●噂は噂でしかなかったはずなのに
とある宇宙船の艦内にて、オンライン賭博ゲームが噂になっている。
開けば帰ることが出来なくなると言われている、生きて帰れない死の賭博ゲームが。
艦内でも既に何人かが行方不明となっており、共通点として上がったのがこのゲーム。
二人の電脳魔術士達が賭博ゲームについての情報交換のために、艦内通話を行っていた。
「いやいや、そんなこと言ったって開けなければいいんだろう?」
「そう思うだろう? ……けど、恐ろしいことにそのプログラム、偽装されてるんだよ」
「偽装?」
それは、書類専用の形式だったり。
それは、生命維持プログラム用のソフトウェアだったり。
それは、プログラム変更用のソフトウェアだったり。
それは、艦内の制御を行うためのコマンドだったり。
様々な様式に変更されてしまっており、中身を確認しようとして開いてみればそのゲームに捕らわれてしまう仕組みだ。
「けどよ、そういうのってだいたい気づくもんだろ?」
「まあ、確かにそうだけど……と、すまん、書類読まなきゃならんからちょっと黙るぞ」
片方の電脳魔術士がふと画面を見てみると、見知らぬ書類が配置されていた。
後で読めという指示がある書類だろうか? 読まなければならないからと、書類ファイルを開く。
それを開いた途端……そこから先、二人の会話が続くことはなかった。
●闇の賭博場、スタート
「命で賭博、やったことありますか?」
金宮・燦斗(《奈落を好む医者》[Dr.アビス]・f29268)は胡散臭い笑顔で猟兵達に尋ねる。そんなことをする奴がいるのか?という問いかけに、燦斗が続けた。
「実はスペースシップワールドでそんな賭博が行われるゲームが勝手に配布され、起動した人々の命をかけてのゲームが始まっているという予知が見えましてね。巧妙にプログラムを改造している者、ドクトル・アメジストが一つの宇宙船に目をつけてゲームをばらまいているようです」
このゲームは魂をゲーム内の通貨として扱うことが出来、引き出せば引き出すほどゲームを遊ぶ者の魂を削っていく仕組みを取っている。
命を削ると身体に不調が訪れる。不調が訪れればそこでやめようと思ってゲームをやめようにも……やめることが出来ない。ドクトル・アメジストが賭博場へと呼び寄せた時点で思考が狂わされており、賭博を続けることを強いられてしまうのだ。
「賭博は人の快楽にも繋がりますからね。ログインした時点で賭博のみが頭の中に支配されてしまう形になってしまうのかもしれません」
それならユーベルコードでなんとかすればいいんじゃないか? と一人の猟兵から声が上がる。それもそうだと相槌を打つ者がいたが、燦斗はそれに対して首を横に振る。
なんと、汚染された電脳世界ではユーベルコードが使用できないというのだ。
「電脳世界を支配した時にこちらのユーベルコード封じるように、ドクトル・アメジストがプログラミングしたようです。なので、電脳世界に入った直後はまず囚われた電脳魔術士達を助け、彼らにチートコードを入力してもらう必要があります」
チートコードさえ通せば、ドクトル・アメジストのプログラムを上書きしてユーベルコードを回数限定だが使用することが出来るという。さらにはチートコードを通じてゲーム内にはいないドクトル・アメジストへの攻撃が可能になるのだとか。そのため、猟兵達には戦いを続けてもらいながら電脳魔術士達にチートコードを打ち込んでもらうことになるようだ。
「ゲーム内に散りばめられた、賭博の欲を増やすプログラムに対抗すれば勝ち目はあるでしょう。皆さん、よろしくお願いいたします」
そう言って彼は猟兵達を送り出す。
御影イズミ
閲覧ありがとうございます、御影イズミです。
幹部シナリオです。生放送中に思いついたので作りました。
こちらのシナリオは2章構成となっております。
なおこちらのシナリオ、全章共通のプレイングボーナスがあります。
ボーナスは「チートコードを打ち込み続ける電脳魔術士を守る」ことです。
●第一章:冒険シナリオ
賭博ゲーム場へと潜入するシナリオです。
囚われた人々はとにかく、課金課金課金課金!と言って聞きません。
このゲームのクリア条件は「0から一定のコインを貯める」ことになります。
なおチートコードを打ち込む電脳魔術士も徐々に課金しなきゃと思い始めます。
●第二章:ボス戦シナリオ
賭博ゲーム場の主、ドクトル・アメジストとの戦いとなります。
が、彼女は実際にそこには現れません。アメジストの結晶や機械兵器で猟兵達を苦しめます。
チートコードを入力している電脳魔術士を守っていると、徐々に本体へのダメージが加算されていく形となっております。
皆様の素敵なプレイング、お待ち致しております。
第1章 冒険
『呪いのオンラインゲームをクリアせよ』
|
POW : 困難な状況に対して正面から挑戦し、その困難を打ち砕きゲームをクリアに導く
SPD : 裏技や抜け道を駆使する事で、ゲームの最速クリアを目指す
WIZ : 多くのデータを検証して、ゲーム攻略の必勝法を編み出す
|
メンカル・プルモーサ
…相手のフィールドに飛び込まないといけないのが難点だな……
…なるほど、ここが汚染された電脳世界……頭の中に課金しろって声が響くね…
ま、狂気には耐性あるしこの程度はどうという事は無いけど…
…えーと、チートコードを扱えそうな電脳魔術士は…結構居るな…事情を説明してコードを打ち込んで貰おう…蛇の道は蛇、ってね…
…(事情説明中)…説明途中で電脳魔術士が課金面の悪意に染まりかけたら医療製薬術式【ノーデンス】による気付け薬を嗅がせて正気に戻そう…
…後は……一定金額稼げばクリア、だっけ?そっちはデータを集めて『勝率』が良さそうなゲームを見つけて稼ぐとするかね…
●蛇の道は蛇。
「……相手のフィールドに飛び込まないといけないのが難点だな……」
ゲームを前にポツリと呟くメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)。戦いでは相手の陣地に踏み入ることは死を近づける行為でもあるのだが、今回の事件ではそうも言っていられないのが難儀なところ。何せ味方につけるための電脳魔術士はことごとくこの課金賭博ゲームに引きずり込まれており、皆戻ってきていないのだ。
引きずり込まれた電脳魔術士達はゲームの中で死んでいるか、あるいはゲームの中で賭博を続けているか。ゲームの中に入らなければ、その確認さえも取れないのだ。
「……仕方ない、入るか」
ゲームを起動させ、敵地フィールドへと入り込んだメンカル。吸い込まれる瞬間に手足の先がピリリと痺れ、ゾワゾワとなにかが這いずる感触が伝い、脳へ届けられる。さらには奇妙な言葉が脳内に流れ、メンカルの意志を変えようとしてきた。
だがメンカルにはもともと備えていた狂気耐性がある。この程度の侵蝕はどうということはない。故に彼女は正常のままで賭博場へと降り立った。
キラキラ輝くシャンデリアに、カジノでよく見かけるスロット、ポーカーテーブル、ルーレット。ダーツやビリヤード台も完備された完璧すぎる賭博場となっており、賭博行為が好きな者ならばここに住みたいと思えるレベルだろう。
しかし実態はその外見と裏腹に、真っ黒な泥のように濁っている。メンカルが目線を向けた先、スロット台を打っていた一人の電脳魔術士がズルリと床へ倒れ込む。目視したその肉体は青白く、血の抜けたような肌をしており……既にピクリとも動かず、死に絶えている。どうやら命をコインとして使っている賭博場というのも事実のようだ。
(チートコードを扱えそうな電脳魔術士を探さないと。……このまま続けさせて死なせるわけにはいかない)
若干の焦りが見えたが、メンカルは心を落ち着ける。焦りから狂気へ発展することさえもあり得るのだから、落ち着けなければと思ったようだ。
その後メンカルは一人の電脳魔術士に声をかけた。彼はまだ入ったばかりなのだろうか、それほどこの空間の空気に当てられていないようだ。メンカルの姿を見かけると、彼はホッとした様子の表情を見せてくれた。
「ああ、よかった。僕一人、どうなることかと思ったよ。頭の中に課金しろ、って声が響いちゃって……」
「ん……それは私も同じ。だから、ここからは何かあったら私が守る」
「良かったぁ! で、ええと、ここからどうすればいいんだい?」
「それじゃあ、今からお願いしたいのは……」
メンカルは電脳魔術士に現在の状況を説明し、打破するためのチートコードの入力をお願いするように彼に説明する。チートコードの作成には時間がかかるのだが、一定金額数を貯める間にも作成は可能のようなのでクリアのための金額を稼いでもらいつつ、作成をしてもらうことにした。
……だが、狂気耐性を得ているメンカルと違い、彼は耐性がない。説明をしている間も命をコインへと変えるための装置に目線が行ったり、別の競技台を見たりと忙しなかった。その都度メンカルが声をかけて正気に戻していたのだが、そろそろ限界が近い。
「……仕方ない、薬を用意するから、危ないと思ったらコレを使おう」
そう言ってメンカルは医療製薬術式【ノーデンス】を展開させ、彼の狂気を取り払うための薬を調合。僅かな量で狂わされた心を晴れやかにする薬を二人分作り、何かあったらすぐに使うように手に持たせて行動を開始する。
「さて、あとは……」
ゲームに入る直前、クリア条件を指定されたことを思い出す。このゲームのクリアには一定数のコインを稼ぐことで賭博場の扉が開かれるという。ならばとメンカルは電脳魔術士を護衛しつつ、賭博場を歩きまわって他の電脳魔術士達が賭博に打ち込む姿を見る。
彼女が目を向けているのは、賭博に打ち込んでいる本人ではない。どのゲームが有利で稼ぎやすいか、その一点を見極めるために彼女は全ての賭博を眺める。
賭博を眺めて勝率が良さそうなゲームを見つければ、後は簡単。それらで稼ぐのみ。保護している電脳魔術士と共にゲームに勤しみつつ、薬で彼の心を安定させながらチートコードの作成完了の知らせを待つ。
そして……メンカルと電脳魔術士のコインが、ゲームクリア規定数に達した時、チートコードの作成も完了。素早くチートコードの入力を開始してもらった。
「……と、流石に入力に気づかれました。ここからはちょっと時間がかかりそうです」
電脳魔術士が入力を開始すると、それを阻止するように他のプログラムが発動する。完全にチートコードの入力が終わるには、もうしばらくは時間がかかりそうだ……。
大成功
🔵🔵🔵
御園・桜花
「ゲーム内では飲食出来なそうですから。睡眠も出来なそうですけれど、その脳への割り込み指令が、目を覚ますというかアクセス遮断して正気を取り戻す切っ掛けになればと思いました。それに…少しでも回復していただきたかったですから」
電脳魔術師達にUC「桜の癒やし」使用
睡眠による回復を行うことで、強制力の切断や解除、体力回復による電脳魔術師達自身の抵抗力増加を期待した
「あの…大丈夫ですか?無理せずコードを打ち込めますでしょうか?少しお休みになられては?」
UCの効きの如何に関わらず、電脳魔術師達には休憩と仕切り直しを勧める
「ほんの1分目を閉じているだけで体調は回復しますもの。一瞬で良いので仕切り直しませんか」
グロリア・グルッグ
賭け事ですか? ギャンブルならこの私、天才ハッカーにお任せあれ!
なぁに心配ありませんよ、ちょちょいのちょいでコインを稼いでみせますから!
先にダイブしてる電脳魔術士の方と合流したら共同作業でチートコードを打ち込みます。
こう見えてハッキングには自信あるのでゲームシステムを解析してチートのお手伝いをしましょう。
無事にチートできたらUCを使ってもう一人の私を呼び出し、3人体制でがっつりゲームをハッキング!
適当なゲームに挑んでは天和的な…「ゲーム開始時点ですでに勝利している」状態を連発してコインを稼ぎ放題です!
え、課金の誘惑ですか? 我ら電脳魔術士がよく飲むエナドリ上げますから覚悟をキメてくださいね!
●ゆっくり休んで、それからお仕事
ゲームを起動させ、命をコインに変え賭博を行う電脳世界。頭の中に響く課金を行えの言葉がぐるぐると人格を支配していく感覚が拭えない。そんな世界にたった今、二人の女性が降り立った。
一人は御園・桜花(桜の精のパーラーメイド・f23155)。今まで電脳世界になかったふわりと漂う桜の気配は、彼女のたおやかさを表していた。
もう一人はグロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)。賭け事と聞いて、己の力を最大限に発揮できると知って、早くやりたくて今も身体がウズウズしている様子だ。
二人の頭にももちろん精神を乱す言葉は響いているが、お互いがお互いを支えるために会話で言葉をはねのける。そうすることで会話内容を考えるという思考が上回り、汚染の言葉が通り過ぎていくからだ。
「グロリアさん、最初はチートコードを入力してくださる協力者を見つけませんと」
「うん、コインの方は私がなんとかするし、まずはそこらへんの電脳魔術士に声をかけてみないとね」
「ええ。……ですが……」
桜花が周りを見渡せば、皆一様に目の下にクマを作ってでも賭博に専念している。既に賭博のやりすぎで疲労困憊の状態なのと、文字通り命を賭けている状態故に彼らは皆休むことがままならない様子。
ユーベルコードでなんとかしようにも、この電脳世界ではドクトル・アメジストのプログラミングによって使用することが出来ない。そのためにも、彼ら電脳魔術士達にチートコードを入力してもらわなければならないのだ。
「となると、話しかける人は慎重に選んだほうがいいでしょうね。……命がコイン、なんだし」
ちらりとグロリアが目線を移した直後、ドサリ、と誰かが倒れる音が聞こえる。それはコインを失った者が命を奪われ、その肉体に限界を迎えたことを示す音。また一人、電脳魔術士がドクトル・アメジストの罠にかかって死んでしまったのだ。
急がなければ被害は甚大なものになる。しかし、誰に話しかけるかまでは思い浮かばない。……そう考えていたところで、桜花とグロリアの目に挙動不審に歩き回る電脳魔術士を見つけた。
「あの、グロリアさん。あの人ですけど……」
桜花がグロリアの服の袖を軽く引っ張り、周囲に声が聞こえないようにお互いの顔を近づけ小声で話す。何をしているかも見られないように、動作も少なめに二人は会話する。
「……ちょっと、声をかけてみましょうか。もしかしたら、入ったばかりの方かもしれませんし……」
こくりと桜花が頷き、二人は挙動不審な電脳魔術士のもとへ。彼は二人の女性に声をかけられ、最初はびっくりしていたがゲーム内のNPCではないこと、更には助けに来たことを伝えると彼はホッとした様子になる。
「よかった……。周りのみんな、ゲームにすごく執着していて誰も僕の声を聞いてくれなくて……」
「それは……おつらいですね。私達が来たからには、もう大丈夫ですよ」
ゆるやかに微笑む桜花の雰囲気に、電脳魔術士も心が穏やかになったようだ。しかし現状はそうも言ってられず、グロリアから一つお願いと称した指示を出す。
「申し訳ないのですが、チートコードの入力をお願いできます? あ、もちろん私もコードの入力をお手伝いしますから。まずは私達の力を封印している箇所を解除できるとありがたいのですが……」
「力を封印、ですか。わかりました、僕で良ければ……」
電脳魔術士はグロリアと協力して、ゲームシステムにハッキングを行った上でプログラムのチートコードを開発。すぐさまチートコードを発動させ、二人のユーベルコードの使用許可を与えた。
しかし、電脳魔術士は汚染の言葉によってふらりとよろめいた。チートコードを入力しても、この言葉の濁流は収まる様子はない。むしろドクトル・アメジストが彼を邪魔しようとしているのか、チートコードを入力している彼だけに言葉が増量している様子だ。
「……ぐっ……」
頭を抑え、倒れ込もうとするところを桜花が優しく受け止める。このままでは身体を壊してしまうばかりか、精神まで汚されてしまう。そこで桜花が一つ提案を上げる。
「ゲーム内では飲食出来なそうですから。睡眠も出来なそうですけれど……その脳への割り込み指令が、目を覚ます……というかアクセス遮断して正気を取り戻す切っ掛けになればと思います。あなたも、周りの方々も、今はゆっくり休んでくださいな」
使用できるようになったユーベルコード『桜の癒やし』を用いて、入力中ではあるが一度彼を眠らせた。同時に彼女の半径91メートルに存在する電脳魔術士達も、今はゆっくり休んでほしいと眠らせる。
彼を休ませているその間に、グロリアもユーベルコード『金色魔女』を発動。超高速演算に特化したもう一人の自分を呼び出し、ゲームシステムのハッキングを開始。
少し休みを入れている電脳魔術士のチートコード入力が始まるまでは、二人のグロリアがゲーム内を全て掌握。どのようなゲームが一番勝てるか、どこならば稼ぎが良いかの演算を行った上で軽くチートコードに連鎖して発動する確定勝利バグを仕込んだ。
そんな彼女に、少々桜花も不安になった。あまり働き詰めも良くないと苦言を呈しながら、恐る恐る休みを入れてはどうかと提案する。
「あの、グロリアさん。あなたも眠ったほうが良いのでは……?」
「ん、私は平気ですよ。それに、桜花さんだけ起きたままじゃあ、誘惑の言葉に対処が出来ないでしょ?」
「ですが……」
「それに大丈夫。私達電脳魔術士にはコレがありますからね!」
ゴソゴソとグロリアが荷物から取り出したのは、何やら真っ黒い缶。紫色の爪のような跡が特徴的で、知らぬ人は永遠に知ることがないものだ。どうやらそれは飲み物―――エナジードリンクのようで、プシュッと良い音を立てて開けられた缶の中身をグロリアは一気に飲み干す。良い飲みっぷりのその様子に、桜花も少し驚いたが……効果の程を知ると、やんわりと微笑みを残した。
「コレをキメたら後は入力を済ませるだけ。そこの人にも一本、渡しておかなきゃね」
「……ほんの1分、目を閉じているだけで体調は回復しますもの。それは、本当に最終手段ですね」
眠っている電脳魔術士に目をやると、彼は目を覚ます。ほんの僅かな休息だったが、頭の中がスッキリしたと彼は言う。ついでにグロリアから渡されたエナジードリンクを飲んで、いつものように入力に勤しむ。
ある程度電脳魔術士とグロリアの入力が終わったところで、桜花へスロットを打ってほしいことを告げる。ボタンの入力をある規則で打てば必ず大当たりするという確定勝利バグを仕込んでいるので、入力を間違えないようにと指示を与えつつ。桜花はしっかりと説明を聞いた上で、スロット台の前へ。
「ええと……三回以上回転したら、左、右、真ん中……」
桜花は指示通りにスロットの回転をじっと確認しつつ、ボタンを押す。リールは一番の大当たりを二つ指し示した後、真ん中が普通に止まった……かと思いきや、するりとリールが回転し、真ん中も一番の大当たりを指し示す。それが連続して起こるものだからコインはやがてドル箱から溢れ、一つ、二つ、三つと箱を積み上げていった。
「よしよし、効果は良さそうですね。それじゃ、私もちょいと一発」
効果の程を確認した後、グロリアも同じようにスロットを打ち込む。同じ動作でバグを発動させ、桜花同様ドル箱を積み上げるレベルのコインを稼ぐことに成功した。
やがて二人はゲームクリアの宣言を聞く。しかし、それは本来のゲームクリアの意味とは違うようで、次なるステージへご招待の文面も見受けられた。
「つまりまだまだチートコードの入力は続けなきゃダメですよ、ということですね」
「そうみたいですね。……もう少し、頑張りましょう」
グロリアと桜花は先程助けた電脳魔術士に声をかけ、もう少し協力を煽ることにした。
残るはドクトル・アメジストへの対処のみだ。気を引き締めなければ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『ドクトル・アメジスト』
|
POW : アメジストバインド
【アメジストの結晶】から【電脳魔術】を放ち、【精神干渉】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : サイキックアームズ
召喚したレベル×1体の【機械兵器】に【サイキックエナジーを籠めたアメジスト結晶】を生やす事で、あらゆる環境での飛翔能力と戦闘能力を与える。
WIZ : ラボラトリービルダー
【電脳魔術】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を自身の「工房」と定義し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
|
●
コインを獲得して、無事ゲームクリアを目指すことが出来た。
しかしそれはまだ第一章という名目のようで、ゲームはまだ続く。
猟兵達の助けた電脳魔術士達のチートコードにより、電脳世界は拮抗していた。
ドクトル・アメジストの打ち込むプログラムがチートコードを解除するプログラムを打ち込めば、更にそれを解除するプログラムが電脳魔術士によって打ち込まれる。
まさに素早さが戦いの取り柄となる。猟兵達は息を呑んだ。
だが、しびれを切らしたドクトル・アメジストは最終手段を用い始めた。
賭博行為を行わない者に対し、物理的な攻撃を始めるというのだ。
アメジストの結晶が空間を漂い始め、指示を与えられたゲーム内のNPCという生物兵器が牙を剥く。
更にはドクトル・アメジストは直接己の工房と繋げるようにも設定を切り替えた。
プログラミングの腕で拮抗するのなら、入力者を直接殺せば良い。
直線的な考えで、しかし答えとしてははっきりとわかりやすいものだ。
コレをクリアしなければ、ゲームは終わらない。
第二章、ドクトルVS猟兵軍団の開幕である。
-----------------------------------------------
プレイング受付:即時
プレイングボーナス:チートコードを打ち込み続ける電脳魔術士を守る
-----------------------------------------------
御園・桜花
「貴方達は貴方達の仕事を完遂下さい!」
電脳魔術師達を庇える位置に立つ
魔術師や味方の負傷には即座にUC使用
敵には制圧射撃で足止めしながら高速・多重詠唱で電撃の属性攻撃
魔術師達に近寄らせず迎え撃つ
敵の攻撃は第六感や見切りで躱すが電脳魔術師達に向かう攻撃は盾受け
電脳魔術師達がチートコードを打ち込むことだけに集中できるよう尽力する
「貴女から見れば、取るに足りない小さな者達の悪足掻きに過ぎないかもしれませんけれど。小さくて、不揃いで、同じことをしていないからこそ、繋がって同じ目標を持ったときに、発揮される力が計り知れなくなるんです。私達は、此の世界を、貴女達には…猟書家には、絶対に渡しません!」
グロリア・グルッグ
おやおや~? コードの早打ち対決で勝負が付かないから物理ですか。
奇遇ですねぇ、私もちょうどいま同じことを考えていた所です!
同業者が死んでいくのはさすがに悲しいので、彼にはチートコードを打ち続けてもらいながら守るとしましょう。
こう見えて救助活動の覚えもあるのでスマートに護衛しますよ。
近くで護衛しながらUCを使用、重装甲なレギオンをドドドっと大量召喚です。
レギオンに敵を攻撃させ、命中した敵のデータを全機に共有、敵の弱点を突きながらガンガン攻撃!
私もハッキングで各種の戦闘支援をしつつ、魔力を流し込んでレギオンのエネルギーを充填することでバフをかけますね。
アドリブなどご自由にー
●艶やかに、スマートに。
カラカラと飛び交うアメジストの結晶が、アメジストの結晶を生やした生物兵器であるNPCが、チートコードを打ち込む電脳魔術士に襲いかかろうとする。だがそれを打ち払ったのは、桜花とグロリアの二人。電脳戦かと思いきや突然の物理的な攻撃を仕掛けてきたことに、グロリアは軽く挑発する。
「おやおや~? コードの早打ち対決で勝負がつかないから物理ですかぁ~。いやあ、奇遇ですねえ。私もちょうど今、同じことを考えていたところですからね!」
ふふん、と軽くドヤ顔を見せるグロリア。ハッカーといえども、電脳戦がうまく行かないときだってある。逆に負けそうになるときだってある。そんな状況に陥ったとしても、物理は全てを解決してくれるのだ。
「みなさんは仕事を完遂してください。ここは、私達が!」
桜花が電脳魔術士を守るように前に立ち、素早く庇えるように準備。ユーベルコードが使えない状態では戦えないだろうと、グロリアを後ろに下げようとしたが……既に、彼女の準備は完了していた。
「桜花さん、私が誰だか見くびってもらっちゃ困りますよ~。さっきのチートコードの入力お手伝いで、私達の使用回数はバッチリしっかり増やしておきましたから!」
えっへん、とグロリアがドヤ顔。素早くユーベルコード『電脳禁術・機甲師団』を用いて重装甲を持った人形機械歩兵、レギオンを召喚させて桜花とグロリアの周りを取り囲むように配置。レギオンの数はグロリアの今までの経験を元に生み出されており、その数はおよそ430体ほど。ドクトル・アメジストの用意したNPCもほぼ同数ほどの数であり、レギオンとNPCだけでも賭博場はみっちみちだ。
「……あの、たくさんいらっしゃいますけれど、動けます……?」
「うーん、殴って数を減らしますか」
一発、一人のレギオンでNPCをふっ飛ばしてもらう。それが開戦の印となったのか、次々とNPC達がレギオンに襲いかかりはじめ、レギオン達もまたグロリアからデータをもらいつつ応戦する。
その戦いは、激しさを増した。そのせいかチートコードを入力している電脳魔術士にもその余波が飛びかかっており、桜花がなんとか制圧射撃や高速多重詠唱を用いて防いでみるものの、完全には防ぎきれない。怪我を負う者達も続出し始め、このままでは全滅とまでは行かなくとも負傷者が多くなるだろう。
桜花は負傷者の確認を取ると素早く、ユーベルコード『癒しの桜吹雪』を発動させる。あたりに舞い散る桜吹雪はまたたく間に桜花の周りを覆い尽くす。
「―――桜よ吹雪け、命よ巡り巡りて、人々を癒す慈雨となれ」
ひらりと舞い散る桜の花びらを受け取った電脳魔術士の傷は素早く癒やされ、再びチートコードの入力に集中してもらう。チートコードによってNPC達の動きも徐々に変化が訪れているため、入力を止めるわけにはいかないのだ。
「……っ」
「あっ、だ、大丈夫ですか?!」
「……大丈夫、です。皆さんは、コードの入力に集中してください……!」
チートコードを入力する電脳魔術士は桜花に駆け寄ろうとしたが、気にしないでほしいと伝えてチートコードの入力を続けてもらう。
桜花が桜吹雪を舞わせれば、その分彼女に疲労が貯まる。このユーベルコードは自身の疲労と引き換えに味方の治療を早めるものであり、桜花自身のダメージは回復するが疲労の蓄積までは止めることが出来ない。それでも尚、彼女は立ち上がる。なぜならば……。
「確かに私達は、取るに足りない小さき者達の悪足掻きに過ぎないかも知れませんけれど……。小さくて、不揃いで、同じことをしていないからこそ、繋がって同じ目標を持った時に発揮される力が、計り知れなくなるんです……!」
強い信念が、桜花をしっかりと立たせる。ドクトル・アメジストによる侵略によって世界の危機が訪れた時、桜花は強く思ったのだ。
「私達は……此の世界を貴方達には……猟書家には、絶対に渡しません!!」
桜花の決意の声が、賭博場の中へ響き渡る。彼女のその決意に合わせてグロリアのレギオン達がさらなる力を得た。決意が固まったのは桜花だけではなく、グロリアも同じなのだから。
「そのとおり、絶対に渡しませんよ。……ここで私達が守りますからね!」
グロリアのハッキングが更に加速する。それに合わせて電脳魔術士もサポートのチートコードを重ね合わせ、桜花とレギオン達の力を倍増させた。
流石にそれは許されないだろうと、ドクトル・アメジストが再びアメジストを賭博場にばらまく。NPC達がソレを拾い集めればサイキックエナジーによってより強化され、飛行能力を持ってレギオン達に立ち向かい始める。
桜花の持つ雷の力を持って電磁力を発生させ、NPC達を引きずり下ろしてからレギオン達へと投げて殲滅。電磁力のデータと浮遊力のデータを受け取ったグロリアは更にレギオン達を強化させ、桜花になるべく披露させないよう支持した。
『くそっ……! あたしのデータを上乗せして、こっちにダメージを与えてくるとはねぇ!!』
二人の強力な力を以てNPC達が殲滅されるのを眺めていたドクトル・アメジストの震えた声が、賭博場内に響き渡った―――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
……お、焦ってきたね……あつらえ向きにあっちから手を出してきた…
…UCは回数制限があると言う話だったね…ま、一回で良いよ
…なにせ、ここには燃料が沢山ある…【尽きる事なき暴食の大火】を発動…
…布状に展開した術式組紐【アリアドネ】に大火を纏わせて受け止めた攻撃を攻撃を大火に喰らわせる一方…
…襲ってくるNPC達も白い炎の糧にして更に巨大化させるよ…
…そして…ここでこのゲームに入って初めて自分のハッキングの技術を使用…
…ラボラトリービルダーにより作られた工房から直接繋げられたアメジストの工房への電脳魔術的なルートを解析…
…そこに暴食の大火を逆流させることでアメジストへと攻撃を仕掛けよう…
●大火は対価に全てを喰らう
賭博場にカラカラとアメジストの結晶が飛び交い、NPC達がゲームを行わない者達を強制的に賭博へ参加させるように行動を起こし始める。それらは全て、ドクトル・アメジストのプログラムによって変更された行動であり、チートコードで上書きできるような状態ではない。
「……お、焦ってきたね……。丁度、あつらえ向きにあっちから手を出してきた……」
メンカルはチートコードを入力している電脳魔術士をNPCの手やアメジストの結晶から守りつつ、周辺の様子を確認。どれだけの数が現存しているのかを目視したあと、電脳魔術士へと問いかける。
「……そういえば、ユーベルコードの解除、出来た?」
「は、はい。ただ、そんなに多くは打てないかと……」
「ん……一回で大丈夫。……燃料、ここならいっぱいあるしね……」
「ね、燃料?」
何を言っているのだろうかという顔を向けられたが、それを説明するなら見せたほうが早い。メンカルはチートコードで回数制限が設けられたユーベルコード『尽きる事なき暴食の大火』を発動させ、布状に展開した術式組紐【アリアドネ】にその大火を纏わせる。
炎が発したことにより、賭博場では異常事態発生のベルが鳴る。当然、空を舞うアメジストやNPC達がメンカルの方へと向かうのだが、それらは全て白い炎によって喰われる。
『やれやれ、よっぽど燃やし尽くしたいんかね? そういうのは賭博場ではご法度だよ!』
賭博場のスピーカーから聞こえる、ドクトル・アメジストの声。それに合わせて電脳魔術がメンカルと電脳魔術士に向けて飛ばされるが、術式組紐【アリアドネ】を奮っては魔術を妨害。さらには、自分と電脳魔術士を守るように炎の壁を作り上げた。
「あ、あの、これじゃあ脱出出来なくなるんじゃ……?」
「……ううん、ここからは反撃。今……どうやら、繋がってるみたいだし」
「繋がって……ああ、そうか!」
電脳魔術士が納得するように、素早く新たなプログラムを作り出す。メンカルは彼が準備したプログラムに合わせてハッキングの技術を利用し、先程打ち込まれた電脳魔術の打ち込まれた床からドクトル・アメジストの工房―――『ラボラトリービルダー』の効果によって作られた路を利用して電脳魔術的なルートを解析する。
『っとと、そう来るんだねぇ。でもその対策はこちらも取れてるのさ!』
メンカルのハッキングはドクトル・アメジストの工房にたどり着くまでに時間がかかった。それまでに、何度も何度もアメジストの結晶とNPCが襲いかかる。そちらに気を向けつつもハッキングを行うのは、正直至難の業ではあった。気づいたときには傷を負わされていたり、大火の壁を破られては張り直したりと、様々な対処を取った。
だが、彼女はやり遂げる。電脳魔術士のチートコードもうまく作用したのもあってか、確実にドクトル・アメジストへと届く路を見つけたのだ。
「……これなら……」
術式組紐【アリアドネ】で再度、空を飛ぶアメジストと襲いかかるNPCを食らい付くして、白い炎の燃料を再充填。距離と燃焼量を計算し、それを路へと放った。
『くっ、繋げたところから……うわっ!?』
スピーカーからドクトル・アメジストの慌てふためく声が聞こえる。この攻撃によっていくつかのダメージを負った様子が、実況中継されていた。
「……ん、もっと渡せそうだし、渡しておこうか……」
周囲の燃料となる者達をしっかりと喰わせて、再び白い炎を送り込む。ドクトルの工房が完全に黙るまで、メンカルは同じ行動を繰り返し続けたのであった。
成功
🔵🔵🔴
ルドルフ・エルランゲン
※絡みアドリブ大歓迎
徹底的に煽って敵の行動を妨害する事でチート電脳魔術士を守る
■詭道の計:wiz
おやドクトル、こんなところまでどうしました?
ああ、プログラミング対決でこちらのハッカーさんに勝てないから実力行使ですか
アッハッハ、ドクトルの肩書きが聞いて呆れますねぇ!
ゲームマスターを気取っても所詮はこの程度、猟兵でないハッカーにも負けるぐらいで電脳魔術を極めたような顔をしないでいただきたいものです
実に短絡的で知性の欠片も無い発想だ
ドクトルの肩書きも外した方が良いんじゃないですか?、ご自身の為に
ククク…我らスナークを歪める猟書家共は異世界でも許されないのだよ…
※威丈高で悪辣な悪役ロールとか好物です
●プログラム VS 詭弁
「……なるほど、既に物理的攻撃を開始している状態……」
戦況を確認し、ポツリと呟くルドルフ・エルランゲン(黄昏に抗う白梟・f03898)。チートコードを打ち込んでいる電脳魔術士達を保護し、彼らを守りながら飛び交うアメジストやNPCの魔の手から逃れてきた。
しかし、時間稼ぎももう限界だ。これ以上隠れ続けても、ドクトル・アメジストの死角を取ることは出来ない。チートコードを入力する電脳魔術士も徐々に狙われ始めていた。
「も、もう限界……っ」
「諦めるな! なんとしても俺達はここから脱出するんだ!」
入力作業を続けて、どのぐらいが経ったのだろう。彼らはもう限界に近い。今から逃げ出したとて、体力的な問題ですぐに捕まってしまうのが目に見えている。
ならば、どうするか。ルドルフは思考を巡らせ、周囲の情報と共に使える手法を考え、それを電脳魔術士達に伝える。その方法とは……。
「私がドクトルを引きつける間、あちらへ繋がる路を探っていただけませんか? うまく行けば、ドクトルの工房へ直接ダメージを与えることが出来ますから」
言葉を用いてドクトルを引きつける。それは成功率が最も低いが、成功すれば工房まで直接ダメージといった大きな作用が働くハイリスクハイリターンな作戦。ルドルフは提案を上げたのは良いが、うまくいくかの保証が出来なかった。
しかし、電脳魔術士達は彼の作戦に賭けることにした。賭博場での戦いなのだから、最後ぐらいは大きな博打に出ても構わないだろうというのが、彼らの本音らしい。
ならばと、ルドルフは前に立つ。全てのアメジストとNPCがルドルフに襲いかかろうとするのだが、彼はまずある一言でそれらを黙らせた。
「プログラミング対決でこちらのハッカーさんに勝てないから、実力行使ですか。いやはや、ドクトルの名を冠するというのに実に情けない。ああ、情けない! やはりプログラミングの技量では、皆様方が優れているようだ!」
彼の言葉に、空を漂っていたアメジストとNPCが動きを止める。その隙に新たなプログラムを打ち込んでもらい、NPC達の動きを掌握して攻撃を行えないように相殺。『何故か全てが上手く成功する』ことに驚いている電脳魔術士達だったが、それもそのはず。ルドルフのユーベルコード『詭道の計』がドクトル・アメジストへのハッタリを用いて相殺していたのだ。
そのハッタリに負けじとドクトル・アメジストは電脳魔術を放ち、ルドルフへと攻撃。賭博場という地形を利用し、電脳魔術を全てスロットやカジノテーブルで受け止めて当たらないように工夫。さらには動かなくなったNPCや空に留まったままのアメジストも盾に取り、電脳魔術をうまく回避していた。
『あぁ、もう! ちょこまかとしつこいねぇ!!』
「しつこい? 褒め言葉ですよ、ドクトル。我々猟兵というものはしつこさが売りなものでしてねぇ! ゲームマスターを気取っているだけの、ドクトルという肩書さえもタダの飾りである貴方よりも我々はしつこいのですよ!」
辛辣な言葉でドクトル・アメジストの心理を揺らがせ、電脳魔術の命中率を少しずつ下げるルドルフ。今やドクトル・アメジストはルドルフにしか集中していないのか、電脳魔術士達が打ち込まれた電脳魔術を解析して工房への路を作っていることに気づけていないようだ。
ちらりと目線を送り、電脳魔術士達を見やる。既に彼らは限界が近いと言うのに、電脳魔術士達はその手で戦っている。コレは自分も負けられないなと、ルドルフは追撃の言葉の刃を打ち込んだ。
「実に短絡的、実に知性の欠片もない。そのような方がドクトルの称号を持つのは、他のドクトルの方に失礼だ。今すぐ、その肩書きを外しては?」
ニヤリと、歪んでいるが愉悦の笑みを浮かべたルドルフ。その笑みがカメラを通して向こうにも届いているのか、ドクトルは更に電脳魔術を打ち込んでゆく。
だが、いくつかの電脳魔術が打ち込まれた直後。ドクトル・アメジストの甲高い悲鳴が、スピーカーを通して届けられる。魔術の発動をトリガーとして反射攻撃が打ち込まれるように、電脳魔術士達がプログラムを制作してやり遂げてくれたのだ。
その後、このゲームはクリア。閉じ込められてしまった人々も、無事脱出することが出来た。
被害は少なからずともあったが、大きく揺らぐような事件には発展することはなかったようだ……。
大成功
🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2020年11月05日
宿敵
『ドクトル・アメジスト』
を撃破!
|