奪いつくす怪人と仮面のヒーロー
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キマイラフューチャーにひそかに建てられた、『邪拳殿ラクーン』の道場。
その中では、怪人たちが鍛錬に励んでいる。あるものはサンドバックをひたすら殴りつけ、またある者は汗と血を流しながら、組み手を行っていた。
アライグマの姿をし、闘気をたぎらせた猟書家『ロンダリングラクーン』は手下たちに声をかける。
「邪拳士よ――都市で悪行の限りを尽くせ! 現れた正義の味方を返り討ちにするために!!」
その声に、怪人たちのうちの一団が答える。
「我々にお任せを――! われらの配達魂と拳術は、ヒーローマスクを容易く倒すことでしょう。デ~リデリデリ!」
しばらく後。あるマンションの一室、キマイラの住居で、
「やめてえええ! その時計はおばあちゃんの形見なの!」
キマイラ女性の悲鳴が響き渡った。
彼女が住むこの部屋に、突然、怪人の集団が現れたのだ。
「デ~リデリデリ! お前たちの家のものは、ぜーんぶ、私たちがいただきま~すっ」
頭に段ボールを、体にカンフー着を身につけた彼らは、軽快な動きで、家中のものを段ボールに詰めてゆく。女性のお気に入りの服も、思い出の品も、全部。
「やめてえええっ」
女性が再び制止の声をあげ、怪人たちに掴みかかるが――怪人たちは彼女を払いのける。床に崩れ落ちる女性。
「このままじゃ、おばあちゃんの時計も、何もかも取られちゃう……」
その時。窓ガラスが割れた。外から女性のそばへ、白い仮面が飛び込んでくる。
仮面――ヒーローマスクは声を発する。
「なら私が力を貸そう! さぁ私を身に着けて!」
女性はヒーローマスクを手に取り、装着。ヒーローマスクと一心同体になった女性は立ち上がり、光線を放つ!
光線は怪人一人を吹き飛ばした。しかし怪人たちは余裕の笑みを浮かべ、
「やりますね~、ヒーローマスク。しっか~しっ! あなた一人では私たちには勝てない。デ~リデリデリッ!」
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グリモアベースで、グリモア猟兵のベッキー・ウッドは真剣な顔で、説明を開始した。
「猟書家たちと私たち猟兵との戦いは未だ続いている。キマイラフューチャーでは猟書家『ロンダリングラクーン』が、邪拳士に命じて『ヒーローマスク』たちを狙っているんだ」
ロンダリングラクーンによって邪拳士となった怪人のうちの一団、押し込みクーリエズが、キマイラの住居に不法侵入し、人々の大切なものを奪うという悪行を繰り返している。
彼らの思惑は、悪行を止めにくるヒーローマスクを返り討ちにすること。
そして今、彼らの思惑通り、一体のヒーローマスクがキマイラを助けにやってきた。
「このヒーローマスクは一般人に比べて高い戦闘力がある――けど、一人では怪人たちには勝てない。このままじゃ、怪人たちに倒されてしまう。
だから、みんなには現場に行き、『ヒーローマスクを守りつつ、怪人たちをやっつけて』ほしんだ」
今から現場であるマンションの一室に行けば、キマイラ女性がヒーローマスクと一心同体になった直後に辿り着ける。
敵は段ボール頭の押し込みクーリエズ。自分たちの本来のユーベルコードに加え、軽やかな体術を使ってくる。
「敵の数は多い。だから、ヒーローマスクが倒されないように連携をとってもいいかもしれない。
ヒーローマスクはビームを撃つのが得意だから、うまく共闘できれば、戦いを有利に進めれるはずだよ」
怪人たちを倒した後は、敵のアジトの道場に向かい、敵の幹部ロンダリングラクーンと戦うことになる。
説明を終えたベッキーは転移の準備を始めつつ、言う。
「正義の心を持った存在が悪くて卑劣な奴らに倒されちゃう、そんなの間違ってる! 怪人たちの悪だくみ、必ず阻止してね。皆ならきっとできるから!」
支倉みかん
支倉みかんです。ご閲覧ありがとうございます。
●シナリオについて
このシナリオは猟書家幹部シナリオで、二章構成です。
第一章では、邪拳士となった『押し込みクーリエズ』からヒーローマスクを守っての戦いです。
ヒーローマスクは一般人よりも強くビームを撃てますが、猟兵よりは弱く、一人で敵に勝つことはできません。
ヒーローマスクはまじめで正義心が強い性格です。猟兵達に対して基本的に友好的です。
第二章では、猟書家ロンダリングラクーンとの戦いになります。
●プレイングボーナス(全章共通)
ヒーローマスクに応援される。
皆さんの力と個性で、勝利を掴んでください。よろしくお願いします。
第1章 集団戦
『押し込みクーリエズ』
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POW : パック!
【味方に声掛けをしてタイミングを合わせて】から【一斉に突撃してダンボール箱やロープ】を放ち、【無理やり梱包すること】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : ライド!
【味方の押す台車に乗る(※危険です)】事で【高速戦闘モード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : デリバリー!
いま戦っている対象に有効な【グッズ(プレイングで指定可能)入りの箱】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
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神羅・アマミ
いきなり家に押し入ってきて金目の物全部梱包してくって怖すぎる…
罪なき者の守護者として、そのような狼藉決して看過できぬ!
ヒーローマスクが一般人より強いビームが撃てるらしいので…一般人の定義とは一体。
それに合わせるのが一番じゃろうな!
UC『結髪』を発動!
ビームとブラストの乱射で密かに【部位破壊】を狙うはキャスターの一つ。
どんなに肉体を鍛え軽業に長けようと、台車の強度が上がることはなし!
そこに気づかずうっかり派手に横転しようものなら…肘や膝を擦りむいて悲惨じゃぜ~?
それを…妾は「今のは押し方が悪かった」と後ろの奴のせいにする!
台車と同じく、心の鍛え方が足りなければ仲間割れ必至!
そこを一網打尽じゃ!
リカルド・マスケラス
「失ったモノは、コンコンすれば出てくるけれど、思い出だけは戻らない。思い出泥棒はそこまでっすよ!」
そんな感じで登場の狐のお面。今回は近くのキマイラさんに体を借りる
「チャラっと参上、チャラにちわ~っ! ども、通りすがりのヒーローっすよ!」
「そして、その梱包技術、なっちゃいないっすね。梱包全国大会なんてあったら、地区予選止まりっすよ!」
と、【ロープワーク】で相手のロープを颯爽と奪い、敵の一人を縛って【挑発】し、敵意をこちらに集める。
そして敵が攻撃してきたら【鏡魔眼の術】で敵意と攻撃を跳ね返す。
「なんだ、やればできるじゃないっすか」
敵が自分自身を梱包してしまったところで、トドメのビームを促す
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マンションの一室、広めのリビングで。怪人の集団が、ヒーローマスクににじり寄っていた。
近隣のキマイラ青年の体を借りた、白い狐の面――リカルド・マスケラスと、和傘を軽々と持つ羅刹の少女――神羅・アマミは、室内に乱入、ヒーローマスクの両隣に並ぶ。
「失ったモノは、コンコンすれば出て来るけれど、思い出だけは戻らない。思い出泥棒はそこまでっすよ!」
リカルドは藍色の髪を手櫛で整えつつ、軽快な声で、
「チャラっと参上、チャラにちわ~っ! ども、通りすがりのヒーローっすよ!」
アマミは、
「いきなり他人の家に入り、金目のもの全部梱包……」
赤の瞳の目をかっと見開き、和傘を敵どもに向け、
「罪なき者の守護者として、そのような狼藉決して看過できぬ!」
「デ~リデリデリッ! 邪魔をするならお前らも梱包しますっ」
怪人たちは猟兵達へ怒りの声を上げ、ロープや段ボールを手に、一斉に襲ってくる。
だが、
「その梱包技術、なっちゃいないっすね」
リカルドは鎖分銅を振り、先頭の敵の手の甲を痛打! 怪人はロープを取り落とす。
リカルドは疾走。落ちたロープを拾い、怪人一体の上半身を巧みに縛り上げた!
リカルドは大きく肩を竦め、挑発。
「その程度の技術じゃ、梱包全国大会なんてあったら、地区予選止まりっすよ!」
怪人たちは益々怒る。飛び掛かろうと全身に力を入れ――。
その刹那。リカルドはキマイラに目を大きく開かせた。瞳が妖しく光る。【忍法・鏡魔眼の術】!
力持つ視線が、怪人たちの敵意を反射。怪人たちは己自身をロープで縛りだす。
「なんだ、やればできるじゃないっすか」
ぐるぐる巻きになった怪人へ、リカルドは薄い笑みを浮かべた。
その時、「気を付けて、横からくる!」とヒーローマスクの声。
未だ健在な怪人たちが、台車でリカルドへ迫っていた。一人が台車に載りもう一人が台車を押し、猛スピードの突進。
「妾に策ありじゃ。ヒーローマスクよ、とにかく数を撃つがよい」
アマミは自信たっぷりにヒーローマスクへ指示。ヒーローマスクは頷きビームを射出。
アマミ自身は【結髪】を発動。髪と手足首に五分割した反重力装置を装着、フォトンブラストを乱射!
室内を飛ぶ数多の光線は敵の気を引いた。それを確認し、アマミはこっそり本命の、細い光線を放つ。狙いは敵どもの台車の車輪!
光線はアマミの目論見通り車輪を砕き、台車は次々傾いた。音を立て床に転がる怪人。
アマミは怪人を見下ろして言う。
「今のは後ろの奴の押し方が悪かったの! あの押し方では転んで当然じゃ!」
アマミの言葉に、怪人たちは互いの顔を見合う。隙ができた。
「どんなに肉体を鍛えようと、台車の強度が上がることはなく、精神もまた同様。さぁ、今こそ一網打尽じゃ!」
「了解っす! ヒーローマスクも一緒にトドメを刺すっすよ!」
リカルドはアマミに応え、ぐるぐる巻きの怪人数体を蹴りとばし、アマミに惑わされた怪人たちへぶつけた。
ぶつかり合い、混乱を深める怪人たちへ、ヒーローマスクがビームを浴びせ、アマミはフォトンブラストで容赦なく射貫く!
リカルドとアマミは、敵の技を逆手に取る巧みな作戦とヒーローマスクとの連携で、敵数を確実に減らしてゆく。
大成功
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二條・心春
これは許せませんね……。ヒーローマスクさんはもちろん、彼女の大切なものも守ってみせます。
まずはヒーローマスクさんに声をかけましょうか。私も一緒に戦わせてください!彼らを許せないのは私も同じですから。
攻撃は私が防ぎます。敵の声掛けに合わせて【召喚:炎魔】でウコバクさんを召喚しますよ。炎の体は段ボールやロープで拘束できませんよね。
そのまま反撃でその頭の段ボール箱を燃やしてあげましょう。ウコバクさんの炎はそう簡単には消せませんよ。あっ、家はできるだけ燃やさないよう気をつけてくださいね、ウコバクさん。
そうして敵があたふたしてる隙に、ヒーローマスクさんに攻撃してもらいましょう。とどめはお願いします!
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二條・心春は仲間たちに続き、リビングへ。
目前では、怪人たちは数を減らしつつもなお、ヒーローマスクに掴みかかろうとしていた。
心春は室内を疾走。ヒーローマスクへ伸びた怪人一体の手を、対UDC用量産型直槍の穂先で突く!
心春は、ヒーローマスクに告げた。
「私も一緒に戦わせてください! 彼らを許せないのは、私も同じですから」
その声に、守ってみせるという強い使命感。ヒーローマスクは頷く。
「助力、感謝する!」
「デ~リデリデリ! 皆さん、邪魔をする者は全部梱包しちゃいましょう」
その声を合図に、突撃してくる怪人たち。
が、心春は怪人の突撃に僅かも動揺をみせず、タブレット端末を操作。
「いいえ、何も持っていかせません。――ウコバクさん!」
【召喚:炎魔】によって現れる、人を模した姿のUDCの霊・ウコバク。
怪人たちは心春たちに近づこうとし続けるが、燃え盛るウコバクの炎が動きを阻む。
「燃やしちゃってください! あっ、家はできるだけ燃やさないよう気を付けてくださいね」
響く心春の声。ウコバクは怪人どもへ油と炎を吹き付ける。怪人の頭部の段ボールが次々に燃え上がった。
心春は黒の瞳で戦況を確認。怪人たちは悲鳴を上げ、床を転げ周り、大混乱。心春は敵の群れをびっと指し、
「今のうちにとどめをお願いします!」
「ええ、微力だけど全力を尽くすわ!」
ヒーローマスクの力強い返事。心春が混乱させた敵を、ヒーローマスクの光線が吹き飛ばす!
敵の特性を把握した心春の戦術が、敵群に大被害を与えることに成功した。この局面での勝利まで後少し!
大成功
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フィロメーラ・アステール
「このまま一気にやっつけてやる!」
正義は悪に屈したりしないんだ!
どこからでもかかってこい!
きらめく【存在感】をアピールしつつ登場!
でもそれは注目を集めるための【パフォーマンス】だ!
【演技】しながらも敵の声掛けを【聞き耳】して、攻撃のタイミングを読み取って避けよう!
あと【白星むかい疾走れ光条】を発動して【カウンター】だ!
ダンボールやロープを防いだり切断したりして防御するぞ!
その勢いで反撃してみるのもアリだけど?
正義の心に燃えるヒーローマスクのみんなは、かよわい妖精が攻撃されるのをただ見ているなんてできないはず!
……と思うので、そういう動きがあれば囮として頑張る!
その隙にビームしてもらう!
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生き残った怪人たちは構えなおし、体勢を立て直そうとしていた。
「デリデリッ! まだです! まだ終わり――」
「いいや、このまま一気にやっつけてやる! 正義は悪に屈したりしないんだ!」
敵の声を遮ったのは、星翼をひろげるフェアリー、フィロメーラ・アステール!
フィロメーラは星の眼光に煌めく青い瞳を敵に向けつつ、自分の胸を指さした。
「どこからでもかかってこい!」
眩い姿と堂々たる宣言が怪人たちを引き付けた。怪人たちは「デリデリ~ッ」と奇声。
フィロメーラはその声が敵の合図と察するや、しゅーてぃんすたーしゅーずで空気を蹴り、室内を飛ぶ。
己へ伸びる怪人の腕を、上下左右に移動し回避!
だが敵数は多い。一体の怪人がフィロメーラの隙を突き、段ボールを上から被せ、閉じ込める。
「こんな段ボール、すぐ脱出してやる。輝き続ける光の羽で!」
フィロメーラは【白星むかい疾走れ光条】を行使。翼から放つ魔力で段ボールを両断し、脱出!
(このまま反撃してみるのもアリだけど……)
視線を動かすフィロメーラ。ヒーローマスクは己の傍の怪人を殴りつけていた。フィロメーラの戦いぶりが、ヒーローマスクを鼓舞したのだ。
「猟兵さんばかりに戦わせはしないっ!」
近くの敵を殴り倒し、ヒーローマスクは、フィロメーラを襲う怪人へビームを放つ! 怪人を弾き飛ばし、壁に叩きつけた。
その後も、フィロメーラは敵の攻撃を引き付け、武器を破壊。ヒーローマスクを支援し続けた。結果、室内にいた敵は瞬く間に全滅!
「やったな、ヒーローマスクちゃん!」
「いいえ、あなたたちがきてくれたからこその勝利よ。ありがとう」
フィロメーラとヒーローマスクは、小さな手と肉球付きの手でハイタッチ。
猟兵達は、押し入り強盗の怪人を倒した。ヒーローマスクを助けられたし、またキマイラ女性の祖母の形見をはじめ大切なものを守り抜けた。
が、怪人たちの首領、ロンダリングラクーンは健在。ロンダリングラクーンを倒すため、猟兵たちはヒーローマスクと共に、再び動き出す。
大成功
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第2章 ボス戦
『ロンダリングラクーン』
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POW : 洗熊拳・濁流の型
【怪人拳法「洗熊拳」】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD : 洗熊拳・清流の型
完全な脱力状態でユーベルコードを受けると、それを無効化して【突き出した掌】から排出する。失敗すると被害は2倍。
WIZ : 洗浄魔術「怒螺無式」
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【水】属性の【魔法の大渦】を、レベル×5mの直線上に放つ。
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敵の居場所を突き止めるため、ヒーローマスクは室内から携帯を出し、ネットに繋いだ。
先ほどの戦いを通して猟兵を信頼した彼女は、積極的に情報を収集。数分後。
「怪人がどこから来たか、目撃者の情報を見つけた! アジトの位置が特定できたわ!」
今回の怪人たちのアジト、『邪拳殿ラクーン』の道場の場所の特定に成功。
しばらくして、猟兵達はとあるビルの地下にひそかにできた道場に侵入する。
汗と血の香りのしみ込んだ板張りの道場、その奥に立つ、白と青の衣を着たアライグマの怪人。
決して大きくない体ではあるが、並々ならぬ魔力と闘志を体から溢れさせている。
「よくぞ来た。今はわれのみであるが、歓迎しよう――邪拳ロンダリングラクーンによってな」
彼こそは、ロンダリングラクーン。『邪拳殿ラクーン』の首領にして、猟書家幹部!
ヒーローマスクは携帯を手に、猟兵達の後方、入り口付近に陣取っていた。
彼女の強さではこの戦闘では余り役に立たない。けれど、一般のキマイラたちが迷い込まないよう入り口の警戒を行ってくれるし、また携帯から戦闘の様子を世界に配信してくれる。
猟兵達が活躍すれば、猟書家の侵略を受けているこの世界の住民を、安心させることができる筈。
「みんな頑張って!」
「ヒーローマスクよ、猟兵よ、その恐るべき正義の心、討ち取り、わが物としてくれよう!」
キマイラフューチャーに平和をもたらすため、猟書家たちの侵略に打ち勝つため、戦え、猟兵よ!
リカルド・マスケラス
「世界中のみんなが見てるなら、負けるわけにはいかないっすね!」
引き続き、キマイラのお兄さんの身体を借りて戦闘
「自分もヒーローマスクの端くれ、同族を狙う奴に負けるわけにはいかないっすよ!」
コートを翻し、鎖鎌を【ロープワーク】で操り、鎌と鎖の【2回攻撃】で近づかせないように攻撃
「そちらのリーチ、潜り込まれたら逆に不利っすからね!」
と、言いつつもこの攻撃をかいくぐらせ、攻撃を食らってからが本番。
相手のUCの攻撃はお兄さんが受けても『ブラックコート』の効果で【かばい】、ダメージをこちらが引き受け、攻撃後の隙をついて【正義代行】を拳に乗せて叩き付ける
「すべてのヒーローマスクに代わって、正義代行っすよ!」
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「世界中のみんなが見てるなら、負けるわけにはいかないっすね!」
引き続きキマイラ青年の体を借りたリカルド・マスケラスは、ヒーローマスクの配信用の携帯へ、ブラックコートを靡かせ、視聴者へアピール。
「自分もヒーローマスクの端くれ、同族を狙う奴に負けるわけにはいかないっすよ!」
リカルドは前方のロンダリングラクーンをオレンジの瞳で見据え、鎖鎌を操る。
「そちらのリーチ、潜り込まれたら逆に不利っすからね!」
鎖が敵の足を強かに打ち、刃が皮膚を裂く。
が、ラクーンは余裕の笑み。走り出す。リカルドは幾度も鎖鎌を振るが、ラクーンは止まらない。
「その意気やよし。されど意気のみで我は倒せぬ!」
リカルドの装着者の腹に、敵の拳が刺さる。轟音!
リカルドはコートの力で装着者を庇い、ダメージを自身で受けた。失神しそうな激痛。
ラクーンが追撃を放とうとした時。ヒーローマスクが動く。
「負けないで。視聴者も応援してくれてるわ!」
彼女のビームが敵の腕に命中、一瞬だが、敵の動きを止めた。
リカルドは言葉と光景に己を奮い立たせる。態勢を整え、
「意気のみで倒せぬって言ってたっすね? ――覚えておくといいっすよ。想いの力は無力じゃないってことを。さぁ、すべてのヒーローマスクに代わって、正義を代行っすよ!」
【正義代行】の想いと拳を敵の顔へ叩き込む!
巻き起こる爆発。ラクーンの足が僅かにふらつく。
リカルドは技の力で、この世界の多くの者の想い――怪人への怯えや義憤、自分達への希望を感じていた。想いに応えんと、リカルドは拳を握り直す。
大成功
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ギャレット・ディマージオ(サポート)
●設定等
ダークセイヴァー出身の冷静沈着な黒騎士です。
オブリビオンに滅ぼされた都市で自分だけが生き残った過去を悔い、人々を守ることを重視して行動します。
●戦闘において
「及ばずながら、手助けさせて貰おう」
「貴様の相手は、この私だ!」
「なんと強力なユーベルコードだ……! (解説) 直撃すれば一たまりも無いぞ!」
・牽制攻撃
・敵の攻撃から他の猟兵や一般人を守る
・敵の攻撃を回避してカウンター
・ついでに敵の強さを解説する
など、防御的・補助的な行動を得意とします。
メイン武器は「黒剣」です。
他は全てお任せします。
別の猟兵との交流や連携等も自由に行ってください。
どうぞよろしくお願いします。
七星・桜華(サポート)
『天魔御剣流免許皆伝、だからこそ更なる高みへと。』
『一か八かの勝負?そんな事しなくても私達の勝ちだね!!』
『勝った後は派手に騒ぐんだ!誰一人として倒れないようにね!!』
とある隠れ里に伝わる戦闘術の免許皆伝。
残像を攻撃と防御の両方に使い腰に挿している6振りの刀と扇子を使い戦闘する。闘う姿は舞っているかの動きで空中戦もできる。第六感や野生の勘と言われる直感も鋭い、また見切りの速さも早い。
殺気や覇気が残像にまで残る程の濃密加減。
戦闘において常に最善策を最短で気づき勝ってきた。
鎧等を無視した内部破壊系攻撃を当たり前のようにする。
敵の消耗と自身の回復に生命力を吸収する。
戦闘において先の先、後の先問わず。
八狸・快鈴(サポート)
アドリブ歓迎
ある時は突然ドロンと目の前に、またある時は身近な物に変化していていつの間にか傍にいる
そんなどこからともなく現れ、嵐の様に敵を攪乱し、気付くと(自分が満足すると)いなくなっている妖怪です
直接的に攻撃するというよりは、驚かそうとした結果、相手に揺動・攪乱効果などのデバフ・賑やかし要員なイメージ
一般人は驚いてくれる大切な存在なので、驚かす事はあれど傷付ける事は無く、命の危機には陰ながら守ろうともします
敵を引っ掻き回すことはしますが、他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません
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邪拳殿ラクーンの道場内にいるのは、猟兵とその活躍ぶりを撮影するヒーローマスク。そして猟書家幹部たるロンダリングラクーン。
白と黒の羽織を纏った羅刹、七星・桜華は、ロンダリングラクーンの前に立ちはだかった。
桜華は腰に挿した六振りのうち一振り、天之叢雲剣・真打ちを抜く。刀身を軽々と振り回した。
ラクーンは接近してくる。刃をかいくぐり、桜華の眼前に辿り着く。
襲い掛かってくる、目に見えぬほどの高速の、拳。
「早い! けど――」
桜華は目と勘とで、敵の拳の軌道を読み切った。
当たれば必殺の一撃を九尾の尾薙扇子で弾いてガード
「防いだのに、手がひりひりする……相当な威力だね。でも負けない。天魔御剣流免許皆伝、だからこそ更なる高みへと昇りつめる」
桜華は【羅刹旋風】を実行! 体を捻り横に回転。舞うような動きで斬撃を放った!
刃が敵の肩と腕とを裂いた。鮮血。傷ついた敵の体から力が抜ける。消耗故か?
追撃しようと腕に力を籠めるが――。
その時。
「待ってくれ。敵の狙いはカウンターだ!」
黒い鎧を纏うギャレット・ディマージオが鋭く声を飛ばした。
【絶望の福音】を使ったギャレットの黒の瞳が、敵が脱力からのカウンターを狙っていると見抜いたのだ。
「なんと厄介なユーベルコードだ……! 構えからしてこちらの力を無効化するばかりか、取り入れ拳に載せるつもりか……受ければひとたまりもないぞ!」
黒剣を上段に構えつつ、忌々しげな声で言うギャレット。
ギャレットが見抜いた通りカウンターを狙う敵と、カウンターを警戒する猟兵。膠着状態に陥った戦場に――突如、けらけら、と軽快な笑い声。
その声の主は、護符装束を纏った東方妖怪の八狸・快鈴。快鈴はいつの間にかギャレットの横に立っていた。
「やばいじゃん! 疲れたふりして近づいた相手を驚かす……妖怪のおいらもびっくりだねぇ!」
快鈴は口をすぼめてふぅっと息を吹く。けむりが発生。それは妖力でできたけむり。けむりは敵の顔を包み込み、視覚や嗅覚を狂わせる。
「ヤバいけむりだよねぇ? でもけむりだけじゃ足りない? だったら、こうするよ!」
快鈴は片手に握った剣を投げつけた。剣が相手の足元に落下するや、雷を発生させる!
五感を狂わせたラクーンはうまく回避できない。雷がラクーンの足を掠めた。ピクリと動くラクーンの眉。
「不覚はとったがダメージは僅か。いかなるつもりだ、猟兵?」
ラクーンの言葉を聞き、快鈴は、けらけらけら、先ほど以上に高らかに笑う。
「でも――びっくりしたでしょ? ヤバかったでしょ?」
「それだけじゃない。脱力状態が解けているぞ、ロンダリングラクーン!」
言葉を足したのはギャレット。
ギャレットは黒剣を敵の肩へ一気に振り下ろす。命中! 「がああっ」ラクーンの口から苦痛の声。
「小さなものであっても電撃を受ければ、無意識に力が入ってしまう。結果、脱力状態ではなくなり、カウンターができなくなる――流石だ、快鈴」
敵に視線を向けたまま、仲間を称賛するギャレット。褒められたからか自分の行動が成功したからか、嬉しそうに目を細める快鈴。
傷ついたラクーンは後方に跳ぶ。距離をとり、態勢をたてなおそうというのだ。
しかし快鈴は【神器解放】で精製した数多の剣を敵の着地点に投げつけた! 今度は大量の雷が床に落下。
落雷が床を揺らし、着地したばかりのラクーンはバランスを崩す。
そのラクーンをギャレットと桜華が左右から挟み込んだ。
ギャレットは突きを二度と三度と連続で放つ。敵に構えなおす暇を与えない。
そして、桜華が刃を一閃! 敵の腹に傷を刻み込んだ。
「かなり効いてる! このまま攻めるよ。誰一人として倒れないようにね!!」
道場内に、桜華の声が力強く響いた。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
二條・心春
猟書家の幹部……。強敵ですが、だからこそ私達が負けるわけにはいきませんよね。
貴方達の好きにはさせません。ヒーローマスクさんもこの世界も、必ず守ってみせます!
……このくらい言えば、見ている皆さんも安心できるかな?後はそれを行動で示しましょう。
敵はカウンター攻撃を狙っているようですから、私も迂闊にユーベルコードは使えません。まずは「第六感」で攻撃を察知して、何とか槍で防いでしのぎましょう。
チャンスが来たらスタングレネードを使います。音と閃光で、脱力状態で攻撃を受けられるほど落ち着いてはいられないはずです。その隙に【召喚:大鷲】で召喚したフレスベルグさんに素早い攻撃を叩き込んでもらいましょう!
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既に傷だらけのロンダリングラクーンはしかし、僅かも勢いを鈍らせず猟兵達を襲う。
二條・心春は声を発した。
「貴方達の好きにはさせません。ヒーローマスクさんもこの世界も、必ず守ってみせます!」
配信を見ている者たちにも聞こえるように、彼らを安心させるように、明瞭な声で。
心春の視線の先で、ラクーンが拳を放ってくる。
心春は全神経を集中、咄嗟に槍をふるう。槍の柄を敵の腕にぶつけ、攻撃をそらせる。
ラクーンは止まらない。即座に二撃目、三撃目の打撃が飛んでくる。
だが、心春は研ぎ澄ました感覚で敵の動きを予測、体をひねってよけ、槍で捌き、己を守り続けた。
数分が経過して。不意にラクーンの動きが止まった。
心春は、敵が脱力からのカウンターを仕掛けようとしていると察知。
「厄介な戦法、迂闊に攻められません……でも対処はできます」
心春は後方に跳躍。そして着地と同時に、ラクーンに向かってスタングレネードを投擲! 強烈な閃光と爆音を発生させる!
――今の光と音をあびれば、脱力状態ではいられないはず。今のうちに行動しなくては。心春はタブレット端末を操作。【召喚:大鷲】を実行。
心春の頭上に鷲型のUDCの霊・フレスベルグが現れる。
「ここは一気に攻めましょう。お願いします!」
心春の声に、フレスベルグは翼を広げ、風を纏う。一直線にラクーンへ飛ぶ。
光と音に硬直するラクーンの肩を、フレスベルグの嘴が突く!
「み、見事なり!」
ラクーンはうつぶせに倒れ、動かなくなる。心春たち、猟兵が勝利を掴んだのだ。
入り口の警戒と動画配信を担当していた、ヒーローマスクは猟兵達に駆け寄る。彼女は有難うと何度も感謝の言葉を口にした。
配信の視聴者たちも、「猟兵すごい!」「まじ感謝!」と、少しおどけた、けれど真心の詰まった、賛辞と感謝をコメントしてくれていた。
心春は彼らへ微笑みかける。これからも頑張りますね、とそんな想いを表情で伝えた。
大成功
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最終結果:成功
完成日:2020年11月20日
宿敵
『ロンダリングラクーン』
を撃破!
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