廃病院の奥に設置された実験台の上に横たわり、拘束された少女の周りを白衣の男が笑いながら舞うように脅かす。
「どうだ? これが懐かしいか? よーく見るがいい。じきに触れることもかなわなくなるのだからなんなら触ってみるがいい。遠慮するな……」
少女の指先に近づけられるのは小さなおもちゃのピアノ。男はその鍵盤に少女の指を乗せると……大げさな音を立てて蓋をバタンと閉める。
「イッ……ひぎっ……!」
痛みに小さな声を上げる少女に、満足そうに唇のはしを吊り上げる男。
「痛いだろう? 指を切り落としてしまっても、脳が指のことを忘れない限り、その痛みを感じることがあるらしい。試してみたいと思わないかね?」
「いや……嫌ぁ!」
「いい顔だ。その指が全部なくなったとき、きっとすごいものを作り上げてくれることを期待しているよ。それが我が兵、バロックレギオンの大群を構成するひとつとなるのだ……」
「ごめんなさい、ごめんなさい、もうリハビリをさぼったりしません……だから助けに来て、お父様ぁ……」
その時夜空に稲妻が走り、うわごとのように父親を呼ぶ少女を見下ろす男の顔を照らし、その眼鏡が酷薄に反射する。
「フーハハハハハ! 我が名はドクターハデス! サイエンティスト!! 世界を手にする男だ!」
ドクターハデス。それは猟書家の幹部の一人だった。
●「猟書家たちが動き始めているヨ」
集まった猟兵達を見回したロバート・ウォン(東方妖怪の猟奇探偵・f30564)は語りだした。
「今回の敵はドクターハデス。バロックメイカーを捕まえては拷問し、バロックレギオンを量産しようとしている科学者アル。今回は幸いといっていいのか悪いのか居場所を予知できたカラ、すぐに向かって被害者を助け出せば助けることは可能ヨ。ただ、もうすでに現場の廃病院には被害者が産み出したバロックレギオンがうろついているカラ、倒しながらドクターのいる部屋に向かってほしいケド……被害者のトラウマから産まれているものだから、どんなトラウマか探りつつ戦ってみてほしいヨ。被害者はドクターの傍で拘束され、バロックレギオンを生み続けているネ。だからそのトラウマを癒して産出を食い止めるのも重要ヨ」
癒し、倒す。この二つが今回の戦いに求められる要素のようだった。
「トラウマを抱えて、さらに拷問を受け、望まないものを次々産まされるなんて気の毒としか言いようがないアル。皆サンには是非、助けてあげて欲しいと思うヨ。では、張り切って行ってきチャイナ」
星野ユキヒロ
星野ユキヒロです。ハデスの見た目が好みなのでこのシナリオを選びました。
さて、今回は二章構成のシナリオです。
●一章
被害者の少女のトラウマを探りながらバロックレギオンを倒し、ハデスの元へと急ぎます。
●二章
猟書家『ドクターハデス』との戦闘になります。倒すと、被害者を助けることができます。
●プレイングボーナス(全章共通)
『バロックメイカーをなぐさめ、トラウマを取り除く』となっております。
それでは、皆さんのプレイングを楽しみにしています。
第1章 冒険
『バロックレギオンと過去のトラウマ』
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POW : バロックレギオンの攻撃を正面から受け止め、その過去のトラウマごと、バロックレギオンを殴り倒す
SPD : バロックメイカーのトラウマのヒントとなるような物を探しながら、バロックレギオンと戦う
WIZ : バロックレギオンの外見や言動、戦い方などから、過去のトラウマが何か推理しながら戦う
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廃病院の中を、尋常ならざるものがうろうろと移動している。
その姿は、歯の生えたピアノ。ばくんばくんと開閉するたび、陰鬱な不協和音が誇りじみた廊下に響く。
あれはなあに? 人喰いピアノ? 可愛い指に食らいつこうと、手ぐすね引いて待っている。
セプリオギナ・ユーラス
(◆正六面体)(指など無い)
さて、診察のお時間です、患者は何処でしょうか
心に負った傷はそう簡単に癒えるものではございませんが──
わざわざその傷を開こうとするのは許しがたい所業と言わざるを得ませんね
(心の中で舌打ちをする)(嗚呼まったくどいつもこいつも)(医療をナメるな──!)
方針:レギオンたちを観察しながら、患者のトラウマを刺激しないように探る
「さて、診察のお時間です。患者はどこでしょうか」
廃病院の廊下を浮いたまま移動する、黒霧をまとった黒い正六面体が小さくつぶやいた。
セプリオギナ・ユーラス(賽は投げられた・f25430)。それが六面体の名前。殺人者であり、そして医者だった。
かつて病人が横たわっていたベッドには、今は似つかわしくない歯のあるピアノがばたんばたんと蓋を開け閉めしながら鎮座している。
「心に負った傷はそう簡単に癒えるものではございませんが──、わざわざその傷を開こうとするのは許しがたい所業と言わざるを得ませんね」
表情の変わらない、と言うより今は読み取りようのない正六面体だが、心の中で舌打ちをすると纏った霧がぎゅらりと流れた。
(嗚呼まったくどいつもこいつも、医療をナメるな──!)
心の滾りに空気が揺れたのがわかったのか、歯のあるピアノがベッドから離れ、うろうろとうろつき始める。
(ピアノの蓋に恐怖のイメージを抱いているようですね……)
気配を感じたピアノが後ろを振り返るとそこには漆黒の髪の医師が立っている。
「そんな歯がついているピアノなど存在しない。現実を受け入れ、それに対処することもまた医療だ」
ドクター•ユーラスの治療が、歯のあるピアノを安静へと導く。
死んでいようと生きていようと構わない。救いたい、ただそれだけ。
成功
🔵🔵🔴
キーシクス・ジェンダート
連中はどこまでもアリスを食い物にするつもりらしい……全く、どいつもこいつも、連中の腹掻っ捌いてやろうか(ぼそりと呟き)
人食いピアノは、見たことがないわけではないが……これは、バロックレギオン?
「高速詠唱」で素早くUCを発動。進行方向とバロックレギオンにそれぞれ「全力魔法」の「衝撃波」を放つ。余裕があるなら、地面にぶつけて強化の魔法陣を作ろう。
あの外見から、少なくともピアノに対して良くない思い出があるようだね。
蓋、口……ピアノの蓋を閉めた時に、怪我をした?心の傷はそれだけではないだろうけど、それは痛いな…。
願わくば、音楽そのものへのトラウマがないことを祈るが。
別の入り口から廃病院に潜入した猟兵がまたひとり。
「連中はどこまでもアリスを食い物にするつもりらしい……全く、どいつもこいつも、連中の腹掻っ捌いてやろうか」
ぼそり、と。穏やかな緑色の瞳とは裏腹に、剣呑な呟きを漏らすのはキーシクス・ジェンダート(翡翠の魔人・f20914)だ。
廊下を進むと目に入るかつてのナースステーションには、ここにもまた歯の生えたピアノがうろついている。
(人喰いピアノは見たことがないわけではないが……これは、バロックレギオン?)
『〜〜〜〜!!!』
キーシクスの気配を感じ取ったのか、ナースステーションから飛び出した人喰いピアノが不協和音を奏でながら蓋を開閉させ、向かってくる!
「六輝の魔人の加護よあれ、汝が名はジッターレイズ!」
走りながら六色の輝きを放つ十二の白兵武器を呼び出し、リネンの床に突き立てる。白兵武器の突き立った床に魔力強化の魔法陣が形成されるとキーシクスはその上に滑り込み、同時に肉薄した人喰いピアノに向かって全力魔法の衝撃波を放つ。ヒットの瞬間、ずらりと並んだ牙がよく見えた。
キーシクスの頭上を破壊され、バラバラの鍵盤が散り散りに飛んでいく。
(あの外見……ピアノに対して、少なくとも良い思い出は抱いていないようだな……蓋……口……ピアノの蓋を閉めたときに怪我をした? 心の傷はそれだけではないだろうけど、それは痛いな……)
「願わくば、音楽そのものへのトラウマがないことを祈るが……」
音楽は、とてもいいものだから。
少女の心に想いを馳せながら、キーシクスは奥へと進んだ。
大成功
🔵🔵🔵
藤崎・美雪
まったく、ドクター・ハデスとやらの行動は解しがたい
マッドサイエンティストという言葉だけでは
言い表せぬ狂気の持ち主のようだな
さっさとこの世界からご退場いただこうか
少女のトラウマ…か
執拗に繰り返される「お父様」とやらへの謝罪
ピアノの蓋が閉められ指が切断された時の反応
「リハビリをさぼったりしない」という言葉
…おそらく、事故で指を怪我し、演奏できなくなったのだろうか?
急いで少女の下へ駆けつけたいが、参ったな
直接戦闘のできぬ私に、バロックレギオンを倒すことは叶わない
せめてもふもふ羊に包み込んで寝かせて動きを止めよう
「歌唱、祈り、優しさ」+【スリーピング・シープ】だ
この歌声が少女にも届けばいいのだが
(まったく、ドクター・ハデスとやらの行動は解しがたい。マッドサイエンティストという言葉だけでは言い表せぬ狂気の持ち主のようだな。さっさとこの世界からご退場いただこうか)
細い体を窓の隙間に滑らせて入ってきたのは藤崎・美雪(癒しの歌を奏でる歌姫・f06504)だ。落ち着いた紫の瞳が周りの状況を把握しようと左右に動いた。バロックレギオンに見つかっていないのを確認すると素早く身を隠す。タッチの差で、さっきまで美雪のいた廊下を人喰いピアノが通過していった。美雪はその身と気配を隠しながらその異形を追っていく。
(急いで少女の下へ駆けつけたいが、参ったな。直接戦闘のできぬ私に、バロックレギオンを倒すことは叶わない。せめてもふもふ羊に包み込んで寝かせて動きを止めよう)
すう、と息を吸うと、美雪は子守唄を歌い始めた。
『羊さん羊さん、皆の心も体も、そのもふもふで癒してやってくれ』
可愛らしくあいまいな形にデフォルメされた大量のもふもふ羊が歌声に乗って召喚され、人喰いピアノに殺到していく。あたたかく柔らかい羊にまみれもみくちゃにされた人喰いピアノは、悲鳴を上げる間もなく強制的に眠りに落ちた。
眠ったままのピアノを、美雪は観察する。ピアノの蓋に鋭い牙。象徴的だ。美雪の脳裏に、予知された少女の様子が思い出されていた。
「少女のトラウマ……か。執拗に繰り返される『お父様』とやらへの謝罪。ピアノの蓋が閉められ指を傷つけられた時の反応。『リハビリをさぼったりしない』という言葉……おそらく、事故で指を怪我し、演奏できなくなったのだろうか?」
この歌声が少女にも届けばいいのだが……。美雪は、目に入る敵を歌声で眠らせながら少女の元へ急いだ。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『ドクター・ハデス』
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POW : 行け、我が創造せし怪物よ!
無敵の【人造生命体】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD : 我がしもべに加えてやろう、光栄に思うがいい!
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【即席で改造し、意思なきしもべ】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
WIZ : 進化し続けること、其れこそが我が天才たる所以!
【工具】が命中した対象を治療し、肉体改造によって一時的に戦闘力を増強する。
👑11
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「音楽だと? ふん、つまらんつまらん。このハデスの崇高な目的に比べればチンケなものよ」
涙を流してうわごとをつぶやく少女から、次々と生まれ出る人喰いピアノたちを眺め、ドクターハデスは嗤った。
「まあ計画の成功を祝うファンファーレくらいならいくらでも弾いてもらってかまわないがな! ハーッハッハッハッハ。さあバロックレギオン達よ。目障りな猟兵どもを弾き殺してしまえ!」
藤崎・美雪
【WIZ】
アドリブ、連携大歓迎
生憎だが、貴様のような人の道を外れし者にファンファーレはいらぬな
ああ、レクイエムなら歌ってやってもいいぞ?
「歌唱、優しさ、祈り」+指定UC発動
シンフォニックデバイスを通し「猟兵以外の全員に聞かせるために」歌う
少女は指の傷と心を癒して落ち着いてもらうために
バロックレギオンとドクター・ハデスは眠らせて行動阻止
敵が眠っている間におもちゃのピアノを床に降ろそう
少女の拘束も可能なら解く
拘束解除の可否問わず、以後は護衛
そこの悪辣な医者の手から助けに来たぞ
過去のトラウマを抉られてさぞかし怖かっただろう
ほら、そこのもふもふ羊が指を癒してくれる
リハビリは焦らず、ゆっくりすればいいさ
「生憎だが、貴様のような人の道を外れし者にファンファーレはいらぬな。ああ、レクイエムなら歌ってやってもいいぞ?」
最初にハデスと少女の元にたどり着いたのはバロックレギオンを眠らせながらやってきていた美雪だった。
「ハッ? それで何か気の利いたことでも言ったつもりか? この天才、ハデスは見ただけでわかるぞ。お前は戦う体をしていない。一人でどうするつもりだ? このバロックレギオンひしめく我が研究室で!」
ハデスの号令で、美雪を攻撃対象に定める人喰いピアノたち。じりじりと美雪を包囲し、食いついてやろうと間合いを詰め始めた。
「戦えない者は弱いと思っているな? 天才が聞いて呆れる。戦う術の無い者にも戦い方はあるということを、眠りながら学習するといい」
ドクター・ハデスから目をそらさずに、美雪はゆっくりと口の前にシンフォニックデバイスを構えた。それと同時に人喰いピアノたちが飛び掛かる――!
『羊さん羊さん、皆の心も体も、そのもふもふで癒してやってくれ』
どぉん、と。シンフォニックデバイスで拡散された歌声は、美雪の他の猟兵を除いた全員に聞かせるために建物を振動させながら広がっていく。
「ぐ、い、いかん」
殴るような暴力的な睡魔に、ドクター・ハデスは膝をつく。少女から生み出され続けていた人喰いピアノたちも、ばたばたと倒れ、蓋からよだれといびきを垂れ流して眠り始めた。
(今だ……!)
美雪は床を蹴り、人喰いピアノたちの間を縫って走り抜け、ドクター・ハデスのところまで来ると力の抜けていた手からおもちゃのピアノを奪い、少女のところまでたどり着いた。
「そこの悪辣な医者の手から助けに来たぞ。過去のトラウマを抉られてさぞかし怖かっただろう。ほら、そこのもふもふ羊が指を癒してくれる。リハビリは焦らず、ゆっくりすればいいさ」
少女の拘束を解こうとしながら、美雪は懸命に語り掛ける。うなされていた少女の表情がすっと穏やかなものに変わると、バロックレギオンの産出が止まったようだった。
「大丈夫。私が守るから……」
カチャカチャと拘束と格闘する美雪。その向こうで、膝をついていたハデスがゆっくりと立ち上がろうとしていた。
「ふふふ……フハハ。研究者の徹夜適性を舐めてもらっては困るぞ。幾夜を研究に費やし睡魔と戦ったと思っているのだ。おい! 起きろ役立たずども!! この天才に膝をつかせたそのくだらない女を引き裂いてしまえ!!」
大成功
🔵🔵🔵
少女の拘束が解かれようとされるのを、ハデスはよたつきつつも大股で近づき阻止しようとする。戦う力のない者たちしかいない今ならたやすく阻止できると踏んでの行動だった。
「子供を脅かして私兵を産むなんて醜悪ですね。おいで、晶。倒してしまいましょう」
「家庭用人形ティー・アラベリア。ご用命を受け参上致しました! あの敵はどんな攻撃をしてくるのかな? どんな弱点があるのかな? とっても、とーっても楽しみですね!」
眠気に淀むハデスの脳に、新たな猟兵の声が響く。笹鳴・硝子(帰り花・f01239)とティー・アラベリア(ご家庭用奉仕人形・f30348)だ。張り付いた無表情で相手を見据える黒の髪、周りのなにもかもを興味深く見回す金の髪、対照的な猟兵たちの登場にハデスは忌々しそうにしょぼつく目元を拭う。
「次々と……うっとおしいことだ……! 行け! 我が創造せし怪物よ!!」
ハデスは自らの想像から無敵の人造生命体を創造する。しかし眠気のせいかデザインはやや人喰いピアノに寄っており、無敵の概念はやや揺らいでしまっている。
「お掃除にも、お料理にも、殺し合いにも、情報は必要ですよね!」
ティーが斥候妖精を呼び出す。妖精たちは敵の視界に入らないようその身を隠しながら五感をティーと共有し、その情報を元にティーは魔導波探信儀を用いて敵を分析した。
「分析完了ですね! 支援しますので攻撃を!」
92式火力投射型魔杖を掲げたティーの攻撃で人造生命体の周りにどかんどかんと爆発が起こり、その視界をくらませる。
「はららと散れ――炎に凍えながら」
ティーの火力支援を受けた硝子が人造生命体に迫り、精霊の力を籠めた蹴りを放つ。その強く引き結んだ口から表情は読み取れない。
「甘く見るなよ猟兵どもが……! 進化し続けること、其れこそが我が天才たる所以!」
冷たく蒼い炎に巻かれ倒れ伏す人造生命体。しかしハデスが投擲した工具が命中すると負った火傷は見る見るうちに回復し、再び立ち上がる。先ほどよりも猛々しい雰囲気を纏い、間合いの位置から退いていなかった硝子に襲い掛かった。その刹那も、硝子の表情が変わることはない。
「危ない!」
ティーは武器を90式魔杖に切り替え、人造生命体の手が硝子に触れる前に撃ち抜く。その隙を見逃さずに、硝子は流(ながるる)を突き立て、人造生命体のつやつやとエナメルめいた外装を打ち砕いた。
「生を強制するのではありません。斃されるためだけに産み出された生命体が哀れです。そちらの神気取りにもこれ以上付き合いたくはないですから」
『おねえちゃん』
生命体が再び倒れ伏すのを見ながら硝子は、おねえちゃん、と彼女を呼ぶざわつく獣の仔を慰めるように撫でた。
ティー・アラベリア(サポート)
家庭用人形ティー・アラベリア。ご用命を受け参上致しました!
あの敵はどんな攻撃をしてくるのかな?どんな弱点があるのかな?
とっても、とーっても楽しみですね!
・基本行動
他の猟兵をサポートするように行動します。
魔導波探信儀(偵察・第六感・地形利用)で敵を分析し、92式魔杖(制圧射撃・砲撃)を用いた火力支援で他の猟兵が攻撃・防御する隙を作り出します。
必要に応じて90式魔杖(貫通攻撃・スナイパー)を使用した対装甲戦闘、95式魔杖(対空戦闘・一斉発射・誘導弾)を使用した対空戦闘も実施します。
・UC使用
火力が必要な場合:砲撃妖精突撃射撃
弱点を探す必要がある場合:斥候型妖精召喚
※アドリブ・連携歓迎です※
笹鳴・硝子(サポート)
『黙って眠れ。過去は帰らないからいとおしいんだ。』
オラトリオのシンフォニア×シャーマンですが、羽と花はしまってます
普段の口調は(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)大体丁寧で声を荒げることもありません
表情ほぼ無く、常に真顔
UDC【晶】(口調は小学生低学年っぽい)を弟と言い、『おねえちゃん』と呼ばれます
死よりは生
意に反した生よりは死
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
エロ不可
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
少女の拘束が解かれようとされるのを、ハデスはよたつきつつも大股で近づき阻止しようとする。戦う力のない者たちしかいない今ならたやすく阻止できると踏んでの行動だった。
「子供を脅かして私兵を産むなんて醜悪ですね。おいで、晶。倒してしまいましょう」
「家庭用人形ティー・アラベリア。ご用命を受け参上致しました! あの敵はどんな攻撃をしてくるのかな? どんな弱点があるのかな? とっても、とーっても楽しみですね!」
眠気に淀むハデスの脳に、新たな猟兵の声が響く。笹鳴・硝子(帰り花・f01239)とティー・アラベリア(ご家庭用奉仕人形・f30348)だ。張り付いた無表情で相手を見据える黒の髪、周りのなにもかもを興味深く見回す金の髪、対照的な猟兵たちの登場にハデスは忌々しそうにしょぼつく目元を拭う。
「次々と……うっとおしいことだ……! 行け! 我が創造せし怪物よ!!」
ハデスは自らの想像から無敵の人造生命体を創造する。しかし眠気のせいかデザインはやや人喰いピアノに寄っており、無敵の概念はやや揺らいでしまっている。
「お掃除にも、お料理にも、殺し合いにも、情報は必要ですよね!」
ティーが斥候妖精を呼び出す。妖精たちは敵の視界に入らないようその身を隠しながら五感をティーと共有し、その情報を元にティーは魔導波探信儀を用いて敵を分析した。
「分析完了ですね! 支援しますので攻撃を!」
92式火力投射型魔杖を掲げたティーの攻撃で人造生命体の周りにどかんどかんと爆発が起こり、その視界をくらませる。
「はららと散れ――炎に凍えながら」
ティーの火力支援を受けた硝子が人造生命体に迫り、精霊の力を籠めた蹴りを放つ。その強く引き結んだ口から表情は読み取れない。
「甘く見るなよ猟兵どもが……! 進化し続けること、其れこそが我が天才たる所以!」
冷たく蒼い炎に巻かれ倒れ伏す人造生命体。しかしハデスが投擲した工具が命中すると負った火傷は見る見るうちに回復し、再び立ち上がる。先ほどよりも猛々しい雰囲気を纏い、間合いの位置から退いていなかった硝子に襲い掛かった。その刹那も、硝子の表情が変わることはない。
「危ない!」
ティーは武器を90式魔杖に切り替え、人造生命体の手が硝子に触れる前に撃ち抜く。その隙を見逃さずに、硝子は流(ながるる)を突き立て、人造生命体のつやつやとエナメルめいた外装を打ち砕いた。
「生を強制するのではありません。斃されるためだけに産み出された生命体が哀れです。そちらの神気取りにもこれ以上付き合いたくはないですから」
『おねえちゃん』
生命体が再び倒れ伏すのを見ながら硝子は、おねえちゃん、と彼女を呼ぶざわつく獣の仔を慰めるように撫でた。
成功
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カルロス・エルウラカン(サポート)
確かに使命の為に躍起になる私達は『化け物』かもしれません…あなた達から見れば理不尽かもしれませんが大きな厄災が起こる前に改めて骸の海へ戻って頂きます。
行動
探索の際は痕跡から手掛かりを得る様に努めます。
囮の際は率先して受け持ちます。
戦闘
正念場ですから、少々力押しになりますが私も全力を持って応えねばなりませんね。
隙を見せるので大ダメージを受けるリスクは大きいですが『ジャスティス・ペイン』で身体能力を底上げして【大連珠】を武器として拳に巻き近接戦闘に移らせて頂きます。
その他
もしも、勝利できたのなら勝ったことを喜ぶ前に倒した相手に弔いの祈りをしておきたいですね…。
アドリブ共闘OKです
「確かに使命の為に躍起になる私達は『化け物』かもしれません……あなた達から見れば理不尽かもしれませんが大きな厄災が起こる前に改めて骸の海へ戻って頂きます」
眠らされていた人喰いピアノたちが起きだしていたが、その相手をしていたのはカルロス・エルウラカン(復讐の仮面・f06567)だ。視界の端で戦っている別の猟兵の姿を認め、ハデスはそちらにも新たな人造生命体を送り出す。
「暫しの間、手加減等の配慮は出来かねますので……ご容赦頂ければ幸いです」
カルロスが大連珠を拳に巻き付け、祈るようなしぐさをするとその身がびきびきと膨れ上がる。仮面に宿るものに覚醒して、精霊ウェンディゴに変身した。変身することでカルロスの力は爆発的に倍増するのだ。ただしそれは寿命も代償にする。
「使命のために躍起になる化け物か……言いえて妙だな。しかし非科学的だ。どいつもこいつも忌々しいことだ」
ハデスのつぶやきがカルロスに聞こえていたかどうか。カルロスは人喰いピアノたちと人工生命体を一体ずつ粉砕していく。仮面の破戒僧は自らが評する通り、悔恨と償いの化け物であった。
成功
🔵🔵🔴
ロック・ニーナ
お前は怖いものだ
怖いものをもっと怖くするお前を、ボクは殺す
そして、あの女の子を助ける
バロックレギオンを避けて、ハデスとかいうおじさんを攻撃したい
武器を構えて突っ込むよ
迫ってくる敵に【殺気】を放って【恐怖を与える】その隙に潜り抜ける
ダメなら【武器落とし】で隙を作り、仕方ないけど攻撃して道を切り開く
「アナタたちは怖くない。本当に怖いのは、ハデスだけ!」
接近したら指定UC!
同じ思いをお前も味わえ。手足を【部位破壊】する
二度と改造なんてできなくなれ!
女の子の拘束は壊して解こう
大丈夫、もう怖いものはいない
ピアノ、弾けるの?いつか聴かせてほしい
恐怖は消えないかもしれない。でも……向かい合うことはできるんだ
立ち並び戦闘を繰り広げる人工生命体やバロックレギオンの間を小柄な影が縫って走る。武器を構え、フードを目深にかぶったロック・ニーナ(疑心殺戮のバロックアリス・f20007)。少年であった。
「新手か! お前たち、起きろ!!」
ハデスが手で触れるとまだ眠っていた人喰いピアノたちが目覚め、ロックに向かっていった。
「アナタたちは怖くない。本当に怖いのは、ハデスだけ!」
フードの奥、金色の髪にさらに周到に隠された青い瞳が威圧を放つ。バロックレギオンのココロの底には少女のトラウマがある。人喰いピアノたちはその瞳に射抜かれ、一瞬たじろいだように見えた。その隙を見逃さずかいくぐったロックはハデスの目の前に急接近した。
「同じ思いをお前も味わえ。武器! 腕! 足! 二度と改造なんてできなくなれ!」
「貴様! 私の腱を!! 芸術的な技術を持つ、この天才の手足をォ!!」
ハデスはわめきながら抵抗するが、どろどろとした意識のままでいるためかどうしても競り負ける。
「お前は怖いものだ。怖いものをもっと怖くするお前を、ボクは斃す。そして、あの女の子を助ける」
取り乱すハデスを見下ろし、ロックは的確にハデスを「破壊」していく、それにつれて抵抗する力と声は静かになり、やがて何も聞こえなくなった。
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少女の拘束はあと一つ残すところまで解けていた。ゆらりと立ち上がったロックは歩み寄り、最後の拘束をペンチで断ち切ってやる。人喰いピアノは消え、少女はうっすらと目を覚ます。
「大丈夫、もう怖いものはいない」
「ここは……わたし、帰らなきゃ。お父様が心配してる……またリハビリをするの」
「ピアノ、弾けるの?いつか聴かせてほしい」
少年の手を取って、少女は手術台から降りる。触れた指はまだ震えているが、いつか必ず治まるだろう。
「恐怖は消えないかもしれない。でも……向かい合うことはできるんだ」
少女は猟兵たちに感謝を述べると、恐怖の廃病院から抜け出した。厳しくも優しい父親が彼女を家で待っているだろう。
大成功
🔵🔵🔵