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迷宮災厄戦⑱-13〜着ぐるみバトルで大騒ぎ!

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #オブリビオン・フォーミュラ #オウガ・オリジン #冒険シナリオ #冒険


● 普通の不思議の国で
「ええい、猟兵どもめ! こうなったら猟書家どもの力を使い、お前達に一矢なりとも報いてくれよう!」

 叫んだオウガ・オリジンは、詠唱を開始する。
 意味不明な詠唱が続いてしばし。不思議の国の生き物達に囲まれたオウガ・オリジンが次に姿を現した時、そこにいたのは猟書家「キング・ブレイン」の姿だった。

「ブーレブレブレブレブレ! 我輩こそがキング・ブレイン! キマイラフューチャーの新たなる大首領なるぞ! 頭を垂れよ今後ともよろしくお願いします」

 尊大なのか卑屈なのか分からないキング・ブレインは、不思議の国で高笑いを上げた。
 ふと現実に返ったキング・ブレインは、大きく腕を組むと深々頷くとため息をついた。

「キマイラフューチャーでの支配を磐石なものにするためには、怪人どもの協力は不可欠。これは幾重にも失礼のないようにせねばなるまいな!」

 自分がオウガ・オリジンであることを忘れたかのようなキング・ブレインは、決意も新たに演説の練習に勤しんだ。

● グリモアベースにて
「いや、なりきりすぎでしょ!」

 オウガ・オリジンの姿を予知したリオン・リエーブルは、現れたキング・ブレインの姿に楽しそうな笑みを浮かべた。

「という訳で、戦争も最終盤。勝利も目前だけど、出ちゃったものはしょうがないよね。もう一仕事お願いするよ」

 現れたのは、オウガ・オリジンが変身したキング・ブレイン。どちらかといえば愉快な仲間枠のように見られがちだが、その実力は折り紙付きだ。
 使ってくるユーベルコードもキング・ブレインのもので、先制攻撃能力も健在だ。
 場所はなんの変哲もない不思議の国で、障害になるものはない。
 そして、何を思ったのかこのブレインには弱点がある。

「このキング・ブレインはね、怪人に気に入られようとしてるんだ。だから怪人っぽい着ぐるみ着て怪人っぽく近づけば油断するはず。もちろん、着なくても大丈夫だけどね」

 なんだそれは! というツッコミはごもっとも。なりきりすぎた結果だが、強大なオリジンが見せた隙であることにはかわりない。

「油断しても隙を見せても、オリジンはオリジン。先制攻撃は健在だし、強敵であることに変わりはないよ。注意してね。それじゃ、よろしく頼むよ!」

 リオンはにこやかに笑うと、グリモアを発動させた。


三ノ木咲紀
 着ぐるみバトルを運営したかったんだ……。

 さておき、おそらく戦争ラストバトルとなります。
 キング・ブレインおかわりです。

 プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。

 今回は着ぐるみ着て怪人ムーブで戦えばおかわりボーナスが出ます。
 着ぐるみ着なくても大丈夫です。
 変身ユーベルコードは、うまく誘導すれば乗っかってきますので、必要ならプレイングに指示をおねがいします。
 着ぐるみも実際の怪人でなくても「怪人です!」と言い張ればokです。色々ガバガバ。

 とにかく! 戦争の最後に着ぐるみバトルしようぜ! というのが趣旨ですので、よろしくお願いします。

 プレイングは公開後すぐの受付。土曜日の午前中くらいまでは全数採用を目指します。
 それ以降はロスタイムとなります。

 それでは、レッツ着ぐるみバトル!
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第1章 ボス戦 『『オウガ・オリジン』キング・ブレイン』

POW   :    侵略蔵書「スーパー怪人大全集(全687巻)」
【スーパー怪人大全集の好きな巻】を使用する事で、【そこに載ってる怪人誰かの特徴ひとつ】を生やした、自身の身長の3倍の【スーパーキング・ブレイン】に変身する。
SPD   :    本棚をバーン!
【突然、背中のでかい本棚を投げつけること】で攻撃する。また、攻撃が命中した敵の【リアクションをよく見て身体特徴】を覚え、同じ敵に攻撃する際の命中力と威力を増強する。
WIZ   :    脳ビーム
詠唱時間に応じて無限に威力が上昇する【脳(かしこさを暴走させる)】属性の【ビーム】を、レベル×5mの直線上に放つ。
👑11
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フィオリナ・ソルレスティア(サポート)
◆性格
普段から冷静沈着で人当たりが良く優しいお姉さん。
実は猫と弟を溺愛する困ったさん。隠しているつもりが割とダダ洩れ
口調は「私~だわ」「私~かしら」『下の名前+さん付け』
胸にトラウマがあるため巨乳の敵には容赦しない。絶対に。

◆戦闘
オートフォーカスで敵をロックオンし、遠距離からの魔法系UCで戦う。
アイギスの盾で相手のUCを相殺したり、敵の弱点に応じた属性攻撃等を
得意とする。フィニッシュはバベルの光が多い。
TPOに応じて愛用の宇宙バイクで戦うことも。意外と乗りこなす。

◆非戦闘
動物と話す等、情報収集を中心にしつつも、ハッキングやシステム破壊等
荒業で対応することも


クリュウ・リヴィエ(サポート)
記憶喪失のダンピールだよ。
名前も年齢も本当かどうか、僕にも判らない。
ま、気にしてないけどね。

自分の過去は判らなくても、色々考えるのは好きだよ。
他人の行動とか状況とかに違和感があると、それに何か意味がないのか考えちゃうよね。
まあ、それで僕が有利になるかどうかは別問題だけど。

あとは食べることも好き。
食わず嫌いはしないし、残さないよ。

戦うときは、突っ込んで力任せに殴り掛かることが多いかな。
一応、剣も魔法も使えるんだけど、結局シンプルなのが性に合うね。


櫟・陽里(サポート)
『操縦が上手いは最高の誉め言葉!』

乗り物が活躍できる場と
レースとサーキットが得意分野
相棒バイク以外も乗りこなしてみせる
配達系依頼もお待ちしてまーす

走りこそが俺の武器!
マシン性能・路面や周辺・相手の動きなど幅広い情報収集
それを扱う集中力・傭兵の経験・判断速度
乗り物と操縦者の総合力で戦う

シールド展開バイクで体当たり吹き飛ばし
補修ワイヤーは補助武器
バイクは機動力のある盾にもなる
壊れたらほら、直すついでに新パーツ試せるし!

明るく話しやすい先輩タイプ
補助仕事もドンと来い
乗り物が無い戦場では手数が少ない
普通の拳銃射撃や誘導、挑発など小技を利かせるしかなくテヘペロしてる

過去は過去に還すべき、その辺割と無慈悲



● 積んだ技術は裏切らない
 一生懸命セリフの練習をするオウガ・オリジンfeat.キング・ブレインの前に立ちはだかった櫟・陽里(スターライダー ヒカリ・f05640)は、跨った愛車の宇宙バイク・ライのハンドルを軽く叩くとヘルメットの中の目を輝かせた。
 これはボス戦。しかもオブリビオン・フォーミュラ。見た目と行動が愉快でも、決して侮っていい相手ではない。そんな気迫に気付いたのか、キング・ブレインは陽里の姿に大きく胸を張った。
「ブーレブレブレ! バイク乗りの猟兵が一人で、吾輩の行軍を止められるとでも思ってるのかね?」
「思っちゃいないさ。だけど、キング・ブレインとスピード勝負をするのも悪くないって思ったものでね!」
「ブレブレブレ! 矮小な猟兵が! いいだろう、お前のスピードに対するプライドを、この怪人が打ち砕いてくれよう! ーーさあて! 今回変身するのは……ドン!(擬音) ウインドゼファー! 吾輩のスピード、とくと見せてくれよう!」
 詠唱と同時に3倍の身長になったキング・ブレインは、ウインドゼファーの姿になると猛然と走り出した。
「吾輩の最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力についてこれるかな?」
「上等!」
 バイクを巡らせた陽里は、あっという間に追い越したウインドゼファー頭のキング・ブレインにパッシングを放った。
「速さで勝負だ!」
「ブレブレ! よく言った! 今の我輩にスピードで勝てる者などいない!」
 自信満々に言い放つキング・ブレインに、陽里は追いすがった。確かに、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力は脅威だ。さすがの陽里もそこまでのスピードを出すことはできない。だが、レースとはスピードのみで決まるものではない。
 キング・ブレインは走ることに対しては素人同然のはず。スピードが出せることとそれを手懐けることは全く別の話なのだ。
 加速を続けるキング・ブレインを、陽里は追いすがる。宇宙を、地上を、海上だって駆け抜けた陽里のドライブテクと経験は、スピードの差を補って余りある。コースを読み、路面状況を加味した上で巧みにインコースを狙って距離を詰める。
 慣れないスピードをなんとかしようとするキング・ブレインが、追いすがる陽里に脳ビームを放つ。ヒラリと避けながらも走行する陽里は、打ち合わせたポイントまで誘導すると肉薄したキング・ブレインに体当たりを仕掛けた。
 極限までインサイドに倒した車体が火花を散らす。路面の段差をジャンプ台代わりにして、飛翔するキング・ブレインの腹に鋭い角度で体当たりを仕掛けた陽里は、その衝撃で墜落するキング・ブレインには構わずそのまま慣性で空を飛ぶ。
 着地の衝撃をターンでいなしながら振り返った陽里は、狙いのポイントで地面に叩きつけられて変身を解くキング・ブレインの姿に親指を立てた。

● 弟愛も力に変えて
 時は少し遡る。
 戦場に転送されたフィオリナ・ソルレスティア(サイバープリンセス・f00964)は、物陰に隠れるとキング・ブレインに狙いを定めた。
 VF-1オートフォーカスでキング・ブレインをロッキングし、狙いを定める。幸いこちらには気付かない様子でレースを始める姿を確認したフィオリナは、森の木陰から静かに監視を強めていた。
 迫力あるレースが展開してしばし。キング・ブレインから放たれた脳ビームが、隠れていたフィオリナを薙ぐように通過していった。
「あうっぅ……!」
 走る激痛に、一瞬意識が飛ぶ。詠唱時間が短かったために威力自体は大したことがないが、集中を要する狙撃に痛みは不利に働く。眉を顰めたフィオリナは、暴走するかしこさの中で浮かぶ弟の姿に意識を集中させた。
「こ、こんな痛みで集中を阻害されるだなんて、弟には見せられないわ。そうよ。一度引き受けたからには必ず作戦を成功させて、弟の許に帰るの。じゃないと、フォルセティに顔向けできないわ。ああかわいい私の弟。今頃何をしているのかしら? オウガ・オリジンとの戦いに身を投じているの? それとも猟書家? 危ないことをして欲しくないけど、フォルセティなら大丈夫よ。だって優秀な子だもの。ウィザートとしても認められてる自慢の弟よ。きっと帰ったら色んな話を聞かせてくれるに違いないわ。私も戦果を上げて、あの子に自慢しなきゃ。あなたが自慢したくなる姉でいるのは、可愛い弟を持った私の義務よね。こんな痛みで狙撃できないだなんて、私のプライドが許さないわ! そうよ。私はやり遂げるの。作戦通りここでキング・ブレインを倒さなければ、キマイラフューチャーにどんな影響が出るか分からないんですもの。猟兵として許すわけにはいきませんわ!」
 痛みとかしこさの暴走から一周回って立ち直ったフィオリナは、改めてキング・ブレインに照準を合わせる。陽里の体当たりに転倒し変身を解くキング・ブレインの背中に意識を集中したフィオリナは、練り上げた魔力を放った。
「フォルセティ、行くわよ。全てを貫け、ロンギヌスの槍よ!」
 詠唱と同時に、光り輝く雷の槍がキング・ブレインを貫く。狙い違わず突き刺さった光の槍が倒れたキング・ブレインを貫き通す。倒れた姿に、フィオリナは両手のひらを握りしめた。

● 最後に勝つのは力技
「あいたたた……誰だね!? 不意打ちなど卑怯者がすることだよ!」
 どこからともなく雷の槍に貫かれたキング・ブレインの姿に、クリュウ・リヴィエ(よろず呑み・f03518)はカミ砕きを担ぎ上げた。
「必ず先制攻撃するキング・ブレインほどじゃないと思うけどね」
「何奴!?」
「ただの、通りすがりの猟兵だよ。残念だけど、お前をキマイラフューチャーに行かせる訳にはいかないんでね。ここで倒させて貰おうと思ってさ」
「なにおう? お前ごときに倒される我輩ではないわ! 吾輩は必ずやキマイラフューチャーの新しい大首領となるのだ! さあて! 今回変身するのは……ドン!(擬音) ドン・フリーダム! 前の大首領の力を借りるのは業腹だがね、温故知新なのだよ!」
 スマイルマークの仮面を被ったキング・ブレインが、みるみる内に巨大化していく。ドン・フリーダムの身体特徴を現したキング・ブレインは、纏ったマントを外して服を脱ごうと……。
「わー! 見たくない見たくない! 仮面だけで十分だから!」
「そうであるか? 吾輩の肉体美をとくと見せつけるチャンスだったのであるが……」
「それはいいから!」
 慌てて宥めたクリュウは、その対処法を脳裏に巡らせた。巨大化したキング・ブレインは身体の大きさが3倍になり、クリュウを踏み潰すことなどたやすいだろう。使ってくるユーベルコードは、普通に考えたのならば赤べこキャノンか。絶対無敵バリア展開後に放たれるキャノン砲は攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視されても大ダメージは免れない。それに対抗するならば……。
 そこまで考えたクリュウは、一つ頷くと満面の笑みを浮かべた。
「な、なんであるか?」
「よし殴ろう」
 それがいい。それに決めた。どうせ最後は殴り倒すのならば早いほうがいい。考えながらも詠唱を終えたクリュウは、【炎の魔力】【水の魔力】【風の魔力】で自身を強化すると一気に駆け寄った。
「ここはシンプルに、攻撃力を強化するに限るよね!」
 一気に駆け寄り、得物を振り下ろす。唸りを上げたカミ砕きが、その名の通り巨大化したキング・ブレインを強かに殴りつけ、弾き飛ばす。一撃必殺大ダメージを負ったキング・ブレインは、仮面をつけたまま上空より拳を繰り出した。
「のおお! こやつめが!」
「じゃ、そういうことで」
 繰り出される拳を避けたクリュウは、カミ砕きを担ぎ上げるとその場から退避した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

黒影・兵庫
(サメの着ぐるみを着ていると「黒影、サメは海の生物よ?陸を歩くサメなんて偽物ってすぐにばれない?」と頭の中の教導虫が尋ねる)
いいえ!せんせー!
海の恐怖の象徴が陸も闊歩する!
まさにモンスターではないでしょうか!?
(「あ、うん、そうね。で、この後は?」)
近づけば敵も偽物と気づくでしょう!
ですから『衝撃波』で砂塵を起こし
『迷彩』効果の『オーラ防御』壁で隠れた後
{皇糸虫}を『念動力』で操作して『捕縛』し
{錨虫}で弁慶の泣き所をフルスイングです!
(「ま、一応作戦としては筋は通ってるか...よし!始めるわよ!」)
おーっ!
(UC【脳内教室】発動)


ベッジ・トラッシュ(サポート)
◆戦闘時
戦うのは怖い!
なのでボス戦ではだいたい逃げ回っている。
(味方の手助けになる行動や、囮になるなどの功績を得ることはあるがだいたい無意識)
「こ、ここ…怖いのではないゾ!ベッジさんは様子をうかがってイタのだ!!」

手の届かない相手にはパチンコで苦し紛れに絵の具弾を飛ばすこともある。

◆冒険時
基本的に好奇心が強く、巻き込まれ体質。

敵味方関係なく、言われたことには素直に従う。
怪しいような気がしても多少なら気にしない。
後先考えずに近づいて痛い目を見るタイプ。

◆他
口癖「ぎゃぴー?!」
お気に入りの帽子は絶対にとらない。
食べ物は目を離した隙に消えている系。
(口は存在しない)
性能に問題はないが濡れるのは嫌い。



● 来ちゃったものはしょうがない
 転移した先の大地に立ったベッジ・トラッシュ(深淵を覗く瞳・f18666)は、猟兵とオウガ・オリジンfeat.キング・ブレインの戦いを物陰からそっと見守っていた。
 どうしよう。なんでボス戦に来ちゃったんだろう。理由をいくつか考えてみるが、来てしまったものはしょうがない。強いて言うなら「ご縁」という、諦めの代名詞にも使えそうなものが働いたのだ。
 さておき、ただでさえ怖いボス戦なのにオブリビオン・フォーミュラ戦だなんてとんでもない。必ず先制攻撃してくるとかどうしたらいいのか分からないし、対応できるとも限らない。そうとなったら答えは一つ。
 逃げよう。この話は無かったということで。
 くるりと後ろを振り返ったベッジは、いつの間にか目の前にいたキング・ブレインの姿に思わず硬直した。
「ふう、酷い目に遭ったのである。……おや? そこにいるのはテレビウムではないか? 随分震えておるが、お前は吾輩の力を試しに来たのかね?」
「そ、そんなことは! こ、ここ……怖いのではないゾ! ベッジさんは様子をうかがってイタのだ!!」
 驚きと怖さに身体を震わせるベッジの姿に高笑いを上げたキング・ブレインは、額に手を当てると脳ビームを放った。
「そうであるか! では敵であるな! 吾輩が排除してくれよう!」
 放たれる脳ビームが、ベッジを貫く。遠くまで切り裂くように走ったビームが貫通した肩に激痛を感じたベッジは、混乱しかしこさが暴走してある一つの結論に達した。
 すなわち。
「ギャピーッ!? こ、ここは必殺……三十六計逃げるに如かず!」
「あ、待つのである!」
「はいッ!」
 逃げのベッジの姿に変身したベッジは、掛けられた声に立ち止まる。速度を上げたキング・ブレインがベッジの姿につまずいて、その場に転がる。盛大に頭から地面にめり込むキング・ブレインの姿を振り返ったベッジは、脇目も振らず一目散に駆け出した。逃げるが勝ちだ。
「逃さないのであるからして!」
 逃げの天才ベッジさんに返信したベッジを捕まえるのは、いくらキング・ブレインでも容易ではない。狩猟本能を刺激されたキング・ブレインがベッジを追い詰めた時、轟音とともに土煙が上がった。

● 脳内会議は楽しくて
 時は少し遡る。
 サメの着ぐるみを着た黒影・兵庫(不惑の尖兵・f17150)は、キング・ブレインから逃げ回って時間を稼いでくれているベッジの姿を遠くに見た。
 兵庫のユーベルコードは、詠唱まで時間をかければかけるほど成功率が上がる。兵庫が見てもハラハラするくらい必死に逃げている姿に、思わず手に力を込めて応援してしまいたくなるが、そういうわけにもいかない。
 サメの着ぐるみのシワを伸ばして背筋も伸ばす兵庫の姿に、脳内に声が囁いた。
(「黒影、サメは海の生物よ? 陸を歩くサメなんて偽物ってすぐにばれない?」)
「いいえ! せんせー! 海の恐怖の象徴が陸も闊歩する! まさにモンスターではないでしょうか!?」
 知的な女性の声に何の違和感もなく手を挙げた兵庫は、自分の脳内に寄生する教導虫ーースクイリアに生真面目に答えた。兵庫がせんせーと呼ぶ教導虫は、生まれてからずっと自分を見守り、指導してくれている。スクイリアに対する信頼は、兵庫にとっては絶対と言って差し支えないものだった。
(「あ、うん、そうね。で、この後は?」)
「近づけば敵も偽物と気づくでしょう! ですから……」
 続けて言った兵庫の作戦に、スクイリアも頷く。その頷きに、兵庫は思わず嬉しくなる。スクイリアが頷いてくれた作戦だ。きっとうまくいく。その自信をくれるのだ。
(「ま、一応作戦としては筋は通ってるか。……よし! 始めるわよ!」)
「おーっ! ……お前の相手はこの俺だ!」
 片手を振り上げた兵庫は、ベッジを追い詰めるキング・ブレインへと駆け寄った。着ぐるみでサメの姿になった兵庫の姿に、キング・ブレインは攻撃の手を止め振り返った。
「何!? サメだと!? 海の生き物がどうしてここに……ひょっとして、お前は吾輩の力を試そうとするキマイラフューチャーの一派か! そちらがサメならこちらは……ーーさあて! 今回変身するのは……ドン!(擬音) エイプモンキー! 陸の王者たる吾輩の……」
「隙あり!」
「な! 何を猪口才な!」
 堂々と胸を張るエイプモンキー姿のキング・ブレインに、兵庫は衝撃波で砂塵の嵐を巻き起こした。遥か頭上からこちらを見下ろしていたキング・ブレインが、兵庫の姿を見失い周囲を見渡す。闇雲に拳を振り回すキング・ブレインの攻撃を回避した兵庫は、皇糸虫をキング・ブレインに向けて解き放った。
 体長10メートルにもなる生きた糸は、キング・ブレインを捕縛する。突然のことに糸を切ろうともがくキング・ブレインが糸を切る寸前、大きく体勢を崩した。
「のおおおお!」
「どうですか! 錨虫の一撃は!」
 本物の錨と化した大きな虫をフルスイングで振り抜いた兵庫は、丁度殴りやすい位置にあった弁慶の泣き所を腫らして倒れるキング・ブレインに大きく胸を張る。
 元の大きさに戻るキング・ブレインから皇糸虫を回収した兵庫は、ベッジを助け起こすと脳内でスクイリアとハイタッチを交わした。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

森宮・陽太
【WIZ】
アドリブ連携カオス叩き込み大歓迎

へーぇ、怪人ムーブねぇ…
ならちょっとおちょくってやろうか

白のマスケラ被って全身黒タイツ姿で登場だ
何、UDCでよくある姿じゃないのかって?
…俺サクミラ民だからよく知らん(言い逃れ)

とにかく、付き従う怪人のフリして「キング・ブレイン様!」と連呼して脳ビームの詠唱妨害
時々スパーダの短剣を封じたデビルカードを頭上に投げて、小さな短剣を大量に降らせてやるぜ(投擲、制圧射撃)

頃合い見て「高速詠唱」から本命の【悪魔召喚「スパーダ」】
スパーダ、奴のふざけた脳にたっぷりと冷え切った短剣を叩き込んでやれ!!(属性攻撃(氷)、範囲攻撃)
どうだ? すっきりしただろ?



● なんだかんだでノリノリMC
 猟兵達に誘導されたとも知らずに現れたキング・ブレインの姿に、森宮・陽太(人間のアリスナイト・f23693)は駆け寄ると大げさに両手を上げた。
 着ぐるみ、と呼ぶにはフワモコ感が足りない全身タイツに白いマスケラという、どこかの戦闘員を彷彿とさせる格好をしているが……。
「……俺サクミラ民だからよく知らん」
 しれっと空の声に答えた陽太は、肩を鳴らすキング・ブレインへと駆け寄ると大きなアクションで奥を指差した。
「おおキング・ブレイン様にお目にかかりたいと、あちらでキマイラフューチャーの大幹部達がお待ちしている次第だ! だから早く来たほうが身のためだぜこの格好暑っちいし」
「な、なんだか最後の方はタメ口であるぞ!?」
「おおこれは失礼。キング・ブレイン様の口調をリスペクトした結果ということにしとけや。とにかく、こっちへ」
 ぞんざいにキング・ブレインの手を掴んだ陽太は、そのまま仲間猟兵が待つステージへと連れて行くのだった。

 奥に設えられていたのは、即席のステージだった。
 一段高くなったステージの背景には、「第一回 キング・ブレイン様が新しい大首領としてふさわしいか見極めようぜ大会」と書かれた看板がでん! と置いてあり、斜めに置かれた長机には四人の猟兵達が審査員よろしく座っては現れたキング・ブレインに視線を向けた。
 状況についていけないキング・ブレインは、渡されたマイクを通して陽太に尋ねた。
「な、なんだねこのイベントは?」
「キング・ブレイン様が新しい大首領にふさわしいか見極めるには、このくらいしないと割に合わないというもので」
「なんだねその割にあわないとは! 何の割に合わないのだね?」
「さあ只今より「第一回 キング・ブレイン様が新しい大首領としてふさわしいか見極めようぜ大会」を開催するぜこんちくしょう! だあれがMCやるっつったよ!」
 思わず虚空に叫びマイクを舞台に叩きつけた陽太は、集まる視線に一つ咳払い。いつの間にか胸元に飾られた赤地に白の水玉模様の巨大蝶ネクタイを揺らすとキング・ブレインを振り返った。
「済まねぇ取り乱した。キング・ブレイン様にはひとつ、この大会に掛ける意気込みを聞いてみようじゃねえか」
「い、意気込みであるか? そうであるな……」
「キング・ブレイン様!」
「なんであるか?」
「なんでもねえ。続けてくれ」
「吾輩は大首領になるに当たって……」
「キング・ブレイン様!」
「やかましいであるぞ!」
「悪ぃ」
「公約として掲げるのは怪人の権利を……」
「キング・ブレイン様!」
「もういいのである! お前は黙るのである!」
 いちいち邪魔する陽太に腹を立てたキング・ブレインは、脳ビームを放った。ほぼ詠唱なしで放たれた脳ビームが陽太を貫く。腕を押さえた陽太は、思ったよりも軽いダメージに口の端に笑みを浮かべると詠唱を開始した。
「悪い悪い。ちょっとおちょく……もとい、キング・ブレイン様を呼びたくなっちまったんだよ。詫びにこれで頭を冷やしてくれよな! スパーダ、奴のふざけた脳にたっぷりと冷え切った短剣を叩き込んでやれ!!」
 詠唱と同時に現れた捻じれたふたつの角を持つ漆黒と紅の悪魔は、氷属性を帯びた深紅の短剣をキング・ブレインの頭上に降らせた。
「わわ! 痛いのである!」
「どうだ? すっきりしただろ?」
「すっきりし過ぎであるぞー!」
 短剣から逃れるように舞台上を駆け回ったキング・ブレインが抗議の声を上げるのを無視した陽太は、マイクを手に声を上げた。 
「さくさくいくぜ! エントリー№1はダンピールの黒騎士・f01841、リーヴァルディ・カーライル嬢!」
 陽太のMCに、一人のダンピールが颯爽と舞台中央へと歩み出た。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リーヴァルディ・カーライル
エントリーNo.●番!吸血鬼怪人リーヴェです!よろしくお願いします!

…さて、我ら吸血鬼の新たな主となるならば一つ条件があります

その侵略蔵書に記されている、スーパー吸血鬼怪人を見せてください

その変身する姿を、貴方の美学を見て、
従うか否か決めるとしましょう!

"吸血鬼の財宝"から衣装と仮面を取り出し吸血鬼っぽく変装し、
親友のキマイラの娘から聞いた異世界のノリと礼儀作法を心掛け、
敵に吸血鬼怪人に変身するようにお願いするわ

…銀アレルギーはお持ちですか?太陽光は?
特に嫌いじゃないニンニクで撃退される心の準備はOK?

…パーフェクトよ、キング・ブレイン
じゃあ、実際に試してみましょうか?

敵が油断したらUCで攻撃



● 策士のダンピール
 猟兵からマイクを渡されたリーヴァルディ・カーライル(ダンピールの黒騎士・f01841)は、にっこり微笑むとキング・ブレインへと軽く膝を折り挨拶をした。
 今、リーヴァルディがいる舞台上ではキング・ブレインが本当に大首領にふさわしいかを見極めるためのオーディションが開かれている。その審査員のトップバッターに指名されたからには、完璧にやり遂げなければ。
 吸血鬼の財宝より選んだ黒地に赤のアクセントが鮮やかなゴシック調のベルベットドレスにたっぷりレースをあしらった黒の帽子を被っている。白い仮面の奥に輝く紫の瞳に銀の髪が映え、吸血鬼と言われればすぐに信じてしまうだろう。
 リーヴァルディは一度目を細めると、明るい口調でマイクに言葉を発した。
「エントリーNo.1番! 吸血鬼怪人リーヴェです! よろしくお願いします!」
「おぉ、吸血鬼怪人とな! キマイラフューチャーには人間そっくりの怪人もいたものである!」
「ええ。あの世界はなんでもあるのです。……さて、我ら吸血鬼の新たな主となるならば一つ条件があります」
「なんであるかな?」
 尊大にふんぞり返るキング・ブレインに、リーヴァルディは手を差し出した。何を求められているのか分からず目をしばたかせるキング・ブレインに、催促するように再び手を差し出すと、すっと握って侵略蔵書を指差した。
「その侵略蔵書に記されている、スーパー吸血鬼怪人を見せてください」
「な、なんと!?」
「その変身する姿を、貴方の美学を見て、従うか否か決めるとしましょう!」
「ぐ、ぬぬぬ! 確かに吸血鬼は誇り高い一族。そう言われてしまうと弱いのである!」
 唸ったキング・ブレインが手にした侵略蔵書を開くと、ページを開き詠唱を開始する。
「さあて! 今回変身するのは……」
「ちょっと待って!」
 制止するリーヴァルディに、キング・ブレインが思わずコケる。取り落しそうになる侵略蔵書を何とか持ったキング・ブレインは、何とか体裁を整えるとリーヴァルディを振り返った。
「な、なんであるかな?」
「変身するのは、外見だけ? ……銀アレルギーはお持ちですか? 太陽光は? 特に嫌いじゃないニンニクで撃退される心の準備はOK?」
「ぬぬ!? そこまで求めるのであるか!?」
「もちろん。むしろそんなこともできないの?」
 妖艶な笑みを浮かべて、キング・ブレインを挑発する。むしろそこまでできてもらわなければ困るのだ。本人も忘れていそうだがオウガ・オリジンの現実改変能力があるのならば、本当に吸血鬼の性質をすべて受け継いだ姿に変化してもおかしくはない。
 リーヴァルディの挑発に顔を赤くしたキング・ブレインは、再びページを繰ると詠唱を開始した。
「吾輩は華麗なる変身により、身も心も吸血鬼怪人となってみせるのである! さあて! 今回変身するのは……ドン!(擬音) 吸血鬼怪人!」
 侵略蔵書を開いたキング・ブレインは、みるみる巨大化すると吸血鬼怪人へと変身を遂げた。サイズが同じならばリーヴァルディの隣にいても遜色ない吸血鬼怪人となったキング・ブレインに、リーヴァルディは称賛の拍手を送った。
「……パーフェクトよ、キング・ブレイン。じゃあ、実際に試してみましょうか?」
「へ? 試すとは……」
「……奥義、抜刀」
 詠唱と同時に過去を刻むものに太陽の属性を与えたリーヴァルディが、大きく振りかぶりキング・ブレインに斬りかかる。身も心も吸血鬼怪人となっていたキング・ブレインは、灼熱の太陽に大きな叫び声を上げた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御形・菘
邪神…いや怪人オーラを集中させ、先制攻撃は左腕でガードだ!
戦闘不能にならなければ構わん、痛みは我慢、耐えて凌ぐ!

はっはっは、此度の妾は悪の怪人!
頭にはウサギの被り物をしよう、イケてたあのバニーをリスペクトでな!
いや~、突然攻撃してくるとか酷いではないか、まあ妾は寛大に許すがな!
とゆーことで大首領よ! 妾の力を貸してやろう、よろしく頼む!

固い友好の握手を右手でしたら…離さず持ち上げる!
そのまま持ち上げてブン回し、地面へどーん!
はーっはっはっは! お主はキマフュを統べるにはまだ早い!
トドメは赤べこキャノンの如く! 手は掴んだまま体勢を固定して、零距離からアーダーライトの歓喜の光をブチ込む!



● 握手は友好のためだけじゃなく
「続けていくぜ! エントリー№2! 御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)!」
「いっくぜー!」
 猟兵のコールに応えた菘は、颯爽と駆け出した。今は何故か開かれることになった、キング・ブレインが新しい大狩猟にふさわしいかを審査する大会の審査員となっている。きらびやかな舞台を誰が用意したのか問いただしたいところだが、それどころでもない。
 舞台上に立った菘は蛇の下半身は色々まじりの爬虫類系で、堂々とした体躯からは自信がみなぎっている。筋肉美を誇る女性の上半身のその上には、愛らしいウサギの被り物。イケてたあのバニーをリスペクトした菘の姿に、キング・ブレインはわなわなと指差した。
「そ、そなたのその頭は、ラビットバニーか! いやなんとも……」
「御託はいい! 新しい大首領になりたいというそなたの力、妾に見せてみよ!」
 邪神……もとい怪人オーラをみなぎらせた菘の迫力に押されたキング・ブレインは、これではいけない! と体勢を立て直すと侵略蔵書を開いた。
「そなたは話が早いであるな! では早速……さあて! 今回変身するのは……ドン!(擬音) ラビットバニー! 貴様に真のラビットバニーを見せてやるしー!」
 口調まで真似たキング・ブレインがみるみる巨大化すると、ラビットバニーの姿に変身した。怪人の特徴ひとつを生やすユーベルコードで生やしたのは、もちろん頭部で。
 爬虫類の下半身と美しい肉体美を持つラビットバニーと、痩せぎすで時代がかった尖り襟スーツ姿のラビットバニー。並び立つ二体のラビットバニーは、ファンシーが似合わないファッションと相まって、なんというか独特の感性を必要とする絵面となっている。
 そんなことにはお構いなしなキング・ブレインは、赤べこキャノンを構えると菘に銃口を向けた。
「この一撃、受けきってみるしー!」
 巨体から放たれる一撃に、菘は防御姿勢を取る。小細工無しで真っ向から受け止めた菘は、迫る圧を左腕でガードしながら歯を食いしばった。ここで押し負けてはすべてが終わる。左腕が訴える激痛を我慢して、迫る圧を耐え凌ぐ!
 ついに耐え抜いた菘は、ボロボロになった左腕を押さえながらカラッとした笑顔を浮かべた。
「いや~、さすがだなキング・ブレインよ! 左腕がボロボロになったわ! まあ妾は寛大に許すがな!」
「そなたも大したものだ! 吾輩の赤べこキャノンを真っ向から受け止めるとは、大したものである!」
「とゆーことで大首領よ! 妾の力を貸してやろう、よろしく頼む!」
「あぁ! 吾輩もそなたのような強力な配下を得られて、恐悦至極に存じ上げるぞ!」
 菘が差し出す右手を、右手でガシッと握りしめる。固い握手を交わすキング・ブレインが手を離そうとするが、菘は握りしめたまま離そうとしない。
「あ、あの、ちょっとそろそろ手を離しても良い頃合いでは……」
「フッフッフ! かかったな!」
 友好の握手を離さず持ち上げた菘は、そのままキング・ブレインを持ち上げてぶん回す。地面へどーん! 書き割りへばーん! と投げつける圧力に、キング・ブレインは慌てた声を上げた。
「わ、わわ! 何をするのであるか!」
「はーっはっはっは! お主はキマフュを統べるにはまだ早い! 握手の後でこうなるのは、キマイラフューチャーの常識よ常識!」
 いつの間にか生えた新常識を高らかに語った菘は、手を掴んだまま体勢を固定し、零距離からアーダーライトを構えた。
「な、なんであるかなその巨大な大砲は!」
「これが妾の、赤べこキャノンじゃー!」
 高らかに告げた菘は、歓喜の光をキング・ブレインへブチ込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

乱獅子・梓
【綾(f02235)と】
ホッキョクグマ的な着ぐるみ
グラサン付き

…これまでオウガ・オリジンと
あらゆる戦いを繰り広げてきたが
まさかラストバトルがこんな事になるとは思わなんだ

ええい、こいつを倒す為だ!
俺様は屈強なドラゴンをも従える大怪人
その名も怪人ドラゴニックベアー!!
俺を従える程の実力がお前にあるのか見せてもらおう!

竜達よ、俺を守れ!…いや、そんな目で見るなって!
成竜の焔&零を俺と綾の前に立たせ
本棚を受け止め守ってもらう(かばう・激痛耐性

敵が綾の策にハマった隙に焔の背に乗り接敵
UC発動、高威力のブレス攻撃を浴びせる
よくやったぞダークマターベアー!
その脳味噌ごと灰にしてくれる、キング・ブレイン!


灰神楽・綾
【梓(f25851)と】
ツキノワグマ的な着ぐるみ
赤グラサン付き

アリスラビリンスでの大きな戦いも
これがいよいよラストだね
さぁ、最後まで気を引き締めていこうか
まぁもう戦争終わっt(メタ発言

わぁ梓ってば意外とノリノリ
ええと、俺はドラゴニックベアー様のイチの子分
その名も怪人ダークマターベアーだー
某島での体験から思いついた名前
竜達に庇ってもらいその間にUC発動

ここからは俺が相手だよ
お前のような三下感溢れる猟書家
ドラベア様の手を煩わせるまでもないね
挑発し、無数のナイフを四方八方から念動力で飛ばし
時には残像で惑わせ
徹底的に敵の行動を妨害し続ける
自分に注意を引き時間稼ぎ

最後はドラベア様に決めてもらいましょう



● 着ぐるみ達の毛づくろい
 時は少しだけ遡る。
 何故こうなったのかは分からないが、キング・ブレインが大首領にふさわしいか見極めるオーディションに審査員出場することになった乱獅子・梓(白き焔は誰が為に・f25851)と灰神楽・綾(廃戦場の揚羽・f02235)は、頃合いを見てそっと長机から立ち上がった。
 準備のために会場裏手へ回り戦装束に身を包んだ梓は、鏡に映った自分の姿に思わず大きく脱力した。
 オウガ・オリジンは様々な形態を持つ。ギリギリの戦いを強いられる強敵から神経を削られるような戦いまで様々な戦場がある。
 今梓が立っているのは、紛れもなくギリギリの戦いを強いられる強敵との戦いのはず。長く続いたオリジンとの戦いのフィナーレを飾るにふさわしい、純粋な戦闘が繰り広げられる。きっと。たぶん。それなのに。
 今梓が着ているのは、ホッキョクグマ的な着ぐるみ。真っ白ふわもこで何故か肉球がぷにぷに愛らしい。茶色いチョッキの胸元にあるでっかい赤リボンがチャーミング。
「……まさかラストバトルがこんな事になるとは思わなんだ」
「似合ってるよ梓。でもリボンが曲がってる。こっち向いて」
 くつくつと笑った綾は、ツキノワグマのような黒いぽってりとしたフォルムの着ぐるみに包まれた手を伸ばした。
 器用に赤いリボンを真っ直ぐに直す綾に、梓は姿勢を正す。自分では気付かなかった赤リボンの曲がりを直されると、チャーミング度が5ポイント上がった気がした。
「おおセンキュ。……って、チャーミング度って何だよ!」
「何にも言ってないよ。でも、アリスラビリンスでの大きな戦いも、これがいよいよラストだね」
 しみじみ言いながら被り物を被る綾に、梓は大きく頷き頭部を被る。ぱっちりおめめに黒サングラスを掛けると、なんだか少しワルっぽくも見えてくる。
「そうだな。ラストバトルが着ぐるみっていうのもどうかと思うが、オリジンはオリジンだ。ここで削っていかねえとな!」
「まぁもう戦争終わっt」
「さあ行くぞ綾! 一応油断ならねぇ相手だからな! 気を引き締めて行こうぜ!」
 綾の危険な発言を遮った梓は、更衣室を飛び出すと舞台上の.キング・ブレインの前に駆け出し叫んだ。

● ダークマターの知名度ってなんだろう?
「じゃんじゃんいくぜ! エントリー№3と4! 乱獅子・梓と灰神楽・綾!」
 舞台袖に向けて手を広げる猟兵に、梓は舞台上へと駆け出した。
「もういいやけくそだ!  俺様は屈強なドラゴンをも従える大怪人、その名も怪人ドラゴニックベアー!! 俺を従える程の実力がお前にあるのか見せてもらおう!」
「わぁ梓ってば意外とノリノリ」
 キング・ブレインに向けて指をずびし! と突きつける梓に、綾はキング・ブレインに聞こえないように小さく笑みをこぼした。その笑みに何を思ったのか、キング・ブレインは地団駄を踏んだ。
「吾輩はキング・ブレインであるぞ! 頭を垂れよ怪人め! 吾輩と可愛さで張り合おうとは、言語道断! そのリボンはどこで売ってたのであるか?」
「これはキマイラフューチャーのロフ○だよ。ええと、俺はドラゴニックベアー様のイチの子分。その名も怪人ダークマターベアーだー!」
 色違いのおそろいリボンを胸につけた綾が胸を張ると、その周囲にゆらりとオーラが漂う。その姿に、キング・ブレインは目を見開いた。
「な、なんと!? 貴様の身体から湧き上がる陽炎のようなオーラは、かの有名なダークマターか! あのダークマターを纏う怪人を従えるとは、お主かなりの実力者と見た!」
「何だか分からないがその通りだ!」
「ならば相手に取って不足なし! 吾輩の実力、とくと見せてくれよう!」
 叫んだキング・ブレインは、背中の書き割りをガシッ! と掴むと梓に向けて投げつけた。

● 熊たちと竜達の競演
「竜達よ、俺を守れ!」
 梓の召喚に応じて現れた炎竜【焔(ホムラ)】と氷竜【零(レイ)】が、書き割りを受け止める。
 成竜の姿になった焔と零の背中が、書棚の圧にジリジリと下がる。愉快で色々アレだが、さすがは猟書家といったところか。二頭の竜が攻撃を凌いでいる間に詠唱を完成させた綾は、迫る書棚に無数のナイフを投げた。投擲されたJackは書き割りにヒビを入れ、大きく引き裂きただの板切れにして消える。
「なに!? 吾輩のユーベルコードを相殺しただと!?」
「ここからは俺が相手だよ」
 焔と零の前に立った綾は、下膨れでぽってりとしたフォルムの着ぐるみ姿で前面に立つと赤い丸サングラスをクイッと上げた。丸サングラスでは隠れきれない大きな丸い目がキング・ブレインをじっと見つめる。
「お前のような三下感溢れる猟書家、ドラベア様の手を煩わせるまでもないね」
「何を!? どこぞのゆるキャラの王者みたいな顔をしおって! 良かろう、まずは手下から相手になってやろう!」
 叫んだキング・ブレインが、再び書き割りを担ぎ上げると綾に向けて大きく振りかぶって投げる。剛! と音を立てて迫る書き割りはしかし、綾の残像を貫き地面に突き刺さった。
「なに!?」
「そんなものか? ならばこちらから行くぞ!」
 寿命を代償にすべての行動を成功させる綾は、赤いナイフを手にすると一斉に投擲する。迫るナイフに回避行動を取るキング・ブレインはしかし、迫る無数の紅い蝶の姿に目を見開いた。
「ナイフが蝶になるだと!?」
「キング・ブレインの実力はそんなものかい? ならばこちらから行くよ! ……ドラベア様!」
「よくやったぞダークマターベアー!」
 大きな着ぐるみの身体を引いた綾は、焔の背に騎乗し迫る梓の射線から大きくはずれる。大きく派手な行動に気を引かれていたキング・ブレインには、梓と焔が突然現れたように見えただろう。
「な! いつの間に!」
「その脳味噌ごと灰にしてくれる、キング・ブレイン!」
 叫んだ梓が、キング・ブレインに指をさす。大きく口を開いた焔は、溜めた炎のブレスをキング・ブレインに向けて放った。
 巨大な炎の塊から回避しようと動くキング・ブレインの足元へ、Jackを放って縫い付ける。行動を止めたキング・ブレインに、身の丈ほどの巨大な火球が突き刺さった。
「のぉぉぉぉぉぉっ! 紅白でめでたいではないか!」
 全身からプスプスと煙を上げたキング・ブレインが、たまらずその場に倒れ伏す。
 その背中を見下ろした梓は、焔の背中から飛び降りると焔の首筋を撫でた。
「着ぐるみ作戦がこんなに効くとは思わなかった……いや、そんな目で見るなって!」
「梓がかっこいいって」
 着ぐるみ姿で白黒の二人に、焔がキラキラした目で見つめる。楽しそうに周囲を飛ぶ焔に、綾は小さく手を振った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

相沢・友子
「我こそは、ヒュドラの女王。全ての湖を統べる古き血族にしてダークヒーロー!その名を聞きたいか?良いだろう!」

「我が名は、トライデントダークネス。赤く染め替えた湖の数、もはや数えるのをやめたのは幾星霜前からであったか」

「されど、怪人の王座は2ついらぬ。父王より授かりしは、守護近衛隊グラスラットにて、偽りの王を討とう」

(水蛇帽子と白磁の仮面で仮装)

UC守護近衛隊が山の様に折り重なって、友子を守ります。

乱反射した脳ビームは、周囲に弱く散らばって私には届かないみたいだね。

「こっちの番!行けグラスラット!父王と私の威光を示すのだ!」

群れる鼠は波と成って敵を押し流しなら硝子の前歯で、噛み付いていきます。



● フィナーレ飾るはヒュドラの女王
「このような大会など無効じゃ!」
 カオスの様相を呈してきた「第一回 キング・ブレイン様が新しい大首領としてふさわしいか見極めようぜ大会」の会場にい現れた相沢・友子(水使いの淡水人魚・f27454)は、腕を組むとゆっくりと歩み寄った。
 誰もいない客席から静かに歩み寄る。人魚の下半身を引き立てるように纏った女王としての風格を纏う黒いドレスを翻し歩く友子の姿に、キング・ブレインは思わずたじろいだ。
「な! 貴様は何を根拠にこの大会を無効だと言うのであるか!」
「我を知らぬと申すか?」
 キング・ブレインの言葉に目を光らせた友子は、手にした扇をパチンと閉じると斜め上から突きつけた。
「笑止! それでよくもまあキマイラフューチャーの大首領になるだなどと、大口を叩けたものよ!」
「そなたは何者だ!?」
 負けじと指を突きつけるキング・ブレインに、友子は婉然と微笑んだ。
「我こそは、ヒュドラの女王。全ての湖を統べる古き血族にしてダークヒーロー!」
「ヒュドラの女王!? 聞いたことがないぞ!」
「我が名を聞きたいか? 良いだろう!」
 思わずスーパー怪人大全集(全687巻)の目録をめくるキング・ブレインを制止するように、友子は笑みを浮かべると威厳を込め静かに告げた。
「我が名は、トライデントダークネス。赤く染め替えた湖の数、もはや数えるのをやめたのは幾星霜前からであったか」
「ト、トライデントダークネス!?」
「左様。我こそは真の大首領。ドン・フリーダムなど我よりその名を与えられていたに過ぎぬ小物よ」
 なんだか無いこと無いこと言う友子の迫力に押されたキング・ブレインは、気を取り直すと額に指を押し当てた。
「ブレブレブレ! ならば話は早い! お前を倒せば吾輩は名実共にキマイラフューチャーの大首領になれるというもの! 喰らえ! 脳ビームビビビ!」
 キング・ブレインの額から放たれたビームが、友子に迫る。ユーベルコードの守備近衛隊を展開させようとするが、先制攻撃の能力故に間に合わない。肩を貫かれた友子は、走る痛みを顔に出さないよう笑みを浮かべた。暴走するかしこさが脳裏をかきまぜていくが、ここまで積み上げた威厳を崩壊させる訳にはいかない。
「その程度か! 怪人の王座は2ついらぬ。父王より授かりしは、守護近衛隊グラスラットにて、偽りの王を討とう! 行けグラスラット! 父王と私の威光を示すのだ!」
 詠唱と同時に、友子の周囲に光が走る。不可視の硝子の寝ず見達は一斉にキング・ブレインへと駆け寄ると、その身体を一斉に噛み付いていく。
「わー! やめろ! 齧るでない!」
 群れる鼠は波と成って敵を押し流し、キング・ブレインを舞台裏へと連れていく。
 透明な鼠達が帰還した時、そこにキング・ブレインの姿はどこにもなかった。

 こうして、「第一回 キング・ブレイン様が新しい大首領としてふさわしいか見極めようぜ大会」は粛々と幕を閉じ、オウガ・オリジンを骸の海へ還す礎となったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月30日


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30




種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト