7
Hello neighbors.(作者 オーガ
10


#UDCアース 


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#UDCアース


0




 学校内での生徒間の不和による暴行。
 そんなものに誰かの目が向けられることはない。言ってしまえば、ただのケンカだ。
 新聞の端記事にすら足りず、本人とその保護者、学校の間で完結し、罰が執行されるだけ。
 であるなら、例えば、それが互いを殺し合うような凶行に至るのであれば、どうだろうか。
 それが誰かの思惑によって、思考を歪ませ澱み濁らされた末のものとして。
 埒外の存在がもたらす厄災として降りかかるものとすれば、それに始めに目を向けるのは――。


 ――見知らぬ声が相談に応じてくれる。
 そんな噂に釣られて、一人の生徒が放課後の学校に息を潜めていた。
 雑踏、思い浮かべる悩み。苦痛。
 なんとなく嫌だ。
「それは君が自らの心を語る言葉を持たない無知故の蒙昧だ」
 別に殺したいとかそんなんじゃないけど、居なくなってほしい。
「他力本願で我慢できる境遇を誇るべきだろうね」
 うるさい。
「耳を閉ざすことは難しいだろう。目を逸らしたとて、耳は音を拾ってしまう」
 消えろ。
「自分の心を言語化したまえ。君は何がしたい? 何をどう思う? いつ、どこで、なにに、なにを、どうやって? 考えたまえ」
 ……。
「漫然と語るなよ。己の言葉が己の精神に返ると心得ろ」
 ……。
「うるさい。それは、誰かの声が耳障りだということだろう。その誰かは君に不利益な事をしたのか? 君は勝手に、よく響くその声を嫌悪している。つまりそれは君のものだ」
 声は出ない。声が脳を震わせるようだ。
「君は君にとって、誰よりも近い隣人だ。君の声を、感情を、色を、温もりを、誰よりも君が君自身を理解するんだ」
 喉が悴む。その声が耳の奥をペンの先のように突っついて、頭が痛くなる。集中が途切れるのが嫌だ。笑い声に追随する濁った笑みが目障りだ。違う、羨ましい。だから妬んでもいいと思っている。持ち得ない物を無意識にひけらかすその傲慢さが欲しい。手に入ったとて持て余すだろうその立場が憎い。どうでも良い日々の少しずつ澱り固まったストレスを向ける先を探している自分は気持ち悪い。別にアイツが憎いわけじゃない。その場所に誰かがいることが憎い。常に、絶えず、空席であれと思っている。空席であれば嫌うという面倒くさい事をしなくて済むから。
「息をする事は意外と難しい」
 つまりは、アイツが邪魔だ。
「呼吸を意識することだ」
 息を吸い、吐く。
「一定のリズムを体に覚えさせろ」
 吸い、吐く。繰り返す。
「そうだ、中々に筋がいい」
 彼が言う。
「今、君の手にはナイフがある」
 気付けば握っていた固い感触に、全身の血管を冷たい鉄が流れていくような寒気が走る。
「呼吸を」
 息をした。
 今、早鐘を打とうとした心臓が、驚くほど静かに一定のリズムを刻む。
 刃に自分が映る。
「隣人の存在を忘れないよう」
 鋭く冴えた色をしている。
「さあ、カウンセリングは以上だ。そのナイフは君への餞別にやろう、気を付けて帰りたまえ」
 いつの間にか、陽はすっかり沈んでいた。全身が冷えた汗でぐっしょりと濡れている。下着が肌に張り付いて気味が悪い。
 知らない誰かの椅子から立ち上がり、知らないクラスの教室を出ていく。
 扉を潜る手前で振り返る。夜風の吹き込む教室には、誰の姿も無い。
 手にしたナイフを静かに鞄へと滑り込ませた。
 

「UDCが発生しようとしている」
 ルーダス・アルゲナ(傍観する獣・f24674)は告げた。
 場所はとある中学校。
 半ば既に顕現しているそのUDCによって学校は、異様な緊張に包まれている。
 針でつつけば一触即発、事件が起こるような薄氷のごとき平穏。誰もが気付きながらもギリギリで崩壊を保っている。
 愛情や憎悪、好悪全ての感情が何者かによって他者を害する事へと向けられているような。
「恐らく洗脳が蔓延している」
 その殆どは軽いものだが、その中でも悪意を拡大させ生徒へと強い洗脳を仕掛けているらしい。
 身体機能の向上と隠蔽技術。暗殺者としての洗脳教育。
 学校に潜むUDCを炙り出すため、まずは学校に潜入し、その洗脳された生徒達を見つけてほしいと、ルーダスは言う。
「洗脳も完璧じゃない。よく観察すれば違和が見えるだろう。こちらが目立てば動きを見せてくれるかもしれない。
 だが、気を付けてくれたまえ」
 UDCによる暴動の先行を避けるため、事前に通達は送れない。UDC職員に当日許可をもぎ取ってもらう。
 だが、猟兵はそれよりも先に潜入する手筈だ。
 あまり刺激すれば、たちまちに殺し合いが始まるだろう。
「相手は少年少女だが、何をしてくるか分からない相手だ」
 武器も確認されているし、洗脳を受けている。抵抗は確実にあるだろう。
「十分に注意して望んでくれ」
 そう告げたルーダスは猟兵達を送り出した。





第2章 集団戦 『暗闇の追跡者』

POW ●燃エ広ガル狂気
【崩れた輪郭から溢れ出る闇】が命中した対象を燃やす。放たれた【狂気を齎す漆黒の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD ●膨レ上ガル呪詛
【膨張しながら不定形に拡がり続ける闇】に変形し、自身の【輪郭や自己同一性】を代償に、自身の【攻撃範囲】と、技能【精神攻撃】【呪詛】を強化する。
WIZ ●揺レ浮カブ恐怖
レベル分の1秒で【対象の背後に出現し、対象を絞め殺す腕】を発射できる。
👑11 🔵🔵🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


東天・三千六(サポート)
僕は瑞獣×悪霊×寵姫の男子です
いつも笑顔で人懐っこく友好的です
他者を呪いたいって衝動が抑えきれません
祝いが呪いに変わるかもしれないので「おめでとう」等祝う言葉は言いません
とはいえ他の猟兵の迷惑になるのは嫌です
多少の怪我は厭わず行動して事態の解決に尽力しますね
容姿や立ち位置を生かしての弱者演技や泣き真似など躊躇しませんよ

UCは状況に適した物をどれでも使用します
武器は霊剣と縄
呪いの縄で縛る、誘惑で怯ませるなど
敵にデバフ与えるのだーいすきなので積極的に行動の邪魔しにいきます
電撃や呪殺での遠距離攻撃を好んでいます

公序良俗に反する行動はしませんっ
アドリブ連携歓迎です
よろしくお願いします


 東天・三千六(春雷・f33681)は、学校の至る所に湧き出した黒い影を見据え、溜め息を吐いた。
「呪い――というより、澱んだ思いの残滓ですか」
 通常であれば、ただ霧散し、消えていくだけの弱い存在に過ぎない。だというのに、ここまで力を持って顕現している。三千六はオブリビオンがこの学校を狙った理由を悟る。
 地脈。思春期の少年少女が集まって過ごすには、この場所はいささか具合が悪い。
『集まりやすい場所』とでも言うべきか。
 まるで泡のように人の形を作っては、弾けるように消える黒い影。それに三千六は、可愛らしく首を傾げてみせる。
 周りの生徒達は、まるで三千六と影のことを気にしていない。切り捨てた物への興味の無さ。見ようとしない逃避。生徒が見ているのは陽の光が落ちる場所だけで、陰りになった場所を見ようとはしていない。
 いま、三千六が立っているのが、その陰り側ということか。
「まあ、つまり僕もくしゃみの心配をしなくていい、という事ですけど……ね?」
 生徒の間を縫って三千六を取り囲み、掴み潰さんとした無数の腕が、瞬く雷光に焼かれて砕け散る。
 三千六は驚きもしない。それは彼がその目を通して与えた神罰に他ならないのだから。
 弾かれた影の腕。呪いの塊とも言える影は、しかし、思考を持たぬ訳ではない。周囲を一瞥した後に放たれた神速の雷鞭。その発動に必要なのが視覚だというのならば、その目の内に留まらぬ背後。
「――」
 音もなく、漆黒の追跡者がその身を、三千六の背後へと現れ、その腕で三千六の首を締め付ける。抵抗の好きも与えず、その首を強引にへし折る――ことはできなかった。
 動けないでいた。
 腕を振り上げ、その細い首に手を延ばした体勢のままに、影は微動だに出来ずに全身を硬直させる。弾けて消えることも出来ず、影が感じるのは、濃い呪詛の重み。少年少女、その感情の集合体などには到底太刀打ち出来ぬほどの呪詛の枷に囚わる。
 その影に出来ることは、ゆっくりと振り向いてくる、その少年の横顔を見つめることだけだった。
「僕に敵意を向ける、ふふ」
 その笑みは、酷く穏やかなものだった。子供が人形に語りかけるような、優しい声色。
「それだけで罪なんですよ」
 パチリと白雷が走る。それきり。
 人形を撫でるがごとく放たれた雷撃が影を構成する呪いを焼き払っていた。
成功 🔵🔵🔴