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不撓不屈ファーマーズ(作者 るーで
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●希望の芽吹き
 アポカリプスヘル、某所。
 ここは人類の寄る辺たる拠点(ベース)の外にある大規模農場だ。
 猟兵たちの活躍により、この世界の人類は希望を取り戻しつつある。
 その希望のひとつが、この農場だ。

「……おお」

 小さな赤い果実を手のひらに乗せて、男は頬を綻ばせる。
 いつかはこれが、より大きな実となって、誰かの腹を満たすだろう。
 少しでも食料事情の助けとなればいい、人々のその願いが実を成したのだ。

「なんだろう、あれ」

 近くで、誰かが声をあげた。
 農場で作業をしていた人々が、その声の主に倣って遠方へと目を凝らす。
 赤茶けた地平線が、黒く染まっていく。
 その正体が大量の大砂ネズミだとわかる頃には、農場を守るために備える時間も、命を守るために逃げる時間も、残されて居なかった。

●誰にも摘ませるな
「ペースト状のじゃなくて、ちゃんとした野菜が食べたい。合成じゃなくて、土で育てたやつ」

 猟兵たちを前に、エルヴィーラ・ヘンネルバリ(絶対零度のオートマタ・f24507)は語り始める。

「アポカリプスヘルで、農場が襲われる。拠点の外……安全じゃない場所だけど、人々が、農場を作り始めた。みんなが、オブリビオンを倒してくれているおかげ。だけど、ここを狙うオブリビオンもいる。拠点の外に出ている人たちは、襲われれば何もできずに、殺されるか、さらわれるだけ。ボクたちが、守るべき人々だ」

 己が使命を口にして、ほとんど表情の変わらないエルヴィーラの目元にわずかに力が入った。

「農場を襲うのは、大砂ネズミの群れ。ボクより大きなネズミが、たくさんやってくる」

 大砂ネズミは獰猛な性格のネズミ目で、何でも食べる。
 野菜や果物、動物はもちろん、人でもだ。
 それが、まるで洪水のようにやってくる。
 もし大砂ネズミたちが農場を通り過ぎれば、農場も、そこにいる人々も無くなってしまうだろう。
 事態は、深刻だ。

「それと、この大砂ネズミの群れを意図的に誘導か……もしくは脅かして移動の原因になっている大きなオブリビオンがいる。ネズミを凌いだらきっと直接出てくる。だから」

 そのオブリビオンも倒す必要がある、ということだ。

「終わったら、少し時間を取って農場で過ごそう。作業を手伝ってもいいし、野菜を貰って食べてもいいし」

 すっかり気分が食に向いたエルヴィーラであるが、一度大きく息を吐いて、仕切り直す。

「この農場は……オブリビオンストームが来たら、きっと簡単になくなる。それでも、平和な未来を掴むための、人類の大きな一歩。どうしようもないそのときまでは、失わせるわけにはいかない。どうか、守って欲しい」

 そう言うと、エルヴィーラは教本通りの敬礼をした。

「……健闘を」


るーで
●ご挨拶
 うわ~~~ねずみがいっぱい!
 あんまり強くない敵がすげー数で攻めてくるのが大好きなるーでです。
 オブリビオンは猟兵以外の人も攻撃するため、手を打たないと後味が悪くなります。

●概要
(一章)
 雑魚戦です。
 大砂ネズミの群れと戦っていただきます。
 150cmを越える巨大なネズミです。
 個々はあまり強くないどころか弱いくらいですが、数が尋常じゃなく多いです。
 対処に手間取ると囲まれて身動きが取れなくなったり、一般人のいる農場へ向かう可能性があります。
 判定時の🔴の数に応じて、猟兵本人か農場・一般人に被害が出ます。
 (身体を張れば猟兵に被害を寄せることができますが怪我等の描写が重くなります)

(二章)
 ボス戦です。
 大砂ネズミの群れを農場にけしかけた大型のオブリビオンと戦います。
 猟兵たちより、拠点の外に出ている一般人を優先して狙います。
 攻撃して破壊するのはもちろん、一般人を守ってください。
 判定時の🔴の数に応じて、猟兵本人か一般人に被害が出ます。
 (身体を張れば猟兵に被害を寄せることができますが怪我等の描写が重くなります)

(三章)
 日常です。
 農場で野菜や果物が採れます。
 このシーズンだとキュウリやカボチャが美味しいですかね。
 季節にあったもののほうが美味しいですが、違うシーズンの野菜や果物もあるものとします。
 農作業を手伝うもよし、採れた作物を食べるもよしです。
 一章・二章の戦いで一般人や農場に出た被害に応じて雰囲気が暗くなります。
 また、お呼びとあればエルヴィーラがご一緒します。
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第1章 集団戦 『大砂ネズミの群れ』

POW ●踏み荒らすネズミたち
【更に大量の大砂ネズミの群れ】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD ●突進するネズミたち
【大量の大砂ネズミの】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【もっと大量の群れ】の協力があれば威力が倍増する。
WIZ ●喰い荒らすネズミたち
戦闘中に食べた【物】の量と質に応じて【大砂ネズミたちの細胞が活性化し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
👑11 🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


メアリー・ベスレム

メアリ、お野菜は嫌いよ
どうせ食べるならお肉や甘い物の方が良いわ
ネズミ達だってきっとそうじゃないかしら?

【アリス擬き】でアリスの偽物作り出し
88㎥、って数字はよくわからないけれど
その容量が許す限りは何人でも
アリス達が餌として【誘惑】しながら
【逃げ足】活かして立ち回り、農場から引き離す
各々が持つ武器で【咄嗟の一撃】払い除けながら
必要なら実際に喰われてだってあげるから
だって、アリスは元々そういうものだもの
「美味しそう」なのはオウガ達のお墨付きよ?

メアリ自身は【目立たない】よう農場の方に
共有される気が狂ってしまいそうな痛みの波は
【狂気耐性】【激痛耐性】耐えながら
ただ来たるべき復讐の時をじっと待つ


●メアリとアリスと
「メアリ、お野菜は嫌いよ。どうせ食べるならお肉や甘い物の方が良いわ」

 ネズミ達だってきっとそうじゃないかしら、と、ひとりごちる。
 ここは農場の片隅。
 脚から臀部にかけて大きく露出した格好で歩くのは、メアリー・ベスレム(Rabid Rabbit・f24749)だ。
 際どい黒い衣装とは対照的な白い肌が、さらに人の目を引いていた。
 農場を守るための戦いを農場で行うわけにはいかない。
 にもかかわらず、メアリーがここへやってきたのは、事前に準備をするためだ。

「ちゃんと引きつけてよね」

 メアリーと同じ姿形をした人型が、ふたり現れた。
 メアリーの作り出したアリスもどきだ。
 容姿も、声も、そして血の一滴さえも、メアリーと同じ。
 それぞれ、手にした肉切り包丁をくるりと回す。

「ふたりだけ? 思ったより少ないわ」

 メアリーの能力の高さを考えればもっと多く、ネズミたちに人海戦術を仕掛けられるのではないかと思っていたが、どうやらこのユーベルコードでは一度に複製できる体積を考えるとこれくらいが限界のようだ。
 仕方ない、と息を吐いて、ネズミたちのやってくる方を指す。

「わかってると思うけど、あなたたちは"餌"よ。じゃあ……行ってらっしゃい」

 メアリーの指示を受けて、アリスふたりは大砂ネズミたちのやってくる方へ走り出した。
 農場から出て少し走れば、すぐにその大群が目に入る。
 赤茶けた荒野を埋める、黒い波。
 ネズミ、ネズミ、ネズミ。
 無数のネズミが蠢いていた。
 それも、一匹一匹が大きなイノシシほどもある。

「お腹が空いているなら、着いてきて。わたしが美味しそうなのはオウガのお墨付きよ?」

 ネズミたちの進行方向に立ち、背を向けてお尻を軽く振って見せるアリスたち。
 アリスたちの白い肌へと、大砂ネズミの赤い目が向けられる。
 囮になったふたりが走り出すと、捕食者たちもそれに釣られて走り始めた。

(ちゃんと着いてきてくれてるわね)

 アリスがちらりと後ろを見て、黒い波の一部が追いかけて来ていることを確認する。
 このまま農場から離れる方向へ走れば、人的被害が出ることはないだろう。
 アリスの逃げ足もなかなかのものだ。
 すぐに大砂ネズミに追いつかれることはない。
 だが、アリスも常にトップスピードで走ることはできない。
 休むために速度を緩めれば、アリスと大砂ネズミの距離は縮まる。

(最後の手段は、もう少し先……)

 振り向くと同時に、すぐ後ろまで追いついた大砂ネズミの頭へ、手にした肉切り包丁を叩きつけた。
 ネズミ自身の速度の乗った重い斬撃で、先頭の大砂ネズミの頭がひしゃげる。
 甲高い声を上げて絶命したネズミを蹴飛ばし、再びアリスは走り出した。

●捕食者たち
 逃げて、叩き切って、また逃げて。
 アリスたちはひたすらにそれを繰り返した。
 だが、大砂ネズミたちの数は一向に減らない。
 農場から引き離す目的は果たしたものの、アリスたちには広範囲を殲滅する術がない。

「結局、必要になっちゃったのね」

 アリスが、脚と止めた。
 未だ数え切れないほどの大砂ネズミに追われているなかで脚を止めるのが何を意味するのか、わからないアリスではない。
 まずは先頭を走っていた大砂ネズミが、アリスの身体を跳ね飛ばす。
 ネズミとはいえ、全長150cmほどもある。
 自分より軽い少女を吹き飛ばすなど、容易いことだ。
 背中に強い衝撃を受けて、アリスは自分の骨が砕ける音を聞いた。

「か、はっ……!」

 それから、地面を転がって、止まる。
 ここに来て、アリスの体中を激痛が走った。
 だが、アリスの受難はこれで終わらない。
 顔を上げると、追いついたネズミたちが赤い瞳でアリスのことを見下ろしていた。
 すんすんと鼻を鳴らし、口元を動かす。

「あ、ああ……」

 これから食べられるんだと思うと、自然と口から声が漏れた。
 覚悟はしていたが、それでも、恐怖と忌避はあった。
 大砂ネズミの歯が、遠慮なくアリスの白い肌に突き立てられる。
 まずは大きくて柔らかいお尻から。

「ぎっ、やあぁぁぁッ!?」

 ネズミの歯が皮膚を突き破り、脚で身体を押さえて強引に肉を剥がす。
 一瞬で、アリスの脳が痛覚で埋め尽くされた。
 次のネズミが、ふとももを齧る。
 たった一口で、骨が見えるほど深く抉れる。
 ああ、これは死んだ――――。
 痛みが脳の許容量を越えたのか、アリスは却って冷静になった。
 肉が、内臓が、ネズミに食われていく。
 身体の先端に至るまで、食い尽くされていく。
 その光景を見ながら、アリスは意識を失った。
 もうひとりのアリスが大砂ネズミに食い殺されるのも、ほぼ同じ頃だった。

 一方で、農場に残ったメアリーは、小さな納屋の中で強く歯を食いしばっていた。

「う、うぅ……!」

 アリスたちは精巧にメアリーの姿を模した複製品だ。
 精巧すぎるゆえか、精巧にするためか、彼女たちはメアリーと五感と思考を共有している。
 だから、大砂ネズミに食われるその瞬間、何を感じて、何を考えていたかは、すべてメアリーに伝わっていた。
 身体中が痛い。
 大砂ネズミの歯が立てられたところが、食いちぎられたところ、爪の食い込むところが痛い。
 手も脚も、胸も背中もお尻も、目も耳も、全てがたまらなく痛い。
 そして、食われて骨だけとなった自分の肢体が、メアリーの視界に浮かぶ。
 肩を抱き、膝をついて、気の狂いそうな痛みに耐える。

(必ず……必ず復讐する……っ!)

 痛みと狂気に耐性を持つメアリーが気を失うことはない。
 同時に二度、生きたまま食われるという常人ならば耐え難い苦痛を受けながら、メアリーは復讐心を募らせ続けた。
成功 🔵🔵🔴

アコニィ・リード

敵の数は膨大
進路上に拠点
これを防ぐには……数には数よ!

地形を利用し戦場の全景を把握
わたし自身が狙撃出来るポイントへ空中移動しつつ仲間を呼ぶわ
――空間鮫騎兵隊召喚! 集団戦術で指示を出す!

背中においしい毒餌をばら撒く擲弾筒を装備した巨大な鮫部隊が突撃!
鮫の動きで敵の進路を拠点じゃない方に追い込んで
毒餌を喰らわせて弱らせる罠よ
弱らせたらそのまま鮫騎兵隊に喰らい尽くてもらうわ!

わたし自身は高所の狙撃ポイントから
無ければ空中から援護狙撃よ
一匹でも多くこっちにネズミを引き寄せるわ
空中ならば直撃は避けられるだろうけど
陽動の為には地上戦も厭わない!

伊達にこの世界でドンパチやってないんだからね
さあ……次ッ!


●喰らえ鼠波、荒々しく
「敵の数は膨大。進路上には拠点!」

 農場とネズミの群れの間、小高い丘の上でアコニィ・リード(偽神暗姫・f25062)は戦況を確認する。
 このままネズミたちが進めば、間違いなく農場を襲うだろう。
 とはいえ、この大群の進行を妨げ、殲滅しなければならないのは、少数精鋭である猟兵たちにとっても骨が折れることだ。

「これを防ぐには……数には数よ!」

 指示をするようにアコニィが手を振ると、その背後から現れたのは鮫だ。
 その一匹ずつが背中に擲弾筒を装備した巨大鮫の集団――――空間鮫騎兵隊だ。
 74匹の鮫が、空を、まるで水中のように泳ぐ。

「まずは奴ら進路を変えなさい!」

 アコニィの指示に従い、鮫たちはネズミの進行先へと泳いでいった。
 ネズミたちの鼻先にたどり着いた鮫が、大口を開けて威嚇する。
 驚いた先頭の大砂ネズミは、向きを変えて走り出す。
 鮫の威嚇バリケードによって、まずは第一目標は容易に達成した。
 続いて、鮫たちは次々に擲弾筒から弾を打ち出す。
 しかし、その着弾点はネズミたちではない。
 ネズミたちの逃げ出した先に、それは落ちた。
 爆発もなく、燃えることもないそれは、肉の塊だった。
 進路上に餌を放られた空腹のネズミは、当然それに食いついた。
 最初は勢いよく食らいついたものの、次第に苦しみ、もがき出すネズミたち。
 鮫たちの擲弾筒から打ち出されたのは、毒餌だった。
 動きの弱ったネズミたちは、鮫の格好の餌食だ。
 あるネズミは鮫の鋭い牙によって上半身を噛みちぎられた。
 あるネズミは鮫の大口によって丸呑みにされた。
 獰猛な巨大鮫たちが、次々にネズミたちを喰い殺す。
 人々を餌にしていたネズミたちが、今度は鮫の餌になる。
 因果応報と言うべきだろうか。
 だが、ネズミの数は多い。
 誘導に成功した全てのネズミが鮫の餌になるわけではなかった。
 その打ち漏らしのネズミが、大回りしてまた農場の方へと向かおうとする。

「そうはさせないわ!」

 アコニィの声、そして発砲音と同時に、先頭のネズミの頭に大穴が空いた。
 いくらかのネズミが、その音の元を、空を見上げる。
 空中には、鮫をモチーフにした銃を持つアコニィがいた。
 青い髪とスカートのフリルを揺らし、空を舞う。
 アコニィという手近な”餌”を見つけたネズミたちは、我先にとアコニィへ向けて走り出した。

「来たわね……!」

 適宜射撃しながら、少しずつ下がって誘導していくアコニィ。
 空中にいるのだから、すぐにあの波に飲み込まれることはないだろう。
 だが、徐々にアコニィの足元へと群がるネズミが数が増えていく。

(さっきより、近い……!)

 空中にいるアコニィから見ても、ネズミたちが徐々に大きく見えるようになった。
 数の多すぎるネズミたちが、折り重なっているのだ。
 アコニィも迫るネズミを打ちながら徐々に高度を上げてはいるものの、ネズミたちの登る速度の方が早い。

「なんて数!」

 ついにはネズミの一匹が、アコニィの脚に手をかけた。

「――――ッ!」

 アコニィの柔らかな脚に爪が食い込み、ブーツに赤い血が滲む。
 歯を食いしばってその痛みに耐え、脚に取り付いたネズミへ至近距離から射撃を浴びせ、それからまた空へと逃げた。
 このまま上へ上へと逃げても、いつかはネズミに追いつかれるだろう。
 ならば、と、アコニィはあえて高度を下げた。
 狙うは、折り重なるネズミの塔の中ほど。
 自由落下しながら、ほどほどに細い部分に銃口を向ける。
 フルオートに切り替えて弾丸をばらまけば、全てネズミたちの身体に当たった。
 ネズミの塔を構成していた一部が剥がれ落ちると、不安定になったそれより上のネズミたちが、崩れ落ちる。
 アコニィがそれを見て再び高度を上げれば、一時的に難を逃れることができた。
 ネズミたちはそれなりに知能はあるが知性はない。
 同じように繰り返せば、ネズミたちは何度でも食らいついてくるだろう。
 一度息を整えて、傷の様子を確かめる。
 脚の傷は痛むが、出血量はそれほど多くない。
 空で戦い続ける分には支障はないだろう。
 この世界で戦っていれば、消耗戦や遅滞戦はするのもされるのも慣れたものだ。

「さあ……次ッ!」

 未だ数の減らぬネズミの群れへと、アコニィは吠えた。
成功 🔵🔵🔴

笹乃葉・きなこ
◇POW/◎

うわぁー。オラよりでけぇネズミだべなぁ。

うへへ、投げがいがあるんだべぇ♪

先ずは適当にユーベルコードで一匹捕まえて(怪力利用)
ソイツを武器代わりに振り回して(なぎ払い)お掃除お掃除だべぇ。
なるべくネズミが多い所へぐーるぐーる回しながら蹴散らしてぇなぁ

ほーらぐーるぐーる♪
あ、使えなくなったべぇ。次はおまえだべぇ♥

投げ飛ばす場合は農場からお引き取りだべぇ怪力を使って農場外か向かってくるお友達(他のネズミ)に向かってぽーいっと!

守りに移動する場合は優先するのは一般人を襲おうとした奴からだべな。
狙う優先度は一般人を襲う奴>農場を襲う奴
守る場合は絶対に人を優先、目の前で死なれるのは嫌々


●野生の理
「うわぁー。オラよりでけぇネズミだべなぁ」

 波のように押し寄せる大砂ネズミの群れを前に、笹乃葉・きなこ(キマイラの戦巫女・f03265)は感嘆の声を上げた。
 元々、通常のネズミとは比べ物にならない大きさだが、背の低いきなこと比べると余計に大きく見える。
 そのオブリビオンたちが、群れをなして押し寄せるのだ。
 きなこのように肝が座っていなければ、腰を抜かすか、後退りしていたはずである。
 だが、野生で育ったきなこにとって自身より大きな獣が現れるくらい、珍しいことではないのだろう。

「うへへ、投げがいがあるんだべぇ♪」

 むしろ前へ進み、唇をぺろりと舐めた。
 大砂ネズミの群れもきなこに気付き、まっすぐに向かってくる。
 きなこは避けることもなく、その群れが眼前に来るまで待った。

「まずは……っと」

 地を揺らすほどのネズミの波に飲まれるかと思われたきなこが、先頭のネズミの頭を鷲掴みにする。
 頭を掴まれ、自身よりも小さな人間に片手で持ち上げられたネズミが、驚いたように鳴いた。

「お掃除お掃除だべぇ」

 どっしりと構えたきなこが、大砂ネズミを武器代わりに振り回す。
 子供のような身長からは想像もできない怪力だ。
 きなこの腕力に加えて、後続のネズミの速度により衝撃は相対的に強くなる。
 ネズミ同士がぶつかると、肉が裂け、骨が砕ける鈍い音が戦場に響いた。
 振り回したネズミも、当てられたネズミも、一撃で死に絶えた。
 ネズミの死骸を掴んだままのきなこは、なおもそれを振り回す。

「ほーらぐーるぐーる♪」

 大きく円を描くようにネズミを触れば、何匹ものネズミを巻き込んで跳ね飛ばした。
 だが、十数匹もネズミへ打ち付ければ、武器にしていたネズミもボロボロになる。
 きなこの掴んでいたネズミの首がもげて、胴体がどさりと落ちた。

「あ、使えなくなったべぇ」

 ネズミの死骸を、農場とは反対側に力いっぱい放り投げるきなこ。
 砲弾のように飛んだ死骸は遠くを走っていたネズミに当たり、新たな死体を作った。

「次はおまえだべぇ♥」

 すぐに、目の前のネズミを武器にして、また振り回すのだった。
 ネズミを振り回し、投げ、また振り回す。
 何度か繰り返せば、きなこの周囲にはすっかりネズミの死骸で山ができていた。
 だが、ネズミの数は多い。
 倒しても倒しても、きりなく湧いてくる。
 体力はまだまだあるが、骨が折れるなと思っていたときである。
 人の悲鳴が、聞こえた。
 すっかり農場の近くまで、ネズミの波が進行していたのだ。

「あ、そっちへ行くんじゃねぇべ!」

 かなり獣寄りの歓声を持つきなこでも、目の前で人が死ぬのは嫌だ。
 だから、手にしていたネズミを全力で、その声のする方、ネズミの先頭へと向けて投げた。
 ただ放り投げたときより、さらに強い力で。
 流星のように飛んだネズミが、他のネズミを巻き上げて蹴散らしていく。
 一般人の方へ向かっていたネズミたちが、横から攻撃されたのだ。
 赤い瞳が、一斉にきなこに向いた。
 先程よりも多くの大砂ネズミが、折り重なるようにきなこを襲う。
 またネズミを掴んで武器にして、やってきたネズミをなぎ払った。
 だが、あまりに数が多い。
 右の敵を攻撃すれば左から、前の敵を攻撃すれば後ろから。
 きなこに肉薄したネズミが歯を立てていく。
 柔らかな褐色の肌に血が滲む。

「いてぇ! いてぇべな!」

 きなこの肉付きの良い身体は、ネズミたちからすれば良い餌だろう。
 噛み付いてきたネズミの頭を掴み、骨ごと握りつぶしかねない力で強引に引き剥がしたきなこ。
 両手で一匹ずつ掴み、竜巻のように振り回した。
 きなこへ殺到していたネズミたちが、次々に薙ぎ払われて死んでいく。
 掴んでいたネズミが使い物にならなくなる頃には、きなこへ向かってきていたネズミたちの死骸で壁ができていた。

「油断ならねぇべなぁ」

 傷はそれほど深くないが、出血は多い。
 一度傷口を手で抑えると、きなこは気を引き締めて次のネズミへと向かった。
成功 🔵🔵🔴

リカルド・マスケラス
「チャラっと参上、チャラにちは〜っす! これは大惨事っすね」
可愛い女の子達の柔肌を傷付けた罪は重いっすよ〜

「さあ、数には数っす!」
UCでたくさんの人間に擬態した炎の分身を召喚
「害獣駆除の時間っすよ〜」
分身達に武器でも握らせて炎の【属性攻撃】で攻撃
「おっと、自分らを食べてもあまり美味しくないっすよ」
食いつかれた分身は炎に戻って焼き払う。
敵が仲間の死骸を貪ってパワーアップしそうなら、【集団戦術】で連携して攻撃し、死骸ごと消し済みにする
「そんな隙は与えないっすよ」

あとは一般人に被害が及ばないよう炎や自身で【かばう】ことが出来るよう気を配っておく
「これ以上、傷付けさせないっすよ!」


●乙女のピンチとあらば
「い、いや……っ!」

 脚をもつれさせて転んだ少女が、震えて声を漏らす。
 拠点から農場へ出ていた一般人だ。
 少女の近くまで大砂ネズミたちが迫ってきている。
 もし襲われれば、瞬く間に少女は命を散らすことになるだろう。
 腰が抜けたようで動けないままの少女は、このままネズミの波に飲まれるかと思われた。
 先頭を走る大砂ネズミの頭部に、どこからともなく飛んできたダガーが突き刺さる。
 ネズミの断末魔に驚いた少女が顔をあげると、そこには炎と共に立つリカルド・マスケラス(ちょこっとチャラいお助けヒーロー・f12160)がいた。

「チャラっと参上、チャラにちは~っす!」

 少女にひらひらと手を振って笑いかけ、少女を逃がすと、リカルドは辺りを見回す。
 逃げ惑う一般人たち、それを追いかけるネズミたち、そしてネズミたちに攻撃を仕掛ける猟兵たち。
 まだ大きな被害こそ出ていないものの、農場の入り口まで戦場は広がっていた。
 危険が迫っている一般人が近くにいないことを確認すると、リカルドは攻勢に出ることにした。

「可愛い女の子達の柔肌を傷付けた罪は重いっすよ~」

 農場へ迫るネズミたちの数は、とにかく多い。
 リカルドは、藍色の髪を揺らして不敵に笑った。

「さあ、数には数っす!」

 リカルドと共に現れた炎が、人の形を取っていく。
 ほどよく鍛えられた男の姿。
 小柄で華奢な少女の姿。
 豊満な大人の女性の姿。
 皆一様に、白い狐のお面をかぶっている。
 気付けば、何人ものリカルドが各々武器を手に、ネズミたちと対峙するように立っていた。

「害獣駆除の時間っすよ~」

 リカルド本人が武器を掲げると、それに従うように炎の分身たちがネズミの大群へと飛び込んでいく。
 群れ対群れの戦いが始まった。
 ある分身は鎖鎌を放ってネズミの首を狩る。
 またある分身は、炎でネズミを焼いていく。
 大砂ネズミの個体の戦闘力は、大したことはないのだ。
 リカルドの能力をもってすれば、一撃で倒すことができた。

「なるほど、聞いていて通りっすね」

 次々とネズミたちを狩るリカルドたち。
 しかし、ネズミたちの最大の武器はその数にある。
 どれだけ斬っても、どれだけ焼いても、際限なく湧いてくる。

「これはちょっと……骨が折れるっす」

 げんなりとした表情で、未だ押し寄せるネズミの波を見た。
 それほど強い相手ではないが、終わりが見えないことがリカルドに精神的負担を与える。
 そんなときである。

「きゃあああっ!?」

 女性の悲鳴が、農場側から聞こえた。
 リカルドが声の方へと目を向けると、そこにいたのは逃げ遅れた女性だ。
 腰を抜かしており、すぐに逃げ出せないことは、見てわかった。

「させないっすよ」

 女性とネズミの間に、リカルドの分身が割って入る。
 迫りくるネズミを、炎を纏ったダガーで斬りつけて燃やした。

「大丈夫っすか? さあ、早く逃げて」

 続いて走ってきた大砂ネズミも同じように屠って、リカルドは女性へと声をかける。

「ありがとうございます……! でも、脚が……」

 転んだときに捻ったのか、女性の脚は赤く腫れていた。
 走って逃げることはできそうにない。

「……しょうがないっすね!」

 リカルドは女性を抱き上げると、この場は分身たちに任せて拠点へと向けて走り出した。
 ネズミたちの進軍を止める分身たち。
 戦闘能力の高さからこれまでほぼ無傷で戦っていたが、戦線は徐々に押されていた。
 当初、ネズミたちは猟兵よりも一般人を狙っていたが、一般人の避難が済むにつれて標的の減ったネズミたちは猟兵たちにも積極的に攻撃を仕掛け始めたからだ。
 前だけにいたネズミたちは、気付けば四方八方にいる。
 リカルドの分身たちは、お互いの死角を補うように戦うことを余儀なくされた。
 それでも、カバーしきれないことはある。
 攻撃の際に生じた小さな隙をついて、大砂ネズミがリカルドの分身のひとりへと食いついた。

「おっと、自分らを食べてもあまり美味しくないっすよ」

 強靭な前歯がその身体に食い込んだにも関わらず、分身は余裕の表情だ。
 それもそのはずである。

「人の形をしていても炎っすからね」

 分身が人の形を崩して、燃え盛る炎へと戻る。
 噛み付いていたネズミは突然獲物を失い、その身体は炎に包まれ、焼け焦げることとなった。
 他のネズミたちは突然炎に巻かれた仲間を見て、少し怯えたように後退りする。

「あれ、案外ビビりっすね」

 女性を安全な場所まで運び、戻ってきたリカルドが笑う。
 分身たちと共に、再びネズミへと攻勢をかけた。
成功 🔵🔵🔴

ヴィクティム・ウィンターミュート


別に、農場を救う義理もありゃしねえよ
多少誰か死のうが、何かを失おうが…仕事を終えられれば良い
必死こいて、正義感ぶって何もかも救おうとか、馬鹿のやることさ

じゃ、俺はなんで此処──農場を守る位置に居るかって?
そりゃあお前、どうせやるならさぁ
『完璧』に勝ちたいわけよ、分かる?
損害ゼロ、一部の隙も無いリザルト…それこそ俺の美学さ

セット、『Disarmament』
ちょろちょろ動くな、行儀よくしろよ
一匹たりとも逃がさない
強引に割って入るなら衝撃波で散らす
絶対に農場に通さないことを最優先にして、毒にナイフにクロスボウでネズミを狩り続ける

ハッ、俺の損害は"無いのと同じだ"
テメェの生命と作物の心配しとけよ


●ハートに火をつけて
 ネズミたちが苦しみ、悶える。
 ここは人類の数少ない住居たる拠点の外、その農場のはずれ。
 やけに刺激的な匂いが漂うこの場所で、ヴィクティム・ウィンターミュート(End of Winter・f01172)は近くで動けなくなったネズミの頭を、クロスボウで正確に射抜いた。
 すっかり衰弱していた大砂ネズミは、すぐに息絶えた。

(別に――――別に、農場を救う義理もありゃしねえよ)

 隣で、ほとんど動かないネズミの首をナイフで裂く。
 害獣は短い悲鳴をあげて、事切れた。
 頬に飛んだ返り血を腕で拭い、次のネズミを見定める。

(多少誰が死のうが、何を失おうが……仕事を終えられれば良い)

 ヴィクティムの目は冷たい。
 戦いでは、特にこういう世界では、人の命は軽い。
 弱ければ死ぬ、それがヴィクティムにはよくわかっている。

(必死こいて、正義感ぶって何もかも救おうとか、馬鹿のやることさ)

 誰かに守られなければ死ぬだけの人々が、ここには無数にいるのだ。

「じゃ、俺はなんで此処――――農場を守る位置に居るかって?」

 心の中の言葉の続きを、声に出してネズミに告げる。
 赤い瞳がヴィクティムを見上げるが、その言葉はわかっていないようだった。

「そりゃあお前、どうせやるならさぁ」

 構わず、ヴィクティムは続ける。
 動けないネズミの頭を踏み砕き、それからバイザーの位置を直した。

「『完璧』に勝ちたいわけよ、分かる?」

 物言わぬネズミに言い放ち、また次のネズミへ。
 ヴィクティムの毒の霧により、農場の入り口に近づいてまともに動ける大砂ネズミはいない。
 瀕死の大砂ネズミたちを一方的に蹂躙していく。
 まだ体力のあるネズミや、邪魔になったネズミの死骸を、ヴィクティムは衝撃波で吹き飛ばした。
 ヴィクティムの後ろには、農場がある。
 一般人のほとんどは避難したが、脚の遅い者や隠れていて逃げ遅れた者が、まだ見える。

「もうしばらく俺と踊ってもらうぜ」

 ネズミの死骸を蹴り上げて、足場を確保したヴィクティム。
 ここまでパーフェクトの出来だ。
 自身も含めて損害ゼロ……ノーミスクリアが見えてきた。
 そう、これはゲームと同じである。
 ヴィクティムが失敗しなければ、ハッピーエンド。
 だから、心の底から込み上げる熱に身を任せて――――。

「テメェの生命と作物の心配しとけよ」

 英雄のなりそこないは不敵に笑った。
大成功 🔵🔵🔵