【旅団】紅葉と温泉にもふ?
【これは旅団シナリオです。旅団「Ⅷ世界の塔」の団員及び友好旅団員だけが採用される、EXPとWPが貰えない超ショートシナリオです】
●秋といえば?
季節は廻り、もう一年経ったと思えばオブリビオンの戦いで広がる世界の予知で大忙しだ。
忙しいからこそ、団員が友好の旅団の友人を呼んでゆっくりしたいと考えている。
「やはり、秋といえば月見でしょうか?」
ススキが揺れる風景が映し出されると旅団の主であるクラト・ディールア(黎明の黒龍・f00868)は、金色の爬虫類を思わせる瞳を細めながら呟いた。
夜になって月が顔を出せば美しいだろう、と思いながらも肌寒そうだとも思った。
「やはり、一人一もふを用意すれば問題ないでしょうが……スパも良さそうですよね」
うんうん、と頷きながらクラトは何をしようかと思いを馳せていると、青銀の狼姿で神山・楼炎(蒼銀の堕人狼・f01748)が尻尾を揺らしながらやってきた。
「なんだ、風呂か? 風呂か?」
「スパという男女共同温泉みたいなのですが、もしかしてそのままで入るのですか?」
うっすらと青み掛かった銀の毛並みを持つ狼の楼炎に視線を向け、クラトは首を小さく傾げながら柔らかい毛並みに手を埋めた。
「まぁ、温泉ならば私の魔法で任せてくださいよ~♪」
白い一対の翼を羽ばたかせながらダミア・アレフェド(蒼海の人魚・f01502)は、ルビーの様に赤く大きな瞳を輝かせながら水の精霊を呼び出す。
「これで風呂の問題は解決ですが、私の出身地で作られているお酒やジュースも用意いたしましょう」
ふと、クラトはテーブルに視線を落とすと、青々としていた葉の先が黄色に変わっているの見て増々実感していく。
温泉で月見をしながら楽しむ、そんなひと時が楽しみで思わず笑みを溢した。
龍真 神
永遠の新人MSの龍真 神(タツマ シン)です。
よろしくお願いします。
秋なので、秋らしい旅団シナリオを出してみました。
紅葉です!
温泉です!
もふもふです!
未成年の方はお酒は禁止の代わりに、葡萄ジュースとかソーダなどで代用してください。
プレイングNPCを指定して絡みの旨を記載すれば、一緒にシナリオ内で楽しむリプレイを執筆させていただきます。
それでは、皆さんのプレイングをお待ちしております。
第1章 冒険
『ライブ!ライブ!ライブ!』
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POW : 肉体美、パワフルさを駆使したパフォーマンス!
SPD : 器用さ、テクニカルさを駆使したパフォーマンス!
WIZ : 知的さ、インテリジェンスを駆使したパフォーマンス!
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ルドルフ・エルランゲン
※絡みアドリブ言わずもがな、好きに使って
※愉しく賑やかに始まって、しんみり〆る展開とか割と好き
名月と紅葉を眺めて露天温泉とか気が利いてますね、じっくり楽しみましょう。
と、酒注文して浴場へ。熱燗が届くまでに洗っておこうか。
…なに?、ワンコも洗って欲しいの?、ものぐさなやっちゃな。ロン君も洗おうか?
注文届いたら桶を浮かべて湯船に。
あ゛~って声出ちゃうわ…熱燗も染みるよねぇ。ロイドさん達も呑みます?
未成年勢は元気だね、転ぶと危ないよ~
湯上りは浴衣で屋外ラウンジに。
楼炎さんお一人?、夜風で涼もうと?
ふと紅葉が手中に。摘まみ月光に翳すと悪戯に息を吹きかけられ、再び風に乗り流れ…
枯葉共に番う木枯らしか……
ルルチェリア・グレイブキーパー
※アドリブ歓迎
友好から失礼します
こんにちは楼炎さん
温泉に入りながらお月見なんて素敵ね
私も仲間に入れて欲しいのよ
(水着を着て温泉に入る)
ふう あったかくて気持ちが良いのよ
こんなに景色の良い場所で温泉に入れるなんて
ダミアさんの魔法ってとっても便利ね!
所でクラトさんから『一人一もふ』と聞こえた気がしたのだけど
青銀の狼姿の楼炎さんをもふっても良いと言う事なのかしら?
もしそうなら私ももふりたいわ!
きっとフカフカで気持ちが良いのよ!
●温泉と月
元々8本の塔が円形に建てられ、その中央に庭があったのを団長であるクラト・ディールアが指示を出して見事な露天風呂や、月見がしやすくテーブルが並びそれを囲むようにススキが夜風に揺れる。
「名月と紅葉を眺めて露天温泉とか気が利いてますね、じっくり楽しみましょう。あ、クラトさん良いお酒でお願いします。熱燗で」
「大丈夫ですよ。大吟醸とか本当に素晴らしいのを用意していますから、あとでお持ちしますね」
上機嫌な様子でルドルフ・エルランゲン(黄昏に抗う白梟・f03898)が言うと、クラトは苦笑しながらオーダーをメモしたのを見てルドルフは更衣室へと向かった。
「露天なのに水着は……いや、上からタオル巻いて気分だけ味わおう」
そういえば混浴だった事を思い出したルドルフは、水着の上からタオルを腰に巻くとお風呂に入る前のマナーとして体を洗い始める。
「……なに?」
じー、とルドルフに穴が空く位に見つめる銀の狼の視線に気が付き、こちらも負けじと見返した。
「ワンコも洗って欲しいの?」
「ふんっ」
隣に座ると『私を洗え!』と言わんばかりの態度で答える狼に、ルドルフはやれやれと肩を竦めながら桶に湯を溜める。
「ものぐさなやっちゃな。ロン君も洗おうか?」
お湯を掛けてアザラシの様になった狼もとい神山・楼炎をルドルフが石鹸で洗っていると、ロン・テスタメントがおずおずしながら更衣室から出てきた。
「え、あ。私、一人で、出来ますよ??」
目を丸くするロンは、少し戸惑いながらルドルフの好意に首を小さく振りながら答えた。
「たまにはいいじゃないですか、裸の触れ合いは良いものです」
「で、でも、私は……」
桶に溜めたお湯に手を突っ込みルドルフは、ピュッと器用に両手を組んで水鉄砲の様にお湯を掛ける。
「なにそれ! いいな!」
ポン、とロンの背後からもう一人の人格であるロウが飛び出し、大きな瞳を輝かせながらルドルフの手元を見て金色の尻尾を振った。
「これはですね――」
ルドルフは丁寧にロンとロウに教えていると、水着姿のルルチェリア・グレイブキーパー(墓守のルル・f09202)が更衣室から出てきて目を丸くした。
「こんにちは楼炎さん」
「いらっしゃい」
濡れてアザラシ状態の楼炎に挨拶するルルチェリアは、もふっとした毛皮がペッタリとしてしまい内心ショックを受けつつもルドルフ達に視線を向ける。
「温泉に入りながらお月見なんて素敵ね。私も仲間に入れて欲しいのよ」
「良いですよ。そうだ、ルルチェリアさんも飲み物頼んで温泉に入りながら月見しましょう」
洗いかけの楼炎をわしゃわしゃと泡まみれにしながらのルルチェリアが言うと、ルドルフはポンと手を叩くと笑顔で提案する。
「いいわね! ちょうど身体が冷えてきたから入ろうよ」
と、ルルチェリアが言って、熱すぎずぬる過ぎない温泉に入る。
「ふう……あったかくて気持ちが良いのよ。こんなに景色の良い場所で温泉に入れるなんて、ダミアさんの魔法ってとっても便利ね!」
ゆっくりと体を温めてくれる温泉にルルチェリアは満足そうに言うと、飲み物を持ってきたダミア・アレフェドが少し照れ臭そうに微笑んだ。
「魔法というより、精霊さんたちがご厚意でしてくれているのですよ~♪」
しゅわしゅわと弾ける音が心地が良いサイダーが入ったコップを渡されたルルチェリアは、輪切りにされたオレンジがコップに添えられており中には黄や赤色の小さく丸いゼリーが入っていた。
「これ、タピオカ?」
「いいえ、飲みやすさを考慮してゼリーですよ!」
炭酸の泡で色とりどりのゼリーが踊るのを見て勿体無い、と思いつつもルドルフがお猪口を差し出す。
「乾杯」
「かんぱーい!」
チン、とコップとお猪口を軽く当てて乾杯するとルドルフは、温泉の水面に映る満月にススキが揺れる光景を眺めながらグイッと飲み干す。
「ロイドさん達も飲みます?」
徳利を差し出しながらルドルフが言うと、ロイド・テスタメントはチラッとヒッツェシュライア・テスタメントの方へ一瞥する。
「頂こう。いいか、ロイド。こういう好意は頂くものだ。それが礼儀ってもんだろう? な?」
「もちろん、無理なら断ってもいいですけどね」
ヒッツェシュライアがお猪口を差し出しながら言うと、ルドルフは小さく頷きながら言った。
「素晴らしい月だ」
「ええ、とても……」
ちびちびと熱燗を口にしながらヒッツェシュライアが言うと、同意するかの様にルドルフは笑顔で答えながらエメラルドの様な緑色の瞳に大きく美しい満月を映した。
●もふっとシリアス
「ふんふんふ~ん♪」
強力なドライヤーだと言われてヒッツェシュライアから渡されたモノでルルチェリアは、目の前のアザラシ楼炎にブラッシングしながら乾かす。
「所でクラトさんから『一人一もふ』と聞こえた気がしたのだけど……」
ドライヤーの電源をオフにしたルルチェリアがふと思い出したかの様に言うと、ブラッシングする手を止めた。
ふかっとしており、石鹸の良い香りが漂うもふもふ狼へと戻った楼炎へと視線を向ける。
「狼姿の楼炎さんをもふっても良いと言う事なのかしら?」
「もちろんです! もふもふは世界を救うと言っても過言ではありません!」
いつの間にかルルチェリアの背後に立っているクラトが胸を張り、自信満々の笑みで力強く力説をする。
「つまり?」
「もふり放題って事です」
ルルチェリアの瞳が妖しく光る、塔の主であるクラトがGOサインを出してしまえば楼炎は抗えない、大人しく受け入れるのだ。
「では、もふらせてもらうのよ!」
吸い込まれるようにルルチェリアは、楼炎のふわふわな毛皮にダイブする。
さらり、としていて上質な羊毛の様な柔らかさ、天国どころか涅槃にまで達しそうだ。
「おや、寝てしまいましたね」
「なら、お前のコレクションの中で眠らせてやれよ」
まさに夢心地のまま夢の世界へ旅立ったルルチェリアを見て、楼炎によりかかったままのルルチェリアをクラトは抱えると人をダメにするシマナガエの大きなぬいぐるみを抱きしめさせ、客人用のベッドへと運んだ。
丸い、丸い月。
夜空にゆっくりと東から西へと動く、星々は遠慮しがちに瞬きながら。
塔に訪れる人々に解放されているテラス、長いベンチに座っている楼炎はルビーの様に赤い瞳に月を映しながらブランケットを膝に掛ける。
「楼炎さんお一人? 夜風で涼もうと?」
浴衣姿のルドルフは、長湯と熱燗を少し飲み過ぎたのだろう。
少し赤くなった頬で何となく楼炎でも察しがつく。
「まぁ、な」
「お隣、よろしいでしょうか?」
じっと、月から緯線を逸らさない楼炎の近くに歩み寄ると、空いている空間を指しながら問う。
「構わない」
「では、失礼します」
「届きそうだな」
ルドルフが座ると、ふと楼炎が手を伸ばして月を掴む動作をした。
「そんなもの、ですよ」
静かにルドルフが答えると、ハラリと彼の手の中に何処からか飛んできた紅葉が一枚。
細い茎を掴み、夜を照らす月に紅葉を翳したが気まぐれな夜風が吹いて、ルドルフの指先から紅葉は夜空へと舞い上がった。
「(枯葉共に番う木枯らしか……)」
紅葉が全て落ちればもう直ぐ冬、ルドルフは少し肌寒さを感じて身震いをするとロイドがそっと肩にブランケットを掛けてくれた。
もう少し、秋という季節を伸ばして欲しい。
そんな無理な事を思いながら、今日という日にしか見れない名月の光を思い出として胸に焼き付けた――
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
亞東・霧亥
【POW】
この塔には、こんな機能もあったのかと薄野に浮かぶ望月を見上げて思う。
夏の浴衣に野太刀を背負った出で立ちは異様だが、首狩武者を喚ぶなら仕方無い。
極上の酒と肴に誘われて、影から躍り出る赤備えの無頼漢。
戦続きで疲れた身体を労いながら、共に語って呑み明かそう。
我らに捕まる羊は誰だ?
見た事のある出で立ちの肩を叩いて振り向くは美丈夫。
羊?否、狼だ。
名はダンテ。見た目は若いが猛者だ、兵だ。
有無を言わさず我らの向かいに座らせる。
役者は揃った宴の始まりだ。
つーか、よく通ったなその姿見。
・・・何でもねぇ、こっちの話だ。
※戦闘狂共のセリフはお任せ。
ダンテが呼べないなら、戦闘経験豊富なNPCを頼む。
●それぞれの記憶
「(この塔には、こんな機能もあったのか……)」
何となく住みついた住人の一人である亞東・霧亥(峻刻・f05789)は、先日と見た目が変わった庭園を見回しながら感嘆した。
しかし、不思議な事でない。
宇宙船をボトルに入れたり、最近の話だとオブビリオンのマシンを操れるというではないか。
酒が飲める、と聞いていたのを思い出すと霧亥は、自身の影から首狩武者を呼び出すと彼は10月の夜で肌寒く感じるのに夏用の浴衣を身に纏っていた。
「我らに捕まる羊は誰だ?」
と、周囲にいる住民を値踏みするかのように首狩武者は、鋭い眼光で周囲を見回した。
「おい」
のらりくらり、と一人でジョッキに注がれたエールを飲み干す男の肩を叩く。
「Hey、不意打ちはよろしくねぇな」
まるで綿を触ったの如く感触がない事に内心驚きながらも、上機嫌にピザを頬張りながら言う男は美丈夫だ。
「つーか、よく通ったなその姿見」
「弱くとも腐っても神だからな」
霧亥が顔を顰めながら言うと、ダンテ、デュアンダルは喉で笑いながら答えた。
「あ~……俺はダンテ、弱い神サマってヤツだ。だが、人や自然が作りし飲み物と食い物は大好きだ」
この塔の住人ではないが、友好関係である組織に身を寄せているので霧亥と首狩武者の様なヤツは見慣れている。
「(羊? 否、狼だ)」
じっ、と見つめている首狩武者は、只者ではないと感じると同じテーブルの向かいにドカッと座り込んだ。
空飛ぶ人魚が酒や肴を持ってくるのを気にせずに。
「役者は揃った宴の始まりだ」
首狩武者は升を配り、樽に入っている酒を柄杓で掬って慣れた手つきで注ぐと焼きたてで熱い焼きイカに噛み付き、ブチッと引き千切ると咀嚼しながら酒で胃に流し込んだ。
「いや、だって……なんでもねぇ」
ダンテを見ていた霧亥は、言いたい言葉を飲み込んで首を振ると酒を口にする。
「人の言葉で“同じ顔のした人物は2,3人いる”とか言っているじゃないか」
「それは、戦でもそうだったのであろうか?」
ダンテがピザ片手に言うと、首狩武者が鋭い視線を向けて低い声で問うた。
「知らん。不死の魔獣やら神サマの時代という頃のヤツしか思い出せねぇな」
「どういう事で、あるか?」
つまらなさそうにダンテが言うと、手にしているピザを一口で頬張ったら首狩武者が知らぬ言葉に戸惑いの声を出す。
夜風にススキが揺れ、少し離れた露天風呂から賑やかな声が庭園に響く。
「そりゃ、世界が違う。お前はニホンの戦をしていた戦士だろう? 俺のいた世界は神もヒーローも存在する、お前の様に普通に、な」
「なんだ、と?」
空になった升を机に叩きつけると、首狩武者は驚きを隠せない様子で呟いた。
「ほれ、霧亥ってヤツも“一人”じゃねぇだろ?」
鼻歌交じりに酒を飲み干し、新たに運ばれてきたエールが入ったジョッキを手にするとダンテは霧亥を一瞥した。
「……確かに」
「そういうワケだから、あまり細かく聞いても何もでねぇぜ?」
干して炙ったイカを齧りなが首狩武者が納得した様子で言うと、ダンテは顔を上げて雲一つない夜空に大きく反対側の太陽の光で庭園を照らす月を見詰める。
「しかし、神という事は強いのではないか? 我らの世界では手の届かぬ存在故に」
「そんな事はないぜ。色恋沙汰に弱ければ、弱点だってある……まぁ、俺の親は強いのは確かだが、子も同じってワケじゃないぜ?」
神という種族と聞いた首狩武者は疑問を口にすると、ダンテは表情を曇らせながら言った。
「あ、あぁ。童の頃に昔話でばーさんが話していた気がする」
升から零れそうな程に入れた酒の表面が夜風で波紋を作り、映し出された金色の丸い月が揺れるのを見詰めながら言う。
「どの世界の神もそうなんだな。俺は人が、人間が好きだからこそ弱くとも強くなろうと思ったさ」
「そこは人と同じなのだな」
山の様にあったピザを食べ終えたダンテは、肌寒い秋の夜にも関わらずクリームやアイスをたっぷりと使いイチゴでトッピングされたパフェをスプーンで口に運ぶ。
「今度は、あのヒッツェシュライアていう野郎とも話せばいい」
「何故故に?」
空になった器にスプーンをカラン、と音を立てながら入れながらダンテが顎でヒッツェシュライアを指すと、首狩武者たちは眉を顰めた。
「“殺し”に関する専門家だ。ああ見えても、片腕で頭は潰せる位の力はあるぜ」
「そうか、機会があればそうするとしよう。しかし、まだ子の刻。付き合え」
席を立とうとしたダンテに首狩武者たちは言うと、まだまだ樽を満たす酒を掬うと升に透明で甘い香りがするソレを注いだ。
「OK、酔わないが折角タダ酒だからな」
肩を竦ませながら言うとダンテは、腰を下ろして升を満たす酒を一気に飲み干した。
霧亥はダンテの武器を手にしたり、他愛もない会話をしつつも首狩武者の戦での話が止まらない。
一夜では足りない程に――
大成功
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