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迷宮災厄戦㉕〜凍てつく国にありし王

#アリスラビリンス #戦争 #迷宮災厄戦 #猟書家 #ブックドミネーター


「みんなー、集まってくれてありがとー」
 君達にお礼を言ったレティエル・フォルクエイン(オラトリオのサウンドソルジャー・f15293)はアリスラビリンスの世界の戦争もいよいよ大詰めだよとぎゅっとこぶしを握る。
「更に何人かの猟書家さんと戦えるようになって……みんなには今回、その一人であるブックドミネーターさんと戦って欲しいんだけど」
 このブックドミネーター、グリモア猟兵の少女は猟書家としたが厳密に言うなら猟書家達の主である書架の王なのだ。
「主が他の猟書家さんより弱いとは考えにくいし、ブックドミネーターさんも他の猟書家みたいに必ず先制攻撃してくるから」
 ユーベルコードが発動するより早く繰り出される先制攻撃に対処する術を用意しておかなくては、一方的に攻撃されて負けてしまうことも考えられる。逆に言うなら、対策を用意して、これが効果を発揮できれば戦いを有利に進めることもできるやもしれないが。
「ブックドミネーターさんの攻撃方法は二つ。氷からオブリビオンを作って召喚し襲わせるのと全身を時間凍結氷結晶で覆ってパワーアップして攻撃してくるものだね」
 加えて自分以外には聞き取れない「零時間詠唱」の共感者を回復する力も持つが、こちらは直接的な攻撃ではない。
「ただ、零時間で詠唱できるなら、それで待ち時間なしの魔法を発動して攻撃してくるってこともあるから」
 こちらは攻撃と回復を同時に行うモノと考えればいいのではないだろうか。
「全く傷を負ってない段階だったら回復は無意味だから、真っ先に戦う人には向いてるかも」
 ともあれ、君達が使うであろうユーベルコードに対応する能力のユーベルコードを使ってくると思われるので、どれを使わせるかというのもおそらく君達次第となる。
「あ、忘れてたけど、ブックドミネーターさんが居るのは、絶対零度の凍結世界だよ」
 寒そうというレベルで済みそうにない戦場だが、氷からオブリビオンを作り出すブックドミネーターにとっては自身の力を十全に活かせる場所とも言える。
「かなりの強敵さんだと思うけど、レティちゃんもしっかりサポートするから、どうかよろしくね」
 ぺこりと頭を下げると、グリモア猟兵の少女はそのまま君たちを送り出すのであった。


聖山 葵
 こう解禁された猟書家が多いと目移りしますね。

 ともあれ、今回は猟書家達の主である「書架の王」と戦っていただくお話となります。

 また、このシナリオフレームには下記の特別な「プレイングボーナス」があり、これにのっとった行動をすることで、戦いに有利になります。

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 プレイングボーナス……敵の先制攻撃ユーベルコードに対処する。
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 ではご参加お待ちしておりますね。
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第1章 ボス戦 『猟書家『ブックドミネーター』』

POW   :    「……あれは使わない。素手でお相手しよう」
全身を【時間凍結氷結晶】で覆い、自身の【所有する知識】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    蒼氷復活
いま戦っている対象に有効な【オブリビオン】(形状は毎回変わる)が召喚される。使い方を理解できれば強い。
WIZ   :    時間凍結
【自分以外には聞き取れない「零時間詠唱」】を聞いて共感した対象全てを治療する。
👑11
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アリス・セカンドカラー
お任せプレ。お好きに。
汝が為したいように為すがよい。
うぇっふぇっふぇショタだぁ♪

ギャグ補正(継戦能力/限界突破/リミッター解除/結界術/化術)でカートゥーンキャラ的な耐久力&再生力を再現して耐久持久戦。神罰カウンターで零時間を略奪し結果をなかったことにする。
先制攻撃を凌げたら不可思議静寂世界を展開。静かなる安らぎの境地において零時間と永劫時間は等しく、虚無であり混乱である。
さぁ、アダムとイブになりましょうと化術神罰で女装ナーフをかけ戦闘力とオブリビオンとしての破壊の衝動を略奪。ゆっくりじっくり静かに安らげる奉仕で料理してエナジーを捕食するわ♡
さぁ、この静寂世界で何もかも忘れて私に溺れなさい♪



「来たか、『六番目の猟兵』た――」
 手にした懐中時計に視線を落としていた書を司る者は顔を上げるなりアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の魔少女・f05202)の姿を目にし。
「うぇっふぇっふぇショタだぁ♪」
 間に扉があったなら、間違いなくそっと閉じたであろう。
「私の予想を超えてくるか。まあ、いい」
 最初の挑戦者の片方が別の意味での挑戦者以外の何者にも見えない状況であることは、想定外だったのか。それでも書架の王ことブックドミネーターのすることは変わらない。零時間詠唱によって、独言の終わりには完成していた魔法がアリスを襲い。
「きゃー」
 アリスは悲鳴を上げてばったり倒れ伏す。
「こんなものか。いや、そんなはずはあるまい?」
「……まったくもう、死んじゃったかと思ったわ、悪霊だけど」
 見抜いていたのか流石にあっけなさ過ぎると訝しんだか、視線は外さずブックドミネーターが問いを投げるとギャグマンガの登場人物か何かのごとく、容姿こそあちこちに氷が張り付いていたものの殆ど何事もなかったかのようにアリスは起き上がった。
「ふ、ふふ、うぇっふぇっふぇ……次はわたしの番よね? 不可説不可説転もの数多の星辰界に具象化せし我が???よ、正しき並びを以て歪んだ喇叭の音でこの場の全てを覚ましなさい」
 答えは求めず、アリスが召喚せしは、涅槃寂静の術を操る悪魔。
「さぁ、アダムとイブになりましょう」
 響き渡る喇叭の音の下で、アリスは神罰を下す。何をもっての神罰かを知るのは、おそらく当人だけであろう。伴う化術がブックドミネーターの姿までも異性装へと変え。
「何を」
 するつもりだと続けることは出来なかった。
「この静寂世界で何もかも忘れて私に溺れなさい♪」
 アリスが覆いかぶさってきて、書架の王がある意味での窮地を脱したのは、それからしばし後。色々消耗した後でのことであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

白石・明日香
最強の本屋か。相手にとって不足はないさ!
時間が凍る氷?よくわからんが触れるのはまずそうだ。
本屋を称するだけあって知識は相当あるだろうがそれでも攻撃の挙動だけは隠しようがないんだよ。残像でかく乱しながらダッシュで接近、戦闘知識を総動員して敵の挙動を見切って回避、或いは武器受けでいなしオーラ防御、激痛耐性で耐え武器を構えて奴の飛行ルート上に立ちふさがって突っ込むのを待ち構えるか。3枚におろす感じで来るならよし、回避したり止まったりしたらこちらから突っ込んで怪力、2回攻撃、属性攻撃(炎)、鎧無視攻撃で叩き切る!
試し切りに付き合ってもらうぜ、本屋さんよぉ!



「最強の本屋か。相手にとって不足はないさ!」
 別の意味での窮地から何とか抜け出したブックドミネーターは白石・明日香(十字卿の末裔・f00254)へ億劫そうに頭を振った。
「私は書を司る者ではあるが、書を販売した覚えはない。それに、相手にとって不足ない?」
 否定の上で聞きとがめたのは明日香の言の後半。
「強者を前に自分が選ぶ側とみているとはな。……あれは使わない。素手でお相手しよう」
 鼻を鳴らした書架の王は全身を時間凍結氷結晶で覆い始め。
「あれが時間が凍る氷? よくわからんが触れるのはまずそうだ」
 ボソッと明日香が漏らしたかと思えば、一瞬にしてブックドミネーターの姿が消える。
「ふっ」
 厳密に言うなら、獲た飛翔力と圧倒的な加速をもって肉薄したのだ。繰り出された拳の一撃は明日香の身体を貫き。
「本屋を称するだけあって知識は相当あるだろうが、それでも攻撃の挙動だけは隠しようがないんだよ」
「……なるほど、しかし」
 ブックドミネーターが効いたのは、別の場所から聞こえた明日香の声。先ほど拳を当てた明日香は残像だったらしく既に影も形もなく。
「書を販売した覚えはないといった筈だ」
「っ、こんだけ早いと接近も容易じゃねぇな」
 再び急加速して書架の王が動き出せば、残像を伴い、狙いを定めさせぬようにしつつ明日香も逆に接近を試みるが、ブックドミネーターの速さを捕まえきれず。
「だったら――」
 方針を切り替えた明日香は、書架の王の進行ルート上で唐突に足を止める。
「勝負だ」
「……まぁいい。付き合ってやろう」
 当てられないなら相手からぶつかってくるようにする。知識によって明日香の狙いを察しつつも、ブックドミネーターは敢えてこれに乗り。
「ぐああああああっ」
 明日香が挑んでから衝突までは刹那の間。身を護るためのオーラが軋み、抜けた衝撃に意識を持っていかれそうになりながらも、武器は手放さず。
「試し切りに付き合ってもらうぜ、本屋さんよぉ!」
 殴りかかってきたブックドミネーターへ怪力任せに一太刀を入れ、返す刃でもう一度。三枚におろすように斬りつけると明日香はルーンソードを振りかぶる。
「虚無に還るがいい!」
「ぐあっ」
 手ごたえとともに振りぬいた一撃は、血の尾を引いて書架の王を弾き飛ばしたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

天星・零
【戦闘知識+世界知識+情報収集+追跡】をし、戦況、地形、弱点死角を把握し、敵の行動を予測し柔軟に対応

防御は【オーラ防御】で霊力の壁を作って防御

先制は上記技能を駆使しいつ使われてもいい様に把握しておき、十の死の感電死、毒死、凍死の骸などで状態異常を狙う
万が一の為【第六感】も働かせる

遠距離は十の死とグレイヴ・ロウで戦況により対応
近接はØ

『正直、僕はこの世界なんてどうでもいいんです。僕は、家族が幸せになってくれればいいので。邪魔するなら、戦いますよ。誰とでもね』

指定UCを発動し強化、回復効果のプラス効果を反転する霧を戦場全体に
零時間を使ってもダメージ、POWの効果が残っていれば弱体効果にもなる



「ぐっ、甘く見すぎていたか……」
 片膝をつきながら身を起こしたブックドミネーターを視界にいれ、天星・零(零と夢幻、真実と虚構・f02413)は軽く眉をしかめた。
「戦闘の知識と追跡の心得もあれば、もう少し色々わかったかもしれないね」
 ただ独言し立ち上がる書架の王を観察しながら零が展開するのは、霊力の壁。グリモア猟兵からの情報と視覚で収集した情報から、相手の動きはある程度予測出来ていた。
「ぐうっ、攻撃しつつ傷を癒す。現状を考えれば選択としては悪くありませんね」
 故に霊力の壁を砕かんとするほどに前動作を殆ど見せず書架の王の魔法が零を襲ったのは、想定の範囲を出ない。第六感にも救われて、とっさの反応が間に合ったことも大きいだろう。
「凌いだか。……だが」
「その街はとある夜に濃い霧に包まれて皆死んでしまったんだって……」
 更に追撃に出ようとするブックドミネーターの魔法を半分受け止める形で生えた十字架の墓石の後ろで、零は濃霧を放つ。
「しまっ」
 零の放った濃霧の効果を瞬時に察したのは、数多くの知識を有するが故にだろうか。だが、詠唱に時間をかけない零時間詠唱が仇となった。濃霧の効果に気づいた時には書架の王の魔法は完成して放たれた後であり。
「がああっ」
 自らの負った傷を癒す筈の力は反転して逆にブックドミネーターを傷つけ、そのまま眠りへと誘う。
「正直、僕はこの世界なんてどうでもいいんです。僕は、家族が幸せになってくれればいいので。邪魔するなら、戦いますよ。誰とでもね」
 だから、と傾ぐ書架の王へ骸を用いて零が追撃を行ったのは、この直後であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

黒玻璃・ミコ
※美少女形態

◆行動
辿り着きましたよ、ブックドミネーター
全てを知ったか如く語る傲慢、打ち砕いてみせます

念動力を以て私も空を飛び
積み重ねた戦闘経験と五感を研ぎ澄まして攻撃を捌き
重要な臓器はその位置をずらした上で即死だけは避けましょう
第一波を凌いだら反撃開始です

時間凍結氷結晶で全身を覆ってるのは痛いぐらい理解しました
ですが覆って居るのはその身だけであり魂まではかないませんよね?
ならば逃げ惑いながらも
この地形を凍結させる力…生命力を略奪して構築した
【黒竜の道楽】を以てその傲慢を喰らいましょう

正直なところ貴方の思惑は判りません
ですが、今を生き選び続けているのは私達なのですよ

※他猟兵との連携、アドリブ歓迎


神咲・七十
WIZ

割とかっこいい感じの相手ですね
時間と凍結を操るということはちょっと前の動きが遅くなる場所もこの方関連の場所だったでしょうか?
本当に、強そうな方ですし、真面目に戦いますか(お菓子もぐもぐ)

先制を【捕食】を付与した大剣と尻尾で受け、攻撃魔法を食べて自分のエネルギーにします。(ダメージを受けても、【激痛耐性】【継戦能力】で戦闘を続行します)
その後、UC『制約:征服者』を使い、治療の効果を阻害し【生命力吸収】【吸血】【捕食】の力を纒わせた、ショットガンで牽制しながら、近づき同じ力を纏わせた大剣と尻尾で近接戦するように戦います。


アドリブや他の人との連携はお任せします。



「辿り着きましたよ、ブックドミネーター」
 傷つき、眠らされ、追撃の痛みに目を覚まし。追い込まれつつある書架の王を、少女の形をとった黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)は瞳に映しそこに立っていた。
「割とかっこいい感じの相手ですね」
 同様にブックドミネーターを見つめたのは、お菓子を手にした、神咲・七十(まだ迷子中の狂食者・f21248)。
「時間と凍結を操るということはちょっと前の動きが遅くなる場所もこの方関連の場所だったでしょうか?」
 首を傾げて何やら考えるも、立ち上がろうとする書架の王が疑問に答えることはなく。
「……やはり、ここで畳みかけに来るか」
「当然です」
 向けられたまなざしと言葉にミコは頷き。
「全てを知ったか如く語る傲慢、打ち砕いてみせます」
「いいだろう。できるものなら――」
 ミコの宣言を聞きつつ自身の身体を再び時間凍結氷結晶で覆い始めたブックドミネーターは突然姿を消した。いや、急激な加速とともに空へ飛び立ったのだ。
「躱したか」
 ミコが念動力を用いて自身の身体を浮かべれば、先程までたっていた場所がひしゃげ、拳で地面を殴る形になった書架の王が空を仰ぐ。
「本当に、強そうな方ですし、真面目に戦いますか」
 持っていたお菓子を食べつつ七十は大剣を構え。
「ならば、これの相手でもしているがいい」
 七十を一瞥だけしたブックドミネーターが蒼氷からオブリビオンを作り出し、放つ。
「あれ? 放ってくるのって魔法じゃ」
 七十はきょとんとするも蒼氷のオブリビオンは待ってくれない。
「っ」
 放たれ一撃を受け止められたのは、大剣を構えていたから。ならばと大剣でオブリビオンを捕食しようとすれば、蒼氷の身体のあちこちから光が漏れだし。
「拙」
 生じた爆発が七十を飲み込んだ。
「く、う……」
 意識すら漂白せんがばかりの痛みと熱さに七十が耐えきったのは、元よりダメージを受けることを想定していたことと生じた爆発の威力の何割かを大剣と尾が喰らい糧としたからだ。
「敵は」
 どこに居るのかと首を巡らせれば、視界に捉えたのは空を逃げ回るミコと凄まじい速さで追いすがり、手刀でミコへと斬りかかる書架の王。
「そろそろ諦めたらどうだ?」
「なるほど」
 少女を形どるミコの片腕を斬り飛ばし問うブックドミネーターを見返しつつミコは口を開いた。
「時間凍結氷結晶で全身を覆ってるのは痛いぐらい理解しました」
 素手での攻撃によってあちこちを削られたミコからすれば、まさに身をもって知ったともいえる。
「ですが覆って居るのはその身だけであり魂まではかないませんよね?」
「それが、どう」
 どうしたとまで続けず、弾かれた様に書架の王は振り返る。
「Die Wurzel, die dem Leben beraubt」
「っ、仕損じていたか」
 七十の張ろうとしている結解の効果を知ってか知らずか。いずれにしても一人に気を取られている間にもう一人のユーベルコードの発動を止められなかったブックドミネーターの表情は苦く。
「いあいあはすたあ……拘束制御術式解放。黒き混沌より目覚めなさい、第零の竜よ!」
「当たれ」
 ミコの影から出てきたナニカが書架の王へと襲い掛かる。更に別方向からは結解を張った反動で血を流す七十が撃ったショットガンの弾が迫り。
「舐めるな、ぐおっ?!」
 銃弾は時間凍結氷結晶で覆った腕が弾くも、ミコの影から出てきたナニカは守りをすり抜け魂へ達す。
「読み違え――」
 胸を片手で押さえるようにしたブックドミネーターが次の瞬間に見たのは、自身に肉薄し大剣を振りかぶる七十の姿。
「がっ、ぐっ」
 防御も間に合わず叩き落された書架の王は凍てつく地面に二度弾むと聳える氷塊に激突するのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

卜二一・クロノ
 神のパーラーメイド×精霊術士、22歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、敵には「神(我、汝、~である、だ、~であろう、~であるか?)」です。

時間の流れを停滞させたり逆転させたりといった技を使う相手には容赦しません。
光陰の矢は、先制攻撃対応のユーベルコードです。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



「身体を休める暇も与えぬか」
 氷塊から零れ身体に乗った氷の欠片を落としつつ立ち上がった書架の王は、その瞳に卜二一・クロノ(時の守り手・f27842)の姿を認めた。
「そも、いかなる理由とて我が汝を許す言われがどこにあるのだ?」
 卜二一からすれば、時間の流れを停滞させたり逆転させる者であるという時点で容赦する必要はない。満身創痍であろうと、連戦で疲弊していようと。
「まして、汝は討つべき敵であろう?」
「違いない。ならば」
 卜二一を返り討ちにし、休む時間を作ろうとでも言うのか。もしくは相手が敵であるというだけで理由は不要なのか。時間凍結氷結晶で身体を三度覆ったブックドミネーターは凍てつく地面を蹴ると、目にもとまらぬ速さで卜二一との距離を一気に詰める。
「これで終わりとしよう」
 握り固めた書架の王の拳が卜二一へ叩きこまれ。
「ぐ」
 卜二一の身体は傾ぎ、倒れ行く。
「拍子抜けだが、まぁいい……ぐっ」
 これで些少は休む時間ができる、そう続けようとした書架の王は胸を押さえて呻いた。そこに突き立っていたのは、光陰の矢。
「これは神罰ね」
「ぐぅ、反撃型のユーベルコードか、避けもしなかったのは……これが狙」
 膝をつくブックドミネーターへ倒れたまま視線だけを向けていた卜二一の身体から次の瞬間力が抜け、戦場から強制的に転送される。
「私としたことが、相手の経験の浅さに救われたか」
 攻撃が命中したことをトリガーにするユーベルコードであるが故、先に卜二一がダメージを受けた。もしその時点でダメージを軽減できていれば、書架の王は更に窮地に追い込まれていた筈であった。
「やはり、甘く見て良い相手ではないな」
 表情を険しくしつつ、ブックドミネーターは光陰の矢が消えた場所に手を添えるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

山理・多貫
【吸血猟兵】

噂通り可愛くて美味しそうな子です、ね。
お仕事ですか、ら。これは、おしご、と。行き、ますよ、みんな。ふ、ふふ。

●戦闘
【WIZ】

仲間と連携をしながら対象を捕食し【吸血】しようとします。
ロイドのコートに身を隠しながらその隙を伺い
その隙が無ければ【UCマスプロダクション】を使用し、数の暴力。
無数の牙と胃袋で対象に対し【吸血】と【生命力吸収】により吸い尽くそうと。

回復?ふー、ん…。それ、はそれは。
――沢山吸え、てラッ、キーです、ね。
回復するより沢山飲んでしまえばいいん、でしょう?
一滴残らず、いただ、きます。

呼び方:ロイド/魅夜/クロス

アレンジアドリブ歓迎。NGなし
矛盾事項他に合わせて下さい


黒城・魅夜
【吸血猟兵で参加】
ふふ、多貫さんのおっしゃる通り
超回復してくるというのならそれだけ多く吸えるというものです
クロスさんの鎖に合わせて私も鎖を撃ち出しつつ
「早業」「見切り」「第六感」で相手の隙を見抜き牙を立て
「吸血」により「生命力を吸収」しましょう
もちろんあなたは先制で回復UCを使っているのですからすぐに回復するのでしょう
ですがこちらもまた、あなたの生命力を奪い強化されていることにお気づきですか?
そう、次の一撃はあなた自身の力を上乗せし
先ほどよりもさらに早く、激しく、強く……
あなたの存在自体を喰らいます
ふふ、存在ごと喰らわれてしまえば回復も何もあったものではありませんね


クロス・シュバルツ
【吸血猟兵】で参加
吸うとか何とかで嬉しそうな方もいますが、それは好きな方に任せる事にします

周囲の寒さは『オーラ防御』和らげて『環境耐性』を強化
序盤は『目立たない』よう程々に動きながら、敵の周囲に鎖を巡らせていく
タイミングをあわせ『フェイント』で黒剣を『投擲』そちらに注意を惹き付けて、本命の鎖を発動。『体勢を崩す』事で隙を作りUCを発動し、敵を拘束

そこのお二人は無限吸血とは言いますが……流石に延々と付き合ってはいられませんので。その術ごと封印させてもらいます

後はUCと鎖で二重に拘束。鎖に『生命力吸収』させる事で『継続ダメージ』を与える
喉を潰せば物理的に詠唱できなくなると思うが、無理はしない


ロイド・テスタメント
【吸血猟兵】

・心情
付き合わされる身にもなって欲しいですね……本当に

・戦闘
「多貫さん、とりあえず隠れて下さい」
羽織っている外套の中にいれると【暗殺】の技術を駆使して【目立たない】様にします
寒さは【氷結耐性】で耐えましょう
(さて、隠れているだけでは勝てない相手、となれば)
【罠使い】と【戦闘知識】を活かして鋼糸に【呪詛】を込めて張ります
攻撃は【第六感】と【武器受け】で避けるか、受け流す
「背後から失礼する!」
敵の先制攻撃が終わったら咎人の双剣を【先制攻撃】で【二回攻撃】で二本とも【投擲】
UCを使用しつつ
「ただの罠だと思うなよ!」
鋼糸に触れたら【生命力吸収】して、少しでも弱らせる

呼び方:名前さん付け


ヒッツェシュライア・テスタメント
【吸血猟兵】

・心情
氷か、なるほどなるほど

・戦闘
「さてさて、オレは傍観側とさせてもらおう」
【暗殺】の知識で息を殺しつつ支援に徹底だ
【無酸素詠唱】【多重詠唱】【高速詠唱】で【結界術】として皆に【オーラ防御】を施しておこう
「そういえば絶対零度の世界で氷を扱うのであったな」
【属性攻撃】で炎属性を追加して暖と氷の攻撃から多少は守れるであろう
皆が攻撃開始までは【魔力溜め】でもして温存だ
「全力で追撃してやろう」
貯めていた魔力を解放し【全力魔法】【高速詠唱】でUCを発動したら炎の【属性攻撃】を付与させて追撃開始だ
殺戮衝動なんぞ敵全てにあるからな……素晴らしい!

呼び方:君or呼び捨て
ロイド→息子
息子からは親父



「噂通り可愛くて美味しそうな子です、ね」
 それが書架の王を見た山理・多貫(吸血猟兵・f02329)の第一声だった。
(「氷か、なるほどなるほど」)
 その一方でヒッツェシュライア・テスタメント(死を恐れぬ魔術師・f16146)は周辺の様子を確認して何やら頷き。
「お仕事ですか、ら。これは、おしご、と。行き、ますよ、みんな。ふ、ふふ」
(「付き合わされる身にもなって欲しいですね……本当に」)
 無表情のまま、自分に言い聞かせるようにしてから【吸血猟兵】の仲間へ声をかける多貫へロイド・テスタメント(全てを無に帰す暗殺者・f01586)は内心で嘆息してから羽織った外套の合わせ目を綻ばせ隙間を作る。
「多貫さん、とりあえず隠れて下さい」
「さてさて、オレは傍観側とさせてもらおう」
 そうして自身の外套の内へとロイドが退避を促す一方でヒッツェシュライアは宣言すると気配を薄くし。
「そういえば絶対零度の世界で氷を扱うのであったな」
 思い出したように呟くと、仲間達へと施すオーラの護りに意識を傾けた。
(「吸うとか何とかで嬉しそうな方もいますが――」)
 クロス・シュバルツ(血と昏闇・f04034)は自前のオーラをもって極寒の環境をいくらか緩和しつつ伸縮自在の呪われた鎖を書架の王の周囲へと巡らせようと試み。
(「どこまでこちらの目論見通りに行くかはわかりませんが」)
 これに黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)も先端に鈎の付いた鎖を用いて便乗する。
(「さて、隠れているだけでは勝てない相手、となれば」)
 更にロイドも呪詛を込めた鋼糸を用いて罠を作ろうとし。
「私も甘く見られたものだな」
 ブックドミネーターが口を開いて乱打音が鳴り響いた。
「ぐっ、これ、は」
 ヒッツェシュライアが自身を含む仲間へ施したオーラの護り。それに書架の王が魔法で作り出した夥しい数の氷の礫がぶつかっているのだ。
「仲間全員を守る。発想は悪くないが、力を分散すれば効力は薄くなる」
「きゃあっ」
「ぐぅっ」
 急速に傷を癒しつつあるブックドミネーターの言葉の途中で何かの砕ける音がして悲鳴が上がり。
「感謝するぞ、『六番目の猟兵』達よ」
(「回復? ふー、ん……。それ、はそれは」)
 いくらか楽になったと書架の王は言うも、多貫はこの状況に痛痒を覚えはしなかった。
「――沢山吸え、てラッ、キーです、ね」
「ふふ、多貫さんのおっしゃる通り。超回復してくるというのならそれだけ多く吸えるというものです」
 むしろ喜ばしいとすら言うかのように発言すれば、そう魅夜も同調していたことだろう。だが、今の多貫は目立たぬよう動くロイドの外套の中。
「背後から失礼する!」
 と、ロイドが仕掛けるまでは少なくとも声を発すのははばかられたのだ。
「ただの罠だと思うなよ!」
 ロイドの反撃はオーラの護りを突破した氷礫を受け流すのに使った咎人の双剣を投げつけに留まらず、先に仕掛けかけていた鋼糸の罠を使うことでブックドミネーターの気を逸らす。
「くっ、これは――」
「ヴラディスラウス・ドラクリヤの如く、貴様ら過去を黒い槍で穿とう!」
 あわよくばそのまま生命力を吸い取らんとする罠へ書架の王の注意が向いた瞬間、無数の黒い槍を天から降らせ。
「親父」
「ああ。全力で追撃してやろう。飢えし狗どもよ、我が衝動を糧とし、我の代わりに殺戮せよ」
 息子の声に応じたヒッツェシュライアは、一片の慈悲もなく召喚した狗神をブックドミネーターへとけしかける。
「手数で押す気か」
「殺戮衝動なんぞ敵全てにあるからな……素晴らしい!」
 苦々し気に表情を歪める書架の王へヒッツェシュライアが嗜虐的な笑みを浮かべ。
「おいしそ、う」
 多貫が取り込んだ魂達に牙を生やしたものを大量に召喚するとブックドミネーターを襲わせる。
「回復する、より沢山飲んでしまえばいいん、でしょう?」
「……なるほど。つくづくこちらの予想を超えてくるな、だが」
 余裕があったなら、書架の王は多貫の口ぶりを冷めた目で見やっていたであろう。だが、集中攻撃にさらされ、そのいくつかを氷の魔法でかろうじて相殺しようとする現状ではそんな余裕はなく。苦々し気にそううまくいくと思うなと続け。
「目立たないようにしておいて何かもしれませんが、俺を忘れてもらっては困ります」
「くっ、な?」
 投じられた黒剣がかすめ、気を取られた書架の王にクロスの鎖が絡みつけば。
「最果て知れぬ悪夢の深淵から滴り落ちたのは私? あなた? ……それとも?」
「ぐうっ?!」
 前後する形で魅夜の放った鎖の群れがブックドミネーターへ喰らいつく。もはや多貫の召喚した魂だけをどうにかすればいいという話ではなく。
「一滴残らず、いただ、きます」
 数の暴力をもって多貫が書架の王のすべてを吸い尽くそうとする一方。
「ここまでされても、もちろんあなたは先ほどから癒しの力を行使していたのですから、すぐに回復するのでしょう。ですがこちらもまた、あなたの生命力を奪い強化されていることにお気づきですか?」
 問いかけつつもはや身動きをとるのもおぼつかないブックドミネーターへ魅夜も牙を突き立てる。
「そう、次の一撃はあなた自身の力を上乗せし、先ほどよりもさらに早く、激しく、強く……あなたの存在自体を喰らいます」
 吸血していなければ続けてそう語り続けていたであろう魅夜の口は塞がっているが、さしたる問題ではない。
「そこのお二人は無限吸血とは言いますが……流石に延々と付き合ってはいられませんので。その術ごと封印させてもらいます」
 ちらりと多貫と魅夜を見やったクロスは緋に染まった視線を書架の王へと向ける。
「この瞳は深淵の呪い。緋に沈め」
「あら」
 魅夜からすれば、敵が滅ぶまでほぼ無限に続くと思われたループを断ち切られる形ではある。声が若干残念そうな色を帯びても無理はなく。
「……なるほど、ここまでか」
 氷の塊のように真っ白な塊となり崩れ始める自身の手に視線を落とした書架の王はそのまま崩れ去り骸の海へと還ったのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2020年08月20日


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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト