kämpfen‼ kämpfen‼
●お楽しみの時間
全ての国家が安全で、素晴らしい場所なんてない。
「あの機体に賭けたんだ!! 勝ちやがれよ!!」
元々は何かの工場だったのだろうか?
錆びた鉄や破壊されたキャバリアの残骸で出来たコロシアムでは、座り心地が良いとも言い難い鉄製の椅子やザラリとしたさわり心地のフェンス。
眼前に広がるのは、錆びた鉄で出来た壁や障壁といったモノが広がるフィールドでは複数体のキャバリアが激突していた。
「このチキンめ! さっさと前に出やがれってんだ!!」
大半が屈強であったり、ボロボロの服を身に纏った男たちが汚い言葉を吐き捨てながら手にしている端末を握りしめた手を振り上げる。
キャバリアに乗っている者も命がけの戦い、勝てば英雄、負ければ――
グシャリ、と最後のキャバリアの武装が歪む
戦いが終わった合図のSEがコロシアム内に響き渡った。
●グリモアベース
「よう、来てくれてどうもな。俺はダンテ、クロムキャバリアのコロシアムにてオブリビオンが関与する予知をした」
長身で体格の良い男ダンテ・デュアンダル(魔神の化身・f16455)が来た猟兵を血の様に赤い瞳に映すと、肩を竦ませながら軽い口調で言った。
「あんまり治安の良くねぇ小国家……アンダンテと呼ばれる自由国家な国だ。どんな人も受け入れ、『全ての人々よ、歩くような速さで生きていこう』というちょっとばかし、国民に甘い国だ」
つまらなさそうにダンテが説明して、パチンと指を鳴らすと国が映し出された。
「さて、ここからが本題だ。ここだ、ここ」
画面にコンコンとノックすると、鉄のスクラップなどので出来たコロシアムが映し出される。
「ここでは、毎日の様に賭博の戦いが行われている。流れとしては、基本バトルトワイヤル形式の戦いのみ行われるが――別々の戦いで生き残った機体同士で更にバトルトワイヤルをするという感じだ」
コロシアムで行われている戦闘動画が流れるのをダンテはぼんやりと見ながら言う。
「そこに、オブリビオンのマシンが紛れて出場者を倒したら後は……わかるだろう?」
ダンテが口元を吊り上げて不敵な笑みを浮かべる。
「そう、小国家を、そこに住む人々を殺し尽くすの、さ。そうさせない為にもお前たちにオブリビオンのマシンを探し出して破壊して欲しいワケだ。あぁ、キャバリアという機体を持ってなくても安心してくれ、複数体用意して貸し出すからソレを使えば良い。じゃ、女神サマが微笑むことを祈る」
貸し出せるキャバリアの資料を手渡しながらダンテは笑顔で言った。
★貸出可能なキャバリア
α機:近接攻撃型、防御力が低く機動力はそれなりにある、遠距離型が苦手
γ機:遠距離攻撃型、攻撃力はやや高めで防御力が低く機動力は高い、防御型が苦手
β機:防御型、攻撃力・機動力は低いが防御力が非常に高い、支援型が苦手
Ω機:支援型、攻撃力は皆無に等しいが防御はそれなりにあり、機動力が非常に高い、遠距離攻撃型が苦手
龍真 神
オープニングに目を通して頂きありがとうございます。
龍真 神(タツマ シン)と申します。
よろしくお願いします。
機械というか、ロマンなマシンは詳しくありませんが頑張ります!
キャバリアが決められない場合は、ユーベルコード内容や能力(POW等)やプレイング内容に合わせた機体をMS側で選びます。
2章での日常パートのみですが、ダンテの同行やお手伝い可能です。
最低限の文字数でも、ステータスシートを見ながら書かせていただきますので、『まだよく分からないけど、シナリオ参加したい!』という方でも遠慮せずにご自身の文で書いて送って下さい。
それでは、皆さんのプレイングをお待ちしております。
第1章 集団戦
『ファイアディザスター』
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POW : ガトリングストーム
【両腕のガトリングガンの連射】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
SPD : ハウリングショット
レベル分の1秒で【両腕のガトリングガン】を発射できる。
WIZ : ガトリング・フィアー
【轟音を伴うガトリングガンの掃射】を披露した指定の全対象に【動けない程の恐怖の】感情を与える。対象の心を強く震わせる程、効果時間は伸びる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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麒・嵐
なるほど、好きな機体を選んでその特性にあった戦略で挑めってことね
『Ω機』を選択
敵を倒すよりも生き残ることを目的に立ちまわる
バトルロイヤル形式で生き残った機体が次に進めるってことなら、無理に戦わずに逃げの一手!
卑怯? そういうのはこっちを倒してから言ってもらおうか
遠距離攻撃型が苦手らしいので、標的になりやすそうな見通しの良い場所を避けて強度の高い壁や障害物沿いを移動
機動力を生かして戦場を攪乱、囮になって引き付けた機体を別の機体の前に釣り出して戦い合わせる
…あ、オブリビオンマシンを探すんだっけ
まあ、それはこの試合が終わってからでもいいよな
さあ、嵐に賭けろよ
思いっきり稼がせてやろうじゃん
アウル・トールフォレスト(サポート)
(基本好きにお任せします)
「今日はどんなところに行けるのかな?」
楽観的で感情豊か、夢見る乙女な性格の少女
年相応に無邪気であり、根本が人でない故に残酷
神出鬼没に出現し、気まぐれに歩き回り、楽しげに爪を振るう
猟兵の役割は理解し依頼も一応遵守しようとするが、それはそれとして楽しそう、面白そうで物事を判断し、それを優先して行動する
バイオモンスターの特徴として、肉体は植物の性質を持つ
戦闘では怪力の発揮や身体の巨大化、鋭い爪での引き裂き、捕食等の野性味溢れる攻撃スタイル
理力の扱いも得意で、体表で自生する蔓や苔植物を操り、防御や隠密に罠等サポートも行わせる
●キャバリアロワイヤル
油のニオイが鼻につき、ぐるりと格納庫を見回すと全長5mもあるキャバリアがハッチに並べられていた。
「なるほど、好きな機体を選んでその特性にあった戦略で挑めってことね」
ダンテに渡された資料を丸めてポンポン、と麒・嵐(東方妖怪の冒険商人・f29276)の掌を軽く叩きながら見上げる。
「わたし、乗れるのかな?」
キャバリアの二分の一も身長があるアウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)は、金色から新緑の様な緑の長くウェイブ掛かった長髪を揺らしながら首を傾げた。
「きっと、乗れるタイプのキャバリアがあるだろう」
「そうよね。体に機械を取り付けるだけでも……可能なのかな?」
嵐の言葉にアウルは少し不安そうに首を傾げながら言うが、そこはキャバリアを作っている職人に任せるしかないのであろう。
そんな不安も杞憂に終わり、バイオモンスターであるアウルの身体に合うキャバリアを用意もされており、嵐とアウルはキャバリアに乗り込むと予選が始まるアナウンスが入った。
『まもなく、予選が開始されますので登録を済ませた皆様、キャバリアを昇降機に乗せて待機してください』
初めての世界でで戦う依頼がキャバリアというロボットの様なモノに乗って戦う事、そしてその中に紛れて来るオブリビオンのマシンを見つけ出し破壊するのが役目だ。
ウィーン、鉄が軋む音と大きなモーター音が響く中でキャバリアが乗った昇降機が上がり、画面に映し出されたコロシアムは鋼鉄の壁が無造作に配置されている。
「前衛はまかせてよ。近接は得意なんだよね」
“α機”に乗っているアウルのキャバリアはユーベルコードによって、姿を変えていくとその姿はまるで“獣”そのものであった――
「ちょーっとだけ、カタチを変えるよ」
エメラルドグリーンの様な緑色の瞳がサファイアの様に青い瞳に変わり、機械的な獣の鳴き声に似た方向を響かせると四足歩行でコロシアム内を駆け出した。
鉄が燃える様に赤い模様が特徴の“ファイアディザスター”が両腕を前に突き出すと、ウィーンと機械音と共にカラカラと複数付いた銃口が回転し始める。
複数の銃口から弾丸が射出され、台風の暴風によって激しく叩きつける横雨の様に撃ち出される。
「(アウルという嬢ちゃんが居なければ……それよりもだ、オブリビオンのマシンが紛れているそうだが……)」
他のキャバリアに見つからぬ様に機動力を生かして、隠れながら他のキャバリアを観察しながら嵐だったが観客の熱気に闘志が熱く、燃え上がるのを感じた。
「(まあ、それはこの試合が終わってからでもいいよな!!)」
アウルが複数のキャバリアを次から次へと、変形させた巨大な鉄の爪で切り裂き、喉元を喰らいつく姿を見て隠れるなんて性に合わないと感じた嵐は疾風の様に駆け出す。
「さあ、嵐に賭けろよ!! 思いっきり稼がせてやろうじゃん!」
武器で戦ったり、防御で守るだけが戦いではない――囮として出たかと思えば他のキャバリアとぶつかり合う様に誘導させた。
キャバリアでのバトルトワイヤルは、まだ始まったばかりだ――
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
フィニス・クラウディウス
SPD・アドリブ共闘、何でも歓迎
コロシアムでの賭け試合、ね…
ねえ?それって「私達」が出てしまって、賭けが成り立つのかしら?
超巨大キャバリア『ゴライアス』に搭乗し参加
他のキャバリアに対して全高が倍以上。圧倒的な大きさ、その機体サイズに比例した分厚い装甲、当然大型で高出力になっている武装、搭載された強力な防護バリア…
掟破りの超大型機体、その全ての強みを遠慮無く振るい、バトルロイヤルの敵役を(死なせない様にはしっかり気を付けつつ)なぎ払います
全身に満載した全武装を一斉発射、使用UC【羽虫を潰す】
ふふふ。有象無象が蠢いて、まるで羽虫みたい…だから、潰れなさい!虫けら達!
エウトティア・ナトゥア(サポート)
※アドリブ・連携歓迎
負け描写、引き立て役OK
キャラを一言で言えば、なんちゃって部族じゃよ。
精霊と祖霊を信仰する部族の巫女をしておる。
自然が好きなお転婆娘じゃ。
あとお肉が大好きじゃよ
活発で単純な性格で事の善悪にはあまり興味はないのう。
自分とその周囲の安寧の為、オブリビオンが害になるから戦っておる。
専ら【巨狼マニトゥ】に騎乗していて、移動や回避・近接戦闘等は狼任せじゃよ。
集団戦闘時は、動物や精霊を召喚しての行動(実は未熟ゆえ精霊や動物たちにフォローされている)で、数で対抗する事が多いのう。
身体能力や技量は常人並みじゃから個人だと弱いがの。
●重厚なる
揺れる、鋼鉄で出来たコロシアムが軋む音が響く――
「コロシアムでの賭け試合、ね……」
「ねえ? それって「私達」が出てしまって、賭けが成り立つのかしら?」
サファイアの様に青い瞳に“AHX-009 Goliath <ゴライアス>”内部に浮かぶ外の風景を映し出したディスプレイの光を写し、フィニス・クラウディウス(戦場に咲く花・f30049)は一人の中に居る姉妹と話す。
「分からない。けれども気を付けて、一般人が操る機体だけは手を“抜く”のよ」
「そうね、目的はハッキリとオーダーされているものね」
薄暗く、機器の小さな光だけで照らされた操縦席でゆっくりと顔を上げ、画面に精密機械のプログラムの様に素早くそして正確にコロシアム内のキャバリアを捉える。
それよりも速く、小さなキャバリアが脇を通り過ぎた。
「なんじゃ、キャバリアとやらは精霊でも動かせるのじゃな」
呼び出した精霊が操るキャバリア内部でエウトティア・ナトゥア(緋色線条の巫女姫・f04161)は、ルビーの様に赤く大きな瞳を輝かせながら言った。
「何やら鉄クサイ場所じゃが……精霊よ、森羅を育む恵みの雨を!」
エウトティアが“ノアの長杖”を振り上げると、精霊たちが空に舞い上がると雨を降らすとコロシアム内に新緑が芽吹いて故郷の草原へと変わった。
“巨狼マニトゥ”が水を得た魚の様に駆け出し、ファイアディザスターの足元に体当たりして新緑の草で滑らせた。
「動きにくい、とは言わせない」
「戦いは――」
「必ず同じ場所じゃない!」
フィニス達が声を上げ、青い瞳は金色に輝くとAHX-009 Goliath <ゴライアス>の各部分に装備されている武器の砲口が正面に向けられた。
「ふふふ。有象無象が蠢いて、まるで羽虫みたい……だから、潰れなさい! 虫けら達!」
砲口から無数のビームやレーザーが放たれると、様々な太さの光は弧を描きながらファイアディザスター達の四肢を焼き尽くす。
宙に投げ出された操り人形の様に、四肢を失った胴がホーミングレーザーが当たる度に踊っているかの様に宙を舞う。
「マニトゥ。わしらは一般人が操るのを相手にするのじゃ」
草原を駆ける巨狼マニトゥにエウトティアが指示出すと、キャバリアを操作する精霊にも同様の事を伝えて動かせた。
「一般人はあの猟兵に任せておけばよさそうね」
「しかし、痛くもないね」
フィニスはディスプレイに映るファイアディザスター達へ冷たい視線を向けた。
白煙を上げながらガトリング砲がカラカラと回転しながら、複数の銃口から放たれる弾丸は“EPゴライアスバリア”で完全に防がれている。
「いつまで、悪足掻き」
「出来るのかしら、ね」
巨大な腕で目の前のファイアディザスターを薙ぎ払った。
人が、目の前で飛び回る虫を払うかの様に――
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
フォルティス・ワーライン
【アサルトリベルタ】
今回はあまり手を出さないぞ。自分の自衛だけを行う予定だ。
エペ。お前の猟兵としての動きがどこまで見れるかの試験だ。
エペ、降下システムのポッドに機体ごと乗れ。一番いいところに落としてやる。バトルロワイヤルに乱入するぞ。さぁ、航宙駆逐艦「鬼やらい」を出撃させる。スリップポイントで他の猟兵達がいるような座標の頭上にワープするぞ。
さぁ、降下させるぞ。降下ポイントは・・・まぁ、手近なキャヴァリアの頭上に落としてやるか。緊急事態の時こそ、力が測れるものだ。
俺は直接手出しはしないが・・・。こちらに向かってくるなら航宙艦用『プラズマチャージカノン』を当てておとなしくさせてやる。
メディア・エペ
【アサルトリベルタ】
こっちは準備出来てます。フォルティス。
初の猟兵としての動きです。
降下ポッドに乗りました。降下どうぞ。
他のキャバリアの頭上に落ちたみたいですね。中身が無事だと良いのですが。
すぐにオプティカルカモフラージュを起動しましょう。障害物を利用して敵の視界を遮るように動きます。そして、キャバリア同士の戦いのうち、背後を取れる敵からサンダークラックによる攻撃を行います。
その後、プラズマフィールドとアンチミサイルレーザーを起動します。自衛しつつ、ツインプラズマオービットで攻撃しましょう。
まだいるようであれば・・・。
UCを使用して相手の視界を遮りその挙動を直接制限して戦闘不能に追い込みます。
●kämpfen‼
「今回はあまり手を出さないぞ。自分の自衛だけを行う予定だ。エペ。お前の猟兵としての動きがどこまで見れるかの試験だ」
「こっちは準備出来てます。フォルティス」
淡々とした事務的な声色でメディア・エペ(ファントムコントロール・f30185)が“アンサーウェア”に着替え終えると、フォルティス・ワーライン(宇宙を駆けるケントゥリオ・f18278)の声変わりしてない少年の声が通信機から響いた。
「エペ、降下システムのポッドに機体ごと乗れ。一番いいところに落としてやる。バトルロワイヤルに乱入するぞ」
「了解。降下ポッドに乗りました」
円形のポッドと呼ばれる乗り物に搭乗したメディアは、お世辞にも乗り心地が良いと言えないシートに座るとブンと音が響いたと同時に映像が宙に浮かぶ。
画面の右下に小さくフォルティスの幼いハズなのに実年齢と変わらぬ表情のまま、映し出されたコロシアムの図面にシュミレートした作戦を説明しながらコマが動く。
「さぁ、航宙駆逐艦「鬼やらい」を出撃させる。スリップポイントで他の猟兵達がいるような座標の頭上にワープするぞ」
「はい、衝撃に備えて準備は完了しております」
フォルティスが“航宙駆逐艦『鬼やらい』”を起動させ、轟音と共に衝撃波を放ちながらボトルから出てきた航宙駆逐艦『鬼やらい』は転送された。
風景は良いとは言えない小国家であるが、コロシアム上空に突如現れた航宙駆逐艦『鬼やらい』に観客は驚いて口を開けたまま穴が空きそうな位に見つめる。
「射出!」
メディアが乗ったポッドは航宙駆逐艦『鬼やらい』から射出されると、ガンと鉄と鉄がぶつかり合った音が響き複数のキャバリアが潰されてしまう。
「緊急事態の時こそ、力が測れるものだ!」
「他のキャバリアの頭上に落ちたみたいですね。中身が無事だと良いのですが――」
メディアが顔を上げ、ディスプレイに映し出された光景を冷ややかに見つめながら呟く、が。
「ここは、キャバリア同士の戦いに持ち込むな!!」
ハッ、と我に返った観客たちは飲んでいた酒瓶や、そこら辺に落ちているスクラップを投げた。
「空いているキャバリアはコチラに」
前線で仁王立ちして仲間を守るように立つフィニスは、キャバリアの格納庫がある場所を伝える。
「ありがとう……そう、そうですね。大会に潜むオブビリオンを倒すには、参加するしかないという事です」
「大丈夫だろうが、いつオブビリオンが出てきても良いように上から見守っておく」
きゅっと唇を噛みながらメディアは呟くと、通信越しにフォルティスがコロシアムの観客たちの様子を見て安易に動けない事を悟る。
「心配ご無用です。私には私のキャバリアを所持しておりますので」
メディアが“モイラ・タンクキャバリア”を召喚し、慣れた動作でコックピットに搭乗して操縦レバーを握りしめた。
禍々しいキャバリアは、素早く動きファイアディザスター達を蹴散らしてゆく。
「あなたに捌けるかしら? 私と……彼女、を」
キャバリアと同じ大きさで召喚された漆黒の花嫁の霊は、両手に握りしめたブーケを頭上に掲げるとふわり、と花びらが舞いファイアディザスター達の視界を奪う。
更には関節に入り込み、動きを鈍らせると肩に装着している“BS-Sアンチミサイルレーザー”から不規則な動きをする光が走り、動きに制限が掛かっているファイアディザスター達を倒す。
『予選終了! これより、休憩時間の後に本戦開始となります。賭けの受付は――』
全てのファイアディザスターを倒し終えた瞬間、コロシアムにアナウンスが響き生き残ったキャバリア達は次々へと格納庫へ向かった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 日常
『遊覧飛行』
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POW : 景色を眺めながら軽く食事をとって楽しむ
SPD : 眼下に広がる景色を絵や写真に残す
WIZ : 他の乗客や乗員との会話を楽しむ
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●小国家『アンダンテ』
治安は少々悪いが、発展途上国家故に想像していたのより街並みは綺麗だ。
「誰が勝つかな~」
カフェや出店で飲食する人々が本戦の話をしたり、国家の行方やとりとめのない会話が響く。
建設中の区画も場所によっては見えるであろう。
小国家『アンダンテ』を見て回るのも良し、オブリビオンに関しての情報収集をするもの良い。
アナタがしたいように過ごそう!
麒・嵐
えーっと…今のところオブリビオンマシンの乗り手に関する手がかりはまったくないんだよな?
手当たり次第に怪しい奴を探すってのも現実味がないんでコロシアムの常連がいればそいつに話を聞いてみようかね
戦うのに集中してた選手よりは予選全体を見ていた客の方がいいな
「勝ってるかい?」
商売の【取引】の要領で懐具合を探りつつ目立つ機体がいなかったかを尋ねる
勝ってたら煽てて気分よく口を滑らせてくれるのを待つし、負けてたら一杯奢りながら外の景色についての蘊蓄を聞いて相手の壁を取りにかかる
空から下界を見下ろすってのも結構気分がいいもんだね
「で、決勝で買うならこれってヤツはいた? ああ、初心者なんでね。敵情視察の一環さ」
●偵察と交流
「(えーっと……今のところオブリビオンマシンの乗り手に関する手がかりはまったくないんだよな?)」
格納庫に一定の間隔をあけて設置されている骨組みの様な場所にキャバリアを置いてから操縦席から降りると整備員やら、参加していた人々の慌ただしくも賑やかな光景を見詰めながら麒・嵐(東方妖怪の冒険商人・f29276)は格納庫内に視線を走らせた。
バトルトワイヤル形式の戦い、戦場となったコロシアムに開かれた扉は見える範囲でも多い。
「(それに慣れぬ場所だ。やはりこの小国家に住み慣れ、そしてこのコロシアムで賭博を良くする人なら……)」
グリモアベースで予知内容や“小国家アンダンテ”にあるコロシアムの格納庫へ直接転送された身、観客席があるリングの外側に通ずる階段を上りきるとにおった事もない香りが埃まみれの風に乗って鼻を衝く。
騒音が響き、飲食スペースでビールの入った瓶片手に談笑する人々の横をすり抜けながら嵐は会話を聞き取り、一瞥して詳しそうである人を探す。
商売人として、品物の鑑定力や人心を掌握する事は趣味程度だがあった。
「勝ってるかい?」
自然な動作で割り込むと嵐は、小さく人の好さそうな笑みを浮かべながら落ち着いた声色で聞いた。
「ん? あぁ……予選だからなぁ、本番はこれからってトコロだ」
紙巻タバコを咥えたままの男は、トントンとテーブルを人差し指で叩きながらテーブルの少し上で宙に映し出された画像を少し顔を顰めながら言った。
ゆっくりと画面が切り替わり、予選で突破した機体なのか人の名前なのか嵐には判断出来ないが次々と刻まれているのを見詰める。
「一杯奢るから大穴とか、新顔で気になるのとかコレに賭けた方が良い等の情報が欲しいのだが」
嵐は男たちの前に上物のビール瓶を人数分テーブルに置くと、その場にいる面々をぐるりと顔を見回しながら口元を吊り上げた。
「アンダンテ屈指の歌姫サマ御用達であるヤツなら」
「分かった、その条件は呑もう」
男が指定した酒は値が張るが、コロシアムのバトルロワイアルに勝てば賞金が入れば余裕で買えるので嵐は快くその条件を呑む。
「前チャンピオンを倒したキャバリアが大穴で、実力も人間離れしているが――」
男が静かに息を呑み、眉間にシワを寄せながら険しい表情で画面を操作して一枚の静止画を映し出した。
早すぎのだろうか、それともカメラの性能が悪いのだろうか――否、こんなに文明が発達した世界の機器でさえ捉えられないと嵐は察する。
ブレてハッキリと姿は映っていないが、色合いやキャバリアの形状は辛うじて判別が出来た。
「次には――」
男は次々と候補を上げると、馴染んできた様子を見て嵐は蒸栗色を瞳を細めながら一呼吸置いて口を開く。
「で、その中から決勝で買うならこれってヤツはいた? ああ、初心者なんでね。敵情視察の一環さ」
男たちは奢ってくれた上物の酒でご機嫌なのであろう、嵐は問いつつも自身も今回が初めてコロシアムのバトルトワイヤル形式の戦いに参加している事を仄めかしながら小さく肩を竦ませながら言った。
「そうだったか。オレは断然、未知数ではあるがやはりこの前チャンピオンを倒したキャバリアだな! 既に先日の賭けで勝った分を全部突っ込んだからな!!」
「そうか、有力な情報をありがとう。その賭けが当たる事を祈る。それでは失礼」
男たちに礼を言い踵をかし、嵐はコロシアムにある高さはそれなりにある展望台へと足を運んだ。
誰も居ない展望台、全面防弾ガラスで覆われており音声認識付きのタッチパネルも仕込まれていて、“小国家アンダンテ”に広がる街並みを見渡せるようにクリアにして欲しいと嵐が言うとスモッグを消し去り、鉛色の空は青く染まった。
「(空から下界を見下ろすってのも結構気分がいいもんだね)」
鉄やコンクリートで作られてゆく高い建物、その中にも残る小さな自然や“人が生きる”姿だけはどの世界も同じだと嵐は呟く。
だからこそ――
「守らないとな」
コロシアムに現るオブリビオンを倒し、平穏で脅威に晒されずに平和に暮らせる世界にする為に嵐は、踵を返して次の戦いが始まるまで英気を養う。
得られた小さな情報を握りしめて――
大成功
🔵🔵🔵
ニノン・トラゲット(サポート)
『冒険はロマンです!』
『まだ見ぬ何かの予感がします……アガってきちゃいますね!』
未知とロマンとお祭りごとを愛してやまない、アルダワ魔法学園のいち学生です。
どちらかと言えば猪突猛進でちょっと脳筋っぽいタイプ、あれこれ心配するよりはとりあえず「面白そう!」と思ったことを積極的に試してみます。
一人称はひらがな表記の「わたし」、口調は誰に対しても「です、ます、ですよね?」といった感じのあまり堅苦しくない丁寧語です。
基本的にはいつも前向きで、ネガティブなことやセンチメンタルっぽいことはあまり口にしません。
その他の部分はマスターさんにお任せします!
雲母坂・絢瀬(サポート)
ややおっとりめ、マイペース系関西弁女子ね。
臨機応変な柔軟さがモットーなんよ。
言葉遊びやマイペースな会話運びを好む感じ。
スキルやUCは使い時にはしっかり使うていく方針や。
あと、公序良俗は大事やね。
基本お任せのアドリブ大歓迎でよろしゅうお願いします。
●未知の世界で
「まだ見ぬ何かの予感がします……アガってきちゃいますね!」
ゆらり、と白く長い尻尾を揺らしながらニノン・トラゲット(ケットシーの精霊術士・f02473)は、エメラルドの様な緑色の大きな瞳を輝かせながら見晴らしの良い展望台の落ちぬ様にガラス製のテスリに頬を引っ付けた。
「ほんまにな。ちぃっと、鉄ばかりなのがアレやけど……そういう世界やさいに、これはこれでええもんやね」
ニノンのはしゃぐ姿を見て雲母坂・絢瀬(花散る刃・f23235)は、くすりと笑いながら藍方石の様に藍色の瞳を細めながら初めて来た世界の景色を見詰めていると、少し煙たい風で髪を靡かせた。
「ちょっと観光しつつ、この小国家や住む人々を襲うオブリビオンを探しましょう!」
「せやな、先ずはこの世界の名物とかあったらソレを食べてみたいもんや」
ガラスから顔を離すとニノンが絢瀬を見上げながら言うと、グリモアベースで事前に配られた小国家に関する資料を取り出して絢瀬はソレに視線を落とす。
コロシアム周辺には屋台やカフェがあり、観客や参加者も束の間に休息で使用していであろうと考える。
「これは……美味しいものも食べれて情報を得てるとは一石二鳥ですね!」
本戦開始までの時間が電光掲示板に流れ、それを見たニノンは“精霊時計”で現在の時刻を確認するとまだ時間に余裕があると分かるとこくりと頷いた。
「ほんなら、食い倒れとまではいきまへんが」
「向かいましょう!」
全面ガラス張りのエレベーターに乗り込み、ニノンと絢瀬は一階へ降りて身分も見た目も様々な人々が行き交う街道へと歩みだす。
様々な種族が行き交う、自由と謳っている小国家『アンダンテ』という名に恥じぬ光景が視界に広がる。
「先ずはあのお店に行ってみましょう!」
ニノンが指したお店には、甘い香りが漂い女性客が多い感じではあったが絢瀬も気にせずに列に並ぶ。
「聞いた?」
「何を?」
ぴくり、と白い耳をニノンは会話を聞き取る為に動かす。
「前チャンピオンが予選で重傷になってさ、病院に運ばれたんだけど――」
「え!?」
前屈みになりながらエルフの女性が言うと、信じられないと言わんばかりに大きく目を見開き驚きの声を上げるシャーマンゴーストの女性。
「(当たり、ですね)」
「ニノンさんは同じもんでかまへんか?」
「はい、それで良いです」
絢瀬が店員と話していると、真剣な表情のニノン聞くと彼女はこくりと頷いた。
「席はここでええやろう」
と、絢瀬が言いながら座ったのは、先程から深刻に話す女性たちの隣だ。
「はい。コロシアムの話で持ち切りなのですね」
「ええ、無敗と呼ばれているキャバリアの乗り手が無残に負けた様で」
ぽつりとニノンが呟くと、配膳しに来た店員は苦笑しながら答えた。
「あらまぁ、そんでそん人はどうなったんや?」
「相手が手加減をせずに攻撃したそうで、キャバリアは大破してコロシアムが悲惨な光景になったそうです。乗り手は生死不明だとか」
絢瀬の問いに店員は、視線を落としておぼんを抱きしめながら答えた。
「どんなキャバリアだったのかわかりますか?」
食べた事がない甘味を頬張りながらニノンが首を傾げる。
「それは――」
パッとロコシアムの外側に設置されている大画面の液晶にとあるキャバリアが映し出されると、店員は画面を指しながら名前を言った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 ボス戦
『モノアイ・ゴースト』
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POW : バリアチャージ
【バリアを纏った】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【支援機】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : パルス・オーバーブースト
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【オブリビオンマシン】から【光学兵器による一斉攻撃】を放つ。
WIZ : ゴーストスコードロン
自身が【敵意】を感じると、レベル×1体の【支援キャバリア】が召喚される。支援キャバリアは敵意を与えた対象を追跡し、攻撃する。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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●オブリビオンのキャバリア
「“モノアイ・ゴースト”……全てのキャバリアを破壊した。最低なキャバリアです」
店員の声が響くと、周り居る人々は画面に映る禍々しいキャバリア“モノアイ・ゴースト”を忌々しそうに睨んだ。
「これは、んぐ。参加している皆さんに伝えなければ、なりませんね」
ニノンは急いで甘味を頬張り、飲み込むと椅子から飛び降りて絢瀬を一瞥すると駆け出した。
「分かった、うちはコッチ側にある格納庫から猟兵を探して伝えてくるな」
「了解です。わたしは反対側からで」
ニノンと絢瀬を顔を見合わせると、こくりと頷きあった後に背を向けて駆け出した。
“モノアイ・ゴースト”と呼ばれるキャバリアが、オブリビオンのマシンという事を――
猟兵に選択肢が出来る、そう……『本戦を開始して一般人も混ざったまま戦う』のか『事情を伝え、猟兵だけ参加した本戦を開始する』の二つ。
判断は猟兵であるアナタ達に委ねられた。
グリモア猟兵から下記の注意事項が送られてきた。
『本戦を開始して一般人も混ざったまま戦う』を選んだ場合
★メリット
①オブリビオンに大きな隙が出来る
②猟兵だと直ぐに気付かない
③不意打ち、トラップ等に掛かりやすくなる
④一般キャバリア乗りも手伝ってくれる
★デメリット
①コロシアム内の一般人及び一般キャバリア乗りに危険が及ぶ
②本選で対峙するのが少々難しくなる
③チームを除いて一人で戦う事になる
『事情を伝え、猟兵だけ参加した本戦を開始する』を選んだ場合
★メリット
①コロシアム内の一般人及び一般キャバリア乗りが安全である
②本選に必ず当たる
③派手に暴れられる
④コロシアムの破壊有無は問われない
★デメリット
①オブリビオンが猟兵の存在に素早く気付くので難易度が上がる
②警戒しているので罠、不意打ちはあまり効果がない
③説得するのが大変である
good luck.
麒・嵐
『本戦を開始して一般人も混ざったまま戦う』
それだけメリットあるなら嵐は“通常通り”のコロシアムを選ぶね
ギャンブルってのは賭ける方も賭けられる方も本気でなきゃ成立しない
さあ、一般人にも命賭けで参加してもらうとしましょうか
専用機で参加、狙いは標的のみ
『継承者の印』で他機からの攻撃をかいくぐりつつ接近
こちらに気付かれる前に招宝短剣でモノアイを抉り、センサー系統を【破壊工作】
その状態で嵐がどれだかわかるかな?
一般参加者には無差別攻撃に気を付けろと警告、…まあ半分は囮になってもらうも同然なんだけど
そこは決勝に進んだ腕利き揃い、一発くらいは何とか躱してくれよ
敵が一斉攻撃を放ち終えた隙を狙い、招来宝剣を投擲
●選んだ答え
端末にグリモアベースから送られてきた内容に目を通すと、麒・嵐(東方妖怪の冒険商人・f29276)の金色の瞳がゆっくりと瞬きした。
「(ならば――)」
再び瞳が開かれた時に上へ視線を向けた先には麒嵐専用機のクロムキャバリアが、薄暗い格納庫で静かに出番を待っている。
「(巻き込むのはいささか……いや、ここまで残っている乗り手であれば簡単に倒れはしないだろう)」
そう思っていると、機体の前で閉められているゲートが低い軋み音を響かせながら床へ収納された。
格納庫内に設置されているディスプレイに本戦への参加者の名前がずらり、と表示されて嵐は直ぐにオブリビオンの名を探す。
「ギャンブルってのは賭ける方も賭けられる方も本気でなきゃ成立しない。さあ、一般人にも命賭けで参加してもらうとしましょうか」
踵を返し、嵐は自身専用のクロムキャバリアの操縦席に乗り込むと、上から静かに上半身が降りて下半身と結合する駆動音が響く。
ブン、と電子音が響き、操縦席のディスプレイを中心に光が広がり、真っ暗な世界が夜空を飾る星や月の様に照らされると嵐はレバーを握りしめた。
キャバリアの瞳に金色に光り、ゆっくりとキャバリアの一回り大きな両開きのドアの前に立つ。
「あれが、オブリビオンのマシン、か」
ドアが開き、ディスプレイに映し出された戦場にひと際目立つ、否――禍々しいオーラを纏ったキャバリアを見た瞬間に嵐は直ぐに分かった。
「こういう風にできてるもんでね――、悪しからずご了承くださいな」
開始のブザーがけたたましく鳴り響いた瞬間、嵐は素早く操作をして一般のキャバリアに紛れる様に駆け出した。
複数人を相手にするならば、オブリビオンのマシンから光学兵器による一斉攻撃がホーミング式なのだろうか? 的確にキャバリアの四肢を狙い動きや戦力を削る。
だが、嵐はほんの少しではあるが敵の攻撃を予測を見て、障害物を利用して機体を掠めつつも嵐は素早い動きで回避する。
「(そこは決勝に進んだ腕利き揃い、一発くらいは何とか躱してくれよ)」
他のキャバリアを一瞥すると、嵐は“キャバリア専用武装:招宝短剣”素早くオブリビオンに接近すると頭部のモノアイに向かって突き出す。
光学兵器の銃口に光が集まりスキが出来た瞬間、頭部のモノアイを貫いてパァンと破裂した音が響いた。
しかし――直ぐに修復されてしまう。
「本命はこっちだ!」
素早く距離を取り、招宝短剣を投げつけた。
始まったばかりの戦い、一般参加のキャバリアがオブリビオンを制止させ、猟兵と気付かれていない頬に汗が拭うと睨みつけた。
大成功
🔵🔵🔵
ウィル・グラマン
●SPD
『本戦を開始して一般人も混ざったまま戦う』
観客席からエントリーさせたベアキャットを『リモート・レプリカント』で遠隔操作しながら指示を送るぜ
もし観客達が変だと気付きそうになったら、ベアに派手に暴れろって指示を送って注目をこっちに向ける
ベアへの指示も、イカサマだって分かる物以外は応援するように観戦モニターから大声で叫べばそれらしく見えるだろ
にゃはは、流石俺様!
ベア、もっと派手に暴れろ!
今のお前はリングの上のヒール、悪役だ!
ブーイングされようが構いやしねぇ、俺がお前を応援してやるぜ!
よーし、そろそろ頃合いだな
ベア、お前の【怪力】で瓦礫を持ち上げろ!
そして飛んでいる奴にそいつをぶん投げろ!
●楽しむ戦い
「イレギュラーとか予想外の乱入ってよくあるだろう? て、事で行けッ! “ベアキャット”」
幼さ残る少年ウィル・グラマン(電脳モンスターテイマー・f30811)が声を上げ、彼の後ろからジェット音を響かせながら漆黒のスーパーロボット“ベアキャット”は観客席と飛び越えコロシアムに降り立った。
場外乱入という方法で参加したものの、ずっと参加している猟兵たちのお陰で不信には思われず、寧ろ突然現れたチャレンジャーに観客は更に大きな歓声を上げる。
「(こりゃ、他の猟兵様々だぜ)」
“ベアキャット”を“脳波コントロール”で操りながらウィルは、音が鳴らない程度に指を鳴らす動作をすると不敵な笑みを浮かべた。
コロシアムの責任者が参加している一般キャバリアの乗り手に通信で伝えていたお陰でもあり、思う存分に暴れられるのを察したウィルは更に支持を出す。
「にゃはは、流石俺様! ベア、もっと派手に暴れろ!」
と、意気揚々と言いながらベアキャットをコントロールして、黒く吊り上がった瞳が光を放つと“モノアイ・ゴースト”に向かってコロシアムに設置されていた岩を軽々と持ち上げて放り投げた。
ドン、と地面を揺るがし、モノアイ・ゴーストの肩に装着されている盾がめり込み、クレーターを作った。
「今のお前はリングの上のヒール、悪役だ!」
オブリビオンが関与していればルールなんて飾り、『真面目に戦え!』なんて野次が飛んできたって彼は小国家『アンダンテ』に住む人々をオブリビオンから守る為に戦う。
それが、ヒール(悪役)だの卑怯やら罵声を浴びせられるなんて、気にしなければいい事、だ――
「ブーイングされようが構いやしねぇ、俺がお前を応援してやるぜ!」
一般のキャバリア援護しているお陰で、攻撃が大雑把過ぎてベアキャットはスクラップを手にして力を込めた一撃を放つ。
通常ならば隙の大きい攻撃だが、不意打ち同然の攻撃を避けるどころか受け止めるのも間に合わずにガン、と鉛色の胸部の装甲に大きな亀裂が入った。
モノアイ・ゴーストが背中のブースターで宙に舞い上がろうとした、が――
「ベア、お前の【怪力】で瓦礫を持ち上げろ! そして飛んでいる奴にそいつをぶん投げろ!」
ウィルが槍を投げる様な動作をしながら声を上げると、ベアキャットは落ちていた槍を手にしてグッと身体を反らす。
ほぼ野球の投手に近いフォームで投擲した槍は、肩の盾を貫通してモノアイ・ゴーストの肩を貫いた。
そして、モノアイ・ゴーストは気付いた
ベアキャットが猟兵が操るロボットであり、そして――
それに指示あるいは、操作しているウィルを探す為に周囲を見回した。
近付かせまい、と一般のキャバリアは庇う様に前へ出て、他のキャバリアは援護射撃して意識を逸らそうと努める。
猟兵たち側が若干優勢のままバトルロワイアルは続く……
大成功
🔵🔵🔵
七瀬・夏希
魔眼で敵キャバリアの内部を透視。
搭乗席にパイロットの存在を確認。
溜息。
誰もいないことを期待していたんだけど、そう上手くはいかないわね。
このバトルロワイヤルに参加しているってことは、当然、参加手続をしたパイロットがいるってわけね。
ミッションは、あのキャバリアの破壊――パイロットの救出付き。
了解。まずは後者をクリアするわ。
キャバリアを召喚して搭乗。
遠距離ならばライフルを、中距離ならば拳銃を用いて両肩の飛行ユニットを狙う。
敵を地面に立たせられたならば、UCを用いて敵の攻撃を防ぎつつ一気に接近。
UCの効果が切れる前に、魔眼により搭乗口の構造を把握してダガーで切り開き、ワイヤーでパイロットを救出するわ。
●杞憂
オブリビオン化したマシンならば、中に搭乗者が居るのではないか? とマリ・ガーネットの様な茶色い瞳を細めながらパネルに映し出されたモノアイ・ゴーストを見詰めた。
「(……なんてことなのかしら。誰もいないことを期待していたんだけど、そう上手くはいかないわね)」
“魔眼:透視”でモノアイ・ゴーストの内部を見た七瀬・夏希(UDC-SWAT・f29827)は、目を伏せながら小さくため息を吐くと“神器:キャバリア”を動かしてコロシアムを駆ける。
激しい撃ち合い、剣戟が響いているのだが――
もう、バトルロワイヤルではなく、ただ全ての一般キャバリアがモノアイ・ゴーストと戦っている。
「(このバトルロワイヤルに参加しているってことは、当然、参加手続をしたパイロットがいるってわけね)」
紙の様に潰されたキャバリアを横目に夏希は、オブリビオン化したマシンから光学兵器による一斉攻撃が放たれた。
「(ミッションは、あのキャバリアの破壊――パイロットの救出付き)」
多重防御 Type.1(レイヤード・ディフェンス)で回避し、砂塵が舞い視界を遮られると好都合と言わんばかりに素早い動きで距離を詰める。
まずは、パイロットの救出をする――夏希は、神器:キャバリア大になった“神器:拳銃”の銃口を向けて弾丸を射出した。
もう片方の肩を貫かれてモノアイ・ゴーストは、飛行ユニットの破損により墜落するとコロシアムが揺れる。
「今なら」
急接近し、夏希のキャバリアが“神器:ダガー”を引き抜くと、コクピットがある部分を切り裂いた。
だが、内部を直視した瞳が見開かれる。
だらり、と腕は力が抜けてぶら下がり、夏希は体に刻まれたクセで素早くモノアイ・ゴーストから距離を取った。
「……そんな、事が――」
奥歯を噛み締めると、夏希は苦々しく呟いた。
オブリビオン化したマシン、乗った者も既に人の形をしたオブリビオンマシンの一部であった事実に――
大成功
🔵🔵🔵
秋月・信子
●POW
『本戦を開始して一般人も混ざったまま戦う』
コロシアム、つまり賭け試合となれば必ず付くのが…イカサマ
とは言え堂々と参加しているキャバリアで行えば観客の反感を買うのは必定でしょうし、となれば…生身の人間が隠れながら行うもの
バックヤードに忍び込んでコロシアムの観戦席から死角となる場所を見付け、そこでサプレッサーを取り付け銃声が【目立たない】ようにしたボルトアクションライフルで狙撃を行います
パイロットの姿を視認できましたが…あの人を楽にさせません
すればオブリビオンマシンの思惑通りとなるからです
【破魔】の力を宿す銀の弾丸による『浄化の魔弾』で私が狙うのは…マシンに巣食うオブリビオンの心臓、核です
黒風・白雨
この地のオブリビオンは人の心を操ると聞いておったが、さらに自らに同化させる奴までおるのか。
この惨状を見るに、中の者が正気に戻ったとてかつてのように暮らすことはできぬであろう。
ならば、そのまま死を与えてやるのも一つの慈悲かもしれぬな。
2体の《竜神武者》を召喚し、大太刀や鎧の大袖で攻撃を弾きながら接近させ、攻撃させる。
敵の動きが鈍ったならば、組み付かせて動きを封じよう。
絡繰のオブリビオンよ。
お主らには人の心を操るのみならず、他の絡繰をも己が眷属に変える力があると聞く。
お主の身体、その一片たりとも残す訳にはゆかぬな。
頭上へと跳び、《力》を込めた拳をもって周囲の空間ごと敵を粉砕しようぞ。
●神たる者、神が宿る手
「コロシアム、つまり賭け試合となれば必ず付くのが……イカサマとは言え堂々と参加しているキャバリアで行えば観客の反感を買うのは必定でしょうし、となれば……生身の人間が隠れながら行うもの」
黒曜石の様な黒い瞳でコロシアムの観客たちを見据えながら秋月・信子(魔弾の射手・f00732)は、慣れた手つきで“ボルトアクションライフル”に“サプレッサー”を装着した。
息を殺し、気づかれないように展望台へと向かう。
一方、コロシアムという名の戦場へ足を踏み入れたのは黒風・白雨(竜神・f31313)だ――
「この地のオブリビオンは人の心を操ると聞いておったが、さらに自らに同化させる奴までおるのか」
砂塵が舞う中で絹の様な銀の髪と黒い着物の裾を靡かせながら白雨は、二体の“竜神武者”を呼び出すと巨大なロボットへ変わる。
「この惨状を見るに、中の者が正気に戻ったとてかつてのように暮らすことはできぬであろう。ならば、そのまま死を与えてやるのも一つの慈悲かもしれぬな」
金の瞳に映るのは、剥き出しになったコックピットにいる元人であったモノ――
ダン、地面を揺るがす程の跳躍で接近する、が。
「力勝負か。負けぬ」
振袖を振るい、モノアイ・ゴーストの腕を振りほどきながら掴んだ。
竜神である白雨は、今のこ場にいるどんなキャバリアよりも超越した怪力で腕を捻り上げて、地面に倒して動けぬ様に組み敷いた。
「絡繰のオブリビオンよ」
視線を下に向け、既に過去の存在であるオブリビオンと化したソレを金の瞳に映しながら、静かで威厳のある声色で言った。
「お主らには人の心を操るのみならず、他の絡繰をも己が眷属に変える力があると聞く」
ゆっくりと瞬きをして視線をオブリビオン化したマシンの頭部へ、目を細めながら低めの声で言う。
「(皆、コロシアムに意識が集中しているから、ここまで驚く程に誰とも会わなかったですね)」
担いでいたボルトアクションライフルを両手で持ち、銃口をモノアイ・ゴーストへ向けつつスコープでコックピットの中を見た。
「(……あの人を楽にさせません)」
元々、否もしかしたら数時間前まで人だったモノだが信子や猟兵にとっては、もう――敵であるオブビリオンだ。
長く自身の指位に太い銀の弾丸を入れ、手首に付けられた飾り紐をそっと触れて静かに目を閉じる。
成功を祈りながら唇を動かし始めた。
「此れは身体を撃たず中に巣食うモノのみを射抜く魔弾……」
砂塵が消えてしまえば、狙撃を察知されてしまうのであれば信子が込めた分の弾丸を放ったら隠れなければならない。
浄化する力が弾丸に込められ、息を止めると銃口をコックピットへ向けた。
引き金を引き、サプレッサーが火薬が破裂する音を消しながらヒュッン、と風を切って銀の弾丸は白雨の横をすり抜けてコックピットのオブリビオンの額を貫く。
薬莢を排出して、素早く構えなおした。
一瞬だけ、白雨の視線が向けられると彼女はコロシアムを揺るがしながら跳躍した。
「これで……」
狙いがズレに様に息を止め、スコープの印はモノアイ・ゴーストの頭部へ合わせる。
引き金を引き、浄化の力と破魔の力を帯た銀の弾丸は薄っすらと光を帯びたまま、吸い込まれるように額に突き刺さる。
間髪入れずに白雨が落下速度も合わさった拳を振り下ろす――
クレーターを作り、地面に沈んでいくモノアイ・ゴースト。
「皆さん、避難を!」
嵐が声を上げた。
「キャバリア乗りの皆さん、戦闘不能の機体を優先に撤退をお願いします」
コロシアム内にいるメディアは、全てのキャバリアと通信を繋げて落ち着いた声色で指示を出す。
「無茶し過ぎだけど、こうでもしないと倒せない相手……」
避難誘導をしながら轟音と共にコロシアムの一部が倒壊するのを横目に嵐は呟いた。
もう動けないモノアイ・ゴーストは、黒くなってガラスの様にパリィーン、と割れると過去の海へと消えた。
騒動に気が付いた小国家の団が出動したのであろう、見た事のないキャバリアを先頭に量産型のキャバリアが複数コロシアム上空を飛んでいた。
「あとは、この国の団に任せましょう」
信子は逃げる人々に紛れながらコロシアムから出て、グリモアベースへと帰還した。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵