連鎖する絶望~未来を紡ぐプラントを奪取せよ。
●飢え、枯れ果てた
連合王国の一つ『ミズガルド』。謎のキャバリア集団による襲撃により、あわや滅亡かと思われたミズガルドだが、ミズガルドのトップエース、ストームゼロと窮地を救いに来た猟兵たちのお蔭で滅亡の危機から免れた――一時的には。
されど、絶望は続いていた。あの戦いにおいて、奪われた物が多すぎる。
「そっちはどうだ?」
「ダメだ……全滅だ。あいつら、狙ってやってやがった……畜生……!」
生き残った将兵達が各々に報告し、その内容に憤りを感じ思わず膝を殴りつける。
あの戦いでミズガルドは大きな損害を受けた。
キャバリア、人、防壁そして――物資だ。
「これじゃあと数日で干上がるぞ」
「配給するにしても限度がある。特に水が危機的だ」
ミズガルドを襲った敵は無事撃退し、捕まっていたパイロット達も救助されたが、建物の被害が甚大だ。特に集中的に狙われたのは倉庫。水、食料等が保管されている倉庫が集中的に狙われており、ほぼ全ての食料や水が瓦礫の下か、炎の中へと消えて行った。
勿論、偶然なはずがない。敵は狙ってやったのだ。
人は生きる以上、飲み食いしなければ生きて行けず満足に行動できない。あえてキャバリアを残したのも、そっちを重要視していると誤認させるためだったのだ。
「こうなったら……行くしかねぇか」
「行くってまさか……!」
「ああ、プラントを奪い返す。そうしなきゃ未来どころか、明日すらねぇ」
「死ににいくつもりか! あそこに何百のキャバリアが居ると思ってるんだ!」
敵は巧妙だ。嫌がる事を進んでやっている。
倒されてなお、絶望を植え付けていたオブリビオンマシン達。
「でも、やるしかない……やらなきゃ死ぬだけだ」
「クソッタレ……畜生……!」
絶望はまだ終わらない――。
●連鎖する絶望
「ふぅ……皆、集まってくれたありがとう」
やや疲れた様子を見せながら、集まってくれた猟兵たちの前に姿を現したのはフローディア・クレセント(真紅の機工姫・f29912)だ。
「この間はミズガルドの窮地に駆け付けてくれてありがとう。絶望的な状況だったけど、あんなに駆けつけてくれるとは嬉しい限りだわ。お蔭であの国は救われた――一時的にはね」
一時的。つまりまだ終わってはいないのだと暗に告げるフローディア。
「凄く悪い話と物凄く悪い話、そしてちょっといい話があるんだけどどれから聞きたい?」
そんなに状況が悪いのかと絶句する猟兵達。それはあの国がまだ救われていないのだと案に言ってるも当然だ。
一先ず、凄く悪い話から聞くことにし、彼女はグリモアを展開し地図を表示する。
地図は以前も見せたミズガルドの地図だが今回は範囲が広くミズガルド周辺の地図だ。
そこには以前同じく多くのバツ印が掛かれており、幾つものプラントがバツ印で埋まっている。そしてプラント以外にも大きな×印が記されていた。
グリモアを操作し、地図上の大きな×印を拡大する。そこに描かれていたのは――国名。それも幾つものの国にバツ印が記されており、残っているのはミズガルドただ一つのみ。
「凄く悪い話だけど、調査の結果ミズガルドが所属してた連合国家はミズガルド除いて全てがオブリビオンマシンの手によって滅ぼされていたわ。正直言って、まだあの国が持っているのか奇蹟みたいなものね。多分……彼でいいのかしら。ストームゼロがいなければとっくの昔に落ちてもおかしくは無かったわね」
あの戦いで唯一、キャバリアを持ちだして孤軍奮闘、獅子奮迅の戦いを繰り広げていたミズガルドの英雄、ストームゼロ。
防壁が破られ、無数の敵を前に引かず戦い続けた彼のお蔭で猟兵たちが間に合ったと言っても過言ではない。
「そして物凄く悪い話だけど……あの国は再び滅亡の危機に瀕してるわ。あいつら、あの襲撃で重点的に倉庫を狙っていたのが後々判明したわ。お蔭で食料品や水が壊滅、プラントも全部奪われているとなると……もって数日で水も食料も枯渇するわ。そうなると一番先に死ぬのは……未来の有る子供達よ。あのフィアのようなね」
猟兵たちの記憶に過るのは、電脳巨兵オリバレスに囚われていた少女のこと。
助け出した当初は余程酷使されていたのか痩せこけており、猟兵たちの賢明な介護のもと健全な姿を取り戻している。
しかし、再び子供が悲劇に苛まれようとしている。時間がないのだ。
「今は一部のキャバリア乗り達が編成を組んでプラント奪還に動こうとしてるけど……正直無謀ね。相手もプラントを狙ってくることを予想してるのは当然。急ごしらえのキャバリアが百を超えて数えたくもなくなる程にね。更に荒廃した都市群にナイトゴーストを操る各国のベテランパイロット達が侵入者達を排除すべく待機してるわ。プラントも同様。統括しているエースパイロットがそこを死守してるわ」
言わずもなが、そこにいるのは全てがオブリビオンマシンの制御下に居る元々善良な人々だ。
「……信じられないけど、急ごしらえのキャバリアには新兵ですらない一般人が乗せられてるわ。ただ引き金を引くだけの道具として」
迂闊に爆散させてしまえば脱出するまもなく死ぬだろう。悪辣ここに極まれる。
頼みの綱のストームゼロも防衛の為に残らなくてはならず、動かせない。一人でやれることに限度があり――一人で無ければやれることは沢山ある。
「ここまでが凄く悪い情報と、物凄く悪い情報よ。そして最後に、ちょっといい話だけど――私達、猟兵が向かえば何とかなるわ。多勢に無勢だけど、彼らが行くよりは勝算があるわね。前と同じく、絶望的な状況だけど、この窮地を恐れない勇士は私の手を取りなさい。戦場まで送り届けてあげるわ」
以前と同じく、フローディアはほっそりとした綺麗な手を差し出す。
絶対的な絶望を再び、覆す為に猟兵たちは動き出す。
●プラントに潜む悪夢
『削除、削除、削除、削除、削除削除削除』
命令が下されるまで静かにただひたすらに待機するキャバリアの集団がいた。
彼らは全員、この場所に侵攻してくる敵を排除するために配置された戦闘兵器群。
それはまるで、誰かがここに来ると予想していたかのようで――。
『削除――削除――猟兵は、削除する』
暁月
はい、暁月です。絶望シリーズその2です。
今度はプラント奪取となります。ですが、前回と同じく難易度は高めです。振り直しなしの上、今回は第一章、第二章共に何かしら対策を取らないと判定にマイナスが付くのでご了承ください。
第一章は無数のキャバリアを突破していただきますが、相手は素人ですが数だけは異常に多いです。引き金を引くだけしか出来ない集団ですが、その分弾幕は分厚いです。
迂闊に吹っ飛ばすと相手はキャバリアに乗った一般人なので、脱出ももたつく恐れが高いです。何かしら対策を取ると今後のシリーズ的に楽になるでしょう。
第二章は廃墟と化した都市群での戦闘となります。地の利は完全に相手にあるので、不意打ちや強襲の危険性が高いです。
第三章はボス戦となります。ここまでくれば……とならないのが今シリーズ。援軍も居ないので難易度据え置きでの戦いとなります。プレイング内容によってはボーナスが付きますので頑張ってください。ボスが倒され次第、一章の生き残りのキャバリア達もシステムダウンするのでご安心ください。
それでは皆さん、頑張ってください。
第1章 冒険
『敵陣突破』
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POW : 群がる敵を正面から蹴散らし、突き進む
SPD : 敵陣の薄い箇所を突き、一点突破を狙う
WIZ : 敢えて多くの敵を引き付けておき、一気に倒す
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●絶望の渓谷
ミズガルドのキャバリア乗りの案内の元、食料や水を生成する一番最寄りのプラントへ向かう猟兵たち。
「ここの大渓谷を抜けるのが一番手っ取り早いが……見ての通りだ」
見つからないようにキャバリアから降りて、岩陰から覗き見ると渓谷には埋め尽くさん限りの無数の量産型キャバリアが見せつけるように鎮座していた。
つくりは雑で、とにかく量を作るように設計された雑な機体だが、射撃性能だけは確かだ。うかつにここを飛び出せばハチの巣になるのはだれの目から見ても明らか。例え、あれに乗っているのが新人未満の一般人だとしてもだ。それほどに数が多い。
「俺が案内できるのはここまでだ……。頼む、皆を助けてくれ」
※高速飛翔体を無差別砲撃する暴走衛星「殲禍炎剣ホーリー・グレイル」により上空を高速飛翔はできません。してもいいですがもれなく撃ち落されるのでご了承ください。
イコル・アダマンティウム
「わかった、走る。」
埋め尽くされてる、でも平野じゃない
渓谷なら壁がある
僕のキャバリアで壁を走って、突破する
(敵陣の薄い箇所を突き、一点突破を狙う)
<ダッシュ><地形の利用><悪路走破><推力移動><限界突破>
壁走りなら敵機同士の誤射も起きにくい
少しなら当たっても装甲で耐える
<武器受け><継戦能力>
「遅い」
UC【零距離格闘】
壁もいつまでもはない、狙われない訳でもない
だから<フェイント>を混ぜた体術で
回避と<カウンター>を兼ねた高速移動を随時行う
<ジャンプ><見切り>
「これで、見えない」
足場にする時は頭を踏み潰す
見えないなら狙えない、後続への支援
<踏み潰し><鎧砕き><暴力>
「皆、助ける」
連携歓迎
●数は力
急造量産型キャバリアが至る所に配置された大渓谷。空を飛べばすぐにハチの巣となり、撃ち落されるだろう。さらに高高度を飛ぶのも論外だ。空は暴走衛星「殲禍炎剣ホーリー・グレイル」が支配しており、一定の高度を飛ぶとそのまま狙い撃ちされて消し飛んでしまう。
ならばと、彼女――イコル・アダマンティウム(ノーバレッツ・f30109)が選んだ手段は空でもなく地。
「わかった、走る」
ただし壁を走るという曲芸染みた方法でだ。ふんすと意気込んでいる様子から、やる気は十分のようだ。
普通ならば不可能と断ずるが、猟兵の身体能力、そして技量があればキャバリアでも可能だ。
どこが一番敵が少ないか。どの位置を走ればいいかと最適を探り、ある程度のルートを構築し終えたイコルは【Tactical Armor-001:Last ONE】で初速から全速力で壁を駆け走る。
当然、イコル目掛けて急造量産型キャバリア群は一斉に引き金を引き、弾幕の雨を降らせる。
それは分厚い銃弾の壁であった。
ここにいるすべての急造量産型キャバリアが攻撃を仕掛けてたわけではないにせよ、見える範囲だけでも数えきれないほどのキャバリアがイコルを狙って引き金を引いた。
圧倒的な数の射撃をイコルは敵陣の一番薄い位置を狙い、駆け走るがそれを補ってなお、弾幕の数が圧倒的過ぎた。
そして――イコルには一つの誤算があった。それは壁の耐久力を計算に入れ忘れたこと。
圧倒的過ぎる弾幕は壁に突き刺さり、粉塵を巻き起こす。
普通のガトリングを壁に打ち込んでも大した効果は得られないが――それがキャバリアという巨大兵器ならば、それも優に百を超える軍勢ならばどうなるか。
「これは思った以上にっ……!」
回避と【カウンター】を兼ねた高速移動を随時行うも、足場となる壁が崩れ、イコルはバランスを崩してしまう。
咄嗟に【零距離攻撃】で近くにいた急造量産型キャバリアの頭を踏みつぶし、踏み台にするもバランスを崩した状態でのジャンプは推進器を吹かしたとしても思う通りの速度が出せず、空中でイコルのキャバリアは弾丸の雨に降られる。
「くぅっ
……!!」
【Tactical Armor-001:Last ONE】の装甲が分厚く、ある程度の弾幕を避けれたお陰で致命傷は免れたものの、機体に少なくない損傷を受けたイコルは懸命に速度を出しながらその場を駆け抜けていった。
しかし、その代償は決して小さくはない代償であった――。
苦戦
🔵🔴🔴
エメラ・アーヴェスピア
折角誘われたのだから受けさせてもらおうかしら
とはいえ難易度の高い依頼、私でどこまでやれるのか
…時間ね、猟兵の仕事を始めましょう
まずドローンでも双眼鏡でもいいから機体を【偵察】【情報収集】
脱出する為にはどこが動けばいいのか、【メカニック】の知識で推測
そして実践…『凍て付かすは我が極寒の巨人』、即着地する位の高さから投下よ
…高空から投下できないのがこの世界の辛い所ね…
まずは氷壁を張り、相手の弾丸を防いで氷冷型ミサイルを発射
脱出機能の稼働には関係のない、主に手足を狙い凍らせて動きを止めるわ
簡単に砕けそう?魔導の氷よ?簡単には砕けないわ
後は氷壁で守るのを忘れず前進、繰り返すだけよ
※アドリブ・絡み歓迎
ロッテ・ブラウ
★青年の姿に化けています
この状況で極力『不殺』とか甘々だね
『派手に吹っ飛ばす』のなら『暴走衛星』を使えば
最高に簡単なんだけど
まぁ猟兵とはいえ、傭兵稼業
オーダーには極力沿うよ
空間を割って悪魔のようなフォルムの専用機が現れ
膝をつきます
【禍津血】
ダンスの時間だ、思いっきり引っ掻き回そうぜ
UCの効果により
レベル×5本の魔法で作った実体を持つ【禍津血】の分身幻影
350体以上の大部隊を作成
先行させるように放ち、戦場を引っ掻き回します
実体を持つけどあくまで「幻影」
弾丸による攻撃は素通りするし、敵からは謎のゾンビ部隊に見えるだろうね
恐慌&同士討ちで疲弊したところを
ステルス装備を起動させて丁寧に無力化を狙うよ
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
まったく……趣味が悪い。
人の壁みたいなもんか?
下手に手を出す訳にも行かないだろうし……
ここは穏便に通らせてもらうよ!
こういう場所じゃあ、目立つ"Overed"は拙いだろ。
あえていつもの服装で、カブに『騎乗』して突っ込ませてもらうよ!
こんな場所で、生身の……しかも乗ってるバイクも民生品の
「一見すると普通の一般人」が走っていたら動揺するはず。
そうすりゃ弾着にも手心が入るだろ。
そうして至近で炸裂した爆煙の『闇に紛れる』ように、
【陽炎迷彩】を起動する。
そうして奴らの前から「消えた」なら、
動揺が静まらない内に『ダッシュ』で駆け抜ける!
流石にエンジン音までは誤魔化せないんでね!
●烏合の衆、されど数は力なり。そして力を『騙す』には――
大渓谷を埋め尽くすほどのキャバリア。崖側にもくまなく設置されており、乗っているのが素人で引き金を引くだけの存在だとしてもその数は脅威だ。
素人で、キャバリアが急造された代物でも武器だけは本物。与えれば装甲に傷を負い、連続で被弾をすれば致命傷は免れない。
いかな軍隊とて、この渓谷を抜けるのは至難の業――だが、猟兵は違う。
「…時間ね、猟兵の仕事を始めましょう」
エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)は魔導蒸気ドローンで渓谷の様子を下見し、どこが一番敵の配置が薄いかではなく、どこが一番脱出に適しているかをメカニックの知識のもとに推測していく。
彼女の隣ではロッテ・ブラウ(夢幻・f29078)がやや面倒くさそうに渓谷を眺めていた。その視線の先にいるのは急造量産型キャバリア達だ。
(この状況で極力『不殺』とか甘々だね。『派手に吹っ飛ばす』のなら『暴走衛星』を使えば最高に簡単なんだけど。まぁ猟兵とはいえ、傭兵稼業オーダーには極力沿うよ)
後々に影響を及ぼすともあれば、ロッテも従うのに異論はない。あれに乗ってるのはただの一般人。下手すれば女性、それどころか子供が乗っている可能性すらある。無用な虐殺は避けておきたかった。
空間を割って悪魔のようなフォルムの専用キャバリアが現れ膝をつき、ロッテはそれに乗り込んでいく。
「まったく……趣味が悪い。人の壁みたいなもんか?」
あからさまに悪態をつく数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)。人を人と思わずただのパーツとして扱うオブリビオンマシンのやり方に怒りを隠そうともしなかった。
されど、手を出すにはいかないと思った彼女は愛機であるOveredに乗り込まず、なんと一見するとただのカブにしか見えない宇宙カブJD-1725に乗り込んでいた。
「下手に手を出す訳にも行かないだろうし……ここは穏便に通らせてもらうよ!」
各々が準備を整え、一斉に降り立ち先んじるのは陸戦型高機動魔導蒸気騎乗鎧に乗ったエメラだ。
「魔導蒸気巨人兵、投下準備完了…全てが凍り付く世界にご招待よ」
エメラは氷冷兵器搭載魔導蒸気巨人兵を先んじて投下すると、巨人兵は急造型キャバリア達の弾丸を氷壁で防ぎ、返す形で氷冷型魔導蒸気兵器のミサイルを放つと瞬く間に白銀の世界を生み出す。
それはキャバリアでさえも凍り付かせる魔道の氷。コックピット内で引き金をいくら引いても手足が凍り付けばライフルは動かない。
それでも全部のキャバリア達が凍ったわけではない。
その隙間をかいくぐるように猟兵達は脱出ルート通りにかけていくと、範囲から逃れたキャバリア達が一斉に銃口を向け――そこで初めて機械当然に動いていた彼らに動揺が生まれる。
来るのはたった数名の筈だった。レーダーにもそう表示されていたが、一瞬のうちにその数は350体以上にも増えていた。
決して見落とすはずのない大軍勢、だがレーダーにも目の前のカメラにも確かにそう映っていた。
「ダンスの時間だ、思いっきり引っ掻き回そうぜ♪」
ロッテが【禍津血】により生み出した幻影軍だ。実体を持つ幻影のキャバリア達は一瞬に躊躇を急造量産型キャバリア達に与えるも、すぐに引き金を引いて掃射――するも弾丸が素通りし、地面や凍り付いたキャバリア達に当たる。
同士討ちを引き起こしたとしても、急造量産型キャバリア達は気にせずに引き金を引き続けるが、そのすべては幻影を通り抜け、その中に紛れて三人とも通り道を邪魔するキャバリア達を即時無力化させながら駆け抜ける。
「「一見すると普通の一般人」が走っていても容赦なしとはねぇ」
少しは手心を期待していた数宮は予想が外れたことに頬を描きながらも、仲間たちとの協力のおかげで進むことができた。
当然、彼女も打てる手は打つ。
「迷彩機能、オン」
数宮は爆炎に紛れながら【陽炎迷彩】で自らの姿を隠し、狙われないようにしておく。
エメラやロッテは問題ない。エメラに近づけば氷結により身動きを封じられ、ロッテに至ってはどこにいるのか判別することすら不可能だ。
多少の被弾は受けつつも、道を広げるように無力化し続けながら三人は大渓谷を抜けていくのだった。
成功
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露木・鬼燈
敵のキャバリアの破壊はダメか。
これすごい面倒なやつじゃない?
まぁ、乗り手が素人なのが救いかな。
照準は機体任せっぽいからね。
自動ロックが追いつかない速度で機体を振り回すですよ。
たぶんこれで弾幕はある程度マシになるはず。
とゆーことなので…<凶鳥強襲>
上限は渓谷を飛び出さないないように。
下限は敵機頭上ギリギリまで。
そんな高度制限で螺旋軌道を描いて突っ込むですよ。
ロックを外しやすいように敢て機体をブレさせるといいよね。
ダークネスウイングと小型ブースターでイケルイケル!
後はフォースハンドで保持したマシンガン。
そして両手のライフルで迎撃用の弾幕を展開。
銃弾の一発一発が戦艦級ともなれば防ぎきれるっぽい!
ワン・イーナ
故郷を思い出す悪辣さ。一騎の英雄を千機で殺す、か
・SPD
機体を降りて生身で行くぜ、俺のキャバリアじゃ抜けねぇ
数だけの雑な機体ならセキュリティも甘いか?
物陰に身を隠してオーディン起動
手近な機体を<ハッキング>し偽装して侵入
分布から敵の密度、射角射程、索敵感度範囲を<情報収集>して視覚化
センサー・カメラ類に偽装データを流して<ジャミング>、目耳を潰し、だがそれがわからないように風景のみ流す
機体構造から脱出機能のロックをこっそり<鍵開け>し手順を単純化、出やすくはなるだろ
後はこれを届く範囲全部に<瞬間思考力>で作業加速してすりゃぁ通れる穴は広がる
俺は勝てねぇが布石は打てる
後の猟兵が勝てば、俺も勝ちよ
才堂・紅葉
「無傷の突破は難しいか。単純なだけに厄介ね」
迦楼羅王を駆りながら溜息一つし切り替える
・方針
初手は光学・電磁【迷彩】に工作員の【忍び足】を併用し、岩陰等の【地形を利用】して可能な限りの距離を詰め、敵布陣の脆い箇所を【情報収集、偵察、戦闘知識】で見極める
元来に隠密だけで突破は不可能。発見されれば、未練なく強行に切り替え【先制攻撃】で【目潰し】の煙幕榴弾を放つ
「当てにしてるわよ、三馬鹿!」
錬金科がアホみたいに強化した機構靴の三倍(開発者談)の機動力を活かしたい
小技だが跳躍の【フェイント】から、ダミーバルーンを【メカニック】で上方に射出。自身は地を這う機動で突破を図る
邪魔する相手は六尺棒で叩き伏せよう
●されど物量は力なり
雷鳴ごとき銃弾が鳴り続ける大渓谷。両側が崖に覆われいるせいで反響音が激しくどこで打ち合ってるのかすらわからない状況だ。
そんな中、一番手薄なところを駆け走る一団がいた。
「敵のキャバリアの破壊はダメか。これすごい面倒なやつじゃない?」
前提条件に辟易するのは露木・鬼燈(竜喰・f01316)だ。
それはそのはず。数だけはやたら多いのだ。これが遠慮なく倒してもいい敵であれば気兼ねなくせん滅する勢いで行くものの、乗っているのがただの一般人ともなれば話が変わる。今までとは勝手の違う戦いに戸惑うも、乗っているのが訓練を受けてもいない素人ならまだ何とかなると自分に言い聞かせて愛機たるアポイタカラで渓谷を飛び出さない高度と、敵機ギリギリの下限高度で高速飛翔する。
派手にぶれ、螺旋を描きながら動き回る露木に急造量産型キャバリア群はロックを外しあらぬほうへ弾丸が飛んでいく。
一方、キャバリアに乗り込まず生身で行こうとするものがいた。
(故郷を思い出す悪辣さ。一騎の英雄を千機で殺す、か)
ワン・イーナ(シンギュラリティ・f30274)は自身のキャバリアでは抜けないと考え、生身で挑み仲間のサポートのために動くことを決意。
たとえ自分が負けたとしても仲間が勝てばそれはワンの勝ちも当然との考えだ。
機体から機体の蔭へ、物陰に隠れながらキャバリア顔負けの速度で彼はかけ続け、そのあとを追従するように才堂・紅葉(お嬢・f08859)の迦楼羅王が駆ける。
「無傷の突破は難しいか。単純なだけに厄介ね」
二人は目立つ露木の陰に隠れながら迷彩と物陰を駆使してかけ続ける。
幸いに、露木が派手に動き回っているので彼らの動きはスムーズだ。
一方、派手に動いている露木は思った以上の苦戦を強いられていた。
「思った、以上にっ数が、多いいいい!!!」
ダークネスウイングと小型ブースターを駆使し、先にいる急造量産型キャバリア群をフォースハンドで保持したマシンガン、そして両手のライフルで迎撃用の弾幕を展開して迎撃するも、それ以上の弾幕が露木を襲う。
ロックオンを外しての面制圧にはさしもの露木もよけきれずところどころに被害を負い始める。
両手のライフルは戦艦級の主砲の威力は一発で戦闘不能に追い込むことができてもそれ以上の数で押されると不利だ。
辛うじてスラスターやダークネスウィングに被弾しないように飛ぶのがやっとでアポイタカラにはいくつものの弾痕が作られている。
苦戦しているのは露木だけではない。
地上で隠れながら進み続けてきたワンと紅葉の二人も隠れきれずに発見され、銃弾の雨にさらされる。
被害が多いのはワンのほうだった。
まずは外部から侵入を試みようとハッキングを仕掛けようとしたが急造された機体にはロクな電子機器は配置されておらず、原始的な装置が数多い。
辛うじてある電子機器はセンサーと自動標準機ぐらいなもので、本当にその場で打つだけの砲台の役割を果たすために急造された機体だった。
電子戦で強いハッキングとは言えども、電子がなければそれは意味をなさない。
辛うじてできたのはセンサーにジャミングを掛けるぐらいだったが、手早くかけ続けても狙われるのは避けられない。
致命傷を避けながら、ワンは機体から機体を盾にするように走りぬく。身体に多くの傷を受けながらもその足は止まることはなかった。
「当てにしてるわよ、三馬鹿!」
紅葉も錬金科がアホみたいに強化した機構靴の三倍(開発者談)の機動力を生かし、さらに煙幕を張りながら突き進む。
されど弾幕は煙幕の中まで容赦なく張られ、紅葉の機体を容赦なく打ち付ける。煙幕のお陰で当たった数は決して多くはないが少なくもない。
ダミーバルーンを放つも、それらはすぐにハチの巣になり迎撃された。
跳躍からのフェイント、地を滑るような動きで翻弄しながら走り回るが、徐々に狭められる弾幕の壁に紅葉もまた苦戦を強いられていた。
「邪っ魔あああぁぁぁ!!!」
気合一閃。六尺棒で道行く邪魔な急造量産型キャバリアを薙ぎ払いながら猛進していく。
少なくない被害を受けながらも、猟兵達は駆け続ける。ここで止まれば、待ち受けるのは国が滅びかねない事象が待つだけだ。
苦戦
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第2章 集団戦
『ナイトゴースト』
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POW : パラライズバレット
命中した【RSキャバリアライフル】の【特殊弾】が【エネルギー伝達阻害装置】に変形し、対象に突き刺さって抜けなくなる。
SPD : ゴーストミラー
【両肩のシールド】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、両肩のシールドから何度でも発動できる。
WIZ : 装甲破砕杭
対象の攻撃を軽減する【電磁装甲モード】に変身しつつ、【手持ち式パイルバンカー】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑11
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●廃都市の襲撃者
無数の急造量産型キャバリアの襲撃を抜けてきた猟兵達はプラントがあるとされる廃墟となってしまった都市へと踏み入れる。
前はここもプラントから生産される食料品を中止に多くの人々で賑わっていたが、今はだれ一人していないただの廃墟と化していた。
警戒しながら進む猟兵達だったが、一瞬の殺気を感じ取ると一斉のその場を飛びのく。
ズガガガガッと今の今までいた場所に弾丸が撃ち込まれていた。
射線のほうを見ればそこには黒い敵影、ナイトゴースト達が銃口を向けており、確かな殺意を彼らから感じた。先ほどの一般人たちとは比べ物にならないほどのはっきりとした殺意が。
直ぐに彼らは身を建物の蔭へと隠し、再び殺意を潜ませる。
周囲を警戒していた猟兵達は気づいた。
すでに自分たちは敵に囲まれているのだと。
この狩場はナイトゴースト達の狩場だ、侵入者を狩るための、猟兵達を狩るための狩場。
どちらが狩る者で、どちらが狩られる者なのか。廃都市の中での見えざる敵との戦いが始まる。
イコル・アダマンティウム
「当たらなくても
……どうってことがある」
後の先でいく
「痛覚抑制、全解除」<操縦>
UC【神機一体】でスピードと反応速度を<限界突破>
敵の攻撃を待って、都市をゆっくり歩いて進む
上昇した反応で敵の殺気か攻撃を察知<見切り>
相手より先に行動、又は避けつつ
上昇したスピードで距離を詰めて反撃
<ダッシュ><ジャンプ><カウンター>
反撃はまず敵機の足を格闘で破壊
殴ったり、蹴ったり
「幽霊に、足はいらない」<暴力><鎧砕き>
潰したら即離脱
次の敵に備える
足を潰して尚、闘うなら次は腕をへし折る
<グラップル><鎧無視攻撃><武器落とし>
渓谷で既に装甲は損傷済
実はずっと痛い……
「ん……闘いらしく、なってきた」<継戦能力>
●狩られるのは哀れな羊か、もしくは亡霊か。
「痛覚抑制、全解除」
廃都市に入り、イコル・アダマンティウム(ノーバレッツ・f30109)はゆっくりとした速度でTactical Armor-001:Last ONEの足を進ませる。
廃都市にはかつての賑わいはなく、聞こえるのはキャバリアの駆動音と足音、そして廃ビルの間を抜ける風のみ。
生命が消え去った都市の中で、【神機一体】により超感覚を研ぎ澄ませたイコルは敵を誘うように歩み続ける。
対するナイトゴースト達に乗るベテラン達もイコルが誘いだというのは理解している。
頭では誘いだとわかっていても今すぐにでも排除しなければならない。それが彼らに与えられた使命。侵入者の削除――オブリビオンマシンにより与えられた仮初の命令だとしてもだ。
「ターゲットロック、排除開始」
廃ビルの間に潜む数機のナイトゴーストの銃口がゆっくりと歩くイコルを捉え、引き金を引いた瞬間にイコルは確かにナイトゴーストの方を見た。
「!?」
引き金が引かれたときには、すでにイコルはその場にはいなかった。代わりに聞こえるのはキャバリア特有の重厚な足音。
あの距離を走り、跳躍し、瞬く間に距離を詰めたのだ。
「幽霊に、足はいらない」
そう告げると同時にナイトゴースト達は足を砕かれ、次は動けないように腕も砕く。四肢を奪われたナイトゴースト達は行動不能となりその場に倒れるのみ。
「ん……闘いらしく、なってきた」
大渓谷で受けた傷の痛みを感じているが、イコルはこの痛みこそが闘いの実感を感じさせてくれる。
そのままイコルは廃都市を歩み続け、亡霊狩りを続けるのだった。
成功
🔵🔵🔴
エメラ・アーヴェスピア
敵の動きが段違いね、でもやる事は変わらないわ
『凍て付かすは我が極寒の巨人』、続投よ
この巨体なら囮にも十分、他の同僚さん達も動きやすくなると良いけれど
そして攻撃方法は…そもそもこの機体、本来は冷気により広範囲を凍結する事による拘束、破壊が得意技よ?
電磁シールドによる攻撃の軽減は凍結に対応しているのかしら?
足を凍らせて動きを止めてから腕を凍結、結局は先程と同じよ
そして隠れていても…私が見つけるわ
巨人のセンサーやドローンで様々な方法を用いて【情報収集】【偵察】【索敵】【失せ物探し】
逃げられるとは思わない事ね…まぁ、私は逃げ隠れするけれど
そもそも私が前線に出る理由がないわ
※アドリブ・絡み歓迎
ロッテ・ブラウ
【WIZ】
『禍津血』に継続搭乗
『霧の悪魔』と『ステルス装甲』の効果で潜伏し
索敵を行います
「へぇ…不意打ち強襲…さすがベテランパイロット動きが段違だね…」
前回みたいに大量には無理なので
「属性攻撃」で、少数の囮の幻影機を作成
目的は…囮と地の利があるとのことだから進行によってブービートラップの確認
敵の攻撃から位置を確認しつつ
右腕の『ナイトメア』を遠距離攻撃モードに切り替え
ステルスで見えない腕を「早業」「暗殺」で高速で伸ばし
攻撃を仕掛けます。また撃破は無理でも…
UC【幻魔の瞳】の発動条件を整え「死を連想させる幻術」に掛け
パイロットたちを無力化
また同士討ちや誤情報を流させ統制を崩して行きます
●都市に潜む暗殺者
エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)が駆る陸戦型高機動魔導蒸気騎乗鎧に銃弾が撃ち込まれ、甲高い金属音が鳴り響き装甲に銃痕が作られる。エメラが視線をそちらに向けるが相手はすでに姿を晦ましている。
「敵の動きが段違いね、でもやる事は変わらないわ」
先ほどから断続的に撃ち込まれる銃弾。決して姿を現そうとせずに直ぐに身を隠すその動きはまさに暗殺者といっても過言ではない。
隠れる場所はいくらでもある。この場所はナイトゴースト達の狩場なのだ。
「へぇ……不意打ち強襲。さすがベテランパイロット動きが段違いだね……」
一方、ロッテ・ブラウ(夢幻・f29078)は禍津血の中でナイトゴースト達の動きをはっきりとみていた。
訓練され、その中でも生き延び続けてきたベテラン達は伊達ではない。
だが、今回に至っては相手が悪かったという他ない。
「魔導蒸気巨人兵、投下準備完了…全てが凍り付く世界にご招待よ。電磁シールドによる攻撃の軽減は凍結に対応しているのかしら?」
自らを囮にある程度引きつけたエメラは氷冷兵器搭載魔導蒸気巨人兵を投下し、周囲一帯を凍らせていく。
その侵攻速度は恐ろしいまでに早く、ナイトゴーストの一体が足を取られたかと思えば足が氷結で覆われ、周囲にいたナイトゴースト達もあっという間に手足が氷で包まれる。電磁装甲は攻撃に対して強いが、このような搦手には無意味であった。
「逃げられるとは思わない事ね…まぁ、私は逃げ隠れするけれど」
次々と潜んでいたナイトゴースト達も凍り付く。エメラはセンサーやドローンを駆使し、氷結兵器により次々と氷の世界へと招待していく。
そんな中、ロッテもまた敵を翻弄していた。
属性を付加した幻影機を数機生み出し、囮として動かしつつ本体は建物の蔭へと潜んでいた。
エメラの氷から逃げてきたナイトゴースト達は新手を排除すべく即座にパイルバンカーを打ち込むが幻影はそれを素通りする。
「!? 通り抜けただと!?」
「残念。見つけたよ」
ガシャンと砕ける装甲の音。ベテランパイロットは思わぬ音と衝撃に前のめりになり、機体の状況を確認すると機体の腹部から腕が飛び出していた。
漆黒の腕はロッテの禍津血から伸びており、まさに悪魔のごときまがまがしい腕をしていた。
ガシャンと崩れ落ちるナイトゴースト。キャバリアといえ、構造は人に近く胴体を支えるフレームが破壊されれば下半身は動けなくなるのだ。
ロッテは瞬くような早業でナイトメアを伸ばし、次々とステルスからの暗殺を仕掛け、時には傷をつけるだけでとどめるが、その傷は致命傷につながりかねない悪夢の傷であった。
「さぁ、夢の世界へ…」
「あっぁ、ああああああああああああぁぁぁぁぁぁ
!!!!」
突如発狂するナイトゴーストのパイロット達。彼らは死を連想する幻想を強制的に見せつけられ、痛みだけははっきりと感じる悪夢を見せつけられていた。
氷結地獄と悪夢の地獄。二つの地獄がこの廃都市に生まれ、多くのナイトゴースト達を戦闘不能へと追い込んでいった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
才堂・紅葉
迦楼羅王の損傷を確認し、機構召還符で荒野装備に換装しつつ【メカニック】で応急手当を施しておく
「まぁ当然だけど、向うさんも手心ってもんがないわね」
逆境過ぎて少し楽しくなってきた
方針
敵の攻勢を凌ぐためUCは防御力重視
情報収集で地形を把握し、戦闘知識で敵の潜伏・強襲を予測、後は野生の勘だ。危険なエリアからは即移動を心がけリスクを削る
当然、他猟兵との連絡も密にし、偵察しつつ索敵に勤めたい
会敵時は無理に反撃せず、機構靴を活かして後退。味方との連携を心がける
窮地の時こそ、焦らず地味に堅実にだ
「頃合かしら」
敵の攻め疲れ、または味方の動きで崩れたら反撃
地形を利用し忍び足で肉薄。高周波シャベルの白兵で敵を削ろう
露木・鬼燈
これはひどい。
装甲がボロボロなのですよ。
まぁ、自己修復機能があるからいいけどね。
でも追加装甲がなかったら危なかったかも。
そんな状態でエースの相手ですか。
これはなかなかキツイな。
それでも平地ではなく都市部なのが救いかな。
忍としてはこちらの方がやりやすい。
機体を建物の影に隠しながら銃撃戦を行うですよ。
<従者召喚ACT2>
戦闘メイドを観測手と攻撃要員として運用するですよ。
観測情報を基にフォースハンドで銃だけを影から出して射撃。
さらにメイドさんによるロケットランチャーでの攻撃。
派手さはないけど堅実にやっていくですよ。
ヤバい時はメイドさんも機体も送還して身一つで一時退避。
下水って便利だよね。
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
……へぇ。
舐めた奴らだねぇ。
生身のアタシ相手なのに、一気に潰さなかったとはさ。
その選択、後悔させてやるよ!
建物の陰に隠れ、息を潜め。
奴らの接近を『おびき寄せ』る。
……その間に座標のセッティングをかけながらね。
タイミングを『見切り』、【心機一体】を発動!
"Overed"を呼び出し即座に搭乗する!
近寄っていた一機をクローによる『グラップル』で組みつき無力化し、
そのままそいつを……『敵を盾にする』。
同士討ちをためらわせつつ、こっちからはブラスターの『乱れ撃ち』だ!
どうしたい、素人に毛が生えたアタシの『操縦』に
ついて来られないなんてなぁ!
そうさ、狩られるのは……テメェらさ!
●狩るのは■■で、狩られるのは■■
狙いを研ぎ澄まされた銃弾を廃ビルに身を隠し、才堂・紅葉(お嬢・f08859)は機体の様子を見ながら深く息を吐く。緊張のせいで息を吐けず、こうして身を隠してやっと一息吐くことができた。
「まぁ当然だけど、向うさんも手心ってもんがないわね」
先ほどの急造量産型キャバリアとの闘いのせいで彼女のキャバリアである迦楼羅王には手ひどい損傷を受けてしまった。廃都市に入る前にメンテナンスで修理したものの、ナイトゴースト達の執拗な強襲や不意打ちのせいで再び機体に損傷を受けていく。
むしろ逆境すぎて紅葉は楽しさすら感じていた。
そこへもう一機敵の射線から逃れてきた露木・鬼燈(竜喰・f01316)が滑るように建物の裏へと入り込んでくる。
「これはひどい。装甲がボロボロなのですよ。まぁ、自己修復機能があるからいいけどね。でも追加装甲がなかったら危なかったかも」
露木もまた、アポイタカラに少なくない損傷を受けており、自己修復機能で回復はしているものの、真新しい傷がありありと見える。装甲には深々とエネルギー伝達阻害装置が突き刺さっており、相手を倒さない限りは抜けないようであった。それは紅葉も同様だ。
二人とも防戦一方なのには理由があった。迂闊に飛び出さばすぐに狙い撃ちにされる戦場だ。相手に庭である以上、ここは相手に有利すぎる。
だからこそ、二人は防戦しながらも周囲の索敵、敵の観測情報、不意打ちや強襲の可能性が高い場所などの検討をつけていた。
露木のアポイタカラのそばに一人のメイドが現れ、恭しく頭を下げる。今までの交戦の中で反撃に移れるだけの十分な情報は手に入れた。
露木はメイドから手に入れた観測情報をもとに、こちらを狙い撃つナイトゴーストの一気に向けてフォースハンドで銃だけを影から出し射撃。
弾丸は寸分の狂いなくナイトゴーストのメインカメラを壊し、続けざまに他の方向でも爆発音が鳴り響く。
廃ビルの屋上からロケットランチャーが撃ち込まれ、脚部に直撃。あっという間にに気が行動不能となる。
敵の位置を知らせたのも、ロケットランチャーもすべてがメイドの仕業であった。
【従者召喚ACT2】、露木のユーベルコード。それがメイドの正体であり、ありとあらゆる情報を手に入れる無敵のメイド部隊だ。露木は彼女らに対し、万全の信頼を置いている今、彼女らは無敵だ。
「頃合かしら」
それに続く形で紅葉も動く。戦況バランスが崩れた今が絶好の機会。
「さて……狩りの時間ね」
そう宣言すると廃ビルと廃ビルの間を文字通り飛ぶように跳躍する。アンカー付き機構靴により機動力、跳躍力を強化した迦楼羅王は爆発の砂塵に紛れながら音もなく一気にナイトゴースト達へ肉薄。高周波シャベルを震えばまるで砂地を掘るようにざっくりと装甲がえぐれ、手や足が転がり落ちる。
一気に形成が逆転。不利を悟った残りのナイトゴースト達は仲間たちを見捨てて一目散に引き、露木と紅葉がそれを追う。
すると、彼らの前に生身で歩く人がいた。
ナイトゴーストは彼女の存在を異常と認識。この戦場において生身で歩く人は存在しない。難民や野盗の類でさえも近づかない危険地帯だ。確実に、ただの人ではないと判断し、排除すべく動き出すがその判断は遅かった。
数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)はにやりと好戦的な笑みを浮かべながら近づきつつあるナイトゴースト達の対し真正面から言い放つ。
「生身のアタシ相手なのに、一気に潰さなかったとはさ。その選択、後悔させてやるよ!絶対座標チェック、空間クリア。サイキックロード接続―――来やがれ、オーヴァード!」
指を鳴らすと同時にOveredがその場に降り立ち、飛び乗ると近づいていたナイトゴーストへ向けてクローで組み付き、そのまま盾にするように突き出す。
仲間を盾に取られたナイトゴースト達だが、彼らの判断は迷わない。
すぐさま――仲間ごと排除すべくキャバリアライフルの銃口を邪魔な数宮へ向けると、突如盾にしていたナイトゴーストを貫くようにブラスターが放たれ、威力は軽減されていたものの手や足、胴体など至る所に傷を負う。無論、至近距離から撃たれたナイトゴーストは大破し行動不能へと陥った。
前方のOvered、後方の迦楼羅王とアポイタカラ――とメイド。
絶体絶命の危機に追い詰められたナイトゴースト達に打てる手は――ない。
狩るのは猟兵で、狩られたのは亡霊であった。
成功
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第3章 ボス戦
『ブレイジング・バジリスク』
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POW : ブレイジング・シュート
【ライフルの集中射撃】が命中した箇所を破壊する。敵が体勢を崩していれば、より致命的な箇所に命中する。
SPD : バジリスク・ランページ
【右腕のライフル】を巨大化し、自身からレベルm半径内の敵全員を攻撃する。敵味方の区別をしないなら3回攻撃できる。
WIZ : エンジンキラー
自身の【オブリビオンマシン】から【漆黒のオーラ】を放出し、戦場内全ての【エンジン】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
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●プラントを守りし絶望
ナイトゴースト達を退けた猟兵達は廃都市を抜け、中央地帯にあるプラントへと足を踏み入れる。そこはいまだ生きたプラントで、今は生産を停止されているもの起動させれば直ぐにでも生産を始めるだろう――そこを守る赤いオブリビオンマシンがいなければ。
『ターゲット、猟兵。削除対象――最優先』
ブレイジング・バジリスクは銃口を猟兵達に向けるや否や、躊躇も迷いもなく引き金を引くと弾丸は地面を砕き大きなクレーターを作る。
続けざまにブレイジング・バジリスクは濃厚すぎる殺意とともに素早く動いた猟兵へと寸分の狂いなくライフルの標準を合わせる。
『猟兵、削除開始』
再び放たれる銃弾。辛うじて避けたものの、その腕前は先ほどのベテランとは比べるのもおこがましいレベルだ。
すでに搭乗者の意思はないのだろう。声すら届かないのかもしれない。
削除という名の殺戮を始めるオブリビオンマシン、ブレイジング・バジリスクから未来という名の食糧生産プラントを奪い返す闘いの幕が切って落とされた。
イコル・アダマンティウム
射撃の精度、範囲を確認
「これ以上、避けれない」
避けるのは厳しそう、受けたら壊れる
余波をプラントに当てたくもない
味方が攻撃できるチャンスもいる
「僕が行く」
だから、真正面から挑む
<ダッシュ>で距離を詰めて<推力移動>
敵機の射撃はアッパー、裏拳、廻し蹴りで弾く<見切り>
右腕、左腕、右足で犠牲にしていけば
"3回"は弾ける<武器受け><吹き飛ばし>
「今」
片足になって走れなくなった瞬間
『RS-Bイジェクトモジュール』を起動
僕を敵機の右腕に向けて射出
<操縦><ジャンプ><継戦能力><限界突破>
「これで、終わり」
UC【神撃必殺】
僕の拳で、ライフルを破壊する
<暴力><肉体改造><武器落とし>
アドリブ・連携大歓迎
露木・鬼燈
エースの相手は辛いんだよなー。
まぁ、一人で倒す必要はないんだけどね。
個人の力量ではかなわない。
それでも仲間と力を合わせれば!
とゆーことで、無理に倒そうとはしないのです。
機動重視で周りをぐるぐるしながら弾丸をプレゼント。
機体特性を生かして空中を使った三次元機動で戦う。
倒すには技量と火力が足りないけど削ることはできる。
<超過駆動>で能力を引き上げれば技量差を埋めるですよ。
更に敵の機動力を殺すことができれば勝利へ近づくっぽい。
ブースターとかそのあたりを破壊したいね。
敵のライフルが当たりそうなときはサイレントヴォイス。
射撃は態勢を崩せば早々当たりはしないからね。
直接的な攻撃以外にも使い方はあるのです。
●赤の死神
『猟兵は、削除する!』
ガォンっ!
ガォンッ!!
断続的になり続ける大きくそして『重い』銃撃音。
その後に生まれるのは巨大なクレーターと建造物の瓦礫のみ。
破壊の嵐を生み出すのはこの地を守る赤い絶望『ブレイジング・バジリスク』だ。
その右手のライフルは巨大化しており、まるで大砲か戦艦の主砲かと見間違うほどだ。大きくなった分、破壊力も増している。
見敵必殺。必ず殺すと確固たる意志を持ってブレイジング・バジリスクは本気で猟兵達を消すために動いていた。
当然、猟兵達もタダでやられるわけがない。
度重なる精密射撃にイコル・アダマンティウム(ノーバレッツ・f30109)は冷や汗をかきながらも懸命によけ続けてきたが、それにも限度がある。
「これ以上、避けれない」
避け続けるのは限度があり、当たれば一撃で戦闘不能に追い込まれかねない、そしてこのまま避けるだけでいてはジリ戦で攻撃する機会が必然。
イコルは冷静に、次に自分が取るべき最適解を見出す。たとえそれが自分の身を危険にさらすとしてもだ。
「だから、僕が行く」」
「僕もいくですよ。一人より二人です」
並び立ったのは露木・鬼燈(竜喰・f01316)のアポイタカラだ。
それに対しイコルはうなづく。一人より二人の方が効率的と判断したからだ。
真正面からイコルはブレイジング・バジリスクへと挑み、露木は機動力を生かして回りながら打ち続けていく。
無策で無鉄砲。自殺願望があるのかと思われるが、イコルには勝算があった。
限界を超えた速度で走るT.A.:L.ONE。脚部がミシミシと悲鳴を上げながら、全力で疾走。推進機の後押しもあり加速度的に距離が詰まる。そんな無茶な使い方をすれば足のフレームが歪み壊れてもおかしくはないのだが、むしろ壊れても良いとイコルは無茶な使い方を続ける。
詰る距離、そして冷静に冷酷に向けられる巨大なライフルの銃口。
ガォンっ
無慈悲な銃声が鳴り響き、巨大な弾丸はイコルのT.A.:L.ONEへと向かい――その右手が弾丸を破壊した。
振り上げられた拳は寸分の狂いなく弾丸を穿ったのだ。
代償はその右手。得たものは距離。生まれたのは攻撃の機会。
ガガガガッ!!
断続的に聞こえる銃撃音。露木は三次元の軌道を描きながら絶え間なく打ち続ける。装甲に銃痕が生まれ、少なくない傷がブレイジング・バジリスクに刻まれる。
挟まれる形で攻撃を受けるブレイジング・バジリスクだったが、判断は迅速だった。
そんな事態でも冷静にブレイジング・バジリスクは再度イコルへと弾丸を放つ。小さくもダメージを重ねてくる露木と何か策があると思わせるイコル。それらを天秤にかけてブレイジング・バジリスクはイコルへと目標を絞った。
次は頭へ狙いを定め――体をひねり裏拳が弾丸を弾き飛ばす。
再度壊れる拳と、詰る距離。そして再度重ねるように機体を穿つ露木の弾丸が削る。火力が圧倒的に足りないが、削ることは可能だ。そしてそれはブレイジング・バジリスクへと小さくとも確かな傷と思考の逡巡を積み重ねていく。
あと一歩。
どれだけ詰められても焦ることないブレイジング・バジリスクは三度目の引き金を引く。
ガォンっ!!
距離が詰まれば、その分弾着が速くなる。これまでよりも早い弾速は胴体へ向けて放たれた。
もはや両腕は使えない。成すすべもなく――否、まだ弾がイコルにはあった。
右足による回し蹴りで弾丸を蹴り落とす。
当然のごとく、壊れる足。もはや距離を詰めることはできない――T.A.:L.ONEでは。
「今」
最後の弾丸は、イコル自身。RS-Bイジェクトモジュールで自らをブレイジング・バジリスクへと射出する。
まさかの生身での特攻。さしものブレイジング・バジリスクとは言えどもキャバリアから生身へと銃口を向けるには数秒のラグが発生する。
さらに、今まで重ね続けた露木の存在が余計にそのラグを広げた。動けないT.A.:L.ONEと、今だ目障りに動き続けるアポイタカラ。どちらを優先すべきか逡巡するのは当然のことだ。
それゆえに、数秒のラグが生まれた。アポイタカラから、イコルへと向けるほんの数秒。
その数秒でよかった。
イコルはブレイジング・バジリスクの右手のライフルへと飛ぶ。限界を超えた駆動に体が軋み、悲鳴を上げるが無視だ。
「これで」
振り上げあれた拳。その拳は積み上げられた悲劇と苦難を糧とし、絶望を晴らす拳。
「終わり」
ズガァンッ!!
人の身で起こしたとは思えないほどの破砕音。
見れば、巨大なライフルはバラバラに砕け散っていた。
自分の役目はここまで。あとは仲間に任せると願いを込めて落ちていくイコル。
代償はT.A.:L.ONE。得たものは――希望への道。
「滑り込みセーフっぽい!」
咄嗟に滑り込むように露木がイコルを回収し、その場から一度引く。
武器を壊されてはさすがにブレイジング・バジリスクもそのまま追うのはできない。それに重なる攻撃はスラスター部分に小さくない負傷を与えていた。
牙を捥がれ、翼に傷をつけられた赤い魔獣は冷静に追うのを止めた。
未来への布石となる弾丸は確かに通ったのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPDの方がクリアしやすいと判断したら、そちらを使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使う形です。
主に銃撃UCやヴァリアブル~を使う雰囲気です。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
他人の事は気にしない素振りを見せますが、基本、不器用なので、どう接したらいいのかわからない感じです。
ですが、合せるところは合せたり、守ってあげたりしています。
特に女性は家族の事もあり、守ってあげたい意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。
才堂・紅葉
「余力は厳しいか……大分削られたわね」
応急処置の個所が悲鳴を上げている
長丁場はきついだろう
「お腹を空かしてる子達もいるし。ここは速攻一択よね」
「コード・ハイペリア」
真の姿の【封印を解く】事で出力を跳ね上げる
迦楼羅王の各部装甲がスライドし、鳳凰めいた赤金の焔を纏う姿に変る
方針
増大した出力を制御し、緩急織り交ぜた立体機動でライフルの照準に対し回避行動
【野生の勘】で射撃の隙間を【見切り】、【気合】で間合いを詰めたい
反撃は三節に伸ばした六尺棒。相手に上手く絡めて【捕縛】し、【早業、怪力】で【体勢を崩し】にいく
「絶ッ!!」
UCは隙を見て、打ち下ろしの右掌打を狙う【属性攻撃、重量攻撃、衝撃波、グラップル】
ワン・イーナ
削除削除とうるせーなァ
だが良い腕してやがるッ行くぜワルキューレ
頭一個分上の高度、UC無しの最大<推力移動>、<レーザー射撃>で牽制しつつ接近
タイミングはギリギリ、<情報収集>は足りるか?<瞬間思考力>が頼りだ。正確無比に動くなら、狙いはむしろ見切れるハズ
敵機の攻撃に合わせてオーバーブースト・マキシマイザーで全力後退回避!
「次ッミサイル発射ッパージィ!」
『ラージミサイルポッド発射。切り離し、同時に最大推力で突撃開始』
<誘導弾>と<ジャミング>防ぐか当たればこれで2回
最後は突撃
「悪ィな傷をつける!」
『痛いです』
攻撃を見切って合わせ急降下スライディング回避からの<一斉発射>!
<限界突破>だ、キツイぜ
エメラ・アーヴェスピア
最後はよりによってあの機体なのね
私にとっては天敵なのだけれど…今回は何とかやれそうね
さて、行きましょう
本来私が出向く予定ではなかったのだけれど…いる事で何とか出来るというのは幸いね
相手の攻撃に対して『我を護るは不壊の城壁』、防壁を読んで相手の攻撃を防ぎましょう
反撃の砲撃は…機関が止まると撃てないけれど、呼び出すだして攻撃を防ぐだけなら問題ないわ
それに長時間止められないとは思うし、解除時に砲撃が突き刺さるだけよ
止められている状態でどうしても攻撃する必要があるなら…上空に召喚し、自由落下による叩き付けを当てるとしましょう
人型兵器だけが全てではないわ、それじゃあ撃滅しましょうか
※アドリブ・絡み歓迎
数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】
アタシらを削除、だぁ?
面白れぇ、やってみろってんだ。
そうやってアタシ達が奴を『挑発』し、
戦意を『おびき寄せ』ている限りはプラントが直接の攻撃対象にはならないはず!
ちょっとやそっとの被弾は『覚悟』の上ってなぁ!
ブラスターを構え、奴が撃ち穿ったクレーターに身を隠しながら
『操縦』テクを駆使して逃げ回る。
これも『地形の利用』って奴さ。
致命弾は"英霊"での『盾受け』で凌ぐよ。
そうしてプラントからブレイジングバジリスクを引き離すよう誘導しながら、『マヒ攻撃』を散発的に撃ちこんで動きを鈍らせる。
周囲の被害も考えりゃ、この技が取れる最大の手だ。
そこで【宙送りの穴】に呑まれやがれ!
●消えるのは――
断続的に放たれるライフル、穿たれる装甲、抉れる地面。ブレイジング・バジリスクは大勢の猟兵をたった一人で凌駕していた。
打ち壊されたライフルよりは劣るものの、スクラップになっていたキャバリアからライフルを引きはがし、再び武器を手にブレイジング・バジリスクは猛攻を仕掛けてくる。恐るべきはオブリビオンマシンの性能か、もしくはパイロットの腕前か、両方なのか。
才堂・紅葉(お嬢・f08859)は息を荒げながら冷静にコックピットで迦楼羅王の様子を見る。
「余力は厳しいか……大分削られたわね」
今までの戦闘で応急処置を施した部分から悲鳴が聞こえていた。無茶な動きをすればそこから瓦解してもおかしくないが、今はその無茶をしなければならない状況だ。
『削除、削除する』
ただ一つ言えるのは、ブレイジング・バジリスクを倒さねば消されるのはこちらということだ。
「削除削除とうるせーなァ」
ワン・イーナ(シンギュラリティ・f30274)は悪態をつきながら速度を生かしギリギリで弾丸を避けていく。巨大化したライフルから放たれる弾丸はそれだけでキャバリアを破壊しうるほどの質量を持っている。掠りでもすれば装甲を持っていかれるだろう。
「アタシらを削除、だぁ? 面白れぇ、やってみろってんだ」
ブレイジング・バジリスクから聞こえる断続的な声に明らかに挑発ともとれるように言い放つのは数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)だ。
その挑発に乗ったのか、数宮へ向けて巨大化したライフルを連射する。
一つ一つが圧倒的な質量、それが連続して飛んでくる。当たれば致命傷、大破は免れない。
そこを数宮は今までの戦いで作られたクレーターをうまく使い、加速し飛びながら回避しつつ、致命傷となる弾だけ盾で弾き飛ばす。
軌道を変えてあらぬ方角へ飛ぶ弾丸。思った以上の衝撃に腕は激しくしびれたが、もう片手は無事だ。即座にブラスターの引き金を引くとブレイジング・バジリスクの装甲を焼く。だが、それだけではまだまだ足りない。
そこへ飛び込むのは紅葉とワンの二人だ。
「お腹を空かしてる子達もいるし。ここは速攻一択よね」
「行くぜワルキューレっ!!」
両機ともに機体の損傷は大きい。だが、二人は飛べるだけの余力を残していた。
「コード・ハイペリア」
紅葉の迦楼羅王の各部装甲がスライドし、鳳凰めいた赤金の焔を纏う姿へと成る。真の姿の封印が解かれ、出力を跳ね上げたのだ。
緩急を織り交ぜろ、止まるな、勘を働かせろ、決して見逃さず見切れ、気合で間合いを詰めろ――。
ワンは最大加速で一気に肉薄しつつもレーザーを速射していく。
情報をかき集めろ、些細な情報も見逃すな。
頭を回せ、考えを止めるな。正確無比な動きを見逃すな――それがブレイジング・バジリスクの隙となりうる。
飛び込んできた二人に対し、ブレイジング・バジリスクは冷静に迅速に判断――ワンの方が早かった。
「オーバーブーストォォォ!!」
オーバーブースト・マキシマイザーで全力で後ろへ下がりながら、続けて手を打つ。ブレイジング・バジリスクはワンと紅葉両方へ向けて速射で引き金を引くが、弾丸はギリギリでワンのクロムキャバリア【エインヘリャル】の装甲を掠る。一枚装甲版を持っていかれたが、動けるのであれば問題はない。
紅葉は深く速く内側へ飛び込み、寸でのところでよけながら間合いへと飛び込む。
その手には三節に伸ばした六尺棒。身体をひねり、機体が悲鳴を上げるが六尺棒は蛇のようにブレイジング・バジリスクへと絡みつき、素早く引けばその赤い機体を地面へと引きずり倒す。
「今よっ」
「次ッミサイル発射ッパージィ!」
『ラージミサイルポッド発射。切り離し、同時に最大推力で突撃開始』
引きずり倒された以上、ブレイジング・バジリスクは咄嗟に動くことができずにミサイルの全弾をその身で受ける。
轟く爆音、立ち込める粉塵。そこへ向けて、同時に迦楼羅王とエインヘリャルが粉塵の中へと突入する。
――まだブレイジング・バジリスクは生きている。この程度で終わるはずがないと理解していたから。
現に粉塵の中では素早くブレイジング・バジリスクが起き上がり、ライフルを猟兵へと向けていた。
そこへ繰り出されるは――
「絶ッ!!」
「悪ィな傷をつける!」
『痛いです』
左右からの同時攻撃。
迦楼羅王の機体の重量と属性を乗せ、積もりに積もった力を一点に集中。恐るべき破壊を込めた打ち下ろしの右掌打がブレイジング・バジリスクの装甲を穿ち――。
急降下スライディング回避からの<一斉発射>。至近距離から撃たれた弾幕は激しくブレイジング・バジリスクに損傷を与え、プラントから離れるように弾き飛ばす。
粉塵の中から吹き飛ばされたブレイジング・バジリスクは装甲がはげ、内部機構がショートを起こしていた。されど――戦意と殺意は微塵も衰えていない。
ここで決めると追い込みをかけようとした瞬間、ぶわりと漆黒のオーラがブレイジング・バジリスクからあふれ出す。
それはキャバリアのエンジンを止める致命的な煙。命を対価にこの場のすべての機体を止め、その間にすべてを仕留めるつもりで放ったのだ。
だが、それも読んでいたものがただ一人だけいた。
「本来私が出向く予定ではなかったのだけれど…いる事で何とか出来るというのは幸いね」
エメラ・アーヴェスピア(歩く魔導蒸気兵器庫・f03904)は攻撃の合間もこの技を警戒していた。この技だけは、自分が止めなくてはならないと思っていた。
使わずに倒せれば上出来だが、もし使われたら―――その時が来たのだ。
「我を護るは不壊の城壁……人型兵器だけが全てではないわ、それじゃあ撃滅しましょうか」
彼女が駆るのはキャバリアではない。異世界の兵器、魔道蒸気により動く陸戦型高機動魔導蒸気騎乗鎧だ。
魔導蒸気防壁は黒いオーラですら防ぎきる。
身を挺した鉄壁の防壁は仲間を、未来を守る偉大なる壁だ。
たとえそれで陸戦型高機動魔導蒸気騎乗鎧のエンジンが止まろうとも、決して仲間の歩みを止めさせない。
そんな中、援軍としてやってきたアス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)のフォースセイバーが煌めく。
「隙を見せるとは……そこだ!」
一閃――肉体を切らず、邪念のみを切るその刃はブレイジング・バジリスクに潜むオブリビオンを捉えた。
生身であれば問題ない。それも、切るのはオブリビオンそのものだ。
『削除っ、削除、削除!!』
苦痛の声のように、機械的な音声でただひたすら削除と繰り返すブレイジング・バジリスク。
黒いオーラを止め、弾丸を打ち続けるがすべてはエメラの防壁に防がれ、反撃の砲撃がブレイジング・バジリスクの足を止める。
『削除オオオオオオオオォォォオォ!!』
その声を断ち切るように、数宮が瓦礫を踏み台にし大きくブレイジング・バジリスクへと飛んだ。
「こいつでっ、終わりだ!! 虚空に飲み込まれとけ!!」
ブレイジング・バジリスクを取り囲むように結界が展開される。その中では短時間ながらも次元崩壊の嵐が巻き起こり、周囲のが瓦礫ごとブレイジング・バジリスクを粉砕していく。
『削除、削除っ……削……除……さく……じ……』
次元崩壊はブレイジング・バジリスクを粉々に粉砕し、巨大なクレーターを生む。クレーターの中には囚われていたであろうパイロットがコックピットブロックの残骸の中から姿を覗かせる。
プラント近くで使えば確実に巻き込んだだろうが、ワンや紅葉、エメラやアスといった皆の協力のお陰で大きく距離を離すことができた。
その前にも、スラスターが不調を起こしていたのも大きな要因の一つだろう。
どれか一つでも欠けていれば、消されていたのは自分たちなのかもしれない。
機体が無事なのは誰一人としていない。全員が満身創痍だったのだ。
だが、それでも得ることができた。未来へつなぐ、プラントを――
その名は『The future of freedom』――。
成功
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