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迷宮災厄戦⑱-19〜悪夢は血の獣を起す〜

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #オブリビオン・フォーミュラ #オウガ・オリジン #悪夢獣

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●悪夢から生まれるモノ

「……うぅ」
 ビシャリ、まるで病人を逃がさない為に作られたかのような病院の中央にオウガ・オリジンは、自分自身から溢れる悪夢に苦しいのだろう苦悶の声を漏らす。
「クソッ!! どうして、止まらないんだ!!」
 ダン、とオウガ・オリジンは床を殴り、ボコッと音を立てながら床に拳の跡とヒビが入る。
 殴ったせいなのか、それとも悪夢が獣の形を作ったからなのだろうか、手首が落ちると鮮血は馬、狼、兎の型となって増える。
「あぁ、わたしが戦えなくとも――こいつらが、猟兵どもを喰らってくれるだろう」
 自身の溢れる悪夢と鮮血から生まれてくるモノ――悪夢獣と名付けるとオウガ・オリジンは喉で笑いながら猟兵を待つ。


●グリモアベース

「皆様、お集まりいただきありがとうございます。さて、アリスラビリンスにて“迷宮災厄戦”という大きな戦いが進む中で、とうとう“オウガ・オリジン”が姿を現しましたが、その中に眠っていた『無意識の悪夢』が“現実改変ユーベルコード”で具現化してしまいました」
 珍しく真剣な表情のロイド・テスタメント(全てを無に帰す暗殺者・f01586)は、集まった猟兵たちに告げた。
「その不思議な世界であるまるで監獄の様な暗く湿っている病院の中心に“オウガ・オリジン”が居るのですが……身体、詳しく言うと手首から血の様に噴出する悪夢に苦しんでいるそうです」
 説明を続けるロイドではあったが、転移する画面に目的地が映し出されるとそこには鮮血で塗られたかの様な延々とオウガ・オリジンから獣が生み出されてる。
「悪夢獣はそれぞれ三種、馬型、狼型、兎型となっております。それと、オウガ・オリジンは戦う事も動く事も出来ませんが、近付くだけで悪夢獣が次々と生み出されます。なので私達の目的は『悪夢獣を殺し尽くす』事です」
 ふ、と何かを思い出したかのようにロイドは、猟兵の方に振り向いた。
「そう、この世界、つまり病院は暗く瓦礫や障害物が多いので注意するか対策をしてから向かうと良いでしょう。それでは皆様、いってらっしゃいませ」


龍真 神
 オープニングに目を通して頂きありがとうございます。
 龍真 神(タツマ シン)と申します。
 よろしくお願いします。

 悪夢は吉兆の前触れ、とも言いますよね!

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 プレイングボーナス……鮮血にまみれながら、悪夢獣と戦う。
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 ★連携する場合は、相手のIDやチーム名の記載を忘れずにほぼ同時にプレイング送信して下さい。
 ※連携人数は最大でも3~4人が限度となりますのでご留意ください。
 ★プレイング受付は最大10件までとなります。
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第1章 集団戦 『『オウガ・オリジン』と悪夢のアサイラム』

POW   :    ナイトメア・パレード
【巨大な馬型悪夢獣の】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【一角獣型悪夢獣】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    悪夢の群狼
【狼型悪夢獣の群れ】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ   :    忠実なる兎は血を求む
【オウガ・オリジンに敵意】を向けた対象に、【鋭い前歯と刃の耳を持つ兎型悪夢獣】でダメージを与える。命中率が高い。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

政木・朱鞠
可愛そうに…その姿はかなり苦しい変化の状態みたいね…。
でも、貴方には幼気な魂で腹を満たした咎をキッチリと清算して貰わないとね。
だから、こちらも致命傷以外はかすり傷とまでは言わないけど、ここは無理にでも仕留めるよ。
悪夢から目覚めるためにちょっと荒療治が必要ね…お覚悟よろしくって?

戦闘【SPD】
【悪夢の群狼】の多勢に対して【妖怪】【悪鬼】【幽鬼】の超強化での戦闘面の底上げに期待して、代償のリスクはあるけど『降魔化身法』を使用して迎え撃つよ。
得物は拷問具『荊野鎖』をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使い敵の体に鎖を絡めつつ【傷口をえぐる】で絞め潰すダメージを与えたいね。

アドリブ連帯歓迎


馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友。

第四『不動なる者』まとめ役で盾役の武士
一人称:わし 二人称:貴殿 古風
対応武器:黒曜山(今回は槍)

…たまにはわしがこうして戦うのも、いいだろうて。
わしも血濡れは厭わぬからな。盾役をやる以上、そういうこともある。血濡れでの動き方も覚えがある。
それに、武士であることも、悪霊であることも間違いなく。
三人から一任された以上、無様は晒せぬ。
この悪夢を終わらせようぞ。

基本は、生命力吸収のついた二回攻撃のなぎ払い。
敵からの攻撃は武器受けをするが、受けきれない場合はオーラ防御をしようぞ。

囲まれた時に指定UCを使い、攻撃と離脱を同時に行う。



●代償とは苦痛であり、力と成る悪夢たち

 ツン、と鉄の錆びに似たニオイが濃く、赤は黒く変わってゆく粘着質な液体がピチャリ、と落ちるのは聴覚が特別に鋭くなくともピンと立った狐の耳でも聞き取れた。
「可愛そうに……その姿はかなり苦しい変化の状態みたいね……」
 ルビーの様に赤い瞳がオウガ・オリジンの姿を映すと、政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)は呟きながら目を伏せた。
「……たまにはわしがこうして戦うのも、いいだろうて」
 懐かしいニオイが馬県・義透(多重人格者の悪霊・f28057)の体に宿る第四の人格である武士『不動なる者』が自身の丈程ある槍“黒曜山”を手にすると、朱鞠よりも前に出て仁王立ちとなって気配がする方へと意識を向ける。
「フーッ……」
 巨大な馬型悪夢獣が荒々しく息を吐き、ゆっくりと蹄の音を暗闇に包まれた病院内に響かせた。
「三人から一任された以上、無様は晒せぬ。この悪夢を終わらせようぞ」
 更に無数の軽快な足音、眼前に迫る赤い眼を義透は感覚だけで攻撃を黒曜山で受け止めると、素早く薙ぎ払うと次の攻撃に備えて構えなおす。
「悪夢から目覚めるためにちょっと荒療治が必要ね……お覚悟よろしくって?」
 と、言うと朱鞠の体に【妖怪】【悪鬼】【幽鬼】の3つを宿すと、自身の身体から鮮血が噴き出して褐色の肌を艶やかに濡らしてゆく。
「ウォォォ――ン」
 狼型悪夢獣の群れが咆哮を上げ、鮮血に濡れた床や瓦礫をものともせずに本能のままに統率の取れた動きで猟兵たちを翻弄する。
 ジャララ、と鎖“荊野鎖”がヘビの様にうねりながら狼型悪夢獣を絡め取り、締め潰された狼型悪夢獣はブチッと二つに分けられると霧散して過去の海にへと帰った。
 それでも、苦悶の声と共にボタリ、とオウガ・オリジンの両腕から溢れる鮮血と共に悪夢は生まれてくる。

 無限に――

●一角と一条

 目の前の馬型悪夢と交える度に体は鮮血に濡れ、着物はべったりと肌に張り付き柄もぬるり、とした感触で普通の人ならば『気持ち悪い』と思うであろう。
 しかし、義透の第四人格である不動なる者は戦慣れしている武士だからこそ、身に沁みついたクセは時に己を助ける。
「息が苦しそうであるな。この暗闇で姿は見えずとも、その息遣いでわしには分かるぞ」
 そう不動なる者が口元を吊り上げながら言うと、一瞬だけ巨大な馬型悪夢獣の息が止まるのを聞き逃さなかった。

 一歩踏み出す――

 巨大な馬型悪夢獣が嘶き、前足を振り下ろしてきたのを二歩目で黒曜山で受け流す

 三歩進んだ時には、黒曜山を素早く二回薙ぎ払う

 巨体がコンクリートの床にドスッと重たい音を響かせながら落ちると、燃え尽きた紙が炭化したかの様に音も無く消えていった。
「……っ!?」
 気配は感じていた、しかし不動なる者が反応して間に合っているハズなのに頬を鋭い槍先の様なモノが掠めた。
「我らの怒りを――」
 義透の身体が翼の生えた虎へと変わり、病院内にいる悪夢獣の群れに向かって弱いが雷が放たれる。
 雷の光によって先程の巨大な馬型悪夢獣とは違い、額には大きく立派な一角が生えていた。
 素早く後退し、足場が悪い事を忘れていた不動なる者が足を取られつつも翼を広げて軽く浮き、運よく距離を取れた。
「いいわ。絶対に倒して、貴方には幼気な魂で腹を満たした咎をキッチリと清算して貰わないとね」
 ヒュッ、と荊野鎖で次々と襲い掛かる狼型悪夢獣の群れを締め潰しつつ、朱鞠は暗い病院内のコンクリートで出来た床に転がる瓦礫も破壊する。
「政木殿、危険な時にはわしが盾となり、守りしょうぞ!」
 声高らかに不動なる者は言うと、槍形態の黒曜山を握りしめると一角獣型悪夢獣を見上げた。
 一条の槍と一角、自然と黒曜山の柄を握る手に力が入る。
「頼りにさせてもらうわね。私は私が出来る限りの事をするわね」
 暗く、視界が悪い廃墟となった病院での戦いはまだ続く。

 オウガ・オリジンの悪夢と鮮血から生まれる獣を倒さない限り――

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

御門・結愛
一角獣メダルに選ばれた少女
一角獣との変身能力を失っている

「どんな状況でも、決して逃げない!この世界を守るために戦うのが正義の味方なのよ!」
ポーチから玉兎メダルを取り出し変身。白兎の耳と尻尾、貫頭衣を纏い、切り裂かれながらハンマーで兎たちを吹き飛ばす
「まだまだ!」
人狼メダルを取り出し、白狼の耳と尻尾、ラフな衣装に変身。拳と蹴りで狼たちを受け流し、ガントレットクローを展開して両断する
「はぁはぁ……!?」
一角獣に吹き飛ばされた後、UC発動。胸元にバイコーンメダルが浮かび変身
漆黒のドレス、二本の魔剣を装備。無感情な瞳に映る敵を滅多切りにしていく

全て終わり、鮮血に倒れた少女へ声が響く
『ふふっ♪あと少し』



●表裏の馬

「どんな状況でも、決して逃げない! この世界を守るために戦うのが正義の味方なのよ!」
 朱く汚れた一角獣型悪夢獣を御門・結愛(聖獣の姫騎士・f28538)はギリィ、と唇を噛み締めながら見据えながら声を上げる。
 腰の“メダルベルトポーチ”から“玉兎メダル”を取り出して、白き兎の長い耳と丸い尻尾を生やして身体に貫頭衣を纏う。
「ヒヒィ――ン」
 一角獣型悪夢獣が嘶くと結愛に向かって突撃する。
 それを追い越して巨大な馬型悪夢獣の巨体が目と鼻の先にまで迫るが、結愛はギュッと柄を握る両手に力を込めてフルスイングで馬面を殴り飛ばす。
「まだまだ!」
 “人狼メダル”を取り出して白き人型の狼に変身すると、結愛の耳と尻尾は狼のモノに変わり貫頭衣よりも現代的で動きやすい服装に変わった。
 息を吐かせる暇を与える事なく、両手に狼の爪の様に装着されているガントレットクローで巨大な馬型悪夢獣の巨体を切断する。
 天候を操り、鉛色の雲で覆われていた夜空に血の様に赤い、赤い月が鮮血で汚れている病院内を照らし出す。
「……う、ぁ……」
 心臓を直接掴まれたかのように苦しくなった結愛は、肩を激しく上下に動かしながらも開かれた口が求めるのは――
『任せてよ♪』
 同じ声、だがどこか妖艶な感じのが脳内に響く。
 胸が熱いと感じた結愛の掌で感じた――胸元に浮き出た“バイコーンメダル”の感触を。
「邪なる二本角の獣、我が想像の力に依りて、光を喰らい共に欲望を満たせ! 『バイコーン』!!」
 と、結愛は精一杯に声を上げると、胸元のバイコーンメダルで肉体と融合し戦闘形態に変身する。
 影から伸びる無数の闇は、すっぽりと結愛の頭から足先まで覆うと花が開花するかのように闇が割れ、漆黒のドレスへ変わり両手には二本の魔剣が握られていた。

 タンッ、軽やかに跳躍しながら舞う、お上品な社交ダンスではなく――

「――フーッ!」
 一角獣型悪夢獣の荒々しい息が響く、しかし漆黒のドレスで舞う少女は鮮血の様に赤い唇を吊り上げた。
 忌々しい、と言いたげな瞳に映る一角獣型悪夢獣の姿は、角がポロリと切り落とされた瞬間。
 一角獣型悪夢獣の身体は、原形が分からない位に切り刻まれた。
 鮮血で出来た血溜まりに結愛が赤い飛沫をまき散らしながら倒れた。

 『ふふっ♪あと少し』

 悪夢獣たちの亡骸が霧散してゆく中で、楽しそうな声が響いた――

大成功 🔵​🔵​🔵​

政木・朱鞠
さすがの多勢だね…そう簡単には攻めきれなかったか。
大怪我で体が痛いし…代償受けて物凄くヤバい状態だけど…。
物語はバッドエンドじゃ後味が悪いし、このまま世界をすり減らされる訳にはいかないもんね。
さあ、悪夢獣さん達…歪んだ思いと一緒に終幕にイカセテあげるね!

戦闘【SPD】
ワンチャンスを狙って『忍法・狐龍変化身』で真の姿を前借りしてリベンジだよ…。
得物は刑場槍をチョイスして【鎧砕き】や【鎧無視攻撃】の技能を使いつつ【傷口をえぐる】【生命力吸収】の合わせで間を置かないダメージを与えたいね。

真の姿だとしても代償の蓄積は不安だけど悩む時間が勿体ないし、今は標的との決着に集中しないとね…。

アドリブ連帯歓迎



●最後の――

「さすがの、多勢だね……そう簡単には、攻めきれなかった、か……」
 政木・朱鞠(狐龍の姫忍・f00521)が胸元を鷲掴みにすると、息絶え絶えにしながらも“『オウガ・オリジン』と悪夢のアサイラム”を院内に満たされている血と同じ色の瞳で見つめた。
「(大怪我で体が痛いし……代償受けて物凄くヤバい状態だけど……物語はバッドエンドじゃ後味が悪いし、このまま世界をすり減らされる訳にはいかないもんね)」
 自身を支えるだけがやっとの状態である両足は、少し震えているの脚に喝を入れるかの様にパシンと叩いた。
「さあ、悪夢獣さん達……歪んだ思いと一緒に終幕にイカセテあげるね!」
 スゥ、と力強く息を吸い、体の震えを止めた朱鞠がゆっくりと瞬きをすると、強い意志を込めた瞳に再び『オウガ・オリジン』と悪夢のアサイラム達の姿を映す。
「抑えし我が狐龍の力……制御拘束術第壱式にて……強制解放!」
 朱鞠は自身の体の一部を“真の姿”へと変異させた。
 ゆらり、と周囲に青い狐火が静かに燃え上がると、自身の身長と同じくらい長さがありそうな“刑場槍”を手にすると狼型悪夢獣の群れに立ち向かう。
「ガウッ!!」
「(巨大な馬型悪夢獣は倒された……でも、数で押しても“真の姿”を前借している今なら――)」
 コン、刑場槍がコンクリートの床から離れると、朱鞠は眼前に迫る狼型悪夢獣の群れへと真っ直ぐに突き出して正に団子の様に次々と刑場槍で穿つ。
 自身が先程の戦いで失った体力を取り戻すかの様に生命力を奪い、更に求めるかの様に傷口を抉る。
 びしゃり、褐色の肌や絹のような金の髪を鮮血で濡らしながら朱鞠は、代償でボロボロのハズだが守ってくれる仲間のお陰で狼型悪夢獣の群れに立ち向かえている。
「これで、最後よ……さようなら、悪夢達とオウガ・オリジン――」
 朱鞠が最後の一匹を槍で穿つと、もう手首から鮮血を出していないオウガ・オリジンは倒れて消えゆく悪夢たちを呆然と見詰めながら静かに、消えた。
 静寂に支配された病院。
 朱鞠は踵を返し、過去たちを背にしてグリモアベースへ帰還したのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年09月19日


挿絵イラスト