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ファンドルレムルア・アドベンチャー

#グリードオーシャン #宿敵撃破

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#グリードオーシャン
#宿敵撃破


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●コンキスタドールの研究者
 地下迷宮。男がいる場所は、かつてそんな呼ばれ方をしていた。
 島にぽつぽつと開いている穴は、それが年月を経て風化してしまったものだ。
 島は元の世界――アルダワ魔法学園から落ちてから長い時間が経ち、その穴の真実を知る者はいない。
 ただ、底があるかもわからない危険な場所だと子供の時分に注意を受けて、島民達は皆、近づかないのだ。
 だからこそ、男にとっては都合が良かった。地下迷宮の成れの果ては、誰にも邪魔されず好きなだけ自分の研究を続けられる場所となっていた。
「ククク……私の研究も、ようやく日の目を見ることができそうだ……。待っていろ、島民共よ……」
 怪しく蠢くグロテスクな物体を前に、男は高笑いを響かせていた。

 時同じく、島の学園都市。散歩していた島民達が、水路の異変に気付いていた。
「おい、見ろよ。水が黄土色に濁ってるぜ」
「マジか。うわっ、ヤバいんじゃね?」
「早く環境保安局に連絡しようぜ」
 発見者となった三人の島民は汚水が流れていることを報告すべく走っていく。
 だが、島民達は知らない。
 この汚染の元凶が、かの地下迷宮の男の研究であることに。

●暗躍せよ猟兵
「皆さーん! 新しい事件のご報告でーす!」
 ロザリア・ムーンドロップ(薔薇十字と月夜の雫・f00270)はとことこ走りながらグリモアベースに入ってきた。大声で辺りの猟兵達に呼び掛ける。
「『グリードオーシャン』にて、コンキスタドールが潜伏している島についての『悪夢』を見ました。それについて、今からお話ししたいと思います」
 ロザリアは自身が視た『予知』について話し始める。
「事件が起こる島は『ファンドルレムルア島』という島になります。『アルダワ魔法学園』から落ちた島のようで、島の皆さんは『学園都市』と呼ばれている場所で生活しているようです」
 学園都市、と大仰な呼び方をされているが時の流れと共に生活様式が変化しているため、実際のアルダワ魔法学園ほど学園としては機能していない。ただ、昔から一か所に集まっている住宅街を慣例的にそう呼んでいるようだ。
 地下迷宮についても同様で、今は内部構造がよくわからない穴が島に点在しているのみ。親から子へ、その穴は危険だと教えられ、島民達は近づかないのだという。
「で、この学園都市で、水路の一部が汚染されるという事件が発生します。島の皆さんは掃除を始めるのですが、全然綺麗になっていきません。汚染の理由がよくわからないのでずーっと掃除をしているんですが、その汚染、実はコンキスタドールが関わっているんです」
 島民達は知らないうちに、危険と隣り合わせになっている、ということになる。
「ちょっとコンキスタドールの側からもお話をしますね。ファンドルレムルア島に潜伏しているコンキスタドールは『ギメイ』といいます。ギメイはメガリスの力を用いてヘドロからコンキスタドールを生成・制御する研究を行っていました。その研究の過程で流出したヘドロが、学園都市に繋がる水路に混じってしまったようなんです」
 予知によると、その研究はもう完成が間近だという。完成後は学園都市への侵攻を目論んでいるが、学園都市へ入り込む前に叩けば、島民の生活は何一つ変わることなく守られる。
「今回の作戦は、ファンドルレムルア島にてギメイとギメイが従えるコンキスタドール――『汚す者』を倒すことになります。ただ、コンキスタドールの存在を島の皆さんはまだ知らないので、できれば知られないまま、ひっそりとコンキスタドールを倒していただきたいんです」
 島民に知られることなく戦闘を起こし、コンキスタドールを倒す。そんな器用なことができるのかという疑問はあるが、ロザリアはその部分の策も考えていた。
「というわけで、まず皆さんにはこの学園都市に向かってもらいます。学園都市では丁度『環境保安局』というところから職員の方が派遣されて掃除を始めようとしているところですので、清掃ボランティアとして職員の方のお手伝いをしてください」
 清掃ボランティアとして参加する意味。一つは、猟兵が島を訪れていることの理由付けがある。そしてもう一つは。
「職員の方ではどうやっても汚染を処理しきれないので、皆さんがぱぱーっとお掃除しちゃうんです。そうすれば、職員の方は作業が完了したと思って帰っていきますので、その後水路を遡り、ギメイと汚す者を倒せばバッチリです」
 水路の水は地下水源から流れているとされており、それはギメイの拠点からヘドロが混入してしまっていることからもわかる。そして職員も島民であることに変わりはないので、地下が関わる水路の奥深くまでは確認しないそうだ。
 故に、見える部分だけを片付けてしまい、職員たちがいなくなった後に水路の奥の残ったヘドロを辿る、ということが可能となる。
「ちょっとややこしい作戦になりますが、島の人達の生活を守ってあげたいんです。どうかよろしくお願いします!」


沙雪海都
 沙雪海都(さゆきかいと)です。
 たまには違ったシナリオフレームでお届けしてまいります。

●フラグメント詳細
 第1章:日常『清掃ボランティア』
 環境保安局の職員が何名かいますので、声を掛けて清掃を手伝ってください。
 そしてバッチリ片付けたアピールなどするとよいのではないでしょうか。
 水路の水深は30cm程度です。
 ゴミを集めた場合は陸に引き上げれば職員の方が片付けてくれます。

 第2章:集団戦『汚す者』
 水路内での戦闘です。
 猟兵達が清掃ボランティアをしている間にギメイの研究は完成し、『汚す者』を次々に水路内へ進軍させていきます。
 そのため、第1章でどれくらい時間をかけたか、で状況が少し変わります。
 具体的には、第1章で🔴が4個以上になっているとほとんど水路の出口くらいまでやってきてしまって、島民達にコンキスタドールの存在が知られてしまいます。
 水路については奥に行くに従い広くなっており、ある程度跳ねて回っても大丈夫なようになっています。
 ただし暗いので明かりは必要でしょう。

 第3章:ボス戦『ギメイ』
 集団戦を突破した先でのボス戦です。
 まあ水路深部です。
 ギメイが雷を操るため猟兵自身が明かりを持たずとも見えます。
 じゃあ逆にギメイから猟兵はというと、魔力で感知されるので明かりを持たずに行けばバレない、なんてことはない模様。
 別の力でジャミングとかして位置を隠蔽することはできるかもしれませんが。

●MSのキャパシティ
 合わせプレイングはお受けできません。申し訳ないです。
 ゆったりペースで進行予定です。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 日常 『清掃ボランティア』

POW   :    ●『集まったゴミを運ぶ』:力仕事は得意だ。集まったゴミを処分場等に運ぶ。

SPD   :    ●『ゴミを見つけて集める』:細かな作業は得意だ。あちこちからゴミを拾い集める。

WIZ   :    ●『水質や土壌の浄化』:特殊な作業は得意だ。魔法や科学で正常に戻す。

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

二天堂・たま(サポート)
ワタシは流血を伴わない攻撃手段が主だ。
武器:ケットシーの肉球による“負の感情浄化”や、UC:常識を覆すピヨの波動によるスタミナ奪取を多用する。

直接触れないような相手(体が火や毒で覆われている等)の場合はUC:アルダワ流錬金術を応用した攻撃が主力だ。
(火に覆われているなら水、毒液で覆われているなら砂嵐等)

しかし実際には直接的な戦闘以外の方が得意だな。
ボビンケースの糸を使った即席の罠の用意、料理や情報収集や掃除。
UC:親指チックで呼びだした相棒による偵察と、同UCによる居場所交代(テレポート)で潜入・解錠して味方の手引きとかな。

もふもふが必要ならなでても構わんぞ。UCで呼んだ相棒達(ひよこ)もな。



●水路の汚れはすくってポイ
「ワタシも混ぜてもらいたいのだが」
 声に気づき、環境保安局の職員がきょろきょろと見回した。そしてようやく足元に二天堂・たま(神速の料理人・f14723)がいるのを見つけた。
「ボランティアの方ですね、ありがとうございます」
 職員はしゃがみ込み、丁寧に頭を下げる。
「それでは……何か道具が必要ですね」
 たまの身長は40cm弱だ。水路にそのまま入ってしまえば体の大半が水面下に沈んでしまい、清掃活動にはまともに取り掛かれなさそうだ。
「えーっと……」
「心配御無用」
 立ち上がり道具を探そうとしていた職員を制し、たまが懐からシュッと取り出したのはボビンケースだった。様々な種類の糸が収納されたケースの中から、たまはまず毛糸を取り出す。ふわふわな手触りの毛糸は吸水性があり、水路に浮遊する汚泥もよく吸着しそうだった。
 しかしふわふわなだけに、そのまま使うには柔らかすぎた。そこでさらに取り出したのが鋼糸だ。硬い鋼糸を骨格とし、毛糸を巻きつけ編み込んで巨大な網を作った。
 金魚すくいに使うポイのような、平べったい網だ。しっかり持ち手も作ってある。それを汚れた水面にざばっと差し入れ、小さく揺する。
「そろそろだな」
 持ち手の根元の部分を持ち、たまはぐいっと網を引き上げた。網から溢れて滝のように落ちていく水は透明度を増し、役目を終えた網にはべっとりと汚泥がこびりついている。水路の一画はまるで型抜きのようにぽっかりと透明な水面が見えていた。
「おお! これは凄い!!」
「使い捨てなのが玉に瑕だが……キミたちが用意する道具よりよっぽど早いだろう? すまないが、使い終わった網は片付けておいてくれないか」
「わかりました!」
 これではどちらがボランティアなのか、と思うほどのたまの働きぶりに感心しながら、職員はせっせと汚れた網を片付けていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

鳶沢・成美
ほほう、清掃ボランティアですか
それなら元ボランティア同好会としては参加しないわけにはいきませんね

”全力魔法”の【人形行進】でゴミを木製人形に変えて人手を増やしましょう
場所をずらして”2回攻撃”のように使用すれば結構な範囲をカバーできるはず
そうやって人海戦術で一気に泥掃除なんかを終わらせましょう
やる気のあるうちに、パッパッとやってしまうのが、掃除を終わらせるコツですよね

終わったら木製人形たちをゴミの集積所に集めて、
ユーベルコードを解除すれば、とりあえず終了かな

環境保安局の職員さんこれで納得してくれますかね?


リリ・アヌーン
アドリブ歓迎♪

UCで作業用のツナギ姿にキラキラ変身
最高に地味な変身かも

今日は実用性重視で
長靴、ゴム手袋、帽子にスコップ付きよ
環境保安局の職員に声をかけて清掃を手伝うわ

スコップで怪力を活かして水路のドブさらいをしたり
集めたゴミを怪力で引き上げて片付けたり
各役割で手が足りなくて困っている場所はないか
観察して探して回って愛想よくコミュ力と優しさで声かけして手伝って

時折陽気な歌を歌ったり、情報集を兼ねて自然に世間話を
しながら作業することで場を和ませテンションアップよ

終わったらみんなでスッキリ片付いたのを喜んで
差し入れのお茶や手作りのお握りを振る舞うわね

「ウフフ、キレイにしたらやっぱり気持ちいいわね♪」



●水路大清掃
 オブリビオンを討伐することが猟兵の本分と思われがちだが、その過程には時に様々な冒険あり、時に現地民との交流ありと多種多様な展開が待っている。
 今回、グリモア猟兵が提供したのは、清掃ボランティアから始まるコンキスタドール退治。ならば黙ってはいられない人物がここ、ファンドルレムルア島に到着した。
「元ボランティア同好会としては、参加しないわけにはいきませんね」
 鳶沢・成美(探索者の陰陽師・f03142)はグリモア猟兵の話を聞いている時から胸の内にボランティアの炎を燃やしていた。ボランティア経験を生かす絶好のチャンスだった。
 そしてさらにもう一人。
「はいはい到着~♪ 早速だけど、即興で閃いたの、いくわよ~♪」
 リリ・アヌーン(ナイトメア・リリー・f27568)が着せ替え人形のように両手を大きく広げると、キラキラな輝きの中から今回の作戦ピッタリの衣装が下りてきて、凹凸のよく強調された体に重なった。
 噴水のようにキラキラがパッと弾けると、そこには清掃ボランティアらしい作業用ツナギ姿に変身したリリがいた。
 足元はぴっちりとした長靴を。ゴム手袋に、帽子を被り、スコップを地面に突き立てて構えれば立派な作業員だった。
「アハハ、これ過去最高に地味な変身かも」
「いえいえ、よく似合ってますね」
 元ボランティア同好会員の視点から、成美は手放しで褒めていた。
 TPOという言葉がある。時と所と場合に相応しい装いは、たとえツナギであろうと素敵なのだ。
「んじゃ、早速行こー♪ そこの職員さーん! 私達も水路の清掃、手伝いまーす!」
 リリと成美は水路近くにいた職員の一人に声を掛け、状況を聞いた。水路は少し綺麗になってきたものの、まだまだ人手が欲しいとのことで、二人の申し出は快く受け入れられた。
「……で、使う物は――」
「ああ、それはこちらで」
「ちゃんと用意してあるから大丈夫よ」
「そうでしたか。では、宜しくお願いします」
 手助けが不要とわかり、職員は二人に任せて別の持ち場へと移っていった。
 職員の背中を見送り、リリは早速水路へ下りていく。梯子を伝い長靴で水の中に足を踏み入れると、底がぬるりと滑った。
「……っと、これ、この辺は一気に浚っていくほうがきっと早いわね」
「では、そこはお任せしますね。僕はもう少し上流のほうを……新たに流れてくるものを担当しますよ」
 水路に下りたところで成美とリリは二手に分かれた。成美はどんより流れてくる水をかき分け上流へ。
 遡るごとに地上はどんどん上昇していく。水路は若干の勾配がついていたが、住宅地がそれを超える傾斜の上に成り立っているのだ。
 もう見上げなければ地上は見えず、水が流れてくる地の底は洞窟のように深く暗い。
 成美は振り返る。来た水路を戻りつつ清掃を進め、後方にも気を配れば十二分の出来と言えそうだ。
 とにかく人手だ。その「タネ」はそこら中にある。
『さあ、カーニバルの始まり始まり』
 どこかから混ざって流れ着いたゴミが次々に木製人形となり、水路を埋め尽くさんばかりに増殖していく。カコン、カコンと首を左右に傾けながら動く姿は何ともひょうきんだ。
「さ、パッパとやるよ!」
 木製人形の進路が重ならないように場所をずらしながら発破をかけた。何事もやる気があるうちに行動するのが良いのだ。掃除においては手間がかかる分、その場の勢いというものが大切になってくる。
 ゴミを変換していることから、それだけでも十分な清掃になる。その人形達が一斉に泥やら何やらを水路から掻き出していくのだから、清掃が捗らないはずがない。
 成美もその後を追いかけ入念に清掃状態をチェック。取り逃がしがあれば自ら除去し、また新たに流れてくるものも丁寧に掬い取り綺麗な状態を保っていく。
 そうこうするうちに、リリの姿が見えてきた。互いに近づくように動いているので、その働きぶりは成美からもどんどん大きく、よく見えるようになる。
 そこらの男性職員なんか話にならない、とばかりにリリは怪力を生かしスコップを水の中に突き刺していた。じゃっ、と泥を一気に掬い、泥水諸共袋の中へ放り込んだ。
 アルダワ魔法学園の技術の名残が見られる特製の袋だった。異物は通さず、水だけじわじわと染み出し中身の嵩を減らしていくのだ。その袋が次から次へとパンパンに満たされ、水路の外へ運び出される。
 職員であれば数人がかりで分担する作業を、リリは怪力一つで全てやり遂げていた。それでも職員が作業するより早いのだから、周りの職員達は目を見張るばかりだ。
「あ、来た来た。そっちはどうなのー?」
「こっちの作業は順調ですよ。あとはこの人形達を水路から引き上げれば、僕が担当した範囲は概ね終了でしょうか」
「あ、なら引き上げは私がやるよ」
 リリはまたも怪力を生かし、人形をどんどん水から引き上げていく。人形に堰き止められていた水は元の清らかさを取り戻しているように見えた。
「引き上げた後はどうすればいいの?」
「そのまま袋に。元は水路に溜まっていたゴミですから」
 後から水路を出た成美が袋の中の人形に働きかけると、ぐしゃりとゴミに戻って潰れた。
 袋の口をきゅっと縛ってしまえば片付けも完了だ。
「それも処分するなら、一緒に持って行ってあげるわよ」
 今し方持ち上げた袋に加え、リリはさらに近くを通った職員へ声を掛け、同じように膨らんだ袋を一緒に運ぶと持ち掛けた。
「いえ、そんなに大量に持ってもらうわけには……」
「いーのいーの。ね?」
 パチリ、と投げかけられたリリのウインクに負けて、職員は袋をリリへと渡した。すでに相当な重量になるが、それを軽々と運んでいくツナギ姿のリリは男性の目から見ても格好良かった。
 何人もの職員の視線を釘づけにしているのを知ってか知らずか。リリは愛想よく声を掛けていく。
「他に何かなーいー?」
「だ、大丈夫です!」
「そう? じゃあこれで最後ね~♪」
 ふんふふ~ん、と鼻歌も交えて、水路清掃という地味な仕事も陽気な雰囲気に変えていた。


「まさか僕まで頂けるとは」
 成美の手には形のいいおにぎりがあった。
 成美とリリと、それから環境保安局の職員と。その場に居合わせた者達が輪を作り、仕事終わりの休息を楽しんでいた。リリがお茶におにぎりという手作りの差し入れまで持ってきていたのだ。
 職員達にとっては至れり尽くせり、といったところだ。
「ウフフ、キレイにしたらやっぱり気持ちいいわね♪」
「えぇ、あれだけ綺麗になってくれれば、もう万々歳です」
「満足してくれたようでよかったですよ」
 ボランティアの成果がどれほどか気になる成美だったが、職員達の溢れる笑顔を見れば一目瞭然だった。
「でも、環境保安局って、いつもこんな清掃とかをやってるのよね? ほんっと、街を守ってるって感じよねー」
「そう言って頂けると有難いです。ただ……今回のような大規模な汚染はこれまで見られませんでした。一体何が何やら……」
 清掃自体はうまくいったものの、職員達には困惑の色も伺えた。
 原因はコンキスタドールだと猟兵である二人は知っている。そして、彼らを含め島民達はやはり知らないのだ。
 知らないまま終わったほうがいいこともある。水路の汚染も完璧に見えて、やはり一時的なもの――根本を叩かねば終わらない。
 成美とリリはおにぎりをぱくりと食べながら、次なる戦いに向けて気持ちを新たにしていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『汚す者』

POW   :    穢れの一撃
【汚染の泥】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
SPD   :    冒涜する命の進撃
レベル×5体の、小型の戦闘用【死した動植物に感染した同族】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
WIZ   :    汚染の連鎖
【自身が放つ球体の黒光】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を感染して汚し】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●埋め込まれた記号に命はあるのか
 こぽり、こぽりと泥が零れ落ちていく。
 内部で発酵でもしているのか、時折泡立ち、泥が弾けていた。
 ただの泥の塊かと思いきや、そこかしこに眼、鼻、口が、福笑いのように埋め込まれている。
 冒涜的な姿をした「それ」が水路の汚染の原因だ。
 ――原因ではあるが、元凶ではない。
 元凶へと辿り着くために。猟兵達は闇深い水路の奥へと足を踏み入れなければならない。
 幅も高さも十分な住宅街の地下深く。ただ、光は無く、猟兵達は光を持ち込むか、もしくは何か別の手段で敵を感知しなければならなかった。
鳶沢・成美
一応”暗視”できるんですけど、明かりがあった方がいいだろうし
〔つるべ火さん〕に照らしてもらいながら奥に進みましょう

ヘドロの対処は乾かすのがいいんですが、水路の中では……
よし、冷やして固めてしまいましょう

”全力魔法”の【氷雪竜巻】で”範囲攻撃”です
凍れば動きも鈍くなるでしょう(一種の”マヒ攻撃”)
あの顔のパーツのようなものも気になるし”破魔”の力を込めてもう一度(”2回攻撃”)
あんまり関係ないかなあ?

アドリブ・絡み・可 ””内技能



●泥の処理は冷気にお任せ
 成美は水路を進む。傍らには「つるべ火さん」と呼ばれる使い魔がいた。
「一応暗視もできるんですけど……明かりがあったほうがいいだろうし。今回はよろしく頼むね」
 声を掛けると、返事をするかのように火が揺れた。
 使い魔の火は成美の行く先を照らし、そして汚す者の姿を暴いた。水の中に体の一部が浸かっており、千切れた泥が水面に揺られている。
 それは呼吸しているのか、それとも脈動しているのか。汚す者は少しずつ形を変えながら水の流れに合わせて成美へと迫ってくる。
(ヘドロの対処は乾かすのがいいんですが、水路の中では……)
 水を全て蒸発させるわけにはいかないし、仮にこの場の水を全て蒸発させられるだけの熱量を放てたとしても、水路の上に成り立つ街への影響が計り知れない。
「よし、冷やして固めてしまいましょう」
 そう決断した矢先、汚す者がぶくっと膨れる。どろどろと垂れ落ちていた汚染の泥が、内側から押し出されるようにして水路全体に一気に射出された。
 それは無論、成美へと飛んでくるものもあった。
「舞え、氷の竜よ。アイストルネード!」
 拡散してくる汚染の泥を前に、半ば反射的に氷の粒を放っていた。吹雪のように成美の前方へ吹き付け広がっていく冷気がまず汚染の泥を凍らせ、そこへ氷の粒をぶつけて撃ち落としていく。
 氷雪竜巻――成美が放ったそれが竜巻かどうかなど、今は考えている場合ではない。おちゃらけは一旦封印だ。
 進まず退かず、成美と汚す者の戦いは続いていた。撒き散らされる泥に今のままでは足りないと、成美はさらに破魔の力を込めてもう一度。
「アイストルネード!!」
 両手から交差させるように放たれた氷の粒の嵐が水路内を襲った。汚染の泥を撃ち落とすに十二分の量となった氷の粒はやがて汚す者本体を凍らせていく。人間の器官を模した凹凸が無数にある分、氷の粒は冷気に固められた汚す者の奥深くへと侵入し、破魔の力を存分に弾けさせた。
 ぼこ、ぼこっ、と汚す者は不規則に膨れ上がり、そして氷の粒が中から突き破って飛び出したかと思うと、汚す者の体は水気を一気に失って崩れていった。
「なるほど……使えそうだね」
 成美は手ごたえを感じながらまた水路を進んでいく。戦闘中じっと耐えて視界を確保し続けてくれた優秀な使い魔を従えて。

大成功 🔵​🔵​🔵​

コトト・スターチス(サポート)
辻ヒーラーのコトトですっ
皆さんをいやせるようにがんばります!

ぼくはケガしている方やピンチな方(特に一般人)がいれば、すぐさま『いやしのてのひら(少人数)』か『せいなるほのお(多人数)』で回復しながら【救助活動】をします!
辻ヒーラーとしてぜったいに治します!

回復がいらなければ、敵の攻撃を【見切り】つつ【情報収集】していきます
分析してゲットしたデータをいかして、適切なユーベルコードで反撃しますっ
ぼくは基本的に遠くから攻撃することが多いです
でも、いざとなれば殴りヒーラーもできますから、メイスでぽかりと【気絶攻撃】しますねっ!

※ネタ・シリアスどちらもOKですが、迷惑行為や公序良俗に反する行動はしません



●水路にだって辻ヒーラーは出没します!
「辻ヒーラーのコトトですっ! ピンチな方はいませんかーっ!?」
 炎を周囲に浮かべて光源にしながらコトト・スターチス(バーチャルネット辻ヒーラー・f04869)が水路を進んできた。いつものように怪我人あらば即回復の精神でいたが、見つけたのはどろどろでぐちゃぐちゃしている泥の塊のコンキスタドールだった。
 汚す者は表面に浮き出た褐色の瞳をコトトへ向けた。そしてコトトを敵と判断したか、炎の光を呑み込むような黒光を放ってきた。
「わっ!」
 ばしゃり、跳ねた水に黒光が刺さる。間一髪逃れたコトトの姿は水路の壁際にあった。
 黒光は水を汚し、水路壁にまで侵食を見せていた。コトトの後方、壁から床へじわじわと闇の色が伸びていく。
「水路がダメージを受けてます! これは回復です!」
 炎の一つを闇の侵食に飛ばした。水際でぼわっと炎の勢いが増すと闇は浄化され、また元の水路の壁に戻っていた。
「あの光は避けるだけではダメですね……ちゃんと撃ち落として、水路も守ってあげないといけません」
 汚す者の正面、かなり間を空けてコトトは立つ。炎は数を増していき、水路内部はかなり明るくなった。
 汚す者の表面にある瞳がぎょろりと動く。白目も黒目も区別なく、全て泥の瞳は気色が悪かった。
 黒光がまた迸り、コトトの小さな体を射抜かんとする。コトトは水面の上を走ってきた黒いレーザーに向けて炎を連ねて迎え撃った。
「水路は……ぼくが守ります! 辻ヒーラーだって……回復ばかりではないんです!」
 炎が汚す者の黒いレーザーを呑み始めた。徐々に勢いが弱まる黒光を炎で一気に押し込むと、汚す者の体に到達した炎は一気に表面を包み込んで焼いていく。
 煌々と燃える炎の中で、汚す者は水気を失い色が薄くなる。水路は一層明るくなり、炎の中で蠢く汚す者の影が徐々に小さく崩れていく。
 中心、核となる部分まで焼き尽くされたところで汚す者はさらさらと砂のように崩れて、鎮火と共に消滅していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

ジェイクス・ライアー(サポート)
この先へ進みたいのなら
私が力になろう。

●探索等
「お嬢さん。少しお話をお聞かせいただいても?」
その場に相応しい人物を演じることに長ける

●戦闘スタイル
「さあ、仕事を始めよう。」
様々な武器を駆使して戦うスピード暗殺型
紳士的な所作で苛烈な攻撃を行う
さまざまな武器を状況に応じて使い分ける
銃の仕込まれた傘、靴の仕込み刃等
魔法や超能力は使えない

●性格
「紳士たるもの、いかなる時に於いても優雅たるべし」
クールな紳士、女性には慇懃な態度

●NG
フレンドリー、過度の笑顔(微笑み程度ならOK)、キャラの過去や私生活に関わる話、ギャグシナリオ、公序良俗に反する行為

●PLの好み
純戦、スタイリッシュ、怪我、泥臭さ、後味が悪い



●幻灯蝶と舞う暗殺者
 水路に蝶が舞った。蒼光の燐粉を纏う幻灯蝶は水路内部を幻想的に照らしていく。
「なるほど……あれが、水路を塞いでいる……というわけだね?」
 突き刺す視線。ジェイクス・ライアー(驟雨・f00584)は整えた前髪から露わになっている隻眼を汚す者達に向ける。
 足元に流れてくる水は未だ濁りを消せずにいる。放っておけばまた島民達が気づくやもしれず、また汚す者を倒さねば、この島に潜むコンキスタドールには辿り着けない。
「この先へ進まねばならないようだね……ならば、私も力になろう」
 幻灯蝶が浮かび上がらせた道をジェイクスは駆け出した。水をバシャバシャと跳ね上げるのは行儀が悪かろう、と小さく壁に跳び神足で重力に抗い接近していく。
 壁を走るジェイクスに汚す者は細かな無数の泥を飛ばした。
 ――いや、それはただの泥ではない。死した動植物に感染させた同胞だ。小さくとも正しく汚す者の姿をした―目や鼻や口のついた泥の塊がジェイクスに襲い掛かってくる。
「さあ、仕事を始めよう」
 ジェイクスは幻灯蝶と共に宙に踊る。水路はジェイクスも余裕を持って立てるほどの高さはあるが、それでも跳躍すればやや窮屈にも感じる。
 高さは控えめに、ジェイクスは水路の壁と壁を行き来するように跳びながら汚す者へ接近していく。その最中で大群となって襲い掛かってくる彼らの同胞を『Dagger』を手に、ピピピピッ、と素早く斬って落とす。
 壁から対岸の壁へ着地するまでに何度振ったことか。小さき同胞は縦横斜めと全て的確に真っ二つに斬られ落下していく。
「クハハハハ、こうも大量だと斬り甲斐もあるというものだよ!!」
 ジェイクスは笑っていた。斬り飛ばした泥が一筋、頬に張り付いたが、ジェイクスはそれを拭いながらニヤリと不敵な笑みを浮かべる。
 理性を犠牲に、意識を戦闘本能に染めていく。それによりさらに加速したジェイクスがついに汚す者の本体に肉薄した。
 ジェイクスが持つ短剣は全長15センチほど。剣身部分となればさらに短く、巨体で居座る泥の塊である汚す者を相手取るにはやや力不足に思えたが。
 ジェイクスは躊躇わず短剣を汚す者へ突き刺した。わざわざ表面に浮き出した瞳を抉るようにズブリと一突き。腕が泥の中に呑まれるのも厭わず、その核を的確に砕く。
 手ごたえありと判断すれば長居は無用。壁を蹴り、腕を汚す者から抜いて、また幻灯蝶の導きの下、先にいる汚す者へと向かっていく。
 瞳を短剣で抉られた汚す者はぶるぶると体を震わせ、傷口となる穴からボコッと泥を噴き出して小さく干からびていった――が。
 ジェイクスがその光景を見届けることはなかった。鋭い眼光は常に先の敵に向けられていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

睦沢・文音(サポート)
『聴こえますか?私の歌が!』
年齢 14歳 女
外見 147.1cm 黒い瞳 黒髪 色白の肌
特徴 いつも笑顔 柔和な表情 胸が大きい お尻が大きい ネットが好き
口調 清楚(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)

他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません

他の猟兵のサポートに回り、事件の解決にあたります
日常パートならば飲食や歌をうたうことをメインに行動します

他の参加者様との連携リプレイ歓迎です
最大の目的は、事件を解決に導くことです
その為なら、ある程度の怪我や些細な失敗はやむを得ないものとします


櫟・陽里(サポート)
『操縦が上手いは最高の誉め言葉!』

乗り物が活躍できる場と
レースとサーキットが得意分野
相棒バイク以外も乗りこなしてみせる
配達系依頼もお待ちしてまーす

走りこそが俺の武器!
マシン性能・路面や周辺・相手の動きなど幅広い情報収集
それを扱う集中力・傭兵の経験・判断速度
乗り物と操縦者の総合力で戦う

シールド展開バイクで体当たり吹き飛ばし
補修ワイヤーは補助武器
バイクは機動力のある盾にもなる
壊れたらほら、直すついでに新パーツ試せるし!

明るく話しやすい先輩タイプ
補助仕事もドンと来い
乗り物が無い戦場では手数が少ない
普通の拳銃射撃や誘導、挑発など小技を利かせるしかなくテヘペロしてる

過去は過去に還すべき、その辺割と無慈悲



●歌声のウォールライド
 その姿を冒涜的、と言う者もいるだろう。
 人の目を、鼻を、口を泥の中に埋め込んで作られた生命体。
 それが汚す者だった。
 悲しすぎる存在だ。本人がその姿を望んだかどうか――それは神すらも知らぬことだが、世界の理に反した存在は、きっと眠らせたほうがいい。
『あなたが居たことを、その存在を、私がきっと覚えておきますから。……だから、もう、お休みなさい』
 睦沢・文音(フォーチュンシュネルギア・f16631)は瞳を閉じ、音を奏で、歌を紡ぐ。水路の壁を反響する歌声は、耳が浮かび上がっていない汚す者にも確かに届いていた。
 死した動植物に感染させて作り出した小型の同胞。その動きが明らかに鈍っていた。文音の歌声を揺り篭に、ゆらゆらと宙を揺れるように飛行している。
「今です! お願いします!」
「おうよ!! 汚す者だかなんだか知らねぇけど、火花散るレース、楽しもうぜ!」
 ギャギャン! 相棒「ライ」を壁に走らせたのは櫟・陽里(スターライダー ヒカリ・f05640)だった。タイヤを水路の壁にうまく噛ませてルートを取り、頑丈な車体で壁を削って火花を散らした。
 それは光源になると共に、汚す者の小型の同胞を焼き払う炎にもなった。ふらふらと跳んでいただけの同胞は火花に焼かれると、まるで線香花火が燃え尽きるかのようにひゅるひゅると水の中に落ちていった。
 文音も急いで後を追う。陽里が散らす火花が頼りだ。水をぱしゃぱしゃ跳ねさせながら汚す者の本体へ近づいていく。
「……来ます!」
 汚す者が動き出すのが見えた文音はまた歌声で汚す者の戦意を削いでいく。もぞもぞと蠢きだしていた汚す者の表面の動きが緩慢になってきた。
 その状態から放たれた汚染の泥はやはり弱体化していた。放物線を描くような緩い投擲は、陽里のドライビングテクニックにかかれば何てことはない。
 バイクの車体にぐっと力を加え、壁から跳んだ。テールを振り、打ち返すように泥へタイヤをぶつけると、激しい摩擦により泥が燃え上がって飛び散った。
 火の粉のいくつかが汚す者本体へ降りかかり、瞬く間に炎上していく。一度着火してしまえば、それはもう陽里の操るところ。気が済むまで焼き尽くして消滅させた。
「このまま一気にゴールまで突っ走る! 遅れんじゃねぇぜ?」
「……はいっ!」
 文音はバイクの火花で敵を蹴散らして進む陽里を追う。その中でも歌声は欠かさず援護する。
 汚す者は焼かれ、水の中に沈み消滅する。そしてようやく、水路が泥から解放された。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『ギメイ』

POW   :    デイム・ブランシュ
【戦闘モード】に変形し、自身の【蓄積した魔力】を代償に、自身の【物理・魔法攻撃】を強化する。
SPD   :    アヴェク・トワ
【装飾具】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、装飾具から何度でも発動できる。
WIZ   :    クー・ドゥ・フードル
【武器】を向けた対象に、【落雷】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はシエン・イロハです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●ギメイ現る
 暗い水路内に紫電が弾けていた。
「私の傑作を潰す者がいる……と?」
 放った汚す者の気配が消えていくのを、ギメイは感じていた。不可解に感じていたが、水音と共にやってくる存在に気づくと、合点がいったようなニヤリと口角を上げた。
「猟兵……如何にして私の計画を察知したかは知らないが……私の道を阻もうと言うのなら、跡形もなく消し去ってやろう」
 紫電は水路を走り抜け、水面を紫色に染めていた。
鳶沢・成美
さあて、黒幕の登場ですか
廃棄物の処理がいいかげんだから、こうやって察知されてしまうんですよ

”先制攻撃”の”早業”で【火雷神道真】を”誘導弾”の様に敵を”追跡”させて攻撃
電撃の”マヒ攻撃”で”武器落とし”を狙う

敵の落雷は一応”電撃耐性”あるので多少は耐えられるでしょう
”カウンター”で〔嵐と慈雨の神の加護を持つもの〕を投げて
そっちに当たるようにする手もありますね
まあ、そこまで上手くいくかは、わかりませんが……



●雷走る
 水面下から溢れてくる紫光に成美の姿が浮かぶ。
「さあて、黒幕の登場ですか。廃棄物の処理がいいかげんだから、こうやって察知されてしまうんですよ」
「なるほど……だが研究はすでに完成した。お前達を葬った後で新たに作るなど造作もない……」
 ギメイは笑みを崩さない。ひゅん、と鞭がしなる――成美はその一瞬を見逃さなかった。
 力の向きを腕で示す。小石状の雷が周囲に現れ流星のように水路内を飛んでいく。
 そこへ合わせたようにギメイの鞭の先端が飛んだ。纏う電撃を鞭に乗せて放ち、成美の雷の礫との激しい撃ち合いとなる。
 衝突する度に激しい閃光が水路内を一気に明るく照らしていた。ギメイの雷も操作精度が高く、成美の雷の礫をなかなか近づけさせない。
「道真さん……よろしく頼みますよ……!」
 成美が語り掛けるのは雷の源たる怨霊。すると、まるで背後からスポットライトが照射されたかのように成美は輝く雷に照らされた。
 力の拮抗は物量によって破られた。成美の背後から何百と走り抜ける雷光はやがて紫電の網を潜り抜けギメイへと襲い掛かった。
「ここまで来るかっ……!」
 ギメイは鞭を使い、直接礫を落としにかかったが、ギメイを追跡する礫は絶妙なタイミングで鞭の軌道を回避してギメイの胴に突き刺さった。纏う紫電を散らし、雷がギメイを焼いていく。
「ぐぅっ……!」
 焼かれた箇所を掻きむしるように左手で押さえて苦しむギメイ。さらに雷は鞭を持つ右手に命中し、その手から鞭を弾き飛ばした。回転する鞭が水路の壁に当たり落下する。
「助かりましたよ、道真さん……」
 成美に怒りを向けるギメイを真っ向から睨み返して、成美は大きく息を吐いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

回々・九流々々(サポート)
『僕だってやれば出来ます。はい』
 愉快な仲間のオブリビオンマシン × 量産型キャバリア、7歳の女です。
 普段の口調は「コーヒーカップ(僕、~様、です、ます、でしょう、ですか?)」、酔った時は「くるくる(僕、~様、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●くるくる九流々々
「……猟兵というのもなかなか、厄介なものだな。では、私の更なる力を見せてやろう」
 ギメイはすーっと胸から腹へと手で撫でおろす仕草を見せた。その途中で触れていた緑の魔石。留め具のようにも見えたそれは周囲に散っていた雷を吸収し秘めた輝きを見せ始めた。
 雷はギメイの魔力そのもの。それを吸収させることで魔石から新たなる力を得るのだ。
「うわー、すごいのです」
 回々・九流々々(界転装躯リトル・リトル・f21693)はギメイの魔石が放つ光に目をキラキラさせていた。白い上着に濃紺系のインナーアーマーと、決して華やかとは言えない見た目のギメイにようやく彩りが現れた。
 カラフルな髪色を持つ九流々々はなんだか嬉しくなって、ちゃぱん、ちゃぱんと水音を立てながらその場でくるくる回っていた。
「余裕な顔をしていられるのも今のうちだ!」
 ギメイは水上を滑るように高速で九流々々へと迫ってきた。接近戦――『デイム・ブランシュ』により物理攻撃が強化されたギメイは己の体で勝負に出た。
「むむ……僕だってやれば出来ます。はい」
 ちゃぱん、と水音が完結する。九流々々は両手を大きく広げ、敵を待つ。
 ギメイは鞭を振り下ろした。袈裟にしなりながら飛んでくる鞭は丁度九流々々の首を狙っていた。
 九流々々はギメイの攻撃に合わせて体をカタンと傾けた。鞭の軌道に乗った腕に鞭がバチンと命中した。
「あー……」
 鞭の力を受けてぎゅるぎゅるとその場で回りだす九流々々。それはまるで独楽だった。
 水路、壁、水路、壁……景色がくるんくるんと変わり、三半規管がくらくら、目が回り――ここまでが、全て九流々々の手の上だったということに、ギメイは気づくのが一瞬遅かった。
「……吐きそうになりますが」
 九流々々は回転の力を全て詰め込んだコーヒーカップをぽん、と召喚した。途端にぴたりと止まる九流々々、そして同じ勢いでぎゅるぎゅる水を弾きながら回転するコーヒーカップにギメイは捕らわれていた。
「うおおぉぉぉ!!」
 今度はギメイの三半規管が壊されていく。立っているのもままならないところへ、コーヒーカップから生えた七色のモザイク触手がべしんべしんと乗っているギメイを叩き伏せた。
 最後にぺいっとコーヒーカップは吐き出して、お仕事終了。
「ぐ……ぐぬぬ……おの、れ……っ!」
 水路の壁を支えに立ち上がろうとしていたギメイだったが、膝は盛大に笑っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

北条・優希斗(サポート)
『敵か』
『アンタの言う事は理う解できる。だから俺は、殺してでも、アンタを止めるよ』
『遅いな』
左手に『蒼月』、右手に『月下美人』と言う二刀流を好んで戦う剣士です。
自らの過去を夢に見ることがあり、それを自身の罪の証と考えているため、過去に拘りと敬意を持っております。その為オブリビオンに思想や理想があればそれを聞き、自分なりの回答をしてから斬ります。
又、『夕顔』と呼ばれる糸で敵の同士討ちを誘ったり『月桂樹』による騙し討ちを行なったりと絡め手も使います。
一人称は『俺』、口調は年上には『敬語』、それ以外は『男性口調』です。
見切り、残像、ダッシュ等の機動性重視の回避型の戦い方をします。



●その過去は如何なるものか
「アンタは一体何がしたいんだ?」
 北条・優希斗(人間の妖剣士・f02283)は問うていた。左手に『蒼月・零式』、右手に『月下美人』という二刀流の臨戦態勢ながら、仕掛けることなく反応を待つ。
「何が……だと?」
「そうだ。何が目的でメガリスを使い、コンキスタドールを生み出し、島の人間を襲おうとする」
 コンキスタドール――オブリビオンは過去が染み出し生まれたもの。過去が意思を持ち、動き出す……一連の過程に興味があった。
 形となった過去が何を思うのか。そこに一定の思想があるならば、それは現世の生命と同じように敬意を払うべきものである。
 過去に強いこだわりを持つ優希斗であればこそ、オブリビオンを黙って斬るわけにはいかなかった。
「ククク……研究には発表の場が必要だ。故に、島の人間を殺すことこそが、私の研究の集大成となる!」
「へぇ……」
 ギメイの主張に、優希斗はあっさりとした反応を見せる。
「人を殺してようやく、研究とやらに価値が見いだせるわけだ……哀れなものだね」
 自分の言葉にギメイがまたどう反論するのか、というところまでは興味がなかった。優希斗が結論付ければそこで問答は終わりだ。
 ギメイが苛立ちを顔に浮かべていたようだが優希斗にはどうでもよかった。ただ疾く空を駆ける。
『其は、空を舞う、蒼き月の舞』
 二刀による華やかな舞が雷に照らされる。一閃、二閃、三閃、四閃――と放たれる刀舞がギメイの命を奪いにかかる。
 ギメイは魔石をあしらった装飾具で受けに回る。ガキン、ガキンと魔石と金属の衝突音が水路の奥まで響いていた。
 装飾具を的確に優希斗の刀舞に合わせて受ける様は、ギメイもまた舞っているようだった。魔力が注がれた魔石は淡い輝きを放ちながら刀舞を受け、強い発光と共に同じ刀舞を吐き出していた。
 疑似的な刀舞の衝突。掲げられたギメイの装飾具に、優希斗は押して引いてを繰り返しながらギメイの反撃をいなし、刀を叩き込んでいく。
 何十という刀舞のやり取りの後に――先に崩れたのはギメイだった。魔力を取り込んでいた魔石が重ね続けられた斬撃の前に、ピシリとヒビを走らせる。
「何!?」
「もらった」
 優希斗は隙を見逃さない。魔石を変えようと身を翻すギメイの懐へ素早く潜り込み、奥にしまい込まれそうになった魔石へ鋭い突きを繰り出した。
 パキィ、と真っ二つに破壊された魔石。この瞬間、ギメイの反撃能力が失われる。もう一本の剣を躍らせ、インナーアーマーの上から神速の一太刀を浴びせた。
「うお……ぐぬぅ」
 血飛沫を高く上げながらギメイが足を縺れさせながら後ずさる。留め具もいくらか外れ、宙に魔石がぶら下がっている。
「哀れな研究者には、哀れな末路がお似合いだよ……そう、水路で誰の目に触れることもなく、死ぬとかね」
 少し委縮して見えたギメイを前に、優希斗は新たな二刀の構えを見せていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

月山・カムイ(サポート)
すいません、少々遅れましたが援護に参りました

既に戦いに入っている猟兵達の援護に入る形で参戦
集団戦なら攻撃のきっかけになるように、縦横無尽に切り結び
ボス戦なら他の猟兵がトドメを刺す為のサポートを行う
武器を切り裂く、受け止めたり逃がすべき相手を空を跳んで抱えて逃したり
上記の様な行動で現在戦っている猟兵が活躍出来るよう動かしていただければありがたいです

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●縁の下の仕事人
 水路に新たな影が走る。月山・カムイ(絶影・f01363)は清掃が完了した水路へ柵を乗り越えて飛び込むと、一心不乱に深部を目指して駆けていた。
 敵――ギメイの姿はよく見えた。他の猟兵もすでに何人かが戦闘を繰り広げ、ギメイを追い込んでいた。
「すいません、少々遅れました」
 誰にともなく声を発し、存在を知らせる。もちろんそれはギメイも気づく。
「次から次へと……鬱陶しい!」
 ギメイは残っている魔石に魔力を注ぎ、カムイ目掛けて突進した。正面からの斬り合い――いや、殴り合いか。
 カムイが『絶影』を自身の体へ走らせた。傷つく腕から迸る血液を絶影へ吸わせ、その封印を解く。すらりと滑らかな刃はぎゅううと姿を変え、幾重にもなる鋭い牙を持った。
 ギメイが鞭を唸らせる。横薙ぎの殴打をカムイは殺戮捕食態となった絶影の牙の刃で受け止めた。
 鞭の表面はよく滑った。カムイは敵を打つために平たく広がった鞭の先端まで刀を滑らせると、刃を引っ掻けひねり上げる。
 まさに捕食するかのように。刃は上方へ翻ってもなお鞭を離さず、ギメイの腕までも捻らせた。
「ぐっ……離れろっ!」
 左腕からカムイに雷を叩きこもうとするギメイへ、カムイは強引に絶影を薙いだ。
「はあっ!!」
 刃が雷に喰らいつく。強化された攻撃力を上回る殺傷力がギメイの左腕を引き裂いた。さらに、ギメイが手にしていた鞭を勢いのままに奪い取り、水路の隅へと叩きつける。
「もう一息です! 畳みかけましょう!」
 カムイの号令が猟兵達の猛攻を引き出していた。

成功 🔵​🔵​🔴​

桜井・乃愛(サポート)
 桜の精のパーラーメイド×咎人殺しの女です。
 普段の口調は「元気(私、~さん、だ、だね、だろう、だよね?)」、偉い人には「丁寧(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。

性格は明るく天真爛漫で、少し天然ボケな感じの少女。
一番好きな花は桜で、その他の植物も好き。
強敵にも怖気づく事は少なく、果敢に挑む。
人と話す事も好きなので、アドリブ歓迎。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●必殺の弾丸豪雨
 桜井・乃愛(桜花剣舞・f23024)は水路を真っ直ぐ見据えていた。
 自分と他の猟兵と、そしてギメイとの位置取り――全ての条件が整った時、軽機関銃『ブルーミング・ファイア』をちゃきりと構えた。
 弾丸は装填完了。あとはトリガーを引くだけだ。
『さぁ、これでお終いにしてあげるよ!』
 全ての猟兵が躍動していた。
 ある者は雷に雷で対抗し体力を、魔力を消耗させていった。
 ある者は感覚を奪い体内へもダメージを残した。
 ある者は相手の装備を打ち破り、そして削いだ。
 ある者は残る魔力、体力を刈り取るように刃で抉った。
 ギメイの体はぐらりと傾いていた。相手がバランスを崩していれば、乃愛の攻撃はより威力を発揮できる。
「いっけーっ!!」
 乃愛の叫びはすぐさま銃撃音にかき消された。猟兵達が切り開いた道に銃弾がスコールとなって飛んでいた。
「ぬぅぅ!!」
 ギメイはよろけながらも体に残るありったけの魔力を魔石に集めた。魔石の力を利用して力を増幅して作り出した魔力壁で銃弾を受け切ろうとしていた。
 だが、魔力量も足りなければ、魔石もここまでの戦いで激しく消耗している。手の中に掲げた魔石の輝きが失われるのも時間の問題だった。
 一点集中、弾丸が魔力壁を穿つ。薄緑色の壁はぴしぴしとヒビが入り、パン、と乾いた音を立てて破裂した。
「ぐおおおおおお!!」
 あとは銃弾のスコールに撃ち抜かれるだけだった。腕、足、胸、肩――銃弾が命中する度、マリオネットが勢いよく糸を引かれたかのように跳ねて、そして力無く崩れていく。
 最後の一発が眉間に深く突き刺さったが、もうその時にはギメイは事切れていた。焦点の合わない瞳がじっと真正面を向いたまま、水路にばしゃんと突っ伏すと、砂のように崩れていく。
 流水に混ざったかと思われたが、猟兵達の足元を流れる水は一切の淀みなく清浄であった。

 こうして、ギメイという過去からの産物は猟兵達の活躍により、一切日の下に出ることなく世界から消滅したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2020年10月15日
宿敵 『ギメイ』 を撃破!


挿絵イラスト