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誓うモノなき忠義者

#アルダワ魔法学園

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#アルダワ魔法学園


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●迷宮を侵攻するもの
 地下迷宮「アルダワ」…何処かの迷宮主の間。そこにどこからともなく行軍の音が響きだす。装甲靴が地を踏み締め侵してゆく響きが近づき、虚空から沁み出すように黒が溢れだしてゆく。そうして、魔法学園の紋章が刻まれた大扉が内側から開かれる。現れたのは黒鎧を軋ませ隊伍を組進む兵士の一団。乱れることのない行進が続き、最後に異彩を放つ意匠の違う黒鎧が現れる。一度、大扉へと振り返り先を進む兵団へと合流する。

●魔法学園への救援
 グリモアベースに訪れたあなた達を茲乃摘・七曜(魔術人形の騙り部・f00724)が手元に資料を纏めながら出迎える。
「お待ちしておりました。この度の召集に応じて下さりありがとうございます。皆様に赴いて頂きたいのは、アルダワ魔法学園となります」
 そう声を掛け魔法学園の現状を説明し、今回の予知で見えたことを猟兵達に語り始める。
「地下迷宮「アルダワ」にて地下迷宮を迷宮主の間に顕れた迷宮主たる災魔が、共に顕れた配下の災魔を率いながら魔法学園へと向けて侵攻してきています。本来であれば、迷宮主は顕れた場所から出られない筈なのですが、何らかの以上が起きこのような事態となったと思われます。このままでは魔法学園に多大な被害が出ることになりますので皆様には災魔の迎撃をお願い致します」
 そう言いながら彼女は一つの部屋に大きく丸のかかれた迷宮の地図を取りだし状況の説明を始める。
「現在、魔法学園へ向かって来ている災魔は幾つかの侵攻経路を取っていますが、迷宮のこの部屋へと向かって移動しています。この部屋を配下の災魔に占領され橋頭堡にされると迷宮主との戦闘が困難になりますので、皆様には相手の侵攻路を遡り迎撃して頂きたいと思っております」
 そう言ってその部屋に繋がる道のうち災魔が侵攻しているものに丸を付け、壁や床の作りは石、横並びに四人並んでも戦闘が可能なくらいに広いと注意書きを書き込んでゆく。
「それと、魔法学園の教師陣には連絡して生徒の避難を行って頂いておりますので皆様がたどり着く頃には迷宮からの生徒の退避は完了していると思われます」

●猟兵達の掲げるモノ
 そうして、説明を終えた七曜が猟兵達の瞳を願いを伝える。
「改めてのお願いとなりますが、皆様には災魔達の侵攻を抑え魔法学園の危機を救って頂きたく願います。現地での迷宮に入るための援助は魔法学園の教師陣にお願いしておりますので、必要なものが依頼してくださいね」
 深く頭を下げた七曜が頭を上げ、転送の準備を進めてゆく。


カタリツヅル
 初めてお会いする方も、再びご覧になっていただけた方もよろしくお願いいたします。カタリツヅルと申します。ご縁ありましたら、皆さんの活躍を描かせていただければと思っております。

 舞台はアルダワ魔法学園となります。地下迷宮を逆侵攻してくる配下の災魔を排除し、迷宮主を撃破。その後は、魔法学園での戦闘訓練が予定されております。

 一章の集団戦に関しまして複数の経路で侵攻してきているとありますが、参加者と成功度に対応して変動いたしますので、経路を一つ選んで頂いた扱いで戦闘することとなります。背後からの強襲の警戒や複数の経路の攻略は意識していただかなくて問題ありません。重ねまして、オープニング公開後、集団戦の災魔に関しまして能力に関する序文が追加されますのでご覧になって頂けると幸いです。

 三章の戦闘訓練に関しましては、一人で訓練していただいても構いませんし、他参加者との模擬戦闘訓練をしていただいても構いません。
 模擬戦闘訓練を希望される場合は【模擬】と記載をお願いします。
 ただし、あくまで模擬戦闘訓練ですので負傷はせず、有効打を寸止めする形での決着となります。理性を失うユーベルコードでも、決着が着く攻撃で理性を取り戻す等、武具同士の激突はありますが、有効打となる攻撃はお互いに寸止めする形で扱わせて頂きます。
 模擬戦闘訓練の勝敗判定はプレイングに付随するPOW:SPD:WIZの確率の各桁を一桁になるまで足した値を予想していただきより値が近い方を勝者と致します。

 例)
 「WIZ:8」
 WIZ:74%⇒ 7+4=11 ⇒1+1=2。
 数値:8-2=6。

 「SPD:7」
 SPD:121%⇒ 1+2+1=4。
 数値:7-4=3。

 「」部分を記載いただき、計算はこちらで行います。数値の値が0に近いほど勝てる可能性が高くなり、マイナスの値になった場合、絶対値にて判定いたします。ユーベルコードや作戦はプレイングに直接記載ください。上記の予想を模擬戦闘訓練を選ばれた場合では2つ、戦闘行動のプレイングそれぞれの冒頭に書いていただきますようお願いします。

 茲乃摘・七曜に関しましては声を掛けていただいた場合、応援の言葉をかけたり、健闘を称えさせていただいたりと声を返させて頂きますが、戦闘訓練には参加できませんのでよろしくお願いいたします。
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第1章 集団戦 『兵士の呪鎧』

POW   :    突撃陣形
【密集陣形を組ん】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD   :    防御陣形
【後衛】から【遠距離攻撃】を放ち、【前衛が盾で押し込むこと】により対象の動きを一時的に封じる。
WIZ   :    機動陣形
【鋒矢陣形を組むこと】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【衝撃力の高い突撃】で攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●兵士の呪鎧
 生徒達の避難を終えた魔法学園の教師が感謝の言葉と共に貴方達を歓迎する。そして、予知された迷宮を侵攻して来ている災魔の情報を猟兵達へと話し出す。

 迷宮を侵攻して来ているのは兵士の呪鎧。中身は存在せず、鎧そのものが災魔と言う存在で、嘗ての有り様をなぞるように集団戦闘が得意なようです。ただ、所属を表すような意匠は有りませんでしたので『兵士の鎧』と言う象徴が骸の海から甦ったのだと思われます、と伝えるとともに予測される戦術を調べてきましたので聞いてくださいと話を進める。

 一般的な兵士が、基本4~5人程度の程度の小隊で互いを補佐し合うように行動することをなぞるように兵士の呪鎧も小隊で行動するようです。主な攻撃方法は密集陣形を組み、盾で攻撃を防ぎながら突撃し、手にした剣で連携のとれた攻撃してくる基本的な集団戦闘。前衛と後衛に分かれ、後衛が投石や弓などで動きを制限し前衛が盾を構え突撃、盾で押さえつけることで動きを封じ次の攻撃に繋げてくる防御よりの集団戦闘。攻撃に適した矢印型の陣形を組み、足並みを揃えて突撃をし、体当たりでの吹き飛ばしや剣による斬撃等、一気に攻勢を仕掛けてくる攻撃的な集団戦闘。それなりに狭い場所での戦いとなりますが兵士の呪鎧の練度は低くなくあと、災魔同士での同士討ちを勝手に起こすことはないようです。
 
 あと、侵攻経路に関しましては調べがついていますので、心配なさらなくて大丈夫です。奇襲や罠の設置に関しましては、相手も警戒しつつ侵攻して来ていますのでその点に気を付けて頂ければ有効に作用すると思います。あと、それぞれの侵攻経路は離れていますので他のところでの戦闘が別の戦闘に影響することもありませんのでご安心下さい。…話を終え、よろしくお願いします、と頭を下げた教師が魔法学園へと戻ってゆく。
ルーナ・ユーディコット
迷宮に出てきた魔物
それに挑む人々
私が果たして主人公かは微妙だけど
「まるで物語の一幕に登場した気分ね」
物思いに耽りながら戦って怪我をしてもつまらない
そんなことが出来る程器用なつもりはないのだから
目の前の事に集中しよう

強さ関係なく、敵は敵
相対すると決めた時点で、戦い抜くしかないのだから

何をするにしても集団での連携を前提としてくるなら
纏めて叩くのが効率がいいよね
敵陣に【ダッシュ】で潜り込んで【人狼咆哮】
加減遠慮は無しで行く
可能ならこの流れを繰り返して単騎波状攻撃をやってみたいけど
味方が居るなら交代したほうが効率がいいから
そこは状況次第、かな


死之宮・謡
迷宮主ねえ、強いんだろうなぁ、心躍るねぇ。まぁとりあえず今は目の前の空っぽ鎧どもか、連携する兵士ってことは弱くはないよな?楽しめるといいねぇ。4人ぐらい並んでも行けるねぇ…詰まんねえよなぁそんなのさぁ。どんだけ傷ついたって構やしない、楽しければそれでいい。理性もかなぐり捨てて、思う存分暴れようじゃないか。アハハ、周りには少し迷惑かもしれんが良いだろう?許してくれよ?
さぁいこうか【最終血統装具”狂”】展開‼


ユリ・アップルヤード
「まぁまぁ鎧君はさておき、七曜さん。私にその芸術的なボディ、メンテさせてみない? いやマジでマジで。ねえねえねえ、私に見せよ?見せよ??腕は自信あるよ???」

Code:Genocideで機械巨人リアンと偵察ロボットコロマル、万能型ドローンルーのリミッターを解除。
リアンは大楯と鉄柱を装備して薙ぎ払うことで、敵を面で叩き潰していこう。派手に暴れて盾役になってもらおうね。
コロマルとルーはそこを逃れようとする敵に対して斉射。機動力を生かして掻き回しつつ、敵からの攻撃はリアンを盾にしていこう。

戦闘用機械兵ヒューズはリミッターを外さず、私の直掩。
リアン達を抜けて寄る敵には銃剣と狙撃を叩き込んでやろう。


シーザー・ゴールドマン
【POW】
「それなりに練度の高い敵のようだね。楽しみだ」
戦術
敵が密集陣形をとった際に槍化した「アートルム」を投擲。
『ドラゴニック・エンド』を発動。
召喚したドラゴンによる攻撃で敵の隊列を乱し、それと同時に突貫
「オーラセイバー」を振るって戦います。
剣術は鋭く流麗なモノ([2回攻撃][鎧無視攻撃][怪力])
防御面は[オーラ防御][見切り]に期待
他の猟兵と行動を共にする場合は連携を重視します。

「なかなか楽しめたよ。ありがとう。そして、さようなら」


アマータ・プリムス
一対多の集団戦は当機の得意とする所。精一杯頑張らせていただきましょう

UCを使いネロを自動操縦、大鎌を持たせ当機の前衛を任せます
「進軍は総て止めなさい。いいですね?」
当機は後ろでイーリスを取り出しトランクを【武器改造】でアンプに変形させて接続【歌唱】と歌【属性攻撃】、【楽器演奏】を用いた【衝撃波】で呪鎧を【範囲攻撃】
鎧を着て陣形を組んでいるなら範囲攻撃の衝撃波が有効でしょう

「オーディエンスは盛り上げなくてはいけませんね」
今回の曲調はPOPにいきましょう
周りに味方がいるなら味方のテンションが上がるような曲で

呪鎧の遠距離攻撃は鋼糸を使い【敵を盾にする】で回避

※アドリブ、連携歓迎



●迷宮へ潜る
 状況を説明した魔法学園の教師と別れ、迷宮に潜った猟兵達が一際大きな部屋へと辿り着く。災魔が目指してきているその部屋で猟兵達が迎撃の準備を進め、それぞれが見定めた通路へと目を向ける。

●攻勢開始
 銀にも見える麗白の髪を揺らし、迷宮の暗がりに金色の瞳を向けたルーナ・ユーディコット(Basilico・f01373)が、脳裏に迷宮に現れた魔物、それに挑み打倒する猟兵達という現実に僅か物思いにふけり言葉を零す。
「…まるで物語の一幕に登場した気分ね」
 優しい香りの小さな緑龍を撫でながら主人公気分で怪我をしてもつまらない…と、これからの戦闘へと意識を向け集中力を高めている所に声が掛かる
「やぁ、良ければ一緒にいかないかい?」
 やんわり断られた!でも、簡単に諦めないのが技術屋さ!…いや、私さ!と、転送前の一幕を思い出しながらユリ・アップルヤード(パーツ屋「アップルガレージ」・f00153)が、戦果をもってもう一度頼んでみようと自慢の作品群の武具…多連装銃や狙撃銃、それぞれに誂えられた装備の最終調整を澱みなく行い戦いの準備を進めながら頬を緩める。
 その横では高級感あふれる真紅のスーツを着こなし、肩に黒い鱗を持つ小型龍を載せたシーザー・ゴールドマン(ダンピールのフォースナイト・f00256)が、魔法学園の教師から受けた説明を思い起こしながら、楽しそうに自信に満ちた表情で金色の目を細め言葉を紡ぎ、自身の隣の女性へと提案する。
「それなりに練度の高い敵のようだね。楽しみだ。…ふむ、君、目的は同じだ。共闘でもどうかな?」
「よろしくお願いします。当機は対多数戦は得意ですので、支援含めお任せください」
 そう答えたアマータが来なさい、演者が登壇に間に合わないは恥ですよ、と開けたトランクから現れたのは南瓜頭の案山子人形。おいおい、お客様がまだなら大丈夫だろうヨォ?と言わんばかりに口元を歪めケタケタと笑いながら飛び出したネロの頭をシーザーに向け下げさせたアマータが準備が整った旨を伝える。
 それらの喧騒から離れた暗がりでは、迷宮に溶けるような黒鎧を闇纏うような外套で覆った死之宮・謡(情緒不安定の狂戦士・f13193)が、鎧に刻まれた呪言を暗がりに浮き上がるような真っ白な手で撫でるように確かめ、闘争の気配に笑みを零す。
「迷宮主カ…強者トノ命ノ削リ合イ、トテモ心躍ル」
 だが、まぁとりあえず今は目の前の空っぽ鎧どもか…楽しめるといいねぇ、と心中は同じ流血への興奮を湛えつつも雄弁に回り、それに応じた討伐者の名を持つ剣がひとりでに浮き上がり謡の周りを廻り出す。それぞれの準備と攻略する経路が定まったことを確認した猟兵達は、侵攻阻止の為に連れ立ち或いは一人で迷宮へと潜って行く。

●目覚める獣の咆哮
 迷宮の暗がりに蒸気を吐き出す高い音と共に重い足音が響く。それはショルダーアーマーを装備した見上げるほどの機械巨人リアンを先頭にしたユリの操る機械の兵隊。先行し偵察していた小さなコロマルが帰還し、ユリが自身の兵隊を鼓舞するように声を掛け兵士の呪鎧との戦闘へと備える。
「折角コロマルが調べてくれたんだ。しっかり合わせて制圧していこうか!」
 お互いが視野に入り最初に行動したのはヒューズ。先頭の災魔の足を撃ち抜き、僅かな進軍の綻びを広げるようにコロマルとルーの掃射が続き、災魔達が様子を見るように盾を構え衝撃に耐えている所へと鉄柱を振りかぶったリアンが突撃する。災魔達が吹き飛ばされつつも応戦する中でリアンを留めるため隊列を変えようと動きを見せ、その最中に出来た空隙へとルーナが赤いマフラーをたなびかせ、戦況を観察するために潜んでいた機械巨人の巨体で作られた死角から身を躍らせ、迷宮の壁面をも翔け、獣のようにしなやかに飛び込む。そうして叫ばれるのは獣の咆哮。強さ関係なく、敵は敵。相対すると決めた時点で、戦い抜くしかない、と戦いの覚悟に目を覚ました狼の雄たけびが、迷宮の壁を震えさせながら周囲に響き渡り災魔達を討つ。だが、自身が思い描いた纏めて叩くという戦果を誇ることなく冷静に隊列を崩した後衛に狙いを定め駆け込み。
「……加減遠慮は無しで行く」
 そもそも、そんなことが出来る程器用なつもりはないけれど…、とその手に携えられるのは月桂樹の名を冠した偃月刀。態勢を整えようとする災魔達を体ごと振りぬくような遠心力で威力の増した薙ぎ払いが吹き飛ばし骸の海へと返してゆく。

●望むは流血と闘争
 迷宮の暗がりへと溶けるような昏い外套が翻る。仲間と別れ床を這うような低い姿勢で、影のように疾走する謡の血を零すように煌く赤い瞳に浮かび上がるのは期待。
「見ツケタ…貴方達ハ敵。敵ナラ殺ス…其レダケ」
 言葉と共に奔るのは二条の銀閃。極限まで身を沈め暗闇から浮き上がるように災魔達へと突き立てられた葬送の双剣が、力任せに抉り抜かれ隊列に穴をあけ、貫かれた災魔達が骸の海に還るのを待たず、反撃に振るわれた剣が留まったままの謡へと幾条かの銀閃を走らせ、斬り裂かれた痕が赤を零し、追いかけるように飛来した浮遊剣が災魔達を貫いてゆく。そして、流血を伴った闘争というやり取りの始まりを、身にはしる痛みに感じた謡の顔に刻まれた笑みが深くなる。

●暴威の黒龍顕現
 迷宮に響く足音の隠すことなく疾走するシーザーの後ろを滑るようにネロが続き、その後ろをアマータが追いかける。やがて、戦闘の気配に身に纏う魔力を猛らせたシーザーの目に映るのは足音から会敵を察し、盾を構え密集陣形で一矢乱れぬ行軍を行う兵士の呪鎧達の姿。
「素晴らしい。過去は優秀な兵士達が使っていたのだろうね。期待を裏切られなくて嬉しいよ」
 その言葉と共に放たれるのは魔力に猛る漆黒の龍槍。過たず先頭の災魔を龍槍が構えた盾ごと貫き、顕現するは魔王の下僕たる黒龍『アートルム』。オドを呼び水に構築された巨躯の黒龍が強靭な爪牙で災魔の前衛を薙ぎ払い、漆黒の息吹で隊列を崩して本来の姿に戻り、そこにネロが忍び寄る。隊列を整えようとする災魔達へ、ネロが携えた大鎌を暴風のように振るい、身に迫る剣を刃の背で受け流し、盾を巻き込むように斬り裂き、事前に示し合わせた殺陣のように魅せる劇を彩るのは、衝撃と共に舞台を震わせるアマータが奏でる戦場の音色。鋭利な蒸気機関式ギターに繋いだ傀儡鋼糸の張力を歯車の噛み合う音と共に整えたアマータの演奏が繋がれた銀色の増幅器を通し迷宮に響き渡る。そうして増幅された演奏は弾ける音楽へと変わり災魔を吹き飛ばし、
「ネロ、進軍は総て止めなさい。いいですね?」
 演奏の合間の呼びかけにネロが口を歪めて、劇曲悪いナァ…愚姉、と声無く笑いかけ、後で話があります…愚弟、とアマータが僅か目を細め、幕の上げられた人形劇が災魔を押し留め駆逐してゆく。

●侵攻阻止
 呪詛を纏った狂戦士が零す赤を迷宮に振り撒きながら双剣と浮遊剣を操り呪鎧と相打つように暴れまわり、機械兵群が重い駆動音を響かせ連携と物量で戦線を維持するのを機愛の技術屋が愛おし気に見つめ、崩された呪鎧の隊列の中を想葉の白狼が咆哮をあげ牙にして相棒たる偃月刀を振るい駆け回り、魔を纏う偉丈夫が変幻自在の剣技で呪鎧を冷静に打倒し進み、黒鱗の槍龍が主を支援するよう暴れ、南瓜頭の案山子人形が大鎌を振るい颶風となり、アンティークドールの歌い手が舞台を奏で上げる。そうして、しばし後。

●地下迷宮の人形戯曲
 シーザーが兵士の呪鎧達の剣撃を見切り受け流し、魔力剣を煌かせ災魔達の連携を崩すように斬り裂き、黒鱗の槍龍が援護を行う。その隣では、南瓜頭の案山子人形が大鎌を振るい前線を押し留め、前衛を鋼糸で援護するアマータの奏でる衝撃が迷宮を震わせ災魔を過去に返してゆく。安定した戦線の変化は災魔達の増援。響く足音を聞いたアマータが歌います…協力しなさい、とネロへと目配せし、注文が多いんじゃネェ?、と眼光を瞬かせたネロの大鎌が組み変わる。災魔達を押し留める動きそのままに風切り音が風琴を奏でるような演奏へと変化し、スピーカーが鮮烈なギターサウンドを迷宮に響かせアマータの歌が紡がれる。
「……君と進んでく 昏い闇 迷宮の先へと。深く蘇る厄災は 過ぎ去った悪夢。現在を闘って 照らすのは まだ見ぬ未来の先」
 激しく刻まれるリズムと風琴の音色を纏め、歌われるのは過去の悪夢を晴らす猟兵の歌。神秘の歌い手たる世界の根幹を揺らす唄が、伴奏をもって迷宮を染め上げ仲間を後押しする。背後から奏でられる歌を悪くないなと聞くシーザーのオドが鼓舞されるように猛り高まり、その感覚に黒鱗の槍龍を下げ、災魔達との間合いを自然な足取りで詰めてゆく。もとより災魔達の鎧の隙間を穿ち、剣撃を舞うように躱し、盾に剣閃を刻む剛撃を叩き込み、流れるように華麗に戦っていたシーザーの剣技に宿るのはさらなる暴威。突き出されたサーベル状の魔力剣が兜を突き抜け…刹那、刃を消された魔力剣が次に象るのはバスタードソード。薙ぎ払う剣閃が抵抗を感じさせず災魔を斬り裂き…消失。柄だけとなり瞬時に頭上に構えなおされた魔力剣が構築するのはクレイモア。数多の剣を変幻自在に操るシーザーの剣舞が歌声に後押しされ災魔達を骸の海へと押し戻す。
「なかなか楽しめたよ。ありがとう。そして、さようなら」
 その言葉と共に最後の災魔が胴を断たれ跡形も残さず消失し、地下迷宮に静寂が訪れ侵攻してきた災魔を討伐し終えたと判断したシーザーが黒鱗の槍龍を迎え、ネロをトランクへと戻したアマータへと帰還を提案する。

●闘争と流血の意思疎通
 浮遊剣が猛々しく切り結ぶ戦闘音を背景に、がらんどうの兵士の呪鎧が貫かれ宙に溶け、謡の身体を刺さっていた剣が消失し、溢れる赤がその身を伝っていく。それと共に広がるのは独りでいる寂しさと敵がいるという喜び。アァ、思う存分暴れようじゃないか。アハハ、周りにかかる迷惑もないんなら良いだろう?アハハハ、迷宮を壊すくらい許してくれよ?アハハハハッ!とめどなく心に廻る言葉が軋るように口から零れ叫ばれる。
「コンナ、楽シイノニ……理性ナンテ保ッテラレナイ…アァ、貴方達ガ敵デ良カッタ。…サァ、我ガ理性ヲ糧ニ喰ライ尽クセ!最終血統装具”狂”!!」
 全身を濡らす血潮が…迷宮に飛び散った赤が…謡を喰らうように集まり残されるのは最終血戦体”滅”。顕れたのは純粋たる反逆の為の暴虐の化身。滾る血潮そのままに残された災魔達へと襲い掛かる。

●Code:Genocide
 前衛をリアンが務め、その補佐をコロマルとルーが担当し、後方支援をヒューズが行う。それを見つめるユリが戦線を確認し指示を出してゆき、機械兵群の援護を受け兵士の呪鎧達や迷宮の壁すらも足場に自在に駆けまわるルーナが振るう偃月刀と空気を震わせる雄たけびが、災魔達を討滅しこちらでも転機が訪れる。響くのは一糸乱れぬ装甲靴が迷宮の床を踏みしめる音。迷宮の奥へと目を向けたルーナが携えた偃月刀を緑龍の姿へと戻し、替わりに引き抜いたのは毒を持つ花の名を冠した匕首。ユリのちょっと時間稼ぎお願いできないかな!?、という言葉に応えるように頷き、
「わかった。ここから先に進ませるわけにはいかない。………穿つ」
 魔力を巡らせ強化された身体能力によって正面から速度をもって仕掛けた奇襲が穿つのは鋒矢陣形を組んだ災魔達の先頭の一体。突き刺した匕首を起点に軽業のように宙に身を躍らせ、敵の隊列の内側に着地したルーナが上げるのは魔力を伴った巨狼の咆哮。魔力によって増幅された咆哮が災魔の鎧に、迷宮の壁に罅を入れ轟き渡り、その余韻が響く中、ユリから準備が整ったと声が届き、機械兵群のリミッターが外される。
「解除コード転送。リアン、コロマル、ルー。何も気にせず暴れておいで。私が見たいのは貴方達の躍動だけ」
 ユリの直掩に残ったヒューズに退避支援を受け後退するルーナとすれ違ったのはリアン。その巨体の重量を活かすショルダーチャージが、魔力の籠った咆哮に動きを縛られた災魔達に遮られることなく衝突し轟音と共に災魔達が吹き飛ぶ。それでも陣形を整え対応しようとする災魔達に降り注ぐのは弾丸の嵐。銃身が過熱するほどに吐き出される無数の銃弾が災魔達の動きを遮り討滅し…そこへ体勢を立て直したリアンの鉄柱が薙ぎ払われ、それでも倒れない災魔をヒューズの狙撃が貫き、ユリの顔が歓喜に彩られてゆく。

●迷宮の一室にて
 全身の傷跡から血を滲ませた呪詛を纏った狂戦士が私ガ最初ニ戻ッタカ、と周囲を見渡していると機愛の技術屋がよし、終わった!もう一回頼んでみよう!と騒ぎながら現れ、その騒がしい様子を想葉の白狼が緑龍とともに呆れつつも静かに戻り負傷した仲間の様子に驚き、続いて戻ったアンティークドールのメイドがトランクから治療道具を迷わず取り出し負傷の程度を訪ねるとともに治療を開始し、その様子を横目に魔を纏う偉丈夫がそれぞれ出ていった全員が戻っていることを確認し残りは僅かだね、と冷静に状況を確認する。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

コロッサス・ロードス
●戦術
『武器受け』『盾受け』『オーラ防御』等の防御技能を活かす為、また仲間を『かばう』事で被害を抑える為にも、敵群に肉薄して『おびき寄せ』攻撃を誘う
他の猟兵達と連携しつつ、自身は仲間の遊撃行動を支援する為の隊列維持に重点を置いた戦いに徹して『拠点防御』

●防御(対コード)
【防御陣形】の盾の押し込みは『怪力』で抵抗して攻勢を緩めず
【突撃陣形】【機動陣形】に対しては、密集or鋒矢陣形変更を素早く『見切り』、適宜【無敵城塞】使用して不動の盾となる

「我が金剛不壊の守り、そう易々とは破れぬぞ」

●通常攻撃
『怪力』と『鎧砕き』で敵装甲を削り、二の太刀で砕けた装甲部を穿つ『2回攻撃』が基本とする


四軒屋・綴
《アドリブ絡み歓迎》

ふむ……良い戦士だな、特段異能は持たず、統括された意思こそが武器か。

まぁそれはともかく真っ向勝負だッ!渋滞してる所悪いが帰省してもらおうッ!

ユーベルコードを発動ッ!防御力重視の蒸気機関車系ヒーローに変身ッ!名乗り終えたら突撃だッ!

下手に動くよりまずは動きを止めるべきだなッ!【オーラ防御】で射撃の類いを弾きつつ低い姿勢で【ダッシュ】ッ!そのまま戦闘の適当な敵を盾ごと【グラップリング】で動きを封じて【怪力】で盾にしつつ敵軍後方まで駆け抜けるッ!邪魔をするなら勢いのまま【吹き飛ばし】て強引に突破ッ!

後方に抜ければそのまま反転し【一斉発射】ッ!綺麗な陣形は後ろから崩すッ!



●迷宮の一室にて
 戦いを終えた猟兵達と新たに転送されてきた猟兵達が一際大きな部屋で合流し、戻ってきた猟兵達から状況を確認した猟兵達が、残された侵攻経路へと目を向け準備を始める。

●攻勢開始
 自身の体に合わせ誂えた戦闘服と不滅の金剛石が嵌め込まれた真紅の聖鎧を纏ったコロッサス・ロードス(金剛神将・f03956)が、身を覆うほどの大盾と過去より蘇った悪夢を砕く剛剣を携え、最後の侵攻経路を前に気を引き締めながら、逆侵攻してきている兵士の呪鎧達の情報を思い出し。
「兵士の鎧か…どうあれ今は災魔。しかし、相手にとって不足はない」
「あぁ、ともかく真っ向勝負だッ!統括された意思こそが武器とは良い戦士だッ!」
 その横に並ぶ四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)が、蒸気構築し具現化された身体の調子を確かめるように、軽くポーズを決めるための動きを再現し…特段異能は持たず鍛え上げたもので戦う、迷宮へと蘇ってしまった災魔達へと想いを馳せながら声を響かせる。そして、お互いの方針を確認した二人が足並みをそろえ迷宮の奥へと進んでゆく。

●砕けぬ不屈の大盾
 迷宮へとコロッサスが真紅の装甲靴で踏み駆ける音が響き、並んで走る綴の纏った蒸気が尾を引くように残され溶けてゆき、必然の接触にまず動いたのは綴。腰を落としポーズを決めるとともに指先で兵士の呪鎧達を指し示し、常と変わらず叫ばれるのはヒーローの矜持。
「来たれマイボディッ!蒸騎構築ッ!ジョウキングッ!!」
 蒸気と黒煙が溢れ具現化するは鋼鉄。両足を覆うように幾枚もの動輪が重なり組み合い連結棒に回され、突き出された腕に、構えられた腕に蒸気機関車型の装甲が装着され、身体を纏った蒸煙が全身を覆う金属鎧ように強固な排障器を組み上げる。そうして、変身を終えた綴が自身を守るコロッサスへと声を掛ける
「すまないッ!助かったッ!隣は任せてくれッ!」
「問題ない、隣は任せよう。だが、連携する知性はやはりあるようだな。…願わくば兵士としての矜持があればいいが」
 飛来する矢を迷宮の床に突き立てるように構えた大盾で防ぎ、シールドチャージを剛力で受け止めていたコロッサスがそう応じ、綴を守るために振るわれていた剛剣が攻勢へと回る。常人であれば両腕で振るうべき大剣が軽々と振られ、刻まれる軌跡に災魔の構えた盾が崩され、空隙を狙い再度振るわれた剣閃に鎧が砕かれ、深い傷を刻まれた災魔が後退し、入れ違うように盾を構えた新たな災魔がコロッサスの構えた大盾にぶつかり迷宮に衝突音が響き渡る。

●侵攻阻止
 蒸煙を纏ったヒーローが蒸気機関を猛らせ具現化した質量と心意気をもって呪鎧と対峙し、金剛神将が振るう剛剣が呪鎧を砕き構える大盾が突進を留め飛来する矢を弾く。そうして、しばし後。

●勇蒸連結ジョウキングッ!!
 綴が迷宮へ動輪の咬む音を残し加速し、その身を覆う排障器で兵士の呪鎧達へと突撃を繰り返しながら腕から放つ蒸煙の弾丸で災魔達を撃ち抜き、回り込もうとする災魔達の進路を塞ぐようにコロッサスが、世界法則さえも覆す超常能力で纏った真紅の聖鎧を絶対の防壁と為し支援してゆく。だが、鉄壁の護りをもって災魔達を押し留め、多くを討滅し終えた頃、迷宮の奥から足音が響きだしコロッサスが綴へと声を掛ける。
「ここを少しの間、受け持とう。距離を取れれば威力が出るのだろう?」
 その言葉にうなずき背後へと駆ける綴の機関音を背に迷宮の通路の真ん中に陣取るようにコロッサスが不退転の決意を籠め大盾を構える。応じるように飛来したのは幾本もの矢と戦闘で破壊された迷宮の石材。コロッサスではなくコロッサスのいる空間自体を攻撃する物量での攻撃。それを真紅の兜に覆われた視線を閉じることなく大盾と剛剣を操り急所を守り防いだコロッサスに鋒矢陣形を組んだ災魔達が突撃してくる。
「我が金剛不壊の守り、そう易々とは破れぬぞ」
 言葉と共に立ち上るのは真紅の闘気。不動の盾となった偉丈夫と災魔達が衝突し巨石にぶつかる水流のように災魔達が隊列を崩し、充分な距離を取った綴からコロッサスへと声が掛かる。
「流石だッ!こちらも準備完了したッ!渋滞してる所悪いが帰省してもらおうッ!」
 背負った蒸煙機関が雄たけびを迷宮に轟かせ、回転する歯車が、連動する連結棒が、蒸気機関車の威容を成しジョウキングが汽笛と共に疾走する。迷宮の床を排障器が削る火花が飛び散り、災魔達が放つ矢や投石を纏った蒸気の鎧と排障器で吹き飛ばしながら身を躱したコロッサスの横を通り過ぎ、ジョウキングが増援で現れた災魔達の後方近くまで食い込み、ばら撒かれるのは石炭型高熱弾と蒸煙の弾丸。幾重にも構えられた盾に威力を殺されたことを感じ取った綴が迷うことなく両腕に装備したジョークアームズから一斉射撃を開始し災魔達を穿っていく。
「なるほどッ!予想以上に素晴らしい戦士達だったようだッ!」
 だが、魔法学園を守るためにこちらも引くことは出来ないと災魔達の反撃の剣撃を装蒸甲化の厚い部分で受け止め奮戦する綴に、引き裂かれた隊列の間を駆けコロッサスが合流し、背中合わせの共闘が始まる。

●迷宮の一室にて
 蒸煙のヒーローと真紅の鎧を纏った偉丈夫が連れ立ち迷宮の一室へと戻ってくる。強敵だったッ!と激戦の余韻を感じさせつつヒーロー語り掛ければ、良き兵士が使っていたのだろうなと偉丈夫が静かに返し、配下の災魔達の討滅が終わった迷宮に僅かな静寂が訪れる。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『騎士の怨鎧』

POW   :    戦鎧の妙技
【縦横無尽の剣閃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    闘鎧の秘技
【自身に刻まれた戦闘経験から的確に】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ   :    魔鎧の禁忌
【魔核の稼働制限を解除。超過駆動状態】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
👑11
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠茲乃摘・七曜です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●騎士の怨鎧
 兵士の呪鎧を討滅し終えた猟兵達に魔法学園の教師が新たな情報を伝えに現れる。現在、迷宮を逆侵攻してきている迷宮主は騎士の怨鎧です。兵士の呪鎧と同じく中身は存在せず、どこにも紋章がありませんでしたので、どこかの国の鎧というわけではなく騎士の鎧という概念が災魔となって蘇ったものでしょう。ただ、意匠からみて重要な施設を警護していた上級騎士の鎧が元となっていると思われます。それと、理由はわかりませんが、元々橋頭保にしようとしていた部屋に留まりこちらを待ち構えているようですと、状況を話してゆく。

 続きまして鎧の意匠から予測される攻撃等を確認してきましたので、時間は掛かりますが聞いておいてください。まず一つ目が携えた剣による攻撃。普通の剣撃だけではなく遠距離まで斬撃を飛ばせ…おそらく、戦おうとしている部屋では端から端まで届かせる力量があると思います。また、対個人だけではなく縦横無尽に周囲を斬り裂き対集団にも対応してくるでしょう。
 次に二つ目は戦闘経験による見切りです。躱すだけではなく遠距離攻撃や魔法すらも斬り裂いて防ぐだけの技量があるようです。攻撃する際には注意しておいた方がいいと思います。
 最後は災魔としての特性というのでしょうか?存在する場所はわからなかったのですが魔核とよばれるエネルギー源を暴走させ理性を犠牲に能力を爆発的に上昇させるようです。これに関しては積極的に使ってくるようではありませんが正面から突破するのは大変かと思いますと、言葉を切る。

 現状、分かっているのはこんな感じになります。頼ってばかりとなりますが魔法学園のためにもよろしくお願いしますと教師が頭を下げて去ってゆき迷宮の入口に猟兵達が残される。
シーザー・ゴールドマン
【POW】
「先程の兵(ツワモノ)達の上に立つんだ。嘸かし、腕が立つのだろうね。
 しかし、待ち構えるか。災魔とは言え何か思うところがあるのかね」
戦術
敵は強大な戦力を持った個体。
『シドンの栄華』を発動して三種の魔力を纏って戦います。
状況に応じて重視する力を変更。
※決めなければならない場合は攻撃力重視
千変万化の剣術でオーラセイバーを振るい戦います。
(2回攻撃、鎧無視攻撃、怪力、見切り、フェイント、カウンター、先制攻撃)
防御面はオーラ防御、見切り、各種耐性に期待
【真の姿ver1:特に変わらない。黄金の瞳が輝き、身に纏う真紅のオーラが濃ゆくなるくらい】
※他の猟兵がいる場合は連携を重視


ルーナ・ユーディコット
今回の本命が出てきたね
ここに至って怪我を厭う理由はない
ボロボロになる【覚悟】は固めて挑もう
主人公にはなれなくても、戦士にはなれる

【殺気】は抑え、【ダッシュ】で敵に迫る
トリニティ・エンハンスで重視するのは攻撃力と状態異常力

まずは【呪詛】を込めた【マヒ攻撃】で敵の動きの制限を狙うよ
それで味方が攻撃を決められるなら文句はない

次点で狙うとすれば【破魔】を込めた【鎧無視攻撃】による魔核の損傷
それで敵の魔核の暴走?の程度を下げられるなら、対処もしやすいはず
もちろん、倒せてしまうのなら一番いいから【捨て身の一撃】も考えるべきかな

真の姿は髪は黒く、瞳の赤い……人だった頃の私
例え人間離れしようとも
「私は人間だ」



●地下迷宮
 魔法学園の教師から受けた説明を反芻しながら猟兵達が迷宮を潜って行く。そうして、逆侵攻を阻止した際に基点にした近づき緊張感が増してゆく。

●戦いに臨む
 迷宮に規則正しい足音を響かせながら二人の猟兵が進む。魔力剣の柄を溢れるように猛るオドで創り出したシーザー・ゴールドマン(ダンピールのフォースナイト・f00256)が、真紅のスーツ着込んだ己の右腕にうっすらと紋様が浮かびあがるのを感じつつ期待と共に言葉を零す。
「先程の兵達の指揮官か…。嘸かし、腕が立つのだろうね」
「あぁ、この騒動の原因が出てきたね。強いんだろうけど覚悟は決まってる」
 感情すらも覚悟に押し固めた無表情でルーナ・ユーディコット(Basilico・f01373)が、勝利が約束された主人公ではなく、勝利の為に戦う戦士として為すべきことは為すと抑揚少なく答え、やがて目的の部屋への入口が見えてくる。

●騎士の怨鎧
 お互いの邂逅を待たず駆け出したのはルーナ。風の魔力を足に纏い部屋に飛び込み一息に騎士の怨鎧へと翔け。災魔の振るう騎士剣が放つ飛翔する斬撃が、腕や脚に深い裂傷を刻むのを構わずに至近距離まで踊りこみ、突き出されるのは炎の魔力で赤熱た毒を持つ花を冠する匕首。まっすぐ胴体を狙った一撃が災魔の騎士剣の剣身で腕ごと逸らされ肩口へと突き刺さり、水の魔力により麻痺毒と呪詛が浸食するように深く拡がろうとした瞬間、騎士剣が翻り、斬り裂かれたルーナが吹き飛ばされる。
(この程度の負傷で味方が攻撃を決められるなら文句はない)
 ルーナの想いと入れ違いに、災魔に迫ったのは追うように駆けてきたシーザー。災魔が騎士剣を引き戻すより早く突き出されるのは魔力で創造されたエストック。最短距離で到達した穿刃が災魔の胸部に突き立ち、貫かんとシーザーのオドが魔力剣に流れ込んだ瞬間、災魔が冷静に身体を捻り刺さった剣身を捩じり負荷を掛けられた魔力剣が砕け散る。迷宮に魔力が散る刹那、身体を捻った勢いを載せた災魔の薙ぎ払いがシーザーへと迫り、真紅のスーツが斬り裂かれ迷宮の床に新たに赤が散る。
「素晴らしい。洗練された武力を振るう君は確かに彼らの上官なのだろう」
 斬り裂かれた傷の痛みと交えた一合に感嘆を漏らし間合いを取り、新たに魔力剣を創り出したシーザーに災魔が騎士剣を構えなおし、吹き飛ばされたルーナが服を赤く染めながら合流する。

●在りし日の姿と秘められた姿
 騎士の怨鎧と対峙する二人の姿に変化が訪れる。麗白の髪が毛先から黒く染まり、金色に輝いていた瞳が赤い色を取り戻し、犬歯が一回り小さくなる。それは、想葉の白狼の在りし日。
 その隣では、同じ金色の瞳が深さを増し黄金へと変わり、身体に纏うオドが視認できるほどの深紅のオーラとなる。それは、魔を纏う偉丈夫の封された姿の一片。猟兵としての根幹が解かれるとともに負傷が時間を巻き戻すかのように消え去り第二幕の幕が上がる

●想葉の少女と闇の指導者
 力の一端が解放されたシーザーが身に纏う魔力をさらに開放してゆく。創造の魔力が斬り裂かれたスーツを修復し、維持の魔力が纏う真紅のオーラを強固な鎧と変え、破壊の魔力を注ぎ込まれた魔力剣が剣身を紅く染め上げてゆく。同じく、姿こそ嘗ての自身で在りつつ、内包する力は普段の比ではないルーナが、自身が穿った騎士の怨鎧を睨みつけるように観察し、魔核が所在に繋がる何かがないかを探しながら、刃を紅紫色に燻らせる覚悟を祝福する刀を抜き放ち誓うように願うように果たすように心を顕す。
「私は人間だ。例え人間離れしようとも…人間で在り続ける」
「胸を借りる気分でもあるのだが…あえて、言わせてもらおう私達に勝てるかね?」
 描かれるのは二条の紅い軌跡。同時に踏み込んだシーザーとルーナが災魔へと迫り、迎え撃つように踏み込んだ災魔の斬撃と剣撃が火花を散らす。二人と一体がなすのは死線の上の狂乱。斬撃を翔ばす騎士剣が縦横無尽に振るわれ、ルーナに新しい傷を無数に刻み、溢れる赤を焚べたかのように刀の纏う紅紫色が深くなり、特攻じみた刺突が災魔の四肢へと傷を返し、斬撃をいなしたシーザーが懐に潜り込み、重さを感じさせない連撃による剣舞で先に刻んだ胸部の傷を拡げれば、剣舞を受けながらも両手で握り込んだ騎士剣の降り下ろしの剛撃が、シーザーの赤き二重の護りを斬り裂き赤が戦闘を彩る。果てない騒乱を遮るのは迷宮を震わす轟音。武器が防具を穿ち、防具が武器を遮り生まれた衝撃がそれぞれを吹き飛ばし、束の間の静寂が訪れる。
 静寂を破ったのはシーザー。護りに回していたオーラとオドを魔力剣に籠め流麗な剣舞が分かつのは虚空。断ち斬られた空気が接合する反動で生み出される風の刃が災魔の斬撃と打ち合い迷宮の壁を揺らし、致死の飛刃が行き交う死地をルーナが駆ける。仲間を信じ一切の守りを捨てた最短の疾走が狙うは心臓。幾度も斬られ裂傷の生じた胸部装甲を見やり、魔核の在り処を其処と信じた血の尾を引く箒星が翔け、応酬される飛斬と風刃の余波でさらに傷を増やし、意識を瞬断しながらも握る刀に籠められた言葉と覚悟で自身を保ち、鎧を穿つ音と更なる真紅が迷宮へと舞う。

●終幕
 騎士の怨鎧が騎士剣に胴を半ば斬り裂かれながらも己の胸を貫き気を失ったルーナをシーザーへと投げ渡す。剣を納め引く騎士を眺めシーザーがルーナの傷を縛り止血しながら最後に声を掛け迷宮の一室を辞する。
「君には何か思うところがあるのだろうね。だが、勝者としてこの場は去らせてもらうよ」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


●誓うモノなき忠義者
 迷宮に過去へと響く、今に生きるものには聞こえない声が反響する。……魔核稼働率正常範囲内であることを確認。魔核の活性により戦闘行動によるの騎士鎧の破損を修復開始。胸部に着用者がいれば致命的な破損を再認。……修復完了。……魔核稼働率警戒値に接近。
死之宮・謡
アハハ、アハハ、最高ダァ!凄ク強イヨコイツ。私ノ命ヲ賭ケルニ値スル相手ダ。

さっきまでもそこそこ楽しめたけどコイツは良い。滅茶苦茶強い戦気を感じるよ。良いねぇ。こういう相手との死闘を待ってたんだ。御遊びじゃない、遠慮もないガチガチの命の奪い合い。凄く良いよ。この為だけに私は此所まで来たんだから。
さぁ、壊せ、私を壊して見せろ、血塗れにして見せろ!私もお前を破壊する、空虚な忠義を見せるお前を滅ぼしてやる。

私が死ぬかそれともお前が滅びるか…正真正銘恨みっこなしの殺し合いだ!

【鬼神血統装具・真式】展開!



●地下迷宮
 逆侵攻阻止の基点にした部屋へと続く通路で迷宮での戦いを終えた猟兵達と戦いに向かう猟兵がすれ違う。新たな情報が共有され訪れた猟兵の笑みが深くなり響く足音が加速する。

●戦いを望む
 薄暗い通路に小走りの足音が響く。漆黒の仮面から覗かせた赤い瞳を煌かせ死之宮・謡(情緒不安定の狂戦士・f13193)が、自身の望みを叶え得る強敵の存在を知り喜びを叫び。
「アハハ、最高ダァ!望ンデイタ相手ダ。私ノ命ヲ賭ケルニ値スル相手ダ!」
 待ち切れないというように駆けだし、剣身から柄まで艶のない暗黒の大剣が引き抜かれ、浮遊剣が先行するように飛翔し、速度を緩めることなく目的の部屋へと飛び込む。

●騎士の怨鎧
 待ち構えるモノと求める者の邂逅を浮遊剣の壁に刺さる音が彩る。一切の隙を見せず攻撃をいなした騎士の怨鎧に謡が僅かに瞳を見開き…あぁ、コイツは良い。滅茶苦茶強い戦気を感じる。本当に良いねぇ、と死闘の影を災魔に見出し、軋む声を響かせる。
「貴方ノ部下ハ強カッタ、貴方モ凄ク強イ。サァ、私ト命ヲ削リアオウ!」
 謡の殺意に染まった告白に応じるように、災魔の赤光の瞳が深みを増したのをみた謡が正面から挑みかかる。災魔の飛翔する斬撃を黒壊剣で急所のみ守り、身体を覆う死と殺戮の呪言を刻む防具に血を与え、代償に得た膂力で災魔へと剣閃を放つ。鈍い衝突音が響き、鍔迫り合いをする黒壊剣と騎士剣の拮抗が傾き、斬り裂かれた謡が更なる流血で染まり、闘争への興奮が流血へ魔を与える。
「モット、私ヲ壊シテミセロ!アハハハ、我ガ身ニ宿リシ魔ヨ吼エヨ!!」

●鬼神血統装具・真式
 狂おしいまでの痛切な叫びと共に狂戦士に変化が訪れる。迷宮へと溶けた願い、望み、求める言霊が狂戦士を赤く染める血潮に曇りなき魔を宿し、怨鎧から受けた負傷を拡げるようにもみえる力が闘争の再開を告げる。

●純真の狂戦士
 騎士の怨鎧と相対する謡の純然たる死への希求を示す魔力が零れ、溢れる血潮に似た真紅を成し、流血の装具が廻る。溢れる命の多さに喰い潰されてゆく未来に謡があぁ、この死闘を待ってたんだ。遠慮もなにもない命の奪い合い。この為だけに私は此所まで来たんだ!と多量の出血に揺れる意識を繋ぎ止めるように叫ぶ。
「必ズ私ハ...オ前ヲ破壊スル、空虚ナ忠義ヲ...オ前ゴト滅ボス。サァ、私ニ応エテミセロ!」
(私が死ぬかそれともお前が滅びるか…正真正銘恨みっこなしの殺し合いだ!)
 言葉とともに踏み込んだ脚が迷宮の床に罅を入れ、放たれた飛刃を砕いた黒壊剣から撒き散らされた血刃が災魔へと襲いかかり、血刃を鎧と騎士剣で捌いた災魔の豪閃が謡を血で染め新たなる血刃が生まれ闘争の幕が上がる。

●終幕
 数多の血刃に穿たれ黒壊剣の破壊痕を残す騎士の怨鎧が、騎士剣を納め過度の失血により意識を落とした謡を見つめる。……しばし後、最低限の止血を施された謡が浮遊剣とともに迷宮の通路へと転がされていた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​


●誓うモノなき忠義者
 微動だにしない災魔の過去に生きるものにしか聞こえない声が反響する。……魔核稼働率警戒値近傍であることを確認。魔核の活性により戦闘行動によるの騎士鎧の破損を修復開始。約定は保留。現状では為されないと判断。重度の損傷から逐次対応を実施。……修復完了。……魔核稼働率警戒値を突破。
四軒屋・綴
《アドリブ改変絡み歓迎》

ふむ……単機、それも射程を戦域全体まで対応させる、か……まさしく理想の騎士、だが伏して礼を取る訳にはいかないなッ!

ともかく手数ッ!両腕に蒸気機関車型装備を装着し【一斉発射】だッ!味方がいれば【援護射撃】や【ダッシュ】を併用し敵の攻撃から【オーラ防御】で【かばう】ことで味方の支援ッ!味方が直接切られそうなら割り込んで【怪力】と【グラップリング】で動きを止めつつ【生命力吸収】を試みるぞッ!分が悪くなったらショートレンジからの体当たりで【吹き飛ばし】て仕切り直すッ!鉄山靠ッ!

ユーベルコードは大袈裟に叫びながら発動ッ!

回避自体はされてもその後の隙に追撃を合わせるッ!


アマータ・プリムス
騎士との戦いですか。これは少々気を引き締めて参りましょう
近接の技量も高く遠距離攻撃持ちの相手に近づくのは愚行ですね
当機も得意分野で闘わせていただきます

ネロを呼びだし操作
相手の剣の動きを妨害するように【フェイント】を織り交ぜながら大鎌を振う
極力斬撃を飛ばさせぬよう立ち回る
飛ばされたらトランクを鋼糸で引き寄せ防御

相手が攻撃を予想して回避しようとしたら鎌の【範囲攻撃】で周囲ごと切り刻みます
超過駆動状態になったら理性が無くなったことを利用し【だまし討ち】でUCを発動、拘束を試みる
拘束に成功したら味方に攻撃してもらいとどめを狙います

「あまり暴れるのはみっともないですよ?騎士様」

※アドリブ、連携歓迎です



●地下迷宮
 迷宮の壁に背中を預けた猟兵と新たに転送されてきた猟兵達が出会う。負傷を心配しつつも成すべきことのため猟兵達が先にある部屋へと連れ立ち足を進める。

●戦いに臨む
 再びの共闘となった二人の足音が迷宮へと響く。両腕に装蒸甲化を装着し赤い眼光を懐かしげに瞬かせた四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)が、これまでの行動や単機での戦闘能力を鑑み、まさしく理想の騎士と考えつつ隣に声を掛ける。
「共にゆくのは久しぶりだなッ!アマータさんッ!相手は強敵のようだが、伏して礼を取る訳にはいかないなッ!」
「以前はお世話になりました、綴様。はい、騎士様といえども負けられません。当機も少々気を引き締めて参りましょう」
 冷静に返すアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)が、近接の技量も高く遠距離攻撃持ちの相手に近づくのは愚行と考え、相手の土俵に乗らず得意分野で闘うことを決意し、やがて騎士の怨鎧が待つ部屋へ辿り着く。

●騎士の怨鎧
 三度目の邂逅は騒々しくも静謐。新たに訪れた二人に対し騎士の怨鎧が騎士剣の柄に手を置いたのを見て綴が、災魔をカッコよく決めたポーズで指し示しながら蒸気機関車の意匠を持つ鎧を具現化させながら矜持を叫び、アマータが銀のトランクから南瓜頭の案山子人形を呼び起こし、人形遣いとして舞台準備を進め登壇の挨拶をし、
「勇蒸連結ッ!ジョウキングッ!!それでは、お手合わせ願おうッ!」
「当機は操者のアマータ・プリムス。こちらが演者のネロ・フラーテル。以後、お見知りおきを」
 名乗りを受けた災魔が、騎士剣を一度掲げ構えなおし、初動は三者三様。災魔が騎士剣を縦横に斬り払い、ネロが大鎌を携え飛翔する斬撃を迎え撃ち、アマータの操る鋼糸による予測不能な動きで迷宮の宙を翔け彼我の距離を縮めれば、綴がジョークアームズから石炭型高熱弾をばら撒き飛翔する斬撃を撃ち逸らし、蒸煙の弾丸が災魔目掛けては放たれ騎士剣により斬り消される。その様子に綴が気合の声を上げると、蒸気機関車のような鋭い汽笛がジョークアームズから響き渡りが動力部が赤熱し、ネロを援護するように蒸煙の弾丸が災魔の周囲に向けて連射され、軌跡に残す蒸煙と斬り消されても残る蒸煙が災魔の視野を奪う。濃煙により飛刃が一時的に納まるも視野の効かない状況に災魔の次の攻撃を部屋ごと蒸煙を斬り払う範囲攻撃と予測した綴がアマータへと声を掛ける。
「アマータさんッ!護りはこちらに任せて、攻撃をお願いしたいッ!」
「かしこまりました、綴様。ネロもいいですね?」
 おいおい、働かせ過ぎじゃネェ?と揶揄する視線を黙殺したアマータが、ネロが操る大鎌を盾を成すように回転させ備えた刹那。部屋を埋め尽くす縦横無尽の斬撃の嵐が蒸煙を吹き飛ばしネロの大鎌の盾を軋ませ、大波のようにアマータへと迫り、装蒸甲化と鎧へと蒸気を纏わせた綴が迎え撃つ。身の護りを綴に委ねたアマータの繰る鋼糸がネロを勢いの減じた斬撃の嵐を縫うように躍らせ、災魔のいる空間自体を横薙ぎで斬り裂き刈り取る。

●矜持の護り人と人形遣いの名機
 身に纏う蒸気を吹き散らされ蒸気機関車の衣装を付けた鎧を砕かれながらも斬撃を蒸煙のヒーローが捌ききり堅い守りを成し装蒸甲化から牽制を行い、アンティークドールのメイドが十全に南瓜頭の案山子人形を操り演じられる人形劇が騎士の怨鎧を舞台に上げ重ねられる刃が傷を刻みあい舞踏を為す。そうして、しばし後。

●蒸煙活劇譚と人形遣いの舞台
 ネロと斬り結びながらも騎士の怨鎧が周囲に放った飛刃の連撃からアマータに迫るものを見定める綴が、石炭型高熱弾やジョークアームズを使い逸らし時には身体で遮り耐え切る。激しい戦闘の最中、ネロの大鎌が遮られる事なく災魔へと吸い込まれ硬い音と共に弾かれる。その瞬間、災魔から不気味な赤光が洩れ、身近な動くものに襲い掛かるように暴れだす。
「騎士様…?…綴様、隙を作りますので後をお任せできますか?」
「分かった、任されようッ!こちらも準備しておくッ!」
 魔核の超過駆動と状況を理解したアマータが綴に声を掛け、ネロに鋼糸越しに指示を出し…愚姉、ホントニ働かせ過ぎだろうヨォ?という表情をやはり黙殺し鋼糸が走る。攻撃を引き付ける様に回避していたネロが災魔へと正面から突撃し、力任せに降り下ろされた騎士剣を大鎌の刃へと半ば食い込ませ受け止めた瞬間。ネロに結ばれていた鋼糸が外れ災魔へと絡み付く。大鎌が悲鳴を鳴らし、鋼糸が引き千切られながらも災魔と拮抗し、
「ゆくぞッ!勇蒸攻迅ッ!捨・礼・列・車ッ!」
 駆ける綴と共に迷宮を染め上げるのは白光。身に纏う鎧と両腕の装蒸甲化を電脳魔術で変形合体させ具現化させた、蒸気機関車の意匠が刻まれた柄から生み出された光刃を意志の力で発振させ高めた一撃。横薙ぎの光刃が降り下ろしを止められ、がら空きの脇腹へと斬り込まれ、鎧に傷を刻み食い込み止まる。魔核による強化が予想以上と理解した綴が光刃を減振させ、白刃が青みが増すように変化し不気味な赤い光も共振するように減衰し光刃がくだけ散る。

●終幕
 騎士の怨鎧が光刃に裂かれた脇腹を見下ろし、騎士剣を鞘に納める。その様子にエネルギーの吸収が何かしら効果があったのだろうと綴が災魔へと声を掛け堂々と身を翻し、
「仕切り直しといいたいところだがッ!一度引かせてもらおうッ!」
「それでは、当機も失礼させて頂きます」
 鋼糸を収めたアマータも装備の損耗等から継戦よりも撤退を選び、ネロを銀のトランクへと仕舞い、服の汚れを軽く払い丁寧な礼を残しその場を去って行く。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​


●誓うモノなき忠義者
 再び迷宮に過去へと響く、今に生きるものには聞こえない声が反響する。………魔核稼働率警戒域であることを確認。魔核の活性により戦闘行動によるの騎士鎧の破損を修復開始。戦闘中の意識の断絶を確認。側部の裂損から逐次修復を実施。……修復完了。……魔核稼働率警告値に接近。
ユリ・アップルヤード
「そんじゃ、ちょっと搦手といこうか」

まずは機械巨人リアンに鉄柱と大楯を装備させて、前面に出すよ。敵の攻撃は大楯で防ぎつつ、鉄柱で薙ぎ払って面で攻撃していこう。
そこに私も解体工具で隙を縫うように殴りつけるとしよう。
こっちで引き継げてる間に、偵察ロボットコロマル、万能型ドローンルー、戦闘用機械兵ヒューズは敵の死角へ移動開始。
三機の配置が完了次第、Operation “Gulliver"発動。
手足をコロマルのトリモチ弾とルーの拘束用ワイヤー弾で止めて、そこにヒューズのテイザーガンで電気ショック。
敵の動きが止まったところで、リアンのフルパワーで鉄柱を叩きつけよう。
それまではリアンと2人でうまくやるさ。



●地下迷宮
 連れ立ち戻ってきた猟兵と迷宮を進んできた猟兵が機械兵達を引き連れすれ違う。無事を喜びつつ情報交換した猟兵と機械兵が足音を響かせつつ奥へと進んでいく。

●戦いに臨む
 迷宮に複数の足音と機械の駆動音が響く。共に進む機械巨人のリアン、戦闘用機械兵のヒューズ、万能型ドローンのルー、偵察ロボットのコロマルの奏でる音を楽しみながらユリ・アップルヤード(パーツ屋「アップルガレージ」・f00153)が、バランバラン…可変式のマルチ解体工具を調整しながら作戦を組み立ててゆく。
「そんじゃ、数の優位を活かしてちょっと搦手といこうか」
 自慢の作品群に作戦を転送し、眼前に迫った部屋への入口へと進んでいく。

●騎士の怨鎧
 最初に部屋へと入ったのはリアン。守護者として前衛を果たすべく騎士の怨鎧へと突撃し、飛翔する斬撃を片手に装備しなおした大楯で遮り、鉄柱で打ち払い後方を護り進み。飛刃と激しく打ち合うリアンの背後で災魔を観察するユリが、斬撃に巻き込まれず災魔の隙をつきヒューズ達が死角に回り込む術を考え指示しおえた頃、鉄柱と騎士剣が打ち合う音が響き渡り、
「ありがとう、リアン!私も手伝うよ」
 災魔のいる空間ごと攻撃するリアンの操る鉄柱が風を舞いあげる戦場に、ユリが気負いなくどう動けば巻き込まれないか理解している思い切りの良さで飛び込み、バランバランで災魔の動きを阻害するように攻撃し、返される剣撃をリアンの差し出す大楯に隠れ防いでゆく。

●Operation “Gulliver"
 機械巨人が鉄柱を振り回し怨鎧の騎士剣を防ぎ、機愛の技術屋の振るう解体工具が動きを妨げ、怨鎧の死角に移動できると認識した戦闘用機械兵が音を立てず回り込みながら移動し、万能型ドローンが静穏飛行で頭上を越え、偵察ロボットが小さな体を活かし配置へと付く。そうして、準備が整う。

●機愛の技術屋
 ユリが捕まえておいで、コロマル、ルー、ヒューズ!と指示を転送し、騎士の怨鎧が包囲した機械兵達からトリモチ弾、拘束ワイヤー弾、テイザーガンが向けられた刹那。部屋を覆うほどの飛翔する斬撃の嵐が巻き起こる。縦横無尽に振るわれた騎士剣から飛刃が放たれ、拘束攻撃の射線を遡るように機械兵達を深く切り裂き、飛刃を超えて到達した拘束ワイヤーが災魔の片足に絡みつく。不完全にも為された拘束を認識したリアンが機関音を響かせ全力で鉄柱を薙ぎ払い、災魔が騎士剣を振り下ろしで迎え撃ち、胴を打たれた災魔が吹き飛ばされ、大楯ごと腕を半ばまで断たれたリアンが鉄柱を取り落とす。
「ヒューズはルーを回収!コロマルは私が行く!リアンは入口まで下がって!」
 素早く撤退を判断したユリが指示を出しそれぞれが行動してゆく。

●終幕
 ユリと機械兵達が脱出した後、鉄柱による打痕で鎧をへこませた騎士の怨鎧が不気味な赤光を纏いながら拘束を破壊し、騎士剣が収められることなく携えられる。

苦戦 🔵​🔴​🔴​


●誓うモノなき忠義者
 柄頭に刻印された紋様と騎士鎧腹部の紋様を不気味に輝かせ災魔が微動だにせずに剣を構える。……魔核稼働率警告値を突破。魔核の活性により超過駆動状態に移行。……魔核稼働率超過状態を維持。
シーザー・ゴールドマン
【POW】
私達の後にも多くの戦いを経ているはずだが、その再生能力を称えるべきかな?
とはいえ、それも限界のようだね。
戦いを楽しみたい気持ちもあるが、その暴走状態は危険だ。
一撃で仕留めさせてもらう。
戦術
暴走状態で超強化されている災魔との長期戦は不利。
しかし、今までの戦闘で耐久力は限界を迎えている。
一振りに賭けよう。
『ラハブの割断』をオーラセイバーに纏い上段からの最速の一撃を放ちます。
(有用な様々な技能を込める)
【真の姿ver1:特に変わらない。黄金の瞳が輝き、身に纏う真紅のオーラが濃ゆくなるくらい】



●地下迷宮
 機械兵達を引き連れた猟兵と再び訪れた猟兵が迷宮の通路で出会う。戦いの進捗と現状を確認した猟兵が、僅か難しげな顔をし部屋を目指す。

●戦いに臨む
 迷宮の暗がりに規則正しい足音が響く。真紅のスーツに糊のきいたシャツを着こなしたシーザー・ゴールドマン(ダンピールのフォースナイト・f00256)が、磨かれた黒革靴で颯爽と進みながら現状を確認する。
「戦いを楽しみたい気持ちもあるが、暴走状態では望むべくもないだろうね」
 残念そうな気配を少し漂わせたシーザーの雰囲気が変わってゆく。瞳に黄金を、偉容に真紅を、封された一片が解放され、力に満ちたその姿が戦いの場所を目指す。

●騎士の怨鎧
 辿り着いたシーザーの黄金の瞳に映り込むのは、不気味な赤光を湛え騎士剣を構えることなく佇む騎士の怨鎧。
「私達の後にも多くの戦いを経たと聞いたよ。それでもこの場に在ることを称えるべきなのかな?」
 災魔がどの程度で攻撃を仕掛けてくるか、探るように掛けた言葉に災魔が反応を返さないことを確認しながら…とはいえ、それも限界のようだ、と思案するシーザーが創造した魔力剣は、災魔の携える騎士剣に似たツーハンデットソード。
「………、聞いたとおり意識はないか。だが、脅威であることは変わりないようだね」
 複雑な色合いの言葉を零しながらも第六感に呼びかける灼けるような感覚に、長期戦を挑むのは愚行と一撃に全てを籠める覚悟を決めたシーザーが、静かに吐き出した呼気と共に魔力剣を上段に構える。そうして、空気が帯電したかのごとく緊迫感をはらみ、シーザーが踵を浮かせ爪先を静かに摺り出すように足を進め、時間が引き延ばされたかのような静かな戦いが始まる。

●一足一刀の対峙
 反応を返さぬまま不気味な赤光を纏い佇む怨鎧に真紅を纏う偉丈夫が上段に構えた魔力剣を微動だにさせず、僅かな擦れる音と共に間合いを詰めてゆく。そうして、しばしの後。

●デウス・ラーミナ
 達人の足取りで間合いに騎士の怨鎧を捉えたシーザーが、静かに息を吸い瞳を閉じる。一合の刹那、一振りに全てを賭ける極限の集中が訪れ…交錯は一瞬。
 シーザーを覆う真紅のオーラが猛り最後の間合いを詰め、災魔が理性はなくとも流れるような足捌きで腰を落とし、魔力剣を支える右腕に禍々しくも力を示す紋様が二重に浮き上がり、身体が沈むとともに災魔が騎士剣を下段に構え、真紅に染め上げられた魔力剣の光刃が災魔の肩口に振り下ろされ胸部までを断ち切り、身体を捻り振り上げられた騎士剣が真紅の護りを裂き脇腹に深く斬り込む。
 傷から血を流しながらも魔力剣を引き抜き距離をとったシーザーの前で災魔の再生が始まり、割れるような音と共に不気味な赤光が消え失せ、悪夢が覚めるように災魔の姿が揺らいでゆく。
「やはり、意識のある君と正面から戦いたかったものだね」

●??????
 揺らぐ騎士が騎士剣を上段に構えて佇む。僅かな驚きを見せた真紅を纏う偉丈夫が応じるように魔力剣を下段に構え、構図を奇しくも逆転させる。刹那の後、合図もなく同時に踏み込んだ一人と一体の剣閃が迷宮へと刻まれる。

●終幕
 アルダワ魔法学園へと戻ったシーザーが事の顛末を教師達へと伝え、迷宮内の脅威が排除されたことが確認され逆侵攻が終結する。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『猟兵達の戦闘訓練』

POW   :    肉体を鍛える訓練をする。

SPD   :    速さや技量を鍛える訓練をする。

WIZ   :    魔力や知識を高める訓練をする。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●アルダワ魔法学園の一室
 猟兵達を出迎えた魔法学園の教師が僅かに申し訳なさそうに話を始める。この度は災魔の逆侵攻を防いでくださりありがとうございました。ただ、申し訳ありません。どうも、生徒達の間でこのことが話題になったようで一目見てみたいという声が強くなってしまっていまして…良ければ錬武場で訓練の様子など披露していただけないでしょうか?と頭を下げ。

 あまり長く拘束するわけにはいきませんのでお一人で披露していただけるなら三種類…、どなたかと模擬戦闘訓練をされるなら二種類…戦い方を披露していただければと思っております。生徒達には遠くから見るように言っておりますので周囲は気にしていただかなくて大丈夫です。それと、攻撃用の的も用意しておりますので必要ならば配置等もお任せください。と説明し終えた魔法学園の教師が改めて申し訳なさそうに頭を下げる。
アマータ・プリムス
観客がいると言うのは心が躍りますね
存分に驚いていただきましょう

的はできるだけ広範囲にバラけておいてほしいですね
トランクを【武器改造】してそこからミサイルを数発発射
それを鋼糸で拘束し上で花火の如く爆破

その後UCを発動しネロを呼び出す
ネロの鎌と当機の箒で数合打ち合った後
ネロに鋼糸を接続し操作
周囲の的を斬撃を飛ばし鎌の一振りで【範囲攻撃】してみせましょう

残った的はイーリスに持ち替え【歌唱】による歌声の【衝撃波】で破壊します
「お粗末さまでした」

訓練が終わった後はイーリスを手慰みに弾きながら他の方の訓練を眺めて七曜様とお喋りさせていただきましょう
「お互い、今回もお疲れ様でした」



●御披露目
 銀のトランクを携えた猟兵が魔法学園の教師によって整えられた錬武場に向けてゆっくりと歩いてゆく。

●声援
 錬武場の真ん中へと向かうアマータ・プリムス(人形遣いの人形・f03768)に、あの時はありがとうございました!という声が掛かり、移した視線の先にはいつしかの迷宮で助けた三人組。
「観客に顔見知りがいると言うのは心が躍りますし、嬉しくもありますね」
 折角ですから、存分に驚いていただきましょう、と少し悪戯気に表情を緩めながら手を振り応えたアマータが準備された舞台の中央へと辿り着く。

●アルジェントム・エクス・アールカ
 アマータが辺りを見渡し、風船のようでいて何かしらの仕掛けがあるのか、フラフラと揺れ動く標的が地面近くからそれなりの高さまで、広範囲に準備されているのを見てトランクを足元に下ろしながら呟く、
「良い仕事をしてくださいました。では、始めましょうか」
 圧縮された蒸気が解放されるような高い音と共にひとりでに開いたトランクから飛び出すのは、五条の軌跡を煙と炎で描く蒸気式飛翔体。無作為に飛び去ろうとするそれにアマータが操る傀儡鋼糸が取り付き、軌跡を誘導しアマータを中心とする五角形の頂点へと至り…錬武場の上空に火花の大輪を咲かせ幻想的ともいえる光華を彩る熱と衝撃が標的を薙ぎ払う。

●ネロ・フラーテル
 生徒達が感嘆と驚愕で上空に気を取られている隙にアマータがトランクを閉め、再び開いたそこから南瓜頭の案山子人形が大鎌と共に飛び出す。準備はいいですね、ネロ?とアマータが仕込み箒に風を纏わせ視線を向ければ…状況は理解してるゼェ、姉さん?と裂けたような笑顔を深め大鎌を振りかぶり距離を詰める。
 視線を舞台へと戻し状況に気が付いた生徒達の驚きと悲鳴が上がるなか、ネロが振り下ろした大鎌の刃を、アマータの構えた箒が見た目にそぐわぬ頑強さと纏った風膜で受け流し、受け流された勢いを利用したネロが大鎌を薙ぎ払うような連撃へと繋げ、風を斬り裂く大鎌の刃をアマータが地を這うような低姿勢で潜り身体を捻るように鯉口を切り仕込み刀を斬り上げ、刃に乗るように斬撃を受け止めたネロが打ち上げられるように飛び上がる。
「目標は当機周辺の標的。薙ぎ払いなさい、ネロ」
 その言葉と共にネロへとアマータから傀儡鋼糸が繋がり、踊るように振りぬかれた大鎌が描く円形の斬撃が刳り貫くように降り注ぐように標的を斬り墜としてゆく。

●イーリス・カントゥス
 突然の殺陣から繋がる一幕に息を止め驚いていた生徒達の前で、南瓜頭に刻まれた口をどことなく愛想よく歪ませて落ちてきたネロがトランクに飲み込まれながら、観客へと手を振るように軽く大鎌を振り演者として舞台から退場し、蓋が再び閉じられる。
 一連の流れが訓練だったと理解した生徒達から拍手が起こるなか、周囲を見渡し標的の位置と場所を確認したアマータがトランクを再び開け取り出したのは鋭角でありながら流麗なフォルムのギター。鋼糸を繋ぎ歯車と蒸気が奏でる動作音と共に弦が調律され、トランクが増幅器へと組み変わる。整った舞台に響き渡るのは閃烈なギターサウンド。合わせるように歌われる激しい歌詞が生徒達を揺さぶり残っていた標的が弾け割れ、錬武場にアマータのみが取り残され、慣れた手つきですべてをトランクへと収めたアマータが一礼する。
「お粗末さまでした。当機の御披露目は以上となります」
 そうして、生徒達の拍手に送られたアマータが舞台から降りてゆく。

●終幕
 拍手を背に訓練を終えたアマータが、控室の近くで手を振る七曜を見つけ近づき微笑みかけ、
「七曜様、今回もお疲れ様でした」
「こちらこそ、アマータさん。今日はとてもかっこよかったですよ」
 二人の間に楽し気な雰囲気が流れ、しばしお喋りを楽しんだ後。ふむ、折角ですし合わせましょうか?と、アマータの弾く音に耳を傾けていた七曜が提案し、訓練の余韻を流すように旋律が響き歌声が重なってゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

シーザー・ゴールドマン
【POW】?
「ふむ、好奇心旺盛なのは良い事だね。
 ――少し派手なものを見せて今後の糧にして貰おうか」
~~~~~~~
生徒達はユーベルコード持ちの災魔と今後も戦っていく。
こんな敵と出会った時にどうすればよいかを考え覚悟して貰う事を意図して見せる。
シーザーからは2種。
的を用意して貰って『ドラゴニック・エンド』で破壊。
黒龍の暴威を見せ付けて強大な敵と戦う覚悟を。
もう一つは『ソドムの終焉』
半径20メートルに複数の的を用意して貰って、一度に全てを破壊。
数で囲めばいいというのがいつも正解ではないことを。
それぞれ感じ取ってもらえれば重畳だね。



●教導
 優しく響く旋律と歌声の中を錬武場に向けて颯爽と高級感あふれる真紅のスーツを着こなした猟兵が歩いてゆく。

●歓声
 黒燐の槍龍アートルムを肩に乗せ、興味と興奮に彩られた瞳を自身に向けてくる魔法学園の生徒達をシーザー・ゴールドマン(ダンピールのフォースナイト・f00256)が眺めつつ、
「ふむ、好奇心旺盛なのは良い事だね。――少し派手なものを見せて今後の糧にして貰おうか」
 金色の瞳を細めながら、目のあった生徒達へと軽く手を振り、歩みを進めるシーザーが、教師が準備し整えた舞台へと辿り着く。

●黒龍アートルム
 錬武場で待ち構えるのは固めた土砂の大盾を構え隊列を組む砂人形の一団。シーザーの登場に合わせるように防御陣形をとったそれに満足そうな声が響き、アートルムがシーザーの肩を駆け下り本来の禍々しくも力強い漆黒の龍槍へと姿を変える。
「ここの教師はなかなか優秀みたいだね。私のやりたいことを理解してくれているようだ」
 成されたのは投擲。漆黒の龍槍が手に収まったと同時にシーザーが踏み込み、身体を覆うオドが視認できるほどの真紅のオーラとなり、捻り進む体幹から生み出された力を伝播され飛翔するかの如く投げられた漆黒の龍槍が猛る魔力を纏い、先頭の標的を大盾ごと貫く。
 衝撃と共に真紅が巻き上がり、オドを呼び水に顕現するのは巨躯の黒龍『アートルム』。漆黒の咢から咆哮が放たれ、剛靭な尾が振られ大盾を構えた砂人形が石ころのように薙ぎ払われ、振り下ろされる鋭爪が砂人形を紙のように容易く斬り裂き土塊に還し、その暴威をまざまざと見せつける。

●ソドムの終焉
 元の大きさに戻り帰ってきたアートルムを足元に控えさせ、暴威に唖然とする生徒達の表情を見ていたシーザーの周囲に、不規則に揺れ浮かぶ標的が集まり出す。
「ふむ、これぐらいで問題ないかな?」
 頷くように標的を一瞥し、創り出されるのは赤熱する魔力の白球。シーザーの頭上まで浮かび上がった魔力球が赤光を煌かせ、堕ちるように奔る衝撃が錬武場を揺らすと共に、あたかも降り注ぐ火炎のように奔る魔力の閃光が標的を的確に貫き破砕してゆく。一条の閃光も標的を外すことはなく、瞬く間に全ての標的が墜落した後、頭上の魔力球が弾け、黒龍の咆哮に勝るとも劣らない轟音と共にシーザーを中心に赤光が染め上げ灼き尽くし、視野が戻った生徒達が見たのは標的の残骸すらなくなった事実。まさに、伝承に語られている裁きの炎の如く一帯を瞬時に灼き払ったシーザーが、真紅のスーツを軽く払い驚愕に目を見開く生徒達を正気に戻すように手を鳴らす。

●教導
 教師がスタンドにセットした蒸気式マイクをシーザーの元へと運んでくる。その姿に…なるほど、少しばかり時間が余ったようだね、と状況を理解したシーザーが手慣れた様子で生徒達へと講義を始める。
「さて、君達はこれから災魔と戦ってゆくことになるだろう。もちろん、私達猟兵にしか対処できない個体も増えてきているが…以前は君達の先人達が対処していたということは理解できていると思う」
 明朗で活舌のよい滑り出しで語られるのは戦う上での覚悟と準備。
「まず最初に見てもらったのは、個体として強大な敵と戦うときにはどうすべきかということ。固まっていれば安心かもしれないがそれを貫いてくる暴威というものはある。この場合は周囲に散り協力して戦うことが有効だろうね」
 真剣に聞き入る生徒達がそれで満足しないように話を進め、
「だが、見て理解してくれていると信じているが、数を揃え囲めばいいというものでもない。相手がどういう攻撃をしてくるかそれをしっかり学び、無謀と覚悟を取り違えず行動してくれることを願うよ」
 そう締めくくったシーザーに生徒達が拍手を贈り訓練が終わる。

●終幕
 演説の間、大人しく足元で待っていたアートルムを肩に乗せたシーザーが、生徒達の拍手に手を上げ応えながら退場してゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルーナ・ユーディコット
【模擬】
此処は天国……じゃなさそうね
命を削る戦いをし続けてるわりにこうして生き延びているのは
複雑な気持ち

訓練は模擬戦をしたい
人に見せるというより自分の修練のために
戦場で死ぬとしても……無駄死にしないために

あと、真の姿のままやる
狼耳、正直見せたいものじゃないんだ

「POW:7」
トリニティエンハンスを水と風の魔力で守りを重視で使う
オブリビオン相手だといつも突っ込むから、防戦の練習
隙を見て二回攻撃を狙うよ

「SPD:5」
孤狼【彗星】を使うのは一瞬だけ、詠唱もしない
オブリビオン以外に使いたいものではないから
間合いを高速で詰めて打ち込んだら即解除
二度は使わない

勝っても負けても、また意識が飛ばないといいけど


戦場外院・晶
【模擬】
「WIZ:6」

私を見ても楽しいとは思えませんが……

静々と、【忍び足】で進み出て

「戦場外院・晶ございます……よしなに」

私出来ることなど最初から二つです

即ち「寄る」と「握る」

【オーラ防御】しながら相手に近づきます

よく観察し、射撃攻撃は回避
魔法は【破魔】の手刀によって掻き消しを試み

肉薄が叶いましたら【手をつなぎ】ます

「POW:7」

「……捕らえましたわ」

この【怪力】を持って程よく握り、決して離しません

【奥義・不生】で抵抗を封じながら

【グラップル】をもって殴り、蹴り、払い、叩き、極め、投げ、締めて……優しく、オトしてあげましょう

「楽しんで頂けたでしょうか?」

生徒の皆様の今後の御多幸を【祈り】ます



●模擬戦闘訓練
 先の猟兵の訓練跡が魔法学園の教師陣によって整えられ、生徒達の歓声に迎えられた猟兵達が錬武場へと向かう。

●訓練開始前
 並んで歩く二人の猟兵が錬武場へと向かいながら言葉を交わす。赤い瞳に魔法学園の生徒達を映し、漆黒の髪を揺らしながらルーナ・ユーディコット(Basilico・f01373)が、足元を歩く緑龍に歩幅を合わせつつ迷宮での命を削る戦いを脳裏に思い出し…こうして生き延びているのは複雑な気持ち、と思いながら言葉を零し。
「まぁ、分かってるけど…此処は天国じゃなさそうね。それと、私はルーナ・ユーディコット。今回はよろしく」
「戦場外院・晶にございます……よしなに。……しかし、これほど注目されているとは想像しておりませんでした」
 私を見ても楽しいとは思えませんが…、と十字架をあしらった漆黒の尼僧服を着た戦場外院・晶(強く握れば、彼女は笑う・f09489)が、錬武場に集まっている生徒達の数に驚きながらも両手に持つ黒白の十字架を祈るように握りしめて挨拶を返し、錬武場の中央付近で二手に別れたルーナと晶が対峙する。

●想葉の少女
 ルーナが改めて辺りを見渡し生徒達に注目されていることを見て取り、手櫛で髪を整える振りをしながら狼耳がないことを確かめ微かに安堵のような複雑な感情が籠められた吐息を零し…正直見せたいものじゃないしね、と軽く目を閉じ意識を切り替えるように呼気を鋭くしてゆく。その様子に静かに待つように佇んでいた晶が黒白の十字架を尼僧服へと仕舞い、試合の気配に居住まいを正し、両手を柔らかく握り開くように動かし、相手の出方がどうであろうと自身に出来る戦い方は寄ること、握ること…祈ることのみと常のように心を落ち着け意識を集中させてゆく。
「これからの為に、しっかりやらせてもらう」
「問題ございません。いざ、尋常に勝負!」
 教師の鳴らした高らかな笛の音を合図に取った行動はある種対照的。ルーナが両脚に風の魔力を両腕に水の魔力を呼び起こし纏い、月桂樹の名を冠する槍龍が変じた偃月刀を柄の中ほどで携え待ち受けるように構え、晶がその身に纏った尼僧服の裾を乱さず頭も揺らすことなく、静かに影を滑るような歩法にて粛々と意識の虚を突くように滑らかに、間合いを縮めるが如く狭めてゆく。
 最初に武器を振るったのはルーナ。穂先を揺らすように振るわれた偃月刀が晶の進路を遮るように動き、それに晶が祈り、祈り、強固な障壁となるまで捧げた人への祈りに守られた腕で刃の背を握り止めようと応じる。峰に手が伸ばされたのを見たルーナが握られることを防ぐように腕から水の魔力を伝え刃の護りとし、晶をいなすよう手の返しで反転させた刃を薙ぐ。間合いを詰められないように護るだけではなく、有効な一撃を狙う鋭い攻撃が混ぜられ、寄らせぬルーナと寄る晶の動きが拮抗する。
 拮抗した攻防が幾度か続いた後、薙がれた偃月刀の刃圏にするりと踏み込んだ晶が、その拵を流れる水の魔力に負けぬように力を籠めた手で捕まえようとし、内側に踏み込まれたルーナが風の魔力を纏った脚を捌き、身体を踊るように回し麗緑の柄が返され石突が奔り、身に迫る一打を晶が祈りを纏った腕で弾く様に逸らし、弾かれた勢いを利用したルーナの遠心力のせた拵による殴打が、錬武場に麗緑の軌跡を残し晶へと迫るが、さらに踏み込んだ晶が持ち手に近い勢いののらぬ拵を握り止める。殴打を止められたルーナが脚と体幹で柄を引きつつ偃月刀を捻り晶の姿勢を崩そうと揺らし、怪力で握りしめた晶が水の魔力で滑らぬように力を籠め腰を落としルーナに振り払われないように態勢を整え、形を変えて戦局が拮抗する。
 膠着した流れに先に決断したのはルーナ。引き合いを続けても体力を消耗するだけと偃月刀の柄から手を放し、翔けるような勢いで晶へと肉薄し風に後押しされるように舞うように蹴撃と拳撃を繋げ晶へと放ち、迎え撃つように撃ち捌き躱した晶に腕を握られる。
「しかと……捕らえましたわ」
「そうみたいだ。この一戦は私の負け」
 腕を握り窺うように聞く晶へ、ルーナがきっぱりと応えそれぞれが元の位置へと戻ってゆく。

●繋手の尼僧
 静かな対峙からの息もつかせぬ攻防に興奮も露な生徒達を見つめる晶が、私達を見て楽しいものだったのでしょうか?とかわらず脳裏に疑問符を浮かべ、模擬戦を見せるためではなく自分の為にと参加しているルーナが、生徒達の視線を意に介さず先ほどの戦いでどうすれば流れを変えられたかを思案しながら晶を改めて観察し、お互いの息が整った頃合いを見計らい、準備が整ったことを確認するように声を掛けあう。
「こっちはもう問題ない。始めようか」
「私も大丈夫でございます。では、推して参る!」
 その言葉に再び鳴った笛の音に先ず動いたのは晶。先ほどの意識を縫うような静かな歩みではなく、駆ける勢いにてルーナへと迫り蹴撃を持って意識を刈り取ろうとし、ルーナが好きにはなれずとも自身を支える人狼の脚力で大きく距離を取りながら晶の蹴撃…技術の積み重ねを持ってなる格闘術を赤い瞳で見つめ軌跡を見取り、足が空を切る感覚に晶が離された距離を視認し、錬武場の床に罅を入れるような勢いで踏み込み体幹を貫くような掌打で追いすがり、まともに受ければ意識を飛ばしかねない掌打と交錯するようにルーナが身を躱し駆け抜け、対峙したときと同じように距離を取り振り返る。
「本来ならオブリビオン以外に使いたいものではないんだけど…いくよ」
「全霊をかけまして受けて立ちましょう」
 ルーナの技の先を制し打撃で崩すのは難しいと先ほどの攻勢からは一転し晶が腰を落とし両手を緩やかに握り半身で構え待ち受け、その様子を見たルーナが毒を持つ花の名を冠する匕首を抜き放つことなく手に携える。
 瞬、数舜の間を置き、鋭く吐き出した呼気と共にルーナが青炎の魔力を纏って疾駆する。蒼く墜ちる流星が翔けたのは一瞬。間合いを刹那で詰めたルーナの青炎が燃え上がり、勢いのままに突き込まれるのは鞘に入れられたままの匕首。衝撃波をも纏って迫るそれに晶が成すのは変わらず祈ることと握ること、心の在り方が織り上げる身の護りが軋みを上げつつも衝撃波に耐えきり構えられた腕が青炎を纏ったルーナの匕首を持つ手首を握り、体捌きで力の流れをずらした晶が腕を引き寄せ身体を入れ替えルーナを投げ飛ばし錬武場の床へと背中から落とす。一瞬の間の後、周囲の生徒達から再び歓声が上がり、晶が握った手首を引くようにルーナを立ち上がらせて声を掛ける。
「ありがとうございました。大丈夫でございますか?」
「大丈夫、ありがとう。でも、ちょっと先に戻らせてもらう」
 晶に起こされたルーナがそう答え、未だ歓声がやまない生徒達に軽く手を振り控室へ向けて歩いてゆき、その背中を見送りながら晶が生徒達に向けて声を上げる。
「楽しんで頂けたでしょうか?今日の日が皆様の糧となることを…そして、今後の御多幸を祈らせて頂きます」
 綺麗な礼で締めくくった晶がルーナの後を負い、錬武場に興奮のみが残される。

●終幕
 教師が用意した控室でルーナが、戦場で死ぬとしても……無駄死にしないために今日は模擬戦に臨んだ。投げられ掴まれた技は人を相手にする技術…オブリビオンにどこまで有益なのだろうと思案している所に晶が戻ってくる。気になるならば聞けばいいか、と戦いの場より柔らかな口調でルーナが晶が尋ねる。
「ねぇ、さっきの戦い方ってオブリビオンにも有効なの?」
「そうでございますね…握れる存在であれば其れなりに応用しようがございます」
 そう言いながらこれまで猟兵として重ねてきたことを思い出すように人と似たような姿、自身よりも巨大な龍、面妖な触腕の魔物との戦いを例に挙げながら丁寧に説明をしてゆく。そうして、ルーナが気にしたであろうことを説明し終えた晶がいかがでしたでしょうか?と首を傾げればルーナが感謝の言葉を返し控室に穏やかな時間が流れる。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

四軒屋・綴
《アドリブ絡み改変歓迎》
よしッ!訓練と言えばSUMOUだなッ!生徒達と……そういうあれではない?なるほど……

まぁそれならユーベルコードを発動ッ!結集させて一体にした上で借りた木剣を持たせて組み手だッ!
【グラップリング】での組み討ちを実践ッ!

片手での袈裟斬りに対して踏み込んで肘の辺りを前腕で受け、そのまま脚を払って倒したりする演舞。

「攻撃は大概踏み込みが伴い、同時に攻撃には『最適なタイミング』と言うものがある。」

「そこでこちらも踏み込み、剣撃であれば腕を、蹴りであれば威力の乗らない腿を受ける、そこから引き落とす、押し倒す、急所を突く……逃げても良い。」

「勿論応用は自由だッ!」



●組み手
 小豆色の装甲を纏い蒸煙を漂わせる猟兵が、整え直された錬武場に向け楽しそうに歩いてゆく。

●声援
 イヤーチムニーから蒸煙を立ち上らせた四軒屋・綴(大騒動蒸煙活劇・f08164)に、迷宮では助けてくださりありがとうございます!という声が掛かり、赤い眼光を向けた先には迷宮で遭難していた三人組。
「おぉッ!元気そうでなによりだッ!…よしッ!やはり、訓練と言えばSUMOUッ!君達も参加するといいッ!」
 その声に魔法学園の教師が慌てて綴に駆け寄り耳打ちする。時間が確実に足りなくので…と聞いた綴が残念そうに納得し、
「すまないッ!今回の訓練では無理のようだッ!SUMOUはまたの機会だなッ!」
 周囲の生徒達に謝った綴が教師に見送られ錬武場中央へと向かう。

●勇蒸連結ジョウキング&勇蒸合体ジョキアルバXXV
 生徒達の注目を集める綴が、腰を落とし天を指すように掲げた指と腰元で握りしめた拳でカッコいいポーズをきめ、名を叫ぶ。
「ジョークアップッ!勇蒸連結ッ!ジョウキングッ!!」
 電脳魔術により具現化するのは赤光。腕を分厚く覆うように光線が奔り。足を鋭くしなやかに光線が踊り。胸を猛るように光線が廻り。綴を赤光の外殻が包み込み沸き上がるパストスチームが綴を蒸煙の中へと隠す。
 満たされた蒸煙が練武場に溶け消え…残ったのは蒸気機関車の意匠を輝かせた猛々しい鎧と武骨な装甲を両腕に誇るジョウキング。背中のジョークアームズから鋭い汽笛を響かせる姿に主に男子生徒達から歓声が上がり、盛り上がりを背に綴が再び叫ぶ。
「来いッ!在・倍・列・車ッ!」
 その言葉に羊羹色の装甲を纏うジョウキングに似たヒーロー達が現われ生徒達へとカッコいいポーズを決め、一糸乱れぬ跳躍と名乗りを行う。
『勇蒸合体ッ!ジョキアルバ!!…ジョキッ!』
 跳躍の頂点でヒーロー達が重なり融合し、蒸気を纏い右目に刻まれた【XXV】を輝かせたジョキアルバが着地する。そこへ教師が魔法で射出した木刀が飛来し、受け止めたジョキアルバがジョウキングに挑むかの如く切っ先を向ける。

●ヒーローショウ
 生徒達の歓声が爆発的に高まるのを聞きつつ、ジョウキングが軽く握った拳を顔の前に持ち上げるように構え演武が始まる。準備の整った綴に向け片手で振るわれた木刀が鋭く迫り、纏う蒸気を置き去りに踏み込んだ綴が懐に滑り込むように振り下ろされる腕を掴み止め、身体を捻るように腕を引き込み体勢を崩したジョキアルバの足を払い投げ飛ばす。投げ飛ばされたジョキアルバが器用に片手で受け身を取り、錬武場の床を転がることで威力を殺し滑らかに起き上がり、木刀が構えなおされ再度の対峙が始まる。
 初撃は投擲。投げられた木刀が綴へ回転をかけられた勢いそのままに飛び、その影を追うようにジョキアルバが駆ける。衝突音は二度。木刀を踏み込みながら腕部の装甲で弾いた綴へとジョキアルバの上段回し蹴りが迫り、さらに踏み込んだ綴の首元を護る腕によって止められる。僅かの後、構えを解いたジョウキングとジョキアルバに生徒達から拍手が送られる。

●演武解説
 呼び出した分身を解除した綴が改めて生徒達へと解説を行う。
「見てもらった通り、攻撃は大概踏み込みが伴うッ!そして、攻撃には最も威力が出る瞬間と部分があるッ!」
 先ほどの流れを思い出してほしいッ!と声を張る綴に応えるように生徒達が思い描くのを少し待ち。
「そうだッ!逆に考えれば威力が出ない部分があるッ!剣撃を支える腕ッ!蹴りの根元である腿ッ!つまり、こちらから一歩踏み込めばいいッ!相手の攻撃が受けられれば、引き落とすッ!投げ飛ばすッ!急所を突くッ!いろいろと繋げられるッ!…もちろん、適わないなら逃げても良いッ!」
 何ができるかは自由に応用してくれッ!と最後に再びポーズを決めた綴が生徒達の拍手に送られ場を辞する。

●終幕
 具現化した鎧と装甲を蒸煙に戻し散らしながら綴が、生徒達の拍手に両手で応じゆっくりと退場してゆく。

●魔法学園
 錬武場を片付ける生徒達が楽しそうに今日の出来事を話し合う。その下地には猟兵達が押し留めた逆侵攻の成功があり、過去を正しく過去へと留めた成果が魔法学園の未来へと繋がっている。そう、過去から蘇った厄災の魔を討った猟兵達が元の場所に帰った後にこそ守られた日常は動き出し未来が紡がれてゆく。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年02月13日


挿絵イラスト