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#UDCアース

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#UDCアース


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 学校内での生徒間の不和による暴行。
 そんなものに誰かの目が向けられることはない。言ってしまえば、ただのケンカだ。
 新聞の端記事にすら足りず、本人とその保護者、学校の間で完結し、罰が執行されるだけ。
 であるなら、例えば、それが互いを殺し合うような凶行に至るのであれば、どうだろうか。
 それが誰かの思惑によって、思考を歪ませ澱み濁らされた末のものとして。
 埒外の存在がもたらす厄災として降りかかるものとすれば、それに始めに目を向けるのは――。


 ――見知らぬ声が相談に応じてくれる。
 そんな噂に釣られて、一人の生徒が放課後の学校に息を潜めていた。
 雑踏、思い浮かべる悩み。苦痛。
 なんとなく嫌だ。
「それは君が自らの心を語る言葉を持たない無知故の蒙昧だ」
 別に殺したいとかそんなんじゃないけど、居なくなってほしい。
「他力本願で我慢できる境遇を誇るべきだろうね」
 うるさい。
「耳を閉ざすことは難しいだろう。目を逸らしたとて、耳は音を拾ってしまう」
 消えろ。
「自分の心を言語化したまえ。君は何がしたい? 何をどう思う? いつ、どこで、なにに、なにを、どうやって? 考えたまえ」
 ……。
「漫然と語るなよ。己の言葉が己の精神に返ると心得ろ」
 ……。
「うるさい。それは、誰かの声が耳障りだということだろう。その誰かは君に不利益な事をしたのか? 君は勝手に、よく響くその声を嫌悪している。つまりそれは君のものだ」
 声は出ない。声が脳を震わせるようだ。
「君は君にとって、誰よりも近い隣人だ。君の声を、感情を、色を、温もりを、誰よりも君が君自身を理解するんだ」
 喉が悴む。その声が耳の奥をペンの先のように突っついて、頭が痛くなる。集中が途切れるのが嫌だ。笑い声に追随する濁った笑みが目障りだ。違う、羨ましい。だから妬んでもいいと思っている。持ち得ない物を無意識にひけらかすその傲慢さが欲しい。手に入ったとて持て余すだろうその立場が憎い。どうでも良い日々の少しずつ澱り固まったストレスを向ける先を探している自分は気持ち悪い。別にアイツが憎いわけじゃない。その場所に誰かがいることが憎い。常に、絶えず、空席であれと思っている。空席であれば嫌うという面倒くさい事をしなくて済むから。
「息をする事は意外と難しい」
 つまりは、アイツが邪魔だ。
「呼吸を意識することだ」
 息を吸い、吐く。
「一定のリズムを体に覚えさせろ」
 吸い、吐く。繰り返す。
「そうだ、中々に筋がいい」
 彼が言う。
「今、君の手にはナイフがある」
 気付けば握っていた固い感触に、全身の血管を冷たい鉄が流れていくような寒気が走る。
「呼吸を」
 息をした。
 今、早鐘を打とうとした心臓が、驚くほど静かに一定のリズムを刻む。
 刃に自分が映る。
「隣人の存在を忘れないよう」
 鋭く冴えた色をしている。
「さあ、カウンセリングは以上だ。そのナイフは君への餞別にやろう、気を付けて帰りたまえ」
 いつの間にか、陽はすっかり沈んでいた。全身が冷えた汗でぐっしょりと濡れている。下着が肌に張り付いて気味が悪い。
 知らない誰かの椅子から立ち上がり、知らないクラスの教室を出ていく。
 扉を潜る手前で振り返る。夜風の吹き込む教室には、誰の姿も無い。
 手にしたナイフを静かに鞄へと滑り込ませた。
 

「UDCが発生しようとしている」
 ルーダス・アルゲナ(傍観する獣・f24674)は告げた。
 場所はとある中学校。
 半ば既に顕現しているそのUDCによって学校は、異様な緊張に包まれている。
 針でつつけば一触即発、事件が起こるような薄氷のごとき平穏。誰もが気付きながらもギリギリで崩壊を保っている。
 愛情や憎悪、好悪全ての感情が何者かによって他者を害する事へと向けられているような。
「恐らく洗脳が蔓延している」
 その殆どは軽いものだが、その中でも悪意を拡大させ生徒へと強い洗脳を仕掛けているらしい。
 身体機能の向上と隠蔽技術。暗殺者としての洗脳教育。
 学校に潜むUDCを炙り出すため、まずは学校に潜入し、その洗脳された生徒達を見つけてほしいと、ルーダスは言う。
「洗脳も完璧じゃない。よく観察すれば違和が見えるだろう。こちらが目立てば動きを見せてくれるかもしれない。
 だが、気を付けてくれたまえ」
 UDCによる暴動の先行を避けるため、事前に通達は送れない。UDC職員に当日許可をもぎ取ってもらう。
 だが、猟兵はそれよりも先に潜入する手筈だ。
 あまり刺激すれば、たちまちに殺し合いが始まるだろう。
「相手は少年少女だが、何をしてくるか分からない相手だ」
 武器も確認されているし、洗脳を受けている。抵抗は確実にあるだろう。
「十分に注意して望んでくれ」
 そう告げたルーダスは猟兵達を送り出した。


オーガ
 各章ごとに断章をはさみます。

 よろしくお願いいたします。
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第1章 冒険 『UDC召喚阻止』

POW   :    UDCの発生原因となりそうなものを取り除く

SPD   :    校内をくまなく調べ、怪しげな物品や痕跡がないか探す

WIZ   :    生徒達に聞き込みを行い、UDCの出現条件を推理する

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 第一章、学校内を探索します。

 放課後ですが、生徒も多く残っています。
 洗脳を受けた生徒から、UDCの情報を聞き出すために接触してください。

 好きに書きます。
 よろしくおねがいします。
ジョン・フラワー
おおかみ潜入します!
なあに、かくれんぼだって得意分野さ!
怪しい子を見つけて話を聞けばいいんだろう! かんたんかんたん!
そういう子はよくひとりでいるから、物陰に隠れて狙いを定めて
あっ見つかった

僕はその怪しいおおかみじゃなくてえーっと
妖精さん……?

そう、お花の妖精さんだから安全だよ!
キミが悩んでそうだから心配で様子を見にきたんだ
幸運にもあんまり騒がない子でいてくれたら嬉しいなあ
騒がれたらダッシュで逃げる準備はしておくとも

何か困ったことはない? 最近おかしなことがあったとか?
おおかみ……じゃなくて妖精さんになんでも話してごらん!
つい喋っちゃいたくなる誘惑とコミュ力でいろいろ聞いてみよう!



 放課後の学校は、意外と人の目が多い。
 帰宅途中の、もしくは部活動中の学生、教師、用務員や警備員、時には警察も立ち寄るだろう。
 そんな容易く誰にも見つからずに忍び込めるような場所ではない学校という場所に、ジョン・フラワー(夢見るおおかみ・f19496)は、既に忍び込んでいた。
 人の目を掻い潜るのは慣れている。
 迷宮世界でアリスやオウガと壮絶なかくれんぼを潜り抜けてきたジョンにとっては、朝飯前だった、……と言いたかったのだが。
「……なーんか、やな空気」
 全体的に漂う刺々しい空気。ぴりぴりとした緊張感にあって、この場所の人間は皆神経質になっているらしい。
 あまり神経を逆撫でするような誘導は控え、それこそかくれんぼのように忍び込んできたのだ。思わず苦笑する。
 さーて、どうしようか。
 校舎の陰にしゃがみこんで、夕暮れに染まる空を見上げる。そんな彼の耳に、ザリ、とだれかの足音が飛び込んできた。
 咄嗟に息を潜めて、校舎と生け垣の間に身を潜ませれば、目元を髪で隠した女生徒が歩いてくる。
 ゴミ捨て場は反対側、昇降口も遠いし、園芸部だとしてもここよりも花壇を見に行くはず。こんな所に何の用があるんだろう? と首を傾げたジョンの疑問は、さして待つこともなく、彼女自身の口から転げ落ちてきた。
 曰く。
「誰か、いますよね……出てきてください」
 見つかった。とそういうことらしい。
「うーん、見つかっちゃったか」ジョンはそのままやり過ごすよりも、彼女からなにか話を聞けるかも知れないという可能性に賭けて、彼女の前へと姿を現す。
「えーっとね、僕はその怪しいおおかみじゃなくてえーっと、妖精さん……?」
「……妖精?」
 鋭くジョンを睨んでいた彼女はこてんと首を傾げて、毒気を抜かれたようにその言葉を反芻した。
「そう、お花の妖精さんだから安全だよ! キミが悩んでそうだから心配で様子を見にきたんだ」
 花を散らすようなウインクと共に明るく言い放ったジョンへと返ったのは、呆れたような女生徒のため息だった。
「はあ……怖がって損した……、あの、学校に勝手に入ってきちゃだめなんですよ?」
「うーん、あんまり騒がない子でいてくれたら嬉しいなあ」
「犯罪臭のするセリフですね……まあ、騒ぎませんけど」
 大声を上げられたならいつでも逃げ出せるように準備していたジョンの警戒に反して、女生徒は落ち着いた口調でジョンから視線を外して地面を見つめた。
 ここ誰も来ないから、下校時間ずらすのに丁度いいんです。と誰にともなくといったように、それでもジョンに聞こえるような声量で呟いた彼女は、ふと視線を上げてジョンへと、まっすぐに視線を向けた。
「あの、……悩み聞いてくれますか?」
「うん、もちろん! なんたって僕は――」
 上背のあるジョンに身を寄せるようにして見上げる女生徒に陽気に頷いたジョンは、握られたナイフが己の腹へと吸い込まれていくのを言葉の端で見た。
 鈍い銀色が、服の繊維にその先端を沈み込ませる。視覚を避けた内臓狙い。その切っ先がジョンの腹の皮膚を裂くよりも早く――。
「……どうしたの? 危ないよ?」
「っ――!」
 女生徒の手から掠め取ったナイフを手に、ジョンは距離を取った彼女に笑いかける。先刻と変わらず、人のいい表情を向け続ける。
「悩みを言いたくないなら、そうだなあ……、このナイフの出所とか、僕気になるなあ」
 オブリビオンの気配が漂う刃物。
 目の前の彼女がその存在と接触したことは明らかで。
「――邪魔なんですよ、これ以上、学校に居づらくなるような事しないでください」
 笑うように、怒るように、睨んでくる彼女に、ジョンは困ったと頬を掻く。
 彼女の言葉に心が揺れたわけはなく、ただ、質問に答えてくれない事に、彼女の価値が枯れるのを感じていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ダンド・スフィダンテ
気付かれずに入るのは無理じゃないか?俺様大体どこ行っても目立つし……。

うーん、堂々としていれば逆に目立たないとかない?
だめ?
今度来る事になった英会話の補助講師って事にしとけば、とりあえず通報はされないかな。
ジェイクス殿に習ったから、多少喋れるし……まぁスラングが多いのは仕方ないな!

あ、生徒だ。
すまない、職員室の場所を聞いてもいいだろうか?
そんな言葉から始めて少しの談笑と、此方の身の上話でもして……それから、探りを入れようか。

なぁなぁ、困った時とか悩みがある時、貴殿なら誰に相談している?
カウンセラーが居るなら、俺様も少し相談を、したい事があるんだが。

(ご自由に!お書き下さい!)



「あー、うん。そうなんだ、中途で英会話の補助する事になって」
「えーSSRじゃん! 私来月から英語頑張る!」
(SSR?)
 聞き慣れない略語に首を傾げる暇もなく次の声が畳み掛けてくる。
「ねえねえ、質問責めウェルカム? ていうか彼女とかいますよね!」
「いや、うーん、今は彼女いないかなあ」
「えー! やっばあ!」
(うーん、やっばあ……)
 ダンド・スフィダンテ(挑む七面鳥・f14230)は、困っていた。
 まあ、元々、どうしても目立つ様な振る舞いが出てしまうダンドだ。目立たず潜入という事は半ば諦めていたのではあるが、まさか忍び込んだ校舎で、即座に絡まれるとは思っていなかった。
「じゃあ、先生的に生徒と教師の恋ってあり?」
「アリって答える教師はナシじゃないかなあ」
「まじそれ、分かってんじゃんセンセー」
 ビシッ、と指を突き付けてくる。不審者には挨拶をしろ、と教えられてると噂には聴いてはいたけれども、多分、こういうことじゃない。
 学校内に来た不審者にこうも警戒心を見せずに話しかけてくるのは、実際どうなんだろうとダンドは、心中唸る。かるくスラグまじりの英語を披露したから英会話の補助講師という嘘に信憑性がついてきているのは分かるけれども。
「……えっと、それで職員室の場所はどこだろう?」
「えー、いいじゃん、もうちょっと」
「いやあ、一応……予定とかあるし、さ」
「じゃあ行きながら話そうよ、こっち」
 ダンドは先導してくれる気になったらしい生徒を見て、思考を巡らせた。正直、このまま職員室に連れて行かれるのもマズイ。なんといってもダンドは不法侵入者である。職員室の場所は知っている、数分の猶予もない。
「学校か、色々困ったこともあるだろう?」
「まあねえ」
「困った時とか悩みがある時、貴殿なら誰に相談している?」
「友達じゃね? あと彼氏」
「え、彼氏に言う? あんまり役立なくない?」
「これだから効率厨は」
 歩きながら談笑。会話に探りを入れ続ける。
「他には? 赤の他人の方が話しやすいと言うし」
「学校以外であんまり人と会わないし」
「なるほど、カウンセラーとか相談室のようなものはないのか?」
 とりとめのない会話ばかり。ダンドは少し踏み込んでみた。
「カウンセラーが居るなら、俺様も少し相談を、したい事があるんだが」
「あ、好きな人いるんでしょ」
「はは、いや、そういう事じゃないんだが」
 恋愛の話題がどうにも好みらしいと苦笑する。
 表情が変わるかと観察する、その瞬間に、生徒の表情が変わった。警戒、ではなく、何かを思い出したように。
「あ、そうだ! ちょっと寄り道良い?」
 一人が傍の教室の扉を開けた。中には誰もいない。たた、と一つの机に駆ける。彼女の席か、ダンドへと手招きをする。
「先生もちょっと来て、これ見てよ」
 まあ、行くしか無いか。とダンドは教室に入る。その席は最前列の扉側。悪戯な笑みを浮かべて、生徒がその棚の中から数枚のプリントを取り出した。
 視界の左下。ナイフが頸動脈を狙う。
「――ッ」
 薄皮一つ切られはしない。ただ、肌の表面を鋭い刃が撫でていった。身を翻し、背後から伸ばされた刃を躱したダンドは、並ぶ机の間を抜けて、二人の生徒から距離を取った。杜撰な手だ。慣れてはいないのだろう、連携も、誘導も、意識の逸し方も甘い。
 故に油断した。故に、異常だった。
 慣れていないというのに、その刃に躊躇いは無かった。
「さて、困ったな」
 眉を顰める。
 心底から呟く。どうにも逃してはもらえないらしいこと自体にではなく。
「女の子に乱暴はしたくないんだけどな」
 そう、静かに拳を握った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

キア・レイス(サポート)
大得意 隠密・潜入・暗殺・遠距離攻撃・籠絡
得意 偵察・探索・支援・制圧・集団戦・時間稼ぎ
不得意 目立つ・コミュニケーション・ボディタッチ・格闘戦
特技(アイテム装備時)ピアノ演奏・歌唱・二輪車操縦

幼い頃から吸血鬼に飼われていた奴隷
吸血鬼の魔力を少量ながら持ち一部UCはそれを元に発動している
現代火器による戦闘と斥候・諜報・盗賊行為が得意な他、色香を使った誘惑が得意技
反面普通の人と関わったことが少なく踏み込んだ会話が苦手、他に不用意に身体を触られると不快感を覚え一瞬身体が動かなくなる

アドリブ歓迎
UCや装備品の説明文は読んで頂くと書きやすいと思います
また一部UC使用時の口調は覚醒時を使用してください



 ゆりかご。
 キア・レイス(所有者から逃げだしたお人形・f02604)は、学校という団体の中で年若い男女の喧騒を聞きながら、そんな感想を抱いていた。
 命の危機もない。体を弄ばれる謂れもない。キアの価値観からすれば、それは酷く浅薄な繋がりで幸せとは言えないけれど、それでも、護られる事が当然の篭は、彼女の無意識の奥底に嫉妬めいた感情を灯すには十分だった。
(潜入し、彼らから情報を――という話だったが)
 息を潜め、廊下の声を聞く。他人の意識に一切注意を払わずに交わされる生徒の会話、それにキアが自然に混ざれるかと言われれば、絶対に否だ。
 反面、相手は性機能が活発な年齢の人間。籠絡は容易いだろうが。
(洗脳を受けていれば、別か)
 洗脳を上書きする防御策は考えられているだろう。主以外の言葉を信用しない、と植え付けるだけで効果はあるようなものだ。
「……必要は無くなったか」
 キアは、唐突に声を発した。
 表で話していた生徒の足が止まる。キアのいる教室の扉。彼女がかけ直した鍵が開く音。
 隠密――気配を立つ事に秀でたキアの潜伏を、そう簡単に見破られるはずはない。試しに僅かに気配を漏らし、反応を待っていたのだが、どうやら策を講じた甲斐はあったらしい。
 教室のドアが開けられる。
 僅かに感じる純粋な殺気。キアは要警戒対象を捕縛するために、静に床を蹴り出した。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『暗闇の追跡者』

POW   :    燃エ広ガル狂気
【崩れた輪郭から溢れ出る闇】が命中した対象を燃やす。放たれた【狂気を齎す漆黒の】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
SPD   :    膨レ上ガル呪詛
【膨張しながら不定形に拡がり続ける闇】に変形し、自身の【輪郭や自己同一性】を代償に、自身の【攻撃範囲】と、技能【精神攻撃】【呪詛】を強化する。
WIZ   :    揺レ浮カブ恐怖
レベル分の1秒で【対象の背後に出現し、対象を絞め殺す腕】を発射できる。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

東天・三千六(サポート)
僕は瑞獣×悪霊×寵姫の男子です
いつも笑顔で人懐っこく友好的です
他者を呪いたいって衝動が抑えきれません
祝いが呪いに変わるかもしれないので「おめでとう」等祝う言葉は言いません
とはいえ他の猟兵の迷惑になるのは嫌です
多少の怪我は厭わず行動して事態の解決に尽力しますね
容姿や立ち位置を生かしての弱者演技や泣き真似など躊躇しませんよ

UCは状況に適した物をどれでも使用します
武器は霊剣と縄
呪いの縄で縛る、誘惑で怯ませるなど
敵にデバフ与えるのだーいすきなので積極的に行動の邪魔しにいきます
電撃や呪殺での遠距離攻撃を好んでいます

公序良俗に反する行動はしませんっ
アドリブ連携歓迎です
よろしくお願いします



 東天・三千六(春雷・f33681)は、学校の至る所に湧き出した黒い影を見据え、溜め息を吐いた。
「呪い――というより、澱んだ思いの残滓ですか」
 通常であれば、ただ霧散し、消えていくだけの弱い存在に過ぎない。だというのに、ここまで力を持って顕現している。三千六はオブリビオンがこの学校を狙った理由を悟る。
 地脈。思春期の少年少女が集まって過ごすには、この場所はいささか具合が悪い。
『集まりやすい場所』とでも言うべきか。
 まるで泡のように人の形を作っては、弾けるように消える黒い影。それに三千六は、可愛らしく首を傾げてみせる。
 周りの生徒達は、まるで三千六と影のことを気にしていない。切り捨てた物への興味の無さ。見ようとしない逃避。生徒が見ているのは陽の光が落ちる場所だけで、陰りになった場所を見ようとはしていない。
 いま、三千六が立っているのが、その陰り側ということか。
「まあ、つまり僕もくしゃみの心配をしなくていい、という事ですけど……ね?」
 生徒の間を縫って三千六を取り囲み、掴み潰さんとした無数の腕が、瞬く雷光に焼かれて砕け散る。
 三千六は驚きもしない。それは彼がその目を通して与えた神罰に他ならないのだから。
 弾かれた影の腕。呪いの塊とも言える影は、しかし、思考を持たぬ訳ではない。周囲を一瞥した後に放たれた神速の雷鞭。その発動に必要なのが視覚だというのならば、その目の内に留まらぬ背後。
「――」
 音もなく、漆黒の追跡者がその身を、三千六の背後へと現れ、その腕で三千六の首を締め付ける。抵抗の好きも与えず、その首を強引にへし折る――ことはできなかった。
 動けないでいた。
 腕を振り上げ、その細い首に手を延ばした体勢のままに、影は微動だに出来ずに全身を硬直させる。弾けて消えることも出来ず、影が感じるのは、濃い呪詛の重み。少年少女、その感情の集合体などには到底太刀打ち出来ぬほどの呪詛の枷に囚わる。
 その影に出来ることは、ゆっくりと振り向いてくる、その少年の横顔を見つめることだけだった。
「僕に敵意を向ける、ふふ」
 その笑みは、酷く穏やかなものだった。子供が人形に語りかけるような、優しい声色。
「それだけで罪なんですよ」
 パチリと白雷が走る。それきり。
 人形を撫でるがごとく放たれた雷撃が影を構成する呪いを焼き払っていた。

成功 🔵​🔵​🔴​

祓戸・多喜
えーと何か学生の子は認識できてないけど学校全体ヤバそうな感じ?
澱んだ怨念とかどー考えても健康に悪いし全部吹っ飛ばしてやらないとね!

屋上目指して目立たないように迷彩しつつ階段上がってくわ!
通り道に嫌な気配感じる場所があったら破魔の力込めた矢さくっと突き立てて結界張って怨念を散らす。
邪魔する奴がいたら生徒なら素手でぽーいと投げ飛ばし、オブリビオンなら日本刀念動力で操って突破優先しつつスパっと切り捨ててくわ!
それで屋上についたら空に向かって弓を引き絞って破魔の力込めてUC発動!
落下しながら分裂する光の矢でオブリビオン達を撃ち抜きつつ矢を媒介に結界張って嫌な空気を消し飛ばす!

※アドリブ絡み等お任せ🐘



 淀んで、溜まって。暗い怨念が膨れ上がる。
 祓戸・多喜(白象の射手・f21878)は、その巨きな体を弾ませながら、しかし機敏に廊下を駆けていた。
「えー? 学校ってもっと楽しい感じのとこだと思うんだけどなあ」
 澱む怨念。そんなあからさまに不健康そうなものが蟠っているような場所ではないと、多喜は思う。
 楽しい場所だ。いや、楽しまないと損な場所だ。
 行く手を阻む影を鎧袖一触に切り飛ばす多喜の前に、様子の違う生徒がいるのを見つけた。
 生徒は、明白に影を見ていた。
 その生徒が少し前に猟兵を襲い撃退された少女だと多喜は知らない。それでも、わずかに感じる強力なオブリビオンの気配に警戒を強める。
 だが、更に近づいてみれば、その生徒は多喜に攻撃を仕掛けようとすることもなく、怯えを含んだ表情でその影を見つめていた。不思議なことに、影もその生徒に気づかれていると知りながらも遠巻きに眺めているばかりだった。
(……そうなのね)
 怯えはありながらも、逃げようとするまでの恐怖はないようだった。彼女は気づいているのだろう。その影が自分や学友の心からにじみ出た影だと。
 個人的な話にはなるが、多喜は優等生という訳ではない。広義には優良な学生とはなるだろうが、だからといって教師や教授からお叱りを受けたことが無いような品行方正さを貫いている訳ではない。
 喧嘩をしたこともある。そういう強い感情があることを多喜は知っている。その生徒もそれを知っている、気づいている。そして、自らの醜さと刃を持つ怖さを知っている。
 あの影達は、その学生が彼らを拒絶しようとすれば途端に牙を剥くだろう。恐怖も拒絶の一つだ。彼女はそれを辛うじて抑えている。
 だが、決壊は遠くはないだろう。
 それよりも、先に。
「ごめんなさい!」
 一閃、重なる。念力で操る日本刀が、彼女の周囲の影を切り裂いていた。
「ね、屋上は端の階段からなら上がれるわよね?」
「え? あ、うん……」
「ありがと!」
 多喜は念のため確認した。両端でなく中央の階段から上がれば屋上に出れる構造なら遠回りをしてしまうかもしれないから。――というのは、方便だ。本当のところは。
「大丈夫だから、それじゃね」
 その一言が言いたかったのだ。
 学生が呑まれないように、そんな考えはなかった。
 そうするべきで、そうしたいと、多喜が思った。それだけだ。足取りは軽い。階段を数段飛ばしで駆け抜けようと、叱りつける教師はいない。屋上の扉を開け放った。
「おっと」
 老紳士が立っている。それが元凶だとすぐに知れた。が。
「うん、あと!」
 多喜は一瞥のみで留めると、空へと向かい巨大な光の矢を放つ。破魔宿る光は弧を描く空の頂点で上下を入れ替え、無数に分裂しながら校舎へと降り注いでいく。
 壁も、床も。全て突き抜け、貫くのは怨念の影達。
「繋いで……弾く!」
 パチンと多喜は指を弾いた。自己暗示にも似た音に集中した多喜の脳裏に、校舎へと放った無数の矢の存在が浮かび上がる。
 それをつなぐ。結界を結び、そうして淀んだ空気に風穴を開けていた。淀みが撹拌されていく。破魔の力が校舎を浄化していき。
「ふう」
 多喜は、額に浮かぶ汗を拭って、一息ついて。
「こんにちは」
 そう声をかけるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クーナ・セラフィン
ん、何か嫌な空気だね。
長居するのは嫌だけどそれではここの人達が大変だろう。
元凶を探しつつ生徒達…先生達もかな?
とりあえず静かにさせてこうか。

校内をダッシュで駆け抜けつつ元凶捜索。
怪我人やメンタル決壊寸前な雰囲気の人見かけたらUC起動して眠らせ癒そう。
拒絶は危ないけれど意識が飛ばされてそこに居続けるならわざわざ襲う事もないだろうし。
…わざわざこんな手のかかる事やってるし、無為に殺すようにはしないはず。
まあ私が狙われるのは避けられないだろうけどもね。
後ろに気配を感じた瞬間高くジャンプし振り返りつつ破魔の力纏わせた突撃槍でカウンターを決めてやろう。
そんなおさわりはお断り、だね。

※アドリブ絡み等お任せ



(嫌な空気だね)
 廊下を駆け抜けながらクーナは、ついつい吐きそうになる溜息を堪えていた。窓が、扉が過ぎ去っていく。
 巻き込まれているのは何人だろう。
 それでも被害は少ないのはすぐに知れた。まるで対処法を知っているかのように少年少女達は、その影を――隣人たちを見つめ、恐怖を呑み、拒絶をこそ拒んでいる。
 ふん、とクーナは少し複雑な心地になる。
 件の元凶がこれを想定して、彼らに、彼らの中の悪意に気付かせるような行動をしていたのなら、それは彼らをこの状況から守っているということになる。
 だが、この状況を作り出したのもまた彼の元凶なれば、それを善と呼べはしない。
「お前、が……!」
 そして、その教えは、怒りや憎しみの感情を自発的に取り出すこともしやすくなるものだ。クーナの目の前に飛び出してきた彼のように。
 生徒、ではなく教師か。成る程、生徒達よりは、その感情の扱いは得手だろう。異常な状態になった学校、その原因をクーナ達侵入者だと考えてナイフを突き出してくる。
 刹那、スラックスの脛。その切り傷の周りが濃く染まっているのが見えた。
「……、っと」
 クーナの身長は50cmにも満たない。低く身を沈めれば彼の膝ほどの高さしかない。腕に持つナイフでの攻撃は屈むだけでほぼ無効化出来る。
 これが敵なら、足を切り崩して仕留めれば済む話ではあるのだが。
「そういうわけにもいかないからね、少し静かにしてもらおうかな」
 懐に潜り込み、腰のベルトに足を引っ掛けて蹴るように彼の体を押す。よろめいた彼の体が壁に支えられたのを見たクーナは手にした突撃槍、その柄を指先で軽く叩いた。
 槍の周りに光の輪が生まれ、そこから薔薇の萌芽は開く。溢れるは、優しき香と花弁。眞白の薔薇の風が吹き抜ければ。
「ゆっくりおやすみ」
 持たれかけた壁に沿うように男性の体はゆっくりと地面に腰を付けていく。見れば緩やかな寝息に胸が上下しているのが見えた。怪我も消えている。
 わざわざ、身を守る方法を教えたのだ。無為に殺すはずもない。無理に動かなければこの追跡者に殺される事もないだろう。
 クーナは判断し。
 リノリウムの床を、叩くようにして舞い上がった。眼前を掠めるように影が奔る。
 己が直前までいた空間。そこに伸ばされた影の腕が空振りするのを眼下に見下ろしながらクーナは、白百合の突撃槍を構え。
 ヒュキュ、と軽い風切。天井を蹴った。
 軽い身のこなしから放たれた強烈な槍突は、追跡者の胴体に風穴を開かせる。傷口が白銀の光に覆われ、その再生を――呪詛の漲りを阻んでいた。
「無粋」
 私に触れたいのならもっと慈しみと尊敬を持たないと。
「そんなおさわりはお断り、だね」
 言い放ち、クーナは先へと踏み出した。
 その背後で漆黒の追跡者が、胴体の孔から溢れる白銀の花びらに溶けるよう埋もれていく。
 その場には、安らかに寝息を立てる教師だけが残されていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

水鏡・多摘
ふむ、嫌な気を感じるな。
この淀んだ空気が邪神の力の一部なのかか…ともかく、祓わねばなるまい。

移動は空中浮遊で、嫌な気配の濃い方を目指し探索。
道中明らかにまずい状態になっている人間には龍符に浄化の力を籠めて張り付け悪化防止。
阻止しようと現れた敵は祟り縄で縛り上げて破魔の力を喰らわせてくれよう。
…輪郭が崩れ、炎を撒くか。周囲にこの狂気を広げられては困る。
とりあえず祟り縄を媒介に水属性と破魔の力を込めた結界を展開、生徒や校舎への延焼を防ぐ。
長持ちはせぬだろうがそれで充分、止めている間にUCで思い切り尾を叩きつけバラバラに砕けば流石に大丈夫だろうよ。
さあ、邪神を潰しに行かねば。

※アドリブ絡み等お任せ



 水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)は眠りから覚めるように領域の空気を肌で感じていた。
 うねる風の感覚、乱れた気の流れ。
「地脈……竜脈を乱されているのか?」
 いうならば、この場所は二つの流れが交わっている場所。二つの川が一つの川に集まる交点だ。
 細い流れならば珍しくもないが、そこに学校が建てられたということがそもそも淀みを生みやすい状況を作り出している。
 それを、かの邪神が増幅させ、オブリビオンを生み出すにまで至った。
「ふむ、なれば、整え直そうか」
 龍の力を込めた霊符を抛ち、此方側へと踏み外した生徒の悪化を防ぎながら校舎をゆく。はじめは煩雑と溢れるばかりだった気の流れが、次第に、水底に孔を開けたように一箇所へと集っていくのを如実に感じられる。
「……そこにいるのか」
 オブリビオンの気配。猟兵が間引いたからこそ、制御を可能とし始めたのか。まるで、こうなることを予想していたような。
「ふむ、悠長に考える暇はなさそうじゃ」
 多摘は、行く手を阻むように現れた影に呆れるように息を吐く。力を注いで操る祟り縄が影を縛り付け、破魔の気が影を崩していく。それだけで、脆く崩れ去るかのように見えた追跡者だが。
 その体が液体のようにこぼれ落ちたかと思えば、その周囲に漆黒の炎が溢れだした。瞬く間に通路を塞がんほどに広がる火炎。
 通れない。ばかりか、周囲に居る気付かぬ生徒達にすらその魔の手が伸びようとしている。
「それは困るかの」
 声に言霊を込める。
 既に放った祟り縄が影の拘束を解き、刹那に絡み合い円を描く。多摘のちからによって囲まれたその円の中を彼の異界と定義する。すなわち結界。
 黒炎は延焼を押し込まれるが、即席の神域を次第に蝕んでいく。長くは持たないだろう。祟り縄の端が僅かに焦げ付いている。
 だとして。
「疾くと退くがいい」
 多摘とて、それを長居させるつもりは毛頭なかった。
 ボ、ヒュッ――! と静かなれど、強烈な一撃が風を貫いた。己の領域へと飛び込んだ多摘が、その竜の尾を叩きつけたのだ。
 床に崩れ落ちながら黒炎をばらまいていた影は、その尾に散らされて焦げ跡を僅かに残して消え去っていた。
「さあ、邪神を潰しに行かねば」
 多摘も進む。
 目指すは屋上。そこに。元凶が居る。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『欺き導く者』

POW   :    精神介入
対象への質問と共に、【任意の場所】から【洗脳された一般人達】を召喚する。満足な答えを得るまで、洗脳された一般人達は対象を【助けを求める声、猟兵を責める声、縋る腕】で攻撃する。
SPD   :    詭弁
【扇動、鼓舞、挑発のいずれか】を披露した指定の全対象に【レベル×2倍の能力強化を行い、強い敵対】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
WIZ   :    謀略
自身の【目を見た者に限り、自身の視覚】を代償に、【半径10メートル以内にいる猟兵同士】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【どちらかが倒れるま】で戦う。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はジェイクス・ライアーです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

轟木・黒夢(サポート)
『私の出番?それじゃ全力で行くわよ。』
 強化人間のヴィジランテ×バトルゲーマー、19歳の女です。
 普段の口調は「素っ気ない(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、偉い人には「それなりに丁寧(私、~さん、です、ます、でしょう、ですか?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格はクールで、あまり感情の起伏は無いです。
戦闘では、格闘技メインで戦い、籠手状の武器を使う事が多いです。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


廻月・灯里(サポート)
 人間の戦巫女×寵姫、26歳の女です。

自身と、ある神様の縁を断ち切る方法を探しつつ、人助けの旅をしています。
傾向として子供や戦いを好かない人には代わりに戦う事を提案します。
また、望まない運命に翻弄されている人物には積極的に味方します。

 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、真剣な時では「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードはどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
猟兵に迷惑をかける行為はしません。
ただし、自身の行動を束縛する要求には少しだけ不満を表します。

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


紬雁・紅葉(サポート)
『業邪…御鎮めします』
基本戦闘場面に参加

破魔、属性攻撃、衝撃波、薙ぎ払い等とUCを適宜組み合わせて攻撃

見切り、残像、オーラ防御、武器受け等とUCで防御や回避

窮地の仲間は積極的にかばい援護射撃

範囲攻撃と2回攻撃での雑魚払いが得意だが
ボスとの戦闘も遜色なく行えるし行う


羅刹紋を顕わに戦笑み
傷負っても笑みを崩さず
何処までも羅刹の血と"剣神"の導きに従い
災魔業邪を打ち倒す

敵の最期に
去り罷りませい!
の言葉を

 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 轟木・黒夢(モノクローム・f18038)はそこに立つ壮年の男に、冷静な眼差しを向けていた。
 その周囲にいる、数人の生徒。
「気にする必要は無いよ」
 欺き導く者は息を吐くように、構えを取る生徒たちと猟兵に向けてそう語りかける。
「彼らは、足りなかったもの達だ」
 いずれ来るこの暴竜に呑まれて狂うはずだったのだと。
「だから、救わなくていいとでも?」
「いいや」
 廻月・灯里(神の巫女・f35560)が問いかければ、彼は首を振った。ぜひとも、救ってくれと。
「……?」
 己の手駒としているはずの男性の言葉に灯里が疑問を浮かべた、そのとき。男性は両腕を広げて、一つ拍手を打った。
 スパン、と響き渡る快音。屋上の床にそれが反響する刹那。生徒が一斉に駆け出した。
「ッ……、考えている余裕はありませんね……!」
「極力傷つけないように、ね! あんまり得意じゃないけど」
 踏み出した灯里に紬雁・紅葉(剣樹の貴女・f03588)が、その言葉に反して笑みを浮かべながら、生徒と肉薄していく。
 突き出されるナイフの刃。紅葉は鋭く容赦の無い殺意の刃を紙一重に避けながら、己を魔力によって強化する。
 光、闇、そして空。有と無を混ぜ合わせるように、混ざり合わぬものが螺旋を描くように、彼女の体内が活気に満ちる。
「覚悟はあっても、所詮は素人ね。……隙だらけッ!」
 紅葉は、強烈な掌底を生徒へと叩き込んだ。衝撃が溢れる。もし、その衝撃を全て生徒へと注ぎ込んでいたとすれば、彼の胴体は木っ端微塵と砕かれていただろう。
 だが、生徒の体は吹き飛びはしなかった。
「……っ、次」
 紅葉がインパクトの瞬間、己の腕へと衝撃を逃していたのだ。相手を傷つけず、それでいて衝撃によって相手の運動能力を麻痺させる絶妙な力加減。一瞬、己へと逃した力による痛みに行きをつまらせるも、彼女は襲い来る他の生徒へと向き直る。
「叩く」
 黒夢は、紅葉が開けた道に駆け込んだ。狙うは、UDC、欺き導く者。駆け抜け、後数歩。
「殺す、殺してやる!」
「……ッ!」
 その寸前で、黒夢へと生徒が襲いかかってきた。ビュウ、と奔るナイフの音が黒夢の意識を乱す。握る籠手を叩きつければ話は速いのだろうが、そうも言ってはいられない。ナイフを握る素人だ。その腕力も、握力も足りていない。
 そこにいるのは、紛れもなく洗脳を受けた一般人。相手するまでもなく、置き去ることは難しくない。だが、黒夢は脚を止めて、女生徒に向き直ってみせた。
「それ位も出来ないなんて、馬鹿にされちゃたまんないのよね」
 欺き導く者が離れるのが見える。其れとともに、ナイフが突き出される。狙うのは黒夢の胴体か。防御よりも先に、黒夢は指をならす。
 パチンと、音が弾ける。その音が女生徒の耳をうつよりも早く、黒夢は生徒の手からナイフを奪い去り、その体を床に横たわらせていた。意識は奪っている。高速で移動する最中に親指で顎を軽く引っ掛けた。それだけで、生徒は数十分は気を失っているだろう。
「さ、仕切り直しね」
「援護は任せてください」
 灯里が、生徒を傷つけぬよう戦う中で、声を発する。掲げる掌に従うように、空が――この空間を包む天蓋が、雲ひとつない蒼穹へと包み込まれていく。
 瞬く。流星が溢れ出して、穏やかな風が当たりを包む。
「大丈夫です」
 流星が生徒たちの武器を砕き、直撃はせずともその余波で意識を奪っていく。そして、穏やかな風と暖かな陽射しが猟兵達の傷を拭い去っていく。
「存分に、奮ってください」
 駆ける仲間に、灯里はその先にいるUDCを見つめた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

祓戸・多喜
えーと貴方が黒幕ってことでいいのよね?
何か見るからに怪しいしもう滅茶苦茶にぶっ飛ばしちゃうわよ!
洗脳された人もきっと時間が正気に戻してくれると思うし。

UC発動して狙撃モード。
洗脳された一般人は完全に無視して本体のみを矢の連射を狙っていくわ!
的…敵に意識を集中、雑音も耳に入らない位に集中してやるのがこの人達を助けるのに一番手っ取り早いし。
えーと何だか面倒な事言ってきてる気がするけど、そーいう難しい話は他の誰かにした方がよくない?
美味しいもの食べて楽しく遊ぶ!
明日は明日の風が吹くし一々心配してても仕方なし!
さあ悪いように人を導くヤツはちゃーんとお仕置きの矢を喰らいなさい!

※アドリブ絡み等お任せ🐘


水鏡・多摘
あれがこの事件の元凶か。
さっさと排除しこの一帯の浄化を行わねばな。
…細かな澱みはどこにでも生じるもの、それを助長する悪しき邪神は生かしてはおけぬ。

何となくじゃが接近されると危険な気がするので、空中浮遊で空飛びつつ距離を取りつつ交戦。
そして遠距離からUC発動し呪詛製の翼竜型の式神を向かわせ逃げ場を奪っていく。
式神達はそれそのものに呪詛を織り込んでいる、迂闊に砕けば敵対者に呪詛をぶちまける事になるじゃろう。
とはいえ近くに一般人を寄せている可能性もある。
彼らに被害を及ばせないよう制御はしっかりとせねば。
そして決定的な隙を見出だしたら一斉に襲い掛からせ跡形もなく消してくれようぞ。

※アドリブ絡み等お任せ



「ああ、流石だ。後遺症一つ残さず、伸してのけるとはね」
 そう語る声は、まるでできの良い生徒を褒めるようであり、そして、其れが出来て当然だと言うような冷淡さがあった。
 いまだ猟兵達が生徒たちを抑えてくれている。今は好機とみて違いないだろう。だが、そこに何を隠し持っているのか、計り知れないような気配に水鏡・多摘(今は何もなく・f28349)は、警戒の色濃く空から見下ろしていた。
「どう思うかね」
「細かな澱みはどこにでも生じるもの」
 手の平から符が飛び立っていく。風にそよがれるように、しかし、何かの意思が介在していることを疑いようのない軌道を描いて。
 呪詛が符を染め上げる。符の中から今しがた誕生したようにして、翼竜の式神が多摘の周りに現れた。
 呪詛は当然としてあるべきものだ。自然物足り得るものではあるが。
 だが。
「それを助長する悪しき邪神は生かしてはおけぬ」
「そうかい、困ったね」
 多摘は彼の返す声が偽りだと確信する。だが、それを問い詰める気はない。彼を弑せば、この学校は正しき流れへと変わっていくのだ。
「難しい話は終わった?」
 祓戸・多喜(白象の射手・f21878)がそうした二人の会話の切れ目を感じて、問いかけた。
「ああ、十分だ」
 その手に弓と矢を持ち、多摘を見上げた多喜はその返事にウインクを一つ返した。
「よかった。私じゃ、なんだか面倒なこと言ってるなあって思っちゃうから」
 皮肉めいて言うわけではない。多喜は心底からまっすぐにその言葉を発してみせた。それが真実であり、己の貫くべき姿勢であるように。
「美味しいもの食べて楽しく遊ぶ!」
 堂々と、胸を張る。
「明日は明日の風が吹くし一々心配してても仕方なし! そうでしょ?」
「ああ、お嬢さん」
 欺き導く者は、その言葉に肩を揺らして笑いをこぼしていた。
「全く以てその通りだよ」
 その瞬間、残る生徒が一斉に多喜へと飛びかかる。ダダン、と幾重もの足音が屋上を踏み鳴らすのを聞きながら、多摘は翼竜を欺き導く者へと差し向けていた。
 迫る翼竜に、欺き導く者はしかし逃げようともせず、むしろその爪の前へと身を踊らせる。直後。その手にいつの間にか取り出していたナイフが翼竜の爪を受け流す。僅かに呪詛が散る。
「ほう、やはりか」
 近づく事に危険を感じたのは憂慮ではなかったらしい。効率的な身のこなし、暗殺に長けた武。それが差し向けた翼竜達を捌いていく。無理に屠れば呪詛が蝕むと理解しているのか。そんな欺き導く者が、空の多摘へと視線を向けた。
 それが、交わる。
「ぬ、……?」
 瞬間、多摘の意識に何かが割り込むような感覚があった。記憶を引き出されるような。それは憎悪か、誰かを敵と憎み害する事を欲する衝動。
 それは、目の前のような存在にこそ向けるべきそれが、行き場所を求めるように歪む。
「――っ」
 多摘は、更に上昇して屋上から身を離していた。今この状態で他の猟兵や人々の傍によれば、その憎悪をそちらへと向けてしまっていたかも知れない。
「底知れぬな」
 呟く声は、鳴る弦の音に消える。
 欺き導く者は迫る式神に、しかしそれだけに対処していればいいわけではなかった。駆ける矢。絶えず叩き込まれるそれを躱さなければいけなかった。
 その両腕、両足に生徒の妨害を受けながら、それを意に介さず弓を引くのは多喜だ。いや、しがみつくように妨害する中に男子生徒も混じっているせいで少し気が逸れてしまいそうではあるが、彼女は極力意識しないように放つ弓矢に集中する。
 生徒たちは、ほんの僅かにですら多喜の攻撃を妨げることも出来てはいない。
 彼女の姿は変じていた。
 生徒たちが襲いかかる直前、一歩だけ飛び退った多喜は着地と同時に、己の因子を組み替えていた。
 原義を障害そのものとし、故に、障害を排除する解釈をも取り入れた神。道を阻み、同時に阻まれた道を開く。
 其は障害を除くもの。
 その一矢は何者をも障害とすることはない。UDCが振るう刃ですら撃ち抜く矢。
「んー……」
 だが、生徒たちをその射線に入れられてしまえば、その貫通力はむしろ仇となる。生徒を盾にするような位置取り。
「うん、抜ける」
 そうであると欺き導く者は侮っていたのだろうか。それとも、多喜を挑発していたのかもしれない。
「……ッぐ」
 生徒を間にいれた欺き導く者へと多喜は矢を放っていた。ナイフを手に此方へと駆けてくる女生徒。多喜が放った矢は彼女の首筋、その真横をすり抜ける。
 そして、そのままに欺き導く者の脚を射抜いていたのだ。
「悪いように人を導くヤツは、ちゃーんとお仕置きが必要よね」
 痛みが動きを鈍らせる。その間隙に多摘が操る全ての翼竜を一斉に襲いかからせる。翼竜の群れに裂かれ、貫かれ。
 やがて翼の中へと消えていく敵の姿に、多摘は闘いの終わりを嗅ぎ取っていた。
「……事切れは呆気ないものじゃのう」
 式神を散らし、そこにもう敵の姿が残っていない事を確認した多摘は、糸が切れたように次々と失神していく生徒たちを開放する多喜を一瞥し、淀む空気に髭をそよがせた。
「さて、この一帯の浄化を行わねばな」
 霊符を放つ。龍気が、静かに学校の、その直下へと沈み込んでいく。

 澱みに生まれていた空間は、それと同時に元の世界へと混じり合っていく。
「……ん? あれ」
 生徒は、ふと壁の時計を見上げる。少しぼうっとしていたようだ。
 随分と時間が経ってしまっている。
 今日は何をしていたんだっけか。ぼんやりとする頭で平和に考えながら、彼らは帰り支度を済ませていく。
「はあー、明日小テストじゃん。待って、忘れてたんだけど私」
「え、終わってるわ、それ。宿題倍増確定待ったなし」
「最悪なんだけどー」
 語り合いながら、彼らは静かに学校を去っていく。
 明日も、これからも、続いていくのだろう毎日が彼らを見守っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2021年12月12日
宿敵 『欺き導く者』 を撃破!


挿絵イラスト