●戦争屋
乱世を生き、いつか死んだ者がいる。
それは、いわゆる名を残すような者ではなかった。
武に生き、主人への忠節を抱いたまま散った者ではない。
かといって、無力な争乱に巻き込まれただけの、無辜の民と言うわけでもなく。
「やっぱ時代は金よなぁ」
そいつは、商人だった。
オブリビオンでありながら家を、拠点を構え、商いを管理するのだ。
ひひっ、と、金勘定をしながら笑っていて。
「今も、昔も、いやさ未来とて。人の統治する世は儲かるものよ……そうであろう?」
問うたのは、誰もいない居室だ。
虚しく響き、聞く者も居ない筈のそこに、しかし、返答がある。
「わたくしめにはわかりかねます」
不理解の答えをしたのは、影だ。
それは妖狐の力を宿した女忍者で、その商人が使役する存在だった。
「忍はただ、忠実に事を成す。それだけですので、ご期待の答えは持ち合わせておりません」
「くふっ……よい、よい。無知もまた愛いものよなぁ」
膝を付き頭を垂れる女体を、商人は視線で舐め回す。
そうして、よいか? と、わざとらしい溜めの前置きをして、言葉を続ける。
「人は何時だって争うモノよ。平和になろうと、いさかいは絶えることはなく、今はワシらの様に侵攻するものも多い。そしてその為に、必要なモノがあるな?」
「……我々ですか」
答えに、商人は笑った。
「正解だが完全ではないなぁ? 要はな、武器だよ」
力と言い換えてもいい。
他者を屈服させる、凶悪で強力な、力だ。
刀、槍、銃に、それらを扱う人材と、精製するための施設や手段。
「今、世界はそれを求めておる。故に、ワシがそれを広く提供する。オブリビオンであろうが人であろうが、な?」
商人は支配を欲してはいない。
ただその身に財を溜め込みたいだけだ。
「……勉強になります」
「くふっ、くふふ……畏まらずともよい、ちこう寄れや?」
求めるままに身を寄せてくる女を抱きながら、商人は強欲な夢を想い描いていた。
●そんなわけで
グリモアベースの片隅。
いつもの場所に、肆陸・ミサキ(狩られるモノ・f00415)はいる。
背もたれのない椅子に座り、地に付かない足を揺らしながら彼女は、訪れる猟兵達を眺めていた。
そうして、自分の元に集まってきた彼等を見て笑うと、
「や、遅かったね。待ってたんだ、君達を」
いつものように出迎えて、椅子から飛び降りて説明を始める。
「サムライエンパイア、知ってるよね。他よりまだ平和な世界なんだけど、それをよく思わない奴がいるみたい」
やれやれだね、と肩を竦めて、溜め息を一つ。
「戦争屋、って言えばいいのかな。武力を売って金を稼ぐ奴の事なんだけど」
ソイツが今、オブリビオンに武器や兵士を提供しているらしい。
ただでさえ単体でも厄介な奴等に、追加で力を与えるなんてとんでもないことだ。
「だからさ、僕たちでぶっ飛ばしてやろうよ。悪徳商人はあの世界に必要ないって、教えてやらなきゃ」
平和を勝ち取るまでに、もう十分戦い、傷付いたのだ。
これからの未来に、武器なんていらない。
「商人は、護衛兼密偵として、妖狐忍者を手元に置いてる。まずはそれを駆逐してやろう。今なら、奴の屋敷に揃ってる筈だ」
強襲して、全滅させて、討ち倒す。
「いつものことさ、やれるだろ?」
そう挑戦的に言って、頷く猟兵達に満足そうに頷き返し、
「じゃ、いってらっしゃいだ。僕、たくさん応援しちゃうから、ね?」
世界を繋げて送り出した。
ぴょんぴょん跳び鯉丸
私です。
寒いですね、温泉行きたいです。
まあ大体オープニング通りなので、ぶっ飛ばして温泉です。
そうです、温泉です。
私としては温めでじっくり入りたいです。
よろしくお願いします。
第1章 集団戦
『妖狐忍』
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POW : 魅了の術
【全身】から【魅了の術】を放ち、【幻惑】により対象の動きを一時的に封じる。
SPD : 小刀一閃
【小刀】が命中した対象を切断する。
WIZ : 狐火
レベル×1個の【狐火】の炎を放つ。全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せる。
👑11
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●
屋敷は、山の中腹にあった。
森を拓いて作られたそこへ至るには、長く続く石階段を登る形だ。
辿り着く先を視界で見れば、立派な彫りの入った丸太柱の門があり、頑強で分厚い扉が閉まっている。
「ふぅ」
一息。
上りきって扉を開ければ、そこは大きな平屋敷の庭先だ。
「ーー!」
そこへ、影に隠れた凶刃が迫る。
「侵入者は、殺す……!」
妖狐忍衆が、辺りを取り囲んでいた。
橘・焔
○心情
サムライエンパイア
私のルーツとなる人種とも縁深い侍の国
…平和なのにわざわざ乱すなんて、やっぱり私には理解出来ないや
【SPD】
辺りから暗殺者の気配が十重二重
…ミサキちゃん、コレ読まれてたんじゃね?強襲の基本は不意の襲撃よ
よーし、帰ったら温泉でオシオキだ!
答えは求めず暗闇に問う
「『死の商人』って言うんだっけ?こういうの…」
「豚の護衛なんかよりもっと正しく使えないの?カッコ悪いなあ…」
ペラペラと正論で挑発し、暗殺者を誘い出す
※「…小娘、言わせておけばッ!」みたいに相手が怒ったら◎
「…はいヒット」
飛び出した敵を捌きつつ、交差直後に背後から咎力封じで捕縛
「図星突かれて怒るようなじゃまだ甘いね…」
「っ」
刃が迫る。
敷地に踏み行った橘・焔(転生のオデュッセイア・f01608)を正面に捉え、一閃させる小刀の一撃だ。
「……これ、読まれてたんじゃね」
ミサキちゃん、下手打ったか……?
思い、しかし冷静に対処する。
相手の動きは、直線的なものだ。
速攻で敵を仕留める為に用いる最善の一手。
故に、読みやすい。
「っ、と!」
横に滑る動きで回避し、忍者の脇腹を蹴り飛ばす。
「全く、終わったら温泉でオシオキだ」
行く。
吹き飛んで倒れるソイツに、跳躍からの踏み潰しを腹にぶちこんで黙らせ、並み居る敵へ向かう。
「死の商人って言うんだっけ、こういうの」
ハッ、と鼻で嗤い、
「折角の技を、豚の護衛なんかよりもっと違うのに使えないのかな、ダッサイなぁ」
挑発を投げ掛けた。
誘いだし、流れを奪う目的だ。
だが、想像よりも忍の理性は固く、その狙いは達成されない。
「ま、腐っても忍者ってことか……!」
行く。
迎撃に振られる小刀を、今度は避けずに、拘束用のロープで受けつつ絡み付かせる。
刃、手、腕と固め、後ろ手に捻って拘束してから敵群へぶん投げた。
「せっかく平和なのにわざわざ乱すなんて理解出来ないけど、とりあえずぶっ潰す……」
成功
🔵🔵🔴
響・夜姫
「ミサキの依頼に加えて。温泉と聞いて」
「死の商人。しかも、たちの悪いタイプ。……これは、爆発四散案件」
成敗。
・POW
……。(妖狐忍者を見ている)
…………。(自分の胸元を見ている)
……………。(胸元に手を当てたり、たわわな自分をシミュレートしている)
「きょにゅーしすべし。じひはない」
【クイックドロウ】でズドン。
大丈夫。私は冷静。
冷静に狙いをつけて【誘導弾】で【2回攻撃】(二点バースト)を【一斉発射】。
幻惑にかかったら。たわわになったとかそういうので動きが止まるとか。
そういう。
「おお。………あれ?」
……ぜつゆる。
●
沈黙が支配していた。
そこにいるのは響・夜姫(真冬の月の夢・f11389)だ。
じっ……と二色の瞳を半目にして、
「……」
ばるんぶるんと揺れる胸を見ている。
「…………」
視線を真下にすると、遮るもの無く地面が見える。
「……」
ばるんぶるんと揺れる胸を見ながら自分の胸に手をぺたぺたと当て、アレが自分の胸部にあったなら、と夢想してみて。
「きょにゅーしすべしじひはない」
邪神用の二丁拳銃を早撃ちした。
音は二回、しかし放たれた弾は四発。
クイックドロウを使った連射だ。
「…………む」
当たらない。
誘導、追尾の性能を付与してあるはずだが、忍の速度はそれをも越えるのか、と。
そう想い、静かに素早くたぷんたぷんと
「死すべし」
射撃する。
「たちのわるい、死の商人、爆発四散案件、乳は成敗」
当たらない。
射撃する。
当たらない。
射撃する。
「おおっ」
と、カチッと噛み合う様な噛み合わない音が、拳銃から鳴った。
弾切れ、ではない。
「つまった……!」
しまった、やられた。
乳に気を取られ、攻撃の機会を逸してしまった。
苦戦
🔵🔴🔴
メーティオル・スター
このご時世だし、実際武器の類は儲かるんだろうね。
オレが扱ってるジャンクも、壊れた兵器を作り直して売ってるようなもんだし、あんまり偉そうなことは言えないな。
それにしても…目のやり場に困る人たちだなぁ。(頬を掻きながら目を逸らし)
SPDで判定。
他所の庭でバイクを乗り回すのもどうかと思うけど、
相手はオブリビオンだしオッケーってことで!
少し周囲を旋回して勢いをつけてから、バイクで突進!
そして衝突直前にオレだけ上に飛んで、そこから銃撃!
バイクが小刀の犠牲になる瞬間を狙い撃ちだ!
後で直してやるから、今は我慢してくれよ、相棒…!
(ミサキのお姉ちゃんに必要経費で出してもらえないかな、と思いつつ)
「うーん、このご時世だし、実際に武器の類いは儲かるんだろうね。壊れた兵器も作り直せば売れるし」
……普段取り扱って売ってるのも、それだしなぁ。
と、メーティオル・スター(屑鉄漁りの見習い冒険者・f05168)は内心思う。
わざわざ平和を掻き乱すつもりはないが、それを扱う者はそうも行かないのだろう。
「……あんまり、偉そうなことは言えない、な」
目を逸らしてそう呟いた。
ボディラインのくっきりした、女性らしさを強調するスーツは、メーティオルには刺激が強かったのだ。
だが、戦わないわけにはいかない。
バイクに跨がり、アクセルを回して、
「他所様の庭でエンジン吹かすのって罪悪感だけど、オブリビオンだしオッケーとしよう……!」
突撃する。
敷かれた砂利の上を滑り、敵の群れへの体当たりする動きだ。
そして、激突の瞬間が来る。
周りから狙ってくる小刀の一閃を、バイクの前輪を勢い良く起こす事で防ぎつつ、自分はそれを足場に空へ。
「……後でちゃんと直すからな、相棒……!」
眼下に見える忍者に向けて、マグナムをぶっ放した。
シリンダーにある弾丸を全部撃ちきり、一通り処理して。
……ミサキのお姉ちゃん、経費としてお金だしてくれないかなぁ。
と、そんな事を思っていた。
もちろんそんなものはでないのだけれど。
大成功
🔵🔵🔵
ゼン・ランドー
いやはや……商売が下手ですねえ!
戦争が起きれば確かに大儲け出来るかも知れませんが
そんな物は取らぬ狸の大博打
猟兵ならば何時でも武器を欲しているというのに
どうです皆さん?私のところに転職してみては?
待遇は2倍をお約束致しますよ!
………などと言っても応じてもらえる訳も無いので
気を散らした隙に【サイコキネシス】で戦闘開始
星命の理合で幻惑に対抗できればよいのですが
まあ、万が一にも指一本動かせなくなったところで
サイコキネシスで自分の体を動かせばよいわけです
さて皆さん給料はお幾らですか?
私に傷を付けられないようなら、六文銭すら値しないですよ?
「いやはや、下手ですねぇ……商売が下手!」
砂利を踏み鳴らして男が行く。
言葉は、商人に向けたものだが、雇われの忍者達に向けるものでもあった。
どうです?
問う言葉は、行商人であるゼン・ランドー(マネーの狐・f05086)の視点から見た提案だ。
「確かに、戦いがあれば武器は売れ、大儲けできるでしょう。しかし、戦争規模の戦いが起きれば、の話です」
小競り合いに使われる武器などたかが知れているし、小規模では数も稼げない。
「しかし猟兵ならばいつだって武器を欲している! 皮算用を語るより現実的でしょう?」
どうです。
「皆さん私のところに転職しませんか? 待遇は二倍を確約致しましょう」
どうでしょう。
思って、返ってくる言葉を待つ。
「戯れ言を、寝物語のように語るな」
拒絶だった。
明確な敵意の感情が向けられるのを、ゼンは感じる。
しかしそれは想定内だ。
「ところで皆さん、給料はお幾らほどですか?」
肩を竦め、両手を広げて呆れるようなジェスチャーで問う。
瞬間、砂利が舞った。
「私に傷一つでも付けられないのならそれは、六文銭にすら値しない商品価値です」
念動力で操作される、つぶての弾丸が忍者を巻き込み、ただ消滅させていく。
大成功
🔵🔵🔵
雨宮・いつき
お金を稼ぐ事は商売人の本懐
それ自体をとやかく言うつもりはありませんが…
私利私欲のために徒に力を、災厄を撒き散らすつもりであれば話は別
そんな悪事、お天道様が許しても僕達猟兵が許しませんよ!
前衛で戦う人達の援護のために【御狐戦隊】で管狐を呼び出し、分散させて忍達へ向かわせます
四方八方から飛び掛からせて注意を散漫にさせ、その間に本命の準備をします
霊符に力を込めた【全力魔法】の【金行・封魔鉄鎖】を連続で放ち、忍達を拘束!
味方が少しでも数で有利を取れるように、足止めをさせてもらいますよ!
心禰・白雨
狐は狡猾な奴らだし油断できねえな。
可愛い女は嫌いじゃないが。
得物を握ってこちらを殺そうと思ってるなら容赦しねえよ。
妖刀を握って傍まで走り寄り
刀で攻撃すると思わせフェイントをかけ
懐に入れば腕を伸ばし、掴める所を怪力と【櫻狩】で破壊する。
できれば首を、次点で肩を潰そう。
相手は魅了の術で幻惑を掛けてくるようだが。
こちらは殺気を返して。そんなものは通用しないという態度を示すぜ。
「御勤めの時間です」
パンッと柏手を一つ。
それを合図に、空間から管狐の群れが飛び出していく。
「さあさ皆さん、出ませい、出ませい!」
数にして90体。
戦場である庭を、縦横無尽に駆け飛び回る。
「行ってください!」
「応……ッ!」
狐達の召喚主である雨宮・いつき(歌って踊れる御狐様・f04568)の声に応えて、心禰・白雨(赤糸結び・f02212)が行った。
「狐は狡猾な奴等だし、油断出来ねぇ……ああいやお前らじゃねぇよ」
呟きに、管狐達のジト目を受けて、白雨は苦笑い。
「可愛い女に普通の狐は嫌いじゃねぇよ。殺そうとしてくる奴にゃ遠慮しねぇだけーーってな!」
行く。
手にあるのは妖刀だ。
溢れる殺気を身に纏い、忍者が匂わせてくる魅了の力に抗う。
だが、敵の全身から発せられる色香は、頭をガツンと叩かれる様な衝撃だった。
強制的な誘惑に、走る足が折れそうになって、
「……!」
しかし踏みしめられる。
「邪魔をするな!」
管狐が、忍者の集中を掻き乱す様に絡み付いていたからだ。
「はっ、やっぱ油断出来ねぇ。けど、味方なら頼もしい限りだなぁ!」
好機を、白雨は掴む。
手を伸ばし、忍者の細首を握る様にして。
「花の首を手折る事の造作も無き事よ」
掴んだ。
「がーー」
苦しみの声は一音だけ、後に続くのは骨の折れる音と、肉の潰れる音。
びくっ、びくっと痙攣した後に絶命したソレを白雨は捨て、
「貴様ァ!」
激昂した忍者達に襲い掛かられる。
四方から迫る強襲には、白雨は反応しきれない。
「……反応する必要もねぇけどな」
瞬間、光が空を裂く。
「術式、解放」
地面を突き破って放たれる鎖の群れだ。
それを成したいつきは手を、いや、手に待つ霊符を地面に押し当てていた。
「私利私欲、そんな物の為に力を、災厄を撒き散らす。そんな悪事はお天道様が許しても、僕達猟兵が許しませんよ!」
懐から追加で霊符を取り出し、地面に叩きつける。
術式の光が起き、発生する鎖がさらに忍者を縛り上げ、
「行って、ください!」
「応!」
白雨がそれらを手折って行った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シェイミー・ソルラフィス
武器なんていらないなんてひどいよねクォタトゥクル。でも、戦争は嫌だよねーうーん。
でもまあ、とりあえず。ふふ、嬉しいなー♪お出迎えだよクォタトゥクル♪
ナイフが来た方向に行こうか♪見切りにはユーベルコードもあるから自信あるし、ナイフが当たってもあんまり痛くないし、敵さえ食べれれば傷も治るし。
とにかく先手を取り返して手当たり次第に切りつけるのよ。もう一度逃げられてダメだったら、第六感だよりかな。
「どこにいるか教えて、クォタトゥクル」
……みーつけた♪
ご馳走様♪ちゃんと血まで残さないのよ♪(クォタトゥクルで吸収する感じで)
シェイミー・ソルラフィス(シェイ・ヘフェア・クォタトゥクル・f00895)は笑う。
「武器なんていらない、なんて、酷いよねクォタトゥクル」
それは、来る前にミサキに言われた言葉。
語り掛けるのは、魔剣であり自分自身に向けたものだ。
「でも、戦争は嫌だよねー、うーん」
考える。
考える間に、小刀が来た。
忍者の接近から放たれた一閃だ。
首、頸動脈を狙われるそれを、適度に軽減する。
「ふふ、嬉しいなー、お出迎えだよクォタトゥクル」
うっすらと裂け、流れ出る血の感覚があった。
痛みはあまり感じずに、ただ流れ出ていく感覚があって。
「お腹空いたね、クォタトゥクル。ふふ、ご馳走が一杯だよ」
再接近をしてくる忍者に向けて、振り下ろしの一撃を無造作に放った。
頭部を割り斬って、倒れる体にクォタトゥクルを突き立て、薄れ行く命をその身に吸い取る。
「ーーあはっ」
その最中に、背後から斬られる感触があった。
顔だけ振り返るとそこに、小刀を振り抜いた体勢の忍者がいるので、
「あなたもとーっても、美味しそう」
振り子の様に振り回したクォタトゥクルで雑に両断した。
飛び散る血を浴び、傷は塞がり、彼女は剣を振るい続けた。
「ちゃんと、血まで残さないのよ」
ごちそうさま。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『悪徳商人』
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POW : 先生、お願いします!
【オブリビオンの浪人の先生】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD : 短筒での発砲
【短筒】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ : か、金ならいくらでもやる!
【懐】から【黄金の最中】を放ち、【魅了】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴
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「な、なんだこれは!」
庭先の騒ぎに、やっと気付いた悪徳商人。
しかし時はすでに遅く、辺りは死屍累々だ。
もう手駒になる存在はいない。
「く、くせもの……であえ、であぇえい!!」
……。
応えるものは、いなかった。
藤野・いろは
・心情
さて、どうにか間に合ったようですね。
お相手は1人ですか、しかしながら小手先の技が得意な様子
惑わされぬように意識し、丁寧に追い詰めていきましょう
・攻撃
動きをよく観察し【見切り】を狙っていきます
相手の大技に合わせてユーベルコード【先の先】、【カウンター】を叩き込みましょう
【破魔】の力を込めた刀で【なぎ払い】です
好機と見れば【2回攻撃】で攻めの手を緩めずいきましょう
・防御
相手の攻撃には【勇気】をもってギリギリまで見定め【残像】を残すような速さで最小限な回避を試みます
回避が困難な攻撃には狙いに合わせて【オーラ防御】で対応し、ダメージを可能な限り軽減
・その他
アドリブ、猟兵の絡み歓迎
橘・焔
○心情
古典劇だと「コイツが目に入らねぇか!?」って啖呵切って服を脱ぐんだっけ?
…え、脱いじゃダメ?自分の格好考えろ?
何だよぅ、まるで人を露出狂みたいに…ぶー(垂れ
【POW】
「…呼んでも誰も来やしない、アナタも年貢の納め時だ」
凄みつつ悪代官に近づくが、警戒は緩めない
こういう輩は必ず奥の手を隠してる
…ほらね、ご登場~
右手に“光の刃”、左手に硬い鞄を持ち、用心棒の剣戟を捌く
「…防戦一方は趣味じゃな…いッ!」
体重と遠心力を乗せた鞄の一撃で用心棒を悪代官の側まで吹き飛ばして真の姿を解放
※髪は銀髪に、瞳に虹色の輝きを帯びる
仁王立ちして右手を頭上へ掲げる
「勧善懲悪!『時よ止まれ、汝はいかにも美しい』!!」
「参りましょう」
刀を鞘から抜き、藤野・いろは(天舞万紅・f01372)は商人へ向かい歩く。
その姿は自然体で、相手を見つめる目は細められていて、
(……相手は一人、ですが、油断は出来ません)
考えが思考に走る。
「古典劇とかだと、ここで正義のお代官様が登場してさ、啖呵を切って服を脱ぐんだっけ」
「貴女が一枚脱いだら、裸では?」
「……そうだよね、そうなんだけどさぁ」
ぶー、と膨れる焔に、いろはは苦笑いを一つ漏らす。
戦場にあるべき緊張感、ではないですね、と。
そう思いつつ、しかし力は取れたとも思う。
「ま、年貢の納め時だよ戦争屋」
マフラーで鼻上まで顔を覆って、いろはを抜いて焔は行く。
そのすれ違い様、ちらりとアイコンタクトを取って。
「助けを呼んだってだぁれも来やしないんだ、なにせ私たちが倒してしまったからね」
挑発とも聞こえる言葉を吐いた。
「な、なんだと貴様、よくも……ワシがあれに幾ら掛けたと思っとるんだ!」
それに、激昂して地団駄を踏んだ商人は行動する。
焔を指差し、声高に叫ぶのは、
「先生! お願いします!」
やはり助けを呼ぶ声だった。
それを、焔は笑ったりしない。
むしろ、やっぱりな、と。納得を得るだけだ。
「こういう輩は、必ず奥の手を隠してる……ッ!」
だから、突如現れた浪人の一撃を、焔は手にした鞄で受ける。
「小手先の技が得意だと言うなら、丁寧に追い詰めるだけです」
そして、来ることを予期していた様に、そのタイミングでこそいろはは商人に肉薄した。
「こ、む、す、め、ぇ!」
見る。
懐から取り出される短筒。
作りは簡単な物で、引き金を引けば弾が出るだろう。
その弾が出る空洞と目が合い、トリガーにかけた指が曲がり、そして。
「っ!」
音が鳴るより速く、いろはは自分の頭を横に振った。
こめかみの数ミリ横を通る弾丸が髪の毛を浚い、しかし彼女は健在で、
「ひぃっ」
恐れによる二射目は刀で斬った。
下から上へ一閃させ、さらに一歩踏み込めばそこは、刀の間合い。
「ふ……!」
振り下ろしの一撃が、袈裟に商人を斬った。
しかし浅い。回避の動きで後ろに下がられたからだ。
いろはは目を細め、地を蹴って行く。
後ろ、跳ぶ様に背後へ、だ。
「な、にーー!?」
その瞬間後に、浪人が吹き飛んで来る。
「先生! 貴様は金の分もまともに働けんのか!」
「やれやれ、金だ金だとやかましい」
髪を銀に染め、虹彩に虹を彩る姿の焔がやったことだ。
哀れむ様に、呆れる様に。
尻餅を着いた金の囚われ人を見下ろして、少女は手を空へ掲げる。
「勧善懲悪、さ」
そこに現れるのは光の十字架。
空を埋め尽くすきらめきの数々だ。
「ひ、や、やめーー」
「時よ止まれ、汝はいかにも美しい」
攻撃は止まらず、眩い中に、商人は包まれた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メーティオル・スター
悪いね、呼んでも出てくるのは"くせもの"だけでさ。
庭をバイクで走り回ったことも多めに見てくれると嬉しいんだけどさ。
WIZで勝負!
確かに黄金の最中は魅力的だよ。
家計が一気に黒字に傾くし、バイクの部品も良いのが買えそうだし。
そりゃ、魅了もされちゃうよね。
だからさ…ばら撒かれる前に分捕ってやれ!
ウィップと先制攻撃・ロープワーク・盗み攻撃&盗みの合わせ技だ!
持ってない物だから欲しくなる。なら魅了される前に自分の物にしてしまえばいい!
で、まあ。うまく黄金の最中を分捕れたら、他には特に用事もないし。
神妙に"お縄"についてもらおうか。痺れながらさ。
この最中、戦いが終わっても消えないよね?
「ひっ、ひっ、ぃ……くそ、くそぅ!」
光が消え、立ち込める爆煙からほうほうの体で商人が這い出した。
浪人の体を盾に、自分だけは助かろうと言う計画の成果だ。
みっともなくても、命があればそれでいい。
そんな考えの前に、足があった。
「悪いね、呼んでも出てくるのは、オレ達くせものだけみたいだ」
バイクに跨がったメーティオルの足だ。
「で、でたぁ!?」
たまらず、という風に後ろへひっくり返り、尻を擦りながら後退りする商人を、彼は頬を掻いて見る。
(……庭をバイクで荒らし回ったのは、うやむやにできそう)
なんて、そんな事を思いつつ、
「な、なあ君、君ぃ……?」
なんとなくネットリとした呼び掛けに意識を戻した。
商人がへりくだった笑みを見せながら、メーティオルを見ている。
いや、メーティオルというより、彼の乗るバイクに、だ。
「それ、その馬、ずいぶん痛んでるじゃあないか、えぇ? 治すにも金がかかるだろう、だろう? どうだ、見逃してくれるならこいつをやろうじゃぁないか!」
忍者の刃物で傷だらけになった愛車は、確かに重傷で、商人が取り出した黄金色の最中は魅力的に映る。
「なるほど」
だから盗った。
「へ?」
鞭をしならせ、最中を持つ手をはたき、落ちるそれに絡ませて回収。
続けざまにもう一度放って、商人にぐるりと巻き付け、
「じゃ、お縄についてもらおうか?」
「ちょまばばばばば」
高圧電流を流し込んで痺れさせた。
成功
🔵🔵🔴
心禰・白雨
さっきのが狐であんたが狸か――。
でも狸よりはシュッとしたいい面構えだな。
お前はさっきの狐よりは頑丈なのか?
オペラツィオン・マカブルを使用。殺気と恫喝で怯ませて。
例え一発防御し損ねても激痛態勢で怯む事無く近づく。
間合いまで近づいたら怪力で銃をもぎ取ってやるし。
他の味方が一緒ならこっちに短銃を引き付け。味方が攻撃する隙をつくるぜ。
そりゃあ撃ちまくれば一発や二発は当たるかもしれねえよ。
しかし、猟兵がそんな礫で死ぬと思うのか。なああんた。
オペラツィオンマカブルに使用するからくり人形は骸骨の姿をしています
アルトリウス・セレスタイト
渡し賃には困らない身分でよかったな
破天で爆撃
敢えて細かく狙わず目標がいる辺りを破裂する魔弾の嵐で纏めて始末
高速詠唱・全力魔法・2回攻撃・範囲攻撃・鎧無視攻撃など駆使した面制圧飽和攻撃
回避も逃亡も実行する余地を残さない狙いも含む
絶え間なく叩き付けて短筒・最中・先生いずれも諸共に物量で圧殺
それでも逃亡されるようなら界識で追跡し回廊で味方と共に追撃
響・夜姫
・SPD
今回の戦闘方法は普段と違ってほぼほぼ砲台。
一応動くけど。
敵の攻撃は防御したうえで、大火力で正面からズドンする。
「撃ち合いなら。負ける道理は無いね」
さっきは負けてない。あれはジャムっただけ。
撃ち合いでもなかった。言うなれば、不戦敗。
「だから。乱れ撃つ、ぜー」
ジャンヌ二挺、リロード。
サバーニャ六門、展開。収束一斉掃射、千里眼射ち。
「第二波、ごー」
敵が。倒れるまで。ぶっ放すのを。やめない。
後は援護射撃で仲間の援護。
シェイミー・ソルラフィス
あの狐の忍者さん、あんまり強くなかったね。強い武器が欲しいなら私を買えばよかったのに。
え、今から私を買うの?お金一杯?んー、やっぱダメだよ。あなたはオブリビオンで私はワンコ(猟兵)さんなの。
さ、迷子のオブリビオンさん。お家(躯の海)に帰りましょ♪
所で、なんだか油(脂肪)いっぱいそうだけど、食べて大丈夫かな。これ……すて……ろーる?だっけ?そういうの。
アドリブ、誰かとの絡みOKです
雨宮・いつき
この太平の世に争いを呼び起こそうとするあなたの企み、まるっとお見通しです!
大人しくお縄に…いえ、骸の海に還る時が来ましたよ!
まずは攻撃手段を奪いましょう
管狐達50匹を一斉に商人へ飛び掛からせ、短筒を奪い取らせます!
残りの管狐は浪人を警戒して僕の周囲で直掩をして貰います
加えて、両刃剣になった朱音を手に術式を増幅、管狐達にどんどん力を注ぎこんで強化しましょう
商人が懐から何かを出そうとしたりしたら、火の術を飛ばして咎めます
新しい武器は出させません
今更お金に目がくらむ僕達でもありません!
充分に管狐達を強化させたら、最後の仕上げに全員で一斉攻撃です
これにて成敗!ですよ!
●
命からがら、縄から逃げ出した商人は、屋敷の中へと逃げ込んだ。
這う様に縁側を登って転がり、襖を閉めて奥へ行く。
広い、会場の様な和室だ。
土足が畳を、自分の物を自分が汚さなければならないという現実に、彼は苛立ちを覚え、しかし今はそう言ってられない。
逃げねばと、そう思うからだ。
だから商人は部屋を駆け抜け、出口の襖を開けて、
「ーー行き止まりだ」
青い衝撃をぶちこまれた。
先に回り込んだ、アルトリウス・セレスタイト(原理の刻印・f01410)の放つ魔弾の衝撃だ。
展開される110発の弾に、商人は来た道を押し戻されて行く。
だが見た目の派手さに反して、そのダメージは少し薄い。
「ほう」
感嘆の息と共に、アルトリウスは追加の魔弾を生成。広く、面となるように発射する。
それを商人は、
「金の力を、なめるなよ……!」
展開した金の最中で迎撃した。
見た目のイメージと違い、金のみで構成されたそれは分厚く硬い。
「ぐおおおお!」
硬く、盾として優秀で、だが衝撃そのものを消せる訳ではなく。
「くっ、そがっ」
襖を破って吹き飛ばされる。
庭側、猟兵達の居る戦場へと押し戻された。
「おかえり」
それを、夜姫が出迎える。
両手に、聖女の名を冠した自動拳銃を持ち、その銃口を向け、
「させるかぁ!」
一瞬速く、商人の短筒が火を噴いた。
こちらも両手持ちだ。
懐から、一発撃ち切りのそれを用いて、乱射する。
「ーー撃ち合いなら、負ける道理は無い」
夜姫は慌てない。
背面に装備した、三対六門の十字架砲を前面に展開して盾に。
その隙間から照準を合わせ、拳銃の連射で反撃した。
「ぐぁっ!」
命中する。
取りこぼした短筒を拾う、その思わずという動きの隙に夜姫は次の動きを入れる。
「りろーど」
拳銃の弾を込め、同時進行で十字架砲を盾から斉射モードへ。
「あんどばすたー」
ぶちこむ。
抗う術もない商人はその砲火に焼かれる。
そう、思われた。
「ワシを守れ、センセぇ!」
だがそう行かない。
呼ぶ声に応えて、浪人風のオブリビオンが商人を守ったからだ。
抜いた刀を使って弾丸を斬る事で、夜姫の攻撃を届かせることは無い。
「それなら、こうです!」
出ませい!
そう叫び、いつきは管狐を召喚する。
夜姫の後ろから放つそれは、呼び出した数の約半数。
50匹の集団だ。
商人へ向かわせ、狙うのは攻撃手段を奪うことによる戦闘力の無力化。
「それに、こうします!」
同時、手を前へ差し出す。
開いたその上に、赤い尾長の雀が降り立ち、瞬間に両刃剣へ変じて召喚術式を強化した。
「この泰平の世に、争いを呼び起こす企みはお見通しです!」
放つ。
術式にリンクして、ごうごうと燃え盛る炎の様な赤に染まる管狐だ。
「近寄らせるな先生!」
囲い込む様に行く、その群れに一閃が走る。
浪人の一太刀だ。
強化を経て、攻撃性の増した狐達だが、一撃で消滅する脆さはそのまま。
だから空中で、半数が霧散した。
「くっ……!」
残り、25匹。
その数を打ち消すべく、返す刀を放とうとするそこへ、飛び込む影がある。
「あの狐さんはあんまり強くなかったけど、あなたは強い?」
シェイミーだ。
魔剣、クォタトゥクルを振り下ろし、刀の一撃にかち合わせる。
「強い武器が欲しいなら、私を買えばよかったのに……あ、でもダメだよ? あなたはオブリビオンで私はワンコさんだもの」
押して、弾き飛ばす。
「躾のなってない犬よなぁ、先生!」
商人は後ろへ、浪人は前へとステップを踏む。
管狐の追い付くより速く、短筒を抜いて、シェイミー目掛けての射撃を行った。
「ッ」
だが、それは彼女に届かなかった。
「なるほど、さっきのは狐で、あんたは狸ってことか」
白雨の肉体が、それを遮ったからだ。
撃ち込まれた弾丸は肉に食い込み、しかし傷にはなっていない。
片手を上げ、側に控えた骸骨姿のからくり人形を起動。
「や、でも狸よりはシュッとした面だ。さっきの狐より頑丈か、どうなのか」
確かめるとしよう。
言って、手を振り下ろす様に向ける。
骸骨の口が開き、そこから弾丸が吐き出された。
「なにぃーー!?」
予想外の返撃に、反応が遅れる。
弾丸は脇腹を貫通し、鮮血が庭を染めた。
「あぎ、ぃ、いたい、痛いぃ……!」
商人は、逃げた。
それは現実問題そうというわけではなく、戦う事から、という意味だ。
敵に背を向け、這いつくばり、命惜しさに涙する。
「悪いな」
だが叶わない。
「そこも行き止まりだ」
縁側に戻ってきたアルトリウスの魔弾が、商人の目の前を爆撃した。
「いぎぃ!?」
飛散した砂利が、顔面を打ち据える。
魔弾が狙い、十字架砲の口が向き、周りは管狐が囲んで、そして白雨が歩いて近づいていく。
敵わない。
そのどうしようもない事実が、商人の心を砕いている。
「せ、先生、センセぇなにしてる!」
頼りの綱、天上から降りる蜘蛛の糸が如き細さの希望。
それは、クォタトゥクルが蹂躙していた。
「あなたもちゃあんと、食べるから」
剣戟の打ち合いで火花は散り、しかし呼び出された粗製の打ち刀と魔剣では勝負は見えている。
横に一薙ぎ、刀を砕き、下から上へ、斬り上げの一閃で吹き飛ばす。
「これで、終わり」
逆手に持ち替えて縦にしたクォタトゥクルが、魔力によって弓の形に変形し、弦に魔力矢をつがえて、
「ご馳走様」
射ち抜いた。
「ま、まて、まってくれ……金だ、金ならあるんだ! なぁ、欲しいものならくれてやる、なんだって用意する、だからーー」
「欲しいのは一つだけだよ」
命乞いに、返すのは一言と一撃。
「平和だ」
総攻撃に、商人は断末魔も上げられずに消えた。
大成功
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第3章 日常
『温泉旅籠で露天風呂を楽しもう!』
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POW : 竹でできた築地を登って隣の湯を覗くor覗き魔へ桶や石鹸を投げて撃退だ!
SPD : 気づかれる前にササッと覗いて退散するorどこかから視線を感じるので俊敏さを活かして迎撃する
WIZ : 自らの叡智を結集した完璧な覗き作戦を決行するor覗き魔の行動を先読みして罠をかける
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●
温泉だー!
なにはなくとも。
温泉だ~!
●
騒ぎを納めた猟兵達を待っていたのは、近くの集落からの歓迎だった。
疲れた体を癒すため、温泉を用意してくれたのだ。
山から望む、夕焼けに染まる自然を堪能できる露天風呂。
そこで、一休みするとしよう。
振りではなく、覗きはダメだと、思います。
天通・ジン
温泉で湯治。いいものだね。
ってことで覗きをしに来たよ。
まずは戦場の情報収集だ。
手持ちの電子機器で温泉周辺の地図と間取りを確認。
集めた情報を、戦闘機のAIに転送。安全に移動できる経路を割り出させる。
当然ながら、これは覗きに参加する猟兵が要望すれば共有する。
俺はWIZがそれほど高くないけど、ユーベルコードの支援を受ければ、なあに完璧な覗き作戦ができるはずさ。
覗けたら、ばれないうちにさっさと退散しようかな。
うん、機敏さを活かしてってことで。
あ、これもちろんミサキもいるんだよね。
これを予知したグリモア猟兵だもんな。期待してるよ。
※
アドリブ歓迎、やられ描写OK(死なない程度に好きにしてください)
橘・焔
○心情
真の姿解放+石鹸投げ=死人…?
…ま、出歯亀に容赦は不要か
※アドリブ、合わせ歓迎
【POW】
「…むっふっふー、オッシオキターイム」
有言実行の刻来たれり※第1話参照
湯煙に隠れ、ミサキちゃんの背後から接近して鷲掴み!
「奇襲とはこのように……おぉ、引き篭り娘にしてはなかなか(さわさわもにゅもにゅ)」
※ミサキがいない場合、ぶー垂れつつも彼女のピンみたいにゆったり温泉を満喫
(スク水型の日焼け痕で健康的な焔と陶器のような白肌のミサキの対比はさぞ美しかろう)
…で、こういう場には“良くある事”か
「乙女の憩いを邪魔する輩は…」
邪な気配のする方向へプロばりに振りかぶって
「成敗!」
石鹸をお見舞い
「ストラーイク」
メーティオル・スター
(選択肢が覗かせる気満々な気がする…)
まあ、オレも男の子だし。興味ないわけじゃないし。
ちょっとだけ、ちょっとだけ覗いてみて、退散しようかな。
おおお、こ、これは…オレ、この猟兵になってよかった…!
(次の瞬間、自分が迎撃される未来を視て)
ッハ!?このビジョンは…っ危な!?
(ユーベルコードが発動して危険を察知、回避を試みる)
危なかった…。やっぱり覗きはいけないことだよね、うん。
後は聞き耳たてるくらいに抑えて、想像力で補完していこう。
っていうか初めて使ったよ、この技能。
(どうでもいいけどこの顔アイコンだと、凄く堂々と覗いてる気がする)
響・夜姫
「温泉。温泉。お風呂。お風呂。」
うきうきわくわく。
タオルは頭にのせて。シャンプーその他を風呂桶に入れて、小脇に抱えて。
コーヒー牛乳は冷やしておいた。バスタオルは身に着けない。
覗き対策、私はあまり気にしないけど他の人の事もあるので。
「対ゲリラ戦機動、威嚇モード、ごー」
覗き魔の行動を先読みし、顔を出したら浮遊砲台の砲口が目の前でコンニチワ的な感じで。動いても追尾する。
「ぶーびーとらっぷ」
なお女性陣に対してチラチラ見ながら
胸が大きい人には「あれは良い巨乳。無罪。なんじら罪なし」
あまり大きくない人には「……同志」(サムズアップ)
※一方的に同志認定
「……ごくらくですなー」
ミサキと一緒に入りたかったかも。
心禰・白雨
「覗きはダメと来たか……。そうだな。
裸がみたけりゃ正面から堂々と女湯に踏み込んで「お前を見せろ」というべきだろう」
羅刹の怪力を身に宿す割に、雪のように白い肌、少女のように細く華奢な身体をして。
そのまま堂々と女湯に入ればスルーされそうな容姿で言います。
「可愛い女の子はいたが。
でも今すぐ見たくなるようないい身体の女はいなかった。
本当はいたかもしれないが。
とりあえず見なかったし、俺の好みは狭いからな」
覗きを試みようとする輩が居たとしても俺は
夕焼けでも眺めながらのんびり浸かる事にするぜ。
雨宮・いつき
この温泉、狐も一緒に入っても大丈夫なんでしょうか…?
頑張った管狐達の労をねぎらって、一緒に楽しみたいです
丁寧に身体を洗って、熱々のお湯に浸って…あっ、全員一斉に出てきちゃダメですよ!
温泉が狐でいっぱいになっちゃいますから…順番です、順番!
夕焼けを眺めながらの露天風呂
風情があって、心安らぎますね…
こんな平穏な時がずっと続くように、これからも御勤めを頑張らないと、ですね
シェイミー・ソルラフィス
とっても広いお風呂なのー♪沢山食べた後は綺麗にしないとお姉ちゃんに怒られちゃうの。
「あったかいのーきもちいよねーこのきせつとかー」
所で、なんだか視線を感じるの。誰か見てるのかな。まあ、別のいいのだけど……えっ、ダメなのクォタトゥクル?
そっかー……じゃあ、少しだけかじっちゃおうか♪
アドリブ、絡み歓迎
●男と女と戦い終わりの戦い
「というわけで、覗きに来たよ」
天通・ジンが居た。
露天温泉の床、陶器の艶が綺麗なそこに腰掛け、空へ上る湯気を尻目にタブレットを操作している。
「堂々とした覗き宣言……!」
その姿勢に、メーティオルは戦慄した。
ここまではっきりと言えるものだろうか、いや言えない。
反語を使うほどにそう思う。
「なんだ、興味ないのか、そりゃ残念」
「いやまあオレも男の子だし、興味ない訳じゃないし、残念でもないし」
いいや覗くね、とも思っていた。
腰巻きタオル一丁の男二人組、覗きタッグ結成の瞬間だ。
ジンとメーティオルは、向かい合ってあぐらで座り、タブレットに写し出されるモノを見る。
それは、航空写真だった。
「いいか?」
前置きを一つ。
ジンは人差し指を立てて言う。
「これは、今俺たちの居る温泉周辺の地形情報だ。山の斜面を開いて平地にしたここは、湧き出るお湯の都合上、男湯と女湯がわりかし近い」
柵一枚隔てた、とまでは行かないが、源泉の湯で繋がっている以上、その距離は目と鼻の先だ。
しかし、その道は写真で見る限り険しく、メーティオルの表情もまた険しくなる。
「……安全に辿り着くのは骨が折れそうだ……けどその顔、なにか策があるんだね?」
「もちろん」
見つめる視線に、力強くジンは頷く。
集めた周辺情報を、外に待たせた戦闘機のAIに送信。覗く為の安全で、確実なルートを算出させる。
「ユーベルコードは使えるか?」
「うん、問題ない。予測と回避に使えるよ」
道は拓けた。
後は行くだけだと、二人は立ち上がる。
「俺は天通ジン」
「オレは、メーティオル・スターだ」
固い握手を交わし、いざ。
「行くぞ……!」
男ーーいや漢二人は柵を登り、ひょっこりと顔を覗かせて、
「ストラーイク!」
ジンの顔面に石鹸がぶちこまれた。
「じ、ジーン!!」
落ちていく。
手を伸ばすが、届かない。
「オレは……無力だ……」
ざっぽん。湯に墜落する戦友の姿に、メーティオルは涙を飲む。
とにかくここは危険だ、離脱をせねばとそう思い、
「え」
自分の頭上をふよふよする影に気づいた。
黒い、無機質な、丸い空洞がそこにある。
「まっ」
ドンッという空砲が、メーティオルを叩き落とし、戦友の隣に並ばせた。
ぷかぷかと浮かぶ、哀れな二人は空を見上げ、
「……みた?」
「……いいや」
「そっか……」
なんの戦果も得られない報告をする。
「……ミサキ、いたのかな」
そうして、ジンの呟きが湯気に溶けていった。
●
「まったく、乙女の憩いを邪魔するなっての」
「いい仕事、した」
迎撃を完遂した焔と夜姫が拳を合わせている女湯。
顔を見合わせ、夜姫は頷く。
「良きでかさ。ないす、おぱい、無罪なり」
基準はわからないがとりあえず赦されたようだ。
雰囲気で納得した焔は、にんまりと笑って動いた。
彼女には、目的がある。
必ずやかの少女へお仕置きせねばならないと、そう思っていて、こんなに早く機会がめぐるというのなら、それを掴まねばならぬ、と。
「むっふっふー、オシオキたーいむのじかんだー!」
体を洗う白い少女の胸を鷲掴んだ。
「きゃあ!?」
背後からの羽交い締めで逃さず、小さな手のひらでも覆えるその大きさを、焔は実触として感じた。
「バレる奇襲はダメでしょ、奇襲はこうやらなーーおっ、なかなかの柔らかみ……」
腕の中でもがく少女を好き放題に弄ぶ事のなんと楽しいことか。
小麦色と純白の少女二人、一方的なお遊びは終わらない。
「……ミサキ」
「ひっ、ちょあ、まっ……なにかな!」
「……同志」
「いやなにが!?」
「ほーらこっちに集中集中ー!」
「なんなんだよもー!」
●
女湯から響く声に、ジンとメーティオルは悩んでいた。
今なら、ワンチャンあるかもしれなくない?
と。
柵の向こうに、少女達の、同性故に躊躇いの無い絡みがあるのだ。
その先をジッと見て、
「ーー!」
柵から剣が飛び出してきた。
「別に見られてもいっかなーって」
シェイミーのクォタトゥクルだ。
垣根を越えて切っ先を見せる、その向こうに、少女の楽しげな声がしていた。
「でも、クォタトゥクルがダメって言うから、だーめ。でもどうしてもっていうなら……少しかじっちゃうから、ね?」
●
と、そのような流れがあって、女湯。
四人の少女は湯船に居た。
「……ごくらくですなー」
「あったかいのーきもちーよねーこのきせつー」
距離を取るミサキへ距離を詰める焔を見ながら、夜姫とシェイミーはのほほんタイムだ。
ちらり、夜姫はシェイミーを見ていて。
「……同志二号……!」
胸を見て判定していた。
サムズアップに、首を傾げるシェイミーも、とりあえずは親指を上げて応える。
「そういえば男湯、静かだけど大丈夫かな」
ふと、焔が呟いて柵を見上げる。
そこに気配はもう無い。
「……ま、温泉に涙は要らない、ってことだね」
「人の胸触りながらキメ顔止めてくれないかい?」
●
喧騒が聞こえる。
戦いの騒ぎとは違い、こちらは耳障りの良い、心地よさのある喧騒だ。
「ふぅ」
湯に浸かり、桧の木材で作られた囲いに背を預け、白雨は息を吐いた。
側には諦めて、同じようにのんびりしている覗き失敗組が居る。
「……ま、覗きはダメって言われてたしな」
仕方の無いことだろうと、その姿に思う。
それに、と。
「裸が見たけりゃ、正面から堂々と踏み込んで、お前を見せろ、って要求しないと」
「いやいやいやいや」
無理無理無理無理。
言葉には否定が返る。
「と言うか白雨は見た目だけなら女湯で通りそうだしな……!」
そんな感想も返される。
それに、白雨は確かにと頷いて、しかし、と前置きの言葉を入れて言う。
「しかし、可愛い女の子はいたけど、今すぐ見たいと思えるのは居なかったからなぁ」
顎に手を当て、眩しい夕焼けに目を細める。
可愛いが好みではない。
どうしようもなく心を惹き付けられる、そんな相手は居なかったと、女性達を思い返して、
「俺の好みは狭いからな」
ふぅ、と、二度目の息を吐いた。
極楽にゆだる。そんな白雨の顔に、波立つお湯がぶちまけられた。
「……」
「あぁっ、ごめんなさい!」
いつきの管狐達が、一斉に湯船に突入した衝撃だ。
戦闘でたくさん働いた狐達を労いたい、その気持ちでの湯治だった。
「順番、順番ですよー……!」
桶に湯を満たし、一匹ずつ丁寧に洗って、体を解しながら疲れを癒す。
「おぉ……」
夕焼けが、狐の毛並みに反射して、黄金色を見せる。
湯船に満ちたそれらは、男四人が浸かるそこを目映く照らしていた。
「風情があって、心が安らぎますね……」
木枯らしの山に、輝く光が射している。
戦いの終わりとは思えない、静かで満たされる、そんな時間だ。
そしてその光景は、女湯の少女達も見ていた。
「こんな平穏がずっと」
「これからも、ずっと続くように」
頑張らなければと。
一時の休息を、猟兵達は堪能した。
大成功
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