
暴れたら【怪力】でしがみ付きながら、銀腕を剣に変えて【怪力】【早業】【鎧無視攻撃】【貫通攻撃】で敵の装甲を【切断】し【串刺し】にする
月夜・玲
うわでっか…怪獣大決戦かな?
どうでも良いんだけどさ、こういうロボ怪獣見てると
猟書家とは…ってなるよね
ならない?
だって書と全く関係なさそうじゃん!
●
敵の足や尻尾の一撃は『オーラ防御』で多重シールドを貼って威力軽減して、『武器受け』してなんとか直撃を逸らす!
そうそう、この大雑把な攻撃!
怪獣映画って感じだ…
だれか撮影してる?
ドキュメンタリーアクション作品として売れそう?
ま、冗談はさておき
私も反撃させて貰おうか
【決戦兵装:武御雷神】起動
模造神器を代償に、決戦装備を召喚
ブースターで一気に加速して、全力の一撃で首を一本貰う!
大盤振る舞い、採算度外視!
まあでも、データ取りには代えられないってね
アドリブ等歓迎
麻海・リィフ
アドリブ、即興連携歓迎
大きいが何だ!?悪属性がどうした!?
負けてなどやらぬ!!
気合で自他の勇気を鼓舞
先制UC発動
誘導に従い現場に直行
即座に空中浮遊ダッシュジャンプスライディングで接敵
剣を回し念動衝撃波串刺しチャージで一気に突撃
二回攻撃を交え鎧を砕く貫通攻撃で急所を見切りスナイプする
敵の攻撃は基本三種の盾で受け
念動衝撃波オーラ防御等を乗せて防ぐ
カウンター念動衝撃波シールドバッシュで範囲ごと薙ぎ払い目潰し
窮地の仲間は積極的にかばう
巨大な敵とは一度ならず戦ってきた!
切羽詰まって巨大化する輩は負ける者だ!
竜を討つは騎士の誉れ…
その逆鱗!貰い受ける!!
最後は限界突破の渾身の一突き
滅び去るがいい!機竜!!
●大怪獣決戦
荒れ狂う悪龍――デストロイ・プライムが、前に出る。その巨体の一歩は、致命的なまでに進む。その前に『落下』したのは、九条・救助(ビートブレイザー・f17275)だ。
「ロボット怪獣か……。んじゃ、まかせろ。こーいうのはオレの出番だ。敵は随分でっかいよーだが……まあ、なんとかなるだろ」
明確に向けられる敵意、デストロイ・プライムの一本の首が迫るのを救助はただ静かに見た。
「いくぜ、【完全同調】だ! ギガ・カムイライズ!」
その瞬間、力を解放した神性体へと巨大変身へと完全同調(フルポゼッション)した救助がその首を受け止めた。同サイズの巨大質量同士の激突で、ラグランジュポイントを大きく揺らした。
悪の機龍対悪神《ウェンカムイ》の激突。その盛大な轟音を前に、月夜・玲(頂の探究者・f01605)がしみじみと呟いた。
「うわでっか……怪獣大決戦かな? どうでも良いんだけどさ、こういうロボ怪獣見てると猟書家とは……ってなるよね。ならない? だって書と全く関係なさそうじゃん!」
『それ以前に! ぶっ壊れちゃう!? ぶっ壊れちゃうから!!』
「了解、任せろ。来い、デカブツ。スクラップにしてやるよ」
ガリガリガリガリ!! と踏みしめた悪神《ウェンカムイ》の足元が砂のように鋼鉄がめくれ、押されていく――それを食い止めたのはルイス・グリッド(生者の盾・f26203)の左目、義眼の藍の災い:圧壊だ。ミシミシミシ――! とデストロイ・プライムの羽根部分が軋みを上げ、大きく動きが鈍った。
『『『ガ、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア
!!』』』
それがわずらわしい、と尾を振り払うデストロイ・プライムの一撃を、玲は前面に全力で展開したオーラで受け止め――踏ん張らず、吹き飛ばされた。
「今!」
「おう!」
壁に『着地』した玲の声に、救助が悪龍の首を掴んで投げ飛ばした。振り払った尾を止めるのに無理矢理体勢を崩された瞬間だ、踏ん張りが効かずにデストロイ・プライムの巨体が宙を舞った。
「晴天の嵐、その本領を見せてやる……!」
宙へ浮かんだ悪龍へスライディングで滑り込んだ麻海・リィフ(晴嵐騎士・f23910)が光学式衝点防盾「極光」を展開、万能気流高速機動・翔嵐の暴風をまとめ上げ念動力で暴風の光盾で押し付けた。
『『『グ、ルオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ
!!』』』
叩きつけられた悪龍が、それでもなお立ち上がる。それを見上げ、リィフは威風堂々と言ってのけた。
「大きいが何だ!? 悪属性がどうした!? 負けてなどやらぬ!!」
気合で自他の勇気を鼓舞する言葉と共に、リィフは飛翔する。デストロイ・プライムも巨体の自身が投げられたという事実に怒り狂い、ジェノサイド・ブラストによる破壊光線の雨を周囲へと撒き散らした。
●悪は吼え猛り――
ラグイランジュポイントが、文字通り悲鳴を上げる。大質量同士の激突、それに干渉できるほどのユーベルコードの連発。当然と言えば、当然の状況だった。
「どうした? その程度か」
敢えて挑発したルイスの元へ、デストロイ・プライムが首の一本を向ける。ドォ! と繰り出される悪属性の破壊光線を、ルイスは宙に浮かぶ金属片を足場に回避していった。どんな悪路であろうと空間があれば、十分な『道』になる。そして、その破壊光線を放つ首を救助の肘が打ち上げ、悪龍の口の中で爆発が起きた。
「くそ、一瞬。一瞬でいい――!」
一本の首を相手にしていれば、二本の首が別方向から襲い来る。三本の首に死角はなく、圧倒的に手数で負けていた。だからこそ隙がなく、圧しきれない――その救助の肩へ降り立ち、玲が言った。
「そうそう、この大雑把な攻撃! 怪獣映画って感じだ……だれか撮影してる? ドキュメンタリーアクション作品として売れそう?」
『全体像が、カメラが入りきれないんだけども!?』
「それは残念……ま、冗談はさておき。私も反撃させて貰おうか」
メタルガールの律儀な返答に肩をすくめ、玲は決戦兵装:建御雷神――4振りの模造神器を代償とした決戦装備を召喚、ブースターを吹かせて叫んだ。
「隙は作るから、後よろしくね!」
ドォ!! と玲の決戦兵装が横へ薙ぎ払われた。伸びる雷の刃が、デストロイ・プライムの首の一本を捉える!
「大盤振る舞い、採算度外視! まあでも、データ取りには代えられないってね!」
ザン! とその斬撃が、悪龍の太い首を断ち切った――はずだった。しかし、薄皮一枚残っている――最後の力で首が牙を剥こうとしたその刹那。
「まだ、だよ――!」
ゴォ!! とブースターが爆ぜたと錯覚するほどの過剰出力による追加の加速が、悪龍の首を一本、断ち切る! 大きく体が泳いだデストロイ・プライムを、悪神《ウェンカムイ》の豪快な拳が殴打し吹き飛ばした。
「マイナス100万℃の神気をくらえ!」
胸の前で組む両腕に集中、残るユーベルコード出力全部を束ねて救助が必殺のディヴィニウム光線を解き放った。バキバキバキバキ!! と二本首となった悪龍の巨体が、一瞬にして凍てついていく。その氷を噛み砕こうと伸びた一本の首へ、ルイスが飛び乗った。
「させるか」
銀腕の流体金属を刃へ変えて、ルイスは悪龍の頭に突き立てる。そして、次の瞬間にズガァ!! と巨大な刃となって、顎まで貫いた。
「巨大な敵とは一度ならず戦ってきた! 切羽詰まって巨大化する輩は負ける者だ! 竜を討つは騎士の誉れ……その逆鱗! 貰い受ける!!」
晴天の嵐、その先端に乗ってリィフは回転剣ストヲムルゥラァを構える。ギュガ!! と回転剣ストヲムルゥラァの先端が嵐を掴み、回転――凍りついたデストロイ・プライムへ突き立てられた。
『ガ、ア、ア、ア、アアア、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!』
「滅び去るがいい! 機竜!!」
最後に残った一本の首が、叫びを上げる。全身全霊、全てを込めたリィフの嵐の刺突が、ついに悪龍の巨体を凍てつく氷ごと打ち砕いた……。
大成功
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