青海に爛漫(作者 遊津
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「ああ、来てくれてありがとう。早速だけど、向かってほしい場所があるんだ」
 グリモアベースの一角、贄波・エンラ(White Blind・f29453)は咥えていた煙草を口から離す。その先端に火が点っていないのは、猟兵たちの肺への配慮だろうか。
「場所は、グリードオーシャンにある『太白(たいはく)島』。サクラミラージュから「落ちて」きたんだろう、その面影を色濃く残している島なんだけれどね……この島はコンキスタドールの支配下にある」
 それだけなら今までにもままあった事で、そんな島の島民たちを解放するために猟兵達が戦ったことも決して少なくはない。けれど、この島は今までのそれとは勝手が違っているようなのだと、エンラは言う。
「『この島は「七大海嘯・桜花」の縄張りである』――この島を支配するコンキスタドールたちは、そんなことを言ってくる。どうやら、グリードオーシャンの海には「七大海嘯」と呼ばれるコンキスタドールの大物がいるらしいね。桜花というのは……その一廉のようだ。太白島のコンキスタドールの海賊旗にはそのまま「桜花」の柄が染め抜かれている」
 彼らと刃を交えることは、強大なオブリビオンと思われる「七大海嘯」との戦端を開くことになるだろう、男はそう言って。
「けれど、さっきも言ったとおり太白島はコンキスタドールの支配下にある。どうやら「七大海嘯・桜花」にこの島を任せられている実力者らしくてね。正直な話、これまでの激戦をくぐり抜けてきた猟兵であっても、勝機はとても薄い、そう思っていい」
 そのコンキスタドールの名は「ギメイ」。メガリスによる覚醒実験の実験体として島民たちを使い、島そのものを「実験場」に仕立て上げてしまっているらしい。
「太白島に近づくには船を使うことになる。まずは海戦になると思うよ。相手はこちらの船を破壊してくることも厭わない。船を守ったり、敵の船を奪うことが出来ればいいんだけれどね」
 コンキスタドールとの海上戦を終えて島に上陸すれば、「ギメイ」との戦いになるだろう。注意して欲しい、とエンラは重ねて言う。
「知っての通り、グリードオーシャンではグリモアによる転移が上手く出来ない。僕が送ってあげられるのは船の上までだ。くれぐれも気をつけて。敵は強敵だけれど……君たちなら、きっと薄い紙切れほどの勝機でも掴んで見せると思っているよ」
 それじゃあ、戦いに赴く準備が出来たら声をかけてくれるかな。
 男はグリモアを煌めかせ、グリードオーシャンへの門を開きながらそう言った。


遊津
 遊津です。
 グリードオーシャンのシナリオをお送りします。
 第一章集団戦、第二章ボス戦、第三章冒険の三章構造となっております。

 「太白島」(たいはくとう)
 サクラミラージュから落ちてきたと思われる島です。
 島民たちは後述のコンキスタドールによって実験体として虐げられています。
 月に一度、島で暮らしている島民たちの中から実験施設に送られるものが無作為に選ばれるようです。
 「七大海嘯・桜花」
 詳細は不明です。わかっていることは太白島が「桜花」の縄張りであること、この島のコンキスタドール達の海賊旗が桜花に染め抜かれていること、この島の支配者ですら「桜花」からこの島を「預けられている」身であるということです。
 「ギメイ」
 七大海嘯・桜花から太白島の支配を任されているコンキスタドールです。
 島民たちを使ってメガリスによる覚醒実験を行っている狂魔導師です。

 当シナリオはオープニング公開からプレイング受付を開始いたします。
 プレイングを送って頂く前に必ずMSページを一読くださるようお願いいたします。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『武装商船団・雇われ船員』

POW ●姑息なる武装「商品使用」
装備中のアイテム「【湾曲刀(商品)】」の効果・威力・射程を3倍に増幅する。
SPD ●偶然なる連携「十字砲火」
【好き勝手に動く船員達が銃撃】を放ち、自身からレベルm半径内の指定した全ての対象を攻撃する。
WIZ ●強欲なる叫び「士気高揚」
【誰よりも強い】という願いを【船員達】に呼びかけ、「賛同人数÷願いの荒唐無稽さ」の度合いに応じた範囲で実現する。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


木々水・サライ
[アドリブ連携歓迎]
実験場か。見過ごせねぇな。
……いや、泳げないのになんでこれに参加したんだろうな、俺。
昔に比べりゃ飛行能力備えてるし、大丈夫だけどよ……。

コンキスタドールとの戦いは【着飾る白黒人形(ドレスアップ・モノクローム)】で飛行能力を強化するぞ。落ちたくねぇ。サイボーグとしての構造上泳げねぇんだよこっちは。
[空中浮遊]で[残像]を残して移動しつつ、アイテム【黒鉄刀】と【白銀刀】の二刀流で[2回攻撃]だ。
まとまって来るのなら黒鉄刀の闇で目くらましして、[闇に紛れ]つつ一人ずつぶっ倒すぞ。

命綱付ける場所が(服の構造的にも)ほとんどねぇからな。短期決戦で行くぞ。


●それでも何故かと問われたならば、戦うために彼は来たのだ
 木々水・サライ(《白黒人形》[モノクローム・ドール]・f28416)は泳げない。
サイボーグである彼の身体――両手両足は、傍目には人間と全く変わらないように見えてもその構造は鋼鉄だ。一旦海に落ちれば、水を掻くことも儘ならずに沈んでいきかねない。
(それならなんでここに来たんだ、って話だがよぉ……!)
 実験場になってしまっているこの島のことが見過ごせなかったからだろうか。
疑問を抱えながらも船の上に立つ彼の耳に、コンキスタドールの船から警告の声が聞こえてくる。
『――進むのならば覚悟を決めよ、これより先は『七大海嘯』の縄張りである!』
『我ら、七大海嘯「桜花」の配下なり!』
 ――知ったことか。
サライは胸中でそう吐き捨て、甲板を強く踏んで走り出す。彼の衣服が、ラフなシースルーのコートから優美な燕尾服へと変わっていく。荒くれ者たちの集うこの海には一見不似合いな格好。しかしそれは、彼にとって海上で戦うためには最も適した衣装だった。
電磁力が彼に飛翔する力を与える。板を掛けて乗り込んでくるコンキスタドールの船員たちを出迎えたのは、闇――真昼の炎天下であるという、その事実全てを塗り潰す、サライの身の丈よりも長い形見を持つ黒鉄刀から溢れ出す一面の闇だった。
『怯むなっ、怯むな――!!我らは誰よりも強い!!』
『『『応ッ!!!』』』
 コンキスタドール達の雄叫び、応じる声、ああうるせえな、と思いながら。
闇に目を覆われて足を鈍らせた船員から先に二振りの刃はその首を刎ねていく。大海原に、甲板に赤い血潮がびしゃりと跳ねる。
高速で動くサライの影を、コンキスタドールの刃が薙いだ。その後ろに回って、背中から斬り裂く。
「短期決戦で行くぞ……!」
 右手に黒鉄の刃を、そして左手に白銀の刃を。二振りの剣で命を奪い取りながら、サライは燕尾服姿で踊るように甲板を駆けていった。
大成功 🔵🔵🔵

シル・ウィンディア
船対船、そして、こっちは守るものが多いっと…

となると、飛んでいって強襲ってことはしにくいか
防衛戦…
うーん、苦手なんだけど、やるっきゃないか!

船への攻撃は【オーラ防御】でカバー
広域で発動はしんどいから…
相手の攻撃を【見切り】被弾予定箇所へ【オーラ防御】を発動
【多重詠唱】で複数の箇所へ展開だね

防御しつつ
接近する敵は精霊電磁砲の【誘導弾】の【一斉発射】で牽制して
本命は…
UCの射程範囲に入ったら
ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラストッ!
…帰る場所なくなったら、困っちゃうよね?
ということで、遠慮なく撃たせてもらうよーっ!

ただ、UCの【多重詠唱】の【二回攻撃】はするよ

二隻以上落とせたら、こっちに傾くかな?


●蒼髪の魔砲少女は青海原を飛翔する
(船対、船。そして、こっちには守るものが多い……となると、飛んでいって強襲ってことはしにくいかなぁ……)
「防衛戦……うーん、苦手なんだけど……」
 シル・ウィンディア(光刃の精霊術士・f03964)はついそれを口に出し、いけないと頭を振る。弱気になるのは良くないこと。言葉には魔力が宿ることを、呪文を扱う彼女はよく知っているから。
「うん、やるっきゃないか!!」
 どおん、どおおん。轟音とともにコンキスタドールの船から砲撃が飛んでくる。明らかにこちらの船を破壊することを意図したもの。
(いけないっ……!)
 シルの魔力を持ってシても、船全体に防護障壁を張ることは消耗が激しい。砲弾が着弾する箇所を着弾までの数秒間のうちに予測し、計算し、導き出し、そしてその場所だけに障壁を張ることで船へのダメージを最低限に抑える。
 それでもたちまちのうちに幾艘かの船が接舷し、板と縄梯子を掛けてコンキスタドールの船員たちがよじ登ってくる。
『我らは!!』
『七大海嘯「桜花」の配下なり!』
『我らは!!』
『強い!!』
 叫び、それに応える声がコンキスタドールたちの力を増していく。
シルは精霊電磁砲から魔力の弾丸を一斉掃射し、彼らの動きを牽制しながら空に飛んだ。狙うは大物。先程砲撃を仕掛けてきた最も大きい船が、また新たに砲撃の準備をし始めている。
「“闇夜を照らす、炎よ”“命育む水よ”、“悠久を舞う風よ”“母なる大地よ”……」
 シルの唇から零れる力ある言葉。シルは己の中の魔力をそのひとことひとことに注ぎ込んでいく。
「“暁と宵を告げる光と闇よ”!」
 一言ごとに、魔力が高まっていくのを感じる。杖の先に集まっていく強大な光が、純白の魔法陣を描き出す。
少しでも長く、長く。この呪文は詠唱時間に応じて威力が増すものであるから。けれど、砲撃を許さない程度には素早く。
まだ、まだ――もう少し。相手の砲撃の準備が整うのが先か、シルの準備が整うのが合うのが先か……僅かの間の根比べ。少しでも焦れてタイミングを失せば、すべてがおじゃんになる。
そして、その瞬間は漸く訪れた。
「“六芒に集いて、全てを撃ち抜きし力となれ”……ッ!」
 六属性の力をひとつに集めた巨大な魔力砲撃が撃ち出される。それは真っ直ぐ真っ直ぐに直線状に放たれ――今まさに大砲をこちらの船に向けて撃ち出さんとしていた船を直撃する!
 ガラガラと音を立てて崩壊していくコンキスタドールの船。けれどシルの攻撃はそればかりに留まらない!
(もう一発っ……!)
「【ヘキサドライブ・エレメンタル・ブラスト】――!!」
 シルの唇は、同じ呪文を二重に唱えていた。即座に集結したもう一つの魔力砲撃がもう一隻の船を破壊していく。
「帰る場所無くなったら、困っちゃうよね?」
 顔を青ざめさせるコンキスタドールの船員たちに向かって、シルは杖を構え、再び魔力によって構成した誘導弾を掃射しはじめるのだった。
大成功 🔵🔵🔵

シノギ・リンダリンダリンダ
誰の許可を取って、この海で七大海嘯などと名乗っているのでしょうか
まぁいいです。その名称も略奪するだけですから
とりあえず、まずはその配下の力でも試してみましょうか

鉄甲船に降りたらすぐに【越流せし滄溟の飛蝗】で自前の海賊船を召喚
飛び乗って鉄甲船を守る意味もこめて海上をかく乱し、蹂躙します

大海賊としての「航海術」で敵の船の合間をすりぬけつつ、死霊海賊たちによる大砲の「砲撃」で「援護射撃」、「制圧射撃」
自分は船を操縦しつつも、隙を見てMidās Lichの黄金の呪いの「呪殺弾」を撃ち込んでいきます

この“強欲”のシノギを前に、無駄に姿を現したのです
蹂躙し、略奪されても文句は言えませんよ?


●大罪が一を背負う人形は横暴に怒り、そして略奪を開始する
「全く、誰の許可をとってこの海で七大海嘯などと名乗っているのでしょうか……」
 この海の全ては自分のものだ。「七大海嘯」なるものらに我が物顔をされる謂れはない。
 “強欲”のシノギ、シノギ・リンダリンダリンダ(強欲の溟海・f03214)はそう苛立ち混じりに呟く。
「まあ、いいです。その名称も略奪するだけのことですから――とりあえず、まずはその配下の力でも試してみましょうか」
 グリモア猟兵が開いた門から船に飛び降りたシノギは、すぐに自身のユーベルコードを展開させる。
「“さぁ、略奪を行いましょう蹂躙の限りを尽くしましょう!”」
 ――お前たちの前にいるのは厄災たる大海賊。
「“海賊団しゃにむにー、出撃”!!」
 これこそは【越流せし滄溟の飛蝗(ゲット・レディ・シャニ・ムニー)】。思い思いの武器、魔法で武装した四百に届かんかとする大量の海賊の幽霊たちを載せたシノギ自身の海賊船にして幽霊船『シャニムニー』が大海原に現れる。
 その舵輪を握り、シノギは高らかに告げる。
「さあ、蹂躙を開始しますよ!」
 今まさに船へと向けて砲撃を開始しようとしてきたコンキスタドールの船との間に割って入り、その砲撃を妨害する。船員を載せて降りてきた小さなボートが波によってひっくり返され、死霊海賊たちの攻撃によってコンキスタドール達の命が屠られていく。
『我らは七大海嘯が一、桜花が配下!』
『応ッ!』
『故に我らは、誰よりも強い!!』
『応ッ!!』
「……配下のくせに誰よりも強いって、それ、矛盾してません?」
 雄叫びを上げるコンキスタドールの船員たちの言葉にツッコミを入れながら、シノギは舵輪を駆る。コンキスタドール達の船団の間をすり抜けていけば、死霊海賊たちが大砲による砲撃を行って次々と船を沈め、船員たちを海の藻屑と化してゆく――。
『やらせるかぁぁ!!』
 あちら側の船で舵輪を手にしていたコンキスタドールと目が合う、その船が大きく舵をとった瞬間に、シノギは金色に輝く右腕のパーツ、自らの欲望の証であるその掌から呪いに満ちた黄金の弾丸を放つ。ぱぁん、軽快な音がして舵取りの額に孔が空いた。慌てて他の船員が舵輪に手をかけるも、一時舵取りを失った船は大きく横に逸れ――その土手っ腹に、死霊海賊たちによる砲撃による大穴が開く。一発、二発、何とか舵を取ろうと舵輪にへばりついていた船員が沈みゆく船を見放して退却しようとするところに、死霊海賊が放った手投げ斧が飛来し、その首を落とした。
 死霊海賊たちによる砲撃が、コンキスタドールの船を幾隻も沈めていく。
「この“強欲”のシノギの前に、無駄に姿を現したのです……蹂躙し、略奪されても文句は言えませんよ?」
 シノギは唇を釣り上げた。やはりこの瞬間は――蹂躙は、なによりも心地良い。
成功 🔵🔵🔴

アクア・ミストレスト
やれやれ、かの七大海嘯・桜花の縄張りに手を出すことになるとは…
異世界の猟兵共はどうも血気盛んらしい
まぁ、そういう馬鹿共は嫌いじゃない
歴戦の猟兵の力添えがあるなら奴の配下でも可能性は…

なら尻馬に乗らせてもらおうか、微力位にはならせてもらうよ


ある程度船で近づいたらアハ・イシュケへ騎乗、空から攻めさせてもらう【空中戦】
そしてUC、ウォータバレットで高所という有利をとりながら撃つ


商船ってことは積荷があるか…
どさくさに紛れて生活費の足しに頂いていくとしよう…

アドリブ・連携歓迎


●貸本屋は本をぱたりと閉じて
「やれやれ、かの七大海嘯・桜花の縄張りに手を出すことになるとは……」
 アクア・ミストレスト(無精者の貸本屋店長・f29302)はグリードオーシャン、この海で育ったセイレーンだ。
故に、七大海嘯の名は決して遠い存在ではないものとして話に聞いている。
船団の向こうに見える薄桃色の花咲き誇る島はその一廉である『桜花』の縄張りであると、そう聞けば並の海賊は畏れて近づかないだろう。しかし――異世界の猟兵たちは――それでも前へと進むらしい。なんとも血気盛んなことだ、とため息を付いて。
「だが、まぁ。そういう馬鹿共は嫌いじゃない」
 歴戦の猟兵達の力添えがあるならば、奴らの配下であっても可能性は、あるいは。
(ならば、その尻馬に乗せてもらおうか。微力くらいにはならせてもらうよ)
『――止まれ!此処から先は、七大海嘯「桜花」の縄張りである!!』
 警告の声に耳も貸さず、アクアたちの乗る船はスピードを落とさず、そのまま敵船団へと近づいていく。
青海原の中から透明な海の色をした馬がばしゃりと飛び出した。アクアに頭を垂れるその馬の名はアハ・イシュケ。その背に跨ると、賢き愛馬はそのまま空を駆け出した。その体に太陽の光が屈折して、きらきらと光る。
『……我らは七大海嘯が「桜花」の配下なり!』
『応ッ!!』
『故に我らは、誰よりも強い!!』
『『『応ッッ!!!』』』
 雄叫びを上げ、それに応じながら、船員たちが幾人かごとに分かれてボートで近づいてくる。アクアはアハ・イシュケに跨ったまま、彼らを空から見下ろした。
「初心者用の魔法だが……まぁ、これで十分だろう」
 人差し指を、すっと先頭のボートの先に立つコンキスタドールの船員に向ける。指先から放たれた水の弾丸が、その額を貫いて。船員は身体を傾げさせ、顔の真ん中から血を噴き出しながら海の中へと落ちていった。
 ボートを漕ぐ船員たちの格好を見ながら、アクアはふと思い立つ。
(……ふむ、こいつら……つまりあの船は海賊船のナリをしていても、商船という事か)
 ――商船。ならば積み荷があるということだろう。
アクアはアハ・イシュケを駆っていっとう大きな船に近づく。空を駆る馬上という高所の有利を保ちながら、水の弾丸で船員たちを散らし、並べられた大樽へと歩みを進める。
(新鮮な果物と水か……贅沢品だな。コンキスタドールならば、食わなくても生きていけるだろうに。だが、ああ、これじゃあ大した金にはならないな)
 更に奥へと進むと、金貨の入った袋が積んであった。どこぞの船から巻き上げたものか、それとも商売の末に手に入れたものか。たとえ後者であっても、まっとうな商売とは思えなかったが。
「生活費の足しにいただいていくとしよう」
 愛馬の背中に積めるだけ、と行きたかったが、それではこの先に起こるであろう戦いの障害になる。金貨ごと海に沈むのは御免だ。
 アクアは片手で金貨の入った袋を引っ掴むと、アハ・イシュケに再び跨って船から空へと飛び出すのであった。
成功 🔵🔵🔴

浅間・墨
ロベルタ(f22361)さんと共闘。
不安定な船上なのでロベルタさんと連携し先手必勝で行きます。
私は『国綱』の一刀と【地擦り一閃『伏雷』】を使用します。

多重詠唱と破魔と限界突破と早業で威力と速度を最大限まで上昇。
攻撃は八艘飛びの要領で飛び移りつつ首または腕を狙って斬ります。
飛び移る際はジャンプとダッシュと地形耐性を駆使します。
技は継戦能力で維持しつつ船員さん達をロベルタさんとの連携で。
船員と船の位置は見切りと野生の勘と第六感で補いつつ確認を。

今回は身体の負担を抑えるように工夫したいとおもいます。
二三隻移動したらロベルタさんの下に戻る…と。
ロベルタさんの位置も見切りと野生の勘…第六感で確認します。


ロベルタ・ヴェルディアナ
墨(f19200)ねーと。

ゆらゆら揺れる船の上で戦うのは面倒だね。
じゃあ武器を分解して薔薇にして攻撃しちゃおう!
【紅妃舞】を使って魔法剣を真紅の薔薇にして…攻撃ッ♪
指定は船員の人達。彼らを囲むようにすぱぱーっと倒すよ。
薔薇に破魔の力と鎧砕き鎧無視攻撃の効果を付与させておくね。
この薔薇の花弁が目晦まし効果になってくれれば凄く嬉しいじぇ。
目晦まし効果をより効果的にする為に限界突破で数を増やしておく。

一つの場所から動かないと狙い撃ちされちゃうだろうから移動するよ。
なるべく墨ねーが戻ってきやすいような位置に居ようと思うじぇ♪
「おー! お帰り…身体大丈夫? 少し休む?」
墨ねーが休む場合は僕の技で姿を…。


●紅と淡桃、花は舞う
「……それじゃあ、行っくじぇーー♪」
 真っ青な大海原に、真紅の薔薇の花が舞う。猟兵達が乗る船の目指す方向、敵船団が掲げる海賊旗に染め抜かれた花、向こうに見える島に根ざした大樹に咲く花よりももっと色濃く、妖しく艶めいたその花弁はロベルタ・ヴェルディアナ(ちまっ娘アリス・f22361)の魔法剣「プリンチペッサ・ロッソ」が姿を変えたもの。三々五々に別れボートに乗って船へと接舷しようとしてくるコンキスタドールの船員たちの上から、紅い花びらは舞い降り注ぎ、そしてふと伸ばされた船員の指を――腕ごと斬り裂いた。
 漸くその花の危険に気づいたときにはもう遅かった。青海原に、ボートの甲板に血の飛沫が飛ぶ。船員たちは慌ててボートを操るも、まるで果てがないかのように降り注ぎ続ける薔薇の花弁から逃れられる術はなく、次々と斬り裂かれるままになっている。
 ――と。
たぁん、と高い音がした。船から飛び出した浅間・墨(人見知りと引っ込み思案ダンピール・f19200)が手にするは二尺二寸九分の大刀「粟田口国綱」。ボートの端に乗り、その大刀を振り払えば、乗っていた船員たちの腕が、首が一刀のもとに切断されて海に落ち、じわりと青い海を薔薇の如き紅に染める。
ロベルタが初撃を担当したその間、墨はじっと息を潜め……自身の剣技を振るうために力を溜めていた。ゆっくりと溜まっていく力を、解き放つときが今こそ来たのだ。
ゆらゆらと揺れ動いているボートとボートの間合いを完全に把握し、墨は国綱の血を拭うこともせずに次のボートへと飛び移る。一閃、得物が振るわれればたちまちのうちに船員たちが腕やら首やらを持っていかれ、そして墨は新たなボートへと飛び移る。
タン、タン、タン、タン、カンカンカンカンカンカン――タァァン!!
八艘飛びを思わせる軽妙なリズムでボートの間を飛び回り、コンキスタドールの船員たちを斬り捨ててそのままロベルタのもとに戻ってくる墨。ロベルタもまた、ボートの上を飛び回る墨が戻って来やすいように場所を見定め、船上のその位置を巧妙に変えていた。
「おー! お帰りぃ!……身体大丈夫? 少し休む?」
 こく、と墨が小さく頷く。自らの体の負担を抑えるように動こうとした墨だったが、一度海の上に出てしまえば二、三隻を回ってすぐ戻るとは行かず、思ったよりも多くのボートの上を飛び回ることになってしまった。
『怯むなっ、怯むな――我らは強い!!』
 船上の墨を狙って生き残ったコンキスタドールの船員の手からマスケット銃が放たれる。
その弾丸は未だ降り注ぐ薔薇の花弁によって弾き返された。破魔の力を宿した花弁は、悪しきコンキスタドールから放たれた銃弾をも弾くよう強化されている。
ロベルタの薔薇の花が、コンキスタドールたちを斬り裂きながらも墨の身体を隠すように降り注ぐ。
再び海上へと弾丸のごとく飛び出すまで、墨は降り注ぐ薔薇の中でしばしの休憩を取るのだった。
成功 🔵🔵🔵🔵🔴🔴

マリア・フォルトゥナーテ
アドリブ連携歓迎

「全く下らない争いです。グリードオーシャン含め、海は私が支配してるんです。それを好き勝手にするなど、盗人猛々しいとはまさにこの事!」

幽霊船の呪いを受けたこの身は、海上ならばどんな場所にも瞬間移動ができる。
これにより、敵船のクォーターデッキにいるであろう船長の背後の床から生える様にずるりと現れ、船長の顔に触れで、クラーケンが攻撃目標と定める黒丸を植え付けます。

事が終われば、後は深海からクラーケンが船ごと船長を襲い始めるので、私は沈みゆく敵船を自身のフライングダッチマン号からゆるりと眺めるとしましょう。

「これで海の藻屑になるなら、所詮貴方達の魂に価値はなかったということです」


●万物すべからく見よ、此れが身の程知らずの末路なり
 青海原に、無人のボートが幾つも浮いている。乗組員は皆猟兵の攻撃により、水底へと沈んでいってしまった。マリア・フォルトゥナーテ(何かを包んだ聖躯・f18077)はゆらゆらと揺れるボートを睥睨しながらふぅ、と息を吐き出した。
「全く下らない争いです。グリードオーシャン含め、海は私が支配してるんです。それを好き勝手にするなど、盗人猛々しいとはまさにこの事!」
 七大海嘯だか何だか知らないが。すべての海はあまねく己の支配下にある。それはこの世界の欲望渦巻く海であっても同じこと――マリアはそう言って嗤う。
 見る限り、もはや敵船から新しいボートや船員が補充されてくる気配はない。海上に少数を降ろしても無駄だと判断したのだろう。砲撃の手もなく、ゆっくりと舵を切る船長らしき男の影が見えるだけだ。
「そう、ならばこの私自ら出向いて差し上げると致しましょうか……」
 マリアの姿が船上からかき消える。彼女が悠々と座っていた場所には、大量の水。
幽霊船の呪いを受けたマリアの身体は、海上であるならばいかなる場所であっても自在に瞬間的に移動することが出来る。それまで見えていた敵船のクォーターデッキの上、舵を取る船長らしき男の背後。ずるり、軟体動物が這いずるような音を立ててマリアはそこに現れた。怖気を感じた男の背後から、その顔に触れれば、船長であろう男の額に黒い丸が浮き出てくる。
「……時間切れです。今にも、怪物はやってきます――」
 夜の海のような冷たい声でそう告げ、マリアは今度はその船からもかき消える。三度彼女が姿を表した先は、マリア自身の船、フライングダッチマン号の上。
『ううぅぁあああ、うわあああああ!!!』
 コンキスタドールの船長の悲鳴、絶叫が辺りに響き渡る。なにゆえ、などと問うまでもない。深海から現れた怪物――クラーケンが、桜花の染め抜かれた海賊旗を掲げた敵船をその幾つもの脚で襲い、沈めていた。船長の体がぬめつく触腕に絡みつかれ、水底へと引きずり込まれていく。同時に敵船もまたばきばきと音を立てながら瓦解していった。
「これで海の藻屑となるなら、所詮貴方達の魂に価値などなかったということです」
 マリアは沈みゆく船をゆるりと眺めながら、退屈そうにそう呟いた。
大成功 🔵🔵🔵


第2章 ボス戦 『ギメイ』

POW ●デイム・ブランシュ
【戦闘モード】に変形し、自身の【蓄積した魔力】を代償に、自身の【物理・魔法攻撃】を強化する。
SPD ●アヴェク・トワ
【装飾具】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、装飾具から何度でも発動できる。
WIZ ●クー・ドゥ・フードル
【武器】を向けた対象に、【落雷】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はシエン・イロハです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●桜の島の牙城
 はじめの海戦を制した猟兵たちは太白島を進んでゆく。
コンキスタドールの実験施設は簡単に見つかった。島のどの建物よりも重厚で、そして桜の似合わない灰色の、ドーム状の施設。島民たちを使った実験場。
 難なく実験場内部に入り込んだ猟兵たちは、灰色の建物を進んでいった。
なにに使うのかわからない、なにに使われるのか考えたくもない設備の数々を見ながら建物を通り、そうしてたどり着いた先にあったのは。
「ああ!素晴らしい、全く素晴らしい!昨日胃をまるまる切除したとは思えない代謝、反応!――やはりこのメガリスには、私の思う通りの使い途があった!喜び給え、君はもう一生飢えを感じることはないのだ、ただ毎日コップ一杯、海水中のプランクトンを摂取してさえいれば!君の体内に埋め込んだこのメガリスがそれを一日で必要なエネルギーに換算してくれる!」
 白衣の男が喜びに満ちた声を上げる。しかしその内容は――ベッドに縛り付けられた患者、否、実験体にされた島民に対し、非人道な生体実験を行ったと一言でわかる狂った熱弁。
男は一通り実験体達の間を巡り、自身の成果に満足げな声を上げると、ふと立ち止まって声を上げた。
「ところでそこに隠れている侵入者の君たち。そう、君たちだ。警備をどのようにして潜り抜けてきたのかは知らないが――ちょうどいい、今回診が終わった。君たちに如何な処置を施すのか考えたいのでね、手っ取り早く診せてくれはしないかな」
 この狂魔導師は、猟兵たちをも新たな実験台としてしか見ていない。
猟兵たちは隠れていた場所から飛び出し、或いはその手に隠し持った武器を握った――。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 コンキスタドール「ギメイ」が現れました。
第二章には、以下のプレイングボーナスがあります。
※民衆の協力により、無敵のボスの弱点を見つける
 彼は非常に強力なコンキスタドールであり、まともにやりあっては今の猟兵たちでさえ勝機が薄いです。
しかし、彼にも突くべき弱点はあります。それは長年彼に虐げられてきた島民が知っています。
実験台にされている島民たちを救出すれば、「ギメイ」の弱点を知っている島民は彼を倒すため猟兵に協力的になってくれ、弱点を教えてくれるでしょう。
施設には多くの島民が実験台として囚われていますが、戦闘中に救出可能な島民は今この場にいる二名です。男と女、それぞれが無理矢理な手術によりメガリスボーグにされています。
救出は、囚われている場所から助け出して戦場となる室内の外へ避難させるだけで構いません。(この戦闘の間、援軍などが駆けつけてくることはありませんので、避難させるだけで問題ありません)
彼らを助け、弱点を聞き出すまでは「ギメイ」には有効なダメージは与えられません。

●戦場について
 二名の島民が実験体としてベッドに縛り付けられたまま囚われています。
天井は高くドーム状になっており、空中戦を行っても問題のない高さです。
十分な広さがあり、戦闘の支障になることはありません。
ベッドや実験器具などが存在しており、特に戦闘の支障になる場所にはありませんが、隠れるなどに利用することは可能です。
※島民の救助を行うには、「ギメイ」のいる一帯を通り抜ける必要があります。

●戦闘プレイング・救助プレイングについて
 まず先に救助について書かれたプレイングについてのリプレイをお返しすることになります。
人質の救助を行うリプレイが書かれた以降は、(或いはそれ以前でも)通常の戦闘プレイングのみを書いていただいて問題ありません。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
アクア・ミストレスト
流石は桜花の配下…気づかれたか…
では、ボクは島民の救出を担当しよう。戦闘は腕利きの猟兵達に
こっちの方が労力的にも楽ではあるしね


呼び出すのはスライム達だ…戦闘力は低くとも壁にはなる…
コピーするなら向こうが動きにくいだけだ

上が広いのは助かるな…アハ・イシュケ頼む【空中戦】
一応水の弾丸【属性攻撃】で牽制も入れ一帯をなんとか通り抜け救助を

ということで後は任せた
健闘を祈る


あぁ、救助組が多いならでアハ・イシュケと水の弾丸で撹乱しつつスライムによる味方の盾役と頑張らせてもらおう

アドリブ・連携歓迎


シル・ウィンディア
人をなんだと思ってるのっ!
…とはいえ、ふっ飛ばすより先に助けないといけない人達がいるから

でも、島の人達の所に行くには
あのギメイを何とかしないと、か

敵の動きを観察して【見切り】
小さな隙でも逃さないようにして

見せたり、作ったりしたら
【高速斉唱】でエレメンタルドライブ・エアリアル!

こんなところで使うものじゃないと思わせつつ
使うは、強化されたエアリアルと風属性の【属性攻撃】

強化した風で、敵の動きを止めてみるよ
あわよくば、吹き飛ばせればいいんだけどね

敵UCは対雷属性の【オーラ防御】で対処
命中高いのは防御で何とかっ!

島の人達の所に来たら
拘束具を右手の光刃剣の出力を絞って破壊

その後、二人を抱えて全力で離脱!


●賢者の一手/終わりの始まりはここから
「……っ人を、なんだと思ってるの……っ!」
 シルは狂魔導師のあまりの言葉に大声を上げかけ、咄嗟の自制心で声を潜める。ぎしり、と噛み締めた奥歯が痛い。
(流石は七大海嘯「桜花」の配下……気づかれたか)
 アクアは身を潜めていた壁の向こうで小さく舌打ちをした。一筋縄では行かない相手だとわかってはいたが、まさかこれほど早く感づかれるとは。
アクアは隣にいたシルのマントを小さく引っ張る。
「……ボクは島民の救出を担当しようと思う。お前はどうする?」
 もしもシルが戦闘に向かうというのであれば、アクアはシルに己の背を任せるつもりでいた。戦闘は腕利きの猟兵たちに任せて、未だ戦闘経験に乏しい己は救助行動に専念するのが良いだろう、と。
(――まぁ、あの七大海嘯の配下とまともに戦うよりかは、こっちのほうが遥かに労力的にも楽ではあるしね)
 しかし、シルの口から返ってきたのはアクアの想定とは外れた答えだった。
「わたしも行くよ、あの人をふっ飛ばすより先に助けないといけない人達がいるから」
「……そうか、わかった」
「でも、島の人達のところに行くには、あの人の横を通らないとならないんだよね……」
「ボクは上から向かわせてもらうさ。天井が高いのは助かる」
 水で出来た馬、アハ・イシュケを呼び出したアクアは、それに跨って宙に浮かび上がる。
「待って、わたしも翔ぶことは出来るけど……でも、それだけじゃ目的に感づかれちゃって邪魔をされちゃうかもしれない。わたしが陽動も引き受けるから、あなたは先に行っていて」
「わかった。なら微力ではあるが、ボクも盾を残していこう」
 そう言ったアクアが次に呼び出したのは、スライムたちの群れ。かれらはうねうねとうねり、体を蠕動させて適当な大きさになる。
「それじゃあ、後は任せた。健闘を祈る」
「うん、すぐに追いつくから!」
 アクアを乗せたアハ・イシュケが空中を駆けた。上を見上げたコンキスタドールの狂魔導師に向かって水で出来た弾丸を降らせ、その視界を封じる。
残された――自ら残ったシルは詠唱を始める。その唇から高速で力ある言葉が溢れていく。一刻も早く詠唱を完成させなければ、囚われた無辜なる人々を助け出さなければならない。
「“風の精霊、エアリアル”――“わたしに、力を”――!!」
 シルの背中に半透明の風で織られた羽根が翻る。杖を握りしめ、シルはコンキスタドールへと向かって飛び出した。
『おやおや、健気なお嬢さんだ。全く、全く献身的だな、その身を私に捧げようというのかね?』
 狂魔導師の持つ馬上鞭が真っ直ぐにシルを指す。シルへと向かって落ちてくる雷を、アクアが残したスライムが覆いかぶさり彼女を護る。
「誰が、そんなことっ……!」
 自らも対雷の属性を有した魔力の防護障壁を全身に張り巡らせて、シルは自らが纏う風の精霊の力を借り、室内に小さな竜巻と突風とを巻き起こす。狂魔導師の直ぐ傍にあった何らかの計器、何事かを書きつけられた紙束が強力な風に巻き上げられる。
『実験器具に何をするのかね……!』
 馬上鞭が再びシルを示す。落雷が落ちる。アクアの残したスライムがその殆どを身代わりに受け、シルが纏った防護膜によって雷そのものからは逃れるが、衝撃はそのままシルへと伝わってくる。唇を噛み締めながらシルは翔ぶ。飛んで、そうして、ベッドが並ぶ場所まで辿り着いた。
「やあ、計算よりもずっと早かったじゃないか」
「うん、早く、この人たちを助け出さないと……!」
 アクアは救出した男の島民をアハ・イシュケの背に乗せていた。多少顔を青ざめさせてはいるが、彼は大丈夫だろう。シルはもうひとりの島民――ベッドに縛り付けられたままの女性の拘束具を、右手に出した光刃剣の出力を絞って破壊し無理矢理に引き剥がす。
「う……っ……」
「大丈夫!? いま、避難させるから……ちょっとだけ、我慢してて!」
 シルは救出した女性を抱えて翔ぶ。アクアもそれに並び、アハ・イシュケの速度を上げた。コンキスタドールは他の猟兵との交戦に入っており、彼女たちを追う余裕はないらしい。否、或いは猟兵たちをすべて撃退したあとで悠々と実験体たちを取り戻す算段が、彼の中にはあるのかもしれないが――
戦線を抜ける。シルとアクアは島民たちを抱えたまま安全圏に飛び出すと、彼らの体をゆっくりと横たえさせるのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

●狂魔導師の弱点
 実験体にされていた島民は、ぜいぜいと喘ぎながら語る。
――あんたたちが、俺達をあいつの手から助けてくれるっていうのか。
――あいつを倒して、俺達に平和な生活を返してくれるっていうのか。
――だったら教えてやる。あいつの、あの狂った男の、弱点になるかも知れない話を。

 それは一週間ほど前のこと。コンキスタドールの狂魔導師は、島民を使った実験が成功したと大喜びしていたという。メガリスを体内に埋め込むメガリスボーグを無理矢理に作り出す人体実験。そして、それを自らの体に対しても施術した――メガリスを、己の体の中に埋め込んだ。それがどのような実験であったのかはわからない。だが、コンキスタドール自身が自らに施したのである。その強さ、あるいは強靭さと繋がっているものであろうことは確かだろう。
 しかし。被検体になった島民はその直後に容態を急変させ、大量の血を吐いて死んだ。
……実験は、本当は大失敗だった。その大失敗した施術を、狂魔導師は自らの体に対して施してしまったのである。自分を殺しかねないものを、自らの身体に埋め込んでしまったのだ。
無論、コンキスタドールである彼はその程度では死なない。自ら再手術を行えば、それを摘出することは可能だろうが。

――まだその“弱点”を取り外す手術をしてねえことは確かさ。あの野郎、落ち着くまでにはあと何週間かそこらかかるって自分で言っていたんだ。
――だから、その埋め込んだ手術をしたはずの箇所は、いつ爆発するかわからねえ爆弾と同じ、奴の弱点になり得るだろう。
――その失敗のメガリスを埋め込んだ場所が胸なのか、心臓なのか、腹なのか、そこまでは俺にはわからねえ。
――だが、あんたらならば、或いは。
――頼む。どうか俺達を、助けてくれ。
木々水・サライ
[アドリブ・連携歓迎]
あー、その目。俺を育ててくれた医者もそんな目してたなぁ…。
腹立つからとりあえず二手に分かれるか。

UC【二人の白黒人形(モノクローム・ツインズ)】使って、複製義体の方に【黒鉄刀】でギメイを止めておいてもらう。
その隙に俺は実験体を救助しておこう。
既に救助されているなら、問答無用。俺自身は【白銀刀】でギメイに切りかかるさ。

戦闘はいたってシンプル。
黒鉄刀側は溢れる闇を利用して闇に紛れ、暗視でギメイを捕捉しつつ斬りかかる。
白銀刀側は残像と戦闘知識を活用して相手を惑わせつつ斬りかかる。
どちらも連続攻撃の嵐だ。覚悟しな。

「実験台になるのは、果たしてどっちなんだろうなァ?」


●鋼鉄に覆われた古傷は疼くのか
(ああ、その目は)
 サライが打ちかかったコンキスタドールが、手にした馬上鞭でもって彼の刃を受け止める。
 それ故にその男の目を間近でまじまじと目にすることになったサライは、男の目に既視感を感じて――それはデジャヴュなどではないと思い出す。
 その瞳。まるでどろどろに煮溶かされたスープのように、何もかもを一緒くたにしてぐちゃぐちゃにして何時間も何日も、何年も掻き回し掻き回し火にかけ続けて、もう中に入っていたものが何だったのかわからなくなってしまったような鍋の中身のように濁った眼。
(俺を育ててくれた医者も、そんな目してたなぁ)
 ……ああ、思い出したら腹が立ってきた。
怒りに任せ、手にした刀に力を込める。ただの馬上鞭にしか見えないコンキスタドールのその武器は、まるで鋼でも入っているかのようにぎりぎりと音を立てながら白銀の刃を止める。
と、サライの耳に声が聞こえた。風が運んできた囁きのようなそれは、間違いなく他の猟兵が島民から聞き出した目の前のコンキスタドールの弱点。
――男の胴体。胸部、或いは腹部には、失敗作のメガリスが埋まっている。それに十分な衝撃、攻撃を与えるかどうかしたなら、体内のメガリスが彼に大ダメージを与える事は必至だろう。
(成程な――!!)
 勝機が見えた。サライは下唇をぺろりと舐めて、白銀の刃を翻した。
呼び出した複製義体がその身の丈よりも長い漆黒の刃を手にして、刀身から溢れ出す闇を撒き散らす。辺り一帯を覆う闇の中、暗視モードを起動させてコンキスタドールへと突き掛かった。刃が肉を抉った音を、サライの耳が捉える。
すかさずサライも胴を狙って刃を振るった。周囲が闇に包まれていても、既にこの場一帯の地形は脳内の優秀な演算機能が記憶している。自らの複製義体と呼吸を合わせ、コンキスタドールへと猛攻を加えていく。
「……はッ、実験台になるのは、果たしてどっちなんだろうなァ?」
『ほう? ほう、興味深い、実に興味深い。君にも人体研究の覚えがあるのかな? ならば理解できるはずだ、海賊たちが見向きもせずに捨ててしまうような屑のようなメガリスの利点を見出し、有効活用するという私の研究が如何に、如何に実のあることか』
「わっかんねぇし、わかりたくもねぇよ!ごちゃごちゃ御高説垂れてんじゃねぇ!」
 感情のままに叫び、刃を真っ直ぐに突き出す。肉を貫く音。確かに今、この刃はコンキスタドールに一撃を加えたはずだ。残念ながら、急所を貫く――彼の体に埋め込まれた爆弾のスイッチを押すことは叶わなかったようだが――闇の中で、密かに口角を上げる。
 サライと複製義体とは、さらなる猛攻……連続攻撃の嵐を、コンキスタドールへと叩き込んでいくのだった。
成功 🔵🔵🔴

浅間・墨
ロベルタ(f22361)さんと共闘。

…生き物…を…なんだと…考えて…。
無意識に『国綱』の柄を握る手に更に力が籠ります。
元から容赦はしませんがこの方には遠慮も不要ですね。
迷わず全力で【黄泉送り『彼岸花』】を放ちます。
限界突破で最大限の効力を得て破魔の力を込めた一撃を。
回避された場合は返す刀で早業の2回攻撃で鎧砕きの斬撃を。
戦況で二撃目をフェイントにしロベルタさんの攻撃の囮に。
攻撃回避は腕や脚の挙動を観察し見切りや野生の勘で対応します。
身体にオーラ防御と纏っておきます。

もし島民さん二人を救出する方がいなかった場合は私達が。
私が囮になりギメイの気を逸らしロベルタさんが助けます。


ロベルタ・ヴェルディアナ
墨ねー(f19200)と一緒に。
う。このおじちゃんには手加減とかそーゆーのは要らないねぃ?
多重詠唱と限界突破で振り切った威力の【禁じ手】を喰らわすよ。

重い蹴りの一撃は与えるけど…何か対策ありそうだよね…。
科学者とかって奥の手もってそうじゃない?そんな雰囲気だよね。
だからおじちゃんの挙動をよく見て攻撃を加えようと思うよ。
少しでも違和感を感じたら攻撃動作の途中でもやめて間合いを取る。
墨ねーにもそこのところを相談してみるよ。隠し手ありそうって。
フェイントとかクイックドローで蹴りのタイミングを調整してみる。
回避や蹴りの急停止は見切りとか野生の勘で。

島民の人を助ける時は闇に紛れて近づいて救出するじょ。


●ギメイ/狂魔導師/非道なるもの
「……生き物……を……なんだと……考えて……!」
 微かな声が、墨の唇から漏れる。それには確かな怒りが籠もっていて、ロベルタの耳にもはっきりと聞こえた。大刀「国綱」の柄を握る手にも力が入っている。
「う。このおじちゃんには手加減とかそーゆーの、要らないかな?」
 ロベルタも冷たい怒りをその両目に宿し、キッと狂魔導師を睨み据える。
今しがた二人の耳に、風が囁いたのは、他の猟兵が救出に成功した島民から齎された吉報――眼の前のコンキスタドールの弱点。
この男がメガリスを自身の体に埋め込んだままであること。そのメガリスは男を強化しているかも知れないが、同じ実験を施された島民は死亡しており、結果的にメガリスを埋め込んだことは失敗であること。胴体の何処かにあるメガリスに衝撃を与えるか、それを貫くかすれば、この狂魔導師に永劫の死を与えることが可能であること。
いずれも目の前の男には届かず、二人の、そして猟兵達の耳にのみ届けられた情報である。
(元から容赦はしませんが……この方には、遠慮も不要ですね)
 長い前髪の下で墨の目が怒りに染まる。その背をそっと撫で、冷静に引き戻したのはロベルタの手だった。
「墨ねー、気をつけて。あのおじちゃん、多分何か奥の手を隠し持ってるじぇ。……うん、根拠があるわけじゃないんだけど……そんな雰囲気がする」
 その言葉に、墨はこくりと首肯する。そしてそのままロベルタが詠唱を始めたのを見届けると、墨は国綱を手にして駆け出した。
「……散れ……!」
 想像し創造するは、この世のあらゆるものを断ち切る事のできる剣技。目の前の男に遠慮は無用、この剣技に疑念を感じる暇も不要。確実にその体を両断させる――この、国綱で。――しかし。
「…………っ!?」
 その刃はコンキスタドールの肩の肉を抉り、その下の体組織まで届いていた。斬り裂かれた白衣の、その下から見えるのは埋め込まれたメガリス――それも、一つではない。おびただしい数のメガリスが男の体に埋まっている。どれが弱点となるそれなのかはわかりそうもない。
 この男は、島民で散々に実験を繰り返し、そしてその有効性を証明できたものを自らの体に対し施術していた。それはたったひとつではなく、以前からずっと続けられてきたのだ。そのために犠牲になった島民の数は一体どれだけの数に登るだろうか!
『ふむ。実に、実に大したものだ。その剣の冴えはメガリス無しでのものだね? 私の求めるモノの一つに近い。海賊どもが捨てた屑メガリスでも、その境地に至らせる事ができれば実に良い……』
 男の体がばちばちと帯電している。斬り裂かれた肉体はメガリスによって補修されていく。男の手にした馬上鞭が、ただの馬上鞭にしか見えないその武器が雷を帯びて振るわれ、墨は防戦一方にまで追い詰められる。
(これが……ロベルタさんが言っていた、奥の手……!?)
「墨ねー、避けてっ!!」
 後方から発されたロベルタの言葉を聞き届けた墨は、男の攻撃を振り切り、右斜め後方へと飛んだ。たった今墨のいた場所を、ロベルタが駆け抜けていく。
「“Non puoi scappare! È rimasto solo il risultato della combustione”!!」
 何度も繰り返し詠唱された言葉の終わりをロベルタは告げる。繰り返し繰り返し、長引けば長引くほど威力の増すその言葉。けれどこれが限界だ。これ以上は、墨に苦戦を強いることになってしまう。
口の中に鉄の味が広がる。限界を超えて無理矢理な詠唱を続けた代償だ。けれど、これだけで済めば易いもの!
白い炎がロベルタの脚に纏わりついて、炎を纏った蹴りがコンキスタドールへとぶちかまされる。その威力は墨に時間を稼いでもらっていた間の分だけ上昇していて、コンキスタドールの体に矢のように突き刺さる。
灰色の建物の壁に、コンキスタドールの男が叩きつけられる。建物の壁がひしゃげる。壁がこうでは、叩きつけられた方も無事では済まないはずだ。……それでも。
『ああ、成程、実に、実に良い。……痛みを喜んでいるわけではないがね。これは痛い。しかし、私の体でも、これだけの威力に耐えられるという実験結果が今証明されたのだよ。研究を行うものとしては、それは喜ばねばならないね』
 ――この男は、どこまでも狂っている。
背筋に走る怖気を振り切り、再び怒りでもって自らを奮い立たせ――ロベルタと墨は互いに顔を見合わせて頷きあい、コンキスタドールの前に立って身構えるのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

シノギ・リンダリンダリンダ
お前のような狂った相手をするのは疲れるので止めたい所ですが…
メガリスの他にもお宝くらい何かあるのでしょう
そっちを念入りに探したいので、さっさと死んでくださいね

【強欲の右腕】を起動
低空飛行で相手の攻撃を避けつつ、呪いの銃弾を「スナイピング」していく
相手の文字通りの爆弾がどこにあるかは知りません
知らないのならバラ撒けばいい

とにかく様々な場所に特大の「呪詛」が籠った銃弾を撃ち込む
その呪詛は「呪殺弾」であり、相手の体内で呪詛を行き届かせるよう「ハッキング」する呪いの塊
さぁ研究です。コンキスタドールとは、どれだけの呪詛を抱えることができるのでしょうか
お前の爆弾が爆発する前に答えを知りたいものですね?


●強欲の果てに至る勝敗
――コンキスタドールの体内には、死による失敗に終わった実験に使われたメガリスが誤って埋め込まれたままである。それが、この狂魔導師の弱点となる。
島民たちの救助に成功した猟兵たちから齎された報せを、シノギもまた受け取っていた。
その上でシノギはコンキスタドールの前に堂々と姿を現した。
「お前のような狂った男の相手をするのは疲れるので止めたいところですが……この島にも、お宝くらいなにかあるのでしょう?」
『成程、君は海賊かね』
「ええ、海賊ですとも」
『残念だが、この島にはメガリスしか無いよ。それも君たち海賊が使えない屑だと捨てていったメガリスばかりだ。私はそれを実用化させるために研究を続けているのだ』
「これだけの設備を整えておいてそんなことを仰るんです? 到底信じられるものではありませんね。私はとっととそちらを念入りに探したいのです。ですから……」
 ――さっさと、死んでくださいね。
シノギはそう言ってにっこりと微笑む。
『さて、言っても聞き入れてくれそうにはないな。しかしお宝を探すと言って研究資料をめちゃくちゃにされては適わない。それだけはどうしても、どうしても制止しなければならないのだよ、私としてはね』
 コンキスタドールの馬上鞭がシノギへと向けられる。
「――“強欲の右腕を起動します”」
「“以下、蹂躙が完了するまで海賊の体には触れないでください”」
 シノギがアナウンスモードで口上を述べた。彼女の右腕が光り輝く黄金のそれに変わる。その右腕から放出される呪詛のエネルギーによってシノギは空中に翔び上がり、自らへと迫る落雷を次々と避けていく。
(相手の文字通りの爆弾がどこにあるのかは知りませんが――知らないのなら、バラ撒けばいい!)
 掌から呪いの黄金の弾丸を撒き散らし、コンキスタドールの全身の至るところに超特大の呪詛が籠もった銃弾を撃ち込んでいく。
 その呪詛は謂わば呪殺弾。敵の体内で呪詛を行き届かせるよう精密なハッキングを行う、機構化された呪いの塊。
呪殺弾が狂魔導師の体のあらゆる場所で弾け。呪いを全身に行き渡らせていく。
『ぐ、くっ、今に……なって……!!何故……!!』
「さぁ研究のお時間です。――コンキスタドールとは、どれだけの呪詛を抱えることが出来るのでしょうか」
 全身に呪いの弾丸を受けた狂魔導師の左胸の真下部分から、ばちばちと煙を伴った黒い雷が発生する。黒いそれはコンキスタドールの全身に纏わりつき、狂魔導師は動きを止め、その場所に手を当てて呻き苦しみ出した。
「なるほど、そこですか。お前の爆弾が爆発する前に答えを知りたかったのですが――残念、どうやらこちらの方が早かった様子」
 掌からもう一度発射された呪いの弾丸が、過たず左胸の真下を貫く。機械が壊れるような音がして、コンキスタドールの全身にヒビが入った。
『……駄目、だ……まだ私にはやることが……実験を、研究を続けなければ……!』
「いいえ、あなたはこれでおしまいです。その実験も研究も何もかも、あなた自身ごと私が蹂躙して差し上げます」
 ――それでは、さようなら。
 倒れたコンキスタドールの体を、シノギは踏みしめる。ぐりぐりとヒールに力を込めて踏み躙ると、ガラスのようにコンキスタドールの体は砕けて、そしてそのまま消えていった。
「――さあ、お宝を探さなければ」
 シノギはそれに一瞥をくれることもなく、踵を返す。
何をしに行くのか? 勿論、略奪を始めに!
大成功 🔵🔵🔵


第3章 冒険 『桜の杜に潜むもの』

POW武力で除霊
SPDアイテムで除霊
WIZ祈りで除霊
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵

種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 灰色の研究所内を走り回り、猟兵たちは実験台として捕らわれていた島民たちを解放していく。
 彼らを連れて島民たちの集落まで来ると、島民たちは一様にほっとしたような表情を浮かべ――そしてその後で、はっと目を見開いて言った。
「あ、あんた、あんたら、あのメガリスは!『海賊旗』のメガリスはもう、燃やしたのか!?」
「駄目だ、あれをそのままにしておくと……どこからかはわからないが、七大海嘯の増援がやって来る!今すぐにでも、あれを燃やしてしまわないと!」

 ――海賊旗のメガリス。
それは島の管理者となったコンキスタドールにもしものことがあった時の保険のようなものか。
詳細はわからないが、この島の管理者を斃した今、そのメガリスを燃やしてしまわなければ次々と増援が駆けつけてくる。そうなれば救助に成功した島民たちはただではすまないだろうし、今ここにいる猟兵もこれ以上の連戦を重ねて勝てるかどうかわからない。
 海賊旗のメガリスがどこにあるかと問えば、島民たちは答えた。

 桜の森。それを抜けた先に、海賊旗のメガリスはある。
しかし、コンキスタドールの狂魔導師がここの管理者となってから、この桜の森は彼の実験の失敗による死者が打ち捨てられる場所となってしまった。
無残な死を遂げ、配下のコンキスタドールによって杜撰な葬られ方をした死者たち、そしてその体に埋め込まれた幾つも幾つものメガリスによって、この場所は亡霊が出るようになったのだと島民たちは言う。
たとえ亡霊の存在を信じぬものであっても、それはメガリスが見せるもの故に避けられるものではないのだと。
亡霊の出る桜の杜を抜け、島の中心にあるという海賊旗のメガリスを、迅速に燃やさねばならない。
猟兵達の、太白島での最後の仕事が始まろうとしていた。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
・第三章を開始いたします
 目的は、「桜の森を抜けた先、島の中心にたどり着き、海賊旗のメガリスを焼き捨てる」こととなります。
 このメガリスを燃やさずにおいたままにしておくと、どこかから七大海嘯の援軍がこの島へやって来るため、必ず燃やさなければなりません。(そのため、猟兵個人が入手することは不可能です)

 桜の森には、複数で入ってもいつの間にか同行者とはぐれ、一人で歩いている状態になります。複数で参加の方は同時に描写しますが、お互いに一緒にはいない状態となります。
 その上で、猟兵たちは「亡霊」を見ることとなります。
 基本的には猟兵それぞれが「恐れているもの」に適した姿を撮って現れます。この島に関係ない人物であっても、存命であっても関係ありません。
「亡霊」は現象であるため、人間の姿をしている必要もありません。(落雷や地震なども「亡霊」として出現し得ます)

 プレイングには、「どのような亡霊が出てくるか」「その恐怖に対しどう対処するか」を書いていただけると良いでしょう。
特に記述のない場合、あるいは「自分には恐れているものなど存在しない」という場合は、死に近い現象が亡霊として現れるようです。

※「除霊」に匹敵する行動を行う必要はありませんが、しても構いません。基本的には「亡霊」への対処行動が「除霊」行為となります。

 メガリスを燃やす行為を行えるのは最後のリプレイをお返しする際のみとなりますので、特筆してプレイングに記述する必要はありません。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
シノギ・リンダリンダリンダ
相手の海賊旗を燃やす瞬間。相手の尊厳を破壊するこの瞬間の楽しみは何よりも捨てがたいですね

急ぐわけでもなく、マイペースにゆっくりと歩いていく

お宝が怖い。と言いたいところですが…
私が最も恐れるもの
それは海賊に他なりません。私のお宝を奪う者。私の海を荒らす者
同族の怖さ、危険性は私が一番知っています


亡霊を無視するように、【飽和埋葬】で召喚した死霊海賊を引き連れながら歩いていく
大海賊の「威厳」と「覇気」を保ちながら

怖さを知っているからこそ、その程度で歩みは止めない
今喧嘩を売っているのは七大海嘯
むしろ、お前達の手を借りたいくらいですね
ゴーストキャプテンとし笑みを浮かべながら、逆に亡霊を略奪してやります


●覇道をもって海を制すもの
 ――相手の海賊旗を燃やす瞬間。
戦った相手の尊厳を破壊するその瞬間の愉しみは、何者にも代えがたい愉悦。
故にシノギは焦ることなくゆっくりと、桜の道を歩いて征く。
薄桃色の絨毯のところどころに伏しているのは、遺棄された亡骸たち。
ふと目の前の桃色が濃さを増す。そして前方に現れ出でた「彼ら」を見て、シノギはふっと唇を緩めた。
現れたのは、カトラス剣を、あるいはマスケット銃を手にした――桜の森には似合わない、海賊たちだった。
 そう、シノギは何よりも海賊が怖いと考える。
己の宝を奪う存在。己の海を荒らす存在。海賊であるからこそ、海賊の怖さと危険性は彼女自身がいちばんよく知っている。
けれど恐ろしいものだからといって、怯える必要がどこにあろう?
シノギは現れた亡霊の海賊たちを無視するようにその傍らを過ぎる。彼女の後ろに続くのは、シノギが呼び出した死霊従者……死霊海賊たちの群れ。
それはシノギを先頭とした死霊海賊たちの長い長い行進のようだった。
そう、同じ海賊として海賊に相対する怖さを知っているからこそ、シノギはこの程度で足を止められなどはしない。
ましてや今喧嘩を売っているのは七大海嘯。この欲望の海に強く根を張る大物たち。
もう、止まることなど出来やしないのだ。
悠々と、シノギは笑みを浮かべながら桜の道をゆく、島の中心にあるというメガリスを目指して。
やがて一体、また一体と亡霊の海賊はその行進に加わっていった。
死霊海賊たちの行進は、ずっと続いていく。
大成功 🔵🔵🔵

浅間・墨
旗を一刻も早く燃やす為に森を走り抜けます。
途中で視界の隅に何かを感じたので足を停め…。
え?叔父様とおじい様が何故こんな場所…に?

とにかくこんなところで躊躇している場合では!
構えてみるものの身体と手が震えて動きません。
あ…ぅ…。厳…しい…修練時…の…こと…が…。
しかし今は…今は狼狽えている暇はありません!
「…!!」
私なりに吠えて。吠えながらも『国綱』を抜刀。
鋭く睨んで彼らに国綱の切っ先をつき付けます。
「じ、邪魔…す。そ…をど…てく…さい…」
もう一族の鎖には縛られません。
突破した後【蓑火】で旗を斬ります。

森に眠る全ての遺体を埋葬し直したいと思います。
完遂した後は森の入り口の隅の方に花を供えます。


ロベルタ・ヴェルディアナ
墨ねー(f19200)と共闘。
襲ってきたのは人の形をした黒い影だ。
誰かはわからないけどなんだか嫌な感じがする。
元の世界の…『何か』なのかな?これって…?
人みたいな形だから僕は誰かに怖がってる?う?
よくわからないけど…今は悠長にやってられないね。
なら僕がすることは一つ…だよ!!猪突猛進だ~!
今はこれしか方法がないからね。恐怖は振り切る。
「じゃあ、燃えてなくなっちゃえ♪」
この影の元がなにか気になるけど【散花閃】で一撃。
…。倒した影のことは気になって後ろ向くけど…。

例の海賊旗は【散花閃】で焼き斬るじょ。
こんな物はこの島には不要だ。燃えてなくなれ~。
その後は、墨ねーと森の遺体を弔い直すよ。


●柵断てど、縁断たれぬもの/未だ思い出せぬもの
ふと、気づけば。たった一人で薄桃色の森の中にいた。
一緒にいた彼女は? どうしてはぐれてしまったのだろう?
島の中央へと続く道は一本道で。確かに二人で森の入口から入った。
……一本道? 本当にそうだったっけ?
メガリスを燃やし終えたら、道のあちらこちらに放置されっぱなしの亡骸たちを弔い直して。花を供えようかと、二人で話していたはずなのに。それは、すべてすべて、幻だったとでも?

 ――墨は、不安を感じながらも森を走り抜ける。
おかしい。この森はいくら何でもこんなにも、長くはなかったはず。これではまるで、島を縦断してもまだ長い道が続いているよう。
きっとこれはなにかのまやかし。足を止めた彼女の後ろに二つの気配がする。
『――なにをしている、墨』
 忘れるはずもない声に、びくりと肩を震わせた。
『ここは禁域。お前ごときが足を踏み入れて良い場所ではない』
『一刻も早く立ち去れ、墨よ』
 振り返った先にいたのは、叔父と祖父だった。
あやかしの誅伐に失敗して半魔となり、それを穢れとして勘当されて以来、もう会ってもいないはずの二人。何より、この世界に入るはずのない人々。ならばならば、目の前にいるのは偽者だ。
「……ぁ……う……」
 切り捨てるために構えようとしてみるものの、緊張で身体も手もうまく動かない。
厳しい修練の時の事を思い出して、身体が萎縮してしまっている。
『どうした、墨!』
『早く立ち去れと言った筈だ!!』
 二人はますます語気を荒くする。金縛りのように固まった体。ここで屈してしまえば、先へは進めなくなってしまう。
「ぅ、あ……――――!!」
 墨は、吠えた。吠えたつもりだった。やっぱりその唇からは小さな声しかでなかったけれど、それでも手にした大刀「国綱」を握りしめ、その切っ先を二人へ向かって突きつける。
「じ、邪魔……す。そ……をど……てく……さい……」
 自分はもう、一族の鎖には縛られない。
ざん、と刃を振るえば、二人の体はばっさりと斬れて。その体は桜の花びらとなって散る。
少しだけほっと胸を撫で下ろしながらも、墨は踵を返して中央へ続く道を駆けてゆくのだった。

 魔法剣「プリンチペッサ・ロッソ」が刃を弾き返す。
ロベルタに襲いかかってきたのは、真っ黒な影。人の姿をして、手に刃らしきものを持ったそれの正体は、ロベルタにはまったくわからない。
けれど、「それ」が体に触れるたび、目も鼻もないそれが確かに自分を見てくるたび、肌が粟立ってやまない。
(何かは……誰かは、わからないけど……何だか嫌な感じがする……!)
 それはあるいは失われたままのロベルタの「元の世界」の、何か……あるいは「誰か」なのか。いったい自分が「何」に怖がっているのか、覚えていないロベルタにはそれさえもわからない、けれど。
「今は悠長にはやってられない……なら、僕がすることは一つ……だよ!」
 早く、早く、一刻も早く再会しなければならない相手がいる。彼女と再び逢うためにも、今は。
「燃えて、なくなっちゃえ♪」
 【散花閃(トランズィトーリウス)】。魔法剣の横薙ぎの斬撃が真っ黒な人影を薙ぎ斬り、人影は紅蓮色の炎に包まれる。そのまま燃え尽きていく影は、やがて黒焦げの花弁に変わった。
「…………?」
 ざわざわと胸をざわつかせる感覚が離れない。ロベルタはもう一度だけ後ろを振り向いて。そこにあるのがもはや無機物でしかないことを確認してから、再び前を向いて走り出した。

 やがて。
「あーっ!墨ねー!やっと見つけたじぇ!」
「……会え……よかっ……です……!」
 互いに森の木々の間から顔を出した二人は、再会に手をとって喜びあうと、もう一度中央を――そこにあるメガリスを目指して――歩いていくのだった。
大成功 🔵🔵🔵🔵🔵🔵

木々水・サライ
じゃ、とっとと焼き払いに行くかね。

(恐れているもの:死ぬこと。幼い頃の怪我が元で死ぬことを恐れているが、本人は決して表には出さない。亡霊の姿は黒い人の形をとっており、ナイフを構えている)

……あー、亡霊、そういうことかよ。
勘弁してくれねぇかな。そのオブリビオンの姿を見るだけで、四肢が痛むんだよ。
両親殺した奴と、俺をサイボーグにするきっかけを作った奴が同じとは限らねぇけど。やっぱ、イライラするんだよ。

UC【二人の白黒人形(モノクローム・ツインズ)】で呼んだ複製義体と一緒に、【黒鉄刀】【白銀刀】で怒り任せに亡霊斬ってやるよ。

俺は独りだけど、一人じゃねえんだよ。死の恐怖はこうやって乗り越えて来てんだ。


●痛みを思い出させるもの
「じゃ、とっとと焼き払いに行くかね」
 サライは桜の森の入口を抜ける。歩いてゆく中、見えるのはひたすらに薄桃色の花をつけた木々か、そうでなければもりのあちこちに投げ出された、人体実験の末に命を落とした亡骸。
 まっすぐ、まっすぐ、それほど遠くもないはずの出口はけれども桜で見えなくて、距離感が失われ、今どれほどを歩いているのかもわからなくなる。
 ――首筋にチリチリと走った感覚に横へ飛ぶ。振り返れば、その先にはナイフを掲げた人影。くろぐろとしたその顔かたちの判別はつかないが、サライにはその相手が何者なのかはっきりとわかった。
(あー……亡霊。亡霊、ね。そういうことかよ)
「勘弁してくれねえかな。そのオブリビオンの姿を見るだけで、四肢が痛むんだよ」
 両親を殺した相手と、自身をサイボーグにするきっかけを作った相手……その両腕両足を壊した相手が、同じとは限らない。限らないけれど……やっぱりその姿を見れば胸か、腹のどこかがいらいらと苛立つものなのだ。
そう、その人影はサライにとっての死の象徴だった。自身の死を、死ぬことを恐れるサライに対して、桜の森の亡骸達が見せる亡霊の姿は死を与える存在そのものが相応しい。
サライは複製義体を呼ぶ。己の手には身の丈よりも長い刀「黒鉄刀」を、複製義体の手には光溢れ出す刃「白銀刀」を。
イライラを推進力に、怒りを力に変えて人影を切り刻む。いつか、いつか本物を――、そう考える間もなく双方から微塵に刻まれた影はぶわりと弾け、薄桃色をした桜の花びらがサライと複製義体の頭上から降り注いだ。
「……はッ。俺は。独りだけど、一人じゃねえんだよ。死の恐怖は、こうやって乗り越えてきてんだ――」
 二振りの刃を仕舞い、長い三編みに潜り込んだ桜の花弁をつまみ出しながらサライは吐き捨てる。はあ、と長く息を吐きだして――背を向ける。今ここで起きたこと、目にしたその相手……そんなのは、どうでもいいことだ。些細なことだ。今の目的は、こんなことではないのだから。メガリスを燃やす。それが第一目的だ。
 まだ道は半ば。サライは、森の出口――島の中央へ向かって、再び歩き出した。
大成功 🔵🔵🔵

シル・ウィンディア
怖いもの:大きな虫(大体慌てふためきパニックになります)

さて、亡霊か…
何が出るかな

…むし?

……(思考停止)

………いぃぃやぁぁーーーっ!!

やめて、来ないで、カサカサしないでーーっ!!
やだやだやだーーっ!!

泣きながら、走って抜けようとするけど…

例えば、それが、何の罪もない人を襲うのなら?

わたしが襲われた時は、お母さんが助けてくれた
もし、その人が助け求めた時、誰もいなければ?

……
怖いけど、苦手だけど

見捨ててだなんて
そんなこと出来ないよね

震える脚に力を込めて
真っすぐ見据えて…

光刃剣を両手で握って一閃っ!

虫を斬るんじゃない、恐怖心を斬るの

正直、怖いけど
でも、助けられる人を助けられないほうが嫌だよ、わたし


●馴染み深くわかりやすいもの
「亡霊、亡霊かぁ……何が出るかな」
 シルは桜の森を歩いていく。燦々と降り注ぐ日光は心地よい。これでそこかしこに転がっている実験体にされた島民の成れの果て……亡骸がなかったならば、ちょっとした散歩にもなるだろうという麗らかな日和。
しかし、彼女の背後ではゆったりとなにかが動き出す。ぴょんと音を立て、シルの足元に飛びついたのは。
「えっ何、蛇? じゃなくて……」
 それは――蛇ではなかった。けれどシルにとっては、それよりもずっとずっと恐ろしいものだった。毛ともなんとも呼べないものがふさふさと生え、大量の脚をわさわさと蠢かせている、とても巨大な、見たこともないほど大きなそれは。
「……むし?」
 ぴしりとシルの体が固まる。思考も停止する。振り払えばいい、そんな考えさえも固まりきった頭では出てこない。
「…………いぃぃやぁぁーーーっ!!」
 シルの絶叫が、桜の森に響き渡った。気づけばその蟲はシルの足元を埋め尽くし、薄桃色の道を黒々と塗りつぶしている。
「やめて、来ないで、カサカサしないでぇ――っ!!やだ、やだやだやだぁ――っ!!」
 大きな目から涙がボロボロと零れる。走って逃げようにも、足を踏み出せばそこにも蟲。
へたり込むことも出来ずにしゃくりあげながら、それでもシルは胸の中の拳を握る。
(例えば、これが、何の罪もない人を、襲うのなら――?)
 シルが虫に襲われて泣いていたときは、優しくて強かった母が助けてくれた。
もし、その人が助けを求めた時に、誰もいなければ。
一体誰が、その人を助けるというのだろう?
「…………。」
(怖い……けど。苦手、だけど……!)
 見捨てて、だなんて。そんなことは、シルには出来ないのだ。
震える脚に力を込めて、しっかりと大地に立つ。真っ直ぐに、それらを見据えて。
 怖い。怖い。膝ががくがくと笑う。それでも。
(怖い、けど。でも)
 助けられる人を、助けられないほうが、シルは嫌なのだ。
(虫を斬るんじゃない、これは、わたしの恐怖心を斬るのっ!)
 ――両手の中に握った光刃剣で、ばっさりと虫の群れを両断する!
じゅぅ、と光に焼き焦がされる虫たちを次々と叩き切っていけば、黒々とした虫の姿がやがて薄桃色に変わる。
 はっと気づけば、今まで虫だと思っていたものは桜の花弁。
「あ……これが、亡霊……幻を見てたのかな、わたし……?」
 亡霊という恐怖の試練を突破したシルは、今も足に残るその感覚を振り払うように、走って島の中央へ――メガリスのある、森の出口へと向かって、駆け出していった――。
大成功 🔵🔵🔵

アクア・ミストレスト
海賊旗のメガリスか…
あまり好みではないな、いや、好みでもまぁそんな危険物手元に置いておきたくもないが…

じゃあ行こうか…移動はアハ・イシュケに乗って楽をさせて…


恐れているものか…愚問だな、それは本が読めないことだ
点字本や読み上げといったものもあるが
過去の本、特に魔導書等はな

本が読めない生活など想像するだけで身も凍る思いだ
なら死んだほうが良いとさえボクは考える

さて、対処だが…どういう現象で現れたとすれ
所詮は一時的なものだ、現状のボクが本当に未来永劫読めなくなったわけではない…
なら、慌てずただ真っ直ぐ進み続けるだけだ


●未知に触れる幸福を奪うもの
(海賊旗のメガリス、か。あまり好みではないな。……いや、まぁ仮に好みだとしても、そんな危険物手元には置いておきたくもないが……)
 アクアは水で体を構成された馬、アハ・イシュケに乗りながら桜の道を行く。
眼下に見えるのは、打ち捨てられた実験体の亡骸。その遺体のところどころから、どんな効果を持つのかもわからないメガリスが突き出している。
 ――突如。アクアの体からアハ・イシュケに乗っているという感覚が消えた。
「……アハ・イシュケ!?」
 高所から落ちる感覚。唐突な痛みがアクアを襲う。
辺りを確認しようと周りを見渡せば――そこには一面の闇が広がっていた。。
「なんだ……一体、何が起こった?」
 自分の手のひら、指先すらも見えない闇が周囲を覆い尽くしている。手探りで地面を探る。掌に伝わってくるのはふわふわとした桜の花弁。土。よろよろと桜の木を伝って立ち上がれば、さくりさくりと桜の道を踏む音が聞こえる。
(誰だ!? ……この島の人間か!? それとも……)
 それとも、敵か。そう思い当たって、体が強ばる。こんな闇の中、攻撃などされては。
その思考を読んだかのように、顔の横を何かがぶんとすり抜けて、ぴりぴりと頬が痛んだ。
絶体絶命か――けれど、アクアは冷静に大地に立つ。目を閉じ、五感を研ぎ澄ませる。
「なるほど、そうか……これは「私の恐怖の具現化」だな?」
 アクアが最も恐ろしいと考えるものは、「本が読めないこと」。
本が読めないならば、死んだほうがマシだとさえ考える。
けれどこの桜の森に、本があるはずもなく。故にアクアの心を読み取った亡霊は、アクアから本を読む能力――視覚を奪う体験をさせたのだ。
(攻撃はまやかしだ。痛みも幻覚だ。そう“思い込め”。“思い込み”によって、幻覚を凌駕しろ。今何も見えないとしても、未来永劫本当に読めなくなったわけではない……)
 ならば、慌てずただ真っすぐ進み続けるだけだ。
 体の下に、アハ・イシュケの感覚が戻ってくる。落下したときの痛みが、頬を斬られた痛みが、すっと溶けるようになくなっていく。再び目を開ければ、そこは一面薄桃色の桜の森。アクアはアハ・イシュケに跨ったまま、進み続けている。
ふぅ、と少しだけ息を吐いたアクアを乗せて。アハ・イシュケは遂に桜の杜を越える。
島の中央、土が盛られただけの小さな丘には桜花の染め抜かれた海賊旗のメガリスが突き立てられている。メガリスそのものの警備は、不思議なほどに手薄だった。
ルーンソードに魔力を込め、アクアは海賊旗に火を点けた。
乾いた布はあっという間に燃え上がり、灰と化していく。
煙が、青空へと立ち上っていく。

 ――この太白島に、七大海嘯からの援軍が来ることははもうない。
この島はようやく、コンキスタドールの手から自由になったのだ。
大成功 🔵🔵🔵

最終結果:成功

完成日2020年09月18日
👑7 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵