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暁の海

#クロムキャバリア

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#クロムキャバリア


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 暁に輝く海を、船団が行く。
 船団と言っても、中型の輸送艦が三隻と、護衛艦が一隻。それでもプラントからの物資を満載した、彼らの故郷にとっての生命線である。
 『アカツキ神国』――それが、彼らの故郷。群島地帯を領有し、輸送手段の大部分を船舶が占める海洋国家である。
 数有る輸送船団の一つとは言え、神国軍人である彼らにとって重要な任務である。
 彼らとて、油断していた訳では無い。しかし、それは突如訪れたのだ。

 強烈な震動。鼓膜が破れんばかりの轟音。何が起きたのか正確な情報を集める前に、戦乱に慣れてしまった彼らは理解していた。敵襲だ。
「敵襲!キャバリア用意せよ!」
「ハッ!……パイロットルームの被害甚大、半数は出撃出来ません!」
「構わん!出せるだけ出せ!」
 慌ただしく対応を始めるが、やはり奇襲を許した一手の遅れは大きい。いや、それだけでは無かった。
「何故だ!?連中、友軍機ではないか!」
 同士討ちすら発生する混乱の中、なすすべもなく沈められる輸送艦。その乗組員も、防衛にあたるキャバリアパイロットも、そしてその手で艦を沈めたキャバリアのパイロットですら、これがオブリビオンマシンによる災厄だとは気づいていない。
 それほどまでに、この世界は戦いを日常としすぎていた。

「初めまして、イェーガー。本作戦のオペレーターを務めます、サラ・レアードです」
 小さく頭を下げた彼女――サラ・レアード(アンサーヒューマンのオペレーター・f29986)は、いかにも事務的な挨拶をした。
「作戦の概要を説明します」
 そう言って、淡々と、簡潔に、依頼の内容が説明されて行く。
 舞台となるのは、アカツキ神国と呼ばれる小国家の領海。目的は、プラントと呼ばれる生産施設からの物資を輸送する船団をオブリビオンマシンによる襲撃から護衛する事。
 敵となるオブリビオンマシンはアカツキ神国所属の機体がオブリビオンと化したものである。護衛艦のキャバリアが反撃しようにも、識別信号が同一であり、放っておけば混乱の中であっさりと全滅する、というのがサラの予知だ。
 しかし、猟兵ならばオブリビオンマシンの識別を行い、的確に対処する事が出来る。
 接触が可能なのは当初の奇襲を受けた直後。襲いかかる量産型キャバリアを退け、その後に控える指揮官機を墜とす事で、船団も物資も海の藻屑と消える運命を変えるのだ。

「幸いと言うべきでしょう。パイロット負傷により空席となっているキャバリアもあるので、必要なら借りる事も出来るはずです。艦長への説明はこちらで担当させていただきます」
「また、コックピットさえ潰さなければ、オブリビオンマシンのパイロットについては放置して構いません。彼らも軍人、脱出は容易でしょう」
 穏やかでない事をさらさらと述べた後、サラは再度小さく頭を下げた。
「作戦進行の詳細はあなた方に委ねられます。イェーガー、健闘を祈ります」


鉄錆
 鉄錆と申します。
 今回は、洋上にて船団の護衛を行って頂きます。

 第一章は、オープニングのとおり量産型キャバリア部隊と戦闘を行います。護衛艦の艦載機も敵と同じく「オブシディアンMk4」であり、青系の塗装に変更されています。必要なら交渉不要で借りて出撃する事も出来ますし、キャバリアに搭乗した状態でユーベルコードも問題なく使用できます。もちろん、猟兵であれば生身でキャバリアを相手取ってもなんら問題ありません。
 第二章は、オブリビオンマシンの指揮官機と引き続き戦闘を行います。キャバリアは飛行も可能ですし、船団を足場に戦う事も可能です。海に落ちても即エリアオーバーになったりはしませんのでご安心ください。
 第三章は、船団の護衛に成功後、船団の面々や救助されたオブリビオンマシンのパイロットと共に、訓練を行います。猟兵達がクロムキャバリアの戦いに慣れていないと聞いた彼らの、神国軍人流の歓待のようです。第三章のみ、お声かけ頂いた場合に限りサラも登場します。
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第1章 集団戦 『オブシディアンMk4』

POW   :    ホークナパーム
【油脂焼夷弾】が命中した対象を燃やす。放たれた【高温の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    ピアシングショット
【スコープ照準】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【RSキャバリアライフル】で攻撃する。
WIZ   :    マイクロミサイルポッド
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【誘導ミサイル】で包囲攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

グロリア・グルッグ
ビリビリとひり付くこの感じ…戦争ですね!
キャバリアでの戦闘経験が欲しい私にはそれが必要なんですよ!
まあそんな私利私欲に忠実な私ですが傭兵の仕事はちゃーんとやりますよ。

自前の量産型キャバリア改で現場に介入したらソッコーで電脳空間を展開して敵機を赤い警告表示でマーキングします。
「赤いのが敵! 以上! あとは皆さんお好きにどうぞ!」

私は電脳空間の中を電子踏破で加速してそのまま敵に突っ込みます。
敵の攻撃は電脳魔術で計算して見切り最小限の機動で回避。
全力魔法で出力を大幅に上げたサンダーブラスターの電撃を全身に纏い、質量のある稲妻と化して敵を貫いてやりますよ!

アドリブなどご自由に


ノヴァンタ・マルゲリータ
これはまたよく見る光景ですね……
そういう場所が私の稼ぎどころなわけですが
それでは、今日も元気に明日を生きるために稼ぎに行きましょうか

……んっ、んん
これより貴船団の護衛に入ります!
敵ではないので撃たないでくださいねー!
小柄な体に長い銀髪、見た目通りに少女らしい声と話し方で船団へ通信を入れたら戦闘開始

キャノンフレームに換装したキャバリアの移動力を強化、輸送船を守るのが任務なわけですし、攻撃回数は減らして敵の気を惹いていきましょうか
低空飛行で海上を駆けながら、敵の間をすり抜けて砲戦ユニットで【砲撃】
敵の足を潰して、海に落していきましょう
自由に動けなくなるだけでも護衛艦の方たちも動きやすいでしょう



「万事休すか……」
 反撃はおろか、敵味方の区別すらつかない。絶望の支配する艦橋内に、やや場違いとも感じられる声が響いた。
「……んっ、んん……これより貴船団の護衛に入ります!敵ではないので撃たないでくださいねー!」
 それは、愛らしい少女の、鈴を転がすような声。そして遅れる事僅か、艦橋とオブリビオンマシンの間に、一機のキャバリアが滑り込んだ。ノヴァンタ・マルゲリータ(スクラッパー・f29982)が操る量産型キャバリアである。
 流れるような銀髪を揺らして戦場を見やるノヴァンタ。砲弾。轟音。鉄。炎。見慣れた景色。
 ある種の安心すら感じながら、“彼”は戦場へと躍り出るのだ。
 肩部に目立つ砲戦ユニットを搭載したノヴァンタ機が、水面ギリギリを滑るように飛行する。多数の敵を相手に船を守るには、足を止めずに動き回ることだ。
 砲撃戦重視のキャノンユニットとは言え、その追加ブースターにより機動力は通常の5倍程に向上している。
 高速機動しながらの砲撃では、自然攻撃の機会は限られたものになるが――問題無い。一撃で、撃ち落とせば良いのだから。

 ノヴァンタ機の砲撃で、ようやく戦闘らしい戦闘が開始となった。猟兵という明確な味方を得た護衛艦のキャバリア隊だったが、依然敵を特定できずにいることには変わり無い。
 そこに飛来するキャバリアが一機。
「ビリビリとひり付くこの感じ……戦争ですね!」
 期待どおり、とばかりに声を弾ませるのはグロリア・グルッグ(電脳ハッカー・f00603)。数多の戦場を経験する彼女にとっても、キャバリア戦は未知の領域。まさにもってこいの舞台と言えた。
 さて、慣れないキャバリアを駆り……とは言うものの。そのキャバリアは既にグロリアの『魔改造』とすら呼べる手が入っている。その勘所を押さえたチューンぶりは、技術者としての力を遺憾なく発揮したものと言える。中でも。
「何だ!?警告表示?」
 護衛艦キャバリア隊のパイロット達が、そろって声を上げる。突如、敵機と思しき期待に赤いマーキングが現れたのだ。
 それはグロリア機が展開した電脳空間によるもの。単なる改造を超え、電子戦機としての性能を十二分に有していた。
「赤いのが敵!以上!あとは皆さんお好きにどうぞ!」
 これにより、崩れ果てていた護衛艦キャバリア隊は息を吹き返す事となる。

 明確な反撃を認識した敵機は、2人の猟兵が駆るキャバリアこそが最大の障壁と認識を改める。だが、一歩遅かった。
 グロリア機に照準を定めた刹那、ノヴァンタ機が横を掠めるように飛ぶ。一瞬機をとられた隙に――グロリア機は、既にその座標に無い。
 電脳空間をも加速の距離として用いる『電子踏破』にかかれば、同じ時間で二倍の加速を実現する事ができる。
 そして加速と共に展開された電撃を纏うグロリア機の突撃が、オブシディアンMk4のコックピットすれすれでオーバーフレームを引き剥がした。こうなれば、無論飛行など出来る筈もない。
 襲撃側初の被撃墜に、敵機の意識はグロリアへと集中する。加速を見逃さんと足を止めて狙う所に、衝撃。
 ノヴァンタ機による砲撃が、背部ブースターを的確に捉えたのだ。
 海上における機動戦闘にてメインブースターを失うことが意味するのは、戦闘不能。
 敵機を墜落させるに留め、見事敵機パイロットの命をも守って見せたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

オブシダン・ソード
剣のヤドリガミとしては、武装であるキャバリア君を仲間みたいに見てしまう

空席の子を一機借りて、迎撃にかかるよ

ははあ、君、オブシディアンって言うんだ
奇遇だね、僕もだよ――よろしくね

操作は正直覚束ないから、砲台として火力で迎え撃つのを重視
ミサイルと手持ちの火器を手広く展開(UC)して、オブリビオンマシンの集団に範囲攻撃
相手の誘導ミサイルにもこの弾幕で抗うよ

ちょっと味方機!斜線に立たないでよ?

操作に慣れてきたら移動も交えて、不利な味方機を援護するように動こう
操縦席は外して狙撃
突っ込んでくる奴が居たら、こっちもバーニア吹かして飛び込んで、ブレードを叩き込んであげる
ああ、切れ味は僕の方が良いかなぁ
なんてね


鷹羽・エルザ
仲間同士での殺し合いを狙うとはなんとおぞましい邪悪……必ず打倒しなくてはいけませんね。

戦闘時は船団を足場にして敵を迎撃するような形で戦いたいと思います。固定砲台ではありませんが、船団を破壊させないためにも近くで防衛する必要はありますからね。
基本的にはユーベルコードを使用して、両腕をキャノンフレームに換装して戦っていきます。
移動力を犠牲に装甲を強化して敵の攻撃を弾きつつ確実に一体一体敵を無力化していきますね。

攻撃をする際は出来るだけコックピットは狙わないように注意しなくてはいけませんね。邪悪に囚われてはいますが、囚われたことには何の罪もないのですからね。



 突如現れた援軍は手強い。次々と海に墜ちてゆく機体を見れば、明らかな事だった。
 こうなれば、構わずに当初の目的を達成するが得策。数機のオブリビオンマシンが護衛艦に迫り、そのブレードを叩きつけ――激しく砕け散る音。
 しかし砕けたのは甲板では無く、オブリビオンマシンのブレードの方だ。
 砕いたのは、装甲。『クルセイダー』の名を冠する、騎士甲冑の如きキャバリアの装甲だ。
 パイロットである鷹羽・エルザ(サイボーグの量産型キャバリア・f29930)の不撓不屈の信仰心を体現したようなその重装甲が、刃を弾いた。
「かような邪悪……必ず打倒しなくてはいけません」
 オブリビオンマシンを体当たりで弾き飛ばしつつ甲板から飛び立つクルセイダー。船から船へ飛び移り、キャノンフレームによる砲撃を交えつつ船団の護衛に専念する。
 船から付かず離れず、それでいて狙い済ました砲撃。とても彼女を無視して船団を狙うなど出来はしない。

「いやあ、乗せてもらえて助かっちゃったな」
 クルセイダーに便乗して来たものか、護衛艦の甲板には、目深にフードを被った男。
 オブシダン・ソード(黒耀石の剣・f00250)が、搭乗者負傷により木偶人形と化してしまっている艦載機に乗り込んだ。
 クルー達も状況は理解している。有り難がりこそすれ、一々止める者など無し。
 暗闇のコックピット内。薄明かりと共に制御システムが立ち上がれば、画面には『Obsidian-Mk4』の文字。
「ははあ、君、オブシディアンって言うんだ」
 剣のヤドリガミである彼にとって、同じく武装であるキャバリアも仲間の様に思える。まして、オブシディアン《黒耀石》の名を持つならば。
「奇遇だね、僕もだよ――よろしくね」
 パッと視界が拓けた。カメラが起動したのだ。同時に襲い来るマイクロミサイル群を、こちらもミサイルと手持ち火器で迎え撃つ。
 操作に慣れるまでは半固定砲台だ。飛び交う味方機に気をつけながら――。
「ちょっと味方機!射線に立たないでよ?」

 ガァン!と激しい衝突音と共に、迂闊にも射線上に現れた味方機は弾き出された。クルセイダーがかばいに出たのだ。
 この装甲であれば、多少の被弾は問題無い。少なくとも、オブシディアンMk4よりは。
 尤も、それは杞憂に終わる。オブシダン機から放たれたミサイルは複雑な軌道を描きつつクルセイダーの脇をすり抜けてゆく。それはまるで魔法のように。
 敵機の方角に合わせて2機の弾幕も方向を変える。それは分厚い防壁となって容易には近づけない。
 時折強引に抜けようとしても、クルセイダーの狙い済ました砲撃は逃さない。ターゲットは腕部、脚部、あるいは武器破壊り無論、コックピットは外してある。その邪悪な意思は罪であれ、その邪悪に呑まれた事には罪など在りはしないのだから。
 ようやく1機が弾幕を潜り抜けて護衛艦に迫る。オブシダン機は先程からあまり機動していないとたかをくくって突っ込むが、やはり甘い。
 道具は道具を知ると言うべきか、既に粗方の操作は問題無い。バーニアを噴かして翔び上がるや、ブレードの一閃!
 両断とはいかずとも、フレームをひしゃげさせた敵機はバランスを失い、そのまま海へ。
「ああ、切れ味は僕の方が良いかなぁ、なんてね」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

ルイン・トゥーガン
はん、この代金は高くつくよ?
第一アタシは元海兵隊だけど、だからって海上戦やらされるとはねぇ
まぁいいさね、護衛料の請求先が無くなる前にやることやらないとねぇ?

アマランサス・マリーネ、出るよ!
海面ギリギリを飛行して、衝撃波や、あるいはわざと足先を海面に触れさせることで盛大に水飛沫をあげて目くらましにするよ
それに波みたいな水飛沫のカーテンをあげりゃ船も狙いにくくなるだろうさね
アタシは水飛沫のカーテンを目くらましに突撃して、敵集団を射程に収めたら水飛沫突き破って敵前に出るよ
そしたら両手で構えたビームアサルトライフルとサブアームに持たせたサブマシンガン2丁を一斉発射して敵機を撃ち抜いて制圧していくよ



 戦場の趨勢は大きく変わっていた。
 なすすべも無く崩壊していた本来の未来に比べ、護衛機部隊も十分な防衛あるいは反撃を行う事が可能となり始めていた。
 とは言え、やはり被害は避けられない。今も一機、敵機に背後を取られた者がいる。気付いた時には既に砲口が狙いを――。
 更にその上空より、ビームの速射が降り注いだ。敵機もたまらずロックオンを解除し、回避行動に専念せざるを得ない。
「助かった!」
「はん、この代金は高くつくよ?」
 ルイン・トゥーガン(B級戦犯指定逃亡者・f29918)が駆る『アマランサス・マリーネ』だ。その手にしたビームアサルトライフルによる牽制で、敵機を追い散らしてゆく。
 そのまま護衛艦に着艦するや、何やらブリッジへと通信を開始した。

 無線のやり取りをする事暫し、アマランサス・マリーネが向きを変え、発艦の準備に入った。どうやら、交渉成立。懐かしき、彼女の古巣である海上戦だ。
「アマランサス・マリーネ、出るよ!」
 彼女の機体は最新鋭のクロムキャバリア。その高機動力を以て高く飛翔――しない。むしろ、海面すれすれを滑るような飛行を始めた。更に敵に向かって大きく蛇行するような軌道をとっている。
 一見無駄な動き。しかし、その効果は如実に現れていた。敵機はルインの存在を認識しているにも関わらず、その引き金を引けずにいる。ルインの狙い通り、低空飛行によって起きた水飛沫が一種の煙幕となっているのだ。
 十分に接近できたと見るや――加速。その速度は音を置き去りにせんばかり。水のカーテンを突き破り出てきた機体は、背部より突き出たサブアームに二丁のサブマシンガンを装備している。
 両手に構えたビームアサルトライフルと合わせて三つの火砲が、敵機を逃さず撃ち落としていった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 ボス戦 『モノアイ・ゴースト』

POW   :    バリアチャージ
【バリアを纏った】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【支援機】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    パルス・オーバーブースト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【オブリビオンマシン】から【光学兵器による一斉攻撃】を放つ。
WIZ   :    ゴーストスコードロン
自身が【敵意】を感じると、レベル×1体の【支援キャバリア】が召喚される。支援キャバリアは敵意を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 船団を襲撃していたオブシディアンMk4は粗方片付いた。しかし、真の脅威はこれからだ。第二陣……否、本隊の到来。
 多数の支援キャバリアに護られた指揮官機――猟兵には、それが禍々しいオーラに包まれていることが解る。
 彼の機体がオブリビオンマシンと化した事が今回の事件の元凶であろう。撃破し、パイロットをその狂気から解放せねば、この戦いは終わらない。
ルイン・トゥーガン
あいつが親玉かい、1機だけ違くて分かりやすいねぇ
しかし、戦力の逐次投入とは無能だねぇ?
さっきのが先遣隊だとしても、せめて全滅前に支援可能な位置にいるべきだったね
まぁ敵の失策は大歓迎さね

バリアを纏った突進か、単純なだけに面倒だねぇ
とはいえ、そんな見え見えの攻撃が工夫もなしにアタシに当たるとは思わないことさね
バリアは硬いねぇ。サブマシンガンの銃弾が通らないとは
まぁ何発も命中させれば分かることもあるね
サブアームのダブルサブマシンガンで弾幕貼って、バリアで弾かれようと目晦ましになって隙が出来た瞬間に、ビームアサルトライフルでバリアの脆弱部を撃ち抜いてみせるよ
これがアタシの【ハンティング・ショット】さね


ノヴァンタ・マルゲリータ
ようやく本命さんの登場、と
あの数をそのまま相手にするのは少しばかり骨ですし……少しばかり小細工を弄しましょうか

砲戦ユニットを分離させ、甲板に設置
そのまま砲台として援護させます
私が接近しながら攻撃するのに合わせて、砲戦ユニットスモーク弾頭による【砲撃】を開始、煙で敵の視界を奪いますよ
私は牽制程度の射撃を繰り返しながら、とにかく動き回ります
さてさて、視界を封じられた状態、動き回る敵
それだけの数が集まっていて、誤射や衝突なしで私を追えるでしょうか

手持ちの装備では決定打は難しいでしょうから、私は他の頼れる護衛の皆さんの援護に回るとしますよ



 クロムキャバリア。
 小国であるアカツキ神国においては未だ数少ない貴重な戦力であり、彼の敵が現れるに至り、船団の護衛隊にとっては到底勝負にならない相手だ。恐怖と絶望に、動きも鈍る。
 しかし、彼らは、猟兵は違う。何一つ臆する事は無い。むしろ――。
「しかし、戦力の逐次投入とは無能だねぇ?」
 ルインは味方に向けて作戦の不備を指摘して見せ、つけ入る隙があることを説いてみせる。或いは――。
「あの数をそのまま相手にするのは少しばかり骨ですし……少しばかり小細工を弄しましょうか」
 ノヴァンタは対する策を用意し、味方に動きを指示する。
 いずれも、消えかけていた護衛隊の戦意を回復させるには十分なもの。

 作戦のとおり、ノヴァンタが先陣を切りモノアイ・ゴーストに迫る。しかしまずは本丸を護る支援機を突破せねば。
 砲戦ユニットをパージし、身軽になっているとはいえ、これを全て突破する事など出来はしない。狙い撃ちにされるかと言う時、突如海上は白い闇に包まれる。
 霧?そうではない。ノヴァンタ機が切り離した砲戦ユニットから放たれた、スモーク弾による煙幕だ。
 密集陣形を取っていた支援機は、互いにその姿を見失う。それだけならまだしも、ノヴァンタ機は隙間を縫うように機動しつつ射撃を行い、護衛隊による遠距離からの支援もある。
 こうなっては、支援機同士による衝突、誤射とパニック状態を引き起こしてしまう。モノアイ・ゴーストからの遠隔指示では、このような戦況での行動には限界があった。
 決定力に欠ける武装でも、歴戦の兵ならばこのように。格上を翻弄することができるものだ。

 この状況を打破すべく、モノアイ・ゴーストが高度を上げる。仕切り直そうと言うのだが、そうはいかない。アマランサス・マリーネがまとわり付くように共に高度を上げ、簡単には落ち着かせない。同じくクロムキャバリアであるアマランサス・マリーネならば、単純な機動力でも引けをとるものではない。
 余裕を与えまいとサブアームからのマシンガン掃射を浴びせかけるが……効果は無い。敵機両肩部に備えられた発振器より発せられるバリアが、弾丸を通過させないのだ。
 そしてゴーストはバリアを展開させたまま体当たりを敢行する。「単純なだけに面倒だねぇ。だけどさ!」
 空中を縦横に飛行し、体当たりをかわすルイン。まるでひらりひらりと闘牛士のようですらある。
 その間にもサブマシンガンによる射撃は止むことは無い。互いに効果のない鬼ごっこだ。
 もう少し――様々な角度からの射撃の効果を見る。更に、もう一方からの掩護射撃が来る。ノヴァンタだ。
 支援機の群れを手玉に取りつつ、こちらへの援護も欠かさない。二つの射線により、データは十分に集まってゆく。狙うべき箇所は。
 弾丸の雨の中、突如放たれる一筋のビーム。これまでの攻撃から導き出されたのは、バリア発振器の中央を狙うこと。最大の強みは弱点ともなりうる。
 ノヴァンタ機に気を取られ、またバリアを過信してもいたゴーストは、見事発振器に直撃を受けてバランスを崩す。鉄壁のバリアは、確実に損傷を受けている。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

鷹羽・エルザ
ようやく指揮官機がでてきましたね。油断なく神の正義の名のもとに必ず破壊しなければいけませんね。

今回は空中戦で戦っていこうと思います。

戦闘方法としてはユーベルコードでの攻撃をしたいのですが…周りの支援機、邪魔ですね。
まずはオートキャノンで弾幕を張り敵支援機の数を減らしていきましょう。

支援機を減らし指揮官機への道を拓いたら、スラスターの出力を全開にし推力移動で突撃します。
接近したらモーニングスターを使いユーベルコードを叩きつけましょう。

もちろん、狙う場所はコックピット以外です。そうですね……腕部などはいかがでしょうか?何やら肩に機械がついていますし、兵装が使用できなくなれば有利に戦えますからね。



 有効打を受けたとはいえ、未だそのバリアは健在。しかしその出力は明らかに落ちていた。
 追い討ちをかけるべく、高速で接近する、文字通りの『キャバリア』。エルザのクルセイダーだ。
 未だ煙幕と混乱の最中にある支援機をRSオートキャノンの掃射で確実に討ち取りつつ、モノアイ・ゴーストに肉薄する。本命は格闘戦だ。
 ゴーストはクルセイダーを認識するや、ブースターを噴かして引き離しにかかる。距離を保って光学兵器による射撃戦で墜とす肚だ。
「神の正義の名のもとに」
 油断など在りはしない。スラスターの出力を全快にし、一気に加速する。

 単純な機動力では、やはりクロムキャバリアであるゴーストに分がある。だが、クルセイダーの背に取り付けられたスラスターは、重量級の本機をして空中戦を可能にする程の推力を誇るもの。直線的な加速力であれば、迫ることも出来る。
 敵機の“引き撃ち”に対しても、僅かな動きでかわし、或いは十分な装甲部であれば受け、しつこく、しつこく追いすがる。
 必ず破壊すると、決めているのだ。
 このままでは埒が空かぬと、ゴーストは戦法を切り換える。バリアを展開し、クルセイダーと正面からぶつかろうというのだ。
 云わば――根負けである。
 展開したバリアには、十分な破壊力が秘められている。それでもなお、クルセイダーは正面から接近する。神の威光は、そうでこそ最も発揮されるのだ。
 キャバリアサイズのモーニングスターを振り回し、一気に叩きつけるエルザ。
 狙う箇所は、左碗部。バリアで弾かれるかという刹那、突如バリア出力は不安定となる。先程の損傷によるものか。
 そうなれば、モーニングスターの大質量を受けきれるものではない。
 凄まじい衝突音と共に、ゴーストの左碗部は千切れ飛んだ。
 バリア出力まで計算し尽くしたエルザの作戦勝ちか、或いは固く信ずる神の御業か。

成功 🔵​🔵​🔴​

オブシダン・ソード
さっきの敵が同型機だったからね、使えそうな武器は回収させてもらおう

引き続き半固定砲台として迎撃
弾切れ上等の大盤振る舞いだよ、ミサイルも全部プレゼント!
寄られる前に、できるだけ支援機の数を減らしておきたいね

弾切れ起こしたら、拾ったやつに持ち替えて
ナパームで範囲焼却狙いしたり、ライフル乱射したり

君達投降する気とかない? ないよねぇ
ちょっと無茶するけど頼んだよオブシディアン君

敵リーダーが迫ってきてもそのまま射撃で応戦
と見せかけて、ぎりぎりまで引き付けてUCを
バリアがあろうが敵機を蹴っ飛ばして踏み台に

一回限りの曲芸として、着地のことは考えない
墜落するまでの間に、後頭部に撃てるだけ撃ち込んであげるからね


グロリア・グルッグ
これが指揮官機…エース級のキャバリアですね…!
機体性能だけが戦いの優劣を決めるのではないということを証明してやりましょう…!

自前の量産型キャバリア改に乗って応戦します。
敵機のバリア突撃を迎撃するべく、手持ちのミサイルを予備含め全て一斉発射でぶっ放しますよ。
わずかでも勢いが削げれば御の字で、突撃を受ける被弾覚悟で衝撃に備えましょう。
エネルギー充填でオーラ防御の出力を上げ、敵機のバリアを相殺しながら何とか持ちこたえます。
突撃に耐えたら無事なアームで敵機に指一本でもいいから触れ、そこからUCの電磁掌を流し込み!
コックピット以外の電気回路を破壊してパイロット救出に貢献しましょう!



 左腕全損。支援機数激減。斯様な状態では、“かくなる上は”などという発想に至るのもやむを得まい。
 残存戦力の全てを以て、船団を沈める。そう決意したのだ。
 この作戦の価値と命の比較など、頭には無い。端から、狂って――狂わされているのだ。

 迫り来るモノアイ・ゴーストと支援機群。立ちはだかる護衛隊の内に紛れ、オブシダン機は甲板に立っていた。
 先ほどと同じく半固定砲台のつもりだが、異なるのはその脇に無造作に積まれた金属の山。墜落した敵オブシディアンMk4から回収した、追加武装だ。
 オブシディアンMk4の兵器としての強みは、その追加兵装の豊富さと柔軟性にある。
 まさにその道具としての特性をフルに活用すべく、彼は撃つ。撃って撃って撃って、弾切れなら持ち替え、付け替え、最も有効な攻撃を、ひたすらに繰り返す。
オブシダンを含む護衛隊の頑強な抵抗に、支援機群も壊滅に陥る。
「そろそろ投降する気とか無い?」
 何一つ変わる事の無い光景に、ため息をひとつ。もう少し、無理をさせることになりそうだ。

 次々と墜ちてゆく支援機の陰から、輝きを放ちながら飛来するモノアイ・ゴースト。
 片側のみとはいえ未だ健在のバリアを展開し、船にそのまま突っ込むつもりだ。
 片腕を失ってなお見事なバランス制御を見せるその姿に、グロリアも賛嘆の声を上げる。
「流石は指揮官機……エース級のキャバリアですね……!」
 一技術屋として、見るべき所はある。しかし、戦闘と言うものは機体の性能のみで決するものではないことを、証明して見せねば。
 手持ちの……いや、ハードポイントに接続した物も含めて、まるでハリネズミのように満載されたミサイルを、一斉に発射する。狙いはゴースト。
 次々と命中していくミサイル。しかし、止まらない――止まらない。ゆるりと爆炎を突き抜けて現れるゴーストが再度加速する前に、グロリア機が目の前に躍り出る。本命は、こちらだ。
 バリアとまではいかなくとも、対エネ
ルギー兵器のスクリーンはある。予備のエネルギーも注ぎ込みぶつかれば、その勢いは拮抗する。あと少しで、届く。指先でも届けば――。

 バチン、と火花を散らして二機が離れる。グロリア機が焼き付いたアームで追いすがるが、ゴーストは進んでしまう。
 その先には、オブシダン機がいた。照準を合わせ、ギリギリまで引き付けて撃――たなかった。飛翔するや、ゴーストに逆に突撃するではないか。
 バリアに向けて大きく脚部を振り上げると、なんと、機体ごとぶつかるように蹴りを放つ。
 当然、足はひしゃげ、焼ききれる。しかしそれでも大質量の衝突が、ゴーストの足を止めた。損傷すらも織り込み、道具を道具として最も有効に使うのだ。
 その隙にグロリア機が追い付くと同時に再度組み付く。更にゴーストを足蹴にして反対側に回り込んだオブシダン機が、背面より弾丸を叩き込む。
 全ての機体が、後先など考えてはいない。余力?無用だ。着水?墜ちてから考えれば良い。
 発振器破損によりバリアの薄くなった背面に、弾丸の雨により抉じ開けられた隙間。そこにグロリア機がアームを捩じ込む。
 そして僅かに触れたマニュピレーターの先より放たれたのは、凄まじいまでの出力で放たれた、電磁パルス――。

 一機は、無理なバランスにより失速し。一機は、急激にエネルギーを使用した事によるパワーダウン。一機は、制御系を焼ききられ。
 三機それぞれの着水を合図に、戦場は動きを止めた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『修練の日々』

POW   :    走り込みや筋トレ等、基礎の体作りを行う

SPD   :    キャバリアの細やかな操縦技術を磨く

WIZ   :    座学で戦術についての知識を深める

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 暁の時間は終わり、既に日は高く昇っていた。
 それぞれ救出されたパイロット達は、原因不明の狂気より救ってくれた猟兵達に深く感謝する。
 物資と命を救われた船団の面々に至っては、その感謝は語るまでも無い。
 猟兵達の口から語られたこの世界に対する経験の浅さに、これぞ我らが出来る恩返しとばかり奮起する神国軍人達。
 本国に到着するまでの間、模擬戦や戦術論、その他何でも協力させて欲しいと願い出たのだった。
オブシダン・ソード
よければお勉強用に、機体整備するところや、修理するところ見せてもらえないかな
キャバリアのつくりも知っておきたいし、半壊させちゃったオブシディアン君の様子も見たい

いやあ、うまくいったとはいえ、大分無理をさせてしまったからね
何しろ片足失ったのは…あ、アンダーフレームって言うの
作りが共通なら使いまわしも効きそうかな
結構便利だねぇ君達
肩のミサイル付け替えてキャノンにしたり…ははー、これさっき僕が拾った武器だね
なるほどなるほど

武器の手入れは大事だからね
整備風景は飽きずに見ていられそう

そうそう、僕も一機専用のが欲しいんだけど
さっきの子とか買い取れたりしない?
直近の稼ぎで足りなかったらこう、ろ、ローンとかで



「いやあ、うまくいったとはいえ、大分無理をさせてしまったからね」
 先程引き上げられたと聞いた、オブシダンが搭乗した機体。ドックの見学を願い出たオブシダンは、まじまじとその傷を眺めていた。
 片足が取れ、各関節部の損耗も大きい。それに、着水時の衝撃であちこちにへこみもある。しかしながら、こうしてパイロットにはさしたる怪我も無くピンピンとしているのだから、やはり優秀な機体と言えるだろう。
「何しろ片足失ったのは……」
「ナァに、このくらいの損傷、軽いもんですよ。コイツのアンダーフレームは共通パーツも多いですからね」
 申し訳無さそうなオブシダンに、メカニックの男性がカラカラと笑って答える。事実、キャバリアの特徴の一つが、その高度な規格化だと言えよう。
「へぇ、結構便利だねぇ、君達」
 ある意味大先輩である彼にとって、最新鋭の兵器であるキャバリアは可愛い後輩のようであるのかもしれない。

 その後も、装備関連を見れば、乗った機体にはついていなかった物や、戦場で換装した物、いくつもの装備がある。先程は手当たり次第といった所だったが、説明を聞いてみればなるほど目的に合わせ付け替えるのが合理的と納得する。
 また、整備風景も興味深い。量産型キャバリア故に、整備性も高いのだろう。様々な人が流れるように動き、オブシダンを飽きさせない。

 いつまでも見ていられたが、オブシダンはふと思い立ち隣に立つ士官におもむろに切り出した。
「そうそう、僕も一機専用のが欲しいんだけど」
 そう告げると、士官も快く対応する。本国に戻れば、必ず紹介すると。しかし、オブシダンの本命は。
「それより、さっきの子とか買い取れたりしない?」
 自らが搭乗し、共に戦い、そして半壊した『彼』だ。
 士官も驚いたものの、恩人に否やは無い。直ぐに準備をさせ始める。
「資料によると比較的安価だって言うし。どうかな?」
 そして提示された金額を見たオブシダンは。
「え……安価……?え……?ろ、ローンって組めるかな……?」
 そう。『比較的』である。しかし、言い値で報酬を得る事ができる猟兵にとっては、そう遠くは無い金額だろう……多分。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鷹羽・エルザ
spd

邪悪の驚異は去り、囚われた人々も開放された……素晴らしいことです。

そして模擬戦をさせてもらえるのも有り難いですね。キャバリア乗りとはいえ私はまだまだ未熟な身、こういった機会はとても嬉しいです。

今回はクルセイダーに搭乗して空中戦の模擬戦をしたいと思います。元々歩兵だったこともあってどうにも空中での戦闘に違和感があるのですよね。

今回の戦闘でも機体の性能に助けられたようなものですし、より多くの正義を実現するためにも空中での戦闘をうまくこなすことが出来るようにしていきたいですね

なので、神国軍人の方から空中戦でのアドバイスなどをいただきながら模擬戦をしたいと考えています。



 ゴウ、とスラスターを噴かして飛翔する騎士の如きキャバリア、クルセイダー。
 戦闘は終わったが、エルザは自らの不得手を克服するべく模擬戦を願い出たのだ。
 今回は、邪悪の驚異は去った。しかし次なる邪悪は必ず現れるのであり、より多くの正義を実現するためには更なる研鑽が必要となる。
 この志にいたく感動した神国軍人質は、我も我もと相手に名乗り出たのだった。

 二機のオブシディアンMk4を相手に、ペイント弾で戦闘を開始した。
 エルザが克服すべきは空中戦として、先程の戦闘よりも更に足場を少なく制限している。
 クルセイダーに搭載されているスラスターの出力は高く、空中戦だからといって不利になる代物ではない。しかし、いざ始めてみれば二機を今一つ捉える事ができなかった。
 先程のように強い信念で当たっている訳では無いことが一つ。もう一つは、足場が無いことを意識するあまり、海面スレスレでの機動を避ける傾向が有ることが上がった。

「ふぅ……元々歩兵だったこともあってどうにも空中での戦闘に違和感があるのですよね」
「いやいや、さっきのゴーストを追い詰める手並みは大したもんだ。本番に強いんだろうさ」
 休憩を挟み、浮遊状態での制御など、幾つかの技術的なアドバイスを受けるエルザ。
 言われてみればなるほど、既に身に付いている技術でも意識して使うとなると慣れていなかった部分があるのかも知れない。
 そうして再び模擬戦に戻っていく。少なくとも今日については、彼我のスコアが逆転するのに然程の時間はかからなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

グロリア・グルッグ
WIZ行動で座学しまーす。
一仕事やってお腹がすいたので何かジャンク的なフードをもぐもぐしながらお勉強しましょう。
こう見えて私昔から優秀なので、「授業を聞いているかよく分からないが何故かちゃんと理解している問題児」と教師陣からは評判だったんですよね。

この世界における基本的な戦術やキャバリアの運用方法とかをメインに学びつつ、講師役の方の人生のお話とかを聞いてトータルな観点で見分を深めようと思います。
普段は自分んとこの宇宙船で暮らしているので、外の世界の人とお話しするのって刺激があってけっこー好きなんですよね私。

アドリブなどご自由に



「……んぐ……だから……はぐ……ってこと?」
 何を言っているのか分からない。それはそうだ。ハンバーガー片手に、あまつさえ頬張りながら喋っているのだから。
 この世界における基本的な戦術論やキャバリア運用のノウハウを知りたいと言ったグロリア。そのくせこのように不真面目としか思えない態度なのだから、講師を引き受けた軍人の顔も歪むと言うもの。
 いや、それだけでは無い。『こんなの』でありながら、要点を確実に押さえているらしいのが、真面目一徹で通してきた彼には理解に苦しむのだろう。

 彼女が理解した所はこうである。
 一つに、航空戦力や長距離弾道弾等が封じられたこの世界でものを言うのは、キャバリアの展開力であること。
 一つに、キャバリア戦闘における部隊構成は、多くの国家で量産型と実験機や少数生産機を組み合わせるハイローミックス指向があること。
 そして現在のアカツキ神国は、どちらの条件も今一つ満たしていないと言うこと。

「うんうん、何時でも何処でも現場は苦労しますよねぇ」
 見透かされていると観念したか、ポロポロと愚痴までこぼしだす講師役。果ては自分の人生まで絡め始めていた。
「ハァ……私の若い頃にはクロムキャバリアなんて代物は無かったし、突然暴走する機体も増えているという。所詮私はロートルだよ」
 講義はいつの間にか逆転し、人生相談の様相。しかしそれでも案外聞き好きなグロリアは、にこにこと受け止めていた。
 宇宙船という閉ざされた環境で暮らす彼女にとって、文字通り外の世界の話を聞くことは喜びなのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルイン・トゥーガン
アドリブ歓迎だよ

はん、感謝するなら報酬を増やして欲しいねぇ?
で、戦術論や模擬戦だぁ?
そりゃアタシがアンタらに教える側じゃないのかい?
それなら報酬の上乗せが欲しいところだよ、元特務隊で元海兵隊の教えだからねぇ。タダじゃ無理だね、高くつくよ?
というか、そもそもなんで船団なのに艦載機が汎用機なんだい
水陸両用の量産型キャバリアなら、少々旧式だがウォッグが広く出回ってるだろうに
いや、オブシディアンMk4が優秀で使いやすい機体なのは認めるがね。運用する場所を考えるんだね
まぁいいさね。アタシは傭兵だ、報酬があるなら仕事をするし、無いならアタシのアマランサス・マリーネの補給と整備だけでもさせてもらうさね



「はん、口で言うほどの報酬は無いようだがねぇ?」
 傭兵であるルインにしてみれば、猟兵としての仕事とは別に、この世界における仕事としても報酬は受け取らねばならない。
 金銭こそは、戦いが止まぬこの世界において、信用の証であり、気持ちである。
 他の猟兵達が参加する講義や模擬戦にしても、元よりこの世界で過酷な戦いを生き抜いてきた彼女彼女には今更のもの。
 むしろ彼女が護衛隊に対して講師を務めても良いくらいだろう。もっとも、タダでそんなことをする彼女では無いのだが。

「というか、そもそもなんで船団なのに艦載機が汎用機なんだい」
 諸々耳が痛い話が続く中、更に痛いところを突かれたという表情の士官。
「確かに本来はウォッグの様な水陸両用機が望ましいが、プラントの駐留部隊に優先配備されることになっている」
 護衛隊は機動部隊でもあり、あらゆる敵に対応する必要が有る、と彼は語ったが……神国軍の台所事情も大きな原因であると、士官の苦々しい表情は語っていた。

 暫し士官とキャバリアの運用論を交わしていたルインだったが、何時までも他所の事情に首を突っ込んでいるほど物好きではない。
「これ以上話してても報酬は無さそうだし、せめてアタシのアマランサス・マリーネの補給でもしてもらおうかねぇ」
 フリーであり、あまつさえ追う者すら居る彼女にとって、十分な設備とスタッフを得られる機会は案外貴重である。
 今回はそれで手を打とうじゃ無いか。そういって、ルインはドックへと歩み去ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ノヴァンタ・マルゲリータ
まずは無事に終わって、何よりと
とはいえ、私は元々この世界出身ですし……戦術や情勢などについてお話を伺うと致しましょうか
勿論、いつものように

んっ……
えへへっ、皆さんが無事に何よりでした!
それに皆さんの援護のおかげでわたしも大助かりだったよ!
やっぱり正規の軍人さんたちは強いなぁ、って
良かったら、神国式の戦術とか教えてもらってもいいですか?
皆さんから教われば、わたしももっと傭兵として強くなれるかなって!
あっ、あと良ければ神国のこととかも聞いてみたいです!
陸に上がってから、お仕事でお邪魔することもあるかもしれないですし!

情報も武器のひとつ
あればあるほど助かります、口が軽くなっていると助かりますね?



 船団や、オブリビオンマシンに操られていたパイロット達は、猟兵達を手放しで歓待してくれている。
 とはいえ長く傭兵稼業を続けている彼には、基本的な事を今更聞くまでも無い。
 ならば、今後の仕事に有利に働きそうな情報でも獲られれば上出来か。
 やり方は勿論、いつものように。

「えへへっ、皆さんが無事に何よりでした!」
 愛らしい少女の様な姿。鈴を転がす様な美しい声。改めて目の当たりにした船団の面々には、覚えず頬が弛む者も。そして誰一人として、彼が軽く咳払いをして声を調整していたことに気づかないのだった。

 護衛隊パイロットの技量を、あざといまでに褒めるノヴァンタ。煽てようという魂胆だが、彼らはまんまと嵌まってゆく。
「良かったら、神国式の戦術とか教えてもらってもいいですか?」
 いかな誇り高き神国軍人とて、このような美少女――の様に見える人――に上目遣いで訊かれては抗えるものでは無い。

 パイロット達が我先にと語る所によれば、彼らの様な汎用機乗りにとっての腕の見せ所は、奇しくもノヴァンタがそうした様な、海面スレスレでの低空飛行なのだという。
 自分達よりも上手くこなしていたノヴァンタに対して熱心に語る彼らの圧を適当に流しつつ、話は神国の情勢へ。
 曰く、神国と言うだけあり宗教的指導者を元首とする宗教国家――という建前であるが、実際には鎮守府提督という軍事的指導者が取り仕切る軍事政権なのだという。
「陸に上がってから、お仕事でお邪魔することもあるかもしれないですね!」
 にやける彼らを尻目に、獲た情報の吟味をするノヴァンタ。情報はどれだけあっても困らない、彼の武器の一つだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年10月11日


挿絵イラスト